説明

経口および/または局所用組成物

(a)プレバイオティクスおよび
(b)ポリフェノールまたはポリフェノールが豊富な植物抽出物を含む新たな、有益な経口および/または局所用組成物が示唆される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、栄養補給の領域に関連し、定義された活性成分およびプレバイオティクスを含む経口および/または局所用組成物、該活性成分およびプレバイオティクスを含む栄養補助食品および食物組成物、および健康な細菌の成長の刺激を改善するための該活性成分およびプレバイオティクスを含む混合物の使用に関する。
【0002】
発明の背景
プロバイオティクスは、生細菌を含有し、健康に良い食物の複雑な世界の重要な一部を表す。これらの製品に健康促進特性を与えるのは、それらが生成する細菌および代謝産物である。生菌の最も良く知られた例は、ヨーグルトである。ヨーグルトに対する実験データは、残念ながら、まだ確実ではないが、食事用乳製品の消費に関連した人体研究は、牛乳消化率の増加、特定のタイプの下痢からの迅速な回復、免疫機能の強化、特定の癌における相関、および血中コレステロール値の低下の可能性を示す。
【0003】
ヨーグルト、ケフィアまたは発酵した野菜のような製品中で発見される細菌は、通常、ヒトの腸では発見されない。実際、腸環境は、これらの外来細菌に適さないことがしばしばである。このため、生菌製品中の食べられた細菌は、腸をコロニー形成しないが、体を通って流れ、体から排除される。
【0004】
腸内で生きている細菌は、非常に大きくかつ非常に様々な集団を形成する。各種の細菌の数は、年齢、食事、健康状態、および薬物および補助食品の使用によって変化する。該効果は、腸壁に付着し、該腸を通過する半消化食物を使用する該細菌の能力に関連する。菜食主義者の腸内の細菌集団が、肉食の人のそれと比較して、非常に異なることを発見することは驚くことではない。いくつかの細菌は、特異的な栄養素要件を有するため、これらの特定の食物または栄養素を食事に添加することは、特異的な細菌の数を増加する1つの方法であり得ると提案されている。そのような添加剤は、「プレバイオティクス」と呼ばれる。従って、効果的であるために、プレバイオティクスは、上部消化管における消化を逃れ、結腸のミクロフローラを含む制限された数の微生物によって使用されなければならない。大腸において、プレバイオティクスは、カプロン酸またはカプリル酸のような短鎖脂肪酸へと変換される。該酸は、エネルギー源として人体によって使用される。この他に、該短鎖酸は、腸の炎症を阻害することが分かっており、これは癌予防の一種を示す。加えて、プレバイオティクスは、腸における再吸収時間を増加し、ミネラルの取り込みを改善する。よく知られたプレバイオティクスに対する典型的な例は、オリゴ糖であり、例えば、1995年に、Gibsonらは、ヒトに食べさせた時、オリゴフルクトースおよびイヌリンが、乳酸菌の数に影響を及ぼさずに、ビフィズス菌の成長を選択的に促進することを発見した。プレバイオティクスは、主に、ビフィズス菌の成長を促進するため、この理由のため、ビフィド形成(bifidogenetic)因子とも呼ばれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
種々のタイプのプレバイオティクスが、文献から知られており、市場で見つけることができるが、それでもなお、相乗的に現存する製品の種々の活性を支持するより活性な代替物または添加剤に対する必要性は増加している。従って、本発明の目的は、健康な細菌、好ましくはビフィズス菌および乳酸菌の両方の成長の相乗的促進を示し、人体の健康状態を改善するプレバイオティック化合物の新たなシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の詳細な記載
本発明は、
(a)プレバイオティクスおよび
(b)ポリフェノールまたはポリフェノールが豊富な植物の抽出物を含む経口および/または局所用組成物を指す。
【0007】
驚くべきことに、好ましくは食物期限の種々のタイプのポリフェノールおよびプレバイオティクスの混合物が、一方でBifidobacterium breve、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium longumおよびBifidobacterium adolescentis、および他方でLactobacillus bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus casei、Lactobacillus plantarum、Streptococcus faecium、およびStreptococcus thermophilusよりなる群から選択される細菌の成長の促進に関して相乗的作用を示すことが観察されている。
【0008】
プレバイオティクス
プレバイオティクスは、宿主に、結腸中の制限された数の細菌の成長および/または活性を選択的に促進するように有利に影響を与える消化できない食物成分として定義される。以下に、適当なプレバイオティクス(成分a)として考えられる種々のオリゴ糖を記載する:
【0009】
・フルクトオリゴ糖
フルクトオリゴ糖またはFOSは、典型的には、3ないし5つの単糖ユニットを含有するD-フルクトースおよびD-グルコースよりなる短鎖オリゴ糖を指す。ネオシュガー(neosugar)および短鎖FOSとも呼ばれるFOSは、真菌性フルクトシルトランスフェラーゼ酵素を用いて、スクロースから商業スケールで生産される。FOSは、上部消化管における消化に抵抗性である。それらは、大腸において、ビフィズス菌種の成長を促進するように作用する。FOSは、米国において、生菌細菌と組み合わせておよびいくつかの機能食品において販売される。
【0010】
・イヌリン
イヌリンは、天然に生じるフルクトース含有オリゴ糖の群を指す。イヌリンは、フルクタンとして知られる炭水化物のクラスに属する。それらは、チコリー(Cichorium intybus)およびキクイモの根から由来する。イヌリンは、主に、フルクトースユニットよりなり、典型的には、末端グルコースを有する。イヌリンにおけるフルクトースユニット間の結合は、ベータ-(2-1) グリコシド結合である。栄養補助食品として販売されるイヌリンの重合の平均的な程度は、10ないし12である。イヌリンは、大腸において、ビフィズス菌種の成長を促進する。
