説明

粉末状炭の炭ペレット製造方法

【課題】 比較的簡単で、安価に製造でき、量産が可能で、環境保護の面からも問題のない粉末状炭の炭ペレット製造方法を提供する。
【解決手段】 粉末状炭の炭ペレット製造方法を、次の(1)〜(6)の工程より成るものとする。(1)杉皮、端材等の木質系材料を大型炭化装置により炭化して、粉末状炭を得る工程。(2)前記粉末状炭に水を加えて、攪拌し、粉砕する工程。(3)攪拌し、粉砕された前記粉末状炭をさらに粉砕して、均一な微粉末状の破細粒子から成る破細炭化物を得る行程。(4)前記破細炭化物に、バインダーとして水で溶いた海藻粉末を加えて、仕上げの攪拌を行なう工程。(5)前記仕上げの攪拌が行われた前記破細炭化物と前記バインダーとの混合物を造粒機に導いて、所定寸法大のモイストペレットを造粒する工程。(6)前記モイストペレットを乾燥させて、炭ペレットを得る工程。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の発明は、粉末状炭の炭ペレット製造方法に関し、特に製材工場、木材共販所等より発生する杉皮、端材を粉砕処理し、造粒、固化して、燃料として利用し易い炭ペレットを得るための比較的簡単で、量産可能な、粉末状炭の炭ペレット製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、炭団(たどん)と呼ばれる固形燃料は、古くから使用されていたが、その製造方法は、機械化されておらず、量産は無理であった。また、その製造に当たっては、「上新粉」と呼ばれる澱粉と苛性ソーダとがバインダーとして必要であり、これがために、燃焼後の灰を畑地に土壌改良剤として利用可能であるか不安が残り、環境保護の面からも好ましいものではなかった。
【0003】
また、近年、産業廃棄物として取り扱われ勝ちである製材工場、木材共販所等より発生する杉皮(バーク)や端材は、粉砕処理されて、ボイラーの燃料として利用されているが、含水率にバラツキが多く、熱効率も良くない。大型炭化装置による炭化は可能であるが、粉末状の炭(バーク炭)が大部分を占めるため、取り扱いが極めて悪く、粉末が飛散して、作業者の健康を害する虞があり、このままでは利用し難い。
【0004】
特許文献1には、木質系材料等を原料とする「強固な造粒物の成形方法」が開示されている。これによれば、木質系材料の破細物にバインダーを添加・混合して、これをペレットあるいはブリケット状に強制造粒するのに、当のバインダーとして、粉状の金属塩類を使用するので、前記した、バインダーとして苛性ソーダを用いる場合と同様の問題点がある。
【特許文献1】特開昭60−68042号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の発明は、従来の粉末状炭の炭ペレット製造方法が有する前記のような問題点を解決して、比較的簡単で、安価に製造でき、量産が可能で、環境保護の面からも問題のない新規な粉末状炭の炭ペレット製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記のような課題は、本願の各請求項に記載された次のような発明により解決される。
すなわち、その請求項1に記載された発明は、次の(1)〜(6)の工程より成ることを特徴とする粉末状炭の炭ペレット製造方法である。
(1)杉皮、端材等の木質系材料を大型炭化装置により炭化して、粉末状炭を得る工程。
(2)前記粉末状炭に水を加えて、攪拌し、粉砕する工程。
(3)攪拌し、粉砕された前記粉末状炭をさらに粉砕して、均一な微粉末状の破細粒子から成る破細炭化物を得る行程。
(4)前記破細炭化物に、バインダーとして水で溶いた海藻粉末を加えて、仕上げの攪拌を行なう工程。
(5)前記仕上げの攪拌が行われた前記破細炭化物と前記バインダーとの混合物を造粒機に導いて、所定寸法大のモイストペレットを造粒する工程。
(6)前記モイストペレットを乾燥させて、炭ペレットを得る工程。
【0007】
請求項1に記載された発明は、前記のように構成されているので、これを、次のように実施することが可能である。
