経口カンナビノイド液体製剤および治療方法
室温安定性の水性カンナビノイド製剤が開示される。好ましい実施形態では、カンナビノイド製剤は、緩衝溶液、ならびにエタノール、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコールなどの有機共溶媒の混合液中のドロナビノールを含む。本発明のさらなる目的は、以下の容量、すなわち、(i)約15〜約50%のエタノール、ならびに(ii)(a)約0.1%〜約25%のプロピレングリコール、(b)約1〜約30%のポリエチレングリコール、および/または、(c)(a)および(b)の組合せであるグリコールを含む製剤を提供することであり、その製剤は、ネブライザーによる投与に適する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室温で長期間、例えば2年以上安定である、カンナビノイドを含有する水の製剤に関する。本発明は、肺内送達、経口送達、舌下送達、経皮送達、静脈内送達および眼送達に適する、水性カンナビノイド製剤にさらに関する。本発明は、医薬製剤、薬理学および医学の分野で有用である。
【背景技術】
【0002】
デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール(別名THC、ドロナビノールおよびD9THC)は、天然の化合物であり、規制薬物マリファナの主要な有効成分である。マリファナは、大麻植物であるCannabis Sativaの花がらおよび葉を指す。植物のこれらの部分は、ある疾患状態の患者を救うことができる、カンナビノイド(ドロナビノールを含む)と呼ばれるいくつかの化合物を含む。ドロナビノールは、化学療法に関連する悪心および嘔吐の制御のために、より最近では、消耗症候群のエイズ(AIDS)患者の食欲増進のために、米国食品医薬品局(FDA)によって承認されている。合成ドロナビノールは医薬有効成分として利用されており、合成THCではなく大麻の植物源を用いる大麻ベースの薬も、当技術分野で公知である。
【0003】
現在では、ドロナビノールは、Unimed Pharmaceuticals,Inc.から商品名Marinol(登録商標)の下、ソフトゼラチンカプセルに入った溶液として米国で市販され、経口投与されている。経口投与の後、ゼラチンは溶解して、薬剤を放出する。ゴマ油に溶解されているドロナビノールは、その後胃腸管を通る間に吸収される。Marinolは、以下の治療のために適用される:1)エイズ患者の体重減少に関連する食欲不振、および2)従来の制吐療法に十分に応答することができない患者における癌化学療法に関連する悪心および嘔吐。Marinolカプセルは、2.5mg、5mgまたは10mgの投薬量で販売され、以下の不活性成分、すなわち、ゴマ油、ゼラチン、グリセリン、(グリセロール)、メチルパラベン、プロピルパラベンおよび二酸化チタンで製剤化される。Marinolソフトゼラチンカプセル製剤中のドロナビノールは、室温で非常に不安定であり、製品を冷蔵(2〜8℃)か冷温(8〜15℃)条件で保存するように推奨されている(Marinol包装ラベル、Physicians Desk Reference(登録商標)、2003年版)。さらに、Marinolは密閉容器で包装し、8℃〜15℃(46°F〜59°F)の冷温環境で保存するべきである。今のところ、ドロナビノールおよびナビロンが、市販されている唯一の承認カンナビノイド薬剤である。
【0004】
ドロナビノールを含む他の製剤が、当技術分野で現れている。1976年に、Olsenらは、ドロナビノールのクロロフルオロカーボン(CFC)推進MDI製剤を記載した。Olsen, J. L.、Lodge, J. W.、Shapiro, B. J.およびTashkin, D. P.(1976年)An inhalation aerosol of D9THC.J. Pharmacy and Pharmacol.28巻:86頁。しかし、ドロナビノールは保存の間に悪化することが知られており、この製剤でのドロナビノールの安定性は疑わしい。さらに、この製剤のエタノール含有量は高すぎた(約23%)ので、効果的に吸入されるにはあまりに大きな液滴を含むエアゾールが形成された。Dalby, R. N.およびByron, P. R.(1988年)Comparison of output particle size distributions from pressurized aerosols formulated as solutions or suspensions。Pharm. Res.5巻:36〜39頁を参照。ドロナビノールCFC製剤は、喘息治療での使用について試験されたが、中程度に有効なだけであることが示された。Tashkin, D. P.、Reiss, S.、Shapiro, B. J.、Calvarese, B.、Olsen, J. L.およびLidgek, J. W.(1977年)Bronchial effects of aerosolized D9THC in healthy and asthmatic subjects。Amer. Rev. of Resp. Disease.115巻:57〜65頁、Williams, S. J.、Hartley, J. P. R.およびGraham, J. D. P.(1976年)Bronchodilator effect of D9THC administered by aerosol to asthmatic patients。Thorax.31巻:720〜723頁を参照。さらに、CFC噴射剤はその後禁止され、そのような製剤は今では無用である。
【0005】
米国特許第6,509,005号は、ヒドロフルオロアルカン噴射剤(例えば、HFA227またはHFA134a)およびドロナビノール(D9THC)を含むエアゾール投薬用医薬製剤を記載し、その製剤は安定であると言われる。噴射剤は、約78〜100重量%の範囲で存在し、より詳細には、噴射剤は約85〜100重量%の範囲で存在する。噴射剤にドロナビノールを可溶化することを助けるためにエタノールなどの有機溶媒を用いることができるが、それは必要ではないと述べられている。溶媒を用いる場合、好ましくは20重量%未満が必要とされ、最も好ましくは15重量%未満が必要とされる。ドロナビノールの薬学的に有効な濃度は、好ましくは0.05〜10重量%である。
【0006】
米国特許第6,747,058号および米国特許出願公開第2004/0162336号は、薬剤の溶解点の近くで安定透明溶液を生成すると言われている、35:10:55のアルコール:水:プロピレングリコール(v/v)などの半水性溶媒でのデルタ−9−テトラヒドロカンナビノールの送達のために、エアゾール化が可能な製剤を記載する。これらの開示は、精製水を用いる製剤を記載する。記載される製剤の含水量が20容量部に近づくと、液滴が形成される。製剤が容量で30部の水に近づくと、ドロナビノールは溶液から容易に脱落することが報告されている。
【0007】
米国特許第6,383,513号は、二相性送達系にカンナビノイドを含む経鼻送達のための組成物を記載し、その二相性送達系は水中油型乳剤である。この開示は、いかなる条件での長期、例えば2年の安定性に関するデータも提供しない。
【0008】
米国特許出願公開第2003/0229027号は、安定化されていると言われるD9THCなどの天然カンナビノイド化合物を含む医薬組成物を調製する方法を記載し、それは、そのような化合物、およびコップ一杯の糖、糖アルコール、糖の混合物または糖アルコールの混合物を含む。天然のカンナビノイド化合物を水に溶解性の有機溶媒に溶解させ、糖、糖アルコール、糖の混合物または糖アルコールの混合物を水に溶解させ;溶解させたカンナビノイド化合物および溶解させた1つまたは複数の糖を混合させ;次に、凍結乾燥、噴霧乾燥、減圧乾燥または超臨界乾燥によって混合液を乾燥させる。この製剤のカンナビノイドは、糖と乾燥複合体を生成して粉末を形成するのに十分長い、限られた水曝露に耐えることが報告されている。
【0009】
特許文献1および特許文献2は、少なくとも1つのドロナビノールプロドラッグエステル誘導体の治療有効量を、坐薬製剤に長期安定性を提供すると言われている坐剤基剤と混ぜることによって調製される、坐薬製剤を記載する。
【0010】
ドロナビノールは、癌化学療法を受ける患者で悪心および嘔吐を軽減するために、制吐剤として用いられている。さらに、特許文献3は、患者の体重増加を刺激するために徴候的HIV感染症の患者を治療する方法を記載し、その方法は、患者の体重増を引き起こすのに十分な量のドロナビノールを含む医薬組成物を、患者に投与することを含む。
【0011】
上で、また他で概説されるすべての研究にもかかわらず、今まで長期間、例えば、2年間室温で安定である、ドロナビノールなどのカンナビノイドの水性ドロナビノール製剤は達成されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第5,508,037号明細書
【特許文献2】米国特許第第5,389,375号明細書
【特許文献3】米国特許第6,703,418号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
特に明記しない限り、本明細書で報告される成分のすべての割合は、容量対容量で表される。
【0014】
本発明の目的は、約5〜約10のpHに緩衝した半水性溶液中のカンナビノイドの有効量を含む安定化カンナビノイド製剤を提供することであり、その溶液は、製剤の物理的安定性を維持するために水および有機共溶媒の有効量を含み、その製剤は、(i)40℃/60%相対湿度で1カ月間;(ii)40℃/60%相対湿度で2カ月間;(iii)40℃/60%相対湿度で3カ月間;(iv)40℃/60%相対湿度で6カ月間;(v)40℃/60%相対湿度で8カ月間;(vi)室温(25℃)/60%相対湿度で1年間;(vii)室温(25℃)/60%相対湿度で2年間;および/またはそれらの任意の組合せの保存条件への製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80%を非分解形態で含有する。
【0015】
本発明のさらなる目的は、約5〜約10のpHに緩衝した半水性溶液中のカンナビノイドの有効量を含む安定化カンナビノイド製剤を提供することであり、その溶液は、製剤が曇らず、可視的油滴を含まないように製剤の物理的安定性を維持するために、約20%〜約44%の水および有機共溶媒の有効量を含み、その製剤は、(i)40℃/60%相対湿度で1カ月間;(ii)40℃/60%相対湿度で2カ月間;(iii)40℃/60%相対湿度で3カ月間;(iv)40℃/60%相対湿度で6カ月間;(v)40℃/60%相対湿度で8カ月間;(vi)室温(25℃)/60%相対湿度で1年間;(vii)室温(25℃)/60%相対湿度で2年間;および/またはそれらの任意の組合せの保存条件への製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80%を非分解形態で含有する。
【0016】
本発明のさらなる目的は、約5〜約10のpHに緩衝した半水性溶液中のカンナビノイドの有効量を含む安定化カンナビノイド製剤を提供することであり、その溶液は、製剤の物理的安定性を維持するために、製剤の30%を超える割合から約44%の量の水および有機共溶媒の有効量を含み、その製剤は、(i)40℃/60%相対湿度で1カ月間;(ii)40℃/60%相対湿度で2カ月間;(iii)40℃/60%相対湿度で3カ月間;(iv)40℃/60%相対湿度で6カ月間;(v)40℃/60%相対湿度で8カ月間;(vi)室温(25℃)/60%相対湿度で1年間;(vii)室温(25℃)/60%相対湿度で2年間;および/またはそれらの任意の組合せの保存条件への製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80w/w%を非分解形態で含有する。
【0017】
本発明のさらなる目的は、以下の容量、すなわち、(i)約15〜約50%のエタノール、ならびに(ii)(a)約0.1%〜約25%のプロピレングリコール、(b)約1〜約30%のポリエチレングリコール、および/または、(c)(a)および(b)の組合せであるグリコールを含む製剤を提供することであり、その製剤は、ネブライザーによる投与に適する。
【0018】
本発明のさらなる目的は、以下の容量、すなわち、(i)約15〜約65%のエタノール、ならびに(ii)(a)約0.1%〜約25%のプロピレングリコール、(b)約1〜約25%のポリエチレングリコール、および/または、(c)(a)および(b)の組合せであるグリコールを含む製剤を提供することであり、その製剤は経口投与に適する。
【0019】
本発明のさらなる目的は、以下の容量、すなわち、(i)約15〜約70%のエタノール、ならびに(ii)(a)約0.1%〜約25%のプロピレングリコール、(b)約1〜約25%のポリエチレングリコール、および/または、(c)(a)および(b)の組合せであるグリコールを含む別々の液滴の形態の製剤を提供することであり、その製剤は舌下投与に適する。
【0020】
本発明のさらなる目的は、以下の容量、すなわち、(i)約45〜約70%のエタノール、ならびに(ii)(a)約0〜約50%のプロピレングリコール、(b)0〜約2.5%のポリエチレングリコール、および/または、(c)(a)および(b)の組合せであるグリコール;(iii)0〜約25%のさらなる可溶化剤;および(iv)0〜約1%の矯味矯臭剤を含む別々の液滴の形態の製剤を提供することであり、その製剤は舌下投与に適する。
【0021】
本発明のさらなる目的は、舌下噴霧投与に適する薬学的に許容される液体担体中のカンナビノイドの有効量の別々の液滴を含む、舌下カンナビノイド製剤の単位用量を提供することであり、液滴は、少なくとも約10ミクロンの平均径を有する。
【0022】
本発明のさらなる目的は、薬剤の舌下投与のための単位用量または二用量の装置であって、ドロナビノール、11−OH−デルタ−9−THC、デルタ−8−THCおよび11−OH−デルタ−8−THCからなる群から選択されるカンナビノイドの有効量を含む液体製剤の単位用量または二用量を含む貯蔵器であって、カンナビノイドは、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される液体担体に入れられ、担体はpH約7に緩衝される貯蔵器を含み、作動させると、少なくとも約10ミクロンの平均径を有する液滴の形態の液体製剤の単位用量を送達するアクチュエータを有する装置を提供することである。
【0023】
本発明のさらなる目的は、薬剤の舌下投与のための単位用量または二用量の装置であって、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される液体担体中のドロナビノールの有効量を含む、室温安定性の液体製剤の単位用量または二用量を含む貯蔵器であって、前記担体はpH約7に緩衝される貯蔵器を含み、作動させると、少なくとも約10ミクロンの平均径を有する液滴の形態の液体製剤の単位用量を送達するアクチュエータを有する装置を提供することである。
【0024】
本発明のさらなる目的は、薬剤の舌下投与のための多回用量装置であって、ドロナビノール、11−OH−デルタ−9−THC、デルタ−8−THCおよび11−OH−デルタ−8−THCからなる群から選択されるカンナビノイドを含む液体製剤を含む貯蔵器であって、前記カンナビノイドは、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される液体担体に入れられ、前記担体はpH約7に緩衝される貯蔵器を含み、作動させると、少なくとも約10ミクロンの平均径を有する液滴の形態の液体製剤の治療有効用量を送達するアクチュエータを有する装置を提供することである。
【0025】
本発明のさらなる目的は、薬剤の舌下投与のための多回用量装置であって、
