説明

系切替システム、系切替方法、通信装置及び通信プログラム

【課題】使用されていないチャネルに対する無駄な動作をなくし、一系障害時に他系が一系の内部状態データを継続して使用できるようにする。
【解決手段】本発明は、複数の通信装置が、通常時に、割り振られた有効チャネルを処理して稼働系として動作する。各通信装置は、予備チャネル処理部と有効チャネル処理手段及び予備チャネル処理手段の処理状態データを保持する状態データ保持手段とを備え、切替のとき、切替元が、有効チャネル処理手段に係る処理状態データを切替先に転送する。そして、切替先の予備チャネル処理手段が、転送された切替元の通信装置の有効チャネルの処理状態データを用いて通信処理を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、系切替システム、系切替方法、通信装置及び通信プログラムに関するものである。例えば、本発明は、電話交換機等のように多数のチャネルを多重化した通信路からチャネルを集線する装置における無瞬断切替を行なうシステムに適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1にも開示されているように、従来の通信装置における無瞬断切替方法は、現用系装置と予備系装置とを備えるものである。現用系装置及び予備系装置は、終端された受信信号の位相差等の差分を吸収、補償する回路により両系を同期させる。その状態で、障害等が発生すると、切替回路が同期タイミングに合わせて系を切り替えることで、通信が途切れることなく、無瞬断で系を切り替えるというものである。
【0003】
従来の無瞬断切替装置は、系の切り替えの際に、伝送路の全ての信号を一括して、装置単位で切り替えるというものである。一般的に、無瞬断切替装置は、通常の通信は現用系装置が実施し、予備系装置の信号は使用されないというように、現用系と予備系といった状態を持つ。
【0004】
このため、切り替えを行なわない通常状態では、予備系装置が動作していても動作していなくても、現用系装置の通信には影響を与えない。よって、通常状態で予備系装置は不要であるが、故障時の切り替えを速やかに実施するために予備系装置が用意されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平09−36826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の無瞬断切替方法には次のような問題が生じ得る。
【0007】
従来の無瞬断切替装置は、現用系装置が故障すると、全ての信号が一度に異常となってしまう。
【0008】
また、通信路が多数のチャネルで構成され、かつ、それらチャネルのうち、使用されているチャネルと使用されていないチャネルを集線するような場合、それぞれのチャネル状態についても、両方の通信装置間でリアルタイムに合わせることが必要となる。また、音声/映像のリアルタイムサービスデータの場合には、タイミング状態や信号処理中の状態も両装置間で合わせることが必要となる。そのため、従来は、上記のような状態を装置間で合わせる機構を新たに追加することが必要であり、構成が複雑になり、又コストもかさんでしまうという問題が生じ得る。
【0009】
さらに、故障等の障害確認についても、通常動作時に、予備系装置が正常動作しているか否かを確認することができない。そのため、例えば、定期的に、現用系と予備系とを切り替え、双方の正常性を確認するなどの処理が必要となる。
【0010】
しかし、定期的に切り替えたとしても、切り替えるまで予備系装置の故障を発見することが難しい。さらには、系を切り替えてはじめて装置故障を発見できるので、それまで現用系装置が正常動作していても、正常性確認のための切り替え時に、予備系装置が故障をしている場合には、切り替え後に通信異常が発生してしまうおそれもある。これは、本来発生しなくてもよい余計な異常発生であるから、このような異常を回避することが強く望まれる。
【0011】
また、予備系装置は現用系装置と同等の動作をするにもかかわらず、予備系装置の通信は利用されないので、その予備系装置の通常時の動作は無駄になってしまう。すなわち、現用系装置と同等の装置を用意しているにもかかわらず、予備系装置を有効に利用することができない問題もある。
【0012】
なお、予備系装置の正常性確認の別な方法として、新たに試験機構を追加して予備系状態である程度の故障確認は実施可能である。しかし、通常動作と同じようなあらゆる箇所の確認は困難であり、コストもかかってしまう。
【0013】
また、切り替えを行なうためには、両装置が切替機構を備える。切替機構そのものは切り替えを実施しないと動作しない。そのため、切替動作していないときには、切替機構自体の故障を発見することが困難である。つまり、切替機構が故障している場合、予備系に切り替えた後、正常な現用系に戻せなくなったり、また正常な予備系に切り替えることができても、現用系が装置交換などで異常から正常なっても元に戻せなくなったりする等、その後の影響が大きくなる可能性も含んでいる。
【0014】
そのため、複数のチャネルを集線する装置において、現用系と予備系といった概念をなくし、(1)いずれも通常動作させて全ての装置のパフォーマンスを有効に利用できるようにし、(2)使用されていないチャネルに対する無駄な動作をなくし、(3)一系に障害が生じた場合に他系が一系のそれまでの内部状態データを継続して使用できるようにする系切替システム、系切替方法、通信装置及び通信プログラムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
