紙葉類排出装置
【課題】長い媒体であっても排出量を増やさずに、軽い力で抜き取ることができる紙葉類排出装置を提供する。
【解決手段】レシートプリンタ13に、レシートAを搬送する搬送ローラ22を備えた駆動軸21と、該駆動軸21に回転自由に配置されて駆動ベルト27からの回転駆動力によって回転するプーリ26と、前記駆動軸21に回転自由に配置されて前記プーリ26の回転力を前記駆動軸21に伝達する回転盤29とを備え、前記駆動軸21は、回転円周の一部にストッパピン25を有し、前記プーリ26は、回転円周の一部に突起26aを有し、前記回転盤29は、回転円周の一部に設けられて前記ストッパピン25に当接する突起29bと回転円周の一部に設けられて前記突起26aに当接する突起29aとを有する構成とした。
【解決手段】レシートプリンタ13に、レシートAを搬送する搬送ローラ22を備えた駆動軸21と、該駆動軸21に回転自由に配置されて駆動ベルト27からの回転駆動力によって回転するプーリ26と、前記駆動軸21に回転自由に配置されて前記プーリ26の回転力を前記駆動軸21に伝達する回転盤29とを備え、前記駆動軸21は、回転円周の一部にストッパピン25を有し、前記プーリ26は、回転円周の一部に突起26aを有し、前記回転盤29は、回転円周の一部に設けられて前記ストッパピン25に当接する突起29bと回転円周の一部に設けられて前記突起26aに当接する突起29aとを有する構成とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、レシートやカード等を取り扱うような紙葉類排出装置に関するものであり、特に紙葉類を排出する排出部に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、レシートプリンタやカード取り扱い装置等は、排出部のローラにピンクラッチが採用された媒体搬送装置が提案されている(特許文献1参照)。この媒体搬送装置は、ピンクラッチにより、排出部まで媒体を搬送した後、操作者が小さな力で媒体を抜き取ることができるように構成されている。
【0003】
詳述すると、図11に示すように、ストッパピン125とこのピンクラッチは、搬送ローラ122の駆動軸121にストッパピン125が設けられ、このストッパピン125に係合するプーリ126の突起26aよって動力を駆動軸に伝えるものである。このストッパピン125と突起26aの係合部には、ガタが持たせられている。媒体排出時に動力を伝えるとき、一方向にガタが寄せられて突起26aにストッパピン125が当接し、この突起26aを介して駆動軸121に回転を伝える。その後、操作者が媒体を引っ張ると、このガタのある方向に搬送ローラ122を回転させることになり、プーリ126の突起126aに当接していたストッパピン125が突起126aから離れ、動力系に繋がるプーリ126を回転させずに搬送ローラ121を回転させることができる。これにより、軽い力で媒体を抜き取ることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−91387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、従来より多くの情報を印刷したレシート等の媒体を発行する場合、レシートのサイズを大きくするか、文字を小さくするといった方法がある。ここで、レシートのサイズを大きくするためにレシート幅を増やすと、レシートプリンタの幅も大きくなり装置が大型化してしまうという問題点がある。また、文字を小さくすると判読が困難になるという問題点がある。このため、レシートの長さを増して印刷可能な情報を増やす方法が主流になる。
【0006】
しかし、上述したピンクラッチの構成は、軽い力で抜き取ることのできる長さが、搬送ローラ1回転分からピンやギヤの引っかかり部の厚みを抜いた360度未満の回転量に対応する長さまでに限られる。このため、長いレシートの場合、前記回転量に対応する長さまで抜き取ると、ピンとギヤが当接してしまい、これ以上軽く回転できなくなる。従って、途中から抜き取る力が増大し、抜き取りにくくなるという問題点が生じる。仮に搬送ローラを大きくすれば、ピンクラッチで可能な回転量のまま、長いレシートであっても軽い力で完全に抜き取り可能となり得るが、搬送ローラの大型化に伴って装置全体が大きくなってしまうという問題点が生じる。
【0007】
他には、ローラ自体の挟持力を弱くして搬送ローラとレシートをスリップさせて抜き取り力を軽くする、レシートの排出量を増やして引き抜き量を減らす、といった方法が考えられる。
【0008】
しかし、挟持力を弱くすると搬送性能が落ちてジャムの可能性が発生する問題点が生じる。また、レシートの排出量を増やすと排出口からレシートが姿勢を維持できずに垂れ下がってしまい掴みにくくなるという問題点や、金融機関に設置されている現金自動預払機のようにカードの上に重ねて排出する場合にカードを覆い隠して見えなくしてしまうという問題点が生じる。
【0009】
