説明

精油類を含む口腔ケア組成物

ハッカ及び香辛料の精油を包含するA群から少なくとも2つの精油と、柑橘精油類を包含するB群から少なくとも1つの精油とを含む、精油組成物。この精油組成物は、口腔中のバイオフィルムの形成に相関する口腔微生物を有効に殺し、除去することができる。この精油組成物は、多様な口腔キャリア及び活性物質と組み合わせることができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の技術】
【0001】
本発明は、口腔からの微生物を殺す及び抑制する、並びに口腔内の硬及び軟組織上のバイオフィルムを破裂する精油組成物の有効量を含む、口腔ケア組成物に関する。更に、本発明は、口腔状態を治療及び予防する方法に関する。本発明の組成物は、ヒト又は動物による使用に適している。
【発明の背景技術】
【0002】
口腔悪臭、歯垢、歯肉炎、歯周病、及び歯の変色は、全て、多くの人々に影響を与える望ましくない状態である。口の中の微生物の存在がこれらの状態に寄与していることが、一般に考えられる。その結果、歯及び口腔の他の表面上の微生物を有効に殺す口腔ケア製品に対する相当多数の消費者の需要が存在する。伝統的な口腔ケア製品による習慣的な歯磨きは、口腔表面に付着した食物及び口腔微生物付着物の全てを取り除くには十分ではない可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
口腔ケア製品における最近の展開には、広範囲の利益をもたらす天然精油類の使用が挙げられる。通常、精油類のようなハーブ系製品は、香味、並びに洗浄、フレッシュニングのために、幾つかの場合では抗菌利益のために口腔製品に包含されてきた。しかし、改善された抗菌利益をもたらすことができる精油組成物、特に口腔内のバイオフィルム形成に相関する微生物を破壊する精油組成物に対する必要性が依然として存在している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
スペアミント、ペパーミント、シソ科の植物、カルボン、桂皮、カッシア、クローブ、アニス、ショウガ、コショウ、ナツメグ、オールスパイス、及びコリアンダーを包含するA群の精油類から選択される2つ以上の精油類;並びにレモン、ライム、オレンジ、グレープフルーツ、タンジェリン、マンダリン、アグリ(Ugli)フルーツ、ベルガモット、及びトマトを包含するB群の精油類から選択される1つ以上の精油類を、A群の精油類とB群の精油類との比率の約2:1〜約10:1で含む、精油組成物である。
【0005】
次のA群の精油類:スペアミント、ペパーミント、シソ科の植物性薬品、カルボン、桂皮、カッシア、クローブ、アニス、ショウキョウ、コショウ、ニクズク、オールスパイス、及びコリアンダーから選択される2つ以上の精油類;並びに次のレモン、ライム、オレンジ、グレープフルーツ、タンジェリン、マンダリン、アグリフルーツ、ベルガモット、及びトマトを包含するB群から選択される1つ以上の精油類を含み、A群の精油類とB群の精油類との比率が約2:1〜約10:1である、口腔ケア組成物である。口腔ケア組成物は、更に、歯磨剤、咀嚼性歯磨錠、ゲル類、リンス類、食用フィルム類、キャンディ、菓子類(confectionary)、ガム類、及びロゼンジ類からなる群から選択される口腔ケアキャリアを含む。
【0006】
精油組成物を含む口腔ケア組成物であって、前記精油組成物が、少なくとも1つのハッカ精油、少なくとも1つの香辛料精油、及び少なくとも1つの柑橘精油を含み、前記精油類が、約ハッカ6:香辛料1:柑橘類1〜約ハッカ2:香辛料1:柑橘類1の比率で添加される、口腔ケア組成物である。口腔ケア組成物は、更に、歯磨剤、ゲル類、リンス類、食用フィルム類、キャンディ、菓子類、ガム類、及びロゼンジ類からなる群から選択される口腔ケアキャリア;並びに口腔ケア活性物質を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
A.定義
本明細書で使用するとき、用語「口腔活性物質」は、美容的、予防的、又は治療的な利益を口腔内にもたらす物質を意味する。
【0008】
本明細書で使用するとき、用語「歯」は、天然歯、義歯、歯板、充填材、歯冠、人工歯冠、架工義歯、人工歯根など、並びに永久又は一時的のいずれかで口腔内に固定されている他のあらゆる硬質表面歯科補綴物を包含することを意味する。
【0009】
本明細書で使用するとき、「安全且つ有効な量」とは、健全な医学的/歯科的判断の範囲内で、治療されるべき状態を著しく改善するために十分に多いが、重篤な副作用を避けるために十分に少ない(妥当な利益/リスク比率)量の剤(例えば、抗結石剤)を意味する。剤(例えば、抗結石剤)の安全且つ有効な量は、治療される特定の条件、治療される患者の年齢及び体調、状態の重篤度、治療の期間、併用治療の性質、用いられる供給源の特定の形体、及び剤が適用される特定のビヒクルによって、変えてもよい。
【0010】
本明細書で使用するとき、「練り歯磨き」とは、特に指定のない限り、ペースト、粉末、及び歯磨き用ゲル製剤を意味する。
【0011】
本明細書で使用するとき、「口腔ケア組成物」又は「口腔用組成物」とは、治療薬の全身投与の目的で意図的に飲み込むのではなく、口腔活性の目的で実質的に全ての歯の表面及び/又は粘膜組織に十分な時間接触させるために口腔に保持される製品を意味する。加えて、これらの用語は、意図的に飲み込まれてもよいが、治療薬の全身投与の目的で飲み込まれるのではない製品を意味することができる。そのような口腔ケア組成物には、歯磨剤、ゲル類、リンス類、食用フィルム類、及びロゼンジ類が挙げられる。
【0012】
本明細書で使用するとき、用語「精油」は、単一の植物形態及びそれに名称と匂いが一致する種の匂いのある植物材料から物理的方法によって抽出される揮発性物質である。精油類は、一般に、それらが存在する植物の匂いの成分を構成する。精油類は、蒸留される、又は圧搾される。「蒸留」は、水蒸留、蒸気蒸留、水及び蒸気蒸留、又は乾留であることができる。水蒸留において、植物材料は、沸騰水と直接接触する。蒸気蒸留は、通常、蒸留器から離れているボイラーで生成される蒸気により実施される。蒸気は、排気後に素早く取り出せるように格子又はトレイの上に置いてある植物材料を吹き抜ける。植物材料及びその精油類が十分に耐熱性であり、非加水分解性である場合は、高圧蒸気が適用できる。一部の精油類には直接蒸留及び乾留が使用できる。柑橘油類では、精油を集めるために冷圧法が使用できる。本明細書で使用するとき、用語「冷圧」は、主に柑橘類の果実の果皮から柑橘精油類を集めるために最も頻繁に使用される方法である。従って、柑橘油を冷圧柑橘油と呼ぶこともできる。柑橘油類は、精油を安定化するために蒸留プロセスにより更に精留できる。
【0013】
本明細書で使用するとき、用語「精油組成物」は、最終的に口腔ケア組成物に添加できる精油類の本発明のブレンドを意味する。
【0014】
本明細書で使用するとき、用語「柑橘類」には、レモン、ライム、オレンジ、グレープフルーツ、タンジェリン、マンダリン、アグリフルーツ、ベルガモット、トマト及び/又はこれらのいずれかの組み合わせが挙げられるが、それらには限定されない。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「香辛料」には、桂皮、カッシア、クローブ、アニス、ショウガ、コショウ、ナツメグ、オールスパイス、コリアンダー及び/又はこれらのいずれかの組み合わせが挙げられるが、それらには限定されない。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「ハッカ」には、スペアミント、ペパーミント、特徴的な角形の茎及びピンク色、白色、又は紫色の輪生花(verticullate flowers)を有するシソ科のいずれかの植物、及び/又はこれらのいずれかの組み合わせが挙げられるが、それらには限定されない。本明細書で使用するとき、カルボンも香辛料であることができる。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「精留」は、補正又は洗浄プロセスである。精留は、分留又は蒸留条件に対して特定化されていない材料の二次蒸留である。精油の蒸気若しくは真空蒸留、又はあらゆる二次蒸留が、精留であると考慮することができる。精留は一般に、高級分留が望まれる場合に材料の著しい損失を伴う。
【0018】
本明細書で使用するとき、「口腔状態又は口腔の状態」とは、虫歯、歯垢、悪臭のする息、歯肉炎、及び歯周病を包含する疾患を意味する。口腔状態は、PCT国際公開特許WO02/02096A2(P&G、2002年1月10日公開)で更に記載されている。
【0019】
本明細書で使用するとき、「1本の歯の表面」又は「複数の歯の表面」とは、歯の小窩、裂溝、咬合面、裂け目、凹部、溝、陥凹、隙間、不整歯並び、歯の間及び/若しくは歯肉線に沿った隣接面間、歯の平滑面、並びに/又は歯の破砕面又はかじる面を意味する。
【0020】
本明細書において「含む」は、最終結果に影響を与えない他の工程及び他の成分を加えることができることを意味する。この用語は「からなる」及び「から本質的になる」という用語を包含する。
【0021】
本明細書で使用するとき、「全身の健康」とは、心臓血管疾患、脳卒中、糖尿病、重度呼吸器感染、早産及び出産時低体重(神経/発育機能の分娩後機能不全を含む)を包含する重大な全身性の疾患及び状態の発生の危険性、並びに関連する高い死亡危険性の低減により特徴付けされる、総合的な全身の健康を意味する。口腔の感染症は、全身性の感染症を引き起こしうると考えられている。微生物は、口から血流中に入り、体の他の部分に広がって、ヒトの健康を危険に曝す可能性がある。口腔の感染症が、心臓疾患、糖尿病、呼吸器疾患、及び早産による低体重児出産を包含する、多数の深刻な状態の発生の一因となる可能性がある。全身の健康、及び口腔感染症を治療することによるその促進は、PCT国際公開特許WO02/02063A2、PCT国際公開特許WO02/02096A2、PCT国際公開特許WO02/02128A2(全て2002年1月10日公開)で更に記載されている。
