説明

糖鎖アスパラギン誘導体およびその製造方法

下記式(1)で表される11〜3糖を有する糖鎖アスパラギン誘導体、


〔式中、RおよびRは、水素原子、明細書記載の式(2)〜(6)で示される基であり、同一でも異なっていてもよい。Qはビオチン基又はFITC基を示す。〕
ビオチン基又はFITC基でアスパラギンのアミノ基窒素が修飾された糖鎖アスパラギンの非還元末端側のN−アセチルグルコサミンに少なくとも1個以上のフコースを含む糖鎖アスパラギン誘導体、ビオチン化糖鎖アスパラギンを結合させたマイクロプレート、並びにビオチン化糖鎖アスパラギンを結合させたアフィニティーカラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明はビオチン化糖鎖アスパラギン、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)化糖鎖アスパラギン、それらの製造方法及びその用途に関する。
【背景技術】
近年、核酸(DNA)、タンパク質に続く第三の鎖状生命分子として、糖鎖分子が注目されてきている。ヒトの体は、約60兆個の細胞から成っている一大細胞社会であり、全ての細胞表面は糖鎖分子によって覆われている。例えば、ABO式血液型は細胞表面の糖鎖の違いにより決定されている。
糖鎖は、細胞間の認識や相互作用に関わる働きをもち、細胞社会を成り立たせる要となっている。細胞社会の乱れは、癌、慢性疾患、感染症、老化などにつながる。
例えば、細胞が癌化すると糖鎖の構造変化が起こることが分かっている。また、コレラ菌やインフルエンザウイルスなどは、ある特定の糖鎖を認識し結合することにより、細胞に侵入し感染することが知られている。
糖鎖は単糖の配列、結合様式・部位、鎖の長さ・分岐様式、全体の高次構造などの多様性から、核酸やタンパク質の構造と比べると非常に複雑な構造である。従って、その構造に由来する生物学的な情報は核酸やタンパク質に比べて多種多様である。糖鎖は、研究の重要性を認識されながらも、その構造の複雑さや多様性により、核酸やタンパク質に比べて研究の推進が遅れている状況にある。
上述のようにある特定の糖鎖とタンパク質とが認識し結合能を有しているかを解明することにより、新しい原理に基づく医薬品や食品の開発などをもたらし、病気の予防、治療に貢献するなど、幅広い応用が期待されている。
そこで、ビオチン・アビジンの結合特異性を利用し、ビオチン化した複数の糖鎖をアビジン化されたマイクロプレート上で反応させるだけで簡単に糖鎖マイクロチップを製造することができる。これにより、特定の糖鎖と結合能を有するタンパク質を解明することができる。
また、ある特定のタンパク質を分離精製する目的で、アビジン化したアフィニティーカラムに特定のビオチン化した糖鎖を結合し固定化し、そこに、ビオチン化した糖鎖と特異的結合能を有するタンパク質を含む混合物を通すことにより目的とするタンパク質のみを単離することができる。
またFITC化した糖鎖アスパラギンは、キャピラリー電気泳動法等により微量であっても単離することができる。更にそれからFITCをはずして糖鎖アスパラギン自身を単離することもできる。
本発明の課題は、アスパラギンのアミノ基窒素をビオチン化又はFITC化した糖鎖アスパラギン、その製造方法及びその用途を提供することにある。
【発明の開示】
本発明は、下記の発明に係る。
1.下記式(1)で表される11〜3糖を有する糖鎖アスパラギン誘導体。

〔式中、RおよびRは、水素原子、式(2)〜(6)で示される基であり、同一でも異なっていてもよい。Qはビオチン基又はFITC基を示す。〕

2.ビオチン基又はFITC基でアスパラギンのアミノ基窒素が修飾された糖鎖アスパラギンの非還元末端側のN−アセチルグルコサミンに少なくとも1個以上のフコースを含む糖鎖アスパラギン誘導体。
3.式(9)で表される11〜3糖を有する糖鎖アスパラギンをビオチン化することを特徴とするビオチン化糖鎖アスパラギンの製造方法。

〔式中、RおよびRは上記に同じ。〕
4.式(9)で表される11〜3糖を有する糖鎖アスパラギンをフルオレセインイソチオシアネート(FITC)化することを特徴とするFITC化糖鎖アスパラギンの製造方法。
5.上記のビオチン化糖鎖アスパラギンを結合させたマイクロプレート。
6.上記のビオチン化糖鎖アスパラギンを結合させたアフィニティーカラム。
本発明者は、先に特願2001−185685号(以下、先願という)において、種々の単離された糖鎖アスパラギン誘導体を従来に比べて非常に容易かつ大量に得ることができる、糖鎖アスパラギン誘導体、糖鎖アスパラギン、糖鎖の製造方法、更には糖残基が任意に欠失した糖鎖が結合した新規な糖鎖アスパラギン誘導体、糖鎖アスパラギン、糖鎖を開発した。
この先願の方法は例えば
(1) (a)1種もしくは2種以上の糖鎖アスパラギンを含む混合物に含まれる該糖鎖アスパラギンに脂溶性の保護基を導入して糖鎖アスパラギン誘導体混合物を得る工程、
ならびに
(b)該糖鎖アスパラギン誘導体混合物または該糖鎖アスパラギン誘導体混合物に含まれる糖鎖アスパラギン誘導体を加水分解して得られる混合物をクロマトグラフィーに供して各糖鎖アスパラギン誘導体を分離する工程、
を含む、糖鎖アスパラギン由来の糖鎖アスパラギン誘導体の製造方法、
(2) (b’)工程(b)で分離された糖鎖アスパラギン誘導体を糖加水分解酵素を用いて加水分解する工程をさらに含む前記(1)記載の糖鎖アスパラギン誘導体の製造方法、
(3) 1種もしくは2種以上の糖鎖アスパラギンを含む混合物が、下記式(A)の化合物および/または該化合物において1以上の糖残基が欠失した化合物を含むものである、前記(1)または(2)記載の糖鎖アスパラギン誘導体の製造方法、
(4) 脂溶性の保護基がフルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基である前記(1)〜(3)いずれか記載の糖鎖アスパラギン誘導体の製造方法、
(5) 工程(a)が、非還元末端にシアル酸残基を有する1種もしくは2種以上の糖鎖アスパラギンを含む混合物に含まれる該糖鎖アスパラギンにFmoc基を導入し、かつシアル酸残基にベンジル基を導入して糖鎖アスパラギン誘導体混合物を得る工程である、前記(1)〜(3)いずれか記載の糖鎖アスパラギン誘導体の製造方法、
(6) (a)1種もしくは2種以上の糖鎖アスパラギンを含む混合物に含まれる該糖鎖アスパラギンに脂溶性の保護基を導入して糖鎖アスパラギン誘導体混合物を得る工程、
(b)該糖鎖アスパラギン誘導体混合物または該糖鎖アスパラギン誘導体混合物に含まれる糖鎖アスパラギン誘導体を加水分解して得られる混合物をクロマトグラフィーに供して各糖鎖アスパラギン誘導体を分離する工程、ならびに
(c)工程(b)で分離された糖鎖アスパラギン誘導体の保護基を除去して糖鎖アスパラギンを得る工程、
を含む、糖鎖アスパラギンの製造方法、
(7) (b’)工程(b)で分離された糖鎖アスパラギン誘導体を糖加水分解酵素を用いて加水分解する工程、および/または
(c’)工程(c)で得られた糖鎖アスパラギンを糖加水分解酵素を用いて加水分解する工程、
をさらに含む、前記(6)記載の糖鎖アスパラギンの製造方法、
(8) 1種もしくは2種以上の糖鎖アスパラギンを含む混合物が、下記式(A)の化合物および/または該化合物において1以上の糖残基が欠失した化合物を含むものである、前記(6)または(7)記載の糖鎖アスパラギンの製造方法、
(9) 脂溶性の保護基がFmoc基である前記(6)〜(8)いずれか記載の糖鎖アスパラギンの製造方法、
(10) 工程(a)が、非還元末端にシアル酸残基を有する1種もしくは2種以上の糖鎖アスパラギンを含む混合物に含まれる該糖鎖アスパラギンにFmoc基を導入し、かつシアル酸残基にベンジル基を導入して糖鎖アスパラギン誘導体混合物を得る工程である、前記(6)〜(8)いずれか記載の糖鎖アスパラギンの製造方法などである。

これら糖鎖アスパラギン誘導体及び糖鎖アスパラギンの製造についての詳細は、上記先願に述べられているので、これを引用する。しかし若干先願の内容について述べると、先願の糖鎖アスパラギン誘導体の製造方法は、たとえば、天然の糖タンパク質に由来する糖鎖アスパラギン、好ましくはアスパラギン結合型糖鎖から得られる糖鎖アスパラギンの混合物に含まれる当該糖鎖アスパラギンに脂溶性の保護基を導入(結合)して糖鎖アスパラギン誘導体の混合物を得た後に当該混合物を各糖鎖アスパラギン誘導体に分離することを1つの大きな特徴とする。なお、本明細書において、「糖鎖アスパラギン」とはアスパラギンが結合した状態の糖鎖をいう。また、「アスパラギン結合型糖鎖」とはタンパク質のポリペプチド中のアスパラギン(Asn)の酸アミノ基に、還元末端に存在するN−アセチルグルコサミンがN−グリコシド結合した糖鎖群であって、Man(β1−4),GlcNac(β1−4)GlcNacを母核とする糖鎖群をいう。「糖鎖アスパラギン誘導体」とはアスパラギン残基に脂溶性の保護基が結合した状態の糖鎖アスパラギンをいう。また、化合物の構造式中、「AcHN」はアセトアミド基を示す。
前記するように、天然の糖タンパク質に由来する糖鎖は非還元末端の糖残基がランダムに欠失した糖鎖の混合物である。本発明者らは、意外にも天然の糖タンパク質に由来する糖鎖、具体的には糖鎖アスパラギンの混合物に含まれる当該糖鎖アスパラギンに脂溶性の保護基を導入することで、当該保護基が導入された糖鎖アスパラギン誘導体の混合物を公知のクロマトグラフィーの手法を用いて容易に個々の糖鎖アスパラギン誘導体に分離することができることを見出した。それにより、種々の構造を有する糖鎖アスパラギン誘導体をそれぞれ大量に調製することが可能となった。たとえば、従来分離が困難であった類似構造の糖鎖アスパラギン誘導体同士の分離が可能となり、それらの化合物を各々、容易かつ大量に調製することができる。また、得られた糖鎖アスパラギン誘導体を元に、たとえば、糖加水分解酵素を順次作用させて糖残基を除去することにより、さらに様々な糖鎖アスパラギン誘導体を合成することもできる。
このように、糖鎖アスパラギンに脂溶性の保護基を導入して誘導体化することにより個々の糖鎖アスパラギン誘導体の分離が可能となったが、これは、脂溶性の保護基を導入したことにより糖鎖アスパラギン誘導体の全体の脂溶性が高まり、たとえば、好適に使用される逆相系カラムとの相互作用が格段に向上し、その結果、より鋭敏に糖鎖構造の差を反映して個々の糖鎖アスパラギン誘導体が分離されるようになったことによると考えられる。
さらに、先願によれば、得られた糖鎖アスパラギン誘導体の保護基を除去することにより種々の糖鎖アスパラギンを、人工的に容易かつ大量に得ることができる。
上記先願で得られる糖鎖アスパラギン誘導体、糖鎖アスパラギン及び糖鎖はいずれもα2,6結合体のものであった。
また、上記先願で得られる糖鎖アスパラギン誘導体、糖鎖アスパラギン及び糖鎖はいずれもフコースが結合していない糖鎖アスパラギン誘導体であった。
ここで、α2,3結合体とα2,6結合体の相異について以下に説明する。
α2,3結合体、α2,6結合体とは、シアル酸とガラクトースとの結合様式を表わすものである。前者は、シアル酸の2位の炭素と、ガラクトースの3位の炭素がα結合しているものをいい、後者は、シアル酸の2位の炭素と、ガラクトースの6位の炭素がα結合しているものをいう。これらは、ガラクトースとの結合炭素の違いではある。
本発明の方法においては先ず、出発化合物である脂溶性の保護基で保護された糖鎖アスパラギン(9糖−Asn−Fmoc)をシアル酸転移酵素を用いてシアル酸あるいはシアル酸の誘導体を転移させ、得られた脂溶性の保護基で保護された糖鎖アスパラギンをクロマトグラフィーに供することにより分離し、脂溶性の保護基で保護されたジシアロ糖鎖アスパラギン誘導体および2種のモノシアロ糖鎖アスパラギン誘導体が得られる。
次いで、得られたジシアロ糖鎖アスパラギン誘導体および2種のモノシアロ糖鎖アスパラギン誘導体を糖加水分解することにより、シアル酸あるいはシアル酸誘導体を有する9〜7糖鎖アスパラギン誘導体が得られる。
また、上記で得られた11〜7糖鎖アスパラギン誘導体やジシアロ糖鎖アスパラギン(α2,6−11糖−Asn−Fmoc)を出発原料としそれを糖加水分解することにより得られる10〜6糖鎖アスパラギン誘導体に、糖転移酵素によりフコースを転移することによりフコースを含む13〜7糖鎖アスパラギン誘導体が得られる。
当該保護基としては特に限定されるものではなく、例えば、Fmoc基やt−ブチルオキシカルボニル(Boc)基、ベンジル基、アリル基、アリルオキシカルボニル基、アセチル基等の、カーボネート系またはアミド系の保護基等を使用することができる。得られた糖鎖アスパラギン誘導体を直ちに所望の糖ペプチドの合成に使用できるという観点から、当該保護基としては、Fmoc基またはBoc基などが好ましく、Fmoc基がより好ましい。Fmoc基はシアル酸等比較的酸性条件に不安定な糖が糖鎖に存在する場合に特に有効である。また、保護基の導入は公知の方法(たとえば、Protecting groups in Organic chemistry,John Wiley & Sons INC.,New York 1991,ISBN 0−471−62301−6を参照)に従って行えばよい。
たとえば、Fmoc基を用いる場合、糖鎖アスパラギンに対しアセトンを適量加えた後、さらに9−フルオレニルメチル−N−スクシニミヂルカーボネートと炭酸水素ナトリウムを加えて溶解し、25℃にてアスパラギン残基へのFmoc基の結合反応を行うことにより、当該糖鎖アスパラギンのアスパラギン残基にFmoc基を導入することができる。
以上の操作により、脂溶性の保護基が導入された糖鎖アスパラギン誘導体が得られる。
シアル酸としては、一般に市販されているシアル酸あるいは化学合成したものを用いることができる。
シアル酸の誘導体としては、一般に市販されているシアル酸の誘導体あるいは化学合成したものを用いることができる。具体的には、シアル酸の7位、8位あるいは9位の炭素に結合している水酸基を水素原子あるいはハロゲン原子で置換したものを挙げることができる。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素等を挙げることができるが、好ましくはフッ素がよい。
シアル酸転移酵素としては、一般に市販されているもの、天然由来のもの、遺伝子組換えにより生産されたものを用いることができ、転移させるシアル酸あるいはシアル酸の誘導体の種類により適宜選択することができる。具体的には、α2,3転移酵素であるRat Recombinant由来のもの、α2,6転移酵素であるRat Liver由来のものを挙げることができる。また、シアリターゼをもちいてpH調整等により平衡をずらすことにより、シアル酸あるいはシアル酸の誘導体を転移させてもよい。
上記糖鎖アスパラギン誘導体のクロマトグラフィーによる分離は、適宜、公知のクロマトグラフィーを単独でまたは複数組み合わせて用いることにより行うことができる。
たとえば、得られた糖鎖アスパラギン誘導体混合物をゲル濾過カラムクロマトグラフィーで精製後、HPLCを用いて精製する。HPLCにおいて用い得るカラムとしては逆相系のカラムが好適であり、たとえば、ODS、Phenyl系、ニトリル系や、陰イオン交換系のカラム、具体的には、たとえば、ファルマシア社製モノQカラム、イヤトロン社製イアトロビーズカラムなどが利用可能である。分離条件等は適宜、公知の条件を参照して調整すればよい。以上の操作により、糖鎖アスパラギン誘導体混合物から所望の各糖鎖アスパラギン誘導体を得ることができる。
次に、上記で分離された糖鎖アスパラギン誘導体を加水分解することにより、所望の糖鎖構造を有する糖鎖アスパラギン誘導体を効率的に得ることができる。たとえば、糖鎖アスパラギン誘導体を分離する段階においては混合物に含まれる糖鎖アスパラギン誘導体の種類を制限して糖鎖アスパラギン誘導体を大まかに分離し、次いで加水分解、たとえば、糖加水分解酵素を用いて加水分解することにより所望の糖鎖構造を有する糖鎖アスパラギン誘導体を効率的に得ることができる。なお、加水分解は前記と同様にして行うことができる。特に、所望の糖鎖構造を有する糖鎖アスパラギン誘導体をより効率的に得る観点から、糖残基の切断様式が明確な糖加水分解酵素を用いて加水分解するのが好ましい。
たとえば、ガラクトース残基の除去は、加水分解される化合物を緩衝液(たとえば、リン酸緩衝溶液、酢酸緩衝溶液、グッド緩衝溶液など)に溶かし、公知の条件に従ってガラクトース加水分解酵素を用いてガラクトース残基の切断反応を行うことにより成し得る。なお、加水分解される化合物は各々単離されたものであっても混合物であってもよい。この反応で用いるガラクトース加水分解酵素は市販されている公知のエキソ型の酵素を利用するのが好ましい。また、同様の活性を有するものであれば、新たに単離された酵素、遺伝子工学的に創製された酵素であってもよい。次いで、前記と同様にして、反応後に得られる反応液(糖残基が切断された糖鎖アスパラギン誘導体の混合物)をクロマトグラフィーに供し、各糖鎖アスパラギン誘導体を得ればよい。たとえば、分離はHPLC(ODSカラム、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=82:18)で行うのが好ましい。
N−アセチルグルコサミン残基の除去は、加水分解される化合物を緩衝液(たとえば、リン酸緩衝溶液、酢酸緩衝溶液、グッド緩衝溶液など)に溶かし、公知の条件に従ってN−アセチルグルコサミン加水分解酵素を用いてN−アセチルグルコサミン残基の切断反応を行うことにより成し得る。また、N−アセチルヘキソサミニダーゼ加水分解酵素を用いてもよい。なお、加水分解される化合物は各々単離されたものであっても混合物であってもよい。この反応で用いる各酵素は市販されているエキソ型の酵素を利用するのが好ましい。また、同様の活性を有するものであれば、新たに単離された酵素、遺伝子工学的に創製された酵素であってもよい。次いで、前記と同様にして、反応後に得られる反応液(糖残基が切断された糖鎖アスパラギン誘導体の混合物)をクロマトグラフィーに供し、各糖鎖アスパラギン誘導体を得ればよい。たとえば、分離はHPLC(ODSカラム、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:メタノール=65:35または50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=82:18)で行うのが好ましい。
マンノース残基の除去は、加水分解される化合物を緩衝液(たとえば、リン酸緩衝溶液、酢酸緩衝溶液、グッド緩衝溶液など)に溶かし、公知の条件に従ってマンノース加水分解酵素を用いてマンノース残基の切断反応を行うことにより成し得る。なお、加水分解される化合物は各々単離されたものであっても混合物であってもよい。この反応で用いるマンノース加水分解酵素は市販されているエキソ型の酵素を利用するのが好ましい。また、同様の活性を有するものであれば、新たに単離された酵素、遺伝子工学的に創製された酵素であってもよい。次いで、前記と同様にして、反応後に得られる反応液(糖残基が切断された糖鎖アスパラギン誘導体の混合物)をクロマトグラフィーに供し、各糖鎖アスパラギン誘導体を得ればよい。たとえば、分離はHPLC(ODSカラム、展開溶媒は、10〜200mM程度の酢酸アンモニウムなどの緩衝溶液とアセトニトリル、あるいはエタノール、あるいはメタノール、あるいはブタノール、あるいはプロパノールなどの脂溶性のある水溶性有機溶剤を適宜混ぜて用いることができる。ここに例示する場合、展開溶媒としては50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=82:18が好適である)で行うのが好ましい。
このようにして得られた各糖鎖アスパラギン誘導体を得た後、フコースを転移させることにより本発明の脂溶性の保護基でアスパラギンのアミノ基窒素が保護された糖鎖アスパラギンの非還元末端側のN−アセチルグルコサミンに少なくとも1個以上のフコースを含む新規な糖鎖アスパラギン誘導体を製造することができる。
フコースとしては、一般に市販されているフコースあるいは化学合成したものを用いることができる。
フコース転移酵素としては、一般に市販されているもの、天然由来のもの、遺伝子組換えにより生産されたものを用いることができ、転移させるフコースの種類により適宜選択することができる。具体的には、糖鎖アスパラギンの非還元末端側のN−アセチルグルコサミンにフコースを転移させる酵素であるFucosyltransferase V(Human,Recombinant、血漿由来、血清由来、乳汁由来、肝臓由来)などを挙げることができる。また、フコース加水分解酵素を用いてpH調整等により平衡ずらすことにより、フコースを転移させてもよい。
上記糖鎖アスパラギン誘導体のクロマトグラフィーによる分離は、適宜、公知のクロマトグラフィーを単独でまたは複数組合せて用いることにより行うことができる。
たとえば、得られた糖鎖アスパラギン誘導体混合物をゲル濾過カラムクロマトグラフィーで精製後、HPLCを用いて精製する。HPLCにおいて用い得るカラムとしては逆相系のカラムが好適であり、たとえば、ODS、Phenyl系、ニトリル系や、陰イオン交換系のカラム、具体的には、たとえば、ファルマシア社製モノQカラム、イヤトロン社製イアトロビーズカラムなどが利用可能である。分離条件等は適宜、公知の条件を参照して調整すればよい。以上の操作により、糖鎖アスパラギン誘導体混合物から所望の各糖鎖アスパラギン誘導体を得ることができる。
このように、各糖鎖アスパラギン誘導体を得た後、さらに各種糖加水分解酵素等を用いて当該誘導体を加水分解し、糖鎖の非還元末端の糖残基を除去することにより、たとえば、糖鎖の末端の分岐構造が不均一な様々な糖鎖アスパラギン誘導体をそれぞれ単一化合物として得ることができる。また、種々の糖加水分解酵素を用い、加水分解する順番やその種類を変えることで、より多くの種類の糖鎖アスパラギン誘導体を製造することができる。
従来の方法によれば、極限られた糖鎖構造を有する糖鎖アスパラギン誘導体を分析スケールで得るのにさえ膨大な時間とコストが必要であったが、本発明によれば、特別の装置や試薬を必要とすることなく、慣用のゲルろ過カラム、HPLCカラムや、少なくとも3種類の糖加水分解酵素(たとえば、ガラクトース加水分解酵素、マンノース加水分解酵素、N−アセチルグルコサミン加水分解酵素)等を使って、2週間程度で所望の糖鎖構造を有する糖鎖アスパラギン誘導体を1グラム程度調製することが可能である。
本発明では、上記先願で得られた各種の糖鎖アスパラギン、上記先願に記載のないα2,3結合体の糖鎖アスパラギン、並びに(α2,3)(α2,6)結合体の糖鎖アスパラギン、更にはこれらのフコース結合体の糖鎖アスパラギンを用いて、目的とするビオチン化又はFITC化した糖鎖アスパラギン誘導体を得るものである。
本発明は、糖鎖アスパラギンのアミノ基窒素をビオチン化又はFITC化した糖鎖アスパラギンである。
本発明のビオチン化糖鎖アスパラギンとしては、例えば、下記式で表される化合物を挙げることができる。

