精算処理システム
【課題】アレルギー情報の提供を必要とする顧客のみに、アレルギー情報を適切に提供できる精算処理システムを提供する。
【解決手段】POSシステムでは、アレルギー情報の提供が必要か不要かを示す顧客ごとの意思を示す意思情報が顧客マスタ43に登録されている。精算処理においては、この意思情報が顧客マスタ43から取得され、意思情報においてアレルギー情報の提供が必要であることが示された場合にのみ、アレルギー情報がレシートに印刷される。このため、アレルギー情報の提供が必要な顧客のみにアレルギー情報が適切に提供されることになる。また、全ての精算処理ごとにアレルギー情報の印刷が必要とならないため、精算処理に係る総処理時間が大きく増加することもない。
【解決手段】POSシステムでは、アレルギー情報の提供が必要か不要かを示す顧客ごとの意思を示す意思情報が顧客マスタ43に登録されている。精算処理においては、この意思情報が顧客マスタ43から取得され、意思情報においてアレルギー情報の提供が必要であることが示された場合にのみ、アレルギー情報がレシートに印刷される。このため、アレルギー情報の提供が必要な顧客のみにアレルギー情報が適切に提供されることになる。また、全ての精算処理ごとにアレルギー情報の印刷が必要とならないため、精算処理に係る総処理時間が大きく増加することもない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、売買取引ごとに精算処理を行う精算処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アレルギー物質を含む食品に起因する健康危害が多発しており、食品に含まれるアレルギー物質に関する情報を消費者に提供することが社会的な要請となっている。このため、スーパーマーケットなどの加工食品を販売する店舗においては、加工食品が特定のアレルギー物質を含む場合には、そのアレルギー物質を示す情報(アレルギー情報)をラベルに印刷し、そのラベルを包装容器に貼付して加工食品を販売するようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−361941号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようにアレルギー情報は、食品の包装容器に貼付するラベルに印刷して提供されることが一般的である。しかしながら、一旦、食品が消費者に販売されると、消費者は包装容器を廃棄することが多く、アレルギー情報が伝達されない可能性がある。このことから、ラベルとは異なる媒体によってもアレルギー情報を消費者に提供し、情報伝達の確実性を向上させることが要望されている。
【0005】
このため、POSシステムやキャッシュレジスタなどと呼ばれる精算処理を行う精算処理システムにおいて、売買取引ごとにその対象となった商品に係るアレルギー情報を紙媒体に印刷して、消費者たる顧客に提供することが考えられる。
【0006】
しかしながら、店舗において売買取引を行う全ての顧客がアレルギー情報の提供を必要としているわけではない。また、全ての売買取引においてアレルギー情報を紙媒体に印刷したのでは、精算処理の処理時間が大幅に増加してしまい、精算処理を待っている顧客の待ち時間が増加して逆に顧客サービスの低下に繋がる可能性もある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、アレルギー情報の提供を必要とする顧客のみに、アレルギー情報を適切に提供できる精算処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、売買取引ごとに精算処理を行う精算処理システムであって、一の売買取引の対象となる対象商品の商品識別コードを取得する手段と、前記商品識別コードに基づいて、前記対象商品に含まれるアレルギー物質を示すアレルギー情報を取得する手段と、前記アレルギー情報の提供が必要か否かの、当該一の売買取引に係る顧客の意思を示す意思情報を取得する意思取得手段と、前記意思情報において前記アレルギー情報の提供が必要であることが示された場合に、前記アレルギー情報を紙媒体に印刷する印刷手段と、を備えている。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の精算処理システムにおいて、前記紙媒体は、前記一の売買取引の金額情報を示すレシートである。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1または2に記載の精算処理システムにおいて、前記意思取得手段は、顧客ごとに、顧客を識別する顧客識別コードと、当該顧客に係る前記意思情報とを関連付けた顧客意思データを記憶する手段と、顧客が所持する記録媒体から、当該顧客に係る前記顧客識別コードを取得する手段と、を備え、前記顧客意思データと取得された前記顧客識別コードとに基づいて前記意思情報を取得する。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項1または2に記載の精算処理システムにおいて、前記意思取得手段は、顧客が所持する記録媒体から、当該顧客に係る前記意思情報を取得する。
【0012】
また、請求項5の発明は、売買取引ごとに精算処理を行う精算処理システムであって、売買取引ごとに、売買取引の対象となった対象商品の商品識別コードと、当該売買取引を特定する取引コードとを関連付けた取引実績データを記憶する記憶手段と、実施済の売買取引に係る取引コードを入力する入力手段と、前記取引実績データと入力された前記取引コードとに基づいて、前記実施済の売買取引に係る前記対象商品の商品識別コードを取得する手段と、前記商品識別コードに基づいて、前記実施済の売買取引に係る前記対象商品に含まれるアレルギー物質を示すアレルギー情報を取得する手段と、前記アレルギー情報を紙媒体に印刷する印刷手段と、を備えている。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の精算処理システムにおいて、顧客ごとに、前記顧客が忌避する忌避物質を特定する忌避物質特定手段と、前記対象商品に含まれるアレルギー物質と、前記忌避物質との双方に該当する物質を選出する選出手段と、をさらに備え、前記印刷手段は、前記選出手段に選出された物質のみの前記アレルギー情報を印刷する。
【0014】
また、請求項7の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の精算処理システムにおいて、顧客ごとに、前記顧客が忌避する忌避物質を特定する忌避物質特定手段と、前記対象商品に含まれるアレルギー物質と、前記忌避物質との双方に該当する物質を選出する選出手段と、をさらに備え、前記印刷手段は、前記選出手段に選出された物質の前記アレルギー情報を、他の物質の前記アレルギー情報よりも強調して印刷する。
【0015】
また、請求項8の発明は、請求項6または7に記載の精算処理システムにおいて、前記印刷手段は、前記忌避物質特定手段に特定された前記忌避物質を示す忌避情報をさらに印刷する。
【0016】
また、請求項9の発明は、請求項8に記載の精算処理システムにおいて、前記印刷手段は、前記選出手段に選出された物質の前記忌避情報を、他の物質の前記忌避情報よりも強調して印刷する。
【0017】
また、請求項10の発明は、請求項6ないし9のいずれかに記載の精算処理システムにおいて、前記忌避物質特定手段は、顧客ごとに、顧客を識別する顧客識別コードと、当該顧客が忌避する前記忌避物質の情報とを関連付けた顧客忌避データを記憶する手段と、顧客が所持する記録媒体から、当該顧客に係る前記顧客識別コードを取得する手段と、を備え、前記顧客忌避データと取得された前記顧客識別コードとに基づいて前記忌避物質の情報を取得する。
【0018】
また、請求項11の発明は、請求項6ないし9のいずれかに記載の精算処理システムにおいて、前記忌避物質特定手段は、顧客が所持する記録媒体から、当該顧客が忌避する前記忌避物質の情報を取得する。
【発明の効果】
【0019】
請求項1ないし11の発明によれば、アレルギー情報が必要な顧客のみにアレルギー情報を適切に提供できる。
【0020】
また、特に請求項2の発明によれば、一枚のレシートで売買取引の金額情報とともにアレルギー情報を提供できる。
【0021】
また、特に請求項3及び4の発明によれば、売買取引ごとに顧客の意思を確認する必要がないため、売買取引を迅速に行うことが可能である。
【0022】
また、特に請求項5の発明によれば、実施済の売買取引に係るアレルギー情報を適切に提供できる。
【0023】
また、特に請求項6の発明によれば、対象商品に含まれるアレルギー物質のうち顧客が忌避するもののみが印刷されるため、顧客が忌避する物質が対象商品に含まれているか否かを容易に把握できる。
【0024】
また、特に請求項7の発明によれば、対象商品に含まれるアレルギー物質のうち顧客が忌避するものが強調して印刷されるため、顧客が忌避する物質が対象商品に含まれているか否かを容易に把握できる。
【0025】
また、特に請求項8の発明によれば、顧客が忌避する忌避物質が印刷されるため、精算処理システムに特定された自身に係る忌避物質を顧客が容易に把握できる。
【0026】
また、特に請求項9の発明によれば、顧客が忌避する忌避物質のうち対象商品に含まれていたものが強調して印刷されるため、対象商品に含まれていた忌避物質を容易に把握できる。
【0027】
また、特に請求項10及び11の発明によれば、顧客の忌避物質を容易に特定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
【0029】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.構成>
図1は、第1の実施の形態に係る精算処理システムであるPOSシステム100の構成を示す図である。このPOSシステム100は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの店舗において採用されるものであり、POSサーバ1と複数のPOSターミナル2とを備えている。POSサーバ1及びPOSターミナル2はそれぞれLAN9に接続され、相互に通信可能とされている。
【0030】
POSサーバ1は、POSシステム100の全体を統括的に制御するものであり、店舗の管理スペースSp1に配置される。一方、POSターミナル2は、店舗の販売スペースSp2に配置され、顧客との商品の売買取引の際に、販売者たる店舗の販売スタッフによって実際に操作される。具体的には、POSターミナル2は、商品の取引価格の演算や売買取引の決済などを行う精算処理に用いられる。
【0031】
このPOSシステム100では、精算処理の際に売買取引の対象となった食品の商品に含まれるアレルギー物質を示す情報(以下、「アレルギー情報」ともいう。)がPOSターミナル2においてレシート(売買取引における金額情報等の精算処理の各種の結果を示す紙媒体)に印刷され、当該レシートが消費者たる顧客に手渡されるようになっている。
【0032】
図2は、POSサーバ1の構成を機能ブロックにて示す図である。POSサーバ1は、ハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、POSサーバ1は、演算処理を行うCPU11と、基本プログラムを記憶するROM12と、演算処理の作業領域となるRAM13と、各種データを記憶するハードディスク14とをバスライン10に接続した構成となっている。さらに、POSサーバ1は、各種情報の表示を行うディスプレイ15と、キーボード及びマウス等の入力部16と、LAN9を介して通信を行う通信部18とを備え、これらはそれぞれバスライン10に接続される。
【0033】
ハードディスク14には処理プログラムが記憶されており、CPU11がこの処理プログラムに従って演算処理を行うことで、POSサーバ1としての各種機能が実現される。また、ハードディスク14には、さらに、精算処理に必要な各種のデータが記憶される(詳細は後述。)。
【0034】
図3は、POSターミナル2の構成を機能ブロックにて示す図である。POSターミナル2は、装置全体を制御する制御部21と、各種情報の表示を行う2つのディスプレイ22,23と、オペレータの操作や入力を受け付ける入力部24と、商品に付されたバーコードなどを読み取るバーコードリーダ25と、ICタグから情報を読み取るタグリーダ26と、サーマルヘッドなどによりレシートを印刷して発行する印刷発行部27と、LAN9を介して通信を行う通信部28とを備えて構成され、これらはそれぞれバスライン20に接続される。入力部24には、精算処理において小計処理を指示するための小計キーや、テンキーなどの各種のボタンが含まれている。
【0035】
制御部21は、各種演算処理を行うCPU201と、制御用プログラム等を記憶するROM202と、演算処理の作業領域となるRAM203と、各種データを記憶する不揮発性メモリであるバッテリーバックアップされたSRAM204と、計時機能を有するタイマ205とを備えている。装置各部の制御機能や精算処理のためのデータ処理機能は、CPU201がROM202内の制御用プログラムに従って演算処理を行なうことで実現される。
【0036】
また、2つのディスプレイ22,23のうち、一方のディスプレイ22は、操作を行うオペレータたる販売スタッフの側に示すべき情報を表示する販売側ディスプレイ22であり、他方のディスプレイ23は、顧客の側に示すべき情報を表示する顧客側ディスプレイ23である。タグリーダ26は、電磁的な記録素子であるICタグ(RFIDタグ)を対象として非接触でICタグに記録された情報を読み取るものであり、通信可能な近傍空間にICタグが存在すると読み取りを行うようになっている。
【0037】
<1−2.データ概要>
次に、POSサーバ1のハードディスク14に記憶されるデータについて説明する。ハードディスク14には、精算処理に必要なデータとして商品マスタ、アレルギーテーブル及び顧客マスタが記憶されている。以下、それぞれについて説明する。