製材工場、木材共販所等より発生する杉皮(バーク)や端材等の木質系材料は、産業廃棄物として取り扱われ勝ちであるが、これを安価に買い入れ、従来の大型炭化装置を使用して炭化する(工程(1))。このようにして得られた粉末状炭は、飛散し易いので、これに水を加えて、攪拌し、粉砕する(工程(2))。次いで、攪拌し、粉砕された粉末状炭の粒子を均一にするために、これをさらに粉砕して、均一な微粉末状の破細粒子から成る破細炭化物を得る(工程(3))。次いで、この破細炭化物をスクリューコンベアにより攪拌機に送り、ここで、バインダーとして水で溶いた海藻粉末を加えて、良く攪拌し、仕上げの攪拌を行う(工程(4))。次いで、このようにして仕上げの攪拌が行われた破細炭化物とバインダーとの混合物を造粒機に導いて、所定寸法大、望ましくは15〜20mmのモイストペレットを造粒する(工程(5))。最後に、このようにして出来上がった粉末状炭のモイストペレットを乾燥させる(工程(6))。このようにして、燃料として利用し易い形態に加工された炭ペレットが得られる。
【0008】
請求項1に記載された発明は、前記のように構成されており、前記のように実施することが可能であるので、次のような効果を奏することができる。
従来公知の大型炭化装置、攪拌機2機種(工程(2)用と工程(4)用)、粉砕機、造粒機、乾燥装置を連設することにより、粉末状炭の炭ペレットを、比較的簡単で、安価に製造でき、量産が可能である。また、従来の製造方法と比較して、バインダーとして海藻粉末を用いるので、炭ペレットを燃焼させた後の灰を土壌改良剤として畑地に用いても、人体や環境面に悪影響を及ぼす虞がない。
【0009】
また、その請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の粉末状炭の炭ペレット製造方法において、そのモイストペレットの乾燥に、大型炭化装置の余熱を利用することを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載された発明は、この構成により、本粉末状炭の炭ペレット製造方法全体の熱効率が向上して、炭ペレットをさらに安価に、短時間に製造することができる。
【発明の効果】
【0011】
前記のとおり、本願の発明の粉末状炭の炭ペレット製造方法によれば、従来公知の大型炭化装置、攪拌機2機種(工程(2)用と工程(4)用)、粉砕機、造粒機、乾燥装置を連設することにより、粉末状炭の炭ペレットを、比較的簡単で、安価に製造でき、量産が可能である。また、従来の粉末状炭の炭ペレット製造方法と比較して、バインダーとして海藻粉末を用いるので、炭ペレットを燃焼させた後の灰を土壌改良剤として畑地に用いても、人体や環境面に悪影響を及ぼす心配がない。
【0012】
また、そのモイストペレットの乾燥に、大型炭化装置の余熱を利用する場合には、本粉末状炭の炭ペレット製造方法全体の熱効率が向上して、炭ペレットをさらに安価に、短時間に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
粉末状炭の炭ペレット製造方法を、次の(1)〜(6)の工程より成るものとする。
(1)杉皮、端材等の木質系材料を大型炭化装置により炭化して、粉末状炭を得る工程。
(2)前記粉末状炭に水を加えて、攪拌し、粉砕する工程。
(3)攪拌し、粉砕された前記粉末状炭をさらに粉砕して、均一な微粉末状の破細粒子から成る破細炭化物を得る行程。
(4)前記破細炭化物に、バインダーとして水で溶いた海藻粉末を加えて、仕上げの攪拌を行なう工程。
(5)前記仕上げの攪拌が行われた前記破細炭化物と前記バインダーとの混合物を造粒機に導いて、所定寸法大のモイストペレットを造粒する工程。
(6)前記モイストペレットを乾燥させて、炭ペレットを得る工程。
【0014】
なお、前記工程(6)において、モイストペレットの乾燥には、粉末状炭を製造するのに使用される大型炭化装置の余熱を利用することとする。
【実施例】
【0015】
次に、本願の発明の一実施例について説明する。
図1は、本実施例の粉末状炭の炭ペレット製造方法を実施するための粉末状炭の炭ペレット製造装置の全体構成の概略を示す立面図、図2は、同製造装置を構成する一要素である粉砕機の詳細図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図、図3は、同製造装置を構成する一要素である2次(仕上げ)攪拌機の斜視図、図4は、同製造装置を構成する一要素である造粒機の分解・組立図であって、(a)は分解図、(b)は組立図である。
【0016】
本実施例の粉末状炭の炭ペレット製造方法は、主として製材工場、木材共販所等より発生する杉皮、端材等の木質系材料を粉砕処理し、造粒、固化して、燃料として利用し易い炭ペレットを得るための方法であって、以下に説明するような粉末状炭の炭ペレット製造装置により実施される方法である。
【0017】
