紙袋用取手取付け装置
【課題】美感に優れた取手付き袋用紙を効率よく製造することができる紙袋用取手取付け装置を提供する。
【解決手段】袋用紙1に、取手ひも2を取り付ける紙袋用取手取付け装置。袋用紙1に取付穴を形成する取付穴形成部と、取手ひも2を取付穴に挿通させるひも通し部13とを備えている。ひも通し部13は、取手ひも2を搬送するひも搬送部42と、袋用紙1を搬送する用紙搬送部43とを有する。ひも搬送部41は、取手ひも2を保持するひもホルダ46と、袋用紙1の搬送方向に沿ってひもホルダ46を搬送可能なホルダ搬送体45とを備える。ひも搬送部41と用紙搬送部46のうち少なくとも一方は、搬送過程において取手ひも2または袋用紙1の高さを調整することにより取手ひも2の端部を取付穴に挿通させるひも挿通機構を有する。
【解決手段】袋用紙1に、取手ひも2を取り付ける紙袋用取手取付け装置。袋用紙1に取付穴を形成する取付穴形成部と、取手ひも2を取付穴に挿通させるひも通し部13とを備えている。ひも通し部13は、取手ひも2を搬送するひも搬送部42と、袋用紙1を搬送する用紙搬送部43とを有する。ひも搬送部41は、取手ひも2を保持するひもホルダ46と、袋用紙1の搬送方向に沿ってひもホルダ46を搬送可能なホルダ搬送体45とを備える。ひも搬送部41と用紙搬送部46のうち少なくとも一方は、搬送過程において取手ひも2または袋用紙1の高さを調整することにより取手ひも2の端部を取付穴に挿通させるひも挿通機構を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばショッピングバッグ等に使用できる紙袋の用紙に取手ひもを取り付ける紙袋用取手取付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紙袋を製造するには、まず、袋用紙に取手ひもを取り付けた取手付き袋用紙を作製し、次いで、この取手付き袋用紙を袋状に形成する。
図14(a)に示すように、取手付き袋用紙は、例えば袋用紙101にループ状の取手ひも102が取り付けられた構造である。
図14(b)に示すように、この取手付き袋用紙は、台紙103に取手ひも102が取り付けられた取手体104を袋用紙101上に設置し、台紙103を包み込むように口折り部105を折り返して本体部106に糊付けして作製することができる。口折り部105には、取手ひも102を通すための切り込み107が形成されている。
取手付き袋用紙を製造する装置としては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−091003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記製造装置では、取手付き袋用紙の折り返し部105に切り込み107が形成されるため、美感の点で改善が望まれていた。
このため、袋用紙および台紙に取手ひも挿通用の取付穴を形成し、この取付穴に手作業で取手ひもを通し、その端部を袋用紙に固定する手法によって取手付き袋用紙を製造することも行われている。この手法によれば、切り込みのない取手付き袋用紙が得られるが、取手ひもを手作業で取付穴に通す作業が必要となるため、効率のよい製造が難しくなるという問題があった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、美感に優れた取手付き袋用紙を効率よく製造することができる紙袋用取手取付け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の紙袋用取手取付け装置は、袋用紙に、取手ひもを取り付けることによって取手付き袋用紙を得る紙袋用取手取付け装置であって、前記袋用紙に取付穴を形成する取付穴形成部と、前記取手ひもを前記取付穴に挿通させるひも通し部と、を備え、前記ひも通し部は、前記取手ひもを搬送するひも搬送部と、前記袋用紙を搬送する用紙搬送部とを有し、前記ひも搬送部は、端部を外方に向けた状態で前記取手ひもを保持するひもホルダと、前記袋用紙の搬送方向に沿って前記ひもホルダを搬送可能なホルダ搬送体とを備え、前記ひも搬送部と前記用紙搬送部のうち少なくとも一方は、搬送過程において前記取手ひもまたは前記袋用紙の高さを調整することにより前記取手ひもの端部を前記取付穴に挿通させるひも挿通機構を有する紙袋用取手取付け装置である。
本発明の紙袋用取手取付け装置は、前記ひも挿通機構が、前記用紙搬送部に設けられ、前記搬送過程で前記袋用紙を前記ひも搬送部に近づけるガイド機構である構成を採用できる。
本発明の紙袋用取手取付け装置は、前記ひもホルダが、前記取手ひもを保持する保持凹部を有し、前記ひも供給部が、前記取手ひもを前記保持凹部内に押し込む押し込み部を備えている構成としてよい。
前記ひも供給部は、前記取手ひもの端部を成形する端部成形部を備えていることが好ましい。
本発明の紙袋用取手取付け装置は、前記ひも挿通機構が、前記ひも搬送部に設けられ、前記搬送過程で前記取手ひもを押し上げる押上機構である構成を採用できる。
前記押上機構は、前記ひもホルダと、カムとを有し、前記ひもホルダが、ホルダ基部と、前記ホルダ基部に対し前進および後退方向に移動可能な可動体と、前記後退位置にある可動体に係脱可能に係止する係止部と、前記係止部を動作させる駆動体を備え、前記駆動体が、前記ひもホルダの搬送に伴って、前記カムによって力が加えられることで前記係止部による前記可動体の係止を解除し、前記可動体を前進させることによって前記取手ひもを押し上げる構成としてよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ひも搬送部と用紙搬送部のうち少なくとも一方に、取手ひもまたは袋用紙の高さを調整することにより取手ひもの端部を取付穴に挿通させるひも挿通機構を有するので、取手ひもの端部を取付穴に挿通させる作業を効率よく行うことができる。
従って、口折り部に切り込みがなく美感に優れた取手付き袋用紙を、効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態である紙袋用取手取付け装置を示す概略構成図である。
【図2】台紙給紙部を示す概略構成図である。
【図3】ひも通し部を示す概略構成図である。
【図4】ひも供給部を示す概略構成図である。
【図5】ひも供給部の動作を示す説明図である。
【図6】ひも供給部の動作を示す説明図である。
【図7】ひも通し部の動作を示す説明図である。
【図8】折立て部の動作を示す説明図である。
【図9】前図に続く折立て部の動作を示す説明図である。
【図10】折込み部の動作を示す説明図である。
【図11】本発明の装置により作製された取手付き袋用紙の一例を示す斜視図である。
