説明

組込みの開封及び再密閉特徴を有する可撓性包装構造体、及びそれを製造する方法

可撓性包装用積層体は、内側の構成材に関して向かい合った関係で接合される外側の構成材を有する2部品構造として前記積層体を形成することにより組込み開封及び再密閉特徴を有するよう形成されている。切込み線は双方の構成材に形成されていて、2つの構成材の開封部(例えば、フラップ等)を積層体の面から離れて持ち上げることにより、開口が積層体に形成されるのが可能となっている。外側の構成材を通る切込み線は、内側の構成材を通る切込み線よりも大きな開口を画定するので、外側の構成材の周縁領域は内側の構成材の開封部の縁を越えて延在している。この周縁領域を、前記積層体を貫く開口の近くで内側の構成材の下層表面に再付着するのに感圧性接着剤が使用されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品用の可撓性包装容器に関し、特に、最初の開封後に再び閉じることができる当該包装容器を製造するための方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多くの食料製品及び非食料製品は、一種以上のポリマーフィルム、金属化ポリマーフィルム、紙、金属フォイル等のラミネーションから主として形成された可撓性包装材料を使用して包装されている。多くの場合、包装容器は、一度に少量ずつ使用されるか又は消費される製品を収容するものであり、該製品は、周囲の環境にさらされることにより悪影響を受け易い(例えば、湿気を含んだり、乾燥したり等)。従って、製品を包装容器内で新鮮に留めたままにしておくために、その最初の開封後に包装容器を再密閉できることがしばしば望ましい。
【0003】
可撓性包装容器のために、種々の開封及び再密閉構造が開発されてきた。再密閉性は、包装容器が開かれる部分の近くで該包装容器の外側に取り付けられる感圧性粘着ラベルを使用することにより、しばしば達成されている。かかるラベルは、包装構造自体とは別に形成されていて、該包装構造に付加されるものである。従って、当該ラベルは、追加経費を意味している。更に、包装容器材料の巻取りをラベルの付加のために加工業者に発送し、その後、この巻取りを包装容器の製造のために包装業者に再び発送することがしばしば必要である。この製造プロセスは非効率的である。また、ラベルの使用は、一般的に、除去されかつ廃棄される剥離性ライナーをラベルと共に用いる必要がある点で無駄を伴う。当該ラベルは、材料の巻取りから型抜きされるのが通常であり、この型抜き作業後に取り残された残骸もしくはスケルトンも廃棄されている。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、可撓性包装構造体とそれを製造するための方法とを提供することにより、上述した必要性に取り組むと共に、その他の利点を実現しており、当該構造体は、別個のラベルを必要としない組込みの開封及び再密封特徴を有している。本発明の一形態によると、可撓性包装構造体は、内側の構成材に対して向かい合った関係で接合される外側の構成材を有する2部品構造として包装用積層体を形成することにより、組込みの開封及び再密閉特徴を有するように形成されている。外側及び内側の構成材の各々は、ポリマーフィルム、紙、金属フォイル等のような1層以上の可撓性包装材料から構成することが可能である。外側の構成材には外側の脆弱線が形成されていて、持ち上げて外側の構成材の面から分離できる外側開封部を画定している。同様に、内側の構成材には内側の脆弱線が形成されていて、持ち上げて内側の構成材の面から分離できる内側開封部を画定している。これら外側及び内側開封部は互いに取り付けられているので、当該外側及び内側開封部が一体となって面から分離し持ち上げられるようになっており、そのため、内側の脆弱線により画定される開口を包装構造体に形成することになる。
【0005】
外側開封部は、内側開封部よりも面積が広く、該内側開封部の周縁部を越えて延びる周縁領域を有している。外側及び内側開封部が面から分離し持ち上げられて開口を形成するときに、外側開封部の周縁領域に位置合わせされた内側の構成材の下層部分が開口近くで露出するようになっている。感圧性接着剤が外側開封部の周縁領域又は内側の構成材の下層部分のどちらかに付着されている。従って、外側及び内側開封部の最初の持上げの後、外側開封部の周縁領域を内側の構成材の下層部分に感圧性接着剤を介して接着することにより、構造体の開口を再密封することが可能となる。
【0006】
本発明の一実施形態によると、内側周辺部及び外側周辺部を有するストリップを形成する感圧性接着剤は、外側の構成材の一方の表面上にパターンで付着され、恒久的な積層用接着剤は、該恒久的な接着剤が該感圧性接着剤のストリップを覆わないように、外側の構成材の一方の表面上にパターンで付着される。次に、外側の構成材は、積層体を形成するように、恒久的な接着剤を介して内側の構成材に接着により接合される。好適な実施形態における外側の構成材及び内側の構成材は、互いに同一の広がりを有し、好ましくは、各供給ロールから引き出されて互いに積層されて積層体を形成する連続ウェブであり、この積層体も連続ウェブである。
【0007】
次いで、積層体は、切込み線形成ステーションに進められ、そこで外側の脆弱線(ここでは“切込み線”とも呼ぶ)が外側の構成材の厚さの端から端まで形成されると共に、内側の脆弱線が内側の構成材の厚さの端から端まで形成される。これら切込み線の各々は、どの切込み線も外側及び内側の構成材間に恒久的な積層用接着剤があるところに配置されないように、感圧性接着剤のストリップに対して位置合わせされていることが有利である。外側の切込み線は、該外側の切込み線に沿って外側の構成材から分離可能な外側の構成材の外側開封部の輪郭を描いており、内側の切込み線は、恒久的な接着剤により外側開封部に固定されると共に該内側の切込み線に沿って内側の構成材から分離可能な内側の構成材の内側開封部の輪郭を描いている。
【0008】
恒久的な積層用接着剤なしに、感圧性接着剤のみを使用することも本発明の範囲内である。この場合、感圧性接着剤は、外側の構成材を内側の構成材にそれらの全表面にわたり接合する働きをしている。
【0009】
切込み線は、レーザーによるスコーリングもしくは切込み線形成により或いは型抜き又はキスもしくは接触切断のような機械的なスコーリングもしくは切断により形成することが可能である。接着剤は、上述したように外側の構成材に付着することができるが、代案として、内側の構成材に付着することも可能である。接着剤は、グラビアロール等のような任意の適当な設備及び技術を用いて付着することが可能である。