本実施例の粉末状炭の炭ペレット製造装置1は、あらまし、図1に図示されるように、1次攪拌機10と、粉砕機20と、コンベア30と、2次攪拌機40と、造粒機50と、乾燥装置(不図示)とから成っている。造粒機50の下方には、製造された炭ペレットの受け部を兼ねる排出用コンベア70が設置されている。乾燥装置は、この排出用コンベア70の後流端に設置されている。なお、炭ペレットを受けるのに穴の開いたコンテナを使用して、これを排出用コンベア70により搬送する過程で所定大の炭ペレットを選別するように構成しても良い。
【0018】
1次攪拌機10は、本実施例においては、飼料用魚類を水とともに攪拌し、粉砕して、混合飼料を得るために使用される公知のものを転用しており、その構造は、例えば、特開昭61−280258号公報に記載されているようなものである。この1次攪拌機10には、図示されない公知の大型炭化装置により製造された(工程(1))、杉皮や製材品の端材を原材料とする粉末状炭W1が投入される。この大型炭化装置は、例えば、有限会社フレスコにより提供されているもので、この装置により杉皮の炭化を行うに際しては、炭化装置内の暖まった煙の通りを良くして炭化装置内の隅々にまで満遍なく行き渡らせて上質な製品を得るために、また、炭化時間を短縮するために、製材品の端材などが混入される。このため、この炭化装置により製造された炭化物の形状は一定ではなく、粉末状炭に混じって、ブロック状炭が含まれている。本明細書においては、このようなブロック状炭が含まれた粉末状炭を「粉末状炭W1」と呼んでいる。
そこで、このような粉末状炭W1を1次攪拌機10に投入して、埃が立たないように水を加えながら攪拌し、粉砕して、その中に含まれるブロック状炭が2cm程度の大きさになるまで粉砕する(工程(2))。1次攪拌機10への粉末状炭W1の投入量は、一度に50kg程度である。
【0019】
このようにして攪拌し、粉砕され、最大のもので2cm程度の大きさにまで粉砕された粉末状炭W1は、次いで、粉砕機20に投入される。
この粉砕機20は、本実施例においては、飼料用とうもろこしを砕くために使用される公知のものを転用しており、1次攪拌機10の排出口11の直下に設置されていて、図2に図示されるように、板枠体23にそれぞれ回転支持された一対の歯車形状の回転ドラム21a、21bと、これらの回転ドラムを回転させる駆動モータ22とを備えている。
【0020】
そこで、今、駆動モータ22が作動すると、この駆動モータ22の回転力は、一方の回転ドラム21aを回転させ、この回転ドラム21aと噛み合う他方の回転ドラム21bへと伝達される。これらの回転ドラム21a、21bの回転方向は、互いに逆向きであるので、1次攪拌機10の排出口11から排出され、ホッパー24により集合させられて回転ドラム21a、21bの噛合い部にまで落下させられた粉末状炭W1は、ここを通る過程でさらに細かく粉砕されて、粒径1mm以下の均一な微粉末状の破細粒子から成る破細炭化物W2が得られる(工程(3))。
【0021】
この破細炭化物W2は、回転ドラム21a、21bの噛合い部の直下にその投入口を位置させて待機しているスクリューコンベア30により受けられ、このスクリューコンベア30内の螺旋状の羽根の回転により斜め上方に運ばれて、2次攪拌機40の上方からその内部に投入される(図1参照)。
【0022】
2次攪拌機40は、図1及び図3に図示されるように、直径約2.5mの有底円筒状容器の中心を通る軸に複数枚の羽根41が取り付けられていて、これらの羽根41が軸を中心に回転することにより、その内部に投入された物を攪拌する機械であって、例えば、大脇工業株式会社により提供されている公知のものが使用できる。この2次攪拌機40には、約250Kgの粉末状に粉砕された炭化物を入れることができるので、1次攪拌機10で一度に50kg程度の粉末状炭W1の攪拌・粉砕を行う作業を5回繰り返して行う分に相当する破細炭化物W2の攪拌が可能である。
【0023】
この2次攪拌機40においては、スクリューコンベア30により運ばれて来た破細炭化物W2に、バインダー(粘結剤)として水で溶いた海藻粉末、例えば、アルギン酸ナトリウムを主成分として含むコンブ、ワカメの粉末、を満遍なくふりかけて良く攪拌し、仕上げの攪拌を行なう(工程(4))。破細炭化物W2は、1次攪拌機10にて粉末状炭W1を攪拌した時、埃が立たないように水を加えているので、かなりの水分を含有しており、したがって、破細炭化物W2への海藻粉末のふりかけは、破細炭化物W2の状態を良く観察しながら行う必要がある。水の割合が粉末状炭に対して多過ぎると、造粒時にペースト状になってしまう。また、水が少ないと、ペレットが硬く、取り出すことができなくなる。アルギン酸は、水で溶かすことが可能であるが、マゼラー(塗料などを混ぜる器具)を利用すれば、短時間で綺麗に溶かすことができる。