〔式中、RおよびRは、H、又は式(2)〜(6)で示される基であり、同一でも異なっていてもよい。〕
本発明のFITC化糖鎖アスパラギンとしては、例えば、下記式で表される化合物を挙げることができる。

〔式中、RおよびRは上記と同じである。〕
また、本発明は、糖鎖アスパラギンのアミノ基窒素をビオチン化又はFITC化したビオチン化又はFITC化糖鎖アスパラギンの製造方法である。
本発明のビオチン化又はFITC化糖鎖アスパラギンの製造方法としては、例えば、上記に示した種々の単離された糖鎖アスパラギンのアスパラギンのアミノ基窒素をビオチン化又はFITC化することにより得ることができる。
本発明で使用される糖鎖アスパラギンとしては、例えば、式(7)で表される化合物を挙げることができる。

(式中、RおよびRは上記に同じ。)
具体的な糖鎖アスパラギンとしては、先願に記載された化合物を挙げることができる。即ち、先願の第3〜4図に示されたα2,6化合物を同様に用いることができ、記号化したこれら化合物を本発明の表1〜3に示す。
また上記糖鎖アスパラギンを合成するために用いられた糖鎖アスパラギン誘導体としても、先願に記載されたα2,6化合物を挙げることができる。即ち、先願の第1〜2図に示された化合物を同様に用いることができ、記号化したこれら化合物を本発明の表4〜6に示す。
また上記先願に記載された糖鎖アスパラギン以外に、α2,3結合体の糖鎖アスパラギン、並びに(α2,3)(α2,6)結合体の糖鎖アスパラギン、更にはこれらのフコース結合体の糖鎖アスパラギンを用いることができる。
本発明のビオチン化としては、公知の方法に従って行うことができる。例えば、糖鎖アスパラギンを水に溶かし重炭酸ナトリウムを加え、ここに、D−(+)−ビオチニルスクシンイミドを溶かしたジメチルホルムアミドを加え、室温で20分反応させ、ゲルろ過カラム等で精製し、ビオチン化糖鎖アスパラギンを得ることができる。
本発明のビオチン化糖鎖アスパラギンを結合させたマイクロプレートは、市販のアビジン化したマイクロプレート(例えば、ピアス社製)に、ビオチン化した糖鎖アスパラギンを反応させることにより製造することができる。
また、本発明のビオチン化糖鎖アスパラギンを結合させたアフィニティーカラムは、市販のアビジン化したアフィニティーカラムに、ビオチン化した糖鎖アスパラギンを反応させることにより製造することができる。
本発明のFITC化としては、公知の方法に従って行うことができる。例えば、糖鎖アスパラギンを水に溶かし、アセトン、重炭酸ナトリウムを加え、ここに、フルオレセインイソチオシアネートを加え、室温で2時間反応させ、ゲルろ過カラム等で精製し、FITC化糖鎖アスパラギンを得ることができる。
本発明で得られたFITC化糖鎖アスパラギンは、例えば生体組織中の糖類の受容体の研究、レクチンの糖結合特異性の研究に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下に実施例を挙げて説明するが、本発明は何らこれら実施例に限定されるものではない。なお、H−NMRのデータは、実施例1〜7及び参考例45については30℃でHODを4.8ppmとして、参考例1〜44については30℃で内部標準としてアセトンのメチル基のシグナルを2.225ppm、HODを4.718ppmとして測定して得られた値である。また、Fmoc基が除去された化合物については測定溶媒中に50mMの炭酸水素アンモニウムを共存させて測定した。
参考例1 ジシアロ糖鎖アスパラギン(化合物24)の合成
卵由来粗精製SGP(シアリルグリコペプチド)2.6gをトリス−塩酸・塩化カルシウム緩衝溶液(TRIZMA BASE 0.05mol/l、塩化カルシウム0.01mol/l、pH7.5)100mlに溶解させた。これにアジ化ナトリウム58mg(772μmol)とアクチナーゼ−E(科研製薬社製)526mgを加え、37℃で静置した。65時間後、再びアクチナーゼ−Eを263mg加え、更に37℃で24時間静置した。この溶液を凍結乾燥した後、残留物をゲル濾過カラムクロマトグラフィー(Sephadex G−25、2.5φ×1m、展開溶媒は水、流速は1.0ml/min・)で2回精製し、化合物24を1.3g(555μmol)得た。
得られた化合物24の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(DO,30℃)
5.15(1H,s,Man4−H1),5.06(1H,d,GlcNAc1−H1),4.95(1H,s,Man4’−H1),4.82(1H,s,Man3−H1),4.69(1H,d,GlcNAc2−H1),4.67(2H,d,GlcNAc5,5’−H1),4.53(2H,d,Gal6,6’−H1),4.34(1H,d,Man3−H2),4.27(1H,d,Man4’−H2),4.19(1H,d,Man4−H2),3.03(1H,dd,Asn−βCH),3.00(1H,dd,Asn−βCH),2.76(2H,dd,NeuAc7,7’−H3eq),2.15(18H,s×6,−Ac),1.79(2H,dd,NeuAc7,7’−H3ax)

参考例2 化合物1、2、6および10の合成
参考例1で得られた化合物24(609mg,261μmol)を水20.7mlに溶解させ、さらに0.1規定塩酸13.8mlを加えた。この溶液を70℃で35分間加熱した後速やかに氷冷し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えpH7とした。これを凍結乾燥した後、残留物をゲル濾過カラムクロマトグラフィー(Sephadex G−25、2.5φ×1m、展開溶媒は水、流速は1.0ml/min・)で精製したところ、化合物24、化合物25および29、化合物33の混合物534mgを得た。この4成分はそれぞれを単離することなく次の工程に進めた。
なお、得られた糖鎖混合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(DO,30℃)
5.13(s,Man4−H1),5.12(s,Man4−H1),5.01(d,GlcNAc1−H1),4.94(s,Man4’−H1),4.93(s,Man4’−H1),4.82(s,Man3−H1),4.60(d,GlcNAc2−H1),4.58(d,GlcNAc5,5’−H1),4.47(dd,Gal6,6’−H1),4.44(d,Gal6,6’−H1),4.24(d,Man3−H2),4.19(d,Man4’−H2),4.11(d,Man4−H2),2.97(bdd,Asn−βCH),2.72(dd,NeuAc7−H3eq,NeuAc7−H3eq),2.64(bdd,Asn−βCH),2.15(s×5,−Ac),1.79(dd,NeuAc7−H3ax,NeuAc7’−H3ax)
得られた糖鎖の混合物429mgをアセトン16.3mlと水11.2mlに溶解させた。ここに9−フルオレニルメチル−N−スクシニミヂルカーボネート(155.7mg,461.7μmol)と炭酸水素ナトリウム(80.4mg,957μmol)を加え、室温で2時間攪拌した。この溶液をエバポレーターに供してアセトンを除き、残りの溶液をゲル濾過カラムクロマトグラフィー(Sephadex G−25、2.5φ×1m、展開溶媒は水、流速は1.0ml/min・)で精製したところ、化合物1、化合物2および6、化合物10の混合物309mgが得られた。この混合物をHPLC(ODSカラム、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:メタノール=65:35、2.0φ×25cm、流速3ml/min)を用いて精製したところ、51分後に化合物1が、67分後に化合物2および6の混合物が、93分後に化合物10が溶出した。それぞれを取り分け凍結乾燥を行った後、ゲル濾過カラムクロマトグラフィー(Sephadex G−25、2.5φ×30cm、展開溶媒は水、流速は1.0ml/min・)で脱塩することで目的の化合物2および6の混合物150mgを得た。
なお、得られた化合物1の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(DO,30℃)
7.99(2H,d,Fmoc),7.79(2H,d,Fmoc),7.55(4H,m,Fmoc),5.15(1H,s,Man4−H1),5.06(1H,d,GlcNAc1−H1),4.95(1H,s,Man4’−H1),4.82(1H,s,Man3−H1),4.69(1H,d,GlcNAc2−H1),4.67(2H,d,GlcNAc5,5’−H1),4.53(2H,d,Gal6,6’−H1),4.34(1H,d,Man3−H2),4.27(1H,d,Man4’−H2),4.19(1H,d,Man4−H2),3.03(1H,bdd,Asn−βCH),3.00(1H,bdd,Asn−βCH),2.76(2H,dd,NeuAc7,7’−H3eq),2.15(18H,s×6,−Ac),1.79(2H,dd,NeuAc7,7’−H3ax);HRMS Calcd for C103154NaO66[M+Na+]2581.8838,found,2581.8821

上記の糖鎖の構造を記号化すると次のようになる。ここで
NeuAc:シアル酸 Gal:D−ガラクトース GlcNAc:N−アセチルグルコサミン Man:D−マンノース Asn:アスパラギン
を示す。

