説明

精製された金属又は半金属の製造方法

【課題】精製対象となる金属元素または半金属元素の融点よりも電解温度を低くすることができ、かつ、精製物の樹枝状成長や精製物への電解浴の巻き込みを抑制することができる、精製された金属又は半金属の製造方法を提供する。
【解決手段】電解槽内に設置された電解浴中において、金属元素又は半金属元素、及び、不純物を含む材料を陽極として、陽極に含まれる金属元素又は半金属元素と同種の金属元素又は半金属元素と、金属元素又は半金属元素との固溶体を実質的に作らない溶媒金属とを含有し、金属元素又は半金属元素の融点よりも低い完全凝固温度を有する合金を陰極として作用させ、合金が液相となることができる電解温度で電解を行うことにより、陽極中の金属元素又は半金属元素を陰極の合金中に移動させる電解工程と、その後、取出工程と、完全凝固温度より高くかつ電解温度より低い温度での析出工程と、回収工程とを備える製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精製された金属又は半金属の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冶金グレードシリコンは、炭素、珪石を混合してアーク炉により還元して製造されている。この冶金グレードシリコンとHClの反応によりトリクロルシランを合成し、これを精留精製後、水素を用いて高温で還元して半導体グレードシリコンが製造される。現状では、太陽電池用シリコンの主な原料としては、前記の半導体グレードシリコンを製造する際に生じる規格外品が使用されている。
【0003】
前記の半導体グレードシリコンの製法では極めて高純度のシリコンを製造できるが、トリクロロシランガスからシリコンへの転換率が低く、シリコンへの平衡を有利にするために多量の水素を必要とすること、転換率をより高めるために多くの未反応ガスを循環させて再使用する必要があること、前記未反応のトリクロロシランガス中には種々のハロゲン化シランが混在するため再度精留によって分離が必要になること、最終的に水素で還元できない四塩化珪素が多量に生成すること、などの理由で、該製法は高コストである。
【0004】
一方、太陽電池は、近年の炭酸ガスの増大などの環境問題に対しての有力な解決手段として注目されていて、その需要も著しく増えている。それ故、前記の半導体グレードシリコンの規格外品だけでは、将来の原料不足を引き起こす懸念がある。また、太陽電池用シリコンが高価であるなどの理由により、現状の太陽電池は、まだ高価である。これにより得られる電力の価格は商業電力の電気代に比較して数倍であり、低コストの太陽電池用シリコンの供給が望まれている。
【0005】
シリコンは、電解によっても精製することができ、特許文献1および特許文献2では、固体のシリコンを陰極として用いた電解精製が検討され、特許文献3では、融解したシリコンを陰極として用いた電解精製が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開WO2008/115072パンフレット
【特許文献2】米国特許3219561号公報
【特許文献3】米国特許3254010号公報
【発明の概要】
【0007】
シリコンを電解により精製する方法において、特許文献1および特許文献2に開示されている固体のシリコンを陰極として用いて電解を行う方法では、陰極に析出したシリコンが樹枝状に成長して極間の短絡を起こすために電解を継続し難いうえ、析出物への電解浴の巻き込みを防止するのが著しく困難である。また特許文献3に開示されている融解したシリコンを陰極として用いて電解を行なう方法では、電解温度がシリコンの融点である約1410℃以上になると還元されたシリコンの逆反応が起きることにより電解の電流効率が低くなる、高温に耐えうる適当な炉材の選択が少ない、などの理由により、その工業化は困難である。同様の理由からシリコン以外のゲルマニウム等の半金属や金属、中でも、特に融点が比較的高い、あるいは水溶液中での電解が困難な材料の電解精製は、その工業化が困難なものが多かった。
【0008】
本発明の目的は、精製対象となる金属元素または半金属元素の融点よりも電解温度を低くすることができ、かつ、精製物の前記樹枝状成長や精製物への電解浴の前記巻き込みを抑制することができる、精製された金属又は半金属の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る精製された金属または半金属の製造方法は、電解工程と、取出工程と、析出工程と、回収工程とを備える。
【0010】
前記電解工程では、電解槽内に設置された電解浴中において、金属元素又は半金属元素、及び、不純物を含む材料を陽極として、前記陽極に含まれる前記金属元素又は半金属元素と同種の金属元素又は半金属元素と、前記金属元素又は半金属元素との固溶体を実質的に作らない溶媒金属とを含有し、前記金属元素又は非金属元素の融点よりも低い完全凝固温度を有する合金を陰極として作用させ、前記陰極の合金が液相となることができる電解温度で電解を行うことにより、前記陽極中の前記金属元素又は半金属元素を陰極の合金中に移動させる。
