説明

組合せシール

【課題】本発明は、2つの部品間に液体の漏洩、および、蒸気の浸透を防止する組合せシールを提供することを目的とする。
【解決手段】組合せシールは外側部材と、前記外側部材に部分的に配された内側部材と、を有する。その断面において、前記外側部材は、C字形状を有し、チャネルを形成し、そして、前記内側部材は、円形で、前記本体から延在する1対のローブを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の燃料システム用のポリマーシールに関し、より具体的には、外側部材と、その外側部材内に配された内側部材とを有する組合せポリマーシール(multiple−piece polymeric seal)に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の燃料システム用のポリマーシールは、複数の部品間の気密接続(pressure-tight joint)を必要とする様々な用途に幅広く使用されている変形可能な構成要素で、半径方向シール(radial seal)および軸方向シール(axial seal)を含む。使用の際に、半径方向シールは、半径方向シールの断面の半径方向内側表面および半径方向外側表面上おいて、シールの中心線に対して垂直した半径方向に圧縮されるに対して、軸方向シールは、軸方向シールの断面の軸方向に互いに対向する表面上において、シールの中心線に並行した軸方向に圧縮される。軸方向シールは、特に、容器の開口部(opening)を封止するために広範囲に使用されている。燃料タンクの開口部の周辺に配された環状の部材については、米国特許番号第6,698,613B2号などに記載されている。
【0003】
例えば、軸方向シールは、通常燃料タンクの開口部を封止するに用いられ、燃料タンクの外側表面と、燃料送出モジュールの取り付けフランジ(flange)との間にあるフランジタイプの接続部に配置される。しかしながら、軸方向シールは燃料タンクと取り付けフランジとの間に不浸透性接続部を提供することはできない。より具体的に説明すると、炭化水素は、比較的揮発性が高いため、適切に封止されていないのであれば、燃料タンク内で液体燃料から蒸気化され、フランジタイプの接続部を通じて大気中に逃げてしまう。実際に、揮発性燃料蒸気は軸方向シール自体を通じて浸透するか、或いは、気密接続部内に浸透する。
【0004】
そのような漏洩(leakage)について、米国カリフォルニア大気資源局(CARB)は、部分的なゼロ排出ガス車(PZEV)を構成する、燃料蒸気排出のゼロおよび超低排出ガス車基準(SULEV)を組み合わせて車の排気ガスを規制する。ゼロ放出ガスというのは、車の燃料タンク又はそのほかの燃料送出システムからガスが一切放出されないことを意味する。
【0005】
PZEV基準を満たすために不浸透性フランジタイプの接続部を提供するに当たって考えられる1つの方法は、前記接続部を封止する特定のタイプの低浸透性シール材を使用することである。しかし、そのようなシール材は、通常相当の費用がかかるので、その用途が制限されると共に、比較的に硬質であるので、組立ての際に、圧縮し難く、そして、一般的に低温で低弾性を示す。
【特許文献1】米国特許番号第6,698,613B2号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
組合せシールは、2つの部品(即ち、構成要素)間に液体の漏洩を封止し、そして、シール自体を通じての蒸気の浸透を経済的に防止する、また、複数のシール部材間に起こるよじれ現象、および、2つの部品との間にシール自体がよじれる現象などを最も効果的に抑えることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好ましい実施例に係る組合せシールは外側部材および内側部材を有し得る。外側部材はC字形状の断面およびチャネルを有し得る。内側部材は円形の断面を有しても良く、外側部材のチャネル内に部分的に受容されていても良い。内側部材はチャネルから広がる(即ち、延在する)1対のローブを有しても良い。
【0008】
本発明の別の好ましい実施例に係る組合せシールは、不浸透性エラストマー材からなる外側部材と、別の不浸透性エラストマー材からなる内側部材と、を有する。外側部材は、燃料送出モジュールに隣接した第1の封止表面を形成することができ、燃料タンクの壁に隣接した第2の封止表面を形成することができる。内側部材は、燃料送出モジュールに隣接した第3の封止表面を形成することができ、そして、燃料タンクの壁に隣接した第4の封止表面を形成することができる。
