説明

組織の予防的処置又は治療に用いるための装置

組織に予防的処置または治療処置を施すための装置20は、チャンバ22と、チャンバ22内の少なくとも1つの電極23のような能動素子とを有するデバイス21を備える。チャンバ22は、それを通して組織をチャンバ22内に引き込む開口26を有する。チャンバ内に組織を引き込むための手段は、真空オリフィス25を有する真空ルーメンをチャンバ内に有する。チャンバ22内で組織に電気穿孔のような処置を施すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組織に対して予防的処置又は治療処置を行うための装置、及び組織の予防的処置又は治療処置を行う方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食道または腸のような管腔臓器内面の上またはその内部の癌組織または他の病変組織に対しては、通常従来型の内視鏡を用いて視覚的及び外科的に処置が可能である。腹腔鏡検査は、一般的には腹壁において、開腹術として知られている小切開によって体腔中に到達する外科技術である。腹腔鏡は、直径10mm、長さ300mmで、管腔臓器に必要な可撓性のデバイスよりは長さの短い、各種の手術器具やアダプタを備えた内視鏡の一種である。腹腔鏡により、腸、肝臓、胃、膵臓、脾臓及び卵巣を含む腹部の臓器へのアクセスが可能となる。腹腔鏡は胸腔鏡として胸部で使用することもでき、この場合は肺へのアクセスが可能である。同様の原理は、寸法は異なる(より小さい)が、尿管鏡として知られる場合、硬質の内視鏡でアクセス可能な膀胱及び前立腺に適用することができる。
【0003】
先進欧米経済圏では、これらのデバイスでアクセスできる臓器の癌は、通常発見される癌のなかの大きな比率を占める。さらに、外科における内視鏡技術の使用は、低侵襲で安全であり、院内での治療および回復期間を著しく短縮するという理由から増加している。
【0004】
癌の外科的治療ストラテジには、多くの場合追加的な化学療法期を含まれ、また化学療法が唯一の治療方法である場合もある。本明細書における「化学療法」とはその最も広い意味の概念を指しており、遺伝子療法やその下位分類の各種療法やそれ以外の薬剤、医薬品、治療薬、および他の化学種の使用を含んでいる。基本的には物理的手段による化学療法の効果を改善するための技術が用いられる。このような技術には光線力学療法(PDT)が含まれる。この方法は、光線、ソノフォレシス(超音波導入)、音場または超音波音場の吸収や、一様なまたはパルス波の電場の利用によって、一時的に細胞壁を破壊し、これによって一般的に容易には腫瘍細胞に侵入しない遺伝子材料を原料とする医薬品の細胞内への侵入が促進されるようにして、薬剤の効果を活性化または増強するものである。治療法としての電気穿孔法では、標的の細胞や組織に電場を印加して、細胞膜を一時的に浸透性にし、それを行わなければ非透過性で効果が小さい治療薬を細胞内へ取り込み、有効化することを可能にする。電気穿孔は、細胞が十分に高い強度の電界にさらされたときに細胞膜で発生する生理学的現象である。そのような条件下では、高い膜厚方向の電圧が発生して、細胞膜の変質とそれによる細胞膜の浸透性の上昇を誘発する。一部の薬物または核酸のように、他の場合には細胞膜を透過できない分子が、電気穿孔により細胞内に入ることが可能となる。電気穿孔法は、電気化学療法および電気遺伝子治療法の基礎である。これらの複合型治療法では、電気的に誘発された細胞膜の透過性上昇が、抗癌剤(電気化学療法)または抗癌作用のある遺伝子(電気遺伝子療法)の直接的な細胞内への送達に利用される。一部の抗癌剤またはDNA/RNA分子のように、本質的に高活性な分子は、細胞内の標的に効果的に影響を及ぼすために十分大量に細胞に浸入する。放射線治療は、単独で利用されるか、または例えば選択的吸収剤として機能したりその場で生成される有効な物質の前駆体を活性化したりする化学薬品と併用される物理化学的技術である。これらの技術は、組み合わせて利用することができ、その一例として印加されたパルス電場の超音波の増強があげられる。他の組合せも可能であって、これらの2種が加えられる場に限定されない。
【0005】
PDT(光線力学療法)の場合、組織または腫瘍は可視スペクトル内またはその近隣領域の放射線で照射されるが、腫瘍または組織は必ずしも放射線伝達手段に接触させる必要はない。直接的接触がされない場合には、屈折素子及び反射素子の両方の使用により光強度を正確に調整することができる。他の物理的効果増強方法では、組織または細胞が、一般的には金属の導体に、または通常固体であるが金属とは限らない放射線源である硬質の要素に物理的に接触されるか、近接した位置に配置される。放射性源は、ある意味で、他の効果増強方法で使用される電極または伝達素子に類似した活性を有すると考えられる。細胞組織に接触または近接して治療処置の効果を増強する要素は、電極素子、光学素子、または放射性源のいずれであっても、以下「能動素子」と記述する。これらの能動素子には、接触により細胞組織に到達する治療薬を含浸させることができる。この治療薬の送達は、物理的増強過程あるいは複数の類似の過程の組合せて実施することによってより効果が増強され得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの物理学に基づいた効果増強技術のほとんどでは、内視鏡を用いて行う場合に問題が頻繁に発生する。それは、印加される物理的場が一様でなくなることが多く、これが病変組織または癌組織の異なる部位の間での処置の程度のばらつきをもたらし、一般的に、ある部位は処置過多となり、ある部位は処置不足となる点である。
【0007】
従って、本発明は、上記の従来の方法における問題点の少なくとも部分的な解決を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、組織に予防的処置または治療処置を行うための装置であって、
チャンバと、前記チャンバ内の少なくとも1つの能動素子とを有するデバイスと、
前記チャンバ内に組織を引き込むための手段と、
前記チャンバ内に引き込んだ組織に処置を施すための手段とを備えることを特徴とする装置が提供される。
【0009】
或る実施形態では、前記チャンバが開口を有し、該開口を通して組織が前記チャンバ内に引き込まれる。前記開口は、チャンバの一つの側面に設けることができる。前記開口は、チャンバの端面に設けてもよい。
【0010】
或る場合には、チャンバ内に組織を引き込むための前記手段が、組織に真空を与える手段を備える。前記装置は、真空源とチャンバとを連通させる真空ルーメンを備えることができる。前記装置は、真空ルーメンとチャンバとを連通させるための1以上の真空オリフィスを含んでいてもよい。
【0011】
或る実施形態では、前記真空源は体外に位置するように構成される。
【0012】
或る場合には、前記真空ルーメンの長手軸がチャンバの長手軸から径方向にオフセットされる。
【0013】
或る実施形態では、チャンバ内に組織を引き込むための前記手段が、組織を前記能動素子に向けて引き込むように構成される。チャンバ内に組織を引き込むための前記手段は、組織を前記能動素子に接触させるように構成することができる。
【0014】
或る実施形態では、前記デバイスが、滑らかな断面形状を画定するように構成される。前記デバイスの遠位端が、実質的に丸く形成することができる。
【0015】
或る場合には、前記能動素子が電極を備える。前記処置を施すための手段は、チャンバ内の組織に電気穿孔を施す手段を備えることができる。
【0016】
或る実施形態では、前記能動素子が導電性要素を備える。
【0017】
前記能動素子は光学要素を備えることができる。
【0018】
これらに代えてまたは追加して、前記能動素子は放射線源を備える。
【0019】
或る実施形態では、前記能動素子が超音波源を備えることができる。
【0020】
或る場合には、前記装置が、2以上の能動素子を含む。少なくともいくつかの前記能動素子を同一のものとすることができる。
【0021】
少なくともいくつかの前記能動素子が互いに異なるものであってもよい。
【0022】
或る実施形態では、少なくとも1つの能動素子が、それに関連する治療薬を有する。例えば、前記能動素子は治療薬を含浸することができる。
【0023】
或る形態では、前記チャンバ内の能動素子の位置が、チャンバ内の物理的場の強度のばらつきを最小限にするように構成される。
【0024】
或る実施形態では、前記チャンバが複数の開口を有する。
【0025】
或る実施形態では、前記デバイスが、注射器や針又はその類似物等の処置デバイスを受容する手段を有する。
【0026】
前記装置は、少なくとも1つのセンサを備えることができる。前記センサは、処置の手順をモニタするために使用することができる。前記センサは、能動素子と一体に設けてもよい。
【0027】
