説明

細胞画像表示システム、細胞画像表示装置およびコンピュータプログラム

【課題】画像表示にかかる時間を短縮することが可能な細胞画像表示システム、細胞画像表示装置およびコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】この画像表示システム(細胞画像表示システム)1では、画像提供装置4は、複数の細胞を含む第1バーチャルスライド101を記憶するハードディスク44と、ハードディスク44により記憶された第1バーチャルスライド101を画像表示装置2に送信するように構成されたCPU41とを含み、画像表示装置2は、受信した第1バーチャルスライド101を記憶するRAM21cと、RAM21cに記憶された第1バーチャルスライド101から観察対象となる細胞を含む細胞画像を抽出するとともに、抽出した細胞画像を表示するように構成されたCPU21aとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞画像表示システム、細胞画像表示装置およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットを介して配信されるバーチャルスライド(標本画像)を用いて、顕微鏡の設置されている場所とは異なる場所で検体の観察を行うことが可能な細胞画像表示システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に記載の細胞画像表示システムでは、画像提供装置と、画像表示装置とを備え、画像提供装置からインターネットなどを介して送信されるバーチャルスライド(標本画像)を画像表示装置で表示することが可能である。また、この細胞画像表示システムの画像提供装置は、バーチャルスライドに加えて、バーチャルスライド内の個々の細胞を観察するためのサムネイル画像(細胞画像)を画像表示装置に送信することが可能なように構成されている。これにより、画像提供装置から送信されたサムネイル画像を画像表示装置で表示することが可能である。
【0004】
【特許文献1】特開2006−49964号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の細胞画像表示システムでは、サムネイル画像(細胞画像)を画像表示装置で表示することが可能である一方、画像提供装置から、バーチャルスライド(標本画像)に加えて、サムネイル画像を送信する必要があるので、送信の負荷が大きくなり、その結果、画像表示装置での画像表示に時間がかかるという不都合がある。このため、画像の表示速度が速い細胞画像表示システムが望まれる。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、画像表示にかかる時間を短縮することが可能な細胞画像表示システム、細胞画像表示装置およびコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による細胞画像表示システムは、画像提供装置と、画像表示装置とを備え、画像提供装置は、複数の細胞を含む第1標本画像を記憶する第1標本画像記憶手段と、第1標本画像記憶手段により記憶された第1標本画像を画像表示装置に送信する標本画像送信手段とを含み、画像表示装置は、標本画像送信手段により送信された第1標本画像を受信する標本画像受信手段と、標本画像受信手段により受信された第1標本画像を記憶する第2標本画像記憶手段と、第2標本画像記憶手段に記憶された第1標本画像から観察対象となる細胞を含む細胞画像を抽出するとともに、抽出した細胞画像を表示する細胞画像表示手段とを含む。
【0008】
この第1の局面による細胞画像表示システムでは、上記のように、画像提供装置に、複数の細胞を含む第1標本画像を画像表示装置に送信する標本画像送信手段を設け、かつ、画像表示装置に、第2標本画像記憶手段に記憶された第1標本画像から観察対象となる細胞を含む細胞画像を抽出するとともに抽出した細胞画像を表示する細胞画像表示手段を設けることによって、画像提供装置から標本画像送信手段により送信された第1標本画像を用いて、画像表示装置で細胞画像を表示することができるので、画像提供装置から画像表示装置に細胞画像を送信する必要がない。これにより、画像提供装置から第1標本画像および細胞画像の両方を送信する場合に比べて、送信の負荷が小さくなるので、画像表示にかかる時間を短縮することができる。また、第2標本画像記憶手段に細胞画像を記憶する必要がない分、第2標本画像記憶手段の記憶領域を小さくすることができる。
【0009】
上記第1の局面による細胞画像表示システムにおいて、好ましくは、画像提供装置は、第1標本画像における細胞画像の位置を示す位置情報を記憶する位置情報記憶手段と、位置情報記憶手段により記憶された位置情報を画像表示装置に送信する位置情報送信手段とをさらに含み、画像表示装置は、位置情報送信手段により送信された位置情報を受信する位置情報受信手段をさらに含み、画像表示装置の細胞画像表示手段は、位置情報受信手段により受信された位置情報に基づいて、第2標本画像記憶手段に記憶された第1標本画像から細胞画像を抽出するとともに、抽出した細胞画像を表示するように構成されている。このように構成すれば、位置情報に基づいて、第1標本画像の所定の領域を細胞画像として容易に表示することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、画像表示装置は、第1標本画像の少なくとも一部の領域を表示する標本画像表示手段と、標本画像表示手段により表示された第1標本画像上に選択領域を設定する選択領域設定手段と、選択領域設定手段により設定された選択領域に対応する位置を、位置情報として登録する位置情報登録手段とをさらに含む。このように構成すれば、ユーザが観察を望む細胞に対して選択領域を設定することによって、位置情報登録手段により、所望の細胞の位置情報を登録することができる。これにより、登録した位置情報に基づいて、容易に、所望の細胞画像を画像表示装置で表示することができる。
【0011】
上記第1の局面による細胞画像表示システムにおいて、好ましくは、画像表示装置は、細胞画像表示手段により表示される細胞画像に関するコメントの入力を受け付けるコメント入力手段をさらに含む。このように構成すれば、画像表示装置において、細胞画像とともに、細胞画像に関するコメントを確認することができる。これにより、たとえば、複数のユーザが異なる画像表示装置を用いて、同じ細胞画像の観察を行う場合に、コメント入力手段により入力されたコメントを用いて、所定の細胞画像に関する情報交換を行うことができる。
【0012】
上記第1の局面による細胞画像表示システムにおいて、好ましくは、画像表示装置は、第1標本画像の少なくとも一部の領域を表示する標本画像表示手段と、細胞画像表示手段により表示された細胞画像を含む第1標本画像の所定の領域が表示されるように、標本画像表示手段による表示を制御する表示制御手段とをさらに含む。このように構成すれば、細胞画像表示手段により表示された細胞画像が標本画像表示手段により表示されていない場合にも、表示制御手段により、容易に、細胞画像の周辺を含む所定の領域を標本画像表示手段により表示することができる。これにより、ユーザは、容易に、細胞画像周辺の領域を視認することができる。
【0013】
上記第1の局面による細胞画像表示システムにおいて、好ましくは、第1標本画像記憶手段は、第1標本画像に加えて、第1標本画像をすべて含む第1標本画像よりも拡大倍率が小さい第2標本画像と、第2標本画像をすべて含む第2標本画像よりも拡大倍率が小さい第3標本画像とを記憶し、標本画像送信手段は、第1標本画像に加えて、第2標本画像と第3標本画像とを送信し、画像表示装置の標本画像受信手段は、第1標本画像に加えて、第2標本画像と第3標本画像とを受信し、第2標本画像記憶手段は、第1標本画像に加えて、第2標本画像と第3標本画像とを記憶し、画像表示装置は、第1標本画像と第2標本画像と第3標本画像とを表示する標本画像表示手段をさらに含む。このように構成すれば、第1標本画像に加えて、第2標本画像および第3標本画像を画像表示装置で表示することができるので、第2標本画像および第3標本画像を用いて、第1標本画像周辺の画像を容易に視認することができる。
【0014】