【0038】
まず、商品マスタについて説明する。図4は、商品マスタ41の一例を示す図である。この商品マスタ41は、店舗内で扱われる商品についての各種の情報を登録したデータであり、精算処理においてPOSターミナル2が商品の「商品名」や「売価」を取得するために利用される。
【0039】
図に示すように、商品マスタ41は、複数のレコード41rからなるテーブル形式となっている。一のレコード41rは一の商品に対応しており、各レコード41rにおいては、商品を識別するための商品識別コードとしての「商品コード」に対して「商品名」及び「価格」などが関連付けられて登録されている。
【0040】
次に、アレルギーテーブルについて説明する。図5は、アレルギーテーブル42の一例を示す図である。このアレルギーテーブル42は、店舗内で扱われる商品に含まれるアレルギー物質を登録したデータであり、アレルギー情報を顧客に提供するために利用される。
【0041】
ここで「アレルギー物質」とは、免疫学的な防御反応により摂取すると人体に障害を引き起こす可能性のある食品物質であり、例えば、乳、卵、小麦、そば、落花生、あわび、いか、いくら、えび、オレンジ、かに、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン、バナナなどである。なお、POSシステム100が対象とする「アレルギー物質」には、これらのうちのいずれかのみが含まれてもよく、他の食品物質がさらに含まれてもよい。
【0042】
図5に示すように、アレルギーテーブル42は、複数のレコード42rからなるテーブル形式となっている。アレルギーテーブル42においても一のレコード42rは一の商品に対応しており、レコード42rごとに「商品コード」が含まれている。各レコード42rは、その「商品コード」に係る商品に含まれるアレルギー物質を示している。具体的には、各レコード42rに「乳」「卵」「小麦」などの各アレルギー物質に対応する項目欄が準備され、商品に含まれるアレルギー物質に係る項目欄には「1」が記載され、商品に含まれていないアレルギー物質に係る項目欄は空欄とされている。
【0043】
例えば図5に例示するアレルギーテーブル42では、「商品コード=20321」の商品である「明太子パスタ」(図4参照。)には「乳」「卵」「小麦」が含まれ、「商品コード=21034」の商品である「海鮮焼飯」(図4参照。)には「卵」「いか」「えび」「かに」が含まれ、「商品コード=22342」の商品である「ミネストローネ」(図4参照。)には「乳」「大豆」「鶏肉」「豚肉」が含まれることが示されている。なお、店舗で取り扱う食品商品にはアレルギー物質が一切含まれていないものも存在しており、このような商品に関しては対応するレコード42rの全ての項目欄が空欄とされるか、対応するレコード42r自体が存在していない。
【0044】
次に、顧客マスタについて説明する。図6は、顧客マスタ43の一例を示す図である。この顧客マスタ43は、当該店舗の会員となった顧客についての各種の情報を登録したデータである。この顧客マスタ43における顧客に関する情報は、顧客が当該店舗の会員になった際に顧客の申告に基づいて登録される。
【0045】
図に示すように、顧客マスタ43は、複数のレコード43rからなるテーブル形式となっている。各レコードは一の顧客(会員)に対応しており、各レコード43rごとに同一の顧客に係る各種の情報が相互に関連付けられて登録されている。具体的には、各レコード43rごとに「会員コード」に対して「氏名」「生年月日」「電話番号」「ポイント」「最終取引日」及び「アレルギー情報要否」などの情報が関連付けられている。
【0046】
「会員コード」とは、会員としての顧客を識別するための顧客識別コードであり、顧客それぞれにユニークなコードが付与される。また、「氏名」とは顧客個人の氏名であり、「生年月日」とは顧客の生年月日であり、「電話番号」とは顧客の連絡先となる電話番号であり、「ポイント」とは顧客の店舗の利用状況に応じて付与される特典のための点数であり、「最終取引日」とは顧客の店舗を直近に利用した日付である。
【0047】
また、「アレルギー情報要否」とは、アレルギー情報の提供が必要か否かの顧客の意思を示している。一般的には、顧客からはアレルギー情報の提供が必要であるとの意思が示される。しかしながら、顧客によってはアレルギー体質でないなど、アレルギー情報の提供が必ずしも必要でない人も存在している。このため、顧客はアレルギー情報の提供が必要か不要かの意思を申告により予め示すことができる。「アレルギー情報要否」には、このような顧客の必要/不要の意思を示す意思情報が登録されることになる。
【0048】
この顧客マスタ43において会員として登録された顧客に対しては、ポイントカードとしての会員カードが付与される。図7は、この会員カードの一例を示す図である。会員カード5としてはICカード(「スマートカード」とも呼ばれる。)が採用されている。具体的には、会員カード5は、電磁的な記録素子であるICタグとしての機能を有するチップ51と、電波通信を行うためのアンテナコイル52とをその内部に備えている。チップ51には、当該会員カード5を所持する顧客に係る「会員コード」がデジタルデータとして記録される。
【0049】
<1−3.精算処理>
以下、図8を参照して、このようなPOSシステム100を利用した精算処理の流れについて説明する。この図8に示す一連の処理は、一の売買取引ごと(一の顧客が購入を希望する商品群ごと)に、POSターミナル2においてなされるものである。
【0050】
まず、売買取引を行う顧客から自身が所持する会員カード5が提示され、タグリーダ26に近づけられる。これにより、会員カード5のチップ51の情報がタグリーダ26によって読み取られ、当該顧客の「会員コード」がPOSターミナル2に取得される(ステップS1)。
【0051】
次に、CPU201の制御により、取得された「会員コード」に係る顧客の情報が取得される。「会員コード」はPOSターミナル2からPOSサーバ1に送信される。POSサーバ1では、これに応答して顧客マスタ43のうちから当該「会員コード」を含むレコード43rが検索され、該当したレコード43rの情報がPOSターミナル2に返信される。これにより、当該顧客に係る「氏名」「生年月日」及び「ポイント」などの各種の情報がPOSターミナル2に取得される。この顧客の情報には、当該顧客の意思を示す「アレルギー情報要否」も含まれている。取得された顧客の情報は「顧客コード」とともにRAM203に記憶される(ステップS2)。
【0052】
次に、顧客が購入を希望する商品群のうちの一の商品に付されたバーコードが、POSターミナル2のバーコードリーダ25によって読み取られ、これにより当該商品の「商品コード」がPOSターミナル2に取得される(ステップS3)。
【0053】
取得された「商品コード」は、CPU201の制御によりPOSターミナル2からPOSサーバ1に送信される。POSサーバ1では、これに応答して商品マスタ41のうちから当該「商品コード」を含むレコード41rが検索され、該当したレコード41rの情報がPOSターミナル2に返信される。これにより、当該商品の「商品名」及び「価格」などの情報がPOSターミナル2に取得される。取得された商品の情報は「商品コード」とともにRAM203に記憶される。このような処理により、当該商品の商品登録がなされる(ステップS4)。
【0054】
この商品登録(ステップS3,S4)は、顧客が購入を希望する全ての商品に関して同様に繰り返される(ステップS5)。これにより、全ての商品に関しての「商品コード」、「商品名」及び「売価」などの情報がRAM203に記憶されることになる。
【0055】
全ての商品の商品登録がなされると(ステップS5にてYes)、販売スタッフにより入力部24の小計キーが押下され、取得された全ての商品についての「価格」の合計である「合計金額」がCPU201により導出される。求められた「合計金額」は、販売側ディスプレイ22と顧客側ディスプレイ23との双方に表示され、顧客に対して報知される(ステップS6)。
【0056】
次に、この「合計金額」に基づいて売買取引の決済処理がなされる。すなわち、顧客から受け渡された決済用の現金等の金額が「預り金額」として入力部24を介して入力され、「預り金額」から「合計価格」が差し引かれた結果が「釣銭金額」として導出され、その「釣銭金額」がディスプレイ22,23に表示される。これにより、この売買取引の決済処理が完了する(ステップS7)。続いて、「合計金額」に基づいて当該顧客に係る新たな「ポイント」が導出され、POSサーバ1に送信され、顧客マスタ43における当該顧客に係るレコード43rの内容に反映される(ステップS8)。
【0057】
次に、上記一連の処理の結果として得られた売買取引に関する情報を印刷したレシートが印刷発行部27から発行される(ステップS9)。この際、当該顧客の意思を示す「アレルギー情報要否」に応じて印刷される内容が変更される。図9は、レシート発行処理(ステップS9)の詳細な流れを示す図である。
【0058】
「アレルギー情報要否」が「必要」であるとき(すなわち、顧客が予めアレルギー情報の提供が必要である意思を示していたとき)は(ステップS11にてYes)、アレルギー情報を含むレシートが発行される。
【0059】
具体的には、まず、CPU201の制御により、当該一の売買取引の対象となる商品のそれぞれに含まれるアレルギー物質の情報が取得される。すなわち、商品登録によりRAM203に記憶された「商品コード」が読み出され、POSターミナル2からPOSサーバ1に送信される。POSサーバ1では、これに応答してアレルギーテーブル42のうちから当該「商品コード」を含むレコード42rが検索される。そして、該当したレコード42rにおいて「1」が記載された項目欄に対応するアレルギー物質のアレルギー情報(具体的には、その名称の文字列)が返信される。これにより、一の商品に係るアレルギー情報がPOSターミナル2に取得される。同様の処理が、商品登録された全ての商品について繰り返され、全ての商品に係るアレルギー情報が取得されることになる(ステップS12)。
【0060】
次に、取得されたアレルギー情報を含む情報がレシートに印刷され、レシートが発行される(ステップS13)。図10は、このようにして発行されたレシート61の一例を示す図である。図に示すように、発行されたレシート61には、商品ごとの「商品名」6a及び「価格」6d、並びに、「合計金額」6cなどの一般的な売買取引の内容が記載されている。これとともに、さらに「アレルギー情報」6dも記載されている。「アレルギー情報」6dは、該当する商品に係る「商品名」6dの下に「原材料に(アレルギー物質の名称の文字列)を含む」の形式で記載されている。一の商品に複数のアレルギー物質が含まれているときは、それらの名称の文字列が並列して記載される。このようなアレルギー情報の表示により、顧客はいずれの商品にどのようなアレルギー物質が含まれているかを容易に把握できることになる。
【0061】
一方、「アレルギー情報要否」が「不要」であるとき(すなわち、顧客が予めアレルギー情報の提供が不要である意思を示していたとき)は(図9:ステップS11にてNo)、アレルギー情報を含まないレシートが発行される(ステップS14)。
【0062】
図11は、このようにして発行されたレシート62の一例を示す図である。図に示すように、発行されたレシート62には、商品ごとの「商品名」6a及び「価格」6d、並びに、「合計金額」6cなどの一般的な売買取引の内容が記載されているが、「アレルギー情報」6dは記載されていない。このレシート62は一見して取引内容が把握しやすいため、顧客によっては図10に例示した「アレルギー情報」を含むレシート61よりも、この図11に例示したレシート62を好む場合もある。また、このレシート62は、「アレルギー情報」を含むレシート61よりも印刷する用紙の量が少ない。このため、レシート61を印刷した場合と比較して、用紙の必要量を削減できるとともに、精算処理に係る時間も短縮できることになる。
【0063】
<1−4.まとめ>
以上のように、本実施の形態のPOSシステム100では、精算処理において顧客に係る意思情報が顧客マスタ43から取得され、その意思情報においてアレルギー情報の提供が必要であることが示された場合にのみ、アレルギー情報がレシートに印刷される。このため、アレルギー情報の提供が必要な顧客のみにアレルギー情報が適切に提供されることになる。また、全ての精算処理ごとにアレルギー情報の印刷が必要とならないため、複数回の精算処理を行った場合の精算処理に係る総処理時間が大きく増加することもない。
【0064】
また、アレルギー情報の要否についての顧客の意思を示す意思情報が顧客マスタ43に予め記憶されているため、精算処理(売買取引)ごとに顧客の意思を確認する必要がない。このため、精算処理を迅速に行うことができ、処理時間の短縮化を図ることが可能である。
【0065】
また、アレルギー情報はレシートに印刷されるため、一枚のレシートで売買取引の金額情報等とともにアレルギー情報を提供でき、用紙の無駄を省くことができる。
【0066】
なお、上記では、アレルギー情報と商品の情報とは独立して取得されていたが、ステップS4においてアレルギー情報が商品の情報とともに取得されてもよい。
【0067】
また、上記では顧客マスタ43から顧客の意思情報が取得されていたが、会員カード自体に意思情報を記憶しておき、その会員カードから意思情報を取得するようにしてもよい。より具体的には、ICカードたる会員カードのチップ51に「会員コード」とともに当該顧客に係る意思情報としての「アレルギー情報要否」を記憶しておく。そして、精算処理の開始にあたって「会員コード」を取得する際(図8のステップS1)に、「アレルギー情報要否」も併せてPOSターミナル2に取得させることになる。これによっても、精算処理(売買取引)ごとに顧客の意思を確認する必要がないため、精算処理を迅速に行うことが可能である。
【0068】
