説明

粉体の定量供給装置およびその方法

【課題】粉体の定量供給装置において、定量性が極めて高く、例え粉体の供給量が少量の場合で粉体の性状として凝集性の高い粉体においても定量性能を維持した粉体の定量供給装置を提供する。
【解決手段】回転する盤状物3または筒状物に粉体30を体積計量するために環状を呈した多条の凹部6を設け、該多条の凹部6で体積計量した粉体30を搬出ノズル9で吸引搬出した後、該粉体30を合流させてただひとつの搬送管にて連続搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体の定量供給装置に関するものである。詳しくは、本発明は粉体を高い定量性を有した状態で連続的に搬送できる装置およびその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に粉体の定量供給装置は、図8に示すように、ホッパ−51と、円盤52と、該円盤のケ−シング53と、該円盤を回転させる駆動系54と、前記ケ−シングの一部から粉体30を目的とする場所まで輸送するための導管55,搬送管56およびノズル57から構成され、前記円盤52には一定間隔で貫通孔58が複数個環状に設けてある。ホッパ−51に貯えられた粉体30は、ホッパ−の底部側でケ−シング53に設けてある穴59から円盤52に環状配備された貫通孔58に落ち充填される。駆動系54を介して円盤52は回転しており、貫通孔58に充填された粉体30は、反対側の導管55位置を通過する時主にノズル57を通る気体流に吸引され、搬送管56に落下して気体流に乗って目的とする場所まで搬送される。尚、60はモ−タ、61は伝達系である。
【0003】
ところで、上記のような粉体の定量供給装置においては、粉体30が充填される貫通孔58が円盤52に一定間隔で複数個環状に設けてあるため、導管55への落下が間欠的となるのを避けられず、粉体30が搬送管56に落下して気体流に乗って搬送される際も、導管55への間欠的な粉体30の落下の影響が残るため、供給量が少ない場合には特にこの影響が著しいという問題点がある。
【0004】
係る問題点の改良法として、特許文献1に図9に示す方法が提案されている。図9(イ)は平面図、図9(ロ)は図9(イ)のX−X縦断面図、図9(ハ)は図9(イ)のY−Y縦断面図である。
【0005】
本公報では、粉体30を目的とする部位まで任意の量を連続的に輸送する方法において、溝62を形成した平面A上に粉体30を堆積させ、該平面A上にて前記溝62の一部を被う平面Bを有するブロック63を接触摺動し、該ブロック63に固定され平面Bから溝62に向かって突出するスクレ−パ−64により、平面Bと溝62とが作る空間内に留った粉体30をすくいあげ、チュ−ブ65を介して入口66から該ブロック63の表面から内部にかけて設けた通路67および通路68を通してガスを送り込み、該ガスの流れに乗せて粉体30を通路68の出口69より目的とする部位まで配設されたチュ−ブ70を通して送ることが提案されている。尚、本公報では、溶射、焼結等の加工に際し使用する粉体を念頭に考案されている。このため、ガスとして実施例ではアルゴンガスが記載されている。本公報の提案では、凝集性の強い粉体においては高精度の定量供給が困難であるという欠点があった。
【特許文献1】特開昭61−188326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した欠点や問題点に鑑みてなされたもので、例え凝集性の強い粉体であって、供給量が少ない場合であっても、高い定量性を有する粉体の定量供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、従来法による装置では高精度の定量供給が困難である原因を検討したところ、溝62が1条であるため、粉体の種類,粒径,供給量によって粉体の供給精度に斑が生じるためであろうとの考えの下に装置を多条化したところ、従来法と比較して定量供給精度が格段に優れることを見出した。すなわち、
(1)粉体を貯槽するホッパ−部と、該ホッパ−部に貯めた粉体を体積計量する盤状物上または筒状物上に設けられた凹部と、該凹部で体積計量した粉体を気流に乗せて搬出する搬出部と、該凹部が設けられた盤状物または筒状物を回転させる駆動部から構成される粉体の定量供給装置であって、凹部が前記盤状物上または前記筒状物上に設けられた連続した多条の円環溝であり、前記搬出部の搬出ノズルで多条の円環溝から粉体を吸い上げて搬出し、該粉体をただひとつの搬送管にて連続搬送することを特徴とする粉体の定量供給装置。
(2)前記円環溝内に突出し、粉体を溝からすくいあげるスクレ−パ−を有することを特徴とする前記(1)に記載の粉体の定量供給装置。
(3)粉体を貯槽するホッパ−部と、該ホッパ−部に貯めた粉体を体積計量する盤状物上または筒状物上に設けられた凹部と、該凹部で体積計量した粉体を気流に乗せて搬出する搬出部と、該凹部が設けられた盤状物または筒状物を回転させる駆動部から構成される粉体の定量供給装置であって、凹部が前記盤状物上または前記筒状物上に設けられた不連続な多条の円環窪みであり、前記搬出部の搬出ノズルで多条の円環窪みから粉体を吸い上げて搬出し、該粉体をただひとつの搬送管にて連続搬送することを特徴とする粉体の定量供給装置。
