説明

粥状の材料を圧送するための方法および粥状の材料を圧送するためのポンプ装置

本発明は、それぞれ1つのピストンを有する少なくとも2つのシリンダを備えたピストンポンプを有するポンプ装置であって、各シリンダが、該シリンダに対応する流入スライダによって閉鎖可能な流入開口を介して前充填容器に接続されており、各シリンダが、該シリンダに対応する流出スライダによって閉鎖可能な流出開口を介して圧送管路に接続されている形式のポンプ装置を用いて、粥状の材料を圧送するための方法に関する。本発明の方法では、- シリンダの吸込み行程において、流入開口が開放されかつ流出開口が閉鎖された状態で、粥状の材料を前充填容器から各シリンダ内へ圧送し、シリンダの吐出行程において、流出開口が開放されかつ流入開口が閉鎖された状態で、粥状の材料を圧送管路内へ圧送し、- ピストン速度を吸込み行程時に、吐出行程時よりも大きく設定し、- 吸込み行程の終了時、終了直前、または終了直後に、流入スライダによって流入開口を閉鎖し、その後に、流出開口を開く前に、シリンダ内の粥状の材料の圧縮を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれ1つのピストンを備えた少なくとも2つのシリンダを備えたピストンポンプを有するポンプ装置であって、各シリンダが、当該シリンダに対応する流入開口を介して前充填容器に接続されており、各シリンダが、当該シリンダに対応する流出開口を介して圧送管路に接続されている形式のポンプ装置を用いて、粥状(breiig. Masse)の材料、つまりコンクリートのようなパルプ状もしくはスラリ状の材料を圧送するための方法に関する。
【0002】
さらに本発明は、シリンダを備えたピストンポンプを有する、粥状の材料を圧送するためのポンプ装置であって、シリンダが、ピストンを有しており、シリンダが、流入スライダによって閉鎖され得る流入開口を介して前充填容器に接続されている形式のポンプ装置に関する。
【0003】
コンクリートを圧送する場合には、一般にピストンポンプから形成されるポンプ装置が使用される。このピストンポンプは2つのシリンダを有しており、両シリンダはそれぞれ1つのピストンを有している。シリンダは、圧送したい粥状の材料を吸込み行程において前充填容器から受け取り、その後に、吸い込まれた粥状の材料を吐出行程において、ピストンポンプに続いた圧送管路内へ圧送する。このときに、両シリンダのピストンは、できるだけ均一に粥状の材料を圧送管路内へ圧送するために、互いに逆向きに運転される。このようなポンプ装置の圧送管路は、かなりの長さを占める場合がある。しばしば、圧送管路はクレーンブームの一部であり、そしてポンプ装置の設置場所から、投句隔たった建築現場の端部にまで粥状の材料を圧送するために働く。圧送管路のこのような長さに基づき、粥状の材料の圧送流がほんの少しでも中断されると、質量慣性に基づき、圧送管路の著しい旋回運動が生ぜしめられてしまう。それゆえに、粥状の材料の連続的な圧送を可能にする方法を開発することが目標とされている。
【0004】
実際の使用現場からは、連続的な圧送を実施すると言われている、粥状の材料を圧送するための方法が知られている。しかし、粥状の材料がピストンによって押し出される起点となるシリンダ内室から圧送管路の流出端部までの粥状の材料の圧送経路を分析してみると、実際に知られているこれらの方法においても、たしかに改善された圧送均一性は可能であるが、しかし連続的な圧送は行われないことが判る。これらのポンプ装置においても、粥状の材料の圧送経路には構成エレメント、特に弁が配置されており、この弁の弁体は閉じられた位置において、粥状の材料を押しのける位置で配置されおり、それに対して、開放位置では、弁体は粥状の材料の圧送のために設けられた圧送室から弁体が取り出される。これにより、各開放時には圧送流にすき間が生じる。このすき間は、既に当該すき間の下流側に位置する粥状の材料が後退することにより埋められる。このことは、圧送方向への粥状の材料の均一な圧送を損なうので、この場合には、粥状の材料の真の連続的圧送とは云えない。
【0005】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第4208754号明細書に記載の、コンクリートを連続的に圧送するための2シリンダ式ピストンポンプを用いると、真の連続的な圧送が達成される。しかし、揺れ管(同ドイツ連邦共和国特許出願公開明細書では符号100もしくは104)の開口と、揺れ管の側方に取り付けられたスライダプレート(摺動板101,102)と、めがね板(Brillenplatte)とにおいて、許容し得ないほど高い摩耗が生じることが判った。この場合、めがね板に沿って揺れ管の開口がスライダプレートと共に密にスライドする。この装置を用いると、負荷を受けた場合の切換が、以下に挙げる未解決の問題を生ぜしめることが判っている:
1) コンクリートのアブレシブな微粒状の成分が、連続的に維持される圧送圧により切換過程時にシールギャップ内に押し込まれた。このときに、前記成分はスライダの高い切換抵抗を生ぜしめた原因となった。この高い抵抗はなお、スライダの極めて長い切換ストロークによって、汎用の不連続的なポンプにおいては知られていないほど高い摩耗を招いた。
2) 上記問題点1)から、極めて高い駆動作業、すなわち比較的長い時間の間の、極めて高い所要切換出力が生ぜしめられる。
【0006】
欧州特許第1003909号明細書となった特許出願により、合計2つのスライダを備えた連続圧送式の2シリンダ型のコンクリートポンプが提案されている。このコンクリートポンプでは、一方のスライダが「等圧」のときに切り換わり、他方のスライダが「ゼロ圧」のときに切り換わる。等圧によって切り換わるスライダにおいては、切換過程の前に揺動管の内部の吸い込まれたコンクリートの圧縮によって、圧力ハウジング内の揺動管の外部および引き続き延びる圧送管路の外部において常時生ぜしめられている圧力と等しい圧力が形成される。それゆえに、圧力ハウジングの内側で揺動管のスライド式の開口部のところには、内側と外側との間の圧力差が生ぜしめられない。それゆえに、コンクリートの微細なアブレシブな成分は、ハイドロスタティック的な、つまり流体静力学的な圧力差によってスライドギャップ内に押し込まれなくなる。それどころか、無圧状態に極めて類似した状態が生ぜしめられる。
【0007】
前充填容器から揺動管への吸込管路に設けられた遮断弁は、吸込み行程によってコンクリートが膨張したあとでしか開かず、そして吸い込まれたコンクリートのための圧縮過程の前に閉じる。それゆえに、この吸込みスライダの切換過程は、コンクリート内のハイドロスタティック的な圧力なしに、つまり流体静力学的な圧力なしに行われる(「ゼロ圧」)。欧州特許第1003909号明細書に記載の構造には、このような印象的な利点があるが、しかしその反面、以下に挙げるような欠点も存在する:
圧力ハウジングは極めて大きく、約90バールの現在汎用の最大コンクリート圧においてはクリーニングが極めて困難となりかつ著しい組立て手間を要する。特に不都合となるのは、コンクリートが吐出行程の際に圧送管路へ向かう途中で吸込み・揺動管の傍らを通って、圧力ハウジング内に存在するコンクリートを通って通過しなければならない狭い曲げ部である。それゆえに、このポンプは極めて粗粒のコンクリート混合物を圧送することができない。別の欠点は、他方のシリンダへの切換時に揺動管の開口部が両シリンダ開口の間に配置されなければならないことである。これにより、両圧送シリンダのためには、大きな中央間隔が生ぜしめられ、この場合、両シリンダを、前充填容器の十分に低い装入高さのために必要となるように、傾けて運搬車両のビームの間に通して組み付けることはできなくなる。
