説明

紫外線(UV)吸収性化合物およびUV吸収性化合物含有組成物

ヒドロキシベンゾトリアゾール系化合物は、様々な用途向けの紫外線吸収性添加剤にとって有用である。該化合物は、プラスチック、自動車用、塗料、および食品包装の用途を含む様々な用途において特に有用性がある。そのような本発明の化合物は、特に特定の媒体中および/または特定の基材(特にポリエステル、ポリオレフィン、およびポリウレタン)の表面に組み込んだ際、優れた紫外線吸収活性、高い熱安定性、卓越した低曇り、低抽出/低移行速度、および高い耐光堅牢度水準を示す。種々の溶媒または樹脂への溶解性または適合性を向上させるために、ブロック共重合体鎖もしくはポリ(オキシアルキレン)および/または脂肪族ポリエステルセグメントからなる鎖を都合良く調製でき、それによって、上記の優れた紫外線吸収性発色団を多様な媒体および/または多様な基材中に導入できる。該化合物を含んでなる組成物および物品、並びに上記本発明の化合物を製造する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(空欄)
【背景技術】
【0002】
紫外線吸収性化合物には用途および産業上の利用が多い。該化合物は、例えばポリウレタン、ポリオレフィン、PETなど様々なポリマーと組み合わせると、ポリマー若しくはポリマーから製造された製品を紫外線暴露による劣化から保護するために有用である。
【0003】
米国特許第5,994,431;第6,150,440および第6,291,586は、アミド官能性ベンゾトリアゾールUV吸収剤、並びにポリオレフィン、ポリウレタンおよび他のフィルム中でのその適用を対象とするものである。Rodgersへの米国特許第5,459,222には、二官能性(即ち−OH基が2個の)ベンゾトリアゾールUV吸収剤とポリウレタンまたはポリエステルモノマーを反応させることによって得られたUV吸収性ポリウレタンおよびポリエステルが報告されている。
【0004】
Thankiらへの米国特許第6,307,055は、ブロモベンゾトリアゾール前駆体とジ(ヒドロキシアルキル)アミンから製造されたジオール官能化ベンゾトリアゾールUV吸収剤を開示する。
【0005】
米国特許第4,857,471;第4,973,702および第5,032,498は、アミド官能性ベンゾトリアゾールUV吸収剤を開示する。米国特許第5,585,228は、写真画素としての特定のベンゾトリアゾール誘導体を開示する。この特定のUV吸収剤は、2H−(2,4−ジヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール上の4−OH基とグリシジルエーテルの反応から得られる。
【0006】
Okumuraへの米国特許第6,037,393には、ラクトンのヒドロキシアルキルフェニルベンゾトリアゾールによる開環重合によって得られるベンゾトリアゾール基を有する新規なポリエステル化合物が報告されている。
【0007】
Toanらへの米国特許第6,653,484および第6,369,267は、ベンゾトリアゾール前駆体とアルキル封鎖ポリエチレングリコールグリシジルエーテルの反応から得られたポリオキシアルキレン基によって置換または架橋したベンゾトリアゾール誘導体を開示する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
(空欄)
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の態様について説明を行い、その一以上の実施例を下記に示す。各実施例は、本発明を限定するためのものとしてではなく、本発明を説明する目的で提供される。実際、本発明の範囲または精神から逸脱することなく本発明において様々な修正と変更をなし得ることは、熟練者にとって明らかであろう。
【0010】
本発明は、被覆物、基材、または樹脂へUV耐性を与えるために、多種多様の組成物または最終生成物中に使用できる紫外線吸収性化合物を対象とする。紫外線は多くの物質を劣化させるため、そのような望ましくない劣化を避けるために使用できる組成物が非常に望ましい。
【0011】
ここに示されたベンゾトリアゾール誘導体は一般に反応性の液体であって、アミド官能性オキシアルキレンと脂肪族エステルのブロック共重合体/オリゴマー鎖を有するポリマーである。ここに示された本発明のUV吸収剤は通常は液体のポリマーであるが、液体またはポリマーであることを要さない。
【0012】
本発明のUV吸収剤は、ある特定の態様では、第1級OH基を各ポリマー鎖の末端に有する。これらは、例えばポリウレタン、PETおよびポリカーボネート(PC)の用途において完全に反応性であってよい。本発明のUV吸収剤が抽出、移行、曇り、および滲出に耐性の傾向にあることは、本発明の1つの利点である。さらに、これらは多数の出願における従来のUV吸収剤より長い性能寿命を与え得る。
【0013】
本発明のUV吸収剤は、オキシアルキレン(親水性)官能基と脂肪族エステル(疎水性)官能基を持つことができ、そのため、通常、これらの組成物は、様々な媒体への適合性を付与する組み合わせにおいて調節可能である。本発明のUV吸収剤(他の添加剤と組み合わせて用いる場合)は、ポリウレタンをNOガス退色から安定化する極めて良好な解決策を提示し得るものであって、極めて望ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明はある態様では、構造:
【化1】

〔式中、
は、H、F、Cl、Br、I、アルキル、アルコキシ、−C(O)−Aで表されるC=0含有基、およびSO−Aで表されるSO−含有基(ここで、AはOH、アルキル、アルコキシ、または有機アミン基である)からなる群から選択され;
は、H、C〜C10アルキル、またはC〜C20フェニルアルキルからなる群から選択され;
は、H、炭素−および/または酸素−および/または窒素−含有鎖基からなる群から選択され;
は、二価C〜C20アルキル基、酸素、硫黄または窒素で中断された二価C−C20アルキル基、および二価オリゴマー基からなる群から選択され;および
Gは、H、C〜C10アルキル、アルキルカルボニル、およびアリールカルボニル基からなる群から選択され;および
は、下記(a)または(b):
(a)C〜C10アルキル;
(b)下記に表される二価基:
【化2】

〔式中、
およびRは、それぞれ独立して、HまたはC〜C10アルキル基から選択され;
nは、1〜10の間の整数を構成し;
mは、1〜20の間の任意の自然数または分数を構成する〕
から選択される。〕
を有する紫外線吸収性化合物を包含し得る。
【0015】
また、本発明のある態様では、Rは、下記:
【化3】

〔式中、R、Z、およびGは、上記と同義である。〕
に表される炭素−および/または酸素−および/または窒素−含有鎖基を構成する化合物が提供される。
【0016】
本発明のいくつかの用途では、Rは、下記:
【化4】

〔式中、
EOは、エチレンオキシドまたはその誘導体を構成し;
POは、プロピレンオキシドまたはその誘導体を構成し;および
は、HまたはC〜C10アルキル基を構成し;および
は、二価C〜C10アルキル基を構成し;
ここで、x、y、およびzは、0〜20の間の自然数または分数を構成し、さらに、x+y+zは1以上を構成する。〕
に表される二価オリゴマー基である化合物が提供される。
【0017】
いくつかの態様では、RおよびRは、下記:
【化5】