本発明は、上述した問題点を発生させることなく、長いレシートの抜き取り容易性を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、紙葉類を搬送する搬送ローラを備えた搬送ローラ軸と、該搬送ローラ軸に回転自由に配置されて回転駆動手段からの回転駆動力によって回転する回転駆動部材と、前記搬送ローラ軸に回転自由に配置されて前記回転駆動部材の回転力を前記搬送ローラ軸に伝達する介装体とを備え、前記搬送ローラ軸は、回転円周の一部に軸係止部を有し、前記回転駆動部材は、回転円周の一部に駆動係止部を有し、前記介装体は、回転円周の一部に設けられて前記軸係止部に当接する軸側当接部と回転円周の一部に設けられて前記駆動係止部に当接する駆動側当接部とを有する紙葉類排出装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
長いレシートの抜き取り容易性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】自動取引装置の外観を示す斜視図。
【図2】自動取引装置の構成を示すブロック図。
【図3】カード・明細票機構部の概略構成を示す側面図。
【図4】レシート排出部の構成を示す斜視図。
【図5】プーリの斜視図。
【図6】回転盤の斜視図。
【図7】レシート排出駆動完了時の状態を示す説明図。
【図8】レシート抜取中の動作を説明する説明図。
【図9】レシート抜取完了時の状態を示す説明図。
【図10】実施例2のレシート排出部を示す斜視図。
【図11】従来のレシート排出部を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は、ATMと呼ばれる自動取引装置1の外観を示す斜視図であり、図2は、自動取引装置1の構成を示すブロック図である。
自動取引装置1は、金融機関に設置され、顧客の操作によって現金の入金や出金等の取引を行う装置である。
【0015】
この自動取引装置1は、制御部10に接続して、通帳取扱部11、紙葉類排出装置としてのカード・明細票機構部12、紙幣入出金機構部15、貨幣入出金機後部16、回収箱センサ17、タッチパネル18、および音声アナウンス部19が設けられている。
【0016】
制御部10は、CPU、メモリ等のハード構成と、プログラム、データ等のソフト構成から成り、各種処理、取引を制御する。
通帳取扱部11は、通帳取扱口2(図1参照)から投入された通帳に対し、取り込み、取引内容の印字、および通帳取扱口2からの排出を実行する。
【0017】
カード・明細票機構部12は、レシートプリンタ13とカード排出装置としてのカードリーダ14とで構成される。レシートプリンタ13は、取引した内容を明細票(レシート)に印字して紙葉類排出口としてのレシート取扱口3(図1参照)から排出する動作を実行する。カードリーダ14は、カード排出口としてのカード取扱口4(図1参照)から利用者のICカードの挿入又は排出動作(搬送手段)、ICカードの磁気ストライプ又はICチップへのリード又はライト動作(リーダライタ)、カードエンボス部分のイメージの読取動作(イメージ読取手段)を実行する。
【0018】
紙幣入出金機構部15は、紙幣取扱口5(図1参照)に入金された入金紙幣や紙幣取扱口5(図1参照)から出金する出金紙幣の金種判定、真偽判定、および計数を実行する。
【0019】
貨幣入出金機後部16は、貨幣取扱口6(図1参照)に入金された入金貨幣や貨幣取扱口6(図1参照)から出金する出金貨幣の金種判定、真偽判定、および計数を実行する。
【0020】
タッチパネル18は、タッチパネル部とディスプレイ部で構成される入力兼表示部であり、利用者に対して操作案内の表示やタッチ入力の受付などを実行する。
【0021】
音声アナウンス部19は、取引等に関するアナウンスを音声で出力する動作を実行する。
【0022】
図3は、カード・明細票機構部12の概略構成を示す側面図である。
カード・明細票機構部12は、上段にレシートプリンタ13、下段にカードリーダ14が設けられており、このレシートプリンタ13とカードリーダ14とが上下に配置されて構成されている。
【0023】
カードリーダ14の前面には、カード取扱口4が設けられている。
レシートプリンタ13の前面下部には、搬送ローラ22と従動ローラ24が設けられ、さらにその前面下方のカードリーダ14へ突出してレシート取扱口3が設けられている。このレシート取扱口3は、カード取扱口4の上部に近接配置されている。
【0024】
このレシートプリンタ13は、図2に示した制御部10の制御によって駆動するものであり、印刷する情報量に応じて発行するレシートの長さを変更できるものである。すなわち、内部には、図示しないカッタを備えており、ロール紙等を適宜カットして情報を印刷してレシートを発行する。また、発行の際には、搬送路中に設けた図示しないセンサによりレシートの先端を検知しており、レシート取扱口3からの排出量(突出する長さ)を予め定めた所定量となるように排出時の搬送を停止する。従って、レシートの排出量は常に同じであるが、レシートの長さによって、装置内部に残留しているレシート残留部の長さが異なるようになっている。レシートの排出量は、カードリーダ14から排出するカードとレシートプリンタ13から排出するレシートが重なった状態で、下方に位置するカードを完全に隠してしまわない長さに設定することが好ましい。
【0025】
この構成により、図3に一点鎖線で示すように、カード取扱口4から略水平にカードが排出され、レシート取扱口3から前下がりにレシートが排出されて、排出されたレシートとカードを利用者が片手で重ね合わせて抜き取れる。
【0026】
図4は、搬送ローラ22と従動ローラ24とが設けられているレシート排出部20の構成を示す斜視図であり、図5は回転駆動部材としてのプーリ26の斜視図、図6は介装体としての回転盤29の斜視図である。
