粘性食材の定量供給装置
【課題】粘性食材に重量のバラツキを起こすことなく、しかも粘性食品生地や製品にダメージを与えることなく高品質で精度良く、かつ効率良く供給することが出来る粘性食材の定量供給装置を提供する。
【解決手段】粘性食材Wの定量供給装置1は、粘性食材投入室が区画形成された略四角錐台状でボックス状に形成された上部ホッパ4と、この上部ホッパ4の下部に接続部材を介して気密的に接続され、下部に長手方向に向かって所定の間隔で複数個の吐出穴を設けた先細りの四角錐状に形成された下部ホッパ6とで上下に二分割に形成された略四角錐状のホッパ本体7を構成している。下部ホッパ6内の前記吐出穴間には、三角錘状の仕切り壁を介して複数の粘性食材吐出室が区画形成され、前記下部ホッパ6の下部に、前記粘性食材吐出室に設けた各吐出穴に対応して複数組のギヤポンプをケーシング11内に配設して成る粘性食材Wの定量供給機構12が設置してある。
【解決手段】粘性食材Wの定量供給装置1は、粘性食材投入室が区画形成された略四角錐台状でボックス状に形成された上部ホッパ4と、この上部ホッパ4の下部に接続部材を介して気密的に接続され、下部に長手方向に向かって所定の間隔で複数個の吐出穴を設けた先細りの四角錐状に形成された下部ホッパ6とで上下に二分割に形成された略四角錐状のホッパ本体7を構成している。下部ホッパ6内の前記吐出穴間には、三角錘状の仕切り壁を介して複数の粘性食材吐出室が区画形成され、前記下部ホッパ6の下部に、前記粘性食材吐出室に設けた各吐出穴に対応して複数組のギヤポンプをケーシング11内に配設して成る粘性食材Wの定量供給機構12が設置してある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばパン,菓子類の粘性食品生地やパン,菓子類等に使用するクリーム類の粘性食材、その他の粘性食材を搬送コンベヤ上に載置されて搬送されて来る展板等に定量ずつ供給させる粘性食材の定量供給装置に係わり、更に詳しくは定量供給した粘性食材に重量のバラツキを起こすことなく、更に粘性食品生地や製品にダメージを与えることなく高品質で精度良く、かつ効率良く供給することが出来る粘性食材の定量供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パン,菓子等の食品類の製造工程では、パン,菓子等の粘性食品生地やパン,菓子類等に使用するクリーム類の粘性食材を搬送コンベヤ上に載置されて搬送されて来る展板上に定量ずつ供給する方法として、例えば、搬送コンベヤ上に粘性食品生地やクリーム類の粘性食材を定量ずつ供給するための定量供給装置、またはフィリング充填装置等を設置し、搬送コンベヤ上に載置された展板上に粘性食品生地やクリーム類の粘性食材を定量供給したり、充填すること方法が行われていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような従来の粘性食材の充填装置としては、例えば、上部に粘性食材を投入する開口部を備え、下部に先細りの一つの吐出口を設け、内部を開口部から吐出口に向かって傾斜した内壁面で区画形成された粘性食材投入室を設けたホッパ本体と、このホッパ本体の吐出口に近接して設置したギヤポンプ等で構成される定量供給装置と、更にその下部に所定の間隔を隔てて粘性食品生地やクリーム類の粘性食材を定量ずつ吐出させる複数の突出ノズルとが設けられて構成されている。
【0004】
しかしながら、このような粘性食材の充填装置は、区画形成された粘性食材投入室に投入され、自重で落下してくる粘性食材を吐出口に設けた定量供給装置で定量ずつ掻き出し、突出ノズルから搬送コンベヤ上の展板上や、加工材料や加工製品等に充填したり供給しているが、吐出口に向かって自重で落下して来る粘性食材を単体、または一本のギヤポンプ等で構成される定量供給装置で攪拌しながら掻き出して吐出口ズルに向かって吐出させるために粘性食材はエアーの巻き込み等で重量のバラツキが発生し、また均一な粘性食品生地やクリーム類の粘性食材を供給することが出来ないばかりか、粘性食品生地や粘性食材、製品に凹みや変形等のダメージを与えることが多く、均一な製品を得ることが難しいと言う問題があった。
【特許文献1】特開2006 217817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明はかかる従来の課題に着目し、粘性食材に重量のバラツキを起こすことなく、しかも粘性食品生地や製品にダメージを与えることなく高品質で精度良く、かつ効率良く供給することが出来る粘性食材の定量供給装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上記目的を達成するため、上部に粘性食材を投入する開口部を備え、上方から下方に向かって内側に傾斜する壁面により粘性食材投入室が区画形成されたボックス状の上部ホッパと、この上部ホッパの下部に接続され、下部に長手方向に向かって所定の間隔で複数個の吐出穴を設けた先細りの下部ホッパとでホッパ本体を構成し、前記下部ホッパ内の前記吐出穴間に山形状の仕切り壁を介して複数の粘性食材吐出室を区画形成し、前記下部ホッパの下部に、前記粘性食材吐出室に設けた各吐出穴に対応して複数組のギヤポンプをそれぞれケーシング内に配設して成る粘性食材の定量供給機構を設置し、この定量供給機構のギヤポンプの下部に、前記粘性食材吐出室からギヤポンプを介して定量ずつ吐出される粘性食材を供給するための突出ノズルをそれぞれ設置したことを要旨とするものである。
