説明

紫外線防止用皮膚化粧料

【課題】使用時の感触が軽くのびが良く、すばやく肌になじみ、使用後にべたつきやきしみを感じ難く、肌に閉塞感や乾燥感をほとんど与えず、肌にツヤと透明感を与え、化粧ノリの良い紫外線防止用皮膚化粧料の提供。
【解決手段】(a)紫外線吸収剤を内包する平均粒径0.1〜10μmのポリシリコーンのマイクロカプセル1〜15質量%、(b)モノエステル1〜13質量%、(c)環状ポリシロキサン0.1〜15質量%、および(d)粘度が10〜1,000mm2/sのメチルポリシロキサン0.1〜5質量%を含有することを特徴とする紫外線防止用皮膚化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用時の感触が軽く伸びが良く、すばやく肌になじみ、使用後にべたつきやきしみを感じ難く、肌に閉塞感や乾燥感をほとんど与えず、肌にツヤと透明感を与え、化粧ノリの良い紫外線防止用皮膚化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線が皮膚にあたると、活性酸素、過酸化脂質を発生させ、悪影響を与える。紫外線は、波長領域によってA波、B波、C波に分けられる。最も短波長域のC波(100〜290nm)はエネルギーが大きいが、地表に届く前にほとんど吸収される。一方、A波(320〜400nm)、B波(290〜320nm)は地表に届き、皮膚に悪影響を与える。A波は皮膚の内部まで到達しシワの原因となり、B波は皮膚の表面に一時的に軽いやけどを生じさせ、皮膚を黒くする。
【0003】
このような紫外線による悪影響を予防するためには、酸化チタン、酸化亜鉛等の紫外線散乱剤やベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤が有用であり、これまでにこれらを配合した紫外線防止用皮膚化粧料が開発されている(特許文献1、2)。
【0004】
しかし、紫外線散乱剤では、使用時に重い感触、使用後にきしみ感や乾燥感、閉塞感を与え、仕上がりが白浮きするなど使用感において充分満足できる化粧料が得られていない。これらの課題を解決するために、紫外線散乱剤を微粒子化したものや、表面をコーティングしたものが開発されているが、やはり使用感等において充分満足できる化粧料は得られておらず、また、肌に対する安全性が議論されている(特許文献3)。
【0005】
一方、紫外線吸収剤は使用時に特有の臭いや重い感触、使用後にべたつきやざらつきを与え、また、石油由来の化学合成品であることから消費者に悪いイメージを与える。さらに、ポジティブリストにも記載されているように、肌に対する安全性が議論されている。そこで、紫外線吸収剤をカプセル化することで、紫外線吸収剤が直接肌に接触せず肌に悪影響を与えない紫外線防止用皮膚化粧料が提案されている(特許文献4、5)。
【0006】
これらの紫外線防止用皮膚化粧料によれば、紫外線吸収剤をカプセル化することで皮膚への浸透が低減するため化粧料の安全性が向上する、また、他配合成分との相溶性が向上するため化粧料への配合が容易となる、さらに、内包している紫外線吸収剤の安定性が向上するため安定剤などを添加する必要がない等の利点がある。しかし、このカプセル化された紫外線吸収剤を配合した化粧料では、使用時の感触や、使用後のべたつきやきしみ、閉塞感、乾燥感等の使用感において充分満足できるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−259419号公報
【特許文献2】特開2010−111626号公報
【特許文献3】特開2008−208044号公報
【特許文献4】特開2001−106612号公報
【特許文献5】特開2006−176449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、使用時の感触が軽くのびが良く、すばやく肌になじみ、使用後にべたつきやきしみを感じ難く、肌に閉塞感や乾燥感をほとんど与えず、肌にツヤと透明感を与え、化粧ノリの良い紫外線防止用皮膚化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明者らが研究を重ねたところ、(a)紫外線吸収剤を内包したマイクロカプセル、(b)モノエステル、(c)および(d)の各シリコーンをそれぞれ特定の比率で組み合わせることにより、目的とする皮膚化粧料が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、本発明の皮膚化粧料は、(a)紫外線吸収剤を内包する平均粒径0.1〜10μmのポリシリコーンのマイクロカプセル1〜15質量%、(b)式(I)で示されるモノエステル1〜13質量%、(c)式(II)で示される環状ポリシロキサン0.1〜15質量%、および(d)粘度が10〜1,000mm2/sのメチルポリシロキサン0.1〜5質量%を含有することを特徴とする紫外線防止用皮膚化粧料である。
【0011】
【化1】