【0027】
レシート排出部20は、従動ローラ24が回転可能に配置された従動軸23と搬送ローラ22が固定されている搬送ローラ軸としての駆動軸21とが上下にこの順で配置されている。従動ローラ24と搬送ローラ22は、上下に対向しており、この対向間にて通過する紙葉類としてのレシートAを挟持して搬送する構成となっている。
【0028】
駆動軸21の一端には、回転円周の一部にて回転半径へ突出する軸係止部としてのストッパピン25が固定されている。
【0029】
また、駆動軸21には、ストッパピン25と搬送ローラ22の間位置に、プーリ26が回転自由に配置されている。このプーリ26は、ストッパピン25側の面で回転円周の一部に駆動係止部としての突起26a(図5参照)が設けられており、外周に回転駆動手段としての駆動ベルト27がかかっている。このため、プーリ26は、駆動ベルト27により回転駆動および回転停止を行い、それに伴って突起26aも回転および停止を行う。
【0030】
また、駆動軸21には、プーリ26とストッパピン25の間位置に、回転盤29が回転自由に配置されている。この回転盤29は、プーリ26側の面で回転円周の一部に駆動側当接部としての突起29a(図5参照)が設けられており、ストッパピン25側の面で回転円周の一部に軸側当接部としての突起29b(図5参照)が設けられている。従って、回転盤29は、軸方向の両面に突起29aと突起29bとがそれぞれ配設さている
なお、突起29aと突起29bは、回転盤29の両面の同一位置に設けて同一位相としたが、回転円周方向に異なる位置にずらして設けても良い。この場合、例えば樹脂成型などで厚みを一定にすることができる。
【0031】
プーリ26の突起26aと、回転盤29の突起29aは、回転軸となる駆動軸21の軸芯から半径方向に同じ距離の位置に設けられており、360度近く相対回転すると互いに当接してそれ以上相対回転できないように構成されている。
【0032】
また、回転盤29の突起29bと、駆動軸21のストッパピン25とは、回転軸となる駆動軸21の軸芯から半径方向に同じ距離の位置に設けられており、360度近く相対回転すると互いに当接してそれ以上相対回転できないように構成されている。
【0033】
これらのプーリ26、回転盤29、およびストッパピン25は、駆動軸21の内から外へ同軸上にこの順で隣接配置されており、互いに所定範囲だけ相対回転することができる。すなわち、プーリ26と回転盤29は、互いの対向面に設けられている突起26aと突起29aが片面の当接から離間して反対面が当接するまで相対回転可能である。そして、回転盤29とストッパピン25は、突起29bとストッパピン25が片面の当接から離間して反対面が当接するまで相対回転可能である。
【0034】
なお、駆動軸21には、プーリ26がストッパピン25から所定距離以上離間しないように、図示省略するEリングなど適宜の変位防止手段を備えると良い。これにより、突起26aと突起29aの当接による相対回転の係止と、突起29bとストッパピン25の当接による相対回転の係止とを確実に行わせることができる。
【0035】
このように構成したレシート排出部20は、レシートAを排出するとき、図示していない動力により駆動ベルト27をB方向(図4参照)に駆動し、プーリ26をC方向に回転させる。回転すると、突起26aが回転盤29の突起29aに当たり、回転盤29を回転し、さらに突起29bがストッパピン25に当たって駆動軸21を回転させ、レシートAが排出される。このとき、ストッパピン25と突起26aと突起29aの位置関係は、図7の説明図に示すように、突起26aと突起29aが接触し、突起29aの裏側の突起29bとストッパピン25が接触している。このため、駆動ベルト27による回転駆動力が、プーリ26、回転盤29、およびストッパピン25の順番で伝達され、このプーリ26、回転盤29、およびストッパピン25が一体となって回転する。
【0036】
駆動ベルト27のB方向の駆動が停止すると、プーリ26、回転盤29、およびストッパピン25が、この接触状態で回転停止する。
【0037】
このとき、レシートAは、レシートプリンタ13のレシート取扱口3から一部が排出され、残部がレシートプリンタ13内の搬送ローラ22と従動ローラ24で挟持されている。これにより、レシートAは抜き取り可能な状態に保持され、利用者が抜き取るまでに風等で飛ばされるといったことを防止している。
【0038】
また、この状態でのレシートAの排出量(レシート取扱口3から突出している長さ)は、カードリーダ14のカード取扱口4から排出されたカードを完全に隠してしまわない程度となるように調整されている。このカードリーダ14のカード取扱口4から排出されたカードも、一部がカード取扱口4から排出されて残部がカードリーダ14内で保持されている
操作者が長いレシートAをZ方向に抜き取ると、抜き取られるレシートAにつられて搬送ローラ22と駆動軸21とが図8(A)に示す状態から図8(B)に示す状態へC方向(図7参照)に回転する。このとき、ストッパピン25が突起29bから離れる方向に回転(空転)するため、回転盤29およびプーリ26は回転しない。このため、操作者は、駆動ベルト27の負荷や駆動ベルト27に接続された動力の負荷の影響を受けずに、ごく軽い力で抜き取ることができる。
【0039】