【0007】
ここで、前記粘性食材は、粘度500〜20000cpの粘性食品生地、素材またはクリーム類の粘性食材であり、また前記定量供給機構のギヤポンプは、ケーシングに挿通された駆動軸に嵌合する駆動ギヤロータと回転軸に挿通された従動ギヤロータとから成るものである。
【0008】
また前記粘性食材投入室が区画形成されたボックス状の上部ホッパ及び先細りの下部ホッパは、上部の開口部から下部の吐出口に向かって略四角錐状に形成され、この四角錐の対角は50度〜70度の範囲であり、高さが100〜200mmの範囲が好ましい。
【0009】
更に前記粘性食材の定量供給機構のギヤポンプは、ケーシングの内部に並列に挿通された駆動軸と従動軸に、前記複数の突出ノズルに対応して一対の駆動ギヤロータと従動ギヤロータとが互いに噛み合うように所定の間隔を隔てて複数組設置し、一対の駆動ギヤロータ及び従動ギヤロータ間には、隙間防止用の仕切り部材を配設し、前記駆動軸は、ケーシング外部に設置した回転駆動装置に接続可能に構成し、従動軸はケーシングの側面に回転可能に支持されている。
【0010】
このように構成することで、粘性食品生地や粘性食材に凹みや変形等のダメージを与えることがなく、均一な製品を得ることが出来るものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明は上記のように、上部に粘性食材を投入する開口部を備え、上方から下方に向かって内側に傾斜する壁面により粘性食材投入室が区画形成されたボックス状の上部ホッパと、この上部ホッパの下部に接続され、下部に長手方向に向かって所定の間隔で複数個の吐出穴を設けた先細りの下部ホッパとでホッパ本体を構成し、前記下部ホッパ内の前記吐出穴間に山形状の仕切り壁を介して複数の粘性食材吐出室を区画形成し、前記下部ホッパの下部に、前記粘性食材吐出室に設けた各吐出穴に対応して複数組のギヤポンプをそれぞれケーシング内に配設して成る粘性食材の定量供給機構を設置し、この定量供給機構のギヤポンプの下部に、前記粘性食材吐出室からギヤポンプを介して定量ずつ吐出される粘性食材を供給するための突出ノズルをそれぞれ設置したので、粘性食材に重量のバラツキを起こすことなく、しかも粘性食品生地に品質のダメージを与えることなく精度良く、かつ効率良く供給することが出来る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明を実施した粘性食材の定量供給装置の正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図2のA−A矢視拡大側面図である。
【図4】図1の背面図である。
【図5】図1の定量供給機構及び複数の突出ノズルの拡大正面図である。
【図6】ホッパ本体の分割された上部ホッパの正面図である。
【図7】図6の平面図である。
【図8】図6の側面図である。
【図9】ホッパ本体の分割された下部ホッパの正面図である。
【図10】図9の平面図である。
【図11】図9の側面図である。
【図12】ギヤポンプを構成する駆動ギヤロータの正面図である。
【図13】ギヤポンプを構成する駆動ギヤロータの縦断側面図である。
【図14】ギヤポンプを構成する従動ギヤロータの正面図である。
【図15】ギヤポンプを構成する従動ギヤロータの縦断側面図である。
【図16】各駆動ギヤロータと従動ギヤロータとの間に設置する仕切り部材の正面図である。
【図17】図16の仕切り部材の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面に基づき、この発明の実施形態を説明する。
図1は、この発明を実施した粘性食材Wの定量供給装置1の正面図、図2は図1の平面図、図3は図2のA−A矢視拡大側面図、図4は図1の背面図を示し、この実施形態における粘性食材Wとしては、粘度500〜20000cpの例えば、パン生地やシュークリームの生地等の粘性食品生地の他、コールドクリーム,マヨネーズ,ジャム,とつかつソース等の素材またはカスタードクリーム類の粘性食材であるが、この発明の実施形態では、これらの素材や材料に限定されるものではなく、上記の粘度500〜20000cpの範囲に入るものであれば特にどのような生地や素材であっても良い。
【0014】