【図12】ひも通し部の他の例の一部を示す概略構成図である。
【図13】前図のひも通し部の他の一部を示す概略構成図である。
【図14】従来の製造装置で作製された取手付き袋用紙の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の第1の実施形態である紙袋用取手取付け装置を示す概略構成図である。図2は、台紙給紙部を示す概略構成図である。図3は、ひも通し部を示す概略構成図である。図4は、ひも供給部を示す概略構成図である。図5は、ひも供給部の動作を示す説明図である。図6は、ひも供給部の動作を示す説明図である。図7は、ひも通し部の動作を示す説明図である。図8は、折立て部の動作を示す説明図である。図9は、前図に続く折立て部の動作を示す説明図である。図10は、折込み部の動作を示す説明図である。図11は、取手付き袋用紙の一例を示す斜視図である。
【0009】
図1に示すように、紙袋用取手取付け装置は、枚葉状の袋用紙1上に台紙3を供給する台紙供給部11と、袋用紙1および台紙3に取付穴1a、3aを形成する取付穴形成部12と、取手ひも2を取付穴1a、3aに挿通させるひも通し部13と、袋用紙1の口折り部5を折り返す折り返し部14とを備えている。
【0010】
図2に示すように、台紙供給部11は、原紙21を供給する原紙供給部22と、原紙21を所定の大きさに切断して所定サイズの台紙3を得る切断部23と、袋用紙1を搬送する用紙搬送部24と、袋用紙1の所定部分に糊(接着材)を塗布する糊供給部25と、台紙3を袋用紙1上に供給するローラ26とを備えている。
用紙搬送部24は、ベルトコンベア等が使用できるが、袋用紙1を搬送できるものであれば特に限定されない。
ローラ26には、台紙3の位置決め精度を高めるため、図示しない吸気路に連通する吸気孔(図示略)を形成し、台紙3をローラ26表面に吸着させることができる。
【0011】
取付穴形成部12は、袋用紙1の搬送方向に間隔をおいて設けられた第1穿孔部31と第2穿孔部32と、袋用紙1を搬送する用紙搬送部33とを有する。
穿孔部31、32は、それぞれ穿孔ピン31a、32aを備えている。穿孔ピン31a、32aは、袋用紙1に取付穴1aを形成するとともに、台紙3にも取付穴3aを形成する。
穿孔部31、32が設けられている位置の用紙搬送部33には、図示しない吸気路に連通する吸気孔(図示略)を形成し、袋用紙1を用紙搬送部33に吸着させて位置決めすることで、取付穴1a、3aの形成位置ずれを防止できる。
図1に示す符号27は、台紙3の上面に取手ひも2の端部2aを固定するための糊(接着材)を塗布する糊供給部である。
【0012】
図3〜図5に示すように、ひも通し部13は、取手ひも2を供給するひも供給部41と、取手ひも2を搬送するひも搬送部42と、袋用紙1を搬送する用紙搬送部43とを備えている。
ひも搬送部42は、プーリ44に巻装された無端チェーン45(無端巻装体)(ホルダ搬送体)と、これに取り付けられた複数のひもホルダ46とを有する。
ひもホルダ46は、取手ひも2を保持するものであって、断面U字形の保持凹部47を有するブロック状に形成され、保持凹部47が外方を向くように無端チェーン45に取り付けられている。これら複数のひもホルダ46は、無端チェーン45の長さ方向に互いに間隔をおいて取り付けられている。
無端チェーン45は、ひも搬送部42の上部において、用紙搬送部43による袋用紙1の搬送方向(図3の左方)に沿う方向にひもホルダ46を搬送させることができる。ホルダ搬送体としては、ひもホルダ46を搬送できるものであればチェーンに限らず、タイミングベルトなどを使用してもよい。
【0013】
図4および図5に示すように、ひも供給部41は、切断前の原ひも2Aを供給する原ひも供給部51と、原ひも2Aの所定部分(取手ひも2の端部2aに相当する部分)を成形する端部成形部52と、原ひも2Aを所定の長さに切断して取手ひも2とする切断部53と、取手ひも2をひもホルダ46の保持凹部47内に押し込む押し込み部54とを備えている。
ひも供給部41はひも搬送部42の下方に設置される。
図示例のひも供給部41は、無端チェーン45の長さ方向に互いに間隔をおいて2つ設けられており、これらが交互にひもホルダ46に取手ひも2を供給する。
【0014】
端部成形部52は、取手ひも2の端部2aを形崩れしにくくしたり、端部2aを細径化して取付穴1a、3aに挿入しやすくすることを目的として、原ひも2Aの所定部分(取手ひも2の端部2aに相当する部分)に圧縮や加熱等により成形を施すものである。
【0015】
押し込み部54は、押し込み具55と、押し込み具55をひもホルダ46の移動方向に移動させる移動機構56と、押し込み具55を昇降させる昇降機構57とを備えている。
押し込み具55は、ひもホルダ46の保持凹部47の内面に沿う形状のヘッド部58と、ヘッド部58から延出するロッド部59とを備えている。
移動機構56は、ロッド部59を保持し、これをガイドレール60に沿って移動させることで、押し込み具55をひもホルダ46の移動方向(ひも搬送部42の下部における移動方向。図3〜図5における右方)に移動させることができる。
昇降機構57は、ロッド部59を上下動させることで、押し込み具55を昇降させる。
【0016】
用紙搬送部43は、袋用紙1を、ひもホルダ46の移動方向(ひも搬送部42の上部における移動方向。図3における左方)に搬送するものである。用紙搬送部43は、袋用紙1の搬送方向の後端部1b(図7(a)参照)を支える搬送爪61を備えている。
【0017】
用紙搬送部43は、図示せぬガイド機構(ひも挿通機構)によって、袋用紙1の高さ位置が搬送方向に徐々に低くなるように構成されている。このガイド機構としては、例えば袋用紙1を支持する支持体(図示略)の位置を搬送方向に徐々に低くするガイドレールを例示できる。
このガイド機構によれば、搬送過程において袋用紙1を取手ひも2に近づく方向に移動させ、取手ひも2の端部2aを取付穴1a、3aに挿通させることができる。
【0018】
図1、図8〜図10に示すように、折り返し部14は、袋用紙1の上面の所定部分に糊(接着材)を塗布する糊供給部71(図1参照)と、袋用紙1を搬送する用紙搬送部72と、袋用紙1の口折り部5を本体部6に対しほぼ垂直に折り上げる折上げ部73と、口折り部5をさらに折り曲げて本体部6に重ねる折込み部74と、を有する。
図8および図9に示すように、折上げ部73は、本体部6を支える押さえ部材75と、口折り部5を押し上げる押し上げ部材76とを備えている。
【0019】
押さえ部材75は、袋用紙1の搬送方向に延在するロッド状に形成され、外面75a(押し上げ部材76に対向する面)は、用紙搬送部72の載置面72aに対しほぼ垂直に形成されている。