【0010】
感圧性接着剤は、開封を開始すべく容易に把持して引き戻すことができる開封部の指つまみ部もしくは把持部を形成するため、接着剤のない領域が存在するように付着可能となっている。
【0011】
外側の脆弱線もしくは切込み線は、外側の構成材の厚さの端から端まで貫通しているが、内側の構成材を通っていないことが好ましい。同様に、内側の切込み線は、内側の構成材の厚さの端から端まで貫通しているが、外側の構成材を通っていないことが好ましい。
【0012】
積層体の内側の構成材は、該積層体の内側表面を形成するシール材層を含むことが有利である。このシール材層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、商品名・SURLYNのようなアイオノマー樹脂等のようなヒートシール材料、又はコールドシール材料から構成することが可能である。ヒートシール又はコールドシール層は、フィルム又はコーティングのどちらかとすることが可能である。また、内側の構成材は、湿分及び/又は酸素の通過に対するバリヤーを提供するバリヤー層も含んでいることが有利である。感湿製品(例えば、環境にさらされたときに劣化しやすいクッキー又は類似の製品)の包装のような特定の適用例においては、湿分バリヤーを設けることが重要である。バリヤー層は、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリアミド等のようなバリヤーポリマーフィルム;ポリエチレン、ポリプロピレン、配向ポリプロピレン等のような金属化ポリオレフィンフィルム;AlOx被覆ポリマーフィルム;SiOx被覆ポリマーフィルム;アルミフォイルのような金属フォイル等を含む、種々のポリマーを基剤としてバリヤー材料から構成することが可能である。用語“バリヤー層”は、金属化フィルム全体に言及するために金属化フィルムに関連して使用されているが、それはバリヤー機能を提供する金属層であることが分かるであろう。同様に、セラミック被覆フィルムにおいてバリヤー機能を提供するのはAlOx又はSiOxであるが、しかしながらフィルム全体が“バリヤー層”であるとして言及されている。
【0013】
外側の構成材は、望ましいパリパリ感(crisp feel)があると共に、印刷が容易なポリエチレンテレフタレートのようなポリエステルの層を含んでいるのが有利である。ポリエステル層は、図形及び印をもたらすためインクで印刷することが可能である。好適な実施形態において、ポリエステル層は、透明であり、内側の構成材に対面する表面上に裏面印刷することが可能となっている。
【0014】
本発明によるプロセスは、積層体の製造中にこの包装用積層体に開封及び再密閉特徴が形成されるインラインプロセスである。従って、積層体をラベル等の付加のために加工業者に発送する必要がない。このため、別個のラベルの使用に関連した無駄や、種々の材料及び発送費用が回避されることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明を概括的な言葉で説明したが、次に、必ずしも縮尺通りではない添付図面について言及することにする。
【0016】
本発明の全実施形態ではなく一部の実施形態を示す添付図面を参照して、本発明について以下に特に詳細に説明することにする。実際に、本発明は、種々の異なる形態で実施することができ、ここに記載した実施形態に限定されると考えるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、この開示内容が適用法の必要条件を満たすように提示されている。同様の数字は、全体にわたり同様の要素を言及している。
【0017】
本発明の好適な実施形態についての初見の外観として、可撓性包装用積層体は、組込みの開封及び再密閉機能を有するように構成されている。積層体は、第1の構成材を第2の構成材に接着にて積層することによって多層構造体として構成されており、該多層構造体において、第1の構成材及び第2の構成材の各々は、一層以上の可撓性材料から構成されている。恒久的な接着剤及び感圧性接着剤がこれら構成材の一方に所定のパターンで付着されている。一旦積層体がこのようにして形成されると、接着剤パターンに合わせてスコーリングもしくはかじり作業が積層体の両側面に対して行われるが、各かじり作業は積層体の厚さの一部を貫通するのみである。特に、第1の構成材に隣接する積層体の側面に対して行われるかじり作業は、第2の構成材を完全に貫通することなく、また、好ましくは第2の構成材に実質的な貫入することなく、更に好ましくは何ら貫入することなく、第1の構成材を貫通する結果になる。同様に、第2の構成材に隣接する積層体の側面に対して行われるかじり作業は、第1の構成材を完全に貫通することなく、また、好ましくは第1の構成材に実質的な貫入することなく、更に好ましくは何ら貫入することなく、第2の構成材を貫通する結果になる。
【0018】
より具体的には、図1を参照すると、製造プロセスの第1局面(フェーズ)が記載されている。第1の構成材10は、適当なウェブ駆動・取扱設備(図示せず)により、供給ロール(もしくは巻取り)12から選択的な印刷ステーション14に進められる。この印刷ステーションは、第1の構成材の表面にインクを付着させることにより該第1の構成材上に図形及び/又は印を印刷するために輪転印刷機等のような印刷装置から構成されている。第1の構成材10は、一層以上の可撓性包装材料から構成されている。第1の構成材の層には、ポリエステル、ポリオレフィン(ホモポリマー及びコポリマーを含む)、ポリアミド及びその他のポリマー、紙、金属フォイル並びにその他を含む種々の材料を使用することが可能である。本発明の好適な実施形態において、第1の構成材10は、実質的に透明であると共に印刷ステーション14において裏面印刷される外側層を含んでいる。即ち、インクは、包装用積層体から構成された包装容器の外側を形成することになる第1の構成材の反対側から、後述するように別の構成材に後から積層される第1の構成材10の表面に付着され、インクが第1の構成材を介して目視することが可能となる。一例として、第1の構成材10は、ポリエチレンテレフタレート等のようなポリエステルの層から構成することが可能である。
【0019】
印刷ステーションで第1の構成材に印刷する前に、他の構成材に後から積層される第1の構成材の表面は、この表面をインクに対しもっと受容性にするために及び/又はこの表面を後述するように該表面に後からパターン付着される感圧性接着剤にもっと容易に接合できるようにするために、コロナ放電又は火炎処理装置16により処理することが可能である。代案として、第1の構成材10は、処理装置16が不要であるように、巻き取られて供給ロール12になる前に既にそのように処理しておくことが可能である。
