説明

粉塵捕捉装置および投写型画像表示装置

【課題】フィルター量を増やしたり、装置を大きくすることなく、埃の多い環境でも、フィルターの交換回数を少なくすることができる粉塵捕捉装置および投写型画像表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】第1のフィルター巻き取り軸131aで静電フィルター130を所定量巻き上げた後、再び所定量だけ第2のフィルター巻き取り軸131bで巻き戻すように制御する。可動ブラシ138と接触部139とが設けられた搬送部140は、接触部139と静電フィルター130との摩擦により、静電フィルター130の動作に合わせて可動し、巻き戻す際に、固定壁154により搬送部140は移動を停止されるが、静電フィルター130はさらに移動を続けるため、フィルター上の埃は可動ブラシ138により落とされ、ブラシ内に取り込まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は静電フィルターを用いた粉塵捕捉装置、および粉塵捕捉装置を有する投写型画像表示装置に関し、詳しくは、静電フィルターを自動的に更新、清掃する機能を備えた粉塵捕捉装置、および投写型画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プロジェクタなどの投写型画像表示装置は、ランプなどの光源からの強力光を液晶パネルやDMD(デジタルミラーデバイス)などの画像表示素子に集光し、この光を入力した画像信号にあわせて変調し、この画像表示素子上の画像を拡大投写して大画面を得るものである。
【0003】
ここで、強力な光にさらされる画像表示素子、光源自身、装置電源等は発熱が大きく、適切な冷却がなされないと熱的に破壊されてしまうおそれがある。このため、投写型画像表示装置は、ファンにより吸気口から外気を装置内に導入し、装置内を冷却する構成を取っているのが一般的である。
【0004】
しかしながら、外気を導入する際に一緒に粉塵を装置外部から導いてしまい、それが画像表示素子やプリズムなどの光学部品、光源周辺に付着することで、明るさ低下や色むらの発生源になっている。
【0005】
このため、吸気口に外気中の粉塵を捕捉するためのフィルターを配置しているが、主流のウレタンフィルターの場合、数百時間毎でのフィルター洗浄が必要であり、また、より小さな粉塵を集塵可能な静電フィルターの場合は洗浄が出来ないことから、数百時間毎に新品交換を求められている。
【0006】
しかしながら、投写型画像装置の多くは天吊り用途で、高所であるなど簡単にフィルター交換が出来る設置状態ではないこともあり、常に適切な状態に有るとは言えない。
【0007】
また、ウレタンフィルターは、物理的に小さな開口に粉塵を引っかけて侵入を抑えるが、10μmを下回る大きさの粉塵を防ぐことは出来ない。よって黄砂やたばこの粒子などの侵入を阻止できない。
【0008】
一方、静電フィルターは、開口は大きく圧力損失を抑えながらも、粉塵は静電気で捕集するので小さな埃まで捕捉できる。
【0009】
上記のような状況から、例えば、特許文献1では類似の課題に対して以下のような構造の提案がされている。
【0010】
これに依れば、オゾン脱臭装置の静電フィルターを帯状に長く形成して2つの回転ローラに巻き取り自在に張設し、静電フィルターが巻かれた方の回転ローラから、もう一方の回転ローラに、駆動モーターにより、静電フィルターを脱臭運転時間に応じて自動的に巻き取っている。
【0011】
このように、巻き取り式の静電フィルターを使用し、かつ運転時間に応じて巻き取ることで、フィルターの交換回数を減らすことができる。
【特許文献1】特開平5−49830号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記特許文献1の構成をプロジェクタに応用すれば、同様に、フィルター交換時間を延ばすことが出来ると考えられるが、静電フィルター自身は捕捉能力を残していても、多量の粉塵が付着すると静電気による効果が得られなくなり、粉塵は捕捉されず装置内に侵入してしまう。
【0013】
このため、埃の多い環境では、フィルターの収納スペースを大きくしない限り、短期間での静電フィルターの交換が必要になる。
【0014】
しかしながら、フィルターの収納スペースを大きくすれば投写型画像装置自身も大きくなり、また、フィルターの使用量も多くなり、昨今の省スペース化、省資源化に逆行する。
【0015】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、フィルター量を増やしたり、装置自身を大きくすることなく、埃の多い環境でも、フィルターの交換回数を少なくすることができる粉塵捕捉装置および投写型画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために本発明にかかる粉塵除去装置は、ロール状のフィルターと、前記フィルターの両端に配置される第1と第2のフィルター巻き取り軸と、前記第1と第2のフィルター巻き取り軸間に設けられ、前記フィルターと接触するように設けられたブラシと、前記第1と第2のフィルター巻き取り軸により、前記フィルターを巻き上げ巻き戻し可能な送り機構と、前記送り機構を制御する送り制御部とを備え、前記送り制御部は、前記第1のフィルター巻き取り軸で前記フィルターを第1の所定量巻き上げた後、再び第2の所定量だけ前記第2のフィルター巻き取り軸で巻き戻すように前記送り機構を制御することを特徴として構成される。
【0017】
また、少なくとも前記フィルターと、前記第1と第2のフィルター巻き取り軸と、前記ブラシとを収納するとともに、前記第1と第2のフィルター巻き取り軸間に前記フィルター面と対向する開口部を有する小型筐体を備えたことを特徴として構成される。