少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される液体担体中のドロナビノールを含む、室温安定性の液体製剤を含む貯蔵器であって、前記担体はpH約7に緩衝される貯蔵器、ならびに
作動させると、少なくとも約10ミクロンの平均径を有する液滴の形態の液体製剤の治療有効用量を送達するアクチュエータを有する装置を提供することである。
【0026】
本発明の別の目的は、以下の容量、すなわち、(i)約15%〜約90%のエタノール、ならびに(ii)(a)約0.1%〜約25%のプロピレングリコール、(b)約1〜約30%のポリエチレングリコール、および(c)(a)および(b)の組合せからなる群から選択されるグリコール、(iii)約0.1〜約20%のゲル化剤、(iv)約0.1〜約20%の塩基、(v)約0.1〜約20%の吸収促進剤を含む製剤を提供することであり、前記製剤は経皮投与に適する。
【0027】
本発明のさらなる目的は、以下の容量、すなわち、(i)約15%〜約90%のエタノール、(ii)(a)約0.1%〜約25%のプロピレングリコール、(b)約1〜約30%のポリエチレングリコール、または(c)(a)および(b)の組合せであるグリコール、(iii)約0.1〜約20%のゲル化剤、(iv)0〜約20%のpH調整剤、ならびに(v)約0〜約20%の張性調整剤を含む製剤を提供することであり、前記製剤は静脈内投与に適する。
【0028】
本発明の別の目的は、薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含む安定化眼用製剤を提供することであり、前記担体は、ラノリン、ペトロラタムまたはそれらの組合せを含み、前記製剤は、(i)40℃/60%相対湿度で1カ月間;(ii)40℃/60%相対湿度で2カ月間;(iii)40℃/60%相対湿度で3カ月間;(iv)40℃/60%相対湿度で6カ月間;(v)40℃/60%相対湿度で8カ月間;(vi)室温(25℃)/60%相対湿度で1年間;(vii)室温(25℃)/60%相対湿度で2年間;およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される保存条件への製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80%を非分解形態で含む。
【0029】
本発明のさらなる目的は、エイズ関連の食欲不振;化学療法に関連する悪心および嘔吐;緑内障;多発硬化症および疼痛からなる群から選択される状態を有するヒト患者を治療する方法を提供することであり、前記方法は、有効濃度のカンナビノイド、少なくとも約20%の水を含む担体を含む安定化カンナビノイド製剤を前記患者に投与するステップを含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される。
【0030】
本発明のさらなる目的は、カンナビノイド製剤が、肺内、経口、舌下、経皮、静脈内および眼からなる群から選択される送達経路による投与に適する治療方法を提供することである。
【0031】
本発明の別の目的は、上記の目的のいずれかに従って、少なくとも約20%の水および少なくとも1つの共溶媒を含む、ドロナビノールなどのカンナビノイドの室温安定性水性製剤を提供することである。
【0032】
本発明のさらなる目的は、上記の目的のいずれかに従って、水性緩衝液を含む、ドロナビノールなどのカンナビノイドの室温安定性水性製剤を提供することである。
【0033】
本発明のさらなる目的は、上記の目的のいずれかに従って、熱力学的に安定であるドロナビノールなどのカンナビノイドの室温安定性製剤を提供することである。
【0034】
本発明の別の目的は、上記の目的のいずれかに従って、塩基または抗酸化剤などの安定剤の存在によってさらに安定化される製剤を提供することである。
【0035】
本発明のさらなる目的は、哺乳動物、例えばヒトの対象または患者の肺で直ちに吸収可能な、ドロナビノールなどのカンナビノイドの室温安定性製剤を提供することである。
【0036】
本発明のある実施形態のさらなる目的は、剤形の水分が上部気道の粘膜内層の上にカンナビノイドを実質的に沈着させないように、肺内投与のためのドロナビノールなどのカンナビノイドの安定水性剤形を提供することである。
【0037】
本明細書で記載される目的のいずれかに従って、本発明のさらなる目的は、約0.01〜約15ミクロンの範囲の平均質量空気力学的径中央値を有するエアゾール化粒子として肺に投与される、肺内投与に適する製剤を提供することである。好ましくは、生成される粒子は、約1〜約10ミクロン、より好ましくは約2〜約4ミクロンの範囲の平均質量空気力学的径中央値を有する。
【0038】
本発明のさらなる目的は、哺乳動物、例えばヒトの対象または患者の胃腸管の任意の部分で直ちに吸収可能な、ドロナビノールなどのカンナビノイドの室温安定性製剤を提供することである。
【0039】
本発明のさらなる目的は、哺乳動物、例えばヒトの対象または患者の舌下および口内の領域で直ちに吸収可能な、ドロナビノールなどのカンナビノイドの室温安定性製剤を提供することである。
【0040】
本発明のある実施形態のさらなる目的は、投与薬がレシピエントの肺に流れ込む実質的な危険なしで実質的な舌下吸収をもたらす方法で舌下投与することができる、ドロナビノールなどのカンナビノイドの安定水性剤形を提供することである。
【0041】
本発明のさらなる目的は、哺乳動物、例えばヒトの対象または患者の皮膚を通して直ちに吸収可能な、ドロナビノールなどのカンナビノイドの室温安定性製剤を提供することである。
【0042】
本発明のさらなる目的は、哺乳動物、例えばヒトの対象または患者への静脈内投与に適する、ドロナビノールなどのカンナビノイドの室温安定性製剤を提供することである。
【0043】
本発明のさらなる目的は、哺乳動物、例えばヒトの対象または患者の眼へ直ちに吸収可能な、ドロナビノールなどのカンナビノイドの室温安定性製剤を提供することである。
【0044】
本発明のさらなる目的は、市販のドロナビノール製剤の改善を提供する、ドロナビノールなどのカンナビノイドの投与のための方法および組成物を提供することである。
【0045】
本発明のさらなる目的は、喘息、エイズ患者の体重減少に関連する食欲不振、癌化学療法に関連する悪心および嘔吐、癌患者の食欲不振、多発硬化症、ジストニー運動障害、疼痛または緑内障の有効な管理のために、肺内、経口、舌下、経皮、静脈内または眼への投与に適する、ドロナビノールなどのカンナビノイドの安定水性製剤を提供することである。
【0046】
本発明のある実施形態のさらなる目的は、喘息、エイズ患者の体重減少に関連する食欲不振、癌化学療法に関連する悪心および嘔吐、癌患者の食欲不振、多発硬化症、ジストニー運動障害、疼痛または緑内障の有効な管理のために、制御された量のドロナビノールなどのカンナビノイドの安定水性製剤の肺内、経口、舌下、経皮、静脈内または眼への投与方法を提供することである。
【0047】
本発明のある実施形態のさらなる目的は、肺内投与のためのドロナビノールなどのカンナビノイドの安定水性液剤を提供することである。
【0048】
本発明のある実施形態のさらなる目的は、経口投与のためのドロナビノールなどのカンナビノイドの安定水性液剤を提供することである。
【0049】
本発明のある実施形態のさらなる目的は、舌下または口内投与のためのドロナビノールなどのカンナビノイドの安定水性液剤を提供することである。
【0050】
本発明のある実施形態のさらなる目的は、経皮投与することができる、ドロナビノールなどのカンナビノイドの安定水性ゲル剤を提供することである。
【0051】
本発明のある実施形態のさらなる目的は、静脈内投与することができる、ドロナビノールなどのカンナビノイドの安定水性液剤を提供することである。
【0052】
本発明のある実施形態のさらなる目的は、眼への投与することができる、ドロナビノールなどのカンナビノイドの安定軟膏剤を提供することである。
【0053】
これらおよび他の目的および特徴に従って、本発明は、一部、水性担体中の薬学的に許容されるカンナビノイドの治療有効量を含む、室温安定性カンナビノイド製剤を目的とする。
【0054】
本発明は、薬学的に許容されるカンナビノイドおよび薬学的に許容される水性担体の混合物の有効量を含むカンナビノイド剤形をさらに目的とし、その水性成分は緩衝液も含む。
【0055】
本発明は、一部、溶解させたカンナビノイドの治療有効量の水性製剤、およびカンナビノイドを安定させる手段をさらに目的とする。
【0056】
製剤が有効成分としてドロナビノールを含む本発明のさらなる好ましい実施形態では、その主張する有効期間の間、剤形は、以下から選択されるレベルの成分を含有する:(i)最初のドロナビノール含有量の90%以上;(ii)約2%以下のカンナビノール;(iii)約2%以下のデルタ−8−THC;および上の任意の組合せ。
【0057】
ある好ましい実施形態では、本発明は、すべての条件、すなわち、冷蔵、冷温および室温(2〜8℃、8〜15℃および25℃/60%RH)で安定である、水性カンナビノイド製剤(例えば、ドロナビノール)を提供する。言い換えると、ある好ましい実施形態では、安定化水性カンナビノイド製剤は、患者が、周囲温度および湿度で、または冷蔵庫で保存することができる。
【0058】
ある好ましい実施形態では、カンナビノイドは、液体(懸濁液および乳剤を含む)、ネブライザー溶液、坐薬、経皮製剤および舌下製剤、眼科薬、ならびに注射可能な製剤の形で製剤化されるドロナビノールである。
【0059】
本発明は、一部、医薬有効成分としてカンナビノイドを含む剤形を安定させる方法であって、薬学的に許容される水性担体および薬学的に許容される有機担体の混合液にカンナビノイドの治療有効量を溶解することを含み、混合液は、抗酸化剤などの1つまたは複数の安定化剤の有効量を含む方法をさらに目的とする。
【0060】
本発明は、一部、医薬有効成分としてカンナビノイドを含む剤形を安定させる方法であって、カンナビノイドを安定させるために有効である1つまたは複数の有機塩基の量を含有する、水性および有機の担体の薬学的に許容される混合液にカンナビノイドの治療有効量を溶解することを含む方法をさらに目的とする。
【0061】
本発明は、一部、医薬有効成分としてカンナビノイドを含む安定化剤形を調製する方法であって、カンナビノイドの溶液を水性および有機の担体と混合して流動可能な混合液を得ること;および混合液を、以下の経路、すなわち、肺、経口、舌下、経皮、静脈内または眼による投与に適する医薬にさらに製剤化することを含み、製剤は、所望の効果を提供するために前記カンナビノイドの治療有効量を含む方法をさらに目的とする。
【0062】
ある実施形態では、本発明の製剤は、例えば、口内投与または舌下投与を含む経粘膜投与に適する。
【0063】
ある実施形態では、本発明は、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩、またはその誘導体を、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩、またはその誘導体の実質的な部分が患者の肺に流れ込まない製剤で、ヒトに経粘膜投与する方法をさらに目的とする。ある好ましい実施形態では、経粘膜領域は、ヒトの口内領域である。
【0064】
ある実施形態では、本発明は、エイズ患者の体重減少に関連する食欲不振の管理のための食欲刺激薬として、および癌化学療法に関連する悪心および嘔吐のための制吐剤として用いる医薬の製造のための、上記の目的のいずれかに規定される製剤の使用をさらに目的とする。
【0065】
ある実施形態に従って、本発明のさらなる目的は、化学療法を受けているヒトに関連する悪心および嘔吐を制御する方法であって、悪心および嘔吐を起こしているヒト患者への液体ネブライザー製剤の肺内投与を含み、前記液体ネブライザー製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法を提供することである。好ましくは、カンナビノイドはドロナビノールである。
【0066】
ある実施形態に従って、本発明のさらなる目的は、消耗症候群を起こしているエイズ患者の食欲刺激の方法であって、食欲不振を起こしているヒト患者への液体ネブライザー製剤の肺内投与を含み、前記液体ネブライザー製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法を提供することである。好ましくは、カンナビノイドはドロナビノールである。
【0067】
ある実施形態に従って、本発明のさらなる目的は、化学療法を受けているヒトに関連する悪心および嘔吐を制御する方法であって、悪心および嘔吐を起こしているヒト患者への液体経口製剤の経口投与を含み、前記液体経口製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法を提供することである。好ましくは、カンナビノイドはドロナビノールである。
【0068】
ある実施形態に従って、本発明のさらなる目的は、消耗症候群を起こしているエイズ患者の食欲刺激の方法であって、食欲不振を起こしているヒト患者への液体経口製剤の経口投与を含み、前記液体経口製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法を提供することである。好ましくは、カンナビノイドはドロナビノールである。
【0069】
ある実施形態に従って、本発明のさらなる目的は、化学療法を受けているヒトに関連する悪心および嘔吐を制御する方法であって、悪心および嘔吐を起こしているヒト患者への液体舌下製剤の舌下投与を含み、前記液体舌下製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法を提供することである。好ましくは、カンナビノイドはドロナビノールである。
【0070】
ある実施形態に従って、本発明のさらなる目的は、消耗症候群を起こしているエイズ患者の食欲刺激の方法であって、食欲不振を起こしているヒト患者への液体舌下製剤の舌下投与を含み、前記舌下液体製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法を提供することである。好ましくは、カンナビノイドはドロナビノールである。
【0071】
ある実施形態に従って、本発明のさらなる目的は、化学療法を受けているヒトに関連する悪心および嘔吐を制御する方法であって、悪心および嘔吐を起こしているヒト患者への液体、ゲルまたは半固体の経皮製剤の経皮投与を含み、前記液体、ゲルまたは半固体の経皮製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法を提供することである。好ましくは、カンナビノイドはドロナビノールであり、製剤はゲルである。
【0072】
ある実施形態に従って、本発明のさらなる目的は、消耗症候群を起こしているエイズ患者の食欲刺激の方法であって、食欲不振を起こしているヒト患者への液体、ゲルまたは半固体の経皮製剤の経皮投与を含み、前記液体、ゲルまたは半固体の経皮製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法を提供することである。好ましくは、カンナビノイドはドロナビノールであり、製剤はゲルである。
【0073】
ある実施形態に従って、本発明のさらなる目的は、化学療法を受けているヒトに関連する悪心および嘔吐を制御する方法であって、悪心および嘔吐を起こしているヒト患者への液体静脈内製剤の静脈内投与を含み、前記液体静脈内製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法を提供することである。好ましくは、カンナビノイドはドロナビノールである。
【0074】
ある実施形態に従って、本発明のさらなる目的は、消耗症候群を起こしているエイズ患者の食欲刺激の方法であって、食欲不振を起こしているヒト患者への液体静脈内製剤の静脈内投与を含み、前記液体静脈内製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法を提供することである。好ましくは、カンナビノイドはドロナビノールである。