【0022】
本明細書の以下で使用される全ての百分率及び比率は、特に指示がない限り、組成物全体の重量を基準とする。
【0023】
本明細書で参照されている全ての測定は、特に指定がない限り、25℃で行なわれる。
【0024】
本明細書で言及される成分の百分率、比率及び濃度は、特に指示がない限り、全て成分の実際の量に基づき、市販製品として成分と組み合わされている可能性がある溶媒、充填剤、又はその他の物質を包含しない。
【0025】
B.精油組成物
本発明の組成物は、抗菌特性を示す精油組成物を組み込む。特に本精油組成物は、微生物個体群ストレプトコッカス・サングイス、ストレプトコッカス・ミュータンス、及びストレプトコッカス・ソルビヌスの、細菌のlog低減をもたらす。これらの微生物は、先行種であって、吸収し、繁殖し、ミクロコロニーを形成する最初の微生物であり、これらの種の低減は、歯垢バイオフィルムの破裂と相関している。(P.マーシュ(Marsh)&M.マーチン(Martin)、口腔微生物学(Oral Microbiology)、第3版、ロンドン、チャプマン&ホール出版社(Chapman & Hall Publishers)1996年)。これらの組成物は、口腔の状態を治療するために使用できる。
【0026】
精油類は、植物材料を蒸留プロセスに付すことによって生成されることができる。精油類は、テルペン構成成分を「初留留分」を介して除去し、ろう構成成分を「後留留分」を介して除去することによって精油類を精留及び精製するために、追加的な蒸留プロセスを受けることができる。精油類は、合成又は天然のいずれであってもよく、更に、合成と天然の精油の組み合わせが使用できる。本明細書で使用される全ての精油類は、市販されている。
【0027】
口腔ケア組成物の本発明の精油組成物は、特定の精油類(本明細書において「A群」及び「B群」の精油類として記載されている)、及び/又は特定の精油類の組み合わせを規定の比率で含む。精油類を特定の比率で口腔ケアキャリアと組み合わせ、そして得られた口腔ケア組成物を口腔に導入することは、抗菌効果を有し、それはバイオフィルムの形成に相関する微生物の低減をもたらすことができ、それによって口腔の全体的な健康を改善することができる。
【0028】
本発明の精油組成物を含む口腔ケア組成物の使用、特に2週間を超える毎日の使用は、口腔中のバイオフィルムの形成に相関する細菌の増殖を抑制することができる。歯垢、最終的には歯石、及び結石は、発達のより進行し、且つ複雑な段階に達し、追加の物質を捕捉し、最終的に硬化するバイオフィルムに由来すると考えられる。従って、バイオフィルムの発達を抑制することによって、歯垢、歯石及び/又は結石の発達も防止される可能性がある。
【0029】
精油組成物は、2つの群、A群及びB群からの精油類を含む。異なる群からの精油類を規定の比率で組み合わせることは、口腔利益をもたらすことができる。
【0030】
本発明の精油組成物の口腔バイオフィルムに対する影響は、口腔の軟及び硬組織上の口腔バイオフィルムをサンプリングするための口腔洗浄喀出物(expectorates)の種の特徴決定と共に、微生物培養及び計数を介して測定された。本発明の精油組成物を含有する歯磨剤又は対照製品で1分間歯磨きし、口腔洗浄試料をその直後に収集し、4時間後に10ミリリットルの滅菌水で1分間激しくすすぎ、滅菌遠心管の中に喀出物(expectorates)を吐き出すことによって収集した。バイオフィルム破裂は、喀出物(expectorate)試料の計数、並びに選択された微生物個体群のストレプトコッカス・サングイス、ストレプトコッカス・ミュータンス及びストレプトコッカス・ソルビヌスの水対照に対する細菌のlog低減の評価を介して測定された。試験は、試料Aは1%ハッカ香味料の標準フッ化物歯磨剤、試料A’は香味料のない標準フッ化物歯磨剤、及び試料Bは実施例1及び2の歯磨剤を参照することを使用して実施された。全体的な平均logCFU低減の結果は次の通りである:
【表1】

【0031】
加えて、本発明の口腔ケア組成物を含む歯磨剤の全体的な抗菌活性が、培地(broth)微量希釈MKD法を使用して評価された。微量液体希釈MKD法が、単離された微生物に対する抗菌剤/処方のインビトロ活性を測定するために使用される。種々の濃度の抗菌剤/処方を含有する滅菌プラスチックトレイが、標準的な数の試験微生物で接種される。35℃での一夜インキュベーションの後、又はそれぞれの試験微生物の増殖に応じて、プラスチックトレイの全てのウエルが栄養素寒天平板上で継代培養され、インキュベートされる。次にプレートは、抗菌剤/処方により微生物がまだ生存しているか又は殺されているかを決定するために、試験微生物の増殖が検査される。MKDは、継代培養後に微生物の増殖を示さない抗菌剤/処方の最も低い濃度を観察することによって、決定される。結果は以下の通りである。
【表2】

【0032】
本発明の精油組成物を含む歯磨剤は両方とも、それぞれの試験微生物において、香味料のあるものとないものの両方の、標準処方を有する歯磨剤と同等又はそれより高いMKDを有する。上記の結果の表によって示されているように、本発明の口腔ケア組成物を含む両方の歯磨剤のMKDの合計は、1%香味油類を有する標準歯磨剤のMKDの合計よりも高い。加えて、香味油構成成分を有さない標準歯磨剤が試験される。
【0033】
一つの実施形態において、精油組成物は、A群の精油類とB群の精油類の約2:1〜約10:1の比率を含む。別の実施形態において、A群の精油類とB群の精油類とは、約2:1〜約6:1である。別の実施形態において、A群の精油類とB群の精油類とは、約3:1〜約5:1である。精油組成物は、口腔ケア組成物の少なくとも約1重量%からの量で口腔ケア組成物に添加できる。別の実施形態において、精油組成物は、口腔ケア組成物の約1重量%〜約5重量%の濃度で口腔ケア組成物に添加される。別の実施形態において、精油組成物は、口腔ケア組成物の約1重量%〜約3重量%で口腔ケア組成物に添加される。別の実施形態において、精油組成物は、約1.5重量%〜約2.5重量%で口腔ケア組成物に添加され、さらに別の実施形態では、精油組成物は、口腔ケア組成物の約1.5〜約2重量%で口腔ケア組成物に添加される。
【0034】
1.A群の精油類
A群の精油類には、ハッカ及び/又は香辛料精油類が挙げられる。ハッカ精油類には、スペアミント、ペパーミント、特徴的な角形の茎及びピンク色、白色、又は紫色の輪生花(verticullate flowers)を有するシソ科のいずれかの植物、及び/又はこれらのいずれかの組み合わせが挙げられるが、それらには限定されない。加えて、カルボンを上記のハッカ精油類のいずれかと組み合わせることができる。カルボンは、スペアミント油の主要な構成成分である。カルボンは、天然又は合成のいずれかであることができる。合成カルボンは、柑橘油類から誘導されるモノテルペンであるd−リモネンから調製できる。香辛料精油類には、桂皮、カッシア、クローブ、アニス、ショウガ、コショウ、ナツメグ、オールスパイス、コリアンダー、及び/又はこれらのいずれかの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
一つの実施形態において、ハッカ精油はスペアミントである。スペアミント油は、開花したミドリハッカ植物の地上部分の蒸気蒸留により生成することができ、これは蒸留の前に部分的に乾燥される。一つの実施形態において、香辛料精油は桂皮であり、別の実施形態では、香辛料精油はカッシアである。カッシア油、すなわちチャイニーズシナモン油は、チャイナシナモン(cinnamomum cassia)の葉を蒸気蒸留することができ、一方、樹皮の桂皮油は、セイロンシナモン(cinnamomum zeylanicum)の若い茎の乾燥した内樹皮を蒸気蒸留することができ、葉の桂皮油は、樹皮の桂皮油を生じる同じ樹木の乾燥した葉及び小枝を蒸気乾燥することができる。
【0036】
一つの実施形態において、A群のハッカ精油と香辛料精油とは、約10:1〜約4:1の比率で提供される。別の実施形態において、A群のハッカ精油と香辛料精油とは、約9:1〜約5:1の比率で提供される。別の実施形態において、A群のハッカ精油と香辛料精油とは、約8:1〜約6:1の比率で提供される。さらに別の実施形態では、A群のスペアミント精油と、カッシア又は桂皮精油との組み合わせが、約8.5:1〜約5.5:1の比率で提供される。さらに別の実施形態では、A群のスペアミント精油と、カルボン精油と、桂皮又はカッシア精油との組み合わせは、約8:4:1〜約3:1:1である。
【0037】
一つの実施形態において、A群の精油類は、口腔ケア組成物の約0.5重量%〜約4.5重量%の量で口腔ケア組成物に添加できる。別の実施形態において、A群の精油類は、口腔ケア組成物の約0.5重量%〜約2.5重量%の量で口腔ケア組成物に添加できる。別の実施形態において、A群の精油類は、口腔ケア組成物の0.75重量%〜約3.75重量%の量、別の実施形態では、約0.75重量%〜約2重量%、さらに別の実施形態では、約0.75重量%〜約1.5重量%の量で口腔ケア組成物に添加できる。
【0038】
2.B群の精油類
