説明

紙折り装置

【課題】紙シワや段折れを抑制し,適切に三つ折りを行うことのできる紙折り装置を提供すること。
【解決手段】紙折り装置1は,用紙受け入れ経路Lに沿って互いに接触して配置されたローラ11,12と,ローラ12に接触するとともにローラ11に接触しない位置であって,ローラ12から見て用紙受け入れ経路Lの反対側の位置に配置されたローラ13と,用紙受け入れ経路Lから見てローラ11,12の反対側に位置し,ローラ11,12の間のニップ部18に対し近接および待避するチョッパ15と,チョッパ15の延長線から見てローラ12,13の反対側に位置し,ローラ12,13の間のニップ部19に対し近接および待避するチョッパ16と,チョッパ15の延長線から見てローラ12,13の反対側の位置であって,チョッパ16よりローラ13の側に位置し,ローラ13に近接および待避するガイド21とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,例えば画像形成装置等の後処理装置に設けられる紙折り装置に関する。さらに詳細には,用紙を三つ折りするための紙折り装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より,画像形成装置等の後処理装置には,画像形成部において画像が形成された用紙を折るための紙折り装置が設けられているものがある。紙折り装置としては,用紙を2つのローラの間に挟み付けることによって折り曲げるものが広く使用されている。さらに,用紙の折り線となる箇所を,2つのローラの間に押し込むチョッパを有するものもある。
【0003】
画像形成装置の紙折り装置としては,2つ折りにするもののみでなく,用紙の2箇所を折り,用紙の一端部を内側に巻き込むように折り込む三つ折りを行うものがある。例えば,特許文献1には,図5に示すように,3つのローラ101,102,103と2つのチョッパ105,106とを有している紙折り装置が開示されている。この紙折り装置では,ローラ102,103は,ローラ101を中心に互いに略直角をなす位置に配置されている。紙折り処理時には各ローラ101,102,103は,それぞれ図中に矢印で示すように回転される。
【0004】
この装置によれば,用紙Pが,図中に破線で示すように,ローラ101,102と並ぶ位置に来たときに,チョッパ105が図中で左向きに駆動される。これにより,用紙Pの第1の折り位置が,ローラ101,102の間に押し込まれる。用紙Pは,第1の折り位置Psを先頭に,ローラ101,102によって搬送され,図中に実線で示すように,ローラ101,103に並ぶ位置まで送られる。続いて,チョッパ106によって,第2の折り位置がローラ101,103の間に押し込まれる。これにより,用紙Pは三つ折りされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4144496号公報(図9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら,前記した従来の紙折り装置に,例えば端部がカールした用紙が挿入された場合等に,紙シワや段折れ等が発生するという問題点があった。つまり,第1の折りによって折り込まれている用紙の端部がカールによって浮き上がると,第2の折り動作に追随しきれず,シワになるのである。
【0007】
本発明は,前記した従来の紙折り装置が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,紙シワや段折れを抑制し,適切に三つ折りを行うことのできる紙折り装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題の解決を目的としてなされた本発明の紙折り装置は,用紙を2つの搬送ローラの間のニップに挟むことにより,その箇所において用紙を折り曲げる紙折り装置において,用紙受け入れ経路に沿って互いに接触して配置された第1の搬送ローラおよび第2の搬送ローラと,第2の搬送ローラに接触するとともに第1の搬送ローラに接触しない位置であって,第2の搬送ローラから見て用紙受け入れ経路の反対側の位置に配置された第3の搬送ローラと,用紙受け入れ経路から見て第1の搬送ローラおよび第2の搬送ローラの反対側に位置し,第1の搬送ローラと第2の搬送ローラとの間の第1のニップ部に対し近接および待避する第1のチョッパと,第1のチョッパの移動経路の延長線から見て第2の搬送ローラおよび第3の搬送ローラの反対側に位置し,第2の搬送ローラと第3の搬送ローラとの間の第2のニップ部に対し近接および待避する第2のチョッパと,第1のチョッパの移動経路の延長線から見て第2の搬送ローラおよび第3の搬送ローラの反対側の位置であって,第2のチョッパより第3の搬送ローラの側に位置し,第3の搬送ローラに近接および待避する用紙ガイドとを有するものである。
【0009】