【発明の効果】
【0009】
ここに記載された実施例に係る組合せシールは、低浸透性材からなる、円形の断面を有する単一の(unitary)O−リングに比し、例えば、次のような有利な効果を奏する。
【0010】
第一、実質的に同じ程度の浸透防止性能を保ちながらも、低温性能が著しく向上した点、
第二、任意のO−リング形状の正面シール(または、その用途)に対して、ドロップイン(drop-in)置換を可能とする断面を有する点、
第三、シールに圧力をかける際に、シールの転がり、はみ出し、および、分離などが起こらない点、
第四、不規則(irregular)コンプライアンス(compliance)が改善された点、および、
第五、異なる材料の異なるスエル(swell)に起因した任意の外側コーティングの剥離現象を抑えることができる点、
第六、圧縮および取り付けの際に、単一のO−リングと同じくらいの力を必要とする点。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
前述した本発明の課題、目的、特徴、および、効果は、特許請求の範囲、後術する発明を実施するための最良の形態、および、添付された図面から明らかになる。
【0012】
図面について説明するに先立って、軸方向シールに係る1つの具体例について説明する。その具体例は、任意の所定の用途に使用されても良いが、特に、自動車の燃料タンクアセンブリ、または、任意のレクリエーション用、海洋用、産業用、庭用および/または農業用製品における軸方向フランジタイプの接続部に揮発性燃料の蒸気が浸透して、前記接続部を通じて逃げることを防ぐに適している。この具体例は、低浸透性材と、低温弾性が比較的大きい、比較的安価な材料との経済的なバランスを提供する。
【0013】
図1は、燃料タンクアセンブリ12を備えた車10を概略的に示している。ここで、燃料タンクアセンブリ12は、燃料14を収容し、そして、車10に機械的に動力を供給する内燃エンジン18に燃料管16を通じて燃料14を供給する。この燃料タンクアセンブリ12は、燃料14を受容するための燃料タンク20と、燃料送出モジュールまたはセンサユニット22と、を有している。ここで、燃料送出モジュール又はセンサユニット22は、燃料タンク20の内部に、又は、燃料タンク20に取り付けられ、燃料タンク20から燃料14をくみ上げ、そして、電線16を介して車のバッテリ24から電力の供給を受ける。また、燃料送出モジュール22は、電線30を介して、燃料タンク20内の燃料14の液位を感知し、信号を送るフロートアーム(float-arm)燃料液位センサ28を備えている。前記燃料液位センサ28は、車10の乗客用コンパートメントにいる車のドライバーに見られる燃料計器32に燃料液位に関する情報を表示する。
【0014】
燃料送出モジュール22は、図1に示すように、タンクの壁38に設けられた開口部36内に嵌められる。ここで、モジュール22のフランジ34は、燃料タンクの壁38に隣接して、又は、燃料タンクの壁38によりかかって取り付けられるか又は配置される。また、フランジ34は、任意の適当な方法により燃料タンクに取り付けられるか又は装着されるが、後述するように締め付けられるのが好ましい。任意の場合、燃料送出モジュール22の燃料貯水槽(reservoir)またはハウジング42は、燃料タンク20の内部に1つ以上のポスト(post)40によりフランジ34から吊り下げられている。ハウジング42は、燃料14を、燃料タンク20の内部から、燃料フィルター46(燃料ポンプ50の燃料入口48に接続されている)に送る燃料入口44を有する。燃料ポンプ50は燃料出口チューブ52に接続する燃料出口51を有するが、前記燃料出口チューブ52はフランジ34の燃料供給用取付部品(fitting)54および燃料管16を通じてエンジン18の燃料インジェクタおよびマニホルド(manifold)と連通する。それぞれコネクタ58を有する電気リード線(lead)55,56はフランジ34を通じて延在し、それにより、燃料ポンプ50の電気モータ60および燃料液位センサ28に電力を供給する。したがって、燃料送出モジュール22は、バッテリ24から電気の供給を受け、燃料を燃料タンク20からエンジン18にくみ上げ、そして、燃料タンク20の内部に存在する燃料の液位を燃料計器32に表示する。