押し上げ部材76は、袋用紙1の搬送方向に延在するロッド状に形成されている。押し上げ部材76は、押さえ部材75に対し、口折り部5が通過可能な間隔をおいて近接して設置される。
【0020】
押し上げ部材76の内面76aは、袋用紙1の搬送方向の後端部76bでは載置面72aに平行であるが、搬送方向に徐々に傾斜を増し、前端部76cでは載置面72aに対しほぼ垂直となるように形成されている。
これによって、押し上げ部材76の内面76aは、袋用紙1の搬送に従って口折り部5を徐々に押し上げ、載置面72a上の本体部6に対しほぼ垂直となるまで折り曲げることができる。
【0021】
図10に示すように、折込み部74は、搬送方向に徐々に内方変位する棒状に形成されている。このため、本体部6に対しほぼ垂直となった口折り部5を外面側から押圧し、本体部6に重なるまで内側に折り曲げることができる。
【0022】
次に、この紙袋用取手取付け装置を用いて取手付き袋用紙を製造する方法の一例を説明する。
図1および図2に示すように、台紙供給部11の原紙供給部22からの原紙21を、切断部23で所定の大きさに切断して台紙3を得る。
用紙搬送部24によって袋用紙1を搬送しつつ、糊供給部25によって所定部分(台紙3が貼り付けられる部分)に糊を塗布する。
次いで、ローラ26により袋用紙1の上面の所定位置に台紙3を貼り付ける。図示例では1枚の袋用紙1あたり2枚の台紙3が貼り付けられる。
【0023】
次いで、取付穴形成部12の穿孔部31、32の穿孔ピン31a、32aによって、用紙搬送部24上を搬送される袋用紙1および台紙3に、取手ひも2を取り付けるための取付穴1a、3aを形成する。台紙3の上面には、糊供給部27によって、取手ひも2を固定するための糊(接着材)を塗布する。
袋用紙1は、ひも通し部13に送られる。
【0024】
次に、図3〜図7を参照して、ひも通し部13において取手ひも2を取付穴1a、3aに挿通させる手順について説明する。
図4および図5に示すように、ひも供給部41の原ひも供給部51から供給された原ひも2Aの所定部分(取手ひも2の端部2aに相当する部分)を、端部成形部52に導入し、圧縮や加熱等により成形を施す。これによって、取手ひも2の端部2aを形崩れしにくくすることができる。また、取手ひも2の端部2aを細径化し、取付穴1a、3aに挿入しやすくすることができる。
次いで、切断部53において、端部成形部52による成形部分を切断する。切断位置は、端部成形部52による成形部分の長さ方向の中間位置が好ましい。これによって、両端部2aに前記成形が施された取手ひも2が得られる。
【0025】
次いで、プーリ44を駆動し、無端チェーン45によりひもホルダ46を移動させるとともに、押し込み部54において、移動機構56により押し込み具55をひもホルダ46の移動方向(ひも搬送部42の下部における移動方向。図3〜図5における右方)にひもホルダ46と同じ速度で移動させる。
【0026】
図6(a)〜図6(c)に示すように、この移動過程で、昇降機構57により押し込み具55を上昇させ、ヘッド部58によって取手ひも2を押し上げ、ひもホルダ46の保持凹部47内に押し入れる。取手ひも2は保持凹部47の内面に沿うU字形となり、端部2aを外方(図6(c)では下方)に向けた状態となる。
図5に示すように、押し込み具55を下降させ、ひもホルダ46から離間させる。取手ひも2は保持凹部47内に保持されて、ひもホルダ46とともに搬送される。
【0027】
図7(a)に示すように、無端チェーン45の移動に従って、ひもホルダ46はひも搬送部42の上部側に至る。この段階では袋用紙1は比較的上方にあるため、取手ひも2から離間している。
図7(b)および図7(c)に示すように、袋用紙1およびひもホルダ46が搬送方向(図3では左方)に移動するに従って、用紙搬送部43のガイド機構(図示略)によって袋用紙1は徐々に下降し、取手ひも2の端部2aが取付穴1a、3aに挿入される。
図7(d)および図7(e)に示すように、図示せぬ押し曲げ機構によって、台紙3の上面側に突出した取手ひも2の端部2aを折り曲げて台紙3の上面に糊付け等により固定するのが好ましい。
袋用紙1は、折り返し部14に送られる。
【0028】
図8および図9に示すように、折り返し部14では、袋用紙1は、糊供給部71(図1参照)によって糊が塗布された後、用紙搬送部72の載置面72a上に載せられて搬送される。
袋用紙1の口折り部5は、折上げ部73の押さえ部材75と押し上げ部材76の間に導入され、搬送過程で押し上げ部材76の内面76aによって徐々に押し上げられ、本体部6に対しほぼ垂直となるまで折り曲げられる。
【0029】
図9および図10に示すように、口折り部5は、搬送過程で折込み部74によって外面側から押圧され、本体部6に重なるまで内側に折り曲げられ、本体部6に糊付け固定される。
折込み部74による口折り部5の折り曲げとともに、取手ひも2は折込み部74によって本体部6に沿う方向に折り曲げられる。
上記工程により得られる取手付き袋用紙の一例である取手付き袋用紙10を図11に示す。
【0030】
上記紙袋用取手取付け装置では、用紙搬送部43が、搬送過程において袋用紙1の高さを調整することにより取手ひも2の端部2aを取付穴1aに挿通させるガイド機構(ひも挿通機構)を有するので、取手ひも2の端部2aを取付穴1aに挿通させる作業を効率よく行うことができる。
図11に示すように、この装置で得られる取手付き袋用紙10は、口折り部5に切り込みがなく、美感の点で優れている。
従って、美感に優れた取手付き袋用紙を効率よく製造することができる。
【0031】
上記装置では、手作業により取手ひも2を袋用紙1に取り付ける場合に比べ、各工程において正確な操作が可能となるため、製品の品質を向上させ、信頼性を高めることができる。
また、取付穴1a、3aの形成、取手ひも2の取り付け、口折り部5の折り曲げ等を一連の工程で行うことができるため、製品(取手付き袋用紙)の運搬等の手間を省くことができる。また、製品保管のためのスペースを削減できる。製造コスト低減も可能となる。
【0032】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。この実施形態の紙袋用取手取付け装置は、ひも通し部83以外は図1等に示す第1の実施形態と同様の構成である。
図12および図13は、ひも通し部83のひも搬送部82の下部を示す概略構成図である。
ひも搬送部82は、ひもホルダ86が、取手ひも2を押し上げる押上機構81(ひも挿通機構)(図13参照)を有する点で、図3〜図5に示すひも搬送部42と異なる。