ストッパピン25を備えた駆動軸21がさらに回転すると、図8(C)に示すように、ストッパピン25が回転盤29の突起29bから一旦離れ、ストッパピン25が突起29bに逆方向から再接触する。このとき回転盤29は、図8(D)に示すように駆動軸21の回転方向に自由に連れ回りするため、ごく軽い力で抜き取ることができる。
【0040】
さらにレシートAが抜き取られると、抜き取られるレシートAにつられて搬送ローラ22を有する駆動軸21と回転盤29がC方向(図7参照)にさらに回転(空転)し、回転盤29の突起29aがプーリ26の突起26aに接触するまでは、プーリ26が回転せず、ごく軽い力で抜き取ることができる。
【0041】
そして、仮にさらに回転が行われたとすると、図8(E)に示すように回転盤29の突起29aがプーリ26の突起26aに接触する。
【0042】
従って、この方式で、搬送ローラ22が駆動軸21に対して相対回転する回転量は、図8(F)に示すように、駆動軸21の回転量Xと回転盤29の回転量Yの和となる。これにより、2回転近い回転量が確保できる。
【0043】
このようにして軽い力での抜取を許容できる最大限の回転が行われると、図9の説明図に示すように、突起26aと突起29a、突起29bとストッパピン25とが互いに接触し、回転係止される。
【0044】
以上の構成および動作により、長いレシートの抜き取り容易性を確保することができる。すなわち、プーリ26を回転させずに駆動軸21が回転できる範囲を増やすことができる。
【0045】
これにより、レシートAの抜き取り容易性を確保しつつ、レシートの幅を広げることなく多くの情報をレシートに印刷することができる。これにより、レシートプリンタの幅が大きくなって装置が大型化してしまうという問題を回避できる。
【0046】
また、文字を小さくしなくとも多くの情報を印刷できるため、文字の判読が困難になるという問題を回避できる。
【0047】
また、搬送ローラを大きくせずとも軽い力でレシートを抜き取れる距離を長くすることができるため、搬送ローラの大型化に伴って装置全体が大きくなってしまうという問題を回避できる。
【0048】
また、ローラ自体の挟持力を弱くして搬送ローラとレシートをスリップさせて抜き取り力を軽くする必要がないため、挟持力を弱くすることにより搬送性能が落ちてジャムの可能性が発生する問題を回避できる。
【0049】
また、レシートの排出量(レシート取扱口3から突出させる長さ)を増やして引き抜き量を減らす必要がないため、レシートが姿勢を維持できずに垂れ下がってしまい掴みにくくなるという問題や、カードの上に重ねて排出する場合にカードを覆い隠して見えなくしてしまうという問題を回避できる。
【実施例2】
【0050】
図10は、別の実施例のレシート排出部40を示す斜視図である。
このレシート排出部40は、駆動軸21におけるストッパピン25とプーリ26の間に回転盤29が複数(N個)並べて配置されている。この複数の回転盤29は、互いに隣接して配置されている。隣り合う回転盤29は、それぞれの突起29aと突起29bとが一端で接触している状態から相対回転して他端で接触するまで回転すると相対回転停止する。従って、互いの突起29aと突起29bとによって回転範囲が規制されている。
【0051】
このように、回転盤29をN個設置することで、回転盤29の回転量YがN倍となり、軽い力で抜き取り可能なレシートの長さをより長くすることができる。
【0052】
他の構成および動作は、実施例1と同一であるので、同一要素に同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0053】
以上の構成により、実施例2のレシート排出部40は、実施例1と同一の効果を得ることができ、実施例1よりもさらに長いレシートに対応することができる。
【0054】
なお、実施例2の図示では回転盤29を3個としたが、これに限らず複数の回転盤29を備えることができる。この場合、回転盤29の数だけ対応可能なレシートの長さを長くすることができる。
【0055】
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
この発明は、紙葉類の一部を排出口から排出して残部を装置内で保持し、この状態から最終的に利用者の手によって紙葉類が抜き取られる様々な装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0057】
3…レシート取扱口、4…カード取扱口、12…カード・明細票機構部、14…カードリーダ、21…駆動軸、22…搬送ローラ、25…ストッパピン、26…プーリ、26a…突起、27…駆動ベルト、29…回転盤、29a,29b…突起、A…レシート
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、レシートやカード等を取り扱うような紙葉類排出装置に関するものであり、特に紙葉類を排出する排出部に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、レシートプリンタやカード取り扱い装置等は、排出部のローラにピンクラッチが採用された媒体搬送装置が提案されている(特許文献1参照)。この媒体搬送装置は、ピンクラッチにより、排出部まで媒体を搬送した後、操作者が小さな力で媒体を抜き取ることができるように構成されている。
【0003】