B群の精油類には、柑橘精油類が挙げられる。柑橘油類には、レモン、ライム、オレンジ、グレープフルーツ、タンジェリン、マンダリン、アグリフルーツ、ベルガモット、トマト、及び/又はこれらのいずれかの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。伝統的には、柑橘精油は果実の果皮から生成される。一つの実施形態において、B群の精油はオレンジ油である。別の実施形態において、B群の精油はレモン油である。さらに別の実施形態では、B群の精油は、オレンジとレモンの油の約1.5:1〜約3.5:1の比率の組み合わせである。さらに別の実施形態では、B群の精油は、オレンジとレモンの油の約2.5:1〜約2:1の比率の組み合わせである。B群の精油類は、口腔ケア組成物の約0.10〜約1.7重量%の量で口腔ケア組成物に添加できる。別の実施形態において、B群の精油類は、口腔ケア組成物の約0.10重量%〜約1.25重量%の量、別の実施形態では約0.20重量%〜約1.25重量%の量、別の実施形態では、約0.35〜約0.5重量%の量で口腔ケア組成物に添加できる。
【0039】
C.任意成分
1.口腔ケアキャリア
A群とB群の精油類の組み合わせを含む口腔ケア組成物は、歯磨剤、リンス、ゲル、ガム、キャンディ、菓子類、若しくはロゼンジ、食用フィルム、及び/又は米国特許第6,221,392号に記載されているような素早く溶解するウエハースを包含する、多様な口腔ケアキャリアも含むことができる。加えて、口腔ケア組成物は、米国特許第6,721,987号及びPCT国際公開特許出願WO02/069753に記載されているような歯科用ワイプ(dental wipe)上に付着することができる。
【0040】
使用されるキャリアの選択は、基本的に、組成物が口腔内に導入される方法によって決定される。練り歯磨き(歯磨ゲル、咀嚼錠などを含む)が使用される場合、例えば、米国特許第3,988,433号に開示されているように、「練り歯磨きキャリア」(例えば、研磨物質、起泡剤、結合剤、保湿剤、着香剤及び甘味剤など)が選択される。口内洗浄剤が使用される場合、例えば、米国特許第3,988,433号に開示されているように「口内洗浄剤キャリア」(例えば、水、着香剤及び甘味剤など)が選択される。同様に、口内スプレーが使用される場合、「口内スプレーキャリア」が選択される。サッシュが使用される場合、「サッシュキャリア」(例えば、サッシュバッグ、着香剤及び甘味剤)が選択される。歯肉縁下ゲルが(歯周ポケットの中又は歯周ポケットの周りに活性物質を送達するため)使用される場合、例えば、米国特許第5,198,220号、同第5,242,910号に開示されているように、「歯肉縁下ゲルキャリア」が選択される。本発明の組成物の調製に好適なキャリアは、当該技術分野において周知である。それらの選択は、味、価格、及び貯蔵安定性などのような二次的考察によって左右される。
【0041】
本発明の一つの実施形態において、組成物は、練り歯磨き、歯磨きゲル及び歯磨き粉のような歯磨剤の形態である。そのような練り歯磨き及び歯磨きゲルの構成成分は、1つ以上の、歯科用研磨剤(約10%〜約50%)、界面活性剤(約0.5%〜約10%)、増粘剤(約0.1%〜約5%)、保湿剤(約10%〜約55%)、精油構成成分(約0.04%〜約2%)、甘味剤(約0.1%〜約3%)、着色剤(約0.01%〜約0.5%)、及び水(約2%〜約45%)を含んでもよい。そのような練り歯磨き又は歯磨きゲルは、また、1つ以上の追加の、抗カリエス剤(約0.05%〜約10%の追加の抗カリエス剤)及び抗結石剤(約0.1%〜約13%)を包含してもよい。歯磨き粉は、当然のことながら、実質的に全て非液体の構成成分を含有する。
【0042】
本発明の構成成分の別の実施形態は、口内スプレーを包含するうがい薬であるそのようなうがい薬及び口内スプレーの構成成分は、典型的には、1つ以上の、水(約45%〜約95%)、エタノール(約0%〜約25%)、保湿剤(約0%〜約50%)、界面活性剤(約0.01%〜約7%)、着香剤(約0.04%〜約2%)、甘味剤(約0.1%〜約3%)、及び着色剤(約0.001%〜約0.5%)を包含する。そのようなうがい薬又は口内スプレーは、また、1つ以上の追加の、抗カリエス剤(約0.05%〜約 の追加の抗カリエス剤)及び抗結石剤(約0.1%〜約13%)を含んでもよい。
【0043】
本発明の別の実施形態は、歯科用溶液である。そのような歯科用溶液の構成成分は、一般に、1つ以上の、水(約90%〜約99%)、防腐剤(約0.01%〜約0.5%)、増粘剤(0%〜約5%)、着香剤(約0.04%〜約2%)、甘味剤(約0.1%〜約3%)、及び界面活性剤(0%〜約5%)を含む。
【0044】
本発明の別の実施形態は、キャンディ、菓子類及び/又はロゼンジを包含する。キャンディ、菓子類及び/又はロゼンジ用のキャリア物質は、咀嚼又は非咀嚼物質から選択できる。咀嚼物質は、寒天ガム及びゼラチンが挙げられるが、それらには限定されないガム類、低温煮詰キャンディ基材、並びにガムベース材料から選択することができる。硬質及び低温煮詰キャンディキャリア、圧縮錠などは、好適な糖を包含するバルク甘味剤、並びにカリエス誘発性及び非カリエス誘発性の材料を包含する糖シロップ剤を70%を超えて含むことができる。低温煮詰キャンディは、また、咀嚼性タフィーを形成するためにバターを含むことができる。ゼリー及びガムドロップ組成物では、キャリアは約25%を超えるバルク甘味剤を含むことができ、加えて、アラビアゴム、ゼラチン、寒天粉末などを包含するゴム類を含むことができる。精油組成物に加えて、キャンディ、菓子類及び/又はロゼンジは、他の経口及び/又は呼吸活性物質を追加的に含むことができる。
【0045】
本発明の別の実施形態は、チューインガム組成物を含む。そのような組成物は、従来のチューインガムの形態又は咀嚼に適しているあらゆる他の製品形態であってもよい。好適な物理的形態には、スティック、糖衣錠、チクレッツ、及びバトンが挙げられる。チューインガムは、典型的には、口腔活性の目的において、放出された成分が実質的に全ての歯の表面及び/又は口腔組織に接触することを可能にするのに十分な時間口腔内に保持される。チューインガムは、砥粒研磨物質、エラストマー類、樹脂、可塑剤、脂肪、溶媒、充填剤、甘味剤、吸収剤、経口活性金属イオン、カチオン性材料、フッ化物イオン供給源、追加の抗結石剤、抗菌剤、緩衝剤、白化剤、アルカリ金属重炭酸塩、増粘物質、保湿剤、水、界面活性剤、二酸化チタン、着香剤、キシリトール、着色剤、及びこれらの混合物を含むことができる。
【0046】
本発明の別の実施形態において、精油組成物は、生理学的に許容されている、そして消費者の口腔に付着し、且つその中で溶解するのに特に良好に適合している食用フィルム内に存在する。好適な食用フィルム及びそのようなフィルムを作製する方法の例は、米国特許第6,596,298号;同第5,733,584号、同第5,948,430号;同第6,177,096号、及びPCT国際公開特許出願WO00/18365に記載されている。プルランを含む食用フィルムが使用できる。本発明の食用フィルムは、精油組成物及び/又は他の口腔ケア活性物質を送達又は放出するために使用できる。食用フィルムは、軟化剤、着色剤、着香剤、乳化剤、界面活性剤、増粘剤、結合剤、甘味剤、芳香剤、及びこれらの組み合わせのような多様な他の好適な成分を包含することができる。
【0047】
本発明の組成物は、更に、当該技術分野において以前に開示された研磨剤、界面活性剤、増粘剤、保湿剤、及び風味剤を含むことができる。
【0048】
2.研磨剤
本発明の精油組成物を含む歯磨剤は、歯科用研磨剤を含んでもよい。しかし、歯磨剤のような口腔ケア組成物は、実質的に研磨剤を含まないことができる。選択される物質は、目的の組成物内で適合性があるべきであり、象牙質を過剰に研磨しない。好適な研磨剤には、例えば、ゲル及び沈殿物を包含するシリカ、不溶性のポリメタリン酸ナトリウム、水和アルミナ、炭酸カルシウム、オルトリン酸二カルシウム二水和物、ピロリン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、ポリメタリン酸カルシウム、及び尿素とホルムアルデヒドの粒子状縮合生成物のような樹脂性研磨剤物質が挙げられる。
【0049】
本発明で用いられる別の部類の研磨剤は、米国特許第3,070,510号で記載されている、粒子状熱硬化性重合樹脂である。好適な樹脂には、例えば、メラミン類、フェノール樹脂、尿素類、メラミン−尿素類、メラミン−ホルムアルデヒド類、尿素−ホルムアルデヒド、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド類、架橋エポキシド類、及び架橋ポリエステル類が挙げられる。研磨剤の混合物を使用してもよい。
【0050】
多様な種類のシリカ歯科用研磨剤は、歯のエナメル質又は象牙質を過度に研磨しないそれらの並はずれた歯の洗浄及び艶出性能という独特の利益のために、使用することができる。本明細書のシリカ砥粒研磨物質、並びに他の研磨剤は、約0.1〜約30ミクロン、別の実施形態では、約5〜約15ミクロンの範囲の平均粒径を有することができる。研磨剤は、沈殿シリカ又は米国特許第3,538,230号及び米国特許第3,862,307号で記載されているシリカキセロゲル類のようなシリカゲル類であることができる。好適なシリカキセロゲル類は、W.R.グレース・アンド・カンパニー(W.R.Grace & Company)のダビソン化学部門(Davison Chemical Division)により商標名「サイロイド(Syloid)」で市販されているシリカキセロゲル類である。また、商標名ゼオデント(Zeodent)(登録商標)でJ.M.フーバー社(J. M. Huber Corporation)により市販されているもののような沈殿シリカ材料が使用でき、一つの実施形態では、表記ゼオデント119(登録商標)を有するシリカが使用できる。本発明の練り歯磨きに有用なシリカ歯科用研磨剤の種類は、米国特許第4,340,583号により詳細に記載されている。本明細書に記載されている練り歯磨き組成物中の研磨剤は、一般に、組成物の約6重量%〜約70重量%の濃度で存在する。練り歯磨きは、組成物の約10重量%〜約50重量%の研磨剤を含有することができる。研磨剤の混合物が使用できる。好適な沈殿シリカの例は、米国特許第5,603,920号;同第5,589,160号;同第5,658,553号;同第5,651,958号で開示されているシリカである。加えて、口内スプレー及びうがい薬のような溶液は、典型的には研磨剤を含有しない。