【0008】
ドイツ連邦共和国特許第102005008938号明細書に記載の構成は、やはり合計2つのスライダを有している。これらのスライダはそれぞれ両圧送シリンダのために働く。一方のスライダは「ゼロ圧」において切り換わる、2つの切換位置を有する4ポート方向切換スライダ弁であり、たとえば、開いた前充填容器内の不連続式のポンプにおいて現在汎されている揺動管である。これに加えて、なお圧送管路に設けられた遮断スライダが存在する。この遮断スライダは等圧において常時切り換わる。欧州特許出願公開第1003969号明細書に記載の構成に対する上記ドイツ連邦共和国特許第102005008938号明細書に記載の構成の大きな進歩は、とりわけ次の点に認められる。すなわち、切換過程の際に等圧もしくはゼロ圧が生ぜしめられるだけではなく、少なくとも等圧によって切り換わる遮断スライダにおいて、オートマチックリング(自動調節リング)を使用することができる。このオートマチックリングのハイドロスタティック的な押圧は、等圧時にコンクリート圧によって補償される。その理由は、圧縮過程後にカッティングリングの外側と内側とに等しい圧力が存在することである。それゆえに、カッティングリングと、その滑りパートナ、すなわち揺動体との接触面も、ギャップ圧(Spaltdruck)としての媒体圧によって負荷されている。この媒体圧は、ハイドロスタティック的な押圧力に抗して作用する同じ大きさの力をカッティングリングに加える。切換過程中の押圧のためには、オートマチックリングのばねとしても作用するシールリングの、比較的著しく低い、自由に設定可能なプリロード力もしくは予荷重力が残っているのが理想的である。それゆえに、オートマチックリングは切換過程の時間に、もしくは等圧の間、スクレーパ(掻取り器)としてしか作用しない。こうして、摩擦、ひいては摩耗およびスライダのための所要駆動出力も、最小限にまで低減される。
【0009】
ドイツ連邦共和国特許第102005008938号明細書に記載の構造の欠点は、以下の通りである:標準の揺動管に対して付加的に必要となる両構成アッセンブリは、圧送管路内で揺動管の下流側約1mのところに支承されなければならない遮断スライダと、スペース理由からさらに下流側で圧送管路に組み込まれなければならない補償シリンダである。
【0010】
上記ドイツ連邦共和国特許明細書において特許付与された補償シリンダは、圧送作用の点で並列接続された2つのシリンダに相当しており、これによりピストン行程は公知の補償シリンダ(ドイツ連邦共和国特許出願公開第4208754号明細書、Fig.1参照)に比べて1/2にされている。さらに、駆動側のハイドロリックシリンダは圧送シリンダの背後に「直列」に組み込まれているのではなく、両圧送シリンダの間に組み込まれているけれども、この補償シリンダは、多くのスペースを必要とし、しかもこの場合、この補償シリンダを自動コンクリートポンプに収納しかつ十分に固定することが極めて困難となる。さらに、この補償シリンダは高価で複雑でかつ極めて重い構成アッセンブリを成している。
【0011】
このような背景に鑑み、本発明の根底を成す課題は、粥状の材料の一層均一な圧送を可能にするために適した、粥状の材料を連続的に圧送するための方法を提案することである。それと同時に、流入開口の特に良好なシールを可能にする、粥状の材料を圧送するためのポンプ装置を提案することが望まれる。
【0012】
この方法は、ピストンポンプの各シリンダのために固有の流入スライダを備えた固有の流入開口と、固有の流出スライダを備えた固有の流出開口とを設けるという基本思想を前提としている。このことは、各シリンダの充填および各シリンダによる圧送管路内への粥状の材料の送出を、1つまたは複数の別のシリンダの別の作業ステップとは無関係に実施することを可能にする。こうして、一方のシリンダの吐出行程の間、すなわち一方のシリンダから圧送管路内への粥状の材料の連続的な圧送の間、他方のシリンダを第1に粥状の材料で充填し、第2に既に粥状の材料の前圧縮を、この新たに充填されたシリンダ内で実施することができる。このことは、特に、この新たに充填されたシリンダの流出スライダの弁体を、シリンダ内で圧縮により圧力負荷された粥状の材料の圧力が、流出スライダの圧送出力における粥状の材料の圧力にほぼ相当したときに、はじめて閉鎖位置から、開放された位置へ運動させることを可能にする。これにより、等圧下での流出スライダの切換およびゼロ圧時の流入スライダの切換を特に簡単に行うことができる。
【0013】
このために、本発明の方法では、
- シリンダの吸込み行程において、流入開口が開放されかつ流出開口が閉鎖された状態で、粥状の材料を前充填容器から各シリンダ内へ圧送し、シリンダの吐出行程において、流出開口が開放されかつ流入開口が閉鎖された状態で、粥状の材料を圧送管路内へ圧送し、
- ピストン速度を吸込み行程時に、吐出行程時よりも大きく設定し、
- 吸込み行程の終了時、終了直前、または終了直後に、流入スライダによって流入開口を閉鎖し、その後に、流出開口を開く前に、シリンダ内の粥状の材料の圧縮を行うようにした。
【0014】
この方法は、個々の流入スライダおよび流出スライダを特に好都合な条件下に切り換えることを可能にする。
【0015】
本発明による方法は、吸込み行程の間にシリンダ内に引き込まれた粥状の材料が、前充填容器内に存在する粥状の材料と同じ圧力を有する時点で、各流出スライダを閉鎖することを可能にする。このことは、前充填容器の範囲およびちょうど充填されたシリンダの範囲において、コンクリートのほぼ無圧の状況を生ぜしめる。この状況は、簡単化の理由から「ゼロ圧」と呼ばれる。さらに、本発明による方法は、対応するシリンダがその吸込み行程を開始した場合にはじめて各流入スライダを再び開放することを可能にする。本発明による方法の有利な実施態様では、シリンダがその吸込み行程を開始したときにはじめて各シリンダの流入スライダを開放することにより、吐出行程の終了および流出スライダの閉鎖の後に相変わらずシリンダ内に存在する粥状の材料の圧力が減少して、前充填容器内の粥状の材料の圧力レベルにまで低下することが可能になる。このことは、前充填容器とシリンダ内容物との間に圧力差が生じていない状況において流入スライダを開放することを可能にする。このことはさらに、流入スライダを単純に構成することを可能にする。圧力補償されない、極めて短い構造のフラットスライダを使用することができる。このフラットスライダは、本発明によるポンプ装置の一部として設けられているようなオートマチックリングによって特に良好にシールされ得る。
【0016】
本発明による方法はさらに、シリンダ内の粥状の材料と、圧送管路内の粥状の材料とが等しい圧力を有するような状態で流出スライダを切り換えることを可能にする。スライダ手前の粥状の材料と、スライダ背後の粥状の材料とが等しい圧力を有しているこの状態、すなわちスライダが、等しい圧力の周辺環境に位置しているという状態は、簡単化の理由から「等圧」と呼ばれる。
【0017】
