説明

細胞の核酸導入効率を改善する方法および組成物

本発明は、支持体上に固定された状態では、核酸(例えば、DNA)を導入することが難しい細胞に、そのような物質を導入する(特に、トランスフェクションする)際に、その導入を可能とするかまたは導入効率を改善することができる方法を開発することを課題とする。上記課題は、細胞接着分子(例えば、コラーゲンIV型)と、遺伝子導入試薬(例えば、Lipofectamine)とを組み合わせて細胞に適用することによって解決され、予測されていたよりも高い核酸導入効率が達成された。また、核酸導入後の細胞は、分化誘導される能力を有していることが明らかになった。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞への核酸の導入効率を改善するための組成物であって、
A)細胞接着分子;および
B)遺伝子導入試薬、
を含む、組成物。
【請求項2】
前記細胞接着分子は、細胞外マトリクスを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記細胞接着分子は、コラーゲン、ラミニンおよびフィブロネクチンからなる群より選択される少なくとも1つの細胞外マトリクスを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記細胞接着分子は、繊維形成コラーゲンまたは基底膜コラーゲンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記細胞接着分子は、繊維形成コラーゲンおよび基底膜コラーゲンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記細胞接着分子は、コラーゲンI型またはIV型を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記細胞接着分子は、コラーゲンI型およびIV型を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記遺伝子導入試薬は、カチオン性高分子、カチオン性脂質、ポリアミン系試薬、ポリイミン系試薬およびリン酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1つの試薬を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
さらに、導入が企図される核酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記核酸はDNAである、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記核酸は、遺伝子をコードする配列を含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物は固体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物は液体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記細胞接着分子は多量体形態である、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記細胞接着分子は、三次元構造をとる、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記細胞は、固相上での遺伝子導入が困難である細胞である、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記細胞は、神経系の細胞である、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記細胞は、神経系の細胞であり、前記細胞接着分子はコラーゲンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記核酸の導入は、前記細胞が固相上に配置された状態で行われる、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記細胞は、初代培養細胞を包含する、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
前記細胞接着分子は、5μg/ml〜100μg/mlの濃度で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
前記細胞は、さらに、分化誘導される、請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
前記組成物は、分化誘導因子をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
細胞の核酸導入効率を改善するためのデバイスであって、
A)細胞接着分子;および
B)遺伝子導入試薬、
を含む、組成物が支持体に固定される、デバイス。
【請求項25】
前記細胞接着分子は、細胞外マトリクスを含む、請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
前記細胞接着分子は、コラーゲン、ラミニンおよびフィブロネクチンからなる群より選択される少なくとも1つの細胞外マトリクスを含む、請求項24に記載のデバイス。
【請求項27】
前記細胞接着分子は、繊維形成コラーゲンまたは基底膜コラーゲンを含む、請求項24に記載のデバイス。
【請求項28】
前記細胞接着分子は、繊維形成コラーゲンおよび基底膜コラーゲンを含む、請求項24に記載のデバイス。
【請求項29】
前記細胞接着分子は、コラーゲンI型またはIV型を含む、請求項24に記載のデバイス。
【請求項30】
前記細胞接着分子は、コラーゲンI型およびIV型を含む、請求項24に記載のデバイス。
【請求項31】
前記遺伝子導入試薬は、カチオン性高分子、カチオン性脂質、ポリアミン系試薬、ポリイミン系試薬およびリン酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1つの試薬を含む、請求項24に記載のデバイス。
【請求項32】
さらに、導入が意図される核酸を含む、請求項24に記載のデバイス。
【請求項33】
前記核酸はDNAである、請求項24に記載のデバイス。
【請求項34】
前記核酸は遺伝子をコードする配列を含む、請求項33に記載のデバイス。
【請求項35】
前記支持体は固体である、請求項24に記載のデバイス。
【請求項36】
前記支持体は液体である、請求項24に記載のデバイス。
【請求項37】
前記細胞接着分子は多量体形態である、請求項24に記載のデバイス。
【請求項38】
前記細胞接着分子は、三次元構造をとる、請求項24に記載のデバイス。
【請求項39】
前記細胞は、固相上での遺伝子導入が困難である細胞である、請求項24に記載のデバイス。
【請求項40】
前記細胞は、神経系の細胞である、請求項24に記載のデバイス。
【請求項41】
前記細胞は、神経系の細胞であり、前記細胞接着分子はコラーゲンを含む、請求項24に記載のデバイス。
【請求項42】
前記核酸の導入は、前記細胞が固相上に配置された状態で行われる、請求項24に記載のデバイス。
【請求項43】
前記細胞は、初代培養細胞を包含する、請求項24に記載のデバイス。
【請求項44】
前記細胞接着分子は、5μg/ml〜100μg/mlの濃度で存在する、請求項24に記載のデバイス。
【請求項45】
前記細胞接着分子は、前記支持体にコーティングされる、請求項24に記載のデバイス。
【請求項46】
前記細胞接着分子は、多層で前記支持体にコーティングされる、請求項24に記載のデバイス。