また、得られた化合物2および6の混合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(DO,30℃)
7.99(d,Fmoc),7.79(d,Fmoc),7.55(m,Fmoc),5.14(s,Man4−H1),5.12(s,Man4−H),5.00(d,GlcNAc1−H1),4.94(s,Man4’−H1),4.93(s,Man4’−H1),4.82(s,Man3−H1),4.60(d,GlcNAc2−H1),4.58(d,GlcNAc5,5’−H1),4.46(dd,Gal6,6’−H1),4.44(d,Gal6,6’−H1),4.24(d,Man3−H2),4.19(d,Man4’−H2),4.11(d,Man4−H2),2.97(bdd,Asn−βCH),2.72(dd,NeuAc7−H3eq,NeuAc7−H3eq),2.64(bdd,Asn−βCH),2.15(s×5,−Ac),1.79(dd,NeuAc7−H3ax,NeuAc7’−H3ax)
また、得られた化合物10の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(DO,30℃)
7.99(2H,d,Fmoc),7.79(2H,d,Fmoc),7.55(4H,m,Fmoc),5.12(1H,s,Man4−H1),5.06(1H,d,GlcNAc1−H1),4.93(1H,s,Man4’−H1),4.82(1H,s,Man3−H1),4.69(1H,d,GlcNAc2−H1),4.67(2H,d,GlcNAc5,5’−H1),4.53(2H,d,Gal6,6’−H1),4.34(1H,d,Man3−H2),4.27(1H,d,Man4’−H2),4.19(1H,d,Man4−H2),3.03(1H,bdd,Asn−βCH),3.00(1H,bdd,Asn−βCH),2.15(12H,s×4,−Ac);HRMS Calcd for C81120NaO50[M+Na+]1999.6930,found,1999.6939
参考例3 化合物3および7の合成
参考例2で得られた化合物2および6の混合物(224mg,97μmol)とウシ血清アルブミン24mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH6.0)22mlに溶解させ、さらにDiplococcus pneumoniae由来β−ガラクトシダーゼ(1.35U)を加えた。この溶液を37℃で15時間静置した後、凍結乾燥を行った。残留物をHPLC(ODSカラム、2.0φ×25cm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=85:15、流速3ml/min)で精製したところ、129分後に化合物3が、134分後に化合物7が溶出した。それぞれを取り分け、凍結乾燥を行った。続いてHPLC〔ODSカラム、2.0φ×25cm、展開溶媒は最初の15分間が水、16分後から30分後までは水:アセトニトリル(容量比)=10:0から85:15、31分後から45分後までは水:アセトニトリル=85:15から80:20になるようにグラジエントを掛けた。流速は3.0ml/min・〕を用いて脱塩処理を行ったところ、目的とする化合物3が81mg、化合物7が75mg得られた。
なお、得られた化合物3の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(DO,30℃)
7.99(2H,d,Fmoc),7.79(2H,d,Fmoc),7.55(4H,m,Fmoc),5.15(1H,S,Man4−H1),5.06(1H,d,GlcNAc1−H1),4.95(1H,s,Man4’−H1),4.82(1H,s,Man3−H1),4.69(1H,d,GlcNAc2−H1),4.67(2H,d,GlcNAc5,5’−H1),4.53(1H,d,Gal6’−H1),4.34(1H,d,Man3−H2),4.27(1H,d,Man4’−H2),4.19(1H,d,Man4−H2),2.97(1H,bdd,Asn−βCH),2.76(1H,dd,NeuAc7’−H3eq),2.61(1H,bdd,Asn−βCH),2.15(15H,s×5,−Ac),1.79(1H,dd,NeuAc7’−H3ax);HRMS Calcd for C86127NaO53[M+Na+]2128.7356,found,2128.7363
また、得られた化合物7の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(DO,30℃)
7.99(2H,d,Fmoc),7.79(2H,d,Fmoc),7.55(4H,m,Fmoc),5.15(1H,S,Man4−H1),5.06(1H,d,GlcNAc1−H1),4.95(1H,s,Man4’−H1),4.82(1H,s,Man3−H1),4.69(1H,d,GlcNAc2−H1),4.67(2H,d,GlcNAc5,5’−H1),4.53(1H,d,Gal6−H1),4.34(1H,d,Man3−H2),4.27(1H,d,Man4’−H2),4.19(1H,d,Man4−H2),2.97(1H,bdd,Asn−βCH),2.76(1H,dd,NeuAc7−H3eq),2.60(1H,bdd,Asn−βCH),2.15(15H,s×5,−Ac),1.79(1H,dd,NeuAc7−H3ax);HRMS Calcd for C86125Na53[M+Na+]2172.6995,found,2172.7084
参考例4 化合物4および8の合成
参考例3で得られた化合物3および7の混合物(90mg,47.3μmol)をそれぞれ分離することなく、ウシ血清アルブミン8mgと共にHEPES緩衝溶液(50mM,pH6.0)8.1mlに溶解させ、さらにBovine kidney由来β−グルコサミニダーゼ(シグマアルドリッチ社製、from Bovine kidney)を2.88U加えた。この溶液を37℃で18時間静置した後凍結乾燥し、残留物をHPLC(ODSカラム、2.0φ×25cm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:メタノール=65:35、流速3ml/min)で精製したところ、117分後に化合物4が、127分後に化合物8が溶出した。それぞれを取り分け、凍結乾燥を行った。続いてHPLC(ODSカラム、2.0φ×25cm、展開溶媒は最初の15分間が水、16分後から30分後までは水:アセトニトリル=10:0から85:15、31分後から45分後までは水:アセトニトリル=85:15から80:20になるようにグラジエントを掛けた。流速は3.0ml/min・)を用いて脱塩処理を行ったところ、目的とする化合物4が40mg、化合物8が37mg得られた。
なお、得られた化合物4の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(DO,30℃)
8.01(2H,d,Fmoc),7.80(2H,d,Fmoc),7.56(4H,m,Fmoc),5.22(1H,s,Man4−H1),5.08(1H,d,GlcNAc1−H1),4.94(1H,s,Man4’−H1),4.84(1H,s,Man3−H1),4.69(1H,d,GlcNAc2−H1),4.67(1H,d,GlcNAc5−H1),4.55(1H,d,Gal6−H1),4.33(1H,dd,Man3−H2),4.20(1H,dd,Man4−H2),4.15(1H,dd,Man4’−H2),2.97(1H,bdd,Asn−βCH),2.76(2H,dd,NeuAc7,7’−H3eq),2.62(1H,bdd,Asn−βCH),2.15(12H,s×4,−Ac),1.79(2H,dd,NeuAc7,7’−H3ax);HRMS Calcd for C78114NaO48[M+Na+]1925.6562,found,1925.6539
また、得られた化合物8の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(DO,30℃)
7.99(2H,d,Fmoc),7.79(2H,d,Fmoc),7.55(4H,m,Fmoc),5.15(1H,S,Man4−H1),5.06(1H,d,GlcNAc1−H1),4.95(1H,s,Man4’−H1),4.82(1H,s,Man3−H1),4.69(1H,d,GlcNAc2−H1),4.67(2H,d,GlcNAc5,5’−H1),4.53(2H,d,Gal6,6’−H1),4.34(1H,d,Man3−H2),4.27(1H,d,Man4’−H2),2.97(1H,bdd,Asn−βCH2),2.76(1H,dd,NeuAc7’−H3eq),2.61(1H,bdd,Asn−βCH2),2.15(12H,s×4,−Ac),1.79(1H,dd,NeuAc7’−H3ax);HRMS Calcd for C78114NaO48[M+Na+]1925.6562,found,1925.6533
参考例5 化合物5の合成
参考例4で得られた化合物4(30mg,473μmol)とウシ血清アルブミン3mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH6.0)6mlに溶解させ、さらにJack Beans由来α−マンノシダーゼを10U加えた。この溶液を37℃で21時間静置した後凍結乾燥し、続いてHPLC(ODSカラム、2.0φ×25cm、展開溶媒は最初の15分間が水、16分後から30分後までは水:アセトニトリル=10:0から85:15、31分後から45分後までは水:アセトニトリル=85:15から80:20になるようにグラジエントを掛けた。流速は3.0ml/min・)を用いて精製したところ、目的とする化合物5が20mg得られた。
なお、得られた化合物5の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(DO,30℃)
8.01(2H,d,Fmoc),7.80(2H,d,Fmoc),7.56(4H,m,Fmoc),5.00(1H,d,GlcNAc1−H1),4.95(1H,s,Man4’−H1),4.84(1H,s,Man3−H1),4.67(1H,d,GlcNAc2−H1),4.56(1H,d,GlcNAc5−H1),4.44(1H,d,Gal6−H1),4.11(1H,dd,Man4’−H2),4.07(1H,dd,Man3−H2),2.97(1H,bdd,Asn−βCH),2.76(1H,dd,NeuAc7’−H3eq),2.62(1H,bdd,Asn−βCH),2.15(12H,s×4,−Ac),1.79(2H,dd,NeuAc7’−H3ax);HRMS Calcd for C7210NaO43[M+Na+]1763.6034,found,1763.6074
参考例6 化合物9の合成
参考例4で得られた化合物8(40mg,630μmol)とウシ血清アルブミン5gをHEPES緩衝溶液(50mM,pH6.0)7.8mlに溶解させ、Jack Beans由来α−マンノシダーゼを38U加えた。この溶液を37℃で63時間静置した後凍結乾燥し、続いてHPLCC(ODSカラム、2.0φ×25cm、展開溶媒は最初の15分間が水、16分後から30分後までは水:アセトニトリル=10:0から85:15、31分後から45分後までは85:15から80:20になるようにグラジエントを掛けた。流速は3.0ml/min)を用いて精製したところ、目的とする化合物9が30mg得られた。
なお、得られた化合物9の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(DO,30℃)
8.01(2H,d,Fmoc),7.80(2H,d,Fmoc),7.56(4H,m,Fmoc),5.23(1H,s,Man4−H1),5.08(1H,d,GlcNAc1−H1),4.53(1H,d,Gal6−H1),4.32(1H,dd,Man3−H2),4.28(1H,dd,Man4−H2),2.81(1H,bdd,Asn−βCH),2.76(1H,dd,NeuAc7−H3eq),2.59(1H,bdd,Asn−βCH),2.13(12H,s×4,−Ac),1.80(1H,dd,NeuAc7H3ax);HRMS Calcd for C72104NaO43[M+Na+]1763.6034,found,1763.6041
参考例7 Fmoc基の脱保護(化合物33の合成)
参考例2で得られた化合物10(10.5mg,5.27μmol)を50%モルホリン/N,N−ジメチルホルムアミド溶液1.4mlに溶解させ、室温・アルゴン雰囲気下で2時間反応させた。この溶液にトルエン3mlを加え、35℃でエバポレーターに供した。この操作を三回繰り返し、反応溶媒を取り除いた。残留物をゲル濾過カラムクロマトグラフィー(Sephadex G−25、2.5φ×30cm、展開溶媒は水、流速は1.0ml/min・)で精製したところ、目的とする化合物33が7mg得られた(収率は76%)。なお、得られた化合物の構造は、参考例2から得られる化合物33とH−NMRスペクトルが一致したことから確認した。
化合物33の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ5.12(s,1H,Man4−H−1),5.07(d,1H,J=9.7Hz,GlcNAc1−H−1),4.92(s,1H,Man4’−H−1),4.76(s,1H,Man3−H−1),4.62(d,1H,J=8.0Hz,GlcNAc2−H−1),4.58(d,2H,J=7.8Hz,GlcNAc5,5’−H−1),4.47(d,2H,J=7.9Hz,Gal6,6’−H−1),4.24(bd,1H,Man3−H−2),4.19(bdd,1H,J=3.2Hz,1.4Hz,Man4’−H−2),4.12(bdd,1H,J=3.2Hz,1.4Hz,Man4−H−2),2.93(dd,1H,J=4.5Hz,17.0Hz,Asn−βCH),2.93(dd,1H,J=6.8Hz,17.0Hz,Asn−βCH),2.08(s,3H,Ac),2.05(s,6H,Ac×2),2.01(s,3H,Ac)
参考例8 化合物14の合成
化合物3(28mg,21.3μmol)とウシ血清アルブミン1.0mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0,454μL)に溶解させ、ノイラミニダーゼ(シグマアルドリッチ社製、from Viblio Cholerae,198mU)を加えた。この溶液を37℃で20時間静置した後、HPLC分析により反応終了を確認した。反応溶液をHPLC(YMC Packed Column D−ODS−5S−5 120A ODS No.2020178、20×250mm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=80:20、流速4mL/min)で精製した。更にODSカラム(コスモシール75C18−OPN、15×100mm、最初にHOを50mL流し、次に25%アセトニトリルを流して溶出させた)で脱塩したところ、目的とする化合物14(17mg,収率70%)が得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ7.91(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.71(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.51(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.43(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),5.12(s,1H,Man4−H−1),4.99(d,1H,J=9.5Hz,GlcNAc1−H−1),4.92(s,1H,Man4’−H−1),4.76(s,1H,Man3−H−1),4.58(d,1H,J=8.0Hz,GlcNAc2−H−1),4.55(d,1H,J=8.4Hz,GlcNAc5’−H−1),4.47(d,1H,J=7.8Hz,Gal6’−H−1),4.34(t,1H,Fmoc),4.24(bd,1H,J=1.9Hz,Man3−H−2),4.18(bdd,1H,J=1.4Hz,3.3Hz,Man4−H−2),4.11(bdd,1H,J=1.4Hz,3.5Hz,Man4’−H−2),2.72(bdd,1H,J=3.0Hz,15.7Hz,Asn−βCH),2.52(bdd,1H,J=8.7Hz,15.7Hz,Asn−βCH),2.06,2.05,2.04,1.89(each s,each 3H,Ac);HRMS Calcd for C75110NaO45[M+Na+]1837.6402,found 1837.6471
参考例9 化合物19の合成
化合物7(20mg,9.4μmol)とウシ血清アルブミン1.6mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0,323μL)に溶解させ、ノイラミニダーゼ(シグマアルドリッチ社製、from Viblio Cholerae,141mU)を加えた。この溶液を37℃で18時間静置した後、HPLC分析により反応終了を確認した。続いてHPLC(YMC Packed Column D−ODS−5 S−5 120A ODS No.2020178、20×250mm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=80:20、流速4mL/min)で精製した。更にODSカラム(コスモシール75C18−OPN、15×100mm、最初にHOを50mL流し、次に25%アセトニトリルを流して溶出させた)で脱塩したところ、目的とする化合物19(13mg,収率76%)を得た。得られた化合物の構造はH−NMRが標品と一致したことから確認した。
参考例10 化合物15の合成
化合物4(45mg,24μmol)とウシ血清アルブミン1.7mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0,820μL)に溶解させ、ノイラミニダーゼ(シグマアルドリッチ社製、from Viblio Cholerae,134mU)を加えた。この溶液を37℃で14時間静置した後、HPLC分析により反応終了を確認した。続いて、反応溶液をHPLC(YMC Packed Column D−ODS−5 S−5 120A ODS No.2020178、20×250mm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=80:20、流速4mL/min)で精製した。更にODSカラム(コスモシール75C18−OPN、15×100mm、最初にHOを50mL流し、次に25%アセトニトリルを流して溶出させた)で脱塩したところ、目的とする化合物15(28mg,収率74%)が得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ7.92(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.71(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.51(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.44(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),5.10(s,1H,Man4−H−1),4.99(d,1H,J=9.5Hz,GlcNAc1−H−1),4.92(s,1H,Man4’−H−1),4.76(s,1H,Man3−H−1),4.58(d,2H,GlcNAc2,5’−H−1),4.47(d,1H,J=8.0Hz,Gal6’−H−1),4.35(t,1H,Fmoc),4.24(bd,1H,J=1.9Hz,Man3−H−2),4.11(bs,1H,Man4’−H−2),4.07(bs,1H,Man4−H−2),2.72(bd,1H,J=15.5Hz,Asn−βCH),2.52(bdd,1H,J=8.7Hz,15.5Hz,Asn−βCH),2.06,2.04,1.89(each s,each 3H,Ac);HRMS Calcd for C6797NaO40[M+Na+ 1634.5608,found,1634.5564
参考例11 化合物70の合成
化合物15(11mg,6.8μmol)とウシ血清アルブミン1.5mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0,269μL)に溶解させ、β−ガラクトシダーゼ(生化学工業社製、from Jack Beans,11μL,275mU)を加えた。この溶液を37℃で14時間静置した後、HPLC分析により反応終了を確認した。反応溶液をHPLC(YMC Packed Column D−ODS−5 S−5 120A ODS No.2020178、20×250mm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=80:20、流速4mL/min)で精製した。更にODSカラム(コスモシール75C18−OPN、15×100mm、最初にHOを50mL流し、次に25%アセトニトリルを流して溶出させた)で脱塩したところ、目的とする化合物70(6.3mg,収率64%)が得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ7.91(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.70(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.50(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.43(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),5.10(s,1H,Man4−H−1),4.99(d,1H,J=9.5Hz,GlcNAc1−H−1),4.91(s,1H,Man4’−H−1),4.76(s,1H,Man3−H−1),4.55(d,2H,GlcNAc2,5’−H−1),4.32(t,1H,Fmoc),4.24(bs,1H,Man3−H−2),4.10(bs,1H,Man4−H−2),4.06(bs,1H,J=1.3Hz,Man4’−H−2),2.72(bd,1H,J=14.0Hz,Asn−βCH),2.52(bdd,1H,J=9.5Hz,14.8Hz,Asn−βCH),2.06,2.05,1.89(each s,each 3H,Ac);MS(Fab),Calcd for C618835[M+H+]1450.5,found,1450.4
参考例12 化合物20の合成
化合物8(47mg,25μmol)とウシ血清アルブミン1.9mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0,840μL)に溶解させ、ノイラミニダーゼ(シグマアルドリッチ社製、from Viblio Cholerae,369mU)を加えた。この溶液を37℃で37時間静置した後、HPLC分析により反応終了を確認した。反応溶液を凍結乾燥し、続いてHPLC(YMC Packed Column D−ODS−5 S−5 120A ODS No.2020178、20×250mm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=80:20、流速4mL/min)で精製した。更にODSカラム(コスモシール75C18−OPN、15×100mm、最初にHOを50mL流し、次に25%アセトニトリルを流して溶出させた)で脱塩したところ、目的とする化合物20(26mg,収率65%)を得た。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ7.92(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.71(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.51(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.43(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),5.12(s,1H,Man4−H−1),4.99(d,1H,J=9.4Hz,GlcNAc1−H−1),4.91(s,1H,Man4’−H−1),4.77(s,1H,Man3−H−1),4.57(bd,2H,GlcNAc2,5’−H−1),4.46(d,1H,J=7.5Hz,Gal6’−H−1),4.34(t,3H,Fmoc),4.24(bs,1H,Man4’−H−2),4.19(bs,1H,Man4−H−2),2.72(bd,1H,J=15.5Hz,Asn−βCH),2.52(bdd,1H,J=9.2Hz,15.5Hz,Asn−βCH),2.06,2.05,1.89(each s,each 3H,Ac);HRMS Calcd for C6797NaO40[M+Na+]1634.5608,found,1634.5644
参考例13 化合物71の合成
化合物20(12mg,7.4μmol)とウシ血清アルブミン1.0mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0,330μL)に溶解させ、β−ガラクトシダーゼ(生化学工業社製、from Jack Beans,12μL,297mU)を加えた。この溶液を37℃で46時間静置した後、HPLC分析により反応終了を確認した。反応溶液をHPLC(YMC Packed Column D−ODS−5 S−5 120A ODS No.2020178、20×250mm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=80:20、流速4mL/min)で精製した。更にODSカラム(コスモシール75C18−OPN、15×100mm。最初にHOを50mL流し、次に25%アセトニトリルを流して溶出させた)で脱塩したところ、目的とする化合物71(6.6mg,収率61%)が得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ7.90(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.70(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.49(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.42(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),5.11(s,1H,Man4−H−1),4.99(d,1H,J=9.4Hz,GlcNAc1−H−1),4.91(s,1H,Man4’−H−1),4.76(s,1H,Man3−H−1),4.55(d,2H,GlcNAc2,5−H−1),4.31(b,1H,Fmoc),4.24(bs,1H,Man3−H−2),4.18(bs,1H,Man4−H−2),3.97(dd,1H,J=1.8Hz,3.3Hz,Man4’−H−2),2.72(bd,1H,J=15.5Hz,Asn−βCH),2.52(bdd,1H,J=8.0Hz,15.5Hz,Asn−ββCH),2.06,2.05,1.88(each s,each 3H,Ac);MS(Fab),Calcd for C618835[M+H+]1450.5,found,1450.3
参考例14 化合物16の合成
化合物5(32mg,18.4μmol)とウシ血清アルブミン2.5mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0,713μL)に溶解させ、ノイラミニダーゼ(シグマアルドリッチ社製、from Viblio Cholerae,134mU)を加えた。この溶液を37℃で17時間静置した後、HPLC分析により反応終了を確認した。続いて、反応溶液をHPLC(YMC Packed Column D−ODS−5 S−5 120A ODS No.2020178、20×250mm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=80:20、流速4mL/min)で精製した。更にODSカラム(コスモシール75C18−OPN、15×100mm、最初にHOを50mL流し、次に25%アセトニトリルを流して溶出させた)で脱塩したところ、目的とする化合物16(13mg,収率52%)が得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ7.92(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.71(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.51(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.44(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),5.00(d,1H,J=9.9Hz,GlcNAc1−H−1),4.92(s,1H,Man4’−H−1),4.75(s,1H,Man3−H−1),4.58(d,2H,J=7.5Hz,GlcNAc2,5’−H−1),4.47(d,1H,J=7.8Hz,Gal6’−H−1),4.34(t,1H,Fmoc),4.10(bd,1H,Man3−H−2),4.07(bs,1H,Man4’−H−2),2.72(bdd,1H,J=15.5Hz,Asn−βCH),2.52(bdd,1H,J=9.2Hz,15.5Hz,Asn−βCH),2.07,2.05,1.89(each s,each 3H,Ac);MS(Fab),Calcd for C8835[M+H+]1450.5,found,1450.3
参考例15 化合物17の合成
化合物16(9mg,6.2μmol)とウシ血清アルブミン1.6mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0,613μL)に溶解させ、β−ガラクトシダーゼ(生化学工業社製、from−Jack Beans,186mU)を加えた。この溶液を37℃で32時間静置した後、HPLC分析により反応終了を確認した。反応溶液をHPLC(YMC Packed Column D−ODS−5 S−5 120A ODS No.2020178、20×250mm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=80:20、流速4mL/min)で精製した。更にODSカラム(コスモシール75C18−OPN、15×100mm、最初にHOを50mL流し、次に25%アセトニトリルを流して溶出させた)で脱塩したところ、目的とする化合物17(5.4mg,収率68%)が得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ7.89(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.68(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.49(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.42(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),4.99(d,1H,J=9.7Hz,GlcNAc1−H−1),4.91(s,1H,Man4’−H−1),4.55(d,1H,J=8.1Hz,GlcNAc2,5’−H−1),4.09,4.07(s,1H,Man4’−H−2,Man3−H−2),2.72(bd,1H,J=15.5Hz,Asn−βCH),2.56(bdd,1H,J=8.1Hz,15.5Hz,Asn−βCH),2.07,2.05,1.89(each s,each 3H,Ac);MS(Fab),Calcd for C5577NaO30[M+Na+]1310.5,found,1310.2
参考例16 化合物18の合成
化合物17(3.4mg,2.6μmol)とウシ血清アルブミン1.1mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0,257μL)に溶解させ、N−アセチル−β−D−グルコサミニダーゼ(シグマアルドリッチ from Jack Beans,144mU),加えた。この溶液を37℃で24時間静置した後、HPLC分析により反応終了を確認した。反応溶液をHPLC(YMC Packed Column D−ODS−5 S−5 120A ODS No.2020178、20×250mm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=80:20、流速4mL/min)で精製した。更にODSカラム(コスモシール75C18−OPN、15×100mm。最初にHOを50mL流し、次に25%アセトニトリルを流して溶出させた)で脱塩したところ、目的とする化合物18(2.1mg,収率75%)が得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ7.91(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.71(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.51(dd,2H,J=7.5Hz,7.5Hz,Fmoc),7.43(dd,2H,J=7.5Hz,7.5Hz,Fmoc),5.00(d,1H,J=9.7Hz,GlcNAc1−H−1),4.91(d,1H,J=1.6Hz,Man4’−H−1),4.76(s,1H,Man3−H−1),4.58(d,1H,J=7.8Hz,GlcNAc2−H−1),4.34(t,1H,Fmoc),4.07(d,1H,J=2.7Hz,Man4’−H−2),3.97(dd,1H,J=1.6Hz,3.7Hz,Man3−H−2),2.72(bdd,1H,J=3.2Hz,15.1Hz,Asn−βCH),2.52(bdd,1H,J=8.9Hz,15.1Hz,Asn−βCH),2.07,1.89(each s,each 3H,Ac);MS(Fab),Calcd for C476525[M+Na+]1085.4,found,1085.3
参考例17 化合物21の合成
化合物9(28mg,16μmol)とウシ血清アルブミン1.7mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0,624μL)に溶解させ、ノイラミニダーゼ(シグマアルドリッチ社製、from Viblio Cholerae,117mU)を加えた。この溶液を37℃で17時間静置した後、HPLC分析により反応終了を確認した。続いて、反応溶液をHPLC(YMC Packed Column D−ODS−5 S−5 120A ODS No.2020178、20×250mm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=80:20、流速4mL/min)で精製した。更にODSカラム(コスモシール75C18−OPN、15×100mm。最初にHOを50mL流し、次に25%アセトニトリルを流して溶出させた)で脱塩したところ、目的とする化合物21(14.6mg,収率68%)が得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ7.92(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.71(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.50(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.43(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),5.12(s,1H,Man4−H−1),4.99(d,1H,J=9.5Hz,GlcNAc1−H−1),4.77(s,1H,Man3−H−1),4.57(d,2H,J=7.2Hz,GlcNAc2−H−1),4.46(d,1H,J=7.8Hz,Gal6−H−1),4.34(t,1H,Fmoc),4.22(bd,1H,J=2.7Hz,Man3−H−2),4.19(b,1H,Man4−H−2),2.72(bdd,1H,J=15.5Hz,Asn−βCH),2.52(bdd,1H,J=9.8Hz,15.5Hz,Asn−βCH),2.05(s,6H,Ac×2),1.89(s,3H,Ac);MS(Fab),Calcd for C6188[M+H+]1450.5,found,1450.3
参考例18 化合物22の合成
化合物21(10mg,6.9μmol)とウシ血清アルブミン1.6mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0,672μL)に溶解させ、β−ガラクトシダーゼ(生化学工業社製、from Jack Beans,205mU)を加えた。この溶液を37℃で20時間静置した後、HPLC分析により反応終了を確認した。反応溶液をHPLC(YMC Packed Column D−ODS−5 S−5 120A ODS No.2020178、20×250mm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=80:20、流速4mL/min)で精製した。更にODSカラム(コスモシール75C18−OPN、15×100mm、最初にHOを50mL流し、次に25%アセトニトリルを流して溶出させた)で脱塩したところ、目的とする化合物22(5.6mg,収率64%)が得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ7.87(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.67(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.48(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.41(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),5.12(s,1H,Man4−H−1),4.99(d,1H,J=9.7Hz,GlcNAc1−H−1),4.76(s,1H,Man3−H−1),4.55(d,2H,J=8.6Hz,GlcNAc2,5−H−1),4.26(t,1H,Fmoc),4.22(d,1H,J=2.2Hz,Man3−H−2),4.18(bdd,1H,J=1.3Hz,3.3Hz,Man4−H−2),2.72(bd,1H,J=15.5Hz,Asn−βCH),2.54(bdd,1H,J=9.5Hz,15.5Hz,Asn−βCH),2.05(s,6H,Ac×2),1.88(s,3H,Ac);MS(Fab),Calcd for C557830[M+H+]1288.5,found,1288.3
参考例19 化合物23の合成
化合物22(3.6mg,2.8μmol)とウシ血清アルブミン1.2mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0,277μL)に溶解させ、N−アセチル−β−D−グルコサミニダーゼ(シグマアルドリッチ from Jack Beans,195mU)を加えた。この溶液を37℃で24時間静置した後、HPLC分析により反応終了を確認した。反応溶液をHPLC(YMC Packed Column D−ODS−5 S−5 120A ODS No.2020178、20×250mm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=80:20、流速4mL/min)で精製した。更にODSカラム(コスモシール75C18−OPN、15×100mm、最初にHOを50mL流し、次に25%アセトニトリルを流して溶出させた)で脱塩したところ、目的とする化合物23(2.3mg,収率77%)が得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ7.91(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.70(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.50(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.43(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),5.11(s,1H,Man4−H−1),4.99(d,1H,J=9.7Hz,GlcNAc1−H−1),4.77(s,1H,Man3−H−1),4.57(d,1H,J=6.5Hz,GlcNAc−H−1),4.33(t,1H,Fmoc),4.22(d,1H,J=3.0Hz,Man3−H−2),4.07(bdd,1H,J=2.1Hz,Man4−H−2),2.72(bdd,1H,J=15.5Hz,Asn−βCH),2.52(bdd,1H,J=8.9Hz,15.5Hz,Asn−βCH),2.05,1.89(each s,each 3H,Ac);MS(Fab),Calcd for C476525[M+H+]1085.4,found,1085.3
参考例20 化合物11の合成
化合物10(123mg,62μmol)とウシ血清アルブミン(1.1mg)をHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0,2.5mL)に溶解させ、β−ガラクトシダーゼ(生化学工業社製、from Jack Beans,24μL,612mU)を加えた。この溶液を37℃で61時間静置した後、HPLC分析により反応終了を確認した。反応溶液を凍結乾燥し、続いてHPLC(YMC Packed Column D−ODS−5 S−5 120A ODS No.2020178、20×250mm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=80:20、流速3.5mL/min)で精製した。更にODSカラム(コスモシール75C18−OPN、15×100mm。最初にHOを50mL流し、次に25%アセトニトリルを流して溶出させた)で脱塩したところ、目的とする化合物11(71mg,収率70%)が得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ7.91(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.71(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.50(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.43(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),5.11(s,1H,Man4−H−1),4.99(1H,d,J=9.9Hz,GlcNAc1−H−1),4.91(s,1H,Man4’−H−1),4.76(s,1H,Man3−H−1),4.55(d,2H,J=8.6Hz,GlcNAc2,5−H−1),4.34(t,1H,Fmoc),4.24(s,1H,Man3−H−2),4.18(s,1H,Man4−H−2),4.10(s,1H,Man4’−H−2),2.72(bd,1H,J=15.5Hz,Asn−βCH),2.51(bdd,1H,J=9.0Hz,15.5Hz,Asn−βCH),2.06(s,3H,Ac),2.05(s,6H,Ac×2),1.88(s,3H,Ac);HRMS Calcd for C69100NaO40[M+Na+]1675.5873,found,1675.5841
参考例21 化合物12の合成
化合物11(50mg,30μmol)とウシ血清アルブミン2.0mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0,920μL)に溶解させ、N−アセチル−β−D−グルコサミニダーゼ(シグマアルドリッチ社製、from Jack Beans,2.1U)を加えた。この溶液を37℃で48時間静置した後、HPLC分析により反応終了を確認した。反応溶液をHPLC(YMC Packed Column D−ODS−5 S−5 120A ODS No.2020178、20×250mm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=80:20、流速4mL/min)で精製し、凍結乾燥を行った。この残留物をODSカラム(コスモシール75C18−OPN、15×100mm、最初にHOを50mL流し、次に25%アセトニトリルを流して溶出させた)で脱塩したところ、目的とする化合物12(25mg,収率66%)が得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ7.91(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.70(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.50(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.43(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),5.10(s,1H,Man4−H−1),4.99(d,1H,J=9.7Hz,GlcNAc1−H−1),4.91(bd,1H,J=1.6Hz,Man4’−H−1),4.77(s,1H,Man3−H−1),4.58〜4.52(b,1H,GlcNAc2−H−1),4.33(t,1H,Fmoc),4.24(bs,1H,Man3−H−2),4.06(dd,1H,J=1.6Hz,3.2Hz,Man4−H−2),3.97(dd,1H,J=1.6Hz,3.5Hz,Man4’−H−2),2.72(bd,1H,J=15.5Hz,Asn−βCH),2.53(bdd,1H,J=9.0Hz,15.5Hz,Asn−βCH),2.05,1.88(each s,each 3H,Ac),
参考例22 化合物13の合成
化合物12(10mg,11μmol)とウシ血清アルブミン0.9mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0,440μL)に溶解させ、α−マンノシダーゼ(シグマアルドリッチ社製、from Jack Beans,30μL,3.2U)を加えた。この溶液を37℃で21時間静置した後、HPLC分析により反応終了を確認した。続いてHPLC(YMC Packed Column D−ODS−5 S−5 120A ODS No.2020178、20×250mm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=80:20、流速4mL/min)で精製を行った。更にODSカラム(コスモシール75C18−OPN、15×100mm、最初にHOを50mL流し、次に25%アセトニトリルを流して溶出させた)で脱塩したところ、目的とする化合物13(3mg,収率43%)を得た。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ7.92(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.71(d,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.51(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),7.43(dd,2H,J=7.5Hz,Fmoc),4.99(d,1H,J=9.5Hz,GlcNAc1−H−1),4.76(s,1H,Man3−H−1),4.57(1H,GlcNAc2−H−1),4.06(d,1H,J=3.2Hz,Man3−H−2),2.72(bd,1H,J=15.5Hz,Asn−βCH),2.52(bdd,1H,J=8.3Hz,15.5Hz,Asn−βCH),2.05,1.89(each s,each 3H,Ac),
(糖鎖アスパラギン誘導体のFmoc基の脱保護)
全ての糖鎖アスパラギン誘導体において、以下の手順でFmoc基の脱保護を行った。まず、糖鎖アスパラギンFmoc体1μmolあたりに240μLのN,N−ジメチルホルムアミド、160μLのモルホリンを加え、室温・アルゴン雰囲気下で反応させた。TLC(展開溶媒として1M 酢酸アンモニウム:イソプロパノール=8:5を用いた)にて反応終了を確認した後、氷水で冷却した。ここにジエチルエーテルを反応溶液の10倍量加えて15分間攪拌した後、析出した沈殿物をろ別した。得られた残渣を水に溶解させ、35℃でエバポレートした。更にトルエンを3mL加えエバポレートするという操作を三回繰り返した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(コスモシール75C18−OPN、15×100mm、展開溶媒は水)により精製した。
参考例23 化合物33の合成
化合物10(10.5mg,5.3μmol)を上記の操作で7時間反応させたところ、目的とする化合物33(7mg,収率76%)が得られた。得られた化合物はH−NMRが標品と一致したことから確認した。
参考例24 化合物26の合成
化合物3(8.0mg,3.8μmol)を上記の操作で21時間反応させたところ、目的とする化合物26(6.3mg,収率88%)が得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ5.13(s,1H,Man4−H−1),5.07(d,1H,J=9.9Hz,GlcNAc1−H−1),4.95(s,1H,Man4’−H−1),4.78(s,1H,Man3−H−1),4.62(2H,GlcNAc2,5’−H−1),4.56(d,1H,J=8.1Hz,GlcNAc5−H−1),4.52(d,1H,J=7.8Hz,Gal6’−H−1),4.25(bs,1H,Man3−H−2),4.19(bs,1H,Man4’−H−2),4.12(bs,1H,Man4−H−2),2.94(dd,1H,J=4.5Hz,17.0Hz,Asn−βCH),2.85(dd,1H,J=6.8Hz,17.0Hz,Asn−βCH),2.68(dd,1H,J=4.6Hz,12.4Hz,NeuAc7’−H−3eq),2.08,2.07,2.06,2.04,2.02(each s,each 3H,Ac),1.72(dd,1H,J=12.1Hz,12.1Hz,NeuAc7’−H−3ax);MS(Fab),Calcd for C7111851[M+H+]1884.7,found,1884.5
参考例25 化合物27の合成
化合物4(11.0mg,5.8μmol)を上記の操作で23時間反応させたところ、目的とする化合物27(8.5mg,収率88%)で得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ5.11(s,1H,Man4−H−1),5.08(d,1H,J=9.7Hz,GlcNAc1−H−1),4.95(s,1H,Man4’−H−1),4.78(s,1H,Man3−H−1),4.62(d,2H,GlcNAc2,5’−H−1),4.45(d,1H,J=7.6Hz,Gal6’−H−1),4.26(bd,1H,Man3−H−2),4.12(bd,1H,Man4’−H−2),4.08(bdd,1H,J=1.6Hz,3.3Hz,Man4−H−2),2.94(dd,1H,J=4.0Hz,17.2Hz,Asn−βCH),2.85(dd,1H,J=7.2Hz,17.2Hz,Asn−βCH),2.68(dd,1H,J=4.1Hz,12.1Hz,NeuAc7’−H−3eq),2.09,2.07,2.04,2.02(each s,each 3H,Ac),1.72(dd,1H,J=12.1Hz,12.1Hz,NeuAc7’−H−3ax),;MS(Fab),Calcd for C63104NaO46[M+Na+]1703.6,found,1703.1
参考例26 化合物28の合成
化合物5(7.0mg,4.0μmol)を上記の操作で21時間反応させたところ、目的とする化合物28(5.3mg,収率87%)が得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ5.07(d,1H,J=9.4Hz,GlcNAc1−H−1),4.94(s,1H,Man4’−H−1),4.76(s,1H,Man3−H−1),4.61,4.59(each d,each 1H,GlcNAc2,5’−H−1),4.44(d,1H,J=7.8Hz,Gal6’−H−1),4.10,4.07(each 1H,Man4’,3−H−2),2.93(dd,1H,J=4.6Hz,17.5Hz,Asn−βCH),2.85(dd,1H,J=7.0Hz,17.5Hz,Asn−βCH),2.67(dd,1H,J=4.6Hz,12.2Hz,NeuAc7’−H−3eq),2.08,2.06,2.02,2.01(each s,each 3H,Ac),1.71(2H,dd,J=12.2Hz,12.2Hz,NeuAc7’−H−3ax);MS(Fab),Calcd for C5794NaO41[M+Na+]1541.5,found,1541.3
参考例27 化合物30の合成
化合物7(13.9mg,6.6μmol)を上記の操作で7時間反応させたところ、目的とする化合物30(8.0mg,収率64%)を得た。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ5.13(s,1H,Man4−H−1),5.06(d,1H,J=9.9Hz,GlcNAc1−H−1),4.91(s,1H,Man4’―H−1),4.77(s,1H,Man3−H−1),4.61,4.60(each d,each 1H,J=8.0Hz,GlcNAc2,5−H−1),4.55(d,1H,J=8.4Hz,GlcNAc5’−H−1),4.44(d,1H,J=8.0Hz,Gal6−H−1),4.24(bd,1H,Man3−H−2),4.19(bdd,1H,J=1.3Hz,3.2Hz,Man4’−H−2),4.10(bdd,1H,J=1.4Hz,3.2Hz,Man4−H−2),2.90(dd,1H,J=4.5Hz,16.7Hz,Asn−βCH),2.80(dd,1H,J=7.5Hz,16.7Hz,Asn−βCH),2.66(dd,1H,J=4.6Hz,12.4Hz,NeuAc7−H−3eq),2.07,2.06,2.05,2.02,2.01(each s,each 3H,Ac),1.71(dd,1H,J=12.4Hz,12.4Hz,NeuAc7−H−3ax);MS(Fab),Calcd for C71117NaO51[M+Na+]1906.7,found,1906.1
参考例28 化合物31の合成
化合物8(8.0mg,4.2μmol)を上記の操作で12時間反応させたところ、目的とする化合物31(6.0mg,収率86%)を得た。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ5.12(s,1H,Man4−H−1),5.06(d,1H,J=9.5Hz,GlcNAc1−H−1),4.91(s,1H,Man4’−H−1),4.77(s,1H,Man3−H−1),4.61,4.59(each d,each 1H,GlcNAc2,5−H−1),4.43(d,1H,J=8.0Hz,Gal6−H−1),4.24(bd,1H,Man3−H−2),4.18(bdd,1H,Man4’−H−2),2.91(bd,1H,J=17.0Hz,Asn−βCH),2.81(dd,1H,J=6.5Hz,17.0Hz,Asn−βCH),2.66(dd,1H,J=4.6Hz,12.6Hz,NeuAc7−H−3eq),2.06,2.06,2.02,2.00(each s,each 3H,Ac),1.70(dd,1H,J=12.6Hz,12.6Hz,NeuAc7−H−3ax);MS(Fab),Calcd for C63104NaO46[M+Na+]1703.6,found,1703.0
参考例29 化合物32の合成
化合物9(7.7mg,4.4μmol)を上記の操作で23時間反応させたところ、目的とする化合物32(5.2mg,収率78%)で得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ5.14(s,1H,Man4−H−1),5.07(d,1H,J=9.4Hz,GlcNAc1−H−1),4.78(s,1H,Man3−H−1),4.61,4,60(each d,each 1H,GlcNAc2,5−H−1),4.44(d,1H,J=8.0Hz,Gal6−H−1),4.23(d,1H,J=3.0Hz,Man3−H−2),4.19(bdd,1H,J=1.3Hz,2.9Hz,Man4−H−2),2.92(dd,1H,J=4.1Hz,17.2Hz,Asn−βCH),2.83(dd,1H,J=7.5Hz,12.7Hz,Asn−βCH),2.67(dd,1H,J=4.6Hz,12.7Hz,NeuAc7−H−3eq),2.06(s,6H,Ac×2),2.03,2.01(each s,each 3H,Ac),1.71(dd,1H,J=12.7Hz,12.7Hz,NeuAc7−H−3ax);MS(Fab),Calcd for C5794NaO41[M+Na+]1541.5,found,1541.2
参考例30 化合物37の合成
化合物14(9.1mg,5.0μmol)を上記の操作で13時間反応させたところ、目的とする化合物37(6.5mg,収率77%)で得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ5.11(s,1H,Man4−H−1),5.06(d,1H,J=9.5Hz,GlcNAc1−H−1),4.92(s,1H,Man4’−H−1),4.75(s,1H,Man3−H−1),4.61,4.57,4.55(each d,each 1H,J=7.5Hz,GlcNAc2,5,5’−H−1),4.46(d,1H,J=7.3Hz,Gal6’−H−1),4.23(bs,1H,Man3−H−2),4.18(bs,1H,Man4’−H−2),4.10(bs,1H,Man4−H−2),2.87(dd,1H,J=4.8Hz,17.0Hz,Asn−βCH),2.76(dd,1H,J=7.2Hz,17.0Hz,Asn−βCH),2.07(s,3H,Ac),2.04(s,6H,Ac×2),2.00(s,3H,Ac);MS(Fab),Calcd for C60100NaO43[M+Na+]1615.6,found,1615.0
参考例31 化合物42の合成
化合物19(9.8mg,5.4μmol)を上記の操作で13時間反応させたところ、目的とする化合物42(8.0mg,収率88%)で得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ5.11(s,1H,Man4−H−1),5.06(d,1H,J=9.5Hz,GlcNAc1−H−1),4.91(s,1H,Man4’−H−1),4.76(s,1H,Man3−H−1),4.60,4.57,4.55(each d,each 1H,GlcNAc2,5,5’−H−1),4.46(d,1H,J=7.8Hz,Gal6−H−1),4.28(s,1H,Man3−H−2),4.18(s,1H,Man4’−H−2),4.10(s,1H,Man4−H−2),2.88(dd,1H,J=4.0Hz,16.6Hz,Asn−βCH),2.77(dd,1H,J=7.5Hz,16.6Hz,Asn−βCH),2.07(s,3H,Ac),2.04(s,6H,Ac×2),2.00(s,3H,Ac);MS(Fab),Calcd for C6010143[M+H+]1593.6,found,1593.8
参考例32 化合物38の合成
化合物15(5.1mg,3.2μmol)を上記の操作で11時間反応させたところ、目的とする化合物38(4.0mg,収率91%)が得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ5.10(s,1H,Man4−H−1),5.07(d,1H,J=9.4Hz,GlcNAc1−H−1),4.92(s,1H,Man4’−H−1),4.76(s,1H,Man3−H−1),4.61,4.57(each d,each 1H,J=7.8Hz,GlcNAc2,5’−H−1),4.47(d,1H,J=7.8Hz,Gal6’−H−1),4.24(d,1H,J=2.3Hz,Man3−H−2),4.10,4.06(each bd,each 1H,Man4’,4−H−2),2.90(dd,1H,J=4.2Hz,16.8Hz,Asn−βCH),2.81(dd,1H,J=7.3Hz,16.8Hz,Asn−βCH),2.07,2.04,2.01(each s,each 3H,Ac);MS(Fab),Calcd for C528838[M+H+]1390.5,found,1390.1
参考例33 化合物72の合成
化合物70(4.0mg,2.8μmol)を上記の操作で13時間反応させたところ、目的とする化合物72(2.9mg,収率85%)で得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ5.09(s,1H,Man4−H−1),5.06(d,1H,J=9.8Hz,GlcNAc1−H−1),4.91(s,1H,Man4’−H−1),4.76(s,1H,Man3−H−1),4.61,4.54(each d,each 1H,GlcNAc2,5−H−1),4.24(s,1H,Man3−H−2),4.10,4.06(each bs,each 1H,Man4,4’−H−2),2.87(dd,1H,J=17.2Hz,Asn−βCH),2.76(dd,1H,J=6.5Hz,17.2Hz,Asn−βCH),2.07,2.04,2.00(each s,each 3H,Ac);MS(Fab),Calcd for C467833[M+H+]1228.5,found,1228.3
参考例34 化合物43の合成
化合物20(5.4mg,3.3μmol)を上記の操作で11時間反応させたところ、目的とする化合物43(4.1mg,収率87%)で得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ5.11(s,1H,Man4−H−1),5.07(d,1H,J=9.5Hz,GlcNAc1−H−1),4.91(s,1H,Man4’−H−1),4.77(s,1H,Man3−H−1),4.61,4.57(each d,each 1H,GlcNAc2,5−H−1),4.46(d,1H,Gal6−H−1),4.24(s,1H,Man3−H−2),4.18(bs,1H,Man4−H−2),2.90(dd,1H,J=4.0Hz,17.0Hz,Asn−βCH),2.80(dd,1H,J=7.3Hz,17.0Hz,Asn−βCH),2.07,2.04,2.01(each s,each 3H,Ac);MS(Fab),Calcd for C528838[M+H+]1390.5,found,1390.2
参考例35 化合物73の合成
化合物71(4.0mg,2.8μmol)を上記の操作で13時間反応させたところ、目的とする化合物73(2.9mg,収率85%)で得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ5.11(s,1H,Man4−H−1),5.06(d,1H,J=9.9Hz,GlcNAc1−H−1),4.91(s,1H,Man4’−H−1),4.77(s,1H,Man3−H−1),4.60,4.54(each d,each 1H,J=7.9Hz,GlcNAc2,5−H−1),4.24(s,1H,Man3−H−2),4.18(dd,1H,J=1.6Hz,1.6Hz,Man4−H−2),3.96(1H,dd,J=1.6Hz,1.6Hz,Man4−H−2),2.88(dd,1H,J=4.3Hz,16.8Hz,Asn−βCH),2.77(dd,1H,J=7.2Hz,16.8Hz,Asn−βCH),2.06,2.04,2.00(each s,each 3H,Ac);MS(Fab),Calcd for C467833[M+H+]1228.5,found,1228.3
参考例36 化合物39の合成
化合物16(2.2mg,1.5μmol)を上記の操作で7時間反応させたところ、目的とする化合物39(1.6mg,収率84%)で得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ5.07(d,1H,J=9.7Hz,GlcNAc1−H−1),4.92(s,1H,Man4’−H−1),4.75(s,1H,Man3−H−1),4.62,4.58(each d,each 1H,GlcNAc2,5−H−1),4.09,4.08(each s,each 1H,Man3,4’−H−2),2.91(dd,1H,J=4.1Hz,16.9Hz,Asn−βCH),2.81(dd,1H,J=6.8Hz,16.9Hz,Asn−βCH),2.08,2.04,2.01(each s,each 3H,Ac);MS(Fab),Calcd for C4677NaO33[M+Na+]1250.4,found,1250.3
参考例37 化合物40の合成
化合物17(1.5mg,1.2μmol)を上記の操作で14時間反応させたところ、目的とする化合物40(1.1mg,収率89%)で得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ5.07(d,1H,J=9.5Hz,GlcNAc1−H−1),4.91(s,1H,Man4’−H−1),4.76(s,1H,Man3−H−1),4.62,4.55(each d,each 1H,GlcNAc2,5−H−1),4.10,4.07(each s,each 1H,Man4’,3−H−2),2.89(dd,1H,J=3.7Hz,17.0Hz,Asn−βCH),2.79(dd,1H,J=7.0Hz,17.0Hz,Asn−βCH),2.07,2.05,2.01(each s,each 3H,Ac);MS(Fab),Calcd for C4067NaO28[M+Na+]1088.4,found,1088.2
参考例38 化合物41の合成
化合物18(1.3mg,1.2μmol)を上記の操作で14時間反応させたところ、目的とする化合物41(0.8mg,収率80%)で得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ5.07(d,1H,J=9.5Hz,GlcNAc1−H−1),4.91(s,1H,Man4’−H−1),4.76(s,1H,Man3−H−1),4.62(d,1H,J=7.8Hz,GlcNAc2−H−1),4.08(d,1H,J=2.9Hz,Man3−H−2),2.92(dd,1H,J=3.9Hz,17.3Hz,Asn−βCH),2.83(dd,1H,J=7.0Hz,17.3Hz,Asn−βCH),2.07,2.01(each s,each 3H,Ac);MS(Fab),Calcd for C325527[M+H+]863.3,found 863.2
参考例39 化合物44の合成
化合物21(2.3mg,1.6μmol)を上記の操作で7時間反応させたところ、目的とする化合物44(1.6mg,収率84%)で得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ5.11(s,1H,Man4−H−1),5.06(d,1H,J=9.8Hz,GlcNAc1−H−1),4.77(s,1H,Man3−H−1),4.61,4.57(each d,each 1H,GlcNAc2,5−H−1),4.46(d,1H,J=7.8Hz,Gal−H−1),4.22,4.18(each bs,each 1H,Man3,4−H−2),2.91(dd,1H,J=4.1Hz,17.3Hz,Asn−βCH),2.82(dd,1H,J=7.0Hz,17.3Hz,Asn−βCH),2.05,2.04,2.01(each s,each 3H,Ac);MS(Fab),Calcd for C467833[M+H+]1228.5,found,1228.3
参考例40 化合物45の合成
化合物22(1.6mg,1.3μmol)を上記の操作で14時間反応させたところ、目的とする化合物45(1.1mg,収率85%)で得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ5.12(s,1H,Man4−H−1),5.07(d,1H,J=9.7Hz,GlcNAc1−H−1),4.77(s,1H,Man3−H−1),4.61,4.54(each d,each 1H,GlcNAc2,5−H−1),4.22(d,1H,J=2.5Hz,Man3−H−2),4.18(dd,1H,J=1.4Hz,3.0Hz,Man4’−H−2),2.89(dd,1H,J=4.3Hz,16.9Hz,Asn−βCH),2.78(dd,1H,J=7.5Hz,16.9Hz,Asn−βCH),2.06,2.05,2.01(each s,each 3H,Ac);MS(Fab),Calcd for C4067NaO28[M+Na+]1088.4,found,1088.3
参考例41 化合物46の合成
化合物23(1.6mg,1.5μmol)を上記の操作で14時間反応させたところ、目的とする化合物46(1.1mg,6.4μmol,収率85%)で得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ5.10(s,1H,Man4−H−1),5.06(d,1H,J=9.5Hz,GlcNAc1−H−1),4.77(s,1H,Man3−H−1),4.61(d,1H,J=7.3Hz,GlcNAc2−H−1),4.22(d,1H,J=2.4Hz,Man3−H−2),4.07(dd,1H,J=1.6Hz,3.0Hz,Man4’−H−2),2.90(dd,1H,J=4.3Hz,17.0Hz,Asn−βCH),2.80(dd,1H,J=7.0Hz,17.2Hz,Asn−βCH),2.05,2.01(each s,each 3H,Ac);MS(Fab),Calcd for C325523[M+H+]863.3,found 863.3
参考例42 化合物34の合成
化合物11(12.4mg,7.5μmol)を上記の操作で11時間反応させたところ、目的とする化合物34(9.2mg,収率86%)で得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ5.11(s,1H,Man4−H−1),5.07(d,1H,J=10.0Hz,GlcNAc1−H−1),4.91(s,1H,Man4’−H−1),4.77(s,1H,Man3−H−1),4.61(d,1H,J=6.8Hz,GlcNAc2−H−1),4.55(d,2H,GlcNAc5,5’−H−1),4.24(bs,1H,Man3−H−2),4.18(bs,1H,Man4’−H−2),4.10(bs,1H,Man4−H−2),2.80(dd,1H,J=3.8Hz,15.6Hz,Asn−βCH),2.63(dd,1H,J=8.2Hz,15.6Hz,Asn−βCH),2.07(s,3H,Ac),2.05(s,6H,Ac×2),2.01(s,3H,Ac);MS(Fab),Calcd for C5490NaO38[M+Na+]1453.5,found,1453.2
参考例43 化合物35の合成
化合物12(12.0mg,8.4μmol)を上記の操作で11時間反応させたところ、目的とする化合物35(7.0mg,収率81%)で得られた。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。
H−NMR(30℃)
δ5.10(s,1H,Man4−H−1),5.07(d,1H,J=9.7Hz,GlcNAc1−H−1),4.91(s,1H,Man4’−H−1),4.78(s,1H,Man3−H−1),4.61(d,1H,J=8.0Hz,GlcNAc2−H−1),4.25(bs,1H,Man3−H−2),4.06(bs,1H,Man4’−H−2),3.97(bs,1H,Man4−H−2),2.79(dd,1H,J=5.0Hz,17.0Hz,Asn−βCH),2.61(dd,1H,J=7.3Hz,17.0Hz,Asn−βCH),2.07,2.01(each s,each 3H,Ac);MS(Fab),Calcd for C386528[M+H+]1025.4,found,1025.2
参考例44 化合物36の合成
化合物13(8.4μmol)を上記の操作で11時間反応させたところ、目的とする化合物36で得られた。
参考例45 化合物76、77の合成および単離
化合物2及び化合物6の混合物(5.0mg,2.2μmol)を220μLの水に溶解させ、22mMの炭酸セシウム水溶液を100μL加え、pH7.0とした。この溶液を凍結乾燥した。乾燥後の固形物にN,N−ジメチルホルムアミドを430μL加え、更に6.6μmolのベンジルブロマイド/N,N−ジメチルホルムアミド溶液を20μL加えた。この溶液をアルゴン雰囲気下で攪拌した。48時間後、TLC(展開溶媒は1M NH4OAc:イソプロパノール=1:2を用いた)にて原料の消失を確認した後、4.4mLのジエチルエーテルを加えて化合物を沈殿させた。沈殿した糖鎖を濾過し、残った糖鎖を水に溶解させ凍結乾燥した。凍結乾燥後の残留物を分取HPLC(YMC Packed Column D−ODS−5 S−5 120A ODS No.2020178、20×250mm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=78:22、流速4.0mL/min)で精製したところ、88分後に化合物77が、91分後に化合物76が溶出した。それぞれを取り分け、更にODSカラム(コスモシール75C18−OPN、15×100mm、最初にH2Oを50mL流し、次に25%アセトニトリルを流して溶出させた)で脱塩したところ、化合物2のベンジル体が1.6mg、化合物6のベンジル体が1.8mg得られた。
化合物2のベンジル体(10糖、13.6mg、5.8mmol)を、氷冷下にNaOHaq.(pH=12)1.4mlに溶解させた。反応をHPLCでモニターしながら約8時間撹拌した。反応の進行が終了した時点で、反応液を40mM HClにてpH=7.0に調整した。中和後の液を、メンブランフィルターで濾過した後、濃縮、次いでHPLC(YMC− Pack ODS−AM,SH−343−5AM,20×250mm,AN/25mM AcONH buffer=20/80,7.0ml/min.,wave length;274nm)にて分取・精製を行った。分取した液を濃縮後、ODSカラム(コスモシール 75C18−OPN,ナカライテスク社製)にて脱塩処理を行い、濃縮、凍結乾燥を行うと、化合物2の単品(6.2mg,47.4%)が得られた。
得られた化合物2(4.0mg,1.76mmol)に、DMSO282mlを加え溶解させた。この反応液に、モルホリン282mlを加えて室温下に撹拌を行った。反応を、TLCにてモニターしながら約1時間反応を行った。原料が消失したことを確認した後、反応液にアセトン/ジイソプロピルエーテル(IPE)=1/1の溶液5mlを加える。このスラリーを、メンブランフィルターにてろ過を行った後、残渣を精製水で溶出させた。水層を濃縮後、ゲルカラムクロマトグラフィー(Sephadex G−25,H2O)にて精製を行った。目的物の含まれる分画を集め濃縮後、凍結乾燥を行うと、目的とするモノシアロ糖鎖アスパラギン(化合物76)(3.3mg,91.5%yield)が得られた。化合物76のNMRデータを以下に示す。
H−NMR(400MHz,DO,30℃,HOD=4.81)
δ 5.22(s,1H,Man4−H1),5.15(d,1H,J=10.0,GlcNAc1−H1),5.01(s,1H,Man4’−H−1),4.85(s,1H),4.65−4.75(m,3H),4.54(dd,2H,Ja=10.8,Jb=7.6),4.33(s,1H),4.27(bd,1H,J=2.4,Man4−H2),4.19(bd,1H,J=2.4),2.95(dd,1H,Ja=16.8,Jb=4.4,Asn−βCH),2.82(dd,1H,Ja=16.8,Jb=7.2,Asn−βCH)2.74(dd,1H,Ja=12.4,Jb=4.4,NeuAc7−H3eq),2.16,2.15,2.13,2.11,2.09(eachs,15H,Acx5),1.83(dd,1H,Ja=12.4,Jb=12.0,NeuAc7−H3ax).
化合物6のベンジル体(10糖、5.0mg、2.1mmol)を、氷冷下にNaOHaq.(pH=12)2.0mlに溶解させた。反応をHPLCでモニターしながら約5時間撹拌した。反応の進行が終了した時点で、反応液を40mM HClにてpH=7.0に調整した。中和後の液を、メンブランフィルターで濾過した後、濃縮、次いでHPLC(YMC− Pack ODS−AM,SH−343−5AM,20×250mm,AN/25mM AcONH buffer=20/80,7.0ml/min.,wave length;274nm)にて分取・精製を行った。分取した液を濃縮後、ODSカラム(コスモシール 75C18−OPN,ナカライテスク社製)にて脱塩処理を行い、濃縮、凍結乾燥を行うと、化合物6の単品(2.5mg,52.0%)が得られた。
得られた化合物6(1.5mg,0.67mmol)に、DMSO105mlを加え溶解させた。この反応液に、モルホリン105mlを加えて室温下に撹拌を行った。反応を、TLCにてモニターしながら約1時間反応を行った。原料が消失したことを確認した後、反応液にアセトン/ジイソプロピルエーテル(IPE)=1/1の溶液5mlを加えた。このスラリーを、メンブランフィルターにてろ過を行った後、残渣を精製水で溶出させた。水層を濃縮後、ゲルカラムクロマトグラフィー(Sephadex G−25,H2O)にて精製を行った。目的物の含まれる分画を集め濃縮後、凍結乾燥を行うと、目的とするモノシアロ糖鎖アスパラギン(化合物77)(1.4mg,99%yield)が得られた。
化合物77のNMRデータを以下に示す。
H−NMR(400MHz,DO,30℃,HOD=4.81)
δ 5.20(s,1H,Man4−H1),5.15(d,1H,J=9.6,GlcNAc1−H1),5.02(s,1H,Man4’−H−1),4.85(s,1H),4.63−4.73(m,3H),4.53(dd,2H,Ja=7.6,Jb=7.2),4.33(s,1H),4.27(bd,1H,J=2.4,Man4−H2),4.19(d,1H,J=2.0),2.83(dd,1H,Ja=16.0,Jb=4.0,Asn−βCH),2.75(dd,1H,Ja=12.4,Jb=4.8,NeuAc7−H3eq)2.62(dd,1H,Ja=16.0Jb=8.0,Asn−βCH),2.16,2.14,2.13,2.11,2.09(eachs,15H,Acx5),1.79(dd,1H,Ja=12.4,Jb=11.6,NeuAc7−H3ax).
【実施例1】
参考例1で得られた化合物24(6mg,2.58mmol)を水(300mL)溶かし重炭酸ナトリウム(2.1mg,24.9mmol)を加えた。ここに、D−(+)−ビオチニルスクシンイミド(4.2mg,12.3mmol)を溶かしたジメチルホルムアミド(300mL)を加え、室温で20分反応させた。原料消失をTLC(イソプロパノール:1M 酢酸アンモニウム水溶液=3:2)で確認後、エバポレーターを用いて濃縮した。残渣をゲルろ過カラム(f20mm×300mm,Sephadex G−25,水)で精製し、目的とする化合物(6.2mg,94%)を得た。得られた化合物の物理的データは以下の通りである。