【0075】
ある実施形態に従って、本発明のさらなる目的は、緑内障のヒト患者を治療する方法であって、緑内障のヒト患者への室温安定性眼用製剤の眼への投与を含み、前記眼用製剤は、ラノリン、ペトロラタムおよびそれら組合せからなる群から選択される薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含む方法を提供することである。好ましくは、カンナビノイドはドロナビノールである。
【0076】
ある実施形態に従って、本発明のさらなる目的は、消耗症候群を起こしているエイズ患者の食欲刺激の方法であって、食欲不振を起こしているヒト患者への液体舌下製剤の舌下投与を含み、前記舌下液体製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法を提供することである。好ましくは、カンナビノイドはドロナビノールである。
【0077】
ある実施形態に従って、本発明のさらなる目的は、消耗症候群を起こしているエイズ患者の食欲刺激の方法であって、食欲不振を起こしているヒト患者への液体ネブライザー製剤の肺内投与を含み、前記液体ネブライザー製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法を提供することである。好ましくは、カンナビノイドはドロナビノールである。
【0078】
ある好ましい実施形態では、製剤は、(i)2〜8℃、(ii)25℃/60%相対湿度(RH)で6〜24カ月間;(iii)30℃/60%相対湿度(RH)で6カ月間;(iv)40℃/60%相対湿度(RH)で1〜8カ月間;および(v)それらの任意の組合せからなる群から選択される保存条件への製剤の曝露の後に、カンナビノイドの少なくとも約80w/w%を非分解形態で含む。
【0079】
ある実施形態では、本発明の製剤および方法は、製造後少なくとも1年間、好ましくは少なくとも約2年間、医薬用カンナビノイド有効成分が、剤形に含まれるその元の量の約90〜約110%残留することを可能にする。
【0080】
ある好ましい実施形態では、本発明の製剤は、熱力学的に安定である。
【0081】
ある実施形態では、本発明のカンナビノイド製剤は、容認できない分解に対するカンナビノイドの安定性を促進するために、1つまたは複数の安定剤の有効量を含む。安定剤は、1つまたは複数の抗酸化剤、1つまたは複数の有機塩基および/または当分野の技術者に公知であるカンナビノイドのための他の安定剤を含むことができる。ある好ましい実施形態では、安定剤はポビドンを含む。
【0082】
本発明は、一部、医薬有効成分としてカンナビノイドを含む剤形を安定させる方法であって、水性および有機の担体の混合液にカンナビノイドの治療有効量を溶解することを含む方法を、さらに目的とする。ある実施形態では、担体は緩衝剤を含む。ある実施形態では、担体は、カンナビノイドのための1つまたは複数の安定剤をさらに含む(例えば、本明細書でより具体的に示す抗酸化剤、有機塩基または両方)。
【0083】
ある実施形態では、担体は、担体に分散させたカンナビノイドに薬学的に許容される粘度を提供するために含むことができる、粘度調整剤の有効量をさらに含む。そのような粘度調整剤は、例えば、エーロシル(二酸化ケイ素);セトステアリルアルコール;セチルアルコール;ステアリルアルコール;Gelucire 33/01;Gelucire 39/01;Gelucire 43/01;ベヘン酸グリセリル(Compritol 888 ATO);パルミトステアリン酸グリセリル(Precirol AT05);Softisan 100;Softisan 142;Softisan 378;Softisan 649;ヒドロキシプロピルセルロースおよびそれらの混合物であってよい。ある実施形態では、ヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。
【0084】
本発明は、カンナビノイドがドロナビノールであり、剤形中に、2%を超えるデルタ−8テトラヒドロカンナビノール(D8THC)、2%を超えるカンナビノール(CBN)、2%を超えるカンナビジオール(CBD)および/またはそれらの任意の組合せから選択される、許容されないレベルのドロナビノール分解物を含まない剤形をさらに目的とする。
【0085】
安定剤が有機塩基を含むある好ましい実施形態では、剤形は、約0.001w/w%〜約5w/w%の有機塩基、好ましくは、容積で約0.001v/v%〜約0.5v/v%の有機塩基を含むことができる。ある好ましい実施形態では、有機塩基は、ブチルヒドロキシルアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシルトルエン(BHT)、アスコルビン酸ナトリウムおよび上の任意の組合せからなる群から選択される。
【0086】
本発明の製剤に含まれる抗酸化剤は、例えば、没食子酸プロピル、レシチン、ビタミンEトコフェロール、セサミン、セサモール、セサモリン、αトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、フマル酸、リンゴ酸、およびメタ重亜硫酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム、および上のいずれかの組合せからさらに選択することができる。
【0087】
本発明の製剤は、約0.01〜約10mg/mlのカンナビノイド濃度域を含む。ある実施形態では、本発明の製剤は、約2〜約10mg/mlの濃度のカンナビノイドを含む。他のある実施形態では、本発明の製剤は、約5mg/mlの製剤のカンナビノイドを含む。
【0088】
ある好ましい実施形態では、本発明の剤形は、重量で約0.05%〜約90%のカンナビノイド、好ましくは約0.1%〜約50%のカンナビノイド、より好ましくは約1.5%〜約6%のカンナビノイド、最も好ましくは約2.5%〜約4.5%のカンナビノイドを含む。
【0089】
製剤がネブライザーによる肺投与のための溶液である、ある実施形態では、混合液は、好ましくは、約15%〜約50%のエタノール、約15%〜約60%の緩衝水溶液、約0.1〜約25%のプロピレングリコール、および約1%〜約30%のポリエチレングリコールを含む。
【0090】
上記の目的のいずれかに従って、本発明のさらなる目的は、担体が約5〜約10のpHに緩衝される安定化カンナビノイド製剤を提供することである。他のある実施形態では、担体は、約6〜約8のpHに緩衝される。
【0091】
上記の目的のいずれかに従って、本発明の製剤は、好ましくは約6.5〜約7.5のpHに緩衝される。
【0092】
上記の目的のいずれかに従って、本発明の製剤は、好ましくは約7のpHに緩衝される。
【0093】
製剤が経口投与のための溶液である、ある実施形態では、混合液は、好ましくは、約15%〜約65%のエタノール、約10%〜約60%の緩衝水溶液、約0.1〜約25%のプロピレングリコール、および約1%〜約25%のポリエチレングリコールを含む。ある好ましい実施形態では、経口シロップドロナビノール製剤は、重量で約1%〜約10%、より好ましくは重量で約2%〜約5%の量の、ショ糖、ソルビトールおよびフルクトースなどの薬学的に許容される甘味料も含む。
【0094】
上記の目的のいずれかに従う製剤は、製剤の重量の約5%〜約25%のキシリトール;約0.01%〜約5%のサッカリン;および約0.01%〜約5%のサッカリンナトリウムなどの甘味料を含むこともできる。
【0095】
製剤が舌下投与のための溶液である、ある実施形態では、混合液は、好ましくは、約10%〜約65%のエタノール、約10%〜約60%の緩衝水溶液、約0.1〜約25%のプロピレングリコール、および約1%〜約25%のポリエチレングリコールを含む。ある好ましい実施形態では、舌下ドロナビノール製剤は、約0.01%〜約1%の量のマンニトールなどの矯味矯臭剤も含む。
【0096】
製剤が経皮投与のためのゲルである、ある実施形態では、混合液は、好ましくは、15%〜約90%のエタノール、約10%〜約60%の緩衝水溶液または水、約0.1〜約25%のプロピレングリコール、約0.1〜約20%のゲル化剤、約0.1〜約20%の塩基、約0.1〜約20%の吸収促進剤、および約1%〜約25%のポリエチレングリコールを含有する。他のある実施形態では、製剤は、約1〜約25%のプロピレングリコールを含む。
【0097】
製剤が静脈内投与のための溶液である、ある実施形態では、混合液は、好ましくは、15%〜約90%のエタノール、約15%〜約60%の緩衝水溶液、約0.1〜約25%のプロピレングリコール、および約1%〜約25%のポリエチレングリコールを含む。
【0098】
本発明の別の態様に従う製剤は、以下のもの、すなわち、重量で約25%〜約99%のラノリン、約25%〜約99%のペトロラタム、約1%〜約50%のポリエチレングリコール、約1%〜約50%の鉱油、および約1%〜約50%の水または水性緩衝液の1つまたは複数を含む眼への投与のための溶液を目的とする。
【0099】
ある好ましい実施形態では、眼用製剤は、重量にして、(i)約99%のラノリン、(ii)約25%のラノリンおよび約75%のペトロラタム、(iii)約25%のラノリン、50%のペトロラタムおよび25%の鉱油、(iv)約20%のラノリン、約50%のペトロラタム、約10%の鉱油および20%の水または水性緩衝液、あるいは、(v)約25%〜約99%のペトロラタム、約1%〜約50%のポリエチレングリコール、約1%〜約50%の鉱油、および約1%〜約50%の水または水性緩衝液を含む。
【0100】
本発明は、1つまたは複数の追加の治療的活性剤をさらに含む剤形を、さらに目的とする。そのような追加の治療的活性剤のそれには限定されない例には、麻薬性鎮痛薬、非麻薬性鎮痛薬、制吐剤、ステロイド、および上のいずれかの混合物が含まれる。
【0101】
ある実施形態では、本発明の製剤は、さらなる薬学的に許容される賦形剤を含む。そのような薬学的に許容される賦形剤のそれには限定されない例には、前記カンナビノイドのための可溶化剤、乳化剤、吸収促進剤、界面活性剤などが含まれる。
【0102】
ある好ましい実施形態では、カンナビノイド製剤は、医薬有効成分として、好ましくは約0.05mg〜約20mgの経口投与量でドロナビノールを含む。他の実施形態では、製剤は、約2.5mg〜約20mgの経口投与されるドロナビノールを含む。
【0103】
他の好ましい実施形態では、肺、舌下、経皮、および静脈内の投与などの他の送達経路のために、ドロナビノールの用量は、治療的に等価の経口用量を提供する量で供給される。眼への投与に適する他のある実施形態では、用量は、眼の状態、例えば緑内障を治療するために、カンナビノイドの治療有効量を提供する。カンナビノイドが、例えばナビロン、11−OHデルタ−9−テトラヒドロカンナビノール、デルタ−8−テトラヒドロカンナビノールまたは11−OHデルタ−8−テトラヒドロカンナビノールである、他のある実施形態では、所望のドロナビノール用量に治療的に等価である用量を提供するために、用量は、効力のいかなる差も償うためにも調節される。異なるカンナビノイドの相対活性は、文献に記載されている。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、Razdan, Raj, K.、Structure−Activity Relationships in Cannabinoids。Pharmacological Reviews、38巻(2号):75〜149頁、1986年を参照。
【0104】
本発明の目的のために、用語液滴および粒子は、互換的に用いることができる。
【0105】
本発明の目的のために、用語「薬学的に許容される」は、特定の成分(例えば、薬用担体、賦形剤)が経口剤形で生物学的に、またはそれ以外に望ましくなくはないこと、すなわち、経口投与組成物または剤形中の化合物の量が、製剤にまたは患者にいかなる望ましくない影響も引き起こさないことを意味するものと定義される。
【0106】
安定性のための試験(例えば、2年安定性判定)は、本発明の剤形を、(i)2〜8℃、(ii)25℃/60%相対湿度(RH)で6〜24カ月間;(iii)30℃/60%相対湿度(RH)で6カ月間;(iv)40℃/60%相対湿度(RH)で1〜8カ月間;および(v)それらの任意の組合せからなる群から選択される保存条件の下に置くことによって実施することができる。
【0107】
本発明のカンナビノイド製剤に適用される句「許容されない程度にまで分解しない」、および用語「安定した」は、本発明の目的のために、(i)2〜8℃、(ii)25℃/60%相対湿度(RH)で6〜24カ月間;(iii)30℃/60%相対湿度(RH)で6カ月間;(iv)40℃/60%相対湿度(RH)で1〜8カ月間;および(v)それらの任意の組合せからなる群から選択される保存条件への製剤の曝露の後、製剤が、カンナビノイドの少なくとも約80w/w%、好ましくは少なくとも約90w/w%を非分解形態で含有することを意味するものとする。好ましい実施形態では、句「許容されない程度にまで分解しない」は、剤形に含まれる薬学的に許容されるカンナビノイド有効成分(例えば、ドロナビノール)が、剤形の所望の(例えば、表示される)有効期間(例えば、剤形の製造日から最低2年)の間、その最初の(組み込まれる)量の好ましくは90〜110%に維持されることを意味する。
【0108】
本発明の目的のために、薬学的に許容される担体中のカンナビノイドの存在を記載するために用いられる用語「分散させた」は、カンナビノイドと、カンナビノイドがその中で完全もしくは部分的に溶解されるか、またはカンナビノイドがその中で部分的もしくは完全に固体粒子状形態である、薬学的に許容される担体との混合物を包含するものとする。
【0109】
本発明の目的のために、用語「許容されない分解」は、剤形が本明細書で示す許容範囲外のレベルの剤形中のカンナビノイドを有するようにさせる程度の、および/または、製剤が本明細書で規定する量を超えるレベルのカンナビノイド分解物を含むようにさせる程度の、および/または、製剤がその表示有効期間を満たさないようにさせる程度の、剤形中のカンナビノイドの分解を意味する。ある好ましい実施形態では、本発明のカンナビノイド製剤は、2年失効日付のためのFDAガイダンスに従って、安定とみなされる。他のある好ましい実施形態では、本発明のカンナビノイド製剤は、3年失効日付のためのFDAガイダンスに従って、安定とみなされる。
【0110】
本発明の目的のために、用語「Cmax」は、最大血漿中濃度を意味する。用語「Tmax」は最高濃度に到達するまでの時間を意味し、「AUC」は曲線下面積を意味する。
【0111】
本発明の目的のために、薬物動態値(例えば、平均Cmax、Tmax中央値、平均AUCなど)に言及するときはいつでも、その値が米国食品医薬品局などの規制当局が決定した生物学的同等性結果を提供するであろう値(例えば、引用した値または範囲の約80%〜約125%以内)を包含するとみなされることを、理解されたい。
【0112】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、2.5mg用量に基づいて、約0.143〜約0.493ng/mlのドロナビノールの平均Cmaxを提供する。
【0113】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、5mg用量に基づいて、約0.52〜約1.56ng/mlのドロナビノールの平均Cmaxを提供する。
【0114】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、10mg用量に基づいて、約1.63〜約4.55ng/mlのドロナビノールの平均Cmaxを提供する。