本発明の紙折り装置によれば,第1,第2の搬送ローラと第1のチョッパとによって,用紙に第1の折りを施すことができる。それに続けて,第2,第3の搬送ローラと第2のチョッパとによって,用紙に第2の折りを施すことができる。そして,この2回の折りによって,用紙は三つ折りされる。さらに,本発明の紙折り装置は,用紙ガイドを有しているので,第2の折りを施す際にこれを近接状態とすれば,用紙の端部を適切にガイドすることができる。すなわち,第2の折りによって巻き込まれるべき端部の浮き上がりを防止し,第2のニップ部に適切に進入させることができる。従って,紙シワや段折れを抑制し,適切に三つ折りを行うことのできる紙折り装置となっている。
【0010】
さらに本発明では,用紙ガイドの第3の搬送ローラ側の面は,第2搬送ローラの外形に沿った凹面であることが望ましい。
このようになっていれば,用紙は,用紙ガイドの第3の搬送ローラ側の面と第2搬送ローラの外形との間をスムーズに通ることができる。
【0011】
さらに本発明では,用紙ガイドは,第2のチョッパに対して摺動可能に取り付けられていることが望ましい。
このようになっていれば,用紙ガイドと第2のチョッパとは,互いに独立に移動できる。
【0012】
さらに本発明では,用紙ガイドは,第3の搬送ローラ側の面における,通紙範囲の外側の位置に,第3の搬送ローラに向かって突出する突出部が形成されているものであることが望ましい。
このようになっていれば,突出部が第3の搬送ローラに当接することにより,用紙ガイドの第3の搬送ローラ側の面と第3の搬送ローラの外面との間に隙間ができる。さらに突出部は,通紙範囲の外側の位置であるので,突出部と用紙とが接触することはない。従って,その隙間に用紙を通すことができる。
【0013】
さらに本発明では,第1のチョッパと第2のチョッパと用紙ガイドとの移動を制御する制御部を有し,制御部の制御内容は,第1のチョッパと第2のチョッパと用紙ガイドとをいずれも待避状態とし,用紙が,用紙受け入れ経路における,第1のチョッパと対面する位置と第2の搬送ローラ側の端部との間の長さが,第1のチョッパと対面する位置と第1の搬送ローラ側の端部との間の長さより長くなる位置に停止した状態で,第1のチョッパを近接状態とすることにより,用紙における第1のチョッパと対面する位置に第1の折り目を付けて第1のニップ部に進入させ,用紙における第1の搬送ローラ側の端部であった箇所が第2のチョッパと対面する位置を過ぎてから,第2のチョッパおよび用紙ガイドを近接状態とすることにより,用紙における第2のチョッパと対面する位置に第2の折り目を付けて第2のニップ部に進入させ,その後に第2のチョッパおよび用紙ガイドを待避状態とすることであることが望ましい。
このようにすれば,用紙にまず第1の折り目を付け,第1の折り目からの長さが短い方の用紙の端部を内側に巻き込んで,第2の折り目を付けることができる。そして,第2の折り目を付けるときには,用紙ガイドが近接状態にあるので,用紙のうちの巻き込むべき端部を,第2のニップ部に適切に進入させることができる。
【0014】
さらに本発明では,制御部は,第2のチョッパおよび用紙ガイドを待避状態とするに際し,まず第2のチョッパを待避状態とし,その後に用紙ガイドを待避状態とすることが望ましい。
このようにすれば,用紙に第2の折り目を付けて第2のニップ部に進入させた後も,用紙における第1の搬送ローラ側の端部であった箇所は,用紙ガイドによって第2のニップ部に導かれる。従って,紙シワや段折れを抑制できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の紙折り装置によれば,紙シワや段折れを抑制し,適切に三つ折りを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本形態の紙折り装置を示す概略構成図である。
【図2】紙折り動作を示す説明図である。
【図3】紙折り動作を示す説明図である。
【図4】紙折り動作を示す説明図である。
【図5】従来の紙折り装置を示す説明図である。
【図6】従来の紙折り装置を示す説明図である。
【図7】従来の紙折り装置を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下,本発明を具体化した最良の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,画像形成装置に取り付けられる紙折り装置に本発明を適用したものである。
【0018】
本形態の紙折り装置1は,図1に示すように,3つのローラ11,12,13と,2つのチョッパ15,16を有している。3つのローラ11,12,13は,互いに平行であり,かつ,ローラ11,13の軸位置は,ローラ12から見て互いに略直角となる位置に配置されている。ローラ12から見て,ローラ11は図中上方,ローラ13は図中左方に配置されている。そして,ローラ11と12とはニップ部18において接触している。また,ローラ12と13とは,ニップ部19において接触している。