【0018】
ここで、前記フィルターが巻き上げられる際の送り量をLa、巻き戻しの際の送り量をLbとしたときに、以下のような関係が成り立つことを特徴として構成できる。
【0019】
La≧Lb
また、前記フィルターが巻き上げられる際の送り量をLa、前記フィルターの送り方向における前記小型筐体の開口部長さをLcとすると以下のような関係が成り立つことを特徴として構成できる。
【0020】
La≧Lc
また、前記ブラシは、前記小型筐体の開口部の前記第1のフィルター巻き取り軸側端から、前記第1のフィルター巻き取り軸間に配置されていることを特徴として構成されている。
【0021】
また、前記ブラシは、前記フィルターの走行方向と同方向に直線状に配置されて構成できる、または、前記ブラシは、前記フィルターの走行方向と直交する方向に回転軸を備えた軸上に備えられていることを特徴としている。
【0022】
また、前記ブラシは、前記フィルターの走行方向と逆方向に回転することを特徴とすることで埃除去効果向上を狙う。
【0023】
あるいは、前記ブラシは、移動可能な第1のブラシと固定された第2のブラシとからなり、前記第1のブラシは前記フィルターの移動に伴って移動し、前記第2のブラシの先端部と接触するように構成されたことを特徴とする。
【0024】
また、前記第1のブラシは、前記第2のフィルター巻き取り軸で前記フィルターを巻き戻す間に移動が停止されて、前記フィルターの表面に付着した塵埃を取り込むことを特徴とする構成も可能である。
【0025】
また、前記第1のブラシは、前記第1のフィルター巻き取り軸で前記フィルターを巻き上げる際に前記フィルターの移動に伴って移動し、一旦前記第2のブラシ位置を通過し、次の前記第2のフィルター巻き取り軸で前記フィルターを巻き戻す際に前記フィルターの移動に伴って移動し、前記第2のブラシと接触し、取り込んだ塵埃を除去することを特徴とする。
【0026】
また、前記第1のブラシと第2のブラシは、起毛が倒れたマジックブラシであることを特徴とする。
【0027】
また、前記小型筐体は、前記フィルターの収納位置と隔壁で分離された粉塵収納部を備えたことを特徴とする。
【0028】
また、前記ブラシと粉塵収納部との間に隔壁が設けられていることを特徴とする。
【0029】
また、前記粉塵収納部には仕切が複数設けられており、粉塵が一方向に堆積しないように配置されていることを特徴とする。
【0030】
また、前記粉塵収納部に設けられた複数の仕切は前記ブラシの回転軸方向と直交する方向に設けられることを特徴とする。
【0031】
また、回転小型筐体の回転粉塵収納部に開閉可能な粉塵排出口が設けられたことを特徴とする。
【0032】
また、前記塵埃捕捉フィルターは静電フィルターであることを特徴とする。
【0033】
また、静電フィルターは帯電繊維面と網面からなり、ブラシが接触する面は前記網面になるように構成されていることを特徴とする。
【0034】
少なくとも吸気口、排気口を有する筐体と、空気を吸入または排出する送風部と、光源部と、画像形成部と、投写光学系と、電源部とからなり、上記粉塵捕捉装置が備えられていることを特徴として投写型画像表示装置を構成できる。
【0035】
また、前記粉塵捕捉装置を投写型画像表示装置本体から着脱可能にしたことを特徴とする。
【0036】
また、投写型画像表示装置の吸気口と前記粉塵捕捉装置の前記小型筐体の開口部の大きさが略等しいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、静電フィルターで微小な粉塵まで除去可能な上、長時間の使用でもフィルターは常に自動更新、清掃されて良好な状態に有ることから、維持管理に手間をかけることなく長時間粉塵除去性能を維持可能とすることができる。
【0038】
特に天吊りなど高所への設置が多い投写型画像表示装置では、維持費をかけずに高画質を提供可能に出来る。
【0039】
同時に、フィルター容量を増やすことなく収納性にも優れているので、小型化や機種展開にも対応が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明の最良の実施の形態について、図1〜図10を用いて説明する。
【0041】
(実施の形態1)
本発明の第1の実施の形態による投写型画像表示装置の全体平面構成図を図1に示す。本発明は光学構成についての提案ではなく、光学構成については一般的なものであるので、以下に簡単に述べる。
【0042】
図において、光源101から出射された光は、反射鏡102により前方に出射せしめられ、光学ユニット103に入射する。
【0043】
光学ユニット103への入射光は、ダイクロイックミラー104、105、全反射ミラー106、107、108を経て、赤、緑、青の色光に分離された後、入射側偏光板109R、109G、109B、液晶パネル110R、110G、110B、出射側偏光板111R、111G、111Bによって、図にはない外部からの入力信号によって強度変調せしめられる。
【0044】
これらの光は、ダイクロイック反射膜112R、112Bを備えた合成プリズム113で一光路上に合成され、投写レンズ114に入射する。
【0045】
この投写レンズ114は、液晶パネル110R、110G、110B上の画像を装置前方に配置されたスクリーン(図示せず)に拡大投写可能に設計、設置されている。
【0046】
この画像表示は、黒表示のためには光源101からの光を入射側偏光板109R、109G、109B、出射側偏光板111R、111G、111Bで吸収する必要があり、このため、これらの偏光板は高温を発することになる。
【0047】
一方で、これらの偏光板は主に有機材料からなっているので、適切な温度にまで冷却しないと変質し、制御できない画像となり、投写型画像表示装置が使用不能に陥る。