かかる課題を解決するため、第1の本発明は、複数のチャネルのうち、それぞれの通常動作時に通信処理を行なう有効チャネルが割り振られた複数の通信装置の間でチャネル処理を行なう系を切り替える系切替システムであって、複数の通信装置のそれぞれが、通常動作時に、有効チャネルに対して処理を行なう有効チャネル処理手段と、予備チャネルに対して処理を行なう予備チャネル処理手段と、有効チャネル処理手段及び予備チャネル処理手段の処理状態データを保持する状態データ保持手段とを備え、切替のとき、切替元の通信装置が、有効チャネル処理手段に係る処理状態データを、切替先の通信装置の状態データ保持手段に転送し、切替先の通信装置の予備チャネル処理手段が、状態データ保持手段に転送された切替元の通信装置の有効チャネル処理手段の処理状態データを用いて通信処理を行なうことを特徴とする系切替システムである。
【0016】
第2の本発明は、複数のチャネルのうち、それぞれの通常動作時に通信処理を行なう有効チャネルが割り振られた複数の通信装置の間でチャネル処理を行なう系を切り替える系切替方法であって、複数の通信装置のそれぞれが、通常動作時に、有効チャネルに対して処理を行なう有効チャネル処理手段と、予備チャネルに対して処理を行なう予備チャネル処理手段と、有効チャネル処理手段及び予備チャネル処理手段の処理状態データを保持する状態データ保持手段とを備え、切替のとき、切替元の通信装置が、有効チャネル処理手段に係る処理状態データを、切替先の通信装置の状態データ保持手段に転送し、切替先の通信装置の予備チャネル処理手段が、状態データ保持手段に転送された切替元の通信装置の有効チャネル処理手段の処理状態データを用いて通信処理を行なうことを特徴とする系切替方法である。
【0017】
第3の本発明は、(1)複数のチャネルのうち、通常動作時に処理を行なうものとして設定された有効チャネルに対して処理を行なう有効チャネル処理手段と、(2)予備チャネルに対して処理を行なう予備チャネル処理手段と、(3)有効チャネル処理手段及び予備チャネル処理手段の処理状態データを保持する状態データ保持手段と、(4)切替のときに、他系の状態データ保持手段から取得した有効チャネル処理手段に係る処理状態データを状態データ保持手段に保存させる切替処理手段と、(5)切替のときに、状態データ保持手段の他系の有効チャネル処理手段に係る処理状態データを用いて、予備チャネル手段に処理させる制御処理手段とを備えることを特徴とする通信装置である。
【0018】
第4の本発明は、コンピュータを、(1)複数のチャネルのうち、通常動作時に処理を行なうものとして設定された有効チャネルに対して処理を行なう有効チャネル処理手段、(2)予備チャネルに対して処理を行なう予備チャネル処理手段、(3)有効チャネル処理手段及び予備チャネル処理手段の処理状態データを保持する状態データ保持手段、(4)切替のときに、他系の状態データ保持手段から取得した有効チャネル処理手段に係る処理状態データを状態データ保持手段に保存させる切替処理手段、(5)切替のときに、状態データ保持手段の他系の有効チャネル処理手段に係る処理状態データを用いて、予備チャネル手段に処理させる制御処理手段として機能させることを特徴とする通信プログラムである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、複数のチャネルを集線する装置において、冗長構成に係る全ての装置がいずれも通常動作させることができるので、全ての装置のパフォーマンスを有効に利用できる。また、本発明によれば、使用されていないチャネルに対する無駄な動作をなくすことができる。さらに、本発明によれば、一系に障害が生じた場合に他系が一系のそれまでの内部状態データを継続して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態の無瞬断切替システムの構成を示す構成図である。
【図2】切替無しの片系通信状態の通信動作を説明する説明図である。
【図3】片系の通信状態での論理チャネルの設定を説明する説明図である。
【図4】片系の通信状態での状態内部メモリに保存される保存内容例を説明する説明図である。
【図5】切替無しの両系通信状態の通信動作を説明する説明図である。
【図6】両系通信状態の通信状態での論理チャネルの設定を説明する説明図である。
【図7】両系通信状態での状態内部メモリに保存される保存内容例を説明する説明図である。
【図8】切替準備中の両系通信状態の通信動作を説明する説明図である。
【図9】切替実施後の片寄せ通信状態の通信動作を説明する説明図である。
【図10】切戻し準備中の通信状態の通信動作を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(A)実施形態
以下では、本発明の系切替システム、系切替方法、通信装置及び通信プログラムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0022】
この実施形態では、複数の通信装置間で無瞬断で系を切り替える無瞬断切替システムに本発明を適用する場合を例示する。
【0023】
(A−1)基本的な概念の説明
後述するように、この実施形態の無瞬断切替システムは、2台の通信装置間で行なう場合を例示するが、3台以上の通信装置を構成するものであってもよい。
【0024】
この実施形態では、従来の冗長構成のように現用系及び予備系というように動作を区別する概念でなく、2台の通信装置のいずれも現用系として動作するものである。
【0025】