【0115】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、2.5mg用量にすべて基づいて、約0.5〜約12時間、好ましくは約2時間のドロナビノールのTmax中央値を提供する。
【0116】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、5mg用量にすべて基づいて、約0.25〜約8時間、好ましくは約1.5時間のドロナビノールのTmax中央値を提供する。
【0117】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、10mg用量にすべて基づいて、約0.5〜約8時間、好ましくは約1.5時間のドロナビノールのTmax中央値を提供する。
【0118】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、2.5mg用量に基づいて、約0.95〜約2.81ng×時間/mlのドロナビノールの平均AUCを提供する。
【0119】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、5mg用量に基づいて、約2.05〜約6.93ng×時間/mlのドロナビノールの平均AUCを提供する。
【0120】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、10mg用量に基づいて、約6.61〜約16.59ng×時間/mlのドロナビノールの平均AUCを提供する。
【0121】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、ドロナビノールのソフトゼラチンカプセル製剤によって提供されるドロナビノールの平均AUCの6%以内である、ドロナビノールの平均AUCを提供する。
【0122】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、約0.1ng/ml〜約1.44ng/mlのドロナビノールの閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)を有し、ある好ましい実施形態では、閾値濃度は約0.12ng/ml、約0.24ng/ml、0.28ng/ml、0.56ng/mlまたは約1.2ng/mlである。
【0123】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、約0.1ng/ml〜約0.6ng/mlのドロナビノールの閾値濃度を有し、約4時間〜約6時間の治療効果を生じる。
【0124】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、約0.28ng/mlのドロナビノールの閾値濃度を有し、ドロナビノールの5mgの投与量の後、約4時間の治療効果を生じる。
【0125】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、約0.12ng/mlのドロナビノールの閾値濃度を有し、ドロナビノールの5mgの投与量の後、約4時間の治療効果を生じる。
【0126】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、約0.56ng/mlのドロナビノールの閾値濃度を有し、ドロナビノールの10mgの投与量の後、約6時間の治療効果を生じる。
【0127】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、約0.56ng/mlのドロナビノールの閾値濃度を有し、ドロナビノールの10mgの投与量の後、約4時間の治療効果を生じる。
【0128】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、約0.24ng/mlのドロナビノールの閾値濃度を有し、ドロナビノールの10mgの投与量の後、約6時間の治療効果を生じる。
【0129】
上記の目的に従って、本発明は、ドロナビノールの有効量および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む経口液体医薬製剤であって、ヒト対象集団に投与される2.5mg用量のドロナビノールに基づいて、約0.143〜約0.493ng/mlのドロナビノールの平均Cmaxを提供する製剤をさらに目的とする。他のある実施形態では、本発明は、ヒト対象集団に投与される5mg用量のドロナビノールに基づいて、約0.52〜約1.56ng/mlのドロナビノールの平均Cmaxを提供する製剤を目的とする。さらなる他の実施形態では、本発明は、ヒト対象集団に投与される10mg用量のドロナビノールに基づいて、約1.63〜約4.55ng/mlのドロナビノールの平均Cmaxを提供する製剤を目的とする。
【0130】
上記の目的に従って、本発明は、約0.5〜約12時間のTmax、ヒト対象集団に投与される場合の約2時間のTmax中央値、およびそれらの組合せから選択される、ドロナビノールの2.5mg用量に基づく薬物動態パラメータを提供する医薬製剤をさらに目的とする。他のある実施形態では、本製剤は、約0.25〜約8時間のTmax、ヒト対象集団に投与される場合の約1.5時間のTmax中央値、およびそれらの組合せから選択される、ドロナビノールの5mg用量に基づく薬物動態パラメータを提供する。さらなる他の実施形態では、本製剤は、約0.5〜約8時間のTmax、ヒト対象集団に投与される場合の約1.5時間のTmax中央値、およびそれらの組合せから選択される、ドロナビノールの10mg用量に基づく薬物動態パラメータを提供する。
【0131】
上の目的のいずれかに従い、本発明は、ヒト対象集団に投与される2.5mg用量のドロナビノールに基づいて、約0.95〜約2.81ng×時間/mlのドロナビノールの平均AUCを提供する医薬製剤も目的とする。他のある実施形態では、本製剤は、ヒト対象集団に投与される5mg用量のドロナビノールに基づいて、約2.05〜約6.93ng×時間/mlのドロナビノールの平均AUCを提供する。他のある実施形態では、本医薬製剤は、ヒト対象集団に投与される10mg用量のドロナビノールに基づいて、約6.61〜約16.59ng×時間/mlのドロナビノールの平均AUCを提供する。さらなる好ましい実施形態では、本医薬製剤は、ヒト対象集団に投与される場合、ドロナビノールのソフトゼラチンカプセル製剤によって提供されるドロナビノールの平均AUCの約6%以内である、ドロナビノールの平均AUCを提供する。
【0132】
上記の目的のいずれかに従って、本発明は、ヒト対象集団に投与される場合、(i)約0.1ng/ml〜約1.44ng/ml、(ii)約0.12ng/ml、(iii)約0.24ng/ml、(iv)約0.28ng/ml、(v)約0.56ng/ml、および(vi)約1.2ng/mlからなる群から選択されるドロナビノールの平均閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)を有する医薬製剤も目的とする。他のある実施形態では、製剤は、約0.1ng/ml〜約0.6ng/mlのドロナビノールの平均閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)を有し、ヒト対象集団に投与される場合、約4時間〜約6時間、または約4〜約10時間の治療効果を生じる。さらなる他の実施形態では、製剤は約0.28ng/mlのドロナビノールの平均閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)を有し、ヒト対象集団に投与される場合、ドロナビノールの5mgの投与量の後に約4時間の治療効果を生じる。他の好ましい実施形態では、製剤は約0.12ng/mlのドロナビノールの平均閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)を有し、ヒト対象集団に投与される場合、ドロナビノールの5mgの投与量の後に約4時間の治療効果を生じる。さらなる他の好ましい実施形態では、医薬製剤は約0.56ng/mlのドロナビノールの平均閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)を有し、ヒト対象集団に投与される場合、ドロナビノールの10mgの投与量の後に約6時間の治療効果を生じる。
【0133】
上記の目的に従って、本発明のさらなる目的は、約0.56ng/mlのドロナビノールの平均閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)を有し、ヒト対象集団に投与される場合、ドロナビノールの10mgの投与量の後に約4時間の治療効果を生じる医薬製剤を提供することである。他の実施形態では、ドロナビノールの平均閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)は約0.24ng/mlであり、ヒト対象集団に投与される場合、ドロナビノールの10mgの投与量の後に約6時間の治療効果を生じる。
【0134】
上記の目的に従って、本発明は、水性リン酸緩衝液、無水アルコール、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールを含む医薬製剤も目的とする。
【0135】
上記の目的に従って、本発明は、癌化学療法に関連する悪心および嘔吐を治療する方法であって、それを必要とする患者に、ドロナビノールの有効量および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む経口ドロナビノールシロップ製剤を投与することを含む方法も目的とし、製剤は、ヒトに経口投与される場合、約1.5〜約2時間のTmax中央値を提供する。ある好ましい実施形態では、本方法は、ヒト対象集団に投与される場合、2.5mgのドロナビノール用量に基づいて、約0.318ng/ml±0.175、5mgのドロナビノール用量に基づいて、約1.04ng/ml±0.52、10mgのドロナビノール用量に基づいて、3.09ng/ml±1.46、およびそれらの組合せからなる群から選択される平均Cmaxを提供する製剤を含む。
【0136】
上記の目的のいずれかに従って、本発明は、ドロナビノールの有効量および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む経口ドロナビノールシロップ製剤の製造方法であって、ドロナビノール、リン酸緩衝液および無水アルコールを混ぜることを含む方法をさらに目的とし、そこで、用量がヒトに経口投与される場合、製剤は約1.5〜約2時間のTmax中央値を提供し、前記リン酸緩衝液はpHが約7である。
【0137】
上記の目的のいずれかに従って、本発明のさらなる目的は、硬質ゼラチンカプセル製剤と比較して治療効果のより速い開始を有する製剤を提供することである。さらなる他の実施形態では、本発明は、硬質ゼラチンカプセル製剤と比較してより長い治療効果を提供する。さらなる他の実施形態では、本製剤は、硬質ゼラチンドロナビノールカプセル製剤と比較してより低いCmaxを提供する。さらなる実施形態では、本発明は、硬質ゼラチンドロナビノールカプセル製剤と比較して改善された有害作用プロフィールを示す製剤を提供する。
【0138】
上記の目的のいずれかに従って、本発明は、硬質ゼラチンドロナビノールカプセル製剤と比較して、より一貫した吸収、より便利な投薬融通性および/または改善された用量融通性を提供する製剤も目的とする。
【0139】
上記の目的のいずれかに従って、本発明は、室温で物理的に安定である製剤をさらに目的とする。さらなる他の実施形態では、製剤は、室温で化学的に安定である。
【0140】
上記の目的のいずれかに従って、本発明は、30%を超える水性リン酸緩衝液を含む製剤を、さらに目的とする。他のより好ましい実施形態では、製剤は約37%の水性リン酸緩衝液を含む。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】フランツ(Franz)細胞を用いて試験した実施例20〜26の舌下製剤からの、経時的に浸透したドロナビノールの量(μg)を示すグラフである。
【図2】実施例35のゴマ油中にドロナビノール10mgを含む軟ゼラチンカプセル剤を投与後の、ドロナビノールおよび11−ヒドロキシ−ドロナビノールの平均濃度プロフィールを示すグラフである。
【図3】図3Aは、実施例35のゴマ油中ドロナビノール10mgの軟カプセル剤、および実施例36のゴマ油中ドロナビノール10mgの硬カプセル剤を投与後の、ドロナビノール平均濃度を示すグラフである。図3Bは、実施例35のゴマ油中ドロナビノール10mgの軟カプセル剤、および実施例36のゴマ油中ドロナビノール10mgの硬カプセル剤を投与後の、11−OH−ドロナビノール平均濃度を示すグラフである。
【図4】実施例38の閾値濃度と効果の持続時間の間の関係を示すグラフである。
【図5】実施例38の、「効果に対する閾値」が0.56ng/mLである場合の「効果の持続時間」の度数分布を示すグラフである。
【図6】実施例40のドロナビノール平均濃度を示すグラフである。
【図7】実施例40の11−ヒドロキシ−ドロナビノール平均濃度を示すグラフである。
【図8】実施例41の閾値濃度と効果の持続時間の間の関係を示すグラフである。
【図9】実施例41の、「効果に対する閾値」が0.56ng/mLである場合の「効果の持続時間」の度数分布を示すグラフである。
【図10】実施例41の、「効果に対する閾値」が0.24ng/mLである場合の「効果の持続時間」の度数分布を示すグラフである。
【図11】実施例43のドロナビノール平均濃度を示すグラフである。
【図12】実施例43の最初の2時間のTHC平均濃度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0142】
カンナビノイドなどの水分の存在下で不安定である親油性化合物は、分解および難溶性のために、安定した水性製剤に製剤化するのが困難であることが判明している。液体ドロナビノール製剤の含水量が増加し、エタノールなどの有機溶媒の量が減少すると、薬剤は容易に溶液から脱落し、したがって不安定性を誘導すると報告されている(Dedhiyaら、2004年)。
【0143】
肺投与などの吸入のために設計される、有機溶媒含有量が高いカンナビノイド製剤は、有機溶媒が投与後に速やかに蒸発し、呼吸器官の内膜の上にカンナビノイドを沈着させるので、望ましくないと考えられてもいる。これは、呼吸器内膜の炎症につながることがある。
【0144】
先行技術のドロナビノール製剤の不安定性は、本発明によって克服され、それは、ある実施形態において以下のことを実行する。(i)水性成分を有するにもかかわらず安定である製剤を提供する、方法および製剤を提供する;(ii)吸入後にドロナビノール製剤が上気道内膜の上に沈着する可能性をかなり減少させる;(iii)例えば、製剤が少なくとも2年の有効期間を有するように、製剤中のドロナビノールまたはカンナビノイドの分解および物理的不安定性をかなり防止するか遅くするために有効な量の抗酸化剤を含む、方法および製剤を提供する;(iv)例えば、製剤が少なくとも2年の有効期間を有するように、製剤中のドロナビノールまたはカンナビノイドを分解または物理的不安定性に対して安定させるために有効な量の有機塩基(例えば、アミン)を含む、方法および製剤を提供する;(v)肺、経口、舌下、経皮、静脈内または眼への投与に適する方法および製剤を提供する、または上の(i)〜(v)の任意の組合せ。
【0145】
カンナビノイド
