粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメント
【課題】 バルク車からサイロに粉粒体を搬送する際に、ホース内に異物が混入した場合でも、搬送先に送り込む前にそれを容易に除去することができる粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメントを提供することである。
【解決手段】 粉粒体の搬送経路のうち、ホース3の取付具4と、サイロ7へ粉粒体を投入する配管の受入口の取付具6とを接続するアタッチメント5に異物の侵入を防止する濾網を設けた。
【解決手段】 粉粒体の搬送経路のうち、ホース3の取付具4と、サイロ7へ粉粒体を投入する配管の受入口の取付具6とを接続するアタッチメント5に異物の侵入を防止する濾網を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば小麦粉やセメント等の粉粒体を積載したバルク車から粉粒体を貯留用サイロに搬送するための搬送用ホースを、サイロ側の受入口に接続する際に用いる粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
小麦粉やセメント等の粉粒体をたとえばユーザの工場まで輸送するのには、その粉粒体を袋詰めして輸送する方法のほかに、粉粒体をそのままの状態でバルク車のタンクに収容して輸送する方法が従来知られている。
【0003】
このバルク車による輸送方法においてバルク車から粉流体を荷降ろしする際には、バルク車にフレキシブルホースの一端を接続し、ホースの他端を輸送先のサイロに付設した配管の受入口に接続した後、バルク車のタンクを傾け、タンク内に圧縮空気を送り込み、ホースを介して粉粒体をサイロに搬送(投入)するようにしている。
【0004】
ところで、このようにホースを用いて粉粒体を搬送する場合、積み込み時に充分注意を払ってはいるものの、万一バルク車のタンク内に異物が紛れ込んでもその異物が搬送先のサイロ内に送り込まれることがないよう、特許文献1ではバルク車のタンクに接続するホースの流入口に金網を設け、異物をこの金網で止めることによってサイロへの異物の流入を防止する発明を開示している。
【0005】
【特許文献1】特許第3367749号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ホースを使っての荷降ろしでは、ホース内で粉粒体が一部固まったりすることがあり、その固まりがくずれて粉粒体に混入することがある。このような状態で粉粒体がサイロに送り込まれることがないようにするには、特許文献1で提案された異物除去用の金網をホースのサイロ側に近い流出口に設けることが考えられるが、それではサイロへの送り込みは防げてもホースからその固まりを簡単に取り除くことはできないという問題がある。
【0007】
本発明は上記の点にかんがみてなされたもので、バルク車からサイロに粉粒体を搬送する際に、ホース内に異物が混入した場合でも、搬送先に送り込む前にそれを容易に除去することができる粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、粉粒体の搬送経路に着脱可能で且つ粉粒体が通過する位置に濾網を設けたことを特徴とする。
【0009】
また本発明は、粉粒体を積載したバルク車から伸びるホースの先端と、粉粒体貯留用サイロへ前記粉粒体を投入する配管の受入口に設けた取付具との間に着脱可能に接続され、粉粒体の通路に濾網が設けられたことを特徴とする。
【0010】
また本発明は請求項1または2に記載の発明において、前記濾網が前記粉粒体の流れ方向下流側に外れないよう前記濾網を保持する肩部を有することを特徴とする。
【0011】
また本発明は請求項1ないし3のうちのいずれか1項に記載の発明において、前記濾網が、異物の通過を防止する網を溶接によって外枠に固定して成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、バルク車からサイロに粉粒体を搬送する際に、ホース内に異物が混入した場合でも、搬送先に送り込む前にそれを容易に除去することができる粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメントを提供することができる。
【0013】
本発明によれば、バルク車からサイロに粉粒体を搬送する際、粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメント内に設けた濾網にて、ホース内に混入した異物を止め、サイロに異物が投入されてしまうのを防止することができる。
【0014】
また、本発明によれば、ホースをサイロの取付具に接続するための粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメントを設けているため、たとえばサイロの取付具の径や形状が様々に異なる場合であってもホースごと交換する必要はなく、その径や形状に合わせたアタッチメントを用意すればよい。このとき、アタッチメントはホースと比べてかさばらないので、サイロの取付具の径や形状が様々な場合にも容易に対応することができる。