前記粘性食材Wの定量供給装置1は、図1〜図4に示すように、上部に粘性食材Wを投入する開口部2を備え、上方から下方に向かって内側に傾斜する内壁面2aにより粘性食材投入室3が区画形成された略四角錐台状でボックス状に形成された上部ホッパ4と、この上部ホッパ4の下部に接続部材を介して気密的に接続され、下部に長手方向に向かって所定の間隔で複数個の吐出穴5を設けた先細りの四角錐状に形成された下部ホッパ6とで上下に二分割に形成された略四角錐状のホッパ本体7を構成している。
【0015】
前記上部ホッパ4の四角錐台状の対角αは、図6〜図8に示すように、粘性食材Wの粘度によるが50度〜70度の範囲に設定するのが好ましい。
【0016】
例えば、高さが100〜200mmの上部ホッパ4では、四角錐の対角αが50度〜70度の範囲であり、また上部ホッパ4の正面の壁面角度は30度〜50の範囲、側面角度は50度〜70度の範囲に設定するのが好ましい。また、四角錐状の下部ホッパ6についても、対角や正面の壁面角度及び側面角度は略同じに設定するのが好ましい。
【0017】
なお、上部ホッパ4の四角錐台状の対角αが、50度未満の場合には、ホッパ投入高が高くなって作業性が悪くなると言う問題があり、また70度を超えるとポンプの吸い込みが悪くなるので、上記の範囲に設定するのが好ましい。
【0018】
また、同様に上部ホッパ4の正面の壁面角度は30未満の場合には、ホッパ投入高が高くなって作業性が悪くなると言う問題があり、50度を超えるとポンプの吸い込みが悪くなるので、上記の範囲に設定するのが好ましい。
【0019】
前記下部ホッパ6内の前記吐出穴5間には、図9〜図11に示すように、三角錘状の仕切り壁8を介して複数の粘性食材吐出室9が区画形成され、前記下部ホッパ6の下部に、前記粘性食材吐出室9に設けた各吐出穴5に対応して図3に示すように、複数組のギヤポンプ10をケーシング11内に配設して成る粘性食材Wの定量供給機構12が設置してある。
【0020】
この定量供給機構12のギヤポンプ10の下部に、図5に示すように、前記粘性食材吐出室9からギヤポンプ10を介して吐出される粘性食材Wを定量ずつ突出供給させる複数本の突出ノズル13がそれぞれ設置されている。
【0021】
この複数本の突出ノズル13からは、粘性食材Wの定量供給機構12から吐出される粘性食材Wを定量供給装置1の下部に設置された搬送コンベヤ等の搬送手段21上に載置された展板22等の上に定量ずつ供給するものである。
【0022】
前記粘性食材Wの定量供給機構12のギヤポンプ10は、図1及び図3に示すように、ケーシング11の内部に並列に挿通された断面四角形状の駆動軸14と断面丸状の従動軸15に、前記複数の吐出穴5に対応して図12,図13及び図14,図15に示すように一対の歯車状の駆動ギヤロータ16と従動ギヤロータ17とが互いに噛み合うように所定の間隔を隔てて複数組設置してある。
【0023】
前記一対の駆動ギヤロータ16及び従動ギヤロータ17間には、図16及び図17に示すように、隙間防止用の仕切り部材18を配設し、前記駆動軸14は、ケーシング11の外部に設置した図示しない減速機構等を組み込んだ回転駆動モータ等の回転駆動装置にカップリング等を介して接続可能に構成し、また従動軸15はケーシング11の側面のベースプレート19に回転可能に支持されている。
【0024】
前記隙間防止用の仕切り部材18は、一対の駆動ギヤロータ16と従動ギヤロータ17間から粘性食材Wが流出するのを防止するもので、前記駆動ギヤロータ16の断面四角棒状の駆動軸14と、従動ギヤロータ17の断面丸棒状の従動軸15とを支持するためのスリーブ20が嵌め込まれている。
【0025】
このように構成することで、粘性食品生地や粘性食材に凹みや変形等のダメージを与えることがなく、均一な製品を得ることが出来るものである。
【0026】
以上のように構成され、この発明の実施形態では、略四角錐状に形成されたホッパ本体7を四角錐台状に形成された箱状の上部ホッパ4と、この上部ホッパ4の下部側に接続される四角錐状の箱状の下部ホッパ6との上下二分割で構成し、下部ホッパ6内を複数の突出ノズル13に対応して三角錐状に形成された仕切り壁8を設置して複数の粘性食材投入室9を区画形成し、粘性食材Wの充填箇所のみ定量供給機構12の一対の駆動ギヤロータ16,従動ギヤロータ17の巾と同じ巾の粘性食材Wの吐出穴5を設け、その他は隙間防止用の仕切り部材18等により粘性食材Wが入り込まないようにすることで、粘性食材Wの滞留を防止し、エアーの巻き込み等による乱貫(重量のバラツキ等)を防止することが出来るものである。
【0027】
また、パン生地等の粘性食材Wへのダメージを与えないようにするために、ホッパ本体7の入り口側と一対の駆動ギヤロータ16と従動ギヤロータ17との巾、及び複数の突出ノズル13の巾を揃えることで、定量供給機構12内に入る粘性食材Wは、そのまま突出ノズル13の出口から吐出させる事が出来るのである。
【0028】
このように、定量供給機構12の内部で粘性食材Wに滞留を起さない構造にし、また突出ノズル13の出口は、四角から丸へ絞り加工を施すことで粘性食材Wの流れを円滑にすることが出来るものである。
