説明

粘着テープ

【課題】防水性自着層を被着面に確実に止着させたか否かが、テープの背面全域の形態を見ると一目にて明確に判るようにした粘着水テープを提供する。
【解決手段】本願防水テープ1は、基材2の表面に防水性自着層3を設け、基材の背面に圧迫変化手段、たとえば、感圧変色シート、又はエアキャップシートを貼着したものであり、背面全域を鏝やヘラやロールなどを用いて圧着すると、その圧着した個所の背面が摩擦や圧迫力などで変化し、したがって、基材の背面の変化の状況をみれば、丁寧な作業が行われたか否かが明確に判り、圧着し忘れによる不完全な作業を確実に防止できる鏝やヘラなどを用いてシゴくと、シゴいた個所の色が変化したり、シゴいた個所の気泡が破壊され偏平化(形態が変化)するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓枠等のアルミサッシとラス板とのコーナー隙間、壁と屋根などのコーナー隙間、内外装材の繋ぎ目等に用いて好適な粘着テープに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の粘着テープは、基材の表面に粘着層(粘着性ブチルやアスファルトからなる防水性自着層を含む。)を設け、該粘着層を剥離紙で覆ってなる。この粘着テープは、粘着層が防水性自着層になっているときは、窓枠等のアルミサッシとラス板とのコーナー隙間、壁と屋根などのコーナー隙間の防水施工を行うために使用されるが、通常、特開平6−330570の如く、ロール状に巻かれており、剥離紙を剥がして防水性自着層を露出させた一端部を所望の個所に貼り付けてから、ロール状を巻き戻すようにしながら必要な長さを引き出して切断する。しかる後、そのテープ背面を全域にわたって鏝(こて)又はヘラなどを用いて擦ったり、ロールを用いて圧着したりして粘着層が被着面に確実に止着するように作業していた。
【特許文献1】特開平6−330570
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記粘着テープを被着面に密着的に貼るという丁寧な作業を現場作業者に徹底したとしてもテープ背面全域を鏝やヘラやロールなどを用いて圧着したか否かは見た目には明確には確認できず、したがって、粘着テープが被着面に対して確実に止着されているか否かが判らないのが現状であった。
【0004】
本発明は上記の点に鑑み、防水性自着層を被着面に確実に止着させたか否かが、テープの背面全域の形態を見ると一目にて明確に判るようにした建築用防水テープを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明は、基材の表面に粘着層を設けた粘着テープにおいて、前記基材の背面に圧迫変化手段を施したことを特徴とし、テープの背面全域を鏝やヘラやロールなどを用いて圧着すると摩擦や圧迫力などで色又は形態等が変化するように構成した。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、前記圧迫変化手段が感圧変色シートを貼着したものであることを特徴とし、テープの背面全域を鏝やヘラやロールなどを用いて圧着するとその圧着した個所の色が圧迫力により変化するように構成した。
【0007】
さらに、請求項3に記載の発明は、前記圧迫変化手段がエアキャップシートを貼着したものであることを特徴とし、鏝やヘラやロールなどを用いて圧着するとその圧着した個所の気泡が破壊され偏平化(形態が変化)するように構成した。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る粘着テープによれば、基材の表面に粘着層を設けた粘着テープにおいて、前記基材の背面に圧迫変化手段を施したことを特徴としているので、背面全域を鏝やヘラやロールなどを用いて圧着すると、その圧着した個所の背面が摩擦や圧迫力などで変化する。したがって、基材の背面の変化の状況をみれば、丁寧な作業が行われたか否かが明確に判り、圧着し忘れによる不完全な作業を確実に防止できるという優れた効果を奏するものである。
【0009】
また、請求項2に記載の粘着テープによれば、前記圧迫変化手段が、感圧変色シートを貼着したものであることを特徴としているので、テープ背面全域を鏝やヘラやロールなどを用いて圧着するとその圧着した個所の色が圧迫力により変化し、その色の変化により粘着層が被着面に完全密着していることが一目瞭然に判るという優れた効果を奏するものである。
【0010】
さらにまた、請求項3に記載の粘着テープによれば、前記圧迫変化手段が、エアキャップシートを貼着したものであることを特徴としているので、テープ背面全域を鏝やヘラやロールなどを用いて圧着するとその圧着した個所のエアキャップ(気泡)が破壊されて偏平化し、その形態の変化を見れば、粘着層が被着面に完全密着していることが一目瞭然に判るという優れた効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明の実施の態様を図面に基づいて説明する。図1はシゴいた個所の色が変化する本願テープの斜視図、図2は色の変化の状態を示す斜視図、図3は形態が変化する本願テープの断面図、図4は形態が変化した後の断面図、図5は芯材を介装した防水性自着層を有する本願テープの拡大断面図である。
【0012】