合金の完全凝固温度とは、合金の固液状態図における液相線の最小値に対応する温度であり、完全凝固温度未満では該合金は液相を含むことができない。
溶媒金属が金属元素又は半金属元素との固溶体を実質的に作らない、とは、完全凝固温度における金属元素又は半金属元素に対する溶媒金属の固溶限が1質量%以下であることを意味する。
【0011】
取出工程では、電解工程の後に、前記陰極の合金の一部または全部を電解槽外に取り出す。取出工程では、半金属元素又は金属元素の濃度が、当該合金の完全凝固温度に対応する組成のそれよりも高い陰極の合金を電解槽外に取り出せばよい。
【0012】
析出工程では、前記の完全凝固温度より高く、かつ、前記の電解温度よりも低い温度で、前記の取出した合金を冷却することにより前記合金中に含まれる金属元素又は半金属元素を析出させる。
【0013】
回収工程では、前記の冷却された合金から析出された前記金属元素又は半金属元素を回収する。
【0014】
本発明によれば、金属元素又は半金属元素と前記溶媒金属とを含有し、金属元素又は半金属元素の融点よりも低い完全凝固温度を有する合金を陰極として作用させるので、金属元素又は半金属元素の単体を陰極とする場合に比べて、陰極を液相とするために必要な電解温度を低下させることができる。また、電解工程では陰極が液相であるので、金属元素又は半金属元素の樹枝状成長による電極間の短絡や、金属元素又は半金属元素の精製物における電解浴の巻き込みを抑制することができる。
【0015】
溶媒金属が、金属元素又は半金属元素との固溶体を実質的に作らないので、電解工程及び取出工程を経て析出工程にもたらされる陰極の合金における金属元素又は半金属元素の濃度を、完全凝固温度に対応する組成のそれよりも高くすることにより、冷却によって、該合金中に含まれる金属元素又は半金属元素を選択的に高純度に析出させることができる。これにより、陽極を構成する材料に比べて、回収された金属元素または半金属元素の純度を十分に高めることができ、精製された金属元素又は半金属元素を容易に得ることができる。
【0016】
溶媒金属は、金属元素又は半金属元素との共融点を有するものであってもよい。この場合、電解工程及び取出工程を経て析出工程にもたらされる陰極合金における金属元素又は半金属元素の濃度を、共融点に対応する組成のそれよりも高くすることにより、冷却によって、該合金中に含まれる金属元素又は半金属元素を選択的により高純度に析出させることができる。
【0017】
ここで、冷却された陰極の合金から析出された金属元素又は半金属元素を回収した後の残渣を前記電解工程の陰極として用いる再利用工程をさらに備えることが好ましい。残渣は残留物を意味し、液状であってもよいし、固体状であってもよい。
【0018】
これによれば、金属元素又は半金属元素の濃度が十分に低下した残渣を再び電解工程の陰極として用いるので、陽極から陰極への金属元素又は半金属元素の移動を連続的に効率よく行うことができる。
【0019】
金属元素又は半金属元素は、シリコン又はゲルマニウムであることが好ましい。
【0020】
金属元素又は半金属元素が、シリコン又はゲルマニウムである場合に、陰極の合金は、アルミニウム、銀、銅、及び、亜鉛からなる群から選択された1種以上の金属元素を含むことが好ましい。
【0021】
陽極の材料は、銀、銅、スズ、及び、鉛からなる群から選択された1種以上の金属元素を含むことが好ましい。
【0022】
電解浴が、氷晶石を含むことが好ましい。
【0023】
電解温度が、前記完全凝固温度より高く、かつ、金属元素又は半金属元素の前記融点より低いことが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、電解温度を精製対象となる金属元素または半金属元素の融点よりも低くすることができ、かつ、精製物の樹枝状成長や精製物への電解浴の巻き込みを抑制できる、精製された金属元素又は半金属元素の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、ゲルマニウム−鉛系の固液状態図である。
【図2】図2は、シリコン−アルミニウム系の固液状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明に係る精製された金属又は半金属の製造方法は、主として、電解工程、取出工程、析出工程、回収工程、及び、必要に応じて再利用工程を備える。
【0027】
(金属元素又は半金属元素)