【0024】
この2次攪拌機40においての攪拌により、破細炭化物W2は、団子状になる。しかし、粒子の大きさは変わらない。攪拌状態を確認し、2次攪拌機40の取出し口42の下部に取り付けられた造粒機50により、速やかに造粒する(工程(5))。長時間攪拌すると、水分が飛び、アルギン酸の効果により、破細炭化物W2が固まる虞がある。造粒機50においては、2次攪拌機40で仕上げの攪拌が行われた破細炭化物W2とバインダーとの混合物を15〜20mmのモイストペレットに造粒する。
【0025】
造粒機50は、図4(a)に図示されるように、2つの円筒状筒体55、65が連結されて成るケーシングの内部に、螺旋ピッチの異なる第1スクリュー51、第2スクリュー56が同軸に収容され、これら第1スクリュー51と第2スクリュー56との間に、前後に第1ナイフ52、第2ナイフ54により挟まれるようにして、第1プレート53が配置され、第2スクリュー56の造粒物排出側にも、前後に第3ナイフ57、第4ナイフ59により挟まれるようにして、第2プレート58が配置されて構成されている。これらは、同軸に揃えられ、全体が一体に組み立てられて、ケーシング内部に収容される。なお、第3ナイフ57、第2プレート58、第4ナイフ59の組は、ドーナツスプリング62、スプリング押え63、スプリング押え締付けボルト64により第2スクリュー56の造粒物排出側端面に締め付け固定される。第1プレート53及び第2プレート58には、製造されるモイストペレットの大きさに応じた複数の造粒用の円孔がそれぞれに形成されている。
【0026】
このようにして、ケーシング内部に収容された、前記したような各種部品の全体組立体は、このケーシングの造粒物排出側端部において、プレート押えリング60により破細炭化物送入側に押された状態で、袋ナット61が同ケーシングの端部に締結されるにより、ケーシングに対して抜け出し不能に支持される。この全体組立体は、第1スクリュー51の破細炭化物送入側端部がモータ等の駆動手段に連結されて回転駆動されることにより、ケーシング内部で回転する。
【0027】
第1スクリュー51の螺旋ピッチは、第2スクリュー56の螺旋ピッチより大きく、造粒機50に送入口66より挿入された破細炭化物W2とバインダーとの混合物は、全体組立体がケーシングの内部で回転することにより、ケーシングの内部において、第1スクリュー51と第2スクリュー56との螺旋ピッチの違いにより圧力を加えられながら排出口67(袋ナット61の開口部がこれに相当する)方向に送られる。この過程において、第1ナイフ52により破砕され、第1プレート53に形成された複数の円孔を抜ける過程で所定径の棒状団子にされ、さらに、この棒状団子は、第2ナイフ54により所定長に寸断されて、比較的大径のモイストペレットとなり、第2スクリュー56に送り込まれる。
【0028】
第2スクリュー56に送り込まれた比較的大径の前記モイストペレットは、第2スクリュー56の造粒物排出側に配置された第3ナイフ57によりさらに細かく破砕され、第2プレート58に形成された複数の円孔を抜ける過程でさらに小さい所定径(15〜20mm程度)の棒状団子にされ、さらに、この棒状団子は、第4ナイフ59により再び所定長に寸断されて、比較的小径のモイストペレットとなり、排出口67より排出される。モイストペレットの大きさは、複数の円孔を有する第2プレート58を種々に取り替えることにより、所望の大きさに調整することが可能であるが、通常は、造粒時間や乾燥時間を早めるため、また、取り扱い面から、15〜20mm程度が適当である。
【0029】
排出口67より排出されたモイストペレットP(図1参照)は、水で溶いた海藻粉末を混ぜて攪拌、粉砕、造粒して製造されているので、このままでは、燃料として使用することができない。そこで、最後に、図示されない乾燥装置に送られて(工程(6))、乾燥させられる。このようにして得られた炭ペレットは、燃料として利用し易い形態に加工されており、製品として出荷される。モイストペレットPの乾燥には、天気の良い時、天日干しや風を利用するのも良いが、粉末状炭W1を製造した大型炭化装置の余熱を利用する。このようにすれば、天日を利用して乾燥するのに比べて、短時間に炭ペレットを製造することができ、また、製造装置全体の熱効率が向上して、炭ペレットを安価に製造することができる。
【0030】