【0011】
・イソマルトオリゴ糖
イソマルトオリゴ糖は、イソマルトース、パノース(panose)、イソマルトテトラオース、イソマルトペンタオース、ニゲロース(nigerose)、コジビオース(kojibiose)、イソパノース(isopanose)および高級分岐オリゴ糖を含むアルファ-D-結合グルコースオリゴマーの混合物を含む。イソマルトオリゴ糖は、種々の酵素プロセスによって生成される。それらは、大腸において、ビフィズス菌種および乳酸菌種の成長を促進するように作用する。イソマルトオリゴ糖は、日本において、栄養補助食品としておよび機能食品において販売される。それらは、米国において、同様の使用のために開発されている。
【0012】
・ラクチロール(Lactilol)
ラクチロールは、ラクツロースの二糖アナログである。その医薬使用は、便秘および肝性脳症の治療にある。また、ラクチロールは、日本において、プレバイオティック(prebiotic)として使用される。それは、上部消化管における消化に対して抵抗性であり、それは制限された数の結腸細菌によって発酵されて、結腸中のビフィズス菌および乳酸菌のバイオマスを増加させる。ラクチロールは、化学的に、4-0-(ベータ-D-ガラクトピラノシル)-D-グルシトールとして知られる。ラクチロールは、米国において、肝性脳症または便秘の治療に対して認可されておらず、プレバイオティックとしてのその使用は実験的であると考えられている。ラクチロールは、ヨーロッパにおいて、食物甘味料として使用される。
【0013】
・ラクトスクロース
ラクトスクロースは、D-ガラクトース、D-グルコースおよびD-フルクトースよりなる三糖である。ラクトスクロースは、ラクトース中のガラクトシル残基のスクロースへの酵素的移動によって、酵素的に生成される。ラクトスクロースは、胃および小腸において、消化に対して抵抗性である。それは、腸内ビフィズス菌種によって選択的に使用されて、結腸において、これらの細菌の成長を有意に促進する。従って、生理学的条件下で、ラクトスクロースは、ビフィズス菌種に対する成長因子として、腸管微生物叢に対して作用する。また、ラクトスクロースは、4G-ベータ-D-ガラクトシルスクロースとしても知られる。それは、日本において、栄養補助食品として、およびヨーグルトを含む機能食品中に広範に使用される。ラクトスクロースは、米国において、同様の使用のために開発されている。
【0014】
・ラクツロース
ラクツロースは、糖類D-ラクトースおよびD-フルクトースよりなる半合成二糖である。糖は、ベータ−グルコシド結合によって結合されて、ヒト消化酵素による加水分解に対して耐性を作る。しかしながら、ラクツロースは、制限された数の結腸細菌によって発酵される。これは、なんらかの健康利益を授与し得る乳酸菌およびビフィズス菌のような細菌に有利に、結腸生態系における変化を引き起こすことができる。ラクツロースは、米国において、便秘および肝性脳症の治療用の処方薬である。それは日本において、栄養補助食品としておよび機能食品における使用のために市販される。米国におけるプレバイオティック物質としてのその使用は、まだ実験的である。
【0015】
・ピロデクストリン(Pyrodextrin)
ピロデクストリンは、澱粉の加水分解から由来するグルコース含有オリゴ糖の混合物を含む。ピロデクストリンは、大腸中のビフィズス菌種の増殖を促進することが分かっている。それらは、上部消化管における消化に対して抵抗性である。ピロデクストリンは、栄養補助食品市場のために開発されている。
【0016】
・大豆オリゴ糖
大豆オリゴ糖は、大豆中および他の豆およびエンドウ豆中でも発見されるオリゴ糖を指す。2つの主要な大豆オリゴ糖は、三糖ラフィノースおよび四糖スタキオースである。ラフィノースは、各々、D-ガラクトース、D-グルコースおよびD-フルクトースの1つの分子を含む。スタキオースは、D-ガラクトースの2つの分子、D-グルコースの1つの分子およびD-フルクトースの1つの分子よりなる。大豆オリゴ糖は、大腸中のビフィズス菌種の成長を促進するように作用する。それらは、日本において、栄養補助食品としておよび機能食品において市販される。それらは、米国において、同様の使用のために開発されている。
【0017】
・トランスガラクトオリゴ糖
トランスガラクトオリゴ糖(TOS)は、D-グルコースおよびD-ガラクトースよりなるオリゴ糖の混合物である。TOSは、Aspergillus oryzaeから得られた酵素ベータ−ガラクトシダーゼの作用を介して、D-ラクトースから生成される。TOSは、上部消化管における消化に対して抵抗性であり、大腸中のビフィズス菌の成長を促進する。TOSは、日本およびヨーロッパにおいて、栄養補助食品として市販され、機能食品中に使用される。それらは、米国において、同様の使用のために開発されている。
【0018】
・キシロオリゴ糖
キシロオリゴ糖は、ベータ(1→4)連結キシロース残基を含有するオリゴ糖よりなる。キシロオリゴ糖の重合の程度は、2ないし4である。キシロオリゴ糖は、多糖キシランの酵素加水分解によって得られる。それらは、日本において、プレバイオティクスとして市販され、米国において、同様の使用のために開発されている。
【0019】
・バイオポリマー
例えば、ベータ−グルカンのような適当なバイオポリマーは、オート麦およびオオムギのようなシリアル、真菌、酵母、および細菌を含む植物由来のものを含む。加えて、微生物細胞壁調製物およびベータグルカンが豊富な全細胞は、また、本発明に有用なベータグルカン調製物に対して適当な源である。グルカン中のモノマー残基は、1-3および1-4、または1-3および1-6連結を有し得、(つまり、該モノマーユニットは、1,3、1,4または1,6結合を通して連結される)、各タイプのパーセントは変動し得る。好ましくは、酵母、特にSaccharomyces、好ましくはSaccharomyces cerevisiaeから由来のベータグルカンは、本発明に使用される。しかしながら、他のベータグルカンも適当であることは理解されるであろう。適当なバイオポリマーのさらなる例は、キチンおよびその誘導体、好ましくは、典型的な親水コロイドを表すオリゴグルコサミンおよびキトサンである。
【0020】
【化1】