【0015】
また、本発明によれば、濾網をアタッチメントの肩部にて保持するようにしたので、濾網が粉粒体の流れに押されてしまってサイロに投入されてしまうおそれがない。
【0016】
また、本発明によれば、濾網において網を溶接によって外枠にしっかりと固定しているので、網が粉粒体の流れに押されてしまってサイロに投入されてしまうおそれがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施の形態による粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメントを用いた粉粒体搬送の概要を示す概略図である。
【0019】
バルク車1のタンクには粉粒体が積載され、ホース接続部分2にてこのタンクに接続されたホース3を介して、積載している粉粒体の荷降ろしが行われる。粉粒体としては、小麦粉等の穀物粉のほか、セメント等であってもよい。
【0020】
ホース3の他端には取付具4が設けられ、この取付具4に、本実施の形態に係る粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメント5が接続される。このアタッチメント5は、サイロ7に粉粒体を流入させるための受入口に設けられた取付具6にも接続される。
【0021】
バルク車1に積載された粉粒体を荷降ろしする際には、図1に示すようにタンクを傾け、さらに上部から圧縮空気を送り込むことによって粉粒体をタンクから送り出す。送り出された粉粒体はホース3を介して搬送され、サイロ7へと投入される。
【0022】
図2は、図1に示したホース接続部分2における、バルク車1のタンクとホース3との接続を実現する部材の一例を示す斜視図である。
【0023】
図3は、図2に示した部材を組立てて、バルク車1のタンクとホース3とを接続した状態のホース接続部分2を示す斜視図である。
【0024】
図4は図3に示したホース接続部分2の断面図である。
【0025】
本実施の形態では、図2、図3および図4に示すように、ホース接続部分2において、タンク側の取付具21と、ホース3側の取付具23と、取付具21と取付具23とを外側から締め付けることによって突き合せて固定するクランプ25とを有する。
【0026】
取付具21は先端の径が徐々に広がるラッパ状部22を有するラッパ管であり、取付具23も同様に、先端の径が徐々に広がるラッパ状部24を有するラッパ管である。取付具21と取付具23との接続はクランプ25で固定することによって行う。
【0027】
ホース3は取付具23に外挿され、その上から締付具26によって締め付けて、ホース3から取付具23が外れないようにしてある。
【0028】
図5は、図1に示したホース3とサイロ7に粉粒体を流入させるための受入口の取付具6との接続を実現する部材の一例を示す斜視図である。
【0029】
図6は、図5に示した部材を組立てて、ホース3と取付具6とを接続した状態を示す斜視図である。
【0030】
図7は図6に示したホース3と取付具6との接続部分の断面図である。
【0031】
本実施の形態では、図5、図6および図7に示すように、ホース3の端部のうちバルク車1のタンクに接続された側とは反対側に設けられた取付具4と、粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメント5と、サイロ7の受入口に設けられた取付具6と、取付具4とアタッチメント5とを外側から締め付けることによって突き合せて固定するクランプ42とを有する。
【0032】
取付具4は先端の径が徐々に広がるラッパ状部41を有するラッパ管であり、管状のアタッチメント5の一端も同様に先端の径が徐々に広がるラッパ状部51を有する。取付具4とアタッチメント5との接続はクランプ42で固定することによって行う。
【0033】
ホース3は取付具4に外挿され、その上から締付具43によって締め付けて、ホース3から取付具4が外れないようにしてある。
【0034】
アタッチメント5には凹部52が設けられており、アタッチメント5が取付具6に内挿された状態でカムレバー61aおよびカムレバー61bを上向きにすることによって、図7に示すようにカム62aおよびカム62bが凹部52に嵌り、取付具6とアタッチメント5とが固定される。また、このとき、アタッチメント5の端部57は取付具6のガスケット63に押し付けられて密着し、管内を流れる粉粒体の漏れを防止することができる。
【0035】
図8は、図5に示したアタッチメント5を内部の濾網54が見える方向から見た斜視図である。
【0036】
アタッチメント5は、図7および図8に示すように、粉粒体が流れる経路上に濾網54を有し、万が一、ホース3内に異物が混入していた場合であっても、この濾網54で異物を止め(異物の通過を防止し)、サイロ7への異物の流入を防止することができる。
【0037】
図9は図7に示した濾網54の斜視図である。
【0038】
濾網54は、図9に示すように、円形の枠に針金を格子状に張ったものであり、その円形の枠の外径はアタッチメント5のラッパ状部51側の内径よりも小さく、濾網54をラッパ状部51側から挿入できるようにしてある。