H−NMR(400mHz,DO,30℃,HOD=4.81)
d5.22(s,1H,Man4−H1),5.14(d,1H,GlcNAc1−H1),5.03(s,1H,Man4’−H−1),4.59(dd,1H),4.86(s,1H,Man3−H1),4.74−4.66(m,3H,,GlcNAc2,5,5’−H1),4.53(d,2H,Gal6,6’−H1),4.34(s,1H,Man3−H2),4.28(bs,1H,Man4−H2),4.19(bs,1H,Man4’−H2),3.09(dd,2H,NeuAc7,7’−H3eq),2.94−2.86(m,2H,biotin),2.78−2.71(m,2H,biotin),2.37(t,1H,biotin),2.17,2.16,2.13,2.11(each s,Ac),1.80(dd,2H,NeuAc7,7’−H3ax),1.80−1.67(m,biotin),1.52−1.47(m,biotin),1.32(dd,biotin)
【実施例2】
参考例45で得られた化合物76を使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例3】
参考例45で得られた化合物77を使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例4】
参考例7で得られた化合物33を使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例5】
参考例24で得られた化合物26を使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例6】
参考例25で得られた化合物27を使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例7】
参考例26で得られた化合物28を使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例8】
参考例27で得られた化合物30を使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例9】
参考例28で得られた化合物31を使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例10】
参考例29で得られた化合物32を使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例11】
参考例30で得られた化合物37を使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例12】
参考例31で得られた化合物42を使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例13】
参考例32で得られた化合物38を使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例14】
参考例33で得られた化合物72を使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例15】
参考例34で得られた化合物43を使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例16】
参考例35で得られた化合物73を使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例17】
参考例36で得られた化合物39を使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例18】
参考例37で得られた化合物40を使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例19】
参考例38で得られた化合物41を使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例20】
参考例39で得られた化合物44を使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例21】
参考例40で得られた化合物45を使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例22】
参考例41で得られた化合物46を使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例23】
参考例42で得られた化合物34を使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例24】
参考例43で得られた化合物35を使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例25】
参考例44で得られた化合物36を使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