この場合、好ましくは、標本画像表示手段は、第3標本画像上に、標本全体における第2標本画像の位置を示す位置表示を表示するように構成されている。このように構成すれば、ユーザは、容易に、第3標本画像における第2標本画像の位置を認識することができる。
【0015】
上記第1の局面による細胞画像表示システムにおいて、好ましくは、第1標本画像記憶手段は、第1標本画像に加えて、第1標本画像と拡大倍率が異なる第4標本画像とを記憶し、標本画像送信手段は、第1標本画像に加えて、第4標本画像を送信し、標本画像受信手段は、第1標本画像に加えて、第4標本画像を受信し、第2標本画像記憶手段は、第1標本画像に加えて、第4標本画像を記憶し、画像表示装置は、第1標本画像と第4標本画像とを選択的に表示する標本画像表示手段をさらに含む。このように構成すれば、第1標本画像に加えて、第1標本画像とは拡大倍率が異なる第4標本画像を画像表示装置で表示することができるので、ユーザは、拡大倍率の異なる複数の標本画像を画像表示装置で視認することができる。
【0016】
この場合、好ましくは、標本画像表示手段は、選択されたタブに応じて第1標本画像と第4標本画像とを切り替えるように構成されている。このように構成すれば、ユーザは、タブを選択することによって、容易に、第1標本画像および第4標本画像を切り替えながら、拡大倍率の異なる標本画像を視認することができる。
【0017】
上記第1標本画像記憶手段が第4標本画像を記憶する構成において、好ましくは、第1標本画像および第4標本画像は、それぞれ、拡大倍率が異なる複数の標本画像を有し、画像表示装置は、第1標本画像の複数の標本画像の表示の切り替え指示、および、第4標本画像の複数の標本画像の表示の切り替え指示を受け付ける表示切替受付手段をさらに含み、標本画像表示手段は、表示切替受付手段により受け付けられた標本画像の表示の切り替え指示に基づいて、第1標本画像および第4標本画像それぞれの複数の標本画像の表示を切り替えるように構成されている。このように構成すれば、ユーザは、表示の切り替え指示により複数の標本画像を切り替えながら、拡大倍率の異なる複数の標本画像を視認することができる。
【0018】
この発明の第2の局面による画像表示装置は、複数の細胞を含む標本画像を記憶する標本画像記憶手段と、標本画像記憶手段に記憶された標本画像から観察対象となる細胞を含む細胞画像を抽出するとともに、抽出した細胞画像を表示する細胞画像表示手段とを備える。
【0019】
この第2の局面による画像表示装置では、上記のように、標本画像記憶手段に記憶された標本画像から観察対象となる細胞を含む細胞画像を抽出するとともに、抽出した細胞画像を表示する細胞画像表示手段を設けることによって、標本画像を用いて、画像表示装置で細胞画像を表示することができるので、画像提供装置などから画像表示装置に細胞画像を送信する必要がない。これにより、画像提供装置などから標本画像および細胞画像の両方を送信する場合に比べて、送信の負荷が小さくなるので、画像表示にかかる時間を短縮することができる。また、標本画像記憶手段に細胞画像を記憶する必要がない分、標本画像記憶手段の記憶領域を小さくすることができる。
【0020】
この発明の第3の局面によるコンピュータプログラムは、コンピュータを、複数の細胞を含む標本画像を記憶する標本画像記憶手段と、標本画像記憶手段に記憶された標本画像から観察対象となる細胞を含む細胞画像を抽出するとともに、抽出した細胞画像を表示する細胞画像表示手段として機能させる。
【0021】
この第3の局面によるコンピュータプログラムでは、上記のように、コンピュータを、標本画像記憶手段に記憶された標本画像から観察対象となる細胞を含む細胞画像を抽出するとともに、抽出した細胞画像を表示する細胞画像表示手段として機能させることによって、たとえば、このコンピュータを画像表示装置に用いれば、標本画像を用いて、画像表示装置で細胞画像を表示することができるので、画像提供装置などから画像表示装置に細胞画像を送信する必要がない。これにより、画像提供装置などから標本画像および細胞画像の両方を送信する場合に比べて、送信の負荷が小さくなるので、画像表示にかかる時間を短縮することができる。また、標本画像記憶手段に細胞画像を記憶する必要がない分、標本画像記憶手段の記憶領域を小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態による画像表示システムの全体構成を示した模式図である。図2は、図1に示した一実施形態による画像表示システムの画像表示装置の構成を示すブロック図である。図3〜図6は、図1に示した一実施形態による画像表示システムの構成を説明するための図である。まず、図1〜図6を参照して、本発明の一実施形態による画像表示システム1の構成について説明する。
【0024】
本発明の一実施形態による画像表示システム1は、図1に示すように、画像表示装置2と、画像作成装置3と、画像提供装置4とを備えている。また、画像表示装置2、画像作成装置3および画像提供装置4は、互いにデータ通信が可能なようにLANまたはインターネットなどの通信ネットワークにより接続されている。また、画像作成装置3および画像提供装置4は、たとえば、病院または病理検査施設などの医療機関の施設内に設けられている。
【0025】
画像表示装置2は、図2に示すように、本体部21と、画像表示部22と、入力部23とを含むコンピュータにより構成されている。また、本体部21は、CPU21aと、ROM21bと、RAM21cと、ハードディスク21dと、読出装置21eと、入出力インターフェース21fと、通信インターフェース21gと、画像出力インターフェース21hとから主として構成されている。
【0026】
CPU21aは、ROM21bおよびハードディスク21dに記憶されているコンピュータプログラムを実行するために設けられている。また、CPU21aは、RAM21cにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。
【0027】
ROM21bは、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROMなどにより構成され、CPU21aにより実行されるコンピュータプログラムなどを記憶している。
【0028】
RAM21cは、SRAMまたはDRAMなどにより構成されている。また、RAM21cは、ROM21bおよびハードディスク21dに記憶されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、RAM21cは、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU21aの作業領域として利用される。
【0029】
ハードディスク21dは、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU21aに実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。なお、本実施形態の画像表示装置として機能するためのコンピュータプログラム24aもハードディスク21dにインストールされている。
【0030】
読出装置21eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、DVD−ROMドライブなどにより構成されており、可搬型記録媒体24に記憶されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことが可能である。これにより、たとえば、読出装置21eを用いて可搬型記録媒体24からコンピュータプログラム24aを読み出し、その読み出されたコンピュータプログラム24aをハードディスク21dにインストールすることが可能である。なお、コンピュータプログラム24aは、可搬型記録媒体24によって提供されるのみならず、本実施形態による画像表示装置2と通信可能に接続された外部のPCなどから電気通信回線(有線、無線を問わない)を通じて提供されることも可能である。たとえば、コンピュータプログラム24aがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータに本実施形態による画像表示装置2が電気通信回線を通じてアクセスするとともにコンピュータプログラム24aをダウンロードして、このダウンロードしたコンピュータプログラム24aをハードディスク21dにインストールすることも可能である。また、ハードディスク21dには、たとえば、米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのグラフィカルユーザインターフェイス環境を提供するオペレーティングシステムがインストールされている。なお、本実施形態によるコンピュータプログラム24aは、上記したオペレーティングシステム上で動作する。
