説明

組織足場を送達及び付着させるための方法及び装置

【課題】 組織代替物を送達及び付着させるための方法及び装置を提供する。
【解決手段】 一実施形態において、組織足場はカニューレを通して患者内に、例えば軟骨などの組織内の欠陥部位に形成された空洞に送達され得る。送達シャフトを使用して、足場をカニューレに通して送達することができ、装填装置が足場を送達シャフト上に装填するのを助けることができる。送達ガイド装置は、足場を空洞内に配置し、一時的に保持することができる。送達ガイド装置は、少なくとも1つの固定機構を使用して、1つ以上の外科器具を足場へ案内して足場を空洞内、例えば足場の下にある骨に付着させることができる。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の技術分野〕
本発明は、組織足場を送達及び付着させるための方法及び装置に関する。
【0002】
〔発明の背景〕
軟骨、皮膚、筋肉、骨、腱及び靱帯などの軟組織に対する損傷は、多くの場合、損傷を修復し、治癒を促進するために外科的介入を必要とする。そのような外科的修復には、公知の医療装置を用いて損傷組織を縫合又は別様に修復する、インプラント、グラフトを使用して損傷組織を他の組織で増強する、或いはこれらの技術の任意の組み合わせが含まれ得る。
【0003】
よくある組織傷害の1つは、非血管性の、弾力性の柔軟な結合組織である軟骨に対する損傷を含む。軟骨は、通常、関節結合部にて「衝撃吸収体」として作用するが、いくつかの種類の軟骨は、例えば喉頭、気道及び耳などの管状構造体に支持を提供する。一般に、軟骨組織は、コラーゲン、構造的足場及びアグリカンを含有する、細胞外マトリックス内に位置する、軟骨細胞(chondrocytes)として知られる軟骨の細胞、並びに空間充填プロテオグリカンから構成される。硝子軟骨、繊維軟骨及び弾性軟骨を含む数種の軟骨が体内で見られる。硝子軟骨は身体内で別個の部分として出現し得るか、又は代替的に、この種類の軟骨は骨の関節端に融合されて見られ得る。硝子軟骨は、一般に関節軟骨、肋軟骨及び一過性軟骨(即ち、骨化の過程により最終的に骨に変換される軟骨)として体内で見られる。繊維軟骨は、通常、腱と骨、骨と骨、及び/又は硝子軟骨と硝子軟骨との間に位置する移行組織である。細胞外マトリックス全体に分布する弾性繊維を含有する弾性軟骨は、通常、喉頭蓋、耳及び鼻に見られる。
【0004】
硝子軟骨傷害の一般的な例の1つは、膝における局所的な関節軟骨欠陥である。関節への強力な衝撃により、様々な寸法及び形状の軟骨断片が部分的に除去されるか、又は軟骨の再生を起こすのに十分に軟骨の細胞外マトリックスを損傷する。未処置で放置されると、損傷した関節軟骨は、結合部の機能を制限する可能性があり、それにより衰弱させる疼痛が生じ、変形性関節症、即ち軟骨の崩壊、及び下にある骨の好ましくない変化を特徴とする疾患のような長期慢性疾患がもたらされ得る。関節軟骨組織に対する傷害は、一般に自然治癒しないため、多くの場合、症候性病変を修復するために外科的介入が必要である。現在の処置様式は、洗浄、即ち部分的又は完全に非付着の組織断片の除去からなる。加えて、外科医は、しばしば擦過、穿孔又は微小破壊などの様々な方法を使用して、軟骨欠陥内への出血及び血塊の形成を引き起こす。骨髄からの細胞が、天然で線維軟骨性を有する瘢痕様組織を形成し、いくつかの症状を単に一時的に軽減し得ると思われる。残念なことに、修復組織は硝子軟骨と同一の機械的性質を有さず、したがって摩耗の結果として、時間の経過と共に急速に劣化する。患者は、通常、症状を緩和するために第二の処置を必要とする。
【0005】
より最近になって、自己軟骨細胞の移植を伴う実験的手法が、益々頻繁に使用されている。軟骨細胞は、生検を用いて患者から軟骨片を回収することにより得られ、その後、細胞を組織サンプルから抽出し、研究所において適切な数に培養する。次に、膨張した軟骨細胞は、細胞懸濁物の形態で、又は合成若しくは天然の生分解性の、生体適合性の足場上に予め装填されて外科医に提供され、軟骨欠陥部位内に配置される。時には、これらの生きた細胞は3次元の天然又は合成の足場又はマトリックス内に設置され、組織特異的な培養条件下で保持されて植え込み可能な機能的組織代替物が作られる。適切な条件及びシグナルが提供された場合、細胞は増殖し、分化し、様々なマトリックス分子を分泌して、患者の欠陥部位内に戻されて植え込まれる代替組織として使用できる実際の生きた組織を生成するであろう。
【0006】
損傷した軟骨を修復するための他の手技は、軟骨細胞以外の細胞を使用して、所望の硝子様組織を生成する。脂肪組織、筋肉又は骨髄内の細胞などの幹細胞又は前駆細胞は、患者内で骨及び/又は軟骨を再生する可能性を有する。幹細胞は、その患者由来、即ち自己由来(autogeneic)であっても、又は他の患者由来、即ち同種であってもよい。これらの前駆細胞は、滑膜由来の細胞などの他の細胞に加えて、軟骨形成の誘導に都合よい環境内に置かれた場合に、軟骨組織を再生すると考えられている。
【0007】
損傷した組織の外科処置のための他の外科手技は、外科的インプラント、足場、又はマトリックスの使用を含む。様々な外科的インプラントが外科処置に使用されて、細胞を使用することなく軟骨の再生を助けている。例えば、インプラントは、多孔質の生分解性の生体適合性ポリマーマトリックスから構成されるよう作製することができる。他の例としては、ヒアルロン酸、コラーゲン及びフィブリンなどの生体ポリマー由来のマトリックスが挙げられる。これらのインプラントは、多くの場合、微小破壊など、骨髄刺激手技と共に使用され、それにより骨髄は軟骨の再生を助けるであろう細胞及び他の刺激物質を提供することができる。
【0008】
インプラントを患者内に設置し得るに先だって、欠陥部位及びインプラントの両方を準備して、インプラントと、欠陥を包囲する軟骨との良好な一体化を確実にする必要がある。患者は、変質組織又は損傷組織を欠陥部位から除去することにより準備される必要がある。特に、外科的部位へのアクセスが制限されている関節鏡処置では、隣接する健康な軟骨及び/又は肋軟骨下の骨、即ち欠陥の下にある骨に対する任意の外傷を最小にする試みにおいて、欠陥部位における空間の除去は困難であり、時間がかかる可能性がある。またインプラントは、その研究室で形成された寸法から、患者内の除去された欠陥空間に一致する寸法に形成されることにより準備される必要がある。インプラントは、患者内の欠陥部位における空間が形成され、その寸法が同定されるまで、適切な寸法に形成されることができないため、インプラントは外科処置中にその場での植え込み用に準備されなければならない。手術の緊張中のインプラントの寸法形成における間違いは、外科処置を長引かせる可能性があり、組織代替物を許容可能な寸法に再形成することを繰り返す結果となり得る。場合により、インプラントの寸法を形成する試みは、インプラントが1つ以上の使用不能な寸法に切断された場合に、適切な寸法に形成されたインプラントが全く存在しない結果となり得る。使用不能なインプラントによって、高価な、時間のかかる、医学的に煩わしい別のプロセスと、その後の患者内への植え込みの再度の試みにおいて、別のインプラントの形成が必要となり得る。
【0009】
したがって、インプラントを患者内に設置するための方法及び装置が今尚、必要とされている。
【0010】
〔発明の概要〕
本発明は概して、組織足場を送達及び付着させるための方法及び装置を提供する。一実施形態では、送達シャフトであって、送達シャフトの遠位端から延び、かつ組織足場を通って延びるよう構成された、少なくとも1つの突起を有する、送達シャフトを含む、組織足場装填システムが提供される。組織足場装填システムは、上部に組織足場を載せるよう構成された表面を有する装填ブロックも含み、この表面は、内部に形成された少なくとも1つの開口部であって、少なくとも1つの突起が、表面上に載せられた組織足場を通って延びることができるように、送達シャフト上の少なくとも1つの突起を受容するよう構成された、少なくとも1つの開口部を有する。装填ブロックは、表面から延びるガイド部材であって、内部に形成された少なくとも1つのチャネルを有する、ガイド部材を更に含み、この少なくとも1つのチャネルは、少なくとも1つの突起を、表面上の少なくとも1つの開口部内に案内するよう配置されている。
【0011】
組織足場装填システムは、様々な変形を有し得る。例えば、少なくとも1つの突起は2つの突起を含んでもよく、少なくとも1つの開口部は2つの開口部を含んでもよく、少なくとも1つのチャネルは2つのチャネルを含んでもよい。装填ブロックの表面内に形成された少なくとも1つの開口部は、細長いシャフト上の少なくとも1つの突起を内部でスライドさせることができるよう構成された細長いスロットの形態であってもよい。別の例として、少なくとも1つの突起が、表面上に載せられ終端に当接する外辺部を有する組織足場上に所定の位置を通って延びるように、少なくとも1つの開口部は、表面の終端から所定の距離に位置してもよい。いくつかの実施形態において、ガイド部材は、表面に対して実質的に垂直に延びる第一部分と、表面に対して実質的に平行に延びる第二部分と、を有してもよく、少なくとも1つのチャネルは第二部分内に形成されている。組織足場装填システムは、複数の孔を有する組織足場を含んでもよく、各孔は、少なくとも1つの突起の直径と実質的に等しい直径を有する。
【0012】
いくつかの実施形態において、組織足場装填システムは、内部を延びる内側ルーメンを有し、内部に送達シャフトを受容するよう構成されている、送達カニューレを含んでいてもよい。漏斗は送達カニューレの遠位端に除去可能に装着されてもよい。送達シャフトは、送達カニューレの遠位端内に挿入されるよう構成されてもよく、送達カニューレは、送達カニューレ内の送達シャフトの近位方向の移動を制限するよう構成された停止部を含んで、少なくとも1つの突起を送達カニューレの遠位端内の所定の位置に配置させてもよい。組織足場装填システムは、送達シャフト上にスライド可能に配置できる送達ガイドであって、送達シャフトの遠位端上の少なくとも1つの突起上に配置された組織足場と係合し、組織足場を骨の表面に付けて保持するよう構成された遠位端を有する、送達ガイドを含んでもよい。
【0013】
別の実施形態では、送達ガイドであって、内部を延びる内側ルーメンと、送達ガイドの遠位端の外辺部から延びる少なくとも1つの歯と、を有する、送達ガイドを含む、組織足場送達システムが提供される。少なくとも1つの歯は、組織足場を貫通し、骨に係合して、組織足場を骨に対して定位置に保持するよう構成されている。送達ガイドは、遠位端に隣接した少なくとも1つの窓であって、遠位端で内側ルーメン内に配置された構成要素の視認を可能にするよう構成された、少なくとも1つの窓も含む。
【0014】
組織足場送達システムは、多様な修正を有することができる。例えば、少なくとも1つの窓は、送達ガイド内に形成された複数の切り欠き、及び/又は送達ガイド内に形成された透明部分を含んでもよい。いくつかの実施形態において、送達ガイドは、その内部に挿入された器具を送達ガイドに対して所定の径方向位置に配置するよう構成された整合機構を含んでもよい。組織足場送達システムは、送達ガイドの内側ルーメンを通って前進し、組織足場を取り付けるために骨を準備するよう構成された、穴開け器具を含んでもよい。骨準備器具は、少なくとも1つの突起を有する穴開け器具を含んでよく、少なくとも1つの突起は、少なくとも1つの突起により保持された組織足場を貫通して、組織足場の下にある骨内に少なくとも1つの穴を開けるよう構成されている。別の例として、組織足場送達システムは、送達ガイドの内側ルーメンを通って前進するよう構成された足場据付け器具を含んでもよい。足場据付け器具は、遠位端に締結具保持部材を有する締結具適用器具であって、少なくとも1つの締結具を保持するよう構成され、また少なくとも1つの歯により定位置に保持された組織足場を通して締結具を適用して、組織足場を組織足場の下にある骨に締結するよう構成されていてもよい、締結具適用器具を含んでもよい。更に別の例として、組織足場送達システムは、送達シャフトの遠位端から延びる少なくとも1つの突起を有する送達シャフトを含んでもよい。少なくとも1つの突起は、組織足場を通って延びるよう構成されていてもよく、送達ガイドは、少なくとも1つの歯が、送達シャフトの少なくとも1つの突起上に配置された組織足場と係合するよう構成されるように、送達シャフト上に配置可能であってもよい。いくつかの実施形態において、組織足場送達システムは、遠位端に漏斗が結合された送達カニューレを含んでもよく、送達シャフトは、送達カニューレを通してスライド可能に配置することができる。
【0015】
別の態様では、組織足場を送達シャフト上に装填するための方法が提供され、この方法は、組織足場を、組織足場が装填ブロックの表面内に形成された少なくとも1つの開口部上に配置されるよう、装填ブロックの表面上に配置することと、送達シャフトの遠位端から延びる少なくとも1つの突起を、装填ブロックのガイド部材内に形成された少なくとも1つのチャネルに沿って前進させることと、を含む。少なくとも1つのチャネルは、組織足場を通して少なくとも1つの開口部内に少なくとも1つの突起を案内する。
【0016】
本方法は、様々な変形を有することができる。例えば、ガイド部材は、組織足場の外辺部に対して所定位置で組織足場を通して少なくとも1つの突起を案内することができる。別の例として、少なくとも1つの開口部は、少なくとも1つの細長いスロットを含んでもよく、本方法は、少なくとも1つの突起を少なくとも1つのスロットを通してスライドさせることと、少なくとも1つの突起を、その突起に取り付けられた組織足場と共に、少なくとも1つのスロットから除去することと、を更に含んでもよい。いくつかの実施形態において、組織足場を装填ブロックの表面上に配置することは、組織足場の外辺部を、ガイド部材の表面に付けて当接させ、かつ/又は、組織足場の少なくとも一部分を、ガイド部材の少なくとも一部分の下部に配置することを含んでもよい。上部に配置された生存組織細胞を有する組織足場の表面は、装填ブロックの表面と接触して配置されてもよい。
【0017】
別の態様では、組織足場を送達するための方法が提供され、この方法は、送達シャフトの近位端を送達カニューレの遠位端内に前進させて、送達シャフトの遠位端上に配置された組織足場を、送達カニューレの遠位端内に配置することを含む。送達カニューレは、組織足場が送達カニューレの遠位端内に前進するにつれ、送達シャフトの遠位端上の少なくとも1つの突起の周囲に組織足場を折り畳ませる。
【0018】
本方法は、様々な変形を有することができる。例えば、組織足場は、組織足場の第一の表面上に配置された生存組織細胞を含むことができる。第一の表面は、組織足場が折り畳まれる際に送達カニューレの内側表面との接触が防止されることができ、それにより生存組織細胞を保護することができる。別の例として、送達カニューレは、組織足場を折り畳む漏斗を送達カニューレの遠位端上に含んでもよい。更に別の例として、本方法は、内部に組織足場及び送達シャフトが配置されたカニューレを患者の身体内に前進させることと、送達シャフト上の少なくとも1つの突起を骨に付けて配置して、組織足場を配置することと、を含んでもよい。いくつかの実施形態において、本方法は、カニューレを除去して、患者の身体内に延びる送達シャフト及び組織足場を残留させることと、送達ガイドを送達シャフト上で前進させて、送達ガイドの遠位端を組織足場に係合させ、骨に係合させることにより、組織足場を骨の表面に付けて定位置に保持することと、を含んでもよい。本方法は、送達シャフトを除去して、患者の身体内に延び組織足場を骨の表面に付けて保持する送達ガイドを残留させることと、送達ガイドを通し、組織足場を通して、骨内に穴開け器具を前進させて、骨内に少なくとも1つの穴を形成することと、を更に含んでもよい。穴開け器具は、場合により、送達ガイドの遠位端に隣接する送達ガイド内に形成された少なくとも1つの窓を通して視認することができる。送達ガイドは、穴開け器具を送達ガイドに対して所定の径方向配向で整合させる整合機構を有してもよい。本方法は、穴開け器具を送達ガイドから除去することと、送達ガイドを通して締結具適用器具を挿入して、少なくとも1つの締結具を、組織足場を通して、穴開け器具により骨内に形成された少なくとも1つの穴内に挿入することと、も含んでもよい。送達ガイドは、締結具適用器具を送達ガイドに対して所定の径方向配向で整合させる整合機構を有してもよい。
【0019】
別の実施形態では、組織足場を送達するための方法が提供され、この方法は、送達ガイドの遠位端を組織足場上に骨の表面に付けて配置して、組織足場を骨の表面に対して定位置に保持することと、締結具適用器具を、送達ガイドを通して前進させて、締結具を、組織足場を通して骨内に挿入し、それにより組織足場を骨に定位置で締結することと、を含む。