【0021】
キトサンは、キチンの脱アセチル化によって得られ、50.000ないし2.000.000の範囲の分子量を示す。
【0022】
ポリフェノールおよびポリフェノールが豊富な植物抽出物
ポリフェノールおよび該ポリフェノールが豊富な植物抽出物に対する以下の例は、本発明を説明するためのものであるが、選択された種に本発明を限定するものではない:
【0023】
・Ginkgo biloba
該抽出物の有効成分は、特に、(イソ)ケルセチン配糖体、ケンフェロール、ケンフェロール-3-ラムノシド、イソラムネチン、ルテオリン配糖体、シトステロール配糖体およびギンコライド(ginkgolide)A、B、C、J、Mおよびビロバライド(bilobalide)よりなる大部分は六環状のテルペンラクトンを含有するフラボノイド配糖体である。
【0024】
【化2】

【0025】
・Oleacea europensis
オリーブの木(Oleacea europensis)の葉の主な構成物質は、ヒドロキシチロソールの主な源でもある抗酸化オレウロペイン(oleuropein)である。
【0026】
【化3】

【0027】
・Camellia sinensis
カテキンおよびフラボノイド型のポリフェノール、いわゆる「お茶タンニン」は、緑茶(Camellia sinensis)の抽出物の主な有効成分を表す:
【0028】
【化4】