〔式中、R、R、R、R、ZおよびGは上記のとおりである。〕
に示すように特定の各炭素と結合していてよい。
【0018】
本発明の化合物は、式:
【化6】

〔式中、
は、H、F、Cl、Br、I、アルキル、アルコキシ、−C(O)−A、およびSO−A(ここで、AはOH、アルキル、アルコキシ、または有機アミン基である)からなる群から選択され;
は、H、C〜C10アルキル、およびC〜C20フェニルアルキルからなる群から選択され;
は、H、炭素−および/または酸素−および/または窒素−含有鎖基からなる群から選択され;
は、二価C〜C20アルキル基、酸素、硫黄または窒素で中断された二価C−C20アルキル基、および二価オリゴマー基からなる群から選択され;および
およびRは、それぞれ独立して、HおよびC〜C10アルキル基からなる群から選択され;
nは、1〜10の間の整数を構成し;および
mは、1〜20の間の任意の自然数または分数を構成する。〕
で表される化合物であってもよい。
【0019】
本発明はある態様では、紫外線吸収性化合物であって、該化合物はポリマー中へ組み込むのに適し、該化合物はベンゾトリアゾール基および該ベンゾトリアゾール基に結合した少なくとも1つの反応性基を含んでなり、該反応性基は該ポリマー中での該化合物の実質的な非移行を促進する条件下で該ポリマーと反応することができ、該反応性基は少なくとも1つの反応性−OH基を有し、さらに、該化合物は約45℃までの温度で液体またはペーストを構成する、前記化合物を提供し得る。該反応性基は、(a)前記ベンゾトリアゾール基に隣接しこれと結合した近位部と、(b)前記ベンゾトリアゾール基から離れて位置する遠位部を含んでいてよい(前記−OH基は該遠位部上に位置している)。該反応性基は、アミンまたはアミドを含み得る。アミンは、第3級アミンを含み得る。該反応性基は、オキシアルキレンまたはその誘導体をさらに含み得る。該反応性基は、少なくとも1つの脂肪族部分を含む。該脂肪族部分は、共重合体鎖をさらに含み得る。該脂肪族部分は、ブロック共重合体を含み得る。
【0020】
本発明のある態様では、紫外線吸収性化合物はポリマー中へ組み込むのに適し得る。該化合物は、ベンゾトリアゾール基および該ベンゾトリアゾール基に結合した少なくとも1つの反応性基を含み得る。該反応性基はポリマー中での該化合物の実質的な非移行を促進する条件下で該ポリマーと反応し得るものであってよい。該反応性基は少なくとも1つの反応性−OH基を有し、さらに、該化合物は約45℃までの温度で液体またはペーストである。該反応性基は、(いくつかの用途では)(a)前記ベンゾトリアゾール基に隣接しこれと結合した近位部と、(b)前記ベンゾトリアゾール基から離れて位置する遠位部を含んでいてよい。定義されたように、−OH基は該遠位部上に位置し得る。
【0021】
本発明の化合物は、一部において、下記:
(a)下記:
【化7】

〔式中、
およびRは、独立して、上記定義したとおりであり;
Rは、水素、アルキルおよびアリールから選択される基である〕
で表される構造を有する化合物;および
(b)下記:
【化8】

で表される有機アミン
にさらに示したように、(a)と(b)を反応させる工程によって製造してよい。
【0022】
本発明のある態様では、(a)に示した化合物と(b)の前記アミンを反応させて中間体または生成物を作ることによって化合物を製造してよく、該中間体または生成物は下記:
【化9】

〔式中、R、R2、、およびRは上記定義のとおり〕
に示される。
【0023】
本発明のさらに別の態様では、一部において、前記中間体を作り、かつ、前記工程の前記中間体をさらに、以下の構造:
【化10】