【0039】
アタッチメント5は、図7に示すように、ラッパ状部51側から見て、管の内径が一段小さくなる肩部53を有する。ラッパ状部51側から肩部53の前までの管の内径は濾網54の外径よりも大きく、肩部53における内径は濾網54の外径よりも小さい。
【0040】
また、アタッチメント5は、肩部53よりもラッパ状部51側の内面に溝56を有し、この溝56にCリング55を嵌める構造になっている。Cリング55の内径は、溝56に嵌めた状態において、濾網54の外径よりも小さい。
【0041】
図10は図7に示したCリング55の斜視図である。
【0042】
Cリング55は穴55aおよび穴55bを有する。この穴55a、55bにたとえばスナップリングプライヤー等の工具の先端を通し、Cリング55の張力に逆らって穴55aと穴55bとの間の長さを縮めることによってCリング55の外径を一時的に小さくすることができる。
【0043】
アタッチメント5に濾網54を取り付ける際には、ラッパ状部51側から濾網54を挿入し、濾網54を肩部53に突き当て、そのあとに、穴55a、55bを用いて外径を小さくしながらCリング55を挿入し、このCリング55の外側を溝56に嵌め込み、肩部53とCリング55の内側とによって濾網54を保持する。したがって、肩部53と溝56との間の長さは、濾網54の外枠の高さに応じた長さにし、濾網54がぐらぐらせずに肩部53とCリング55とによってしっかりと保持されるようにするのが望ましい。
【0044】
図11は、図9に示した濾網54の構造を示す図であり、(a)は濾網54の外枠の一方を示す斜視図であり、(b)は(a)の外枠に格子状の針金から成る網を取り付けた状態を示す斜視図であり、(c)は(b)に対してもう一方の外枠を重ね合わせた状態を示す斜視図である。
【0045】
本実施の形態の濾網54は、円形の外枠54aおよび54dの間に、格子状の針金から成る網54cを挟み込んで構成される。外枠54aおよび外枠54dは同様の構造である。
【0046】
外枠54aには溝54bが形成してあり(図11(a)参照)、この溝54bに網54cの端を嵌め込んでそこを溶接して固定する(図11(b)参照)。さらに、その上に外枠54dを重ね合わせ、外枠54aと外枠54dとの接触部分54eを溶接して固定し、濾網54が完成する。
【0047】
なお、濾網54の網54cの材質は、必ずしもステンレス等の金属である必要はなく、ナイロンやそのほかの化学繊維など既存の材料を任意に用いることができる。この場合、その網を外枠54aや外枠54dに固定する際には材質に適した接着剤等を用いればよい。
【0048】
以上説明した本実施の形態によれば、バルク車1からサイロ7に粉粒体を搬送する際、粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメント5内に設けた濾網54にて、ホース3内に混入した異物を止め、サイロ7に異物が投入されてしまうのを防止することができる。
【0049】
また、本実施の形態によれば、ホース3をサイロ7の取付具6に接続するための粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメント5を設けているため、サイロの取付具の径や形状が様々に異なる場合であってもホースごと交換する必要はなく、その径や形状に合わせたアタッチメントを用意すればよい。このとき、アタッチメントはホースと比べてかさばらないので、サイロの取付具の径や形状が様々な場合にも容易に対応することができる。
【0050】
また、本実施の形態によれば、濾網54はアタッチメント5の肩部53にて固定されているので、濾網54が粉粒体の流れに押されてしまってサイロ7に投入されてしまうおそれがない。
【0051】
また、本実施の形態によれば、濾網54において網54cを溶接によって外枠54aにしっかりと固定しているので、網54cが粉粒体の流れに押されてしまってサイロ7に投入されてしまうおそれがない。
【0052】
なお、上述の実施の形態では、ホース3とサイロ7の取付具6との間にアタッチメント5を設けたが、本発明はこれに限られるものではなく、アタッチメントを設ける個所は粉粒体の搬送経路上のどこであってもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施の形態による粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメントを用いた粉粒体搬送の概要を示す概略図である。
【図2】図1に示したホース接続部分2における、バルク車1のタンクとホース3との接続を実現する部材の一例を示す斜視図である。
【図3】図2に示した部材を組立てて、バルク車1のタンクとホース3とを接続した状態のホース接続部分2を示す斜視図である。
【図4】図3に示したホース接続部分2の断面図である。
【図5】図1に示したホース3とサイロ7に粉粒体を流入させるための受入口の取付具6との接続を実現する部材の一例を示す斜視図である。
