説明

糖尿病合併症の処置に使用するための置換インドールアルカン酸誘導体及びそれを含む製剤。

真性糖尿病に起因する慢性合併症の処置に有用な、式Iの化合物の水和物及び/又は薬学的に許容できる塩が開示される。また、化合物を含む医薬組成物、及び化合物を使用する処置方法、並びにその調製方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2002年7月26日出願の米国特許仮出願番号第60/398701号の優先権を主張するものであり、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、糖尿病合併症の処置のための化合物及び製剤、並びに組成物を調製する方法及びそれらの製剤を用いる処置方法に関する。より詳細には、本発明はインドール酢酸の特定の形態に関する。
【背景技術】
【0003】
糖尿病合併症の処置のためにアルドース還元酵素阻害剤(ARI)を使用することは良く知られている。合併症は、神経、腎臓、網膜、水晶体などの組織中のグルコースの濃度が上昇し、ポリオール経路に入りアルドース還元酵素によってソルビトールに変換されることから起きる。ソルビトールは細胞膜を容易に通過しないので、それはある種の細胞の内部に堆積され、浸透圧の変化、ピリジンヌクレオチドの酸化還元状態の変化(すなわち、NADH/NAD比の増加)、細胞内のミオイノシトール濃度の減少を招く。糖尿病合併症に結びついたこれらの生化学的な変化は、アルドース還元酵素の阻害剤によって制御することができる。
【0004】
糖尿病合併症の処置のためのアルドース還元酵素阻害剤の使用は広範囲に検討されてきた。(a)Textbook of Diabetes、第2版;Pickup,J.C.及びWilliams,G.(編);Blackwell Science、マサチューセッツ州Boston、1997;(b)Aotsuka,T.;Abe,N.;Fukushima,K.;Ashizawa,N.及びYoshida,M.、Bioorg.& Med.Chem.Letters、1997、7、1677;(c)T.,Nagaki,Y.;Ishii,A.;Konishi,Y.;Yago,H;Seishi,S.;Okukado,N.;Okamoto,K.、J.Med.Chem.、1997、40、684を参照されたい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アルドース還元酵素阻害剤は、(a)米国特許第5,700,819号、(b)米国特許第4,868,301号、(c)米国特許第5,330,997号、(d)米国特許第5,236,945号、及び米国特許第6,214,991号で以前に記載されている。多くのアルドース還元酵素阻害剤が広く開発されたが、いずれもヒトの臨床試験において望ましくない副作用の少ない十分な効力は示さなかった。したがって、現在米国で認可された治療薬として入手可能なアルドース還元酵素阻害剤はなく、したがって、糖尿病合併症の処置のために、新規な、効能のある、安全な薬剤が今も強く必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸の結晶形態、及びこの化合物及び/又はその水和物を含む医薬製剤を提供する。また、本発明は、化合物及び/又はその水和物、及び/又はその塩を用いてアルドース還元酵素と相互作用させ、糖尿病合併症を処置する方法を提供する。化合物{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸は、以下の構造を有する。
【化1】