〔式中、
は、C〜C20アリール、および下記:
【化11】

(式中、n、m、RおよびRは、上記定義のとおり)
で表されるアルキルからなる群から選択される二価基である〕
で表されるm当量の環式ラクトン/エステルと反応させることによって、化合物を製造し得る。
【0024】
こうして、これらの反応の結果、本発明の紫外線吸収性化合物がいくつかの態様において得られる。
【0025】
本発明において、
(a)熱可塑性または熱硬化性成分、もしくはそれらの混合物を有する少なくとも1つのポリマー調製物;
(b)少なくとも1つのUV吸収剤化合物であって、
i)該ポリマー調製物中に存在するか、または
ii)該ポリマー調製物の表面に付着しているか、のいずれかであるもの
を含んでなる物品を提供し得る。本発明のある態様では、UV吸収剤化合物はベンゾトリアゾール誘導体を含んでよく、さらに、酸素、硫黄または窒素によって中断された少なくとも1つのアルキル鎖;およびポリ(オキシアルキレン)鎖、脂肪族ポリエステル鎖、またはポリ(オキシアルキレン)および脂肪族ポリエステルセグメントからなるブロック共重合体鎖を含んでよい。該セグメントは、アミド官能基を経て該UV吸収剤化合物に結合している。
【0026】
本発明による化合物は、有機材料、例えば被覆物および多数のポリマーのための効果的な光安定剤であり得る。液体のオリゴマー状で非移行特性が非常に望ましい全ての用途にとって、本発明の化合物は、従来のUV吸収剤に対して利点をもたらす。これらのポリマーは、ポリウレタン、ポリオレフィン、PETおよび他のポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミドなどであり得る。代表的なポリマーのいくつかは、次のようなものである:モノオレフィンおよびジオレフィンのポリマー(例えばポリエチレン(必要に応じて架橋させてよい)、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテン−1、ポリメチルペンテン−1、ポリイソプレンまたはポリブタジエン)、並びに環状オレフィンのポリマー(例えばシクロペンテンまたはノルボルネンのポリマー);上記ポリマーの混合物(例えば、ポリプロピレンとポリエチレンまたはポリイソブチレンの混合物)。
【0027】
モノオレフィンまたはジオレフィンの互いの共重合体もしくは他のビニルモノマーとの共重合体、例えばエチレン/プロピレン共重合体、プロピレン/ブテン−1共重合体、プロピレン/イソブチレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、プロピレン/ブタジエン共重合体、イソブチレン/イソプレン共重合体、エチレン/エチルアクリレート共重合体、エチレン/アルキルメタクリレート共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体またはエチレン/アクリル酸共重合体およびその塩(アイオノマー)、並びにエチレンとプロピレンおよびジエン(例えばヘキサジエン、ジシクロペンタジエンまたはエチリデンノルボルネン)との三元共重合体、スチレンまたはα−メチルスチレンとジエンまたはアクリル系誘導体とのランダム共重合体(例えばスチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチルメタクリレートまたはスチレン/アクリロニトリル/メタクリレート);スチレン共重合体と別のポリマー(例えばポリアクリレート、ジエンポリマーまたはエチレン/プロピレン/ジエン三元共重合体)から得られる高衝撃強度の混合物;並びに、スチレンのブロック共重合体(例えばスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン−ブチレン/スチレンまたはスチレン/エチレン−プロピレン/スチレン);スチレンのグラフト共重合体(例えばポリブタジエンへのスチレン、ポリブタジエンへのスチレンとアクリロニトリル、ポリブタジエンへのスチレンとアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレート、エチレン/プロピレン/ジエン三元共重合体へのスチレンとアクリロニトリル、ポリアルキルアクリレートまたはポリアルキルメタクリレートへのスチレンとアクリロニトリル、アクリレート/ブタジエン共重合体へのスチレンとアクリロニトリル、および5)に記載された共重合体、例えば所謂ABS、MBS、ASAまたはAESポリマーとして既知のものとのその混合物);ハロゲン含有ポリマー(例えばポリクロロプレン、塩化ゴム、塩化またはクロロスルホン化ポリエチレン、および、とりわけハロゲン含有ビニル化合物から形成されたポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニルおよびポリフッ化ビニリデン、並びにその共重合体、例えば塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニルまたは塩化ビニリデン/酢酸ビニル);α,β−不飽和酸およびその誘導体に由来するポリマー(例えばポリアクリレートおよびポリメタクリレート、ポリアクリルアミドおよびポリアクリロニトリル;上記モノマー相互のまたはこれと他の不飽和モノマーとの共重合体も含まれ(例えばアクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/アルキルアクリレート共重合体、アクリロニトリル/塩化ビニル共重合体またはアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエン三元共重合体;不飽和アルコールおよびアミンもしくはそのアシル誘導体またはアセタールに由来するポリマー(例えば、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、ポリ安息香酸ビニル、ポリマレイン酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリフタル酸アリルまたはポリアリルメラミン;環状エーテルのホモポリマーおよび共重合体(例えば、ポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシドもしくはそれらとビスグリシジルエーテルとの共重合体;ポリアセタール(例えば、ポリオキシメチレン並びにエチレンオキシドなどのコモノマーを含有するポリオキシメチレン;ポリフェニレンオキシドおよびスルフィド並びにポリフェニレンオキシドとポリスチレンの混合物;一方で末端ヒドロキシル基を有するポリエーテル、ポリエステルおよびポリブタジエンに由来し、他方で脂肪族または芳香族ポリイソシアネート、並びにその前駆体に由来するポリウレタン;ジアミンおよびジカルボン酸に由来し、および/または、アミノカルボン酸または対応するラクタムに由来するポリアミドおよびコポリアミド(例えば、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、ポリアミド6/10、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミドおよびポリm−フェニレンイソフタルアミド、およびそれらのポリエーテルとの共重合体(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリテトラメチレングリコールとの共重合体)。
【0028】
〔生成物および最終用途〕
このように、適切な安定化組成物は、上記組成物の好適な成形品である。任意の適当な用途、例えば自動車、繊維製品、および建造物の外部および内部における任意の適切なタイプのポリマーから成形されるポリウレタンおよび被覆物を安定化するのが好ましい。
【0029】
太陽光および紫外線などの光に暴露される危険がある際に、本発明を使用し得る。これは具体的には、ガラス代用品として、またはガラス被覆物として、家屋、設備用、輸送手段の窓用、照明ガラスおよび光源保護ガラス用の被覆物として、輸送手段向けの内装または外装ペイントとして、紫外線を放射する蛍光灯または水銀灯などの光源を作る材料として、精密機器の製造用、電気装置または電子装置用の材料として、これらが使用できることを意味する。
【0030】
さらに、その用途には、様々なディスプレイから生じる電磁波などの遮断用、食品用、薬品、医薬用、医薬品の被覆または容器として有用な組成物を含有する材料が包含される。本発明の組成物は、農業分野で使用し得るシートまたはフィルムを製造するために用い得る。本発明の組成物は、印刷材料(例えば着色剤)用に、退色を防ぐための化粧品中に、日焼け防止用クリーム中に、シャンプーまたはリンス、もしくは他のヘアケア生成物中に、スポンジ衣類、ストッキング中に、衣類や帽子、カーテン、カーペットなど他の物品を製造するために用いる繊維の製造用に、壁紙などの家具用に、プラスチックレンズ、コンタクトレンズ、義眼または他の医療用具、光学フィルター、プリズム、鏡、光学物品用に、写真材料、テープ、インクまたは他の文房具用に、標識板用に、もしくは標識装置の表面用の被覆物として、使用することができる。
【0031】
安定化化合物は、通常の方法、例えば造形品の製造中のあらゆる所望の段階で有機材料中へ組み込まれる。該化合物は、例えば、液体、ペースト、粉末の形態で他の材料、懸濁液またはエマルジョンまたは溶液と混合して、粉末、メルト溶液、懸濁液またはエマルジョンの形態であり得るポリマー中へ組み込むことができる。
【0032】
〔濃度および組成〕
本発明の安定剤混合物は、所望により、通例の添加剤、特に抗酸化剤、他のUV吸収剤、例えば他のタイプのベンゾトリアゾール系、ヒドロキシルベンゾフェノン系またはフェニルトリアジン系光安定剤またはそれらの混合物を、ポリマーに対して0.1〜15重量%、好ましくは0.3〜8重量%含有することができる。
【0033】
特にポリウレタンフォームの安定化に際しては、以下の添加剤群と共に本発明の化合物を使用することができる。
【0034】
群A:ベンゾトリアゾールは、(一般に)下記:
【化12】

〔式中、R、R10、およびR11は、独立して、水素、式C(ここで、a、b、c、d、およびeは0〜30である)を有する基、およびハロゲンから選択される〕
で表される構造に従う化合物である。
【0035】
群B:ヒンダードフェノールまたはBHT誘導体、および関連する化合物は、通常、下記:
【化13】

〔式中、R12は、水素、式C(ここで、a、b、c、d、およびeは0〜30であってよい)を有する基、およびハロゲンからなる群から選択される〕
で表される構造に従う。
【0036】
群C:第2級ジフェニルアミンは、下記:
【化14】

〔式中、R13およびR14は、独立して、水素、式C(ここで、a、b、c、d、およびeは0〜30である)を有する基、およびハロゲンから選択される〕
で表される構造に従い得る。
【0037】
群D:ラクトン系抗酸化剤は、下記:
【化15】

〔式中、R15〜R23は、独立して、水素、式C(ここで、a、b、c、d、およびeは0〜30である)を有する基、およびハロゲンからなる群から選択される〕
で表される構造に従う化合物を含み得る。
【0038】
以下の実施例は、本発明を説明するものであって、本発明を何ら限定しない。以下に提供した種によって、当該分野の熟練者が、下記に示された特定種に代表される全化学属を実施することが可能となり得る。
【実施例】
【0039】
〔本発明の合成例〕
実施例1
【化16】

機械式撹拌機、温度コントローラおよび還流冷却器を備えた100mLの三口丸底フラスコに、3−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンプラパン酸メチルエステル約20g(51mmol)、エタノールアミン4.4g(1.4当量)およびキシレン100mlを充填した。反応物を窒素ブランク下、130℃に加熱し監視した。約8時間後、反応が完結した。5〜10℃に冷却したら、固体沈殿物を濾過によって集め、冷塩化メチレンで洗浄し、夜通し乾燥した。融点(mp):約132〜135℃、およびNMR(CDCl3):11.51(ブロード,1H),8.06(s,1H),7.89(s,1H),7.85(d,1H),7.41(d,1H),7.21(s,1H),6.06(m,1H),3.70(t,2H),3.41(m,2H),3.01(t,2H),2.56(t,2H),1.48(s,9H)の分析用純生成物20.5gを得た。
【0040】
実施例2
【化17】