この明細書のあるセクションはドロナビノールに特定の焦点をあてるが、当業者は、本発明が薬学的に許容されるものの類に適用可能であることを理解するであろう。本発明の目的のために、用語「カンナビノイド」は、天然のカンナビノイドの誘導体化から得られ、天然のカンナビノイドのように不安定である、天然および非天然のカンナビノイド誘導体を含む。言い換えると、本発明の製剤で用いられるカンナビノイドは、天然、半合成または合成であってよい。カンナビノイドは、その遊離型で、または、塩;エステルの酸付加塩;アミド;鏡像異性体;異性体;互変異性体;プロドラッグ;本発明の活性剤の誘導体;純粋な形態およびラセミ混合物を含む混合物の形態の異なる異性体型(例えば、鏡像異性体およびジアステレオマー);エノール型の形で含まれてもよい。また、用語「カンナビノイド」は、11−ヒドロキシ−デルタ−8−テトラヒドロカンナビノールおよび11−ヒドロキシ−デルタ−9−テトラヒドロカンナビノールなどの、置換、例えば、1つの原子、分子または基の別のものによる置換によって、類似した構造の別の化合物から生成される誘導体を包含するものとする。本発明で用いられる用語「カンナビノイド」は、デルタ−8−テトラヒドロカンナビノール、デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール、カンナビジオール、オリベトール、カンナビノール、カンナビゲロール、ナビロン、デルタ−9−テトラヒドロカンナビノチック酸、非向精神性のカンナビノイド3−ジメチルネプチ11カルボン酸ホモログイン8をさらに含む。(J. Med. Chem.35巻、3135頁、1992)。用語カンナビノイドは、カンナビノイドのプロドラッグ、ならびにカンナビノイドの薬学的に許容される塩および複合体も含む。適するプロドラッグの例は、THC−ヘミコハク酸である。
【0146】
さらに、用語「カンナビノイド」は、精製もしくは修飾された天然カンナビノイド、および合成的に誘導されたカンナビノイドを包含するものとし、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2005/0266108号は、植物材料から得られるカンナビノイドを精製する方法を記載する。また、用語カンナビノイドは、レボナントラドール、(−)−HU−210、Win 55212−2、アナンダミド、メタンダミド、CP 55940、O−1057、SR141716A、その他を含む、米国特許第6,713,048号に記載の化合物を含むものとする。この特許の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0147】
本発明のある好ましい実施形態では、有効成分(カンナビノイド)は、ドロナビノールとしても知られる(また、本明細書で呼ばれる)デルタ−9−テトラヒドロカンナビノールを含むか、基本的にそれからなる。ドロナビノールは天然に生成し、Cannabis saliva L.(マリファナ)から抽出されている。米国特許第3,668,224号に記載のように、それは化学的に生成されてもいる。ドロナビノールは室温で粘着性の淡黄色樹脂性の油であるが、冷蔵により硬化する。より高い温度で加熱すると、それは流動性の液体に変わる。ドロナビノールは、水に不溶である。それは、10.6のpKa、およびpH7でオクタノール−水分配係数:6,000:1を有する。ドロナビノールは、天然形態(植物から抽出される)および合成形態で入手可能である。他方、合成ドロナビノールを利用することができ、出発物質、オリベトールおよびp−2,8−メンタジエン−2−オル(PMD)を用いて合成することができる。
【0148】
さらに、用語「ドロナビノール」は、天然のドロナビノール、代謝産物、合成的に誘導されたドロナビノール、および天然源から得られる分子から出発する合成的に修飾されたドロナビノールを包含するものとし、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2005/0171361号は、植物材料からクロマトグラフィーによってデルタ−9−THC酸を抽出し、次に、それを合成的にドロナビノールに変換する方法を記載する。
【0149】
本発明で有用な薬学的に許容されるカンナビノイドの調製は、当分野の技術者に公知である任意の方法によって達成することができる。一般に、天然の材料(例えば、大麻)からのTHCおよび他のカンナビノイド構成成分の単離において、植物のアルコールもしくは石油エーテルもしくはベンゼンもしくはヘキサン抽出物は、中性および酸性画分に分離され、それらは次に反復カラムクロマトグラフィーおよび/または向流分配によってさらに精製される。カラムクロマトグラフィーでは、様々な吸着剤、特にシリカゲル、ケイ酸、ケイ酸−硝酸銀、フロリジル、酸洗浄アルミナおよび酸洗浄アルミナ−硝酸銀が用いられている。米国特許第6,365,416号および第6,730,519号は、大麻植物材料を無極性有機溶媒で抽出して、THCを含有する抽出物を提供し、抽出物を減圧分取蒸留にかけて、高いTHC含有量を有する蒸留分画(留出物)を提供する改善策を記載する。本方法は、分取蒸留の前に、植物材料からの抽出物をカラムクロマトグラフィーにかけることをさらに含む。本方法のさらなる態様は、分取蒸留からの留出物をカラムクロマトグラフィーにかけることを含む。さらに、本方法は、植物材料からの抽出物の精製で、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いる。本発明で有用なカンナビノイドを得るための別の製造方法には、米国特許第6,730,519号および第6,365,416号(両方ともElsohlyらが所有)に記載の方法が含まれ、両方とも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。その中で、デルタ−9−THC酸およびTHCが別々に得られる、大麻植物材料からのデルタ−9−テトラヒドロカンニビノール(tetrahydrocannibinol)(THC)の単離のための方法であって、大麻植物材料を抽出する工程、抽出物の非酸性成分の酸洗浄に富む大麻抽出物からのアルミナ固体支持体上のデルタ−9−THC酸を有機溶媒でキレート化する工程、および強い極性の溶媒でデルタ−9−THC酸を溶出する工程を含む方法が記載される。
【0150】
本発明のある好ましい実施形態では、製剤で用いられるカンナビノイドは、エステル化される。THCのエステル型は、米国特許第4,933,368号および米国特許第5,389,375号に記載されている。他の有用な極性エステルは、マロン酸のヘミ−エステルおよびアラニンのアラニナトエステルである。例えば、米国特許第5,508,051号および第5,389,375号において、エステルの末端カルボン酸基の塩、例えばN−メチルグルタミン塩、ならびにナトリウムおよびカリウム塩も有用であると報告されている。米国特許第4,933,368号;第5,508,037号;および第5,389,375号の記載は、参照により本明細書に組み込まれる。これらのエステル化合物は血流中で加水分解されてTHCを放出し、患者の状態および異常に関係なく高い程度のTHCの生物学的利用率を提供する。
【0151】
経口THCは、胃腸管からの不規則な吸収があることが知られ、初回通過効果の影響を受け、高レベルの11−OH−デルタ−9−THCの生成を伴う重い代謝が起こる。この11−ヒドロキシ代謝産物は、デルタ−9−THCよりも強力なアゴニストであると報告されている。この問題を回避するために、その両方は参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,508,037号および第5,389,375号に記載のように、プロドラッグTHCヘミコハク酸(THC−HS)が坐剤基剤で製剤化されている。予備臨床研究は、この製剤の有望性を示す(Mattes, R. D.、Shaw, L. M.、Edling−Owens, J.、Engleman, K.およびElSohly, M. A.、Bypassing the first−pass effect for the therapeutic use of cannabinoids、Pharm., Biochem., Behav.、44巻(3号):745〜747頁、1991年、Mattes, R. D.、Engelman, K.、Shaw, L. M.およびElSohly, M. A.、Bypassing the first−pass effect for the therapeutic use of cannabinoids、Pharmacol., Biochem., Behav.、49巻(1号):187〜195頁、1994年、Brenneisen, R.、Egli, A.、ElSohly, M. A.、Henn, V.およびSpeiss, Y.、The effect of orally and rectally administered delta−9−tetrahydrocannabinol on spasticity:A pilot study with 2 patients、Inter. J. Clin. Pharmacol. and Therapeutics、34巻(10号):446〜452頁、1996年;これらのすべては、参照により本明細書に組み込まれる。
【0152】
任意の手段によって得られるTHCは、単独の4−アミノ置換ピリジン、または有機アミンとの混合物の存在下での、THCと、有機酸、有機酸ハロゲン化物または好ましくは有機酸無水物との反応によって、または、当分野の技術者に公知である他の任意の方法でエステル化することができる。参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,008,383号(Elsohlyら)は、経済的および効率的であると言われる、ドロナビノールを様々なエステル類似体に変換する方法を記載する。そこにおいて、ドロナビノールは、単独の4−アミノピリジン、または有機アミン、例えばモノアルキル、ジアルキルもしくはトリアルキルアミンとの混合物の存在下で、カルボン酸、酸ハロゲン化物または酸無水物との反応によってエステル化される。
【0153】
ある好ましい実施形態では、カンナビノイドはドロナビノールヘミコハク酸エステル(THC−HS)を含む。
【0154】
製剤
一般にカンナビノイドは、および特にドロナビノールは、水に不溶である。したがって、本発明の製剤は、好ましくはカンナビノイドのために1つまたは複数の薬学的に許容される共溶媒を含む。有機共溶媒は、カンナビノイドを有機共溶媒で実質的に可溶化するために有効な量で存在する。したがって、製剤中の有機溶媒の量は、カンナビノイドの濃度に基づいて異なる。有機共溶媒の量は、特定のカンナビノイド分子の分配係数に基づいても異なる。
【0155】
共溶媒
ある実施形態では、共溶媒は、所望の製剤の意図する投与経路に基づいて薬学的に許容される、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、およびそれらの組合せなどの有機溶媒である。本発明の目的のために、用語エタノールは、用語「無水アルコール」と互換的に用いられる。特定の製剤中のエタノールの量は、意図する製剤の送達経路およびカンナビノイドの溶解性に基づいて異なる。本発明の製剤中のエタノールの量は、重量で約15〜約90%、約15〜約65%、および約15〜約50%の範囲であってよい。
【0156】
ある好ましい実施形態では、カンナビノイドのための共溶媒の一部としてポリエチレングリコールが用いられ、より好ましくは低い分子量のポリエチレングリコールが用いられ、最も好ましくはポリエチレングリコール400が用いられる。
【0157】
ある実施形態では、ポリエチレングリコールは水性ドロナビノール製剤の約1重量%〜約40重量%;水性ドロナビノール製剤の約1重量%〜約30重量%;水性ドロナビノール製剤の約1重量%〜約25重量%;より好ましくは、水性ドロナビノール製剤の約5重量%〜約30重量%;最も好ましくは、水性ドロナビノール製剤の約5重量%〜約25重量%を構成する。
【0158】
ある実施形態では、製剤は、製剤の約0.1重量%〜約30重量%のプロピレングリコール;約1重量%〜約30重量%のプロピレングリコール;約0.1重量%〜約30重量%のプロピレングリコール;約1重量%〜約25重量%のプロピレングリコール;より好ましくは約5%〜約10%を含有する。
【0159】
可溶化剤
本発明のある実施形態では、さらなる可溶化剤が製剤に含まれる。例示的な可溶化剤には、Capryol 90;Cremophor RH40;Labrafil M 1944 CS;Labrafil M 2125 CS;Lauroglycol 90;PEG MW>4000;Plurol Oleique CC 497;ポロキサマー124;ポロキサマー188;Softigen 701;Softigen 767;Tagat TO;Tween 80;トリアセチン;クエン酸トリエチル;クエン酸トリブチル;アセチルクエン酸トリエチル;アセチルクエン酸トリブチル;オレイン酸エチル;カプリル酸エチル;酪酸エチル;トリアセチン;2−ピロリドン;2−ピペリドン;N−メチルピロリドン;N−エチルピロリドン;N−ヒドロキシエチルピロリドン;N−オクチルピロリドン;N−ラウリルピロリドン;ジメチルアセトアミド;Miglyol、ラノリン、ペトロラタム、鉱油およびそれらの混合物が含まれる。本発明の製剤は、不活性成分の約0.1重量%〜約100重量%;約5〜約75重量%;または約25〜約50重量%の可溶化剤を含むことができる。
【0160】
防腐剤、抗酸化剤、界面活性剤、吸収促進剤、粘度調整剤、膜形成性ポリマー、増量剤、希釈剤、着色剤、矯味矯臭剤、pH調整剤、甘味料または味覚マスキング剤などの他の成分を、本発明の一部として記載される組成物のいずれかに組み込むこともできる。所望の有効期間を有する安定製品(剤形)を得るために、用いることができるこれらの成分の各々の量は、各製剤のために最適化される。一般的に言って、これらの成分が含まれる実施形態では、適する製剤は、約0.001%〜約20w/w%の薬学的に許容される防腐剤、抗酸化剤、界面活性剤、吸収促進剤、粘度調整剤、膜形成性ポリマー、増量剤、希釈剤、着色剤、矯味矯臭剤、pH調整剤、甘味料または味覚マスキング剤を含むことができる。
【0161】
安定剤
ある好ましい実施形態では、カンナビノイドが許容されない程度まで分解しないように、製剤は、その中に含まれるカンナビノイドを安定させるために有効な量の1つまたは複数の薬学的に許容される抗酸化剤の量を含み、製剤は、2年失効日付のためのICHガイダンスに従って、(i)25℃/60%相対湿度(RH)で12カ月間;(ii)30℃/60%相対湿度(RH)で6カ月間;(iii)40℃/60%相対湿度(RH)で6カ月間;および(iv)それらの任意の組合せから選択される保存条件の下に置かれるとき安定とみなされる。
【0162】
本発明のさらなる実施形態では、1つまたは複数の薬学的に許容される抗酸化剤の有効な(安定する)量を、製剤に加える。本明細書で、用語「抗酸化剤」は、本発明の剤形に含まれるカンナビノイド化合物よりも容易に酸化される任意の化合物を記載するために用いられる。本発明のカンナビノイド製剤を安定させるために、それらに限定されないが、ブチルヒドロキシルアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシルトルエン(BHT)、没食子酸プロピル、レシチン、ビタミンEトコフェロール、セサミン、セサモール、セサモリン、αトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、フマル酸、リンゴ酸酸、アスコルビン酸ナトリウムおよびメタ重亜硫酸ナトリウムなどの抗酸化剤を含む既知の抗酸化剤のいずれかを用いることができるだけでなく、EDTA二ナトリウムなどのキレート化剤を用いることもできる。本明細書で記載される実験は、BHA、BHTおよびアスコルビン酸ナトリウムのような抗酸化剤が、ドロナビノールの分解を防止することを示している。
【0163】
調製物は、酸化分解を防止するために、抗酸化共力剤を含むこともできる。既知の抗酸化共力剤のいずれか、例えばエデト酸二ナトリウムの有効量を用いることもできる。
【0164】