【0020】
本方法は、様々な様式で変更することができる。例えば、送達ガイドの遠位端を配置することは、送達ガイド上の少なくとも1つの歯を、組織足場を通して骨内に貫通させることを含んでもよい。別の例として、本方法は、締結具適用器具を、送達ガイドを通して前進させる前に、穴開け器具を、送達ガイドを通して前進させて、少なくとも1つの締結具を受容するための少なくとも1つの穴を、組織足場を通して骨内に形成することを含んでもよい。いくつかの実施形態において、送達ガイド上の整合構造は、締結具適用器具を送達ガイドに対して所定の径方向配向で整合させることができる。更に別の例として、本方法は、送達ガイドの遠位端を配置する前に、送達シャフトを使用して組織足場を骨の表面に付けて配置することを含んでもよい。送達ガイドは、送達シャフト上を前進して、送達ガイドの遠位端を組織足場上に骨の表面に付けて配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明は、以下の詳細な説明を付属の図面と併せ読むことでより完全に理解されよう。
【図1】遠位端に漏斗を有するカニューレ内に近位方向に前進している、組織足場が取り付けられた送達シャフトを含む送達システムの一実施形態の部分斜視図。
【図2A】図1の送達シャフトの分解斜視図。
【図2B】図2Aの送達シャフト内に形成された固定機構の一実施形態の断面図。
【図3】装填ブロックの一実施形態の斜視図。
【図4】図3の装填ブロックの側面図。
【図5】図3の装填ブロックの平面図。
【図6】図4の装填ブロック本体の断面の平面図。
【図7】図5の装填ブロックの拡大平面図。
【図8】図3の装填ブロックの表面上の図1の組織足場、及び装填ブロックを使用して送達シャフトの遠位端の突起を、組織足場を通して前進させる図2Aの送達シャフトの部分斜視図。
【図9】送達シャフトの突起に取り付けられた図8の組織足場の部分側面図。
【図10】図1のカニューレの側面図。
【図11】図10のカニューレの分解斜視図。
【図12】図1のカニューレの漏斗の断面側面図。
【図13】図12の漏斗の遠位端を示す図。
【図14】送達シャフトの突起に取り付けられ、折り畳まれた形態にてカニューレ内に配置された、図1の足場の部分透明斜視図。
【図15】組織を通って、患者の組織欠陥部位に形成された空洞に向かって前進している、図1のカニューレの部分断面斜視図。
【図16】図示される図15のカニューレを通って遠位方向へ前進している図1の送達シャフト、及びカニューレの遠位端から前進している組織足場の部分断面斜視図。
【図17】送達シャフトの周囲から及び患者の内部から除去されている、図16のカニューレの部分断面斜視図。
【図18】送達ガイドの一実施形態の側面図。
【図19】図18の送達ガイドの遠位端の拡大側面図。
【図20】図18の送達ガイドの遠位端の断面図。
【図21】図18の送達ガイドの遠位端の断面図。
【図22】図18の送達ガイドの別の側面図。
【図23】図22の送達ガイドの遠位端の拡大側面図。
【図24】透明な遠位部分を有し、そこから少なくとも1つの骨係合要素が延びる除去可能な遠位環を有する、送達ガイドの別の実施形態の遠位端の斜視図。
【図25】整合機構を有する、送達ガイドの別の実施形態の近位端の斜視図。
【図26】図17の送達シャフト上にて、送達シャフトに取り付けられた組織足場に向かって前進している、図18の送達ガイドの部分断面斜視図。
【図27】送達シャフト上を前進し、組織足場を組織欠陥部位の空洞内の定位置に保持している、図26の送達ガイドの部分断面斜視図。
【図28】穴開け器具の一実施形態の側面図。
【図29】送達シャフトが送達ガイドから除去され、ハンマーが穴開け器具の近位端を打って、空洞内の組織足場内及び組織足場の下にある骨内に1つ以上の穴を開けている、図27の送達ガイド内に配置された図28の穴開け器具の部分断面斜視図。
【図30】穴開け器具が送達ガイドから除去され、1つ以上の締結具が、穴開け器具により形成された穴を通して適用されている、図29の送達ガイド内に配置された締結具適用器具の部分断面斜視図。
【図31】締結具で患者に取り付けられた図30の組織足場の斜視図。
【0022】
〔発明の詳細な説明〕
本明細書に開示される装置及び方法の、構造、機能、製造並びに使用の原理について、総合的な理解を提供するために、特定の例示的な実施形態を以下に記載する。これらの実施形態の1つ以上の例を添付図面に示す。当業者は、本明細書で明確に記載され、添付の図面に示される装置及び方法が、非限定的な例示的な実施形態であり、本発明の範囲が特許請求の範囲のみにより規定されることを理解するであろう。1つの例示的な実施形態に関連して示されるか述べられる特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせてもよい。こうした改変及び変形は本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0023】
本発明は概して、インプラントを送達及び付着させるための様々な方法及び装置を提供する。広くは、組織、例えば軟骨内の欠陥部位に形成された空洞に組織足場を送達するための様々な器具及び手技を開示する。一実施形態において、足場に係合し、足場を関節鏡下で組織内の欠陥部位に送達するための送達シャフトが提供される。装填ブロックが提供され、足場を送達シャフト上に装填することを容易にするよう使用されることができ、送達中に足場を収容及び保護するためにカニューレが提供される。足場が欠陥部位に送達されたら、様々な更なる装置を使用して、組織内の欠陥部位に形成された空洞内に足場を固定し得る。例えば、一実施形態において、例えば送達シャフトの除去中、及び骨に組織足場を取り付けている間、足場を空洞内に保持する送達ガイドが提供される。足場を通して骨内に1つ以上の穴を形成するための穴開け器具も提供され、また締結具を足場に送達して、足場を骨に取り付ける締結具適用器具が提供される。穴開け器具及び締結具適用器具は、送達ガイドを通して挿入されるよう構成されていてもよい。したがって、本発明は、様々な組み合わせで使用されて、組織内の欠陥部位に形成された空洞に組織足場を送達すること及び取り付けることを補助し得る多様な器具を提供する。
【0024】
当業者は、本明細書で使用される用語「組織」が、多様な材料、例えば軟骨、器官、及び組織足場を使用して修復し得る任意の他の要素を包含し、本明細書で使用される用語「軟骨」が、任意の種類の軟骨、例えば硝子軟骨、線維軟骨及び弾性軟骨を指すことを理解するであろう。当業者は、本明細書で使用される用語「欠陥部位」が、損傷した、不健康な又は別様に望ましくなく、インプラントによる修復が意図される組織の現在の又は以前の位置を包含することが意図されることも理解するであろう。当業者は、本明細書で使用される用語「組織代替物」「インプラント」「足場」又は「マトリックス」が、患者に植え込まれて組織の修復及び再成長を可能にするよう構成された、外科的に安全な任意のインプラントを包含することが意図されることも理解するであろう。
【0025】
当業者は、本方法及び装置が、患者に形成された小さい開口部を通して体腔内に外科装置が経皮的に導入される低侵襲性関節鏡外科処置に関連して記載されているが、本明細書に記載する方法及び装置がミニ開腹及び開腹外科処置を含む多数の外科処置に使用でき、また多数の外科器具と共に使用できることも理解するであろう。当業者は、本方法及び装置が、軟骨修復に関連して記載されているが、本方法及び装置は、膝、例えば膝蓋骨の軟骨、又は他の関節表面、例えば肩、足首、尻及び肘に関連した他の組織修復、並びに組織代替インプラントを使用した任意の他の種類の組織修復に使用されることも理解するであろう。
【0026】
例示的な実施形態において、例えば膝における大腿骨顆部などの骨結合部の関節表面における欠陥部位に軟骨病変を有する患者は、組織修復手術のために準備され得る。関節切開術による切開を介して、膝関節が開かれ、欠陥部位が露出され得る。病変の大きさ及び形状は様々であり得るが、大腿骨顆部における病変は、伝統的に表面積約3cm(300mm)の楕円形を有する。細線維化及び亀裂を含み得る望ましくない軟骨組織は除去されて、組織内に空洞が形成され得る。病変除去のプロセスにおいて、病変に隣接する健康な、ある量の軟骨も除去され得る。関節表面のデブリードマンは、組織修復インプラントを受容するために、軟骨及び/又は肋軟骨下の骨表面の石灰化した層を露出するのに十分深く、例えば軟骨の上面の約2〜3mm下であってもよい。骨表面は、インプラントの配置、及びインプラントを取り付け得る安定な構造のための実質的に滑らかな表面を提供することができる。関節表面が適切に準備されたら、組織修復インプラントを軟骨内に形成された空洞内に、及び関節表面上に植え込むことができる。いくつかの実施形態では、骨の一部が除去されてもよく、インプラントは軟骨及び骨内に形成された空洞内に植え込まれ得る。
【0027】
インプラントを患者内に設置するに先立って、インプラントは、そのインプラントが患者に送達される外科処置とは別に、自己軟骨細胞移植(ACI)処置、例えばMACI(登録商標)インプラント(マサチューセッツ州ケンブリッジのジェンザイム社(Genzyme Corporation)より入手可能)を使用した処置などの第一の外科処置にて、患者から回収した生存組織、例えば生きた破壊されていない組織細胞を使用して作製されてもよい。しかしながら、当業者は、インプラントを患者に取り付ける外科処置と同じ処置中に生存組織が集められてもよく、又は代替的に同じ処置中に集めることができることを理解するであろう。
【0028】
生存組織は、当業者により理解されるように、任意の方法で患者から収集することができる。例えば生検処置などの、患者から組織を収集するための方法及び装置の様々な非限定的実施形態は、「組織生検及び加工装置(Tissue Biopsy And Processing Device)」と題された2006年10月3日発行の米国特許第7,115,100号、「組織抽出及び収集装置(Tissue Extraction and Collection Device)」と題された2008年3月27日出願の米国特許公報第2008/0234715号及び「組織抽出及び解離装置(Tissue Extraction and Maceration Device)」と題された2003年9月11日出願の米国特許公報第2005/0059905号に見ることができ、これらは全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0029】
生存組織の供給源は様々であってよく、組織は様々な形態を有してもよいが、例示的実施形態において、回収される組織は軟骨細胞を含む。例示的な実施形態では、生存組織のサンプルを得た後、この組織サンプルを無菌条件下で処理して、少なくとも1つの細かく切り刻んだ又は分割された組織粒子を有する懸濁物を作製してもよい。更なる加工を必要としないように、細かく切り刻んだ形態の組織を回収することも可能である。当業者は、細かく切り刻んだ生存組織破片が、単に、生きた破壊されていない組織の小部分であり、細かく切り刻んだ生存組織破片は、再成長及び治癒応答の効果を高めることができることを理解するであろう。組織破片の粒径は様々であってよい。非限定的な例として、組織の寸法は約0.001〜3mmの範囲内であってよいが、好ましくは、組織粒子は約1mm未満である。別の実施形態において、生存組織は、全体が参照により本明細書に組み入れられる「生存組織修復インプラント及び使用方法(Viable Tissue Repair Implants and Methods of Use)」と題された2003年12月5日出願の米国特許公報第2005/0125077号に記載されているように、組織再生及び/又はリモデリングが可能な生存細胞を含む、健康な組織から回収された組織薄片又は細長片の形態であってもよい。組織薄片は、傷害又は欠陥部位での移植に好適な形状を有するよう回収されてもよく、回収された組織薄片は、組織薄片内に含まれる生存細胞が外部へ遊走し、増殖し、修復部位を包囲する組織と一体化できるような寸法にされ得る。当業者は、組織が患者及び/又は適合性を有する提供者から収集することができ、組織が人工組織材料であってもよく、また、回収組織と人工組織材料との任意の組み合わせを使用し得ることを理解するであろう。
【0030】
患者から回収した生存組織は、場合により、ゲル様担体又は接着材などの担体を含む、様々な他の材料と組み合わされてもよい。生存組織をマトリックス消化酵素と接触させて、生存細胞を包囲する細胞外マトリックス外への組織遊走を促進してもよい。酵素は、細胞外マトリックスを出てインプラントへ入る細胞遊走の速度を上昇させるために使用され得る。ゲル様担体、接着材、及び酵素の様々な非限定的な実施形態は、全体が参照により本明細書に組み入れられる「生存組織を有する足場(Scaffolds With Viable Tissue)」と題された2004年2月9日出願の米国特許公報第2005/0177249号に見ることができる。生存組織源、及び生存組織の調製方法の他の非限定的な実施形態は、全体が参照により本明細書に組み入れられる「注入送達が可能な適合性組織修復インプラント(Conformable Tissue Repair Implant Capable Of Injection Delivery)」と題された2003年11月26日出願の米国特許公報第2005/0113937号に開示されている。
【0031】
生存組織及び生存組織と組み合わされた任意の材料は、組織足場上に装填され得る。足場は、当業者により理解されるように、様々な形態を有してよい。一般に、足場は、生体適合性の、生体植え込み可能な(bioimplantable)、滅菌が容易な、また十分な構造的一体性、並びに/又は物理的及び機械的特性を有して、手術室環境内で取り扱い容易性を効果的に提供し、また、例えば縫合糸、止め金、接着材などの1つ以上の固定機構を、実質的に裂けることなく受容かつ保持することができる、事実上どの材料又は送達媒体を使用して形成することもできる。非限定的な例として、足場は、吸収性材料、非生物材料、及び/又は合成材料を含む1種以上の多様な任意の材料から形成されたマトリックスの形態であってもよい。足場は、足場が標的の植え込み部位の形状及び寸法に適合するよう可撓性を有していてもよい。足場は、生体吸収性及び/又は生体再吸収性(bioresorbable)成分も含んで一時的媒体として作用して、移送中のインプラントの取り扱いを改善してもよい。組織足場の様々な非限定的な実施形態が、先に言及した「生存組織を有する足場(Scaffolds With Viable Tissue)」と題された2004年2月9日出願の米国特許公報第2005/0177249号、及び「組織破片を有する生体適合性足場(Biocompatible Scaffolds With Tissue Fragments)」と題された2003年2月25日出願の米国特許公報第2004/0078090号、「関節表面を再構成するための方法及び装置(Method And Apparatus For Resurfacing An Articular Surface)」と題された2003年8月11日出願の米国特許公報第2005/0038520号、及び「軟組織修復及び再生のための向上された一体性を有する強化発泡体インプラントの使用(Use of Reinforced Foam Implants with Enhanced Integrity For Soft Tissue Repair And Regeneration)」と題された2005年4月26日発行の米国特許第6,884,428号に見ることができ、これらは全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0032】
患者から回収した組織は、当業者により理解されるように、任意の方法で準備され足場に適用されることができる。組織成分は、足場の製造中若しくは製造後、又はインプラントが患者内に設置される前若しくは設置された後に、足場に加えることができる。場合により、生物活性剤を組織足場に組み込み、及び/若しくは組織足場に適用することができ、かつ/又は生物活性剤を生存組織に適用することができる。生物活性剤は、足場に生存組織を加えるに先立って足場に組み込まれるか、又は足場上に被覆されることが好ましい。生物活性剤(一種又は複数種)は、傷害部位に存在した場合に、冒された組織の治癒及び/又は再生を促進する様々なエフェクター及び細胞の中から選択することができる。エフェクター及び細胞の様々な非限定的な実施形態は、先に言及した「生存組織を有する足場(Scaffolds With Viable Tissue)」と題された2004年2月9日出願の米国特許公報第2005/0177249号に見ることができる。組織、例えば細かく切り刻まれた生存組織を足場に適用する様々な非限定的な実施形態は、「組織収集装置及び方法(Tissue Collection Devices And Methods)」と題された2003年3月28日出願の米国特許公報第2004/0193071号に見ることができ、これは全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0033】