或る実施形態では、前記デバイスが、1以上の補助的腹腔鏡デバイスを前記デバイスに結合するのを容易にするための少なくとも1つのポートを有する。
【0028】
前記ポートは、腹腔鏡のような補助的デバイスを、任意により該補助的デバイスがチャンバと位置を整合させて、前記デバイスに結合するのを容易にするように構成することができる。
【0029】
或る場合には、前記補助的デバイスが、視覚情報を伝達するための内視鏡、及び/または治療薬を組織に注射するための針を有する。
【0030】
或る実施形態では、前記デバイスが、医療器具に取り付けるために適合される。前記デバイスは、医療器具の遠位端に取り付けるために適合させることができる。前記医療器具は、内視鏡、腹腔鏡、胸腔鏡、または尿管鏡から構成できる。
【0031】
前記医療器具はカテーテルから構成できる。
【0032】
或る実施形態では、前記装置が、前記能動素子及び/またはセンサをコントローラと連絡した状態で接続するためのコネクタルーメンを備える。前記コントローラは、体外に配置されるように構成することができる。
【0033】
また、本発明によれば、本発明の装置からなる医療器具、内視鏡、腹腔鏡、胸腔鏡、尿管鏡、及びカテーテルが提供される。
【0034】
本発明の別の態様では、組織の予防的処置または治療処置方法であって、
チャンバと前記チャンバ内部に少なくとも1つの能動素子とを有するデバイスを設ける過程と、
前記デバイスを目的の部位に配送する過程と、
前記チャンバ内に組織を引き込む過程と、
前記チャンバ内の少なくとも1つの能動素子を用いて、チャンバ内に引き込んだ組織に処置を施す過程と、
前記組織をチャンバから解放する過程と、
前記デバイスを引き出す過程とを含む方法が提供される。
【0035】
或る実施形態では、前記組織が、真空を作用させることによって前記チャンバ内に引き込まれる。
【0036】
前記組織は、能動素子に向かって引き込むことができる。前記組織は、能動素子に接触するように引き込むこともできる。
【0037】
或る実施形態では、前記方法が、能動素子を用いて組織に刺激を与える過程を含む。
【0038】
或る場合には、前記方法が、組織に電気エネルギを与える過程を含む。
【0039】
これらに代えて又は追加して、前記方法は、組織に電磁エネルギを与える過程を含む。
【0040】
前記方法は、前記組織に核エネルギを与える過程を含むことができる。
【0041】
前記方法は、前記組織にマイクロ波または代替エネルギ源を介して熱エネルギを与える過程を含むことができる。
【0042】
或る場合には、前記能動素子が導電性要素である。前記能動素子は電極及び/または光学要素を有することができる。
【0043】
或る実施形態では、前記能動素子が放射線源からなる。
【0044】
前記能動素子は超音波源から構成することができる。
【0045】
或る実施形態では、前記能動素子が電極を有し、前記組織に行われる処置が電気穿孔処理である。
【0046】
或る場合には、前記組織が病変組織、例えば腫瘍である。前記腫瘍は、食道、結腸、膀胱、胃、腎臓、肝臓、及び膵臓の腫瘍か、線維肉腫か、乳房、及び前立腺の腫瘍か、神経膠腫か、肺、直腸、脾臓、卵巣の腫瘍か、黒色腫である場合がある。
【0047】
別の実施例では、前記組織が健常組織である。
【0048】
或る実施形態では、前記方法が、組織に別の処置を施す過程を含む。前記別の処置は、チャンバに組織を引き込む前に行うことができる。これらに代えて又は追加して、前記別の処置を、チャンバに組織を引き込んだ後に行うことができる。
【0049】
前記別の処置は、治療処置、及び/または可視化処理、及び/または薬物治療処置、及び/または診断処置であってもよい。
【0050】
或る実施形態では、前記方法が、1以上の補助的腹腔鏡デバイスを前記デバイスに結合する過程を含む。
【0051】
前記方法は、組織に治療薬を注射する過程を含むことができる。
【0052】
或る実施形態では、前記デバイスが、医療器具に取り付けられているか、取り付け可能である。前記医療器具は、内視鏡、腹腔鏡、胸腔鏡または尿管鏡から構成することができる。前記医療器具は、カテーテルから構成することができる。
【0053】
前記デバイスは、医療器具の遠位端に取り付けられるか、取り付け可能にすることができる。
【0054】
或る実施形態では、前記方法が、センサを用いて処置をモニタする過程を含む。
【0055】
別の実施形態では、前記方法が、コントローラを用いて前記処置を制御する過程を含む。
【0056】
前記目的の部位は、体の外表面上の部位であってよい。別の実施例では、前記目的の部位は、体内の部位であってよい。
【0057】
本発明のデバイスは、健常組織及び腫瘍組織両方への内視鏡を用いた治療薬の送達を容易にする。チャンバ内に配置されたプレート電極を用いることによって、電気パルスの供給の際に生成される電界が一様となる。一定の体積の組織がチャンバ内に引き込まれ、組織の処置の間に安全に保持される。従って、本発明により、電気パルスを用いる場合でも、遺伝子治療薬や医薬品の取り込みを向上させる他の物理的処置を用いる場合でも、腔内組織の所定の容積が処置されるようにすることが可能となる。遺伝子治療薬及び薬剤の両方の細胞膜を通した取り込みを安全に向上させるために電気パルスを用いることができるという発見に基づき、外部及び腔内組織の両方に用いるために種々の電極の構造が設計されてきた。基本的に、選択肢は、マクロニードルかプレート電極の何れかの使用に限定されていた。臨床的には、これらの電極は外部組織(例えば基底細胞癌や悪性黒色腫)に適用されてきたが、腔内組織を電気穿孔するための適当な外科器具が存在しなかったため、この技術をこの領域で発達させることができなかった。本発明の装置及び方法では、処置される組織の容積が、最適な分量でかつできる限り一様に処置される。チャンバ内に設けられた電極を有することの効果は、デバイスチャンバに電極が設けられかつ真空引きの使用によって処理が終わるまで標的組織が所定位置に保持されることによる(針をベースにした電極を用いて適用する場合と比較して)電流漏れ即ち健常組織への損傷のリスクが最小になることに加えて、外科医をして処置される組織の面積を正確に制御することが可能となることである。
【0058】
電極を組織チャンバ内部に包入させることによって、チャンバ内に引き込まれる組織の比率が既知となる(チャンバ寸法によって制約される)。組織がチャンバ内部に一旦引き込まれると、組織は電極または他の組み込まれたセンサ(温度センサ等)によって電気的に試験され、得られた情報に基づいて、捕捉された組織を一様かつ効果的に電気的に処置して、最高の効果或いは所望の効果を達成することができる。このことは、容積が既知の一定値であり、チャンバ内の電極の間隔や組織チャンバの寸法等の特性が既知であることから可能となる。
【0059】
チャンバ内に標的組織が捕捉されることで、処置の範囲をその標的組織に確実に限定することができる。
【0060】
標的組織を組織チャンバ内に保持したまま、即ち電極のような能動デバイスの間に保持したまま、標的組織内に薬剤を注入できることから、薬剤処置される領域も電気的に処置される領域と同じになる。
【0061】
処置薬の注入時に標的組織をチャンバ内に保持しておくことが、組織の電気的処置の前に、薬剤を細胞のない空間に分散させておく助けとなる。細胞のない空間は、標的組織の電気的処置の前に治療薬の置いておくのに望ましい環境である。
【0062】
本発明のデバイスは、ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官に処置を行うために、カテーテル、内視鏡、腹腔鏡、胸腔鏡、または尿管鏡に設けることができる。
【0063】
本発明は、診断用、治療用、表示用、治験用の溶液の、ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、及び/または健常な、組織及び/または器官への分散を助けるために真空圧を提供する。真空引きは、マニホールドを通して行うことができる。
【0064】
チャンバの容積は設計/製造段階で、用途に適合するように変えられることが理解される。
【0065】
本発明のデバイスは、体内及び皮膚外の両方からアクセス可能なあらゆる種類の腫瘍に対して用いることができる。そのような腫瘍としては、以下に限定されないが、食道、結腸、膀胱、胃、腎臓、肝臓、及び膵臓の腫瘍、線維肉腫、乳房、及び前立腺の腫瘍、神経膠腫、肺、直腸、脾臓、卵巣の腫瘍や、黒色腫等が挙げられる。
【0066】
このデバイスは、ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、及び/または健常な、組織及び/または器官内の標的部位に、薬物及び/または遺伝子治療薬を送達するのを容易にする。従って、本発明は、ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、及び/または健常な、組織及び/または器官内の標的部位への、薬物及び/または遺伝子治療薬の部位特異的送達のための、侵襲の少ないデバイスを提供する。