(4)前記搬出部が、搬出ノズルの内部を負圧にするエジェクタ−部を付帯していることを特徴とする前記(1)または(3)のいずれかに記載の粉体の定量供給装置。
(5)少なくとも搬出部の周辺部を加圧する加圧機構を有することを特徴する前記(1)ないし、(3)〜(4)のいずれかに記載の粉体の定量供給装置。
(6)貯槽した粉体を、移動する凹部で体積計量し、計量後の粉体を気流に乗せて搬出する粉体の定量供給方法であって、盤状物上または筒状物上に設けられた連続した多条の凹部を一定速度で回転させ、かつ、連続した多条の凹部から粉体を吸引搬出し、該粉体をただひとつの搬送管にて連続搬送することを特徴とする粉体の定量供給方法。
(7)前記連続した凹部内に突出し、粉体を凹部からすくいあげ吸引搬出することを特徴とする前記(6)に記載の粉体の定量供給方法。
(8)貯槽した粉体を、移動する凹部で体積計量し、計量後の粉体を気流に乗せて搬出する粉体の定量供給方法であって、盤状物上または筒状物上に設けられた不連続な多条の凹部を一定速度で回転、かつ、不連続な多条の凹部から粉体を吸引搬出し、該粉体をただひとつの搬送管にて連続搬送することを特徴とする粉体の定量供給方法。
(9)前記粉体を搬出する手段として、エジェクタ−機能により搬送管の内部に負圧の気流を発生させることを特徴とする前記(6)または(8)のいずれかに記載の粉体の定量供給方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、粉体の定量供給装置において、粉体を体積計量するために回転させる凹部が多条の円環溝または多条の円環窪みとし、該凹部で体積計量した粉体を気流に乗せて搬出する搬出部の搬出ノズルが、多条の円環溝にあっては各溝毎または複数溝毎に対応させ、また多条の円環窪みにあっては各列毎または複数列毎に対応させるように配設し、前記凹部から粉体を吸い上げて搬出し、何れも搬送ノズルの下流で合流のうえ、ただひとつの搬送管にて目的とする場所まで連続搬送するようにしたので、供給量の多少に関わらず飛躍的に高い定量性能をもった定量供給機とすることができる。
特に、粒度が細かい粉体,吸湿し易い粉体,凝集性の強い粉体等には、その効果が顕著である。
【0009】
また、搬出ノズルの下流で合流させてひとつの搬送管にしているため、供給量が極めて少量で、且つ短時間毎の変動斑がない高精度な定量供給装置として最適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1、図2、図3、図4、図5、図6および図7は、本発明の一実施態様に係る粉体の定量供給装置およびその方法を示している。
【0012】
図1は、本発明に係る粉体の定量供給装置の一例を示す概略縦断面図、図2は、本発明の図1におけるZ矢視図で、盤状物に連続した多条の円環溝が設けられた一例を示す概略平面図、図3は、本発明の図1におけるZ矢視図で、盤状物に不連続な多条の円環窪みが設けられた一例を示す概略平面図、図4および図5は、本発明に係る別の態様を示す粉体の定量供給装置で、図4は筒状物に連続した多条の円環溝が設けられた態様の概略斜視図、図5は筒状物に不連続な多条の円環窪みが設けられた態様を示す概略斜視図である。尚、図6は、図5における多条の円環窪みが、貫通孔である態様を示す概略縦断面図、図7は、図5における多条の円環窪みが、球状窪みである態様を示す概略縦断面図である。
【0013】
先ず、本発明の粉体の定量供給装置の構成要素を説明する。図1において、定量供給装置1は、粉体30を貯槽するホッパ−部2と、該ホッパ−部2に貯めた粉体30を体積計量するために、円形状を呈した盤状物3に連続した多条の円環溝4または不連続な多条の円環窪み5が設けられた凹部6と、該凹部6で体積計量した粉体30を気流に乗せて該凹部6より搬出する搬出部7と、前記盤状物3を回転させるための駆動部8から構成されている。搬出部7は、粉体30を凹部6より吸引搬出するための搬出ノズル9と、該搬出ノズル9で吸引した粉体30を合流する集合部材10および該搬出ノズル9の内部を負圧にすると共に、搬出されて来た粉体30を目的とする場所まで空気搬送するエジェクタ−部11から構成され、前記搬出ノズル9の入口側には短管12が設けてある。連続した多条の円環溝4にあっては上記搬出ノズル9は、各溝毎または複数溝毎に対応して配設、不連続な多条の円環窪み5にあっては各列毎または複数列毎に対応して配設されている。尚、エジェクタ−部11には、図示を省略した圧縮空気発生機から圧力調整器を経て所望の圧縮空気Pが供給される。
【0014】
図2および図3は、本発明の図1において、定量供給装置1を上部方向から観たZ矢視図であり、図2は円形状を呈した盤状物3に連続した多条の円環溝4が設けられた一例を示し、円環溝4の芯に対しホッパ−部2の芯は多条の円環溝4上に設けた搬出ノズル9の位置と反対方向に偏芯している。また、図3は円形状を呈した盤状物3に不連続な多条の円環窪み5が設けられた一例を示し、前記図2と同様円環窪み5の芯に対しホッパ−部2の芯は多条の円環窪み5上に設けた搬出ノズル9の位置と反対方向に偏芯している。
