説明

紡錘糸を構成する昇降装置を備えるリング精紡機

【課題】
簡単な組立てや必要なばね力への簡単な適合を可能とする形式にばねを配置して収納すること。
【解決手段】
リング精紡機においてリングバンク(2)の重量の簡単に組立てる中央に適合できる補償を達成するために、ばね(19)によって重量補償を実現することが提案されており、そのばねが一つのばねレジスタ(22)に構成されてリング精紡機の駆動台のフレーム(3)内に配置されている。ばねレジスタのばねの数は、異なる長いリングバンク(2)の、場合によっては気球制限リングや移動する糸ガイドのそれぞれの重量に、容易に適合する。駆動台のばねレジスタ(22)の配列は既に製造機構内にその組立てを可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は少なくともリングバンク(リングレール)と場合によっては糸ガイドと気球収縮リングを上下運動する昇降装置とこれら構成部材の少なくとも一つの部材の重量を補償する少なくとも一つのばねとを備えるリング精紡機に関する。
【背景技術】
【0002】
通常の形式に引張バンクを介して切換装置に或いはモータにより移動された昇降軸に吊るすリングバンクの重量をリング精紡機に重量或いはばねによって少なくとも一部に補償することは公知である。ときおり、気球収縮リングと移動する糸ガイドはこれら昇降軸に連動されている。東ドイツ特許第2099号明細書(特許文献1)には張力の補償はスイス特許第393997号明細書(特許文献2)がばねによる補償を示す重量により図示されている。
【特許文献1】東ドイツ特許第2099号明細書
【特許文献2】スイス特許第393997号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
リングバンク、気球収縮リングと移動する糸ガイドの重量がその長さとその構成に依存して非常に異なっているから、この発明の課題は、簡単な組立てや必要なばね力への簡単な適合を可能とする形式にばねを配置して収納することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は、この課題を主特許請求項の特徴部分に挙げられた特徴事項によって解決する。
【発明の効果】
【0005】
昇降装置を包含するフレーム内にばねの配置は、ばねを既に製造機構に組立てて、それが組立て作業を精紡工場で加速して簡略化することを可能とする。ばねレジスタとしてのばねの全体の構成は、種々の長く重いリングバンク又は長いか或いは重いリングバンク、場合によっては気球収縮リングや移動する糸ガイドの補償すべき重量において特に一体的ばねの数の簡単な適合を可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図面には、システムは配置をリング精紡機の側面図に概略的に図示されている。
【実施例】
【0007】
リングバンク(リングレール)2を駆動する昇降装置1は、リングバンクの駆動部の外にリング精紡機の別の作業部材或いは駆動部材、例えば吸引装置、伸縮機構駆動部或いは制御装置を包含しうるフレーム3内に配置されている。
【0008】
リングバンク2の昇降装置1はフレーム3内に固定式に回転可能に支承された昇降軸4を包含し、その軸にはリング精紡機の両側面に各一つのドラム5が固定されている。各ドラムには、引張部材6が固定され、この引張部材は自由回転可能な転向ロール7と8を介して案内され、この引張部材にリングバンク2の一つが吊るされている。両引張部材6がリング精紡機の両側面に全長にわたり延びていて、両リングバンク2の各々の部分がそれぞれの引張部材6の分岐部6’に吊るされている。それにより引張部材はリングバンクの重量によってぴんと張って緊張されて保持されている。リングバンク2はスピンドルバンク10に固定されたスピンドル11により貫通された精紡リング9を含有する。リングバンク2は紡錘糸を構成するために上下移動して漸進的に再び上方へ切換える。
【0009】
詳細に図示されていないように、別の引張部材6がリングバンク2の外にここに図示されていない気球収縮リングと移動する糸ガイドの重量をも支持し得る。
【0010】
これは昇降軸4と結合された伝動装置12によって行われ、この伝動装置はここでねじ歯車13として且つウオーム歯車14として再び与えられ、電動モータ15によって駆動できる。電動モータはその回転方向において逆転でき、その回転数において変更できる。この電動モータは制御装置16を介して変更可能な周波数の供給電圧を機能正確に作用され、この供給電圧は周波数変圧整流器を介して制御装置に発生される。この目的のために制御装置は制御電線17を介してリング精紡機の優先させた制御装置により作用できる。
【0011】
ドラム5間の昇降軸4上には少なくとも一つの別のドラム18が固定され、このドラムには複数の螺旋引張ばね19が柔軟な引張部材20を介して固定されている。ばねはその固定式フレーム3における穴部21に取付けられている。ドラム18の周辺が円形状である。けれども、好ましくは、ばね19の伸長の増加により増加する張力が少なくともほぼ補償され且つ、リングバンク2、気球収縮リングと糸ガイドの全昇降領域にわたり同じままである重量にばね19のほぼ同じままである張力を対立させるように、ドラムを丸くなく、例えば偏心的に形成することが企図されている。これを達成するために、リング精紡機は適切な数のばねを装備している。