【0067】
このデバイスは、ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、及び/または健常な、組織及び/または器官の局所的な所定の体積の処置のために用いることができる。
【0068】
本発明は、電気パルス、微粒子、ポリマー、超音波、マイクロ波、遺伝子治療薬、化学療法薬、及び薬剤の送達のために特に設計された内視鏡、腹腔鏡、胸腔鏡、または尿管鏡カテーテルに取り付けられたデバイスを提供する。
【0069】
このデバイスは、侵襲の少ないプロトコルによって、反復的で継続的な送達を行うために用いることができる。
【0070】
このデバイスは、壁の内部または表面に取り付けられた導電性材料を有するか、かつ/またはチャンバに導電性材料が嵌め込まれる。そのような導電性材料は、それを電極として用いることによって、ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官に電気パルスを送り込むことを可能とする。
【0071】
金属材料の場合には、それらは、限定するものではないが、金、白金、及び/またはステンレス鋼を含むあらゆる適切な生体適合材料とすることができる。
【0072】
電極は平坦で硬質な電極、黒色電極、メッシュ電極とすることができ、その製造は、限定するものではないが、シリコン基板、プラスチック基板、セラミック基板等の種々の基板上への金属薄膜の被着によって行うことができる。
【0073】
前記電極は、種々の寸法のシリコンまたはポリマー針ベースの電極か、そのアレイとすることができる。針は、機械加工によって製造することができる。針または極微針は、水酸化カリウム(KOH)エッチングにより、または深い反応性イオンエッチング(DRIE)によってシリコン内に形成することができる。ポリマーから針または極微針を作製する場合には、限定するものではないが、ポリマーの高温エンボス加工法によって作製することができる。
【0074】
電極は、可撓電極及び/または電気パルスを伝達可能な物質或いは物質群とすることができる。
【0075】
チャンバは、必要に応じて任意の数、任意の構造、任意の位置に配置された電極を有することができる。電極の構造は、上述の種類の電極/導電性材料/導電機構の任意の組合わせから構成することができる。
【0076】
本発明は、概要を上記したように、ナノ粒子、ポリマー、超音波、マイクロ波、遺伝子治療薬、化学治療薬、及び/または薬物を送達可能な電極または他の導電性材料を用いることによって、ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官に電気パルスを供給するのを容易にする。本発明はまた、概要を上述したように、電極または他の導電性材料を用いることによって、ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官に電気パルスを供給するのを容易にする。
【0077】
このデバイスは、細胞膜の前後の輸送能力を高めることによって、遺伝子物質や薬物、及び任意の診断用、治療用、表示用、治験用の溶液の送達を向上させるべく変更することができる。
【0078】
本発明は、隔壁、チャネル、またはポートを介した治療薬の局所的送達と、電気穿孔パルス供給との組み合せを提供する。
【0079】
或る実施形態では、デバイス/チャンバ壁上の電極/導電性材料/機構が、そのような治療薬送達チャネル/経路を備える。これらの送達経路は、チャネル、マイクロチャネル、毛細管チャネル、細孔、孔、ポート、針、マイクロ流体チャネル又はそれらの類似物等とすることができる。
【0080】
分離注射針/微小注射針はチャンバの内部に延在させることができ、組織/器官の処置対象の領域が一旦(即ち前もって)チャンバ内に引き込まれると、そこに治療薬を注射するのが容易になる。
【0081】
本発明のデバイスは、内視鏡、腹腔鏡、胸腔鏡、または尿管鏡カテーテルに取り付けられたデバイスを用いた侵襲の少ない処置による遺伝子や薬物、及び任意の診断用、治療用、表示用、治験用の溶液の細胞膜を通しての送達を向上させることができる。
【0082】
本発明のデバイスは、外科手術や他の処置の前に腫瘍体積を低減させておく際の補助に用いることができる。詳述すると、このデバイスを用いて、薬物、及び任意の診断用、治療用、表示用、治験用の溶液の腫瘍組織への注射と組み合わせて、内視鏡、腹腔鏡、胸腔鏡、または尿管鏡カテーテルを介して電気パルスを供給することによって、このデバイスは、外科手術や他の処置の前に腫瘍体積を低減させておく際の補助に用いることができる。
【0083】
このデバイスを用いて、遺伝子や薬物、及び任意の診断用、治療用、表示用、治験用の溶液の腫瘍組織への注射と組み合わせて、内視鏡、腹腔鏡、胸腔鏡、または尿管鏡カテーテルを介して微粒子、ポリマー、超音波、マイクロ波、遺伝子治療薬、化学療法薬、及び薬剤を供給することによって、このデバイスは、外科手術や他の処置の前に腫瘍体積を低減させておく際の補助に用いることもできる。
【0084】
あらゆる適切な腫瘍体積低減技術を用いることができ、そのような技術として、熱を用いた方法や、放射線/エネルギー等の他の形態の送達、又はそれらに類似するものが挙げられる。
【0085】
本発明は、腹腔鏡または内視鏡手段を介した、ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、及び/または健常な、組織及び/または器官への一様な電界の送達を容易にする。
【0086】
本発明は、遺伝子や薬物溶液、または任意の診断用、治療用、表示用、治験用の溶液を、ヒトまたは動物の、特定の病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官に注射すると同時に、処置のモニタリングのリアルタイム映像出力を同時に提供できる、内視鏡、腹腔鏡、胸腔鏡、または尿管鏡をベースにしたデバイスを提供する。
【0087】
本発明はまた、遺伝子や薬物溶液、または任意の診断用、治療用、表示用、治験用の溶液を、ヒトまたは動物の、特定の病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官に注射し、固定された体積部分に部位特異的に電気パルスを供給すると同時に、処置のモニタリングのリアルタイム映像出力を同時に提供できる、内視鏡、腹腔鏡デバイスも提供する。
【0088】
本発明はさらに、遺伝子や薬物溶液、または任意の診断用、治療用、表示用、治験用の溶液を、ヒトまたは動物の、特定の病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官に注射し、定の病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官の固定された体積部分に特異的な部位に電気パルスを供給すると同時に、処置のモニタリングのリアルタイム映像出力と、処置の間に生じ得る温度、pH、浸透性、インピーダンス、導電率の変化等をモニタリングを同時に提供できる、内視鏡、腹腔鏡デバイスも提供する。
【0089】
このデバイスは、ヒトまたは動物の、特定の病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官におけるストレス反応を誘導する電気パルスの供給を容易にする。
【0090】
本発明により、限定するものではないが、温度、pH、透性、インピーダンス、導電率等の、環境のストレスに応じた細胞機能の消失を引き起こす、ヒトまたは動物の、特定の病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官への、所定の電気パルスの供給を可能にする。
【0091】
本発明はまた、限定するものではないが、温度、pH、透性、インピーダンス、導電率等の、環境のストレスに応じた細胞機能の消失を引き起こす、ヒトまたは動物の、特定の病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官への、所定の電気パルスの供給を可能にする。
【0092】