もちろん、顧客の意思を精算処理(売買取引)ごとに販売スタッフが口頭で確認し、その意思を入力部16を介して入力するなどにより、顧客の意思を示す意思情報をPOSターミナル2に取得させるようにしてもよい。この場合は、会員カードの読み取りなどは不要である。
【0069】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態では、通常はアレルギー情報を含まないレシートを発行し、売買取引の直後に顧客の希望があった場合は、その希望に応じてアレルギー情報を含むレシートを再発行するようにしている。
【0070】
なお、本実施の形態のPOSシステム100の構成は第1の実施の形態とほぼ同様である。ただし、本実施の形態では、POSターミナル2の入力部16には、アレルギー情報を含むレシートの再発行を指示する再発行ボタンが含まれている。この再発行ボタンは、アレルギー情報を含まないレシートを一旦発行した後に、直近の売買取引に係る顧客についてのアレルギー情報の提供が必要か否かの意思を示す意思情報を受け付ける操作手段であるともいえる。
【0071】
図12は、本実施の形態における精算処理の流れを示す図である。まず、顧客が購入を希望する全ての商品に関して商品登録が繰り返され、全ての商品に関しての「商品コード」、「商品名」及び「売価」などの情報がRAM203に記憶される(ステップS21〜S23)。
【0072】
次に、「合計金額」が導出され(ステップS24)、この「合計金額」に基づいて売買取引の決済処理(ステップS25)がなされる。決済処理がなされると、図11に例示したようなアレルギー情報を含まないレシート62が発行される(ステップS26)。このレシート62の発行後においても、売買取引の対象となった商品の情報(「商品コード」等)の記憶手段たるRAM203への記憶状態が維持される。
【0073】
このとき、再発行ボタンが押下されることなく次の商品登録がなされた場合は(ステップS27にてNo)、当該精算処理はそのまま終了され、次の精算処理が開始される。
【0074】
一方、次の商品登録がなされる前に再発行ボタンが押下された場合は(ステップS27にてYes)、アレルギー情報を含むレシートが再発行される。すなわち、まず、RAM203への記憶された直近の売買取引の対象となった商品の「商品コード」に基づいて、図9のステップS12と同様にして、それらの商品のそれぞれに含まれるアレルギー物質の情報が取得される(ステップS28)。続いて、取得されたアレルギー情報と、RAM203に記憶された商品の情報とを利用して、図10に例示したアレルギー情報を含むレシート61が再発行されることになる(ステップS29)。
【0075】
本実施の形態においても、再発行ボタンの押下によりアレルギー情報の提供が必要であることが示された場合にのみ、アレルギー情報がレシートに印刷されるため、アレルギー情報の提供が必要な顧客のみにアレルギー情報を適切に提供できることになる。
【0076】
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。上記実施の形態では、一の商品に複数のアレルギー物質が含まれる場合において、それらのアレルギー情報は同じ態様で表示されていた。しかしながら、障害を引き起こすアレルギー物質は顧客によって異なることから、顧客にとっては自身が忌避する特定のアレルギー物質(自身にとって障害を引き起こす可能性のある特定のアレルギー物質)が含まれているか否かが重要となる。このため、本実施の形態では、顧客が忌避する特定のアレルギー物質の情報を、他のアレルギー物質の情報よりも強調して表示するようになっている。
【0077】
なお、本実施の形態のPOSシステム100の構成は第1の実施の形態とほぼ同様である。ただし、本実施の形態では、顧客が忌避するアレルギー物質(以下、「忌避物質」という。)を特定するため、POSサーバ1のハードディスク14には、顧客ごとに忌避物質を登録した顧客忌避データとしての忌避テーブルがさらに記憶されている。
【0078】
図13は、忌避テーブル44の一例を示す図である。図13に示すように、忌避テーブル44は、複数のレコード44rからなるテーブル形式となっている。忌避テーブル44においては一のレコード44rは一の顧客(会員)に対応しており、レコード44rごとに「会員コード」が含まれている。各レコード44rは、その「会員コード」の顧客に係る忌避物質を示している。具体的には、各レコード44rに「乳」「卵」「小麦」などの各アレルギー物質に対応する項目欄が準備され、忌避物質に係る項目欄には「1」が記載され、それ以外の項目欄は空欄とされている。これにより、忌避テーブル44では、顧客ごとに、顧客の「会員コード」と、顧客が忌避する忌避物質の情報とが関連付けられている。これらの忌避物質の情報についても、顧客が当該店舗の会員になった際に顧客の申告に基づいて登録される。
【0079】
本実施の形態の精算処理は、図8に示す第1の実施の形態の精算処理とはレシート発行処理(ステップS9)の内容のみが相違する。図14は、本実施の形態のレシート発行処理の詳細な流れを示す図である。
【0080】
まず、「アレルギー情報要否」が判断される(ステップS31)。ここで、「アレルギー情報要否」が「不要」であるときは、第1の実施の形態と同様に、アレルギー情報を含まないレシートが発行される(ステップS36)。
【0081】
一方、「アレルギー情報要否」が「必要」であるときは、まず図9のステップS12と同様にして、商品登録によりRAM203に記憶された「商品コード」に基づいて、商品登録された全ての商品についてのアレルギー情報が取得される(ステップS32)。
【0082】
次に、CPU201の制御により、当該顧客が忌避する忌避物質が特定される。すなわち、会員カード5から取得されRAM203に記憶された「会員コード」が読み出され、POSターミナル2からPOSサーバ1に送信される。POSサーバ1では、これに応答して忌避テーブル44のうちから当該「会員コード」を含むレコード44rが検索される。そして、該当したレコード44rにおいて「1」が記載された項目欄に対応するアレルギー物質(忌避物質)の情報(具体的には、その名称の文字列)が返信される。これにより、当該顧客に係る忌避物質の情報がPOSターミナル2に取得されることになる(ステップS33)。
【0083】
これらの処理により、商品それぞれに含まれるアレルギー物質の情報と、顧客の忌避物質の情報とが取得されると、商品に含まれるアレルギー物質のうち忌避物質に該当するものが「注目物質」としてCPU201により選出される(ステップS34)。換言すれば、「注目物質」は、売買取引の対象となる商品に含まれるアレルギー物質と、顧客の忌避物質との双方に該当する物質であるともいえる。
【0084】
例えば、ある商品に含まれるアレルギー物質が「乳」「卵」及び「小麦」である場合に、忌避物質が「卵」「さば」及び「大豆」であるときには、双方に該当する「卵」が注目物質として選出されることになる。このような注目物質の特定は、売買取引の対象となった全ての商品に関して行われる。
【0085】
注目物質が選出されると、次に、アレルギー情報を含むレシートが発行される。この際、注目物質の情報は他の物質の情報よりも強調して印刷される(ステップS35)。図15は、このようにして発行されたレシート63の一例を示す図である。図に示すように、発行されたレシート63には、一般的な売買取引の内容6a〜6cとともにアレルギー情報6dが記載されている。そして、このアレルギー情報のうち注目物質に係る情報は矩形のフレームFrで囲まれ、他の物質に係る情報よりも強調して表示されている。図15では、顧客の忌避物質が「卵」「さば」及び「大豆」である場合に、「明太子パスタ」に含まれるアレルギー物質のうち「卵」が注目物質として特定され、「海鮮焼飯」に含まれるアレルギー物質のうち「卵」が注目物質として特定され、「ミネストローネ」に含まれるアレルギー物質のうち「大豆」が注目物質として特定されたときを例示している。
【0086】
このように本実施の形態では、顧客ごとに顧客が忌避する忌避物質が特定され、商品に含まれるアレルギー物質のうちの忌避物質に該当する注目物質が強調して印刷されるため、顧客は自身が忌避する特定のアレルギー物質が商品に含まれているか否かを容易に把握できることになる。
【0087】
なお、上記ではフレームFrによって注目物質の情報を強調していたが、強調する態様は特に限定されず、フォントの変更、文字幅の変更、文字サイズの変更などにより注目物質の情報を強調してもよい。
【0088】
また、商品に含まれるアレルギー物質のうちの注目物質のみのアレルギー情報を印刷し、注目物質以外の物質のアレルギー情報は印刷しないようにしてもよい。図16は、この場合のレシート64の一例を示す図である。この図16では、上記の図15の場合と同様に、顧客の忌避物質が「卵」「さば」及び「大豆」である場合に、「明太子パスタ」に含まれるアレルギー物質のうち「卵」が注目物質として特定され、「海鮮焼飯」に含まれるアレルギー物質のうち「卵」が注目物質として特定され、「ミネストローネ」に含まれるアレルギー物質のうち「大豆」が注目物質として特定されたときを例示している。図示のように、レシート64には注目物質として特定された「卵」及び「大豆」のみが印刷されている。このようにしても、顧客は自身が忌避する特定のアレルギー物質が商品に含まれているか否かを容易に把握できることになる。
【0089】
また、レシートに、当該顧客の忌避物質を示す情報をさらに印刷するようにしてもよい。図17は、この場合のレシート65の一例を示す図である。レシート65においては、図15に例示したレシート63と同様の情報に加えて、さらに顧客の忌避物質を示す忌避情報6eが印刷されている。もちろん、同様の印刷を、図16に例示したレシート64と同様の情報に加えて行ってもよい。このようにレシートに忌避情報を印刷することにより、顧客は自身が忌避するアレルギー物質として事前に申告した物質(忌避テーブル44に登録され、POSシステム100により特定された忌避物質)を容易に把握できる。このような忌避情報は、顧客の体質が変化したなどにより、顧客が登録する忌避物質を追加や修正したい場合などに役立つことになる。
【0090】
また、この場合にはさらに、顧客の忌避物質のうち注目物質として選出されたものの忌避情報に関しては、他の物質の忌避情報よりも強調して印刷するようにしてもよい。図17に例示したレシート65では、注目物質としての「卵」と「大豆」が矩形のフレームFrで囲まれて強調して表示されている。これによれば、顧客は自身が忌避するアレルギー物質のうちで、今回購入した商品のうちに含まれていた物質を容易に把握できることになる。なお、この強調も、フォントの変更、文字幅の変更、文字サイズの変更などの他の態様により行ってもよい。
【0091】
また、上記では、忌避テーブル44から忌避物質の情報が取得されるようになっているが、会員カード自体に忌避物質の情報を記憶しておき、その会員カードから忌避物質の情報を取得するようにしてもよい。より具体的には、ICカードたる会員カードのチップ51に「会員コード」とともに「卵」「さば」及び「大豆」などの当該顧客に係る忌避物質の名称を記憶しておく。そして、精算処理の開始にあたって「会員コード」を取得する際(図8のステップS1)に、忌避物質の名称も併せてPOSターミナル2に取得させることになる。この場合は、忌避テーブル44は不要となり、比較的簡易な手法で顧客の忌避物質を特定できる。
【0092】
<4.第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態について説明する。上記実施の形態ではPOSターミナル2においてアレルギー情報が提供されていたが、本実施の形態ではアレルギー情報を提供する専用の端末が存在している。
【0093】
図18は、本実施の形態のPOSシステム101の構成を示す図である。POSシステム101は、POSサーバ1と複数のPOSターミナル2との他に、情報提供端末3を備えている。情報提供端末3は、アレルギー情報を提供するための端末装置であり、例えば、店舗の販売スペースSp2において顧客案内用に設けられる案内カウンタSp3などに配置される。この情報提供端末3も、LAN9に接続されておりPOSサーバ1と通信可能とされている。
【0094】
図19は、情報提供端末3の構成を機能ブロックにて示す図である。情報提供端末3の構成は、一般的なコンピュータの構成に、バーコードの読取手段及び印刷手段を付加したものとなっている。すなわち、情報提供端末3は、演算処理を行うCPU31と、基本プログラムを記憶するROM32と、演算処理の作業領域となるRAM33と、各種データを記憶するハードディスク34とをバスライン30に接続した構成となっている。さらに、情報提供端末3は、各種情報の表示を行うディスプレイ35と、キーボード及びマウス等の入力部36と、バーコードなどを読み取るバーコードリーダ37と、用紙(紙媒体)を印刷する印刷部38と、LAN9を介して通信を行う通信部39とを備え、これらはそれぞれバスライン30に接続される。
【0095】
印刷部38は、サーマルヘッドなどにより用紙を印刷するプリント機能を有するものであり、情報提供端末3の本体部に組み込まれた一つのモジュールとして構成されてもよく、情報提供端末3の本体部とは別装置として構成されてもよい。また、ハードディスク34には処理プログラムが記憶されており、CPU31がこの処理プログラムに従って演算処理を行うことで、情報提供端末3としての各種機能が実現されるようになっている。なお、POSサーバ1及びPOSターミナル2の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0096】
図20は、本実施の形態のPOSシステム101において顧客にアレルギー情報を提供するまでの処理の流れを模式的に示す図である。以下、この処理の流れについて説明する。
【0097】
各POSターミナル2においては、一の売買取引ごとに精算処理が行われる(ステップST1)。この精算処理の流れは、図12に示すステップS21〜S26の処理と同様である。これにより、アレルギー情報を含まないレシート66が発行されることになる。
【0098】