以下では、両方の通信装置が共に通信状態となる通信を「両系通信」と称呼する。これに対して、切替後に、一方の通信装置のみが通信状態となる通信を「片寄せ通信」と呼称する。
【0026】
また、両系通信から片寄せ通信への動作を「切替」、片寄せ通信から両系通信への動作を「切戻し」と呼称する。
【0027】
この実施形態の通信装置は、「論理チャネル」に係る信号に対して通信処理を行なうものである。
【0028】
ここで、論理チャネルとは、通信装置内で処理を行なうために設けた処理用独自チャネルである。論理チャネルは、各通信装置内での処理を識別する処理識別チャネルであり、通信路のチャネルと論理チャネルとの対応関係を示すことができれば、論理チャネルの識別情報を、通信路のチャネルと一致するようにしてもよいし、又は、一致しないようにしてもよい。
【0029】
論理チャネルは、通常時に使用される有効チャネルと、切替時に使用される予備チャネルとを持つ。後述する制御装置は、通信路のチャネルのうち使用されているチャネルの中から、各通信装置に対して有効チャネルを割り当てる。制御装置は、論理チャネルの管理を行なっており、各通信装置に対して設定指示を行なう。
【0030】
通信装置は例えばCPUやDSP等で構成されており、通信装置内で処理される数に合わせて、適宜、チャネルの増減や変更は容易に行なうことができる。もちろん、LSIやFPGA等で、ある程度同様のチャネル可変機構を作り込むことも可能である。
【0031】
(A−2)実施形態の構成
図1は、実施形態の無瞬断切替システムの構成を示す構成図である。なお、図1では、実施形態のシステムを分かりやすく示すために、通信路からネットワーク方向の信号に対して処理を行なう構成要素を記載している。ネットワークから通信路方向の信号に対しても同等の構成要素を備えることで実現できる。
【0032】
図1において、この実施形態の無瞬断切替システム100は、制御装置10、2台の通信装置20及び通信装置30を有する。
【0033】
通信路0及び通信路1には、同じ信号が通信されるものである。例えば、通信路0及び通信路1には、チャネル多重信号が通信される場合を例示して説明する。多重化方式は、特に限定されるものではなく、例えば、時分割多重など種々の方式を広く適用することができる。
【0034】
また、ネットワークNTは、特に限定されるものではないが、例えば、EThernet(登録商標)を適用する場合を例示する。
【0035】
制御装置10は、通信装置20及び通信装置30に対して、有効チャネルと予備チャネルのいずれか又は双方の設定、切替や切戻しの制御等を行なうものである。
【0036】
制御装置10は、通信路0及び通信路1からのチャネル多重信号のうち、使用されているチャネルと、使用されていないチャネルとを判断し、使用されている有効なチャネルに対して、論理チャネルを割り当てるようにする。
【0037】
通信装置20及び通信装置30は共に同じ機能を有する装置である。
【0038】
通信装置20は、通信路0及びネットワークNTに接続しており、通信路0及びネットワークNTとの間の通信される信号に対して通信処理を行なうものである。通信装置20は、図1に示すように、同期処理部21、有効チャネル処理部(ch_An)22、予備チャネル処理部(ch_Bn)23、状態内部メモリ(MEM_An)24、状態内部メモリ(MEM_Bn)25、切替処理部26、送受信処理部27、制御処理部28を有する。
【0039】
また、通信装置30は、通信路1及びネットワークNTに接続しており、通信路1及びネットワークNTとの間の通信される信号に対して通信処理を行なうものである。通信装置30は、図1に示すように、同期処理部31、有効チャネル処理部(ch_Cn)32、予備チャネル処理部(ch_Dn)33、状態内部メモリ(MEM_Cn)34、状態内部メモリ(MEM_Dn)35、切替処理部36、送受信処理部37、制御処理部38を有する。
【0040】
同期処理部21及び同期処理部31は、通信路0及び通信路1から受信された信号に基づいて、他系との間で同期をとるものである。同期方法は、既存の技術を用いることができ、例えば、通信路0及び通信路1からトリガとなる信号の位相差を吸収、補償して、位相合わせを行ない、タイミングを取る方法を適用することができる。
【0041】
同期処理部21は、通信路0からの受信信号を、有効チャネル処理部(ch_An)22及び予備チャネル処理部(ch_Bn)23に与える。また、同期処理部31は、通信路1からの受信信号を、有効チャネル処理部(ch_Cn)32及び予備チャネル処理部(ch_Dn)33に与える。
【0042】
有効チャネル処理部(ch_An)22、予備チャネル処理部(ch_Bn)23、有効チャネル処理部(ch_Cn)32及び予備チャネル処理部(ch_Dn)33は、通信路上のチャネルのうち、設定された論理チャネルについて通信処理を行なうものであり、処理方法は全ての処理部で同じである。
【0043】
ここで、例えば「ch_An」等の表記は、通信装置内で処理される論理チャネルを示しており、「n」は処理対象の論理チャネルの番号を示している。
【0044】
有効チャネル処理部(ch_An)22及び有効チャネル処理部(ch_Cn)32は、制御装置10により各通信装置20及び30に対して設定された有効チャネルについて信号処理を行なうものである。
【0045】
一方、予備チャネル処理部(ch_Bn)23及び予備チャネル処理部(ch_Dn)33は、切替をした場合に、切替用予備チャネルとして予備チャネルが設定され、その予備チャネルについて通信処理を行なうものである。
【0046】