【0051】
3.起泡剤(界面活性剤)
好適な起泡剤は、pHの広い範囲にわたって、適度に安定し、泡を形成するものである。起泡剤には、非イオン性、アニオン性、両性、カチオン性、双極性、合成の洗剤、及びこれらの混合物が挙げられる。多くの好適な非イオン性及び両性界面活性剤が、米国特許第3,988,443号及び同第4,051,234号に開示されており、多くの好適な非イオン性界面活性剤が、米国特許第3,959,458号に開示されている。
【0052】
4.増粘剤
練り歯磨き又はゲル類を調製する場合に、組成物の望ましい稠度を提供するため、使用の際に望ましい放出特質を提供するため、貯蔵安定性を提供するため、及び組成物の安定性を提供するためなどに、幾らかの増粘物質を添加することが必要である。適切な増粘剤は、カルボキシビニルポリマー類、カラギーナン、ヒドロキシエチルセルロース、ラポナイト、並びにカルボキシメチルセルロースナトリウム及びカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースナトリウムのようなセルロースエーテル類の水溶性塩類である。カラヤゴム、キサンタンガム、アラビアゴム及びトラガカントゴムのような天然ゴム類も使用することができる。更に質感を改善するために、コロイド状ケイ酸アルミニウムマグネシウム又は超微粒子状シリカが、増粘剤の一部として使用できる。
【0053】
しかし増粘剤は、高分子ポリエーテル化合物、例えば、炭素原子1〜約18個を含有するアルキル又はアシル基で末端保護されたポリエチレン又はポリプロピレンオキシド(M.W.300〜1,000,000)を除いて包含することができる。
【0054】
増粘剤又はゲル化剤の好適な部類には、ペンタエリスリトールのアルキルエーテル若しくはスクロースのアルキルエーテルで架橋されたアクリル酸のホモポリマー類、又はカルボマー類の部類が挙げられる。カルボマー類は、B.F.グッドリッチ(B.F. Goodrich)からカーボポール(Carbopol)(登録商標)シリーズとして市販されている。とりわけカーボポール類には、カーボポール(Carbopol)934、940、941、956、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0055】
ラクチド及びグリコリドモノマーのコポリマー類である、約1,000〜約120,000(数平均)の範囲の分子量を有するコポリマーは、「歯肉縁下ゲルキャリア」として歯周ポケットの中、又は歯周ポケットの周りに活性物質を送達するのに有用である。これらのポリマー類は、米国特許第5,198,220号;同第5,242,910号及び同第4,443,430号に記載されている。
【0056】
練り歯磨き又はゲル組成物全体の約0.1重量%〜約15重量%、又は約0.2重量%〜約6重量%、別の実施形態では、約0.4重量%〜約5重量%の量の増粘剤が使用できる。より高い濃度が、サッシュ、非研磨剤ゲル類及び歯肉縁下ゲル類に使用できる。
【0057】
5.保湿剤
本発明の組成物の局所的な口腔キャリアの別の任意成分は、保湿剤である。保湿剤は、練り歯磨き組成物が空気に曝されて硬化しないように保ち、口への潤い感を組成物に与え、特定の保湿剤では、練り歯磨き組成物に望ましい甘い香味を付与するのに役立つ。保湿剤は、純粋な保湿剤を基準にすると、本明細書の組成物の約0重量%〜約70重量%、別の実施形態では約5重量%〜約25重量%含むことができる。本発明の組成物における使用に好適な保湿剤には、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール及びプロピレングリコールのような食用多価アルコール類、特にソルビトール及びグリセリンが挙げられる。
【0058】
6.甘味剤
使用できる甘味剤には、スクロース、グルコース、サッカリン、デキストロース、果糖、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、フルクトース、マルト−ス、キシリトール、サッカリン塩類、タウマチン、アスパルテーム、D−トリプトファン、ジヒドロカルコン類、アセスルファム及びシクラメート塩類、特にシクラメートナトリウム及びサッカリンナトリウム、並びにこれらの混合物が挙げられる。組成物は、これらの剤を、組成物の約0.1重量%〜約10重量%、別の実施形態では約0.1重量%〜約1重量%含有することができる。
【0059】
甘味剤に加えて、冷却剤、唾液分泌剤、加温剤、及び麻酔剤が、本発明の組成物中で任意成分として使用できる。これらの剤は、組成物の約0.001重量%〜約10重量%、別の実施形態では約0.1重量%〜約1重量%の濃度で組成物中に存在する。
【0060】
冷却剤は、多種多様な物質のいずれかであることができる。このような物質に包含されるものは、カルボキサミド類、メンソール、ケタール類、ジオール類、及びこれらの混合物である。本組成物に好適な冷却剤には、「WS−3」として商業的に既知であるN−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、「WS−23」として既知であるN,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド、及びこれらの混合物のようなパラメンタンカルボキシアミド剤が挙げられる。追加の冷却剤は、メンソール、高砂(Takasago)製のTK−10として既知である3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール、ハーマン・アンド・ライマー(Haarmann and Reimer)製のMGAとして既知であるメントングリセロールアセタール、及びハーマン・アンド・ライマー製のフレスコラト(Frescolat)(登録商標)として既知であるメンチルラクテートからなる群から選択される。本明細書で使用するとき、メントール及びメンチルという用語は、これらの化合物の右旋性及び左旋性の異性体、並びにこれらのラセミ混合物を包含する。TK−10は、米国特許第4,459,425号に記載されている。WS−3及び他の剤は、米国特許第4,136,163号に記載されている。
【0061】
本発明の好適な唾液分泌剤には、高砂(Takasago)製のジャンブ(Jambu)(登録商標)が挙げられる。適切な加温剤には、トウガラシ、及びベンジルニコチネートのようなニコチネートエステル類が挙げられる。好適な麻酔剤には、ベンゾカイン、リドカイン、クローブの芽の油、及びエタノールが挙げられる。
【0062】
7.美容用及び治療用活性物質
口腔ケア組成物は、また、好適な美容用及び治療用活性物質を含んでもよい。そのような活性物質には、一般に口腔での使用が安全であると考慮され、且つ口腔の全体的な外観及び/又は健康に変化をもたらすあらゆる物質が挙げられ、抗結石剤、フッ化物イオン供給源、スズイオン供給源、白化剤、抗菌剤、歯垢防止剤、抗炎症剤、栄養素、酸化防止剤、抗ウイルス剤、鎮痛剤及び麻酔剤、H2拮抗物質、歯に清潔感を付与する構成成分、顔料及び着色剤、芳香剤及び知覚剤、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。存在する場合、組成物中の美容用及び治療用活性物質の濃度は、組成物の、一つの実施形態では約0.001重量%〜約90重量%、別の実施形態では約0.01重量%〜約50重量%、別の実施形態では約0.1重量%〜約30重量%である。
【0063】
以下は、本発明で使用されてもよい活性物質の非限定的な列挙である。
【0064】
a.抗結石剤
本発明の組成物は、また、抗結石剤を含んでもよく、これは、一つの実施形態では、口腔ケア組成物の約0.05重量%〜約50重量%で存在してもよく、別の実施形態では約0.05重量%〜約25重量%であり、別の実施形態では、約0.1重量%〜約15重量%である。抗結石剤は、ポリホスフェート類(ピロホスフェート類を含む)及びそれらの塩類;ポリアミノプロパンスルホン酸(AMPS)及びその塩類;ポリオレフィンスルホネート類及びそれらの塩類;ポリビニルホスフェート類及びそれらの塩類;ポリオレフィンホスフェート類及びそれらの塩類;ジホスホネート類及びそれらの塩類;ホスホノアルカンカルボン酸及びその塩類;ポリホスホネート類及びそれらの塩類;ポリビニルホスホネート類及びそれらの塩類;ポリオレフィンホスホネート類及びそれらの塩類;ポリペプチド類;並びにこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。一つの実施形態において、塩類はアルカリ金属塩類である。ポリホスフェート類は、一般に、カリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩及びこれらの混合物のような、全体的に又は部分的に中和された水溶性アルカリ金属塩類として使用される。無機ポリホスフェート塩類には、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)トリポリホスフェート、テトラポリホスフェート、二酸ジアルキル金属(例えば、二ナトリウム)、一酸トリアルキル金属(例えば、三ナトリウム)、リン酸水素カリウム、リン酸水素ナトリウム、及びアルカリ金属(例えば、ナトリウム)ヘキサメタホスフェート、並びにこれらの混合物が挙げられる。テトラポリホスフェートよりも大きいポリホスフェート類は、通常は無定形のガラス状物質として生じる。一つの実施形態において、ポリホスフェート類は、FMC社(FMC Corporation)で製造され、ソダフォス(Sodaphos)(n≒6)、ヘキサフォス(Hexaphos)(n≒13)、及びグラス(Glass)H(n≒21、ヘキサメタリン酸ナトリウム)として商業的に既知であるもの、並びにこれらの混合物である。