ただし、このレシート66には、図21に示すように、売買取引を識別するための識別コードとなる「取引コード」6fがバーコード形式で印刷される。この「取引コード」は、所定の規則に従って売買取引ごとに生成されるものであり、当該店舗内で行われる全ての売買取引に関してユニークなものとなる。したがって、「取引コード」に基づいて一の売買取引が特定可能となっている。
【0099】
その一方で、POSターミナル2においては、一の精算処理が完了するごとに、その精算処理において得られた「商品コード」「商品名」「売価」及び「合計価格」などの売買取引の具体的内容に関する情報(以下、「取引内容情報」という。)が、その売買取引の「取引コード」ととともにPOSサーバ1に送信される(ステップST2)。この「取引内容情報」は、POSサーバ1に受信され、ハードディスク14に記憶された取引実績データ45の一つのレコードとして登録される。
【0100】
図22は、取引実績データ45の一例を示す図である。図に示すように、取引実績データ45はテーブル形式となっており、一の売買取引に係る「取引内容情報」が一のレコード45rとして登録されている。
【0101】
各レコード45rは、当該売買取引の全般に係る全般データDaと、当該売買取引の対象とされた商品についての商品データDbとから構成される。全般データDaには、「取引コード」、「取引時刻」及び「合計価格」などが含まれている。また、商品データDbにおいては、一の商品に係る情報が一のサブレコードSrとして登録されている。サブレコードSrのそれぞれには、「商品コード」、「商品名」及び「価格」などが含まれている。これにより、取引実績データ45においては、売買取引ごとに、売買取引に係る「取引コード」と、売買取引の対象とされた商品の「商品コード」とが関連付けられることになる。したがって、取引実績データ45を参照することにより、実施済の売買取引のそれぞれに関してどのような商品が対象とされたかを事後的に把握できることになる。
【0102】
図20に戻って説明する。POSターミナル2において売買取引を行った顧客には、「取引コード」6fが記載されたレシート66が受け渡されている。アレルギー情報の提供を希望する顧客は、案内カウンタSp3まで出向き、このレシート66の「取引コード」6fを示すバーコードを情報提供端末3のバーコードリーダ37に読み取らせる。これにより、実施済の一の売買取引に係る「取引コード」が情報提供端末3に入力される(ステップST3)。
【0103】
「取引コード」が入力されると、情報提供端末3のCPU31の制御により、その「取引コード」が示す実施済の売買取引についての「取引内容情報」が情報提供端末3に取得される。すなわち、入力された「取引コード」が情報提供端末3からPOSサーバ1に送信される(ステップST4)。POSサーバ1では、これに応答して取引実績データ45のうちから当該「取引コード」を含むレコード45rが検索される。そして、該当したレコード45rに登録された「取引内容情報」が返信される。これにより、「取引コード」が示す実施済の売買取引に係る「取引内容情報」が情報提供端末3に取得されることになる(ステップST5)。取得された「取引内容情報」には、当該売買取引おいて対象とされた商品の「商品コード」が含まれている。
【0104】
次に、この「商品コード」に基づいて、CPU201の制御により、当該実施済の売買取引の対象となった商品のそれぞれに含まれるアレルギー物質の情報が取得される。すなわち、図9のステップS12と同様にして、商品ごとに「商品コード」がPOSサーバ1に送信され(ステップST6)、アレルギーテーブル42に基づいて当該商品に係るアレルギー情報が情報提供端末3に返信される(ステップST7)。
【0105】
全ての商品に係るアレルギー情報が取得されると、印刷部38においてそのアレルギー情報が用紙に印刷され、アレルギー情報シート67として発行される(ステップST8)。図23は、このようにして発行されたアレルギー情報シート67の一例を示す図である。このアレルギー情報シート67においては、実施済の売買取引の対象となった商品を示す「商品名」6aが一覧として記載されている。そして、それらの商品に含まれるアレルギー物質を示す「アレルギー情報」6dが、「商品名」6aに対応付けられるように記載されている。このような表示により、顧客は実施済の売買取引の対象となった商品にどのようなアレルギー物質が含まれているかを容易に把握できることになる。
【0106】
以上のように、本実施の形態のPOSシステム101では、アレルギー情報を提供する専用の情報提供端末3が存在しており、アレルギー情報の事後的に提供を希望した顧客に関してのみ、情報提供端末3においてアレルギー情報が顧客に提供されるようになっている。このため、本実施の形態においても、アレルギー情報の提供が必要な顧客のみにアレルギー情報を適切に提供できることになる。また、POSターミナル2は、常にアレルギー情報を含まないレシートを発行するため、精算処理に係る処理時間が増加することもない。
【0107】
また、精算処理とは別の処理でアレルギー情報が顧客に提供されるため、顧客が売買取引を行った後に事後的にアレルギー情報が必要となった場合であっても、適切にアレルギー情報を提供できる。
【0108】
なお、上記では、情報提供端末3が「取引コード」をPOSサーバ1に送信して「取引内容情報」をまず取得し、そのうちの「商品コード」をさらにPOSサーバ1に送信して「アレルギー情報」を取得するようになっている。つまり、情報提供端末3が「アレルギー情報」を取得するまでに2度の要求をPOSサーバ1に行っているが、「取引コード」を送信するのみで「取引内容情報」と「アレルギー情報」との双方がPOSサーバ1から返信されるようになっていてもよい。この場合は、POSサーバ1が、「取引内容情報」に含まれる「商品コード」に基づいて「アレルギー情報」を取得することになる。
【0109】
なお、本実施の形態においても、第3の実施の形態と同様に顧客の忌避物質を登録しておき、注目物質の情報を強調する表示、あるいは、注目物質の情報のみの表示を行ってもよい。この場合は、情報提供端末3にICタグから情報を読み取るタグリーダを設けておき、会員カードから「会員コード」(あるいは、会員カードから直接的に忌避物質の情報)を取得すればよい。
【0110】
<5.他の実施の形態>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0111】
第2の実施の形態においては、再発行ボタンの押下後に、売買取引における金額情報等を含むレシートを再発行していたが、金額情報等を含まない図23に例示したようなアレルギー情報シート67を発行するようにしてもよい。また逆に、第4の実施の形態では、アレルギー情報シート67ではなく、売買取引における金額情報等を含むレシートを再発行するようにしてもよい。
【0112】
また、上記実施の形態では、顧客が所持し会員コード等の当該顧客の情報を記録する記録媒体としてICカードが利用されていたが、例えばICタグが組み込まれた携帯電話機など、顧客の情報を記録可能な可搬性のデータキャリアであればどのようなものであっても上記の記録媒体として利用可能である。また、記録媒体への顧客の情報の記録手法としては、ICタグへの記録のような電磁的手法ではなく、バーコードや二次元コードなどの印刷手法を採用してもよい。
【0113】
また、上記実施の形態では、商品マスタ41とアレルギーテーブル42とが別々に構成されていたが一体的に構成されてもよい。同様に、顧客マスタ43と忌避テーブル44とが一体的に構成されてもよい。
【0114】
また、上記実施の形態では、精算処理システムは、POSサーバ1及びPOSターミナル2などの複数の装置から構成されるPOSシステム100,101であるとして説明を行ったが、同様の機能を有する精算処理システムを単体装置(一台のPOSターミナル、一台のキャッシュレジスタなど)で実現してもよい。
【0115】
また、上記では、取引コードとして売買取引ごとにユニークなコードを生成していたが、実施済の一の売買取引を特定することが可能な情報であれば、例えば、取引時刻やレシート番号などの他の情報を取引コードとして流用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】POSシステムの構成を示す図である。
【図2】POSサーバの構成を示す図である。
【図3】POSターミナルの構成を示す図である。
【図4】商品マスタの一例を示す図である。
【図5】アレルギーテーブルの一例を示す図である。
【図6】顧客マスタの一例を示す図である。
【図7】会員カードの一例を示す図である。
【図8】精算処理の流れを示す図である。
【図9】レシート発行処理の詳細な流れを示す図である。
【図10】レシートの一例を示す図である。
【図11】レシートの一例を示す図である。
【図12】精算処理の流れを示す図である。
【図13】忌避テーブルの一例を示す図である。
【図14】レシート発行処理の詳細な流れを示す図である。
【図15】レシートの一例を示す図である。
【図16】レシートの一例を示す図である。
【図17】レシートの一例を示す図である。
【図18】POSシステムの構成を示す図である。
【図19】情報提供端末の構成を示す図である。
【図20】アレルギー情報を提供する処理の流れを模式的に示す図である。
【図21】レシートの一例を示す図である。
【図22】取引実績データの一例を示す図である。
【図23】アレルギー情報シートの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0117】
1 POSサーバ
2 POSターミナル
3 情報提供端末
5 会員カード
41 商品マスタ
42 アレルギーテーブル
43 顧客マスタ
44 忌避テーブル
45 取引実績データ
51 チップ
【技術分野】
【0001】
本発明は、売買取引ごとに精算処理を行う精算処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アレルギー物質を含む食品に起因する健康危害が多発しており、食品に含まれるアレルギー物質に関する情報を消費者に提供することが社会的な要請となっている。このため、スーパーマーケットなどの加工食品を販売する店舗においては、加工食品が特定のアレルギー物質を含む場合には、そのアレルギー物質を示す情報(アレルギー情報)をラベルに印刷し、そのラベルを包装容器に貼付して加工食品を販売するようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−361941号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようにアレルギー情報は、食品の包装容器に貼付するラベルに印刷して提供されることが一般的である。しかしながら、一旦、食品が消費者に販売されると、消費者は包装容器を廃棄することが多く、アレルギー情報が伝達されない可能性がある。このことから、ラベルとは異なる媒体によってもアレルギー情報を消費者に提供し、情報伝達の確実性を向上させることが要望されている。
【0005】
このため、POSシステムやキャッシュレジスタなどと呼ばれる精算処理を行う精算処理システムにおいて、売買取引ごとにその対象となった商品に係るアレルギー情報を紙媒体に印刷して、消費者たる顧客に提供することが考えられる。
【0006】
しかしながら、店舗において売買取引を行う全ての顧客がアレルギー情報の提供を必要としているわけではない。また、全ての売買取引においてアレルギー情報を紙媒体に印刷したのでは、精算処理の処理時間が大幅に増加してしまい、精算処理を待っている顧客の待ち時間が増加して逆に顧客サービスの低下に繋がる可能性もある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、アレルギー情報の提供を必要とする顧客のみに、アレルギー情報を適切に提供できる精算処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、売買取引ごとに精算処理を行う精算処理システムであって、一の売買取引の対象となる対象商品の商品識別コードを取得する手段と、前記商品識別コードに基づいて、前記対象商品に含まれるアレルギー物質を示すアレルギー情報を取得する手段と、前記アレルギー情報の提供が必要か否かの、当該一の売買取引に係る顧客の意思を示す意思情報を取得する意思取得手段と、前記意思情報において前記アレルギー情報の提供が必要であることが示された場合に、前記アレルギー情報を紙媒体に印刷する印刷手段と、を備えている。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の精算処理システムにおいて、前記紙媒体は、前記一の売買取引の金額情報を示すレシートである。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1または2に記載の精算処理システムにおいて、前記意思取得手段は、顧客ごとに、顧客を識別する顧客識別コードと、当該顧客に係る前記意思情報とを関連付けた顧客意思データを記憶する手段と、顧客が所持する記録媒体から、当該顧客に係る前記顧客識別コードを取得する手段と、を備え、前記顧客意思データと取得された前記顧客識別コードとに基づいて前記意思情報を取得する。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項1または2に記載の精算処理システムにおいて、前記意思取得手段は、顧客が所持する記録媒体から、当該顧客に係る前記意思情報を取得する。
【0012】