例えば、予備チャネル処理部(ch_Bn)23は、他系である通信装置30の有効チャネルch_Cnに該当する通信路1上のチャネルを予備チャネルとして処理する。これにより、切替後、片寄せ通信により、他系がそれまで現用として処理をしていた有効チャネルに対する処理を行なうことができる。なお、予備チャネル処理部(ch_Dn)33も、同様に、切替のときに、他系である通信装置20の有効チャネルch_Anに該当する通信路0上のチャネルを予備チャネルとして処理する。
【0047】
状態内部メモリ(MEM_An)24及び状態内部メモリ(MEM_Bn)25は、有効チャネル処理部(ch_An)22及び予備チャネル処理部(ch_Bn)23で処理される状態データを保存するものである。
【0048】
なお、状態内部メモリ(MEM_An)24及び状態内部メモリ(MEM_Bn)25は、有効チャネル処理部(ch_An)22及び予備チャネル処理部(ch_Bn)23で処理される状態データを保存することができれば、物理的に同じメモリであってもよいし、物理的に異なるメモリであってもよい。
【0049】
例えば、状態内部メモリ(MEM_An)24は、切替のときに、保持している状態データを、他系の切替処理部36に与える。これにより、切替処理部36を通じて、状態内部メモリ(MEM_An)24に保持されていた状態データが、他系の予備チャネル処理部(ch_Dn)33の状態内部メモリ(MEM_Dn)に転送することができる。
【0050】
同様に、状態内部メモリ(MEM_Bn)25、状態内部メモリ(MEM_Cn)34及び状態内部メモリ(MEM_Dn)35も、それぞれ、状態内部メモリ(MEM_An)24と同じものであり、切替のときに、他系の切替処理部36、切替処理部26に保持している状態データを転送するものである。
【0051】
例えば、状態内部メモリ(MEM_An)24の転送完了後、通信装置30において、通信路1の同期タイミングに合わせて切替を実行することで、切替前に通信装置20の有効チャネルで使用していた状態データを用いることができるので、データのとぎれのない無瞬断切替が可能になる。
【0052】
なお、切替後は、他系である通信装置30のみの片寄せ通信が行なわれる。これは、従来の冗長構成の予備系動作に相当するものである。
【0053】
一方、両系通信に戻すために切戻すときは、切替時とは逆に、例えば、切戻し元の予備チャネル処理部(ch_Dn)33の状態内部メモリ(MEM_Dn)35の状態データを、他系の切替処理部26に転送するようにする。
【0054】
なお、この実施形態では、切替と切戻しのいずれの場合も、切替元又は切戻し元から、状態データを他系にデータ転送することができればよく、交差してのデータ転送を必須としているものではない。例えば、図1では、説明便宜上、有効チャネル処理部23のほかに予備チャネル処理部23を備えるが、切替時に、他系の状態データを転送できれば、有効チャネル処理部23が、予備チャネルについて信号処理を行なうようにしてもよい。
【0055】
また、この実施形態では、状態データの他系へのデータ転送は、切替又は切戻しのときに行なう場合とするが、切替/切戻しではなく、両装置間の交絡信号のテストのために交差してデータ転送を実施することは可能である。
【0056】
切替処理部26は、切替又は切戻しのときに、他系の状態内部メモリ(MEM_Cn)34又は状態内部メモリ(MEM_Dn)35からの状態データを、状態内部メモリ(MEM_Bn)25又は状態内部メモリ(MEM_An)24に保存するものである。
【0057】
切替処理部36も、切替処理部26の処理と同様に、切替又は切戻しのときに、他系の状態内部メモリ(MEM_An)24又は状態内部メモリ(MEM_Bn)25の状態データを、状態内部メモリ(MEM_Dn)35又は状態内部メモリ(MEM_Cn)34に保存するものである。
【0058】
送受信処理部27及び送受信処理部37は、ネットワークNTとの間で信号の送受信処理を行なうものである。送受信処理部27及び送受信処理部37は、例えばEthernetなどの一般的な送受信処理である。そのため、送受信処理部27及び送受信処理部37は、Ethernetにかかわらず、ネットワークに応じたインタフェースでの通信であればよい。
【0059】
制御処理部28及び制御処理部38は、制御装置10による制御に基づいて、通信装置20及び通信装置30の各構成要素に対して制御指示を行なうものである。
【0060】
(A−3)実施形態の動作
次に、この実施形態の無瞬断切替方法の処理の動作について図面を参照しながら説明する。
【0061】
以下の無瞬断切替方法の処理の動作についても、通信路0及び通信路1からネットワークNT方向の信号についてのみ説明する。ネットワークから通信路方向は、信号の流れる方向が逆になり、この点は異なるが動作は同じである。
【0062】
(A−3−1)切替無しの片系通信状態
まず、切替無しの片系の通信装置のみが通信動作を行なう場合の処理について図面を参照して説明する。ここでは、通信装置20のみが通常動作を行ない、通信装置30は未動作である場合を例示する。
【0063】
図2は、切替無しの片系の通信状態を説明する説明図である。なお、図2において、黒く塗りつぶしをした構成要素は動作していない箇所である。
【0064】
制御装置10は、通信路0上のチャネルのうち、使用されているチャネルを判断し、その使用されているチャネルを有効チャネルとする論理チャネルの設定を通信装置20に対して設定する。
【0065】
図3は、論理チャネルの設定を説明する説明図である。図3に示すように、通信路0のチャネル多重信号の通信チャネル番号が「0」、「1」、「2」、「3」、「4」、…のように割り当てられており、全チャネルが使用されているとする。