【0029】
【表1】

【0030】
・Trifolium pratense
アカツメクサ(Triflolium pratense)の主な活性成分は、例えば、ダイゼイン、ゲネステイン(genestein)、フォルモノネンチン(formononentin)およびビオカニンならびにオノニン(ononin)またはシソストリン(sissostrin)のようなそれらの配糖体といったイソフラボンである:
【0031】
【化5】

【0032】
【表2】

【0033】
・Litchi sinensis
Litchi (Litchi sinensis)からの果皮の抽出物は、例えば、2-フェニル-4H-1-ベンゾピラン、フラバネン、フラバン-3-オール (カテキン、カテキンオリゴメレン(oligomeren))、フラバン-3,4-ジオール(ロイコアントシアニジン)、フラボン、フラボノールおよびフラボノンのようなフラボン誘導体のその高含有量でよく知られている。しかしながら、主要成分は、濃縮型タンニン、いわゆるプロシアノドール(procyanodols)(OPC)を表す。これらの化合物は、例えば、プロシアニジン、プロアントシアニジン、プロシアニドエール(procyanidoel)、オリゴプロシアニジン、ロイコアントシアニジン、ロイコデルフィニン、ロイコシアニンおよびアントシアノーゲンのようなカテキンまたはエピカテキン型の2ないし8モノマーを含む。OPC、主に好ましいプロアントシアニジンA2 (OPC A2)は、特にMMP阻害に関して、ビタミンPのように作用する。
【0034】
【化6】

【0035】
・Passiflora incarnata
トケイソウ(Passiflora incarnata)の抽出物は、アピゲニンおよびルテオリン型のフラボンおよびそれらのC-配糖体が豊富である:
【0036】
【化7】

【0037】
加えて、それらは、2"-B-D-配糖体、シアフトサイドおよびイソ−シアフトサイド、イソビテキシン(isovitexin)、イソオリエンチン(isoorientin)、ビセニン(vicenin)-2、インセニン(incenin)-2、ダポナニンおよびカルシウム、リンおよび鉄のような微量元素を含む。
【0038】
・Medicago sativa
アルファルファ(Medicago sativa)の抽出物は、例えば、ダイゼイン、ゲネステイン、フォルモノネチン、ビオカニンAおよびトリシンのように、イソフラボンが豊富である:
【0039】
【化8】