【0015】
図4は、本発明に係る別の態様を示し、定量供給装置1は、粉体30を貯槽するホッパ−部2と、該ホッパ−部2に貯めた粉体30を体積計量するために、筒状物15に連続した多条の円環溝4が設けられた凹部6と、該凹部6で体積計量した粉体30を気流に乗せて該凹部6より搬出する搬出部7と、前記筒状物15を回転させるための駆動部8から構成され、前記筒状物15は、長手方向の両端部近傍で、該筒状物15の外周面と接触して配設された複数個の支持ロ−ラ16で支持されている。搬出部7は、粉体30を凹部6より吸引搬出するための搬出ノズル9と、該搬出ノズル9で吸引した粉体30を合流する集合部材10および該搬出ノズル9の内部を負圧にすると共に、搬出されて来た粉体30を目的とする場所まで空気搬送するエジェクタ−部11から成り、上記搬出ノズル9は、各溝毎または複数溝毎に対応して配設されている。
【0016】
また、図5は、本発明に係る別の態様を示し、定量供給装置1は、粉体30を貯槽するホッパ−部2と、該ホッパ−部2に貯めた粉体30を体積計量するために、筒状物15に不連続な多条の円環窪み5が設けられた凹部6と、該凹部6で体積計量した粉体30を気流に乗せて該凹部6より搬出する搬出部7と、前記筒状物15を回転させるための駆動部8から構成され、前記筒状物15は、長手方向の端部近傍で、該筒状物15の外周面と接触して配設された複数個の支持ロ−ラ16で支持されている。搬出部7は、粉体30を凹部6より吸引搬出するための搬出ノズル9と、該搬出ノズル9で吸引した粉体30を合流する集合部材10および該搬出ノズル9の内部を負圧にすると共に、搬出されて来た粉体30を目的とする場所まで空気搬送するエジェクタ−部11から成り、上記搬出ノズル9は、各列毎または複数列毎に対応して配設されている。
【0017】
図6は、図5における多条の円環窪み5が、貫通孔17である態様を示したもので、貯槽するホッパ−部2から回転する筒状物15に設けた多条の該貫通孔17に落下し体積計量された粉体30が、搬送ノズル9に至るまで貫通孔17から抜け落ちないようにするため、筒状物15の内部には該筒状物15の内周面と接触して固定されている粉体保持筒18が設けられている。
【0018】
また、図7は、図5における多条の円環窪み5が、球状窪み19である態様を示したもので、貯槽するホッパ−部2から回転する筒状物15に設けた多条の該球状窪み19に落下して体積計量された粉体30が、そのままの状態を保持しつつ搬送ノズル9に到達し、該搬出ノズル9で吸引された粉体30は、該粉体30を合流する集合部材10から該搬出ノズル9の内部を負圧にすると共に、搬出されて来た粉体30の搬送をつかさどるエジェクタ−部11を経て目的とする場所まで空気搬送される。
【0019】
連続した多条の円環溝4が設けられた一例として、図2は盤状物3に設けられた態様、図4は筒状物15に設けられた態様をそれぞれ示した。ここで円環溝4の形状は、U字形、半丸形、溝の底が溝の上面に比べ狭くなっている台形形等が挙げられ、何れの形状も旋盤で加工されるが、粉体30の性状、供給量、供給精度、加工コスト等を総合的に勘案して決定すべきであり、供給量が少なく且つ高い定量性を求める場合には、断面積の小さい円環溝4の多列化が好ましい。また、同一断面積ならば、幅に対し深さが浅い円環溝4の方が好ましい。
【0020】
また、不連続な多条の円環窪み5が設けられた一例として、図3は盤状物3に設けられた態様、図5は筒状物15に設けられた態様を示し、図6および図7は、図5における多条の円環窪み5が貫通孔17および球状窪み19である態様をそれぞれ示した。円環窪み5の形状は、図7に挙げた球状窪み19の他に亀の子状を呈した亀甲窪み、窪みの底が平らな格子窪み、逆四角錐を呈するピラミッド窪み等が挙げられ、一般的にミルと呼ばれる親ロ−ルを被加工物である盤状物3や筒状物15に所望の形状を転写することによって加工されるが、該円環窪み5の形状も粉体30の性状、供給量、供給精度、加工コスト等を総合的に勘案して決定すべきであり、供給量が少なく且つ高い定量性を求める場合には、窪みの形状と共に単位面積当たりの容積が小さいものが好ましい。
【0021】
また、図1乃至図7に示す本発明の定量供給装置1において、粉体30を体積計量する凹部6が設けられる盤状物3または筒状物15の材質は、粉体30への錆等の異物混入をなくす観点からも耐腐食性材料であるステンレス系が好ましい。また、その仕上げ状態は、ホッパ−部2の底面で摺り切られた粉体30が、体積計量する凹部6以外に付着しないようにするために、凹部6は勿論のこと凹部6以外の平面または外周面共、鏡面または鏡面に極めて近い状態が好ましい。また、ホッパ−部2の底面も当然のことながら鏡面または鏡面に極めて近い状態が好ましい。
【0022】
また、図1乃至図7に示す本発明の定量供給装置1において、粉体30を貯槽するホッパ−部2を形成する管材または板材の底面は、粉体30を体積計量する凹部6が設けられた回転する盤状物3の平面または回転する筒状物15の外周面と接触し、粉体30を摺り切る役目を担っているため、上記ホッパ−部2の底面と盤状物3の平面または筒状物15の外周面との接触圧力を任意に調整できることが好ましい。