また、請求項5の発明は、売買取引ごとに精算処理を行う精算処理システムであって、売買取引ごとに、売買取引の対象となった対象商品の商品識別コードと、当該売買取引を特定する取引コードとを関連付けた取引実績データを記憶する記憶手段と、実施済の売買取引に係る取引コードを入力する入力手段と、前記取引実績データと入力された前記取引コードとに基づいて、前記実施済の売買取引に係る前記対象商品の商品識別コードを取得する手段と、前記商品識別コードに基づいて、前記実施済の売買取引に係る前記対象商品に含まれるアレルギー物質を示すアレルギー情報を取得する手段と、前記アレルギー情報を紙媒体に印刷する印刷手段と、を備えている。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の精算処理システムにおいて、顧客ごとに、前記顧客が忌避する忌避物質を特定する忌避物質特定手段と、前記対象商品に含まれるアレルギー物質と、前記忌避物質との双方に該当する物質を選出する選出手段と、をさらに備え、前記印刷手段は、前記選出手段に選出された物質のみの前記アレルギー情報を印刷する。
【0014】
また、請求項7の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の精算処理システムにおいて、顧客ごとに、前記顧客が忌避する忌避物質を特定する忌避物質特定手段と、前記対象商品に含まれるアレルギー物質と、前記忌避物質との双方に該当する物質を選出する選出手段と、をさらに備え、前記印刷手段は、前記選出手段に選出された物質の前記アレルギー情報を、他の物質の前記アレルギー情報よりも強調して印刷する。
【0015】
また、請求項8の発明は、請求項6または7に記載の精算処理システムにおいて、前記印刷手段は、前記忌避物質特定手段に特定された前記忌避物質を示す忌避情報をさらに印刷する。
【0016】
また、請求項9の発明は、請求項8に記載の精算処理システムにおいて、前記印刷手段は、前記選出手段に選出された物質の前記忌避情報を、他の物質の前記忌避情報よりも強調して印刷する。
【0017】
また、請求項10の発明は、請求項6ないし9のいずれかに記載の精算処理システムにおいて、前記忌避物質特定手段は、顧客ごとに、顧客を識別する顧客識別コードと、当該顧客が忌避する前記忌避物質の情報とを関連付けた顧客忌避データを記憶する手段と、顧客が所持する記録媒体から、当該顧客に係る前記顧客識別コードを取得する手段と、を備え、前記顧客忌避データと取得された前記顧客識別コードとに基づいて前記忌避物質の情報を取得する。
【0018】
また、請求項11の発明は、請求項6ないし9のいずれかに記載の精算処理システムにおいて、前記忌避物質特定手段は、顧客が所持する記録媒体から、当該顧客が忌避する前記忌避物質の情報を取得する。
【発明の効果】
【0019】
請求項1ないし11の発明によれば、アレルギー情報が必要な顧客のみにアレルギー情報を適切に提供できる。
【0020】
また、特に請求項2の発明によれば、一枚のレシートで売買取引の金額情報とともにアレルギー情報を提供できる。
【0021】
また、特に請求項3及び4の発明によれば、売買取引ごとに顧客の意思を確認する必要がないため、売買取引を迅速に行うことが可能である。
【0022】
また、特に請求項5の発明によれば、実施済の売買取引に係るアレルギー情報を適切に提供できる。
【0023】
また、特に請求項6の発明によれば、対象商品に含まれるアレルギー物質のうち顧客が忌避するもののみが印刷されるため、顧客が忌避する物質が対象商品に含まれているか否かを容易に把握できる。
【0024】
また、特に請求項7の発明によれば、対象商品に含まれるアレルギー物質のうち顧客が忌避するものが強調して印刷されるため、顧客が忌避する物質が対象商品に含まれているか否かを容易に把握できる。
【0025】
また、特に請求項8の発明によれば、顧客が忌避する忌避物質が印刷されるため、精算処理システムに特定された自身に係る忌避物質を顧客が容易に把握できる。
【0026】
また、特に請求項9の発明によれば、顧客が忌避する忌避物質のうち対象商品に含まれていたものが強調して印刷されるため、対象商品に含まれていた忌避物質を容易に把握できる。
【0027】
また、特に請求項10及び11の発明によれば、顧客の忌避物質を容易に特定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
【0029】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.構成>
図1は、第1の実施の形態に係る精算処理システムであるPOSシステム100の構成を示す図である。このPOSシステム100は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの店舗において採用されるものであり、POSサーバ1と複数のPOSターミナル2とを備えている。POSサーバ1及びPOSターミナル2はそれぞれLAN9に接続され、相互に通信可能とされている。
【0030】
POSサーバ1は、POSシステム100の全体を統括的に制御するものであり、店舗の管理スペースSp1に配置される。一方、POSターミナル2は、店舗の販売スペースSp2に配置され、顧客との商品の売買取引の際に、販売者たる店舗の販売スタッフによって実際に操作される。具体的には、POSターミナル2は、商品の取引価格の演算や売買取引の決済などを行う精算処理に用いられる。
【0031】
このPOSシステム100では、精算処理の際に売買取引の対象となった食品の商品に含まれるアレルギー物質を示す情報(以下、「アレルギー情報」ともいう。)がPOSターミナル2においてレシート(売買取引における金額情報等の精算処理の各種の結果を示す紙媒体)に印刷され、当該レシートが消費者たる顧客に手渡されるようになっている。
【0032】
図2は、POSサーバ1の構成を機能ブロックにて示す図である。POSサーバ1は、ハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、POSサーバ1は、演算処理を行うCPU11と、基本プログラムを記憶するROM12と、演算処理の作業領域となるRAM13と、各種データを記憶するハードディスク14とをバスライン10に接続した構成となっている。さらに、POSサーバ1は、各種情報の表示を行うディスプレイ15と、キーボード及びマウス等の入力部16と、LAN9を介して通信を行う通信部18とを備え、これらはそれぞれバスライン10に接続される。
【0033】
ハードディスク14には処理プログラムが記憶されており、CPU11がこの処理プログラムに従って演算処理を行うことで、POSサーバ1としての各種機能が実現される。また、ハードディスク14には、さらに、精算処理に必要な各種のデータが記憶される(詳細は後述。)。
【0034】
図3は、POSターミナル2の構成を機能ブロックにて示す図である。POSターミナル2は、装置全体を制御する制御部21と、各種情報の表示を行う2つのディスプレイ22,23と、オペレータの操作や入力を受け付ける入力部24と、商品に付されたバーコードなどを読み取るバーコードリーダ25と、ICタグから情報を読み取るタグリーダ26と、サーマルヘッドなどによりレシートを印刷して発行する印刷発行部27と、LAN9を介して通信を行う通信部28とを備えて構成され、これらはそれぞれバスライン20に接続される。入力部24には、精算処理において小計処理を指示するための小計キーや、テンキーなどの各種のボタンが含まれている。
【0035】
制御部21は、各種演算処理を行うCPU201と、制御用プログラム等を記憶するROM202と、演算処理の作業領域となるRAM203と、各種データを記憶する不揮発性メモリであるバッテリーバックアップされたSRAM204と、計時機能を有するタイマ205とを備えている。装置各部の制御機能や精算処理のためのデータ処理機能は、CPU201がROM202内の制御用プログラムに従って演算処理を行なうことで実現される。
【0036】
また、2つのディスプレイ22,23のうち、一方のディスプレイ22は、操作を行うオペレータたる販売スタッフの側に示すべき情報を表示する販売側ディスプレイ22であり、他方のディスプレイ23は、顧客の側に示すべき情報を表示する顧客側ディスプレイ23である。タグリーダ26は、電磁的な記録素子であるICタグ(RFIDタグ)を対象として非接触でICタグに記録された情報を読み取るものであり、通信可能な近傍空間にICタグが存在すると読み取りを行うようになっている。
【0037】
<1−2.データ概要>
次に、POSサーバ1のハードディスク14に記憶されるデータについて説明する。ハードディスク14には、精算処理に必要なデータとして商品マスタ、アレルギーテーブル及び顧客マスタが記憶されている。以下、それぞれについて説明する。
【0038】
まず、商品マスタについて説明する。図4は、商品マスタ41の一例を示す図である。この商品マスタ41は、店舗内で扱われる商品についての各種の情報を登録したデータであり、精算処理においてPOSターミナル2が商品の「商品名」や「売価」を取得するために利用される。
【0039】
図に示すように、商品マスタ41は、複数のレコード41rからなるテーブル形式となっている。一のレコード41rは一の商品に対応しており、各レコード41rにおいては、商品を識別するための商品識別コードとしての「商品コード」に対して「商品名」及び「価格」などが関連付けられて登録されている。
【0040】
次に、アレルギーテーブルについて説明する。図5は、アレルギーテーブル42の一例を示す図である。このアレルギーテーブル42は、店舗内で扱われる商品に含まれるアレルギー物質を登録したデータであり、アレルギー情報を顧客に提供するために利用される。
【0041】
ここで「アレルギー物質」とは、免疫学的な防御反応により摂取すると人体に障害を引き起こす可能性のある食品物質であり、例えば、乳、卵、小麦、そば、落花生、あわび、いか、いくら、えび、オレンジ、かに、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン、バナナなどである。なお、POSシステム100が対象とする「アレルギー物質」には、これらのうちのいずれかのみが含まれてもよく、他の食品物質がさらに含まれてもよい。
【0042】
図5に示すように、アレルギーテーブル42は、複数のレコード42rからなるテーブル形式となっている。アレルギーテーブル42においても一のレコード42rは一の商品に対応しており、レコード42rごとに「商品コード」が含まれている。各レコード42rは、その「商品コード」に係る商品に含まれるアレルギー物質を示している。具体的には、各レコード42rに「乳」「卵」「小麦」などの各アレルギー物質に対応する項目欄が準備され、商品に含まれるアレルギー物質に係る項目欄には「1」が記載され、商品に含まれていないアレルギー物質に係る項目欄は空欄とされている。
【0043】
例えば図5に例示するアレルギーテーブル42では、「商品コード=20321」の商品である「明太子パスタ」(図4参照。)には「乳」「卵」「小麦」が含まれ、「商品コード=21034」の商品である「海鮮焼飯」(図4参照。)には「卵」「いか」「えび」「かに」が含まれ、「商品コード=22342」の商品である「ミネストローネ」(図4参照。)には「乳」「大豆」「鶏肉」「豚肉」が含まれることが示されている。なお、店舗で取り扱う食品商品にはアレルギー物質が一切含まれていないものも存在しており、このような商品に関しては対応するレコード42rの全ての項目欄が空欄とされるか、対応するレコード42r自体が存在していない。
【0044】
次に、顧客マスタについて説明する。図6は、顧客マスタ43の一例を示す図である。この顧客マスタ43は、当該店舗の会員となった顧客についての各種の情報を登録したデータである。この顧客マスタ43における顧客に関する情報は、顧客が当該店舗の会員になった際に顧客の申告に基づいて登録される。
【0045】
図に示すように、顧客マスタ43は、複数のレコード43rからなるテーブル形式となっている。各レコードは一の顧客(会員)に対応しており、各レコード43rごとに同一の顧客に係る各種の情報が相互に関連付けられて登録されている。具体的には、各レコード43rごとに「会員コード」に対して「氏名」「生年月日」「電話番号」「ポイント」「最終取引日」及び「アレルギー情報要否」などの情報が関連付けられている。
【0046】
「会員コード」とは、会員としての顧客を識別するための顧客識別コードであり、顧客それぞれにユニークなコードが付与される。また、「氏名」とは顧客個人の氏名であり、「生年月日」とは顧客の生年月日であり、「電話番号」とは顧客の連絡先となる電話番号であり、「ポイント」とは顧客の店舗の利用状況に応じて付与される特典のための点数であり、「最終取引日」とは顧客の店舗を直近に利用した日付である。
【0047】
また、「アレルギー情報要否」とは、アレルギー情報の提供が必要か否かの顧客の意思を示している。一般的には、顧客からはアレルギー情報の提供が必要であるとの意思が示される。しかしながら、顧客によってはアレルギー体質でないなど、アレルギー情報の提供が必ずしも必要でない人も存在している。このため、顧客はアレルギー情報の提供が必要か不要かの意思を申告により予め示すことができる。「アレルギー情報要否」には、このような顧客の必要/不要の意思を示す意思情報が登録されることになる。
【0048】
この顧客マスタ43において会員として登録された顧客に対しては、ポイントカードとしての会員カードが付与される。図7は、この会員カードの一例を示す図である。会員カード5としてはICカード(「スマートカード」とも呼ばれる。)が採用されている。具体的には、会員カード5は、電磁的な記録素子であるICタグとしての機能を有するチップ51と、電波通信を行うためのアンテナコイル52とをその内部に備えている。チップ51には、当該会員カード5を所持する顧客に係る「会員コード」がデジタルデータとして記録される。
【0049】
<1−3.精算処理>
以下、図8を参照して、このようなPOSシステム100を利用した精算処理の流れについて説明する。この図8に示す一連の処理は、一の売買取引ごと(一の顧客が購入を希望する商品群ごと)に、POSターミナル2においてなされるものである。
【0050】
まず、売買取引を行う顧客から自身が所持する会員カード5が提示され、タグリーダ26に近づけられる。これにより、会員カード5のチップ51の情報がタグリーダ26によって読み取られ、当該顧客の「会員コード」がPOSターミナル2に取得される(ステップS1)。