ひもホルダ86は、収容部87aを有するホルダ基部87と、収容部87a内に設けられてホルダ基部87に対し移動可能な可動体88と、可動体88を係脱可能に係止する係止部89と、係止部89を動作させる駆動体90とを備えている。
図13に示すように、ひも搬送部82は、駆動体90を動作させるカム91を備えている。ひもホルダ86とカム91は取手ひも2を押し上げる押上機構81を構成する。
【0033】
可動体88は、保持凹部47を有するブロック状に形成され、図12(a)および図12(b)に示す前進位置と、図12(c)〜図12(e)に示す後退位置との間で移動可能である。可動体88は、コイルスプリングなどの付勢手段92によってホルダ基部87に対し前進する方向(図12における下方)に付勢されている。
係止部89は、ギヤ93aを有する第1回動体93と、ギヤ93aに噛み合うギヤ94aを有する第2回動体94とを備えている。
回動体93、94は、回動体基部93b、94bと、回動体基部93b、94bから延出するアーム部93c、94cとを有し、それぞれギヤ93a、94aの中心を以て回動可能である。アーム部93c、94cの先端には、後退位置にある可動体88の前進を規制する係止爪93d、94dが形成されている。
回動体93、94は、互いに噛み合うギヤ93a、94aを有するため、アーム部93c、94c同士が近づく方向または離れる方向に連動する。
駆動体90は、第1回動体93の回動体基部93bに設けられたブロック状体であり、カム91によって傾斜面90aに力が加えられることで第1回動体93を回動させる。
【0034】
図12(a)、図12(b)に示すように、ひも搬送部82の下部において、ひもホルダ86(可動体88は前進位置にある)が所定の位置に至ると、押し込み具55が上昇し、ヘッド部58によって取手ひも2が可動体88の保持凹部47内に押し込まれる。
この際、ヘッド部58による押圧によって可動体88は収容部87a内で後退し(図12では上方移動)、図12(c)〜図12(e)に示す後退位置に至る。
可動体88が後退位置に至ると、図示せぬ付勢手段により付勢された回動体93、94が、アーム部93c、94c同士が近づく方向に回動し、係止爪93d、94dが可動体88の前端88aに係止し、可動体88は、前進が規制された状態となる。
【0035】
図13(e)に示すように、無端チェーン45の移動に従って、ひもホルダ86はひも搬送部82の上部側に至る。この状態では取手ひも2は袋用紙1の取付穴1a、3aに挿通していない。
図13(d)に示すように、ひもホルダ86が搬送方向に進むと、駆動体90の傾斜面90aがカム91に接触する。
図13(c)〜図13(e)に示すように、ひもホルダ86がさらに搬送方向に進むと、カム91によって駆動体90の傾斜面90aが押圧され、第1回動体93が回動するとともに第2回動体94も回動し、アーム部93c、94c同士が離れる方向に移動し、係止爪93d、94dが可動体88の前端88aから離れて可動体88の規制が解除され、可動体88は付勢手段92によって前進する(図13における上方移動)。これによって、取手ひも2が上昇し、端部2aが取付穴1a、3aに挿通する。
【0036】
図12(a)〜図12(c)に示すように、ひもホルダ86は、再びひも搬送部82の下部に至り、押し込み具55によって取手ひも2が保持凹部47内に押し込まれるとともに、可動体88は後退位置に至る。
【0037】
上記紙袋用取手取付け装置では、ひも搬送部82が、搬送過程において可動体88の前進により取手ひも2を上昇させて取付穴1a、3aに挿通させる押上機構81を有するので、取手ひも2の端部2aを取付穴1a、3aに挿通させる作業を効率よく行うことができる。
従って、美感に優れた取手付き袋用紙を効率よく製造することができる。
また、袋用紙1の高さ調整のための機構が不要となるため、用紙搬送部の構造を簡略化できる。
なお、本発明の紙袋用取手取付け装置は、ひも搬送部に取手ひもを押し上げる機構を設け、かつ用紙搬送部に袋用紙の高さを調整する機構を設けてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1・・・袋用紙、2・・・取手ひも、12・・・取付穴形成部、13・・・ひも通し部、14・・・折り返し部、41・・・ひも供給部、42・・・ひも搬送部、43・・・用紙搬送部、46・・・ひもホルダ、45・・・無端チェーン(ホルダ搬送体)、47・・・保持凹部、54・・・押し込み部、52・・・端部成形部、81・・・押上機構(ひも挿通機構)、86・・・ひもホルダ、87・・・ホルダ基部、88・・・可動体、89・・・係止部、90・・・駆動体、91・・・カム。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばショッピングバッグ等に使用できる紙袋の用紙に取手ひもを取り付ける紙袋用取手取付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紙袋を製造するには、まず、袋用紙に取手ひもを取り付けた取手付き袋用紙を作製し、次いで、この取手付き袋用紙を袋状に形成する。
図14(a)に示すように、取手付き袋用紙は、例えば袋用紙101にループ状の取手ひも102が取り付けられた構造である。
図14(b)に示すように、この取手付き袋用紙は、台紙103に取手ひも102が取り付けられた取手体104を袋用紙101上に設置し、台紙103を包み込むように口折り部105を折り返して本体部106に糊付けして作製することができる。口折り部105には、取手ひも102を通すための切り込み107が形成されている。
取手付き袋用紙を製造する装置としては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−091003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記製造装置では、取手付き袋用紙の折り返し部105に切り込み107が形成されるため、美感の点で改善が望まれていた。