【0020】
オプションのコロナ/火炎処理及び/又はオプションの印刷工程の後、図1及び図1aを参照すると、第1の構成材10は第1の接着剤付着ステーション18に進められ、そこで感圧性接着剤20は、第1の構成材の長手方向に沿って規則正しい間隔で繰り返される所定パターン22で第1の構成材に付着される。この所定パターン22は、種々の形態もしくは形状のストリップになっているのが通常である。例示したように、ストリップパターン22についての好ましい形状は、図4〜図8の記載から明らかになる理由のため、略U字形である。しかしながら、パターン22についてその他の形状を使用することは可能であるので、本発明は、特定のパターンに限定されない。パターンは、更に後述するように、第1の構成材10の指つまみ部もしくは把持部を最終的に形成する、接着剤のない領域23を含むことが可能である。
【0021】
感圧性接着剤20は、種々の成分から構成することが可能である。感圧性接着剤は、積極的且つ恒久的に粘着性であり、指もしくは手の圧力以上の必要なしに接着し、しかも、水、溶媒又は熱による活性化を要しない、粘弾性ボンドを形成している。感圧性接着剤は、しばしば、ラテックスエマルジョンもしくは溶媒により運ばれる形の非架橋ゴム系接着剤を基にしているか、或いはアクリル系及びメタクリル系接着剤、スチレンコポリマー(SIS及びSBS)、並びにシリコンから構成することが可能である。アクリル系接着剤は、他の樹脂系と比較した場合に優れた環境抵抗性及び速い硬化時間のために知られている。アクリル系感圧性接着剤は、アクリレート系をしばしば使用している。天然ゴム、合成ゴム又はエラストマーシーラント、及び接着剤は、シリコン、ポリウレタン、クロロプレン、ブチル、ポリブタジェン、イソプレン又はネオプレンのような種々の系統を基にすることが可能である。本発明の包装用積層体が食品包装に使用される場合、通常、感圧性接着剤は食品等級の成分から構成されていなければならない。連邦規則集の21 CFR Part 175.300に規定されているように、食品と直接に接触して使用可能な多くの感圧性接着剤が米国食品医薬品局により認定されている。本発明で使用するのに好適な食品用感圧性接着剤は、ボスティック・フィンドリー(Bostik Findley)から入手し得るジョンボンド(Jonbond)743である。感圧性接着剤が開封の際(特に、本当に最初の開封の際)に第2の構成材から容易に分離するように、必要ならば、下側にある第2の構成材42に対するボンドの粘着力を減少すべく添加剤(例えば、粒子状物質等)を感圧性接着剤に加えることができる。
【0022】
上述したように、感圧性接着剤のパターン22は、第1の構成材10に沿って規則正しい間隔で該第1の構成材に付着される。パターン22間の間隔もしくは割出し距離dは、包装用積層体から製造すべき包装容器の長さのような寸法に対応させることができる。
【0023】
接着剤付着ステーション18は、第1の構成材に沿って規則正しい間隔の所定のパターン22で当該構成材に感圧性接着剤を正確に付着させることができる適当な装置を備えていてもよい。例えば、図示のように、接着剤付着ステーションは、グラビアロール24を備えており、これがそのロールの外表面上にタンク26から感圧性接着剤をピックアップして、当該表面にある1つ以上の凹んだ領域を接着剤が満たすようになっている。ドクターブレード28が過剰の接着剤を掻き取るので、それは基本的に該凹んだ領域内にのみ留まることになる。第1の構成材10はグラビアロールに接触しており、受けロール30が第1の構成材の反対側で支持を行っている。
【0024】
感圧性接着剤の付着後、第1の構成材は、感圧性接着剤を乾燥させるためにオーブン等のような乾燥装置31に進められる。次いで、第1の構成材は第2の接着剤付着ステーション32に進められ、そこで恒久的な積層用接着剤34(図1b)が、表面の実質的に大部分が恒久的な接着剤により覆われて第1の構成材が下流側の積層ステーション40で第2の構成材に接着接合されるのを可能にするような方法で、第1の構成材に付着される。恒久的な接着剤34は、感圧性接着剤20を覆うことはない。更に、感圧性接着剤のパターンが前述したような指つまみ部もしくは把持部を形成するために接着剤のない領域23を含む場合、恒久的な接着剤のパターンは接着剤のない領域23を覆うこともない。従って、恒久的な接着剤は、感圧性接着剤と位置合わせして、それを又は存在するのであれば接着剤のない領域を覆うことなく接着剤を所定のパターンで正確に付着させることが可能な装置により付着されねばならない。適当な接着剤付着装置32は、図示のように、前述したような形式のグラビアロールとすることが可能である。
【0025】
恒久的な積層用接着剤34は種々の成分から構成することが可能である。適当な例には、ヘンケル(Henkel)から入手し得るティセル(Tycel)7900/7283のような二成分型ポリウレタン接着剤系がある。
【0026】
上述したように、恒久的な積層用接着剤の付着後、第1の構成材は、オーブン等のような乾燥装置33に進められる。次いで、第1の構成材は、その間にニップを形成している1対のロールから構成される積層ステーション40に進められる。第1の構成材10は、第2の構成材自体の供給ロール44から進められてくる第2の構成材42と共にこのニップを通過して、当該第1及び第2の構成材が互いに積層される。第2の構成材は、1層以上の可撓性材料から構成されると共に、第1の構成材と同一の広がりをもっている。即ち、第2の構成材の幅は第1の構成材の幅と実質的に等しく、また、第2の構成材の長手方向両縁は第1の構成材の長手方向両縁と実質的に一致している。次いで、その結果として得られる積層体46は巻取り装置もしくはリール装置(図示せず)に進められ、そこで巻き取られて、後述する製造プロセスの第2局面(フェーズ)における事後処理のためにロールになる。代案として、積層体が第2局面に直接に進められるように、巻取り工程を省略することが可能である。
【0027】
図2及び図6を参照すると、プロセスの第2局面が示されている。プロセスの第1局面で形成された積層体46の供給ロール48が示されている。この積層体は、該供給ロールから第1の切込み線形成ステーション50に進められ、そこで第1の切込み線52(図6)が第1の構成材10の厚さの端から端まで形成される。第1の切込み線52は、感圧性接着剤20の帯状パターン22の外周22a(図1a)と位置合わせされている(即ち、一致している)。第1の切込み線52は、第1の構成材10の厚さの実質的に端から端まで延びているが、図6に例示するように、事実上第2の構成材42の中に入る程度まで延びていないのが好ましい。