本発明は、ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官を真空圧力の下でチャンバ内に引き込むことに加えて、ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官に部位特異的に遺伝子治療薬や薬物、及び任意の診断用、治療用、表示用、治験用の溶液を注射し、その後ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官に、チャンバ内の内側壁の何れかの上に間隔をおいて配置された複数の電極を介して電気パルスを供給する追加の特徴または能力を有するデバイスを提供する。さらに、電極の設計を温度チップを組み込む形とすることによって、電気パルス供給前、供給時、供給後の組織温度のリアルタイムモニタリングを可能にしているともに、映像出力デバイスによるチャンバのモニタリングも可能としている。このデバイスは、ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、及び/または健常な、組織及び/または器官に、侵襲を最小限とする方式を用いてデバイスを適用することを可能にする内視鏡、腹腔鏡、または他の適切に改変されたデバイスへの取り付けまたは一体化を可能とするように改変される能力をも有し得る。このデバイスは、腹腔鏡、胸腔鏡、尿管鏡、または内視鏡上に一体化され得る。このデバイスはまた、ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、及び/または健常な、組織及び/または器官に超音波エネルギーを供給可能に構成され得る。このデバイスはまた、ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、及び/または健常な、組織及び/または器官にマイクロ波を供給可能に構成され得る。
【0093】
加えて、このデバイスは、ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、及び/または健常な、組織及び/または器官に部位特異的にナノ粒子を供給するために用いられ得る。詳述すると、このデバイスは、ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官に部位特異的にナノ粒子を供給し、その後ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官に、チャンバ内の内側壁の何れかの上に間隔をおいて配置された複数の電極を介して電気パルスを供給するために用いることができる。
【0094】
本発明は、ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官に電気パルス、超音波、及びマイクロ波エネルギーを適用することを可能にする。
【0095】
本発明はまた、ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官に対して、腫瘍体積を低減するべく電気パルス及び抗音波を適用することを可能にする。
【0096】
ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官に対して電気パルス及びマイクロ波エネルギーを適用して、電気穿孔の後に細胞を熱に対して増感させることで腫瘍体積を低減する。
【0097】
或る態様では、本発明は、ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官を真空圧力の下でチャンバ内に引き込むことに加えて、ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官に部位特異的に遺伝子治療薬や薬物、及び任意の診断用、治療用、表示用、治験用の溶液を注射し、その後ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官に、チャンバ内の内側壁の何れかの上に間隔をおいて配置された複数の電極を介して電気パルスを供給する追加の特徴または能力を有するデバイスを提供する。さらに、このデバイスは、電気パルス増感された、チャンバ内のヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官にマイクロ波エネルギーを供給することができる。
【0098】
別の態様では、ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官を真空圧力の下でチャンバ内に引き込むことに加えて、ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官に部位特異的に遺伝子治療薬や薬物、及び任意の診断用、治療用、表示用、治験用の溶液を注射し、その後ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官に、チャンバ内の内側壁の何れかの上に間隔をおいて配置された複数の電極を介してナノ粒子、ポリマー、超音波、マイクロ波、遺伝子治療薬、化学治療薬、及び薬物を供給する追加の特徴または能力を有するデバイスを提供する。さらに、このデバイスは、電気パルス増感された、チャンバ内のヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官にマイクロ波エネルギーを供給することができる。
【0099】
本発明はまた、ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官を真空圧力の下でチャンバ内に引き込むことに加えて、ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官に部位特異的に遺伝子治療薬や薬物、及び任意の診断用、治療用、表示用、治験用の溶液を注射し、その後ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官に、チャンバ内の内側壁の何れかの上に間隔をおいて配置された複数の電極を介してナノ粒子、ポリマー、超音波、マイクロ波、遺伝子治療薬、化学治療薬、及び薬物を供給する追加の特徴または能力を有するデバイスを提供する。
【0100】
さらに、このデバイスは、ナノ粒子、ポリマー、超音波、マイクロ波、遺伝子治療薬、化学治療薬、及び薬物に対して増感された、チャンバ内のヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官にナノ粒子、ポリマー、超音波、マイクロ波、遺伝子治療薬、化学治療薬、及び薬物を供給することができる。
【0101】
デバイスは、ヒトまたは動物の、病変した、癌性の、腫瘍形成性の、または健常な組織及び/または器官を真空圧力の下でチャンバ内に引き込むことができ、かつチャンバ内に組織を維持するのを助ける一般的にはシリコン製の極微針を有することができる。
【0102】
本発明は腫瘍及び組織の物理的処置に関連するものである。より詳細には、本発明は、局所的で所定の体積の領域にある腫瘍またはそれ以外の病変組織の治療に関する。一般的には、内視鏡または腹腔鏡等の医療機器への取り付け部品である処置ヘッドとして本発明を実現することによって処置手段に組織を近接させる。本発明の重要な側面は、物理的刺激の適用による治療薬の薬効の増強と、処置される体積部分が受ける物理的場の一様性の最適化である。本発明の別の側面は、本発明は1人の患者についての単回処置で使用するための使い捨て処置ヘッドとして実現できる点である。
【0103】
本発明のいては、印加される物理的場の一様性を改善するために、処置体積をチャンバによって規定し、それがなければ異なる形状となる処置対象の組織をチャンバ内に引き込むことによってその体積となるように強制する。この方式は、形状が一様でない体積部分に対して好ましいことがわかった。内視鏡の映像情報を使用することで、処置手段の比較的正確な位置決めが可能となる。驚くべきことに、本発明においては、本発明者が、処理の効果を高めるために最適な能動素子のアレイを備えた適当な形状のキャビティに処置対象の組織を真空引きを用いて引き込むことによって、処置体積の規制方法の改善を達成できることを見出した。
【0104】
このように負圧を利用することで、腫瘍組織において上昇し得る内部圧力を低下させることもでき、これによって治療薬の組織への取り込みを改善できるという追加の利益も得られる。治療薬は、静脈への点滴によって供給しても、処置ヘッド内に引き込んだ後に組織の体積部分に注入してもよい。
【0105】
処置対象の腫瘍または組織の体積部分が単回処置体積と比較して大きい場合には、病変組織において処置体積部分をインデクシングすることによって病変組織の隣接する体積部分を処置することができる。内視鏡によって提供される映像情報は、この処理をより正確にすることができる。さらに、ここで行われる処理によって温度の上昇等の物理的な変化がもたらされるが、温度センサ等の適当な検知手段を用いてプロセスを追跡してゆくことは有益である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0106】
本発明は、添付の図面とともに、以下の単なる例示であるいくつかの実施例の説明を参照することによって、より明確に理解される。
【0107】
添付図面において先ず図1及び図5を参照すると、本発明による装置20が図示されている。装置20は組織に対する予防または治療処置を行うのに適している。