【0040】
【化9】

【0041】
経口および/または局所用組成物
本発明による経口および/または局所用組成物は、99対1ないし50:50およびより具体的には95:10ないし75:25の重量比で、プレバイオティクスおよびポリフェノールを含み得る。しかしながら、最高相乗効果は、92:8ないし80:20の割合で観察される。一般的には、該組成物は、約10まで、特に0.5ないし8およびより具体的には1ないし2 % b.w.(最終食物組成物中に存在する生菌微生物を元に計算)の濃度で使用することができる。しかしながら、1パーセントが、特に適当であることが分かっている。
【0042】
本発明の特別な具体例において、該組成物は、マクロまたはマイクロカプセル化される。「マイクロカプセル」は、少なくとも1つの連続膜によって囲まれた少なくとも1つの固体または液体コアを含有する約0.1ないし約5 mmの直径を有する球状凝集体であると理解される。より正確には、ポリマーを、物質上に沈着して、乳化およびコアセルベーションまたは界面重合後に被包する生成において、それらは、被膜ポリマーによって被覆された微細分散した液相または固相である。もう1つのプロセスにおいて、液体活性成分は、マトリックス(「マイクロスポンジ」)中に吸収され、微粒子として、被膜ポリマーによってさらに被覆されてもよい。ナノカプセルとしても知られる顕微鏡的に小さなカプセルを、粉と同じように乾燥させることができる。単一コアマイクロカプセルの他に、連続した膜物質中に分配された2以上のコアを含有する、マイクロスフィアとしても知られる複数のコア凝集体も存在する。加えて、単一コアまたは複数のコアマイクロカプセルは、さらなる第2、第3等の膜によって囲まれていてもよい。該膜は、天然、半合成または合成物質よりなっていてもよい。天然膜物質は、例えば、アラビアゴム、寒天、アガロース、マルトデキストリン、アルギン酸および例えば、アルギン酸ナトリウムまたはカルシウムといったその塩、脂肪および脂肪酸、セチルアルコール、コラーゲン、キトサン、レシチン、ゼラチン、アルブミン、セラック、澱粉またはデキストランのような多糖類、ポリペプチド、蛋白加水分解物、スクロースおよびワックスである。半合成膜物質は、とりわけ、化学的に修飾されたセルロース、より具体的にはセルロースエステルおよびエーテル、例えば、酢酸セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース、および澱粉誘導体、より具体的には澱粉エーテルおよびエステルである。合成膜物質は、例えば、ポリアクリル酸塩、ポリアミド、ポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドンのようなポリマーである。既知のマイクロカプセルの例は、以下の商品(膜物質はかっこ内に示す)Hallcrest Microcapsules (ゼラチン、アラビアゴム)、Coletica Thalaspheres (海洋性コラーゲン)、Lipotec Millicapseln (アルギン酸、寒天)、Induchem Unispheres (ラクトース、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、Unicerin C30 (ラクトース、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、Kobo Glycospheres (修飾された澱粉、脂肪酸エステル、リン脂質)、Softspheres (修飾された寒天)、Kuhs Probiol Nanospheres (リン脂質)およびPrimaspheresまたはPrimasponges (キトサン、アニオン性ポリマー)である。本発明による該組成物の被包は、活性成分が腸の同じ部分で遊離されるべきである場合に好ましい。従って、当業者は、腸のそれぞれの部分のpH条件下で、カプセルの安定性を比較することによって、十分な被包システムを容易に選択することができる。
【0043】
食物組成物
本発明のさらなる目的は、
(a)プレバイオティクスおよび
(b)ポリフェノールまたはポリフェノールが豊富な植物抽出物を含む食物組成物に関する。
【0044】
産業上の利用
本発明の最終目的は、例えば、(もし経口投与されたならば)胃におけるまたは(もし局所的に投与されたなら)皮膚上の健康な細菌の成長を促進するためのおよび例えば、
・Heliobacter pylon感染の減少、
・アレルギー症状の減少、
・便秘の軽減、
・炎症性腸症候群および腸の炎症の軽減、
・鉱質代謝からの有益な効果、特に骨密度および安定性(骨粗鬆症の予防)、
・癌予防、および
・コレステロールおよびトリアシルグリセロール血漿中濃度の減少
に関して、人体の上体を改善するための
(a)プレバイオティクスおよび
(b)ポリフェノールまたはポリフェノールが豊富な植物抽出物を含む混合物の使用に関する。
【実施例】
【0045】
実施例
実施例1ないし10、C1ないしC18の比較例
微生物の成長の促進は、種々のテスト物質の存在下で、インビトロでビフィズス菌および乳酸菌を列挙することによって研究されている:
抽出物A : Trifolium pratense (アカツメクサ)の抽出物
抽出物B : Camellia sinensis (緑茶)の抽出物
抽出物C: Oleacea europensis (オリーブの木)の抽出物
抽出物D : Ginkgo biloba (イチョウの木)の抽出物
【0046】
全抽出物は、約20 % b.w.の活性成分含有量を示し、Cognis Deutschland GmbH & Co. KGから商業的に入手可能である。
【0047】
ヒトの糞便のホモジネート(10 g/100 mL希釈液)のアリコート(1 mL)を、テスト化合物および乳酸菌またはビフィズス菌株を添加した希釈したWCブロス(0.05Mリン酸緩衝液によって50:50で希釈)に添加した。該組合せの各々に対して、1組がBifidobacterium sppまたはLactobacillus sppによって植菌された平行管を調製した。次いで、全混合物を24時間までインキュベートし、細菌の数を列挙した。結果を表1および2に示す(抽出物の量は活性成分含有量を元に計算した):
【0048】
【表3】

【0049】
1.0 106 CFU/ml (0)の対照から開始して、1 % b.w.の種々のプレバイオティクス (比較例C1-C4)の添加によって、CFUは10ファクター増加するが、植物抽出物の添加は、細胞成長の促進に対して弱い効果しか有さない(比較例C5-C8)。しかしながら、該試料にプレバイオティクスおよび植物抽出物の混合物を添加すると、該CFU数は、約40のファクター乗じた(本発明の実施例1ないし5)。最高相乗効果は、約90:10のプレバイオティック:ポリフェノールの関係にて見ることができる。
【0050】
【表4】