【0048】
装置内には、この他に発光時1000度にもなる光源101の管球や、周辺の機構部品、光源の点灯や画像表示のための電源116も、自己発熱が大きく、これらの信頼性を確保するためには冷却手段が必要となる。
【0049】
本実施の形態に於いては、送風部である吸気ファン117によって、筐体118の側面に設けられた吸気口119、粉塵捕捉部120を経て外気(比較的温度の低い空気)をセット内に導く。
【0050】
吸気ファン117で吸入された空気は、ファン吹き出し口に密着して配置されている光学ユニットダクト121に導かれる。
【0051】
光学ユニットダクト121は、入射側偏光板109R、109G、109B、液晶パネル110R、110G、110B、出射側偏光板111R、111G、111Bの下部に相当する位置に、開口122R、122G、122Bを備えている。
【0052】
これらの開口122R、122G、122Bから吹き出された空気は、入射側偏光板109R、109G、109B、液晶パネル110R、110G、110B、出射側偏光板111R、111G、111B等の熱を奪った後、排気ファン123によって排出される過程で、光源101や、その周辺の機構部品、電源116の熱をも奪う。
【0053】
排気ファン123に至った空気は、筐体118の側面に設けられた排気口124を経て、装置外に排出される。
【0054】
このように、外気導入による冷却を行うため、外気と共に外部の粉塵を吸入してしまい、その粉塵が液晶パネル周辺や光源部に付着し、輝度の早期低下を起こす、あるいは投写像に色むらが生じるなどの不具合をなくすため、吸気口119から吸気ファン117に至るまでの間に粉塵捕捉部120を設けていた。
【0055】
また、投写レンズ114も完全に筐体118内に収容し、光透過部には窓部材125が筐体に隙なく貼られ、吸気口119と粉塵捕捉部120の間、粉塵捕捉部120と吸気ファン117を覆う吸気ダクト126の間、排気口124と排気ファン123との間には空気を通さない緩衝材127、128、129が設けられて、他の隙間から粉塵が入り込まない筐体構造とし、必ず粉塵捕捉部120を経て吸入されるように空気を制御可能にしている。
【0056】
以下に図2を用いて粉塵捕捉部120の構造について説明する。
【0057】
粉塵捕捉部120は、粉塵捕捉フィルター部と、フィルター清掃部と、フィルター送り機構とフィルター送り量検出手段を含む送り機構制御部とから構成されている。
【0058】
粉塵捕捉フィルター部は、ロール形態の静電フィルター130と、静電フィルター両端に配置されるフィルター巻き取り軸131a、131bと、これらの部品を収納し、フィルター送り機構との連結部を備える小型筐体132とから構成される。
【0059】
小型筐体132は、フィルター巻き取り軸131a、131b間において、筐体吸気口119とほぼ同じ大きさで、筐体吸気口119からの空気を流入せしめるための開口部133を有している。
【0060】
そして、2つのフィルター巻き取り軸131a、131bの間には、静電フィルター130をガイドする中継回転軸134a、134b、走行量モニター軸135が配置されている。
【0061】
フィルター清掃部は、粉塵捕捉フィルター部と空間を仕切り、粉塵収納部144を形成する隔壁136と、隔壁136の一部に取り付けられた固定ブラシ137と、固定ブラシ137に対向する可動ブラシ138とから構成される。
【0062】
可動ブラシ138は、図3の外観斜視図にあるように、静電フィルター130と安定した摩擦を得るための接触部139を備えた搬送部140上に設けられており、搬送部140は、静電フィルター130との摩擦により、静電フィルター130の動作に合わせて可動に設けられている。
【0063】
フィルター送り機構は、フィルター巻き取り軸131a、131bと、駆動部との連結部と、モーターを含む駆動部とから構成されている。
【0064】
図4はフィルター送り機構を示す概略構成図である。
【0065】
図4にあるように、フィルター巻き取り軸131a、131bの端部には、凹部141a、141bが設けられており、この凹部141a、141bには、連結部142a、142bが挿入され連結されている。
【0066】
この連結部142a、142bにより、静電フィルター130が収納された小型筐体132を装置本体に対して着脱可能にすることができる。
【0067】
連結部142a、142bには、軸143a、143bを介してギヤ145a、145bが固定されている。
【0068】
このギヤ145a、145bは小型ギヤ146a、146bを介してステッピングモーターユニット147a、147bにそれぞれ接続されている。このステッピングモーターユニット147a、147bには、図にはないクラッチが内蔵されており、モーター通電時はギヤトレインはロックされ有効になるが、モーター通電時外ではギヤトレインが切断され、フィルター巻き取り軸側が外部力により回転自由となる。また、これらは図にはない駆動回路によって制御されている。
【0069】
フィルター送り量検出手段は、図2にあるように、走行量モニター軸135上を走行する静電フィルター130が密着するように押圧バネ149を備えており、静電フィルター130が巻き上げられた際には、静電フィルター130の移動に合わせて走行量モニター軸135が回転する。
【0070】
この構成に依れば、静電フィルター130を巻き上げて行く内に、巻き取り軸131bに巻かれているフィルターの巻径が変わった場合、一定量フィルターを送るのにかかる時間は大きく変わるが、走行量モニター軸135の回転は、常にフィルター送り量に合わせた回転数となっている。
【0071】
