説明

紙基材複合材料

本発明は、中層(1)と少なくとも前記中層(1)の一方の面に接着された表層(2)とを有する紙基材複合材料であって、前記中層(1)は、ポリウレタンにペーパーロープ(3)を加え、発泡硬化してなり、前記ペーパーロープ(3)は、ペーパー混合樹脂または接着剤を用いて、巻取されてなるものであることを特徴とする紙基材複合材料に関する。本発明に係るペーパー混合樹脂または接着剤を用いて、巻取されてなるペーパーロープは、質量が軽くて、成形が容易となり、紙基材複合材料とポリウレタンの結合が良好であり、紙基材複合材料の全体剛性がよく、かつポリウレタンの硬化安定性を効果的に向上させ、ポリウレタンの膨脹を減少し、変形し難くなる。また、成形は容易となり、生産効率も高くなる。本発明の製造は簡単であり、強い実用性と普及の価値があり、自動車の内部装飾品、例えばルーフなどに広々と使用することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車ルーフなどの内部装飾品を製造するための紙基材複合材料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の内部装飾品及びルーフは、複合層状材料で製造されたものであり、複合層状材料は、通常、2層ないし3層からなり、そのうちの中層は、ポリウレタン発泡層であり、中層の両面は、不織布又は織布層である。ポリウレタンのメリットは、質量が軽くて、良好な断熱保温作用を有する点にあり、デメリットは、強度が低くて、硬化安定性が悪い点にある。強度の欠点を解消するため、従来、通常中層に若干の繊維材料、例えば、植物繊維、ガラス繊維などを加えることにより、その強度の向上を図っていた。しかしながら、このような方式を用いる場合、成形が困難であり、生産効率が低いのみならず、それらの繊維が比較的に細くて、長さが短いため、層状材料の全体剛性は、依然として低いものであった。また、硬化及び製造の安定性が悪い問題も、依然として存在していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、強度が高くて、硬化安定性及び成形が良好な紙基材複合材料を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記技術課題を解決するため、本発明は、「中層と少なくとも前記中層の一方の面に接着された表層とを有する紙基材複合材料であって、前記中層は、ポリウレタンにペーパーロープを加え、発泡硬化してなり、前記ペーパーロープは、ペーパー混合樹脂または接着剤を用いて、巻取されてなるものであることを特徴とする紙基材複合材料」を使用した。
【0005】
上記の構造を用いたため、本発明に係るペーパー混合樹脂または接着剤を用いて、巻取されてなるペーパーロープは、質量が軽くて、成形が容易となり、紙基材複合材料とポリウレタンの結合が良好であり、紙基材複合材料の全体剛性が良くなり、かつポリウレタンの硬化安定性を効果的に向上させ、ポリウレタンの膨脹を減少し、変形し難くなる。また、成形は容易となり、生産効率も高くなる。本発明の製造は簡単であり、強い実用性と普及の価値があり、自動車の内部装飾品、例えばルーフなどに幅広く使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、紙基材複合材料の断面図である。
【図2】図2は、図1におけるA−A線に沿った断面図である。
【図3】図3は、ペーパーロープの別の構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
具体的な実施形態
以下、図面を参照しながら、本発明の具体的な実施形態について詳しく説明するが、これらの実施形態は、本発明を制限するものではない。
【0008】
図1と図2に示されるように、紙基材複合材料は、中層(1)と少なくとも前記中層(1)の一方の面に接着された表層(2)とを含む。前記一方の面に接着された表層(2)は、不織布であってよく、補強と接着のために用いられ、それを省略しても良い。他方の面に接着された表層(2)は、装飾織布、フロック、PU装飾層、オートインテグラルスキン(AUTO INTEGRAL SKIN)ポリウレタンであってよく、装飾のために用いられる。前記中層(1)は、ポリウレタンにペーパーロープを加え、発泡硬化してなり、ペーパーロープ(3)は、ポリウレタン全体を貫通している。前記ペーパーロープ(3)は、紙混合樹脂又は接着剤を用いて、巻取されてなり、前記紙として、クラフトペーパー又は複合ペーパーであってよく、ペーパー混合樹脂または接着剤を用いて、巻取されてなるペーパーロープ(3)は、質量が軽くて強度が良い。
【0009】
前記中層(1)におけるペーパーロープ(3)は、網状に編まれたものである。ペーパーロープ(3)は、横方向と縦方向に分けられ、横方向及び縦方向のペーパーロープ(3)は、交互に編まれて、ペーパー網を形成しており、このように発泡により形成された中層(1)の強度は、より良好になる。
【0010】
図3に示されるように、前記ペーパーロープ(3)には、繊維強化コア(4)が設けられ、繊維強化コア(4)は、ペーパーロープ(3)を巻き取る過程中に加えられ、樹脂又は接着剤を介してペーパーに貼りあわされる。繊維強化コア(4)は、ペーパーロープ(3)の剛性を強化し、紙基材複合材料の剛性をより向上させる。前記繊維強化コア(4)として、植物繊維又はガラス繊維を用いるのが好ましい。
【0011】
とにかく、本発明では、上記の好適な実施形態が挙げられたが、当業者は、各種の変化と変形を行うことができる。そのため、このような変化及び変形が本発明の範囲を外れない限り、何れも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0012】
1 中層
2 表層
3 ペーパーロープ
4 繊維強化コア


【特許請求の範囲】
【請求項1】
中層(1)と少なくとも前記中層(1)の一方の面に接着された表層(2)とを有する紙基材複合材料であって、
前記中層(1)は、ポリウレタンにペーパーロープ(3)を加え、発泡硬化してなり、前記ペーパーロープ(3)は、ペーパー混合樹脂または接着剤を用いて、巻取されてなるものであることを特徴とする紙基材複合材料。
【請求項2】
前記中層(1)におけるペーパーロープ(3)は、網状に編まれたことを特徴とする請求項1に記載の紙基材複合材料。
【請求項3】
前記ペーパーロープ(3)には、樹脂又は接着剤を介してペーパーと貼りあわされる繊維強化コア(4)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の紙基材複合材料。
【請求項4】
前記ペーパーは、クラフトペーパー又は複合ペーパーであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の紙基材複合材料。
【請求項5】
前記繊維強化コア(4)は、植物繊維又はガラス繊維であることを特徴とする請求項3に記載の紙基材複合材料。
【請求項6】
前記表層(2)は、不織布であることを特徴とする請求項1に記載の紙基材複合材料。
【請求項7】
前記表層(2)は、装飾織布、フロック、PU装飾層、オートインテグラルスキン(AUTO INTEGRAL SKIN)ポリウレタンであることを特徴とする請求項1に記載の紙基材複合材料。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2011−510837(P2011−510837A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−543355(P2010−543355)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【国際出願番号】PCT/CN2008/001771
【国際公開番号】WO2010/022547
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(510196855)ペーパー・アート・プロダクト・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】