詳述すると、図11に示すように、ストッパピン125とこのピンクラッチは、搬送ローラ122の駆動軸121にストッパピン125が設けられ、このストッパピン125に係合するプーリ126の突起26aよって動力を駆動軸に伝えるものである。このストッパピン125と突起26aの係合部には、ガタが持たせられている。媒体排出時に動力を伝えるとき、一方向にガタが寄せられて突起26aにストッパピン125が当接し、この突起26aを介して駆動軸121に回転を伝える。その後、操作者が媒体を引っ張ると、このガタのある方向に搬送ローラ122を回転させることになり、プーリ126の突起126aに当接していたストッパピン125が突起126aから離れ、動力系に繋がるプーリ126を回転させずに搬送ローラ121を回転させることができる。これにより、軽い力で媒体を抜き取ることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−91387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、従来より多くの情報を印刷したレシート等の媒体を発行する場合、レシートのサイズを大きくするか、文字を小さくするといった方法がある。ここで、レシートのサイズを大きくするためにレシート幅を増やすと、レシートプリンタの幅も大きくなり装置が大型化してしまうという問題点がある。また、文字を小さくすると判読が困難になるという問題点がある。このため、レシートの長さを増して印刷可能な情報を増やす方法が主流になる。
【0006】
しかし、上述したピンクラッチの構成は、軽い力で抜き取ることのできる長さが、搬送ローラ1回転分からピンやギヤの引っかかり部の厚みを抜いた360度未満の回転量に対応する長さまでに限られる。このため、長いレシートの場合、前記回転量に対応する長さまで抜き取ると、ピンとギヤが当接してしまい、これ以上軽く回転できなくなる。従って、途中から抜き取る力が増大し、抜き取りにくくなるという問題点が生じる。仮に搬送ローラを大きくすれば、ピンクラッチで可能な回転量のまま、長いレシートであっても軽い力で完全に抜き取り可能となり得るが、搬送ローラの大型化に伴って装置全体が大きくなってしまうという問題点が生じる。
【0007】
他には、ローラ自体の挟持力を弱くして搬送ローラとレシートをスリップさせて抜き取り力を軽くする、レシートの排出量を増やして引き抜き量を減らす、といった方法が考えられる。
【0008】
しかし、挟持力を弱くすると搬送性能が落ちてジャムの可能性が発生する問題点が生じる。また、レシートの排出量を増やすと排出口からレシートが姿勢を維持できずに垂れ下がってしまい掴みにくくなるという問題点や、金融機関に設置されている現金自動預払機のようにカードの上に重ねて排出する場合にカードを覆い隠して見えなくしてしまうという問題点が生じる。
【0009】
本発明は、上述した問題点を発生させることなく、長いレシートの抜き取り容易性を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、紙葉類を搬送する搬送ローラを備えた搬送ローラ軸と、該搬送ローラ軸に回転自由に配置されて回転駆動手段からの回転駆動力によって回転する回転駆動部材と、前記搬送ローラ軸に回転自由に配置されて前記回転駆動部材の回転力を前記搬送ローラ軸に伝達する介装体とを備え、前記搬送ローラ軸は、回転円周の一部に軸係止部を有し、前記回転駆動部材は、回転円周の一部に駆動係止部を有し、前記介装体は、回転円周の一部に設けられて前記軸係止部に当接する軸側当接部と回転円周の一部に設けられて前記駆動係止部に当接する駆動側当接部とを有する紙葉類排出装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
長いレシートの抜き取り容易性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】自動取引装置の外観を示す斜視図。
【図2】自動取引装置の構成を示すブロック図。
【図3】カード・明細票機構部の概略構成を示す側面図。
【図4】レシート排出部の構成を示す斜視図。
【図5】プーリの斜視図。
【図6】回転盤の斜視図。
【図7】レシート排出駆動完了時の状態を示す説明図。
【図8】レシート抜取中の動作を説明する説明図。
【図9】レシート抜取完了時の状態を示す説明図。
【図10】実施例2のレシート排出部を示す斜視図。
【図11】従来のレシート排出部を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は、ATMと呼ばれる自動取引装置1の外観を示す斜視図であり、図2は、自動取引装置1の構成を示すブロック図である。
自動取引装置1は、金融機関に設置され、顧客の操作によって現金の入金や出金等の取引を行う装置である。
【0015】
この自動取引装置1は、制御部10に接続して、通帳取扱部11、紙葉類排出装置としてのカード・明細票機構部12、紙幣入出金機構部15、貨幣入出金機後部16、回収箱センサ17、タッチパネル18、および音声アナウンス部19が設けられている。
【0016】
制御部10は、CPU、メモリ等のハード構成と、プログラム、データ等のソフト構成から成り、各種処理、取引を制御する。
通帳取扱部11は、通帳取扱口2(図1参照)から投入された通帳に対し、取り込み、取引内容の印字、および通帳取扱口2からの排出を実行する。
【0017】