(式中、RCOは炭素数が4〜22のアシル基、Rは炭素数が4〜22のアルキル基で、17≦R+R≦35である。)
【0012】
【化2】

【0013】
(式中、nは3〜6の値である)
【0014】
本発明の紫外線防止用皮膚化粧料は、必要に応じて、(e)トリメチルシロキシケイ酸0.1〜5質量%を含有していても良い。
【発明の効果】
【0015】
本発明の紫外線防止用皮膚化粧料は、使用時の感触が軽く伸びが良く、すばやく肌になじみ、使用後にべたつきやきしみを感じ難く、肌に閉塞感や乾燥感をほとんど与えず、肌にツヤと透明感を与え、化粧ノリが良い。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を説明する。本発明の紫外線防止用皮膚化粧料は、(a)紫外線吸収剤を内包したマイクロカプセル、(b)モノエステル、(c)および(d)の各シリコーンをそれぞれ特定の比率で含有する。これらの成分を順次説明する。
【0017】
〔(a)紫外線吸収剤を内包した平均粒径0.1〜10μmのポリシリコーンのマイクロカプセル〕
本発明の紫外線防止用皮膚化粧料に用いられる(a)紫外線吸収剤を内包したマイクロカプセルは、紫外線吸収性を有する紫外線吸収剤を、紫外線を透過するポリシリコーンにより内包してマイクロカプセル化したものであり、平均粒径が0.1〜10μmのマイクロカプセルである。
【0018】
紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン−スルホン酸ナトリウム、2,4−ジホドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、パラメトキシケイヒ酸エチル、パラメトキシケイヒ酸イソプロピル、パラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシル、パラメトキシケイヒ酸ナトリウム、パラメトキシケイヒ酸カリウム、ジパラメトキシケイヒ酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ミリスチル、サリチル酸メチル、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、アントラニル酸メチルおよびオクチルトリアゾンなどが挙げられ、この中から選ばれる少なくとも1種類以上がマイクロカプセルに内包される。特に、UVB波の吸収に有効なパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシル、およびUVA波の吸収に有効な4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンを使用するのが好ましい。(a)紫外線吸収剤を内包したマイクロカプセルとしては、市販品として、株式会社成和化成製の「SILASOMA(登録商標)MEA(L)」や「SILASOMA(登録商標) ME」等を用いることができる。
【0019】
(a)成分である紫外線吸収剤を内包したマイクロカプセルは、紫外線防止用皮膚化粧料に1〜15質量%、好ましくは1.5〜13質量%、さらに好ましくは3〜10質量%の割合で含まれる。1質量%未満の場合は、紫外線防御特性が低下する。15質量%を超える場合は、使用時の感触が重く、きしみ感を与える。
【0020】
〔(b)モノエステル〕
本発明の紫外線防止用皮膚化粧料に用いられる(b)モノエステルは、式(I)で示され、式中、RCOは炭素数が4〜22のアシル基、Rは炭素数が4〜22のアルキル基で、17≦R+R≦35である。R+Rが17未満の場合は、肌へのなじみが遅くなる。R+R2が35を超える場合は、きしみ感や閉塞感を与える。
【0021】
【化3】