【0051】
次に、CPU201の制御により、取得された「会員コード」に係る顧客の情報が取得される。「会員コード」はPOSターミナル2からPOSサーバ1に送信される。POSサーバ1では、これに応答して顧客マスタ43のうちから当該「会員コード」を含むレコード43rが検索され、該当したレコード43rの情報がPOSターミナル2に返信される。これにより、当該顧客に係る「氏名」「生年月日」及び「ポイント」などの各種の情報がPOSターミナル2に取得される。この顧客の情報には、当該顧客の意思を示す「アレルギー情報要否」も含まれている。取得された顧客の情報は「顧客コード」とともにRAM203に記憶される(ステップS2)。
【0052】
次に、顧客が購入を希望する商品群のうちの一の商品に付されたバーコードが、POSターミナル2のバーコードリーダ25によって読み取られ、これにより当該商品の「商品コード」がPOSターミナル2に取得される(ステップS3)。
【0053】
取得された「商品コード」は、CPU201の制御によりPOSターミナル2からPOSサーバ1に送信される。POSサーバ1では、これに応答して商品マスタ41のうちから当該「商品コード」を含むレコード41rが検索され、該当したレコード41rの情報がPOSターミナル2に返信される。これにより、当該商品の「商品名」及び「価格」などの情報がPOSターミナル2に取得される。取得された商品の情報は「商品コード」とともにRAM203に記憶される。このような処理により、当該商品の商品登録がなされる(ステップS4)。
【0054】
この商品登録(ステップS3,S4)は、顧客が購入を希望する全ての商品に関して同様に繰り返される(ステップS5)。これにより、全ての商品に関しての「商品コード」、「商品名」及び「売価」などの情報がRAM203に記憶されることになる。
【0055】
全ての商品の商品登録がなされると(ステップS5にてYes)、販売スタッフにより入力部24の小計キーが押下され、取得された全ての商品についての「価格」の合計である「合計金額」がCPU201により導出される。求められた「合計金額」は、販売側ディスプレイ22と顧客側ディスプレイ23との双方に表示され、顧客に対して報知される(ステップS6)。
【0056】
次に、この「合計金額」に基づいて売買取引の決済処理がなされる。すなわち、顧客から受け渡された決済用の現金等の金額が「預り金額」として入力部24を介して入力され、「預り金額」から「合計価格」が差し引かれた結果が「釣銭金額」として導出され、その「釣銭金額」がディスプレイ22,23に表示される。これにより、この売買取引の決済処理が完了する(ステップS7)。続いて、「合計金額」に基づいて当該顧客に係る新たな「ポイント」が導出され、POSサーバ1に送信され、顧客マスタ43における当該顧客に係るレコード43rの内容に反映される(ステップS8)。
【0057】
次に、上記一連の処理の結果として得られた売買取引に関する情報を印刷したレシートが印刷発行部27から発行される(ステップS9)。この際、当該顧客の意思を示す「アレルギー情報要否」に応じて印刷される内容が変更される。図9は、レシート発行処理(ステップS9)の詳細な流れを示す図である。
【0058】
「アレルギー情報要否」が「必要」であるとき(すなわち、顧客が予めアレルギー情報の提供が必要である意思を示していたとき)は(ステップS11にてYes)、アレルギー情報を含むレシートが発行される。
【0059】
具体的には、まず、CPU201の制御により、当該一の売買取引の対象となる商品のそれぞれに含まれるアレルギー物質の情報が取得される。すなわち、商品登録によりRAM203に記憶された「商品コード」が読み出され、POSターミナル2からPOSサーバ1に送信される。POSサーバ1では、これに応答してアレルギーテーブル42のうちから当該「商品コード」を含むレコード42rが検索される。そして、該当したレコード42rにおいて「1」が記載された項目欄に対応するアレルギー物質のアレルギー情報(具体的には、その名称の文字列)が返信される。これにより、一の商品に係るアレルギー情報がPOSターミナル2に取得される。同様の処理が、商品登録された全ての商品について繰り返され、全ての商品に係るアレルギー情報が取得されることになる(ステップS12)。
【0060】
次に、取得されたアレルギー情報を含む情報がレシートに印刷され、レシートが発行される(ステップS13)。図10は、このようにして発行されたレシート61の一例を示す図である。図に示すように、発行されたレシート61には、商品ごとの「商品名」6a及び「価格」6d、並びに、「合計金額」6cなどの一般的な売買取引の内容が記載されている。これとともに、さらに「アレルギー情報」6dも記載されている。「アレルギー情報」6dは、該当する商品に係る「商品名」6dの下に「原材料に(アレルギー物質の名称の文字列)を含む」の形式で記載されている。一の商品に複数のアレルギー物質が含まれているときは、それらの名称の文字列が並列して記載される。このようなアレルギー情報の表示により、顧客はいずれの商品にどのようなアレルギー物質が含まれているかを容易に把握できることになる。
【0061】
一方、「アレルギー情報要否」が「不要」であるとき(すなわち、顧客が予めアレルギー情報の提供が不要である意思を示していたとき)は(図9:ステップS11にてNo)、アレルギー情報を含まないレシートが発行される(ステップS14)。
【0062】
図11は、このようにして発行されたレシート62の一例を示す図である。図に示すように、発行されたレシート62には、商品ごとの「商品名」6a及び「価格」6d、並びに、「合計金額」6cなどの一般的な売買取引の内容が記載されているが、「アレルギー情報」6dは記載されていない。このレシート62は一見して取引内容が把握しやすいため、顧客によっては図10に例示した「アレルギー情報」を含むレシート61よりも、この図11に例示したレシート62を好む場合もある。また、このレシート62は、「アレルギー情報」を含むレシート61よりも印刷する用紙の量が少ない。このため、レシート61を印刷した場合と比較して、用紙の必要量を削減できるとともに、精算処理に係る時間も短縮できることになる。
【0063】
<1−4.まとめ>
以上のように、本実施の形態のPOSシステム100では、精算処理において顧客に係る意思情報が顧客マスタ43から取得され、その意思情報においてアレルギー情報の提供が必要であることが示された場合にのみ、アレルギー情報がレシートに印刷される。このため、アレルギー情報の提供が必要な顧客のみにアレルギー情報が適切に提供されることになる。また、全ての精算処理ごとにアレルギー情報の印刷が必要とならないため、複数回の精算処理を行った場合の精算処理に係る総処理時間が大きく増加することもない。
【0064】
また、アレルギー情報の要否についての顧客の意思を示す意思情報が顧客マスタ43に予め記憶されているため、精算処理(売買取引)ごとに顧客の意思を確認する必要がない。このため、精算処理を迅速に行うことができ、処理時間の短縮化を図ることが可能である。
【0065】
また、アレルギー情報はレシートに印刷されるため、一枚のレシートで売買取引の金額情報等とともにアレルギー情報を提供でき、用紙の無駄を省くことができる。
【0066】
なお、上記では、アレルギー情報と商品の情報とは独立して取得されていたが、ステップS4においてアレルギー情報が商品の情報とともに取得されてもよい。
【0067】
また、上記では顧客マスタ43から顧客の意思情報が取得されていたが、会員カード自体に意思情報を記憶しておき、その会員カードから意思情報を取得するようにしてもよい。より具体的には、ICカードたる会員カードのチップ51に「会員コード」とともに当該顧客に係る意思情報としての「アレルギー情報要否」を記憶しておく。そして、精算処理の開始にあたって「会員コード」を取得する際(図8のステップS1)に、「アレルギー情報要否」も併せてPOSターミナル2に取得させることになる。これによっても、精算処理(売買取引)ごとに顧客の意思を確認する必要がないため、精算処理を迅速に行うことが可能である。
【0068】
もちろん、顧客の意思を精算処理(売買取引)ごとに販売スタッフが口頭で確認し、その意思を入力部16を介して入力するなどにより、顧客の意思を示す意思情報をPOSターミナル2に取得させるようにしてもよい。この場合は、会員カードの読み取りなどは不要である。
【0069】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態では、通常はアレルギー情報を含まないレシートを発行し、売買取引の直後に顧客の希望があった場合は、その希望に応じてアレルギー情報を含むレシートを再発行するようにしている。
【0070】
なお、本実施の形態のPOSシステム100の構成は第1の実施の形態とほぼ同様である。ただし、本実施の形態では、POSターミナル2の入力部16には、アレルギー情報を含むレシートの再発行を指示する再発行ボタンが含まれている。この再発行ボタンは、アレルギー情報を含まないレシートを一旦発行した後に、直近の売買取引に係る顧客についてのアレルギー情報の提供が必要か否かの意思を示す意思情報を受け付ける操作手段であるともいえる。
【0071】
図12は、本実施の形態における精算処理の流れを示す図である。まず、顧客が購入を希望する全ての商品に関して商品登録が繰り返され、全ての商品に関しての「商品コード」、「商品名」及び「売価」などの情報がRAM203に記憶される(ステップS21〜S23)。
【0072】
次に、「合計金額」が導出され(ステップS24)、この「合計金額」に基づいて売買取引の決済処理(ステップS25)がなされる。決済処理がなされると、図11に例示したようなアレルギー情報を含まないレシート62が発行される(ステップS26)。このレシート62の発行後においても、売買取引の対象となった商品の情報(「商品コード」等)の記憶手段たるRAM203への記憶状態が維持される。
【0073】
このとき、再発行ボタンが押下されることなく次の商品登録がなされた場合は(ステップS27にてNo)、当該精算処理はそのまま終了され、次の精算処理が開始される。
【0074】
一方、次の商品登録がなされる前に再発行ボタンが押下された場合は(ステップS27にてYes)、アレルギー情報を含むレシートが再発行される。すなわち、まず、RAM203への記憶された直近の売買取引の対象となった商品の「商品コード」に基づいて、図9のステップS12と同様にして、それらの商品のそれぞれに含まれるアレルギー物質の情報が取得される(ステップS28)。続いて、取得されたアレルギー情報と、RAM203に記憶された商品の情報とを利用して、図10に例示したアレルギー情報を含むレシート61が再発行されることになる(ステップS29)。
【0075】
本実施の形態においても、再発行ボタンの押下によりアレルギー情報の提供が必要であることが示された場合にのみ、アレルギー情報がレシートに印刷されるため、アレルギー情報の提供が必要な顧客のみにアレルギー情報を適切に提供できることになる。
【0076】
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。上記実施の形態では、一の商品に複数のアレルギー物質が含まれる場合において、それらのアレルギー情報は同じ態様で表示されていた。しかしながら、障害を引き起こすアレルギー物質は顧客によって異なることから、顧客にとっては自身が忌避する特定のアレルギー物質(自身にとって障害を引き起こす可能性のある特定のアレルギー物質)が含まれているか否かが重要となる。このため、本実施の形態では、顧客が忌避する特定のアレルギー物質の情報を、他のアレルギー物質の情報よりも強調して表示するようになっている。
【0077】
なお、本実施の形態のPOSシステム100の構成は第1の実施の形態とほぼ同様である。ただし、本実施の形態では、顧客が忌避するアレルギー物質(以下、「忌避物質」という。)を特定するため、POSサーバ1のハードディスク14には、顧客ごとに忌避物質を登録した顧客忌避データとしての忌避テーブルがさらに記憶されている。
【0078】
図13は、忌避テーブル44の一例を示す図である。図13に示すように、忌避テーブル44は、複数のレコード44rからなるテーブル形式となっている。忌避テーブル44においては一のレコード44rは一の顧客(会員)に対応しており、レコード44rごとに「会員コード」が含まれている。各レコード44rは、その「会員コード」の顧客に係る忌避物質を示している。具体的には、各レコード44rに「乳」「卵」「小麦」などの各アレルギー物質に対応する項目欄が準備され、忌避物質に係る項目欄には「1」が記載され、それ以外の項目欄は空欄とされている。これにより、忌避テーブル44では、顧客ごとに、顧客の「会員コード」と、顧客が忌避する忌避物質の情報とが関連付けられている。これらの忌避物質の情報についても、顧客が当該店舗の会員になった際に顧客の申告に基づいて登録される。
【0079】
本実施の形態の精算処理は、図8に示す第1の実施の形態の精算処理とはレシート発行処理(ステップS9)の内容のみが相違する。図14は、本実施の形態のレシート発行処理の詳細な流れを示す図である。
【0080】
まず、「アレルギー情報要否」が判断される(ステップS31)。ここで、「アレルギー情報要否」が「不要」であるときは、第1の実施の形態と同様に、アレルギー情報を含まないレシートが発行される(ステップS36)。
【0081】
一方、「アレルギー情報要否」が「必要」であるときは、まず図9のステップS12と同様にして、商品登録によりRAM203に記憶された「商品コード」に基づいて、商品登録された全ての商品についてのアレルギー情報が取得される(ステップS32)。
【0082】