【0023】
また、図1乃至図7に示す本発明の定量供給装置1において、粉体30の搬送をつかさどる集合部材10やエジェクタ−部11より下流の搬送管は、粉体30を空気等で搬送することによって粉体30に摩擦帯電が生じる。このため、前記集合部材10やエジェクタ−部11より下流の搬送管の材質は、使用する粉体30の性状によって異なるが、概ね導電性を有し、可撓性のあるものが好ましい。また、図1乃至図3に示すように、粉体30の体積計量を円形状を呈した盤状物3に設けた凹部6で行い、回転する該凹部6から粉体30を搬出する搬出ノズル9の入口側に短管12を用いた場合にも上記と同様である。
【0024】
また、不連続な多条の円環窪み5が設けられた一例として、図3は盤状物3に設けられた態様、図5は筒状物15に設けられた態様を示し、図6および図7は、図5における多条の円環窪み5が貫通孔17および球状窪み19である態様をそれぞれ示した。1ユニットの搬出ノズル9は複数列の円環窪み5を受け持ち、該搬出ノズル9の下流で複数列の円環窪み5から吸引した粉体30を合流して1本の搬送管で連続搬送するが、先ず複数列の円環窪み5から極少量づつ絶えず粉体30を吸引することが、高い定量性をキ−プするためにも重要である。従って、1ユニットの搬出ノズル9が受け持つ円環窪み5は、周方向の隣り合う該円環窪み5とはピッチの位相がずれているかまたはピッチが少し異なっていることが好ましい。例えば1ユニットの搬出ノズル9が2列受け持っている場合には、周方向の隣の列の円環窪み5は、半ピッチ位相がずれているのが好ましい。
【0025】
また、図4乃至図7は、粉体30の体積計量を筒状物15に設けた凹部6で行う本発明の別の態様である。本態様において、回転する該筒状物15の凹部6から粉体30を搬出する搬出ノズル9が、対向する該筒状物15の外周表面と僅かな距離を隔てて配設された態様を示したが、本態様に必ずしも限定されるものではなく、搬出ノズル9の入口側に短管12が設けられてあっても良い。
【0026】
また、図2は、図1におけるZ矢視図で、円形状を呈した盤状物3に連続した多条の円環溝4が設けられた一例を示し、図3は、図1におけるZ矢視図で、円形状を呈した盤状物3に不連続な多条の円環窪み5が設けられた一例を示した。図2および図3何れも反時計方向に該盤状物3を回転させる態様を示したが、本態様に必ずしも限定されるものではなく、時計方向に該盤状物3を回転させても何ら構わない。
【0027】
また、図4および図5では、筒状物15の長手方向の中心位置にある駆動部8で該筒状物15を搬出部7側へ回転する態様を示したが、本態様に必ずしも限定されるものではなく、該筒状物15の長手方向の両端部近傍で、該筒状物15の外周面と接触して配設された複数個の支持ロ−ラ16の何れか1ケ所から該筒状物15を回転させても良い。
【0028】
また、図1乃至図7に示す本発明の定量供給装置1においては、何れも搬出部7の周辺部を加圧する加圧機構を付加した態様を示さなかったが、粉体30は、搬出ノズル9の内部を負圧にすると共に、該粉体30の空気搬送をつかさどるエジェクタ−部11を経て目的とする場所まで空気搬送される。尚、エジェクタ−部11は、上記搬出部7の一構成部品であり、図示を省略した圧縮空気発生機から圧力調整器を経て所望の圧縮空気Pが供給される。この時、粉体30の空気搬送も合わせてつかさどる圧縮空気Pの圧力を下げて穏やかな状態で搬送したい場合には、搬出部7に属するエジェクタ−部11をはじめ、粉体30を凹部6より吸引搬出するための搬出ノズル9と、該搬出ノズル9で吸引した粉体30を合流する集合部材10の構成部品周りを加圧可能なように遮蔽材で外部と遮断した上、遮蔽材で被われた搬出部7に図示を省略した圧縮空気発生機から圧力調整器を経て所望の圧縮空気Pが供給され、搬出部7全体を加圧することにより、エジェクタ−部11へ供給する圧縮空気Pの圧力を下げても良い。
【0029】
また、本発明に係る図1におけるZ矢視図で、円形状を呈した盤状物3に連続した多条の円環溝4が設けられた一例を示す図2および本発明に係る別の態様として、ホッパ−部2に貯めた粉体30を体積計量するために、筒状物15に連続した多条の円環溝4が設けられた一例を示す図4において、該円環溝4に向かって突出し、粉体30を該円環溝4からすくいあげるスクレ−パ−を配設しない態様を示したが、本態様に必ずしも限定されるものではなく、粉体30の供給量が多く、1条当たりの円環溝4の溝深さを深くせざるを得ない場合や凝集性が特に強い場合等にはスクレ−パ−を配設した方が良い。スクレ−パ−の配設に際しては、円環溝4の底面との接触圧力を任意に調整できる機能を具備すると共に、スクレ−パ−に向かって回転する円環溝4とスクレ−パ−の先端角度を鈍角にすることにより、スクレ−パ−の先端が円環溝4の底面に噛み込まないようにするために重要である。
【実施例1】
【0030】