所望の有効期間を有する安定製品(剤形)を得るために、用いることができる抗酸化剤の量は、各製剤のために最適化される。一般的に言って、抗酸化剤が含まれる実施形態では、適する製剤は、約0.001%〜約20w/w%の薬学的に許容される抗酸化剤(複数可)を含むことができる。例えば、ある好ましい実施形態では、カンナビノイド剤形に含まれるレシチンの量は、約0.1〜約10w/w%の範囲であり、ある実施形態では、より好ましくは約0.3%〜約8.25w/w%の範囲である。他の好ましい実施形態では、L−アスコルビン酸−6−パルミチン酸の量は、約0.001〜約1w/w%、ある実施形態では、より好ましくは約0.01%〜約0.1w/w%の範囲である。好ましくは、抗酸化剤は、許容されないレベル(例えば、本明細書の上に指定したもの)の剤形中の分解物、例えば上で記載のもの、すなわち、デルタ−8テトラヒドロカンナビノール(D8THC)、カンナビノール(CBN)またはカンナビジオール(CBD)の形成を防止する。
【0165】
塩基
本発明のさらなる実施形態では、望ましくないレベルの分解に対してカンナビノイドを安定させるために、1つまたは複数の薬学的に許容される有機または無機の塩基の有効量をカンナビノイド製剤に加える。ある好ましい実施形態では、カンナビノイドが許容されない程度まで分解しないように、製剤は、その中に含まれるカンナビノイドを安定させるために有効な量の1つまたは複数の薬学的に許容される有機塩基または無機塩基の量を含み、製剤は、2年失効日付のためのICHガイダンスに従って、(i)25℃/60%相対湿度(RH)で12カ月間;(ii)30℃/60%相対湿度(RH)で6カ月間;(iii)40℃/60%相対湿度(RH)で6カ月間;および(iv)それらの任意の組合せから選択される保存条件の下に置かれるとき、安定とみなされる。
【0166】
本発明のカンナビノイド製剤で効果的に用いることができる好適有機塩基の例には、GRAS成分(一般に安全とみなされる)である任意の薬学的に許容される一次、二次および三次有機アミン、例えばメタノールアミン、エタノールアミン、メグルミン、他のアルキルアミン(例えばジ−アルキルアミンおよびトリ−アルキルアミン)ならびにそれらの任意の組合せが含まれるが、これらに限定されない。有機塩基が含まれる本発明の実施形態では、適する製剤は、約0.001%〜約20w/w%を含むことができる。
【0167】
ある好ましい実施形態では、製剤中の有機塩基(複数可)の量は、約0.001w/w%〜約5w/w%、より好ましくは約0.007w/w%〜約2w/w%である。
【0168】
他の好ましい実施形態では、製剤は、1つまたは複数の抗酸化剤および1つまたは複数の塩基の両方の、安定させる量を含む。
【0169】
ある他の実施形態では、本発明に従う製剤は、無機塩基、例えばNaOHまたはMgOHで安定される。一般的に、これらの成分が含まれる実施形態では、適する製剤は、約0.001%〜約20w/w%の薬学的に許容される無機塩基を含むことができる。
【0170】
緩衝液
さらに、製剤は、生理的に許容される成分、例えば塩化ナトリウムおよび意図する投与経路、例えば、眼または静脈内に基づき、一般的な体液と等張性を達成するために従来用いられる類似の物質をさらに含むことができる。意図する投与経路のために生理的に適合するpH範囲を維持するために、ならびに存在する活性剤などの溶解性および安定性を高めるためにpHを緩衝する剤も、本発明のある実施形態に含まれてもよい。
【0171】
適する緩衝剤には、酢酸、重炭酸、クエン酸、リン酸、それらの薬学的に許容される塩、およびそれらの組合せまたは混合物が含まれるが、これらに限定されない。本発明の製剤で1つまたは複数の緩衝剤を利用する場合、それらは、例えば薬学的に許容される媒体と組み合わせることができ、また、最終製剤中に、例えば約0.1%〜約20%、より好ましくは約0.5%〜約10%の範囲の量で存在することができる。本発明のある実施形態では、ゲル製剤に含まれる緩衝剤の量は、好ましくは、疼痛を引き起こす体の生来の緩衝系をゲル製剤のpHが妨害しない量である。したがって、約5mM〜約200mMの濃度の緩衝剤が、製剤中に存在することができる。ある好ましい実施形態では、約20mM〜約100mMの濃度の緩衝剤が存在する。緩衝剤の濃度は、製剤のpHが約5〜約10、好ましくは約6〜約8、より好ましくは約6.5〜約7.5、最も好ましくは約7となるものである。
【0172】
他のある実施形態では、製剤は等張性でよい。等張性の製剤は、張性剤の添加によって提供することができる。適する張性剤には、それらに限定されないが、任意の薬学的に許容される糖、塩またはそれらの任意の組合せもしくは混合物、例えばデキストロースおよび塩化ナトリウムが含まれるが、これらに限定されない。張性剤は、約100mOsm/kg〜約500mOsm/kgの量で存在することができる。ある好ましい実施形態では、張性剤は、約200mOsm/kg〜約400mOsm/kg、より好ましくは約280mOsm/kg〜約320mOsm/kgの量で存在する。
【0173】
粘度調整剤
さらなる実施形態では、本発明は、例えば、セルロースまたはセルロース誘導体、例えばエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、メチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、Aerosil、セトステアリルアルコール、Gelucire33/01、39/01および43/01、ベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、Softisan100、142、378および649、ステアリルアルコールカルボマー、キサンタンガム、マルトデキストリン、アラビアゴム、トラガカントゴム、ポビドンおよびポリビニルアルコールを含む粘度調整剤をさらに含む製剤を目的とする。
【0174】
吸収促進剤
本発明のある実施形態に従って用いられる吸収促進剤には、例えば、Gelucire44/14;Gelucire50/13;Tagat TO;Tween80;ミリスチン酸イソプロピル、ポリソルベート、ソルビタンエステル、ポロキサマーブロック共重合体、PEG−35ヒマシ油、PEG−40硬化ヒマシ油、カプリロカプロイルマクロゴル−8グリセリド、PEG−8カプリル酸/カプリン酸グリセリド、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホサクシネート、ポリエチレンラウリルエーテル、エトキシジグリコール、プロピレングリコールモノ−ジ−カプリレート、グリセロールモノカプリレート、エトキシル化グリセリル脂肪酸(C8〜C18)、オレイン酸、リノール酸、グリセリルカプリレート/カプレート、グリセリルモノオレエート、グリセリルモノラウレート、カプリン酸/カプリン酸トリグリセリド、エトキシル化ノニルフェノール、PEG−(8−50)ステアリン酸、オリーブ油PEG−6エステル、トリオレインPEG−6エステル、レシチン、d−αトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート、ポリカーボネート、グリココール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、シクロデキストリン、クエン酸、クエン酸ナトリウム、トリアセチン、それらの組合せなどが含まれる。ある好ましい実施形態では、吸収促進剤は、トリアセチンである。吸収促進剤が製剤に含まれる、ある好ましい実施形態では、吸収促進剤は、製剤の約0.001重量%〜約10重量%の量、好ましくは、製剤の約0.01重量%〜約5重量%の量で含まれる。
【0175】
増量剤
本発明のある実施形態に従って、例えば、微結晶性セルロース、マンニトール、キシリトール、デンプンなどを含む増量剤を用いることもできる。ある好ましい実施形態では、増量剤はマンニトールである。増量剤が製剤に含まれるある好ましい実施形態では、増量剤は、製剤の約0.001重量%〜約10重量%の量、好ましくは、製剤の約0.01重量%〜約5重量%の量で含まれる。
【0176】
膜形成ポリマー
本発明の他のある実施形態では、例えば、組成物の粘性を増加させることによって、噴霧の細度、噴霧角度、および好ましくは広がりを低減させるのに、膜形成ポリマーを用いることができる。膜形成ポリマーとして、ゲランゴム、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、Gelucire、ポロキサマー、アルギン酸、プロピレングリコールエステル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、PVP/PVA共重合体、Lubrajel、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸ポリマーおよび共重合体、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、それらの組合せなどを用いることができる。ある実施形態では、膜形成ポリマーなどを用いることによる溶液の粘度の増加は、噴霧装置から投与する場合、液滴サイズの増加をもたらす。ポリマーの化学特性およびポリマーの分子量は、液滴の直径に影響を及ぼすこともできる。
【0177】
ゲル化剤
本発明の製剤は、カルボマー、例えばCarbopol、修飾されたセルロース誘導体、天然、合成もしくは半合成のゴム、例えば、キサンタンガム、アラビアゴムおよびトラガカントゴム、修飾されたデンプン、共重合体、例えば、無水マレイン酸とメチルビニルエーテルとの間で形成されるもの、コロイドシリカ、および商品名Eudragit(商標)の下で販売されるメタクリレート誘導体、またはそれらの混合物を含む、適するゲル化剤または懸濁剤を含むこともできる。
【0178】
さらなる実施形態では、必要であるならば、本発明の製剤に適合する追加の賦形剤、例えば既知の界面活性剤、例えば、(Capryol90;Cremophor RH40;Gelucire 44/14;Gelucire 50/13;Imwitor 91;Imwitor 308;Imwitor 380;Imwitor 742;Imwitor 780K;Imwitor 928;Imwitor 988;Labrafil M 1944 CS;Labrafil M 2125 CS;Lauroglycol 90;Tagat TO;Tween 80;およびそれらの混合物);乳化剤(例えば、Gelucire 44/14;Gelucire 50/13;Imwitor91;Imwitor 308;Imwitor 380;Imwitor 742;Imwitor 780K;Imwitor 928;Imwitor 988;ポロキサマー124;ポロキサマー188;Tagat TO;Tween 80;レシチン;リゾレシチン;ホスファチジルコリン;ホスファチジルエタノールアミン;ホスファチジルグリセロール;ホスファチジン酸;ホスファチジルセリン;リゾホスファチジルコリン;リゾホスファチジルエタノールアミン;リゾホスファチジルグリセロール;リゾホスファチジン酸;リゾホスファチジルセリン;PEG−ホスファチジルエタノールアミン;PVP−ホスファチジルエタノールアミン;ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物);ならびに を液体薬剤製剤に組み込むことができる。
【0179】
医薬組成物で従来用いられている他の添加剤が含まれてもよく、これらの添加剤は当技術分野で公知である。そのような添加剤には、薬学的に許容される脱粘着剤、消泡剤、キレート化剤、粘度調整剤、等張剤、風味剤、着色剤、香料、乳白剤、懸濁剤、結合剤、充填剤、可塑剤、滑沢剤およびそれらの混合物が含まれる。そのような添加剤の量は、任意のそのような添加剤は、好ましくは最終製剤の安定性に負の影響を及ぼすべきではないという可能性に留意して、所望の特定の特性に従って、当分野の技術者が容易に判定することができる。
【0180】
適する着色剤には、赤色、黒色および黄色の酸化鉄、およびFD&C Blue No.2、FD&C Red No.40などのFD&C色素が含まれる。適する矯味矯臭剤には、ミント、キイチゴ、カンゾウ、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、キャラメル、バニラ、チェリーグレープ風味、それらの組合せなどが含まれる。適するpH調整剤には、クエン酸、酒石酸、リン酸、塩酸、マレイン酸、水酸化ナトリウムなどが含まれる。適する甘味料には、アスパルテーム、アセスルファムK、タウマチックなどが含まれる。適する味覚マスキング剤には、重炭酸ナトリウム、イオン交換樹脂、シクロデキストリン組入れ化合物、吸着剤などが含まれる。
【0181】
医薬用の賦形剤は複数の機能を果たすことができ、したがって、特定の応用によって異なる用途を有すると特徴付けられることが認識されている。特定の製剤との関連における賦形剤の使用は賦形剤の機能を決定することができるが、上記の任意の1つまたは複数のカテゴリーへの任意の特定の賦形剤の組入れは、その賦形剤の機能を限定するものではない。
【0182】
本発明の製剤の成分は、本明細書では容量に基づく割合で特徴付けられるが、本明細書で具体的に記載する製剤の拡大版が、代わりに重量百分率に基づいて特徴付けられてもよいことを当業者は理解するであろう。特定の成分の密度が1g/mlである場合、容量および重量に基づくその成分の量は同じとなる。密度が1g/mlからそれる場合、重量または容量に基づく量は、したがって異なる。
【0183】
追加の薬剤
ドロナビノールなどのカンナビノイドは、単独で、または他の医薬品と併用して用いることができる。例えば、エイズ消耗症候群の場合、患者はエイズウイルスと闘う薬剤もおそらく服用するであろうことを、当分野の技術者は容易に認識する。同様に、癌の化学療法を投与されている患者が他の制吐剤も投与されるであろうこと、および疼痛の軽減を望む癌患者は、非ステロイド性抗炎症剤だけでなくオピオイドも投与されるであろうことを、当分野の技術者は容易に認識する。本発明の製剤および方法は、例えば、非麻薬性鎮痛薬、例えばアセトアミノフェンもしくはアスピリン、オピオイドもしくはアヘン鎮痛薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID、例えば、非選択的シクロオキシゲナーゼ阻害薬およびCOX−2阻害剤)、制吐剤(例えば、オンダンセトロン)およびステロイド(例えば、メゲストロールアセテート、オキサンドロロン、オキシメトロン)などの1つまたは複数の追加の治療的活性剤をさらに含むことができる。本発明のある実施形態では、それらに限定されないが前述の薬剤を含む、第2の治療的活性薬剤が、経口カンナビノイド剤形に組み込まれる。さらなる他の実施形態では、第2の治療的活性薬剤は、経口カンナビノイド剤形と併用されて、患者に別々に投与される。治療剤が投与される順番は、厳密に重大ではない。「併用療法」は、他の生物学的に活性な成分、例えば、それらに限定されないが、ステロイド性もしくは非ステロイド性の抗炎症薬剤などの疼痛緩和剤、または、例えば胃運動性を改善する剤と、およびそれに限定されないが手術などの非薬物療法とさらに組み合わせた、上述の治療剤の投与を包含する。
【0184】
併用療法を構成する治療的化合物は、逐次的に投与することもでき、いずれの治療的化合物も、二段階投与を必要とする投薬計画によって投与される。したがって、投薬計画は、別々の活性剤の間隔をあけた投与による、治療的化合物の逐次投与を必要としよう。複数の投与段階の間の時間は、治療的化合物の効力、溶解性、生物学的利用率、血漿半減期および動態学的プロフィールなどの各治療的化合物の特性によって、ならびに食物摂取の影響および対象の年齢および状態によって、例えば数分から数時間、さらに数日まで変化させてもよい。標的分子濃度の日内変動も、最適な投与間隔を決定することができる。
【0185】