機械式撹拌機、温度コントローラおよび還流冷却器を備えた250mLの三口丸底フラスコに、3−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンプラパン酸メチルエステル54.5g(141mmol)とジグリコールアミン21.8g(1.4当量)を充填した。N通気しながら130〜135℃に6時間加熱した後、TLCが示すところでは、まだなお微量の出発物質が存在していた。ジグリコールアミン2.6g(0.2当量)を添加し、さらに2時間加熱を継続した。TLC分析によれば、反応は完結していた。室温に冷却したら、塩化メチレン250mlを反応混合物中へ投入し、溶液を3%HCl水溶液3x75mlで3回、次いで水75mlで1回洗浄した。有機層を集めてMgSOで乾燥し、回転式蒸発器で溶媒を除去した。mp84〜87℃、およびNMR(CDCl):11.52(s,1H),8.07(s,1H),7.89(s,1H),7.85(d,1H),7.40(d,1H),7.21(s,1H),6.16(m,1H),3.69(t,2H),3.55(m,6H),3.00(t,2H),2.55(t,2H),1.48(s,9H)の淡黄色固体として、分析用純生成物56gを得た。
【0041】
実施例3
【化18】

機械式撹拌機、温度コントローラおよび還流冷却器を備えた100mLの三口丸底フラスコに、3−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンプラパン酸メチルエステル20g(51mmol)とポリグリコールアミンH−163(Dixie Chemicalから市販)12g(1.4当量)を充填した。反応混合物を、N通気しながら130〜135℃に6時間加熱した。TLC分析が示すところでは、反応は完結していた。室温に冷却したら、塩化メチレン120mlを反応混合物中に投入し、溶液を3%HCl水溶液3x40mlで3回、次いで水40mlで1回洗浄した。有機層を集めてMgSOで乾燥し、回転式蒸発器で溶媒を除去した。プロトンNMR(CDCl):11.51(s,1H),8.08(s,1H),7.90(s,1H),7.85(d,1H),7.41(d,1H),7.22(s,1H),6.28(m,1H),3.71(t,2H),3.57(m,4H),3.49(m,4H),3.00(t,2H),2.52(t,2H),1.48(s,9H)のペーストとして、分析用純生成物22gを得た。
【0042】
実施例4
【化19】

機械式撹拌機、温度コントローラおよび還流冷却器を備えた250mLの三口丸底フラスコに、3−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンプラパン酸メチルエステル20g(51mmol)と2−アミノ−1−ブタノール5EO[1−ポリ(オキシエチレン)オキシ−2−アミノ−ブタン[Mw309、Milliken labにて製造]22g(1.4当量)を充填した。反応混合物を、N通気しながら130〜135℃に6時間加熱した。TLC分析が示すところでは、反応は完結していた。室温に冷却したら、塩化メチレン150mlを反応混合物中へ投入し、溶液を3%HCl水溶液3x40mlで3回、次いで水40mlで1回洗浄した。有機層を集めてMgSOで乾燥し、回転式蒸発器で溶媒を除去した。生成物30gが淡黄色液体として得られ、NMRとIRによって確認した。
【0043】
実施例5
【化20】

機械式撹拌機、温度コントローラおよび還流冷却器を備えた100mLの三口丸底フラスコに、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンプラパン酸メチルエステル30g(85mmol)とジグリコールアミン14.2g(1.6当量)を充填した。N通気しながら130〜135℃に9時間加熱後、TLC分析が示すところでは、反応は完結していた。室温に冷却したら、塩化メチレン200mlを反応混合物中へ投入し、溶液を3%HCl水溶液3x50mlで3回、次いで水50mlで1回洗浄した。有機層を集めてMgSOで乾燥し、回転式蒸発器で溶媒を除去した。生成物32gが粘稠液体として得られ、これは−5℃で夜通し経つとmpが106〜109℃の淡色固体となった。NMRによって生成物純度を確認した。
【0044】
実施例6
【化21】

実施例5の記載と同様の手順を用いて、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンプラパン酸メチルエステル30g(85mol)とエタノールアミン8.3g(1.6当量)とを反応させ、表題生成物を製造した。生成物純度をNMRによって確認し、精製による更なる反応のための中間体として直接使用した。
【0045】
実施例7
【化22】

実施例3の記載と同様の手順を用いて、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンプラパン酸メチルエステル30g(85mol)と19.4g(1.4当量)のポリグリコールアミンH−163とを反応させ、表題生成物を製造した。生成物純度をNMRによって確認し、精製による更なる反応のための中間体として直接使用した。
【0046】
実施例8
【化23】

実施例4の記載と同様の手順を用いて、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンプラパン酸メチルエステル30g(85mol)と2−アミノ−1−ブタノール5EO[1−ポリ(オキシエチレン)オキシ−2−アミノ−ブタン、Mw309、Milliken labにて製造]36.8g(1.4当量)とを反応させ、表題生成物を粘稠液体として製造した。生成物純度をNMRとIRによって確認した。
【0047】
実施例9
【化24】

機械式撹拌機、温度コントローラおよび還流冷却器を備えた500mLの三口丸底フラスコに、実施例2で製造したベンゾトリアゾール中間体100g(217mmol)、カプロラクトン74g(3当量)、および50%次亜リン酸1gを充填した。反応混合物をN下で3時間、100℃に加熱した。347nmでの明度/吸光度が20.1abs./g/L(MeOH中)の淡黄色液体として、生成物174gを得た。HPLC分析に基づき、エステル交換速度71%を得た。NMR(CDCl)とIR(NaCl板上)によって、生成物純度を確認した。
【0048】
実施例10
【化25】

機械式撹拌機、温度コントローラおよび還流冷却器を備えた100mLの三口丸底フラスコに、実施例2で製造したベンゾトリアゾール中間体20g(43mmol)、カプロラクトン19.8g(4当量)、およびFascat(登録商標)FC9102(Atofina Chemicalから市販)0.08gを充填した。反応混合物をN下で1〜2時間、140〜150℃に加熱した。347nmでの明度/吸光度が17.8abs./g/L(MeOH中)の淡黄色液体として、生成物37gを得た。HPLC分析に基づき、エステル交換速度78%を得た。
【0049】
実施例11
【化26】

機械式撹拌機、温度コントローラおよび還流冷却器を備えた100mLの三口丸底フラスコに、実施例5で製造したベンゾトリアゾール中間体20g(47mmol)、カプロラクトン16g(3当量)、および50%次亜リン酸0.2gを充填した。反応混合物をN下で3時間、100℃に加熱した。混合物を室温に冷却し、塩化メチレン150ml中に溶解した。溶液を水50mlで2回洗浄し、MgSO上で乾燥した。溶媒を除去したところ、339nmでの明度/吸光度が17.6abs./g/L(MeOH中)の淡色液体として、生成物33gを得た。HPLC分析に基づき、エステル交換速度75%を得た。
【0050】
実施例12
【化27】