このため、袋用紙および台紙に取手ひも挿通用の取付穴を形成し、この取付穴に手作業で取手ひもを通し、その端部を袋用紙に固定する手法によって取手付き袋用紙を製造することも行われている。この手法によれば、切り込みのない取手付き袋用紙が得られるが、取手ひもを手作業で取付穴に通す作業が必要となるため、効率のよい製造が難しくなるという問題があった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、美感に優れた取手付き袋用紙を効率よく製造することができる紙袋用取手取付け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の紙袋用取手取付け装置は、袋用紙に、取手ひもを取り付けることによって取手付き袋用紙を得る紙袋用取手取付け装置であって、前記袋用紙に取付穴を形成する取付穴形成部と、前記取手ひもを前記取付穴に挿通させるひも通し部と、を備え、前記ひも通し部は、前記取手ひもを搬送するひも搬送部と、前記袋用紙を搬送する用紙搬送部とを有し、前記ひも搬送部は、端部を外方に向けた状態で前記取手ひもを保持するひもホルダと、前記袋用紙の搬送方向に沿って前記ひもホルダを搬送可能なホルダ搬送体とを備え、前記ひも搬送部と前記用紙搬送部のうち少なくとも一方は、搬送過程において前記取手ひもまたは前記袋用紙の高さを調整することにより前記取手ひもの端部を前記取付穴に挿通させるひも挿通機構を有する紙袋用取手取付け装置である。
本発明の紙袋用取手取付け装置は、前記ひも挿通機構が、前記用紙搬送部に設けられ、前記搬送過程で前記袋用紙を前記ひも搬送部に近づけるガイド機構である構成を採用できる。
本発明の紙袋用取手取付け装置は、前記ひもホルダが、前記取手ひもを保持する保持凹部を有し、前記ひも供給部が、前記取手ひもを前記保持凹部内に押し込む押し込み部を備えている構成としてよい。
前記ひも供給部は、前記取手ひもの端部を成形する端部成形部を備えていることが好ましい。
本発明の紙袋用取手取付け装置は、前記ひも挿通機構が、前記ひも搬送部に設けられ、前記搬送過程で前記取手ひもを押し上げる押上機構である構成を採用できる。
前記押上機構は、前記ひもホルダと、カムとを有し、前記ひもホルダが、ホルダ基部と、前記ホルダ基部に対し前進および後退方向に移動可能な可動体と、前記後退位置にある可動体に係脱可能に係止する係止部と、前記係止部を動作させる駆動体を備え、前記駆動体が、前記ひもホルダの搬送に伴って、前記カムによって力が加えられることで前記係止部による前記可動体の係止を解除し、前記可動体を前進させることによって前記取手ひもを押し上げる構成としてよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ひも搬送部と用紙搬送部のうち少なくとも一方に、取手ひもまたは袋用紙の高さを調整することにより取手ひもの端部を取付穴に挿通させるひも挿通機構を有するので、取手ひもの端部を取付穴に挿通させる作業を効率よく行うことができる。
従って、口折り部に切り込みがなく美感に優れた取手付き袋用紙を、効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態である紙袋用取手取付け装置を示す概略構成図である。
【図2】台紙給紙部を示す概略構成図である。
【図3】ひも通し部を示す概略構成図である。
【図4】ひも供給部を示す概略構成図である。
【図5】ひも供給部の動作を示す説明図である。
【図6】ひも供給部の動作を示す説明図である。
【図7】ひも通し部の動作を示す説明図である。
【図8】折立て部の動作を示す説明図である。
【図9】前図に続く折立て部の動作を示す説明図である。
【図10】折込み部の動作を示す説明図である。
【図11】本発明の装置により作製された取手付き袋用紙の一例を示す斜視図である。
【図12】ひも通し部の他の例の一部を示す概略構成図である。
【図13】前図のひも通し部の他の一部を示す概略構成図である。
【図14】従来の製造装置で作製された取手付き袋用紙の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の第1の実施形態である紙袋用取手取付け装置を示す概略構成図である。図2は、台紙給紙部を示す概略構成図である。図3は、ひも通し部を示す概略構成図である。図4は、ひも供給部を示す概略構成図である。図5は、ひも供給部の動作を示す説明図である。図6は、ひも供給部の動作を示す説明図である。図7は、ひも通し部の動作を示す説明図である。図8は、折立て部の動作を示す説明図である。図9は、前図に続く折立て部の動作を示す説明図である。図10は、折込み部の動作を示す説明図である。図11は、取手付き袋用紙の一例を示す斜視図である。
【0009】
図1に示すように、紙袋用取手取付け装置は、枚葉状の袋用紙1上に台紙3を供給する台紙供給部11と、袋用紙1および台紙3に取付穴1a、3aを形成する取付穴形成部12と、取手ひも2を取付穴1a、3aに挿通させるひも通し部13と、袋用紙1の口折り部5を折り返す折り返し部14とを備えている。
【0010】
図2に示すように、台紙供給部11は、原紙21を供給する原紙供給部22と、原紙21を所定の大きさに切断して所定サイズの台紙3を得る切断部23と、袋用紙1を搬送する用紙搬送部24と、袋用紙1の所定部分に糊(接着材)を塗布する糊供給部25と、台紙3を袋用紙1上に供給するローラ26とを備えている。
用紙搬送部24は、ベルトコンベア等が使用できるが、袋用紙1を搬送できるものであれば特に限定されない。
ローラ26には、台紙3の位置決め精度を高めるため、図示しない吸気路に連通する吸気孔(図示略)を形成し、台紙3をローラ26表面に吸着させることができる。
【0011】
取付穴形成部12は、袋用紙1の搬送方向に間隔をおいて設けられた第1穿孔部31と第2穿孔部32と、袋用紙1を搬送する用紙搬送部33とを有する。
穿孔部31、32は、それぞれ穿孔ピン31a、32aを備えている。穿孔ピン31a、32aは、袋用紙1に取付穴1aを形成するとともに、台紙3にも取付穴3aを形成する。
穿孔部31、32が設けられている位置の用紙搬送部33には、図示しない吸気路に連通する吸気孔(図示略)を形成し、袋用紙1を用紙搬送部33に吸着させて位置決めすることで、取付穴1a、3aの形成位置ずれを防止できる。
図1に示す符号27は、台紙3の上面に取手ひも2の端部2aを固定するための糊(接着材)を塗布する糊供給部である。
【0012】
図3〜図5に示すように、ひも通し部13は、取手ひも2を供給するひも供給部41と、取手ひも2を搬送するひも搬送部42と、袋用紙1を搬送する用紙搬送部43とを備えている。
ひも搬送部42は、プーリ44に巻装された無端チェーン45(無端巻装体)(ホルダ搬送体)と、これに取り付けられた複数のひもホルダ46とを有する。
ひもホルダ46は、取手ひも2を保持するものであって、断面U字形の保持凹部47を有するブロック状に形成され、保持凹部47が外方を向くように無端チェーン45に取り付けられている。これら複数のひもホルダ46は、無端チェーン45の長さ方向に互いに間隔をおいて取り付けられている。
無端チェーン45は、ひも搬送部42の上部において、用紙搬送部43による袋用紙1の搬送方向(図3の左方)に沿う方向にひもホルダ46を搬送させることができる。ホルダ搬送体としては、ひもホルダ46を搬送できるものであればチェーンに限らず、タイミングベルトなどを使用してもよい。