カード・明細票機構部12は、レシートプリンタ13とカード排出装置としてのカードリーダ14とで構成される。レシートプリンタ13は、取引した内容を明細票(レシート)に印字して紙葉類排出口としてのレシート取扱口3(図1参照)から排出する動作を実行する。カードリーダ14は、カード排出口としてのカード取扱口4(図1参照)から利用者のICカードの挿入又は排出動作(搬送手段)、ICカードの磁気ストライプ又はICチップへのリード又はライト動作(リーダライタ)、カードエンボス部分のイメージの読取動作(イメージ読取手段)を実行する。
【0018】
紙幣入出金機構部15は、紙幣取扱口5(図1参照)に入金された入金紙幣や紙幣取扱口5(図1参照)から出金する出金紙幣の金種判定、真偽判定、および計数を実行する。
【0019】
貨幣入出金機後部16は、貨幣取扱口6(図1参照)に入金された入金貨幣や貨幣取扱口6(図1参照)から出金する出金貨幣の金種判定、真偽判定、および計数を実行する。
【0020】
タッチパネル18は、タッチパネル部とディスプレイ部で構成される入力兼表示部であり、利用者に対して操作案内の表示やタッチ入力の受付などを実行する。
【0021】
音声アナウンス部19は、取引等に関するアナウンスを音声で出力する動作を実行する。
【0022】
図3は、カード・明細票機構部12の概略構成を示す側面図である。
カード・明細票機構部12は、上段にレシートプリンタ13、下段にカードリーダ14が設けられており、このレシートプリンタ13とカードリーダ14とが上下に配置されて構成されている。
【0023】
カードリーダ14の前面には、カード取扱口4が設けられている。
レシートプリンタ13の前面下部には、搬送ローラ22と従動ローラ24が設けられ、さらにその前面下方のカードリーダ14へ突出してレシート取扱口3が設けられている。このレシート取扱口3は、カード取扱口4の上部に近接配置されている。
【0024】
このレシートプリンタ13は、図2に示した制御部10の制御によって駆動するものであり、印刷する情報量に応じて発行するレシートの長さを変更できるものである。すなわち、内部には、図示しないカッタを備えており、ロール紙等を適宜カットして情報を印刷してレシートを発行する。また、発行の際には、搬送路中に設けた図示しないセンサによりレシートの先端を検知しており、レシート取扱口3からの排出量(突出する長さ)を予め定めた所定量となるように排出時の搬送を停止する。従って、レシートの排出量は常に同じであるが、レシートの長さによって、装置内部に残留しているレシート残留部の長さが異なるようになっている。レシートの排出量は、カードリーダ14から排出するカードとレシートプリンタ13から排出するレシートが重なった状態で、下方に位置するカードを完全に隠してしまわない長さに設定することが好ましい。
【0025】
この構成により、図3に一点鎖線で示すように、カード取扱口4から略水平にカードが排出され、レシート取扱口3から前下がりにレシートが排出されて、排出されたレシートとカードを利用者が片手で重ね合わせて抜き取れる。
【0026】
図4は、搬送ローラ22と従動ローラ24とが設けられているレシート排出部20の構成を示す斜視図であり、図5は回転駆動部材としてのプーリ26の斜視図、図6は介装体としての回転盤29の斜視図である。
【0027】
レシート排出部20は、従動ローラ24が回転可能に配置された従動軸23と搬送ローラ22が固定されている搬送ローラ軸としての駆動軸21とが上下にこの順で配置されている。従動ローラ24と搬送ローラ22は、上下に対向しており、この対向間にて通過する紙葉類としてのレシートAを挟持して搬送する構成となっている。
【0028】
駆動軸21の一端には、回転円周の一部にて回転半径へ突出する軸係止部としてのストッパピン25が固定されている。
【0029】
また、駆動軸21には、ストッパピン25と搬送ローラ22の間位置に、プーリ26が回転自由に配置されている。このプーリ26は、ストッパピン25側の面で回転円周の一部に駆動係止部としての突起26a(図5参照)が設けられており、外周に回転駆動手段としての駆動ベルト27がかかっている。このため、プーリ26は、駆動ベルト27により回転駆動および回転停止を行い、それに伴って突起26aも回転および停止を行う。
【0030】
また、駆動軸21には、プーリ26とストッパピン25の間位置に、回転盤29が回転自由に配置されている。この回転盤29は、プーリ26側の面で回転円周の一部に駆動側当接部としての突起29a(図5参照)が設けられており、ストッパピン25側の面で回転円周の一部に軸側当接部としての突起29b(図5参照)が設けられている。従って、回転盤29は、軸方向の両面に突起29aと突起29bとがそれぞれ配設さている
なお、突起29aと突起29bは、回転盤29の両面の同一位置に設けて同一位相としたが、回転円周方向に異なる位置にずらして設けても良い。この場合、例えば樹脂成型などで厚みを一定にすることができる。
【0031】
プーリ26の突起26aと、回転盤29の突起29aは、回転軸となる駆動軸21の軸芯から半径方向に同じ距離の位置に設けられており、360度近く相対回転すると互いに当接してそれ以上相対回転できないように構成されている。
【0032】
また、回転盤29の突起29bと、駆動軸21のストッパピン25とは、回転軸となる駆動軸21の軸芯から半径方向に同じ距離の位置に設けられており、360度近く相対回転すると互いに当接してそれ以上相対回転できないように構成されている。
【0033】