【0031】
入出力インターフェース21fは、たとえば、USB、IEEE1394、RS−232Cなどのシリアルインターフェース、SCSI、IDE、IEEE1284などのパラレルインターフェース、および、D/A変換器、A/D変換器などからなるアナログインターフェースなどから構成されている。また、入出力インターフェース21fは、キーボードおよびマウスからなる入力部23を接続可能に構成され、ユーザ(たとえば、検査技師や検査医など)は、入力部23を用いて画像表示装置2にデータを入力することが可能である。
【0032】
通信インターフェース21gは、たとえば、Ethernet(登録商標)インターフェースであり、所定の通信プロトコルを用いて、画像表示装置2を通信ネットワークに接続している。これにより、画像表示装置2と通信ネットワークに接続された画像提供装置4との間でデータの送受信が可能である。
【0033】
画像出力インターフェース21hは、LCDまたはCRTなどで構成された画像表示部22に接続されており、CPU21aから与えられた画像データに応じた映像信号を画像表示部22に出力するように構成されている。そして、画像表示部22は、画像出力インターフェース21hが出力した映像信号に基づいて、画像を表示するように構成されている。
【0034】
画像作成装置3は、血液塗抹標本に含まれる血液細胞を高倍率撮像したバーチャルスライドを作成するために設けられている。また、画像作成装置3は、複数の対物レンズを有する光学顕微鏡31と、画像を撮像する3CCDカメラ32と、XYZ方向に自動的に位置調整を行うことが可能な顕微鏡用の自動ステージ33と、自動ステージ33の位置制御を行うための制御装置34およびジョイスティック35と、自動ステージ33の位置制御を行うとともに、フォーカス合成を行うためのコンピュータ36とを含んでいる。また、コンピュータ36は、画像信号伝送ケーブル37を介して3CCDカメラ32に接続されているとともに、制御信号伝送ケーブル38を介して制御装置34およびジョイスティック35に接続されている。
【0035】
ここで、本実施形態では、画像作成装置3は、複数の対物レンズを用いて、拡大倍率の異なる複数のバーチャルスライドを作成するように構成されている。具体的には、画像作成装置3は、低倍率の画像として、拡大倍率が約100倍相当の第1バーチャルスライド101、および、拡大倍率が約200倍相当の第1バーチャルスライド102を作成するように構成されている。また、画像作成装置3は、第1バーチャルスライド101および102の領域をすべて含み、第1バーチャルスライド101および102よりも拡大倍率が小さい(拡大倍率が約1倍相当)第2バーチャルスライド103、および、第2バーチャルスライド103の領域をすべて含み、第2バーチャルスライド103よりも拡大倍率が小さい(拡大倍率が約0.2倍相当)第3バーチャルスライド104を作成するように構成されている。なお、第3バーチャルスライド104は、画像作成装置3で撮像される血液塗抹標本のほぼ全体が含まれるように作成されている。
【0036】
さらに、画像作成装置3は、高倍率の画像として、拡大倍率が約100倍相当の第1バーチャルスライド105、拡大倍率が約200倍相当の第1バーチャルスライド106、拡大倍率が約400倍相当の第1バーチャルスライド107、および、拡大倍率が約600倍相当の第1バーチャルスライド108を作成するように構成されている。また、画像作成装置3は、第1バーチャルスライド105〜108の領域をすべて含み、第1バーチャルスライド105〜108よりも拡大倍率が小さい(拡大倍率が約3倍相当)第2バーチャルスライド109、および、第2バーチャルスライド109の領域をすべて含み、第2バーチャルスライド109よりも拡大倍率が小さい(拡大倍率が約0.2倍相当)第3バーチャルスライド110を作成するように構成されている。なお、第3バーチャルスライド110は、画像作成装置3で撮像される血液塗抹標本のほぼ全体が含まれるように作成されている。
【0037】
コンピュータ36は、CPU、ROM、RAM、ハードディスクなどを有しており、ハードディスクには、自動ステージ33の位置制御、フォーカス合成、および画像タイリングを行うためのコンピュータプログラムが格納されている。また、コンピュータ36は、内蔵する通信インターフェースが通信ネットワークに接続されており、画像表示装置2や画像提供装置4などの他の装置とデータ通信することが可能に構成されている。
【0038】
画像提供装置4は、画像作成装置3によって作成されたバーチャルスライドの管理や画像表示装置2などの外部装置へのバーチャルスライドの提供を行うために設けられている。また、図3に示すように、画像提供装置4は、CPU41と、ROM42と、RAM43と、ハードディスク44と、読出装置45と、通信インターフェース46とを含むコンピュータ4aによって構成されている。
【0039】
CPU41は、ROM42に記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM43にロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、CPU41が、これらのコンピュータプログラムを実行することによって、コンピュータ4aが本実施形態の画像提供装置4として機能する。
【0040】
ROM42は、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROMなどにより構成され、CPU41により実行されるコンピュータプログラムなどを記憶している。
【0041】
RAM43は、SRAMまたはDRAMなどにより構成されている。また、RAM43は、ROM42およびハードディスク44に記憶されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、RAM43は、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU41の作業領域として利用される。
【0042】
ハードディスク44は、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU41に実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。なお、本実施形態の画像提供装置として機能するためのコンピュータプログラム47aもハードディスク44にインストールされている。
【0043】
また、本実施形態では、ハードディスク44には、低倍率画像用のデータベースとして、低倍率バーチャルスライドデータベース44a、および、低倍率細胞画像用データベース44bが設けられているとともに、高倍率画像用のデータベースとして、高倍率バーチャルスライドデータベース44c、および、高倍率細胞画像用データベース44dが設けられている。さらに、ハードディスク44には、患者情報データベース44eが設けられており、これらのデータベース44a〜44eは、それぞれ、検体番号などの識別情報を相互に関連付けて各種データを格納している。
【0044】
低倍率バーチャルスライドデータベース44aには、図4に示すように、画像作成装置3により作成された第1バーチャルスライド101、102、第2バーチャルスライド103、および、第3バーチャルスライド104の各画像データが格納されている。また、高倍率バーチャルスライドデータベース44cには、図5に示すように、画像作成装置3により作成された第1バーチャルスライド105〜108、第2バーチャルスライド109、および、第3バーチャルスライド110の各画像データが格納されている。
【0045】