【0013】
図4および図5に示すように、ひも供給部41は、切断前の原ひも2Aを供給する原ひも供給部51と、原ひも2Aの所定部分(取手ひも2の端部2aに相当する部分)を成形する端部成形部52と、原ひも2Aを所定の長さに切断して取手ひも2とする切断部53と、取手ひも2をひもホルダ46の保持凹部47内に押し込む押し込み部54とを備えている。
ひも供給部41はひも搬送部42の下方に設置される。
図示例のひも供給部41は、無端チェーン45の長さ方向に互いに間隔をおいて2つ設けられており、これらが交互にひもホルダ46に取手ひも2を供給する。
【0014】
端部成形部52は、取手ひも2の端部2aを形崩れしにくくしたり、端部2aを細径化して取付穴1a、3aに挿入しやすくすることを目的として、原ひも2Aの所定部分(取手ひも2の端部2aに相当する部分)に圧縮や加熱等により成形を施すものである。
【0015】
押し込み部54は、押し込み具55と、押し込み具55をひもホルダ46の移動方向に移動させる移動機構56と、押し込み具55を昇降させる昇降機構57とを備えている。
押し込み具55は、ひもホルダ46の保持凹部47の内面に沿う形状のヘッド部58と、ヘッド部58から延出するロッド部59とを備えている。
移動機構56は、ロッド部59を保持し、これをガイドレール60に沿って移動させることで、押し込み具55をひもホルダ46の移動方向(ひも搬送部42の下部における移動方向。図3〜図5における右方)に移動させることができる。
昇降機構57は、ロッド部59を上下動させることで、押し込み具55を昇降させる。
【0016】
用紙搬送部43は、袋用紙1を、ひもホルダ46の移動方向(ひも搬送部42の上部における移動方向。図3における左方)に搬送するものである。用紙搬送部43は、袋用紙1の搬送方向の後端部1b(図7(a)参照)を支える搬送爪61を備えている。
【0017】
用紙搬送部43は、図示せぬガイド機構(ひも挿通機構)によって、袋用紙1の高さ位置が搬送方向に徐々に低くなるように構成されている。このガイド機構としては、例えば袋用紙1を支持する支持体(図示略)の位置を搬送方向に徐々に低くするガイドレールを例示できる。
このガイド機構によれば、搬送過程において袋用紙1を取手ひも2に近づく方向に移動させ、取手ひも2の端部2aを取付穴1a、3aに挿通させることができる。
【0018】
図1、図8〜図10に示すように、折り返し部14は、袋用紙1の上面の所定部分に糊(接着材)を塗布する糊供給部71(図1参照)と、袋用紙1を搬送する用紙搬送部72と、袋用紙1の口折り部5を本体部6に対しほぼ垂直に折り上げる折上げ部73と、口折り部5をさらに折り曲げて本体部6に重ねる折込み部74と、を有する。
図8および図9に示すように、折上げ部73は、本体部6を支える押さえ部材75と、口折り部5を押し上げる押し上げ部材76とを備えている。
【0019】
押さえ部材75は、袋用紙1の搬送方向に延在するロッド状に形成され、外面75a(押し上げ部材76に対向する面)は、用紙搬送部72の載置面72aに対しほぼ垂直に形成されている。
押し上げ部材76は、袋用紙1の搬送方向に延在するロッド状に形成されている。押し上げ部材76は、押さえ部材75に対し、口折り部5が通過可能な間隔をおいて近接して設置される。
【0020】
押し上げ部材76の内面76aは、袋用紙1の搬送方向の後端部76bでは載置面72aに平行であるが、搬送方向に徐々に傾斜を増し、前端部76cでは載置面72aに対しほぼ垂直となるように形成されている。
これによって、押し上げ部材76の内面76aは、袋用紙1の搬送に従って口折り部5を徐々に押し上げ、載置面72a上の本体部6に対しほぼ垂直となるまで折り曲げることができる。
【0021】
図10に示すように、折込み部74は、搬送方向に徐々に内方変位する棒状に形成されている。このため、本体部6に対しほぼ垂直となった口折り部5を外面側から押圧し、本体部6に重なるまで内側に折り曲げることができる。
【0022】
次に、この紙袋用取手取付け装置を用いて取手付き袋用紙を製造する方法の一例を説明する。
図1および図2に示すように、台紙供給部11の原紙供給部22からの原紙21を、切断部23で所定の大きさに切断して台紙3を得る。
用紙搬送部24によって袋用紙1を搬送しつつ、糊供給部25によって所定部分(台紙3が貼り付けられる部分)に糊を塗布する。
次いで、ローラ26により袋用紙1の上面の所定位置に台紙3を貼り付ける。図示例では1枚の袋用紙1あたり2枚の台紙3が貼り付けられる。
【0023】
次いで、取付穴形成部12の穿孔部31、32の穿孔ピン31a、32aによって、用紙搬送部24上を搬送される袋用紙1および台紙3に、取手ひも2を取り付けるための取付穴1a、3aを形成する。台紙3の上面には、糊供給部27によって、取手ひも2を固定するための糊(接着材)を塗布する。
袋用紙1は、ひも通し部13に送られる。
【0024】
次に、図3〜図7を参照して、ひも通し部13において取手ひも2を取付穴1a、3aに挿通させる手順について説明する。
図4および図5に示すように、ひも供給部41の原ひも供給部51から供給された原ひも2Aの所定部分(取手ひも2の端部2aに相当する部分)を、端部成形部52に導入し、圧縮や加熱等により成形を施す。これによって、取手ひも2の端部2aを形崩れしにくくすることができる。また、取手ひも2の端部2aを細径化し、取付穴1a、3aに挿入しやすくすることができる。
次いで、切断部53において、端部成形部52による成形部分を切断する。切断位置は、端部成形部52による成形部分の長さ方向の中間位置が好ましい。これによって、両端部2aに前記成形が施された取手ひも2が得られる。
【0025】
次いで、プーリ44を駆動し、無端チェーン45によりひもホルダ46を移動させるとともに、押し込み部54において、移動機構56により押し込み具55をひもホルダ46の移動方向(ひも搬送部42の下部における移動方向。図3〜図5における右方)にひもホルダ46と同じ速度で移動させる。
【0026】
図6(a)〜図6(c)に示すように、この移動過程で、昇降機構57により押し込み具55を上昇させ、ヘッド部58によって取手ひも2を押し上げ、ひもホルダ46の保持凹部47内に押し入れる。取手ひも2は保持凹部47の内面に沿うU字形となり、端部2aを外方(図6(c)では下方)に向けた状態となる。
図5に示すように、押し込み具55を下降させ、ひもホルダ46から離間させる。取手ひも2は保持凹部47内に保持されて、ひもホルダ46とともに搬送される。