【図6】図5に示した部材を組立てて、ホース3と取付具6とを接続した状態を示す斜視図である。
【図7】図6に示したホース3と取付具6との接続部分の断面図である。
【図8】図5に示したアタッチメント5を内部の濾網54が見える方向から見た斜視図である。
【図9】図7に示した濾網54の斜視図である。
【図10】図7に示したCリング55の斜視図である。
【図11】図9に示した濾網54の構造を示す図であり、(a)は濾網54の外枠の一方を示す斜視図であり、(b)は(a)の外枠に格子状の針金から成る網を取り付けた状態を示す斜視図であり、(c)は(b)に対してもう一方の外枠を重ね合わせた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0054】
1 バルク車
2 ホース接続部分
3 ホース
4 取付具
5 粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメント
6 取付具
7 サイロ
21 取付具
22 ラッパ状部
23 取付具
24 ラッパ状部
25 クランプ
26 締付具
41 ラッパ状部
42 クランプ
43 締付具
51 ラッパ状部
52 凹部
53 肩部
54 濾網
54a、54d 外枠
54b 溝
54c 網
54e 接触部分
55 Cリング
55a、55b 穴
56 溝
57 端部
61a、61b カムレバー
62a、62b カム
63 ガスケット
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば小麦粉やセメント等の粉粒体を積載したバルク車から粉粒体を貯留用サイロに搬送するための搬送用ホースを、サイロ側の受入口に接続する際に用いる粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
小麦粉やセメント等の粉粒体をたとえばユーザの工場まで輸送するのには、その粉粒体を袋詰めして輸送する方法のほかに、粉粒体をそのままの状態でバルク車のタンクに収容して輸送する方法が従来知られている。
【0003】
このバルク車による輸送方法においてバルク車から粉流体を荷降ろしする際には、バルク車にフレキシブルホースの一端を接続し、ホースの他端を輸送先のサイロに付設した配管の受入口に接続した後、バルク車のタンクを傾け、タンク内に圧縮空気を送り込み、ホースを介して粉粒体をサイロに搬送(投入)するようにしている。
【0004】
ところで、このようにホースを用いて粉粒体を搬送する場合、積み込み時に充分注意を払ってはいるものの、万一バルク車のタンク内に異物が紛れ込んでもその異物が搬送先のサイロ内に送り込まれることがないよう、特許文献1ではバルク車のタンクに接続するホースの流入口に金網を設け、異物をこの金網で止めることによってサイロへの異物の流入を防止する発明を開示している。
【0005】
【特許文献1】特許第3367749号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ホースを使っての荷降ろしでは、ホース内で粉粒体が一部固まったりすることがあり、その固まりがくずれて粉粒体に混入することがある。このような状態で粉粒体がサイロに送り込まれることがないようにするには、特許文献1で提案された異物除去用の金網をホースのサイロ側に近い流出口に設けることが考えられるが、それではサイロへの送り込みは防げてもホースからその固まりを簡単に取り除くことはできないという問題がある。
【0007】
本発明は上記の点にかんがみてなされたもので、バルク車からサイロに粉粒体を搬送する際に、ホース内に異物が混入した場合でも、搬送先に送り込む前にそれを容易に除去することができる粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、粉粒体の搬送経路に着脱可能で且つ粉粒体が通過する位置に濾網を設けたことを特徴とする。
【0009】
また本発明は、粉粒体を積載したバルク車から伸びるホースの先端と、粉粒体貯留用サイロへ前記粉粒体を投入する配管の受入口に設けた取付具との間に着脱可能に接続され、粉粒体の通路に濾網が設けられたことを特徴とする。
【0010】
また本発明は請求項1または2に記載の発明において、前記濾網が前記粉粒体の流れ方向下流側に外れないよう前記濾網を保持する肩部を有することを特徴とする。
【0011】
また本発明は請求項1ないし3のうちのいずれか1項に記載の発明において、前記濾網が、異物の通過を防止する網を溶接によって外枠に固定して成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、バルク車からサイロに粉粒体を搬送する際に、ホース内に異物が混入した場合でも、搬送先に送り込む前にそれを容易に除去することができる粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメントを提供することができる。
【0013】
本発明によれば、バルク車からサイロに粉粒体を搬送する際、粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメント内に設けた濾網にて、ホース内に混入した異物を止め、サイロに異物が投入されてしまうのを防止することができる。