これを生かして図4に有るように、小型筐体132の底部から突出した走行量モニター軸135の端には回転検出反射パターン150が設けられており、対向する位置にフォトセンサーであるパターン検出センサー151が、装置本体壁152に固定して構成されている。
【0072】
これによって、静電フィルター130の送り量をパターン検出センサー151のパターン検出出力によって把握することが出来る。
【0073】
この出力読み取りと、ステッピングモーターユニット147aと、制御回路に備えられたタイマーを連動させることで、常に静電フィルター130の送り量を適切な状態に管理することが可能となる。
【0074】
静電フィルターは、初期は高い集塵性能を備え、通気量も比較的多いが、粉塵が多く付着すると急激に通気性が悪くなり圧力損失が大きくなり、冷却性能が落ちるという課題があった。
【0075】
また、静電フィルター自身は吸着能力を残していても、粉塵が多く付着することによって、静電気による吸着効果が弱まるという課題があった。
【0076】
本実施の形態に依れば、長時間使用の際にも適切な制御を行うことで、自動的に高い集塵性能を実現することが出来る。以下その動作原理を述べる。
【0077】
本体に対して着脱可能に設計された粉塵捕捉部120の小型筐体132を、投写型画像表示装置本体の吸気口119に装着した状態で、投写型画像表示装置を動作せしめる。
【0078】
投写型画像表示装置の使用を続けると、冷却のための外気と共に周囲の粉塵が吸引され、吸気口119から流入し、小型筐体132の開口部133を経て、粉塵捕捉フィルター部の静電フィルター130に捉えられる。
【0079】
そして、長期間の使用により粉塵が堆積すると、通気を妨げるので、本実施の形態では、一定時間ごとに、制御回路に設けられたタイマーにより、ステッピングモーターユニット147aを動作せしめ、これにより、小型ギヤ146a、ギヤ145aが回動される。
【0080】
そして、連結部142aが挿入された凹部141aを介して、フィルター巻き取り軸131aが図2の矢印方向に回動せしめられる。
【0081】
一端をフィルター巻き取り軸131aに固定された静電フィルター130は、巻き取られることになり、中継回転軸134a、134b、走行量モニター軸135を経て、フィルター巻き取り軸131bを回転させ、静電フィルター130がフィルター巻き取り軸131aから引き出される。
【0082】
この一連の動作により、開口部133と対向する位置にあった静電フィルター130の埃が吸着され堆積した部分は送られて、静電フィルター130の未使用の部分が開口部133の対向する位置に配置される。
【0083】
このとき、静電フィルター130に接触している接触部139を備えた搬送部140は、図2において右方向に移動する。同時に、搬送部140に備えられた可動ブラシ138も同じ方向に移動することになる。
【0084】
ここからは、図5のフィルター清掃部の動作説明図を用いて説明する。
【0085】
図5(a)にあるように、可動ブラシ138は、静電フィルター130の移動に伴い、右方向に移動し、隔壁136に設けられた固定ブラシ137に接触する。
【0086】
その後、図5(b)にあるように、固定ブラシ137上を行き過ぎる位置に至った時点で押し戻しバネ153によって制動される。
【0087】
一方、静電フィルター130の送り量に合わせた走行量モニター軸135の回転数を読みとるパターン検出センサー151の出力によって、制御回路は、少なくとも可動ブラシ138が押し戻しバネ153に接触し、かつ、開口部133に覗く静電フィルター130の面がすべて新しい面に切り替わっている状態で、ステッピングモーターユニット147aを止めて、ステッピングモーターユニット147bを駆動する。
【0088】
ステッピングモーターユニット147bにより、小型ギヤ146b、ギヤ145bが回動し、連結部142bが挿入された凹部141bを介して、フィルター巻き取り軸131bが図2の矢印方向に回動せしめられる。
【0089】
一端をフィルター巻き取り軸131bに固定された静電フィルター130は、巻き戻されることになり、走行量モニター軸135、中継回転軸134a、134bを経て、フィルター巻き取り軸131aを回転させ、静電フィルター130を引き戻す。
【0090】
ちなみに、このとき、フィルター巻き取り軸131aに連携する軸143aを介しギヤ145a,小型ギヤ146aも回動する。これはステッピングモーターユニット147aでギヤトレインは切断されていることで可能になる。
【0091】
この動作により、巻き戻される静電フィルター130に接触する接触部139を備えた搬送部140に備えられた可動ブラシ138は、図5(c)にあるように、左方向に移動し、隔壁136に設けられた固定ブラシ137に接触することで、ブラシ上の埃を落としながら、図2の位置まで戻る。
【0092】
この状態で固定壁154により搬送部140は移動を停止させられるが、静電フィルター130はさらに移動を続けるため、静電フィルター130上の埃は可動ブラシ138により落とされ、隔壁136によって粉塵捕捉フィルター部と仕切られた粉塵収納部144内に取り込まれることで埃が除去される。
【0093】
これにより静電フィルター130の通気性を改善する事ができ、また、静電気による吸着効果も回復するため、再び同じ箇所を使用することができる。
【0094】
ここで、可動ブラシ138は斜めに植毛されたマジックブラシであり、その植毛の方向は、静電フィルター130の巻き戻し方向(図2における左方向)に逆行する方向であることが望ましい。
【0095】
このとき静電フィルター130の巻き上げ量と巻き戻し量は、両者が等しい場合でも構成可能であるが、再使用するフィルターの集塵性能はより劣化することから、フィルターが巻き上げられる際の送り量をLa、巻き戻しの際の送り量をLbとしたとき、以下の関係にあることが望ましい。