【0012】
けれども、すべてのリング精紡機をその長さに或いはそのリングバンクの重量に無関係に一体的構成のためにばね19の同じレジスタ22を備えることが可能である。リングバンク2の重量或いはばね19の張力の超過は、リングバンクの重量を増加させるが或いはばねレジスタ22を緊張させる駆動モータ15によって補償される。
【0013】
一つの或いは複数のドラム18の代わりに、柔軟な引張部材20は昇降軸4に配置されている一つの或いは複数のアームに固定され得る。次に、アームの旋回領域は、そのレバーアームを減少させて、ばね19の伸縮の増加により増加する張力を減少させて昇降軸4に伝達するように、配置され得る。
【0014】
しかし、リングバンクの重量が変更されないままであるから、ばねレジスタの張力はこの重量をすべての場合や全昇降領域に渡っては補償しないけれども、補償はほぼ可能である。補償は、好ましくは、補償がばねのおよそ伸長長さの半分を与えられるように選定される。この重量補償或いは動力補償により電動モータ15は作業部材の差異と軸受摩耗を克服する。それ故に、電動モータが小さな寸法に選定され、リングバンクの運動方向の変更における質量逆戻りを問題なく克服する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】システムの配置をリング精紡機の側面図に概略的に図示する。
【符号の説明】
【0016】
1....昇降装置
2....リングバンク(リングレール)
3....フレーム
4....昇降軸
5....ドラム
6....引張部材
7、8...転向ロール
9....精紡リング
10...スピンドルバンク
11...スピンドル
12...伝動装置
13...ねじ歯車
14...ウオーム歯車
15...電動モータ
16...制御装置
17...制御電線
18...ドラム
19...螺旋引張ばね
20...柔軟な引張部材
21...穴部
22...ばねレジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともリングバンクと場合によっては糸ガイドと気球収縮リングを上下運動する昇降装置とこれら構成部材の少なくとも一つの部材の重量を補償する少なくとも一つのばねとを備えるリング精紡機において、少なくともリングバンク(2)の重量の少なくとも大部分を補償するばね(19)は複数のばねから成るばねレジスタ(22)として形成され、昇降装置(1)を含有する駆動台(3)に配置されていることを特徴とするリング精紡機。
【請求項2】
固定式昇降軸(4)はドラム(5、14)を備えていて、ドラムでは柔軟な引張部材(6、20)を介して一方では重量が少なくともリングバンク(2)に且つ他方ではばねレジスタ(22)の張力に作用することを特徴とする請求項1に記載のリング精紡機。
【請求項3】
ばねレジスタ(22)内の引張ばね(19)は少なくとも重量を均一に補償するリングバンク(2)の重量に調整できることを特徴とする請求項1に記載のリング精紡機。
【請求項4】
ばねレジスタ(22)に使用できる個別ばね(19)の数は重量を均一に補償する構成部材の重量に調整できることを特徴とする請求項1に記載のリング精紡機。
【請求項5】
ばねレジスタ(22)の引張ばね(19)及び重量を均一に補償する構成部材の引張部材又はそれらのいずれか一方が少なくとも一つのドラム(18)に連動されており、このドラムは、ばねの伸長長さにより増加する張力が少なくとも部分的に補償されるように、丸くない形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のリング精紡機。
【請求項6】
ばねレジスタ(22)の引張ばね(19)及び重量を均一に補償する構成部材の引張部材又はそれらのいずれか一方が昇降軸(4)の少なくとも一つのアームに連動されており、このアームが旋回領域で移動し、その領域ではばねの伸長長さにより増加する張力が少なくとも部分的に補償されることを特徴とする請求項1に記載のリング精紡機。

【図1】
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【公表番号】特表2008−520840(P2008−520840A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−540603(P2007−540603)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【国際出願番号】PCT/EP2005/012194
【国際公開番号】WO2006/053703
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(504011069)ザウラー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディトゲゼルシャフト (17)
【Fターム(参考)】