本発明では、金属元素又は半金属元素(以下、精製対象元素と呼ぶことがある。)を精製の対象とする。精製対象元素は特に限定されない。金属元素としては、ベリリウム等のアルカリ土類金属、スカンジウム、チタン、ニッケル等の第1遷移元素、ジルコニウム、イットリウム等の第2遷移元素、ランタン、ネオジム、イウロピウム、ジスプロシウム、レニウム、サマリウム等のランタノイド、トリウム、ウラン、プルトニウム、アメリシウム等のアクチノイド、白金、等の第3遷移元素が挙げられる。
【0028】
半金属元素としては、シリコン、砒素、アンチモン、ゲルマニウム等が挙げられる。
【0029】
これらの金属元素又は半金属元素の中でも、液相である陰極の合金からの回収のし易さ等を考慮すると、シリコン、ゲルマニウム、ニッケル、ランタノイド、アクチノイドが好ましく、シリコン、ゲルマニウムが特に好ましい。
【0030】
(電解工程)
電解工程では、電解槽内に設置された電解浴中において、精製対象元素、及び、不純物を含む材料を陽極として、かつ、前記陽極に含まれる精製対象元素と同種の精製対象元素と溶媒金属を含有しこの精製対象元素の融点よりも低い完全凝固温度(詳しくは後述)を有する合金を陰極として作用させ、陰極の合金が液相となることができる電解温度で電解を行って陽極中の精製対象元素を陰極の合金中に移動させ、精製対象元素の濃度が、完全凝固温度(詳しくは後述)に対応する合金組成における精製対象元素の濃度よりも高い合金を陰極に得る。
【0031】
(陽極)
陽極の材料は、精製対象元素、及び、不純物を含む材料であり、精製の原材料という側面を持つ。陽極の材料は電解温度で固相であるものでも良いが、電解反応のし易さから、電解温度において液相となるものが好ましい。
【0032】
陽極の材料に含まれる不純物は、例えば、精製対象元素よりも貴な元素や、精製対象元素よりも卑な元素である。例えば、精製対象元素がシリコンの場合、シリコンよりも貴な元素としては、銀、銅等が挙げられ、シリコンよりも卑な元素としては、ナトリウムやマグネシウム等が挙げられる。ゲルマニウムの場合も、シリコンと同様であり、ゲルマニウムよりも貴な元素としては、銀、銅等が挙げられ、ゲルマニウムよりも卑な元素としては、ナトリウムやマグネシウム等が挙げられる。不純物の濃度は特に限定されないが、例えば、該陽極の材料に対して質量比率で数十ppm〜数%である。
【0033】
陽極の材料は、精製対象元素と、精製対象元素とは異なる不純物(以下、陽極溶媒金属と呼ぶことがある)との合金であることが好ましく、精製対象元素の融点よりも低い共融点を有する合金であることがより好ましい。この場合、合金は、蒸気圧が低く、安定であることが好ましい。また、陽極溶媒金属としては、当該精製対象元素より貴な元素であることが好ましい。なお、精製対象元素および陽極溶媒金属は、例えば、熱力学的データによる理論分解電圧に基づいて、適宜選択することができる。各元素の理論分解電圧を以下に例示する。理論分解電圧の算出は、各元素の溶存種を特定してその生成自由エネルギーを調べる方法によってもよいし、比較的容易に入手できるハロゲン化物等の金属化合物の生成自由エネルギーをもとに概算する方法によってもよい。例えばフッ化物系溶融塩における理論分解電圧を各金属フッ化物の生成自由エネルギーをもとに概算すると、Cuでは1.9V、Fe(II)では2.8V、Ti(IV)では3.4V、Mn(II)では3.6V、Siでは3.7V、Alでは4.1V、Kでは4.6V、Naでは4.6V、Mgでは4.7V、Caでは5.3Vと算出される。これらの理論分解電圧は、Si以外の元素Mの場合、次式の反応が進行するという仮定のもとで計算されている。活量はいずれも1、温度は1000℃である。
MF(solid)→M(solid)+x/2F(gas)
Siの場合、理論分解電圧は、次式の反応が進行すると仮定して計算されている。活量はいずれも1、温度は1000℃である。
SiF(gas)→Si(solid)+2F(gas)
【0034】
精製対象元素がシリコンの場合、陽極溶媒金属としては、銅、スズ、銀、金、水銀、及び、鉛からなる群から選択される1種以上の元素が挙げられ、コストおよび環境への影響を考慮すると、銅、銀、スズ、及び、鉛から選択される1種以上の元素が好ましい。陽極の合金は、陽極溶媒金属を2種以上含んでもよい。
【0035】
また、陽極溶媒金属の純度としては、3N以上が好ましく、5N以上がさらに好ましく、6N以上が特に好ましい。なお、銀や銅などシリコンより十分に貴な金属、ナトリウムやマグネシウムなどシリコンより十分に卑な金属は電解により除去され、また、後述の陰極溶媒金属として使用される金属は析出工程により除去されてシリコンの純度に影響しないため、陽極溶媒金属の不純物として考慮する必要はない。
【0036】
(陰極)
陰極としては、前記陽極に含まれる精製対象元素と同種の精製対象元素、及び、精製対象元素とは異なる溶媒金属(以下、陰極溶媒金属と呼ぶことがある)を含有し、精製対象元素の融点よりも低い完全凝固温度を有する合金が用いられる。陰極溶媒金属は、精製対象元素との固溶体を実質的に作らない。