図1は、本実施例で使用した粉体の定量供給装置1で、図2に示した図1を上部方向から観たZ矢視図で、円形状の盤状物3に連続した多条の円環溝4を設けたものを使用した。
【0031】
図1に示す定量供給装置1における主要部は、粉体30を貯槽するホッパ−部2と、粉体30を体積計量するために連続した多条の円環溝4が設けられた凹部6を有する円形状の盤状物3と、該凹部6で体積計量した粉体30を気流に乗せて該凹部6より搬出する搬出部7と、前記盤状物3を回転させるための駆動部8である。また、搬出部7は、粉体30を凹部6より吸引搬出するための搬出ノズル9と、該搬出ノズル9で吸引した粉体30を合流する集合部材10および該搬出ノズル9の内部を負圧にすると共に、搬出されて来た粉体30を目的とする場所まで空気搬送するエジェクタ−部11の3部材から構成されている。尚、エジェクタ−部11には、図示を省略した圧縮空気発生機から圧力調整器を経て所望の圧縮空気Pが供給される。
【0032】
ホッパ−部2は、耐腐食性材料から配管用ステンレス鋼管の90A(外径:101.6mm,厚さ:3mm)を選定し、円形状の盤状物3と摺動する片方の端面は鏡面仕上げを施し、更に上記盤状物3への接触面圧が任意に変更でき得る機構を具備した。
【0033】
盤状物3についても耐腐食性材料であるステンレス鋼を用い、直径200mmの円形状の盤状物3に円環溝4の形状が幅、深さ共2mmで、隣り合う円環溝4までの距離を8mmとし、盤状物3と同芯で盤状物3の外周近傍から2条の円環溝4を設けたので、円形状の盤状物3に設けた円環溝4のト−タル容積は、約4.32ccとなった。また、円環溝4を形成する3面とホッパ−部2の底面およびホッパ−部2の底面に接触しつつ回転する盤状物3の平面を極めて鏡面に近い状態に仕上げた。また、ホッパ−部2と接しない盤状物3の中心位置に、該盤状物3の回転数を所望範囲内ならば任意に変更可能な駆動部8を直結固定した。
【0034】
搬出ノズル9は、2条の円環溝4がカバ−できるよう隣り合う円環溝4との中間位置で該円環溝4の上面から少し距離を隔てて配設し、該搬出ノズル9の入口側には内径3mm、外径5mmの導電性を有する短管12を設け、上記円環溝4の上面と該短管12の先端との隙間が極僅かで設定した。また、搬出ノズル9の出口側にはY字形を呈した導電性を有するチュ−ブから成る集合部材10を設けた。チュ−ブ径は集合前は内径3mm、外径5mm、集合後は内径10mm、外径12mmとし、搬出ノズル9の下流に位置するエジェクタ−部11の入口に集合後のチュ−ブ径と同一サイズの導電性を有するチュ−ブで接続した。また、エジェクタ−部11の出口から目的とする場所までの搬送チュ−ブは、前記集合後のサイズや材質が同一のものを使用した。尚、搬出ノズル9およびエジェクタ−部11は、耐腐食性材料であるステンレス鋼で加工した。
【0035】
上述したように、本実施例では搬出ノズル9、集合部材10およびエジェクタ−部11から成る搬出部7は1セット配設した。
【0036】
尚、ホッパ−部2の配設位置は、2条の円環溝4上に設けた搬出ノズル9の位置と反対方向で、該ホッパ−部2を形成する鋼管の外面が円形状の盤状物3の外周端面から外れない位置まで偏芯した。
【0037】
次に、上記実施例装置の実施条件と効果を説明する。
【0038】
使用した粉体30は、東レ株式会社製の熱可塑性樹脂から造られたもので、特性値は、平均粒径110μm、アッパ−カット210μm、真比重1.31、嵩比重0.5、ガラス転移点温度が70℃付近である。尚、嵩比重とは、粉体30の粒子間の気体空間を含めた比重量である。
【0039】
先ず、2条の円環溝4が設けられた円形状の盤状物3の回転数を駆動部8で所望の6rpmに設定の上、前記粉体30をホッパ−部2の上面近くまで投入後、搬出部7の一構成部材であるエジェクタ−部11へ図示を省略した圧縮空気発生機から圧力調整器で0.1MPaに調整した圧縮空気Pを毎分100Lの流量で供給して上記搬出部7を構成する搬出ノズル9、集合部材10およびエジェクタ−部11の内部を負圧にして運転の準備を完了した。しかる後に駆動部8を稼働して盤状物3を回転させると、ホッパ−部2に貯められた粉体30が該ホッパ−部2の底面に接触しつつ回転する盤状物3に摺り切られ、粉体30が体積計量された状態で円環溝4に堆積し、回転する盤状物3によってホッパ−部2から搬出ノズル9が配設されている位置へと運搬されて行く。回転する円環溝4に堆積した粉体30が搬出ノズル9入口に設けた短管12を通過する間に吸引され、搬出ノズル9から集合部材10およびエジェクタ−部11を経て目的とする場所まで空気搬送した。
【0040】
尚、本実施例装置における定量供給精度の測定に際しては、ホッパ−部2に粉体30を投入した定量供給装置1を電子計算機に繋いだ電子天秤に載置の上、前記条件で駆動部8を稼働して盤状物3を回転し、30分間に渡って3sec毎の減量デ−タ−を電子計算機に取り込んだ。ホッパ−部2に貯めた粉体30は盤状物3の回転に伴い徐々に粉面の高さが下がっていったが、電子計算機にデ−タ−を取り込み中は粉体30を追加投入しなかった。
【0041】