上記に述べたように、組織足場が患者への植え込みに使用可能となったら、欠陥軟骨を除去して、軟骨表面から下にある大腿骨顆部、又は上述した他の部位へ延びる穴又は空洞を軟骨内に形成することにより、患者を足場の植え込みのために準備することができる。欠陥部位は、多様な方法で足場植え込みのために準備することができる。例示的な一実施形態において、組織内で所定の形状を切断するよう構成された外科切断器具を関節鏡下で使用して、切断形状が病変を囲むように軟骨内で所定の形状を有する切断部を形成し得る。軟骨は、切断形状が、足場を植え込み得る組織空洞の外辺部を画定し得るように、切断形状内から除去され得る。いくつかの実施形態において、切断器具は軟骨内に多数の形状を切断するために使用してよく、各形状は少なくとも病変の一部と重なり、また場合により少なくとも1つの更なる切断形状と重なる。形状はまた、同一の及び/又は更なる切断器具を使用して、変更及び/又は接続されることができる。組み合わせた切断形状内の軟骨は除去されて、足場受容空洞の形状を画定し得る。組織内に足場受容空洞を形成することを含む、組織を準備する様々な非限定的実施形態は、全体が参照により本明細書に組み入れられる「組織足場を調製し植え込むための方法及び装置(Methods And Devices For Preparing And Implanting Tissue Scaffolds)」[代理人整理番号22956−869(MIT5113USNP)]と題された、本願と同日出願の米国特許出願第[]号に見ることができる。当業者は、他の切断器具又はフリーハンド技術を使用して、欠陥部位を準備し得ることを理解するであろう。
【0034】
欠陥組織が要求通りに一掃されて空洞が形成されたら、インプラントを空洞に送達するために、及び場合により空洞内に締結するために準備することができる。インプラントは、従来、空洞の予想寸法よりも大きく、例えば欠陥部位の大きさよりも大きく形成され、外科処置中に空洞に実質的に一致する大きさ及び形状に切断される。組織が組織代替インプラントの全域で様々な濃度において接着することが多々あるため、インプラントはこのように、堆積した生存組織を高い濃度で含む準備された組織代替インプラントの一部分から切断されることができる。更に、外科処置中に形成される空洞の大きさは、例えば欠陥部位が先に測定したものより大きい場合、元々意図したよりも多量の健康な組織が除去される場合など、予想よりも大きい又は小さいものであり得る。ゆえに、インプラントを処置中に切断することは、インプラントの大きさを空洞の実際の大きさと一致させるのを助ける。
【0035】
組織代替インプラントは、様々な方法により所望の寸法及び形状にトリミングされ得る。例示的な一実施形態において、組織代替インプラントは、欠陥部位の組織内で切断された所定の形状に対応する所定の形状に切断するよう構成された切断器具を使用して、より大きい準備されたインプラントから切断されることができる。別の例示的な実施形態では、テンプレート器具を使用して欠陥部の寸法調整し、望ましく寸法調整された組織代替インプラントの切断を助けてもよい。テンプレート器具は、例えば少なくとも1つの調整可能な開口部又は可撓性フィルムを有する調整可能なテンプレート器具など、多様な形態を有してよく、また多様な方法で使用されてインプラントの寸法を調整することができる。組織足場を所望の寸法及び形状にトリミングするための方法及び装置の様々な非限定的実施形態は、先に言及した「組織足場を準備し植え込むための方法及び装置(Methods And Devices For Preparing And Implanting Tissue Scaffolds)」[代理人整理番号22956−869(MIT5113USNP)]と題された、本願と同日出願の米国特許出願第[]号に見ることができる。
【0036】
組織内に空洞を形成する方法の如何に関わらず、また組織代替インプラントが形成され、空洞内にフィットするよう所望の寸法に切断される方法の如何に関わらず、インプラントは任意の方法で、空洞内に送達され、骨及び/又は石灰化軟骨に付着され得る。図1に示す例示的な実施形態において、組織足場10を取り付け部位に送達するよう構成された器具は、送達カニューレ14内にスライド可能に受容されるよう構成された送達シャフト12を含んでもよく、送達カニューレ14はその遠位端14aに除去可能に結合した漏斗16を有する。以下に更に説明するように、漏斗16は、シャフト12の遠位端12aに取り付けられた足場10を、カニューレ14外部の平面形態から、カニューレ14内部に折り畳まれたU形の形態に動かすよう構成され得る。足場10が取り付けられたシャフト12の少なくとも一部分がカニューレ14内部に配置されている状態で、カニューレ14は患者の身体内に挿入されることができる。シャフト12はカニューレ14を通って遠位方向に前進し、それにより足場10を、カニューレ14の遠位端14aから出して患者内に遠位方向に前進させることができる。足場10をカニューレ14から前進させることはまた、足場10を折り畳まれた形態から平面形態に動かし、この形態で足場10は組織欠陥部位に取り付けられることができる。
【0037】
組織足場10は長円形を有するよう図示され、組織マトリックスは、その片側のみに生存組織が配置され、組織マトリックスを貫通して複数の孔10aを有するよう図示されているが、足場10は多様な形状、寸法及び形態を有してよい。いくつかの実施形態において、足場10は約3mm未満の厚さ及び約10cm(1000mm)の表面積を有して、従来のように寸法調整された組織欠陥部位に一致させてもよい。
【0038】
送達シャフト12も、多様な寸法、形状及び形態を有してよい。この実施形態では図2A及び図2Bに示すように、送達シャフト12は、フォークと類似して構成されていてもよく、シャフト12の遠位端12aに少なくとも1つの突起20を有する細長い本体18を含んでもよい。シャフト12は任意の長手方向の長さを有していてもよいが、例示的な実施形態では、シャフト12は、シャフト12が、カニューレ14を通って延びる内側ルーメン又は通路22内に配置され、同時にカニューレの遠位端14aを越えて遠位方向に延び、カニューレ14の近位端14bを越えて近位方向に延びることができるようカニューレ14よりも長くてもよい(図10及び図11参照)。細長い本体18の近位端12bは、以下に更に説明するように、テーパ状の錐体形状を有し、例えば図示するように近位方向にテーパ付けされて、シャフト12の近位端12bを、最初にカニューレ12の遠位端12a内に漏斗16を通して導入することを補助してもよい。シャフト12の1つ以上の部分は、場合により1つ以上の把持機構、例えば成型された指用窪み(finger depression)、細線(treads)などを含んで、シャフト12の取り扱い及び操作を容易にしてもよい。
【0039】
シャフトの遠位端12aの1つ以上の突起20は、一般に、組織足場、例えば足場10を貫通して延びるよう構成されて、患者の身体内に送達するために足場10をシャフト12に取り付けることができる。1つ以上の突起20は、任意の寸法、形状及び形態を有していてよく、シャフト12が骨準備器具としての役割を果たすように十分な強度を有するよう構成され得る。例示的な実施形態において、各突起20は、突起20が取り付けられるよう構成された組織足場の厚さよりも長い長手方向の長さ20lを有し、より好ましくは各突起20の長さ20lは、以下に更に説明するように、足場が脱落することなく足場を突起20の周囲に折り畳むのに十分である。例示的な実施形態において、各突起20の長さ20lは、約15〜35mmの範囲内にある。例示的な実施形態において、突起20のそれぞれはまた、突起20が取り付けられるよう構成された組織足場の直径と等しいか又はその直径よりも小さい直径D3を有して、突起20が足場を損傷することを防止するのを助けてもよい。例示的な実施形態において、突起20の直径D3は約0.1〜2mmの範囲内、例えば約0.5〜1mmである。2つの突起20が図示されているが、送達シャフト12は任意数の突起20を含むことができる。更に、突起20のそれぞれは、任意の他の突起20と同一であっても異なっていてもよい。突起20は、図示するように、突起20が組織足場を貫通するのを助けるよう構成されたテーパ状の遠位先端を有する又は有さない大釘又はピンとして構成されていてもよい。突起20は、図示するように、シャフト12の中心の長手方向軸Aの周囲に径方向に等距離に間隔を置くなど、シャフトの遠位端12aで任意の形態で配列されてもよい。シャフト12が単一の突起を有する実施形態において、単一の突起は、中心の長手方向軸Aと実質的に軸方向に整合されてもよいし、又は別の実施形態では、軸Aからずれていてもよい。
【0040】
突起20は細長い本体18と一体形成されて示されているが(図2Aに示す分解図では分離して見える)、突起20のうち任意の1つ以上が細長い本体18に移動可能に結合されていてもよい。いくつかの実施形態において、突起20は、延ばされた位置にて突起20が細長い本体の遠位端を越えて遠位方向に延びることができ、また引込められた位置にて細長い本体18内に収容され得るよう、引込み可能であってもよい。可動な突起の引込み及び延伸は、当業者により理解されるように、シャフト12の近位端12bにて例えば制御機構、例えばノブ、ボタン、レバー、電子信号発信機などの作動を介して、任意の方法で制御することができる。引込み可能であることに代わって又はこれに加えて、1つ以上の突起20は、当業者により理解される任意の方法で、例えば螺合、スナップ嵌めなどにより細長い本体18に除去可能に結合されるよう構成されたモジュール式要素であってもよい。この方法で、異なる寸法、例えば異なる直径を有する突起が細長い本体18に結合されて、同一又は異なる外科処置中に、シャフト12が様々な組織足場をより効果的に取り付けることができる。モジュール式突起には、場合によりキットの一部として送達シャフトが供給されてもよく、このキットは、送達カニューレ及び漏斗も含み得る。
【0041】
シャフト12は図示するように中実部材であってもよいが、シャフト12は、内部に形成された1つ以上の通路を含んでもよい。非限定的な例において、シャフト12は、その遠位端12a及び近位端12bを通って延びるトンネルを含んでもよく、このトンネルはそこを通して配置された少なくとも1つの外科器具、例えば流体、組織などを外科部位から吸引するよう構成された真空装置を受容するよう構成されている。
【0042】
シャフト12は、場合により、遠位端12aと近位端12bとの間に位置し、カニューレ14上の対応する、以下に説明する固定機構により係合されて、シャフト12をカニューレ14の通路22内で所定の位置に維持するよう構成された固定構造24も含み得る。固定構造24は、シャフト12の長手方向の長さに沿ったどの位置に位置してもよい。少なくとも1つの突起20をカニューレ14内に配置するのを助けるために、シャフト12の最も遠位の端と固定構造24との間の長手方向の長さL1は、カニューレ14の最も遠位の端と、カニューレの固定機構との間の長手方向の長さよりも短くてもよい。
【0043】
固定構造24は、様々な形状、寸法及び形態を有してもよい。図示した実施形態において、固定構造24は、細長い本体18の周囲にて細長い本体18の表面に形成された環状の溝の形態を有する。溝は、固定構造24がそのカニューレ対応物により係合された際に、シャフト12のカニューレ14内での移動を防止するようテーパ状であってもよい。図示した実施形態では、シャフト12は、近位端12bを最初にカニューレ14の遠位端14a内に前進させ、通路22を通して近位方向へ前進させて、内部にシャフト12を装填するよう構成されているため、溝は遠位から近位への方向に外方向にテーパ付けされて、固定構造24がそのカニューレ対応物により係合された際に、シャフト12の近位方向の移動を停止する、垂直の停止表面23を形成する。近位方向のテーパ付けはまた、以下に更に説明するように、遠位方向の圧力がシャフト12に適用された際に、シャフト12の遠位方向への前進を可能にし得る。固定構造24は、図示するように、細長い本体18の周囲に形成された径方向の溝であってもよいが、様々な他の固定技術を使用することができ、シャフト12及び/又はカニューレ14の任意の部分上に形成することができることを、当業者は理解するであろう。
【0044】
固定構造24は、シャフト12がカニューレ14内に前進した際に、カニューレ14上に形成されるか又は別様にカニューレ14結合された、以下に更に説明する対応する固定機構により係合するよう構成されていてもよい。それにより固定機構及び固定構造24は、通路22内のシャフト12をカニューレ14に対して所定の位置で解放可能に固定することができる。この方法で、組織足場に取り付けられるよう構成された少なくとも1つの突起20は、患者の身体内に安全に送達するために、通路22内に予想可能に、かつ有効に収容されることができる。
【0045】
組織足場10は、当業者により理解されるように、様々な方法でシャフト12の遠位端12aに取り付けることができる。一実施形態において、捕捉器具は、シャフト12の突起20が足場10を通過するときに足場10を保持することができる。当業者は、本明細書で使用される用語「捕捉器具」が、鉗子、開創器、可動ジョー、磁石、接着材などの、足場10を把持及び/又は保持するよう構成された任意の外科器具を包含することが意図されることを理解するであろう。別の実施形態では、装填ブロックを使用して、突起20を足場10に対して予想可能に配置することを助けてもよい。図3〜図7に、組織足場10を送達シャフト12に取り付けるのを助けるよう構成された装填ブロック26の例示的な一実施形態を示す。
【0046】
一般に、装填ブロック26は、主本体26aと、少なくとも部分的に主本体26aの上方に配置されたガイド部材26bとを含んでもよい。主本体26aは、上に組織足場を受容するよう構成された、上部にある組織受容表面28を含んでもよい。上面28は、内部に形成された1つ以上の開口部30を有してもよく、この開口部は、少なくとも部分的に主本体26aの厚さtを通って延び、それぞれが内部に送達シャフトの突起を受容するよう構成されている。組織代替インプラントが上面28上に設置された際、突起は、主本体26a上に配置されたガイド部材26bの一部内に形成された1つ以上のチャネル32を通して案内されることができ、それにより足場を通して、少なくとも部分的に開口部30内に案内されることができる。次に、足場が取り付けられた送達シャフトは、以下に更に説明するように、装填ブロック26から除去され、患者の身体内に足場を導入するために使用され得る。
【0047】
装填ブロック26は剛性及び/又は可撓性材料の任意の組み合わせから形成されてもよいが、例示的実施形態では、ブロック26は1つ以上の剛性材料、例えばジョージア州アルファレタ(Alpharetta)のソルベイアドバンスドポリマーズ社(Solvay Advanced Polymers, L.L.C.)より入手可能なRadelR(登録商標)ポリフェニルスルホンから構成され、それによりブロック26は使用中変形せず、このことはブロック26を使用した安定な、予想可能な足場装填の可能性を高め得る。ブロック26は、どの大きさの組織代替インプラント、及びブロック26を使用して組織代替インプラントが取り付けられるどの大きさの送達ガイドと共に使用するのにも適した寸法を有し得る。例示的な実施形態では、図示するように、ブロック26は約35.6mm(1.4in.)の長手方向の長さl、約20.3mm(0.8in.)の幅w、及び約21.6mm(0.85in.)の高さhを有する。装填ブロック26の主本体26a及びガイド部材26bは、様々な寸法、形状及び形態を有してもよい。図示した実施形態において、ブロック26は、上部の組織受容表面28から延びるL形状のガイド部材26bを有する長方形の箱形の主本体26aを有する。
【0048】