【0028】
第1の切込み線形成ステーション50は、図2に記載したように、レーザー54から構成することが可能である。可撓性材料を貫いて切込み線を形成するためにレーザーを使用することは、例えば、参照によりここに組み込まれる米国特許第5,158,499号明細書に記載されているように、一般的に知られている。レーザーにより形成される切込み線の深さは、レーザービームの出力又はビーム強度、レーザービームの幅又はスポットサイズ、及びビームにより照射される膜表面上の所定スポットの時間量を調節することにより制御することが可能である。これらのファクターは、切込み線が形成されている材料の特性に基づいて選択されるものである。技術的に知られているように、材料によっては他の材料よりもレーザーによりもっと容易に切込み線を形成できるものがある。
【0029】
上述したように、第1の切込み線52は、感圧性接着剤ストリップの外周22a(及び、存在するのであれば、指つまみ部23の外周)と位置合わせされていなければならない。この位置合わせを行うために、レーザー54の作動は積層体46の進行に同期するように制御されている。積層体46の近くに配置されたセンサ56は、感圧性接着剤のストリップに関する位置が既知である積層体についての特徴を検出するのに使用することが可能であり、センサの出力信号は、レーザー54を制御する適当なコントローラ(図示せず)により使用することが可能となっている。
【0030】
次に、積層体は第2の切込み線形成ステーション60に進められ、そこで第2の切込み線62(図6)が第2の構成材42の厚さの端から端まで形成される。第2の切込み線62は、感圧性接着剤20のストリップパターン22の内周22b(図1a)と位置合わせされている(即ち、一致している)。第2の切込み線62は、第2の構成材42の厚さの実質的に端から端まで延びているが、図6に例示するように、事実上第1の構成材10の中に入る程度まで延在していないのが好ましい。
【0031】
第2の切込み線形成ステーション60は、レーザー64から構成することが可能である。レーザー64の作動は、上述したような方法で積層体の進行と同期している。センサ66は、感圧性接着剤の帯に対する位置が既知である積層体についてのアイマークもしくは視点のような特徴を検出することが可能であり、センサの出力は、第2の切込み線が感圧性接着剤の帯の内周と位置合わせされるようにレーザーの作動を制御するのに使用することが可能となっている。
【0032】
積層体に切込み線を形成するのにレーザーを使用する代案として、切込み線52,62は、機械的なかじり又は切断により積層体に形成することが可能である。例えば、図3に記載のように、第1の切込み線形成ステーション50’はニップを形成するキスロール51及び受けロール53から構成することが可能であり、該ニップを積層体が通過するようになっている。キスロール51は、切断刃(図示せず)を画成する回転式抜き型から構成されている。キスロールは、受けロールと同期して作動し、第1の構成材10の外側表面から出発して積層体の厚さを部分的に貫き切断するので、第1の構成材は実質的にすっかり切込み線が形成されるが、第2の構成材は完全な状態のままである。同様に、第2の切込み線形成ステーション60’は、第2の構成材42を貫いて切込み線を形成するためのキスロール61及び受けロール63から構成されている。
【0033】
更に、積層体の一方の側にレーザーで切込み線を形成し、他方の側に接触もしくはキス切断を行うか或いは別の手段で機械的に切込み線を形成することは本発明の範囲内である。これは、例えば、積層体を製造する構成材の一方はレーザーにより容易に切込み線が形成されるが、他方の構成材がそうではない場合、有利である。例えば、第1の構成材10がPETのようなポリエステルである場合、それはレーザーにより容易に切込み線が形成されるが、ポリエチレンヒートシール層が反対側に用いられていれば、ポリエチレンはレーザーで適切に切込み線が形成されないので、レーザーによる切込み線形成は最適の選択ではないであろう。この場合、内側の構成材42に切込み線を形成するのに、接触もしくはキス切断又は他の機械的な切込み線形成手段を使用することが可能である。
【0034】
切込み線形成工程の後、積層体46は、その後の処理のために巻取り装置(図示せず)に送って巻き取られ、ロールにすることが可能となる。また、積層体の幅には、スリットを入れて複数の部分幅にすることも可能である。この後者の場合、各部分幅は、適当に構成された接着剤アプリケータで全幅の材料に付着される感圧性接着剤及び恒久的接着剤の繰返しパターンを有すると共に、スリットを入れる前に全幅の積層体に作用するか又はスリットを入れた後の各部分幅の部分に作用する、適当に構成された切込み線形成装置により形成された繰返しの切込み線を有することになる。
【0035】
先行技術のように、ウェブ表面の一部の部分に付着される個々のラベルを有するウェブの形成と対比して、本発明の利点は、積層体が全体にわたり一様な厚さを有し(第1及び第2の構成材が同一の広がりを有するため)、従って、具合良く巻かれて質のいい巻取りになる点にある。対照的に、ウェブ幅の中央に位置したラベルを有するウェブは、ラベルが存在しない巻取りの2つの端部において半径方向に柔らかい巻取りロールを製造する傾向がある。更に、ラベルを備えたウェブは、本発明に基づいて造られた積層体よりも厚く、従って、本発明の積層体は、所定直径の巻取り当たりについてより大きな面積を実現することができる。既述のように、ラベル使用の別の欠点は、“オフライン”プロセスでウェブにラベルを付着させる必要のあることであり、これは、ウェブの巻取りをラベルの付加のために加工業者に発送し、その後、この巻取りを包装容器の製造業者に再び発送することをしばしば必要とする。本発明のプロセスにおいて、積層体の製造と、該積層体への開封及び再密閉特徴の組込みとは、同じプロセス全体の一部としてインライン方式で行われる。従って、本発明のプロセスは、より効率的であり且つより低コストである。
【0036】
また、本発明は、ラベルの使用に関連した他の欠点も回避している。具体的には、感圧性接着剤ラベルは、剥がされて投棄されるはく離性ライナーを一般的に必要としており、これは無駄を意味している。更に、ラベルのウェブ材料からラベルを型抜きした後に取り残される残骸もしくはスケルトン材料の追加の無駄もある。本発明は、かかる無駄や付帯的費用を排除するものである。
【0037】