測定中、搬出ノズル9入口に設けた短管12を通過後の円環溝4には、吸引洩れで付着した粉体30は観られなかった。また、ホッパ−部2の底面に接触しつつ回転する盤状物3の平面には、殆ど粉体30が付着することはなかった。
【0042】
測定結果は、経過時間に関係なく供給量が一定で、目標とした1分間当たりの供給量17g、即ち供給量の平均値に対し変動量は±1.7%と極めて小さく、高い定量性が得られた。
【実施例2】
【0043】
図3に示した図1を上部方向から観たZ矢視図で、円形状の盤状物3に不連続な多条の円環窪み5が設けられた定量供給装置1を用い、粉体30の供給量が実施例1とほぼ同じになるように盤状物3の回転数を増加した以外は、全て実施例1と同一条件とした。
【0044】
尚、円環窪み5を施す円形状の盤状物3の大きさ、材質共、実施例1と同じものを使用した。
【0045】
円環窪み5は、窪み形状がカップ状で、ひとつのカップの大きさが盤状物3の平面上で直径2mm、盤状物3の平面上から最深部まで0.6mm、カップ1個の容積が約1.0×10−3cc、ピッチ約3mmで、円形状の盤状物3と同芯で盤状物3の外周近傍から2条の円環窪み5を設け、径方向の隣り合う円環窪み5との距離を8mm、周方向の隣り合う円環窪み5とは半ピッチ位相をずらし、絶えず粉体30を吸引できるようにした。尚、円形状の盤状物3に設けた円環窪み5のト−タル容積は、0.380ccであった。
【0046】
また、円環窪み5を形成する球状面およびホッパ−部2の底面に接触しつつ回転する盤状物3の平面を極めて鏡面に近い状態に仕上げた。
【0047】
本実施例装置における定量供給精度の測定は、実施例1と同様に30分間に渡って3sec毎の減量デ−タ−を電子計算機に取り込むこととし、粉体30の供給量が実施例1とほぼ同じになるように盤状物3の回転数を68rpmに増加した。
【0048】
盤状物3の回転数を実施例1に比べほぼ11倍アップしたが、測定を行っている間、搬出ノズル9入口に設けた短管12を通過後の円環窪み5には、実施例1と同様に吸引洩れで付着した粉体30は観られなかった。また、ホッパ−部2の底面に接触しつつ回転する盤状物3の平面には、実施例1に比べ極僅か粉体30の付着量増加が観られた。
【0049】
測定結果は、実施例1と同様に供給量はほぼ安定し、供給量の平均値に対し変動量は約±2.3%と実施例1に比べ少し変動量が増加したが、まだ依然として高い定量性が維持できた。
【実施例3】
【0050】
図4に示した筒状物15に連続した多条の円環溝4が設けられた実施例1とは異なる定量供給装置1を使用した。本実施例装置は、円環溝4の数および搬出部7の数が実施例1に比べ2倍になったので、粉体30の供給量が実施例1とほぼ同じになるように筒状物15の回転数を減らした以外は、全て実施例1と同一条件とした。
【0051】
筒状物15は、耐腐食性材料から配管用ステンレス鋼管の150A(外径:165.2mm,厚さ:3.4mm)を選定した。該筒状物15の長手中心から左右対称で、円環溝4の形状が幅、深さ共2mmで、隣り合う円環溝4までの距離を8mmとして4条の円環溝4を筒状物15の外周面に設けた上、円環溝4を形成する3面およびホッパ−部2の底面に接触しつつ回転する筒状物15の外周面を極めて鏡面に近い状態に仕上げた。
【0052】
また、筒状物15は、長手方向の両端部近傍で該筒状物15の外周面と接触し配設された各3個から成る支持ロ−ラ16で支持し、該筒状物15の長手方向の一端に、該筒状物15の回転数を所望範囲内ならば任意に変更可能な駆動部8を直結固定した。
【0053】
ホッパ−部2についても耐腐食性材料であるステンレス鋼を用いた。ホッパ−部2は、前記筒状物15の外周面に設けた4条から成る円環溝4の長手ト−タル幅よりも長辺が長い矩形を呈し、回転する筒状物15の外周面と接触する幅方向の両板材は、筒状物15の外径の1/2の長さをもった円弧とし、四辺の板材を溶接で構成した。また、筒状物15の外周面と摺動する下部側の端面は鏡面仕上げを施し、更に筒状物15への接触面圧が任意に変更でき得る機構を具備した。
【0054】
搬出ノズル9は、2条の円環溝4がカバ−できるよう隣り合う円環溝4との中間位置で該円環溝4の上面から少し距離を隔てて2個配設し、該搬出ノズル9の入口側には内径3mm、外径5mmの導電性を有する短管12を設け、上記筒状物15の外周面に設けた円環溝4の周面と該短管12の先端との隙間が極僅かで設定した。
【0055】
本実施例では搬出ノズル9、集合部材10およびエジェクタ−部11から成る搬出部7は2セット配設した。
【0056】
本実施例装置における定量供給精度の測定は、実施例1と同様に、ホッパ−部2に粉体30を投入した定量供給装置1を電子計算機に繋いだ電子天秤に載置の上、30分間に渡って3sec毎の減量デ−タ−を電子計算機に取り込むこととし、粉体30の供給量が実施例1とほぼ同じになるように筒状物15の回転数を3rpmに設定した。ホッパ−部2に貯めた粉体30は筒状物15の回転に伴い徐々に粉面の高さが下がっていったが、電子計算機にデ−タ−を取り込み中は粉体30を追加投入しなかった。
【0057】