同時に投与されようが、実質的に同時に投与されようが、逐次的に投与されようが、併用療法の治療的化合物は、経口経路による1つの治療的化合物の投与、および経口経路、経皮経路、静脈内経路、筋肉内経路または、例えば粘膜組織を通しての直接吸収による別の治療的化合物の投与を必要とする投薬計画を含むことができる。併用療法の治療的化合物が、別々に、または一緒に、経口的に、直腸に、局所的に、口内に、舌下に、または非経口的(例えば、皮下、筋肉内、静脈内および皮内注射もしくは注入技術)に投与されるかどうかにかかわらず、そのような各治療的化合物は、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または他の製剤成分の適する医薬製剤に含まれる。
【0186】
ネブライザー製剤
肺投与は、薬剤特性がそれを経口投与にとって困難にするか、または、特定の患者の身体状態が経口投与を望ましいものにしない(例えば、嘔吐、胃腸管の障害)、薬剤の投与に適する送達経路を提供する。
【0187】
ある実施形態では、本発明の製剤は、ネブライザーによる肺送達のために設計される。ネブライザーは当分野の技術者に広く知られ、本発明は、ネブライザーの任意の特定の型式に限定されない。本明細書で開示される製剤の肺投与に好適な、適するネブライザーおよび/または送達装置、ならびにそれらの使用方法の例は、米国特許第7,036,500号;7,029,656号;7,013,894号;6,994,083号;6,962,151号;6,929,003号;6,854,662号;6,748,945号;6,732,731号;6,729,327号;6,598,602号;5,853,002号;5,549,102号;5,435,282号;5,036,840号;7,077,126号;7,059,320号;6,983,747号;6,679,251号;6,606,990号;6,514,177号;513,727号;6,513,519号;6,464,388号;6,176,237号;6,085,741号;6,000,394号;5,957,389号;5,740,966号;5,596,982号;5,461,695号;5,458,136号;5,312,046号;5,309,900号;5,280,784号;ならびに米国特許出願公開第20060102172号;20060065267号;20060054166号;20060048772号;20060011196号;20050224076号;20050056274号;20050039741号;20040250816号;20030037788号;20030037785号;20020005196号、および20010054421号、および肺内投与に適する類似のものに記載される。それらの開示は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0188】
ある好ましい実施形態では、本発明に従って用いられるネブライザーは、Pari LC STAR、LC SprintまたはLC Plusである。より好ましい実施形態では、ネブライザーは、Pari LC Sprint Starである。
【0189】
本発明の安定水性カンナビノイド製剤は、任意の適するネブライザーに組み込むことができ、肺への有効成分の送達を提供することを、当業者は容易に理解する。
【0190】
ある実施形態では、肺内投与に適する製剤は、約0.01〜約15ミクロンの範囲の平均質量空気力学的径中央値を有するエアゾール化粒子として肺に投与される。好ましくは、生成される粒子は、約1〜約10ミクロン、より好ましくは約2〜約4ミクロンの範囲の平均質量空気力学的径中央値を有する。
【0191】
経口シロップ製剤
さらなる実施形態では、本発明は、最初に安定水性ネブライザー製剤を調製し、次に、甘味料、味覚マスキング剤、矯味矯臭剤、着色剤、粘度調整剤またはそれらの組合せをさらに加えることによって、安定水性カンナビノイド製剤に製剤化される。
【0192】
カンナビノイドがドロナビノールである本発明の経口シロップ製剤に従って、ドロナビノール濃度は、約0.05mg/ml〜約100mg/ml、好ましくは約0.5mg/ml〜約10mg/ml、より好ましくは約1mg/mlである。経口シロップ製剤によって提供されるドロナビノールの用量は、好ましくは、約2.5mg〜約50mgのドロナビノールまである。
【0193】
ある実施形態では、本発明は、粘度調整剤、例えばヒドロキシプロピルセルロースまたはポリビニルピロリドン(ポビドンまたはPVP)をさらに含む。
【0194】
ある実施形態では、本発明は、甘味料としてショ糖、果糖、ソルビトール、キシリトール、サッカリン、サッカリンナトリウムまたはそれらの組合せを含む、経口投与のための安定水性カンナビノイド製剤を目的とする。
【0195】
製剤の経口投薬を可能にするために、本発明の安定水性カンナビノイド経口液体製剤を、任意の薬学的に許容される材料(例えば、ガラスもしくはプラスチック)から作製される任意の薬学的に許容される単一用量または多回用量容器に組み込むことができることを、当業者は容易に理解しよう。
【0196】
舌下製剤
口腔は、カンナビノイド投与の、簡単で無痛の方法を提供する。口腔の内部には、一般に認識されている活性剤の3つの投与経路、すなわち、局所、口内および舌下の経路がある。
【0197】
局所送達は、口内靡爛などの口腔自体の内部で起こる破壊に関する適用に、主に限定される。
【0198】
口内粘膜領域は、頬の内膜の粘膜を包含する。しかし、口内粘膜は、舌下領域よりも透過性に劣る。活性剤の口内粘膜送達に関連する主要な欠点の1つは、粘膜上皮を超える活性剤の通過が比較的低いことであり、その結果、剤の低い生物学的利用率がもたらされ、それは、各投薬量の中の利用可能な活性剤のかなりの損失につながる。
【0199】
舌下送達は、口腔底に張られている粘膜を通して達成される。高い透過性および豊富な血液供給のため、舌下経路を経る輸送は、速やかな吸収をもたらす。舌下送達は、高透過性薬剤に適当な送達経路に、短い送達期間の要件および頻繁ではない投薬計画を提供する点でも有益である。
【0200】
本発明の舌下製剤は、エイズ患者の体重減少に関連する食欲不振、および癌化学療法に関連する悪心および嘔吐の有用な管理法である。
【0201】
本発明によるドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の舌下投与は、悪心および嘔吐、疾患に起因する嚥下障害のために経口投与に耐えられない癌患者、または、静脈アクセスの低下、痩せ衰えもしくは凝固欠陥のために非経口投与に耐えられない癌患者に特に有益であろう。本発明によるドロナビノールの舌下投与は、好ましくは、さらに優れた使いやすさ、および食欲刺激または制吐作用の速やかな開始の潜在的な利点を有する。さらに、舌下静脈排液は門脈性ではなく全身性であるので、肝臓による初回通過除去を回避することができる。好ましくは、本発明は、舌下噴霧ポンプによって送達する、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の溶液のために、治療的な製剤および方法を提供する。
【0202】
ある好ましい実施形態では、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の舌下投与は、それが注射器および針を用いる注射を必要とせず、単位用量経口製剤を調製する必要性を回避するという点で、他の投与形態よりも有利である。好ましくは、本発明によるドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の舌下投与は、自己投与に適する。
【0203】
ある実施形態では、ハイドロフルオロカーボン噴射剤、例えば揮発性のクロロフルオカーボン(chlorofluocarbon)(例えば噴射剤12)、揮発性のハイドロフルオロアルカン(例えば1,1,1,2−テトラフルオロエタンおよび1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロパン)ならびに揮発性のアルカン(例えばプロパン、ブタン)などの噴射剤が、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体を患者の舌下に送達するために必要とされないという点で、本発明の製剤は有利である。
【0204】
好ましくは、本発明の製剤は、少なくとも約10ミクロン、好ましくは少なくとも約20ミクロンの平均径、より好ましくは約20〜約200ミクロンの平均径を有する液滴として送達される。最も好ましくは、製剤は、約5ミクロン〜約500ミクロン、好ましくは約10ミクロン〜約200ミクロン、好ましくは約20ミクロン〜約100ミクロン、より好ましくは約30ミクロン〜約70ミクロンのサイズ分布を有する液滴として送達される。
【0205】
好ましくは、噴霧による舌下粘膜への本発明の製剤の送達は、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の速やかな吸収をもたらす。
【0206】
ある実施形態では、本発明の製剤は、舌下投与のために設計される。
【0207】
ある実施形態では、本発明は、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の有効な量を含む別々の液滴を含む舌下ドロナビノール製剤を目的とし、前記液滴は、少なくとも約10ミクロン、好ましくは少なくとも約20ミクロンの平均径、より好ましくは約20〜約200ミクロンの平均径を有する。
【0208】
ある実施形態では、本発明は、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の別々の液滴を、薬学的に許容される液体担体中に含む舌下ドロナビノール製剤を目的とし、前記液滴は、約5ミクロン〜約500ミクロン、好ましくは約10ミクロン〜約200ミクロン、好ましくは約20ミクロン〜約100ミクロン、より好ましくは約30ミクロン〜約70ミクロンのサイズ分布を有する。
【0209】
舌下製剤のある好ましい実施形態では、粒子のいずれも、舌下投与の後に、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体を肺に送達させるであろう直径を有さない。
【0210】
ある実施形態では、本発明は、舌下ドロナビノール製剤の単位用量を目的とし、前記単位用量は、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の別々の液滴、および薬学的に許容される液体担体を含み、前記液滴は、少なくとも約10ミクロン、好ましくは少なくとも約20ミクロンの平均径、より好ましくは約20〜約200ミクロンの平均径を有する。
【0211】
ある実施形態では、本発明は、舌下ドロナビノール製剤の単位用量を目的とし、前記単位用量は、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の別々の液滴、および薬学的に許容される液体担体を含み、前記液滴は、約5ミクロン〜約500ミクロン、好ましくは約10ミクロン〜約200ミクロン、好ましくは約20ミクロン〜約100ミクロン、より好ましくは約30ミクロン〜約70ミクロンのサイズ分布を有する。
【0212】
ある実施形態では、本発明は、エイズ患者の体重減少に関連する食欲不振の有効な管理の方法であって、少なくとも約10ミクロン、好ましくは少なくとも約20ミクロンの平均径、より好ましくは約20〜約200ミクロンの平均径を有する別々の液滴の形態の液体噴霧製剤を、食欲不振のヒト患者に舌下投与することを含む方法を目的とし、前記液体噴霧製剤は、薬学的に許容される液体担体中に分散される、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の有効な量を含む。
【0213】
ある実施形態では、本発明は、癌化学療法に関連する悪心および嘔吐の有効な管理の方法であって、少なくとも約10ミクロン、好ましくは少なくとも約20ミクロンの平均径、より好ましくは約20〜約200ミクロンの平均径を有する別々の液滴の形態の液体噴霧製剤を、癌化学療法に関連する悪心および嘔吐を起こしているヒト患者に舌下投与することを含む方法を目的とし、前記液体噴霧製剤は、薬学的に許容される液体担体中に分散される、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の有効な量を含む。
【0214】
ある実施形態では、本発明は、エイズ患者の体重減少に関連する食欲不振の有効な管理の方法であって、約5ミクロン〜約500ミクロン、好ましくは約10ミクロン〜約200ミクロン、好ましくは約20ミクロン〜約100ミクロン、より好ましくは約30ミクロン〜約70ミクロンのサイズ分布を有する別々の液滴の形態の液体噴霧製剤を、食欲不振のヒト患者に舌下投与することを含む方法を目的とし、前記液体噴霧製剤は、薬学的に許容される液体担体中に分散される、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の有効な量を含む。
【0215】
ある実施形態では、本発明は、癌化学療法に関連する悪心および嘔吐の有効な管理の方法であって、約5ミクロン〜約500ミクロン、好ましくは約10ミクロン〜約200ミクロン、好ましくは約20ミクロン〜約100ミクロン、より好ましくは約30ミクロン〜約70ミクロンのサイズ分布を有する別々の液滴の形態の液体噴霧製剤を、癌化学療法に関連する悪心および嘔吐を起こしているヒト患者に舌下投与することを含む方法を目的とし、前記液体噴霧製剤は、薬学的に許容される液体担体中に分散される、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の有効な量を含む。
【0216】
ある実施形態では、本発明は、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の有効な量を薬学的に許容される液体担体に含む液体製剤の単位用量を含む貯蔵器を含む装置であって、作動させると、少なくとも約10ミクロン、好ましくは少なくとも約20ミクロンの平均径、より好ましくは約20〜約200ミクロンの平均径を有する液滴の形態の液体製剤の単位用量を送達するアクチュエータを有する装置を目的とする。好ましくは、装置は、約5ミクロン〜約500ミクロン、好ましくは約10ミクロン〜約200ミクロン、好ましくは約20ミクロン〜約100ミクロン、より好ましくは約30ミクロン〜約70ミクロンのサイズ分布を有する液滴の形態の液体製剤の治療有効量を送達する。
【0217】
ある実施形態では、本発明は、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体を、薬学的に許容される液体担体に含む液体製剤を含む貯蔵器を含む多回用量装置であって、作動させると、少なくとも約10ミクロン、好ましくは少なくとも約20ミクロンの平均径、より好ましくは約20〜約200ミクロンの平均径を有する液滴の形態の液体製剤の治療有効量を送達するアクチュエータを有する装置を目的とする。好ましくは、装置は、約5ミクロン〜約500ミクロン、好ましくは約10ミクロン〜約200ミクロン、好ましくは約20ミクロン〜約100ミクロン、より好ましくは約30ミクロン〜約70ミクロンのサイズ分布を有する液滴の形態の液体製剤の治療有効量を送達する。
【0218】
ある実施形態では、本発明は、エイズ患者の体重減少に関連する食欲不振の有効な管理の方法であって、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体を薬学的に許容される液体担体に含む液体製剤を含む貯蔵器、および作動させると、少なくとも約10ミクロン、好ましくは少なくとも約20ミクロンの平均径、より好ましくは約20〜約200ミクロンの平均径を有する、装置から噴霧される液滴の治療有効量を送達するアクチュエータを含む噴霧装置を利用することを含む方法を目的とする。
【0219】