【0007】
{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸及び/又はその水和物(以降、式Iの化合物と呼ぶ)はアルドース還元酵素を阻害する。アルドース還元酵素は糖尿病の個人に高濃度のソルビトールを生成する危険性があるので、アルドース還元酵素の阻害剤は糖尿病に伴う様々な合併症の防止及び/又は処置に有用である。したがって、本発明の化合物及び組成物は、それらのアルドース還元酵素を阻害する能力の結果として、糖尿病合併症の処置に有効である。
【0008】
したがって、他の態様では、例えば糖尿病性白内障、網膜症、腎症、神経障害などを含んで、真性糖尿病に伴う慢性合併症の処置及び/又は防止の方法を提供する。
【0009】
関連する態様において、本発明は、特に坐骨神経、水晶体、網膜、腎皮質又は髄質の組織、好ましくは糖尿病患者のそれらの組織中のソルビトールを低減する方法を提供する。
【0010】
同様に、本発明は組織中のフルクトース濃度を低減する方法を提供する。さらに、本発明は組織中のミオイノシトールを増加する方法を提供する。また、本発明は、坐骨神経におけるポリオール誘発性の神経伝達速度の低減を阻害する方法、白内障形成を逆転させる方法、及び白内障形成の防止方法を包含する。これらの方法の各々は、糖尿病患者に向けられることが好ましく、真性糖尿病を患っているヒト患者に向けられることがより好ましい。
【0011】
さらに他の態様において、本発明は{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸の水和物及び少なくとも1種の薬学的に許容できる担体、溶媒、賦形剤又は補助剤を含む医薬組成物を提供する。
【0012】
さらに他の態様において、本発明は式Iの化合物の製造方法、特に一水和物の製造方法を提供する。
【0013】
上述のように、本発明は、置換されたインドールアルカン酸及び/又はその水和物を提供し、これらの化合物は、真性糖尿病を患っているヒト及び犬、猫、馬などのペット動物、好ましくはヒトを含んで、個人のグルコース濃度の上昇に伴う、又はそれから生じる合併症を処置及び/又は防止するのに有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明Iの化合物及び組成物は、従来の非毒性の薬学的に許容できる担体、補助剤及び媒体を含む投薬単位製剤で、経口的、局所的、非経口的に、吸入又は噴霧又は直腸経由によって投与することができる。好ましくは、式Iの化合物及び/又は水和物を含む医薬組成物は、例えば錠剤、ピル、トローチ、ロゼンジ、水性又は油性懸濁物、分散可能な粉体若しくは顆粒、乳液、硬質若しくは軟質カプセル、又はシロップ若しくはエリキシル剤として経口使用に適した形とすることができる。好ましい投与の経路は経口投与であり、さらに好ましくは錠剤又はカプセルである組成物の経口投与である。これらの組成物において、式Iの化合物又は水和物は、1種又は複数の非毒性の薬学的に許容できる担体、及び/又は希釈剤、及び/又は補助剤、及び必要であれば他の活性成分と一緒に存在することができる。
【0015】
経口使用を意図する組成物は、当技術分野で知られた、医薬組成物を製造する任意の方法に従って調製することができ、それらの組成物は、医薬的に上質で味の良い製剤を提供するために、甘味剤、香味料、着色剤、保存剤からなる群から選択される1種又は複数の薬品を含むことができる。錠剤は、錠剤の製造に適した、非毒性の医薬的に許容される賦形剤に混合した活性成分を含む。これらの賦形剤は、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム若しくはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤、造粒剤及び崩壊剤、例えばコーンスターチ又はアルギン酸、結合剤、例えばスターチ、ゼラチン又はアラビアゴム、潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸若しくはタルクとすることができる。錠剤は、コーティングしなくても良く、又はそれらを知られた技術によってコーティングして腸管内での崩壊と吸収を遅らせ、それによって長期間にわたる作用の持続を提供することができる。例えば、モノステアリン酸グリセリル若しくはジステアリン酸グリセリルなどの遅延物質を使用することができる。
【0016】
経口使用のための製剤は、活性成分が不活性な固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、又はカオリンに混合された硬質ゼラチンカプセルとして与えることもでき、活性成分が水又は油媒体、例えばピーナツ油、液体パラフィン、又はオリーブ油に混合された軟質ゼラチンカプセルとして与えることもできる。
【0017】