【0019】
さらに,紙折り装置1が折り動作の対象となる用紙を受け入れる際の用紙受け入れ経路Lは,図1に破線で示すように,ローラ11,12から見てローラ13の反対側の位置であって,ローラ11,12とチョッパ15との間に配置されている。本形態の紙折り装置1では,その動作時に用紙は,用紙受け入れ経路Lをローラ12の側からローラ11の側へ向かって搬送されてくる。なお,用紙は,紙折り装置1の動作時に用紙受け入れ経路Lにあればよく,ここに到達するまでの搬送方向は,図示の逆向きであってもよい。
【0020】
そして,紙折り装置1の動作時には,これらのローラ11,12,13は,図1中に矢印で示すように,それぞれ回転する。すなわち,ローラ11と13は,図中で時計回り方向に回転し,ローラ12は,図中で反時計回り方向に回転する。従って,ニップ部18およびニップ部19のいずれにおいても,接触している両ローラの外面が同じ向きに移動する。
【0021】
チョッパ15,16は,各ローラ11,12,13の軸方向と平行に配置された板状の部材であり,図1ではその板面方向と平行な方向から見た様子が示されている。チョッパ15は,その延長面内にニップ部18を含む位置に,ローラ11と12より,ローラ13の反対側に配置されている。チョッパ15は,図示の待避位置と,ニップ部18に近接する突出位置との間で移動する。チョッパ16は,その延長面内にニップ部19を含む位置に,ローラ12と13よりローラ11の側に配置されている。チョッパ16は,図示の待避位置と,ニップ部19に近接する突出位置との間で移動する。
【0022】
さらに本形態の紙折り装置1は,図1に示すように,ガイド21を有している。ガイド21は,チョッパ16の図中で手前側の縁辺に,チョッパ16の面よりローラ11から遠い側に取り付けられている。ガイド21は,チョッパ16の縁辺に対して摺動する摺動部24を有している。すなわち,ガイド21は,摺動部24によって,チョッパ16に対して,チョッパ16の移動方向と同方向に移動可能にされている。従って,チョッパ16とガイド21とを連動させて,一緒に移動させることができるとともに,別々に移動させることもできる。なお,ガイド21の下面22は,ローラ13の外周面に沿った円筒の内周面の形状となっている。
【0023】
また,ガイド21の下面22のうち,図1中で手前側の端部には,突出部26,27が形成されている。これらの突出部26,27は,ガイド21を図中で下方へ下降させたとき,ローラ13の軸方向について通紙範囲外の位置で,ローラ13と接触する。例えば,ローラ13として,その軸方向の端部にフランジが設けられているものを使用した場合には,そのフランジに突出部26,27が接触する。さらに,ガイド21の下面22のうち,図中で奥側の端部にも同様の突出部26,27が形成されている。
【0024】
さらに,本形態の紙折り装置1は,図1に示すように,2つのチョッパ15,16と,ガイド21の動きを制御する制御部31を有している。制御部31は,ローラ11,12,13の回転をも制御するものであってもよい。制御部31は,特に,チョッパ16の移動とガイド21の移動とのタイミングを制御する。
【0025】
なお,チョッパ15,16は,各ローラの軸方向の全範囲にわたって設けられている1枚のものでもよいし,一体的に移動するようにされた複数個のものでもよい。ガイド21も同様に,用紙経路の幅方向と平行に設けられた複数個のものであって,一体的に移動するようにされたものでもよい。ただし,チョッパ15,16,ガイド21のいずれも,少なくとも軸方向の両端部には設けられていることが好ましい。これらは,少なくとも,各サイズの用紙について用紙経路の幅方向の端部となる箇所には設けられていることが好ましい。なお,用紙経路の幅方向は,各ローラの軸方向と同じ方向である。
【0026】
次に,図2〜図4を参照して,本形態の紙折り装置1によって,用紙を三つ折りする三つ折り動作を説明する。折り動作の対象となる用紙は,例えば,この紙折り装置1に隣接して設けられている画像形成装置によって印刷がなされた用紙である。折り動作の対象である用紙Pは,この紙折り装置1に対して,図1中で下方から,ローラ11,12とチョッパ15との間を通って,先端P1を先頭に上向きに進入する。
【0027】
本形態の紙折り装置1では,この用紙Pの先端P1を内側に巻き込むように2回折り曲げることにより,2回の折り動作によって三つ折りを行う。そのために,1回目の折り動作では,紙折り装置1は,用紙Pの搬送方向について先端P1から3分の1程度の位置である第1の折り位置において用紙Pを折る。2回目の折り動作では,紙折り装置1は,先端P1から3分の2程度の位置である第2の折り位置を,先端P1を巻き込む向きに折る。
【0028】