【0027】
図7(a)に示すように、無端チェーン45の移動に従って、ひもホルダ46はひも搬送部42の上部側に至る。この段階では袋用紙1は比較的上方にあるため、取手ひも2から離間している。
図7(b)および図7(c)に示すように、袋用紙1およびひもホルダ46が搬送方向(図3では左方)に移動するに従って、用紙搬送部43のガイド機構(図示略)によって袋用紙1は徐々に下降し、取手ひも2の端部2aが取付穴1a、3aに挿入される。
図7(d)および図7(e)に示すように、図示せぬ押し曲げ機構によって、台紙3の上面側に突出した取手ひも2の端部2aを折り曲げて台紙3の上面に糊付け等により固定するのが好ましい。
袋用紙1は、折り返し部14に送られる。
【0028】
図8および図9に示すように、折り返し部14では、袋用紙1は、糊供給部71(図1参照)によって糊が塗布された後、用紙搬送部72の載置面72a上に載せられて搬送される。
袋用紙1の口折り部5は、折上げ部73の押さえ部材75と押し上げ部材76の間に導入され、搬送過程で押し上げ部材76の内面76aによって徐々に押し上げられ、本体部6に対しほぼ垂直となるまで折り曲げられる。
【0029】
図9および図10に示すように、口折り部5は、搬送過程で折込み部74によって外面側から押圧され、本体部6に重なるまで内側に折り曲げられ、本体部6に糊付け固定される。
折込み部74による口折り部5の折り曲げとともに、取手ひも2は折込み部74によって本体部6に沿う方向に折り曲げられる。
上記工程により得られる取手付き袋用紙の一例である取手付き袋用紙10を図11に示す。
【0030】
上記紙袋用取手取付け装置では、用紙搬送部43が、搬送過程において袋用紙1の高さを調整することにより取手ひも2の端部2aを取付穴1aに挿通させるガイド機構(ひも挿通機構)を有するので、取手ひも2の端部2aを取付穴1aに挿通させる作業を効率よく行うことができる。
図11に示すように、この装置で得られる取手付き袋用紙10は、口折り部5に切り込みがなく、美感の点で優れている。
従って、美感に優れた取手付き袋用紙を効率よく製造することができる。
【0031】
上記装置では、手作業により取手ひも2を袋用紙1に取り付ける場合に比べ、各工程において正確な操作が可能となるため、製品の品質を向上させ、信頼性を高めることができる。
また、取付穴1a、3aの形成、取手ひも2の取り付け、口折り部5の折り曲げ等を一連の工程で行うことができるため、製品(取手付き袋用紙)の運搬等の手間を省くことができる。また、製品保管のためのスペースを削減できる。製造コスト低減も可能となる。
【0032】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。この実施形態の紙袋用取手取付け装置は、ひも通し部83以外は図1等に示す第1の実施形態と同様の構成である。
図12および図13は、ひも通し部83のひも搬送部82の下部を示す概略構成図である。
ひも搬送部82は、ひもホルダ86が、取手ひも2を押し上げる押上機構81(ひも挿通機構)(図13参照)を有する点で、図3〜図5に示すひも搬送部42と異なる。
ひもホルダ86は、収容部87aを有するホルダ基部87と、収容部87a内に設けられてホルダ基部87に対し移動可能な可動体88と、可動体88を係脱可能に係止する係止部89と、係止部89を動作させる駆動体90とを備えている。
図13に示すように、ひも搬送部82は、駆動体90を動作させるカム91を備えている。ひもホルダ86とカム91は取手ひも2を押し上げる押上機構81を構成する。
【0033】
可動体88は、保持凹部47を有するブロック状に形成され、図12(a)および図12(b)に示す前進位置と、図12(c)〜図12(e)に示す後退位置との間で移動可能である。可動体88は、コイルスプリングなどの付勢手段92によってホルダ基部87に対し前進する方向(図12における下方)に付勢されている。
係止部89は、ギヤ93aを有する第1回動体93と、ギヤ93aに噛み合うギヤ94aを有する第2回動体94とを備えている。
回動体93、94は、回動体基部93b、94bと、回動体基部93b、94bから延出するアーム部93c、94cとを有し、それぞれギヤ93a、94aの中心を以て回動可能である。アーム部93c、94cの先端には、後退位置にある可動体88の前進を規制する係止爪93d、94dが形成されている。
回動体93、94は、互いに噛み合うギヤ93a、94aを有するため、アーム部93c、94c同士が近づく方向または離れる方向に連動する。
駆動体90は、第1回動体93の回動体基部93bに設けられたブロック状体であり、カム91によって傾斜面90aに力が加えられることで第1回動体93を回動させる。
【0034】
図12(a)、図12(b)に示すように、ひも搬送部82の下部において、ひもホルダ86(可動体88は前進位置にある)が所定の位置に至ると、押し込み具55が上昇し、ヘッド部58によって取手ひも2が可動体88の保持凹部47内に押し込まれる。
この際、ヘッド部58による押圧によって可動体88は収容部87a内で後退し(図12では上方移動)、図12(c)〜図12(e)に示す後退位置に至る。
可動体88が後退位置に至ると、図示せぬ付勢手段により付勢された回動体93、94が、アーム部93c、94c同士が近づく方向に回動し、係止爪93d、94dが可動体88の前端88aに係止し、可動体88は、前進が規制された状態となる。
【0035】
図13(e)に示すように、無端チェーン45の移動に従って、ひもホルダ86はひも搬送部82の上部側に至る。この状態では取手ひも2は袋用紙1の取付穴1a、3aに挿通していない。
図13(d)に示すように、ひもホルダ86が搬送方向に進むと、駆動体90の傾斜面90aがカム91に接触する。
図13(c)〜図13(e)に示すように、ひもホルダ86がさらに搬送方向に進むと、カム91によって駆動体90の傾斜面90aが押圧され、第1回動体93が回動するとともに第2回動体94も回動し、アーム部93c、94c同士が離れる方向に移動し、係止爪93d、94dが可動体88の前端88aから離れて可動体88の規制が解除され、可動体88は付勢手段92によって前進する(図13における上方移動)。これによって、取手ひも2が上昇し、端部2aが取付穴1a、3aに挿通する。
【0036】
図12(a)〜図12(c)に示すように、ひもホルダ86は、再びひも搬送部82の下部に至り、押し込み具55によって取手ひも2が保持凹部47内に押し込まれるとともに、可動体88は後退位置に至る。
【0037】