本発明に有用なピロホスフェート塩類には、アルカリ金属ピロホスフェート類、ジ−、トリ−及びモノ−カリウム又はナトリウムピロホスフェート、ジアルカリ金属ピロホスフェート塩類、テトラアルカリ金属ピロホスフェート塩類、並びにこれらの混合物が挙げられる。一つの実施形態において、ピロホスフェート塩は、ピロリン酸三ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム(Na)、ピロリン酸二カリウム、ピロリン酸四ナトリウム(Na)、ピロリン酸四カリウム(K)、及びこれらの混合物からなる群より選択される。ポリオレフィンスルホネート類には、オレフィン基が2個以上の炭素原子を含有するもの及びそれらの塩が挙げられる。ポリオレフィンホスホネート類には、オレフィン基が2個以上の炭素原子を含有するものが挙げられる。ポリビニルホスホネート類には、ポリビニルホスホン酸が挙げられる。ジホスホネート類及びそれらの塩類には、アゾシクロアルカン−2,2−ジホスホン酸類及びこれらの塩類、アゾシクロアルカン−2,2−ジホスホン酸類のイオン類及びこれらの塩類、アザシクロヘキサン−2,2−ジホスホン酸、アザシクロペンタン−2,2−ジホスホン酸、N−メチル−アザシクロペンタン−2,3−ジホスホン酸、EHDP(エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸)、AHP(アザシクロヘプタン−2,2−ジホスホン酸)、エタン−1−アミノ−1,1−ジホスホネート、ジクロロメタン−ジホスホネートなどが挙げられる。ホスホノアルカンカルボン酸又はそのアルカリ金属塩類には、それぞれ酸又はアルカリ金属塩類として、PPTA(ホスホノプロパントリカルボン酸)、PBTA(ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸)が挙げられる。ポリオレフィンホスフェート類には、オレフィン基が2個以上の炭素原子を含有するものが挙げられる。ポリペプチド類には、ポリアスパラギン酸及びポリグルタミン酸が挙げられる。
【0065】
b.スズイオン
本発明の口腔ケア組成物は、スズイオン供給源を含んでもよい。スズイオンは、フッ化第一スズ及び/又は他のスズ塩類から提供されてもよい。フッ化第一スズは、歯肉炎、歯垢、敏感度の低減、及び改善された息の利益に役立つことが見出されている。口腔用組成物に提供されるスズイオン類は、組成物を使用する対象者に効能をもたらす。効能は、歯肉炎の低減以外の利益を含むことができるが、効能は、その場の歯垢代謝における顕著な低減の量として定義される。そのような効能をもたらす製剤は、典型的には、フッ化第一スズ及び/又は他のスズ塩類により提供され、組成物全体で約3,000ppm〜約15,000ppmのスズイオンの範囲である、スズ濃度を含む。スズイオンは、約4,000ppm〜約12,000ppm、一つの実施形態では、約5,000ppm〜約10,000ppmの量で存在する。他のスズ塩類には、酢酸第一スズ、グルコン酸第一スズ、シュウ酸第一スズ、マロン酸第一スズ、クエン酸第一スズ、第一スズエチレングリコキシド、ギ酸第一スズ、硫酸第一スズ、乳酸第一スズ、酒石酸第一スズなどのような有機カルボン酸第一スズ類が挙げられる。他のスズイオン供給源には、塩化第一スズ類、臭化第一スズ、ヨウ化第一スズ、及び塩化第一スズ二水素化物(dihydride)のようなスズハロゲン化物が挙げられる。一つの実施形態において、スズイオン供給源はフッ化第一スズであり、別の実施形態では、塩化第一スズ二水和物(stannous chloride dihydrate)である。合わせたスズ塩類は、組成物の約0.001重量%〜約11重量%の量で存在してもよい。スズ塩類は、組成物の、一つの実施形態では約0.01重量%〜約7重量%、別の実施形態では約0.1重量%〜約5重量%、別の実施形態では約1.5重量%〜約3重量%の量で存在してもよい。
【0066】
c.白化剤
白化剤が活性物質として本組成物に包含されてもよい。白化に好適な活性物質は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属過酸化物、金属亜塩素酸塩類、一及び四水和物を含む過ホウ酸塩類、過リン酸塩類(perphoshates)、過炭酸塩類、ペルオキシ酸類、アルカリ金属、及び過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム及び過硫酸リチウムのような過硫酸塩類、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される。好適な過酸化物化合物には、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化カルシウム、過酸化カルバミド、過酸化マグネシウム、過酸化亜鉛、過酸化ストロンチウム、及びこれらの混合物が挙げられる。一つの実施形態において、過酸化物化合物は過酸化カルバミドである。好適な亜塩素酸金属塩類には、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸バリウム、亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸ナトリウム、及び亜塩素酸カリウムが挙げられる。追加的な白化活性物質は、次亜塩素酸塩及び二酸化塩素であってもよい。一つの実施形態において、亜塩素酸塩は亜塩素酸ナトリウムである。別の実施形態において、過炭酸塩は過炭酸ナトリウムである。一つの実施形態では、過硫酸塩類はオキソン類である。これらの物質の濃度は、分子が、染みを漂白するために提供できる、利用可能な酸素又は塩素それぞれによって左右される。一つの実施形態において、白化剤は、組成物の約0.01重量%〜約40重量%、別の実施形態では、約0.1重量%〜約20重量%、別の実施形態では約0.5重量%〜約10重量%、別の実施形態では約4重量%〜約7重量%の濃度で存在してもよい。
【0067】
d.抗菌剤
抗菌剤が本発明の組成物に含まれてもよい。そのような剤には、慣用的にトリクロサンと呼ばれる、5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)−フェノール;8−ヒドロキシキノリン及びその塩類;塩化銅(II)、硫酸銅(II)、酢酸銅(II)、フッ化銅(II)及び水酸化銅(II)が挙げられるが、これらに限定されない銅II化合物;フタル酸一カリウムマグネシウムを含む米国特許第4,994,262号で開示されているものが挙げられるが、これらに限定されないフタル酸及びその塩類;クロルヘキシジン;アレキシジン;ヘキセチジン;サンギナリン;塩化ベンザルコニウム;サリチルアニリド;臭化ドミフェン;塩化セチルピリジニウム(CPC);塩化テトラデシルピリジニウム(TPC);N−テトラデシル−4−エチルピリジニウムクロリド(TDEPC);オクテニジン;ヨウ素;スルホンアミド類;ビスビグアニド類;フェノール類;デルモピノール、オクタピノール、及び他のピペリジノ誘導体;ナイアシン調剤;亜鉛又はスズイオン剤;ナイスタチン;グレープフルーツ抽出物;リンゴ抽出物;タイム油;チモール;オーグメンチン、アモキシシリン、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、メトロニダゾール、ネオマイシン、カナマイシン、塩化セチルピリジニウム、及びクリンダマイシンのような抗生物質;上記の類似体及び塩類;サリチル酸メチル;過酸化水素;亜塩素酸塩の金属塩類;並びに上記の全ての混合物を挙げてもよいが、これらに限定されない。抗菌構成成分は、組成物の約0.001重量%〜約20重量%で存在してもよい。
【0068】
e.歯垢防止剤
本発明の組成物はスズ塩類、銅塩類、ストロンチウム塩類、マグネシウム塩類、又はジメチコンコポリオールのような歯垢防止剤を含んでもよい。ジメチコンコポリオールは、C12〜C20アルキルジメチコンコポリオール及びこれらの混合物から選択される。一つの実施形態において、ジメチコンコポリオールは、商標名アビル(Abil)EM90で市販されているセチルジメチコンコポリオールである。ジメチコンコポリオールは、一つの実施形態において、組成物の約0.001重量%〜約25重量%、別の実施形態では、約0.01重量%〜約5重量%、別の実施形態では約0.1重量%〜約1.5重量%の濃度で存在することができる。
【0069】
f.抗炎症剤
抗炎症剤が本発明の口腔ケア組成物に存在することもできる。このような剤には、非ステロイド性抗炎症剤オキシカム類、サリチラート類、プロピオン酸類、酢酸類及びフェナメート類を挙げてもよいが、これらに限定されない。そのようなNSAID類には、ケトロラク、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、ジクロフェナク、エトドラク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、ピロキシカム、ナブメトン、アスピリン、ジフルニサル、メクロフェナム酸、メフェナム酸、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、及びアセトアミノフェンが挙げられるが、これらに限定されない。ケトロラクのようなNSAID類の使用は、米国特許第5,626,838号で特許請求されている。そこで開示されているものは、NSAIDの有効量の口腔又は中咽頭への局所投与によって、口腔又は口腔咽頭の原発性及び再発性の扁平上皮細胞癌を予防及び/又は治療する方法である。好適なステロイド性抗炎症剤には、フルオシノロン(fluccinolone)及びヒドロコルチゾンのような副腎皮質ホルモン類が挙げられる。
【0070】
g.栄養素