図において、1は本願テープ、2はテープ基材である。テープ基材2はそれ自体防水性を有していてもよい。該テープ基材2の片面には粘着層(粘着性ブチルやアスファルトからなる防水性自着層を含む。)3を設け、該粘着層3の外面は剥離紙4で覆われている。前記テープ基材2の横幅(H−H′方向)は5cm〜50cm、長さ(N−N′方向)は0.5m〜50mのものをロール状に巻設して用いるが、用途によっては幅や長さは任意に決定されるし、ロール状に巻設されない場合もあり得る。
【0013】
前記テープ基材2の材質は、用途によって多様な材料が用いられる。例えば、織布、不織布、紙等、又はこれに必要に応じてアスファルトを含浸したもの、あるいは必要に応じてアスファルトのコーティング層を設けたもの、更に、用途によっては、PET、PE、PP、PVCなどのフィルム、アルミ、銅、鉄などを含む金属の単体、或いはこれらの複合品などが利用される。
【0014】
前記テープ基材2の背面には圧迫により変色又は形態が変化する圧迫変化手段5が施されている。該圧迫変化手段5を施すとは、たとえば、感圧変色シート5a又はエアキャップシート5bを基材2の背面に貼着することを意味する。これ以外に、同効の手段があれば、それによることもある。
【0015】
前記感圧変色シート5aは、支持体に発色材を充填したマイクロカプセルと、顕色材とを塗布してなり、該感圧変色シート5aを貼着してなるテープ基材2の剥離紙4を剥がして防水性自着層3を被着面6に貼り、図2の如く、鏝(ヘラやロールその他でもよい)7を用いてテープ基材2の背面を矢印イの如く圧着して粘着層3を被着面6に圧着させるようにすると、前記感圧変色シート5aのマイクロカプセルが破壊され、顕色材と化学反応を起こして圧着した個所において色が変化(点模様で示す)するようになっている。
【0016】
前記エアキャップシート5bは、貼り合わせた2枚の薄手のプラスチックシート間に規則的(又は不規則的)に気泡5b′を封入した突部を設けてなるもので、一般的には包装材(クッション材)として広く利用されているものをそのまま利用できる。該エアキャップシート5bを、図3の如く、エアキャップ(気泡)が外になるようにテープ基材2の背面に貼着している。エアキャップを外に用いたのは、破壊したときに破壊前との形態の変化がより鮮明になるからである。
【0017】
前記エアキャップシート5bを貼着してなるテープ基材2は、剥離紙4を剥がして粘着層3を被着面6に貼った後、図3の如く、鏝(ヘラやロールその他でもよい)7を用いてテープ基材2の背面を矢印ロに向けて圧着させると、粘着層3が被着面6に圧着するとともに、図4の如く、鏝7が移動した跡(圧着された個所)のエアキャップ(気泡)が破壊され、扁平片5b″となり、破壊前の形態と明らかに変化することとなる。
【0018】
前記粘着層3は、ゴム又は樹脂を混合して高い接着力を発揮できるように構成されており、アルミサッシ等の金属面にも、ラス板等の木質面にもその他の素材にも接着性が良好なものになっているとよい。この粘着層3に混合するゴム又は樹脂としては、天然ゴム、SBR、NBR、BR、IR、CR、IIR、EPR、EPDM、PIB、SBS、SIS、SEBS、塩素化ポリエチレン、EVA等、又はこれらの再生ゴムを使用し、アスファルトを添加、又は添加しないものが適用できる。
【0019】
前記粘着層3は、図5の一点鎖線の如く、中間に不織布や織布などの芯材8を介装して機械的強度を増大させるようにしてもよい。この介装枚数は図5の如く1枚には限らないことは勿論である。前記粘着層3の外面を覆った剥離紙4は、施工前には粘着面を保護しており、施工時に剥離除去することによって粘着層3を露出すれば、被着面6に接着できるようになっている。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本願テープは、窓枠や玄関ドア枠等の建具(サッシ)の防水工事に用いたり、内外装材の繋ぎ目の防水に用いたりすることが確実に行われたか否かが、テープ基材の背面の色又は形態により一目瞭然に確認でき、外観的に作業者の丁寧な作業が判るという有益なものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本願テープを巻物とした場合の一部切欠斜視図である。
【図2】色の変化の状態を示す斜視図である。
【図3】形態が変化する本願テープの断面図である。
【図4】形態が変化した後の断面図である。
【図5】芯材を介装した粘着層を有する本願テープの断面図である。
【符号の説明】
【0022】
1 本願テープ
2 基材
3 粘着層
4 剥離材
5 圧迫変化手段
5a 感圧変色シート
5b エアキャップシート
6 被着面
7 鏝(ヘラやロールその他でもよい)
8 芯材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の表面に粘着層を設けた粘着テープにおいて、前記基材の背面に圧迫変化手段を施したことを特徴とする粘着テープ。
【請求項2】
前記圧迫変化手段が、感圧変色シートを貼着したものであることを特徴とする請求項1に記載の粘着テープ。
【請求項3】
前記圧迫変化手段が、エアキャップシートを貼着したものであることを特徴とする請求項1に記載の粘着テープ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−291153(P2007−291153A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−117267(P2006−117267)
【出願日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(391011548)田島応用化工株式会社 (19)
【Fターム(参考)】