1次攪拌機10において、粉末状炭W1の攪拌・粉砕工程(工程(2))を実施させた直ぐ後に、造粒工程(工程(5))を配置することも考えられるが、このようにすると、粉砕を1次攪拌機10と造粒機50のみにて行わなければならなくなるため、かえって時間が掛かり過ぎ、粉末状炭W1とバインダーとの混合物が固まってしまうことがあったが、本実施例のような工程配置にすると、短時間で、多量に破細炭化物W2の造粒が可能になり、製造コストを軽減することができる。
【0031】
本実施例の粉末状炭の炭ペレット製造方法及び製造装置は、前記のように構成されているので、次のような効果を奏することができる。
従来公知の大型炭化装置、攪拌機2機種(工程(2)用と工程(4)用)10、40、粉砕機20、造粒機50、乾燥装置を連設することにより、粉末状炭の炭ペレットPを、比較的簡単で、安価に製造でき、量産が可能である。また、従来の製造方法と比較して、バインダーとして海藻粉末を用いるので、炭ペレットPを燃焼させた後の灰を土壌改良剤として畑地に用いても、人体や環境面に悪影響を及ぼす虞がない。むしろ、海藻粉末中のアルギン酸ナトリウムは、燃やすと炭酸ナトリウム(石灰)となるので、土壌改良に有効である。
【0032】
また、モイストペレットの乾燥に、大型炭化装置の余熱を利用するので、粉末状炭の炭ペレット製造方法及び装置全体の熱効率を向上させて、炭ペレットPをさらに安価に、短時間に製造することができる。
【0033】
なお、本願の発明は、以上の実施例に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本実施例の粉末状炭の炭ペレット製造方法を実施するための粉末状炭の炭ペレット製造装置の全体構成の概略を示す正面立面図に、個々の装置構成要素の平面図及び側面図を付記して示す図である。
【図2】同製造装置を構成する一要素である粉砕機の詳細図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図3】同製造装置を構成する一要素である2次(仕上げ)攪拌機の斜視図である。
【図4】同製造装置を構成する一要素である造粒機の分解・組立図であって、(a)は分解図、(b)は組立図である。
【符号の説明】
【0035】
1…炭ペレット製造装置、10…1次攪拌機、11…排出口、20…粉砕機、21a、21b…回転ドラム、22…駆動モータ、23…板枠体、24…ホッパー、30…コンベア、31…、40…2次攪拌機、41…羽根、42…取出し口、50…造粒機、51…第1スクリュー、52…第1ナイフ、53…第1プレート、54…第2ナイフ、55…円筒状筒体、56…第2スクリュー、57…第3ナイフ、58…第2プレート、59…第4ナイフ、60…プレート押えリング、61…袋ナット、62…ドーナツスプリング、63…スプリング押え、64…スプリング押え締付けボルト、65…円筒状筒体、66…送入口、67…排出口、70…排出用コンベア、W1…粉末状炭、W2…破細炭化物、P…モイストペレット。







【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の(1)〜(6)の工程より成ることを特徴とする粉末状炭の炭ペレット製造方法。
(1)杉皮、端材等の木質系材料を大型炭化装置により炭化して、粉末状炭を得る工程。
(2)前記粉末状炭に水を加えて、攪拌し、粉砕する工程。
(3)攪拌し、粉砕された前記粉末状炭をさらに粉砕して、均一な微粉末状の破細粒子から成る破細炭化物を得る行程。
(4)前記破細炭化物に、バインダーとして水で溶いた海藻粉末を加えて、仕上げの攪拌を行なう工程。
(5)前記仕上げの攪拌が行われた前記破細炭化物と前記バインダーとの混合物を造粒機に導いて、所定寸法大のモイストペレットを造粒する工程。
(6)前記モイストペレットを乾燥させて、炭ペレットを得る工程。
【請求項2】
前記モイストペレットの乾燥に、前記大型炭化装置の余熱を利用することを特徴とする請求項1に記載の粉末状炭の炭ペレット製造方法。















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−266471(P2008−266471A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−111984(P2007−111984)
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【出願人】(507131045)佐伯広域森林組合 (1)
【Fターム(参考)】