測定中、搬出ノズル9入り口に設けた短管12を通過後の何れの円環溝4にも、吸引洩れで付着した粉体30は観られなかった。また、ホッパ−部2の下部側の端面に接触しつつ回転する筒状物15の外周面には、実施例1と同様に殆ど粉体30が付着することはなかった。
【0058】
測定結果は、実施例1と同様に供給量が安定し、供給量の平均値に対し変動量は約±1.8%前後となり、実施例1と同レベルの高い定量性が得られた。
【実施例4】
【0059】
図5に示した筒状物15に不連続な多条の円環窪み5が設けられた実施例1とは異なる定量供給装置1を使用した。本実施例装置は、実施例1に比べ搬出部7の数が2倍、凹部6である円環窪み5のト−タル容積が約1/6に減少なったので、粉体30の供給量が実施例1とほぼ同じになるように筒状物15の回転数を増加した以外は、全て実施例1と同一条件とした。
【0060】
筒状物15は、耐腐食性材料から配管用ステンレス鋼管の150A(外径:165.2mm,厚さ:3.4mm)を選定した。該筒状物15の外周面に設けた円環窪み5は図7に示した球状窪み19で、ひとつの球状窪み19の大きさが筒状物15の外周面上で直径2mm、筒状物15の外周面上から最深部まで0.6mm、球状窪み19の1個の容積が約1.0×10−3cc、ピッチ約3mmとした。円環窪み5は筒状物15の長手中心から左右対称で4条設け、長手方向の隣り合う円環窪み5との距離を8mm、周方向の隣り合う円環窪み5とは半ピッチ位相をずらし、絶えず粉体30を吸引できるようにした。尚、筒状物15に設けた円環窪み5のト−タル容積は、0.730ccであった。
【0061】
また、円環窪み5を形成する球状面およびホッパ−部2の底面に接触しつつ回転する筒状物15の外周面を極めて鏡面に近い状態に仕上げた。
【0062】
ホッパ−部2については、使用材料、外形形状、仕上げ状態、機能等が全て実施例3と同じものを使用の上、実施例3と同一条件で配設した。
【0063】
また、搬出ノズル9についても、配設状態、配設数等が全て実施例3と同じものを使用の上、実施例3と同一条件で配設した。
【0064】
本実施例装置における定量供給精度の測定も実施例1と同様に30分間に渡って3sec毎の減量デ−タ−を電子計算機に取り込むこととし、粉体30の供給量が実施例1とほぼ同じになるように筒状物15の回転数を35rpmに設定した。
【0065】
筒状物15の回転数を実施例1に比べ6倍弱増加したが、測定を行っている間、搬出ノズル9入口に設けた短管12を通過後の何れの円環窪み5にも、吸引洩れで付着した粉体30は観られなかった。また、ホッパ−部2の底面に接触しつつ回転する筒状物15の外周面に付した粉体30の量は、実施例1とほぼ同レベルであった。
【0066】
測定結果は、実施例1と同様に供給量が安定し、供給量の平均値に対し変動量は約±2.0%前後となり、実施例1と同レベルの高い定量性が得られた。
【実施例5】
【0067】
実施例1で使用した、円形状の盤状物3に連続した2条の円環溝4を設けた粉体の定量供給装置1を用い、実施例1に比べ盤状物3の回転数を1/3に減らした以外は、全て実施例1と同一条件とした。
【0068】
本実施例では、盤状物3の回転数を2rpmに設定し、1分間当たりの供給量を概ね6gに減少させて、供給量が極めて少ない場合の供給精度を調べた。
【0069】
供給精度測定時は、実施例1と同様に30分間に渡って3sec毎の減量デ−タ−を電子計算機に取り込んだ。
【0070】
粉体30の供給量を極端に減少した場合の測定結果は、供給量の平均値に対する変動量が±2.0%前後となり、少量の供給下でも高い定量性が得られた。また、本実施例では、盤状物3の回転数が低速なので、勿論測定を行っている間、搬出ノズル9入口に設けた短管12を通過後の円環溝4に、粉体30が付着残留することもなかったし、ホッパ−部2の底面に接触しつつ回転する盤状物3の平面に付着することもなかった。
(比較例1)
実施例1で使用した、円形状の盤状物3に連続した2条の円環溝4を設けた粉体の定量供給装置1を用い、そのうちの1条に対応する搬送ノズル9と、該搬送ノズル9の出口からエジェクタ−部11の入口までを1本のチュ−ブで繋いだ上、粉体30の供給量が実施例1と同一になるように盤状物3の回転数を12rpmとした以外は、全て実施例1と同一条件とした。
【0071】
円環溝4に堆積した粉体30が搬送ノズル9で吸引される状況は、堆積した粉体30が崩壊するタイミングや崩壊の仕方が絶えず刻々と変化するため、円環溝4が単条であると、定量性の阻害要因となる上記変化を平準化することは不可能である。
【0072】
予想した通り、測定結果は、供給量の平均値に対し変動量は概ね±4.0%から±7.0%となり、格段に定量性が低下した。
【0073】
尚、測定中、搬出ノズル9入口に設けた短管12を通過後の円環溝4には、吸引洩れで付着した粉体30や、ホッパ−部2の底面に接触しつつ回転する盤状物3の平面に粉体30が付着することはなかった。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、熱可塑性樹脂から成る粉体に限らず、溶射、焼結等の加工に際し使用する粉体等にも応用できるが、その応用範囲が、これらに限られるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明に係る粉体の定量供給装置の概略縦断面図である。