【0014】
また、本発明によれば、ホースをサイロの取付具に接続するための粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメントを設けているため、たとえばサイロの取付具の径や形状が様々に異なる場合であってもホースごと交換する必要はなく、その径や形状に合わせたアタッチメントを用意すればよい。このとき、アタッチメントはホースと比べてかさばらないので、サイロの取付具の径や形状が様々な場合にも容易に対応することができる。
【0015】
また、本発明によれば、濾網をアタッチメントの肩部にて保持するようにしたので、濾網が粉粒体の流れに押されてしまってサイロに投入されてしまうおそれがない。
【0016】
また、本発明によれば、濾網において網を溶接によって外枠にしっかりと固定しているので、網が粉粒体の流れに押されてしまってサイロに投入されてしまうおそれがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施の形態による粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメントを用いた粉粒体搬送の概要を示す概略図である。
【0019】
バルク車1のタンクには粉粒体が積載され、ホース接続部分2にてこのタンクに接続されたホース3を介して、積載している粉粒体の荷降ろしが行われる。粉粒体としては、小麦粉等の穀物粉のほか、セメント等であってもよい。
【0020】
ホース3の他端には取付具4が設けられ、この取付具4に、本実施の形態に係る粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメント5が接続される。このアタッチメント5は、サイロ7に粉粒体を流入させるための受入口に設けられた取付具6にも接続される。
【0021】
バルク車1に積載された粉粒体を荷降ろしする際には、図1に示すようにタンクを傾け、さらに上部から圧縮空気を送り込むことによって粉粒体をタンクから送り出す。送り出された粉粒体はホース3を介して搬送され、サイロ7へと投入される。
【0022】
図2は、図1に示したホース接続部分2における、バルク車1のタンクとホース3との接続を実現する部材の一例を示す斜視図である。
【0023】
図3は、図2に示した部材を組立てて、バルク車1のタンクとホース3とを接続した状態のホース接続部分2を示す斜視図である。
【0024】
図4は図3に示したホース接続部分2の断面図である。
【0025】
本実施の形態では、図2、図3および図4に示すように、ホース接続部分2において、タンク側の取付具21と、ホース3側の取付具23と、取付具21と取付具23とを外側から締め付けることによって突き合せて固定するクランプ25とを有する。
【0026】
取付具21は先端の径が徐々に広がるラッパ状部22を有するラッパ管であり、取付具23も同様に、先端の径が徐々に広がるラッパ状部24を有するラッパ管である。取付具21と取付具23との接続はクランプ25で固定することによって行う。
【0027】
ホース3は取付具23に外挿され、その上から締付具26によって締め付けて、ホース3から取付具23が外れないようにしてある。
【0028】
図5は、図1に示したホース3とサイロ7に粉粒体を流入させるための受入口の取付具6との接続を実現する部材の一例を示す斜視図である。
【0029】
図6は、図5に示した部材を組立てて、ホース3と取付具6とを接続した状態を示す斜視図である。
【0030】
図7は図6に示したホース3と取付具6との接続部分の断面図である。
【0031】
本実施の形態では、図5、図6および図7に示すように、ホース3の端部のうちバルク車1のタンクに接続された側とは反対側に設けられた取付具4と、粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメント5と、サイロ7の受入口に設けられた取付具6と、取付具4とアタッチメント5とを外側から締め付けることによって突き合せて固定するクランプ42とを有する。
【0032】
取付具4は先端の径が徐々に広がるラッパ状部41を有するラッパ管であり、管状のアタッチメント5の一端も同様に先端の径が徐々に広がるラッパ状部51を有する。取付具4とアタッチメント5との接続はクランプ42で固定することによって行う。
【0033】
ホース3は取付具4に外挿され、その上から締付具43によって締め付けて、ホース3から取付具4が外れないようにしてある。
【0034】
アタッチメント5には凹部52が設けられており、アタッチメント5が取付具6に内挿された状態でカムレバー61aおよびカムレバー61bを上向きにすることによって、図7に示すようにカム62aおよびカム62bが凹部52に嵌り、取付具6とアタッチメント5とが固定される。また、このとき、アタッチメント5の端部57は取付具6のガスケット63に押し付けられて密着し、管内を流れる粉粒体の漏れを防止することができる。
【0035】