これらのプーリ26、回転盤29、およびストッパピン25は、駆動軸21の内から外へ同軸上にこの順で隣接配置されており、互いに所定範囲だけ相対回転することができる。すなわち、プーリ26と回転盤29は、互いの対向面に設けられている突起26aと突起29aが片面の当接から離間して反対面が当接するまで相対回転可能である。そして、回転盤29とストッパピン25は、突起29bとストッパピン25が片面の当接から離間して反対面が当接するまで相対回転可能である。
【0034】
なお、駆動軸21には、プーリ26がストッパピン25から所定距離以上離間しないように、図示省略するEリングなど適宜の変位防止手段を備えると良い。これにより、突起26aと突起29aの当接による相対回転の係止と、突起29bとストッパピン25の当接による相対回転の係止とを確実に行わせることができる。
【0035】
このように構成したレシート排出部20は、レシートAを排出するとき、図示していない動力により駆動ベルト27をB方向(図4参照)に駆動し、プーリ26をC方向に回転させる。回転すると、突起26aが回転盤29の突起29aに当たり、回転盤29を回転し、さらに突起29bがストッパピン25に当たって駆動軸21を回転させ、レシートAが排出される。このとき、ストッパピン25と突起26aと突起29aの位置関係は、図7の説明図に示すように、突起26aと突起29aが接触し、突起29aの裏側の突起29bとストッパピン25が接触している。このため、駆動ベルト27による回転駆動力が、プーリ26、回転盤29、およびストッパピン25の順番で伝達され、このプーリ26、回転盤29、およびストッパピン25が一体となって回転する。
【0036】
駆動ベルト27のB方向の駆動が停止すると、プーリ26、回転盤29、およびストッパピン25が、この接触状態で回転停止する。
【0037】
このとき、レシートAは、レシートプリンタ13のレシート取扱口3から一部が排出され、残部がレシートプリンタ13内の搬送ローラ22と従動ローラ24で挟持されている。これにより、レシートAは抜き取り可能な状態に保持され、利用者が抜き取るまでに風等で飛ばされるといったことを防止している。
【0038】
また、この状態でのレシートAの排出量(レシート取扱口3から突出している長さ)は、カードリーダ14のカード取扱口4から排出されたカードを完全に隠してしまわない程度となるように調整されている。このカードリーダ14のカード取扱口4から排出されたカードも、一部がカード取扱口4から排出されて残部がカードリーダ14内で保持されている
操作者が長いレシートAをZ方向に抜き取ると、抜き取られるレシートAにつられて搬送ローラ22と駆動軸21とが図8(A)に示す状態から図8(B)に示す状態へC方向(図7参照)に回転する。このとき、ストッパピン25が突起29bから離れる方向に回転(空転)するため、回転盤29およびプーリ26は回転しない。このため、操作者は、駆動ベルト27の負荷や駆動ベルト27に接続された動力の負荷の影響を受けずに、ごく軽い力で抜き取ることができる。
【0039】
ストッパピン25を備えた駆動軸21がさらに回転すると、図8(C)に示すように、ストッパピン25が回転盤29の突起29bから一旦離れ、ストッパピン25が突起29bに逆方向から再接触する。このとき回転盤29は、図8(D)に示すように駆動軸21の回転方向に自由に連れ回りするため、ごく軽い力で抜き取ることができる。
【0040】
さらにレシートAが抜き取られると、抜き取られるレシートAにつられて搬送ローラ22を有する駆動軸21と回転盤29がC方向(図7参照)にさらに回転(空転)し、回転盤29の突起29aがプーリ26の突起26aに接触するまでは、プーリ26が回転せず、ごく軽い力で抜き取ることができる。
【0041】
そして、仮にさらに回転が行われたとすると、図8(E)に示すように回転盤29の突起29aがプーリ26の突起26aに接触する。
【0042】
従って、この方式で、搬送ローラ22が駆動軸21に対して相対回転する回転量は、図8(F)に示すように、駆動軸21の回転量Xと回転盤29の回転量Yの和となる。これにより、2回転近い回転量が確保できる。
【0043】
このようにして軽い力での抜取を許容できる最大限の回転が行われると、図9の説明図に示すように、突起26aと突起29a、突起29bとストッパピン25とが互いに接触し、回転係止される。
【0044】
以上の構成および動作により、長いレシートの抜き取り容易性を確保することができる。すなわち、プーリ26を回転させずに駆動軸21が回転できる範囲を増やすことができる。
【0045】
これにより、レシートAの抜き取り容易性を確保しつつ、レシートの幅を広げることなく多くの情報をレシートに印刷することができる。これにより、レシートプリンタの幅が大きくなって装置が大型化してしまうという問題を回避できる。
【0046】
また、文字を小さくしなくとも多くの情報を印刷できるため、文字の判読が困難になるという問題を回避できる。
【0047】
また、搬送ローラを大きくせずとも軽い力でレシートを抜き取れる距離を長くすることができるため、搬送ローラの大型化に伴って装置全体が大きくなってしまうという問題を回避できる。
【0048】
また、ローラ自体の挟持力を弱くして搬送ローラとレシートをスリップさせて抜き取り力を軽くする必要がないため、挟持力を弱くすることにより搬送性能が落ちてジャムの可能性が発生する問題を回避できる。
【0049】