実施例26 Fmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護したジシアロα2,3糖鎖アスパラギン(C1−1)およびFmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護した2種のモノシアロα2,3糖鎖アスパラギン(C1−2及びC1−3)の合成
参考例2で得られたFmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護したアシアロ糖鎖アスパラギンにシアル酸転移酵素を用いてCMP−シアル酸を転移させた。
シアル酸転移酵素としてα2,3転移酵素である市販のRat,Recombinant由来のものを用いた。
参考例2で得られたアシアロ9糖(20mg,10.1μmol)を50mMカコジル酸緩衝液(pH=6.0,5ml)に溶解させた後、牛血清アルブミン(BSA,5mg)を加える。これに、CMP−シアル酸(26mg,40.4μmol)、Alkaline phosphatase(5μl,125unit)を加え均一化する。最後に、α2,3−Sialyltransferase(CALBIOCHEM社製、100μl)を加え37℃で48時間静置させる。HPLCで反応をモニターしながら原料が目的量まで減少した時点で反応を終了させ、反応液をメンブランフィルターにて濾過する。濾液を濃縮し液量を減じた後、HPLC分取カラムにて精製した(YMC−Pack R&D ODS,D−ODS−5−A,20×250mm,AN/25mM AcONH4 buffer=18/82,7.5ml/min.,wave length;274nm)ところ、25分後にジシアロ11糖 化合物(C1−1)が、それぞれ30分後、34分後に各モノシアロ10糖 化合物(C1−2)及び(C1−3)が溶出してきた。それぞれを分取した後、脱塩処理、次いで凍結乾燥を行うと、各化合物1、2、3がそれぞれ0.7mg(2.7%)、1.9mg(8.3%)、3.5mg(15.3%)得られた。各化合物のNMRデータは以下のとおりである。
化合物(C1−1)
H NMR(400MHz,DO,30℃,HOD=4.81)
δ 7.90(d,2H,Fmoc),7.69(d,2H,Fmoc),7.49(dd,2H,Fmoc),7.42(dd,2H,Fmoc),5.10(s,1H,Man4−H1),4.97(d,1H,GlcNAc1−H1),4.91(s,1H,Man4’−H−1),4.50−4.60(m,4H),4.34(1H,Fmoc),4.24(bs,1H,Man3−H2),4.18(bs,1H,Man4−H2),4.10(m,2H),2.74(m,3H,Asn−βCH,NeuAc7,7’−H3eq),2.40−2.60(m,1H,Asn−βCH),2.05,2.03,2.02(each s,Ac),1.77(dd,2H,NeuAc7,7’−H3ax).
化合物(C1−2)
H NMR(400MHz,DO,30℃,HOD=4.81)
δ 7.90(d,2H,Fmoc),7.69(d,2H,Fmoc),7.49(dd,2H,Fmoc),7.42(dd,2H,Fmoc),5.10(s,1H,Man4−H1),4.97(d,1H,GlcNAc1−H1),4.90(s,1H,Man4’−H−1),4.47−4.60(m),4.43(d,1H),4.32(1H,Fmoc),4.22(bs,2H),4.17(bs,1H,Man4−H2),4.06−4.13(m,2H),2.72(m,2H,Asn−βCH,NeuAc7−H3eq),2.50−2.60(m,1H,Asn−βCH),2.05,2.03,2.01(each s,Ac),1.77(dd,1H,NeuAc7−H3ax).
化合物(C1−3)
H NMR(400MHz,DO,30℃,HOD=4.81)
δ 7.90(d,2H,Fmoc),7.69(d,2H,Fmoc),7.49(dd,2H,Fmoc),7.42(dd,2H,Fmoc),5.10(s,1H,Man4−H1),4.97(d,1H,GlcNAc1−H1),4.90(s,1H,Man4’−H−1),4.50−4.60(m),4.45(d,1H),4.33(1H,Fmoc),4.22(m,2H),4.17(bs,1H,Man4−H2),4.09(m,2H),2.74(m,2H,Asn−βCH,NeuAc7−H3eq),2.45−2.60(m,1H,Asn−βCH),2.05,2.03,2.02,2.00(each s,Ac),1.77(dd,1H,NeuAc7−H3ax)