本発明による方法では、流出スライダの開放前に、吸込み行程の間にシリンダ内に吸い込まれた粥状の材料の、目下の圧送圧への圧縮が行われる。この場合、この粥状の材料は当該シリンダの閉じられた流入スライダおよび閉じられた流出スライダに抗して圧縮される。これにより、流出スライダの開放前に等圧の状況が形成される。等圧のこの状況は、有利な実施形態において設定された、流出スライダの弁体または流出スライダの、弁体により閉鎖された流出開口におけるオートマチックリングの使用をも特に有利にする。等圧状況により、ゼロ圧に極めて似た状況が生じる。流出スライダの弁体により閉鎖された流出開口に設けられたオートマチックリングにおいては、オートマチックリングと旋回体との間の接触面が、吸い込まれたコンクリートの圧縮によって、粥状の材料(特にセメントペースト、すなわちコンクリートの流体成分)を有する外側からも加圧される。これにより、オートマチックリングのハイドロスタティック的な押圧は、ギャップ圧の、逆向きに作用する等大の力によって相殺される。これによって、オートマチックリングが、ゼロ圧時の状況に似て、切換過程の際に等圧によって、ばね弾性的なシールリングによる自由設定可能な低いプリロードによってしか押圧されなくなることが達成される。この場合に、オートマチックリングはスクレーパ、つまり掻取り器としてしか作用せず、これにより旋回抵抗および摩耗は最小限となる。
【0018】
本発明による方法は、流入スライダにおいても、流出スライダにおいても、差圧時の持上がりを阻止するために必要となるオートマチックリングのハイドロスタティック的な押圧が、切換過程後の休止状態においてかつ閉じられたスライダにおける圧力差の発生時にはじめて生じることを可能にする。
【0019】
本発明による方法は、不連続的なポンプに比べて少ない過剰手間をかけるだけで、2つの回転スライダを備えた不連続的なポンプのためには技術的に必要とならない2つの流入スライダによって構成され得るポンプ装置を使用することを可能にする。たとえば、前充填容器内に設けられた両流入スライダが、前充填容器のハウジング壁に沿って旋回可能に形成されていてよい。本発明による方法のために使用可能となるポンプ装置は、コンパクトで廉価にかつ軽量構造で構成されていてよい。構成長さおよび前充填容器における装入高さは、揺動管を備えたコンベンショナルな不連続的なポンプに比べて等大に保持され得る。スライダにおける摩耗は、切換過程の間に生ぜしめられるゼロ圧状況もしくはゼロ圧に似た(「等圧」)状況により、同時に圧送圧が維持されるにもかかわらず極めて少なく保持され得る。また、スライダの切換抵抗および所要の切換出力ならびに所要の切換時間を小さく保持することができる。さらに、本発明による方法において使用可能なスライダは極めて小さな可動質量を有することができる。このことは、極めて密な時間プランの理由で極めて短い時間に行われなければならない多数の切換過程に基づき、特に有利である。
【0020】
さらに、本発明による方法では、欧州特許第1003969号明細書に基づき公知の揺動管を不要にすることのできるポンプ装置を使用することができるので有利である。このことは、前充填容器内で「ブリッジ形成」傾向を示す、破断された粒子の高い含量を有する粥状の材料を圧送したい場合に特に有利になる。このような種類の粥状の材料では、いわゆる管形方向切換器付きポンプ(たとえば欧州特許第1003969号明細書に開示されているような揺動管を備えたポンプ)はフラットスライダを備えたポンプに比べて劣る。本発明による方法は、フラットスライダを使用することを可能にする。前充填容器内でその運動のために極めて多くのスペースを必要とする揺動管を不要にすることができると、流入開口の臨界的な範囲においても有効となる有効な攪拌装置を据え付けることができる。本発明者の認識によれば、前充填容器内の揺動管はその運動により複数の空所を生ぜしめ、そしてこれらの空所の有効な破壊を妨げる。
【0021】
本発明による方法の有利な実施態様では、回転スライダとして形成されている流出スライダが使用される。回転スライダとは、スライダハウジングにより規定された室の内部で、スライダの弁体が、スライダハウジングにより規定された室から進出することなしに閉鎖位置から開放位置へ回転され得るようなスライダであると解される。回転スライダに対して択一的に、リニア式のフラットスライダおよび円筒状の遮断エレメントを備えた「プランジャスライダ」が使用され得る。このようなスライダでは、弁体が、スライダハウジングにより規定された室に側方で並んで配置された開放位置から、スライダハウジングにより規定された室内へリニア式に、つまり線状に押し込まれ、これにより閉鎖位置がとられる。回転スライダは、閉鎖位置から開放位置へ容積ニュートラルに、つまり容積変化なしに、運動させるために、つまり閉鎖位置から開放位置への弁体の運動時もしくは閉鎖位置への戻り運動時に、弁体を上流側でも下流側でも取り囲む粥状の材料に隙間もしくは過剰量が生じることなしに運動させるために特に良好に使用され得る。
【0022】
特に有利には、本発明による方法では、スライダハウジング内に弁体を備えた回転スライダである流出スライダが使用される。この回転スライダでは、スライダハウジングが圧送室の一部であり、この圧送室では、粥状の材料が各シリンダから圧送管路内に圧送され、弁体は流出スライダのあらゆる位置においてスライダハウジング内に留まる。
【0023】
この構造は、弁体を閉鎖位置から開放位置へ、そして再び閉鎖位置へ容積ニュートラルに、つまり容積変化なしに、移動させることを可能にする。これにより、粥状の材料の連続的な圧送が助成される。なぜならば、遮断体が開放時に圧力室から進出する場合、圧送室内に隙間が生じないからである。逆に、遮断体は圧力室へ進入する場合には、有効圧送量を著しく高めてしまい、そしてやはり連続性を達成しない。
【0024】
本発明による方法の有利な実施態様では、シリンダ内で圧縮により圧力負荷された粥状の材料が、流出スライダの圧送管路側における粥状の材料の圧力にほぼ相当すると、流出スライダの弁体が、閉鎖位置から開放された位置へ運動させられる。これにより、少ない摩耗において流出スライダの特に容易な切換を可能にする等圧状況が得られる。
【0025】
本発明による方法のさらに別の有利な実施態様では、旋回フラットスライダとして形成されている流入スライダが使用される。旋回フラットスライダでは、スライダのフラットに、つまり薄く形成された弁体が、旋回運動により、閉鎖したい開口の側方に並んで位置する開放位置から、閉鎖したい開口を閉鎖する閉鎖位置へ旋回させられる。このような旋回フラットスライダは特に簡単に形成され得る。本発明による方法は、流入スライダをゼロ圧状況で開放することを可能にし、これによって、簡単に構成され得る旋回フラットスライダを使用することを可能にする。このような旋回フラットスライダは、放圧に基づき、もしくは放圧の後に切り換えられ得る。特に圧送管路内の高い圧送抵抗の場合には、旋回抵抗が実質的に克服不可能となり、摩耗も極めて高くなる。
【0026】
本発明による方法は特に以下のようにして運転され得る:
1.流入開口が開放されかつ流出開口が閉鎖されている状態で、シリンダのピストンが、吸込み行程を実施するために後方へ向かって引っ張られる。こときに、粥状の材料が前充填容器からシリンダ内へ吸い込まれる。
2.吸込み行程の終了時、終了直前または終了直後に、流入スライダをその閉鎖位置へ旋回させることにより、流入開口が閉鎖される。この場合に、流入開口の閉鎖を吸込み行程の終了時、終了直前または終了直後に実施するかどうかの選択は、とりわけシステムにより条件付けられている。すなわち、流入スライダの切換時間に基づき、たとえばピストンがシリンダ内での完全に引き戻された位置に到達する前に、閉鎖位置への流入スライダの旋回運動を既に開始することが必要となり得る。他方において、場合によっては設けられたハイドロリック式切換装置(Schalthydraulik)の慣性に基づき、ピストンがシリンダ内でのその終端位置へ到達したことが終端位置センサによって検知された後ではじめて流入スライダを閉鎖することも考えられる。