【0066】
例えば、制御装置10は、「通信チャネル番号:0」に対して「論理チャネル番号:7」を割り当て、この論理チャネルの処理を行なう装置として「通信装置識別子:20」を設定する。ここで、例えば「通信装置識別子:20」は、通信装置20の識別情報を示す。使用する論理チャネルは、「0」からの連番である必要はなく、制御装置10から指定される任意の論理チャネルでの処理を行なうようにしてもよい。
【0067】
図3では、通信装置20の片系通信状態の場合の例示なので、通信路0の通信チャネル番号に対応する論理チャネルを処理する装置は、全て「通信装置識別子:20」となっている。
【0068】
このような制御装置10による論理チャネルの設定情報が、制御処理部28及び制御処理部38に与えられる。この場合、制御処理部28は、自装置20に割り当てられている論理チャネルを有効チャネルとして設定する。
【0069】
通信路0からのチャネル多重信号は、通信装置20に入力される。切替無しの片系通信状態の場合、通信装置20は自装置のタイミングで信号を取り込み、他系との間のタイミング同期を行なわない。
【0070】
受信された信号は、有効チャネル処理部(ch_An)22に与えられる。有効チャネル処理部22には、処理を行なう論理チャネルが設定されている。
【0071】
ここでは、例えば図3に例示するように、論理チャネルとして「論理チャネル番号:7,32,8,33,9、…」が設定されているので、有効チャネル処理部(ch_An)22は、その論理チャネルに相当する通信チャネル「通信チャネル番号:0,1,2,3,4,…」に対して通信処理を行なう。
【0072】
また、有効チャネル処理部(ch_An)22の通信処理に係る状態データは、状態内部メモリ(MEM_An)24に保存される。
【0073】
図4は、状態内部メモリ(MEM_An)24に保存される保存内容例を説明する説明図である。図4に示すように、状態内容メモリ(MEM_An)24は、「通信チャネル番号」、「論理チャネル番号」、「通信装置識別子」、「状態データ」を対応付けて保存する。
【0074】
状態データは、例えば、「処理データ」、「設定データ」、「その他データ」等がある。例えば、「処理データ」は処理対象とする有効チャネルを示すデータ等である。「設定データ」は、例えば音声通信の場合、通話状態、ダイヤル音送出状態、通話状態等の呼状態を示すデータ等である。「その他のデータ」は、例えば、音声サービス、映像サービス等のサービス種別を示すデータ等のように設定データ以外のサービスに必要なデータである。
【0075】
なお、他系の通信装置30は未動作であるため、制御装置10からの指示などにより、他系の通信装置30への状態内部メモリ(MEM_An)24の保存データのデータ転送は行なわないようにする。同様に、他系の通信装置30からの転送データの受信も行なわない。
【0076】
有効チャネル処理部22により処理された信号は、送受信処理部27を介して、ネットワークNTに送信される。
【0077】
(A−3−2)切替無しの両系通信状態
次に、切替無しの両系通信状態の通信処理の動作について図面を参照して説明する。
【0078】
図5は、切替無しの両系通信状態を説明する説明図である。なお、図5において、黒く塗りつぶしをした構成要素は動作していない箇所である。
【0079】
切替無しの両系通信状態の場合、通信路0、通信路1からの信号が、同期処理部21、同期処理部31に入力される。
【0080】
同期処理部21及び同期処理部31では、例えば、チャネル多重のためのフレーム信号等のトリガ信号の位相差に基づいて位相合わせを行ない、両系の通信装置20及び通信装置30で信号取り込みのタイミングを同期化する。
【0081】
ただし、ここでは両系通信状態であるので、両系の通信装置20及び通信装置30で同期させることは必ずしも必要ではない。また、この後の両系動作からの切替を考慮して、ここではすでに同期させた状態で装置に取り込みをすることとしている。同期させるか、同期させないかは、制御装置10からの設定で自由に変更させることができる。
【0082】
受信された信号は、同期処理部21及び同期処理部31から有効チャネル処理部(ch_An)22及び有効チャネル処理部(ch_Dn)32に与えられる。
【0083】
有効チャネル処理部(ch_An)22及び有効チャネル処理部(ch_Dn)32は、制御装置10から設定された論理チャネルについて通信処理を行なう。
【0084】
図6は、有効チャネル処理部(ch_An)22及び有効チャネル処理部(ch_Dn)32に設定された論理チャネルの設定例を示す図である。図6の例では、通信装置20に対しては「論理チャネル番号:7,8,9,…」が設定され、通信装置30に対しては「論理チャネル番号:32,33,…」が設定されるものとする。
【0085】
例えば、制御装置10は、通信路0及び通信路1のチャネルのうち、使用されているチャネルを判断し、その使用されているチャネルに対して論理チャネルを割り当て、通信装置20及び通信装置30に対して論理チャネルを割り振る。
【0086】
このとき、制御装置10は、通信装置20及び通信装置30に対して、任意に論理チャネルを割り振るようにしてもよいし、予め定義された規則に基づいて論理チャネルを割り振るようにしてもよい。また、論理チャネルの割り振りは、通信装置20及び通信装置30に対して同数割り当てるようにしてもよいし、同数でなくてもよい。例えば、制御装置10は、各装置負荷を監視し、その負荷に応じて割り振る論理チャネルの数を決定するようにしてもよい。
【0087】