【0029】
この発明の粘性食材Wの定量供給装置1は上記のように構成され、予め粘度500〜20000cpの例えば、パン生地やシュークリームの生地等の粘性食品生地の他、コールドクリーム,マヨネーズ,ジャム,とつかつソース等の素材またはカスタードクリーム類の粘性食材を上記のような定量供給装置1により搬送コンベヤ等の搬送手段21上に載置された展板22等の上に定量ずつ供給する場合、先ず上記のような粘度500〜20000cpの粘性食材Wをホッパ本体7の四角錐台状に形成された箱状の上部ホッパ4内に所定量投入する。
【0030】
そして上部ホッパ4内に投入された粘性食材Wは、その自重により傾斜した内壁面2aに沿って下降し、四角錐状の箱状の下部ホッパ6内に流入した後、複数の吐出穴5から定量供給機構12の一対の駆動ギヤロータ16,従動ギヤロータ17により突出ノズル13側に順次押し出される。
【0031】
この発明では、上記のように粘性食材Wの充填箇所のみ定量供給機構12の一対の駆動ギヤロータ16,従動ギヤロータ17の巾と同じ巾の粘性食材Wの吐出穴5を設け、その他は隙間防止用の仕切り部材18等により粘性食材Wが入り込まないようにすることで、粘性食材Wの滞留を防止し、エアーの巻き込み等による乱貫(重量のバラツキ等)を防止することが出来る。
【0032】
そして、更にパン生地等の粘性食材Wへのダメージを与えないようにするために、ホッパ本体7の入り口側と一対の駆動ギヤロータ16と従動ギヤロータ17との巾、及び複数の突出ノズル13の巾を揃えることで、定量供給機構12内に入る粘性食材Wは、そのまま突出ノズル13の出口から吐出させる事が出来るのである。
【0033】
このように、定量供給機構12の内部で粘性食材Wに滞留を起さない構造にし、また突出ノズル13の出口は、四角から丸へ絞り加工を施すことで粘性食材Wの流れを円滑にすることが出来るものである。
【0034】
以上のように構成することで、粘性食材Wに重量のバラツキを起こすことなく、しかも粘性食品生地Wに品質のダメージを与えることなく精度良く、かつ効率良く供給することが出来る効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0035】
この発明では、例えば、パン,菓子類の粘性食品生地やパン,菓子類等に使用するクリーム類の粘性食材Wやその他の粘性食材を搬送コンベヤ21上の展板22に定量ずつ供給する粘性食材Wの定量供給装置であり、粘性食材Wに重量のバラツキを起こすことなく、しかも粘性食品生地に品質のダメージを与えることなく精度良く、かつ効率良く供給することが出来る粘性食材の定量供給装置である。
【符号の説明】
【0036】
1 定量供給装置
2 開口部
2a 内壁面
3 粘性食材投入室
4 上部ホッパ
5 吐出穴
6 下部ホッパ
7 ホッパ本体
8 仕切り壁
9 粘性食材吐出室
10 ギヤポンプ
11 ケーシング
12 定量供給機構
13 突出ノズル
14 駆動軸
15 従動軸
16 駆動ギヤロータ
17 従動ギヤロータ
18 隙間防止用の仕切り部材
19 ベースプレート
20 スリーブ
21 搬送手段
22 展板
W 粘性食材
α 対角
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばパン,菓子類の粘性食品生地やパン,菓子類等に使用するクリーム類の粘性食材、その他の粘性食材を搬送コンベヤ上に載置されて搬送されて来る展板等に定量ずつ供給させる粘性食材の定量供給装置に係わり、更に詳しくは定量供給した粘性食材に重量のバラツキを起こすことなく、更に粘性食品生地や製品にダメージを与えることなく高品質で精度良く、かつ効率良く供給することが出来る粘性食材の定量供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パン,菓子等の食品類の製造工程では、パン,菓子等の粘性食品生地やパン,菓子類等に使用するクリーム類の粘性食材を搬送コンベヤ上に載置されて搬送されて来る展板上に定量ずつ供給する方法として、例えば、搬送コンベヤ上に粘性食品生地やクリーム類の粘性食材を定量ずつ供給するための定量供給装置、またはフィリング充填装置等を設置し、搬送コンベヤ上に載置された展板上に粘性食品生地やクリーム類の粘性食材を定量供給したり、充填すること方法が行われていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような従来の粘性食材の充填装置としては、例えば、上部に粘性食材を投入する開口部を備え、下部に先細りの一つの吐出口を設け、内部を開口部から吐出口に向かって傾斜した内壁面で区画形成された粘性食材投入室を設けたホッパ本体と、このホッパ本体の吐出口に近接して設置したギヤポンプ等で構成される定量供給装置と、更にその下部に所定の間隔を隔てて粘性食品生地やクリーム類の粘性食材を定量ずつ吐出させる複数の突出ノズルとが設けられて構成されている。
【0004】