【0096】
La≧Lb
また、フィルターが巻き上げられる際の送り量Laは、フィルターの送り方向における小型筐体の開口部長さLcに対しても、以下のような関係にあることが望ましい。
【0097】
La≧Lc
走行量モニター軸135は、静電フィルター130の動きを確実に感知する必要があることから押圧バネ149を設けることが望ましい。
【0098】
また、走行量モニター軸135は、必ずしもこの位置ではなくても構成可能であり、中継回転軸134aや中継回転軸134bに置き換えることも可能である。
【0099】
また、搬送部140の接触部139は、図にあるようなものに限らず、摩擦を有する材料であれば良い。ただし、静電フィルター130が図2の位置に戻った後に、接触部139がスリップすることになるので、このとき静電フィルター130を痛めない材料であることが望ましい。
【0100】
また、フィルター送り機構も、ここで記載した構成に縛られるものではなく、モーターの種類は言うまでもなく、後に示すように、モーターを1つにして、駆動系を切り替えるようにしても構成できる。
【0101】
走行量モニター軸135の回転検出手段として、フォトセンサーを用いたが、一般的な接触式のスイッチを用いることも、非接触式のホール素子のようなものに置き換えることも可能であることは言うまでもない。
【0102】
また、静電フィルター130を送る時期をタイマーで決めていたが、フィルターを通過する風量を検知するように風量センサーを設けて、風量センサーの出力によってフィルターの目詰まり具合を検知し、制御することも可能である。
【0103】
また、本実施の形態では、粉塵を捕捉するフィルターとして静電フィルターを例に挙げたが、静電フィルターは比較的高価なことから、巻き取り可能なフィルター材料、例えば、繊維間に開口がある布の様なものでも応用可能である。ただし集塵性は静電フィルターに比べて劣ってしまうことは言うまでもない。
【0104】
隔壁136で仕切られることで形成される粉塵収納部144には、図5の紙面と平行な方向に複数の小型隔壁が設けられて、粉塵収納部144を複数の小部屋に仕切ることも有効である。これによれば、装置の姿勢差によって粉塵の溜まる方向が一方向となり、粉塵の堆積で搬送部140の動作に影響を与えにくくする事で、有効に粉塵収納部144を使用することができる。
【0105】
また、静電フィルター130は帯電繊維面と網面からなり、ブラシが接触する面(図5での上方向)は、網面になる様配置されている。このようにすることで、ブラシとの摩擦によるフィルター表面の劣化を最小限に抑えることができる。
【0106】
(実施の形態2)
本発明の第2の実施の形態による投写型画像表示装置の全体平面構成図を図6に示す。本実施の形態では、光学構成等については、第1の実施の形態とほぼ同様であり、同じ箇所については同一の番号を付し、説明を省略する。
【0107】
実施の形態1と異なるところは、粉塵捕捉部120が粉塵捕捉部200に変った点である。
【0108】
以下に図7を用いて、粉塵捕捉部200の構造について説明する。
【0109】
図において、粉塵捕捉部200は、粉塵捕捉フィルター部と、フィルター清掃部と、フィルター送り機構とフィルター送り量検出手段を含む送り機構制御部とから構成される。
【0110】
粉塵捕捉フィルター部は、ロール形態の静電フィルター130と、静電フィルター両端に配置されるフィルター巻き取り軸131a、131bと、これらの部品を収納し、フィルター送り機構との連結部を備える小型筐体201とから構成される。
【0111】
小型筐体201は、フィルター巻き取り軸131a、131b間において、筐体吸気口119とほぼ同じ大きさで、筐体吸気口119からの空気を流入せしめるための開口部202を有している。
【0112】
そして、2つのフィルター巻き取り軸131a、131bの間には、静電フィルター130をガイドする中継回転軸134a、134b、走行量モニター軸135が配置されている。
【0113】
フィルター清掃部は、粉塵捕捉フィルター部と空間を仕切る隔壁203a、203bと、フィルター巻き取り軸131aに連動して回転可能に設けられた回転ブラシ204と、この回転ブラシ204を覆うように設けられた埃よけケース205とから構成されている。
【0114】
回転ブラシ204は、図8の外観斜視図にあるように、端部にブラシギヤ206が設けられており、ブラシ中継ギヤ207を経由して、フィルター巻き取り軸131aの端部に設けられた巻き取り軸ギヤ208に繋がっている。
【0115】
これにより、静電フィルター130を巻き上げた場合に、フィルターが送られる方向と逆方向に回転ブラシ204が回転し、図にあるように中継回転軸134a、134b間を走行するフィルター上の埃を除去する構成になっている。
【0116】
埃よけケース205の隔壁203a、203b近傍には開口205aが設けられており、回転ブラシ204によって除去された埃がここを通って、隔壁203a、203bによって仕切られた粉塵収納部209に納められる。
【0117】
小型筐体201の粉塵収納部209を構成する壁面の一部は、脱着可能な蓋210を備えており、埃除去を容易にしている。
【0118】
フィルター送り機構は、フィルター巻き取り軸131a、131bと、駆動部との連結部と、モーターを含む駆動部とから構成されている。
【0119】
実施の形態1と同様に、フィルター巻き取り軸131a、131bの端部には、凹部141a、141bが設けられており、この凹部141a、141bには、連結部142a、142bが挿入され連結されている。
【0120】
この連結部142a、142bにより、静電フィルター130が収納された小型筐体201を装置本体に対して着脱可能にすることができる。