低倍率細胞画像用データベース44bには、図6に示すように、細胞画像番号、位置情報(XおよびY方向)および画像種番号が、互いに対応付けられて格納されている。ここで、細胞画像番号とは、後述する低倍率用登録画面220(図12参照)の細胞画像表示領域225の9個の細胞画像枠に対応した番号である。位置情報とは、細胞画像表示領域225に表示された各細胞画像の表示中心の位置を示した座標である。なお、本実施形態では、座標原点を、各画面の第2表示領域の左上端点に設定している。また、画像種番号は、細胞画像表示領域225に表示される細胞画像に用いられる画像データを識別するための番号である。具体的には、画像種番号が「1」の場合には、対応する細胞画像に拡大倍率が約100倍相当の第1バーチャルスライド101が用いられ、画像種番号が「2」の場合には、対応する細胞画像に拡大倍率が約200倍相当の第1バーチャルスライド102が用いられることを意味している。なお、高倍率細胞画像用データベース44dでは、画像種番号について、低倍率細胞画像用データベース44bと異なり、第1バーチャルスライド105〜108のいずれの画像データが細胞画像に用いられる画像データであるかを、「1」、「2」、「3」および「4」の4つの画像種番号により識別する。具体的には、「1」は、拡大倍率が約100倍相当の第1バーチャルスライド105に対応し、「2」は、拡大倍率が約200倍相当の第1バーチャルスライド106に対応し、「3」は、拡大倍率が約400倍相当の第1バーチャルスライド107に対応し、「4」は、拡大倍率が約600倍相当の第1バーチャルスライド108に対応している。その他の構成については、低倍率細胞画像用データベース44bと同様である。
【0046】
読出装置45は、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、DVD−ROMドライブなどにより構成されており、可搬型記録媒体47に記憶されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことが可能である。また、可搬型記録媒体47には、コンピュータを本実施形態の画像提供装置として機能させるためのコンピュータプログラム47aが格納されており、コンピュータ4aが可搬型記録媒体47からコンピュータプログラム47aを読み出し、その読み出されたコンピュータプログラム47aをハードディスク44にインストールすることが可能である。
【0047】
なお、このコンピュータプログラム47aは、可搬型記録媒体47によって提供されるのみならず、本実施形態による画像提供装置4と通信可能に接続された外部のPCなどから電気通信回線(有線、無線を問わない)を通じて提供されることも可能である。たとえば、コンピュータプログラム47aがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ4aがアクセスするとともに、コンピュータプログラム47aをダウンロードして、これをハードディスク44にインストールすることも可能である。
【0048】
通信インターフェース46は、たとえば、Ethernet(登録商標)インターフェースであり、所定の通信プロトコルを用いて、画像提供装置4を通信ネットワークに接続している。これにより、画像提供装置4と通信ネットワークに接続された画像表示装置2および画像作成装置3との間でデータの送受信が可能である。
【0049】
図7は、図1に示した一実施形態による画像表示システムの画像表示装置および画像提供装置の画像表示処理を示すフローチャートである。次に、図7を参照して、本発明の一実施形態による画像表示システム1の画像表示装置2および画像提供装置4の画像表示処理について詳細に説明する。
【0050】
まず、図7のステップS1において、画像作成装置3により作成されたバーチャルスライド101〜110が、それぞれ画像提供装置4の対応するデータベース44a〜44dに記憶される。この際、各バーチャルスライドは、患者情報データベース44eに記憶される患者情報と関連付けて記憶される。
【0051】
画像表示装置2では、ステップS11において、ユーザからの表示指示の有無が判断され、表示指示があった場合には、ステップS12において、バーチャルスライドおよび位置情報送信依頼信号が、通信ネットワークを介して画像提供装置4に送信される。
【0052】
そして、ステップS2において、画像提供装置4側で、バーチャルスライドおよび位置情報送信依頼信号が受信されたか否かが判断され、受信するまでこの判断が繰り返される。受信した場合には、ステップS3において、各種データベース44a〜44dに記憶されているバーチャルスライド101〜110および細胞画像の位置情報が、通信ネットワークを介して画像表示装置2に送信される。この際、細胞画像については、画像データは送信されず、比較的データ容量の小さい位置情報だけが送信される。なお、位置情報は、細胞画像番号および画像種番号に対応付けられて送信される。
【0053】
そして、ステップS13において、送信されたバーチャルスライド101〜110および位置情報が、画像表示装置2で受信されたか否かが判断され、受信されると、ステップS14において、受信されたバーチャルスライド101〜110および位置情報がRAM21cに一時的に記憶される。一方、受信されない場合には、動作がステップS15に移行される。なお、画像提供装置4におけるステップS3、画像表示装置2におけるステップS13およびステップS14の動作は、ステップS17で、ユーザからのシャットダウン指示があるまで継続して行われる。これにより、たとえば、画像提供装置4の細胞画像データベース44bまたは44dに、新たな細胞画像の情報が追加された場合にも、画像表示装置2のRAM21cには、常に最新の情報が記憶される。
【0054】
その後、ステップS15において、画像表示装置2の画像表示部22に表示されたWebブラウザのタブ201〜205(図10参照)が選択されているか否かが判断される。なお、本実施形態では、Webブラウザを用いて、バーチャルスライド101〜110および細胞画像を、画像表示装置2の画像表示部22に表示することが可能である。タブが選択されている場合には、ステップS16において、表示処理が行われ、タブが選択されていない場合には、ステップS17に移行される。
【0055】
図8は、図7に示した画像表示処理のステップS16における表示処理を示したフローチャートである。ここで、図8を参照して、図7に示した画像表示処理のステップS16における表示処理について説明する。
【0056】
まず、図8のステップS21において、Webブラウザの観察(低倍領域)タブ201が選択されたか否かが判断され、選択されていない場合には、ステップS22〜S25において、順次、登録(低倍領域)タブ202、観察(高倍領域)タブ203、登録(高倍領域)タブ204、または、患者情報タブ205のいずれのタブが選択されているかが判断される。そして、ステップS26〜S30において、選択されたタブに応じて、各画面の表示処理が行われる。
【0057】
ここで、図9は、図8に示した表示処理のステップS26における低倍率用観察画面の表示処理を示したフローチャートである。図10は、図1に示した一実施形態による画像表示システムの画像表示装置に表示される低倍率用観察画面を示した図である。次に、図9および図10を参照して、図8に示した表示処理のステップS26における低倍率用観察画面210の表示処理について説明する。
【0058】
まず、図9に示すステップS31において、観察(低倍領域)タブ201が、装置起動後に初めて選択されたか、または、他のタブから変更されて選択されたかが判断される。初めて選択された場合には、ステップS32において、第1バーチャルスライド101の初期領域が低倍率用観察画面210の第1表示領域211(図10参照)に表示される。なお、第1表示領域211には、第1バーチャルスライド101の一部の領域だけが表示される。そして、ステップS33において、第2バーチャルスライド103が低倍率用観察画面210の第2表示領域212に表示される。第2表示領域212には、第2バーチャルスライド103のすべての領域が表示される。この際、第2表示領域212の第2バーチャルスライド103上には、第1表示領域211に表示されている第1バーチャルスライド101の位置が認識可能なように、対応位置に十字マーク212aが表示される。なお、第1バーチャルスライド101の初期領域とは、座標原点を表示中心とする領域であり、第2バーチャルスライド103上に表示される十字マーク212aが、第2表示領域212の左上端部に位置する際に表示される領域である。
【0059】