3.シリンダのピストンは流出開口および流入開口へ向かって運動させられ、このときにシリンダ内の粥状の材料の圧縮を実施する。
4.流出開口は流出スライダの旋回によって開放される。このときに、対応する圧送シリンダは吐出できる状態となる。
5.短いリザーブ時間インターバル(粥状の材料の固有のポンプ輸送のための)の後に、吐出したピストンはその終端位置の近傍に到達する。このときに、ハイドロリック式の制御弁は、弁を制御するハイドロリックシステム内のオイル流が短時間に両シリンダに分配され得るように切り換えられると有利である。この場合、コンクリートの有効圧送量は一定のままとなる。終端位置への到達後には、次のシリンダだけが圧送を行う。こうして、完全な連続性を得ることができる。
6.吐出行程の終了時もしくは終了直前に、流出開口は閉鎖位置への流出スライダの旋回によって閉鎖される。
この切換過程は等圧下に行われ、これにより小さな切換抵抗および僅かな摩耗が達成される。
7.ピストンはシリンダ内で引き戻されるので、まだシリンダ内および制御ハウジング内に存在している粥状の材料が膨張される。シリンダ内の粥状の材料の圧力が前充填容器内の圧力に相当すると、流入スライダはその開放位置へ旋回させられる。
【0027】
別のシリンダは逆向きに運転される。この場合、一方のシリンダの運動シーケンスのステップ1〜4は、他方のシリンダのピストンが粥状の材料を目下の圧送圧によって圧送管路内へ圧送する時間内で完全に実施される。このためには、ステップ1〜4の実施のために設定されるべき時間を短く保持するために、吸込み行程におけるピストン速度が吐出行程時よりも大きく設定されなければならない。個々のステップをこのように互いに調和させることにより、粥状の材料は連続的に圧送管路内に吐出されるようになる。つまり、一方のシリンダの吐出行程が終了するやいなや、前圧縮された粥状の材料を有する他方のシリンダは、圧送を続行できる状態になる。
【0028】
粥状の材料を圧送するための本発明による方法の択一的な構成では、それぞれ1つのピストンを有する少なくとも2つのシリンダを備えたピストンポンプを有するポンプ装置が使用される。各シリンダは、該シリンダに対応する流入スライダによって閉鎖可能な流入開口を介して前充填容器に接続されており、さらに各シリンダは、該シリンダに対応する流出スライダによって閉鎖可能な流出開口を介して圧送管路に接続されている。この方法では、前記シリンダの少なくとも1つのシリンダ内に、クリーニング体が導入され、該クリーニング体が、圧縮空気によって、開放された流出スライダを通じて圧送管路内に導入されて、圧送管路内に存在する粥状の材料を圧送管路に通して圧送する。この択一的な構成は、有利には本発明による方法の前で説明した構成との組合せで実施可能である。
【0029】
この択一的な構成は、ポンプ装置を特に良好にクリーニングすることを可能にする。すなわち、不連続性の問題の他に、残留コンクリートの廃棄の問題が存在する。ピストンポンプがコンクリートの代わりに空気を吸い込むと、圧送はもはや不可能となる。その場合、充填された圧送管路内で分配マストにまだ存在するコンクリートや、前充填容器内に存在する、もはや吸込み不可能となったコンクリートは「残留コンクリート」と呼ばれる。圧送管路からのコンクリートは、実際の現場では、重力のアシストを受けて「ワイパボール(Wischerball)」を吸い戻すことによって前充填容器内に吸い戻される。比較的長いマストの場合には、前充填容器内が溢れ、このことは大きなクリーニング作用をもたらす。
【0030】
さらに、本発明による方法のために行われた、有利にはオートマチックリングを用いて良好にシールされた、互いに独立して別個に切換可能である2つの流入スライダを備えたポンプ装置の設計では、両吸込開口によってそれぞれ1つのボールを吸い込み、場合によっては設けられている二叉管の両脚部内へ圧送し、そして全コンクリートを圧縮空気によって打込み現場にまで圧送することができる。圧縮空気はクリーニング体、有利にはボールを、圧送管路に押し通す。
【0031】
粥状の材料を圧送するための本発明によるポンプ装置は、1つのピストンを有する1つのシリンダを備えたピストンポンプを有している。シリンダは、流入スライダによって閉鎖され得る、めがね板により輪郭画定された流入開口を介して前充填容器に接続されており、流入スライダは、シリンダ内部に向けられた閉鎖面を有している。この場合、本発明の構成では、
- 流入スライダが、旋回可能なベースボディを有しており、
- 前記閉鎖面が、少なくとも部分的に、前記ベースボディに対して相対的に可動のピストンの面により形成されており、該ピストンは、制御ハウジングの内側から所定の媒体圧が該ピストンに作用したときに、前記ベースボディに形成された、閉じられた中空室内に進入するようになっており、
- 該中空室内に、ピストンの進入によって圧縮され得る流体が設けられており、
- 環状ピストンとして形成された切断リングもしくはカッティングリングが設けられており、該カッティングリングが、中空室に面した面を有していて、流入スライダの閉鎖位置で前記流体の圧力によってめがね板に押圧されるようになっている。
【0032】
流入スライダのこの構造は、カッティングリングが欧州特許出願公開第0057288号明細書に記載の構成とは異なり媒体流によって通流されないけれども、旋回フラットスライダにカッティングリング(オートマチックリング)を装備させることを可能にする。この旋回フラットスライダの特別な利点は、その極めてフラットな(薄い)構造にある。このようにフラットな構造は、吸込開口の手前でも攪拌装置の最適な作用を可能にする。
【0033】
流入スライダにおいて基本的にほぼ無圧の状態(「ゼロ圧」)で行われる切換過程の際に、カッティングリングはスクレーパ(掻取り器)としてのみ、プリロードばね(予荷重ばね)の自由設定可能なプリロード力もしくは予荷重力をかけられて、カッティングリングに対応するシール面に押圧される。これによって、このようなカッティングリングにおける摩耗を減少させることができる。なぜならば、カッティングリングの摩耗はほとんど専ら切換過程の際に発生し、面圧の約3乗の関係にあるからである。
【0034】
流入スライダにおけるこのような配置における特別な点は、流入スライダの一方の側において前充填容器内に規則的に周辺圧が生ぜしめられることにある。提案された構成は、可動のエレメントにもカッティングリングにも隣接した中空室によって、粥状の材料の圧力により形成された力を、カッティングリングの、粥状の材料とは反対の側へ「変向」させることを可能にする。流入スライダの閉鎖位置では、粥状の材料が圧力負荷の際に、可動の部分の、外方へ向けられた面に押圧される。この圧力は内方へ向けられた面を介して、中空室内に存在する流体へ伝達される。この、有利には非圧縮性の流体は、カッティングリングの、内方へ向けられた面に圧力を加え、これによってカッティングリングを、流入開口を取り囲むシール面に押圧する。次いで媒体圧による圧力負荷時に粥状の材料がカッティングリングと、該カッティングリングに対応するシール面との間に侵入すると、カッティングリングは、平均して媒体圧の約50%である粥状の材料のギャップ圧によって負荷され、しかもシール面から離れる方向で負荷される。しかし、それと同時にカッティングリングは、中空室内に存在する流体を介して粥状の材料の圧力によってこのシール面に押圧されるので、めがね板とは逆の方向の押圧力が優勢となる。カッティングリングがシール面から持ち上げられることが確実に阻止される。さらに、押圧力は、付加的に存在するばねエレメントによるプリロードによって高められる。流入スライダにおいて「ゼロ圧」の際に行われる切換過程の際に、このプリロードはスクレーパもしくは掻取り器としてのカッティングリングの機能を確保する。