栄養素は、口腔の状態を改善する可能性があり、本発明の口腔ケア組成物に包含されることができる。栄養素には、ミネラル類、ビタミン類、経口栄養補給剤、経腸栄養補給剤、及びこれらの混合物が挙げられる。有用なミネラル類には、カルシウム、リン、亜鉛、マンガン、カリウム、及びこれらの混合物が挙げられる。ビタミン類は、ミネラル類と共に包含されることができるか、又は別個に使用されることもできる。好適なビタミン類には、ビタミンC及びD、チアミン、リボフラビン、パントテン酸カルシウム、ナイアシン、葉酸、ニコチンアミド、ピリドキシン、シアノコバラミン、パラ−アミノ安息香酸、バイオフラボノイド類、及びこれらの混合物が挙げられる。経口栄養補給剤には、アミノ酸類、脂肪親和物質、魚油、及びこれらの混合物が挙げられる。アミノ酸類には、L−トリプトファン、L−リジン、メチオニン、スレオニン、レボカルニチン又はL−カルニチン及びこれらの混合物が挙げられるが、それらには限定されない。脂肪親和物質には、コリン、イノシトール、ベタイン、リノール酸、リノレン酸、及びこれらの混合物が挙げられるが、それらには限定されない。魚油は、大量のオメガ3(N−3)多不飽和脂肪酸類、エイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸を含有する。経腸栄養補給剤には、タンパク質製品、グルコースポリマー類、コーン油、ベニバナ油、中鎖トリグリセリド類が挙げられるが、それらには限定されない。ミネラル類、ビタミン類、経口栄養補給剤及び経腸栄養補給剤は、「薬剤、事実及び比較(Drug Facts and Comparisons)」(ルーズリーフ式薬剤情報サービス)、ウォルターズ・クルエル社(Wolters Kluer Company)、(ミズーリ州セントルイス(St. Louis))(版権)1997年、3頁〜17頁及び54頁〜57頁に更に詳細に記載されている。
【0071】
h.抗酸化剤
酸化防止剤は、一般に、口腔ケア組成物に有用であると認識されている。抗酸化剤は、カデナス(Cadenas)及びパッカー(Packer)の「抗酸化剤便覧(The Handbook of Antioxidants)」、(版権)1996年、マーセル・デッカー社(Marcel Dekker,Inc.)のようなテキストに開示されている。本発明に有用な酸化防止剤には、ビタミンE、アスコルビン酸、尿酸、カロチノイド類、ビタミンA、フラボノイド類及びポリフェノール類、薬草抗酸化剤、メラトニン、アミノインドール類、リポ酸類及びこれらの混合物が挙げられるが、それらには限定されない。
【0072】
i.鎮痛剤及び麻酔剤
抗疼痛剤又は減感剤も本発明の口腔ケア組成物中に存在することができる。鎮痛剤は、意識を撹乱させることなく、又はその他の感覚様相を変えることなく、痛みの閾値を上げるように中枢的に作用することによって痛みを緩和する剤である。そのような剤には、塩化ストロンチウム;硝酸カリウム;フッ化ナトリウム;硝酸ナトリウム;アセトアニリド;フェナセチン;アセルトファン(acertophan);チオルファン;スピラドリン(spiradoline);アスピリン;コデイン;テバイン;ラボルフェノール(levorphenol);ヒドロモルフォン;オキシモルフォン;フェナゾシン;フェンタニール;ブプレノルフィン;ブタファノール(butaphanol);ナルブフィン;ペンタゾシン;没食子のような自然の薬草類;アサルム;クベビン;ガランガ;スクテラリア;両面針;及び白止を挙げてもよいが、それらには限定されない。アセトアミノフェン、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸トロラミン、リドカイン及びベンゾカインのような麻酔剤又は局所鎮痛剤もまた存在してもよい。これらの鎮痛剤活性物質は、カーク・オスマー(Kirk-Othmer)の「工業化学百科事典(Encyclopedia of Chemical Technology)」、第4版、第2巻、ウイリー・インターサイエンス・パブリッシャーズ(Wiley-Interscience Publishers)(1992年)、729頁〜737頁で詳細に記載されている。
【0073】
j.H−1及びH−2拮抗物質
本発明は、また、米国特許第5,294,433号に開示されている化合物を包含する含む、選択的H−1及びH−2拮抗物質を任意に含んでもよい。
【0074】
k.顔料及び着色剤
顔料は、組成物が実際に接触した位置をより正確に示すために、本明細書の組成物に添加されてもよい。加えて、これらの物質は、消費者を満足させるために、歯の色を変えるのに適している可能性がある。これらの物質は、歯の表面に適用されると、光の吸収及び、又は反射に関してその表面を変える粒子を含む。このような粒子を含有するフィルムが1本又は複数の歯の表面を覆って適用されるとき、このような粒子は外観の利益をもたらす。顔料、染料、着色剤及びレーキ類もまた、製品が消費者により受入れられるように、本明細書の組成物の外観を変えるために添加されてもよい。適切な顔料の濃度は、消費者に望ましい特定の影響によって選択される。例えば、特に黒ずんでいるか、又は染みのある歯では、典型的には、歯を明るくするのに十分な量の顔料を使用するであろう。他方では、個々の歯又は歯の染みが他の歯よりも色が薄ければ、歯を黒くする顔料が有用である可能性がある。顔料及び着色剤の濃度は、咀嚼性口腔ケア組成物の総重量の約0.001重量%〜約20重量%、一つの実施形態では、約0.01重量%〜約15重量%、別の実施形態では、約0.1重量%〜約10重量%の範囲であってもよい。
【0075】
顔料及び着色料には、無機白色顔料、無機着色顔料、パール剤、充填用粉末などが挙げられる;日本公開特許特開平9[1997]−100215(1997年4月15日公開)を参照すること。特定の例は、タルク、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、シリカ、二酸化チタン、酸化亜鉛、ベンガラ、酸化鉄粉、黄酸化鉄、黒酸化鉄、フェロシアン化鉄アンモニウム、マンガンバイオレット、ウルトラマリン、ナイロン粉末、ポリエチレン粉末、メタクリレート粉末、ポリスチレン粉末、シルクパウダー、結晶性セルロース、デンプン、雲母チタン、酸化鉄雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、及びこれらの混合物からなる群から選択される。一つの実施形態において、顔料及び着色剤は、二酸化チタン、オキシ塩化ビスマス、酸化亜鉛、オパチント(Opatint)医薬品及び化粧品用レッド27、CI16185:1アシッド27レーキE123、CI14720:1カルモソイシン(Carmosoisine)アルミニウムレーキE122、レッド7レーキ、又はレッド30レーキ、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものである。
【0076】
l.追加的な活性物質
本発明での使用に好適な追加的な活性物質には、インスリン、ステロイド類、薬草及び他の植物由来治療薬、並びに抗新生物薬を挙げてもよいが、それらには限定されない。加えて、当該技術分野において既知の抗歯肉炎剤又は歯肉ケア剤もまた挙げてもよい。歯に清涼感を付与する構成成分が任意に含まれていてもよい。これらの構成成分には、例えば、重曹又はガラスH(Glass-H)を挙げてもよい。また、治療の特定の形態において、これら上記名称の剤の組み合わせが、最適の効果を得るために有用である可能性がある。従って、例えば、抗菌剤と抗炎症剤は、結合効果を提供するために単一の口腔ケア組成物中で合わされてもよい。
【0077】
使用される任意の剤には、例えば米国特許第4,627,977号に記載されているような、ポリアクリレート類及び無水マレイン酸又はマレイン酸とメチルビニルエーテルとのコポリマー類(例えば、ガントレッツ(Gantrez))を含む合成アニオン性ポリマー類として既知の物質などが挙げられ、並びに、例えばポリアミノプロパンスルホン酸(AMPS)、クエン酸亜鉛三水和物、ポリホスフェート類(例えば、トリポリホスフェート;ヘキサメタホスフェート)、ジホスホネート類(例えば、EHDP;AHP)、ポリペプチド類(例えば、ポリアスパラギン酸及びポリグルタミン酸)、並びにこれらの混合物が挙げられる。加えて、口腔ケア組成物は、米国特許第6,682,722号及び同第6,589,512号、及び米国特許出願10/424,640及び10/430,617に記載されるもののようなポリマーキャリアを含むことができる。
【0078】
m.アルカリ金属重炭酸塩
本発明はまたアルカリ金属重炭酸塩を包含してもよい。アルカリ金属重炭酸塩類は水に可溶性であり、安定化されていない場合には、水性系で二酸化炭素を放出する傾向がある。一つの実施形態において、重曹としても知られている重炭酸ナトリウムは、アルカリ金属重炭酸塩である。本組成物は、約0.5%〜約30%、別の実施形態では約0.5%〜約15%、別の実施形態では約0.5%〜約5のアルカリ金属重炭酸塩を含有してもよい。
【0079】
n.呼吸活性物質
また本明細書で有用なものは、ザルフィルルカスト、ジロートンのようなロイコトリエン受容体拮抗物質;副腎皮質ホルモン類、他のステロイド類、ベクロメタゾン、フルニソリド、トリアムシノロンのような鼻吸入剤製品;アセチルシステインのような粘液溶解剤;臭化イプラトロピウムのような抗コリン作用薬;クロモリンナトリウム、ネドクロミルナトリウム;肺用界面活性剤;及びこれらの混合物からなる群から選択される、多種多様な呼吸活性物質である。
【0080】
好ましくは、これらの剤は、組成物の約0.001重量%〜約10重量%、好ましくは約0.1重量%〜約5重量%の濃度で組成物に存在する。
【0081】
8.その他のキャリア