しかしながら、このような粘性食材の充填装置は、区画形成された粘性食材投入室に投入され、自重で落下してくる粘性食材を吐出口に設けた定量供給装置で定量ずつ掻き出し、突出ノズルから搬送コンベヤ上の展板上や、加工材料や加工製品等に充填したり供給しているが、吐出口に向かって自重で落下して来る粘性食材を単体、または一本のギヤポンプ等で構成される定量供給装置で攪拌しながら掻き出して吐出口ズルに向かって吐出させるために粘性食材はエアーの巻き込み等で重量のバラツキが発生し、また均一な粘性食品生地やクリーム類の粘性食材を供給することが出来ないばかりか、粘性食品生地や粘性食材、製品に凹みや変形等のダメージを与えることが多く、均一な製品を得ることが難しいと言う問題があった。
【特許文献1】特開2006 217817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明はかかる従来の課題に着目し、粘性食材に重量のバラツキを起こすことなく、しかも粘性食品生地や製品にダメージを与えることなく高品質で精度良く、かつ効率良く供給することが出来る粘性食材の定量供給装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上記目的を達成するため、上部に粘性食材を投入する開口部を備え、上方から下方に向かって内側に傾斜する壁面により粘性食材投入室が区画形成されたボックス状の上部ホッパと、この上部ホッパの下部に接続され、下部に長手方向に向かって所定の間隔で複数個の吐出穴を設けた先細りの下部ホッパとでホッパ本体を構成し、前記下部ホッパ内の前記吐出穴間に山形状の仕切り壁を介して複数の粘性食材吐出室を区画形成し、前記下部ホッパの下部に、前記粘性食材吐出室に設けた各吐出穴に対応して複数組のギヤポンプをそれぞれケーシング内に配設して成る粘性食材の定量供給機構を設置し、この定量供給機構のギヤポンプの下部に、前記粘性食材吐出室からギヤポンプを介して定量ずつ吐出される粘性食材を供給するための突出ノズルをそれぞれ設置したことを要旨とするものである。
【0007】
ここで、前記粘性食材は、粘度500〜20000cpの粘性食品生地、素材またはクリーム類の粘性食材であり、また前記定量供給機構のギヤポンプは、ケーシングに挿通された駆動軸に嵌合する駆動ギヤロータと回転軸に挿通された従動ギヤロータとから成るものである。
【0008】
また前記粘性食材投入室が区画形成されたボックス状の上部ホッパ及び先細りの下部ホッパは、上部の開口部から下部の吐出口に向かって略四角錐状に形成され、この四角錐の対角は50度〜70度の範囲であり、高さが100〜200mmの範囲が好ましい。
【0009】
更に前記粘性食材の定量供給機構のギヤポンプは、ケーシングの内部に並列に挿通された駆動軸と従動軸に、前記複数の突出ノズルに対応して一対の駆動ギヤロータと従動ギヤロータとが互いに噛み合うように所定の間隔を隔てて複数組設置し、一対の駆動ギヤロータ及び従動ギヤロータ間には、隙間防止用の仕切り部材を配設し、前記駆動軸は、ケーシング外部に設置した回転駆動装置に接続可能に構成し、従動軸はケーシングの側面に回転可能に支持されている。
【0010】
このように構成することで、粘性食品生地や粘性食材に凹みや変形等のダメージを与えることがなく、均一な製品を得ることが出来るものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明は上記のように、上部に粘性食材を投入する開口部を備え、上方から下方に向かって内側に傾斜する壁面により粘性食材投入室が区画形成されたボックス状の上部ホッパと、この上部ホッパの下部に接続され、下部に長手方向に向かって所定の間隔で複数個の吐出穴を設けた先細りの下部ホッパとでホッパ本体を構成し、前記下部ホッパ内の前記吐出穴間に山形状の仕切り壁を介して複数の粘性食材吐出室を区画形成し、前記下部ホッパの下部に、前記粘性食材吐出室に設けた各吐出穴に対応して複数組のギヤポンプをそれぞれケーシング内に配設して成る粘性食材の定量供給機構を設置し、この定量供給機構のギヤポンプの下部に、前記粘性食材吐出室からギヤポンプを介して定量ずつ吐出される粘性食材を供給するための突出ノズルをそれぞれ設置したので、粘性食材に重量のバラツキを起こすことなく、しかも粘性食品生地に品質のダメージを与えることなく精度良く、かつ効率良く供給することが出来る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明を実施した粘性食材の定量供給装置の正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図2のA−A矢視拡大側面図である。
【図4】図1の背面図である。
【図5】図1の定量供給機構及び複数の突出ノズルの拡大正面図である。
【図6】ホッパ本体の分割された上部ホッパの正面図である。
【図7】図6の平面図である。
【図8】図6の側面図である。