【0015】
燃料タンク20の内部に存在する液体燃料14は揮発性炭化水素で構成されているが、前記炭化水素は、モジュール22と燃料タンク20との間に設けられたフランジタイプの接続部が適切に封止されていない場合、素早く蒸気化され、前記接続部を通じて大気中に逃げてしまう。したがって、図2および3に示すような、燃料タンク20とモジュール22との間に気密の不浸透性フランジタイプの接続部を提供することが望ましい。
【0016】
図2は、燃料送出モジュール22を燃料タンク20に固定する、例示的なフランジタイプの接続部、又は、フランジシールアセンブリ62を示す。このフランジシールアセンブリ62は、リング64と、(静止状態又は固定状態の)組合せ軸方向シール66aと、燃料送出モジュール22のフランジ34と、施錠部材68と、を有する。リング64は燃料タンクの壁38に埋め込まれて、開口部36と外接する。
【0017】
フランジシールアセンブリ62はプラスチック製の燃料タンク20の壁38内に受容される。ここで、燃料タンク20はスチール又は単層プラスチックのような任意の適当な燃料タンク材で構成されていても良いが、多層プラスチックで構成されているのが好ましい。一例を挙げると、燃料タンクの壁38は外層38aと、浸透防止層38bと、内層38cとを有していても良いが、前記壁38は浸透防止層38bを外層38aと内層38cとに固定する接着層のような副層(sub-layer)を別途有していても良い。浸透防止層38bは、開口部36を除くのであれば、外層38aと内層38cとによって完全に密閉されていて、前記浸透防止部38bの一部は開口部36に隣接して、その周りに沿って連続して延在する。
【0018】
組み立てられた状態で、組合せ軸方向シール66aは開口部36と外接し、好ましくは、燃料タンクの壁38における軸方向に開口する円周方向講39内に配置される。したがって、軸方向シール66aは、"正面シール"(face seal)または"フランジシール"である。軸方向シール66aは燃料送出モジュールと燃料タンク間の数多くの界面、例えば、ボルト‐フランジタイプ、石工ジャー(mason jar)タイプなどにおいて使用するに適している。フランジ34における軸方向に延在する環状の部分(annulus)34aが開口部36にはめ込まれ、そして、フランジ34における半径方向に延在する環状の部分34bが燃料タンクの壁38に隣接して、または、よりかかって配置されて、シール66aおよび溝39を覆うまで、燃料送出モジュール22が開口部36に挿入される。それにより、シール66aが燃料タンクの壁38の外層38aとフランジ34との間に配置され、それらと弾性をもった状態で気密に接触する。後述するが、その後、施錠部材68は、リング64と適当に整列され、円周方向にリング64とスライド係合された状態でフランジ34上に組み立てられる。
【0019】
リング64は、図3に示すように、フランジ70と、概して燃料タンクの壁38の外側に突き出している、露出されたフランジ72と、を有している。前記フランジ70は、成形などにより、燃料タンクの壁38と一体として設けられているか、または、燃料タンクの壁38内に埋め込まれているのが好ましい。前記露出されたフランジ72は概して前記埋め込まれたフランジ70から軸方向に延在し、そして、等距離だけ離間して配置された複数のタブ74(tab)を有する。施錠部材68をかみ合わせるために、各々のタブ74は円周方向に延在する細長いスロット(slot)76を形成する。この施錠部材68は、円周方向に離間して配置された複数の穴78を有し、その穴78を貫通したフランジ70のタブ74を受容できるようになっている。
【0020】
組み立てられた状態で、リング64のタブ74は穴78を通じて突き出していて、施錠部材68が回転するにつれ、施錠部材68における半径方向に延在するフランジ80は、スロット76内に受容され、それにより、リング64のタブ74により保持される。図3に示したように、リング64と施錠部材68とは、リング64および施錠部材68の相互係合する突起部82,84(これらは刻みつけられているのが好ましい)によって、このように相互鎖錠された位置に保持される。施錠部材68とリング64との環状の(円周方向の)相互係合は、フランジ34に対して軸方向力を印加して、弾性のシール66aを、燃料モジュールフランジ34と燃料タンクの壁38との間にある堅固な封止接続部の内部へ押し付ける。したがって、燃料モジュールのフランジ34は、前述したように、燃料タンクの壁38に取り付けられるが、そのほかの適当な方法によって取り付けられても良い。