得られた(C−1)〜(C−3)の各化合物を参考例7と同様に処理してFmoc基を脱保護して糖鎖アスパラギンを得た。得られた糖鎖アスパラギンを使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例27】
実施例26で得られた化合物(C1−2)(2mg,0.88μmol)とウシ血清アルブミン1mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0)100μlに溶解させ、さらにβ−ガラクトシダーゼ(生化学工業社製、from Jack Beans,5μL,100mU)を加えた。この溶液を37℃で15時間静置した後、メンブランフィルターでろ過を行った。ろ液をHPLC(ODSカラム、2.0φ×25cm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=82:18、流速7.5ml/min)で精製した後、溶媒を濃縮、次いで凍結乾燥を行った。残留物を水200μlに溶解させODS−カラムクロマトグラフィー(コスモシール75C18−opn、最初に水で洗浄を行い、次いで25%アセトニトリル水溶液で溶出させる)を用いて脱塩処理を行ったところ、目的とする化合物(C2)が0.5μg得られた。NMRデータは以下のとおりである。
H NMR(400MHz,DO,30℃,HOD=4.81)
δ 7.90(d,2H,Fmoc),7.69(d,2H,Fmoc),7.49(dd,2H,Fmoc),7.42(dd,2H,Fmoc),5.10(s,1H,Man4−H1),4.98(d,1H,GlcNAc1−H1),4.90(s,1H,Man4’−H−1),4.50−4.60(m),4.33(1H,Fmoc),4.22(m,2H),4.17(bs,1H,Man4−H2),4.10(m,2H),2.74(m,2H,Asn−βCH,NeuAc7−H3eq),2.45−2.60(m,1H,Asn−βCH),2.05,2.03,2.01(each s,Ac),1.78(dd,1H,NeuAc7−H3ax)