また、レシートの排出量(レシート取扱口3から突出させる長さ)を増やして引き抜き量を減らす必要がないため、レシートが姿勢を維持できずに垂れ下がってしまい掴みにくくなるという問題や、カードの上に重ねて排出する場合にカードを覆い隠して見えなくしてしまうという問題を回避できる。
【実施例2】
【0050】
図10は、別の実施例のレシート排出部40を示す斜視図である。
このレシート排出部40は、駆動軸21におけるストッパピン25とプーリ26の間に回転盤29が複数(N個)並べて配置されている。この複数の回転盤29は、互いに隣接して配置されている。隣り合う回転盤29は、それぞれの突起29aと突起29bとが一端で接触している状態から相対回転して他端で接触するまで回転すると相対回転停止する。従って、互いの突起29aと突起29bとによって回転範囲が規制されている。
【0051】
このように、回転盤29をN個設置することで、回転盤29の回転量YがN倍となり、軽い力で抜き取り可能なレシートの長さをより長くすることができる。
【0052】
他の構成および動作は、実施例1と同一であるので、同一要素に同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0053】
以上の構成により、実施例2のレシート排出部40は、実施例1と同一の効果を得ることができ、実施例1よりもさらに長いレシートに対応することができる。
【0054】
なお、実施例2の図示では回転盤29を3個としたが、これに限らず複数の回転盤29を備えることができる。この場合、回転盤29の数だけ対応可能なレシートの長さを長くすることができる。
【0055】
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
この発明は、紙葉類の一部を排出口から排出して残部を装置内で保持し、この状態から最終的に利用者の手によって紙葉類が抜き取られる様々な装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0057】
3…レシート取扱口、4…カード取扱口、12…カード・明細票機構部、14…カードリーダ、21…駆動軸、22…搬送ローラ、25…ストッパピン、26…プーリ、26a…突起、27…駆動ベルト、29…回転盤、29a,29b…突起、A…レシート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類を搬送する搬送ローラを備えた搬送ローラ軸と、
該搬送ローラ軸に回転自由に配置されて回転駆動手段からの回転駆動力によって回転する回転駆動部材と、
前記搬送ローラ軸に回転自由に配置されて前記回転駆動部材の回転力を前記搬送ローラ軸に伝達する介装体とを備え、
前記搬送ローラ軸は、回転円周の一部に軸係止部を有し、
前記回転駆動部材は、回転円周の一部に駆動係止部を有し、
前記介装体は、回転円周の一部に設けられて前記軸係止部に当接する軸側当接部と回転円周の一部に設けられて前記駆動係止部に当接する駆動側当接部とを有する
紙葉類排出装置。
【請求項2】
前記介装体を、前記搬送ローラ軸における前記軸係止部と前記回転駆動部材との間に回転自由に複数備えた
請求項1記載の紙葉類排出装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の紙葉類排出装置と、
該紙葉類排出装置の下段に設けられてカード排出口からカードを排出するカード排出装置とを備え、
前記紙葉類排出装置の紙葉類排出口を、
排出した紙葉類とカードを利用者がまとめて片手で抜き取り可能となるように前記カード排出口の上方に近接配置した
媒体処理装置。
【請求項1】
紙葉類を搬送する搬送ローラを備えた搬送ローラ軸と、
該搬送ローラ軸に回転自由に配置されて回転駆動手段からの回転駆動力によって回転する回転駆動部材と、
前記搬送ローラ軸に回転自由に配置されて前記回転駆動部材の回転力を前記搬送ローラ軸に伝達する介装体とを備え、
前記搬送ローラ軸は、回転円周の一部に軸係止部を有し、
前記回転駆動部材は、回転円周の一部に駆動係止部を有し、
前記介装体は、回転円周の一部に設けられて前記軸係止部に当接する軸側当接部と回転円周の一部に設けられて前記駆動係止部に当接する駆動側当接部とを有する
紙葉類排出装置。
【請求項2】
前記介装体を、前記搬送ローラ軸における前記軸係止部と前記回転駆動部材との間に回転自由に複数備えた
請求項1記載の紙葉類排出装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の紙葉類排出装置と、
該紙葉類排出装置の下段に設けられてカード排出口からカードを排出するカード排出装置とを備え、
前記紙葉類排出装置の紙葉類排出口を、
排出した紙葉類とカードを利用者がまとめて片手で抜き取り可能となるように前記カード排出口の上方に近接配置した
媒体処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−105443(P2011−105443A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−261900(P2009−261900)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】
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