【0108】
装置20は、治療チャンバ22と、チャンバ22内の複数の能動素子23と、真空ルーメン24とを有するデバイス21を備える。
【0109】
チャンバ22は、その側部に大きい開口26を有し、その開口を通して組織をチャンバ22内に引き込むことができる。
【0110】
真空ルーメン24の近位端は、体の外部に配置される真空源に連通するように結合されており、真空ルーメン24の遠位端は、チャンバ22の後壁にある複数の真空オリフィスによってチャンバ22に連通するように結合されている。
【0111】
真空ルーメン24は、組織に真空を作用させ、それにより組織をチャンバ22の内部に引き込んで能動素子23と接触させるために用いられる。
【0112】
図3に示すように、真空ルーメン24の長手軸A−Aはチャンバ22の長手軸B−Bとは径方向にオフセットしている。
【0113】
この場合、各能動素子23は、チャンバ22の内側壁に固着された硬質の平坦な部材の形態で設けられる。各能動素子23は、チャンバ22の内部に引き込まれた組織に電気穿孔処置を行うための電極と、処置の実施をモニタするための一体型センサと有する。
【0114】
能動素子23のチャンバ22内部での位置は、チャンバ22内部の電界強度のばらつきを最小にするように選択される。このようにして、デバイス21はチャンバ22全体にわたって実質的に一様な物理的場を達成している。
【0115】
接続リード28は、能動素子23を、体の外部に配置されるコントローラに接続する。装置20の全体の体積を最小にするために、接続リード28は真空ルーメン24を通して延在しており、真空ルーメン24は接続リード28を外囲するハウジングとしての役目を果たしている。
【0116】
デバイス21は、1以上の補助的腹腔鏡デバイスをデバイス21に結合するのを容易にするためのポート29を有する。図3に示すように、補助的腹腔鏡デバイスがチャンバ22と位置合わせされたデバイス21に結合されるように、ポート29はチャンバ22に位置合わせされる。
【0117】
デバイス21に結合され得る適当な補助的腹腔鏡デバイスは、組織に対して行われる予防または治療のための処置に関連する視覚情報を伝達するための内視鏡、及び/またはチャンバ22内に引き込んだ組織に治療薬を注射するための針を備える。
【0118】
図2及び図3に示すように、デバイス21の遠位端27は実質的に丸みを帯びた形状となっている。このように、デバイス21は滑らかな横断面の形状を有する。この場合、デバイス21は成形品の本体で形成される。
【0119】
装置20は、体内の所望の部位へ配送し、その後体内から引き出すための器具に取り付けることができる。一般的に、装置20は器具の遠位端に取り付けられる。
【0120】
装置20が取付けられ得る器具として適切なものとしては、内視鏡、腹腔鏡、胸腔鏡、尿管鏡、カテーテル等が挙げられる。
【0121】
使用時には、装置20は器具に取り付けられ、その器具は、体内の所望の部位に装置20を送配送するべく人体の中に進行させる。次に体外に配置された真空源を用いて真空を作用させる。真空ルーメン24及び真空オリフィス25を介して真空を組織に作用させることによって、組織をチャンバ22内に引き込んで、能動素子23に接触させる。
【0122】
能動素子23の電極を用いて、チャンバ22内の組織に電気穿孔処理を行う。治療処置の間、能動素子23のセンサによりユーザが治療処置の進行をモニタすることが可能となり、処置の進行はコントローラを用いて制御することができる。
【0123】
治療処置が終了すると、真空を解放してチャンバ22内から組織を解放し、器具を引き抜くことによって装置20が人体から取り出される。
【0124】
組織をチャンバ22から引き抜く前及び/または引き抜いた後に、組織に別の処置を行ってもよい。可能な別の処置としては、治療処置、可視化処置、薬物治療処理、または診断処理がある。
【0125】
本発明の装置20は、腫瘍のような病変組織の治療に適している。腫瘍には、食道、結腸、膀胱、胃、腎臓、肝臓、及び膵臓の腫瘍、線維肉腫、乳房、及び前立腺の腫瘍、神経膠腫、肺、直腸、脾臓、子宮の腫瘍や、黒色腫等がある。
【0126】
本発明の装置20は、健康な組織に対する予防的処置を行うのにも適している。
【0127】
対象とする部位は、体内の部位又は体外の体表面の部位とすることができる。
【0128】
デバイス21の形態は、臨床処置上の要請に対して好都合となるように、かつ/または患者の解剖論的な要請に対して好都合となるように変更できることが理解される。例えば、チャンバの開口を、上述した開口に代えて又は上述した開口に加えて、チャンバ22の一端に設けてもよい。チャンバは複数の開口を有することができる。
【0129】
また、能動素子が種々の可能な形態で設けられ得ることも理解されよう。例えば、能動素子は、導電性素子、光学素子、放射線源、超音波源のなかの何れかまたはこれらの2以上の組合わせとすることができる。能動素子は、物理的刺激、電気エネルギ、電磁エネルギ、核エネルギ、熱エネルギの何れかまたはそれらの2以上の組合わせを組織に作用させることができる。能動素子に治療薬を含浸させてもよい。
【0130】
チャンバ22内部の各能動素子は同一のものであってよい。又は、チャンバ22内部の2以上の能動素子が互いに異なるものであってもよい。
【0131】
図6には、図1〜図5の装置20に類似した、本発明による別の装置が示されている。
【0132】
図6は、人体内での短時間の使用が認められている生体適合性のある金属、ポリマ、またはセラミック材料から成形または加工により作られた本体部4を示す。本体部内にはチャンバ5が形成され、ルーメン2とそれに内部マニホールド8を介して接続された複数のオフィリス6とを介してチャンバ5に真空を作用させることによって、チャンバ5の断面形状が矩形の内壁のなかに組織や腫瘍が引き込まれる。真空は、ルーメン2の近位端に接続された吸込みポンプまたは他の手段によって生成される。チャンバ5の壁には、チャンバ5内に引き込まれた組織に物理的刺激を与えるための能動素子手段7が設けられており、能動素子手段7はチャンバ5内の物理場のばらつきを最小にするように配置されている。チャンバ5の壁には、治療処置の進行をモニタするための光学センサが、能動素子手段7の内部に一体に或いは別体として設けられている。一般的には、センサと能動素子7とは、接続線及び/または光ファイバによって外部の回路に接続される。接続線や光ファイバは真空ルーメン2の内部に配置するのが好都合だが、必ずしもそのように配置しなくてもよい。接触手段7が電界の印加や他の電気的処理(例えば高周波加熱など)のために用いられる場合には、能動素子7は、平坦な形状、交互にかみ合わされた(interdigitated)形状、または他の形状とすることができ、より良い結果を得るために行われる処理のスケールに適した特徴を備えることができる。超音波源が能動素子であってもよい。可視光スペクトル又はそれに隣接した領域での放射線による刺激で治療を行う場合、接触手段7は、処置する容積に必要な強度分布が得られるように硬質の屈折要素及び反射要素双方を用いて精密に構成することができる。
【0133】
成形した本体部4の端面は、ルーメン2を取り付けるための手段に加えて、それを、外科医が遠位端で行われている処理を観察できるように視覚情報を近位端に送信するために内視鏡の本体内に一体に設けられた手段を暗くしない硬質の延長部を形成するように、内視鏡の端面に合わせるための機構1を備える。別の形態では、デバイスに取り付けられた真空チューブは、内視鏡の本体の外部にテープで取り付けられる。必要とされ、便利なように真空チューブの内部に配置される全ての導電体及び/または光ファイバーは、内視鏡の制御末端において分離させて、1つのポートを真空引きのために、他のポートを電気的接続及び/または光学的接続のために確保することができる。
【0134】
図7及び図8は本発明の別の実施形態を示しており、この形態では機構1が、内視鏡手段の生検用ポートに適合する中空のペグ10と、ペグ10が内視鏡の生検用ポート内に配置されているとき、本体2が内視鏡本体12に対して回転しないようにし、ペグの周囲の回転軸にしっかりと固定するための、内視鏡手段の本体の直径に近い直径の本体部4から加工された半月型段部11とを有する。本体部4とペグ10との間には、印加される真空から内視鏡の内部部品をシールする役目を果たし、それを通して生検チャネルを介して針を挿入し、その針を腫瘍または組織に接触する別の手段として用いることができ、それを通して治療薬をその腫瘍または組織に注射し得る隔壁を配置することができる。この場合、中程度の真空が、内部の組織または腫瘍の表面の内部及び周囲に治療薬を引き込む負の圧力を形成する。この実施形態では、真空チューブが内視鏡の外側にテープで取り付けられる。
【0135】