得られた(C2)の化合物を参考例7と同様に処理してFmoc基を脱保護して糖鎖アスパラギンを得た。得られた糖鎖アスパラギンを使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例28】
実施例27で得られた化合物(C2)(1.8mg,0.86μmol)を、ウシ血清アルブミン1mgと共にHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0)90μlに溶解させ、さらにN−アセチル−β−グルコサミニダーゼ(シグマアルドリッチ社製、from Jack Beans)を4μl(250mU)加えた。この溶液を37℃で24時間静置した後、メンブランフィルターでろ過を行った。ろ液をHPLC(ODSカラム、2.0φ×25cm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=82:18、流速7.5ml/min)で精製した後、溶媒を濃縮、次いで凍結乾燥を行った。残留物を水200μlに溶解させODS−カラムクロマトグラフィー(コスモシール75C18−opn、最初に水で洗浄を行い、次いで25%アセトニトリル水溶液で溶出させる)を用いて脱塩処理を行ったところ、目的とする化合物(C3)が0.9μg得られた。
H NMR(400MHz,DO,30℃,HOD=4.81)
δ 8.01(d,2H,J=7.6,Fmoc),7.80(d,2H,J=7.6,Fmoc),7.60(dd,2H,J=7.6,Fmoc),7.53(dd,2H,J=7.6,Fmoc),5.21(s,1H,Man4−H1),5.09(d,1H,J=8.8,GlcNAc1−H1),5.00(s,1H,Man4’−H−1),4.87(s,1H),4.60−4.78(m,5H),4.40−4.50(bm,2H),4.34(s,1H),4.28(bs,1H,Man4−H2),4.20(dd,1H,Ja=3.0,Jb=9.9),2.80−2.95(m,2H,Asn−βCH,NeuAc7−H3eq),2.65−2.75(m,1H,Asn−βCH),2.16,2.14,2.12(each s,Acx3),1.98(s,3H,Ac),1.89(dd,1H,Ja=12.1,Jb=11.9,NeuAc7−H3ax).

得られた(C3)の化合物を参考例7と同様に処理してFmoc基を脱保護して糖鎖アスパラギンを得た。得られた糖鎖アスパラギンを使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例29】
実施例28で得られた化合物(C3)(0.8mg,0.42μmol)とウシ血清アルブミン1mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0)50μlに溶解させ、α−マンノシダーゼ(シグマアルドリッチ社製、from Jack Beans)30μl(2.9U)加えた。この溶液を37℃で63時間静置した後、メンブランフィルターでろ過を行った。ろ液をHPLC(ODSカラム、2.0φ×25cm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=80:20、流速7.5ml/min)で精製した後、溶媒を濃縮、次いで凍結乾燥を行った。残留物を水200μlに溶解させODS−カラムクロマトグラフィー(コスモシール75C18−opn、最初に水で洗浄を行い、次いで25%アセトニトリル水溶液で溶出させる)を用いて脱塩処理を行ったところ、目的とする化合物(C4)が0.6μg得られた。
H NMR(400MHz,DO,30oC,HOD=4.81)
δ 8.00(d,2H,J=7.2,Fmoc),7.79(d,2H,J=7.2,Fmoc),7.59(dd,2H,J=7.2,Fmoc),7.52(dd,2H,J=7.2,Fmoc),5.21(s,1H,Man4−H1),5.09(d,1H,J=10.0,GlcNAc1−H1),4.60−4.75(m,),4.40−4.50(m,2H),4.32(bd,1H,J=2.3),4.28(bs,1H),4.22(bdd,1H,Ja=9.7,Jb=2.8,Man4−H2),2.80−2.95(m,2H,Asn−βCH,NeuAc7−H3eq),2.60−2.75(m,1H,Asn−βCH),2.14,2.14,2.12(eachs,Acx3),1.98(s,3H,Ac),1.88(dd,1H,Ja=12.1,Jb=12.0,NeuAc7−H3ax).

得られた(C4)の化合物を参考例7と同様に処理してFmoc基を脱保護して糖鎖アスパラギンを得た。得られた糖鎖アスパラギンを使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例30】
実施例26で得られた化合物(C1−3)(1mg,0.44μmol)とウシ血清アルブミン1mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0)50μlに溶解させ、さらにβ−ガラクトシダーゼ(生化学工業社製、from Jack Beans,5μL,100mU)を加えた。この溶液を37℃で15時間静置した後、メンブランフィルターでろ過を行った。ろ液をHPLC(ODSカラム、2.0φ×25cm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=82:18、流速7.5ml/min)で精製した後、溶媒を濃縮、次いで凍結乾燥を行った。残留物を水200μlに溶解させODS−カラムクロマトグラフィー(コスモシール75C18−opn、最初に水で洗浄を行い、次いで25%アセトニトリル水溶液で溶出させる)を用いて脱塩処理を行ったところ、目的とする化合物(C5)が0.3μg得られた。
H NMR(400MHz,DO,30℃,HOD=4.81)
δ 8.01(d,2H,J=7.2,Fmoc),7.81(d,2H,J=7.2,Fmoc),7.60(dd,2H,J=7.2,Fmoc),7.53(dd,2H,J=7.2,Fmoc),5.21(s,1H,Man4−H1),5.09(d,1H,J=9.6,GlcNAc1−H1),5.02(s,1H,Man4’−H−1),4.55−4.70(m),4.44(1H,Fmoc),4.30−4.38(bm,2H),4.28(bd,1H,Man4−H2),4.17−4.25(m,2H),2.78−2.95(m,2H,Asn−βCH,NeuAc7−H3eq),2.55−2.70(m,1H,Asn−βCH),2.16,2.15,2.14,2.12(eachs,12H,Acx4),1.98(s,3H,Ac),1.89(dd,1H,Ja=12.2,Jb=12.0,NeuAc7−H3ax).

得られた(C5)の化合物を参考例7と同様に処理してFmoc基を脱保護して糖鎖アスパラギンを得た。得られた糖鎖アスパラギンを使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例31】
実施例30で得られた化合物(C5)(1.0mg,0.48μmol)を、ウシ血清アルブミン1mgと共にHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0)50μlに溶解させ、さらにN−アセチル−β−グルコサミニダーゼ(シグマアルドリッチ社製、from Jack Beans)を4μl(250mU)加えた。この溶液を37℃で22時間静置した後、メンブランフィルターでろ過を行った。ろ液をHPLC(ODSカラム、2.0φ×25cm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=82:18、流速7.5ml/min)で精製した後、溶媒を濃縮、次いで凍結乾燥を行った。残留物を水200μlに溶解させODS−カラムクロマトグラフィー(コスモシール75C18−opn、最初に水で洗浄を行い、次いで25%アセトニトリル水溶液で溶出させる)を用いて脱塩処理を行ったところ、目的とする化合物(C6)が0.6μg得られた。
H NMR(400MHz,DO,30℃,HOD=4.81)
δ 8.01(d,2H,J=7.6,Fmoc),7.80(d,2H,J=7.6,Fmoc),7.60(dd,2H,J=7.6,Fmoc),7.53(dd,2H,J=7.6,Fmoc),5.19(s,1H,Man4−H1),5.09(d,1H,J=9.2,GlcNAc1−H1),5.02(s,1H,Man4’−H−1),4.85(s,1H)4.58−4.75(m,5H),4.38−4.48(m,2H,Fmoc),4.40(bd,J=2.4,1H),4.18−4.25(m,2H),4.15(m,1H),2.80−2.95(m,2H,Asn−βCH,NeuAc7−H3eq),2.65−2.75(m,1H,Asn−βCH),2.16,2.13,2.12(eachs,9H,Acx3),1.98(s,3H,Ac),1.89(dd,1H,Ja=12.2,Jb=12.0,NeuAc7−H3ax).

得られた(C6)の化合物を参考例7と同様に処理してFmoc基を脱保護して糖鎖アスパラギンを得た。得られた糖鎖アスパラギンを使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例32】
実施例31で得られた化合物(C6)(1.0mg,0.53μmol)とウシ血清アルブミン1mgをHEPES緩衝溶液(50mM,pH5.0)50μlに溶解させ、α−マンノシダーゼ(シグマアルドリッチ社製、from Jack Beans)10μl(0.9U)加えた。この溶液を37℃で20時間静置した後、メンブランフィルターでろ過を行った。ろ液をHPLC(ODSカラム、2.0φ×25cm、展開溶媒は50mM酢酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=80:20、流速7.5ml/min)で精製した後、溶媒を濃縮、次いで凍結乾燥を行った。残留物を水200μlに溶解させODS−カラムクロマトグラフィー(コスモシール75C18−opn、最初に水で洗浄を行い、次いで25%アセトニトリル水溶液で溶出させる)を用いて脱塩処理を行ったところ、目的とする化合物(C7)が0.5μg得られた。
H NMR(400MHz,DO,30℃,HOD=4.81)
δ 8.01(d,2H,J=7.6,Fmoc),7.81(d,2H,J=7.6,Fmoc),7.60(dd,2H,J=7.2,Fmoc),7.53(dd,2H,J=7.6,Fmoc),5.09(d,1H,J=9.2,GlcNAc1−H1),5.01(s,1H,Man4’−H−1),4.84(s,1H),4.55−4.70(m,5H),4.44(t,1H,J=6.0,Fmoc),4.30−4.38(bs,1H),4.15−4.25(m,2H),4.17(s,1H),2.80−2.95(m,2H,Asn−βCH,NeuAc7−H3eq),2.55−2.70(m,1H,Asn−βCH),2.16,2.13,2.12(eachs,Acx3),1.98(s,3H,Ac)1.89(dd,1H,Ja=12.2,Jb=12.3,NeuAc7−H3ax).

得られた(C7)の化合物を参考例7と同様に処理してFmoc基を脱保護して糖鎖アスパラギンを得た。得られた糖鎖アスパラギンを使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例33】
Fmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護したジシアロ(α2,6)(α2,3)糖鎖アスパラギンの合成
参考例45で得られたFmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護したモノシアロ糖鎖アスパラギン(化合物2)にシアル酸転移酵素を用いてCMP−シアル酸を転移させた。
シアル酸転移酵素としてα2,3転移酵素である市販のRat,Recombinant由来のものを用いた。
参考例45で得られた化合物2(1.7mg,0.75μmol)を50mMカコジル酸緩衝液(pH=5.0,85μl)に溶解させた後、牛血清アルブミン(BSA,1mg)を加える。これに、CMP−シアル酸(4.8mg,7.5μmol)、Alkaline phosphatase(1μl,75unit)を加え均一化する。最後に、α2,3−Sialyltransferase(CALBIOCHEM社製、75μl,34mU)を加え37℃で3.5時間静置させる。HPLCで反応をモニターしながら原料が消失した時点で反応を終了させ、反応液をメンブランフィルターにて濾過する。濾液を濃縮し液量を減じた後、HPLC分取カラムにて精製した(YMC−Pack R&D ODS,D−ODS−5−A,20×250mm,AN/25mM AcONH4 buffer=18/82,7.5ml/min.,wave length;274nm)ところ、25分後に化合物(C7A)が溶出してきた。分取した後、脱塩処理、次いで凍結乾燥を行うと、化合物(C7A)が1.3mg(67.8%)得られた。化合物のNMRデータは以下のとおりである。
H NMR(400MHz,DO,30℃,HOD=4.81)
δ 8.00(d,2H,J=7.2,Fmoc),7.79(d,2H,J=7.2,Fmoc),7.60(dd,2H,J=7.2,Fmoc),7.52(dd,2H,J=7.2,Fmoc),5.21(s,1H,Man4−H1),5.09(d,1H,J=8.8,GlcNAc1−H1),5.03(s,1H,Man4’−H−1),4.86(s,1H),4.58−4.72(m,5H),4.54(d,1H,J=8.0),4.38−4.48(m,2H)4.34(bs,1H),4.28(bs,1H),4.15−4.25(m,2H),2.80−2.86(dd,1H,Ja=4.4,Jb=12.4,NeuAc7−H3eq),2.73−2.83(m,dd,3H,Ja=4.4,Jb=12.4,Asn−βCH,NeuAc7−H3eq),2.60−2.72(m,1H,Asn−βCH),2.16,2.15,2.14,2.12(each s,Ac x5),1.98(s,3H,Ac),1.89(dd,1H,Ja=12.4,Jb=12.0,NeuAc7−H3ax),1.81(dd,1H,Ja=12.4,Jb=12.0,NeuAc7−H3ax).

得られた(C7A)の化合物を参考例7と同様に処理してFmoc基を脱保護して糖鎖アスパラギンを得た。得られた糖鎖アスパラギンを使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例34】
Fmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護したジシアロ(α2,3)(α2,6)糖鎖アスパラギンの合成
参考例45で得られたFmoc基でアスパラギンのアミノ基窒素を保護したモノシアロ糖鎖アスパラギン(化合物6)にシアル酸転移酵素を用いてCMP−シアル酸を転移させた。
シアル酸転移酵素としてα2,3転移酵素である市販のRat,Recombinant由来のものを用いた。
参考例45で得られた化合物6(1.2mg,0.53μmol)を50mMカコジル酸緩衝液(pH=5.0,60μl)に溶解させた後、牛血清アルブミン(BSA,1mg)を加える。これに、CMP−シアル酸(3.4mg,5.3μmol)、Alkaline phosphatase(1μl,75unit)を加え均一化する。最後に、α2,3−Sialyltransferase(CALBIOCHEM社製、52.9μl,24mU)を加え37℃で3時間静置させる。HPLCで反応をモニターしながら原料が全て消費された時点で反応を終了させ、反応液をメンブランフィルターにて濾過する。濾液を濃縮し液量を減じた後、HPLC分取カラムにて精製した(YMC−Pack R&D ODS,D−ODS−5−A,20×250mm,AN/25mM AcONH4 buffer=18/82,7.5ml/min.,wave length;274nm)ところ、23分後に化合物(C7B)が溶出してきた。分取した後、脱塩処理、次いで凍結乾燥を行うと、各化合物(C7B)が1.1mg(81.2%)得られた。各化合物のNMRデータは以下のとおりである。
H NMR(400MHz,DO,30℃,HOD=4.81)
δ 8.00(d,2H,J=7.6,Fmoc),7.79(d,2H,J=7.6,Fmoc),7.59(dd,2H,J=7.6,Fmoc),7.51(dd,2H,J=7.6,Fmoc),5.21(s,1H,Man4−H1),5.08(d,1H,J=10.0,GlcNAc1−H1),5.00(s,1H,Man4’−H−1),4.84(s,1H),4.60−4.72(m,5H),4.52(d,1H,J=7.6),4.35−4.45(m,2H),4.33(bs,1H),4.27(bs,1H),4.15−4.25(m,2H),2.80−2.86(dd,1H,Ja=4.8,Jb=12.4,NeuAc7−H3eq),2.73−2.83(bs,dd,3H,Ja=4.8,Jb=12.4,Asn−βCH,NeuAc7−H3eq),2.60−2.72(m,1H,Asn−βCH),2.15,2.12,2.10(each s,Ac x5),1.97(s,3H,Ac),1.88(dd,1H,Ja=12.4,Jb=12.4,NeuAc7−H3ax),1.80(dd,1H,Ja=12.4,Jb=12.4,NeuAc7−H3ax).