主本体26aの上部の組織受容表面28は、様々な寸法、形状及び形態を有してもよい。上面28は、一般に、上に組織足場を受容するのに十分大きい任意の形状及び表面積を有することができる。上面28は、上部に設置された足場の端が上面28の任意の端を越えて延びないように十分大きく構成されて、足場をブロック26上により安定に配置することを助けてもよい。いくつかの実施形態において、上面28は、約3cm(300mm)より大きい表面積を有してもよい。図示した実施形態において、上面28は、約606mm(0.94in.)の表面積を有する。上面28は、図示するように、矩形であってもよく、又は任意の他の形状、例えば楕円形、正方形などを有してもよい。上面28は、実質的に平面で、組織足場が上部に実質的に平らに載ることができるようにしてもよい。当業者は、上面28が単一平面内に長手方向に延びて、主本体26aが図示するように一定の厚さtを有してもよく、又は上面28が任意の方向(1つ又は複数)にある角度で延びて、主本体26aが変動する厚さtを有してもよいことを理解するであろう。図示した実施形態において、厚さtは約10.7mm(0.42in.)である。上面28が角度付けされている場合、上面は、主本体26aの厚さtがガイド部材26bに向かって減少するように、ガイド部材26bに向かって角度付けされていてもよく、このことは、以下に更に説明するように、上面28に面するガイド部材26bの対向表面34に付けて組織足場の端部を上面28上に配置することを助け得る。
【0049】
上面28内の開口部30は、任意の寸法、形状及び形態を有してもよい。開口部30は、シャフト12の突起20を受容するよう構成されてもよく、それ故、突起の遠位端の導入を最初に開口部30内に収容するのに十分大きい寸法を有してもよい。開口部30は、距離w2だけ離れていてもよく、この距離は、この図示した実施形態では約4.0mm(0.157in.)であり、送達シャフト12上の突起20の間の距離に対応する。しかしながら、距離w2は、共に使用される送達シャフトに応じて変動し得る。図示するように、開口部30はそれぞれ、上面28に沿って長手方向に延び、かつ約10.2mm(0.4in.)の長手方向の長さ30lと、約1.7mm(0.065in.)の幅w3とを有する細長い長円スロットとして構成されているが、開口部30は、任意の配向、寸法及び形状、例えば円形、正方形、矩形などを有してもよい。開口部30は、主本体26aの厚さtを通って少なくとも部分的に延びる任意の深さを有してもよく、また一般に突起20の足場10を通した貫通が制限されないよう十分に深く構成され得る。この実施形態では2つの開口部30が図示されているが、ブロック26は任意の数の開口部30を含むことができる。更に、開口部30のそれぞれは、任意の他の開口部30と同一でも異なっていてもよい。ブロック26はまた、上面28上の組織代替インプラントを通って延びる多数の突起よりも多い開口部30を含んでもよい。
【0050】
上面28は、場合により、装填ブロック26に関する情報を提供するよう構成されたラベル36を含んでもよい。ラベル36は、上面28上に、印刷された、型押しされた、又は別様に視認可能なアルファベット文字として示されているが、当業者は、ラベル36が、色又はアルファベット、数字及び記号文字の任意の組み合わせなど、任意の寸法、形状及び形態を有してもよいことを理解するであろう。当業者は、ブロック26が任意の数のラベルを含んでもよく、また各ラベルが、上面28に加えて、又は代替的に、装填ブロック26の任意の部分上で、印刷、型押し又は別様に視認可能であってもよいことも理解するであろう。図示した実施形態において、ラベル36は、上部に受容される組織足場の提案される配置を、書かれた指示により明確にして、組織足場の組織側を下向きにして組織足場を上面28上に設置させ、これは、以下に更に説明するように、組織足場の植え込み中に、一般に組織足場の片側上に堆積される生存組織の保護を助け得る。ラベル36の別の非限定的な例は、上面28、開口部30及びチャネル32などの、ブロック26の様々な構成要素の寸法を含む。
【0051】
上述したように、ブロック26の主本体26aから延びるガイド部材26bはL形状であるが、様々な寸法、形状及び形態を有することができる。本実施形態に示すように、ガイド部材26bは、主本体26aから実質的に垂直に延びる第一アーム38と、第一アーム38から実質的に垂直に延び、かつ主本体26aの上面28と実質的に平行になるように主本体26aの上を延びる第二アーム40と、を含む。上面28上の第一アーム38の位置は変動し得るが、この図示された実施形態では、第一アーム38は上面28の終端28aから延びる。第一アーム38及び第二アーム40のいずれかが他方よりも長い長手方向の長さを有してもよく、又はそれらの長手方向の長さは同一であってもよいが、この図示した実施形態では、第一アーム38は、約4.5mm(0.177in.)の第二アームの長手方向の長さlよりも長い、約10.9mm(0.43in.)の長手方向の長さlを有する。第二アームの長手方向の長さlは、送達シャフト12の突起20が足場10を通って前進できる、上面28上に設置された足場10の外辺部からの所定の距離を規定し得る。したがって、第二アームの長手方向の長さlは、以下に更に説明するように、足場10がカニューレ14内に前進した際に突起20の周囲に折り畳まれることができるよう構成され得る。長手方向の長さlは、ブロック26上に配置された足場が、突起20上の所望の位置に落ち着くように、シャフト12の突起20の長さに関して選択することができ、例えばこの図示した実施形態ではほぼ半分の長さである。
【0052】
先に示したように、ガイド部材26は、内部に形成された1つ以上のチャネル32も含んで、突起20を開口部30内に案内してもよい。ガイド部材26b内に形成されたチャネル32も、様々な寸法、形状及び形態を有してもよい。一般に、チャネル32はそれぞれ、内部に送達シャフトの突起を受容し、チャネルを通して突起を所定の方向に所定の位置へ、例えば上面28内の開口部30の1つに向かって案内するよう構成されていてもよい。この方法で、突起は、足場を通して上面28上の予想可能な所望の位置に前進することができる。
【0053】
チャネル32は、各チャネル32が1つの開口部30と関連する1対1の関係で、開口部30と軸方向に整合されていてもよい。この実施形態では、2つのチャネル32が2つの開口部30に対応するよう図示されているが、ブロック26は、装填ブロック26内に形成された開口部30の数より多い又は少ない任意の数のチャネル32を含んでもよい。更に、チャネル32はそれぞれ、任意の他のチャネル32と同一であっても異なっていてもよい。ブロック26は、ガイド部材26bを通って上面28の組織代替インプラント内に延びる、送達シャフト上の多数の突起よりも多くのチャネル32を含んでもよい。チャネル32は、開口部30を分離する距離と等しい距離w2だけ離れて、チャネル32を開口部30と整合させてもよい。図示するように、チャネル32はそれぞれ、ガイド部材26aの第二アーム40を通って、上面28の面に実質的に垂直の方向に延びる半円筒形の切り欠きとして構成されている。しかしながら、チャネル32は、上面28に関して任意の寸法、形状及び配向を有してもよい。チャネル32は、それに沿って外科器具が案内され得る十分な経路を提供するよう構成された、ガイド部材40内に延びる任意の深さを有してもよい。チャネル32はまた任意の長手方向の長さlを有してもよいが、チャネル32は、内部に受容される送達シャフトの突起よりも短く構成されて、突起の少なくとも一部分がチャネル32に沿って延び、突起の最も遠位の端が開口部30内に受容されるようにしてもよい。図示するように、チャネル32は、ガイド部材40の1つの表面に沿って延び、ガイド部材の第二アーム40の幅と等しい長手方向の長さl、例えば、約2.0mm(0.08in.)を有し得る。
【0054】
使用時、図8の一実施形態において図示するように、ブロック26は、足場10を送達シャフト12の突起20に取り付けるよう使用され得る。足場10を送達シャフト12に取り付けるためにブロック26を使用することは、足場10を通して足場10上の所定の位置に突起20を配置することを可能にし、それにより、以下に更に説明するように、足場10を患者の身体内に安全に送達するのを助ける。装填ブロック26の使用は、図1の足場10及びシャフト12を参照して記載されているが、当業者は、装填ブロック26が、これら又は任意の他のインプラント及び送達装置と共に使用できることを理解するであろう。
【0055】
送達シャフト12に取り付けるため足場10を準備するために、足場10を主本体の上面10上に実質的に平面位置にて配置することができる。上述したように、足場10は、生存組織が上部に配置された足場10の側が上面28上に下向きに、及び足場10の反対側である他方が上向きになるように、上面28上に設置され得る。足場10は、上面28上のどの場所にも配置され得るが、図示した実施形態に示すように、足場10はその外辺部の一部分が、上面28がガイド部材26bと交わる上面28の終端28aにおいてガイド部材26bの対向表面34に当接するよう配置されることができる。足場10はまた、その主軸が開口部30の長手方向の長さとほぼ平行になるよう配置されてもよい。この方法で、足場10は、上面28上の開口部30の上に、及びチャネル32の下に予想可能に配置されることができ、足場10の所定の長さが終端28aと開口部30との間に、例えばその下部に足場10が配置され得る第二アーム40の長さ方向の長さlで延びる。
【0056】
足場10を所望通りブロック26の上面28上に配置したら、送達シャフト12の突起20をチャネル32に沿って足場10に向かって遠位方向に前進させ、足場10を通して挿入して、足場10を取り付けることができる。この方法で、突起20のそれぞれは足場10を通して案内されることができ、場合により突起20の最も遠位の先端は、足場10及び/又は足場10の孔10aを通過する突起20の貫通を助ける。チャネル32は開口部30と軸方向に整合され得るため、突起20はそれぞれ、足場10を通過した後、開口部30の1つ内に受容され得る。突起20の長手方向の長さは十分長いため、突起20はチャネル32を通ると同時に少なくとも部分的に開口部30内に延びることができる。シャフト12の遠位方向の移動は、開口部30のうち1つ以上の開口部の底部表面などの停止機構により、及び/又はガイド部材26bの上面42により制限され得る。ガイド部材26bの上面42は、シャフト12の細長い本体18の遠位表面、例えば、突起20が延びる本体18の表面が、ガイド部材の上面42に接触した際に、シャフト12の遠位移動を停止することができる。任意の1つ以上の方法でシャフト12の遠位移動を制限することにより、突起20は、足場10が突起20に適切に取り付けられ得るよう十分な量だけ、足場10を通って前進することができる。
【0057】
足場10を通って延びる突起20により、送達シャフト12は、足場10がそこへ取り付けられた状態で、ブロック26から離脱されることができる。シャフト12は、シャフト12の長手方向軸Aに沿って上面28から離れる方向へ移動して、突起20を開口部30から離脱させることができ、それ故シャフト12をブロック26から離脱させることができる。場合により、突起20は、開口部30を通ってガイド部材26bから離れる方向へスライドして、シャフト12及び足場10をブロック26から除去することを助けてもよく、これは突起20上の足場10の位置が、ブロック26からの突起20の離脱中に変わらないことを確実にするのを助けることができる。突起20は、図示した実施形態のように、開口部30が細長いスロットとして構成されている場合、開口部30を通ってスライドすることができる。開口部30を通してガイド部材26bから離れるように突起20をスライドさせることにより、足場10もガイド部材26bから離れるように、特に第二アーム40の下部から外に移動することができ、それにより上面28から除去された際に、足場10が第二アーム40とぶつかる可能性を最小にする。したがって、そのような突起20のスライドは、シャフト12がシャフト12の長手方向軸Aに沿った方向に実質的に移動する前に、特に有効であり得る。更に、ガイド部材26bと足場10との間の接触を回避するために、足場10にある角度をつけるのではなく、足場10を実質的に平面位置内でスライドさせることは、脆い足場10をより注意深く取り扱うことができ、足場10上の生存組織を維持する助けをする。シャフト12は、場合により開口部30内でスライドし第二アーム40に対して枢動して、同時に足場10をスライド及び上昇させ得る。
【0058】
足場10が突起20を介してシャフト12に取り付けられると、図9に示すように、足場10が突起20から除去されるまで、摩擦が足場10を突起20上に保持することができる。シャフト12に取り付けられた足場10は、当業者により理解されるように、様々な方法で患者の体腔に送達され得る。例示的な実施形態では、上記に述べたように、足場10が取り付けられた送達シャフト12は、カニューレ14内に配置されて、足場10を植え込みのために組織欠陥部位に送達することができる。
【0059】
カニューレ14は様々な寸法、形状及び形態を有してもよい。図10及び図11に示す実施形態では、カニューレ14は長手方向の長さL2を有し、カニューレ14の近位端14bにて頭部46を有する細長い本体44を含む。カニューレの細長い本体44は、図示するように、実質的に円筒形を有してもよいが、細長い本体44はどの形状を有することもできる。細長い本体44はまた、その長手方向の長さが、少なくともカニューレ14の頭部46が患者の外部に位置した状態で、細長い本体44の少なくとも一部分が患者の体腔内に挿入されることを可能にする任意の寸法を有することができる。カニューレ14の内側通路22は、細長い本体44を通って長手方向に延びてもよく、また、送達シャフト12を内部にスライド可能に配置できるよう構成された任意の寸法及び形状、例えば円筒形を有してよい。内側通路22は、一定の直径D2を有してもよく、又は通路22は、可変の直径D2を有してもよく、例えば、細長い本体44の少なくとも遠位部分にてより大きい直径D2を有して、シャフト12及び足場10の収容を助けてもよい。細長い本体44は、図示するように、実質的に一定の外径D4を有してもよく、又は細長い本体44の遠位端14aは、テーパ状の錐体形を有する、例えば遠位方向にテーパ付けされて、カニューレの遠位端14aを最初に患者内へ導入するのを助けてもよい。細長い本体44及び/又は頭部46の1つ以上の部分は、場合により1つ以上の把持機構、例えば成型された指用窪み、細線などを含んで、カニューレ14の取り扱い及び操作を容易にしてもよい。
【0060】
上述したように、シャフト12は、カニューレ14内に配置されるよう構成されていてもよく、シャフトの細長い本体18がカニューレ14の内側通路22内にスライド可能に受容されている。したがって、シャフトの細長い本体18は、この実施形態に示すように、実質的に円筒形を有して、カニューレの内側通路22の形状に一致してもよい。カニューレの通路22及びシャフトの細長い本体18の対応する円筒形状により、シャフト12を内側通路22内で直線的及び回転可能に移動可能にすることができ、これは以下に更に説明するように、足場10の欠陥部位における位置決めを助けることができる。したがって、シャフトの細長い本体18は、カニューレの内側通路22の直径D2よりも小さい直径D1を有して、内部を細長い本体18が移動できるようにし得る。
【0061】
頭部46は、カニューレ14の最近位端に位置するよう図示されているが、頭部46はカニューレの近位端14bにおけるどの場所に位置してもよい。頭部46は、非限定的な例として、図示するように実質的に円筒形であってもよいが、当業者により理解されるように、頭部46は任意の寸法、形状及び形態を有することができる。頭部46は、カニューレ14を患者の身体の外部にて操作できるよう構成されたハンドルとして作用することができる。頭部46の直径D5は、図示するように、細長い本体44の直径D4よりも大きくてもよく、それにより頭部22がハンドルとして作用するのを助け、送達シャフト12を通路22内で固定位置に解放可能に保持するよう構成された固定機構の提供を助けることができる。
【0062】
カニューレの固定機構は、様々な形状、寸法及び形態を有することができるが、一般に、シャフト12をカニューレ14内にて解放可能に固定するシャフトの固定構造24を補い、かつ固定構造24と共に有効であるよう構成され得る。図示した実施形態において、カニューレの固定機構は、ピン50及びばね48によりカニューレ14の頭部46に結合されたボタン52を含む。頭部46は、開口部54がカニューレ14を通って延びる通路22と連通しているように頭部46の側部表面内に形成された開口部54を有してもよい。ボタン52は、開口部54を通って頭部46内に延びていてもよく、ボタン52の遠位端52aが頭部46内に配置され、ボタン52の近位端52bが頭部46の外に配置されている。ばね48が頭部46内に配置され、ボタン52を通路22に向かって偏倚させてもよい。ピン50は頭部46内に形成された穴56、及びボタン52内に形成された穴58を通って延びて、ボタン52を開口部54内に保持してもよい。ボタン52内の穴58は、ピン50の直径よりも大きい直径を有してもよく、これは、ボタン52のばね装填に加えて、ボタン52が押し下げられた際に、ボタン52がピン50及び頭部46に対して可動であることを可能にし得る。この方法で、ボタン52が押し下げらたられた非固定位置において、通路22は空であることができ、外科器具は通路内を自由にスライドすることができる。ボタン52が標準的な固定位置にあるときは、ボタン52の固定部材52cが頭部46内の通路22内に配置された外科器具と接触して、ボタン52が非固定位置に移動されるまで、内部に外科器具を固定することができる。固定部材52cは、上部に突起52dが形成された横棒として図示されている。固定部材52cの内側表面は、任意の寸法、形状及び形態を有してもよく、シャフト12の固定構造24と係合するよう構成され得る一方、突起52dは、ばね48を整合した状態に保つよう構成されていてもよい。