実施例11に記載した手順に従い、実施例5で製造したベンゾトリアゾール中間体20g(47mmol)、およびカプロラクトン21.4g(4当量)、および50%次亜リン酸0.2gから表題生成物を製造した。339nmでの明度/吸光度が16.4abs./g/L(MeOH中)の淡黄色液体として、生成物28gを得た。HPLC分析に基づき、エステル交換速度72%を得た。
【0051】
物品の製造および性能
様々な本発明の液体についての試験
ポリマー状ベンゾトリアゾールUV吸収剤

a)ポリエーテルフォーム物品製造
以下の配合および手順に従い、他の添加剤と共にまたはこれを伴わずに、本発明のUV吸収剤を組み込んで、(本発明の特定の一態様において)ポリウレタンフォームを製造した。
【0052】
【表1】

【0053】
反応槽内で混合すると、反応して「健全」気泡(ゲル化と発泡のバランスを示す)を生じた。次いで、反応槽を約10分間、185℃(工業上の製造環境で受ける実際の熱履歴を想定して電子レンジ中で創出)として、フォームバンを形成させた。以下に詳細に検討するように、その後、得られたフォームバンを性能分析した。
【0054】
b)本発明のUV吸収剤を含有するポリエーテルフォームの性能特性
項a)に記載した組成および方法に従って製造した全ての白色フォームについて、立ち上がり時間、粘着時間、およびバン高さに関する標準的なフォーム性能の試験を行い、市販のUV吸収剤を存在させて製造するか、または添加剤なしに製造した対照用ポリエーテルフォームと比較した。対照物の5%以内の測定値は、最終フォーム生成物として許容範囲内と考えられる。測定値を表1にまとめる。
【0055】
【表2】

【0056】
さらに、製造したフォームは、立方フィートあたり約1.5ポンドで測定された良好な弾力性および密度を示した。このように、本発明のUV吸収剤は、対照試料と比較して、許容できるポリウレタンフォーム物品を提供する。
【0057】
c)ポリウレタンフォームからの抽出測定物
上記項b)で製造したポリウレタンフォームについて、以下の方法を用いて抽出レベルを分析した。抽出試験は、さらに160℃で20分間、ガラスジャー内で、試料の中央から硬化フォーム1グラムを切断し、切断フォームを後硬化させることを含む。室温に冷却後、次いでメタノール75gをガラスジャーへ添加し、次いで1時間これに蓋をした。次に、フォームを取り出し、抽出溶液をPerkin Elmer Lambda 35 紫外線可視分光光度計で分析し最大吸収を求めた。溶液が過濃縮の場合、メタノールでこれを20%に希釈し、次いでその紫外−可視測定を行い、原溶液の吸収値を計算する。結果を表2にまとめる。
【0058】
【表3】

【0059】
これらの添加剤の分子量をベースにすると、Tinuvin 326(1.5php)は、Tinuvin 1130(3.0php)、本発明の実施例9(3.8php)、および本発明の実施例11(3.6php)と当量モルである。表2から示唆されるように、本発明の液体ポリマーUV吸収剤は、市販生成物Tinuvin 326およびTinuvin 1130などの比較例と比べて、フォーム抽出試験において著しい改善を与える。
【0060】
d)ポリウレタンフォーム中での着色剤のUV変退色に対する保護
液体ポリマー着色剤ReacTint(登録商標)Blue X3LV(Milliken Chemicalから市販)は、ポリウレタンフォームの被覆用に広く使用され、UV変退色の傾向が大きいことが知られている。そこで、本発明のUV吸収剤と共に、またはこれを伴わずに、1phpのBlue X3LVを存在させ、項a)に記載の配合および方法に従って、青色フォームを製造した。フォームバンを半分にスライスし、各フォームバンの中央からフォーム試料の小片(直径:10cmx5cmx2cm)を切り出した。これらのフォーム試料全てをキセノンランプ・チャンバー(AATCC試験番号:16−1999)の下、種々の照射時間で変退色の試験を行った。次に、キセノン光の下、種々の時間照射したフォーム試料について、CMCにおけるΔEの読みを、認められた未照射のフォーム試料と比較した。結果を表3にまとめる。
【0061】
【表4】

【0062】
このように、UV吸収剤なしでは、キセノン光の下で1時間暴露後、Blue X3LVは完全に変退色した。しかしながら、本発明のUV吸収剤(1php)を存在させて製造した実施例9によるBlue X3LVフォームの変退色は、ΔE測定値から明らかなように、著しい改善を示した。
【0063】
e)白色ポリウレタンフォームにおける変退色の低減
項a)に記載した配合および方法に従って製造したいくつかの白色フォームは、独特な抗変退色添加剤パッケージの存在下、群Aから選択されるUV吸収剤、群Bから選択されるフェノール系抗酸化剤、群Cから選択される第2級アミン抗酸化剤および群Dから選択されるラクトン抗酸化剤からなる。本発明の液体ポリマーUV吸収剤をこの独特な添加剤パッケージ中で使用して、固体および/または非反応性の市販UV吸収剤を置き換える。本発明の添加剤パッケージ、並びに市販の添加剤パッケージによってフォームを製造し、次いでフォームバンを半分にスライスして、UV変退色(AATCC試験番号:16−1999に従うキセノンランプ試験)とガス退色(AATCC試験番号:23−1999)に対する性能を比較した。
【0064】
本発明の相乗的な添加剤組成物パッケージを表4に挙げる。また、比較用として表4に含まれるものは、対照品(添加剤なし)および市販の添加剤パッケージB−75(Ciba)、CS−31(Crompton)およびLS−1(Ortegol)であって、これらは、白色ポリウレタンフォームの安定化用にポリウレタン工業において、現在、最良の市販生成物である。
【0065】
【表5】