水性懸濁物は、水性懸濁物の製造に適した賦形剤に混合した活性物質を含む。それらの賦形剤は、懸濁剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアラビアゴムであり、分散剤又は濡れ剤は、天然産出のホスファチド、例えばレシチン、又はアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えばステアリン酸ポリオキシエチレン、又は、エチレンオキシドと長鎖の脂肪族アルコールの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、又は、エチレンオキシドと、脂肪酸及びヘキシトールから誘導された部分的なエステルとの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、又は、エチレンオキシドと、脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導された部分的なエステルとの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリエチレンソルビトールとすることができる。また、水性懸濁物は、1種又は複数の保存剤、例えば、エチル若しくはn−プロピルp−ヒドロキシベンゾアート、1種又は複数の着色剤、1種又は複数の香味料、スクロース若しくはサッカリンなどの1種又は複数の甘味剤も含むことができる。
【0018】
油性懸濁物は、活性成分を植物油、例えば落花生油、オリーブ油、ゴマ油、又はココナツ油の中、又は液体パラフィンなどの鉱物油中に懸濁することによって処方することができる。油性懸濁物は濃厚剤、例えば密蝋、硬質パラフィン、又はセチルアルコールを含むことができる。上に述べたような甘味剤及び香味料を加えて、味の良い経口製剤を提供することができる。これらの組成物はアスコルビン酸などの酸化防止剤を加えることによって保存することができる。
【0019】
水を加えることによる水性懸濁物の調製に適した分散可能な粉体及び顆粒は、分散剤又は濡れ剤、懸濁剤及び1種又は複数の保存剤に混合した活性成分を提供する。適切な分散又は濡れ剤及び懸濁剤は既に上で述べたもので例示される。追加の賦形剤、例えば甘味剤、香味料、及び着色剤も存在することができる。
【0020】
また、本発明の医薬組成物は、水中油のエマルジョン形態とすることもできる。油相は植物油、例えばオリーブ油若しくは落花生油、又は鉱物油、例えば液体パラフィン若しくはこれらの混合物とすることができる。適切な乳化剤は天然に産出するゴム、例えばアラビアゴム若しくはトラガントゴム、天然に産出するホスファチド、例えば大豆、レシチン、及び脂肪酸とヘキシトールから誘導されたエステル若しくは部分的なエステル無水物、例えばモノオレイン酸ソルビタン、及び前記部分的なエステルとエチレンオキシドの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンとすることができる。また、乳化物は甘味剤及び香味料を含むこともできる。
【0021】
シロップ及びエリキシルは甘味剤、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール又はスクロースで処方することができる。また、それらの製剤は、粘滑剤、保存剤、及び香味料や着色剤も含むことができる。
【0022】
式I、すなわち活性成分の化合物又は水和物の投与量は、1日に体重kg当たり約0.01mgから約100mg、好ましくは約75mgまで、さらに好ましくは約25mgの程度が、上に示した状況の処置に有用である。さらに好ましくは、投与量は1日に体重kg当たり約0.025mg〜約15mgである。さらにより好ましくは、投与量は1日に体重kg当たり約0.05mg〜約10mgである。さらにより好ましくは、投与量は、1日に体重kg当たり約0.05mg〜約2.5mgである。特に好ましい投与量は、1日に体重kg当たり約0.1〜約0.5mgである。
【0023】
担体と混合して単一剤形を作製することのできる活性成分の量は、処置される患者及び特定の投与モードに応じて変化するであろう。単位剤形は一般に約0.25mg〜約1400mgの活性成分を含むであろう。より好ましくは、単位剤形は一般に約0.5mg〜約100mgの活性成分を含むであろう。さらに好ましくは、単位剤形は一般に約1mg〜約50mgの活性成分を含むであろう。さらに好ましくは、単位剤形は一般に約1mg〜約25mgの活性成分を含むであろう。特に好ましい単位剤形は、約1mg〜約15mgの活性成分を含むであろう。
【0024】
しかし、任意の特定の患者のための特定の投与量濃度は、使用される特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康状態、性、食餌、投与時間、投与経路、排泄の割合、薬剤の組合せ、及び治療を受けている特定の疾患の程度を含む様々な要因に依存することが理解されよう。
【0025】
本出願におけるすべての記事及び参照文献は、特許を含んで参照によりその全体を本明細書に組み込まれている。
【実施例】
【0026】
本発明を以下の実施例によってさらに説明するが、本発明がそこに説明される特定の手順及び化合物の範囲又は精神に制限されるものと解釈すべきではない。
実施例1
【0027】
3−(4,5,7−トリフルオロベンゾチアゾール−2−イル)メチル−インドール−N−酢酸、一水和物の調製。
2,3,5,6−テトラフルオロアセトアニリド:
無水ピリジン(103mL、1.27モル)中の2,3,5,6−テトロフルオロアニリン溶液(200g、1.21モル)を無水酢酸(120mL、1.27モル)で処理し、120℃で2時間加熱した。室温に冷却した後、溶液を氷冷水(500mL)中に注いだ。得られる沈殿物を濾過し、酢酸エチルに溶解し、MgSO上で乾燥し、濾過し、濃縮した。固体物質をヘプタン(200mL)で洗い、乾燥して2,3,5,6−テトラフルオロアセトアニリドを白い結晶固体(206g、82%)として得た。