一方、観察(低倍領域)タブ201が、他のタブから変更されて選択された場合には、ステップS39において、登録(低倍領域)タブ202からの変更であるか否かが判断される。登録(低倍領域)タブ202からの変更である場合には、ステップS40において、タブ変更直前に、低倍率用登録画面220(図12参照)の第1表示領域221に表示されていた第1バーチャルスライド101の表示領域が、低倍率用観察画面210の第1表示領域211に表示される。すなわち、画像表示部22の表示画面が、低倍率用登録画面220から低倍率用観察画面210に切り替えられた場合に、低倍率用観察画面210の第1表示領域211には、低倍率用登録画面220の第1表示領域221に表示されていたのと同じ領域で、第1バーチャルスライド101が表示される。また、低倍率用観察画面210の第1表示領域211は、低倍率用登録画面220の第1表示領域221と表示可能な領域の大きさが異なるが、それぞれの表示領域の中心点が一致するように、低倍率用観察画面210の第1表示領域211に第1バーチャルスライド101が表示される。なお、低倍率用登録画面220で拡大倍率が約200倍相当の第1バーチャルスライド102が表示されていた場合には、低倍率用観察画面210の第1表示領域211には、拡大倍率が約200倍相当の第1バーチャルスライド102の対応する領域が表示される。その後、ステップS33に移行される。
【0060】
ステップS39で、登録(低倍領域)タブ202からの変更ではないと判断された場合には、ステップS41において、前回、観察(低倍領域)タブ201が選択されていたときに、他のタブに変更される直前に表示されていたのと同じ領域で、第1バーチャルスライド101または102が低倍率用観察画面210の第1表示領域211に表示される。これにより、たとえば、ユーザが、低倍率用観察画面210において、第1バーチャルスライド101の所定の観察領域を表示させた後、一旦、患者情報を確認するために患者情報タブ205を選択し、その後、再度観察(低倍領域)タブ201を選択した場合にも、低倍率用観察画面210の第1表示領域211には、第1バーチャルスライド101の上記の所定の観察領域が表示される。その結果、ユーザが再度所定の観察領域を見つけ出す必要がないので、ユーザの負担が軽減される。その後、ステップS33に移行される。
【0061】
そして、ステップS34において、第3バーチャルスライド104が低倍率用観察画面210の第3表示領域213に表示される。第3表示領域213には、第3バーチャルスライド104のすべての領域が表示される。この際、第3表示領域213の第3バーチャルスライド104上には、第2バーチャルスライド103の位置が認識可能なように、第2バーチャルスライド103の表示領域を示す矩形マーク213aが表示される。なお、第2バーチャルスライド103の表示領域は、画像作成装置3において画像を作成する際に、医師などの指示のもとで観察するのに最適な領域として決定されている。その後、ステップS35において、第1表示領域211に表示される第1バーチャルスライド101の表示領域が変更されたか否かが判断される。
【0062】
ここで、第1表示領域211に表示される第1バーチャルスライド101または102の表示領域の変更方法について説明する。第1表示領域211には、第1バーチャルスライド101または102の一部の領域だけが表示されており、ユーザは、低倍率用観察画面210上に表示された移動キー214を用いて、第1表示領域211に表示される領域を所望の領域に変更することが可能である。具体的には、移動キー214として、上下左右方向の8つの方向キーが表示されており、それぞれの方向に、1回のクリックで移動量が大きいキー(2つの三角表示)と移動量が小さいキー(1つの三角表示)との2つの移動キーが設けられている。これらの移動キーを操作することにより、第1表示領域211に表示される領域を第1バーチャルスライド101または102の所望の領域に変更することが可能である。また、ユーザは、移動キー214を用いた場合と同様に、キーボードの十字キーを用いても、第1表示領域211に表示される領域を第1バーチャルスライド101または102の所望の領域に変更することが可能である。また、第1表示領域211の左上端部には、位置情報表示領域215が設けられており、位置情報表示領域215には、第1表示領域211に現在表示されている表示領域の中心座標が表示される。ユーザは、この位置情報表示領域215に直接座標値を入力して切替ボタン216をクリックすることによっても、第1表示領域211に表示される領域を第1バーチャルスライド101または102の所望の領域に変更することが可能である。この方法は、たとえば、ユーザが予め所望の領域の座標値を知っている場合に有効である。なお、位置情報表示領域215には、左側から順に、X座標値、Y座標値および画像種番号が表示される。
【0063】
そして、ステップS35の判断において、表示領域が変更されていない場合には、ステップS37に移行される。一方、変更された場合には、ステップS36において、第1バーチャルスライド101または102の表示領域が変更されるとともに、第2表示領域212に表示された第2バーチャルスライド103上の十字マーク212aが、第1表示領域211に表示された第1バーチャルスライド101または102の表示領域に対応するように移動される。
【0064】
その後、ステップS37において、ユーザからの第1表示領域211の拡大または縮小の指示があったか否かが判断され、指示がない場合には、そのまま表示処理動作が終了される。拡大または縮小の指示があった場合には、ステップS38において、第1バーチャルスライド101または102の切り替えが行われる。具体的には、ユーザは、移動キー214の中央部に設けられた拡大ボタン217aおよび縮小ボタン217bを用いて、拡大または縮小指示を行うことが可能である。たとえば、拡大倍率が約100倍相当の第1バーチャルスライド101が第1表示領域211に表示されているときに、拡大ボタン217aをクリックすると、拡大倍率が約200倍相当の第1バーチャルスライド102が、中心座標が同じ状態で、第1表示領域211に表示される。すなわち、同位置を示す画像が2倍に拡大されて表示される。その後、縮小ボタン217bをクリックすると、再度、拡大倍率が約100倍相当の第1バーチャルスライド101が表示される。なお、低倍率用の画面(低倍率用観察画面210および低倍率用登録画面220)においては、第1バーチャルスライドとして、拡大倍率が約100倍相当の第1バーチャルスライド101、および、拡大倍率が約200倍相当の第1バーチャルスライド102の2つの画像が低倍率バーチャルスライドデータベース44aに記憶されているため、拡大倍率が異なる画像を2段階(約100倍相当または約200倍相当の2段階)で切り替えることが可能である。また、ユーザは、位置情報表示領域215の画像種番号の欄に、直接画像種番号を入力しても、第1表示領域211に表示される画像を切り替えることが可能である。そして、低倍率用観察画面210の表示処理動作が終了される。
【0065】
図11は、図8に示した表示処理のステップS27における低倍率用登録画面の表示処理を示したフローチャートである。図12は、図1に示した一実施形態による画像表示システムの画像表示装置に表示される低倍率用登録画面を示した図である。次に、図6、図11および図12を参照して、図8に示した表示処理のステップS27における低倍率用登録画面220の表示処理について説明する。
【0066】
まず、図11に示すステップS51において、登録(低倍領域)タブ202が、装置起動後に初めて選択されたか、または、他のタブから変更されて選択されたかが判断される。初めて選択された場合には、ステップS52において、第1バーチャルスライド101の初期領域が低倍率用登録画面220の第1表示領域221(図12参照)に表示される。そして、ステップS53において、第2バーチャルスライド103が低倍率用登録画面220の第2表示領域222に表示される。この際、第2表示領域222の第2バーチャルスライド103上には、第1表示領域221に表示されている第1バーチャルスライド101の位置が認識可能なように、対応位置に十字マーク222aが表示される。
【0067】