【0121】
連結部142a、142bには、軸143a、143bを介してギヤ211a、211bが固定されている。
【0122】
以下、図9の構成図を用いて駆動系を説明する。ただし、この図では簡略にギヤの外形をピッチ円直径で示している。
【0123】
フィルター巻き取り軸131aに連結するギヤ211aは、第一減速ギヤ212a、中継ギヤ213a、第二減速ギヤ214a、切り替えギヤ215a、第三減速ギヤ216、ウォーム217を介して、DCモーター218に接続されている。
【0124】
ちなみに、切り替えギヤ215aは、第三減速ギヤ216と同軸上に回転中心を持ち、他端に切り替えギヤ215bを持つ腕部219に支持されており、図9においてDCモーター218が回転し、ウォーム217に連結する第三減速ギヤ216が左回転せしめられる。
【0125】
この際に、第三減速ギヤ216は、図9の位置に来ることで、DCモーター218からの動力を伝達し、フィルター巻き取り軸131aを回転することで、軸上に固定された静電フィルター130を巻き上げることができる。
【0126】
一方、フィルター巻き取り軸131bに連結するギヤ211bは、第一減速ギヤ212b、中継ギヤ213b、第二減速ギヤ214b、切り替えギヤ215b、第三減速ギヤ216、ウォーム217を介して、DCモーター218に接続されている。
【0127】
フィルター巻き戻しの状況は、図10の構成図で以下説明する。
【0128】
DCモーター218が、巻き上げ時とは逆方向に回転し、ウォーム217に連結する第三減速ギヤ216が右回転せしめられる。
【0129】
この際に、第三減速ギヤ216は、図10の位置に来ることで、DCモーター218からの動力を伝達し、フィルター巻き取り軸131bを回転することで、軸上に固定された静電フィルター130を巻き戻すことができる。
【0130】
ここで、フィルター送り量検出手段については実施の形態1と同じ構成なので説明は割愛する。以下動作原理を述べる。
【0131】
本体に対して着脱可能に設計された粉塵捕捉部200の小型筐体201を、投写型画像表示装置本体の吸気口119に装着した状態で、投写型画像表示装置を動作せしめる。
【0132】
投写型画像表示装置の使用を続けると、冷却のための外気と共に周囲の粉塵が吸引され、吸気口119から流入し、小型筐体201の開口部202を経て、粉塵捕捉フィルター部の静電フィルター130に捉えられる。
【0133】
そして、長期間の使用により粉塵が堆積すると、通気を妨げるので、本実施の形態では、一定時間ごとに、制御回路に設けられたタイマーにより、DCモーター218を動作せしめ、これにより、ウォーム217、第三減速ギヤ216が回動する。
【0134】
これにより、切り替えギヤ215aは、図9において、第三減速ギヤ216の回転軸中心に振られて、図9の位置に至り、動力を第二減速ギヤ214aに伝えることで、中継ギヤ213a、第一減速ギヤ212aを介してギヤ211aが回転せしめられる。
【0135】
そして、連結部142aが挿入された凹部141aを介して、フィルター巻き取り軸131aが図7の矢印方向に回動せしめられる。
【0136】
一端をフィルター巻き取り軸131aに固定された静電フィルター130は、巻き取られることになり、中継回転軸134a、134b、走行量モニター軸135を経て、フィルター巻き取り軸131bを回転させ、静電フィルター130がフィルター巻き取り軸131aから引き出される。
【0137】
この一連の動作により、開口部202と対向する位置にあった静電フィルター130の埃が吸着され堆積した部分は送られて、静電フィルター130の未使用の部分が開口部202の対向する位置に配置される。
【0138】
このとき、フィルター巻き取り軸131a端部に設けられた巻き取り軸ギヤ208が回転することで、ブラシ中継ギヤ207を経由してブラシギヤ206が駆動せしめられる。
【0139】
これによって回転ブラシ204が回転し、その回転方向は静電フィルター130が送られる方向と逆方向であるため、フィルター上の埃が掻き取られる。
【0140】
掻き取られた埃は、埃よけケース205の開口205aを経て、粉塵収納部209に納められる。
【0141】
一方、静電フィルター130の送り量に合わせた走行量モニター軸135の回転数を読みとるパターン検出センサー151の出力パルスを、制御回路が決められた量だけ読みとると、DCモーター218を制止する。
【0142】
この送り量は、開口202に露出して埃が付着した部分が、回転ブラシ204の接触位置に至る量と同等、あるいはそれ以上が望ましい。
【0143】
その後、DCモーター218を反転動作せしめる。これにより、ウォーム217、第三減速ギヤ216が逆回動する。これにより、切り替えギヤ215bは図10において第三減速ギヤ216の回転軸中心に振られて、図10の位置に至り、動力を第二減速ギヤ214bに伝えることで、中継ギヤ213b、第一減速ギヤ212bを介してギヤ211bを回転せしめる。
【0144】
連結部142bが挿入された凹部141bを介して、フィルター巻き取り軸131bが、図7の矢印の方向に回動せしめられる。これにより、一端をフィルター巻き取り軸131bに固定された静電フィルター130は巻き取られることになり、走行量モニター軸135、中継回転軸134a、134bを経て、フィルター巻き取り軸131aを回転させ、静電フィルター130を引き戻す。
【0145】
この動作により、巻き取り軸ギヤ208が回転することで、ブラシ中継ギヤ207を経由してブラシギヤ206が駆動せしめられる。
【0146】
これによって回転ブラシ204が逆回転する。その回転方向は静電フィルター130が巻き戻される方向と逆方向で、フィルター上の埃が再度掻き取られる。
【0147】