商業的に好適な口腔用組成物の調製に用いる水は、イオン含量が少なく、有機不純物を含んでいてはならない。水は、一般に、本明細書の組成物の約5重量%〜約70重量%、別の実施形態では約20重量%〜約50重量%含む。この水の量は、添加される遊離水に加えて、ソルビトールのような他の物質と共に導入される水を包含する。
【0082】
二酸化チタンもまた本組成物に添加されてもよい。二酸化チタンは、組成物に不透明度を加える白色粉末である。二酸化チタンは、一般に、歯磨剤組成物の約0.25重量%〜約5重量%含む。
【0083】
抗菌歯垢防止剤もまた口腔用組成物に任意に存在してもよい。このような剤には、米国特許第3,506,720号及び欧州特許出願0,251,591(ビーチャム・グループ社(Beecham Group, PLC)、1988年1月7日公開)においてメルク・インデックス(The Merck Index)、第11版(1989年)、1529頁(登録番号9573)に記載されている、トリクロサン、5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)−フェノール;クロルヘキシジン(メルク・インデックス、番号2090)、アレキシジン(メルク・インデックス、番号222);ヘキセチジン(メルク・インデックス、番号4624);サンギナリン(メルク・インデックス、番号8320);塩化ベンザルコニウム(メルク・インデックス、番号1066);サリチルアニリド(メルク・インデックス、番号8299);臭化ドミフェン(メルク・インデックス、番号3411);塩化セチルピリジニウム(CPC)(メルク・インデックス、番号2024);塩化テトラデシルピリジニウム(TPC);N−テトラデシル−4−エチルピリジニウムクロリド(TDEPC);オクテニジン;デルモピノール、オクタピノール、及び他のピペリジノ誘導体;ナイシン(nicin)調剤;亜鉛/スズイオン剤;オーグメンチン、アモキシシリン、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、及びメトロニダゾールのような抗生物質;並びに上記の抗菌歯垢防止剤の類似体及び塩類が挙げられるがこれらに限定されない。存在する場合、抗菌歯垢防止剤は、一般に、本発明の組成物の約0.1重量%〜約5重量%含む。
【0084】
他の任意の剤には、その遊離酸の形態で使用される合成アニオン性ポリマーのポリカルボキシレート、又は部分的に若しくは完全に中和された水溶性アルカリ金属(例えば、カリウム及びナトリウム)、又はアンモニウム塩が挙げられ、米国特許第4,152,420号;同第3,956,480号;同第4,138,477号、同第4,183,914号;及び同第4,906,456号に開示されている。一つの実施形態において、コポリマー類は、無水マレイン酸又はマレイン酸と別の重合可能なエチレン性で不飽和のモノマーとの1:4〜4:1コポリマーであることができ、特にメチルビニルエーテル(メトキシエチレン)は、約30,000〜約1,000,000の分子量(M.W.)を有することができる。これらのコポリマー類は、例えば、GAF社(GAF Corporation)のガントレッツ(Gantrez)AN139(M.W.500,000)、AN119(M.W.250,000)として、及びS−97医薬品等級(M.W.70,000)として入手可能である。
【0085】
C.使用方法
安全且つ有効な量の本発明の組成物が、口腔の上記の状態を治療又は予防するために、幾つかの従来の方法によって、口腔の粘膜組織、口腔の歯肉組織、及び/又は歯の表面に局所的に適用されてもよい。例えば、歯肉又は粘膜組織は、溶液(例えば、口内洗浄剤、口内スプレー)によりすすがれてもよいか、或いは歯磨剤(例えば、練り歯磨き、歯磨きゲル、咀嚼錠、歯磨き粉)では、歯肉/粘膜組織及び/又は歯は、液体を及び/又は歯を磨くことにより生成される泡を浴びる。咀嚼性歯磨剤は、咀嚼することができ、従って、米国特許出願公報2004/0101493及び同2004/0101494で記載されているように、歯の活性物質を口腔の表面に送達することができる。次に歯は、錠剤が咀嚼された後で磨くことができる。他の非限定例には、非研磨性ゲル又はペーストを、下記の口腔ケア用具を用いるか又は用いないで、歯肉/粘膜組織に又は歯に直接適用することが挙げられる。
【0086】
虫歯を含む口腔の疾患又は状態を治療する方法では、安全且つ有効な量の本発明の組成物が、その必要のあるヒトの歯肉/粘膜組織、及び/又は歯に(例えば、口内洗浄剤ですすぐこと、装置を用いるか又は用いないで非研磨性ゲルを直接適用すること、歯ブラシで歯磨剤又は歯磨きゲルを適用することなどによって)、少なくとも約10秒間、別の実施形態では、約20秒から約10分まで、さらに別の実施形態では約30秒から約60秒まで適用できる。この方法は、多くの場合、そのような接触の後に続いて組成物の大部分の喀出を伴う。そのような接触の頻度は、1週間当たり約1度から1日当たり約4回まで、別の実施形態では1週間当たり約3度から1日当たり約3回、別の実施形態では1日当たり約1度から1日当たり約2度であることができる。このような治療の期間は、典型的には約1日から一生涯の範囲である。特定の口腔ケアの疾患又は状態では、治療の期間は、治療される口腔の疾患又は状態の重篤度、利用される特定の送達形態、及び患者の治療に対する反応によって左右される。歯周ポケットへの送達が望ましい場合、口内洗浄剤は、注射器又は水噴射装置を使用して歯周ポケットに送達できる。これらの装置は当業者に既知である。この種類の装置には、テレダイン社(Teledyne Corporation)による「ウオーター・ピック(Water Pik)」が挙げられる。洗浄後、被験者は、口の中をリンスでゆすぎ、舌の背側及び他の歯肉及び粘膜の表面を覆うことも可能である。練り歯磨きに加えて、非研磨性ゲル、歯磨きゲルなどは、舌の表面及び口腔の他の歯肉及び粘膜組織の上を磨くことができる。このような治療の期間は、典型的には約1日から一生涯の範囲である。被験者は、必要に応じて適用を繰り返してもよい。治療の期間は、約3週間から約3か月までであることができるが、治療される状態の重篤度、利用される特定の送達形態、及び患者の治療に対する反応に応じてより短くても、又はより長くてもよい。
【0087】
口腔中のバイオフィルム形成に相関する細菌を低減する方法では、安全且つ有効な量の本発明の口腔ケア組成物が、その必要のある被験者の口腔に投与可能である。
【0088】
加えて、口腔は、食用フィルム類、キャンディ、菓子類、ロゼンジ類、及び/又はガム類を使用して治療可能である。そのような組成物は、消費の際に十分な時間口腔中に保持され、従って、携帯用口腔製品にとって理想的な製品形態を提供する。
【0089】
本発明の組成物は、ヒト及び他の下等動物(例えば、愛玩動物、動物園の動物、又は家畜)の両方への適用に有用である。
【0090】
以下の非限定的な実施例は、本発明の範囲内の実施形態を更に説明する。本発明の範囲から逸脱することなく、これらの実施例の多くの変形が可能である。
【0091】
D.実施例
1.歯磨剤
以下の歯磨剤の組成物は、従来のプロセスにより作製され、下記に記載される。
【表3】

【0092】
咀嚼性歯磨錠
フッ化ナトリウムを含有する以下の咀嚼性圧縮錠が、従来の錠剤加工技術により以下のものを混合することによって作製される。
【表4】

1.ISPからのプラスドン(Plasdone)XL
2.口内洗浄剤組成物が下記に記載される。
【0093】
以下の口腔ケア口内洗浄剤組成物が、従来のプロセスにより以下を混合することによって作製される。
【表5】

【0094】
3.食用フィルム組成物が下記に記載される。
【表6】

ダウ・ケミカル社(Dow Chemical Company)より入手可能。
【0095】
実施例1〜3のフィルム製剤を作製するために、フィルム形成剤(メトセル(Methocel)変異型)を、キャノーラ油、着香剤、及びソルビトールを含有する混合物に加える。次にこの混合物を、メトセル(Methocel)粉末の粒子が均質に分散するまで攪拌する。次に水を約75℃の温度で添加し、攪拌を少なくとも30分間続ける。次に、着色剤、甘味剤、及び難消化性デキストリンのような残りの成分を溶液に加え、少なくとも10分間、攪拌下で混合する。その流し込み用溶液をガラスプレート上に注ぎ、延ばして薄い単層(monlayer)フィルムを形成する。次に、フィルムを70℃で10分間乾燥する。次に、フィルムをガラスプレートから取り外し、所望の寸法に切断する。
【0096】
実施例4及び5のフィルム製剤を作製するために、水を82℃(180°F)より高く加熱する。次に、メトセル(Methocel)変異型をその温水に加え、82℃(180°F)で少なくとも10分間混合する。続いて、着色剤、甘味剤、及び難消化性デキストリンのような残りの成分を、その熱混合物に添加する。次に混合物が少なくとも5分間混合される。その流し込み用溶液を25℃に冷却し、ガラスプレート上に注ぎ、延ばして、薄い単層フィルムを形成する。次に、フィルムを70℃で15分間乾燥する。次に、フィルムをガラスプレートから取り外し、所望の寸法に切断する。
【0097】
実施例6及び7では、メトセル(Methocel)変異型をデキストリン及びアラビアゴムと完全に混合する。次に、この乾燥混合物を水に高速攪拌下で加える。攪拌を少なくとも30分間続ける。次に、着色剤、甘味剤、及び難消化性デキストリンのような残りの成分を溶液に加え、少なくとも10分間、攪拌下で混合する。次に、この流し込み用溶液をガラスプレート上に注ぎ、延ばして、薄い単層フィルムを形成する。次に、このフィルムを70℃で15分間乾燥する。次に、フィルムをガラスプレートから取り外し、所望の寸法に切断する。
【0098】
以下の方法が、実施例8〜16のフィルムを調製するために使用可能である。
【0099】
A.ポリソルベート(Polysorbate)80及びアトモス(Atmos)300以外のフィルム形成成分(例えば、キサンタンガム、イナゴマメゴム、カラギーナン及びプルラン)が、ゲルを形成するために熱精製水中で混合及び水和され、調製物Aを形成するために、約4℃の温度で冷蔵庫に一晩保存される。