【0051】
2.8 105 CFU/ml (0)の対照から開始して、1 % b.w.の種々のプレバイオティクス(比較例C9-C12)の添加によって、CFUは4ファクター増加するが、植物抽出物の添加は、細胞成長の促進に対して弱い効果しか有さない(比較例C13-C16)。しかしながら、該試料にプレバイオティクスおよび植物抽出物の混合物を添加すると、該CFU数は、約15のファクター乗じた(本発明の実施例6ないし10)。最高相乗効果は、約90:10のプレバイオティック:ポリフェノールの関係にて見ることができる。
【0052】
実施例11
ヨーグルト組成物
豆乳を、牛乳の容量で15-75部分に添加して、該混合物の100部分を作る。次いで、該混合物を、15秒間、90℃にて低温殺菌し、次いで冷却する。次いで、該冷却され、低温殺菌された混合物を、1:1比のLactobacillus bulgaricusおよびBifidobacterium adolescentisを有するヨーグルト培養液の3ないし5容量パーセントによって植菌する。インキュベーションを、約42℃にて実施する。約2時間で、肥厚が生じるであろう。発酵を、約5.5時間実施する。従って、得られた該ヨーグルト組成物を、イヌリンおよび緑茶の抽出物の9:1混合物の1 %(存在する微生物の量を元に計算)によって処理する。生成物は一貫性を安定させ、100パーセントの新鮮な牛乳を用いた対応するヨーグルト組成物のもののようなまたはそれと実質的に区別がつかない風味を有する。少量のクエン酸を、該発酵混合物に添加して、該最終ヨーグルト組成物の風味を高めることができる。適当な量のクエン酸は、該組成物の重量に基づき、0.5パーセントである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)プレバイオティクスおよび
(b)ポリフェノールまたはポリフェノールが豊富な植物の抽出物を含む経口および/または局所用組成物。
【請求項2】
該プレバイオティクス (要素a)が、フラクトオリゴ糖、イヌリン、イソマルトオリゴ糖、ラクチロール(lactilol)、ラクトスクロース、ラクツロース、ピロデキストリン、大豆オリゴ糖、トランスガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖およびバイオポリマーよりなる群から選択される請求項1記載の組成物。
【請求項3】
該ポリフェノールが、(イソ)フラボン、(イソ)フラボノール、(イソ)フラボノン、(イソ)フラボノイド、カテキン、ギンコライド(ginkgolide)A、B、C、ビロバライド(bilobalide)、オリゴプロシアニジンおよびそれらの配糖体よりなる群から選択される請求項1および/または2記載の組成物。
【請求項4】
該ポリフェノールが、(イソ)ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン、ルテオリン、オレウロペイン(oleuropein)、ヒドロキシチロソール、(エピ)カテキン(ガラート)、(エピ)ガロカテキン(ガラート)、テアフラビン(ガラート)、ダイゼイン、ゲニステイン、フォルモノネンチン(formononentin)、ビオカニンA、トリシン、プロアントシアニジンA2、アピゲニン、ルテオリンおよびそれらの配糖体よりなる群から選択される請求項1ないし3のいずれか1記載の組成物。
【請求項5】
要素(b)が、Ginkgo biloba、Camellia sinensis、Trifolium pratense、Oleacea europensis、Litchi sinensis、Passiflora incarnata、Medicago sativaおよびそれらの混合物の抽出物を表す請求項1ないし4のいずれか1記載の組成物。
【請求項6】
それらが、99:1ないし50:50の重量比で、要素(a)および(b)を含む請求項1ないし5のいずれか1記載の組成物。
【請求項7】
該混合物が、最終食物組成物中に存在する微生物を元に算出した10 % b.w.までの量で使用される請求項1ないし5のいずれか1記載の組成物。
【請求項8】
該混合物が、マクロまたはマイクロカプセル化された請求項1ないし6のいずれか1記載の組成物。
【請求項9】
(a)プレバイオティクスおよび
(b)ポリフェノールまたはポリフェノールが豊富な抽出物を含む食物組成物。
【請求項10】
健康な細菌の成長を刺激し、人体の状態を改善するための
(a)プレバイオティクスおよび
(b)ポリフェノールまたはポリフェノールが豊富な抽出物を含む混合物の使用。

【公表番号】特表2008−500032(P2008−500032A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−513745(P2007−513745)
【出願日】平成17年5月14日(2005.5.14)
【国際出願番号】PCT/EP2005/005316
【国際公開番号】WO2005/115170
【国際公開日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(505066718)コグニス・アイピー・マネージメント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (191)
【氏名又は名称原語表記】Cognis IP Management GmbH
【Fターム(参考)】