【0035】
めがね板は、前充填容器に一体に形成されているか、または別個の構成部材として形成されている。「めがね板」とは、特定のジオメトリ(幾何学的形状)を規定するものではなく、オートマチックリング(カッティングリング)が密に押圧される面を表すに過ぎない。
【0036】
有利な実施態様では、流入スライダが、プリロードをかけられたばねエレメントを有しており、該ばねエレメントが、媒体圧と同じ方向でピストンに作用している。これにより、プリロード(予荷重)が生ぜしめられる。
【0037】
別の有利な実施態様では、ばねエレメントが、1つの皿ばねとして形成されているか、または複数の皿ばねによって形成されている。皿ばねは、本発明により形成された流入スライダにおける組込みのために特に好適である。
【0038】
さらに別の有利な実施態様では、可動のエレメントである前記ピストンの、流体に面した側が、ほぼ円筒状のステムを有しており、該ステムが、ハウジングに設けられた円筒状の孔内にスライド式に支承されていて、前記ピストンの外周壁と共に、前記ピストンのひっかかりを防止するガイド部を形成している。
【0039】
さらに別の有利な実施態様では、前記ピストンに設けられたステムが、ベースボディを軸方向で可動にかつシールされて貫通している。これにより、前記ピストンの目下の状態が前充填容器から見えるようになる。このことは、カッティングリングおよびめがね板における摩耗もしくは導入された流体の適正な量を知るための目安を与える。
【0040】
さらに別の有利な実施態様では、ばねエレメントがカッティングリングに支持されている。
【0041】
さらに別の有利な実施態様では、カッティングリングが、U字形の環状横断面を有する環状ピストンとして形成されており、該環状ピストンの外側の内径がベースボディに対して、内側の内径が前記ピストンに対して、それぞれスライド式にシールされている。
【0042】
さらに別の有利な実施態様では、スライダハウジング内に存在する媒体による圧力負荷時に、閉鎖されたフラットスライダに作用するハイドロスタティック的な力が、一部は、流入スライダを支持する旋回軸の引張力により吸収され、一部は部分的に案内溝内に案内されたベースボディを該案内溝に支持する力により吸収される。
【0043】
さらに別の有利な実施態様では、流入スライダが旋回軸に結合されており、ベースボディと該旋回軸との結合が、旋回軸線に対して直角に延びるほぼ水平な軸線を中心とした僅かな揺動運動を可能にする。
【0044】
さらに別の有利な実施態様では、ばねエレメントが、中空室内への流体の導入によって緊縮され、しかも前記ピストンが、媒体圧の作用方向とは逆方向に運動し、流体室が、逆止弁または閉鎖栓体により流体の流出に対して防護される。
【0045】
さらに別の有利な実施態様では、流入スライダが旋回フラットスライダである。
【0046】
さらに別の有利な実施態様では、流入スライダがばねエレメントを有している。このばねエレメントは流入スライダの構成部分を中空室内に押圧し、この場合、中空室内に存在する流体は前圧縮される。これにより、流入スライダの構成部分を第1の運転状況に保持する圧力状況が提供される。
【0047】
さらに、このプリロードによって、カッティングリングをシール面に押圧する圧力を調節することができる。
【0048】
さらに別の有利な実施態様では、流体としてグリースまたはオイルが使用される。粥状の材料の圧送部の運転環境においてカッティングリングを圧力で負荷するために使用するためにグリースまたはオイルが特に好適であることが判った。
【0049】
さらに別の有利な実施態様では、ばねエレメントが皿ばねとして形成されている。皿ばねの使用が、本発明によるポンプ装置における流入スライダの特にフラットな構造を可能にすることが判った。
【0050】
さらに別の有利な実施態様では、粥状の材料が可動のエレメントに加える圧力を、ベースボディ内に存在する流体に加えることのできる可動のエレメントが、ばねエレメントによって中空室内に押圧されるので、中空室内に存在する流体は前圧縮される。このことは、少数の構成部分点数を有する流入スライダを実現することを可能にする。
【0051】
特に有利な実施態様では、
- 中空室が、ベースボディに設けられた切欠きにより形成され、この切欠きはベースボディ内で、流入スライダの、シリンダ寄りの側に向かう方向で開いていて、流入開口の直径よりも大きく形成された開口直径を有する円形の開口を有しており、
- 前記切欠きの開口が、カバーと、該カバーの外周面と前記開口の輪郭を画定する壁との間に配置されたカッティングリングとにより閉鎖されて、中空室を形成する。
【0052】
この構造により、本発明によるポンプ装置の流入スライダを簡単に組み立てることが可能になる。
【0053】
さらに別の有利な実施態様では、カバーが、ベースボディに対して相対的に可動に形成されていて、可動のエレメントを形成している。このような構造は、流入スライダを少数の構成部分点数によって簡単に形成することを可能にする。
【0054】
さらに別の特に有利な実施態様では、カバーがストッパを有しており、このストッパは、カバーが中空室内の流体によって外方へ向かって押圧されると、カッティングリングに設けられたストッパに接触する。両ストッパの協働により、カバーは流入スライダ内に確実に保持される。カッティングリングは前記開口の輪郭を画定する壁における当付けによって保持されるので、カバーはストッパによってカッティングリングに支持され得る。
【0055】
択一的な別の構成では、カバーがベースボディに固定されていて、開口を有しており、この開口内で可動のエレメント、たとえばピストンが、カバーに対して相対的に可動に配置されている。このことは、前で挙げた構成に比べて流入スライダの構成部分点数を高めてしまうが、しかしこのような構成は一層安定した流入スライダをもたらす。
【0056】
本発明によるポンプ装置のさらに別の有利な実施態様では、当該ポンプ装置が、それぞれ1つのピストンを有する少なくとも2つのシリンダ、特に正確に2つのシリンダを有している。この有利な実施態様の各シリンダは、該シリンダに対応する流入スライダによって閉鎖可能な流入開口を介して前充填容器に接続されている。この有利な実施態様の各シリンダは、さらに、該シリンダに対応する流出スライダによって閉鎖可能な流出開口を介して圧送管路に接続されている。この実施態様には、とりわけ圧送管路の簡単なクリーニングの利点がある。実際の現場では、残留コンクリートを回避するための圧送管路の「吹出し」の際に、すなわち圧送管路のクリーニングの際に、手間のかかるチャンバスライダが使用される。このようなチャンバスライダは余計である。すなわち、本発明によるポンプ装置のこの有利な実施態様は、スライダが個別に制御され得るように構成されていてよい。これにより、各シリンダのために前充填容器から汎用のスポンジゴムボール(Schwammgummiball)を吸い込み、このスポンジゴムボールを、圧送管路の一部として設けられた二叉管ならびにその背後に延びる別の圧送管路内へ導入することができる。このスポンジゴムボールは、次いで圧縮空気によって圧送管路から前方へ向かって吹き出され得る。このようなスポンジゴムボールは、このようなポンプ装置のクリーニングの著しい簡単化を成す。
【0057】