上記紙袋用取手取付け装置では、ひも搬送部82が、搬送過程において可動体88の前進により取手ひも2を上昇させて取付穴1a、3aに挿通させる押上機構81を有するので、取手ひも2の端部2aを取付穴1a、3aに挿通させる作業を効率よく行うことができる。
従って、美感に優れた取手付き袋用紙を効率よく製造することができる。
また、袋用紙1の高さ調整のための機構が不要となるため、用紙搬送部の構造を簡略化できる。
なお、本発明の紙袋用取手取付け装置は、ひも搬送部に取手ひもを押し上げる機構を設け、かつ用紙搬送部に袋用紙の高さを調整する機構を設けてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1・・・袋用紙、2・・・取手ひも、12・・・取付穴形成部、13・・・ひも通し部、14・・・折り返し部、41・・・ひも供給部、42・・・ひも搬送部、43・・・用紙搬送部、46・・・ひもホルダ、45・・・無端チェーン(ホルダ搬送体)、47・・・保持凹部、54・・・押し込み部、52・・・端部成形部、81・・・押上機構(ひも挿通機構)、86・・・ひもホルダ、87・・・ホルダ基部、88・・・可動体、89・・・係止部、90・・・駆動体、91・・・カム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋用紙に、取手ひもを取り付けることによって取手付き袋用紙を得る紙袋用取手取付け装置であって、
前記袋用紙に取付穴を形成する取付穴形成部と、前記取手ひもを前記取付穴に挿通させるひも通し部と、を備え、
前記ひも通し部は、前記取手ひもを搬送するひも搬送部と、前記袋用紙を搬送する用紙搬送部とを有し、
前記ひも搬送部は、端部を外方に向けた状態で前記取手ひもを保持するひもホルダと、前記袋用紙の搬送方向に沿って前記ひもホルダを搬送可能なホルダ搬送体とを備え、
前記ひも搬送部と前記用紙搬送部のうち少なくとも一方は、搬送過程において前記取手ひもまたは前記袋用紙の高さを調整することにより前記取手ひもの端部を前記取付穴に挿通させるひも挿通機構を有することを特徴とする紙袋用取手取付け装置。
【請求項2】
前記ひも挿通機構は、前記用紙搬送部に設けられ、前記搬送過程で前記袋用紙を前記ひも搬送部に近づけるガイド機構であることを特徴とする請求項1に記載の紙袋用取手取付け装置。
【請求項3】
前記ひもホルダは、前記取手ひもを保持する保持凹部を有し、
前記ひも供給部は、前記取手ひもを前記保持凹部内に押し込む押し込み部を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の紙袋用取手取付け装置。
【請求項4】
前記ひも供給部は、前記取手ひもの端部を成形する端部成形部を備えていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の紙袋用取手取付け装置。
【請求項5】
前記ひも挿通機構は、前記ひも搬送部に設けられ、前記搬送過程で前記取手ひもを押し上げる押上機構であることを特徴とする請求項1に記載の紙袋用取手取付け装置。
【請求項6】
前記押上機構は、前記ひもホルダと、カムとを有し、
前記ひもホルダは、ホルダ基部と、前記ホルダ基部に対し前進および後退方向に移動可能な可動体と、前記後退位置にある可動体に係脱可能に係止する係止部と、前記係止部を動作させる駆動体を備え、
前記駆動体は、前記ひもホルダの搬送に伴って、前記カムによって力が加えられることで前記係止部による前記可動体の係止を解除し、前記可動体を前進させることによって前記取手ひもを押し上げることを特徴とする請求項5に記載の紙袋用取手取付け装置。
【請求項1】
袋用紙に、取手ひもを取り付けることによって取手付き袋用紙を得る紙袋用取手取付け装置であって、
前記袋用紙に取付穴を形成する取付穴形成部と、前記取手ひもを前記取付穴に挿通させるひも通し部と、を備え、
前記ひも通し部は、前記取手ひもを搬送するひも搬送部と、前記袋用紙を搬送する用紙搬送部とを有し、
前記ひも搬送部は、端部を外方に向けた状態で前記取手ひもを保持するひもホルダと、前記袋用紙の搬送方向に沿って前記ひもホルダを搬送可能なホルダ搬送体とを備え、
前記ひも搬送部と前記用紙搬送部のうち少なくとも一方は、搬送過程において前記取手ひもまたは前記袋用紙の高さを調整することにより前記取手ひもの端部を前記取付穴に挿通させるひも挿通機構を有することを特徴とする紙袋用取手取付け装置。
【請求項2】
前記ひも挿通機構は、前記用紙搬送部に設けられ、前記搬送過程で前記袋用紙を前記ひも搬送部に近づけるガイド機構であることを特徴とする請求項1に記載の紙袋用取手取付け装置。
【請求項3】
前記ひもホルダは、前記取手ひもを保持する保持凹部を有し、
前記ひも供給部は、前記取手ひもを前記保持凹部内に押し込む押し込み部を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の紙袋用取手取付け装置。
【請求項4】
前記ひも供給部は、前記取手ひもの端部を成形する端部成形部を備えていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の紙袋用取手取付け装置。
【請求項5】
前記ひも挿通機構は、前記ひも搬送部に設けられ、前記搬送過程で前記取手ひもを押し上げる押上機構であることを特徴とする請求項1に記載の紙袋用取手取付け装置。
【請求項6】
前記押上機構は、前記ひもホルダと、カムとを有し、
前記ひもホルダは、ホルダ基部と、前記ホルダ基部に対し前進および後退方向に移動可能な可動体と、前記後退位置にある可動体に係脱可能に係止する係止部と、前記係止部を動作させる駆動体を備え、
前記駆動体は、前記ひもホルダの搬送に伴って、前記カムによって力が加えられることで前記係止部による前記可動体の係止を解除し、前記可動体を前進させることによって前記取手ひもを押し上げることを特徴とする請求項5に記載の紙袋用取手取付け装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−66554(P2012−66554A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−215507(P2010−215507)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000161057)株式会社ミヤコシ (122)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000161057)株式会社ミヤコシ (122)
【Fターム(参考)】
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