一方、登録(低倍領域)タブ202が、他のタブから変更されて選択された場合には、ステップS67において、観察(低倍領域)タブ201からの変更であるか否かが判断される。観察(低倍領域)タブ201からの変更である場合には、ステップS68において、タブ変更直前に、低倍率用観察画面210(図10参照)の第1表示領域211に表示されていた第1バーチャルスライド101の表示領域が、低倍率用登録画面220の第1表示領域221に表示される。すなわち、画像表示部22の表示画面が、低倍率用観察画面210から低倍率用登録画面220に切り替えられた場合に、低倍率用登録画面220の第1表示領域221には、低倍率用観察画面210の第1表示領域211に表示されていたのと同じ領域で、第1バーチャルスライド101が表示される。なお、低倍率用観察画面210で拡大倍率が約200倍相当の第1バーチャルスライド102が表示されていた場合には、低倍率用登録画面220の第1表示領域221には、拡大倍率が約200倍相当の第1バーチャルスライド102の対応する領域が表示される。その後、ステップS53に移行される。
【0068】
ステップS67で、観察(低倍領域)タブ201からの変更ではないと判断された場合には、ステップS69において、前回、登録(低倍領域)タブ202が選択されていたときに、他のタブに変更される直前に表示されていたのと同じ領域で、第1バーチャルスライド101または102が低倍率用登録画面220の第1表示領域221に表示される。その後、ステップS53に移行される。
【0069】
そして、ステップS54において、第3バーチャルスライド104が低倍率用登録画面220の第3表示領域223に表示される。この際、第3表示領域223の第3バーチャルスライド104上には、第2バーチャルスライド103の位置が認識可能なように、第2バーチャルスライド103の表示領域を示す矩形マーク223aが表示される。なお、低倍率用登録画面220の第2表示領域222および第3表示領域223には、それぞれ、低倍率用観察画面210の第2表示領域212および第3表示領域213と同じ表示がされる。
【0070】
そして、ステップS55において、第1表示領域221に表示された第1バーチャルスライド101の表示中央部の所定領域に、選択領域マーク221aが表示される。その後、ステップS56において、登録済みの細胞画像があるか否かが判断され、ある場合には、ステップS57において、細胞画像の抽出および表示動作が行われる。ここで、登録済みの細胞画像があるとは、画像提供装置4の低倍率細胞画像用データベース44b(図6参照)に、位置情報および画像種番号が対応付けられた細胞画像が存在することを意味し、位置情報および画像種番号が対応付けられている細胞画像ごとに、位置情報および画像種番号に基づいて、第1バーチャルスライド101または102から細胞画像が抽出される。そして、抽出された細胞画像は、低倍率用登録画面220の細胞画像表示領域225に表示される。また、細胞画像表示領域225には、9個の細胞画像を表示することが可能であり、低倍率細胞画像用データベース44bに記憶された細胞画像番号と対応するように、上段左から順に、1番〜9番まで細胞画像番号が割り振られている。これにより、たとえば、図6に示すように、低倍率細胞画像用データベース44bに記憶された1番の細胞画像の位置情報が、X方向2350およびY方向394であり、画像種番号が「1」である場合、細胞画像表示領域225の1番の細胞画像枠には、拡大倍率が約100倍相当の第1バーチャルスライド101の対応する領域(中心座標がX方向2350およびY方向394)が表示される。この際、細胞画像表示領域225に表示される細胞画像には、細胞画像用の別個の画像データが用いられるのではなく、第1表示領域221に表示されている第1バーチャルスライド101が用いられ、細胞画像として、第1バーチャルスライド101内の対応する領域(中心座標がX方向2350およびY方向394)が表示されているだけである。なお、細胞画像が複数登録されている場合にも、上記と同様に、対応する番号の細胞画像が細胞画像表示領域225に表示される。また、細胞画像表示領域225に表示された各細胞画像の中心座標は、細胞画像枠ごとに設けられた位置情報表示領域225aに表示される。
【0071】
次に、ステップS58において、登録ボタン225bがクリックされたか否かが判断され、クリックされた場合には、ステップS59において、第1表示領域221の第1バーチャルスライド101上に表示された選択領域マーク221aの中心座標が、クリックされた登録ボタン225bに対応する番号の細胞画像の位置情報としてRAM21cに一時的に記憶される。そして、ステップS60において、ステップS57と同様に、細胞画像の抽出および表示動作が行われる。これにより、たとえば、移動キー224を用いて、ユーザが所望する細胞を発見し、選択領域マーク221a内に所望の細胞が配置されるように表示領域を変更した場合に、細胞画像表示領域225の5番の細胞画像枠の登録ボタン225bをクリックすると、選択領域マーク221aに囲まれた所望の細胞を含む画像が、5番の細胞画像として表示される。また、RAM21cに一時的に記憶される位置情報は、通信ネットワークを介して画像提供装置4に送信され、低倍率細胞画像用データベース44bに記憶される。また、この細胞画像に用いられている画像データが、拡大倍率が約100倍相当の第1バーチャルスライド101であるか、または、約200倍相当の第1バーチャルスライド102であるかを示す画像種番号も、位置情報とともに、細胞画像番号に対応付けられて画像提供装置4に送信される。
【0072】
また、細胞画像表示領域225の細胞画像枠ごとにコメント欄225cが設けられており、ユーザは、各細胞画像についてのコメントを入力することが可能である。そして、このコメント情報も各細胞画像に対応付けられて、通信ネットワークを介して画像提供装置4に送信される。この画像表示システム1では、上記のように、各細胞画像に関する情報が、画像提供装置4で一括管理されるとともに、通信ネットワークを介して、画像提供装置4および画像表示装置2の間で、継続して各種データの送受信が行われている。
【0073】
次に、ステップS61において、表示ボタン225dがクリックされたか否かが判断され、クリックされた場合には、ステップS62において、クリックされた表示ボタン225dに対応する細胞画像が第1表示領域221に表示されるように、第1表示領域221に表示される第1バーチャルスライド101または102の表示領域が変更される。たとえば、4番の細胞画像の表示ボタン225dがクリックされた場合には、4番の細胞画像の表示領域が、第1表示領域221の選択領域マーク221a内に配置されるように、第1バーチャルスライド101の表示領域が変更される。この際、第2表示領域222の十字マーク222aも、対応する位置に移動される。
【0074】
ステップS63では、第1表示領域221に表示される第1バーチャルスライド101または102の表示領域が変更されたか否かが判断される。表示領域の変更方法は、上記した低倍率用観察画面210での変更方法と同様である。そして、表示領域が変更されていない場合には、ステップS65に移行される。一方、変更された場合には、ステップS64において、第1バーチャルスライド101または102の表示領域が変更されるとともに、第2表示領域222に表示された第2バーチャルスライド103上の十字マーク222aが、第1表示領域221に表示された第1バーチャルスライド101または102の表示領域に対応するように移動される。
【0075】
その後、ステップS65において、ユーザからの第1表示領域221の拡大または縮小の指示があったか否かが判断され、指示がない場合には、そのまま表示処理動作が終了される。拡大または縮小の指示があった場合には、ステップS66において、第1バーチャルスライド101または102の切り替えが行われる。具体的な切り替え動作は、上記した低倍率用観察画面210での動作と同様である。そして、低倍率用登録画面220の表示処理動作が終了される。
【0076】