【0028】
2,3,5,6−テトラフルオロチオアセトアニリド:
火炎乾燥した5000mLの四つ口丸底フラスコに五硫化リン(198g、0.45モル)を装填し、無水ベンゼン(3000mL、0.34M)で希釈した。2,3,5,6−テトラフルオロアセトアニリド(185g、0.89モル)を1回で加え、明るい黄色の懸濁物を緩やかに還流して3時間加熱した。溶液を0℃に冷却し、濾過した。非溶解性の物質をエーテルで洗い(2×250mL)、濾過物の混合物を10%水性NaOH(750mL、500mL)で抽出した。水性層を0℃に冷却した後、それを濃HCl(pH2〜3)で注意深く酸性化した。沈澱した生成物を濾過によって集め、水(500mL)で洗った。黄橙色の物質を酢酸エチル(1,000mL)に溶解し、MgSO及び活性炭(3g)上で乾燥し、短いシリカ(50g)パッドを通して濾過し、濃縮した。得られる固体をヘプタン(500mL)と共に粉砕し、濾過して2,3,5,6−テトラフルオロチオアセトアニリド(174.9g、88%)を得た。

【0029】
4,5,7−トリフルオロ−2−メチルベンゾチアゾール:
上部攪拌機を備える、火炎乾燥した5,000mLの丸底フラスコに水素化ナトリウム(15.9g、0.66モル)を装填し、無水トルエン(3,000mL、0.2M)で希釈した。懸濁物を0℃に冷却し、2,3,5,6−テトラフルオロチオアセトアニリド(134g、0.60モル)で1回処理した。溶液を1時間室温で加温し、次いで緩やかな還流で加熱した。30分後、ジメチルホルムアミド(400mL)を注意深く加え、混合物をさらに2時間攪拌した。溶液を0℃に冷却し、氷水(2,000mL)に加えた。溶液を酢酸エチル(1,500mL)で抽出し、塩水(1,000mL)で洗った。有機層を乾燥のため濃縮し、へプタンで希釈し、引き続き水(300mL)と飽和水性NaCl(1,000mL)で洗った。有機層をMgSO上で乾燥し、濾過し、濃縮して明るい褐色の固体として4,5,7−トリフルオロ−2−メチルベンゾチアゾール(116.8g、96%)を得た。

【0030】
2−アミノ−3,4,6−トリフルオロチオフェノール塩酸:
エチレングリコール(310mL、0.4M)と30%水性NaOH(310mL、0.4M)中の4,5,7−トリフルオロ−2−メチルベンゾチアゾール(25.0g、123ミリモル)を、窒素流を用いて脱ガスし、次いで緩やかな還流(125℃)で3時間加熱した。溶液を0℃に冷却し、濃HCl(約200mL)を用いてpH3〜4に酸性化した。溶液をエーテル(750mL)で抽出し、水(200mL)で洗った。有機層をNaSO上で乾燥し、濾過し、2,2−ジ−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール(0.135g、0.5モル%)で処理した。乾燥のため濃縮した後、粗生成物を無水メタノール(200mL)に溶解し、1,4−ジオキサン中のHCl溶液(37mL、4N、148ミリモル)で処理した。得られる混合物を乾燥のため濃縮し、イソプロピルエーテル(100mL)と共に粉砕し、濾過して明るい褐色の固体として2−アミノ−3,4,6−トリフルオロチオフェノール塩酸(19.3g、73%)を得て、さらに精製することなく使用した。

【0031】
3−シアノメチル−インドール−N−酢酸、エチルエステル:
窒素雰囲気の下で、乾燥アセトニトリル(530mL、0.3M)中の3−インドリルアセトニトリル(25.0g、160ミリモル)の溶液を水素化ナトリウム(95%、4.2g、168ミリモル)で処理し、30分間攪拌した。エチルブロモアセタート(21.3mL、192ミリモル)を10分間かけて滴下して加え、溶液を室温で16時間攪拌した。減圧下で濃縮した後、得られる残渣を酢酸エチルに溶解し、飽和水性NaClで洗った。有機抽出物をMgSO上で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をヘプタンと酢酸エチルから再結晶化し、目標化合物を白い結晶質固体(19g、49%)として得た。