紙折り装置1は,用紙Pの先端P1が,ローラ11,12の横を通り過ぎて,予め決めた位置まで進行したら,用紙Pの進行を停止させる。ここでは,チョッパ15と並ぶ位置に第1の折り位置が位置するように停止位置が決定されている。複数枚を重ねて一度に折る場合には,紙折り装置1は順次到達する用紙Pを待機させ,同時に折る用紙Pをすべて重なった状態としてからこの停止位置に移動させる。あるいは,この停止位置に1枚ずつ順次重ねるようにしてもよい。さらに,紙折り装置1は,ローラ11,12,13を,前述したようにそれぞれ回転させる。
【0029】
次に,紙折り装置1の制御部31は,図2に示すように,ニップ部18に向かってチョッパ15を突出させ,用紙Pをローラ11,12の間に押し込む。これにより,用紙Pの第1の折り位置P2は,ニップ部18を越えてローラ13の側へ押し出される。第1の折り位置P2がニップ部18に噛み込まれたら,チョッパ15は,待避位置に後退する。この段階では,チョッパ16とガイド21とはともに,ニップ部18よりローラ11の側(図中で上方)に待避している。
【0030】
そして,用紙Pは,図2に示すように,第1の折り位置P2を先頭に,ローラ11,12の間を通ってローラ13の側へ送られる。つまり,用紙Pは,第1の折り位置P2に折り線が形成され,それより先端P1側の部分が後ろ側へ折り返された状態となる。第1の折り線が形成された用紙Pは,ローラ11,12によってさらに搬送され,図3に示すように,ローラ12,13と,チョッパ16やガイド21との間の位置へ向かって進行する。このとき,用紙Pの元の先端P1は,第1の折り位置P2より後ろ側の部分よりローラ11の側(図中で上方)に位置している。つまり,先端P1は,第1の折り位置P2より後ろ側の部分よりガイド21に近い側に位置している。
【0031】
次に,紙折り装置1の制御部31は,図3に示すように,チョッパ16とガイド21とをともに,ローラ13に近づく方へ移動させる。チョッパ16は,第2の折り位置P3を形成するためのものである。本形態における三つ折り処理では,第2の折り位置P3は,第1の折り処理によって用紙Pの元の先端P1が配置された箇所よりやや後端側となる。
【0032】
本形態の紙折り装置1では,図3に示すように,制御部31がチョッパ16とガイド21とを,ローラ12,13の方へ向かって移動させると,用紙Pの元の先端P1が,ガイド21の下面22側に接触する。用紙Pがカールしていたり,先端P1が浮き上がっているものであっても,元の先端P1は,ガイド21の下面22の曲面に沿って,ニップ部19の方へ向けられる。
【0033】
制御部31は,さらに,ガイド21の突出部26,27がローラ13の軸方向端部の外面に接触するまでガイド21を移動させる。これにより,図4に示すように,ガイド21の下面22とローラ13との間には,円筒面の一部の形状をなす空間ができる。そして,用紙Pの元の先端P1を含み第2の折り位置P3となる箇所より先端側の部分は,ガイド21の下面22とローラ13との間に導かれる。このとき,第1の折り位置P2は,ニップ部19よりローラ13側に位置している。
【0034】
また,制御部31は,チョッパ16をニップ部19に向かって移動させる。そして,制御部31は,図4に示すように,チョッパ16によって,用紙Pをローラ12,13の間に押し込む。それによって,用紙Pの第2の折り位置P3が,ローラ12,13の間に押し込まれる。従って,用紙Pに第2の折り線が形成される。制御部31は,第2の折り位置P3がニップ部19に噛み込まれたら,チョッパ16を待避位置に後退させる。
【0035】
制御部31は,ガイド21を,チョッパ16が後退した後もしばらく,ローラ13の外面に接触する位置に残す。用紙Pは,ローラ12,13によって,第2の折り位置P3を先頭にニップ部19を越えて送り出される。このとき,用紙Pの元の先端P1は,ガイド21の下面22によってローラ13の外面に向かって押さえられている。すなわち,元の先端P1は,第2の折り位置P3に向けられているので,用紙Pの進行に従って,第2の折り位置P3より後端側の箇所に重なって進行する。
【0036】
すなわち,用紙Pは,ローラ12,13によって,元の先端P1を内部に挟み込んで,第2の折り位置P3を先頭に図中下方へ向かって搬送される。これにより,用紙Pに三つ折りがなされたこととなる。本形態では,チョッパ16とガイド21とが摺動部24によって互いに摺動するようにされているので,制御部31は,これらをこのように別々に移動することができる。少なくともチョッパ16が第2の折り位置P3をニップ部19に押し込むときには,ガイド21がローラ13に近接しているようにすればよい。
【0037】
本形態の紙折り装置1はガイド21を有しているので,用紙Pのうち第2の折り位置より先端側の部分は,ガイド21の下面22とローラ13との間に挟まれる。特に,第1の折りによって折り返されている用紙Pの先端P1は,チョッパ16の進行方向に先端を向けて押さえられる。従って,チョッパ16によって第2の紙折りが行われるときには,この先端P1は適切に第2の折り位置に挿入される。もし,紙折り装置がガイド21を有していないとすると,図5または図6に示すように用紙の先端部を適切に挿入できないおそれがある。特に,用紙の先端部がカールしている場合には,先端部の段折れやカール部分のシワが発生しかねない。