有利な実施態様では、本発明による方法が本発明によるポンプ装置を用いて実施される。本発明によるポンプ装置および本発明による方法は、特に有利にはコンクリートおよび別の濃厚物質、たとえばトンネル工事の際の汚泥または廃石(Abraum)を圧送するために使用される。
【0058】
以下に、本発明の実施形態を図面につき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】流入スライダと、流出スライダと、スライダハウジングと、シリンダの一部と、圧送管路の一部と、前充填容器の一部とが見えている、本発明によるポンプ装置の一部を断面して示す側面図である。
【図2】流入スライダを断面して示す拡大側面図である。
【図3】流入スライダの別の択一的な構成を示す断面図である。
【図4】流入スライダのさらに別の構成を示す断面図である。
【図5】流入スライダのさらに別の構成を示す断面図である。
【0060】
図1に示した、粥状の材料を圧送するためのポンプ装置は、2つのシリンダを備えたピストンポンプを有している。両シリンダのうち、図1にはピストンポンプの一方のシリンダ1しか図示されていない。このシリンダ1はピストン2を有しており、このピストン2はこの場合、終端位置に位置している。シリンダ1は、流入スライダ4によって閉鎖され得る流入開口3を介して前充填容器5に接続されている。さらに、シリンダ1は、流出スライダ7によって閉鎖され得る流出開口6を有している。シリンダ1はこの流出開口6を介して圧送管路8に接続されている。この圧送管路8はそのピストンポンプに隣接した範囲において、二叉管(Hosenrohr)、すなわち分岐管として形成されており、この分岐管はピストンポンプの個々のシリンダの圧送流を合流させて、圧送管路の一部(図示しない)へ一緒に案内する。この圧送管路内では、ピストンポンプの個々のシリンダの個々の部分流が一緒に圧送される。
【0061】
ポンプ装置の流入スライダ4は、旋回フラットスライダとして形成されている。旋回軸線Aを中心にして、流入スライダ4を、図示の閉じられた位置から、開放された位置へ旋回させることができる。流入スライダ4は、カッティングリングとして形成されたオートマチックリング10を有している。このオートマチックリング10は流入スライダ4の閉鎖位置において流入開口3を取り囲んでいて、外方へ向けられた面の少なくとも一部によって、流入開口3が形成されているボディの、流入開口3を取り囲むシール面に押圧される。
【0062】
開放された位置で図示されている流出スライダ7は、回転スライダとして形成されている。流出スライダ7に設けられた弁体30はスライダハウジング31内に配置されており、この場合、スライダハウジング31は圧送室である。この圧送室を通じて、前充填容器5から各シリンダの粥状の材料が吸い込まれて、吐出行程時に圧送管路内へ圧送される。弁体30は流出スライダ7の全ての位置においてスライダハウジング31内に留まり、したがってこの弁体30は容積ニュートラルに(volumenneutral)、つまり容積変化なしに、切り換えられ得る。
【0063】
流出開口6を取り囲むように、オートマチックリング32が設けられている。このオートマチックリング32は、欧州特許出願公開第0057288号明細書に詳しく説明されているカッティングリング(切断リング14)の形式で形成されていてよい。この場合、欧州特許出願公開第0057288号明細書には、カッティングリングが、旋回させたい構成部分(切換機構3)の一部として形成されるが、本実施形態においてはカッティングリングは有利にはポンプ装置の定位置に留まる部分の一部として形成される。択一的には、カッティングリング32は欧州特許出願公開第0057288号明細書におけるカッティングリングの配置形式と比較可能に、旋回させたい弁体30の一部として形成され得る。
【0064】
前充填容器5内には、攪拌装置60が設けられている。この攪拌装置60は流入スライダ4の、旋回フラットスライダとして形成された弁体の小さな構成高さに基づいて、吸込開口の臨界的な範囲においても有効になるように形成され得る。
【0065】
図2に図示した流入スライダ4の実施形態から判るように、流入スライダ4はフラット(扁平)なベースボディ11を備えて形成され得る。旋回軸線Aを中心にしてこのベースボディ11を旋回させることができる。流入スライダ4は、ベースボディ11に対して相対的に可動のエレメント13を有している。この可動のエレメント13は図2に示した実施形態ではピストンとして形成されている。図2に示した流入スライダ4の閉鎖位置において、流入スライダ4の、シリンダ寄りの側16が、スライダハウジング31内に存在する粥状の材料と接触していると、可動のエレメント13の外方に向けられた面15が粥状の材料と接触している。可動のエレメント13を介して、粥状の材料により可動のエレメント13の、外方に向けられた面15に加えられる圧力を、シールされた全中空室12,12a内に存在する流体に加えることができる。このときに、ピストンとして働く可動のエレメント13は、カバー17とベースボディ11とにおけるそのガイドにより傾動防止され、ひいてはひっかかり防止されている。部分室を成す中空室12,12aは通路44aによって互いに接続されている。
【0066】
全中空室12,12aはベースボディ11に設けられた切欠きによって形成される。この切欠きはベースボディ11において、流入スライダ4の、シリンダ1寄りの側16の方向に開いていて、流入開口3の直径D2よりも大きく形成された開口直径D1を有する円形の開口を備えている。切欠きのこの開口はカバー17と、このカバー17の外周面と前記開口を画定する壁18との間に配置されたカッティングリング10とによって閉じられる。
【0067】
流入スライダ4の図示の閉鎖位置において流入開口3を取り囲んでいるカッティングリング10は、図2に示した構造では、その外方に向けられた面19によって、流入開口3が形成されているボディ(スライダハウジング)に設けられた、前記流入開口3を取り囲むシール面20に押圧される。カッティングリング10の、内方に向けられた面21は、中空室を部分的に画定している。
【0068】
中空室12,12a内には、希液状のグリースまたは粘液状のオイルが設けられている。このグリースまたはオイルは、グリースプレスを用いて、図示されていない流入開口を介して中空室内に導入され得る。
【0069】
さらに、流入スライダ4の中空室は、皿ばね22を有している。この皿ばね22は、ピストンとして形成された可動のエレメント13を中空室内に圧入するので、中空室内に存在する流体は前圧縮される。こうして形成された前圧縮圧を用いて、中空室内に存在する流体は、カッティングリング10の、内方に向けられた面21に圧力を加えて、この圧力によってカッティングリング10をシール面20に押圧する。したがって、皿ばね22を適当に選択することにより、無圧の切換過程(「ゼロ圧」時)の間、カッティングリング10をシール面20に押圧する押付け圧を調節することができる。
【0070】
運転時に、たとえば本発明による方法によれば、流出スライダ7が開放される前にシリンダ内で粥状の材料の圧縮が行われると、シリンダ内に存在する粥状の材料は、流入スライダ4の、シリンダ1寄りの側16に押圧される。同じ圧力によって、可動のエレメント13の、シリンダ1寄りの面15も圧力負荷される。可動のエレメント13は、中空室12内に存在する流体を同じ圧力で負荷する。これにより、カッティングリング10はプリロード圧によっても、可動のエレメント13により伝達された圧力によっても、シール面20に押圧される。それと同時に、粥状の材料のセメントペースト(Zementleim)は、欧州特許出願公開第0057288号明細書に詳しく説明されているように、ハイドロダイナミック的(流体動力学的)なギャップ圧として、面19とシール面20との間のギャップに圧入される。このギャップ圧はカッティングリング10をシール面20から持ち上げることができない。なぜならば、ハイドロダイナミック的なギャップ圧は平均値で見て、流体圧によりカッティングリング10に加えられたハイドロスタティック的(流体静力学的)な押付け圧の約50%に過ぎないからである。カッティングリング10はさらに、皿ばねによるプリロード(予荷重)に相応して、シール面20に密に圧着される。