図13は、図1に示した一実施形態による画像表示システムの画像表示装置に表示される高倍率用観察画面を示した図であり、図14は、図1に示した一実施形態による画像表示システムの画像表示装置に表示される高倍率用登録画面を示した図である。次に、図13および図14を参照して、図8に示した表示処理のステップS28における高倍率用観察画面230の表示処理、および、ステップS29における高倍率用登録画面240の表示処理について説明する。なお、高倍率用観察画面230および高倍率用登録画面240の表示処理は、上記した低倍率用観察画面210および低倍率用登録画面220の表示処理とほぼ同様であるので、異なる部分についてのみ説明する。まず、高倍率用観察画面230に関して、観察(高倍領域)タブ203の選択が、登録(高倍領域)タブ204からの変更である場合には、タブ変更直前に、高倍率用用登録画面240の第1表示領域241に表示されていた第1バーチャルスライド105の表示領域が、高倍率用観察画面230の第1表示領域231に表示される。そして、高倍率用登録画面240に関して、登録(高倍領域)タブ204の選択が、観察(高倍領域)タブ203からの変更である場合には、タブ変更直前に、高倍率用観察画面230の第1表示領域231に表示されていた第1バーチャルスライド105の表示領域が、高倍率用登録画面240の第1表示領域241に表示される。
【0077】
また、高倍率用の画面(高倍率用観察画面230および高倍率用登録画面240)では、低倍率用の画面(低倍率用観察画面210および低倍率用登録画面220)とは異なり、約100倍相当、約200倍相当、約400倍相当または約600倍相当の4つの画像が高倍率バーチャルスライドデータベース44cに記憶されているため、ユーザから拡大または縮小の指示があった場合に、拡大倍率が異なる画像が4段階(約100倍相当、約200倍相当、約400倍相当または約600倍相当の4段階)で切り替えられる。その他の高倍率用観察画面230および高倍率用登録画面240の表示処理は、上記した低倍率用観察画面210および低倍率用登録画面220の表示処理と同様である。
【0078】
図15は、図1に示した一実施形態による画像表示システムの画像表示装置に表示される患者情報画面を示した図である。次に、図15を参照して、図8に示した表示処理のステップS30における患者情報画面250の表示処理について説明する。患者情報タブ205が選択されると、図15に示すように、患者情報画面250が表示される。患者情報画面250の患者情報表示領域251には、患者の氏名、性別、年齢、血液検査結果および所見などの各種患者情報が表示される。これにより、ユーザはすぐに患者情報を確認することが可能である。
【0079】
上記したステップS16の表示処理を行った後、図7に示すステップS17において、シャットダウン指示の有無が判断され、シャットダウン指示がない場合には、ステップS11に移行される。シャットダウン指示があった場合には、画像表示処理動作が終了される。
【0080】
本実施形態では、上記のように、画像提供装置4のCPU41を、複数の細胞を含む第1バーチャルスライド101を画像表示装置2に送信するように構成し、かつ、画像表示装置2のCPU21aを、RAM21cに記憶された第1バーチャルスライド101から観察対象となる細胞を含む細胞画像を抽出するとともに抽出した細胞画像を細胞画像表示領域225に表示するように構成することによって、画像提供装置4から送信された第1バーチャルスライド101を用いて、画像表示装置2で細胞画像を表示することができるので、画像提供装置4から画像表示装置2に細胞画像を送信する必要がない。これにより、画像提供装置4から第1バーチャルスライド101および細胞画像の両方を送信する場合に比べて、送信の負荷が小さくなるので、画像表示にかかる時間を短縮することができる。また、RAM21cに細胞画像を記憶する必要がない分、RAM21cの記憶領域を小さくすることができる。
【0081】
また、本実施形態では、各細胞画像に関する情報を、画像提供装置4で一括管理するとともに、通信ネットワークを介して、画像提供装置4および画像表示装置2の間で、継続して各種データの送受信を行うことによって、画像提供装置4で一括管理される細胞画像などの最新の各種データを、複数の画像表示装置2で共有することができる。これにより、たとえば、複数のユーザが、異なる画像表示装置2を用いて、同じ細胞画像の観察を行うことができるとともに、コメント欄225cを用いて、所定の細胞画像に関する情報交換を行うことができる。
【0082】
また、本実施形態では、画像表示装置2で第1バーチャルスライド101、第2バーチャルスライド103および第3バーチャルスライド104を表示するようにCPU21aを構成することによって、第2バーチャルスライド103および第3バーチャルスライド104を用いて、第1バーチャルスライド101周辺の画像を容易に視認することができる。
【0083】
なお、今回開示された実施形態および実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態および実施例の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0084】
たとえば、上記実施形態では、標本画像の一例として、血液塗抹標本を用いたバーチャルスライドを示したが、本発明はこれに限らず、画像撮像装置により撮像可能な標本であれば、たとえば、病理(組織)標本を用いたバーチャルスライドであってもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、画像表示装置の一例として、9個の細胞画像を登録することが可能な画像表示装置を示したが、本発明はこれに限らず、9個よりも少ない個数の細胞画像を登録することが可能な画像表示装置であってもよいし、9個よりも多い個数の細胞画像を登録することが可能な画像表示装置であってもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、画像表示装置の一例として、9個の細胞画像の表示順序(表示配列)を変更する機能を有さない画像表示装置を示したが、本発明はこれに限らず、9個の細胞画像の表示順序をユーザが任意に変更することが可能な機能を有する画像表示装置を用いてもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、選択領域の一例として、選択領域の大きさが一定の選択領域マークを示したが、本発明はこれに限らず、選択領域の大きさが可変の選択領域マークであってもよい。この場合、選択領域マークの大きさに応じて細胞画像の大きさを変更してもよいし、細胞画像の大きさは一定で、選択領域の大きさに応じて細胞画像の拡大倍率を変更するようにしてもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、画像表示装置の一例として、第1表示領域に表示された第1バーチャルスライドの表示領域だけが変更可能に構成された画像表示装置を示したが、本発明はこれに限らず、たとえば、細胞画像表示領域に表示された細胞画像の表示領域が変更可能に構成された画像表示装置であってもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、画像表示装置の一例として、細胞画像表示領域に表示されるコメント欄が細胞画像ごとに1行ずつ設けられるように構成された画像表示装置を示したが、本発明はこれに限らず、たとえば、細胞画像ごとにコメント欄が複数行設けられ、複数のユーザに各行のコメント欄が割り当てられるように構成された画像表示装置であってもよい。これにより、複数のユーザのうち、いずれのユーザによるコメントであるかを、各ユーザが容易に認識することができる。
【0090】
また、上記実施形態では、低倍率用および高倍率用それぞれ別個のデータベースを設ける例を示したが、本発明はこれに限らず、低倍率用および高倍率用の両方の画像データを一括して格納することが可能な1つのデータベースを設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の一実施形態による画像表示システムの全体構成を示した模式図である。
【図2】図1に示した一実施形態による画像表示システムの画像表示装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示した一実施形態による画像表示システムの画像提供装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示した一実施形態による画像表示システムの画像提供装置の低倍率バーチャルスライドデータベースを示す図である。
【図5】図1に示した一実施形態による画像表示システムの画像提供装置の高倍率バーチャルスライドデータベースを示す図である。