【0021】
図4は、図2および3の組合せシール66aを、その断面をもって、示したものである。シール66aは、ほぼ環状の、リング形状の、または、円周方向に連続するものであるのが好ましいが、ほぼ円形の断面を有し、そして、ほぼC字形状の外側部材、ジャケット(jacket)、または、外装112を有する。
【0022】
外装112は、圧縮されていない状態で、概してC字形状の断面(この断面は、対向している自由端部120,122で終了し、そして、半径方向に外に向かって開いているチャネル118を構成する)を有する本体を備えている。また、外装112は、端部120から別の端部122まで延在する外側表面117を構成する。外装112は、チャネル118に沿って、突起部140の形態として、1対の、互いに対向して配置されたよじれ防止(anti-twisting)および/または配向(orientation)構造(形体)を有することができる。この突起部は、外装と一体として形成されても良く、C字形状の本体から突き出して、半径方向にチャネル118へ延びていても良い。即ち、突起部は、本体から離れて、前記チャネルから延在する。
【0023】
シール66aはチャネル118の内部に配置された内側部材又はコア130を有し得る。ここで、チャネル118は、(圧縮されていない状態で)概して円形の本体132を形成する断面の形状を有し得る。前記本体132は、1対のローブ(lobe)133,135と、リリーフ(relief)138の形態としての、1対の、互いに対向して配置されたよじれ防止および/または配向構造(形体)と、を有する。各々のローブは、本体132と一体として形成され、本体132から突き出して、チャネル118から露出されているか、或いは、チャネル118から広がっている(即ち、延在する)。ローブ133,135は互いに向かい合って、そして、各々の端部120,122に隣接して配置されていても良い。各々のローブはその各々の端部の一部を取り囲んでいても良い。前記端部の一部で、前記ローブは端部の外側表面に近接して、それに沿って配されているか、または、前記端部の外側表面の上に重なっている。凹形のリリーフチャネル136はローブ133、135の間に配置されていても良い。チャネル136は、概してストレスを緩和する構造を提供し、チャネル118側に向かってくぼみを作っていても良いが、その深さはそれほど深くなくても良い。一方で、リリーフ138は、半径方向に、内側に向かって、本体132に向かって延在し、突起部140と相補し、それを受容する。図4および5に示したように、相互係合された場合に、突起部140およびリリーフ138は、外装112およびコア130が互いによじれること(twisting)や、転がる(rolling)ことを防止し、そして、圧縮力、真空などが印加された場合、外装112に対してコア130の位置を保持するに役立つ。
【0024】
図5は、燃料送出モジュール22と燃料タンクの壁38との間に配されたときの、圧縮された状態のシール66aを示す。ここで、外装112の外側表面117の上部は、燃料送出モジュール22に隣接した主封止(sealing)表面(または、第1の封止表面)121を形成することができる。このような第1の封止表面121は、自由端部120から外側表面117に沿って(外側表面117がそれ以上燃料送出モジュール22と接しなくなるまで)延在することができる。さらに、外装112の外側表面117の下部は、燃料タンクの壁38に隣接した第2の封止表面123を形成することができる。この第2の封止表面123も、前記第1の封止表面と同様に、自由端部122から、外側表面117に沿って(外側表面117がそれ以上燃料タンクの壁38と接しなくなるまで)連続的に延在することができる。
【0025】
圧縮された状態で、コア130の外側表面、特に、ローブ133に隣接した外側表面は、燃料送出モジュール22に隣接した二次封止表面(または、第3の封止表面)143を形成することができる。この第3の封止表面143は、コア130が燃料送出モジュール22と接している限り、外側表面に沿って連続的に延在することができる。さらに、ローブ135に隣接した外側表面は燃料タンクの壁38に隣接した第4の封止表面145を形成することができる。この第4の封止表面145は、前記封止表面と同様に、コア130が燃料タンクの壁38と接している限り、外側表面に沿って連続的に延在することができる。この第1および第3の封止表面121,143はそれらの間に隙間(gap)146だけ離間して配置されていても良い。同様に、第2および第4の封止表面123,145もそれらの間に隙間148だけ離間して配置されていても良い。