図6の例の場合、有効チャネル処理部(ch_An)22は、「論理チャネル番号:7,8,9,…」に相当する「通信チャネル番号:0,2,4,…」のチャネルに対して処理を行なう。また、有効チャネル処理部(ch_Dn)32は、「論理チャネル番号:32,33,…」に相当する「通信チャネル番号:1,3,…」のチャネルに対して処理を行なう。
【0088】
有効チャネル処理部(ch_An)22における処理データは、状態内部メモリ(MEM_An)24に保存され、有効チャネル処理部(ch_Dn)32における処理データは、状態内部メモリ(MEM_Dn)34に保存される。
【0089】
図7は、状態内部メモリに保存される保存内容例を説明する説明図である。図7の項目は、図4に例示するものと同じであり、図7では、「通信装置識別子」に処理を行なう通信装置が割り振られている。例えば、図7に「論理チャネル番号:7,8,9,…」は「通信装置識別子:20」が対応付けられており、「論理チャネル番号:32,33,…」は「通信装置識別子:30」が対応付けられている。
【0090】
状態内部メモリ(MEM_An)24及び状態内部メモリ(MEM_Dn)34は、切替処理がないため、制御装置10からの指示等により、他系の通信装置への状態内部メモリへのデータ転送は行なわないようにする。同様に、他系からの転送データの受信も行なわないようにする。
【0091】
有効チャネル処理部(ch_An)22により処理された信号は、送受信処理部27を介してネットワークNTに送信され、有効チャネル処理部(ch_Dn)32により処理された信号は、送受信処理部37を介してネットワークNTに送信される。
【0092】
このように、この状態では、通信装置20及び通信装置30が独立に動作しており、お互いに影響を受けていない。
【0093】
(A−3−3)切替準備中の両系通信状態
次に、切替準備中の両系通信状態の通信処理の動作について図面を参照して説明する。ここでは、通信装置20(切替元)から通信装置30への切替を行なう場合を説明する。
【0094】
図8は、切替準備中の両系通信状態を説明する説明図である。なお、図8において、黒く塗りつぶしをした構成要素は動作していない箇所である。
【0095】
切替準備中の両系通信状態の場合、通信装置20及び通信装置30に対する論理チャネルの設定は、上述した切替無しの両系通信状態の場合と同じである。
【0096】
切替元である通信装置20から通信装置30に切替を行なう際、状態内部メモリ(MEM_An)24に保存されている状態データが、通信装置30の切替処理部36に与えられ、予備チャネルの状態内部メモリ(MEM_Dn)35にデータ転送されて保存される。
【0097】
例えば、図7の例の場合、通信装置20の有効チャネル処理部(ch_An)24の処理に係る状態データである、「論理チャネル番号:7,8,9,…」に対応付けられた「状態データ」が、状態内部メモリ(MEM_Dn)35にデータ転送されて保存される。
【0098】
通信装置30において、通信路1の信号は、予備チャネル処理部33に与えられ、予備チャネル処理部(ch_Dn)33は、通信装置22の有効チャネル処理部(ch_An)22と同じ処理を行なう。
【0099】
このとき、予備チャネル処理部(ch_Dn)33により処理された信号は、送受信処理部37に与えられるが、現状態は切替の実行前であるから、当該信号はネットワークNTに送信されない。
【0100】
逆方向のネットワークNTからの信号は、通信装置20及び通信装置30の両方が受信する。ネットワークNTからの信号に対して、通信装置20及び通信装置30の両方が通信処理を行なうようにし、通信装置20及び通信装置30の両方から送信されるようにしてもよい。これは、通信路側に存在する対向装置は、必要なチャネルの信号しか受信しないためである。従って、通信装置30も、通信路1に信号を送信してもよいし、又は無効な値や初期値に変換して送信してもよい。
【0101】
要するに、通信装置20の有効チャネル処理部(ch_An)22及び状態内部メモリ(MEM_An)24と、通信装置30の予備チャネル処理部(ch_Dn)33及び状態内部メモリ(MEM_Dn)35とは、処理的には同じ動作をしているが、有効チャネル処理部(ch_An)22の処理データはネットワークNTへ送信されるが、予備チャネル処理部(ch_Dn)33の処理データはネットワークNTに送信されない。
【0102】
切替の指示は、制御装置10からの設定で行なうことができ、制御装置10からの制御により、制御処理部28及び制御処理部38が、各構成要素に対して指示を行なう。
【0103】
なお、上記では、通信装置20からのデータデータ転送する場合を例示したが、有効チャネル処理部(ch_Cn)32及び状態内部メモリ(MEM_Cn)のデータを、通信装置20にデータ送信することもできる。
【0104】
この状態で、通信装置20に対する有効チャネルを増加する場合、通信装置20の制御処理部28は、有効チャネル処理部22に対して今回増加する有効チャネルを増加するが、通信装置30の制御処理部38は、予備チャネル処理部33に対して今回増加する有効チャネルを増加する。
【0105】
これにより、通信装置20の有効チャネルが増加すると、他系の通信装置30の予備チャネルも、増加された同じ有効チャネルが増加することになる。
【0106】
(A−3−4)切替実施後の片寄せ通信状態
次に、切替実施後の片寄せ通信状態の動作について図面を参照しながら説明する。
【0107】
図9は、切替実施後の片寄せ通信状態を説明する説明図である。なお、図9において、黒く塗りつぶしをした構成要素は動作していない箇所である。
【0108】