【0032】
3−(4,5,7−トリフルオロベンゾチアゾール−2−イル)メチル−インドール−N−酢酸、エチルエステル:
窒素雰囲気の下で、無水エタノール(90mL、0.5M)中の3−アセトニトリル−インドール−N−酢酸、エチルエステル(11.0g、45.4ミリモル)溶液を2−アミノ−3,4,6−トリフルオロチオフェノール塩酸(12.7g、59.0ミリモル)で処理し、穏やかな還流で16時間加熱した。室温に冷却した後、溶液を減圧下で濃縮し、酢酸エチルで希釈し、2NのHClと飽和水性NaClで洗った。有機層をMgSO上で乾燥し、濾過し、濃縮した。MPLC(ヘプタン中10〜50%の酢酸エチル、23mL/分、150分間)による精製によって、白い結晶質固体として3−(4,5,7−トリフルオロベンゾチアゾール−2−イル)メチル−インドール−N−酢酸、エチルエステル(6.0g、36%)を得た。

【0033】
3−(4,5,7−トリフルオロベンゾチアゾール−2イル)メチル−インドール−N−酢酸:
1,2−ジメトキシエタン(73mL、0.2M)中の得られた3−(4,5,7−トリフルオロベンゾチアゾール−2イル)メチル−インドール−N−酢酸、エチルエステル(5.91g、14.6ミリモル)を0℃に冷却し、水性NaOH(1.25N、58mL、73.1ミリモル)に15分間かけて滴下して加えた。添加が完了した後、溶液を追加で30分間攪拌し、2NのHClでpH3に酸性化し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(200mL)に溶解し、塩水(30mL)で洗った。有機抽出物をNaSOの上で乾燥し、濾過し、濃縮した。得られる物質をヘプタン中で懸濁物として攪拌し、濾過し、乾燥して淡黄色の固体として3−(4,5,7−トリフルオロベンゾチアゾール−2イル)メチル−インドール−N−酢酸(5.38g、98%)を得た。

【0034】
3−(4,5,7−トリフルオロベンゾチアゾール−2イル)メチル−インドール−N−酢酸水和物(「式Iの水和物」):
淡黄色の3−(4,5,7−トリフルオロベンゾチアゾール−2イル)メチル−インドール−N−酢酸をアセトニトリル及び水から再結晶化して、白い結晶質固体として3−(4,5,7−トリフルオロベンゾチアゾール−2イル)メチル−インドール−N−酢酸(4.53g、92%)を得た。


実施例2
【0035】
実施例1の化合物をヒトのアルドース還元酵素の阻害剤としてのその効能、選択性、効力を試験した。効能すなわちアルドース還元酵素阻害剤効果を、ButeraらによってJ.Med.Chem.1989、32、757に記載された方法と類似の方法を用いて試験した。このアッセイを用いて、ヒトのアルドース還元酵素(hALR2)活性を阻害するのに必要な濃度は50%(IC50)であることが求められた。
【0036】
第2のアッセイでは、同じ化合物について、構造的に関連する酵素である、アルデヒド還元酵素(hALR1)を阻害する能力を試験した。用いた試験方法は、IshiiらによってJ.Med.Chem.1996、39、1924に記載された方法と本質的に同じであった。このアッセイを用いて、ヒトのアルデヒド還元酵素活性を阻害するのに必要な濃度は50%(IC50)であることが求められた。
【0037】
これらのデータから、hALR1/hALR2の比を求めた。アルドース還元酵素の阻害剤として、試験化合物の高い効能が望ましいので、hALR2のIC50値は低いことが要求される。他方、アルデヒド還元酵素の阻害剤として、試験化合物の高い効能は望ましくないので、hALR1のIC50値は高いことが要求される。したがって、hALR1/hALR2の比は試験化合物の選択性を求めるのに用いられる。この選択性の重要性について、J.Med.Chem.40:684、1997でKotaniらが述べている。
【0038】
これらの試験結果を組み合わせて表1に示す。
【0039】
【表1】