【0022】
上記モノエステルとしては例えば、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、オクタン酸セチル、エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸−2−ヘキシルデシル、イソノナン酸−2−エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸−2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸−2−エチルヘキシル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸−2−ヘキシルデシル、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸−2−ヘプチルウンデシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸−2−ヘキシルデシル、ステアリン酸ステアリル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルドデシルなどが挙げられる。特に、きしみ感および閉塞感の改善の点から、イソノナン酸イソデシル、パルミチン酸エチルヘキシル等の分岐アルキル基を有するものを使用するのが好ましい。
【0023】
(b)成分であるモノエステルは、紫外線防止用皮膚化粧料に1〜13質量%、好ましくは2〜10質量%、さらに好ましくは3〜8質量%の割合で含まれる。1質量%未満の場合は、きしみ感や乾燥感を与えてしまい、使用後に肌にツヤを与える効果が弱くなる。13質量%を超える場合は、使用時の感触が重く、べたつき感が強くなる。
【0024】
〔(c)環状ポリシロキサン〕
本発明の紫外線防止用皮膚化粧料に用いられる(c)環状ポリシロキサンは、式(II)で示され、式中、繰り返し単位のnは3〜6である。
【0025】
【化4】

【0026】
上記環状ポリシロキサンとしては例えば、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどが挙げられる。特に、使用時の感触および肌なじみの点から、デカメチルシクロペンタシロキサンが好ましい。
【0027】
(c)成分である環状ポリシロキサンは、紫外線防止用皮膚化粧料に0.1〜15質量%、好ましくは1〜13質量%、さらに好ましくは2〜10質量%の割合で含まれる。0.1質量%未満の場合は、使用時の感触が重く、肌なじみが遅くなる。15質量%を超える場合は、乾燥感を与えてしまい、肌に透明感を与える効果が弱くなる。
【0028】
〔(d)メチルポリシロキサン〕
本発明の紫外線防止用皮膚化粧料に用いられる(d)メチルポリシロキサンは、側鎖にメチル基を有するシロキサン結合を主骨格とした粘度が10〜1,000mm2/sの高分子化合物である。一般にメチルポリシロキサンは、粘度が5mm2/sから1,000,000mm2/s程度のものまで幅広いが、10mm2/s未満の場合は、肌に乾燥感を与えてしまい、ツヤと透明感を与える効果や化粧ノリを良くする効果が弱くなる。1,000mm2/sより大きい場合は、使用時の感触が重く、使用後にべたつき感や閉塞感を与える。
【0029】
(d)成分であるメチルポリシロキサンは、紫外線防止用皮膚化粧料に0.1〜5質量%、好ましくは0.5〜4質量%、さらに好ましくは1〜3質量%の割合で含まれる。0.1質量%未満の場合は、肌に乾燥感を与えてしまい、ツヤと透明感を与える効果や化粧ノリを良くする効果が弱くなる。5質量%を超える場合は、肌なじみが悪く、べたつき感や閉塞感を与える。
【0030】
さらに、本発明の紫外線防止用皮膚化粧料には、使用後の肌にツヤと透明感を与える効果をより向上させ、化粧ノリや化粧持ちを良くするために、下記の(e)成分を配合することができる。
【0031】
〔(e)トリメチルシロキシケイ酸〕
(e)成分であるトリメチルシロキシケイ酸は、シロキサン結合を主骨格とした架橋構造を有する油溶性樹脂であり、毛髪化粧料やアイメイクアップ化粧料等の皮膜形成剤として使用されている。市販品として、信越化学工業株式会社製の「シリコーンKF−7312J」等を用いることができる。
【0032】
(e)成分は、紫外線防止用皮膚化粧料に0.1〜5質量%の割合で含まれ、好ましくは0.2〜4質量%、さらに好ましくは0.3〜3質量%の割合である。
【0033】
本発明の紫外線防止用皮膚化粧料は、安定性を向上させるために、界面活性剤や増粘剤を使用することができる。界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、および非イオン性界面活性剤等が挙げられるが、特に非イオン性界面活性剤を使用するのが好ましい。増粘剤としてはおもに水溶性高分子が用いられる。
【0034】
上記界面活性剤や増粘剤を使用した本発明の紫外線防止用皮膚化粧料の一般的な調製方法としては、例えば、水溶性高分子を含む水相と、非イオン性界面活性剤を含む油相をそれぞれ加熱・ 攪拌し、ホモミキサー等を用いて両者を混合する方法が用いられる。
【0035】
本発明の紫外線防止用皮膚化粧料には、化粧料や医薬品に常用されている添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で、配合することも可能である。
【0036】
また、紫外線防止用皮膚化粧料の剤型は特に限定されず、例えば、化粧水、乳液、ジェル、クリームなどの任意の剤型を採ることができ、また不織布等に含浸させた形態等のいかなる形態であっても良い。
【実施例】
【0037】
次に、実施例および比較例によって、本発明をさらに詳細に説明する。なお、下記の%は質量%を意味する。
【0038】
〔実施例1〜7、比較例1〜9〕
(a)成分として、紫外線吸収剤を内包したマイクロカプセルの60%水分散液である株式会社成和化成製の「SILASOMA MEA(L)」または「SILASOMA ME」を用いた。「SILASOMA MEA(L)」はパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシル、および4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンを、「SILASOMA ME」はパラメトキシケイヒ酸−2−エチルヘキシルをそれぞれ内包したポリシリコーンのマイクロカプセルである。SILASOMA MEA(L)」および「SILASOMA ME」は、いずれも平均粒径が2μmである。
また、(b)成分〜(e)成分として表2および3に示す成分を用い、さらに表1に示す共通添加成分を用いて、以下の方法により紫外線防止用皮膚化粧料を調製した。
【0039】
【表1】