結果として得られた積層体の特定の可能適用例について、図4〜図9を参照してこれから説明する。図4及び図5は、可撓性包装容器70を示している。この包装容器は、包装内容物を包むと共に、同内容物を包囲するべく封止される外側包囲体74を含んでいる。該外側包囲体74は、前述した積層体46のような、本発明に従う方法により製造された包装用積層体から構成されている。外側包囲体は、処理されて管状の形にされており、該包囲体の長手方向両縁部は適当なシール材により互いに封止され、典型的には包装容器の底面近くに長手方向シール(図示せず)を形成している。包囲体の対峙する部分同士は、管状包囲体の両端部近くで横方向封止線76,78に沿って互いに封止されている。包囲体の端部は、技術的に既知のように、必要に応じてまちを付けることが可能である。
【0038】
例示した包装容器において、切込み線52,62を有する外側包囲体74の部分は、包装容器の上面にあるように設けられている。切込み線により境界を定められた包囲体の領域は、包装容器の全上面の何分の1かを占めることが可能であるが、有利には、この領域が上面の全表面積の大部分であることである。
【0039】
積層体46及びその形成プロセスについての先の記載に基づくと、各切込み線が包囲体の全厚さの一部のみを貫いて広がっており且つ切込み線が互いに整列していないので、切込み線52,62の存在は外側包囲体のバリヤー機能に対して殆ど又は全く影響を与えないことが分かるであろう。その上、感圧性接着剤20が切込み線間のスペーサを埋めるので、切込み線が厚さ方向に幾分オーバーラップしていても、それらの間には依然として何ら開封ルートが存在しないことになる。更に、切込み線は、数千分の1インチ程度の小さな幅を有するのが代表的である。
【0040】
外側包囲体74の形成には、種々の材料を使用することができる。図6を参照すると、例示した実施形態において、包囲体の外側表面を形成する第1の構成材は、可撓性材料の単一層80から構成されている。この層80は、種々の材料から構成することが可能である。好適な材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)のようなポリエステルである。上述したように、PET層は、必要に応じて裏面印刷が可能であるが、代案として、それはその外側に印刷されることが可能であると共に、オーバーラッカー(図示せず)により被覆されることが可能である。包囲体の内側表面を形成する第2の構成材42は、バリヤー層82及びシール材層84から構成されている。シール材層84は、包囲体の最内側表面を構成すると共に、ヒートシール又はコールドシールのような種々のシール材料から構成することが可能である。ヒートシールは、コールドシールが一般的に達成できるよりも強いシールを提供するので、好適である。ポリエチレン、ポリプロピレン、商品名・SURLYNのようなアイオノマー樹脂等のような適当なヒートシール材料が使用可能である。
【0041】
バリヤー層82は、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリアミド等のようなバリヤーポリマーフィルム;ポリエチレン、ポリプロピレン、配向ポリプロピレン等のような金属化ポリオレフィンフィルム;AlOx被覆ポリマーフィルム;SiOx被覆ポリマーフィルム;金属フォイル等を含む種々のバリヤー材料から構成することが可能である。
【0042】
バリヤー層82及びシール材層84は、接着剤積層法、押出貼合せ法又は共有押出し成形法を含む種々の方法で接合することが可能である。
【0043】
有利には、例えば、第1の構成材10に対面する層82の表面上に金属化層85を設けることにより、第1の構成材10及び第2の構成材42の間に金属化層もしくは金属フォイルを積層体が含んでいることである。これは、既述のように積層体のバリヤー特性を促進するのに有用である。しかしながら、加えて、金属化層もしくは金属フォイルは、レーザーが第2の構成材42に切込み線を形成するのに使用される場合にも助けになりうる。特に、シール材層84がポリエステルのような特定の他の材料ほどレーザーにより容易に切込み線の形成をされないポリエチレンから構成されている場合、希望よりももっと深く積層体に切込み線を形成することなくポリエチレンのシール材層に切込み線を形成するために十分に高いレーザーエネルギを用いることは困難である可能性がある。特定の場合には、積層体の全厚さに切込み線が形成されることがあり、これは望ましいことではない。金属化層もしくは金属フォイルは、最大で該金属化層もしくは金属フォイルまでにのみ貫通するようレーザーを“調整する”のに有用であり得る。
【0044】
パターン化して付着された接着剤により提供される開封及び再密閉特徴の機能並びに切込み線について、次に説明する。図4及び図6を参照すると、包装容器70は、例えば包装プラントにおいて最初に詰められ封止されたような、密閉状態で示されている。外側包囲体74の上面には、第1の又は外側の構成材10が恒久的な接着剤34を介して第2の又は内側の構成材42に接着接合されている。外側の切込み線52は、外側の構成材10の外側開封部86の境界を定めている。この実施形態において、外側開封部86は、切込み線52により画定された三辺を有するほぼU形の周囲を有すると共に、四番目の辺(U形の切込み線52の2本の脚部の自由端間に延びる仮想線)に沿って外側包囲体の残部に取り付けられている。また、内側の切込み線62もほぼU形であると共に、外側の切込み線と平行であるが、外側開封部86よりも小さな面積の内側開封部88を画定するように、外側の切込み線の内側に離れて置かれている。従って、内側開封部88の縁を越えて延びる外側開封部86の周縁領域90が存在することになる。感圧性接着剤20は、この周縁領域90と第1の構成材42の下側表面92との間に配置されている。外側開封部86及び内側開封部88は恒久的な接着剤34により恒久的に接合されている。
【0045】
その結果、外側開封部86が外側の切込み線52に沿って外側包囲体から引き離され、図5に示すように剥がされるときに、内側開封部88は、外側開封部に取り付けられたままであってそれに付随し、そのため、内側の切込み線62により画定されるような開口94を外側包囲体74の上面に形成することになる。外側及び内側開封部は、U形の切込み線の2本の脚部の自由端間に画成される旋回線に沿って取り付けられたままのフラップを実質的に形成することになる。
【0046】