【0040】
上の結果は実施例1の優れた効能、選択性、及び効力を示している。この化合物は糖尿病性白内障、網膜症、神経障害など、真性糖尿病に起因する慢性合併症の処置に有用である。したがって、本発明の一態様はそれらの合併症を本発明の化合物で処置することであり、処置は予防と緩和の両方を含む。化合物は、例えば糖尿病性白内障、網膜症、腎症、神経症の処置に有用である。
実施例3
【0041】
実験の第3の組では、ストレプトゾトシン誘発糖尿病ラットの坐骨神経へのソルビトールの蓄積を標準化又は低減する実施例1の化合物の能力についてアッセイを行った。効力を求めるために用いた試験方法は、本質的にJ.Med.Chem.34:108、1991のMylariらの方法である。
【0042】
{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸一水和物は、投与量に関連して組織中のソルビトールの濃度を低減した。15日間のラットの坐骨神経の研究において、{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸一水和物は、1.3mg/kg/日のED50と、4.8mg/kg/日の投与量でソルビトール堆積の100%阻害を有していた。類似の有益な変化がフルクトース(濃度が低下した)及びミオイノシトール(濃度が上昇した)が同様に観察された。
【0043】
【表2】


実施例5
【0044】
3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸一水和物を、STZ糖尿病ラットモデルで8日間、既知のアルドース還元酵素阻害剤(ARI)ゼナレスタット(zenarestat)及びゾポレスタット(zopolrestat)と比較した。式Iの化合物は、10mg/kg/日の投与量で、ゼナレスタット及びゾポレスタットのいずれよりも顕著に坐骨神経と水晶体中のソルビトールの濃度を低下させる効能がある。
【0045】
【表3】


実施例6
【0046】
STZ糖尿病ラットの4週間の研究において、{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸一水和物は、投与量に関連して、坐骨神経における神経伝達速度(NCV)のポリオール誘発低減を阻害した。低下は、5、10、25mg/kg/日の投与量で、それぞれ14%、41%、79%阻害された。この活性は、STZ糖尿病ラットに3カ月間5、10、25mg/kg/日投与する、第2のより長い研究で確認された。データを以下に示す。
【0047】
【表4】


実施例7
【0048】
3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸一水和物は、NCV低下を阻害するゼナレスタット及びゾポレスタットの能力と比較して非常に有利である。3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸一水和物は、類似の投与量で、既知のARI化合物の殆ど2倍の活性を有する。データを以下に示す。
【0049】
【表5】

【0050】
医薬組成物
以下の組成物を主として実施例9の方法に従って作製する。
【0051】
組成物A
{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸一水和物、50mg錠剤
【0052】
【表6】

【0053】
組成物B
{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸一水和物、200mg錠剤
【0054】
【表7】

【0055】
組成物C
{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸一水和物、25mg錠剤
【0056】
【表8】

【0057】
組成物D
{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸一水和物、50mgカプセル
【0058】
【表9】

【0059】
組成物E
{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸一水和物、200mgカプセル
【0060】
【表10】

【0061】
組成物F
{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸一水和物、25mgカプセル
【0062】
【表11】