【0040】
イオン交換水と共通添加成分中の増粘剤および防腐剤を含む水相と、(b)成分、(c)成分、(d)成分、(e)成分およびその他の油性成分と共通添加成分中の界面活性剤を含む油相をそれぞれ75〜80℃に加熱し、ホモミキサーを用いて混合した。その後、(a)成分および共通添加成分中のpH調整剤を添加・混合し、O/W型の紫外線防止用皮膚化粧料(乳液)を得た。
【0041】
上記調製方法により得られた紫外線防止用皮膚化粧料を、下記方法により評価を行った。その結果を表2、3に示す。
【0042】
20名の女性(25〜45歳)をパネラーとし、得られた紫外線防止用皮膚化粧料(約1g)を1週間、メイク前に使用してもらい、(1)使用時の感触、(2)肌へのなじみ、(3)べたつき感、(4)きしみ感、(5)肌の閉塞感、(6)肌の乾燥感、(7)肌のツヤおよび透明感、および(8)化粧ノリについて下記の基準で判定してもらい、さらに下記の基準で評価を行った。
【0043】
(1)使用時の感触
2点:軽い感触でのびが良いと感じた場合。
1点:やや軽い感触でややのびが良いと感じた場合。
0点:重い感触でのびが良くないと感じた場合。
【0044】
20名の合計点を求め、以下のように評価した。
◎:合計点が35点以上かつ0点が0人:使用時の感触に非常に優れた紫外線防止用皮膚化粧料である。
○:合計点が25点以上35点未満または合計点が35点以上かつ0点が1人以上2人以下:使用時の感触に優れた紫外線防止用皮膚化粧料である。
△:合計点が15点以上25点未満:使用時の感触がやや優れた紫外線防止用皮膚化粧料である。
×:合計点が15点未満:使用時の感触があまり良くない紫外線防止用皮膚化粧料である。
【0045】
(2)肌へのなじみ
2点:肌へのなじみが良いと感じた場合。
1点:肌へのなじみがやや良いと感じた場合。
0点:肌へのなじみが良くないと感じた場合。
【0046】
20名の合計点を求め、以下のように評価した。
◎:合計点が35点以上かつ0点が0人:肌へのなじみが非常に良い紫外線防止用皮膚化粧料である。
○:合計点が25点以上35点未満または合計点が35点以上かつ0点が1人以上2人以下:肌へのなじみが良い紫外線防止用皮膚化粧料である。
△:合計点が15点以上25点未満:肌へのなじみがやや良い紫外線防止用皮膚化粧料である。
×:合計点が15点未満:肌へのなじみがあまり良くない紫外線防止用皮膚化粧料である。
【0047】
(3)べたつき感
2点:べたつき感を感じなかった場合。
1点:べたつき感をほとんど感じなかった場合。
0点:べたつくと感じた場合。
【0048】
20名の合計点を求め、以下のように評価した。
◎:合計点が35点以上かつ0点が0人:べたつき感を感じない紫外線防止用皮膚化粧料である。
○:合計点が25点以上35点未満または合計点が35点以上かつ0点が1人以上2人以下:べたつき感をほとんど感じない紫外線防止用皮膚化粧料である。
△:合計点が15点以上25点未満:べたつき感をあまり感じない紫外線防止用皮膚化粧料である。
×:合計点が15点未満:ややべたつき感を感じる紫外線防止用皮膚化粧料である。
【0049】
(4)きしみ感
2点:きしみ感を感じなかった場合。
1点:きしみ感をほとんど感じなかった場合。
0点:きしみ感を感じた場合。
【0050】
20名の合計点を求め、以下のように評価した。