【0071】
図3に示した流入スライダ4の実施形態から判るように、流入スライダ4はフラット(扁平)なベースボディ41を持って形成することができる。旋回軸線(図3において選択された、流入スライダの半部の部分図には図示されていない)を中心にして、このベースボディ41を旋回させることができる。流入スライダ4は、ベースボディ41に対して相対的に可動のエレメント43を有している。この可動のエレメント43は図3に示した実施形態では、カバーとして形成されている。可動のエレメント43の外径は、中空室を画定しており、この中空室の直径はカッティングリング10の内径に相当している。孔44は、可動のエレメント43を傾動危険なしに、ひいてはひっかかりなしに案内するために働く。この室44は通路44aを介してその他の中空室に接続されている。図3に示した流入スライダ4の閉鎖位置では、流入スライダ4の、シリンダ寄りの側46が、スライダハウジング31内に存在する粥状の材料と接触していると、可動のエレメント43の、外方に向けられた面45が粥状の材料と接触している。可動のエレメント43を介して、粥状の材料が、可動のエレメント43の、外方に向けられた面45に加えている圧力を、中空室42内に存在する流体に加えることができる。
【0072】
中空室42はベースボディ41に設けられた切欠きにより形成される。この切欠きはベースボディ41において、流入スライダ4の、シリンダ1寄りの側46の方向に開いている。切欠きの開口は、カバー47として形成された可動のピストンもしくは可動のエレメント43と、このカバー47の外周面と当該開口を画定する壁48との間に配置された切断リングもしくはカッティングリング40とによって閉鎖されて、中空室42を形成する。
【0073】
図示の流入スライダ4の閉鎖位置において流入開口を取り囲んでいるカッティングリング40は、図3に示した構造では、その外方に向けられた面49によって、流入開口3が形成されているボディ(スライダハウジングのめがね板)に設けられた、前記流入開口3を取り囲むシール面50に完全に圧着される。カッティングリング40の、内方に向けられた面51は、中空室42を部分的に画定している。
【0074】
中空室42内には、希液状のグリースまたは粘液状のオイルが設けられている。このグリースまたはオイルは、グリースプレスを用いて、流入開口を介して中空室42内に導入され得る。
【0075】
さらに、流入スライダ4は1つまたは複数の皿ばね52を有している。この皿ばね52は、カバー47として形成された「可動」のピストン43を中空室42内に押圧するので、中空室42内に存在する流体は前圧縮される。こうして形成された前圧縮圧を用いて、中空室42内に存在する流体はカッティングリング40の、内方に向けられた面51に圧力を加えて、このカッティングリング40を、無圧の切換過程の間、この圧力でシール面20に押圧する。したがって、皿ばね52の適当な選択により、カッティングリングを切換過程時にシール面50に押圧する押付け圧を調節することができる。
【0076】
図3に示した流入スライダ4の択一的な構成では、粥状の材料により可動のエレメントに加えられる圧力を、ベースボディ41の中空室42内に存在する流体に加える可動のエレメントが完全にカバー47によって形成される。カバー47はベースボディ41に対して相対的に可動に形成されている。カバー47はストッパ53を有しており、このストッパ53は、カバー47が中空室内の流体によって外方へ向かって押圧されると、カッティングリング40に設けられたストッパ54に接触する。図3には、ストッパ53がストッパ54に接触しているのではなく、作動ストロークの逆側の終端部に位置している運転状況が描かれている。運転のためには、両終端ストッパが回避されることが望ましい。それゆえに、この場合(図3)には、より多くの流体が装入されなければならない。
【0077】
図4に示した択一的な実施形態では、図3に示した実施形態の場合と同じ構成部分については、図3における符号に100を加算した数の符号で示されている。図4に示した実施形態は、カッティングリング140の形状ならびにばねエレメント152の支持の点で、図3に示した実施形態とは異なっている。ばねエレメント152はこの実施形態では、カッティングリング140に支持されており、図3に示した実施形態におけるように、ベースボディに固く結合された別個の構成エレメントには支持されてはいない。さらに、カッティングリング140は、U字形の環状横断面を有する環状ピストンとして形成されている。この環状ピストンの外側の内径はベースボディ141に対して、内側の内径はピストン143に対して、それぞれスライド式にシールされている。
【0078】
ピストン143の、流体に面した側は、ほぼ円筒状のステムを有しており、このステムはハウジングに設けられた円筒状の孔内にスライド式に支承されていて、ピストンの外周壁と共にガイド部を形成している。このガイド部はピストンのひっかかりを防止する。ピストンに設けられた前記ステムは、ベースボディを軸方向で可動にかつシールされて貫通している。
【0079】
図4に示した、ベースボディ141およびカッティングリング140の構成形状は、外方に向かって平坦に形成されており、したがって、石がスライダの旋回運動をブロックしそうになると、石のよじ登りを可能にする。
【0080】
図5に示した択一的な実施形態では、図3に示した実施形態の場合と同じ構成部分については、図3における符号に200を加算した数の符号で示されている。図5に示した実施形態は、カッティングリング240の形状およびベースボディ241がカッティングリング240を外側で取り囲んでいる点で、図4に示した実施形態とは異なっている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ1つのピストン(2)を有する少なくとも2つのシリンダ(1)を備えたピストンポンプを有するポンプ装置であって、各シリンダ(1)が、該シリンダに対応する流入スライダ(4,104,204)によって閉鎖可能な流入開口(3,103,203)を介して前充填容器(5)に接続されており、各シリンダ(1)が、該シリンダに対応する流出スライダ(7)によって閉鎖可能な流出開口(6)を介して圧送管路に接続されている形式のポンプ装置を用いて、粥状の材料を圧送するための方法において、
- シリンダ(1)の吸込み行程において、流入開口(3,103,203)が開放されかつ流出開口(6)が閉鎖された状態で、粥状の材料を前充填容器(5)から各シリンダ(1)内へ圧送し、シリンダ(1)の吐出行程において、流出開口(6)が開放されかつ流入開口(3,103,203)が閉鎖された状態で、粥状の材料を圧送管路内へ圧送し、
- ピストン速度を吸込み行程時に、吐出行程時よりも大きく設定し、
- 吸込み行程の終了時、終了直前、または終了直後に、流入スライダ(4,104,204)によって流入開口(3,103,203)を閉鎖し、その後に、流出開口(6)を開く前に、シリンダ内の粥状の材料の圧縮を行う、