次に、CPU201の制御により、当該顧客が忌避する忌避物質が特定される。すなわち、会員カード5から取得されRAM203に記憶された「会員コード」が読み出され、POSターミナル2からPOSサーバ1に送信される。POSサーバ1では、これに応答して忌避テーブル44のうちから当該「会員コード」を含むレコード44rが検索される。そして、該当したレコード44rにおいて「1」が記載された項目欄に対応するアレルギー物質(忌避物質)の情報(具体的には、その名称の文字列)が返信される。これにより、当該顧客に係る忌避物質の情報がPOSターミナル2に取得されることになる(ステップS33)。
【0083】
これらの処理により、商品それぞれに含まれるアレルギー物質の情報と、顧客の忌避物質の情報とが取得されると、商品に含まれるアレルギー物質のうち忌避物質に該当するものが「注目物質」としてCPU201により選出される(ステップS34)。換言すれば、「注目物質」は、売買取引の対象となる商品に含まれるアレルギー物質と、顧客の忌避物質との双方に該当する物質であるともいえる。
【0084】
例えば、ある商品に含まれるアレルギー物質が「乳」「卵」及び「小麦」である場合に、忌避物質が「卵」「さば」及び「大豆」であるときには、双方に該当する「卵」が注目物質として選出されることになる。このような注目物質の特定は、売買取引の対象となった全ての商品に関して行われる。
【0085】
注目物質が選出されると、次に、アレルギー情報を含むレシートが発行される。この際、注目物質の情報は他の物質の情報よりも強調して印刷される(ステップS35)。図15は、このようにして発行されたレシート63の一例を示す図である。図に示すように、発行されたレシート63には、一般的な売買取引の内容6a〜6cとともにアレルギー情報6dが記載されている。そして、このアレルギー情報のうち注目物質に係る情報は矩形のフレームFrで囲まれ、他の物質に係る情報よりも強調して表示されている。図15では、顧客の忌避物質が「卵」「さば」及び「大豆」である場合に、「明太子パスタ」に含まれるアレルギー物質のうち「卵」が注目物質として特定され、「海鮮焼飯」に含まれるアレルギー物質のうち「卵」が注目物質として特定され、「ミネストローネ」に含まれるアレルギー物質のうち「大豆」が注目物質として特定されたときを例示している。
【0086】
このように本実施の形態では、顧客ごとに顧客が忌避する忌避物質が特定され、商品に含まれるアレルギー物質のうちの忌避物質に該当する注目物質が強調して印刷されるため、顧客は自身が忌避する特定のアレルギー物質が商品に含まれているか否かを容易に把握できることになる。
【0087】
なお、上記ではフレームFrによって注目物質の情報を強調していたが、強調する態様は特に限定されず、フォントの変更、文字幅の変更、文字サイズの変更などにより注目物質の情報を強調してもよい。
【0088】
また、商品に含まれるアレルギー物質のうちの注目物質のみのアレルギー情報を印刷し、注目物質以外の物質のアレルギー情報は印刷しないようにしてもよい。図16は、この場合のレシート64の一例を示す図である。この図16では、上記の図15の場合と同様に、顧客の忌避物質が「卵」「さば」及び「大豆」である場合に、「明太子パスタ」に含まれるアレルギー物質のうち「卵」が注目物質として特定され、「海鮮焼飯」に含まれるアレルギー物質のうち「卵」が注目物質として特定され、「ミネストローネ」に含まれるアレルギー物質のうち「大豆」が注目物質として特定されたときを例示している。図示のように、レシート64には注目物質として特定された「卵」及び「大豆」のみが印刷されている。このようにしても、顧客は自身が忌避する特定のアレルギー物質が商品に含まれているか否かを容易に把握できることになる。
【0089】
また、レシートに、当該顧客の忌避物質を示す情報をさらに印刷するようにしてもよい。図17は、この場合のレシート65の一例を示す図である。レシート65においては、図15に例示したレシート63と同様の情報に加えて、さらに顧客の忌避物質を示す忌避情報6eが印刷されている。もちろん、同様の印刷を、図16に例示したレシート64と同様の情報に加えて行ってもよい。このようにレシートに忌避情報を印刷することにより、顧客は自身が忌避するアレルギー物質として事前に申告した物質(忌避テーブル44に登録され、POSシステム100により特定された忌避物質)を容易に把握できる。このような忌避情報は、顧客の体質が変化したなどにより、顧客が登録する忌避物質を追加や修正したい場合などに役立つことになる。
【0090】
また、この場合にはさらに、顧客の忌避物質のうち注目物質として選出されたものの忌避情報に関しては、他の物質の忌避情報よりも強調して印刷するようにしてもよい。図17に例示したレシート65では、注目物質としての「卵」と「大豆」が矩形のフレームFrで囲まれて強調して表示されている。これによれば、顧客は自身が忌避するアレルギー物質のうちで、今回購入した商品のうちに含まれていた物質を容易に把握できることになる。なお、この強調も、フォントの変更、文字幅の変更、文字サイズの変更などの他の態様により行ってもよい。
【0091】
また、上記では、忌避テーブル44から忌避物質の情報が取得されるようになっているが、会員カード自体に忌避物質の情報を記憶しておき、その会員カードから忌避物質の情報を取得するようにしてもよい。より具体的には、ICカードたる会員カードのチップ51に「会員コード」とともに「卵」「さば」及び「大豆」などの当該顧客に係る忌避物質の名称を記憶しておく。そして、精算処理の開始にあたって「会員コード」を取得する際(図8のステップS1)に、忌避物質の名称も併せてPOSターミナル2に取得させることになる。この場合は、忌避テーブル44は不要となり、比較的簡易な手法で顧客の忌避物質を特定できる。
【0092】
<4.第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態について説明する。上記実施の形態ではPOSターミナル2においてアレルギー情報が提供されていたが、本実施の形態ではアレルギー情報を提供する専用の端末が存在している。
【0093】
図18は、本実施の形態のPOSシステム101の構成を示す図である。POSシステム101は、POSサーバ1と複数のPOSターミナル2との他に、情報提供端末3を備えている。情報提供端末3は、アレルギー情報を提供するための端末装置であり、例えば、店舗の販売スペースSp2において顧客案内用に設けられる案内カウンタSp3などに配置される。この情報提供端末3も、LAN9に接続されておりPOSサーバ1と通信可能とされている。
【0094】
図19は、情報提供端末3の構成を機能ブロックにて示す図である。情報提供端末3の構成は、一般的なコンピュータの構成に、バーコードの読取手段及び印刷手段を付加したものとなっている。すなわち、情報提供端末3は、演算処理を行うCPU31と、基本プログラムを記憶するROM32と、演算処理の作業領域となるRAM33と、各種データを記憶するハードディスク34とをバスライン30に接続した構成となっている。さらに、情報提供端末3は、各種情報の表示を行うディスプレイ35と、キーボード及びマウス等の入力部36と、バーコードなどを読み取るバーコードリーダ37と、用紙(紙媒体)を印刷する印刷部38と、LAN9を介して通信を行う通信部39とを備え、これらはそれぞれバスライン30に接続される。
【0095】
印刷部38は、サーマルヘッドなどにより用紙を印刷するプリント機能を有するものであり、情報提供端末3の本体部に組み込まれた一つのモジュールとして構成されてもよく、情報提供端末3の本体部とは別装置として構成されてもよい。また、ハードディスク34には処理プログラムが記憶されており、CPU31がこの処理プログラムに従って演算処理を行うことで、情報提供端末3としての各種機能が実現されるようになっている。なお、POSサーバ1及びPOSターミナル2の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0096】
図20は、本実施の形態のPOSシステム101において顧客にアレルギー情報を提供するまでの処理の流れを模式的に示す図である。以下、この処理の流れについて説明する。
【0097】
各POSターミナル2においては、一の売買取引ごとに精算処理が行われる(ステップST1)。この精算処理の流れは、図12に示すステップS21〜S26の処理と同様である。これにより、アレルギー情報を含まないレシート66が発行されることになる。
【0098】
ただし、このレシート66には、図21に示すように、売買取引を識別するための識別コードとなる「取引コード」6fがバーコード形式で印刷される。この「取引コード」は、所定の規則に従って売買取引ごとに生成されるものであり、当該店舗内で行われる全ての売買取引に関してユニークなものとなる。したがって、「取引コード」に基づいて一の売買取引が特定可能となっている。
【0099】
その一方で、POSターミナル2においては、一の精算処理が完了するごとに、その精算処理において得られた「商品コード」「商品名」「売価」及び「合計価格」などの売買取引の具体的内容に関する情報(以下、「取引内容情報」という。)が、その売買取引の「取引コード」ととともにPOSサーバ1に送信される(ステップST2)。この「取引内容情報」は、POSサーバ1に受信され、ハードディスク14に記憶された取引実績データ45の一つのレコードとして登録される。
【0100】
図22は、取引実績データ45の一例を示す図である。図に示すように、取引実績データ45はテーブル形式となっており、一の売買取引に係る「取引内容情報」が一のレコード45rとして登録されている。
【0101】
各レコード45rは、当該売買取引の全般に係る全般データDaと、当該売買取引の対象とされた商品についての商品データDbとから構成される。全般データDaには、「取引コード」、「取引時刻」及び「合計価格」などが含まれている。また、商品データDbにおいては、一の商品に係る情報が一のサブレコードSrとして登録されている。サブレコードSrのそれぞれには、「商品コード」、「商品名」及び「価格」などが含まれている。これにより、取引実績データ45においては、売買取引ごとに、売買取引に係る「取引コード」と、売買取引の対象とされた商品の「商品コード」とが関連付けられることになる。したがって、取引実績データ45を参照することにより、実施済の売買取引のそれぞれに関してどのような商品が対象とされたかを事後的に把握できることになる。
【0102】
図20に戻って説明する。POSターミナル2において売買取引を行った顧客には、「取引コード」6fが記載されたレシート66が受け渡されている。アレルギー情報の提供を希望する顧客は、案内カウンタSp3まで出向き、このレシート66の「取引コード」6fを示すバーコードを情報提供端末3のバーコードリーダ37に読み取らせる。これにより、実施済の一の売買取引に係る「取引コード」が情報提供端末3に入力される(ステップST3)。
【0103】
「取引コード」が入力されると、情報提供端末3のCPU31の制御により、その「取引コード」が示す実施済の売買取引についての「取引内容情報」が情報提供端末3に取得される。すなわち、入力された「取引コード」が情報提供端末3からPOSサーバ1に送信される(ステップST4)。POSサーバ1では、これに応答して取引実績データ45のうちから当該「取引コード」を含むレコード45rが検索される。そして、該当したレコード45rに登録された「取引内容情報」が返信される。これにより、「取引コード」が示す実施済の売買取引に係る「取引内容情報」が情報提供端末3に取得されることになる(ステップST5)。取得された「取引内容情報」には、当該売買取引おいて対象とされた商品の「商品コード」が含まれている。
【0104】
次に、この「商品コード」に基づいて、CPU201の制御により、当該実施済の売買取引の対象となった商品のそれぞれに含まれるアレルギー物質の情報が取得される。すなわち、図9のステップS12と同様にして、商品ごとに「商品コード」がPOSサーバ1に送信され(ステップST6)、アレルギーテーブル42に基づいて当該商品に係るアレルギー情報が情報提供端末3に返信される(ステップST7)。
【0105】
全ての商品に係るアレルギー情報が取得されると、印刷部38においてそのアレルギー情報が用紙に印刷され、アレルギー情報シート67として発行される(ステップST8)。図23は、このようにして発行されたアレルギー情報シート67の一例を示す図である。このアレルギー情報シート67においては、実施済の売買取引の対象となった商品を示す「商品名」6aが一覧として記載されている。そして、それらの商品に含まれるアレルギー物質を示す「アレルギー情報」6dが、「商品名」6aに対応付けられるように記載されている。このような表示により、顧客は実施済の売買取引の対象となった商品にどのようなアレルギー物質が含まれているかを容易に把握できることになる。
【0106】
以上のように、本実施の形態のPOSシステム101では、アレルギー情報を提供する専用の情報提供端末3が存在しており、アレルギー情報の事後的に提供を希望した顧客に関してのみ、情報提供端末3においてアレルギー情報が顧客に提供されるようになっている。このため、本実施の形態においても、アレルギー情報の提供が必要な顧客のみにアレルギー情報を適切に提供できることになる。また、POSターミナル2は、常にアレルギー情報を含まないレシートを発行するため、精算処理に係る処理時間が増加することもない。
【0107】
また、精算処理とは別の処理でアレルギー情報が顧客に提供されるため、顧客が売買取引を行った後に事後的にアレルギー情報が必要となった場合であっても、適切にアレルギー情報を提供できる。
【0108】
なお、上記では、情報提供端末3が「取引コード」をPOSサーバ1に送信して「取引内容情報」をまず取得し、そのうちの「商品コード」をさらにPOSサーバ1に送信して「アレルギー情報」を取得するようになっている。つまり、情報提供端末3が「アレルギー情報」を取得するまでに2度の要求をPOSサーバ1に行っているが、「取引コード」を送信するのみで「取引内容情報」と「アレルギー情報」との双方がPOSサーバ1から返信されるようになっていてもよい。この場合は、POSサーバ1が、「取引内容情報」に含まれる「商品コード」に基づいて「アレルギー情報」を取得することになる。