【0026】
シール66aの外装112は、たとえば、フッ素含量が2/3以上であり、約−22°F程度の低温でシールを提供できるフッ化エラストマー材からなり得るが、それに限定されるものではない。まsた、シール66aのコア130は、たとえば、−40〜−60°F程度の低温でシールを提供できるニトリルエラストマー材からなり得るが、それに限定されるものではない。このコアは約0.10の摩擦係数を有する約55〜70デュロメータの材料からなっていても良い。
【0027】
本明細書、および、特許請求の範囲に使用された用語"例えば"、"のような"、"含む"、"有する"、"備えている"、"からなる"、"含有する"などが1つ以上の構成要素またはそのほかのアイテムに関する記載を伴う場合、前記用語は開放型(即ち、そのほかに、更なる構成要素、エレメント、又は、アイテムを排除しない)として解釈すべきである。また、直接的な用語、例えば、最上部、底部、上部、下部、半径方向、環状、円周方向、軸方向、横方向、長手方向(又は、縦方向の)、垂直、水平などは、あくまでも例示のために用いられたものであり、本発明はそれらに限定されるものではない。そのほかの用語については、その文脈において異なる解釈を必要としない限り、最も広くて合理的な意味として解釈すべきである。本発明において導入された構成要素、エレメント、アイテムは、1つまたは複数の構成要素、エレメント、アイテムを意味する。
【0028】
前述した詳細な説明は、本発明についての説明ではなく、本発明の好ましい1つ以上の実施例についての説明に過ぎない。したがって、本発明は、この明細書に記載された特定の実施例に限定されず、もっぱら特許請求の範囲によって定められる。言い換えるならば、前述した詳細な説明に含まれた文言は、あくまでも特定の実施例に係るものであるので、それらが特許請求の範囲に用いられた用語の定義または特許請求の範囲に記載された発明の範囲を限定するものとして解釈すべきではない。ただし、用語又は表現が明確に定義されている場合や、その文言が特に本発明を言及する場合においては、その限りではない
本発明は、現在好ましいと考えられるいくつかの実施例に基づいて説明されたが、このほかに、本発明の全ての等価物や派生物などを含む。また、その他に改質、変更、派生、および、置換などを通じて得られたものやその等価物は、本明細書に基づいて、当業者にとって自明であろう。言い換えるならば、本発明は、特許請求の範囲に記載された数多くの合理的な置換物又は等価物に及ぶ。一例を挙げるならば、本明細書に記載された構造、物質、サイズ、形状などは、その他の類似した構造、物質、サイズ、形状などに変更、あるいは、置換することができる。したがって、本発明の権利範囲は、特許請求の範囲の保護範囲又は本質に該当する、本発明に対して派生、改質、変更、および、置換を行なって得られたものやその同等物にまで及ぶ。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】燃料タンクと、燃料送出モジュールと、それらの間に設けられた気密接続部と、を有する燃料タンクアセンブリを備えた車の概略図である。前記気密接続部は、燃料送出モジュールのフランジと燃料タンクの壁との間に設けられた組合せシールを含む。
【図2】組合せシールを含む図1の密封接続部の破断透視図である。
【図3】組合せシールを含む図1の密封接続部(組み立てられた状態)の断面透視図である。
【図4】組合せシール(圧縮されていない状態)の一部の断面図である。
【図5】燃料送出モジュールフランジと、燃料タンクの壁との間に設けられた組合せシール(圧縮された状態)の断面図である。
【符号の説明】
【0030】
10 車
20 燃料タンク
22 燃料タンクモジュール
34 フランジ
36 開口部
38 燃料タンクの壁
62 フランジシールアセンブリ
64 リング
66a 組合せシール
68 施錠部材
74 タブ
117 外側表面
118 チャネル
120,122 端部
121 第1の封止表面
123 第2の封止表面
132 本体
133,135 ローブ
138 リリーフ
140 突起部
143 第3の封止表面