外側の構成材10は、内側の構成材42の表面92よりも感圧性接着剤20と接合するより大きな親和力を有していることが好ましく、従って、感圧性接着剤20は、表面92から引き離されると共に、図5及び図7に示すように、外側開封部86の周縁領域90に取り付けられたままである。包装容器は、内側の構成材42の表面92に感圧性接着剤20を取り付けて、図6に示すような状態に包装容器を復元することにより、再密閉可能となっている。
【0047】
外側の構成材10のより大きな接合親和力は、種々の方法で実現することができる。外側の構成材がPETの層から構成されており、感圧性接着剤が取り付けられる内側の構成材の層82がポリプロピレン、配向ポリプロピレン、又は金属化配向ポリプロピレンのようなポリオレフィンから構成されている場合、PETは、ポリオレフィン層よりも大きな接着剤に対する接合親和力を必然的に有することになる。その上又は代案として、外側の構成材10の表面は、前述したようにコロナ放電又は火炎処理により処理されて、界面エネルギーを増すと共に接合親和力を強めることが可能である。既述のように、必要に応じて、接合強度を減じるべく接着剤内に添加剤を含めることにより、層82に対する感圧性接着剤の接合強度を制御することも可能である。
【0048】
感圧性接着剤が外側の構成材に付着され、開封時にこの外側の構成材上に残ることが望ましいが、感圧性接着剤を内側の構成材に付着し、開封時にこの内側の構成材上に残ることも本発明の範囲内である。しかしながら、これは、収容製品からくず等が感圧性接着剤に付着し、繰返しの開封及び再密閉でその接着性が低下する傾向が強いので、それほど好ましくはない。この傾向は、感圧性接着剤が外側の構成材に残るときに、それが製品を取り出している場合に開く包装容器の邪魔にならないので、弱まると考えられる。
【0049】
上述の記載から分かるように、本発明に基づいて製造された積層体は、開封後に積層体の周囲の部分と完全に平滑で面一の状態を得るような方法で開封部86,88を取り替えることが非常に難しいか或いは不可能であるので、包装容器に不正開封防止機能を本質的に提供することになる。包装容器が開封されたことは容易に確認し得る傾向にある。積層体に印刷がなされている場合、包装容器が開封されたことはなおさら目立つが、その理由は、包装容器を再密閉するときに切込み線と交わる印刷事項の完全な位置合わせを実現するのが困難なためである。
【0050】
更に、他の不正開封防止機能を包装容器構造に組み入れることが可能である。例えば、外側の構成材がインクで裏面印刷される場合に、外側開封部の周縁範囲上のある領域を最初に処理して(例えば剥離剤塗布により)インクの付着力を低下させ、包装容器が最初に開封されるときに、周縁範囲上の領域にあるインクが外側開封部の周縁範囲から引き離されて包装容器開口近くの内側の構成材上に感圧性接着剤と一緒に残るようにすることが可能である。剥離剤塗布は、あるパターン(例えば、“Opened”等の単語を書くように)で付着させることが可能である。他の形式の不正開封防止機能を含ませることもできる。
【0051】
本発明に従って製造された積層体は、縦置き型のポーチ又は枕用包装材のようなその他の形式の包装容器を形成するのに使用することができる。例えば、図8は、上述したような積層体46から構成された縦置き型ポーチ100を示している。このポーチの側壁には、外側の切込み線52及び内側の切込み線62が形成されている。開封及び再密閉特徴は上述したのと同様の方法で機能するものである。指“つまみ部”23’の別の形が含まれており、この場合、外側の切込み線52により描かれた外側フラップの角部は感圧性接着剤がないままになっている。
【0052】
ここで使用されている用語“脆弱線”及び“切込み線”は、積層体の1つ以上の層の完全な切断を指すか、或いは切込み線に沿って層(単数又は複数)が切られるのを可能にするかかる層の脆弱化を指すものと留意すべきである。
【0053】
上述の包装容器は、可撓性積層体内の内容物を完全に包むことにより形成されている。しかしながら、代案として、内容物を収容するトレーもしくは外側容器のフランジに(例えば、ヒートシール等により)固定できる可撓性の蓋を形成するための蓋原料として可撓性積層体を採用することも本発明の範囲内である。この方法において、蓋は、前述したような組込みの開封及び再密閉特徴を含んでいる。例えば、図9は、側壁114と該側壁の上側縁部から延在するフランジ116とを有する容器本体部112を備えた包装容器110を示している。容器本体部112は、種々の材料(例えば、ポリマー、紙、フォイル等)から構成することが可能であると共に、種々の方法(例えば、熱成形、鋳造等)により形成することが可能である。容器本体部の開放した天井は、本発明に基づく可撓性積層体46から形成された蓋118により閉じられることになる。この蓋は、適宜の技術によりフランジ116に封止されていて、フランジにしっかり取り付けられるようになっている。該蓋は、前述したように、内側の切込み線62、外側の切込み線52及び感圧性接着剤20により形成される開封及び再密封特徴を含んでいる。また、包装容器110は、図8に関連して概略的に記載したような指“つまみ部”23’も含んでいる。代案として、図4及び図5に示した形式の指つまみ部を使用することが可能である。
【0054】
実施例
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに輪転グラビアプレスにおいて赤色インクの層を印刷し、次いでこの赤色インクを覆って白色インクの層を印刷し、これらインク層がフィルムの一側全体を覆う。次に、該フィルムのインク側に感圧性接着剤をU形パターンで印刷する。接着剤は水性アクリル系塗料である。最後に、恒久的な溶液型ウレタン接着剤をU形パターンの外側のフィルムにパターン付着した。厚さ1ミルの金属化配向ポリプロピレンフィルムをPETフィルムにインラインで積層して、2プライの構造を形成した。多数のかかる積層体を製造した。2日の硬化時間の後、概略的に前に述べたように、積層体サンプルの1つの頂部側(外側)及び底部側(内側)のプライにレーザーで切込み線を形成した。1つのサンプルは、頂部側のプライにレーザーで切込み線が形成されると共に、底部側のプライに機械的に型抜きされた。第3のサンプルは頂部側及び底部側プライの双方に型抜きされた。これらのサンプルは、それらの開封及び再封止特性を評価するためにテストした。
【0055】
頂部側及び底部側の層の双方にレーザーで切込み線を形成せしめたサンプルは、フラップを開封するのに850グラムの最大剥離力を有していた。それに反して、頂部にレーザーで切込み線が形成されると共に、底部に型抜きがなされたサンプルは、789グラムの最大剥離力を有していた。頂部及び底部に型抜きがなされたサンプルは、815グラムの最大剥離力を有していた。全てのサンプルは、容認できる再封止特性を有していた。