【0038】
以上詳細に説明したように本形態の紙折り装置1によれば,第2の紙折りを行う際に,ガイド21によって,第1の折り線より用紙の先端側の部分が押さえられる。従って,用紙の先端部は,適切に第2の折り位置に挿入される。これにより,紙シワや段折れを抑制し,適切に三つ折りを行うことのできる紙折り装置となっている。
【0039】
なお,本形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 紙折り装置
11,12,13 ローラ
15,16 チョッパ
21 ガイド
22 下面
26,27 突出部
31 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を2つの搬送ローラの間のニップに挟むことにより,その箇所において用紙を折り曲げる紙折り装置において,
用紙受け入れ経路に沿って互いに接触して配置された第1の搬送ローラおよび第2の搬送ローラと,
前記第2の搬送ローラに接触するとともに前記第1の搬送ローラに接触しない位置であって,前記第2の搬送ローラから見て用紙受け入れ経路の反対側の位置に配置された第3の搬送ローラと,
用紙受け入れ経路から見て前記第1の搬送ローラおよび前記第2の搬送ローラの反対側に位置し,前記第1の搬送ローラと前記第2の搬送ローラとの間の第1のニップ部に対し近接および待避する第1のチョッパと,
前記第1のチョッパの移動経路の延長線から見て前記第2の搬送ローラおよび前記第3の搬送ローラの反対側に位置し,前記第2の搬送ローラと前記第3の搬送ローラとの間の第2のニップ部に対し近接および待避する第2のチョッパと,
前記第1のチョッパの移動経路の延長線から見て前記第2の搬送ローラおよび前記第3の搬送ローラの反対側の位置であって,前記第2のチョッパより前記第3の搬送ローラの側に位置し,前記第3の搬送ローラに近接および待避する用紙ガイドとを有することを特徴とする紙折り装置。
【請求項2】
請求項1に記載の紙折り装置において,
前記用紙ガイドの前記第3の搬送ローラ側の面は,前記第2搬送ローラの外形に沿った凹面であることを特徴とする紙折り装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の紙折り装置において,
前記用紙ガイドは,前記第2のチョッパに対して摺動可能に取り付けられていることを特徴とする紙折り装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の紙折り装置において,
前記用紙ガイドは,前記第3の搬送ローラ側の面における,通紙範囲の外側の位置に,前記第3の搬送ローラに向かって突出する突出部が形成されているものであることを特徴とする紙折り装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1つに記載の紙折り装置において,
前記第1のチョッパと前記第2のチョッパと前記用紙ガイドとの移動を制御する制御部を有し,
前記制御部の制御内容は,
前記第1のチョッパと前記第2のチョッパと前記用紙ガイドとをいずれも待避状態とし,
用紙が,用紙受け入れ経路における,前記第1のチョッパと対面する位置と前記第2の搬送ローラ側の端部との間の長さが,前記第1のチョッパと対面する位置と前記第1の搬送ローラ側の端部との間の長さより長くなる位置に停止した状態で,
前記第1のチョッパを近接状態とすることにより,用紙における前記第1のチョッパと対面する位置に第1の折り目を付けて前記第1のニップ部に進入させ,
用紙における前記第1の搬送ローラ側の端部であった箇所が前記第2のチョッパと対面する位置を過ぎてから,
前記第2のチョッパおよび前記用紙ガイドを近接状態とすることにより,用紙における前記第2のチョッパと対面する位置に第2の折り目を付けて前記第2のニップ部に進入させ,
その後に前記第2のチョッパおよび前記用紙ガイドを待避状態とすることであることを特徴とする紙折り装置。
【請求項6】
請求項5に記載の紙折り装置において,
前記制御部は,前記第2のチョッパおよび前記用紙ガイドを待避状態とするに際し,まず前記第2のチョッパを待避状態とし,その後に前記用紙ガイドを待避状態とすることを特徴とする紙折り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−126553(P2012−126553A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281534(P2010−281534)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】