上述した図8の切替準備中の両系通信状態において、制御装置10からの制御により切替が行なわれる。これにより、切替元の通信装置20からの信号送信は停止され、通信装置30から予備チャネルの信号がネットワークNTに送信される。このとき、通信装置20の有効チャネルは、継続動作を行うか、下記切戻し準備中の動作となる。あるいは、停止させることも可能である。どの状態にするかは、システム仕様に基づき制御装置10から設定を行うことができる。
【0109】
切替実施後の片寄せ通信状態の場合、切替元の通信装置20は、動作していても、動作していなくてもよい。一般的な予備系切替状態に相当する。
【0110】
ここで、片寄せ通信状態で処理するチャネルが増加するときのチャネル割り当ての処理方法が一般的な切替処理と異なる。
【0111】
片寄せ通信状態で、処理するチャネルが増加する場合、その増加するチャネルを通信装置30に割り当てるときは、通信装置30の有効チャネルとして設定する。一方、増加するチャネルを通信装置20に割り当てるときは、通信装置30の予備チャネルとして設定する。
【0112】
例えば、通信路0及び通信路1上の通信チャネルのうち、新たに通信チャネル「10,11,12」を通信装置20に割り当て、通信チャネル「20,21,22」を通信装置30に割り当てる場合を例示する。この場合、通信装置30において、制御処理部38は、通信チャネル「20,21,22」について、通常のチャネル割り当て動作と同様に、通信装置30の有効チャネルに増加する。一方、通信チャネル「10,11,12」については、制御処理部38は、通信装置30の有効チャネルに増加せず、その代わりに予備チャネルに増加させるようにする。
【0113】
(A−3−5)切戻し準備中の片寄せ通信状態
次に、切戻し準備中の片寄せ通信状態の動作について図面を参照しながら説明する。
【0114】
図10は、切戻し準備中の片寄せ通信状態を説明する説明図である。なお、図10において、黒く塗りつぶしをした構成要素は動作していない箇所である。
【0115】
切戻し準備中の片寄せ通信状態は、有効チャネル設定されている論理チャネルの処理については、切替無しの両系通信状態と同じである。
【0116】
切替無しの両系通信状態との違いは、切戻し元、この例では、通信装置30から予備チャネル処理部(ch_Dn)33の処理状態を保存している状態内部メモリ(MEM_Dn)35の保持データが、通信装置20に転送され、有効チャネルの状態内部メモリ(MEM_An)24に保存されることである。
【0117】
このとき、通信装置20は、通信路0から通信装置30の予備チャネル処理部(ch_Dn)33で処理されるのと同じデータを取込み、有効チャネル処理部(ch_An)24で処理する状態になる。ただし、切戻しの実行前なので、送信制御部27からのネットワークNTヘの送信は行わない。
【0118】
また、逆方向のネットワークNTからの信号は、上述した切替準備中の両系通信状態の場合と同様に、通信装置20及び通信装置30の両方が受信し、通信装置30からだけでなく、通信装置20からも送信するようにしてもよいし、通信装置20が無効な値や初期値に変換して送信するようにしてもよい。
【0119】
要するに、通信装置20の有効チャネル処理部(ch_An)32、状態内部メモリ(MEM_An)24と、通信装置1の予備チャネル処理部(ch_Dn)33、状態内部メモリ(MEM_Dn)35とは、処理的には同じ動作をしているが、予備チャネル処理部(ch_Dn)33の処理データはネットワークNTに送信するが、有効チャネル処理部(ch_An)22の処理データはネットワークNTに送信しない。
【0120】
切戻しの指示は、制御装置10からの設定で行なわれ、制御装置10の制御の下、制御処理部28及び制御処理部38が各処理部に対して指示を行なう。
【0121】
切戻し後の両系通話状態は、切替無しの両系通話状態と同じになる。あるいは、設定により切替準備中にすることも可能である。
【0122】
ここで、片寄せ通信状態で新たに有効チャネルを増加する場合、その増加するチャネルを通信装置20、通信装置30のいずれに割り当てるかの判断は、制御装置10が判断する。新たなチャネルを増加する際、片寄せ通信中の通信装置30(すなわち切戻り元の装置)に対してチャネルの増設を指示するようにしてもよい。その場合、切戻しのときに、例えば、切戻し元の通信装置30が継続通信するようにしてもよいし、また例えば、切戻し先の通信装置20に設定した後に切戻しを実行するようにしてもよい。いずれの場合も、制御処理部28及び制御処理部38が、処理対象とする論理チャネルの設定を行なうことで、実現することができる。
【0123】
(A−4)実施形態の効果
以上のように、実施形態によれば、無瞬断切替のためのチャネル処理を、例えばCPUやDSP等でのチャネル可変処理とすることで、使用しない無駄なチャネルの回路や動作がなくなる。
【0124】
また、実施形態によれば、冗長装置を構成する装置において、一系の装置が故障しても、一度に全てのチャネルが異常になることはなく、他系の有効チャネルは継続使用が可能である。また、他系の予備チャネルに、故障した一系のチャネルを増設することで、一系に割り当てられたチャネルの通信も継続させることができる。
【0125】
さらに、両系の通信装置が常に動作しているため、特別なテスト機構を持つことなく故障判定が迅速に実施できる。
【0126】
一般的な切替装置で問題となる、切替処理部の故障発見についても両系動作させたままの状態で、予備チャネルで動作の確認が可能のため、正常チャネルを異常なチャネルに切り替ることがなくなる。
【0127】
(B)他の実施形態