図9及び図10を参照すると、組織受け入れチャンバ51を有するハウジング50からなる、チャンバ51から下側の低圧マニホールド53に達するベントが設けられた、単純化された構造の本発明のデバイスが示されている。この場合、電極54はチャンバ51の側壁に配置される。このデバイスは、注射ポート10をも備える。
【0136】
本発明のデバイスの利用法の1つが図11(a)乃至図11(c)に示されている。ここでは、標的の組織が符号60で示されており、注射隔壁または弁62を通した処置針61も図示されている。図11(a)に示すように、処置ヘッド組織チャンバ51は標的組織60に接近させる。処置ヘッド50は切断されて、チャンバ51と、電極54と、組織チャンバベント2及び注射隔壁62を備えた低圧マニホールド53とが露出される。図11(b)は、処置ヘッド50が標的組織60の表面に適用されたときに、真空システムが作動した後の、捕捉された標的組織60を示す図である。標的組織60は、組織チャンバ51内部の減圧によって捕捉されるが、処置針61(例えば薬物注射用)は、注射隔壁62を通して、捕捉された組織60の内部に押入される(図11(c)参照)。標的組織に対して処置(例えば薬物処置)を行っている間、組織は減圧状態中に維持され、その後処置パルスが加えられる。
【0137】
図12は本発明で使用するための典型的な腹腔鏡ポート70を示す。ポート70は、表皮71と皮下組織72とを通して体腔73中に挿入されるカニューレ68を備える。処置ヘッド50は腹腔鏡シャフト24に取り付けられ、そのシャフトをポート70及びカニューレ68を通して体腔23に入れることによって内部組織/器官へのアクセスが得られる。真空ライン78、デッドスペースの少ない処置デリバリーチューブ79、及び電気的入力/出力配線は、シャフト74の内部を通して近位側のハンドル部69に達している。近位側のハンドル部構造69が図13に示されている。電気的入力/出力コネクタ75によって、処置ヘッドを信号発生器/分析器に接続することが可能となる。真空ライン78はハンドル69からポート76のところで外部に出ており、そこで真空ポンプに接続することができる。デッドスペースの少ない処置(例えば薬物)、ここではデリバリーチューブ79が、ハンドル64を全長にわたって貫通し、かつ上側端から出ており、そこで圧力式の注射器に取り付けることができる。ハンドル構造69は、注射器用の親指で操作する駆動機構76と、ハンドル旋回防止ロックナット80とを備える。
【0138】
一般的な内視鏡に取り付けられた本発明の処置ヘッド50が、図14(a)及び図14(b)に示されている。処置ヘッド50は、内視鏡の遠位端84へ取り付けるための形状を有している。処置ヘッド50からの注射ガイド管85が内視鏡83の生検ポート86を貫通している。処置ヘッド50を、半月形状の切欠き88を処置ヘッド50の上部に用いて内視鏡末端84に着座させたとき、外科用テープ81を用いて真空ライン87を内視鏡83の外側に固定してもよい。真空ライン87は、処置ヘッド50からの電気的入力/出力配線も包入している。図15を参照すると、半月形状の切欠き88が、内視鏡の遠位端84に一旦着座させると、内視鏡の生検ポート86の位置のオフセットによる処置ヘッド50の旋回を防止している。
【0139】
図16を参照すると、腔内食道組織に対して適用される本発明の別の実施例が示されている。本発明の処置ヘッド90は、器具(例えば内視鏡)のシャフト91の遠位端に設けられ、扁平上皮92内に挿入されて、ここでは胃94の近傍にある腫瘍93にアクセスしている。ここに記載する処置の手順及び各処置は腫瘍にも、処置チャンバに吸引された場合には、適用され得るものである。
【0140】
図17は、内視鏡97の遠位端96に一体化させた本発明の処置ヘッド95を示している。内視鏡97は接眼レンズ98と、配線や器具等のための種々のポート99とを備えた近位端を有する。側部は、光、空気、水等の供給のための可撓シャフト100を有する。一般的に、内視鏡の主シャフト10は可撓性を有する。
【0141】
本発明を以下の実施例によって更に説明する。
【0142】
本発明の一実施例は、機械加工された3つのナイロン部品から形成される。キャップ及び本体部は、直径11mm及び長さ35mmで遠位端に半球形状を有する中空シリンダ11を形成している。シリンダの壁には、組織をチャンバ内に吸い込むための開口が形成される。前記キャップは、前記チューブと、内視鏡と結合しかつ能動素子に物理的刺激を伝達するための他の特徴とを備えている。能動素子及びチャンバへの真空接続部は、この実施例では、ケース内部の所定位置で及び頂部に対してシールを施す前に金属の電極をインサートの内側壁に取り付けることを可能にする別体の部品として形成されている。チャンバの容積は5×5×15(単位は全てmm)である。
【0143】
第2の実施例では、2部品構造が採用されている。ケースと頂部とは、アセチル樹脂(acetyl plastic)の1部品から形成され、インサートと末端キャップとはアセチル樹脂の別の1部品から形成される。この構造によって、能動素子の適合のための前記インサートへの初めのアクセスを可能としながら、使用時に分解しにくい更に頑丈なデバイスが得られる。
【0144】
両実施形態では、デバイスの位置が内視鏡の末端からオフセットされ、内視鏡の周囲に描かれた曲線が前記キャップの頂部内に深さ5mmまで食い込んでいる。これが、内視鏡の生検ポート内に位置する4.2mmチューブと協働して、本体部を一定の位置にロックし、使用時の回転を防止する。
【0145】
或る実施形態では、真空ラインが、接続配線用のコンジットとして機能し、かつ患者に挿入する前に内視鏡の外側にテープで留められる外径4.5mmシリコンゴムチューブから形成される。別の形態では、より嵩張らない外径1.9mmのポリウレタンカテーテルチューブを用いる。伸張時の損傷を最小とするように、真空チューブ内に、ケーブルや光ファイバとともにケブラー(Kevlar(登録商標))のフィラメントを含むことができる。いくつかのデバイスで用いるのに最適の導電体は外径0.91mmの同軸ケーブル(Nexans Filotex)である。前記同軸ケーブルは、初めに能動素子のエッジに標準的なLMPはんだを用いてはんだ付けされ、その後に前記チャンバの壁に固定される。
【0146】
真空ラインはステンレス鋼チューブに固定され、該ステンレス鋼チューブはアセチル樹脂インサートの全長にわたって延びる1.2mmの孔の内部に固定される。チャンバの後壁には、組織の引き込みのための2以上の真空に連通する開口が設けられる。例えば、チャンバの床部を通して直径1.2mmのコンジット内に0.3mmの孔が穿孔される。試験時には、組織をチャンバの内部に引き込んでチャンバを満たすために0.6気圧(60795Pa)の負圧が必要である。真空孔は、容積の大きい組織や腫瘍に対して反復した適用が行われる場合に組織によって塞がれる可能性を最小限にするような形状に形成することができる。
【0147】
ステンレス鋼の電極が、301EpoTek医療用接着剤を用いて前記チャンバの壁内に固定される。この接着剤は電極には良好に接着するが、アセチル樹脂を接着するには良くない。この問題を解決するため、予めインサートの側壁に1mmの皿孔を穿孔しておく接着剤リベット法を用いる。次に前記電極を所定の位置に配置し、301医療用接着剤を前記孔が満たされるまで塗布する。301医療用接着剤が室温で一昼夜かけて硬化すると、形成された先細楔部が電極を一定位置にしっかりと保持することになる。電極を設けたインサートを外側ケース内に圧入して、301医療用接着剤を用いて固定し、前記デバイスをシールして、前記チャンバの床部をDow Coming 731シリコンゴムでコーティングする。このユニットは、前記真空ライン及び電極コネクタを加えることで完成する。この設計と製造方法は極めて柔軟なものであり、例えば電極の間隔やオリフィスのサイズ等をさまざまに変更することができる。
【0148】
処置チャンバの製造のための別の方法では、多部品ツールを用いて、処置する容積に接触する手段を組み込んだインサートを備えた1個部品として前記処置チャンバをモールド成形する。この製造方法は、1人の患者に1回の処置で用いるための使い捨て処置ヘッドとして実施する場合に特に適したものとなる。
【0149】
以下の寸法を有するユニットは、複数の電極をチャンバの側壁から一様に下向きに配置しかつ組織の容積に電界を印加するのに適するように形成される。
【0150】
a)開口長さ10mm、幅5mm(電極間距離)、深さ5mm、
b)開口長さ10mm、ギャップ幅4mm、深さ5mm、
c)開口長さ10mm、ギャップ幅3mm、深さ5mm、
d)開口長さ15mm、ギャップ幅5mm(電極間距離)、後壁に取り付けられた2つの温度センサ、
e)開口長さ15mm、幅5mm、第1の壁の1個の20mm電極、第2の壁の2個の5mm電極、より小型の2つの電極間の温度チップ。
【0151】