【0056】
ここに記載した本発明の多くの変形例及びその他の実施形態は、上述の記載及び添付の図面に提示した教示内容の利点を有する本発明に関連した技術に習熟した者に思い浮かぶであろう。従って、本発明は開示した特定の実施形態に限定されるべきものではなく、また、変形例及びその他の実施形態は、特許請求の範囲内に含まれるものと理解されるべきである。ここでは特定の用語が採用されているが、これらは一般的且つ説明的な意味でのみ使用されており、限定のためではない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態による可撓性包装構造を造るための製造方法の第1局面を示す概略図である。
【図1a】図1の線1a−1aに沿った第1の構成材を示す概略図である。
【図1b】図1の線1b−1bに沿った第1の構成材を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施形態による方法の第2局面を示す概略図である。
【図3】本発明のもう一つの実施形態による方法の第2局面を示す概略図である。
【図4】本発明の方法によって製造された可撓性包装構造から形成可能な包装容器を示す斜視図である。
【図5】開封した後の図4の包装容器を示す斜視図である。
【図6】図4の線6−6に沿った断面図である。
【図7】図5の線7−7に沿った断面図である。
【図8】本発明の方法によって製造された可撓性包装構造から形成可能な別の形式の包装容器を示す斜視図である。
【図9】本発明の方法によった更に別の形式の包装容器を示す斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組込みの開封及び再密封特徴を有する可撓性包装構造体であって、
少なくとも1層の可撓性材料から構成される内側の構成材に対して向かい合った関係で接着接合されると共に、該内側の構成材と同一の広がりをもつ、少なくとも1層の可撓性材料から構成される外側の構成材と、
該外側の構成材に形成された外側の脆弱線であって、該外側の脆弱線に沿って前記外側の構成材から分離可能な外側開封部を線引きしている前記外側の脆弱線と、
前記内側の構成材に形成された内側の脆弱線であって、該内側の脆弱線に沿って前記内側の構成材から分離可能な内側開封部を線引きしている前記内側の脆弱線と、を備えており、
前記内側開封部は、前記外側開封部を前記可撓性包装構造体の面の外に持ち上げることにより前記内側開封部が前記外側開封部と一緒に持ち上げられて前記可撓性包装構造体に開口を形成するように、前記外側開封部に接合されており、
前記内側の脆弱線及び前記外側の脆弱線の間に画定される前記外側開封部の周縁領域は、前記内側開封部の縁を越えて延在すると共に、前記内側の構成材の下層表面の上に重なっており、初期の開封後に前記周縁領域を前記下層表面に再接着するために感圧性接着剤が前記外側開封部の前記周縁領域及び前記内側の構成材の前記下層表面の一方に設けられている、可撓性包装構造体。
【請求項2】
前記外側の構成材及び前記内側の構成材の一方は、前記感圧性接着剤が前記外側の構成材及び前記内側の構成材の一方に留まるように、前記外側の構成材及び前記内側の構成材の他方よりも大きな前記感圧性接着剤への接合に対する親和力を有している、請求項1に記載の可撓性包装構造体。
【請求項3】
前記外側の構成材は、前記内側の構成材と同一の広がりをもっている、請求項1に記載の可撓性包装構造体。
【請求項4】
前記外側開封部の前記周縁領域は、実質的にU形である、請求項1に記載の可撓性包装構造体。
【請求項5】
前記外側の構成材は層を含み、該層は、前記内側の構成材に対面する表面に裏面印刷されるようになっている、請求項1に記載の可撓性包装構造体。
【請求項6】
前記内側の構成材は、前記可撓性包装構造体の内側表面を形成するヒートシール可能な材料の層を含んでいる、請求項1に記載の可撓性包装構造体。
【請求項7】
前記内側の構成材は、湿分及び酸素の少なくとも一方の通過に対するバリヤーを提供するバリヤー層を含んでいる、請求項1に記載の可撓性包装構造体。
【請求項8】
前記バリヤー層は、蒸着金属の被覆を有するポリマーフィルムから構成されている、請求項6に記載の可撓性包装構造体。
【請求項9】
前記外側の構成材は、ポリエチレンテレフタレートから構成されており、前記内側の構成材は、金属化フィルム及びシール材層を備える多層ウェブから構成されている、請求項1に記載の可撓性包装構造体。
【請求項10】
前記金属化フィルムは、金属化配向ポリプロピレンから構成されている、請求項9に記載の可撓性包装構造体。
【請求項11】
側壁と、該側壁の上縁から延びるフランジとを有する容器本体部と組み合わせられる請求項1に記載の可撓性包装構造体であって、前記フランジに取り付けられて前記容器を封止し密閉する蓋を備えている、可撓性包装構造体。
【請求項12】
製品用の包装容器であって、
内側の構成材に接着により積層され、該内側の構成材と同一の広がりをもち、容器の外側表面を形成し、少なくとも1層の可撓性材料から構成される外側の構成材から構成され、前記内側の構成材は、前記外側の構成材に対面する可撓性バリヤー層と前記容器の内側表面を形成するポリマーシール材層とから少なくとも構成されている、可撓性包装用積層体と、
該積層体に形成されると共に、実質的にU形の外側切込み線に沿って前記外側の構成材をスコーリングすることにより形成される外側フラップ部及び実質的にU形の内側切込み線に沿って前記内側の構成材をスコーリングすることにより形成される内側フラップ部から構成される開封及び再密閉特徴とを備えており、前記内側切込み線は、前記両フラップ部が剥ぎ戻されるときに前記容器に入る開口を形成し、前記外側フラップ部の周縁領域は前記内側フラップ部の縁を越えて延びると共に前記内側の構成材の下層表面の上に重なっており、前記両フラップ部は恒久的な接着剤により接合されており、前記外側フラップ部を前記下層表面に取付け及び再取付けするために感圧性接着剤が前記外側フラップ部の前記周縁領域と前記内側の構成材の前記下層表面との間に設けられている、包装容器。
【請求項13】
組込みの開封及び再密封特徴を有する可撓性包装用積層体を製造するための方法であって、
少なくとも1層の可撓性材料から構成される第1の構成材の一方の表面上に、内側周辺部及び外側周辺部を有するストリップを形成する感圧性接着剤を、パターンで付着するステップと、
恒久的な積層用接着剤を、該恒久的な接着剤が前記感圧性接着剤の前記ストリップを覆わないように、前記第1の構成材の前記一方の表面上にパターンで付着するステップと、