合金の完全凝固温度とは、合金の固液状態図における液相線の最小値に対応する温度であり、完全凝固温度未満では該合金は液相を含むことができない。
陰極溶媒金属が、精製対象元素との固溶体を実質的に作らないとは、完全凝固温度における精製対象元素に対する陰極溶媒金属の固溶限が1質量%以下であることを意味する。
陰極溶媒金属は、精製対象元素との共融点を有してもよい。すなわち、陰極溶媒金属と精製対象金属との合金は、前記液相線に極小値を有してもよい。
また、この合金は、蒸気圧が低く、安定であることが好ましい。
【0037】
精製対象元素がシリコンの場合、このような陰極溶媒金属としては、アルミニウム、銅、スズ、ガリウム、インジウム、銀、金、水銀及び鉛からなる群から選択される1種以上が挙げられ、なかでも、コストおよび環境への影響を考慮すると、アルミニウム、銀、銅及び亜鉛からなる群より選択される1種以上が好ましい。合金は、陰極溶媒金属を2種以上含んでもよい。
例えば、精製対象元素がGeであり陰極溶媒金属がPbである、ゲルマニウム−鉛系の固液状態図は図1のようになり、この系の完全凝固温度は、液相線Aの最小値となる点Bである327℃である。この合金における完全凝固温度に対応するGe(精製対象元素)の濃度は0wt%である。
また、精製対象元素がSiであり陰極溶媒金属がAlである、シリコン−アルミニウム系の固液状態図は図2のようになる。この系の完全凝固温度は、液相線Aの最小値(極小値)を示す点Cである577℃となり、この点Cのように液相線が極小値をとる点は共融点と呼ばれる。この合金の完全凝固温度に対応する組成のSi濃度は、約12.6wt%となり、この組成は共融点に対応する組成であり共融組成とも呼ばれる。なお、シリコン−銀系、ゲルマニウム−亜鉛系等の合金系でも、図2と同様の共融点を有する状態図を示す。
【0038】
また、陰極溶媒金属の純度としては、3N以上が好ましく、5N以上がさらに好ましく、6N以上が特に好ましい。また、特にP、Bの含有量は、該陰極溶媒金属に対してそれぞれ0.5ppm以下が好ましく、0.3ppm以下が更に好ましく、0.1ppm以下が特に好ましい。
【0039】
電解開始時の陰極の合金の元素比率は特に限定されず、精製対象元素を含まない陰極溶媒金属(合金を含む)を用いてもよい。しかしながら、電解工程を行った後、取出工程を行なう際には、陰極の合金における精製対象元素の濃度は、完全凝固温度に対応する組成のそれを超える必要がある。
共融点を有する合金では、取出し時の精製対象元素の濃度が、共融点に対応する組成のそれよりも高い必要がある。言い換えると、例えば、図2において、取出し時の合金中の精製対象元素であるSiの濃度が、共融組成のそれである12.6wt%を超える必要がある。また、特に効率よく精製対象元素を回収するには、定められた電解温度において、陰極の合金が液相の単相として存在できる最大の精製対象元素の濃度である、精製対象元素の飽和濃度に近くなるまで、陰極の合金における精製対象元素の濃度を電解により高濃度化することが好ましい。
【0040】
(電解浴)
電解浴は、精製対象元素のイオンを伝導できるものであれば特に限定されないが、金属のハロゲン化物が好ましい。金属のハロゲン化物を構成する金属元素として、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛、及び、銅から選択される1種以上の元素が挙げられる。また、金属のハロゲン化物を構成するハロゲンとして、フッ素、塩素、及び、臭素からなる群から選択される1種以上の元素が挙げられる。また、これらの金属のハロゲン化物を2種以上混合して用いてもよい。金属のハロゲン化物の混合物の例としては、フッ化ナトリウムとフッ化アルミニウムの混合物が挙げられる。電解浴として、より具体的には、工業的な入手のしやすさから、氷晶石(3NaF・AlF3)、塩化カルシウムなどが好ましい。なお、これらの電解浴は、溶融された状態で用いられる。
【0041】
精製対象となる精製対象元素の純度を高くしたい場合には、電解浴の純度も高くすることが好ましい。このような観点から、電解浴の純度としては、3N以上が好ましく、5N以上がさらに好ましく、6N以上が特に好ましい。また、特にシリコンやゲルマニウムを精製対象とする場合には、P及びBの含有量は、電解浴に対してそれぞれ0.5ppm以下が好ましく、0.3ppm以下が更に好ましく、0.1ppm以下が特に好ましい。
【0042】
なお、本発明において、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素に関しては、電解浴の不純物として考慮しなくてもよい。電解工程では、これらの元素は、シリコンやゲルマニウムに比べて陰極に移動しにくく、陰極の合金に殆ど混入しないからである。また、陰極溶媒金属として使用される金属も電解浴の不純物として考慮する必要はない。
【0043】