【0063】
上述したように、足場10が取り付けられたシャフト12は、様々な方法でカニューレ14内に前進することができる。図1に示した例示的な実施形態では、シャフト12は、近位端12bを先頭にしてカニューレ14の遠位端14a内に前進して、足場10が通過する通路22の長さを最小にするのを助けて、通路22に対して擦られることにより足場10が生存組織を損失する可能性を低減するのを助け、また、通路22内での押し合いによる足場10の突起20からの偶発的な脱落の可能性を低減することを助けることができる。シャフト12はカニューレ14内に直接挿入し得るが、例示的実施形態では、シャフト12は、カニューレ14の遠位端14aに結合された漏斗16を通って前進することができる。漏斗16はテーパ付けされた内側ルーメン又は通路を有するよう構成されて、足場10を、例えば図9に示すように突起20上の平面形態から、以下に更に説明するように、カニューレ14内での突起20上の折り畳まれた形態に動かすことができる。
【0064】
漏斗16は様々な寸法、形状及び形態を有してもよい。図12及び図13に示す例示的な実施形態において、漏斗16は内側ルーメン又は通路60を有する細長い本体を含み、この内側ルーメン又は通路60は、細長い本体の遠位端16aと近位端16bとの間に延びる。漏斗16は、任意の長手方向の長さL6、例えば約59.9mm(2.36in.)を有してもよく、そのいずれの長さもカニューレ14上を前進し得る。通路60は、任意の形状、例えば概して円筒形状を有して、漏斗の通路60の形状をカニューレの通路22に対応させ得る。通路60は、通路60の遠位部分60aにおける通路60の直径D6が、通路60の近位部分60bにおける通路60の直径D6よりも大きいように、可変の直径を有してもよく、直径D6は漏斗16の遠位部分60aと近位部分60bとの間での中間部分60cにおいて、近位方向に内側にテーパ付けされている。遠位部分60a及び近位部分60bは、それぞれ任意の長手方向の長さ、例えば、遠位部分60aにおいて約13.7mm(0.54in.)の長さL7、及び近位部分60bにおいて約38.1mm(1.5in.)の長さL8を有してもよい。漏斗16の通路60の近位部分60bにおける直径D6は、少なくともカニューレ14の遠位端14aにおけるカニューレ14の外径D4よりも僅かに大きくてもよく、それにより図1に示すように漏斗16の近位端16bがカニューレ14の遠位端14aの上にしっかり嵌ることができ、その結果、漏斗の通路60とカニューレの通路22とが互いに連通していることができ、2つの間の滑らかな移行が提供されることができる。漏斗の通路60の直径D6の寸法は、可変であってよく、例えば遠位部分60aにおいて約2/3大きく、遠位部分60aにおいて例えば約14.6mm(0.575in.)、近位部分60bにおいて約9.6mm(0.377in.)の直径D6を有してもよい。漏斗の細長い本体の外径D7は、可変であってよく、例えば、遠位部分60aにおいて約17.5mm(0.688in.)、近位部分60bにおいて約12.2mm(0.48in.)、又は実質的に一定であってもよい。漏斗16は剛性及び/又は可撓性材料の任意の組み合わせから形成され得るが、例示的な実施形態では、漏斗16は、1つ以上の実質的に剛性の材料、例えば医療等級のポリカーボネートから構成されている。
【0065】
使用時、漏斗16はカニューレ14の遠位端14aに取り付けられてもよく、シャフト12が内部にスライド可能に受容されてもよい。シャフト12が近位端12bを先頭にして漏斗16の遠位端16a及びカニューレ14の遠位端14aの内部に前進すると、突起20は、漏斗16及びカニューレ14内に導入されるシャフト12の最後の部分であり得る。突起20は足場10を通って足場10の端から所定の距離、例えば長さlだけ前進することができるため、突起20は足場の外辺部に対して配置されて、足場10が漏斗16を通って移動しそれにより足場10がカニューレ14内で折り畳まれた形態となり得るときに、足場10を平面形態から折り畳まれた形態に予想可能に移動させることができる。換言すれば、漏斗16のテーパ状の通路60は、例えば図14に示すように、足場10が突起20の周囲に巻かれる、折り畳まれた形態に足場10を誘導し得る。当業者は、折り畳まれた形態では、足場10は図示するように巻かれ、かつ/又は折られ得ることを理解するであろう。更に、足場10は楕円形であって、足場10の組織側10bを下向きに、例えば図9に示すように、シャフトの細長い本体18から離れて突起20上に装填されることができ、また突起20は足場10の主軸に沿って非対称位置にあるため、足場10は、組織側10bが突起20に向くように、突起20の周囲にU形状に折り畳まれ得る。このようにして、足場10の組織側10bは、足場10が取り付けられたシャフト12がカニューレ14の通路22を通ってスライドするにつれ、カニューレ14内でより良好に保護され得る。
【0066】
シャフト12はカニューレ14内に任意の距離だけ前進して、カニューレの通路22内に足場10を完全に収容させることができる。例示的な実施形態において、シャフト12とカニューレ14との間で協働する固定機構は、シャフト12がカニューレ14内に所定の距離を前進できるようにして、足場10が取り付けられた突起20がカニューレ14内に完全に、安定に収容されるのを確実にするのを助けることができる。上述したように、固定機構は様々な形態を有することができるが、この図示した実施形態では、カニューレ14の頭部46内のボタン52がシャフト12内に形成された溝24と係合して、シャフト12をカニューレ14内で固定位置に保持することができる。シャフト12がカニューレ14の通路22を通過するにつれ、シャフト12はボタン52をその偏倚位置から押し下げた位置に移動させることができる。シャフト12を頭部46内の通路22を通して移動させることにより、ボタン52をその押し下げた位置に維持することができ、ここでシャフト12は、溝24がボタン52に到達するまで、ボタン52を通ってその遠位端52aと近位端52bとの間に形成された開口部を通過する。シャフト12が通路22を通って十分な距離を通過して、固定構造24をボタン52に到達させ、それにより固定構造24及びボタン52が整合すると、ボタン52は溝24内にスライドすることができ、例えば固定部材52cの内側表面が溝24と係合することができる。したがって、それが形成されている細長い本体18よりも小さい直径を有する溝24は、ボタン52を非固定位置から固定位置に促すのを助け、それにより、ボタン52がその近位端52bにて押されるまで、及び/又はシャフト12が遠位方向に前進して、そのテーパ形状が固定構造24をカニューレの固定機構から離脱させることができるまで、シャフト12を定位置に保持することができる。固定位置にて、シャフト12の少なくとも近位端12bは、カニューレ14の近位端14bを越えて近位方向に延びて、シャフト12がカニューレ14の外部から、またカニューレ14が患者の身体内部に導入された際に身体外部から、操作されることを可能にすることができる。また固定位置にて、足場10が取り付けられた突起20は、カニューレ14の遠位部分内で漏斗16の直近に配置することができる。したがって、図示した実施形態では、細長い本体18を遠位方向に押すことにより、ボタン52を手で押す必要なく、部品を解錠できる。ばね48の剛性及びテーパの傾斜は、カニューレ14からの細長い本体18の偶発的な脱落の防止を助けるよう形成される、どれくらいの力が、部品を解錠するのに必要かを決定し得る。
【0067】
シャフト12及び足場10がカニューレ14内に逆装填された後、カニューレ14は組織を通して挿入されることができる。当業者は、足場10、又は任意の他の組織代替インプラントが任意の方法で患者内に導入することができることを理解するであろう。図15に示す一実施形態において、カニューレ14は、組織64内の外科的に形成された切開口又は開口部62を通して体腔内に挿入されて、患者内への足場10の送達のために準備することができる。漏斗16は、カニューレ14が患者内へ挿入される前に、カニューレ14の遠位端14aから除去されてもよく、これは開口部62の寸法を縮小するのを助けることができる。内部にシャフト12が配置されたカニューレ14が、最初に組織64を通して導入されているよう図示されているが、当業者は、足場10が取り付けられたシャフト12がカニューレの近位端14bを通してカニューレ14内に導入される場合のように、カニューレの通路22内にシャフト12が配置されていなくても、カニューレ14が組織64を通して導入できることを理解するであろう。当業者は、カニューレ14が、図示するように組織64を通して直接挿入できて、開口部62の寸法を最小にすることを助けるか、又はカニューレ14が導入装置、例えば他の外科器具が前進することができるワーキングチャネルを有するアクセスポートを通して挿入できることも理解するであろう。
【0068】
当業者により理解されるように、カニューレ14の遠位端14aは開口部62の形成を助けることができ、かつ/又は1つの若しくは他の外科器具が使用されて、組織64を通して開口部62を形成することができる。カニューレの細長い本体44は、細長い本体44が開口部62を通過するにつれ、開口部62の直径を、ほぼカニューレの細長い本体44の直径D4に拡大することができ、それにより開口部62の寸法を最小にし、また患者の外傷を低減するのを助ける。足場10は折り畳まれた形態でカニューレ14内に完全に配置され得るため、足場10の直径又は最大幅よりも小さい直径を有する開口部62を通して患者内に挿入することができる。
【0069】
カニューレ14は、組織64を通って任意の距離を長手方向に前進し、組織64に対して任意の方法で配置され得る。カニューレ14はまた、組織、例えば軟骨68内に形成された空洞66に対して、足場10が取り付けられるべき欠陥部位において、任意の方法で配置されることができる。例示的な実施形態において、カニューレ14は、カニューレ14の長手方向軸A2(図10参照)及びシャフト12の長手方向軸Aが、それぞれ空洞66に実質的に垂直であるように、組織64を通して配置され得る。そのような実質的に垂直の位置決めは、患者の本体の外部から空洞66に関連して足場10をより迅速に、安全に、また正確に配置することを助けることができる。
【0070】
カニューレ14が組織64を通過し、例えばカニューレの細長い本体44が開口部62内に配置され、カニューレの遠位端14a及び頭部46が組織64の反対側に配置されたら、送達シャフト12をカニューレの通路22を通してカニューレの遠位端14aの外部に遠位方向に前進させることができ、かつ/又はカニューレ14を近位方向に引込んで足場10を露出して、足場10を患者内に送達することができる。図16の一実施形態に示すように、送達シャフト12及びカニューレ14それぞれの中心長手方向軸A、A2は、例えば空洞66の上方など、所望の位置に対して実質的に垂直に整合され得る。送達シャフト12及びカニューレ14は、足場10がカニューレ14を通ってカニューレ14の外部に前進する際に、所望の位置に対してどこに位置してもよいが、そのような実質的に垂直な配置は、足場10がより正確に所望の位置に送達されることを可能とし、それにより脆い足場10を身体内部で移動させて配置する量を低減することができる。シャフト12は、例えばシャフト12を実質的に静止位置に保ち、カニューレ14を近位方向に移動する、又は図示するように、カニューレ14を実質的に静止位置に保ち、シャフト12を内部を通して遠位方向に移動させるなどの任意の方法により、カニューレ14内で通路22を通って遠位方向に前進することができる。図示した実施形態では、固定機構はシャフト12の遠位移動により自動的に離脱するが、代替的に、又はこれに加えて、固定機構は、例えばカニューレの頭部46上のボタン52を押すことにより手動で離脱させて、カニューレ14内でのシャフト12の自由なスライド移動を可能にし得る。
【0071】
足場10がカニューレ14の遠位端14aを越えて配置された際に、足場10は折り畳まれた形態から平面形態に戻るよう動くことができる。当業者により理解されるように、足場10がカニューレの遠位端14aを越えて遠位方向に徐々に前進するにつれ、足場10は図16に示す折り畳まれた形態から、図17に示す平面形態に徐々に動くことができる。足場10は、足場10を折り畳まれた形態から平面形態に自動的に動かす材料から形成されてもよいが、以下に更に説明するように、少なくとも1つの捕捉器具及び/又は送達ガイドを場合により使用して、足場10の把持及び展開を助けてもよい。
【0072】
足場10がカニューレ14の遠位端14aを越えて配置されたら、足場10はシャフト12の突起20から分離され、空洞66内に配置されてそこに取り付けられることができる。空洞66、及び/又は外科処置の任意の他の部分への足場10の配置は、可視化することができ、例えば患者内に挿入した観察装置(scoping device)上のレンズを介して視認し、患者の身体の外部で視覚化スクリーン上に描写することができる。足場10は、シャフト12がカニューレ14内に配置されている間に、突起20から除去することができるが、例示的な実施形態では、足場10を送達シャフト12から分離する前に、カニューレ14を患者から除去することができる。図17の一実施形態に示すように、カニューレ14は、足場10及びシャフト12の少なくとも一部分を患者内部に残留させたまま、患者の身体から除去され得る。カニューレ14は、例えばシャフト12を身体外部に保ち、カニューレ14を図17の方向矢印で示すように近位方向に移動させるなど、任意の方法により患者から除去され得る。固定機構がカニューレ14の近位方向への移動により自動的に離脱させて、シャフトの固定構造24がカニューレの固定機構を通過できるように構成されていない場合、固定機構は、例えばボタン52を押すことにより、手動で離脱させることができる。場合により、突起20は、空洞66の底部表面において骨及び/又は石灰化軟骨に当接するように配置されて、カニューレ14がシャフト12の周囲から除去される際にシャフト12に安定性を提供してもよい。
【0073】
足場10は任意の方法で突起20から除去されてよく、例えば足場10を把持器具で保持し、シャフト12及び/又は把持器具を移動させて、足場10を突起20から除去してもよい。代替的に、又はこれに加えて、足場10は、シャフト12上を前進するよう構成され、また足場10を空洞66内部に付着させるのを助けるよう構成された、外科器具を使用して、突起20から除去されてもよく、それにより外科処置中に使用される器具類の量を低減し、足場の植え込みの正確さを改善することができる。そのような外科器具は、図18〜図23に示した送達ガイド70の一実施形態などの様々な形態を有し得る。一般に、送達ガイド70は、送達シャフト12の突起20から足場10を除去し、足場10を所望の植え込み部位で定位置に保持し、また、患者の身体から除去する必要なく、足場10を所望の植え込み部位に付着させるのを助けるよう構成された1つ以上の外科装置を案内するよう構成され得る。したがって、送達ガイド70は、外科処置の効率の改善を助け、脆い足場10の移動の制限を助け、足場10が患者内の意図される位置へ付着されるのを確実にするのを助けることができる。
【0074】
送達ガイド70は、様々な寸法、形状及び形態を有することができる。この実施形態に示すように、送達ガイド70は、ガイド70の遠位端70aと近位端70bとの間に延びる内側ルーメン又は通路76を有し、送達ガイド70の遠位端70aにて少なくとも1つの骨係合要素74を有する細長い本体72を含む。送達ガイド70は、任意の長手方向の長さL9、例えば、約182.9mm(7.2in.)を有してもよい。例示的な実施形態において、送達ガイド70は、送達シャフト12よりも短く、シャフト12が通路76内に配置され、ガイドの近位端70bを越えて近位方向に延びて、シャフト12がガイド70内に配置された際により容易に操作され得るようにしてもよい。ガイド70の長手方向の長さL9はまた、以下に説明する図26に示すように、ガイド70が組織表面を通して配置された際に、その遠位端70a及び近位端70bが組織表面の反対側上に配置できるよう十分に長くてもよい。