上述した実施形態では、多数のチャネルが多重されている通信路から、一部チャネルのみ有効として各種ネットワークに接続する集線装置における、冗長の2装置に、本発明の無瞬断切替システムを適用する場合を例示した。
【0128】
しかし、2個の通信装置に限定するものではなく、切替元の状態保存データを転送する先を複数切替るセレクタ装置のようなものを経由することで、複数装置間で同様の構成を実現することが可能である。
【0129】
これにより、例えば、3個の通信装置を備える場合にも適用することができ、第1系の通信装置、第2系の通信装置、第3系の通信装置を使用するときに、任意の2個の通信装置の間で本発明の無瞬断切替を実施することが可能になる。
【符号の説明】
【0130】
100…無瞬断切替システム、10…制御装置、20及び30…通信装置、
21及び31…同期処理部、22及び32…有効チャネル処理部、
23及び33…予備チャネル処理部、24及び34…状態内部メモリ、
25及び35…状態内部メモリ、26及び36…切替処理部、
27及び37…送受信処理部、28及び38…制御処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のチャネルのうち、それぞれの通常動作時に通信処理を行なう有効チャネルが割り振られた複数の通信装置の間でチャネル処理を行なう系を切り替える系切替システムであって、
上記複数の通信装置のそれぞれが、
通常動作時に、上記有効チャネルに対して処理を行なう有効チャネル処理手段と、
予備チャネルに対して処理を行なう予備チャネル処理手段と、
上記有効チャネル処理手段及び上記予備チャネル処理手段の処理状態データを保持する状態データ保持手段と、
を備え、
切替のとき、切替元の通信装置が、上記有効チャネル処理手段に係る処理状態データを、切替先の通信装置の上記状態データ保持手段に転送し、
切替先の通信装置の上記予備チャネル処理手段が、上記状態データ保持手段に転送された上記切替元の通信装置の上記有効チャネル処理手段の処理状態データを用いて通信処理を行なう
ことを特徴とする系切替システム。
【請求項2】
切戻しのとき、切戻し元の通信装置が、上記予備チャネル処理に係る処理状態データを、切戻し先の通信装置の上記状態データ保持手段に転送し、
切戻しの通信装置の上記有効チャネル処理手段が、上記状態データ保持手段に転送された上記切戻し元の通信装置の上記予備チャネル処理手段の処理状態データを用いて通信処理を行なう
ことを特徴とする請求項2に記載の系切替システム。
【請求項3】
上記切替先の通信装置に対して上記有効チャネルを増加させるとき、上記切替元の通信装置の上記予備チャネルに今回増加するチャネルを設定することを特徴とする請求項1に記載の系切替システム。
【請求項4】
複数のチャネルのうち、それぞれの通常動作時に通信処理を行なう有効チャネルが割り振られた複数の通信装置の間でチャネル処理を行なう系を切り替える系切替方法であって、
上記複数の通信装置のそれぞれが、
通常動作時に、上記有効チャネルに対して処理を行なう有効チャネル処理手段と、
予備チャネルに対して処理を行なう予備チャネル処理手段と、
上記有効チャネル処理手段及び上記予備チャネル処理手段の処理状態データを保持する状態データ保持手段と、
を備え、
切替のとき、切替元の通信装置が、上記有効チャネル処理手段に係る処理状態データを、切替先の通信装置の上記状態データ保持手段に転送し、
切替先の通信装置の上記予備チャネル処理手段が、上記状態データ保持手段に転送された上記切替元の通信装置の上記有効チャネル処理手段の処理状態データを用いて通信処理を行なう
ことを特徴とする系切替方法。
【請求項5】
複数のチャネルのうち、通常動作時に処理を行なうものとして設定された有効チャネルに対して処理を行なう有効チャネル処理手段と、
予備チャネルに対して処理を行なう予備チャネル処理手段と、
上記有効チャネル処理手段及び上記予備チャネル処理手段の処理状態データを保持する状態データ保持手段と、
切替のときに、他系の上記状態データ保持手段から取得した上記有効チャネル処理手段に係る処理状態データを上記状態データ保持手段に保存させる切替処理手段と、
切替のときに、上記状態データ保持手段の上記他系の有効チャネル処理手段に係る処理状態データを用いて、上記予備チャネル手段に処理させる制御処理手段と
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項6】
コンピュータを、
複数のチャネルのうち、通常動作時に処理を行なうものとして設定された有効チャネルに対して処理を行なう有効チャネル処理手段、
予備チャネルに対して処理を行なう予備チャネル処理手段、
上記有効チャネル処理手段及び上記予備チャネル処理手段の処理状態データを保持する状態データ保持手段、
切替のときに、他系の上記状態データ保持手段から取得した上記有効チャネル処理手段に係る処理状態データを上記状態データ保持手段に保存させる切替処理手段、
切替のときに、上記状態データ保持手段の上記他系の有効チャネル処理手段に係る処理状態データを用いて、上記予備チャネル手段に処理させる制御処理手段
として機能させることを特徴とする通信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−253610(P2012−253610A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125489(P2011−125489)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】