図8は、図5に示したアタッチメント5を内部の濾網54が見える方向から見た斜視図である。
【0036】
アタッチメント5は、図7および図8に示すように、粉粒体が流れる経路上に濾網54を有し、万が一、ホース3内に異物が混入していた場合であっても、この濾網54で異物を止め(異物の通過を防止し)、サイロ7への異物の流入を防止することができる。
【0037】
図9は図7に示した濾網54の斜視図である。
【0038】
濾網54は、図9に示すように、円形の枠に針金を格子状に張ったものであり、その円形の枠の外径はアタッチメント5のラッパ状部51側の内径よりも小さく、濾網54をラッパ状部51側から挿入できるようにしてある。
【0039】
アタッチメント5は、図7に示すように、ラッパ状部51側から見て、管の内径が一段小さくなる肩部53を有する。ラッパ状部51側から肩部53の前までの管の内径は濾網54の外径よりも大きく、肩部53における内径は濾網54の外径よりも小さい。
【0040】
また、アタッチメント5は、肩部53よりもラッパ状部51側の内面に溝56を有し、この溝56にCリング55を嵌める構造になっている。Cリング55の内径は、溝56に嵌めた状態において、濾網54の外径よりも小さい。
【0041】
図10は図7に示したCリング55の斜視図である。
【0042】
Cリング55は穴55aおよび穴55bを有する。この穴55a、55bにたとえばスナップリングプライヤー等の工具の先端を通し、Cリング55の張力に逆らって穴55aと穴55bとの間の長さを縮めることによってCリング55の外径を一時的に小さくすることができる。
【0043】
アタッチメント5に濾網54を取り付ける際には、ラッパ状部51側から濾網54を挿入し、濾網54を肩部53に突き当て、そのあとに、穴55a、55bを用いて外径を小さくしながらCリング55を挿入し、このCリング55の外側を溝56に嵌め込み、肩部53とCリング55の内側とによって濾網54を保持する。したがって、肩部53と溝56との間の長さは、濾網54の外枠の高さに応じた長さにし、濾網54がぐらぐらせずに肩部53とCリング55とによってしっかりと保持されるようにするのが望ましい。
【0044】
図11は、図9に示した濾網54の構造を示す図であり、(a)は濾網54の外枠の一方を示す斜視図であり、(b)は(a)の外枠に格子状の針金から成る網を取り付けた状態を示す斜視図であり、(c)は(b)に対してもう一方の外枠を重ね合わせた状態を示す斜視図である。
【0045】
本実施の形態の濾網54は、円形の外枠54aおよび54dの間に、格子状の針金から成る網54cを挟み込んで構成される。外枠54aおよび外枠54dは同様の構造である。
【0046】
外枠54aには溝54bが形成してあり(図11(a)参照)、この溝54bに網54cの端を嵌め込んでそこを溶接して固定する(図11(b)参照)。さらに、その上に外枠54dを重ね合わせ、外枠54aと外枠54dとの接触部分54eを溶接して固定し、濾網54が完成する。
【0047】
なお、濾網54の網54cの材質は、必ずしもステンレス等の金属である必要はなく、ナイロンやそのほかの化学繊維など既存の材料を任意に用いることができる。この場合、その網を外枠54aや外枠54dに固定する際には材質に適した接着剤等を用いればよい。
【0048】
以上説明した本実施の形態によれば、バルク車1からサイロ7に粉粒体を搬送する際、粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメント5内に設けた濾網54にて、ホース3内に混入した異物を止め、サイロ7に異物が投入されてしまうのを防止することができる。
【0049】
また、本実施の形態によれば、ホース3をサイロ7の取付具6に接続するための粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメント5を設けているため、サイロの取付具の径や形状が様々に異なる場合であってもホースごと交換する必要はなく、その径や形状に合わせたアタッチメントを用意すればよい。このとき、アタッチメントはホースと比べてかさばらないので、サイロの取付具の径や形状が様々な場合にも容易に対応することができる。
【0050】
また、本実施の形態によれば、濾網54はアタッチメント5の肩部53にて固定されているので、濾網54が粉粒体の流れに押されてしまってサイロ7に投入されてしまうおそれがない。
【0051】
また、本実施の形態によれば、濾網54において網54cを溶接によって外枠54aにしっかりと固定しているので、網54cが粉粒体の流れに押されてしまってサイロ7に投入されてしまうおそれがない。
【0052】
なお、上述の実施の形態では、ホース3とサイロ7の取付具6との間にアタッチメント5を設けたが、本発明はこれに限られるものではなく、アタッチメントを設ける個所は粉粒体の搬送経路上のどこであってもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施の形態による粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメントを用いた粉粒体搬送の概要を示す概略図である。