◎:合計点が35点以上かつ0点が0人:きしみ感を感じない紫外線防止用皮膚化粧料である。
○:合計点が25点以上35点未満または合計点が35点以上かつ0点が1人以上2人以下:きしみ感をほとんど感じない紫外線防止用皮膚化粧料である。
△:合計点が15点以上25点未満:きしみ感をあまり感じない紫外線防止用皮膚化粧料である。
×:合計点が15点未満:ややきしみ感を感じる紫外線防止用皮膚化粧料である。
【0051】
(5)閉塞感
2点:閉塞感を感じなかった場合。
1点:閉塞感をほとんど感じなかった場合。
0点:閉塞感を感じた場合。
【0052】
20名の合計点を求め、以下のように評価した。
◎:合計点が35点以上かつ0点が0人:閉塞感を感じない紫外線防止用皮膚化粧料である。
○:合計点が25点以上35点未満または合計点が35点以上かつ0点が1人以上2人以下:閉塞感をほとんど感じない紫外線防止用皮膚化粧料である。
△:合計点が15点以上25点未満:閉塞感をあまり感じない紫外線防止用皮膚化粧料である。
×:合計点が15点未満:やや閉塞感を感じる紫外線防止用皮膚化粧料である。
【0053】
(6)乾燥感
2点:乾燥感を感じなかった場合。
1点:乾燥感をほとんど感じなかった場合。
0点:乾燥感を感じた場合。
【0054】
20名の合計点を求め、以下のように評価した。
◎:合計点が35点以上かつ0点が0人:乾燥感を感じない紫外線防止用皮膚化粧料である。
○:合計点が25点以上35点未満または合計点が35点以上かつ0点が1人以上2人以下:乾燥感をほとんど感じない紫外線防止用皮膚化粧料である。
△:合計点が15点以上25点未満:乾燥感をあまり感じない紫外線防止用皮膚化粧料である。
×:合計点が15点未満:やや乾燥感を感じる紫外線防止用皮膚化粧料である。
【0055】
(7)肌のツヤおよび透明感
2点:肌のツヤおよび透明感があると感じた場合。
1点:肌のツヤおよび透明感が少しあると感じた場合。
0点:肌のツヤおよび透明感がないと感じた場合。
【0056】
20名の合計点を求め、以下のように評価した。
◎:合計点が35点以上かつ0点が0人:肌にツヤおよび透明感を非常に与える紫外線防止用皮膚化粧料である。
○:合計点が25点以上35点未満または合計点が35点以上かつ0点が1人以上2人以下:肌にツヤおよび透明感を与える紫外線防止用皮膚化粧料である。
△:合計点が15点以上25点未満:肌にツヤおよび透明感を少し与える紫外線防止用皮膚化粧料である。
×:合計点が15点未満:肌にツヤおよび透明感を与える効果が弱い紫外線防止用皮膚化粧料である。
【0057】
(8)化粧ノリ
2点:化粧ノリが良いと感じた場合。
1点:化粧ノリがやや良いと感じた場合。
0点:化粧ノリが良くないと感じた場合。
【0058】
20名の合計点を求め、以下のように評価した。
◎:合計点が35点以上かつ0点が0人:化粧ノリが非常に良い紫外線防止用皮膚化粧料である。
○:合計点が25点以上35点未満または合計点が35点以上かつ0点が1人以上2人以下:化粧ノリが良い紫外線防止用皮膚化粧料である。
△:合計点が15点以上25点未満:化粧ノリがやや良い紫外線防止用皮膚化粧料である。
×:合計点が20点未満または0点が6人以上:化粧ノリがあまり良くない紫外線防止用皮膚化粧料である。
【0059】
【表2】