固体の陽極を用いる場合は、陰極の合金と電解浴の比重に応じて、陰極および電解浴のうち比重の高い方を比重の低い方に比べて相対的に下方に配置し、陽極を陰極から離れた位置に配置する、あるいは電解浴中で陽極と陰極とを横方向にそれぞれ離れた位置に配置することができる。また、液体の陽極を用いる場合は、電解浴中で陽極と陰極とを横方向にそれぞれ離れた位置に配置する、あるいはアルミニウムの三層電解精製法の場合と同様な配置、すなわち陽極、電解浴、および陰極それぞれの液体の比重に応じて、上方より陰極、電解浴、陽極の順またはその逆の上方より陽極、電解浴、陰極の順で、これらの3つの要素が、下方ほど比重が高くなるように配置することができる。操作性の向上や反応容器の小型化、電流分布の均一化の観点から、アルミニウムの三層電解精製法の場合と同様な配置が好ましく、シリコンの精製を目的とする場合は上方から陰極、電解浴、陽極の順で配置することが特に好ましい。なお、本発明においては、電解槽内で陽極と陰極は離れた位置に配置されており、電解工程で陽極と陰極は電解浴を介して作用する。
【0044】
(電解条件)
電解温度は陰極の合金の組成に応じて、この陰極の合金が液相に維持されるように設定される。この電解温度は、陰極の合金の完全凝固温度より高いことが好ましい。電解温度が高いほど、陰極の合金中の精製対象元素の溶解度が向上するので、より多くの精製対象元素を陰極に移動させ、これを回収することが可能になる。電解温度は、精製対象元素の融点より低いことが好ましい。電解温度が精製対象元素の融点未満であれば、電解の電流効率がより向上し、また、電解槽材料の選定が容易となる。
【0045】
例えば、精製対象元素がシリコンである場合において、陰極の合金としてアルミニウム−シリコンを用いると、該合金の完全凝固温度、すなわち共融点は577℃であるので、電解温度を577℃より高く、シリコンの融点である1410℃より低く設定することが好ましい。例えば、精製対象元素がゲルマニウムである場合において、陰極の合金として亜鉛−ゲルマニウムを用いると、該合金の完全凝固温度、すなわち共融点は398℃であるので、電解温度を398℃より高く、ゲルマニウムの融点である958℃より低く設定することが好ましい。
【0046】
電解反応における精製対象元素の収率の観点からは、精製対象元素の融点以下において、電解温度は高ければ高いほど好ましい。
精製対象元素がシリコンである場合、電解温度は700℃以上が好ましく、900℃以上がさらに好ましく、1100℃以上が特に好ましい。ただし、電解槽の材料の制約などを考慮し、電解温度は1300℃以下が好ましい。
精製対象元素がゲルマニウムである場合は、電解温度は500℃以上が好ましく、600℃以上がさらに好ましく、700℃以上が特に好ましい。ただし、電解槽の材料の制約などを考慮し、電解温度は900℃以下が好ましい。
【0047】
例えば、精製対象元素がシリコンであり、陰極溶媒金属としてアルミニウムを用い、陰極として純アルミニウムを用いて電解工程を開始する場合、アルミニウムの融点は660℃であるが、Al−Siの共融点は580℃程度であるので、まず陰極であるアルミニウムが液相となる660℃以上で電解反応を開始する。そして、電解の進行に伴い、陰極にシリコンが移動して陰極にAl−Siが生成すると、この合金は共晶点以上で液相となりうるので、その後は電解温度を580℃まで低下させることが可能である。しかしながら、共融点より低い温度では、固体が析出してシリコンの樹枝状成長を引き起こす。
【0048】
例えば、精製対象元素がゲルマニウムであり、陰極溶媒金属として亜鉛を用い、陰極として純亜鉛を用いて電解工程を開始する場合、亜鉛の融点は419℃であるが、Zn−Geの共融点は398℃程度であるので、まず陰極である亜鉛が液相となる419℃以上で電解反応を開始する。そして、電解の進行に伴い、陰極にゲルマニウムが移動して陰極にZn−Geが生成すると、この合金は共晶点以上で液相となりうるので、その後は電解温度を398℃まで低下させることが可能である。しかしながら、共融点より低い温度では、固体が析出してゲルマニウムの樹枝状成長を引き起こす。
【0049】
電解工程の雰囲気は特に限定されないが、空気又は不活性ガスが好ましく、電解の進行のためには、水、酸素などが存在しないことがより好ましい。
【0050】
(電解槽)
電解浴を収容する電解槽の材質は特に限定されないが、精製対象元素、及び、電解浴と反応しないものが好ましく、例えば、酸化物、窒化物、炭化物、炭素質材料等が挙げられる。精製対象元素がシリコンの場合、例えば酸化物としてはシリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛、マグネシア、酸化スズ等が挙げられ、窒化物としては、窒化珪素、窒化アルミニウムが挙げられ、これらの構成元素を他元素で部分置換したものも含まれる。例えば、シリコン、アルミニウム、酸素および窒素を含むサイアロン等の化合物を用いることもできる。炭化物としては、SiC等が挙げられ、炭素質材料としてはグラファイト等が挙げられ、これらの構成元素を他元素で部分置換したものを用いることもできる。さらにアルミニウム電解などと同様に、固化した電解質(例えば氷晶石)で電解浴を保持する方法を用いてもよい。