ここでも掻き取られた埃は、埃よけケース205の開口205aを経て、粉塵収納部209に納められる。
【0148】
そして、静電フィルター130は開口部202の位置に戻る。これにより通気性を改善することができ、また、静電気による吸着効果も回復するため、再び同じ箇所を使用することができる。
【0149】
ただし、静電フィルター130は繰り返し使用されることで繊維の脱落など劣化することから、フィルターが巻き上げられる際の送り量をLa、巻き戻しの際の送り量をLbとしたとき、以下の関係にあることが望ましい。
【0150】
La≧Lb
また、フィルターが巻き上げられる際の送り量Laは、フィルターの送り方向における小型筐体の開口部長さLcに対しても、以下のような関係にあることが望ましい。
【0151】
La≧Lc
ここでも走行量モニター軸135は、静電フィルター130の動きが確実に感知する必要があることから、押圧バネ149を設けることが望ましい。
【0152】
また、走行量モニター軸135は、必ずしもこの位置ではなくても構成可能であり、中継回転軸134aや中継回転軸134bに置き換えることも可能である。
【0153】
また、フィルター送り機構もここで記載した構成に縛られるものではなく、モーターの種類は言うまでもなく、ステッピングモーターなど他の駆動手段に置き換え可能である。
【0154】
本実施の形態でも、走行量モニター軸135の回転検出手段として、フォトセンサーを用いたが一般的な接触式のスイッチを用いることも、非接触式のホール素子のようなものにも置き換え可能であることは言うまでもない。
【0155】
また、静電フィルター130を送る時期をタイマーで決めていたが、フィルターを通過する風量を検知するように風量センサーを設けて、これの出力によってフィルターの目詰まり具合を検知し、制御することも可能である。
【0156】
粉塵収納部209には、図7の紙面と平行な方向に複数の小型隔壁が設けられて、粉塵収納部を複数の小部屋に仕切ることも有効である。これによれば、装置の姿勢差によって粉塵の溜まる方向が一方向となり、粉塵の堆積で回転ブラシ204の動作に影響を与えにくくする事で、有効に粉塵収納部を使用することができる。
【0157】
また、静電フィルター130は帯電繊維面と網面からなり、ブラシが接触する面(図7での上方向)は、網面になる様配置されている。このようにすることで、ブラシとの摩擦によるフィルター面の劣化を最小限に抑えることができる。
【0158】
なお、これらの実施の形態では、粉塵捕捉用フィルターとして、静電フィルターを例に挙げたが、静電フィルターは比較的高価なことから、巻き取り可能なフィルター材料、例えば、繊維間に開口がある布の様なものでも応用可能である。ただし集塵性は静電フィルターに比べて劣ってしまうことから、フィルターの送り方等については、フィルター特性に合わせて最適化していくことが必要である。
【0159】
以上、これらの実施の形態の説明で明らかなように、本発明により、集塵フィルターが長時間使用可能になり、しかも小型に構成でき、例えばエアコンなどで導入されている自動清掃タイプのものよりも簡単で安価な構成で実現することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0160】
本発明にかかる粉塵捕捉装置および投写型画像表示装置は、フィルター量を増やしたり、装置を大きくすることなく、埃の多い環境でも、フィルターの交換回数を少なくすることができるので、天吊り用途等で、かつ埃の多い環境で使用されるプロジェクタ等の投写型画像表示装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0161】
【図1】本発明の第1の実施の形態による投写型画像表示装置の全体平面構成図
【図2】同粉塵捕捉部の構造図
【図3】同可動ブラシの外観斜視図
【図4】同フィルター送り機構を示す概略構成図
【図5】同フィルター清掃部の動作説明図
【図6】本発明の第2の実施の形態による投写型画像表示装置の全体平面構成図
【図7】同粉塵捕捉部の構造図
【図8】同回転ブラシの外観斜視図
【図9】同巻き上げ状態での駆動部構成図
【図10】同巻き戻し状態での駆動部構成図
【符号の説明】
【0162】
101 光源
102 反射鏡
103 光学ユニット
104、105 ダイクロイックミラー
106、107、108 全反射ミラー
109R、109G、109B 入射側偏光板
110R、110G、110B 液晶パネル
111R、111G、111B 出射側偏光板
112R、112B ダイクロイック反射膜
113 合成プリズム
114 投写レンズ
116 電源
117 吸気ファン
118 筐体
119 吸気口(第1の吸気口)
120 粉塵捕捉部
121 光学ユニットダクト
122R、122G、122B 開口
123 排気ファン
124 排気口(第2の吸気口)
125 窓部材
126 吸気ダクト
127、128、129 緩衝材
130 静電フィルター
131a、131b フィルター巻き取り軸
132 小型筐体
133 開口部
134a、134b 中継回転軸
135 走行量モニター軸
136 隔壁
137 固定ブラシ
138 可動ブラシ
139 接触部
140 搬送部
141a、141b フィルター巻き取り軸凹部
142a、142b 連結部
144 粉塵収納部
143a、143b 軸
145a、145b、146a、146b ギヤ
147a、147b ステッピングモーターユニット
149 押圧バネ
150 回転検出反射パターン
151 パターン検出センサー
152 装置本体壁
153 押し戻しバネ
154 固定壁
201 小型筐体
202 開口部
203a、203b 隔壁
204 回転ブラシ
205 埃よけケース
205a 開口
206 ブラシギヤ