【図6】図1に示した一実施形態による画像表示システムの画像提供装置の低倍率細胞画像用データベースを示す図である。
【図7】図1に示した一実施形態による画像表示システムの画像表示装置および画像提供装置の画像表示処理を示すフローチャートである。
【図8】図7に示した画像表示処理のステップS16における表示処理を示したフローチャートである。
【図9】図8に示した表示処理のステップS26における低倍率用観察画面の表示処理を示したフローチャートである。
【図10】図1に示した一実施形態による画像表示システムの画像表示装置に表示される低倍率用観察画面を示した図である。
【図11】図8に示した表示処理のステップS27における低倍率用登録画面の表示処理を示したフローチャートである。
【図12】図1に示した一実施形態による画像表示システムの画像表示装置に表示される低倍率用登録画面を示した図である。
【図13】図1に示した一実施形態による画像表示システムの画像表示装置に表示される高倍率用観察画面を示した図である。
【図14】図1に示した一実施形態による画像表示システムの画像表示装置に表示される高倍率用登録画面を示した図である。
【図15】図1に示した一実施形態による画像表示システムの画像表示装置に表示される患者情報画面を示した図である。
【符号の説明】
【0092】
1 画像表示システム(細胞画像表示システム)
2 画像表示装置(細胞画像表示装置)
4 画像提供装置
21a CPU(標本画像受信手段、細胞画像表示手段、位置情報受信手段、標本画像表示手段、選択領域設定手段、位置情報登録手段、コメント入力手段、表示制御手段)
21c RAM(第2標本画像記憶手段)
24a コンピュータプログラム
41 CPU(標本画像送信手段、位置情報送信手段)
44 ハードディスク(第1標本画像記憶手段、位置情報記憶手段、標本画像記憶手段)
101、102 第1バーチャルスライド(第1標本画像)
103、109 第2バーチャルスライド(第2標本画像)
104、110 第3バーチャルスライド(第3標本画像)
105、106、107、108 第1バーチャルスライド(第4標本画像)
201、202、203、204、205 タブ
213a 矩形マーク(位置表示)
217a 拡大ボタン(表示切替受付手段)
217b 縮小ボタン(表示切替受付手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像提供装置と、
画像表示装置とを備え、
前記画像提供装置は、複数の細胞を含む第1標本画像を記憶する第1標本画像記憶手段と、前記第1標本画像記憶手段により記憶された前記第1標本画像を前記画像表示装置に送信する標本画像送信手段とを含み、
前記画像表示装置は、前記標本画像送信手段により送信された前記第1標本画像を受信する標本画像受信手段と、前記標本画像受信手段により受信された前記第1標本画像を記憶する第2標本画像記憶手段と、前記第2標本画像記憶手段に記憶された前記第1標本画像から観察対象となる細胞を含む細胞画像を抽出するとともに、抽出した前記細胞画像を表示する細胞画像表示手段とを含む、細胞画像表示システム。
【請求項2】
前記画像提供装置は、前記第1標本画像における前記細胞画像の位置を示す位置情報を記憶する位置情報記憶手段と、前記位置情報記憶手段により記憶された前記位置情報を前記画像表示装置に送信する位置情報送信手段とをさらに含み、
前記画像表示装置は、前記位置情報送信手段により送信された前記位置情報を受信する位置情報受信手段をさらに含み、
前記画像表示装置の前記細胞画像表示手段は、前記位置情報受信手段により受信された前記位置情報に基づいて、前記第2標本画像記憶手段に記憶された前記第1標本画像から前記細胞画像を抽出するとともに、抽出した前記細胞画像を表示するように構成されている、請求項1に記載の細胞画像表示システム。
【請求項3】
前記画像表示装置は、前記第1標本画像の少なくとも一部の領域を表示する標本画像表示手段と、前記標本画像表示手段により表示された前記第1標本画像上に選択領域を設定する選択領域設定手段と、前記選択領域設定手段により設定された前記選択領域に対応する位置を、前記位置情報として登録する位置情報登録手段とをさらに含む、請求項2に記載の細胞画像表示システム。
【請求項4】
前記画像表示装置は、前記細胞画像表示手段により表示される前記細胞画像に関するコメントの入力を受け付けるコメント入力手段をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の細胞画像表示システム。
【請求項5】
前記画像表示装置は、前記第1標本画像の少なくとも一部の領域を表示する標本画像表示手段と、前記細胞画像表示手段により表示された前記細胞画像を含む前記第1標本画像の所定の領域が表示されるように、前記標本画像表示手段による表示を制御する表示制御手段とをさらに含む、請求項1に記載の細胞画像表示システム。
【請求項6】
前記第1標本画像記憶手段は、前記第1標本画像に加えて、前記第1標本画像をすべて含む前記第1標本画像よりも拡大倍率が小さい第2標本画像と、前記第2標本画像をすべて含む前記第2標本画像よりも拡大倍率が小さい第3標本画像とを記憶し、
前記標本画像送信手段は、前記第1標本画像に加えて、前記第2標本画像と前記第3標本画像とを送信し、
前記画像表示装置の前記標本画像受信手段は、前記第1標本画像に加えて、前記第2標本画像と前記第3標本画像とを受信し、
前記第2標本画像記憶手段は、前記第1標本画像に加えて、前記第2標本画像と前記第3標本画像とを記憶し、
前記画像表示装置は、前記第1標本画像と前記第2標本画像と前記第3標本画像とを表示する標本画像表示手段をさらに含む、請求項1に記載の細胞画像表示システム。
【請求項7】
前記標本画像表示手段は、前記第3標本画像上に、標本全体における前記第2標本画像の位置を示す位置表示を表示するように構成されている、請求項6に記載の細胞画像表示システム。
【請求項8】
前記第1標本画像記憶手段は、前記第1標本画像に加えて、前記第1標本画像と拡大倍率が異なる第4標本画像とを記憶し、
前記標本画像送信手段は、前記第1標本画像に加えて、前記第4標本画像を送信し、
前記標本画像受信手段は、前記第1標本画像に加えて、前記第4標本画像を受信し、
前記第2標本画像記憶手段は、前記第1標本画像に加えて、前記第4標本画像を記憶し、
前記画像表示装置は、前記第1標本画像と前記第4標本画像とを選択的に表示する標本画像表示手段をさらに含む、請求項1に記載の細胞画像表示システム。
【請求項9】
前記標本画像表示手段は、選択されたタブに応じて前記第1標本画像と前記第4標本画像とを切り替えるように構成されている、請求項8に記載の細胞画像表示システム。
【請求項10】
前記第1標本画像および前記第4標本画像は、それぞれ、拡大倍率が異なる複数の標本画像を有し、
前記画像表示装置は、前記第1標本画像の複数の標本画像の表示の切り替え指示、および、前記第4標本画像の複数の標本画像の表示の切り替え指示を受け付ける表示切替受付手段をさらに含み、
前記標本画像表示手段は、前記表示切替受付手段により受け付けられた標本画像の表示の切り替え指示に基づいて、前記第1標本画像および前記第4標本画像それぞれの複数の標本画像の表示を切り替えるように構成されている、請求項8に記載の細胞画像表示システム。
【請求項11】
複数の細胞を含む標本画像を記憶する標本画像記憶手段と、
前記標本画像記憶手段に記憶された前記標本画像から観察対象となる細胞を含む細胞画像を抽出するとともに、抽出した前記細胞画像を表示する細胞画像表示手段とを備える、細胞画像表示装置。
【請求項12】
コンピュータを、
複数の細胞を含む標本画像を記憶する標本画像記憶手段と、
前記標本画像記憶手段に記憶された前記標本画像から観察対象となる細胞を含む細胞画像を抽出するとともに、抽出した前記細胞画像を表示する細胞画像表示手段として機能させるためのコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−212626(P2009−212626A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−51529(P2008−51529)
【出願日】平成20年3月3日(2008.3.3)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】