【図9】ホッパ本体の分割された下部ホッパの正面図である。
【図10】図9の平面図である。
【図11】図9の側面図である。
【図12】ギヤポンプを構成する駆動ギヤロータの正面図である。
【図13】ギヤポンプを構成する駆動ギヤロータの縦断側面図である。
【図14】ギヤポンプを構成する従動ギヤロータの正面図である。
【図15】ギヤポンプを構成する従動ギヤロータの縦断側面図である。
【図16】各駆動ギヤロータと従動ギヤロータとの間に設置する仕切り部材の正面図である。
【図17】図16の仕切り部材の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面に基づき、この発明の実施形態を説明する。
図1は、この発明を実施した粘性食材Wの定量供給装置1の正面図、図2は図1の平面図、図3は図2のA−A矢視拡大側面図、図4は図1の背面図を示し、この実施形態における粘性食材Wとしては、粘度500〜20000cpの例えば、パン生地やシュークリームの生地等の粘性食品生地の他、コールドクリーム,マヨネーズ,ジャム,とつかつソース等の素材またはカスタードクリーム類の粘性食材であるが、この発明の実施形態では、これらの素材や材料に限定されるものではなく、上記の粘度500〜20000cpの範囲に入るものであれば特にどのような生地や素材であっても良い。
【0014】
前記粘性食材Wの定量供給装置1は、図1〜図4に示すように、上部に粘性食材Wを投入する開口部2を備え、上方から下方に向かって内側に傾斜する内壁面2aにより粘性食材投入室3が区画形成された略四角錐台状でボックス状に形成された上部ホッパ4と、この上部ホッパ4の下部に接続部材を介して気密的に接続され、下部に長手方向に向かって所定の間隔で複数個の吐出穴5を設けた先細りの四角錐状に形成された下部ホッパ6とで上下に二分割に形成された略四角錐状のホッパ本体7を構成している。
【0015】
前記上部ホッパ4の四角錐台状の対角αは、図6〜図8に示すように、粘性食材Wの粘度によるが50度〜70度の範囲に設定するのが好ましい。
【0016】
例えば、高さが100〜200mmの上部ホッパ4では、四角錐の対角αが50度〜70度の範囲であり、また上部ホッパ4の正面の壁面角度は30度〜50の範囲、側面角度は50度〜70度の範囲に設定するのが好ましい。また、四角錐状の下部ホッパ6についても、対角や正面の壁面角度及び側面角度は略同じに設定するのが好ましい。
【0017】
なお、上部ホッパ4の四角錐台状の対角αが、50度未満の場合には、ホッパ投入高が高くなって作業性が悪くなると言う問題があり、また70度を超えるとポンプの吸い込みが悪くなるので、上記の範囲に設定するのが好ましい。
【0018】
また、同様に上部ホッパ4の正面の壁面角度は30未満の場合には、ホッパ投入高が高くなって作業性が悪くなると言う問題があり、50度を超えるとポンプの吸い込みが悪くなるので、上記の範囲に設定するのが好ましい。
【0019】
前記下部ホッパ6内の前記吐出穴5間には、図9〜図11に示すように、三角錘状の仕切り壁8を介して複数の粘性食材吐出室9が区画形成され、前記下部ホッパ6の下部に、前記粘性食材吐出室9に設けた各吐出穴5に対応して図3に示すように、複数組のギヤポンプ10をケーシング11内に配設して成る粘性食材Wの定量供給機構12が設置してある。
【0020】
この定量供給機構12のギヤポンプ10の下部に、図5に示すように、前記粘性食材吐出室9からギヤポンプ10を介して吐出される粘性食材Wを定量ずつ突出供給させる複数本の突出ノズル13がそれぞれ設置されている。
【0021】
この複数本の突出ノズル13からは、粘性食材Wの定量供給機構12から吐出される粘性食材Wを定量供給装置1の下部に設置された搬送コンベヤ等の搬送手段21上に載置された展板22等の上に定量ずつ供給するものである。
【0022】
前記粘性食材Wの定量供給機構12のギヤポンプ10は、図1及び図3に示すように、ケーシング11の内部に並列に挿通された断面四角形状の駆動軸14と断面丸状の従動軸15に、前記複数の吐出穴5に対応して図12,図13及び図14,図15に示すように一対の歯車状の駆動ギヤロータ16と従動ギヤロータ17とが互いに噛み合うように所定の間隔を隔てて複数組設置してある。
【0023】
前記一対の駆動ギヤロータ16及び従動ギヤロータ17間には、図16及び図17に示すように、隙間防止用の仕切り部材18を配設し、前記駆動軸14は、ケーシング11の外部に設置した図示しない減速機構等を組み込んだ回転駆動モータ等の回転駆動装置にカップリング等を介して接続可能に構成し、また従動軸15はケーシング11の側面のベースプレート19に回転可能に支持されている。
【0024】
前記隙間防止用の仕切り部材18は、一対の駆動ギヤロータ16と従動ギヤロータ17間から粘性食材Wが流出するのを防止するもので、前記駆動ギヤロータ16の断面四角棒状の駆動軸14と、従動ギヤロータ17の断面丸棒状の従動軸15とを支持するためのスリーブ20が嵌め込まれている。