これらのユニットは、直径11mmのアセチル樹脂のロッドから2部品に機械加工され、次に一体に結合される。このプロセスの間に先細の接着剤ピンが形成される。後壁に真空引き用の2以上の開口が、組織を引き込むために形成される。試験では、組織を引き込んでチャンバを満たすために0.6気圧(60795Pa)の負圧が必要である。
【0152】
別の種類のデバイスは、内視鏡の端部上に固定されるのではなく、内視鏡の処置チャネルに嵌め入れるのに必要な寸法を有する。このデバイスは小さい真空チャンバも用いるが、処置面積/容積が小さく、寸法が2mmという特徴がある。生検ポート接続部は、治療薬を注射するためのポートとしての役目を果たし、隔壁が生検ポート位置のチューブ内に圧入される。この構成には、注射部位が正に処置される組織の部位に一致し、その治療が強化されるという非常に有利な点がある。この隔壁は、真空引き時に内視鏡の生検ポート全体から排気する必要性をなくすために必要である。
【0153】
更に別の実施形態では、能動素子が超音波を組織内に送り込めるように交互にかみ合わされた(interdigitated)形状の電極である。
【0154】
更に別の実施形態では、能動素子が、高周波を組織内に送り込めるように構成された電極である。
【0155】
更に別の実施形態では、能動素子が、組織を一様に照射できるように光ファイバまたは光ファイバ束の末端においてV字形に構成された光学的要素である。
【0156】
本発明は、図面を参照して上記のように説明した実施例に限定されず、構造や細部を変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】組織の予防または治療処置を行うための本発明による装置の斜視図。
【図2】図1の装置の側面図。
【図3】図1の装置の端面図。
【図4】図1の装置の各構成部品の斜視図である。
【図5】図1の装置を構成するように組み立てられた図4の構成部品の斜視図。
【図6】本発明の一実施形態の全体図。
【図7】デバイスの構造の詳細を示す垂直断面図。
【図8】本発明の実施例を内視鏡の末端に取り付けるための一手段を示す図。図7が能動素子ではなく吸込みポートを示しているのに対し、図8は明示のために能動素子及び吸込みポートの両方が省略されている。
【図9】本発明による別のデバイスの正面図。
【図10】図9のA−A線における断面図。
【図11】(a)乃至(c)からなり、本発明の装置を用いる方法を示す図。
【図12】本発明のデバイスを取り付けた典型的な腹腔鏡ポートの断面図。
【図13】アクセスポートの近位側のハンドル末端を示す図。
【図14】(a)及び(b)からなり、腹腔鏡の末端に取り付けられた本発明のデバイスの斜視図。
【図15】デバイスの内視鏡への取り付けを示す詳細な図14の断面図。
【図16】内視鏡を介して腔内食道組織への本発明のデバイスの適用を示す図。
【図17】本発明のデバイスを備えた内視鏡を示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織に予防的処置または治療処置を行うための装置であって、
チャンバと、前記チャンバ内の少なくとも1つの能動素子とを有するデバイスと、
前記チャンバ内に組織を引き込むための手段と、
前記チャンバ内に引き込んだ組織に処置を施すための手段とを備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記チャンバが、その中を通して組織が前記チャンバ内に引き込まれる開口を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記開口が前記チャンバの一つの側面に設けられることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記開口が前記チャンバの端面に設けられることを特徴とする請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記チャンバ内に組織を引き込むための前記手段が、組織に真空を与える手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の装置。
【請求項6】
前記装置は、真空源と前記チャンバとを連通させる真空ルーメンを備えることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記装置は、前記真空ルーメンと前記チャンバとを連通させるための1以上の真空オリフィスを備えることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記真空源が体外に位置するように構成されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】
前記真空ルーメンの長手軸が、前記チャンバの長手軸から径方向にオフセットされていることを特徴とする請求項6乃至8の何れかの記載の装置。
【請求項10】
前記チャンバ内に組織を引き込むための前記手段が、組織を前記能動素子に向けて引き込むように構成されていることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の装置。
【請求項11】
前記チャンバ内に組織を引き込むための前記手段が、組織を前記能動素子に接触させるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の装置。
【請求項12】
前記デバイスが、滑らかな断面形状を画定するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の装置。
【請求項13】
前記デバイスの遠位端が実質的に丸く形成されていることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記能動素子が電極を有することを特徴とする請求項1乃至13の何れかに記載の装置。
【請求項15】
前記処置を施すための手段が、前記チャンバ内で組織に電気穿孔を施す手段を有することを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記能動素子が導電性要素からなることを特徴とする請求項1乃至15の何れかに記載の装置。
【請求項17】
前記能動素子が光学要素からなることを特徴とする請求項2乃至16の何れかに記載の装置。
【請求項18】
前記能動素子が放射線源からなることを特徴とする請求項1乃至17の何れかに記載の装置。
【請求項19】
前記能動素子が超音波源からなることを特徴とする請求項1乃至18の何れかに記載の装置。
【請求項20】
前記装置が少なくとも2つの能動素子を備えることを特徴とする請求項1乃至19の何れかに記載の装置。
【請求項21】
少なくともいくつかの前記能動素子が同一のものであることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
少なくともいくつかの前記能動素子が異なるものであることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項23】
少なくとも1つの能動素子が、それに関連する治療薬を有することを特徴とする請求項1乃至22の何れかに記載の装置。
【請求項24】
前記能動素子が治療薬に含浸されていることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記チャンバ内の前記能動素子の位置が、前記チャンバ内の物理的場の強度のばらつきを最小限にするように構成されていることを特徴とする請求項20乃至24の何れかに記載の装置。
【請求項26】
前記チャンバが複数の開口を備えることを特徴とする請求項1乃至25の何れかに記載の装置。
【請求項27】
前記装置が少なくとも1つのセンサを備えることを特徴とする請求項1乃至26の何れかに記載の装置。
【請求項28】
前記センサが、処置の手順をモニタするために使用されることを特徴とする請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記センサが前記能動素子と一体に設けられていることを特徴とする請求項27又は28に記載の装置。
【請求項30】
前記デバイスが、1以上の補助的腹腔鏡デバイスを前記デバイスに結合するのを容易にするための少なくとも1つのポートを有することを特徴とする請求項1乃至29の何れかに記載の装置。
【請求項31】
前記ポートが、腹腔鏡のような補助的デバイスを、任意により前記補助的デバイスを前記チャンバと位置を整合させて、前記デバイスに結合するのを容易にするように構成されていることを特徴とする請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記補助的デバイスが、視覚情報を伝達するための内視鏡、及び/または治療薬を組織に注射するための針を備えることを特徴とする請求項30又は31に記載の装置。