実施例9
【0063】
医薬組成物の製造
3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸一水和物は制御された室温(15〜30℃)で貯蔵される。
【0064】
以下は、錠剤当たり200mgの3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸一水和物を有する、約1,200個の完成錠剤のバッチサイズの典型的なプロセスの説明である。このプロセスは全体的に図1に示されている。
【0065】
(1)3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸一水和物、ラクトースファーストフロー、PVPを別々に計量し、風袋を計りラベルを付けた清浄なポリエチレンバッグに入れる。
(2)3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸一水和物、ラクトース、PVPをNiro−fielder PP1混合機で、回転翼速度500rpm、チョッパーなしで5分間混合する。
(3)精製水を、チョッパー(速度2に設定)を用い、500rpmで混合しながら、蠕動ポンプを用いて混合機に加える。水の量は約60mLである。水の添加は顆粒が良好に形成されるときに停止する。
(4)湿った顆粒を混合機からAeromatic流動床乾燥機に移し、70℃で水の含有量が1.0〜2.5%になるまで乾燥する。
(5)乾燥した顆粒をErweka AR400上で、1mmスクリーンを用いて篩にかける。
(6)約410グラムの顆粒が得られる。顆粒の重量を水の含有量で補正する。次いでクロスカルメローセナトリウムとステアリン酸マグネシウムの必要量を、顆粒の補正した重量に基づいて計算する。次いで顆粒とカルメローセナトリウムを、Turbula混合機で、中間速度に設定して6分間混合する。
(7)ステアリン酸マグネシウムを混合物に加え、最低速度の設定で4分間混合する。
(8)混合物をポリエチレンバッグに取り出す。
(9)混合物を10mmの通常の窪みパンチを備えるManesty F3錠剤プレスを用いて圧縮する。圧縮によって重量約330mg(±5%)の錠剤コアが形成される。
(10)コアの厚さと硬度を求め、コアを二重バッグに入れる。
(11)約400グラムの錠剤コアが得られ、Opadryと水の量を求める。Opadryと水をHeidolphマグネチック攪拌機を用いて30分間混合する。
(12)Aeromatic Strea 1を65℃に予備加熱する。噴霧銃に1mmのノズルセットを最小噴霧幅、最低の噴霧位置で設け、銃を中央に配置する。
(13)錠剤コアをStreaの中でファン設定を10にして15分間予備加熱する。Opadry溶液を天秤上のHeidolph攪拌機に入れ、蠕動ポンプからのチューブを溶液中に入れる。
(14)噴霧の最初の設定を、温度65℃、噴霧圧量1.2バール、ファン容量15、蠕動ポンプ設定7に調節する。
(15)コーティング工程を開始し、錠剤が均一にコーティングされるようにファン容量を調節する。噴霧速度は4〜5グラム/分に維持する。
(16)溶液のすべてを噴霧した後、錠剤を約65℃、ファン容量10で10分間乾燥する。次いで、錠剤を室温まで戻し、二重ポリエチレンバッグに貯蔵する。
【0066】
本発明及びそれを製造し使用する方法と工程は、関連する当技術分野の任意の当業者にそれの製造と使用が可能であるように、ここで完全に、明確に、簡潔に、及び正確な用語で説明されている。前述は、本発明の好ましい実施形態を説明するものであり、請求項に記載した本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、そこに修正を加えることができることを理解すべきである。発明としてみなされる主題を詳細に指摘し、明確に特許請求するために、冒頭の請求項を本明細書の結論とする。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の錠剤及びカプセルの製造プロセスを示すフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式の化合物の水和物。
【化1】