【0066】
本発明と比較用の試料フォームについての耐光堅牢度およびガス退色の試験結果を、表5にまとめる。
【0067】
【表6】

【0068】
明らかに、本発明の液体ポリマーUV吸収剤を含有する本発明の添加剤パッケージは、従来技術における市販の添加剤パッケージ(例えばGG、HHおよびJJ)と比較して、UV照射の変退色およびガス退色に対する最良の総合的性能を示した。それにも増して、等モル配合(認められたUV吸収剤の種々の分子量に基づく)で用いると、本発明の液体で反応性のポリマーUV吸収剤を含有する添加剤パッケージは、固体で非反応性の市販UV吸収剤(例えばTinuvin 326)を含有する添加剤パッケージよりも、とりわけNOガス変退色試験にさらした場合、著しく良好な性能を有する。
【0069】
f)PET包装における本発明のUV吸収剤の適用
UV吸収剤は、食品容器産業においてUV劣化から内容物を保護するためのPET包装中に、ますます使用されている。射出成形工程中に樹脂黄変を引き起こすプロセス条件(通常は280℃)でUV吸収剤が分解し得るため、最終PET物品(UV吸収剤を含有する)の外観(黄色度指数)はこの用途におけるUV吸収剤の適合性の指標となる。許容できるUV吸収剤にとって他に必要とされるのは、UV吸収剤それ自体の耐光堅牢度である。本発明の液体ポリマーUV吸収剤は、このようにして、現在最高の市販生成物であるClearShield(登録商標)UV吸収剤(Milliken Chemicalから市販)に対してその性能を試験したものである。
【0070】
ポリエステル物品の生産適用に関して下記いずれの場合においても、ポリエステル熱可塑性プラスチック(この場合にはポリエチレンテレフタレート〔M&G製PET樹脂:ClearTuf(登録商標)8006〕)のための射出成形工程中に、本発明のポリマーUV吸収剤を導入した。本発明のUV吸収剤は、関連する下記実施例に示した量で、熱い乾燥したPET樹脂ペレットに撹拌しながらブレンドした。UV吸収剤とペレットのブレンド物は、装置の供給口内へ重力供給した。供給部では、回転加熱(装置のバレルから移動した熱)スクリュー押出機を利用することによって溶融を行った。スクリューの回転によってUV吸収剤と溶融樹脂の完全混合がなされると共に、均一なプラスチック溶融液を形成し、熱可塑性物品(この場合、50ミルの均一厚みと12.5インチの表面積を有する2インチ×3インチのプラック)を成型するためにこれを金型内に射出した。
【0071】
上記のようにして製造したUV吸収剤含有PETの50ミル厚プラック(本発明のUV吸収剤を含有するポリエステルテレフタレートの熱可塑性プラックを上述のように製造(射出成形)したもの)10個を得た。これらの最初のプラック10個を製造するのに用いた同一の射出成形機を、更にプラック10個を製造する間、停止し、標準的なポリエステル加工温度(〜277℃)で15分間、空運転させた。次いで、停機の最後に、成形機の加熱バレルから着色樹脂を取り除くことなく、成形機を再スタートした。その後、射出成形操作の再開後に数えて、プラックを連続して10個得た。
【0072】
標準操作によって得た対照試料のUV吸収剤ラムダmaxでの吸収を、パーキンエルマーラムダ35分光光度計によって測定し、全プラックの標準測定値を表すよう、共に平均した。15分の保留期間後に得た10個の連続して測定された各試料プラックを、分光光度計上で個々に連続的に測定した。対照試料の標準測定値と10個の測定した各試料プラックの吸光度差を記録し、吸光度変化(ΔAbs)と定義した。UV吸収剤の熱安定性を、式:
損失%=[ΔAbs]/[標準値]
によって計算されるUV吸収損失率(損失%)によって測定した。
【0073】
15分の保留期間後に得た測定試料プラック10個の最大損失%は、最大の吸光度差を表し、これをUV吸収剤の熱安定性であると決定する。
【0074】
上記実施例9による本発明のUV吸収剤並びに比較用の市販UV吸収剤(ClearShield(登録商標)UV吸収剤)の熱安定性(損失%)を測定した。結果を表6に示す(UV吸収剤の配合量は、その明度に基づく吸収ピークと同じ高さに調節した)。
【0075】
【表7】

【0076】
この手順によって分析する場合、10より小さな損失%は許容できると考えられ、2より小さい結果は卓越していると考えられる。明らかに、本発明のUV吸収剤は、特に現在最高の市販生成物と比較して、検出可能な損失がなく、極めて有利な熱安定性特性を示した。
【0077】
それぞれ個々の本発明の若しくは比較用のUV吸収剤組成物について特定配合量(下記)で、前項で上記した方法に従い50ミル厚プラック10個を製造した。
【0078】
標準操作によって得たプラック10個の(各UV吸収剤のラムダmaxでの)吸収を、パーキンエルマーラムダ35分光光度計で測定し、標準測定値を表すよう、共に平均した。次に、2個のプラック3組をキセノン光の下に置いてそれぞれ20時間および40時間照射した。2個のプラックの各組を照射の時間経過の後に回収し、(各UV吸収剤のラムダmaxでの)吸光度変化を、パーキンエルマー分光光度計上で個々に順次測定した。標準測定値と2組の照射プラックそれぞれの間の吸光度差を、ΔAbsとして測定した。そこで、組み込まれたUV吸収剤の耐光堅牢度を、式:
損失%=[ΔAbs]/[標準値]
によって計算されるUV吸収損失率(損失%)によって測定した。
【0079】
プラックの損失%が大きければ大きいほど、吸光度差は大きくなり、UV吸収剤の耐光堅牢度は悪化して測定される。試験結果を表7にまとめる。
【0080】
【表8】

【0081】
この手順下では、40時間の照射後の損失%が多くて15%であることが非常に望ましい。これは、本発明のUV吸収剤は、比較用の市販生成物に対して著しく改善された耐光堅牢度特性を付与することを示している。
【0082】
加工の結果としての黄変度は、選択されたUV吸収剤の実施例について測定した。特定量の本発明および比較用のUV吸収剤を、ClearTuf(登録商標)8006ポリエステル樹脂2kgに添加した。完全に混合した後、単軸押出機で樹脂をコンパウンドし、発生した材料ストランドをペレット化した。コンバータによって通常実施する工業用乾燥工程をシミュレートするため、ペレット化試料を150℃で真空下に5時間乾燥し、その後、射出成形して175ミル厚のプラック(2インチ×3インチ)を得た。黄色度指数(ASTM試験法E−313)として表されるプラックの黄変度を、MacBeth Coloreye7000分光光度計を用いて定量した。
【0083】
175ミルPETプラックにおける本発明と比較用のUV吸収剤の黄色度を測定した。結果を表8に示す。
【0084】
【表9】

【0085】
15ミル厚壁容器における390nmでのUV放射の5%より小さい透過率が、現在、工業上達成可能な最高のUV保護である。この目標を達成するために、吸収強度に基づいてUV吸収剤配合量を調節する。ClearShield UV 390Bは、長波長のUV吸収剤である。標準的なPET樹脂中にこれを単独で用いる場合、これは短波長UV放射を完全には保護し得ないであろう。配合量1450ppmのUV 390Bでは、300〜350nmのUV放射部分は依然として透過する。上記表において、実施例9による本発明のUV吸収剤とClearShield UV 400だけが、認められた配合量で、390nmでの5%より小さい透過率を達成した。
【0086】
この試験手順下では、提案した配合レベルで高くて25の黄色度が、許容できると考えられる。従って、本発明のUV吸収剤は、比較例より著しく良好な黄色度等級を示し、それによって得られる予想外の良好な結果を示した。
【0087】
g)ポリプロピレンにおける本発明のUV吸収剤の適用
UV吸収剤は、有害なUV光に対抗するため、通常、フィルム、容器などの透明なポリオレフィン包装中に用いられる。最も広く使用される市販UV吸収剤は、Tinuvin(登録商標)326および327の2つである。これらは低分子量固体であるため、射出成形工程中および/またはその後にポリプロピレン組成物にそれがブルーミングおよび移行することは、極めて望ましくない少しの特性の一つである。従って、本発明の液体ポリマー性ベンゾトリアゾールUV吸収剤を、ポリプロピレン適用における適合性について試験する。熱可塑性組成物の調製並びにその性能評価のための手順は、上述および米国特許第6,207,740号に記載の手順と同様であった。表9に黄色度指数の結果をまとめる。
【0088】
【表10】