【請求項33】
前記デバイスが、医療器具に取り付けるために適合されていることを特徴とする請求項1乃至32に記載の装置。
【請求項34】
前記デバイスが、医療器具の遠位端に取り付けるために適合されていることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記医療器具が内視鏡、腹腔鏡、胸腔鏡、または尿管鏡からなることを特徴とする請求項33又は34に記載の装置。
【請求項36】
前記医療器具がカテーテルからなることを特徴とする請求項33乃至35の何れかに記載の装置。
【請求項37】
前記装置が、前記能動素子及び/またはセンサをコントローラと連絡した状態で接続するためのコネクタルーメンを備えることを特徴とする請求項1乃至36に記載の装置。
【請求項38】
前記コントローラが、体外に配置されるように構成されていることを特徴とする請求項37に記載の装置。
【請求項40】
請求項1乃至39の何れかに記載の装置からなる医療器具。
【請求項41】
請求項1乃至39の何れかに記載の装置からなる内視鏡。
【請求項42】
請求項1乃至39の何れかに記載の装置からなる腹腔鏡。
【請求項43】
請求項1乃至39の何れかに記載の装置からなる胸腔鏡。
【請求項44】
請求項1乃至39の何れかに記載の装置からなる尿管鏡。
【請求項45】
請求項1乃至39の何れかに記載の装置からなるカテーテル。
【請求項46】
組織の予防的処置または治療処置方法であって、
チャンバと前記チャンバ内部に少なくとも1つの能動素子とを有するデバイスを設ける過程と、
前記デバイスを目的の部位に配送する過程と、
前記チャンバ内に組織を引き込む過程と、
前記チャンバ内の少なくとも1つの前記能動素子を用いて、前記チャンバ内に引き込んだ組織に処置を施す過程と、
前記組織を前記チャンバから解放する過程と、
前記デバイスを引き出す過程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項47】
前記組織が、真空を作用させることによって前記チャンバ内に引き込まれることを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記組織が、前記能動素子に向かって引き込まれることを特徴とする請求項45又は46に記載の方法。
【請求項49】
前記組織が、前記能動素子に接触するように引き込まれることを特徴とする請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記能動素子を用いて、前記組織に刺激を与える過程を含むことを特徴とする請求項45乃至48の何れかに記載の方法。
【請求項51】
前記組織に電気エネルギを与える過程を含むことを特徴とする請求項45乃至49の何れかに記載の方法。
【請求項52】
前記組織に電磁エネルギを与える過程を含むことを特徴とする請求項45乃至50の何れかに記載の方法。
【請求項53】
前記組織に核エネルギを与える過程を含むことを特徴とする請求項45乃至51の何れかに記載の方法。
【請求項54】
前記組織に、マイクロ波または代替エネルギ源を介して熱エネルギを与える過程を含むことを特徴とする請求項45乃至52の何れかに記載の方法。
【請求項55】
前記能動素子が導電性要素からなることを特徴とする請求項45乃至54の何れかに記載の方法。
【請求項56】
前記能動素子が電極からなることを特徴とする請求項45乃至54の何れかに記載の方法。
【請求項57】
前記能動素子が光学要素からなることを特徴とする請求項45乃至55の何れかに記載の方法。
【請求項58】
前記能動素子が放射線源からなることを特徴とする請求項45乃至56の何れかに記載の方法。
【請求項59】
前記能動素子が超音波源からなることを特徴とする請求項45乃至57の何れかに記載の方法。
【請求項60】
前記能動素子が電極を有し、前記組織に行われる処置が電気穿孔処理であることを特徴とする請求項45乃至58の何れかに記載の方法。
【請求項61】
前記組織が病変組織であることを特徴とする請求項45乃至59の何れかに記載の方法。
【請求項62】
前記組織が腫瘍であることを特徴とする請求項60に記載の方法。
【請求項63】
前記腫瘍が、食道、結腸、膀胱、胃、腎臓、肝臓、及び膵臓の腫瘍か、線維肉腫か、乳房、及び前立腺の腫瘍か、神経膠腫か、肺、直腸、脾臓、卵巣の腫瘍か、黒色腫であることを特徴とする請求項61に記載の方法。
【請求項64】
前記組織が健常組織であることを特徴とする請求項45乃至59の何れかに記載の方法。
【請求項65】
前記組織に別の処置を施す過程を含むことを特徴とする請求項45乃至63の何れかに記載の方法。
【請求項66】
前記別の処置が、前記チャンバに組織を引き込む前に行われることを特徴とする請求項64に記載の方法。
【請求項67】
前記別の処置が、前記チャンバに組織を引き込んだ後に行われることを特徴とする請求項64又は65に記載の方法。
【請求項68】
前記別の処置が治療処置であることを特徴とする請求項64乃至66の何れかに記載の方法。
【請求項69】
前記別の処置が可視化処理であることを特徴とする請求項64乃至67の何れかに記載の方法。
【請求項70】
前記別の処置が薬物治療処置または診断処置であることを特徴とする請求項64乃至68の何れかに記載の方法。
【請求項71】
前記方法が、1以上の補助的腹腔鏡デバイスを前記デバイスに結合する過程を含むことを特徴とする請求項45乃至69の何れかに記載の方法。
【請求項72】
前記方法が、前記組織に治療薬を注射する過程を含むことを特徴とする請求項45乃至70の何れかに記載の方法。
【請求項73】
前記デバイスが医療器具に取り付けられているか、取り付け可能であることを特徴とする請求項45乃至71の何れかに記載の方法。
【請求項74】
前記医療器具が内視鏡、腹腔鏡、胸腔鏡、または尿管鏡であることを特徴とする請求項72に記載の装置。
【請求項75】
前記医療器具がカテーテルからなることを特徴とする請求項72又は73に記載の方法。
【請求項76】
前記デバイスが医療器具の遠位端に取り付けられるか、取り付け可能であることを特徴とする請求項72乃至74の何れかに記載の方法。
【請求項77】
前記方法が、センサを用いて前記治療処置をモニタする過程を含むことを特徴とする請求項45乃至75の何れかに記載の方法。
【請求項78】
前記方法が、コントローラを用いて前記治療処置を制御する過程を含むことを特徴とする請求項45乃至76の何れかに記載の方法。
【請求項79】
前記目的の部位が体の外表面上の部位であることを特徴とする請求項45乃至77の何れかに記載の方法。
【請求項80】
前記目的の部位が体内の部位であることを特徴とする請求項45乃至78の何れかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図4(c)】
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【図4(d)】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11(a)】
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【図11(b)】
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【図11(c)】
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【図12】
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【図13】
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【図14(a)】
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【図14(b)】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2007−530129(P2007−530129A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−504557(P2007−504557)
【出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【国際出願番号】PCT/IE2005/000030
【国際公開番号】WO2005/092433
【国際公開日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(500489473)ユニバーシティ・カレッジ・コークーナショナル・ユニバーシティ・オブ・アイルランド,コーク (12)
【Fターム(参考)】