精製対象元素がゲルマニウムの場合も上記と同様である。
【0051】
(取出工程)
取出工程では、上述のようにして電解がなされた陰極の合金の一部または全部を電解槽外に取り出す。取出し方法は特に限定されず、バッチ式で取り出してもよいし、連続式に取り出してもよい。
【0052】
(析出工程)
析出工程では、電解槽から取出した陰極の合金を、前記完全凝固温度より高く、かつ、前記電解温度よりも低い温度で冷却して、前記取出した合金中に含まれる精製対象元素を固体として析出させる。
【0053】
冷却温度が、陰極の合金の完全凝固温度以下になると、精製対象元素以外の溶媒金属、すなわち、陰極溶媒金属も、精製対象元素と共に析出するので、目的とする精製対象元素のみを陰極の合金から選択的に回収することが困難となる。これに対して、本発明では、冷却温度が陰極の合金の完全凝固温度より高く、さらに、電解槽から取り出した陰極の合金における精製対象元素の濃度が、当該合金の完全凝固温度に対応する組成のそれよりも高いので、電解温度よりも低くかつ完全凝固温度よりも高いこの冷却温度で冷却することにより、陰極の合金から精製対象元素を選択的に析出させることができる。
【0054】
冷却温度の上限は電解温度である。回収できる精製対象元素の量は、電解温度と冷却温度との差に対応する当該合金の液相線の組成差に対応する。従って、回収できる精製対象元素の量を多くするためには、電解温度と冷却温度との温度差が大きいことが好ましい。
【0055】
電解温度と冷却温度との温度差は、精製対象元素がシリコンの場合もゲルマニウムの場合も、100℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましく、300℃以上が更に好ましい。ただし、前記温度差が大きいと熱的な損失も大きくなるため、温度に対する液相線の組成変化が十分である場合は、電解温度と冷却温度との温度差は大きくなくてもよく、利用可能な温度範囲において経済的に最適な温度差で冷却を行うことができる。
【0056】
冷却温度は、陰極の合金の完全凝固温度(例えば、共融点)の近傍まで下げることが可能であるものの、陰極溶媒金属の融点以上とすることが、冷却操作が簡便である観点から好ましい。
【0057】
例えば、精製対象元素がシリコンであり、陰極の合金としてアルミニウム−シリコン合金を用いる場合、電解温度を1100℃とすると、陰極の合金中においてシリコン濃度が最大55質量%程度となるまで陰極が液相状態を保つことができる。この合金を電解槽外に取り出して600℃に冷却するとシリコン濃度は15質量%まで低下しなければ平衡にならないので、この差の40質量%に相当するシリコンが固体として回収できる。
例えば、精製対象元素がゲルマニウムであり、陰極の合金として亜鉛−ゲルマニウム合金を用いる場合、電解温度を800℃とすると、陰極の合金中においてゲルマニウム濃度は最大60質量%程度となるまで陰極が液相状態を保つことができる。この合金を電解槽外に取り出して450℃に冷却するとゲルマニウム濃度は12質量%まで低下しなければ平衡にならないので、この差の48質量%に相当するゲルマニウムが固体として回収できる。
【0058】
陰極の合金の冷却方法は、公知の方法を利用できる。即ち、冷却温度に保った容器中で取り出した陰極の合金を保持する方法、冷却温度よりやや高温の容器中で取り出した陰極を保持し、該陰極合金中に、冷却温度が設定された冷却体を浸漬し、その冷却体表面に精製対象元素を析出させる方法などが挙げられる。
【0059】
(回収工程)
回収工程では、析出工程で冷却された陰極の合金から、精製対象元素の固体析出物を回収する。回収方法は特に限定されないが、ろ過、遠心分離等が挙げられる。
【0060】
(再利用工程)
再利用工程では、回収工程にて、陰極の合金から析出された精製対象元素を回収した後の残渣を、前記電解工程の陰極として用いる。
【0061】
このような、精製された金属元素又は半金属元素、すなわち、精製対象元素の製造方法によれば、陽極の材料から、精製対象元素及びこれよりも卑な元素が電解浴中に溶出し、電解浴中から精製対象元素が選択的に陰極の合金中に移動して蓄積する。
【0062】
精製対象元素の濃度が高められかつ液相である陰極の合金は、電解槽から取り出され、析出工程において、精製対象元素が選択的に高純度に析出し、回収工程において、陰極の合金から析出した精製対象元素が回収される。
【0063】