【図2】図1に示したホース接続部分2における、バルク車1のタンクとホース3との接続を実現する部材の一例を示す斜視図である。
【図3】図2に示した部材を組立てて、バルク車1のタンクとホース3とを接続した状態のホース接続部分2を示す斜視図である。
【図4】図3に示したホース接続部分2の断面図である。
【図5】図1に示したホース3とサイロ7に粉粒体を流入させるための受入口の取付具6との接続を実現する部材の一例を示す斜視図である。
【図6】図5に示した部材を組立てて、ホース3と取付具6とを接続した状態を示す斜視図である。
【図7】図6に示したホース3と取付具6との接続部分の断面図である。
【図8】図5に示したアタッチメント5を内部の濾網54が見える方向から見た斜視図である。
【図9】図7に示した濾網54の斜視図である。
【図10】図7に示したCリング55の斜視図である。
【図11】図9に示した濾網54の構造を示す図であり、(a)は濾網54の外枠の一方を示す斜視図であり、(b)は(a)の外枠に格子状の針金から成る網を取り付けた状態を示す斜視図であり、(c)は(b)に対してもう一方の外枠を重ね合わせた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0054】
1 バルク車
2 ホース接続部分
3 ホース
4 取付具
5 粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメント
6 取付具
7 サイロ
21 取付具
22 ラッパ状部
23 取付具
24 ラッパ状部
25 クランプ
26 締付具
41 ラッパ状部
42 クランプ
43 締付具
51 ラッパ状部
52 凹部
53 肩部
54 濾網
54a、54d 外枠
54b 溝
54c 網
54e 接触部分
55 Cリング
55a、55b 穴
56 溝
57 端部
61a、61b カムレバー
62a、62b カム
63 ガスケット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体の搬送経路に着脱可能で且つ粉粒体が通過する位置に濾網を設けたことを特徴とする粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメント。
【請求項2】
粉粒体を積載したバルク車から伸びるホースの先端と、粉粒体貯留用サイロへ前記粉粒体を投入する配管の受入口に設けた取付具との間に着脱可能に接続され、粉粒体の通路に濾網が設けられたことを特徴とする粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメント。
【請求項3】
前記濾網が前記粉粒体の流れ方向下流側に外れないよう前記濾網を保持する肩部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメント。
【請求項4】
前記濾網が、異物の通過を防止する網を溶接によって外枠に固定して成ることを特徴とする請求項1ないし3のうちのいずれか1項に記載の粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメント。
【請求項1】
粉粒体の搬送経路に着脱可能で且つ粉粒体が通過する位置に濾網を設けたことを特徴とする粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメント。
【請求項2】
粉粒体を積載したバルク車から伸びるホースの先端と、粉粒体貯留用サイロへ前記粉粒体を投入する配管の受入口に設けた取付具との間に着脱可能に接続され、粉粒体の通路に濾網が設けられたことを特徴とする粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメント。
【請求項3】
前記濾網が前記粉粒体の流れ方向下流側に外れないよう前記濾網を保持する肩部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメント。
【請求項4】
前記濾網が、異物の通過を防止する網を溶接によって外枠に固定して成ることを特徴とする請求項1ないし3のうちのいずれか1項に記載の粉粒体搬送用ホースの接続用アタッチメント。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−82943(P2006−82943A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−270686(P2004−270686)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(301049777)日清製粉株式会社 (128)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(301049777)日清製粉株式会社 (128)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]