【0075】
細長い本体72は、場合により1つ以上の把持機構、例えば指用ループ、成型された指用窪み、細線などを含んで、ガイド70の保持及び操作を容易にしてもよい。ガイド70は、代替的に、又はこれに加えて、場合によりその近位端70b及び/又は細長い本体72の他の部分に、ハンドルを含んでもよい。ハンドルは、非限定的な例として、実質的に円筒の円盤又はノブであってもよいが、当業者により理解されるように、ハンドルは、ガイド70を身体外部に保持できるようにする任意の寸法、形状及び形態を有してもよい。当業者は、ガイド70がハンドルを含む必要がなく、代わりに、例えば細長い本体72の近位部分を使用して操作し得ることを理解するであろう。
【0076】
ガイドの遠位端70bの1つ以上の骨係合要素74は、一般に、足場10を貫通し、かつ/又は骨及び/若しくは石灰化軟骨内に部分的に貫通して、ガイドの通路76内に外科器具が存在する又は存在せずに、骨及び/又は石灰化軟骨に対するガイド70の固定、したがって足場10の固定を助けるよう構成されてもよい。骨係合要素74は、任意の形態を有することができる。図示した実施形態では、ガイド70は4つの骨係合要素74を含むが、ガイド70は任意の数の、例えば2つの骨係合要素74を含んでもよい。更に、係合要素74それぞれは、任意の他の骨係合要素74と同一であっても異なっていてもよい。骨係合要素74は、図示するように、骨係合要素74が骨及び/又は石灰化軟骨に係合するのを助けるよう構成されたテーパ状の遠位先端を有して又は有さずに、歯又は突起として構成されてもよい。骨係合要素74は、約1.5mm(0.06in.)の高さ74hと、約0.75mm(0.03in.)の長さ74lと、約0.25mm(0.01in.)の厚さとを有する二等辺三角形として図示されているが、骨係合要素74は、任意の寸法及び形状を有してもよい。骨係合要素74は、ガイドの遠位端70aにて任意の形態で配列される、例えば図23に示すように、ガイド70の中央長手方向軸A3の周囲にて径方向に等間隔で、ガイドの外辺部に沿って間隔を置いてもよい。骨係合要素74はガイドの長手方向軸A3と実質的に平行に延びてもよく、又は図示するように、骨係合要素74は、角度αにて径方向内側に角度付けされて、骨及び/又は石灰化軟骨のより良好な把持を助けてもよい。数の骨係合要素74を含むいくつかの実施形態において、骨係合要素74は、骨係合要素74、例えば複数の歯が、粗面化された骨係合表面を形成し得るよう、細長い本体72の遠位端表面を覆っていてもよい。
【0077】
骨係合要素74は、細長い本体72と一体形成されているよう示されているが、骨係合要素74のうち任意の1つ以上は、細長い本体72に移動可能に結合されていてもよい。非限定的な例として、骨係合要素74は引込み可能であってもよく、それにより、延伸位置において、骨係合要素74はガイドの遠位端70aを越えて遠位方向に延びることができ、引込み位置においては、細長い本体72内に収容されることができる。可動な骨係合要素の引込み及び延伸は、当業者により理解されるように、ガイド70の近位端70bにて、制御機構、例えばノブ、ボタン、レバー、電子信号発信機などの作動を介して、任意の方法で制御することができる。いくつかの実施形態において、骨係合要素74は、ガイド70に除去可能に結合されてもよい。
【0078】
上述したように、ガイド70は、シャフト12に除去可能に結合されるよう構成されてもよく、ここでシャフトの細長い本体18はガイド70の内側通路76内にスライド可能に受容され得る。したがって、ガイドの通路76は、この実施形態に示すように、実質的に円筒形を有して、シャフト12の形状に一致してもよい。ガイドの通路76及びシャフトの細長い本体18の対応する円筒形は、シャフト12が内側通路76内で直線的及び回転可能の両方にて可動にすることができ、それによりガイド70をシャフト12に対して、及びシャフト12の突起20に取り付けられた足場10に対して配置するのを助けることができる。したがって、シャフトの細長い本体18の直径D1は、ガイドの通路76の直径D8よりも小さく、細長い本体18が内部で可動であるようにすることができる。直径D8は、任意の寸法、例えば約7.7mm(0.305in.)を有し得る。細長い本体72も任意の形状、例えば円筒などを有し、任意の直径D9、例えば約9.5mm(0.375in.)を有してもよい。細長い本体の直径D9は、ガイド70の長手方向の長さL9に沿って一定であってもよく、又は直径D9は変動してもよく、例えば細長い本体72は、遠位端70aの少なくとも一部分において異なる直径D9を有する。
【0079】
細長い本体72は、遠位端70aに隣接する1つ以上の窓又は切り欠き78も含んでよい。ガイドの遠位端70aの1つ以上の窓は任意であり、またこれらの窓は、ガイドの通路76内の少なくとも遠位端70aにおいて、少なくとも1つの外科器具及び/又は外科部位の視認を可能にするよう構成され得る。切り欠き78は、任意の形態を有することができる。本実施形態に示すように、切り欠き78は、切り欠き78がガイドの通路76と連通しているように、ガイド70の細長い本体72の側壁内に形成された1つ以上の穴又は開口部を含んでもよい。4つの切り欠き78が図示されているが、ガイド70は任意の数の切り欠き78を含むことができる。更に、切り欠き78のそれぞれは、任意の他の切り欠き78と同一であっても異なっていてもよい。切り欠き78は、約9.5mm(0.375in.)の長さ78lと、例えば約4.8mm(0.18in.)の幅78wとを有する矩形形状として図示されているが、切り欠き78は、任意の寸法及び形状を有することができる。切り欠き78は、ガイド70の中央長手方向軸A3の周囲に径方向に等間隔で、例えば図示するように約90°離れるなど、ガイドの遠位端70aにて任意の形態で配置されてもよい。窓78は、ガイド70の最も遠位の端部から任意の長手方向距離78d、例えば約1.3mm(0.05in.)に位置して、ガイド70の遠位端70a内の通路76内の構成要素を視認できるようにすることができる。
【0080】
図24に示す送達ガイド70’の代替的実施形態において、ガイド70’は、遠位端70a’に隣接して形成された窓がガイド70’の細長い本体72’の透明部分72tの形態を有し得る以外は、ガイド70と同様に構成され得る。透明部分72tは、ガイド70’を通した可視化を可能にすると共に、組織、流体及び任意の他の材料が、細長い本体72’の側部を通ってガイド70’の内側ルーメン76’内に通過することを防ぐことを助けるよう構成され得る。透明部分72tは細長い本体72’の遠位端にのみ図示されているが、透明部分72tは、細長い本体72’の全長又は部分長のいずれかに沿って延びてもよい。遠位透明部分72tは、連続する透明部分、例えば図示するように透明な円筒体であってもよいが、当業者により理解されるように、遠位透明部分は、切り欠き78と同様に、細長い本体72’内にその本体の周囲に配置されるよう形成された複数の透明窓を含んでもよい。当業者は、本明細書で使用される用語「透明」が、光学的に透明な材料及び半透明材料を含む1種以上のシースルー(see-through)材料の任意の組み合わせを含むことを意図することを理解するであろう。
【0081】
上述したように、骨係合要素を送達ガイドと一体形成する代わりに、骨係合要素は、ガイドに除去可能に結合されてもよい。代替的なガイド70’は、遠位環71から遠位方向に延びる1つ以上の骨係合要素74’の1つの実施形態を示し、この遠位環71は、例えば螺合、スナップ嵌めなど、当業者により理解される任意の方法で、ガイドの遠位端70a’に除去可能に結合されるよう構成されている。この方法で、異なる寸法及び形状を有する、及び/又は異なる数、寸法、形状などの骨係合要素を有する遠位環を送達ガイドに結合して、送達ガイドを、異なる寸法及び形状に形成された組織欠陥部位並びに異なる寸法及び形状に形成された組織足場により良好に適応させることができる。場合によりキットの一部として送達ガイドをモジュール式遠位環に供給し得る。
【0082】
図25に示す送達ガイド70”の別の代替的な実施形態において、ガイド70”は、ガイド70”が少なくとも1つの整合機構を含み得る以外は、ガイド70又はガイド70’と同様に構成されてもよく、この整合機構は、ガイド70”の遠位端(図示せず)と近位端70b”との間に延びる内側ルーメン又は通路76”を通して挿入された器具、例えば送達シャフト、穴開け器具、締結具適用器具などを、ガイド70”に対して所定の径方向位置に配置するよう構成されている。この方法で、多くの場合ミニ開腹外科処置の場合に当てはまり得るように、外科部位での器具の視認が困難又は不可能であっても、外科部位での器具の位置を知ることができる。任意の整合機構は、様々な寸法、形状及び形態を有することができる。非限定的な例として、整合機構は、通路76”内に挿入された外科器具の適切な径方向配置を示す、印刷された、型抜きされた、又は別様にガイド70”上で視認可能な整合ガイドラベルを含んでもよい。外科器具は、一致する整合ガイドラベルが、ガイド70”内の器具の適切な配置を確実にするのを助けるように整合されることができるように、対応する整合ガイドラベルを有してもよい。図示した実施形態では、整合機構は、少なくともガイド70”の近位端70b”内に形成された少なくとも1つの細長いスロット80を含む。ガイド70”の近位端70b”を通して挿入された外科器具は、1つ以上の対応する整合機構、例えばスロット80内に受容され、またスロットを通してスライドするよう構成されたピン、突出部、細長い軌道などを有して、器具を特定の径方向位置に配向させてもよく、それによりガイド70”の遠位端におけるその位置は、目視による確認なしでも知ることができる。
【0083】
送達シャフト12の突起20から足場10を除去することを助けるために患者の身体内に導入される送達ガイドの種類に関わらず、送達ガイドは、シャフト12の上で患者の本体内に導入され得る。シャフト12が組織64内の開口部62を通して配置されている図26及び図27に示す一実施形態では、送達ガイド70は、遠位端70aを先頭にしてシャフト12上で前進することができ、それによりシャフト12がガイドの通路76内にスライド可能に受容されることができる。ガイドの遠位端70aを、突起20に取り付けられた足場10と接触させる前の任意の時点で、足場10は、図26に示すように、空洞66の上方で空洞66と整合させて配置されてもよく、それにより図27に示すように、足場10の遠位方向への前進が、足場10を空洞66内に配置させることができる。突起20は、空洞66の底部表面において骨67の少なくとも1つの表面と接触するよう配置されてもよく、それにより足場10を空洞66に対して配置させ、ガイド70がシャフト12の細長い本体18上を前進する際に、シャフト12に安定性を提供する。上述したように、突起20は遠位方向にテーパ付けされていてもよく、これは突起12の骨67の把持及び/又は貫通を助けることができる。加えて、骨67は、石灰化軟骨を更に又は代替的に含んでもよい。
【0084】
送達ガイド70は、図26に方向矢印で示すように、シャフト12上を遠位方向に前進して、ガイドの遠位端70aは最終的に突起20上の足場10に接触することができる。ガイド70はシャフト12を包囲するよう構成され得るため、ガイド70の遠位端70aは、シャフト12上を、したがってシャフト12から延びる突起20上を遠位方向に前進し、突起20と接触せずに足場10と接触することができる。送達ガイド70は、ガイド70の遠位端70aが足場10を空洞66に向かって空洞66内へ押すまで、組織64を通して遠位方向に前進することができ、これは場合により足場10も折り畳まれた形態から平面形態へ動かし得る。骨貫通要素74は、足場10を貫通し、骨67の少なくとも1つの表面と接触してもよく、これは送達ガイド70を患者内の定位置に保持し、また足場10を空洞66内の固定位置に一時的に保持するのを助けることができる。当業者は、骨貫通要素74のうち1つ以上が、足場10を貫通せず、したがって骨67と接触しないよう、構成され得ることを理解するであろう。ガイド70が足場10を空洞66内の所望の位置に保持した状態で、シャフト12をガイド70及び患者の身体から除去することができる。シャフト12は、図27に示すように、ガイドの近位端70bを越えて近位方向に延びるシャフト12の近位端12bを操作し、シャフト12を近位方向に引くなど、任意の方法で除去することができる。ガイド70を足場10に付けて移動させることにより、足場10を突起20のうち1つ以上から離れるように押すことができるが、ガイド70が空洞66内で足場10を保持した後に任意の突起20が足場10を通って延びている場合、ガイドの通路76を通したシャフト12の近位方向の移動により、突起20を引いて足場10から外すことができる。
【0085】
場合により、足場10が空洞66内の植え込み位置にある状態で、足場10を患者に取り付けてもよい。当業者は、植え込み位置内の足場10が空洞66内に完全にフィットすることができ、又は、例えば足場10が空洞66よりも大きい寸法に切断された場合、足場10の一部分が空洞66の外部に延び得ることを理解するであろう。足場10は、当業者により理解されるように、任意の方法で患者に取り付けることができる。いくつかの実施形態において、ガイド70は、ガイド70が足場10を植え込み位置内へ前進させた後、患者から除去されてもよいが、例示的な実施形態では、少なくとも1つの外科器具がガイドの通路76を通って前進して、足場10を患者に付着させる間、ガイド70は定位置に留まる。
【0086】
任意の1つ以上の外科器具を使用して、任意の方法で足場10を付着させることができる。図28〜図31に示す一実施形態では、穴開け器具82などの骨準備器具を使用して、足場10内及び足場10の下にある骨87内に少なくとも1つの穴又は開口部86を開けてもよく、また締結具適用器具88などの足場据付け器具を使用して、穴開け器具82により形成された1つ以上の開口部86を通して少なくとも1つの固定機構又は締結具90を適用して、足場を骨87に締結してもよい。いくつかの実施形態において、骨準備器具及び足場据付器具として、例えば先に言及した「グラフト固定装置を挿入するための器具(Instrument For Inserting Graft Fixation Device)」と題された2002年9月10日発行の米国特許第6,447,517号、「グラフト固定装置及び方法(Graft Fixation Device And Method)」と題された2001年1月30日発行の米国特許第6,179,840号、「グラフト固定装置を挿入するための器具(Instrument For Inserting Graft Fixation Device)」と題された2002年7月23日発行の米国特許第6,423,073号により詳細に説明されているものなどの止め金挿入装置として、単一の器具が構成されてもよい。穴開け器具82及び締結具適用器具88は、空洞66内の足場を保持する送達ガイド70を通ってそれぞれ別々に前進してもよく、それにより穴開け器具82及び締結具適用器具88は足場10に対してより正確に配置されることができ、締結具適用器具88によって適用される1つ以上の締結具90が、足場10に対して所望の位置に配置されること、及び1つ以上の締結具90が、形成された1つ以上の開口部86と適切に整合することを確実にするのを助けることができる。当業者は、足場10の適用にどちらか一方、両方、又はどちらも使用しない場合、他の骨準備器具及び足場据付器具を使用し得ることを理解するであろう。非限定的な例として、締結具は、骨87から来て、次に足場10を貫通してもよい。
【0087】