【請求項2】
{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸一水和物である化合物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の化合物の有効量と、少なくとも1種の薬学的に許容できる担体、溶媒、賦形剤、又は補助剤を含む医薬組成物。
【請求項4】
真性糖尿病に起因する慢性合併症を予防又は緩和する方法であって、そのような処置の必要な哺乳動物に、{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸、又は薬学的に許容できるその塩、又はその水和物である化合物を有効量投与することを含む方法。
【請求項5】
前記化合物が、{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸一水和物である請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記哺乳動物がヒトである請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記合併症が、糖尿病性白内障、網膜症、腎症、神経障害からなる群から選択される請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記合併症が糖尿病性白内障又は網膜症である請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記合併症が腎症又は神経障害である請求項5に記載の方法。
【請求項10】
経口投与用の前記治療有効量が体重1kg当たり1日約0.01mg〜100mgである請求項5に記載の処置方法。
【請求項11】
経口投与用の前記治療有効量が体重1kg当たり1日約0.025mg〜15mgである請求項10に記載の処置方法。
【請求項12】
経口投与用の前記治療有効量が体重1kg当たり1日約0.05mg〜10mgである請求項11に記載の処置方法。
【請求項13】
経口投与用の前記治療有効量が体重1kg当たり1日約0.05mg〜2.5mgである請求項10に記載の処置方法。
【請求項14】
前記化合物の有効量が、約1〜10mgの化合物を含む単位剤形の中に含まれる請求項5に記載の方法。
【請求項15】
前記単位剤形が、約0.5mg〜100mgの化合物を含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記単位剤形が、約1mg〜50mgの化合物を含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記単位剤形が、約1mg〜15mgの化合物を含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸又はその塩若しくは水和物である化合物を約0.05〜0.5mg/kg/日投与することを含む、組織中のソルビトールを低減させる方法。
【請求項19】
前記組織が、坐骨神経、水晶体、網膜、腎皮質又は腎髄質である請求項24に記載の方法。
【請求項20】
{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸又はその塩若しくは水和物である化合物を約0.05〜0.5mg/kg/日投与することを含む、組織中のフルクトース濃度を低減させる方法。
【請求項21】
{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸又はその塩若しくは水和物である化合物を約0.05〜0.5mg/kg/日投与することを含む、組織中のミオイノシトールを増加させる方法。
【請求項22】
{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸又はその塩若しくは水和物である化合物を約0.05〜0.5mg/kg/日投与することを含む、坐骨神経中の神経伝達速度のポリオール誘発低減を阻害する方法。
【請求項23】
{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸又はその塩若しくは水和物である化合物を約0.05〜0.5mg/kg/日投与することを含む、白内障形成を逆転させる方法。
【請求項24】
{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸又はその塩若しくは水和物である化合物を約0.05〜0.5mg/kg/日投与することを含む、白内障形成を予防する方法。
【請求項25】
前記単位剤形が約5mg〜10mgの化合物を含む請求項5に記載の方法。
【請求項26】
{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸一水和物、ラクトース、及びポリビニルピロリジノンを含む医薬組成物。
【請求項27】
前記組成物が顆粒に製剤される請求項26に記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記顆粒サイズが1.0mm未満である請求項27に記載の医薬組成物。
【請求項29】
錠剤の重量で、約5〜75%の{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸一水和物、約25〜85%のラクトース一水和物、約3〜6%のポリビニルピロリジノン、約2〜4%のクロスカルメローセナトリウム、及び約4〜8%のステアリン酸マグネシウムを含む錠剤形態の医薬組成物。
【請求項30】
約50mgの{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸一水和物、約248mgのラクトース一水和物、約16mgのポリビニルピロリジノン、約10mgのクロスカルメローセナトリウム、約6mgのステアリン酸マグネシウムを含む錠剤形態の医薬組成物。
【請求項31】
約200mgの{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸一水和物、約98mgのラクトース一水和物、約16mgのポリビニルピロリジノン、約10mgのクロスカルメローセナトリウム、約6mgのステアリン酸マグネシウムを含む錠剤形態の医薬組成物。
【請求項32】
約200mgの{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸一水和物、約98mgのラクトース一水和物、約16mgのポリビニルピロリジノンを含むカプセル形態の医薬組成物。
【請求項33】
前記カプセルが、{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸一水和物と、ラクトース一水和物と、ポリビニルピロリジノンとを混合した顆粒を含む請求項32に記載の医薬組成物。
【請求項34】
前記顆粒が、約1mmの平均サイズを有する請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項35】
{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸一水和物と、ラクトース一水和物と、ポリビニルピロリジノンとを混合した顆粒を形成することを含み、前記顆粒の平均サイズが約1mmである、請求項29から34までのいずれかに記載の医薬組成物を調製する方法。
【請求項36】
アセトニトリルと水の中の{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸の溶液を形成し、次いで請求項1に記載の化合物の結晶を形成させることを含む請求項1に記載の化合物を調製する方法。
【請求項37】
前記溶液が加熱される請求項36に記載の方法。
【請求項38】
約20〜30mgの{3−[(4,5,7−トリフルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)メチル]−1H−インドール−1−イル}酢酸一水和物、約270〜280mgのラクトース一水和物、約10〜20mgのポリビニルピロリジノン、約5〜15mgのクロスカルメローセナトリウム、約3〜10mgのステアリン酸マグネシウムを含む錠剤形態の医薬組成物。
【請求項39】
ヒト患者の組織中のソルビトール濃度を標準化する方法であって、そのような処置の必要な患者に請求項1に記載の化合物を有効量投与することを含む方法。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2006−500336(P2006−500336A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−524941(P2004−524941)
【出願日】平成15年7月28日(2003.7.28)
【国際出願番号】PCT/US2003/023527
【国際公開番号】WO2004/010944
【国際公開日】平成16年2月5日(2004.2.5)
【出願人】(504187102)ジ インスチチュート フォー ファーマシューティカル ディスカバリー、エルエルシー (10)
【Fターム(参考)】