電解工程において、精製対象元素と溶媒金属とを含有し該精製対象元素の融点よりも低い完全凝固温度を有する合金を陰極とするので陰極を容易に液相とすることができ、精製対象元素の単体を液相の陰極とする場合に比べて、電解温度を低くすることができる。このために、精製対象元素の融点より低い温度で電解を行うことが可能になり、精製対象元素の単体を陰極とする場合に比べて、エネルギー負荷、及び、電解槽の材料にかかる負荷を減らすことができ、有利である。また、陰極が液相であるので安定な電極界面が形成され、精製対象元素の濃度が完全凝固温度に対応する組成のそれよりも高い合金を陰極に得る際に、精製対象元素が樹枝状に成長して電極間を短絡することが抑制され、精製対象元素の生成物中における電解浴の巻き込みが抑制される。
【0064】
溶媒金属が、精製対象元素との固溶体を実質的に作らないので、電解工程及び取出工程を経て析出工程にもたらされる陰極の合金における精製対象元素の濃度を、完全凝固温度に対応する組成のそれよりも高くすることにより、冷却によって、陰極中に含まれる精製対象元素を選択的に高純度に析出させることができる。これにより、陽極を構成する材料に比べて、回収された金属元素または半金属元素の純度を十分に高めることができ、精製された精製対象元素を容易に得ることができる。
【0065】
再利用工程において、冷却された陰極の合金から析出された精製対象元素を回収した後の残渣を電解工程の陰極に戻すことにより、精製対象元素の濃度が十分に低下した合金を陰極として再度用いることができ、陽極の材料から陰極への精製対象元素の移動及び高濃度化を効率よく連続的に行うことができる。したがって、電解工程では、精製対象元素が飽和濃度に達して電解が停滞することなく、陰極の合金の流動性が維持できる限り連続的に精製を行うことができる。
【0066】
また、陽極が電解温度で液相となる合金であることが好ましく、これにより陽極となる材料を電解浴中に適宜添加することが容易となり、電解工程をより一層連続操作しやすくなる。
【0067】
精製対象元素がシリコンである場合、本発明によると、電解工程で陰極(陰極溶媒金属としてアルミニウムを用い、電解工程開始時に陰極として純アルミニウムを用いる場合も含む)に対して40質量%より多量のシリコンを得ることができ、例えば45質量%以上のシリコンを回収工程で得ることも可能である。また、精製対象元素がゲルマニウムである場合も、電解工程で陰極(陰極溶媒金属として亜鉛を用い、電解工程開始時に陰極として純亜鉛を用いる場合も含む)に対して40質量%より多量のゲルマニウムを得ることができ、例えば50質量%より多量のゲルマニウムを得ることも可能である。したがって、本発明によると、得られるシリコンおよびゲルマニウムの収率が特に高く、経済的に有利である。本発明の方法において、生産量は電流によって制御される。
【0068】
上記のようにして得られた精製対象元素の回収物は、原料となる陽極の材料よりもはるかに高純度であり、電子デバイスやスパッタターゲット、特にシリコンの場合は太陽電池用シリコンの原料として好適に用いられる。
【0069】
必要に応じて、得られた精製対象元素の回収物は、付着した金属成分の残渣や未反応金属成分を取り除くために酸やアルカリによる処理、さらに方向凝固等の偏析、高真空下での溶解等を行うことにより精製対象元素の回収物に含まれる不純物元素をさらに低減することができ、シリコンの場合、得られた多結晶シリコンを方向凝固することにより高純度化することが特に好ましい。
【0070】
本発明において、精製対象元素がシリコンである場合に得られるシリコン、例えば多結晶シリコンを用いた太陽電池について説明する。
【0071】
本発明で得られるシリコンを用いて、キャスト法または電磁鋳造法によって、インゴットを作製する。太陽電池の基板の導電型は、一般にはp型である。例えば、シリコンにホウ素を添加する、または、シリコン精製時にアルミニウムを残存させることによって、ドーパントをシリコンに導入して、p型のシリコンを得ることができる。インゴットは、内周刃切断やマルチワイヤーソーを用いること等によりスライシングされる。スライシング後は必要に応じて遊離砥粒を用いてそのスライスの両面がラッピングされ、さらに、そのダメージ層を除去するために弗酸等のエッチング液にラッピングされたインゴットスライスを浸漬する等して多結晶シリコン基板が得られる。多結晶シリコン基板の表面での光反射損失を低減するためには、該表面に、ダイシングマシンを用いて機械的にV溝を形成したり、反応性イオンエッチングや、酸、アルカリなどを用いたエッチングによりテクスチャー構造を形成したりする。続いて、多結晶シリコン基板の受光面にリンや砒素等のn型ドーパントの拡散層を形成することによりp−n接合部を得る。さらに、TiO2等の酸化膜層を拡散層の表面に形成した後、各層に電極を付け、反射による光エネルギーの損失を減らすためのMgF2等の反射防止膜を付けることにより太陽電池を作製することができる。
【0072】