【請求項47】
前記核酸は、アレイ状で前記支持体に配置される、請求項32に記載のデバイス。
【請求項48】
前記細胞は、さらに、分化誘導される、請求項24に記載のデバイス。
【請求項49】
前記組成物は、分化誘導因子をさらに含む、請求項24に記載のデバイス。
【請求項50】
細胞の核酸導入効率を上昇させる方法であって、
A)細胞の核酸導入効率を改善するための組成物であって、
a)細胞接着分子;および
b)遺伝子導入試薬、
を含む、組成物を、導入が意図される核酸とともに、該細胞に提供する工程;ならびに
B)核酸が導入される条件に該細胞をさらす工程、
を包含する、方法。
【請求項51】
前記細胞接着分子は、細胞外マトリクスを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記細胞接着分子は、コラーゲン、ラミニンおよびフィブロネクチンからなる群より選択される少なくとも1つの細胞外マトリクスを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記細胞接着分子は、繊維形成コラーゲンまたは基底膜コラーゲンを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項54】
前記細胞接着分子は、繊維形成コラーゲンおよび基底膜コラーゲンを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項55】
前記細胞接着分子は、コラーゲンI型またはIV型を含む、請求項50に記載の方法。
【請求項56】
前記細胞接着分子は、コラーゲンI型およびIV型を含む、請求項50に記載の方法。
【請求項57】
前記遺伝子導入試薬は、カチオン性高分子、カチオン性脂質、ポリアミン系試薬、ポリイミン系試薬およびリン酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1つの試薬を含む、請求項50に記載の方法。
【請求項58】
前記組成物は固体である、請求項50に記載の方法。
【請求項59】
前記組成物は液体である、請求項50に記載の方法。
【請求項60】
前記細胞接着分子は多量体形態である、請求項50に記載の方法。
【請求項61】
前記細胞接着分子は、三次元構造をとる、請求項50に記載の方法。
【請求項62】
前記細胞は、固相上での遺伝子導入が困難である細胞である、請求項50に記載の方法。
【請求項63】
前記細胞は、神経系の細胞である、請求項50に記載の方法。
【請求項64】
前記細胞は、神経系の細胞であり、前記細胞接着分子はコラーゲンを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項65】
前記核酸の導入は、前記細胞が固相上に配置された状態で行われる、請求項50に記載の方法。
【請求項66】
前記細胞は、初代培養細胞を包含する、請求項50に記載の方法。
【請求項67】
前記核酸はDNAを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項68】
前記核酸は、遺伝子をコードする配列を含む、請求項50に記載の方法。
【請求項69】
前記組成物および前記核酸は、支持体に固定される、請求項50に記載の方法。
【請求項70】
前記支持体は、固体である、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記支持体は、液体である、請求項69に記載の方法。
【請求項72】
前記組成物および前記核酸を前記支持体に固定する工程をさらに包含する、請求項69に記載の方法。
【請求項73】
前記固定は、インクジェット方式でされる、請求項69に記載の方法。
【請求項74】
前記細胞接着分子は、前記支持体にコーティングされる、請求項69に記載の方法。
【請求項75】
前記細胞接着分子は、多層で前記支持体にコーティングされる、請求項69に記載の方法。
【請求項76】
前記核酸は、アレイ状で前記支持体に配置される、請求項69に記載の方法。
【請求項77】
前記細胞を分化誘導する工程をさらに包含する、請求項50に記載の方法。
【請求項78】
前記組成物は、分化誘導因子をさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項79】
細胞に核酸を導入するためのキットであって、
A)
a)細胞接着分子;および
b)遺伝子導入試薬、
を含む、組成物;ならびに
B)該組成物と、核酸とともに使用する方法を記載した指示書、
とを備える、キット。
【請求項80】
分化誘導因子をさらに備える、請求項79に記載のキット。
【請求項81】
a)細胞接着分子;およびb)遺伝子導入試薬、を含む、組成物の、細胞に遺伝子導入するための使用。
【請求項82】
前記組成物は、分化誘導因子をさらに含む、請求項81に記載の使用。
【請求項83】
固相上で細胞に核酸を導入するための組成物であって、該細胞は、核酸導入後も分化誘導する能力が保持される、組成物であって、
A)細胞接着分子;および
B)遺伝子導入試薬、
を含む、組成物。
【請求項84】
前記組成物は、分化誘導因子を含む、請求項83に記載の組成物。
【請求項85】
前記分化誘導因子は、細胞増殖因子を含む、請求項84に記載の組成物。
【請求項86】
前記細胞は神経であり、そして前記分化誘導因子は、神経成長因子(NGF)を含む、請求項84に記載の組成物。
【請求項87】
固相上で細胞に核酸を導入するための方法であって、
A)
a)細胞接着分子;および
b)遺伝子導入試薬、
を含む、組成物を、導入が意図される核酸とともに、該細胞に提供する工程;ならびに
B)核酸が導入される条件に該細胞をさらす工程、
を包含し、該細胞は、該核酸導入後も分化誘導する能力が保持される、
方法。
【請求項88】
前記組成物は、分化誘導因子を含む、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記分化誘導因子は、細胞増殖因子を含む、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記細胞は神経であり、そして前記分化誘導因子は、神経成長因子(NGF)を含む、請求項88に記載の方法。
【請求項91】
前記細胞を分化誘導させる工程をさらに包含する、請求項87に記載の方法。
【請求項92】
固相上で細胞に核酸を導入し、かつ、該細胞を分化誘導させるための組成物であって、
A)細胞接着分子;
B)遺伝子導入試薬;および
C)分化誘導因子
を含む、組成物。
【請求項93】
固相上で細胞に核酸を導入し、かつ、該細胞を分化誘導させるためのキットであって、
A)
a)細胞接着分子;および
b)遺伝子導入試薬を含む、組成物;ならびに
B)分化誘導因子
を備える、キット。
【請求項94】
固相上で細胞に核酸を導入し、かつ、該細胞を分化誘導させる方法であって、
A)
a)細胞接着分子;および
b)遺伝子導入試薬を含む、組成物を、導入が意図される核酸とともに、該細胞に提供する工程;ならびに
B)核酸が導入される条件に該細胞をさらす工程;および
C)該細胞を分化誘導する工程、
を包含する、方法。

【国際公開番号】WO2005/001090
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【発行日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−511153(P2005−511153)
【国際出願番号】PCT/JP2004/009568
【国際出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】