【0060】
【表3】

【0061】
本発明の紫外線防止用皮膚化粧料(実施例1〜7)は、使用時の感触が軽くなめらかであり、すばやく肌になじみ、使用後にべたつきやきしみを感じ難く、肌に閉塞感や乾燥感をほとんど与えず、肌にツヤと透明感を与え、化粧ノリが良いという効果が得られた。また、実施例2と実施例7の対比から、本発明の紫外線防止用皮膚化粧料が(e)成分をさらに含むことによって、肌のツヤおよび透明感を与える効果、化粧ノリや化粧持ちを良くする効果をより向上させることが分かる。
【0062】
一方、比較例1〜9では充分な性能が得られていない。すなわち、比較例1では、(a)成分の代わりに(a)成分以外の紫外線吸収剤が含まれているため、べたつき感、きしみ感、閉塞感を与え、また、使用時の感触、肌のツヤおよび透明感、化粧ノリにおいて十分な性能が得られていない。比較例2では、(b)成分の代わりに(b)成分以外の油剤が含まれているため、べたつき感、閉塞感、肌のツヤおよび透明感、化粧ノリにおいて十分な性能が得られていない。比較例3では、(b)成分の代わりに(b)成分以外の油剤が含まれているため、きしみ感、閉塞感において十分な性能が得られていない。比較例4では、(b)成分が含まれていないため、きしみ感、乾燥感を与え、また、肌へのなじみ、べたつき感、閉塞感、肌のツヤおよび透明感において充分な性能が得られていない。比較例5では、(c)成分が含まれていないため、肌へのなじみが良くなく、また、化粧ノリにおいて充分な性能が得られていない。比較例6では、(c)成分の配合量が本発明規定範囲の上限値を超えていることから、きしみ感、乾燥感、肌のツヤおよび透明感において十分な性能が得られていない。比較例7では、(d)成分が含まれていないため、乾燥感を与え、化粧ノリが良くなく、また、きしみ感、閉塞感、肌のツヤおよび透明感において充分な性能が得られていない。比較例8では、(d)成分の配合量が本発明規定範囲の上限値を超えていることから、閉塞感を与え、また、使用時の感触やべたつき感、肌のツヤおよび透明感、化粧ノリにおいて十分な性能が得られていない。比較例9では、(d)成分の代わりに粘度が本発明規定範囲の上限値を超えているメチルポリシロキサンが含まれているため、べたつき感、閉塞感を与え、また、使用時の感触、肌へのなじみ、きしみ感、肌のツヤおよび透明感、化粧ノリにおいて充分な性能が得られていない。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の紫外線防止用皮膚化粧料は、使用時の感触が軽く伸びが良く、すばやく肌になじみ、使用後にべたつきやきしみを感じ難く、肌に閉塞感や乾燥感をほとんど与えず、肌にツヤと透明感を与え、化粧ノリの良いので、化粧水、乳液、ジェル、クリームなどの紫外線防止用皮膚化粧料として好適に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)紫外線吸収剤を内包する平均粒径0.1〜10μmのポリシリコーンのマイクロカプセル1〜15質量%、(b)式(I)で示されるモノエステル1〜13質量%、(c)式(II)で示される環状ポリシロキサン0.1〜15質量%、および(d)粘度が10〜1,000mm2/sのメチルポリシロキサン0.1〜5質量%を含有することを特徴とする紫外線防止用皮膚化粧料。
【化1】

(式中、RCOは炭素数が4〜22のアシル基、Rは炭素数が4〜22のアルキル基で、17≦R+R≦35である。)
【化2】

(式中、nは3〜6の値である)
【請求項2】
さらに、(e)トリメチルシロキシケイ酸0.1〜5質量%を含有することを特徴とする、請求項1に記載の紫外線防止用皮膚化粧料。

【公開番号】特開2012−136453(P2012−136453A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−289021(P2010−289021)
【出願日】平成22年12月25日(2010.12.25)
【出願人】(000004341)日油株式会社 (896)
【Fターム(参考)】