穴開け器具82は、様々な寸法、形状及び形態を有することができる。一般に、穴開け器具82は、当業者により理解されるように、1つ以上の開口部又は穴を組織足場内及び骨内に形成するよう構成された任意の穴開け器具を含むことができる。穴開け器具の非限定的な実施形態は、「グラフト固定装置を挿入するための器具(Instrument For Inserting Graft Fixation Device)」と題された2002年9月10日発行の米国特許第6,447,517号、「グラフト固定装置及び方法(Graft Fixation Device And Method)」と題された2001年1月30日発行の米国特許第6,179,840号、及び「グラフト固定装置を挿入するための器具(Instrument For Inserting Graft Fixation Device)」と題された2002年7月23日発行の米国特許第6,423,073号に見ることができ、これらは全体が参照により本明細書に組み入れられる。図28に示す一実施形態において、穴開け器具82は、穴開け器具82の遠位端82aにて少なくとも1つの骨貫通要素85を有する細長い本体83を含んでもよい。穴開け器具82は、任意の長手方向の長さを有し得るが、例示的な実施形態では、穴開け器具82は送達ガイド70よりも長くてもよく、それにより穴開け器具82は通路16内に配置され、ガイド70及び穴開け器具82の遠位端70a、82aがそれぞれ患者内部の足場10と接触する際に、ガイドの近位端70bを越えて近位方向に延びることができる。骨貫通要素85は、任意の寸法、形状及び形態を有することができる。骨貫通要素85は、一般に、上述した骨係合要素74と同様、少なくとも部分的に骨内に貫通して骨内に穴又は開口部を形成するのを助けるように構成される歯又は突起として構成されてよい。穴開け器具82の骨貫通要素85は、ガイド70の骨係合要素74と異なっていてもよく、例えばガイド70の骨係合要素74よりも鋭く及び/又は長くてもよく、穴開け器具82の骨貫通要素85が、締結具を受容するための骨内の適切な穴を形成できるようにする。図示するように、穴開け器具82の骨貫通要素85は、円筒状で剛性な中実部材であってよい。
【0088】
上述したように、穴開け器具82は、ガイド70に除去可能に結合されるよう構成されてもよく、ここで穴開け器具の細長い本体83は、ガイド70の内側通路76内にスライド可能に受容される。したがって、穴開け器具の細長い本体83は、この実施形態に示すように、内側通路76の形状に一致するよう実質的に円筒形であり得る。ガイドの通路76及び穴開け器具の細長い本体83の対応する円筒形は、整合機構、例えば、1つ以上のピン87が存在して、ガイド70の通路76内での穴開け器具82の回転移動を防止しない限り、穴開け器具82を内側通路76内で直線的及び回転可能の両方にて可動にすることができる。したがって、穴開け器具の細長い本体83は、ガイドの内側通路76の直径D8よりも小さい直径D10を有して、内部を細長い本体83が移動できるようにし得る。逆に、穴開け器具の近位端82bは、ガイドの通路76の直径D8よりも大きく、細長い本体の直径D10よりも大きい直径D11を有し得る。この方法で、穴開け器具の近位端82bは停止機構としての役割を果たすことができ、この停止機構は、穴開け器具82がガイド70内に、したがって骨内に延びる距離を制限するよう構成されている。
【0089】
穴開け器具82は図示するように中実部材であってもよいが、穴開け器具82は、内部を通して形成された1つ以上の通路を含んでもよい。非限定的な例において、穴開け器具82は、その遠位端82a及び近位端82bを通って延びるトンネルを含んでもよく、このトンネルはそこを通して配置された少なくとも1つの外科器具、例えば流体、組織などを外科部位から吸引するよう構成された真空装置を受容するよう構成されている。
【0090】
使用時、図29に示すように、穴開け器具82は、穴開け器具82の遠位端(図示せず)が足場10に接触するか、又は別様に足場に対して所望通り配置されるまで、送達ガイド70内へ、及び組織64内の開口部62を通って遠位方向に前進することができる。ガイド70内部での穴開け器具82の適切な配置は、感覚及び/又はガイド70内の切り欠き78を通した可視化により確認することができる。穴開け器具82及びガイド70が整合機構を含む場合、整合機構は、穴開け器具が内部を前進する前、及び/又は前進した後、穴開け器具82をガイド70に対して整合して、穴開け器具の遠位端を足場10に対して予想可能に整合させることができ、したがって穴開け器具82により形成された開口部86をこれもやはり予想可能に配置することができる。整合機構は、穴開け器具82の骨貫通要素85を、ガイド70に対して所定の径方向位置に整合させることもできる。一般に、穴開け器具82がガイドの通路76内に配置された状態で、穴開け器具82は、例えば穴開け器具82の近位端82bをハンマー84で1回以上打って、足場10内及び足場10の下にある骨87内に1つ以上の開口部86を形成することにより、遠位方向に前進することができる。穴開け器具82は所望により使用されるが、骨87が非常に固い可能性があるため、足場10を通して骨87内に1つ以上の開口部86を形成することは、1つ以上の締結具90の適用を容易にし得る。所望により穴開け器具82が開口部86を形成した後はいつでも、穴開け器具82は、例えば穴開け器具82をガイド70を通してガイド70の外部へ近位方向に移動させることにより、患者から除去されてよい。穴開け器具82が除去される際に、ガイド70に遠位方向の圧力が適用されて、足場10を定位置に保持することができる。
【0091】
図30の一実施形態に示すように、穴開け器具82がガイド70から除去された後、締結具適用器具88を、穴開け器具82と同様に、遠位方向に送達ガイド70内に、及び組織64内の開口部62を通して前進させてもよい。ガイド70内に締結具適用器具88を適切に配置することも、感覚及び/又はガイド70内の切り欠き78を通した可視化により同様に確認され得る。存在するならば、整合機構も同様に使用して、締結具適用器具88をガイド70及び足場10に対して整合してもよい。穴開け器具82及び締結具適用器具88は、締結具適用器具88により適用される締結具90の足が、穴開け器具82により形成された穴86内に延びることができるように、穴開け器具82及び締結具適用器具88がガイド70内の所定の位置にて径方向に同様に配向されるよう、整合機構と共に同様に構成されてもよい。したがって、整合機構は、例えば患者内の締結具適用器具88の位置を視覚的に又は別様に確認する必要なく、締結具適用器具88が、1つ以上の締結具90を穴開け器具82により形成された穴86を通して適用するよう配置されることを確実にするのを助けることができる。締結具適用器具88は、1つ以上の締結具を任意の方法で適用するよう作動され得る。締結具適用器具88は、当業者により理解されるように、1つ以上の締結具を組織足場に適用するよう構成された任意の締結具適用器具を含むことができる。一般に、締結具適用器具88は、締結具適用器具88の遠位端上に少なくとも1つの締結具保持部材を有してもよく、少なくとも1つの締結具を締結具保持部材と共に保持し、また少なくとも1つの締結具を、足場10を通して足場10の下にある骨87に適用するよう構成されている。締結具適用器具の非限定的な実施形態は、先に言及した「グラフト固定装置を挿入するための器具(Instrument For Inserting Graft Fixation Device)」と題された2002年9月10日発行の米国特許第6,447,517号、「グラフト固定装置及び方法(Graft Fixation Device And Method)」と題された2001年1月30日発行の米国特許第6,179,840号、及び「グラフト固定装置を挿入するための器具(Instrument For Inserting Graft Fixation Device)」と題された2002年7月23日発行の米国特許第6,423,073号に見ることができる。1つ以上の締結具90が適用されて足場10が骨87に取り付けられた後、例えば締結具適用器具88及びガイド70を組織64内の開口部62を通してその開口部の外部に、一緒に又は別々に近位方向に移動させることにより、締結具適用器具88及びガイド70を患者の身体から除去してもよい。
【0092】
図31には、足場10を患者に取り付ける唯1つのX形の締結具90が示されているが、任意の数の締結具90を使用して、足場10を空洞66内に付着させることができる。当業者は、締結具90が止め具として示されているが、足場10を患者に取り付けるのに使用される1つ以上の締結具は、1種以上の種類の締結具、例えば止め具、組織留め鋲、縫合糸、接着材などを、任意の組み合わせで含み得ることを理解するであろう。送達ガイド70は、足場10に対して1回以上再配置されて、ガイド70を通って前進した穴開け器具を使用した足場10内での1つ以上の追加の穴開けを容易にすることができ、また、ガイド70を通って前進した締結具適用器具を使用した1つ以上の追加の締結具の、1つ以上の追加の穴を通した適用を容易にすることができる。
【0093】
本明細書で説明した装置は、剛性及び/又は可撓性材料の任意の組み合わせから作製されることができるが、例示的な実施形態では、材料は生体適合性である。当業者は、本明細書で使用される用語「可撓性」及び「剛性」が、様々な形態を包含することが意図されることを理解するであろう。一般に、「可撓性」部材は、ある程度の弾性を有し、例えば破壊させずに屈曲が可能である一方、「剛性」部材は、弾性に欠ける。例示的な実施形態では、装置又は装置の少なくとも一部分が、少なくとも1種の生体適合性材料、例えばプラスチック、チタン、ステンレス鋼などから構成されている。
【0094】
当業者は、本発明が従来の内視鏡及び開腹外科器具、並びにロボット支援手術に用途を有することを理解するであろう。
【0095】
本明細書に記載されている装置は、1回の使用の後に廃棄されるように設計することもでき、又はこれらは複数回使用されるように設計することができる。ただし、いずれの場合も、装置は、少なくとも1回の使用後に再使用のため再調整することができる。再調整は、装置の解体工程、これに続く特定個片の洗浄工程又は交換工程、及びその後の再組立工程の、任意の組み合わせを含むことができる。特に、装置は分解することができ、装置の任意の数の特定の個片又は部品を、任意の組み合わせで選択的に交換又は除去することができる。特定の部品を洗浄及び/又は交換すると、装置は、再調整設備において、あるいは外科手技の直前に手術チームによって、後で使用するために再組立てすることができる。当業者であれば、装置の再調整は、分解、洗浄/交換、及び再組立ての様々な技術を利用できることを理解するであろう。そのような技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置はすべて、本出願の範囲内にある。
【0096】
当業者であれば、上記に述べた実施形態に基づく本発明の更なる特徴及び利点が認識されるであろう。したがって、本発明は、付属の特許請求の範囲において示される場合は例外として、具体的に図示、記載されたものに限定されるものではない。本明細書中に引用される刊行物及び参考文献はすべて、それらの全体を本明細書に明確に組み入れるものである。
【0097】
当業者であれば、上記に述べた実施形態に基づく本発明の更なる特徴及び利点が認識されるであろう。したがって、本発明は、付属の特許請求の範囲において示される場合は例外として、具体的に図示、記載されたものに限定されるものではない。本明細書中に引用される刊行物及び参考文献はすべて、それらの全体を本明細書に明確に組み入れるものである。
【0098】
〔実施態様〕
(1) 組織足場装填システムにおいて、
送達シャフトであって、前記送達シャフトの遠位端から延び、かつ組織足場を通って延びるよう構成された、少なくとも1つの突起を有する、送達シャフトと、
上部に組織足場を載せるよう構成された表面を有する装填ブロックと、を備え、前記表面は、内部に形成された少なくとも1つの開口部であって、前記少なくとも1つの突起が、前記表面上に載せられた組織足場を通って延びることができるように、前記送達シャフト上の前記少なくとも1つの突起を受容するよう構成された、少なくとも1つの開口部を有し、前記装填ブロックは、前記表面から延びるガイド部材であって、内部に形成された少なくとも1つのチャネルを有する、ガイド部材を更に含み、前記少なくとも1つのチャネルは、前記少なくとも1つの突起を、前記表面上の前記少なくとも1つの開口部内に案内するよう配置されている、組織足場装填システム。
(2) 前記少なくとも1つの突起が2つの突起を含み、前記少なくとも1つの開口部が2つの開口部を含み、前記少なくとも1つのチャネルが2つのチャネルを含む、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記装填ブロックの前記表面内に形成された前記少なくとも1つの開口部が、前記細長いシャフト上の前記少なくとも1つの突起を内部でスライドさせることができるよう構成された細長いスロットの形態である、実施態様1に記載のシステム。
(4) 前記ガイド部材が、前記表面に対して実質的に垂直に延びる第一部分と、前記表面に対して実質的に平行に延びる第二部分と、を有し、前記少なくとも1つのチャネルは前記第二部分内に形成されている、実施態様1に記載のシステム。
(5) 前記少なくとも1つの突起が、前記表面上に載せられ前記表面の終端に当接する外辺部を有する組織足場上の所定の位置を通って延びるように、前記少なくとも1つの開口部が、前記表面の前記終端から所定の距離に位置する、実施態様1に記載のシステム。
【0099】
(6) 複数の孔を有する組織足場を更に含み、各前記孔は、前記少なくとも1つの突起の直径と実質的に等しい直径を有する、実施態様1に記載のシステム。
(7) 内部を延びる内側ルーメンを有し、内部に前記送達シャフトを受容するよう構成されている、送達カニューレを更に含む、実施態様1に記載のシステム。
(8) 前記送達カニューレの遠位端に除去可能に嵌合された漏斗を更に含む、実施態様7に記載のシステム。
(9) 前記送達シャフトが、前記送達カニューレの遠位端内に挿入されるよう構成され、前記送達カニューレが、前記送達カニューレ内の前記送達シャフトの近位方向の移動を制限するよう構成された停止部を含んで、前記少なくとも1つの突起を前記送達カニューレの前記遠位端内の所定の位置に配置させる、実施態様7に記載のシステム。
(10) 前記組織足場装填システムが、前記送達シャフト上にスライド可能に配置できる送達ガイドであって、前記送達シャフトの前記遠位端上の前記少なくとも1つの突起上に配置された組織足場と係合し、前記組織足場を骨の表面に付けて保持するよう構成された遠位端を有する、送達ガイドを更に含む、実施態様7に記載のシステム。
【0100】
(11) 組織足場送達システムにおいて、
送達ガイドであって、内部を延びる内側ルーメンと、前記送達ガイドの遠位端の外辺部から延びる少なくとも1つの歯と、を有する、送達ガイドを備え、前記少なくとも1つの歯は、組織足場を貫通し、骨に係合して、組織足場を前記骨に対して定位置に保持するよう構成されており、前記送達ガイドは、前記遠位端に隣接した少なくとも1つの窓であって、前記遠位端で前記内側ルーメン内に配置された構成要素の視認を可能にするよう構成された、少なくとも1つの窓を更に含む、組織足場装填システム。
(12) 前記少なくとも1つの窓が、前記送達ガイド内に形成された複数の切り欠きを含む、実施態様11に記載のシステム。
(13) 前記少なくとも1つの窓が、前記送達ガイド内に形成された透明部分を含む、実施態様11に記載のシステム。
(14) 前記送達ガイドの前記内側ルーメンを通って前進し、組織足場を取り付けるために骨を準備するよう構成された、骨準備器具を更に含む、実施態様11に記載のシステム。
(15) 前記骨準備器具が、少なくとも1つの突起を有する穴開け器具を含み、前記少なくとも1つの突起は、前記少なくとも1つの突起により保持された組織足場を貫通して、前記組織足場の下にある骨内に少なくとも1つの穴を開けるよう構成されている、実施態様14に記載のシステム。
【0101】
(16) 前記送達ガイドの前記内側ルーメンを通って前進するように、また、前記少なくとも1つの歯により定位置に保持された組織足場を据付けるように構成された足場据付け器具を更に含む、実施態様11に記載のシステム。
(17) 前記足場据付け器具が、遠位端に締結具保持部材を有する締結具適用器具であって、少なくとも1つの締結具を保持するよう構成され、また前記少なくとも1つの歯により定位置に保持された組織足場を通して前記締結具を適用して、前記組織足場を前記組織足場の下にある骨に締結するよう構成された、締結具適用器具を含む、実施態様16に記載のシステム。
(18) 送達シャフトであって、前記送達シャフトの遠位端から延びる少なくとも1つの突起を有する、送達シャフトを更に含み、前記少なくとも1つの突起は、組織足場を通って延びるよう構成され、前記送達ガイドは、前記少なくとも1つの歯が、前記送達シャフトの前記少なくとも1つの突起上に配置された組織足場と係合するよう構成されるように、前記送達シャフト上に配置できる、実施態様11に記載のシステム。
(19) 遠位端に漏斗が結合された送達カニューレを更に含み、前記送達シャフトが、前記送達カニューレを通してスライド可能に配置できる、実施態様18に記載のシステム。
(20) 前記送達ガイドが、内部に挿入された器具を前記送達ガイドに対して所定の径方向位置に配置するよう構成された整合機構を含む、実施態様11に記載のシステム。
【0102】