ことを特徴とする、粥状の材料を圧送するための方法。
【請求項2】
流出スライダ(7)が回転スライダである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
流出スライダ(7)が、スライダハウジング(31)内に弁ボディ(30)を備えた回転スライダであり、スライダハウジング(31)が、圧送室の一部であり、該圧送室内で粥状の材料が各シリンダ(1)から圧送管路(8)内へ圧送され、弁ボディ(30)が、流出スライダ(7)の全ての位置でスライダハウジング(31)内に留まっている、請求項2記載の方法。
【請求項4】
シリンダ(1)内で圧縮により圧力負荷された粥状の材料の圧力が、流出スライダ(7)の圧送管路側における粥状の材料の圧力にほぼ相当したときに、流出スライダ(7)の弁ボディ(30)を閉鎖位置から、開放された位置へ運動させる、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
流入スライダ(4,104,204)が旋回フラットスライダである、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
それぞれ1つのピストン(2)を有する少なくとも2つのシリンダ(1)を備えたピストンポンプを有するポンプ装置であって、各シリンダ(1)が、該シリンダに対応する流入スライダ(4,104,204)によって閉鎖可能な流入開口(3,103,203)を介して前充填容器(5)に接続されており、各シリンダ(1)が、該シリンダに対応する流出スライダ(7)によって閉鎖可能な流出開口(6)を介して圧送管路に接続されている形式のポンプ装置を用いて、粥状の材料を圧送するための方法において、前記シリンダの少なくとも1つのシリンダ内に、クリーニング体を導入し、該クリーニング体を、圧縮空気または加圧水によって、開放された流出スライダを通じて圧送管路内に導入して、該圧送管路内に存在する粥状の材料を圧送管路に通して圧送することを特徴とする、特に請求項1から5までのいずれか1項記載の、粥状の材料を圧送するための方法。
【請求項7】
1つのピストン(2)を有する1つのシリンダ(1)を備えたピストンポンプを有する、粥状の材料を圧送するためのポンプ装置であって、シリンダ(1)が、流入スライダ(4,104,204)によって閉鎖され得る、めがね板により画定された流入開口(3,103,203)を介して前充填容器(5)に接続されており、該流入スライダ(4,104,204)が、スライダハウジング(31)の内部に向けられた閉鎖面を有している形式のポンプ装置において、
- 流入スライダ(4,104,204)が、旋回可能なベースボディ(11,41,141,241)を有しており、
- 前記閉鎖面が、少なくとも部分的に、前記ベースボディに対して相対的に可動のピストンの面により形成されており、該ピストンは、スライダハウジング(31)の内側から所定の媒体圧が該ピストンに作用したときに、前記ベースボディ(11,41,141,241)に形成された、閉じられた中空室(42,142,242)内に進入するようになっており、
- 該中空室(42,142,242)内に、前記ピストンの進入によって圧縮され得る流体が設けられており、
- 環状ピストンとして形成されたカッティングリング(10,40,140,240)が設けられており、該カッティングリング(10,40,140,240)が、中空室(12,12a,42,142,242)寄りの面を有していて、流入スライダ(4,104,204)の閉鎖位置で前記流体の圧力によってめがね板に押圧されるようになっている、
ことを特徴とする、粥状の材料を圧送するためのポンプ装置。
【請求項8】
流入スライダ(4,104,204)が、プリロードをかけられたばねエレメント(22,52,152,252)を有しており、該ばねエレメントが、媒体圧と同じ方向で前記ピストンに作用している、請求項7記載のポンプ装置。
【請求項9】
ばねエレメントが、1つの皿ばね(52,152,252)として形成されているか、または複数の皿ばねによって形成されている、請求項8記載のポンプ装置。
【請求項10】
前記ピストン(43,143,243)の、流体に面した側が、ほぼ円筒状のステムを有しており、該ステムが、ベースボディに設けられた円筒状の孔内にスライド式に支承されていて、前記ピストン(43,143,243)の外周壁と共に、前記ピストン(43,143,243)のひっかかりを防止するガイド部を形成している、請求項7から9までのいずれか1項記載のポンプ装置。
【請求項11】
前記ピストン(143,243)に設けられたステムが、ベースボディ(141,241)を軸方向で可動にかつシールされて貫通している、請求項10記載のポンプ装置。
【請求項12】
ばねエレメント(152,252)がカッティングリング(140,240)に支持されている、請求項7から11までのいずれか1項記載のポンプ装置。
【請求項13】
カッティングリング(40)が、U字形の環状横断面を有する環状ピストンとして形成されており、該環状ピストンの外側の内径がベースボディ(141)に対して、内側の内径が前記ピストン(143)に対して、それぞれスライド式にシールされている、請求項7から12までのいずれか1項記載のポンプ装置。
【請求項14】
シリンダ内に存在する媒体による圧力負荷時に、閉鎖されたフラットスライダに作用するハイドロスタティック的な力が、一部は、流入スライダを支持する旋回軸の引張力により吸収され、一部は部分的に案内溝内に案内されたベースボディを該案内溝に支持する力により吸収される、請求項7から13までのいずれか1項記載のポンプ装置。
【請求項15】
流入スライダが旋回軸に結合されており、ベースボディと該旋回軸との結合が、旋回軸線に対して直角に延びるほぼ水平な軸線を中心とした僅かな揺動運動を可能にする、請求項7から14までのいずれか1項記載のポンプ装置。
【請求項16】
ばねエレメントが、中空室内への流体の導入によって緊縮され、しかも前記ピストンが、媒体圧の作用方向とは逆方向に運動し、流体室が、逆止弁または閉鎖栓体により流体の流出に対して防護される、請求項7から15までのいずれか1項記載のポンプ装置。
【請求項17】
流入スライダ(4,104,204)が旋回フラットスライダである、請求項7から16までのいずれか1項記載のポンプ装置。
【請求項18】
請求項7から17までのいずれか1項記載のポンプ装置を用いて前記方法を実施する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−515294(P2012−515294A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545679(P2011−545679)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際出願番号】PCT/EP2010/000161
【国際公開番号】WO2010/081695
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(511174498)
【氏名又は名称原語表記】Friedrich Schwing
【住所又は居所原語表記】Arenfelsstrasse 19, D−45891 Gelsenkirchen, Germany
【出願人】(511174502)
【氏名又は名称原語表記】Stefan Schwing
【住所又は居所原語表記】Charlottenstrasse 67, D−44799 Bochum, Germany
【Fターム(参考)】