得られた(C7B)の化合物を参考例7と同様に処理してFmoc基を脱保護して糖鎖アスパラギンを得た。得られた糖鎖アスパラギンを使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。

【実施例35〜52】
参考例2、8〜10、12、14、17、45、実施例26〜32で製造した各Fmoc−糖鎖アスパラギン 2nmolを、トリス塩酸緩衝液 約10mlに溶解させた。このものに、GDP−フコース200nmol、Fucosyltransferase V(Human,Recombinant)0.5mUを加え、37℃で約2時間静置、反応させた。反応液を超純水20mlで希釈したのち、キャピラリー電気泳動(fused silica capillary,50mm i.d.,60cm,buffer;100mM Tris−borate,pH=8.3,100mM Heptane sulfonate,印加電圧27kV,温度25℃,214mm)で分離を行いフコースを含む糖鎖アスパラギン誘導体を得た。得られた上記糖鎖アスパラギン誘導体を参考例7と同様に処理してFmoc基を脱保護して糖鎖アスパラギンを得た。得られた糖鎖アスパラギンを使用した以外は実施例1と同様にビオチン化を行った。得られたビオチン化糖鎖アスパラギンを以下に示す。
【実施例35】

【実施例36】


【実施例37】

【実施例38】

【実施例39】

【実施例40】

【実施例41】

【実施例42】

【実施例43】

【実施例44】

【実施例45】


【実施例46】

【実施例47】

【実施例48】

【実施例49】

【実施例50】

【実施例51】

【実施例52】

【実施例53】
ジシアロ糖鎖アスパラギン(化合物24)(11糖、1.4mg、0.60mmol)を、精製水 70mlに溶解させた。このものにアセトン70ml、NaHCO(0.76mg,9mmol)を加え、室温下に撹拌した後、Fluorescein isothiocyanate(FITC,0.95mg,2.4mmol,Aldrich社製)を加え約2時間撹拌した。2時間後、TLCにて反応の終了を確認した後、アセトンを減圧下に留去させ、残った水溶液をゲルカラムクロマトグラフィー(Sephadex G−25,HO)にて精製し目的物の含まれる分画を集めた。集めた分画を濃縮後、HPLC(YMC− Pack ODS=AM,SH−343−5AM,20×250mm,AN/25mM AcONH buffer=10/90,7.5ml/min.,wave length;274nm)で分取した後、ゲルカラムクロマトグラフィー(Sephadex G−25,HO)にて脱塩処理を行った。目的物の含まれる分画を集め、濃縮後、凍結乾燥を行うと目的とするFITC化されたジシアロ糖鎖誘導体(1.2mg,73.5% yield)が得られた。

H NMR(400MHz,DO,30℃,HOD=4.81)
δ 7.86(d,1H,J=2.0,FITC),7.75(dd,1H,Ja=8.0,Jb=2.0,FITC),7.46(d,1H,J=8.0,FITC),7.41(d,1H,J=9.6,FITC),6.71−6.83(bm,4H,FITC),5.22(s,1H,Man4−H1),5.10−5.20(bm,2H,GlcNAc1−H1),5.03(s,1H,Man4’−H−1),4.70−4.80(m,3H),4.53(d,2H,J=8.0),4.33(s,1H,Man3−H−2),4.27(bs,1H,Man4−H−2),4.18(s,1H,Man4−H−2),2.90−3.00(m,1H,Asn−βCH),2.85−2.95(m,1H,Asn−βCH),2.75(dd,2H,Ja=12.0,Jb=2.8,NeuAc7−H3ex),2.15,2.14,2.12,2.09(eachs,18H,Acx6),1.80(dd,2H,Ja=12.0,Jb=12.0,NeuAc7−H3ax).
【実施例54】
化合物24の代わりに、化合物76を用いて実施例53と同様にしてFITC化を行った。

【実施例55】
化合物24の代わりに、化合物77を用いて実施例53と同様にしてFITC化を行った。

【実施例56】
化合物24の代わりに、化合物33を用いて実施例53と同様にしてFITC化を行った。

得られたFITC化糖鎖アスパラギンのNMRデータを以下に示す。
H−NMR(400MHz,D2O,30℃,HOD=4.81)
δ 7.88(d,1H,J=2.0,FITC),7.76(dd,1H,Ja=8.0,Jb=2.0,FITC),7.46(d,1H,J=8.0,FLTC),7.45(d,1H,J=8.8,FITC),6.85−6.93(m,4H,FITC),5.21(s,1H,Man4−H1),5.05−5.20(bd,2H,GlcNAc1−H1),5.01(s,1H,Man4’−H−1),4.67(d,3H,J=7.6),4.55(d,2H),4.34(s,1H,Man3−H−2),4.28(bs,1H,Man4−H−2),4.20(s,1H,Man4−H−2),3.00−3.10(bm,1H,Asn−βCH),2.90−3.00(m,1H,Asn−βCH),2.75(dd,2H,Ja=12.0,Jb=2.8,NeuAc7−H3ex),2.14,2.13,2.12,2.08(eachs,12H,Acx4).
【実施例57】
化合物24の代わりに、化合物26を用いて実施例53と同様にしてFITC化を行った。

【実施例58】
化合物24の代わりに、化合物27を用いて実施例53と同様にしてFITC化を行った。

【実施例59】
化合物24の代わりに、化合物28を用いて実施例53と同様にしてFITC化を行った。

【実施例60】
化合物24の代わりに、化合物30を用いて実施例53と同様にしてFITC化を行った。

【実施例61】
化合物24の代わりに、化合物31を用いて実施例53と同様にしてFITC化を行った。

【実施例62】
化合物24の代わりに、化合物32を用いて実施例53と同様にしてFITC化を行った。

【実施例63】
化合物24の代わりに、化合物37を用いて実施例53と同様にしてFITC化を行った。

【実施例64】
化合物24の代わりに、化合物42を用いて実施例53と同様にしてFITC化を行った。

【実施例65】
化合物24の代わりに、化合物38を用いて実施例53と同様にしてFITC化を行った。

【実施例66】
化合物24の代わりに、化合物72を用いて実施例53と同様にしてFITC化を行った。

【実施例67】
化合物24の代わりに、化合物43を用いて実施例53と同様にしてFITC化を行った。

【実施例68】
化合物24の代わりに、化合物73を用いて実施例53と同様にしてFITC化を行った。

【実施例69】
化合物24の代わりに、化合物39を用いて実施例53と同様にしてFITC化を行った。

【実施例70】
化合物24の代わりに、化合物40を用いて実施例53と同様にしてFITC化を行った。

【実施例71】
化合物24の代わりに、化合物41を用いて実施例53と同様にしてFITC化を行った。

【実施例72】
化合物24の代わりに、化合物44を用いて実施例53と同様にしてFITC化を行った。

【実施例73】
化合物24の代わりに、化合物45を用いて実施例53と同様にしてFITC化を行った。

【実施例74】
化合物24の代わりに、化合物46を用いて実施例53と同様にしてFITC化を行った。

【実施例75】
化合物24の代わりに、化合物34を用いて実施例53と同様にしてFITC化を行った。

【実施例76】
化合物24の代わりに、化合物35を用いて実施例53と同様にしてFITC化を行った。

【実施例77】
化合物24の代わりに、化合物36を用いて実施例53と同様にしてFITC化を行った。

【実施例78】
実施例26で得られた(C−1)〜(C−3)の各化合物を参考例7と同様に処理してFmoc基を脱保護して糖鎖アスパラギンを得た。得られた糖鎖アスパラギンを使用した以外は実施例53と同様にFITC化を行った。

【実施例79】
実施例27で得られた(C2)の各化合物を参考例7と同様に処理してFmoc基を脱保護して糖鎖アスパラギンを得た。得られた糖鎖アスパラギンを使用した以外は実施例53と同様にFITC化を行った。

【実施例80】
実施例28で得られた(C3)の各化合物を参考例7と同様に処理してFmoc基を脱保護して糖鎖アスパラギンを得た。得られた糖鎖アスパラギンを使用した以外は実施例53と同様にFITC化を行った。

【実施例81】
実施例29で得られた(C4)の各化合物を参考例7と同様に処理してFmoc基を脱保護して糖鎖アスパラギンを得た。得られた糖鎖アスパラギンを使用した以外は実施例53と同様にFITC化を行った。

【実施例82】
実施例30で得られた(C5)の各化合物を参考例7と同様に処理してFmoc基を脱保護して糖鎖アスパラギンを得た。得られた糖鎖アスパラギンを使用した以外は実施例53と同様にFITC化を行った。

【実施例83】
実施例31で得られた(C6)の各化合物を参考例7と同様に処理してFmoc基を脱保護して糖鎖アスパラギンを得た。得られた糖鎖アスパラギンを使用した以外は実施例53と同様にFITC化を行った。

【実施例84】
実施例32で得られた(C7)の各化合物を参考例7と同様に処理してFmoc基を脱保護して糖鎖アスパラギンを得た。得られた糖鎖アスパラギンを使用した以外は実施例53と同様にFITC化を行った。

【実施例85】
実施例33で得られた(C7A)の各化合物を参考例7と同様に処理してFmoc基を脱保護して糖鎖アスパラギンを得た。得られた糖鎖アスパラギンを使用した以外は実施例53と同様にFITC化を行った。

【実施例86】
実施例34で得られた(C7B)の各化合物を参考例7と同様に処理してFmoc基を脱保護して糖鎖アスパラギンを得た。得られた糖鎖アスパラギンを使用した以外は実施例53と同様にFITC化を行った。

【実施例87〜104】
実施例35〜52で得られたフコースを含む糖鎖アスパラギン誘導体を用いて実施例53と同様にしてFITC化を行った。
【実施例87】

【実施例88】


【実施例89】

【実施例90】

【実施例91】

【実施例92】

【実施例93】

【実施例94】

【実施例95】

【実施例96】

【実施例97】

【実施例98】


【実施例99】

【実施例100】

【実施例101】

【実施例102】

【実施例103】

【実施例104】

実施例105(マイクロプレートの製造)
96穴BDバイオコートストレプトアビジン(BDバイオサイエンス社製:バイオアッセイ用、結合能:5ng/1穴)に、実施例1のビオチン化糖鎖アスパラギン100μg(ビオチン結合能の約10倍相当量)を蒸留水に溶かし1000μlとした。この調整溶液を1穴当り10μlとなるように各ウェルに加え、蒸留水で3回洗浄し、マイクロプレートを製造した。各ビオチン化糖鎖アスパラギンの結合収率は95%以上であった。固定化率の確認は、洗い出された非固定化糖鎖残量より算出した。
実施例106(アフィニティーカラムの製造)
アビジンコートビーズ(日立ソフトウェアーエンジニアリング社製、xMAP LumAvidin Development Microspheres 1ml)10mlと実施例1のビオチン化糖鎖アスパラギン30mgをスラリー状態で撹拌し、ビーズをろ過、洗浄した。洗浄は、ビーズ体積の2倍量の蒸留水を使用して、3回ろ紙上で洗浄した。固定化の確認は、洗浄回収されたビオチン化糖鎖アスパラギンの残量により確認した。次に上記のビオチン化糖鎖アスパラギン固定ビーズ10mlを30mlの蒸留水でスラリー状態のまま、ガラス製のオープンクロマトカラム(φ20mm、長さ300mm)に充填し、アフィニティーカラムを製造した。













【産業上の利用可能性】
本発明によれば、アスパラギンのアミノ基窒素をビオチン化又はFITC化した糖鎖アスパラギンが得られる。
更に本発明によれば、ビオチン・アビジンの結合特異性を利用し、ビオチン化した複数の糖鎖をアビジン化されたマイクロプレート上で反応させるだけで簡単に糖鎖マイクロチップを製造することができる。これにより、特定の糖鎖と結合能を有するタンパク質を解明することができる。
また、ある特定のタンパク質を分離精製する目的で、アビジン化したアフィニティーカラムに特定のビオチン化した糖鎖を結合し固定化し、そこに、ビオチン化した糖鎖と特異的結合能を有するタンパク質を含む混合物を通すことにより目的とするタンパク質のみを単離することができる。
更に本発明で得られたFITC化糖鎖アスパラギンは、例えば生体組織中の糖類の受容体の研究、レクチンの糖結合特異性の研究に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表される11〜3糖を有する糖鎖アスパラギン誘導体。

〔式中、RおよびRは、水素原子、式(2)〜(6)で示される基であり、同一でも異なっていてもよい。Qはビオチン基又はFITC基を示す。〕


【請求項2】
式(1)において、RおよびRの一方は必ず式(2)又は式(3)で示される基である11〜7糖を有する(α2,3)又は(α2,6)糖鎖アスパラギン誘導体。
【請求項3】
式(1)において、Rは式(2)で示される基であり、Rは式(3)で示される基である11糖を有する(α2,3)(α2,6)糖鎖アスパラギン誘導体。
【請求項4】
式(1)において、Rは式(3)で示される基であり、Rは式(2)で示される基である11糖を有する(α2,3)(α2,6)糖鎖アスパラギン誘導体。
【請求項5】
ビオチン基又はFITC基でアスパラギンのアミノ基窒素が修飾された糖鎖アスパラギンの非還元末端側のN−アセチルグルコサミンに少なくとも1個以上のフコースを含む糖鎖アスパラギン誘導体。
【請求項6】
ビオチン基又はFITC基でアスパラギンのアミノ基窒素が修飾された糖鎖アスパラギンが、式(1)で表される11〜3糖を有する糖鎖アスパラギン誘導体である請求項5に記載のフコースを含む糖鎖アスパラギン誘導体。
【請求項7】
ビオチン基又はFITC基でアスパラギンのアミノ基窒素が修飾された糖鎖アスパラギンが、請求の範囲第3項の11糖を有する(α2,3)(α2,6)糖鎖アスパラギン誘導体である請求項5に記載のフコースを含む糖鎖アスパラギン誘導体。
【請求項8】
ビオチン基又はFITC基でアスパラギンのアミノ基窒素が修飾された糖鎖アスパラギンが、請求の範囲第4項の11糖を有する(α2,3)(α2,6)糖鎖アスパラギン誘導体である請求項5に記載のフコースを含む糖鎖アスパラギン誘導体。
【請求項9】
ビオチン基又はFITC基でアスパラギンのアミノ基窒素が修飾された糖鎖アスパラギンが、式(1)においてRおよびRは、水素原子、式(2)で示される基、または式(4)〜(6)で示される基であり、RおよびRの一方は必ず式(2)又は式(4)で示される基である、11〜6糖を有するα2,3糖鎖アスパラギン誘導体である請求項5に記載のフコースを含む糖鎖アスパラギン誘導体。
【請求項10】
ビオチン基又はFITC基でアスパラギンのアミノ基窒素が修飾された糖鎖アスパラギンが、式(1)においてRおよびRは、水素原子、式(3)で示される基、または式(4)〜(6)で示される基であり、RおよびRの一方は必ず式(3)又は式(4)で示される基である、11〜6糖を有するα2,6糖鎖アスパラギン誘導体である請求項5に記載のフコースを含む糖鎖アスパラギン誘導体。
【請求項11】
式(7)で表される11〜3糖を有する糖鎖アスパラギンをビオチン化することを特徴とするビオチン化糖鎖アスパラギンの製造方法。

〔式中、R及びRは上記に同じ。〕
【請求項12】
式(7)で表される11〜3糖を有する糖鎖アスパラギンをフルオレセインイソチオシアネート(FITC)化することを特徴とするFITC化糖鎖アスパラギンの製造方法。
【請求項13】
請求の範囲1〜10項に記載のビオチン化糖鎖アスパラギンを結合させたマイクロプレート。
【請求項14】
請求の範囲1〜10項に記載のビオチン化糖鎖アスパラギンを結合させたアフィニティーカラム。

【国際公開番号】WO2004/058789
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【発行日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−562935(P2004−562935)
【国際出願番号】PCT/JP2003/016682
【国際出願日】平成15年12月25日(2003.12.25)
【出願人】(502244258)
【出願人】(302060306)大塚化学株式会社 (88)
【Fターム(参考)】