145 第4の封止表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(イ)概してC字形状の断面を有し、チャネルを形成する外側部材と、
(ロ)断面において概して円形の本体と、前記本体から離れて前記チャネルから延在する1対のローブと、を有していて、少なくとも部分的に前記チャネル内に受容されている内側部材と、
を備えたことを特徴とする組合せシール。
【請求項2】
前記外側部材が、1つ以上の突起部を有し、そして、前記内側部材が、前記1つ以上の突起部の少なくとも一部を受容する1つ以上のリリーフ(relief)を有している請求項1に記載の組合せシール。
【請求項3】
前記外側部材が、対向して配置された1対の突起部を有し、前記内側部材が、対向して配置された1対のリリーフを有し、そして、前記リリーフが、前記突起部の形状と相補的で、チャネル内で前記突起部と整列されている請求項2に記載の組合せシール。
【請求項4】
前記外側部材が1対の端部を有し、前記1対のローブがそれぞれ前記各々の端部と隣接して配置され、そして、前記各々のローブが前記各々の端部と部分的に重なっている請求項1に記載の組合せシール。
【請求項5】
圧縮された状態で、前記外側部材が、1つの封止表面を形成する外側表面を有し、そして、前記内側部材の前記1つまたは2つのローブが、別の封止表面を形成する外側表面を有している請求項1に記載の組合せシール。
【請求項6】
前記外側部材が1対の端部を有し、圧縮された状態で、前記外側部材が、第1の封止表面を形成する、前記1つの端部に隣接した外側表面と、第2の封止表面を形成する、前記別の端部に隣接した外側表面とを有し、前記1つのローブが第3の封止表面を形成する外側表面を有し、そして、前記別のローブが第4の封止表面を形成する外側表面を有している請求項5に記載の組合せシール。
【請求項7】
前記外側部材が、−22°F程度の低温でシールを提供できる不浸透性炭化水素エラストマー材からなり、そして、前記内側部材が、−60°F程度の低温でシールを提供できる別の不浸透性炭化水素エラストマー材からなる請求項1に記載の組合せシール。
【請求項8】
前記外側部材が、フッ素含量2/3以上のフッ化エラストマーからなり、そして、前記内部部材が、ニトリルエラストマーからなる請求項7に記載の組合せシール。
【請求項9】
前記組合せシールが、燃料送出モジュールと燃料タンクの壁との間に設けられ;
前記外側部材が、前記燃料送出モジュールに隣接した第1の封止表面と、前記燃料タンクの壁に隣接した第2の封止表面と、を形成する外側表面を有し、浸透防止性エラストマー材からなり;そして、
前記内側部材が、前記燃料送出モジュールに隣接した第3の封止表面と、前記燃料タンクの壁に隣接した第4の封止表面と、を形成する外側表面を有し、別の浸透防止性エラストマー材からなる請求項1に記載の組合せシール。
【請求項10】
前記外側部材が、フッ素含量2/3以上のフッ化エラストマーからなり、そして、前記内部部材が、ニトリルエラストマーからなる請求項9に記載の組合せシール。
【請求項11】
前記外側部材が、前記チャネル内に突出延在し、互いに対向して配置された1対の突起部を有し、そして、前記内側部材が、前記突起部を受容できるように互いに対向して配置された1対のリリーフを有している請求項9に記載の組合せシール。
【請求項12】
前記1対のローブが、それぞれ前記各端部に隣接して配置され、そして、前記各々のローブが前記各端部の外側表面を部分的に取り囲むとともに、前記外側表面に隣接している請求項9に記載の組合せシール。
【請求項13】
前記第2の封止表面および第4の封止表面が、間隔を置いて配置されている請求項9に記載の組合せシール。
【請求項14】
前記第1の封止表面および第3の封止表面が、間隔をおいて配置されている請求項9に記載の組合せシール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−202787(P2008−202787A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−28980(P2008−28980)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(502429154)ティーアイ グループ オートモーティヴ システムズ リミテッド ライアビリティー カンパニー (39)
【Fターム(参考)】