【0025】
このように構成することで、粘性食品生地や粘性食材に凹みや変形等のダメージを与えることがなく、均一な製品を得ることが出来るものである。
【0026】
以上のように構成され、この発明の実施形態では、略四角錐状に形成されたホッパ本体7を四角錐台状に形成された箱状の上部ホッパ4と、この上部ホッパ4の下部側に接続される四角錐状の箱状の下部ホッパ6との上下二分割で構成し、下部ホッパ6内を複数の突出ノズル13に対応して三角錐状に形成された仕切り壁8を設置して複数の粘性食材投入室9を区画形成し、粘性食材Wの充填箇所のみ定量供給機構12の一対の駆動ギヤロータ16,従動ギヤロータ17の巾と同じ巾の粘性食材Wの吐出穴5を設け、その他は隙間防止用の仕切り部材18等により粘性食材Wが入り込まないようにすることで、粘性食材Wの滞留を防止し、エアーの巻き込み等による乱貫(重量のバラツキ等)を防止することが出来るものである。
【0027】
また、パン生地等の粘性食材Wへのダメージを与えないようにするために、ホッパ本体7の入り口側と一対の駆動ギヤロータ16と従動ギヤロータ17との巾、及び複数の突出ノズル13の巾を揃えることで、定量供給機構12内に入る粘性食材Wは、そのまま突出ノズル13の出口から吐出させる事が出来るのである。
【0028】
このように、定量供給機構12の内部で粘性食材Wに滞留を起さない構造にし、また突出ノズル13の出口は、四角から丸へ絞り加工を施すことで粘性食材Wの流れを円滑にすることが出来るものである。
【0029】
この発明の粘性食材Wの定量供給装置1は上記のように構成され、予め粘度500〜20000cpの例えば、パン生地やシュークリームの生地等の粘性食品生地の他、コールドクリーム,マヨネーズ,ジャム,とつかつソース等の素材またはカスタードクリーム類の粘性食材を上記のような定量供給装置1により搬送コンベヤ等の搬送手段21上に載置された展板22等の上に定量ずつ供給する場合、先ず上記のような粘度500〜20000cpの粘性食材Wをホッパ本体7の四角錐台状に形成された箱状の上部ホッパ4内に所定量投入する。
【0030】
そして上部ホッパ4内に投入された粘性食材Wは、その自重により傾斜した内壁面2aに沿って下降し、四角錐状の箱状の下部ホッパ6内に流入した後、複数の吐出穴5から定量供給機構12の一対の駆動ギヤロータ16,従動ギヤロータ17により突出ノズル13側に順次押し出される。
【0031】
この発明では、上記のように粘性食材Wの充填箇所のみ定量供給機構12の一対の駆動ギヤロータ16,従動ギヤロータ17の巾と同じ巾の粘性食材Wの吐出穴5を設け、その他は隙間防止用の仕切り部材18等により粘性食材Wが入り込まないようにすることで、粘性食材Wの滞留を防止し、エアーの巻き込み等による乱貫(重量のバラツキ等)を防止することが出来る。
【0032】
そして、更にパン生地等の粘性食材Wへのダメージを与えないようにするために、ホッパ本体7の入り口側と一対の駆動ギヤロータ16と従動ギヤロータ17との巾、及び複数の突出ノズル13の巾を揃えることで、定量供給機構12内に入る粘性食材Wは、そのまま突出ノズル13の出口から吐出させる事が出来るのである。
【0033】
このように、定量供給機構12の内部で粘性食材Wに滞留を起さない構造にし、また突出ノズル13の出口は、四角から丸へ絞り加工を施すことで粘性食材Wの流れを円滑にすることが出来るものである。
【0034】
以上のように構成することで、粘性食材Wに重量のバラツキを起こすことなく、しかも粘性食品生地Wに品質のダメージを与えることなく精度良く、かつ効率良く供給することが出来る効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0035】
この発明では、例えば、パン,菓子類の粘性食品生地やパン,菓子類等に使用するクリーム類の粘性食材Wやその他の粘性食材を搬送コンベヤ21上の展板22に定量ずつ供給する粘性食材Wの定量供給装置であり、粘性食材Wに重量のバラツキを起こすことなく、しかも粘性食品生地に品質のダメージを与えることなく精度良く、かつ効率良く供給することが出来る粘性食材の定量供給装置である。
【符号の説明】
【0036】
1 定量供給装置
2 開口部
2a 内壁面
3 粘性食材投入室
4 上部ホッパ
5 吐出穴
6 下部ホッパ
7 ホッパ本体
8 仕切り壁
9 粘性食材吐出室
10 ギヤポンプ
11 ケーシング
12 定量供給機構
13 突出ノズル
14 駆動軸
15 従動軸
16 駆動ギヤロータ
17 従動ギヤロータ
18 隙間防止用の仕切り部材
19 ベースプレート
20 スリーブ
21 搬送手段
22 展板
W 粘性食材
α 対角