【0109】
なお、本実施の形態においても、第3の実施の形態と同様に顧客の忌避物質を登録しておき、注目物質の情報を強調する表示、あるいは、注目物質の情報のみの表示を行ってもよい。この場合は、情報提供端末3にICタグから情報を読み取るタグリーダを設けておき、会員カードから「会員コード」(あるいは、会員カードから直接的に忌避物質の情報)を取得すればよい。
【0110】
<5.他の実施の形態>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0111】
第2の実施の形態においては、再発行ボタンの押下後に、売買取引における金額情報等を含むレシートを再発行していたが、金額情報等を含まない図23に例示したようなアレルギー情報シート67を発行するようにしてもよい。また逆に、第4の実施の形態では、アレルギー情報シート67ではなく、売買取引における金額情報等を含むレシートを再発行するようにしてもよい。
【0112】
また、上記実施の形態では、顧客が所持し会員コード等の当該顧客の情報を記録する記録媒体としてICカードが利用されていたが、例えばICタグが組み込まれた携帯電話機など、顧客の情報を記録可能な可搬性のデータキャリアであればどのようなものであっても上記の記録媒体として利用可能である。また、記録媒体への顧客の情報の記録手法としては、ICタグへの記録のような電磁的手法ではなく、バーコードや二次元コードなどの印刷手法を採用してもよい。
【0113】
また、上記実施の形態では、商品マスタ41とアレルギーテーブル42とが別々に構成されていたが一体的に構成されてもよい。同様に、顧客マスタ43と忌避テーブル44とが一体的に構成されてもよい。
【0114】
また、上記実施の形態では、精算処理システムは、POSサーバ1及びPOSターミナル2などの複数の装置から構成されるPOSシステム100,101であるとして説明を行ったが、同様の機能を有する精算処理システムを単体装置(一台のPOSターミナル、一台のキャッシュレジスタなど)で実現してもよい。
【0115】
また、上記では、取引コードとして売買取引ごとにユニークなコードを生成していたが、実施済の一の売買取引を特定することが可能な情報であれば、例えば、取引時刻やレシート番号などの他の情報を取引コードとして流用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】POSシステムの構成を示す図である。
【図2】POSサーバの構成を示す図である。
【図3】POSターミナルの構成を示す図である。
【図4】商品マスタの一例を示す図である。
【図5】アレルギーテーブルの一例を示す図である。
【図6】顧客マスタの一例を示す図である。
【図7】会員カードの一例を示す図である。
【図8】精算処理の流れを示す図である。
【図9】レシート発行処理の詳細な流れを示す図である。
【図10】レシートの一例を示す図である。
【図11】レシートの一例を示す図である。
【図12】精算処理の流れを示す図である。
【図13】忌避テーブルの一例を示す図である。
【図14】レシート発行処理の詳細な流れを示す図である。
【図15】レシートの一例を示す図である。
【図16】レシートの一例を示す図である。
【図17】レシートの一例を示す図である。
【図18】POSシステムの構成を示す図である。
【図19】情報提供端末の構成を示す図である。
【図20】アレルギー情報を提供する処理の流れを模式的に示す図である。
【図21】レシートの一例を示す図である。
【図22】取引実績データの一例を示す図である。
【図23】アレルギー情報シートの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0117】
1 POSサーバ
2 POSターミナル
3 情報提供端末
5 会員カード
41 商品マスタ
42 アレルギーテーブル
43 顧客マスタ
44 忌避テーブル
45 取引実績データ
51 チップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
売買取引ごとに精算処理を行う精算処理システムであって、
一の売買取引の対象となる対象商品の商品識別コードを取得する手段と、
前記商品識別コードに基づいて、前記対象商品に含まれるアレルギー物質を示すアレルギー情報を取得する手段と、
前記アレルギー情報の提供が必要か否かの、当該一の売買取引に係る顧客の意思を示す意思情報を取得する意思取得手段と、
前記意思情報において前記アレルギー情報の提供が必要であることが示された場合に、前記アレルギー情報を紙媒体に印刷する印刷手段と、
を備えることを特徴とする精算処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の精算処理システムにおいて、
前記紙媒体は、前記一の売買取引の金額情報を示すレシートであることを特徴とする精算処理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の精算処理システムにおいて、
前記意思取得手段は、
顧客ごとに、顧客を識別する顧客識別コードと、当該顧客に係る前記意思情報とを関連付けた顧客意思データを記憶する手段と、
顧客が所持する記録媒体から、当該顧客に係る前記顧客識別コードを取得する手段と、
を備え、
前記顧客意思データと取得された前記顧客識別コードとに基づいて前記意思情報を取得することを特徴とする精算処理システム。
【請求項4】
請求項1または2に記載の精算処理システムにおいて、
前記意思取得手段は、顧客が所持する記録媒体から、当該顧客に係る前記意思情報を取得することを特徴とする精算処理システム。
【請求項5】
売買取引ごとに精算処理を行う精算処理システムであって、
売買取引ごとに、売買取引の対象となった対象商品の商品識別コードと、当該売買取引を特定する取引コードとを関連付けた取引実績データを記憶する記憶手段と、
実施済の売買取引に係る取引コードを入力する入力手段と、
前記取引実績データと入力された前記取引コードとに基づいて、前記実施済の売買取引に係る前記対象商品の商品識別コードを取得する手段と、
前記商品識別コードに基づいて、前記実施済の売買取引に係る前記対象商品に含まれるアレルギー物質を示すアレルギー情報を取得する手段と、
前記アレルギー情報を紙媒体に印刷する印刷手段と、
を備えることを特徴とする精算処理システム。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の精算処理システムにおいて、
顧客ごとに、前記顧客が忌避する忌避物質を特定する忌避物質特定手段と、
前記対象商品に含まれるアレルギー物質と、前記忌避物質との双方に該当する物質を選出する選出手段と、
をさらに備え、
前記印刷手段は、前記選出手段に選出された物質のみの前記アレルギー情報を印刷することを特徴とする精算処理システム。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれかに記載の精算処理システムにおいて、
顧客ごとに、前記顧客が忌避する忌避物質を特定する忌避物質特定手段と、
前記対象商品に含まれるアレルギー物質と、前記忌避物質との双方に該当する物質を選出する選出手段と、
をさらに備え、
前記印刷手段は、前記選出手段に選出された物質の前記アレルギー情報を、他の物質の前記アレルギー情報よりも強調して印刷することを特徴とする精算処理システム。
【請求項8】
請求項6または7に記載の精算処理システムにおいて、
前記印刷手段は、前記忌避物質特定手段に特定された前記忌避物質を示す忌避情報をさらに印刷することを特徴とする精算処理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の精算処理システムにおいて、
前記印刷手段は、前記選出手段に選出された物質の前記忌避情報を、他の物質の前記忌避情報よりも強調して印刷することを特徴とする精算処理システム。
【請求項10】
請求項6ないし9のいずれかに記載の精算処理システムにおいて、
前記忌避物質特定手段は、
顧客ごとに、顧客を識別する顧客識別コードと、当該顧客が忌避する前記忌避物質の情報とを関連付けた顧客忌避データを記憶する手段と、
顧客が所持する記録媒体から、当該顧客に係る前記顧客識別コードを取得する手段と、
を備え、
前記顧客忌避データと取得された前記顧客識別コードとに基づいて前記忌避物質の情報を取得することを特徴とする精算処理システム。
【請求項11】
請求項6ないし9のいずれかに記載の精算処理システムにおいて、
前記忌避物質特定手段は、顧客が所持する記録媒体から、当該顧客が忌避する前記忌避物質の情報を取得することを特徴とする精算処理システム。
【請求項1】
売買取引ごとに精算処理を行う精算処理システムであって、
一の売買取引の対象となる対象商品の商品識別コードを取得する手段と、
前記商品識別コードに基づいて、前記対象商品に含まれるアレルギー物質を示すアレルギー情報を取得する手段と、
前記アレルギー情報の提供が必要か否かの、当該一の売買取引に係る顧客の意思を示す意思情報を取得する意思取得手段と、
前記意思情報において前記アレルギー情報の提供が必要であることが示された場合に、前記アレルギー情報を紙媒体に印刷する印刷手段と、
を備えることを特徴とする精算処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の精算処理システムにおいて、
前記紙媒体は、前記一の売買取引の金額情報を示すレシートであることを特徴とする精算処理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の精算処理システムにおいて、
前記意思取得手段は、
顧客ごとに、顧客を識別する顧客識別コードと、当該顧客に係る前記意思情報とを関連付けた顧客意思データを記憶する手段と、
顧客が所持する記録媒体から、当該顧客に係る前記顧客識別コードを取得する手段と、
を備え、
前記顧客意思データと取得された前記顧客識別コードとに基づいて前記意思情報を取得することを特徴とする精算処理システム。
【請求項4】
請求項1または2に記載の精算処理システムにおいて、
前記意思取得手段は、顧客が所持する記録媒体から、当該顧客に係る前記意思情報を取得することを特徴とする精算処理システム。
【請求項5】
売買取引ごとに精算処理を行う精算処理システムであって、
売買取引ごとに、売買取引の対象となった対象商品の商品識別コードと、当該売買取引を特定する取引コードとを関連付けた取引実績データを記憶する記憶手段と、
実施済の売買取引に係る取引コードを入力する入力手段と、
前記取引実績データと入力された前記取引コードとに基づいて、前記実施済の売買取引に係る前記対象商品の商品識別コードを取得する手段と、
前記商品識別コードに基づいて、前記実施済の売買取引に係る前記対象商品に含まれるアレルギー物質を示すアレルギー情報を取得する手段と、
前記アレルギー情報を紙媒体に印刷する印刷手段と、
を備えることを特徴とする精算処理システム。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の精算処理システムにおいて、
顧客ごとに、前記顧客が忌避する忌避物質を特定する忌避物質特定手段と、
前記対象商品に含まれるアレルギー物質と、前記忌避物質との双方に該当する物質を選出する選出手段と、
をさらに備え、
前記印刷手段は、前記選出手段に選出された物質のみの前記アレルギー情報を印刷することを特徴とする精算処理システム。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれかに記載の精算処理システムにおいて、
顧客ごとに、前記顧客が忌避する忌避物質を特定する忌避物質特定手段と、
前記対象商品に含まれるアレルギー物質と、前記忌避物質との双方に該当する物質を選出する選出手段と、
をさらに備え、
前記印刷手段は、前記選出手段に選出された物質の前記アレルギー情報を、他の物質の前記アレルギー情報よりも強調して印刷することを特徴とする精算処理システム。
【請求項8】
請求項6または7に記載の精算処理システムにおいて、
前記印刷手段は、前記忌避物質特定手段に特定された前記忌避物質を示す忌避情報をさらに印刷することを特徴とする精算処理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の精算処理システムにおいて、
前記印刷手段は、前記選出手段に選出された物質の前記忌避情報を、他の物質の前記忌避情報よりも強調して印刷することを特徴とする精算処理システム。
【請求項10】
請求項6ないし9のいずれかに記載の精算処理システムにおいて、
前記忌避物質特定手段は、
顧客ごとに、顧客を識別する顧客識別コードと、当該顧客が忌避する前記忌避物質の情報とを関連付けた顧客忌避データを記憶する手段と、
顧客が所持する記録媒体から、当該顧客に係る前記顧客識別コードを取得する手段と、
を備え、
前記顧客忌避データと取得された前記顧客識別コードとに基づいて前記忌避物質の情報を取得することを特徴とする精算処理システム。
【請求項11】
請求項6ないし9のいずれかに記載の精算処理システムにおいて、
前記忌避物質特定手段は、顧客が所持する記録媒体から、当該顧客が忌避する前記忌避物質の情報を取得することを特徴とする精算処理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2007−226305(P2007−226305A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−43733(P2006−43733)
【出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
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