【0100】
B.調製物Bを形成するために、着色剤、グルコン酸銅、及び甘味剤が精製水に添加され、溶解される。
【0101】
C.調製物Cを形成するために、調製物Bが調製物Aに添加され、十分に混合される。
【0102】
D.調製物Dを形成するために、着香剤及び油類(例えば、冷却剤、チモール、サリチル酸メチル、ユーカリプトール、及びメタノール)が混合される。
【0103】
E.調製物Eを形成するために、ポリソルベート(polysorbate)80及びアトモス(Atmos)300が調製物Dに添加され、十分に混合される。
【0104】
F.調製物Fを形成するために、調製物Eが調製物Cに添加され、十分に混合される。
【0105】
室温で所望の厚さのフィルムを形成するために、調製物Fが型に注がれ、成型される。フィルムは温風下で乾燥され、所望の寸法に切断され、包装され、保管される。
【0106】
これらの実施例における量は、実際の重量(グラム)又は重量/重量%で表される。これらの処方は、成型され、乾燥されてフィルムになる、溶液/ゲルを作り出す。完成し、乾燥したフィルムにおけるそれぞれの成分の実際の量は、乾燥の間に除去された相対水分の量によって左右される。
【表7】

【0107】
4.白化組成物:
【表8】

【0108】
白化組成物は以下のように調製される。溶媒を、溶媒の損失を最小限にするのに好適な容器の中に添加する。レオロジー変性剤を添加し、十分に分散するまで混合する。シリコーン樹脂を添加し、完全に溶解するまで混合する。シリコーンゴム及び/又はシリコーン流体を添加し、完全に溶解するまで混合する。この時点で、過炭酸ナトリウムのようなあらゆる塩類、並びに/又は他の口腔ケア活性物質、不透明化剤、甘味剤、染料及び香味料のような審美性成分を添加する。均質になるまで混合を続ける。均質になるまで混合を続ける。混合を促進するために追加的な高剪断攪拌を使用してもよい。気密容器の中に詰める。
【0109】
あるいは、シリコーンの溶解を促進し、製造を容易にするために、最終ブレンド工程に組み込む前にシリコーン樹脂及び/又はシリコーンゴムのプレミックスを調製してもよい。処方の組成に応じて成分添加の順番を変えてもよく、例えば、低い粘度をブレンド工程の後の段階まで維持することが可能になるように、レオロジー変性剤の添加が後の工程に移されてもよい。
【0110】
前記の表の実施例により開示され、表された実施形態は、多くの利点を有する。例えば、これらはより良好な耐久性、続く口腔物質の送達、特に歯の表面への送達を提供することができる。これらは、また、従来の製品形態によって達成できるものから著しく異なる利益を送達できる、簡便な、分離した、使用が容易な製品形態を提供することができる。加えて、水性系フィルムシステム中で不安定性を示す口腔ケア活性物質は、安定性を損なうことなく本明細書の組成物に組み込まれることができる。
【0111】
使用方法
歯白化組成物は、ブラシ、ペン型塗布具、シカの脚型塗布具など、さらには指によって適用できる。
【0112】
歯組成物が適用された表面に、白化物質を含有するフィルムが素早く形成する。口腔ケア物質が時間とともにフィルムから放出されるので、口腔ケア物質の長期間の送達が可能になる。次に、あらゆる残留口腔ケア物質は、所望の時間が過ぎた後、口腔表面を拭き取る、ブラシがけする、又はすすぐことによって、或いは通常の歯磨き又は他の口腔ケア活動の間に、容易に除去され得る。理論によって制限されないが、フィルムは口腔物質の反応性に関係なく約2時間から8時間まで持続する。好ましくは、組成物は、口腔に適用されると、ほとんど目立たない。
【0113】
5.ゴム類
【表9】

【0114】
実施例1、2
ガムベースを約45℃に加熱して、柔らかくする。混合プロセスの間中ずっと、混合容器のキャビティを約45℃で維持する。ガムベースをダブルシグマブレードミキサーの混合キャビティに添加し、5分間混合する。マンニトール及び噴霧乾燥メントールを添加する。2分間混合する。グリセリンを添加し、2分間混合する。キシリトールの50%を添加し、2分間混合する。水素添加デンプン加水分解物を添加し、5分間混合する。ソルビトールの50%を添加し、3分間混合する。キシリトールの次の50%、グラス(Glass)−H(組成物に存在する場合)及びアスパルテームを添加し、3分間混合する。香味料を添加し、3分間混合する。
【0115】
実施例3、4
ガムベースを約45℃に加熱して、柔らかくする。混合プロセスの間中ずっと、混合容器のキャビティを約45℃で維持する。ガムベースをダブルシグマブレードミキサーの混合キャビティに添加し、5分間混合する。マンニトール及び噴霧乾燥メントールを添加する。2分間混合する。グリセリンを添加し、2分間混合する。キシリトールの50%を添加し、2分間混合する。水素添加デンプン加水分解物を添加し、5分間混合する。ソルビトールの50%を添加し、3分間混合する。キシリトールアスパルテームの次の50%を添加し、3分間混合する。香味料を添加し、3分間混合する。15〜20℃、30〜60%RH(調湿)で約1週間保存する。チューインガムを、マルチトール溶液及びグラス(Glass)−Hと共に塗布乾燥機中で混転する。表面が乾燥するまで混転を維持する。
【0116】
6.ロゼンジ類
【表10】

【0117】
実施例1.
イソマルトが水に溶解され、攪拌下で110〜112℃に加熱され、続いて、水を煮詰めて蒸発させるために141〜145℃に煮詰められる。バッチが真空下で引かれ、精油類が、低湿度環境中、約90℃で添加される。バッチ形成及びダイ打ち抜き装置に移す前に、バッチがホットテーブル上で折り畳まれ、続いてコールドテーブル上で冷却される(20℃)。最終生成物は、ガラスのような半透明の外観を有する。
【0118】
実施例2〜3.
低温煮詰キャンディ:イソマルトが80℃で水にゆっくりと溶解され、続いて118〜130℃で煮詰められ、その時点で加熱装置が取り外される。バター又は他の脂肪が、この最終煮詰め温度より2〜3℃低い温度で添加される。ゼラチン、精油類、酸、及び活性物質が、煮詰めが終了した後で添加され、その後に最終生成物が形成される。
【0119】
実施例4.
イソマルトが水に溶解され、攪拌下で110〜112℃に加熱される。次にグルコースシロップが添加され、水を煮詰めて蒸発させるために、ミックスが141〜142℃に加熱される。バッチが真空下に引かれ、活性物質/精油類が、低湿度環境中、約90℃で添加される。バッチ形成及びダイ打ち抜き装置に移す前に、バッチがホットテーブル上で折り畳まれ、続いてコールドテーブル上で冷却される(20℃)。最終生成物は、ガラスのような半透明の外観を有する。
【0120】
「発明の詳細な説明」で引用された全ての文献は、関連部分において参考として本明細書に組み込まれているが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものと解釈されるべきではない。この文書における用語のあらゆる意味又は定義が、参考として組み込まれる文献における用語のあらゆる意味又は定義と対立する範囲内においては、本文書における用語に与えられた意味又は定義が適用される。
【0121】
本発明の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)次のA群の精油類:スペアミント、ペパーミント、シソ科の植物、カルボン、桂皮、カッシア、クローブ、アニス、ショウガ、コショウ、ナツメグ、オールスパイス、及びコリアンダーから選択される2つ以上の精油類と、
b)次のB群の精油類:レモン、ライム、オレンジ、グレープフルーツ、タンジェリン、マンダリン、アグリフルーツ、ベルガモット、及びトマトから選択される1つ以上の精油類とを含み、
A群の精油類とB群の精油類との比率が、約2:1〜10:1であることを特徴とする、精油組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の精油組成物を含む、消費者製品。
【請求項3】
前記A群の精油類と前記B群の精油類との前記比率が、約2:1〜6:1であり、好ましくは前記A群の精油類と前記B群の精油類との前記比率が、約3:1〜5:1である、請求項2に記載の消費者製品。
【請求項4】
A群の精油類が、スペアミント及び桂皮であり、B群の物質が、オレンジである、請求項2に記載の消費者製品。
【請求項5】
前記消費者製品が、口腔ケア組成物であり、前記消費者製品が、歯磨剤、咀嚼性歯磨錠、ゲル類、リンス類、食用フィルム類、キャンディ、菓子類、ガム類、及びロゼンジ類からなる群から選択される口腔ケアキャリアを更に含む、請求項2に記載の消費者製品。
【請求項6】
前記口腔ケアキャリアが、歯磨剤である、請求項5に記載の消費者製品。
【請求項7】
前記口腔ケアキャリアが、リンスである、請求項5に記載の消費者製品。
【請求項8】
前記消費者製品が、B群の精油類を2つ含む、請求項4に記載の消費者製品。
【請求項9】
前記B群の精油類が、レモン及びオレンジである、請求項8に記載の消費者製品。
【請求項10】
前記精油類が、約ハッカ6:香辛料1:柑橘類1〜約ハッカ2:香辛料1:柑橘類1の比率で添加される、請求項4に記載の消費者製品。

【公表番号】特表2008−511671(P2008−511671A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530361(P2007−530361)
【出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【国際出願番号】PCT/US2005/031162
【国際公開番号】WO2006/028913
【国際公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】