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に粘性食材を投入する開口部を備え、上方から下方に向かって内側に傾斜する壁面により粘性食材投入室が区画形成されたボックス状の上部ホッパと、この上部ホッパの下部に接続され、下部に長手方向に向かって所定の間隔で複数個の吐出穴を設けた先細りの下部ホッパとでホッパ本体を構成し、前記下部ホッパ内の前記吐出穴間に山形状の仕切り壁を介して複数の粘性食材吐出室を区画形成し、前記下部ホッパの下部に、前記粘性食材吐出室に設けた各吐出穴に対応して複数組のギヤポンプをそれぞれケーシング内に配設して成る粘性食材の定量供給機構を設置し、この定量供給機構のギヤポンプの下部に、前記粘性食材吐出室からギヤポンプを介して定量ずつ吐出される粘性食材を供給するための突出ノズルをそれぞれ設置したことを特徴とする粘性食材の定量供給装置。
【請求項2】
前記粘性食材が、粘度500〜20000cpの粘性食品生地、素材またはクリーム類の粘性食材である請求項1に記載の粘性食材の定量供給装置。
【請求項3】
前記定量供給機構のギヤポンプは、ケーシングに挿通された駆動軸に嵌合する駆動ギヤロータと、この駆動ギヤロータに噛合する回転軸に挿通された従動ギヤロータとから成る請求項1または2に記載の粘性食材の定量供給装置。
【請求項4】
前記粘性食材投入室が区画形成されたボックス状の上部ホッパ及び先細りの下部ホッパは、上部の開口部から下部の吐出口に向かって略四角錐状に形成され、この四角錐の対角は50度〜70度の範囲であり、高さが100〜200mmの範囲である請求項1,2または3に記載の粘性食材の定量供給装置。
【請求項5】
前記粘性食材の定量供給機構のギヤポンプは、ケーシングの内部に並列に挿通された駆動軸と従動軸に、前記複数の突出ノズルに対応して一対の駆動ギヤロータと従動ギヤロータとが互いに噛み合うように所定の間隔を隔てて複数組設置し、一対の駆動ギヤロータ及び従動ギヤロータ間には、隙間防止用の仕切り部材を配設し、前記駆動軸は、ケーシング外部に設置した回転駆動装置に接続可能に構成し、従動軸はケーシングの側面に回転可能に支持されている請求項1,2,3,4または5に記載の粘性食材の定量供給装置。
【請求項1】
上部に粘性食材を投入する開口部を備え、上方から下方に向かって内側に傾斜する壁面により粘性食材投入室が区画形成されたボックス状の上部ホッパと、この上部ホッパの下部に接続され、下部に長手方向に向かって所定の間隔で複数個の吐出穴を設けた先細りの下部ホッパとでホッパ本体を構成し、前記下部ホッパ内の前記吐出穴間に山形状の仕切り壁を介して複数の粘性食材吐出室を区画形成し、前記下部ホッパの下部に、前記粘性食材吐出室に設けた各吐出穴に対応して複数組のギヤポンプをそれぞれケーシング内に配設して成る粘性食材の定量供給機構を設置し、この定量供給機構のギヤポンプの下部に、前記粘性食材吐出室からギヤポンプを介して定量ずつ吐出される粘性食材を供給するための突出ノズルをそれぞれ設置したことを特徴とする粘性食材の定量供給装置。
【請求項2】
前記粘性食材が、粘度500〜20000cpの粘性食品生地、素材またはクリーム類の粘性食材である請求項1に記載の粘性食材の定量供給装置。
【請求項3】
前記定量供給機構のギヤポンプは、ケーシングに挿通された駆動軸に嵌合する駆動ギヤロータと、この駆動ギヤロータに噛合する回転軸に挿通された従動ギヤロータとから成る請求項1または2に記載の粘性食材の定量供給装置。
【請求項4】
前記粘性食材投入室が区画形成されたボックス状の上部ホッパ及び先細りの下部ホッパは、上部の開口部から下部の吐出口に向かって略四角錐状に形成され、この四角錐の対角は50度〜70度の範囲であり、高さが100〜200mmの範囲である請求項1,2または3に記載の粘性食材の定量供給装置。
【請求項5】
前記粘性食材の定量供給機構のギヤポンプは、ケーシングの内部に並列に挿通された駆動軸と従動軸に、前記複数の突出ノズルに対応して一対の駆動ギヤロータと従動ギヤロータとが互いに噛み合うように所定の間隔を隔てて複数組設置し、一対の駆動ギヤロータ及び従動ギヤロータ間には、隙間防止用の仕切り部材を配設し、前記駆動軸は、ケーシング外部に設置した回転駆動装置に接続可能に構成し、従動軸はケーシングの側面に回転可能に支持されている請求項1,2,3,4または5に記載の粘性食材の定量供給装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−31393(P2013−31393A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168615(P2011−168615)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(591182651)有限会社光陽機械製作所 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(591182651)有限会社光陽機械製作所 (4)
【Fターム(参考)】
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