(21) 組織足場を送達シャフト上に装填するための方法において、
組織足場を、前記組織足場が装填ブロックの表面内に形成された少なくとも1つの開口部上に配置されるよう、前記装填ブロックの前記表面上に配置することと、
送達シャフトの遠位端から延びる少なくとも1つの突起を、前記装填ブロックのガイド部材内に形成された少なくとも1つのチャネルに沿って前進させることと、を含み、前記少なくとも1つのチャネルは、前記組織足場を通して前記少なくとも1つの開口部内に前記少なくとも1つの突起を案内する、方法。
(22) 前記ガイド部材が、前記組織足場の外辺部に対して所定の位置で前記組織足場を通して前記少なくとも1つの突起を案内する、実施態様21に記載の方法。
(23) 前記少なくとも1つの開口部が、少なくとも1つの細長いスロットを含み、前記方法が、前記少なくとも1つの突起を、前記少なくとも1つのスロットを通してスライドさせることと、前記少なくとも1つの突起を、前記突起に取り付けられた前記組織足場と共に、前記少なくとも1つのスロットから除去することと、を更に含む、実施態様21に記載の方法。
(24) 組織足場を装填ブロックの表面上に配置することが、前記組織足場の外辺部を、前記ガイド部材の表面に付けて当接させることを含む、実施態様21に記載の方法。
(25) 組織足場を装填ブロックの表面上に配置することが、前記組織足場の少なくとも一部分を、前記ガイド部材の少なくとも一部分の下部に配置することを含む、実施態様21に記載の方法。
【0103】
(26) 上部に配置された生存組織細胞を有する前記組織足場の表面が、前記装填ブロックの前記表面と接触して配置される、実施態様21に記載の方法。
(27) 組織足場を送達するための方法において、
送達シャフトの近位端を送達カニューレの遠位端内に前進させて、前記送達シャフトの遠位端上に配置された組織足場を、前記送達カニューレの前記遠位端内に配置させることを含み、前記送達カニューレは、前記組織足場が前記送達カニューレの前記遠位端内に前進するにつれ、前記送達シャフトの前記遠位端上の少なくとも1つの突起の周囲に前記組織足場を折り畳ませる、方法。
(28) 前記組織足場が、前記組織足場の第一の表面上に配置された生存組織細胞を含み、前記第一の表面は、前記組織足場が折り畳まれる際に前記送達カニューレの内側表面との接触を防止されることにより前記生存組織細胞を保護する、実施態様27に記載の方法。
(29) 前記送達カニューレが、前記組織足場を折り畳む漏斗を前記送達カニューレの前記遠位端上に含む、実施態様27に記載の方法。
(30) 内部に前記組織足場及び前記送達シャフトが配置された前記カニューレを患者の身体内に前進させることと、前記送達シャフト上の前記少なくとも1つの突起を骨に付けて配置して、前記組織足場を配置することと、を更に含む、実施態様27に記載の方法。
【0104】
(31) 前記カニューレを除去して、患者の身体内に延びる前記送達シャフト及び組織足場を残留させることと、送達ガイドを前記送達シャフト上で前進させて、前記送達ガイドの遠位端を前記組織足場に係合させ、前記骨に係合させることにより、前記組織足場を前記骨の表面に付けて定位置に保持することと、を更に含む、実施態様30に記載の方法。
(32) 前記送達シャフトを除去して、患者の身体内に延び前記組織足場を骨の表面に付けて保持する前記送達ガイドを残留させることと、前記送達ガイドを通し、前記組織足場を通して、前記骨内に穴開け器具を前進させて、前記骨内に少なくとも1つの穴を形成することと、を更に含む、実施態様31に記載の方法。
(33) 前記送達ガイドの前記遠位端に隣接する前記送達ガイド内に形成された少なくとも1つの窓を通して前記穴開け器具を視認することを更に含む、実施態様32に記載の方法。
(34) 前記送達ガイドが、前記穴開け器具を前記送達ガイドに対して所定の径方向配向で整合させる整合機構を有する、実施態様32に記載の方法。
(35) 前記穴開け器具を除去することと、前記送達ガイドを通して締結具適用器具を挿入して、少なくとも1つの締結具を、前記組織足場を通して、前記穴開け器具により前記骨内に形成された前記少なくとも1つの穴内に挿入することと、を更に含む、実施態様32に記載の方法。
【0105】
(36) 前記送達ガイドが、前記締結具適用器具を前記送達ガイドに対して所定の径方向配向で整合させる整合機構を有する、実施態様35に記載の方法。
(37) 組織足場を送達するための方法において、
送達ガイドの遠位端を組織足場上に骨の表面に付けて配置して、組織足場を前記骨の前記表面に対して定位置に保持することと、
締結具適用器具を、前記送達ガイドを通して前進させて、締結具を、前記組織足場を通して前記骨内に挿入し、それにより前記組織足場を前記骨に前記定位置で締結することと、を含む、方法。
(38) 前記送達ガイドの遠位端を配置することが、前記送達ガイド上の少なくとも1つの歯を、前記組織足場を通して前記骨内に貫通させることを含む、実施態様37に記載の方法。
(39) 締結具適用器具を、前記送達ガイドを通して前進させる前に、穴開け器具を、前記送達ガイドを通して前進させて、前記少なくとも1つの締結具を受容するための少なくとも1つの穴を、前記組織足場を通して前記骨内に形成することを更に含む、実施態様37に記載の方法。
(40) 前記送達ガイド上の整合構造が、前記締結具適用器具を前記送達ガイドに対して所定の径方向配向で整合させる、実施態様37に記載の方法。
【0106】
(41) 送達ガイドの遠位端を配置する前に、送達シャフトを使用して前記組織足場を骨の表面に付けて配置することを更に含み、前記送達ガイドが前記送達シャフト上を前進して、前記送達ガイドの前記遠位端を前記組織足場上に前記骨の前記表面に付けて配置する、実施態様37に記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織足場装填システムにおいて、
送達シャフトであって、前記送達シャフトの遠位端から延び、かつ組織足場を通って延びるよう構成された、少なくとも1つの突起を有する、送達シャフトと、
上部に組織足場を載せるよう構成された表面を有する装填ブロックと、を備え、前記表面は、内部に形成された少なくとも1つの開口部であって、前記少なくとも1つの突起が、前記表面上に載せられた組織足場を通って延びることができるように、前記送達シャフト上の前記少なくとも1つの突起を受容するよう構成された、少なくとも1つの開口部を有し、前記装填ブロックは、前記表面から延びるガイド部材であって、内部に形成された少なくとも1つのチャネルを有する、ガイド部材を更に含み、前記少なくとも1つのチャネルは、前記少なくとも1つの突起を、前記表面上の前記少なくとも1つの開口部内に案内するよう配置されている、組織足場装填システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの突起が2つの突起を含み、前記少なくとも1つの開口部が2つの開口部を含み、前記少なくとも1つのチャネルが2つのチャネルを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記装填ブロックの前記表面内に形成された前記少なくとも1つの開口部が、前記細長いシャフト上の前記少なくとも1つの突起を内部でスライドさせることができるよう構成された細長いスロットの形態である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ガイド部材が、前記表面に対して実質的に垂直に延びる第一部分と、前記表面に対して実質的に平行に延びる第二部分と、を有し、前記少なくとも1つのチャネルは前記第二部分内に形成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの突起が、前記表面上に載せられ前記表面の終端に当接する外辺部を有する組織足場上の所定の位置を通って延びるように、前記少なくとも1つの開口部が、前記表面の前記終端から所定の距離に位置する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
複数の孔を有する組織足場を更に含み、各前記孔は、前記少なくとも1つの突起の直径と実質的に等しい直径を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
内部を延びる内側ルーメンを有し、内部に前記送達シャフトを受容するよう構成されている、送達カニューレを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記送達カニューレの遠位端に除去可能に嵌合された漏斗を更に含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記送達シャフトが、前記送達カニューレの遠位端内に挿入されるよう構成され、前記送達カニューレが、前記送達カニューレ内の前記送達シャフトの近位方向の移動を制限するよう構成された停止部を含んで、前記少なくとも1つの突起を前記送達カニューレの前記遠位端内の所定の位置に配置させる、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記組織足場装填システムが、前記送達シャフト上にスライド可能に配置できる送達ガイドであって、前記送達シャフトの前記遠位端上の前記少なくとも1つの突起上に配置された組織足場と係合し、前記組織足場を骨の表面に付けて保持するよう構成された遠位端を有する、送達ガイドを更に含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
組織足場送達システムにおいて、
送達ガイドであって、内部を延びる内側ルーメンと、前記送達ガイドの遠位端の外辺部から延びる少なくとも1つの歯と、を有する、送達ガイドを備え、前記少なくとも1つの歯は、組織足場を貫通し、骨に係合して、組織足場を前記骨に対して定位置に保持するよう構成されており、前記送達ガイドは、前記遠位端に隣接した少なくとも1つの窓であって、前記遠位端で前記内側ルーメン内に配置された構成要素の視認を可能にするよう構成された、少なくとも1つの窓を更に含む、組織足場装填システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの窓が、前記送達ガイド内に形成された複数の切り欠きを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの窓が、前記送達ガイド内に形成された透明部分を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記送達ガイドの前記内側ルーメンを通って前進し、組織足場を取り付けるために骨を準備するよう構成された、骨準備器具を更に含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記骨準備器具が、少なくとも1つの突起を有する穴開け器具を含み、前記少なくとも1つの突起は、前記少なくとも1つの突起により保持された組織足場を貫通して、前記組織足場の下にある骨内に少なくとも1つの穴を開けるよう構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記送達ガイドの前記内側ルーメンを通って前進するように、また、前記少なくとも1つの歯により定位置に保持された組織足場を据付けるように構成された足場据付け器具を更に含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記足場据付け器具が、遠位端に締結具保持部材を有する締結具適用器具であって、少なくとも1つの締結具を保持するよう構成され、また前記少なくとも1つの歯により定位置に保持された組織足場を通して前記締結具を適用して、前記組織足場を前記組織足場の下にある骨に締結するよう構成された、締結具適用器具を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
送達シャフトであって、前記送達シャフトの遠位端から延びる少なくとも1つの突起を有する、送達シャフトを更に含み、前記少なくとも1つの突起は、組織足場を通って延びるよう構成され、前記送達ガイドは、前記少なくとも1つの歯が、前記送達シャフトの前記少なくとも1つの突起上に配置された組織足場と係合するよう構成されるように、前記送達シャフト上に配置できる、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
遠位端に漏斗が結合された送達カニューレを更に含み、前記送達シャフトが、前記送達カニューレを通してスライド可能に配置できる、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記送達ガイドが、内部に挿入された器具を前記送達ガイドに対して所定の径方向位置に配置するよう構成された整合機構を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項21】
組織足場を送達シャフト上に装填するための方法において、
組織足場を、前記組織足場が装填ブロックの表面内に形成された少なくとも1つの開口部上に配置されるよう、前記装填ブロックの前記表面上に配置することと、
送達シャフトの遠位端から延びる少なくとも1つの突起を、前記装填ブロックのガイド部材内に形成された少なくとも1つのチャネルに沿って前進させることと、を含み、前記少なくとも1つのチャネルは、前記組織足場を通して前記少なくとも1つの開口部内に前記少なくとも1つの突起を案内する、方法。
【請求項22】
前記ガイド部材が、前記組織足場の外辺部に対して所定の位置で前記組織足場を通して前記少なくとも1つの突起を案内する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つの開口部が、少なくとも1つの細長いスロットを含み、前記方法が、前記少なくとも1つの突起を、前記少なくとも1つのスロットを通してスライドさせることと、前記少なくとも1つの突起を、前記突起に取り付けられた前記組織足場と共に、前記少なくとも1つのスロットから除去することと、を更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
組織足場を装填ブロックの表面上に配置することが、前記組織足場の外辺部を、前記ガイド部材の表面に付けて当接させることを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
組織足場を装填ブロックの表面上に配置することが、前記組織足場の少なくとも一部分を、前記ガイド部材の少なくとも一部分の下部に配置することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
上部に配置された生存組織細胞を有する前記組織足場の表面が、前記装填ブロックの前記表面と接触して配置される、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
組織足場を送達するための方法において、
送達シャフトの近位端を送達カニューレの遠位端内に前進させて、前記送達シャフトの遠位端上に配置された組織足場を、前記送達カニューレの前記遠位端内に配置させることを含み、前記送達カニューレは、前記組織足場が前記送達カニューレの前記遠位端内に前進するにつれ、前記送達シャフトの前記遠位端上の少なくとも1つの突起の周囲に前記組織足場を折り畳ませる、方法。
【請求項28】
前記組織足場が、前記組織足場の第一の表面上に配置された生存組織細胞を含み、前記第一の表面は、前記組織足場が折り畳まれる際に前記送達カニューレの内側表面との接触を防止されることにより前記生存組織細胞を保護する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記送達カニューレが、前記組織足場を折り畳む漏斗を前記送達カニューレの前記遠位端上に含む、請求項27に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2010−227578(P2010−227578A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−71692(P2010−71692)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(507083478)デピュイ・ミテック・インコーポレイテッド (47)
【氏名又は名称原語表記】DePuy Mitek,Inc.
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive,Raynham,Massachusetts 02767 United States of America
【Fターム(参考)】