【図2】本発明の図1におけるZ矢視図で、盤状物に連続した多条の円環溝が設けられた実施例を示す。
【図3】本発明の図1におけるZ矢視図で、盤状物に不連続な多条の円環窪みが設けられた他の実施例を示す。
【図4】本発明に係る別の態様を示す粉体の定量供給装置の概略斜視図で、筒状物に連続した多条の円環溝が設けられた態様を示す。
【図5】本発明に係る別の態様を示す粉体の定量供給装置の概略斜視図で、筒状物に不連続な多条の円環窪みが設けられた態様を示す。
【図6】図5における多条の円環窪みが、貫通孔である態様を示す概略縦断面図である。
【図7】図5における多条の円環窪みが、球状窪みである態様を示す概略縦断面図である。
【図8】従来の粉体の定量供給装置を示す概略縦断面図である。
【図9】図9(イ)は従来の粉体の定量供給装置の他の態様を示す平面図で、図9(ロ)は図9(イ)におけるX−X縦断面図、図9(ハ)は図9(イ)におけるY−Y縦断面図を示す。
【符号の説明】
【0076】
1 定量供給装置
2 ホッパ−部
3 盤状物
4 円環溝
5 円環窪み
6 凹部
7 搬出部
8 駆動部
9 搬出ノズル
10 集合部材
11 エジェクタ−部
12 短管
15 筒状物
16 支持ロ−ラ
17 貫通孔
18 粉体保持筒
19 球状窪み
30 粉体
51 ホッパ−
52 円盤
53 ケ−シング
54 駆動系
55 導管
56 搬送管
57 ノズル
58 貫通孔
59 穴
60 モ−タ
61 伝達系
62 溝
63 ブロック
64 スクレ−パ−
65 チュ−ブ
66 入口
67 通路
68 通路
69 出口
70 チュ−ブ
P 圧縮空気

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体を貯槽するホッパ−部と、該ホッパ−部に貯めた粉体を体積計量する盤状物上または筒状物上に設けられた凹部と、該凹部で体積計量した粉体を気流に乗せて搬出する搬出部と、該凹部が設けられた盤状物または筒状物を回転させる駆動部から構成される粉体の定量供給装置であって、凹部が前記盤状物上または前記筒状物上に設けられた連続した多条の円環溝であり、前記搬出部の搬出ノズルで多条の円環溝から粉体を吸い上げて搬出し、該粉体をただひとつの搬送管にて連続搬送することを特徴とする粉体の定量供給装置。
【請求項2】
前記円環溝内に突出し、粉体を溝からすくいあげるスクレ−パ−を有することを特徴とする請求項1に記載の粉体の定量供給装置。
【請求項3】
粉体を貯槽するホッパ−部と、該ホッパ−部に貯めた粉体を体積計量する盤状物上または筒状物上に設けられた凹部と、該凹部で体積計量した粉体を気流に乗せて搬出する搬出部と、該凹部が設けられた盤状物または筒状物を回転させる駆動部から構成される粉体の定量供給装置であって、凹部が前記盤状物上または前記筒状物上に設けられた不連続な多条の円環窪みであり、前記搬出部の搬出ノズルで多条の円環窪みから粉体を吸い上げて搬出し、該粉体をただひとつの搬送管にて連続搬送することを特徴とする粉体の定量供給装置。
【請求項4】
前記搬出部が、搬出ノズルの内部を負圧にするエジェクタ−部を付帯していることを特徴とする請求項1または請求項3のいずれかに記載の粉体の定量供給装置。
【請求項5】
少なくとも搬出部の周辺部を加圧する加圧機構を有することを特徴する請求項1ないし、請求項3〜4のいずれかに記載の粉体の定量供給装置。
【請求項6】
貯槽した粉体を、移動する凹部で体積計量し、計量後の粉体を気流に乗せて搬出する粉体の定量供給方法であって、盤状物上または筒状物上に設けられた連続した多条の凹部を一定速度で回転させ、かつ、連続した多条の凹部から粉体を吸引搬出し、該粉体をただひとつの搬送管にて連続搬送することを特徴とする粉体の定量供給方法。
【請求項7】
前記連続した凹部内に突出し、粉体を凹部からすくいあげ吸引搬出することを特徴とする請求項6に記載の粉体の定量供給方法。
【請求項8】
貯槽した粉体を、移動する凹部で体積計量し、計量後の粉体を気流に乗せて搬出する粉体の定量供給方法であって、盤状物上または筒状物上に設けられた不連続な多条の凹部を一定速度で回転、かつ、不連続な多条の凹部から粉体を吸引搬出し、該粉体をただひとつの搬送管にて連続搬送することを特徴とする粉体の定量供給方法。
【請求項9】
前記粉体を搬出する手段として、エジェクタ−機能により搬送管の内部に負圧の気流を発生させることを特徴とする請求項6または請求項8のいずれかに記載の粉体の定量供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−256711(P2006−256711A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−72671(P2005−72671)
【出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】