207 ブラシ中継ギヤ
208 巻き取り軸ギヤ
209 粉塵収納部
210 蓋
211a、211b ギヤ
212a、212b 第一減速ギヤ
213a、213b 中継ギヤ
214a、214b 第二減速ギヤ
215a、215b 切り替えギヤ
216 第三減速ギヤ
217 ウォーム
218 DCモーター
219 切り替えギヤ支持腕部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状のフィルターと、
前記フィルターの両端に配置される第1と第2のフィルター巻き取り軸と、
前記第1と第2のフィルター巻き取り軸間に設けられ、前記フィルターと接触するように設けられたブラシと、
前記第1と第2のフィルター巻き取り軸により、前記フィルターを巻き上げ巻き戻し可能な送り機構と、
前記送り機構を制御する送り制御部とを備え、
前記送り制御部は、前記第1のフィルター巻き取り軸で前記フィルターを第1の所定量巻き上げた後、再び第2の所定量だけ前記第2のフィルター巻き取り軸で巻き戻すように前記送り機構を制御することを特徴とする粉塵捕捉装置。
【請求項2】
少なくとも前記フィルターと、前記第1と第2のフィルター巻き取り軸と、前記ブラシとを収納するとともに、前記第1と第2のフィルター巻き取り軸間に前記フィルター面と対向する開口部を有する小型筐体を備えたことを特徴とする請求項1記載の粉塵捕捉装置。
【請求項3】
前記フィルターが巻き上げられる際の第1の所定量をLa、巻き戻しの際の第2の所定量をLbとしたときに、以下のような関係が成り立つことを特徴とする請求項1記載の粉塵捕捉装置。
La≧Lb
【請求項4】
前記フィルターが巻き上げられる際の第1の所定量をLa、前記フィルターの送り方向における前記小型筐体の開口部長さをLcとすると、以下のような関係が成り立つことを特徴とする請求項2記載の粉塵捕捉装置。
La≧Lc
【請求項5】
前記ブラシは、前記小型筐体の開口部の前記第1のフィルター巻き取り軸側端から、前記第1のフィルター巻き取り軸間に配置されていることを特徴とする請求項1記載の粉塵捕捉装置。
【請求項6】
前記ブラシは、前記フィルターの走行方向と同方向に直線状に配置されていることを特徴とする請求項1記載の粉塵捕捉装置。
【請求項7】
前記ブラシは、前記フィルターの走行方向と直交する方向に回転軸を備えた軸上に設けられていることを特徴とする請求項1記載の粉塵捕捉装置。
【請求項8】
前記ブラシは、前記フィルターの走行方向と逆方向に回転することを特徴とする請求項7記載の粉塵捕捉装置。
【請求項9】
前記ブラシは、移動可能な第1のブラシと固定された第2のブラシとからなり、前記第1のブラシは前記フィルターの移動に伴って移動し、前記第2のブラシと接触するように構成されたことを特徴とする請求項6記載の粉塵捕捉装置。
【請求項10】
前記第1のブラシは、前記第2のフィルター巻き取り軸で前記フィルターを巻き戻す間に移動が停止されて、前記フィルターの表面に付着した塵埃を取り込むことを特徴とする請求項9記載の粉塵捕捉装置。
【請求項11】
前記第1のブラシは、前記第1のフィルター巻き取り軸で前記フィルターを巻き上げる際に前記フィルターの移動に伴って移動し、一旦前記第2のブラシ位置を通過し、次の前記第2のフィルター巻き取り軸で前記フィルターを巻き戻す際に前記フィルターの移動に伴って移動し、前記第2のブラシと接触し、取り込んだ塵埃を除去することを特徴とする請求項10記載の粉塵捕捉装置。
【請求項12】
前記第1のブラシと前記第2のブラシは、起毛が倒れたマジックブラシであることを特徴とする請求項9記載の粉塵捕捉装置。
【請求項13】
前記小型筐体は、前記フィルターの収納位置と隔壁で分離された粉塵収納部を備えたことを特徴とする請求項2記載の粉塵捕捉装置。
【請求項14】
前記ブラシと前記粉塵収納部との間に隔壁が設けられていることを特徴とする請求項13記載の粉塵捕捉装置。
【請求項15】
前記粉塵収納部には、仕切が複数設けられており、粉塵が一方向に堆積しないように配置されていることを特徴とする請求項13記載の粉塵捕捉装置。
【請求項16】
前記粉塵収納部に設けられた複数の仕切は、前記ブラシの回転軸方向と直交する方向に設けられることを特徴とする請求項15記載の粉塵捕捉装置。
【請求項17】
前記小型筐体の粉塵収納部に、開閉可能な粉塵排出口が設けられたことを特徴とする請求項13記載の粉塵捕捉装置。
【請求項18】
前記塵埃捕捉フィルターは静電フィルターであることを特徴とする請求項1乃至請求項17のいずれかに記載の粉塵捕捉装置。
【請求項19】
前記静電フィルターは帯電繊維面と網面からなり、前記ブラシが接触する面は前記網面になるように構成されていることを特徴とする請求項18記載の粉塵捕捉装置。
【請求項20】
少なくとも吸気口、排気口を有する筐体と、空気を吸入または排出する送風部と、光源部と、画像形成部と、投写光学系と、電源部と、請求項1乃至請求項19のいずれかに記載の粉塵捕捉装置とを備えたことを特徴とする投写型画像表示装置。
【請求項21】
前記粉塵捕捉装置を投写型画像表示装置本体から着脱可能にしたことを特徴とする請求項20記載の投写型画像表示装置。
【請求項22】
投写型画像表示装置の吸気口と前記粉塵捕捉装置の前記小型筐体の開口部の大きさが略等しいことを特徴とする請求項20記載の投写型画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−75863(P2010−75863A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−247836(P2008−247836)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】