積層体を形成すべく、第1の構成材及び第2の構成材の一方が外側の構成材であり他方が内側の構成材となるように、少なくとも1層の可撓性材料から構成される第2の構成材に前記第1の構成材を前記恒久的な接着剤を介して接着により接合するステップと、
前記感圧性接着剤の前記ストリップの前記外側周辺部と位置合わせして外側の切込み線を前記外側の構成材の厚さの端から端まで形成し、且つ前記ストリップの前記内側周辺部と位置合わせして内側の切込み線を前記内側の構成材の厚さの端から端まで形成する切込み線形成ステーションに前記積層体を進めるステップと、を含んでおり、
前記外側の切込み線は、該外側の切込み線に沿って前記外側の構成材から分離可能である前記外側の構成材の外側開封部の輪郭を描いており、前記内側の切込み線は、前記恒久的な接着剤により前記外側開封部に固定されると共に前記内側の切込み線に沿って前記内側の構成材から分離可能である前記内側の構成材の内側開封部の輪郭を描いており、前記外側の切込み線及び前記内側の切込み線の間の前記外側開封部の領域は、前記感圧性接着剤を介して前記内側の構成材の下層表面に取り付けられており、前記外側開封部は、前記内側開封部も剥がし戻されて前記積層体に開口を形成するように前記内側の構成材の前記下層表面から剥離可能であり、前記外側開封部は、前記開口を再密封するために前記感圧性接着剤を介して前記内側の構成材の前記下層表面に再び取り付けることが可能である、方法。
【請求項14】
前記両切込み線はレーザーにより形成される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記両切込み線は機械的なスコーリングにより形成される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記両切込み線の一方はレーザーにより形成され、前記両切込み線の他方は機械的なスコーリングにより形成される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記両切込み線及び前記感圧性接着剤の前記ストリップは実質的にU形に形成されていて、前記外側開封部及び前記内側開封部が、前記U形の両切込み線の脚部間に延在するヒンジに沿って前記積層体に取り付けられたままになるフラップを形成するようになっている、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記両開封部が剥がし戻されるときに、前記感圧性接着剤が前記外側開封部に付着したままになると共に、前記内側の構成材の前記下層表面から分離する傾向があるように、前記感圧性接着剤との接合親和力を強めるべく、前記外側の構成材の前記一方の表面をコロナ又は火炎処理で処理するステップを更に含んでいる、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記外側の構成材は、前記内側の構成材が有するよりも大きな前記感圧性接着剤に対する接合親和力を有する材料から形成されて設けられている、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記外側の構成材は、ポリエステルから形成されて設けられており、前記内側の構成材は、前記感圧性接着剤が取り付けられかつ再取り付けられる前記下層表面を形成するポリオレフィンの層を有して設けられている、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の構成材は、第1の供給ロールから引き出されて、前記感圧性接着剤及び前記恒久的な接着剤が前記第1の構成材に付着される接着剤付着ステーションに進められる連続ウェブから構成されており、前記第2の構成材は、第2の供給ロールから引き出されて、前記第1の構成材及び前記第2の構成材が接着により接合される積層ステーションに進められる連続ウェブから構成されている、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
前記接着剤付着ステーションでは、前記包装用積層体から製造される包装容器の容器寸法に略対応する割出し距離だけ前記第1の構成材の長さに沿って離間した繰返しパターンで感圧性接着剤及び恒久的な接着剤の領域を塗布する、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記切込み線形成ステーションでは、前記割出し距離だけ前記積層体に沿って離間した間隔で前記積層体に前記切込み線を形成する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記内側の構成材は、バリヤー層及びシール材層から構成される共押出しウェブとして供給される、請求項13に記載の方法。
【請求項25】
前記内側の構成材は、前記外側の構成材に対面するバリヤー層と、該バリヤー層の前記外側の構成材とは反対側にあるシール材層と、前記外側の構成材に面して前記バリヤー層に設けられる金属化層とを有して供給される、請求項13に記載の方法。
【請求項26】
前記積層体に不正開封防止特徴を形成するステップを更に含んでいて、前記組込み開封及び再密閉特徴の初期開封により前記不正開封防止特徴を前記積層体にある前記開口近くで目視できるようになっている、請求項13に記載の方法。
【請求項27】
前記不正開封防止特徴を形成するステップは、前記外側開封部の前記領域の面積をインクから容易に剥がれるように処理すること、及び前記感圧性接着剤を付着する前に前記面積の一面に前記領域上にインクを印刷することを含む、請求項26に記載の方法。

【図1】
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【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−502555(P2008−502555A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527573(P2007−527573)
【出願日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【国際出願番号】PCT/US2005/018614
【国際公開番号】WO2005/123535
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(599057065)ソノコ・デヴェロップメント,インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】