【0089】
この試験手順下では、この適用にとって10より小さい黄色度が極めて望ましいと考えられる。従って、本発明および比較用のUV吸収剤はいずれも、許容できる黄色度性能を示した。
【0090】
さらに、実施例9による本発明の液体ポリマーUV吸収剤および市販生成物Tinuvin 326はいずれも優れた熱安定性と耐光堅牢度(キセノン光への20および40時間暴露後)を示したが、本発明のUV吸収剤は、抽出試験およびプレートアウト試験において、劇的に改善された性能を示した。性状が液体であって遥かに改善された移行性を有するため、本発明の液体ポリマーUV吸収剤は、ポリプロピレンの包装中およびフィルム中などでの適用にとって、より望ましい特性を示す。
【0091】
本発明の特定の特徴について記述したが、当然のことながら、本発明は任意の特定の形態または実施に限定されないものと理解されるものである。なぜなら、変更は十分になし得るし、本発明の主要事項の他の態様は、本発明が関係する技術における熟練者によって間違いなくなされることになるからである。従って、添付クレームは、本発明の特徴を真の意味、精神、および該クレームの範囲に組み込むようなあらゆる変更を網羅するものと意図される。
【0092】
本件論議は単に例示的な態様を記載したものであって、本発明のより広い態様を限定することを意図せず、そして、より広い態様は例示的解釈において具現されるものと当業者に理解される。本発明は、実施例を挙げて添付のクレームに示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造:
【化1】

〔式中、
は、H、F、Cl、Br、I、アルキル、アルコキシ、−C(O)−Aで表されるC=0含有基、およびSO−Aで表されるSO−含有基(ここで、AはOH、アルキル、アルコキシ、または有機アミン基から選択され得る)からなる群から選択され;
は、H、C〜C10アルキル、およびC〜C20フェニルアルキルからなる群から選択され;
は、H、炭素−含有鎖基、酸素−含有鎖基、および窒素−含有鎖基からなる群から選択され;
は、二価C〜C20アルキル基、酸素、硫黄または窒素で中断された二価C−C20アルキル基、および二価オリゴマー基からなる群から選択され;
Gは、H、C〜C10アルキル、アルキルカルボニル、およびアリールカルボニル基からなる群から選択され;および
は、下記(a)または(b):
(a)C〜C10アルキル;
(b)下記に表される二価基:
【化2】

〔式中、
およびRは、それぞれ独立して、HまたはC〜C10アルキル基から選択され;
nは、1〜10の間の整数を構成し;
mは、1〜20の間の任意の自然数または分数を構成する〕
から選択される。〕
を有する紫外線吸収性化合物。
【請求項2】
は、下記:
【化3】

〔式中、R、Z、およびGは、請求項1と同義である。〕
に表される炭素−含有鎖基または炭素および酸素−含有鎖化合物を構成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
は、下記:
【化4】

〔式中、
EOは、エチレンオキシドまたはその誘導体を構成し;
POは、プロピレンオキシドまたはその誘導体を構成し;および
は、HまたはC〜C10アルキル基を構成し;および
は、二価C〜C10アルキル基を構成し;
ここで、x、y、およびzは、0〜20の間の自然数または分数を構成し、さらに、x+y+zは1以上を構成する。〕
に表される二価アルキル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
およびRは、下記:
【化5】

〔式中、R、R、R、R、ZおよびGは請求項1と同義であり、また、Zは脂肪族エステル鎖を有する反復基を構成する。〕
に示すように特定の各炭素と結合している、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
式:
【化6】

〔式中、
は、H、F、Cl、Br、I、アルキル、アルコキシ、−C(O)−Aで表されるC=0含有基、およびSO−Aで表されるSO−含有基(ここで、AはOH、アルキル、アルコキシ、および有機アミン基から選択される)からなる群から選択され;
は、H、C〜C10アルキル、およびC〜C20フェニルアルキルからなる群から選択され;
は、H、炭素−含有鎖基、および炭素/酸素含有鎖基からなる群から選択され;
は、二価C〜C20アルキル基、酸素、硫黄または窒素で中断された二価C−C20アルキル基、および二価オリゴマー基からなる群から選択され;
Gは、H、C〜C10アルキル、アルキルカルボニル、およびアリールカルボニル基からなる群から選択され;
およびRは、それぞれ独立して、HおよびC〜C10アルキル基からなる群から選択され;
nは、1〜10の間の整数を構成し;および
mは、1〜20の間の任意の自然数または分数を構成する。〕
で表される化合物。
【請求項6】
mは少なくとも2である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
nは少なくとも2である、請求項5に記載の化合物。
【請求項8】
はHを構成する、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
はHを構成する、請求項7に記載の化合物。
【請求項10】
はClまたはHを構成する、請求項8に記載の化合物。
【請求項11】
はClまたはHを構成する、請求項9に記載の化合物。
【請求項12】
はtert−ブチル基を構成する、請求項10に記載の化合物。
【請求項13】
はtert−ブチル基を構成する、請求項11に記載の化合物。
【請求項14】
nは5を構成する、請求項12に記載の化合物。
【請求項15】
mは少なくとも3である、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
は、−CHCH−、−CHCHOCHCH−、−(CHCHO)−CHCH−、および−(CHO(CHCHO)(CHCH)−からなる群から選択される二価基を構成する、請求項14に記載の化合物。
【請求項17】
は、−CHCH−、−CHCHOCHCH−、−(CHCHO)−CHCH−、および−(CHO(CHCHO)(CHCH)−からなる群から選択される二価基を構成する、請求項15に記載の化合物。
【請求項18】
紫外線吸収性化合物であって、該化合物はポリマー中へ組み込むのに適し、該化合物はベンゾトリアゾール基および該ベンゾトリアゾール基に結合した少なくとも1つの反応性基を含んでなり、該反応性基は該ポリマー中での該化合物の実質的な非移行を促進する条件下で該ポリマーと反応することができ、該反応性基は少なくとも1つの反応性−OH基を有し、さらに、該化合物は約45℃の温度で液体を構成する、化合物。
【請求項19】
前記反応性基は、(a)前記ベンゾトリアゾール基に隣接しこれと結合した近位部と、(b)前記ベンゾトリアゾール基から離れて位置する遠位部を含んでなり、前記−OH基は該遠位部上に位置している、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
前記反応性基はオキシアルキレンまたはその誘導体を更に含んでなる、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
前記反応性基は少なくとも1つの脂肪族共重合体鎖を更に含んでなる、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
前記脂肪族部分はエーテルとエステルのブロック共重合体を含んでなる、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
(a)熱可塑性または熱硬化性成分、もしくはそれらの混合物を有する少なくとも1つのポリマー調製物;
(b)少なくとも1つのUV吸収剤化合物であって、
i)該ポリマー調製物中に存在するか、または
ii)該ポリマー調製物の表面に付着しているか、のいずれかであるもの
を含んでなる物品であって、
(c)該UV吸収剤化合物はベンゾトリアゾール誘導体を含んでなり、さらに、少なくとも1つの、酸素、硫黄または窒素で中断されたアルキル鎖;および
ポリ(オキシアルキレン)鎖、
脂肪族ポリエステル鎖、または
ポリ(オキシアルキレン)および脂肪族ポリエステルのセグメントからなり;該セグメントはアミド官能基を経て該UV吸収剤化合物に結合しているブロック共重合体鎖を含んでなる、物品。
【請求項24】
前記紫外線吸収性化合物は、構造:
【化7】