上記において、本発明の実施の形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものである。
【実施例】
【0073】
本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0074】
(実施例1)
黒鉛坩堝に、アルミニウム、氷晶石、シリカを仕込み、これを、ムライト炉心管をもつ電気炉中にセットする。次に1100℃で、不純物を含む固体シリコンを浴中に浸漬し、この固体シリコンを陽極、黒鉛るつぼの底面の液相のアルミニウムを陰極として電解する。
【0075】
電解後、冷却して陰極の合金を回収する。得られる合金を塩酸で溶解することにより、精製されたシリコンを得ることができる。また、電解後の陰極の合金を1100℃のまま取り出し、700℃で3時間保持して一部析出させ、固液分離することにより、相対的にシリコン濃度が高い析出物と相対的にシリコン濃度が低い融液とを得て、精製されたシリコンを得ることができる。析出物(精製されたシリコン)を分離した後の融液(残渣)を再度電解炉の黒鉛坩堝内に戻してシリコンの電解精製を行うことができる。
【0076】
(実施例2)
マグネシアるつぼに、銅とシリコンの合金、氷晶石、シリカ、塩化カルシウム、塩化バリウム、アルミニウムとシリコンの合金を仕込み、これを、ムライト炉心管をもつ電気炉中にセットする。次に1100℃で、銅とシリコンの合金を陽極、アルミニウムとシリコンの合金を陰極として電解する。
電解後、冷却して陰極の合金を回収する。得られる陰極の合金を塩酸で溶解することにより、精製されたシリコンを得ることができる。また、電解後の合金を1100℃のまま取り出し、700℃で3時間保持して一部析出させ、固液分離することにより、相対的にシリコン濃度が高い析出物と相対的にシリコン濃度が低い融液とを得て、精製されたシリコンを得ることができる。析出物(精製されたシリコン)を分離した後の融液(残渣)を再度電解炉のマグネシア坩堝内に戻してシリコンの電解精製を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
精製された金属又は半金属の製造方法であって、
電解槽内に設置された電解浴中において、金属元素又は半金属元素、及び、不純物を含む材料を陽極として、前記陽極に含まれる前記金属元素又は半金属元素と同種の金属元素又は半金属元素と、前記金属元素又は半金属元素との固溶体を実質的に作らない溶媒金属とを含有し、前記金属元素又は半金属元素の融点よりも低い完全凝固温度を有する合金を陰極として作用させ、前記合金が液相となることができる電解温度で電解を行うことにより、前記陽極中の前記金属元素又は半金属元素を前記陰極の合金中に移動させる電解工程と、
前記電解工程の後に、前記陰極の合金の一部または全部を電解槽外に取り出す取出工程と、
前記完全凝固温度より高く、かつ、前記電解温度より低い温度で、前記の取出した合金を冷却することにより前記合金中に含まれる前記金属元素又は半金属元素を析出させる析出工程と、
前記の冷却された合金から前記析出された前記金属元素又は半金属元素を回収する回収工程と、を備える方法。
【請求項2】
前記溶媒金属は、前記金属元素又は半金属元素との共融点を有する請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記の冷却された合金から前記析出された前記金属元素又は半金属元素を回収した後の残渣を前記電解工程の陰極として用いる再利用工程をさらに備える請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記金属元素又は半金属元素は、シリコン又はゲルマニウムである請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
【請求項5】
前記陰極の合金は、アルミニウム、銀、銅、及び、亜鉛からなる群から選択された1種以上の金属元素を含む請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記陽極の材料は、銀、銅、スズ、及び、鉛からなる群から選択された1種以上の金属元素を含む請求項4又は5記載の方法。
【請求項7】
前記電解浴が、氷晶石を含む請求項1〜6の何れか一項記載の方法。
【請求項8】
前記電解温度が、前記完全凝固温度より高く、かつ、前記金属元素又は半金属元素の前記融点より低い、請求項1〜7の何れか一項記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−6317(P2011−6317A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−118492(P2010−118492)
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】