〔式中、
は、H、F、Cl、Br、I、アルキル、アルコキシ、−C(O)−Aで表されるC=0含有基、およびSO−Aで表されるSO−含有基(ここで、AはOH、アルキル、アルコキシ、または有機アミン基から選択され得る)からなる群から選択され;
は、H、C〜C10アルキル、およびC〜C20フェニルアルキルからなる群から選択され;
は、H、炭素−含有鎖基、酸素−含有鎖基、および窒素−含有鎖基からなる群から選択され;
は、二価C〜C20アルキル基、酸素、硫黄または窒素で中断された二価C−C20アルキル基、および二価オリゴマー基からなる群から選択され;
Gは、H、C〜C10アルキル、アルキルカルボニル、およびアリールカルボニル基からなる群から選択され;および
は、下記(a)または(b):
(a)C〜C10アルキル;
(b)下記に表される二価基:
【化8】

〔式中、
およびRは、それぞれ独立して、HまたはC〜C10アルキル基から選択され;
nは、1〜10の間の整数を構成し;
mは、1〜20の間の任意の自然数または分数を構成する〕
から選択される。〕
に従う、請求項23に記載の物品。
【請求項25】
は、下記:
【化9】

〔式中、R、Z、およびGは、請求項24と同義である。〕
で表される、
a)炭素−−;
b)酸素−−;または
c)窒素−
含有鎖基を含んでなる、請求項24に記載の物品。
【請求項26】
は、下記:
【化10】

〔式中、
EOは、エチレンオキシドまたはその誘導体を構成し;
POは、プロピレンオキシドまたはその誘導体を構成し;および
は、HまたはC〜C10アルキル基を構成し;および
は、二価C〜C10アルキル基を構成し;
ここで、x、y、およびzは、0〜20の間の自然数または分数を構成し、さらに、x+y+zは1以上を構成する。〕
で表される二価オリゴマー基である、請求項25に記載の物品。
【請求項27】
前記紫外線吸収性化合物は下記に示す構造に従い、RおよびRは、特定の各炭素:
【化11】

〔式中、R、R、R、R、ZおよびGは請求項24と同義であり、また、Zは脂肪族エステル鎖を有する反復基を構成する。〕
と結合している、請求項24に記載の物品。
【請求項28】
は、下記:
【化12】

で表される、
a)炭素−−;
b)酸素−−または
c)窒素−
含有鎖基を含んでなる、請求項27に記載の物品。
【請求項29】
は、下記:
【化13】

で表される二価オリゴマー基を含んでなる、請求項28に記載の物品。
【請求項30】
前記紫外線吸収性化合物は、下記:
【化14】

〔式中、
は、H、F、Cl、Br、I、アルキル、アルコキシ、−C(O)−Aで表されるC=0含有基、およびSO−Aで表されるSO−含有基(ここで、AはOH、アルキル、アルコキシ、または有機アミン基である)からなる群から選択され;
は、H、C〜C10アルキル、およびC〜C20フェニルアルキルからなる群から選択され;
は、H、炭素−含有鎖基、酸素−含有鎖基、および窒素−含有鎖基からなる群から選択され;
は、二価C〜C20アルキル基、酸素、硫黄または窒素で中断された二価C−C20アルキル基、および二価オリゴマー基からなる群から選択され;
およびRは、それぞれ独立して、HまたはC〜C10アルキル基から選択され;
nは、1〜10の間の整数を構成し;
mは、1〜20の間の任意の自然数または分数を構成する。〕
で表される構造に従う、請求項24に記載の物品。
【請求項31】
mは少なくとも3である、請求項30に記載の物品。
【請求項32】
nは少なくとも3である、請求項30に記載の物品。
【請求項33】
はHを構成する、請求項30に記載の物品。
【請求項34】
は炭素含有鎖基を構成する、請求項30に記載の物品。
【請求項35】
は酸素含有鎖基を構成する、請求項30に記載の物品。
【請求項36】
はClまたはHを構成し;
はtert−ブチル基を構成し;および
およびRはそれぞれHを構成し;並びに
nは5である、
請求項30に記載の物品。
【請求項37】
はClまたはHを構成し;
はtert−ブチル基を構成し;
およびRはそれぞれHを構成し;および
nは5である、
請求項30に記載の物品。
【請求項38】
は、下記:
−CHCH−、−CHCHOCHCH−、
−(CHCHO)−CHCH−、および
−(CHO(CHCHO)(CHCH)−
からなる群から選択される二価基を構成する、請求項30に記載の物品。
【請求項39】
前記ポリマー調製物は少なくとも1つの熱可塑性成分を含んでなる、請求項23に記載の物品。
【請求項40】
前記熱可塑性成分はポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、熱可塑性ポリウレタン、およびポリアミドからなる群から選択される少なくとも1つの有機材料を含んでなる、請求項39に記載の物品。
【請求項41】
前記ポリマー調製物はポリプロピレンを含んでなる、請求項23に記載の物品。
【請求項42】
前記ポリエステル鎖はポリエチレンテレフタレート(PET)を含んでなる、請求項23に記載の物品。
【請求項43】
前記ポリマー調製物は少なくとも1つの熱硬化性成分を含んでなる、請求項23に記載の物品。
【請求項44】
前記熱硬化性成分は、ポリウレタンおよびアクリル樹脂からなる群から選択される少なくとも1つの有機材料を含んでなり、該有機材料は熱により架橋することが可能である、請求項43に記載の物品。
【請求項45】
前記ポリウレタンはポリウレタンフォームを含んでなる、請求項44に記載の物品。
【請求項46】
前記ポリマー調製物は、少なくとも1つの前記紫外線吸収性化合物を該ポリマー調製物の約0.1〜15重量%の量でさらに含有する、請求項23に記載の物品。
【請求項47】
前記ポリマー調製物の0.3〜8重量%の量で前記紫外線吸収性化合物を提供する、請求項46に記載の物品。
【請求項48】
前記ポリマー調製物の0.5〜5重量%の量で前記紫外線吸収性化合物を提供する、請求項46に記載の物品。

【公表番号】特表2008−510718(P2008−510718A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−528031(P2007−528031)
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/029482
【国際公開番号】WO2006/023687
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(599060788)ミリケン・アンド・カンパニー (65)
【氏名又は名称原語表記】Milliken & Company
【Fターム(参考)】