ある実施形態では、本発明は、エイズ患者の体重減少に関連する食欲不振の有効な管理の方法であって、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体を薬学的に許容される液体担体に含む液体製剤を含む貯蔵器、および作動させると、少なくとも約10ミクロン、好ましくは少なくとも約20ミクロンの平均径、より好ましくは約20〜約200ミクロンの平均径を有する、装置から噴霧される液滴の治療有効量を送達するアクチュエータを含む噴霧装置を利用することを含む方法を目的とする。
【0220】
ある実施形態では、本発明は、癌化学療法に関連する悪心および嘔吐の治療方法であって、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体を含む液体製剤を含む貯蔵器、および薬学的に許容される液体担体、作動させると、約5ミクロン〜約500ミクロン、好ましくは約10ミクロン〜約200ミクロン、好ましくは約20ミクロン〜約100ミクロン、より好ましくは約30ミクロン〜約70ミクロンのサイズ分布を有する液滴の治療有効量を送達するアクチュエータを含む噴霧装置を利用することを含む方法を目的とする。
【0221】
ある実施形態では、本発明の製剤は、例えば、口内投与を含む経粘膜投与に適する。
【0222】
ある実施形態では、本発明は、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩、またはその誘導体を、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩、またはその誘導体の実質的な部分が患者の肺に流れ込まない製剤で、ヒトに経粘膜投与する方法をさらに目的とする。ある好ましい実施形態では、経粘膜領域は、ヒトの口内領域である。
【0223】
ある実施形態では、本発明は、エイズ患者の体重減少に関連する食欲不振の管理のための食欲刺激薬として、および癌化学療法に関連する悪心および嘔吐のための制吐剤として用いる医薬の製造のための、上で定義される製剤の使用をさらに目的とする。
【0224】
ある実施形態では、好ましくは、本発明による製剤は、定量ポンプを備えた密封容器を含むポンプ噴霧システム内に、複数の用量を含むバルク溶液として梱包される。
【0225】
ある代わりの実施形態では、好ましくは、本発明による製剤は、ポンプを備えた密封容器を含む一単位用量ポンプ噴霧システム内に、一単位用量溶液として梱包される。
【0226】
一般的に、患者は、噴霧ポンプから1〜2回の作動の舌下投与によって治療される。舌下噴霧送達の別の利点は、単一の作動に要求される1もしくは2用量によって、患者を容易に滴定する能力である。このことは、他の形態の薬剤送達(パッチ、ロゼンジ、錠剤、坐薬)の場合は、一般的にそうではない。
【0227】
ポンプ作用噴霧は、作動のための外圧、例えば、外部の手動、機械的または電気的開始の圧力を加えることを必要とする特徴がある。これは、作動が制御された圧放出、例えば制御されたバルブ開放によって一般的に達成される、加圧システム、例えば噴射剤作動エアゾール噴霧と対照的である。
【0228】
ある実施形態では、本発明の製剤と一緒のポンプ噴霧の使用は、少なくとも約10ミクロン、好ましくは少なくとも約20ミクロンの平均径、より好ましくは約20〜約200ミクロンの平均径を有し、および/または、好ましくは、約5ミクロン〜約500ミクロン、好ましくは約10ミクロン〜約200ミクロン、好ましくは約20ミクロン〜約100ミクロン、より好ましくは約30ミクロン〜約70ミクロンのサイズ分布を有する液滴または粒子の投与を可能にするので、ポンプ噴霧が好ましい。これは、5ミクロン未満の粒子をもたらすことができる加圧システムと対照的である。約5ミクロン未満の径を有する液滴または粒子は、投与後にヒトの肺に入る能力を有する。肺へのそのような侵入は、ドロナビノールの吸収における患者間の変動の増加につながるかもしれない。さらに、肺でのドロナビノールの吸収は、吸収増加および致命的であり得る呼吸抑制を含む、副作用の増加をもたらす可能性がある。
【0229】
ある好ましい実施形態では、送達される製剤の液滴サイズは、例えばドロッパーで舌下に置かれるのと対照的に、舌下に噴霧されることによって表面積の増加をさらに提供する。
【0230】
ある好ましい実施形態では、送達装置は、米国特許第6,866,566号、6,877,672号、6,772,915号、6,725,857号、6,705,493号、6,679,248号、6,578,741号、6,527,144号、6,484,715号、6,478,196号、6,461,322号、6,446,839号、6,427,878号、6,367,473号、6,364,166号、6,321,942号、6,234,366号、6,227,413号、6,059,151号、6,059,150号、6,055,979号、5,944,222号、5,901,883号、5,813,570号、4,565,302号、4,532,967号、6,964,381号、6,860,411号、6,824,020号、6,817,490号、6,585,172号、6,443,370号、6,427,680号、6,425,499号、6,401,987号、6,398,074号、6,264,065号、5,950,877号、5,328,099号、5,301,846号に記載のもの、およびある実施形態で経鼻投与に適すると記載されている類似のものなどの装置である。
【0231】
本発明の製剤に従う使用に適する他の装置は、米国特許第6,808,085号、6,736,293号、6,732,955号、6,708,846号、6,626,379号、6,626,330号、6,626,328号、6,454,185号、6,427,876号、6,427,684号、6,419,167号、6,405,903号、6,352,181号、6,308,867号、6,257,461号、6,257,454号、6,250,509号、6,227,415号、6,209,760号、6,179,164号、6,109,547号、6,062,430号、6,026,992号、5,992,704号、5,992,703号、5,988,449号、5,967,369号、5,964,417号、5,950,879号、5,938,125号、5,927,559号、5,921,444号、5,893,484号、5,875,938号、5,862,962号、5,860,567号、5,816,504号、5,813,570号、5,803,311号、5,791,518号、5,692,650号、5,655,689号、5,584,417号、5,520,337号、5,519,980号、5,482,193号、5,469,989号、5,443,185号、5,439,177号、5,437,398号、5,427,280号、5,395,032号、5,375,745号、5,368,201号、5,366,122号、5,366,122号、5,335,823号、5,326,000号、5,323,936号、5,316,198号、5,301,841号、5,295,628号、5,289,946号、5,277,334号、5,257,726号、5,228,586号、5,209,375号、5,203,840号、5,147,087号、5,115,980号、5,110,052号、5,011,046号、4,958,752号、4,946,069号、4,944,430号、4,934,568号、4,921,142号、4,871,092号、4,830,284号、4,826,048号、4,823,991号、4,821,923号、4,817,829号、4,776,498号、4,762,475号、4,728,008号、4,726,747号、4,694,977号、4,694,976号、4,566,611号、6,851,583号、6,824,021号、6,779,690号、6,776,312号、6,971,559号、6,948,640号、6,945,473号、6,938,802号、6,933,850号、6,929,156号、6,918,514号、6,913,205号、6,866,168号、6,832,072号、6,830,163号、6,817,490号、6,817,489号、6,811,060号、6,811,057号、6,805,301号、6,805,263号、6,789,750号、6,789,706号、6,786,369号、6,783,035号、6,772,913号、6,769,579号、6,758,371号、6,752,298号、6,742,677号、6,705,062号、6,698,627号、6,698,623号、6,663,019号、6,659,314号、6,659,307号、6,655,550号、6,655,549号、6,651,846号、6,601,735号、6,595,395号、6,592,010号、6,588,629号、6,581,852号、6,571,991号、6,554,160号、6,536,635号、6,527,149号、6,527,148号、6,488,185号、6,471,097号、6,460,781号、6,460,740号、6,460,738号、6,446,841号、6,422,429号、6,409,049号、6,398,079号、6,360,919号、6,349,856号、6,345,737号、6,343,722号、6,662,561号、6,315,169号、6,273,303号、6,273,300号、6,261,274号、6,257,457号、6,234,363号、6,234,168号、6,221,054号、6,209,759号、6,189,741号、6,186,371号、6,155,496号、6,119,897号、6,105,826号、6,021,930号、6,012,615号、5,988,496号、5,950,871号、5,931,386号、5,850,948号、5,803,318号、5,799,810号、5,769,325号、RE35,683、5,692,492号、5,568,884号、5,566,865号、5,511,698号、5,482,188号、5,476,198号、5,366,115号、5,337,923号、5,249,713号、5,237,797号、5,234,135号、5,226,563号、5,190,192号、5,176,296号、5,127,548号、4,966,313号、4,91,840、4,245,967号、4,030,667などに記載されている。
【0232】
本明細書で引用したすべての特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。上記の特許で開示されている送達装置は、鼻または吸入による投与に適するであろうが、本発明のある実施形態に従い、送達装置は液体製剤の舌下投与に適するように特に適応される。
【0233】
好ましくは、本発明に従う装置は、好ましくは、少なくとも約10ミクロン、好ましくは少なくとも約20ミクロンの平均径、より好ましくは約20〜約200ミクロンの平均径を有する液滴だけが患者に送達されるように、制御された方法で舌下製剤を舌下送達するように適応される。より好ましくは、約5ミクロン〜約500ミクロン、好ましくは約10ミクロン〜約200ミクロン、好ましくは約20ミクロン〜約100ミクロン、より好ましくは約30ミクロン〜約70ミクロンのサイズ分布を有する液滴だけ。
【0234】
好ましくは、指で、または片方の手の3本の指で運び、同時に確実に操作することができ、例えば舌下噴霧の方法で用いることができるような方法で、ディスペンサーは構築される。ディスペンサーは、媒体チャンバを空にした後に、補充の必要がなく、したがって、側面がおよそT字状またはY字状でよいアウターケーシング内に、ポンプ、製剤、チャネルおよび任意選択で、バルブまたは栓を受ける、単純な標準のコンポーネントとして構築することができる、使い捨て式ディスペンサーとして構築することができる。
【0235】
ディスペンサーが連続した部分の単一のポンプ行程で、または1つの完全なポンプ行程で空にされ、補充されない場合、ディスペンサーは開始位置の外側に関して実質的に密封することができる。
【0236】
ある好ましい実施形態では、送達装置(例えば、噴霧ポンプ装置など)は、ロックアウト機構を含む。好ましくは、ロックアウト機構は、一用量の投与だけを可能にし、ある期間および/または所定の期間さらなる投与をロックアウトすることによって、一単位用量だけの投与を可能にし、好ましくは、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の乱用を防止する。ある実施形態では、1つまたは複数の作動周期の後、アクチュエータをロッキング位置に自動的に移行させることができるので、続く作動周期をランダムにまたは故意に実施するために、解除が起こらなければならない。ロッキングは、開始位置、作動位置および/または中間位置で起こることができ、作動および戻りの両方に対して、またはこれらの動作の1つ単独に対して作用することができるので、同じか異なるロッキング作用を有するいくつかのロッキング位置が可能である。
【0237】
ある実施形態では、装置は予め計器付きのものでもよく、あるいは、装置は装置計量式のものでもよい。好ましくは、計器付き装置は、製造の間に、または患者によって使用時に装置に含ませることができる、事前に計量された用量またはある種の単位(例えば、一単位用量の量の溶液、単一もしくは複数のブリスターまたは他の空洞)の用量分画を含む。一般的な装置計量式ユニットは、患者によって作動される場合、装置自体によって計量された噴霧として送達される複数用量に十分な製剤を含有する貯蔵器を有する。
【0238】
装置の製造で考慮する重要な要素は、用量、噴霧プルームおよび粒子/液滴サイズ分布の再現性であり、それらは、舌の下への、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の送達に影響を及ぼすことができる。これらのパラメータのいかなる変化も投薬および吸収の変動をもたらす可能性があり、それらは、潜在的な副作用につながるおそれがあるので、有効期間を通してこれらのパラメータの再現性を維持し、患者使用条件の下でその寿命を通して装置の機能性(例えば、噴霧機構、電気的特徴、センサー)を確保することは重要である。
【0239】
噴霧薬剤製剤の投与される用量は、容器密閉系の設計、再現性および性能特性に依存するであろう。所望の液滴/粒子サイズ分布を提供する、適する装置は、ドロナビノール製品の正しい性能のための重要な要素である。装置に関して、作動パラメータ(例えば、力、速度、保持時間および戻り時間)も考慮するべきである。さらに、装置は製剤成分に適合するべきである。さらに、装置は、患者使用説明書に従って用いられる場合の、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体製剤の不完全な計量を防止するように設計されるべきである。
【0240】
一般的な装置は、基本ユニット、排出アクチュエータ、装置から放出される製剤のための開口部、および媒体貯蔵器を含む。好ましくは、注入チャンバとして、装置の製造時にすでに充填されている貯蔵器が提供される。媒体貯蔵器は、好ましくは、単一の作動に応じて放出される、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の、測定済みの含量を規定する。
【0241】
本発明のある実施形態に従って、好ましくは、媒体を受け入れる貯蔵器またはその空間は、好ましくは、貯蔵器本体の周囲および全長にわたって一定である肉厚を有する、長い形状である。その生産が非常に簡単であるように、貯蔵器本体は、プラスチック、鋼、例えばステンレス鋼、透明な材料、例えばガラスなどの円筒形の空洞の切断によって簡単に形成することができる。
【0242】
好ましくは、アクチュエータ本体は装置のユニット上に提供され、それは、排出を始動させるために開口部と比較して動かすことができる。この本体は、作動移動の過程で、例えば穴をあけることによって、チャンバの閉鎖を開放する。このチャンバ内の空間は、貯蔵器中の媒体に直接に接触すること、開放本体または貯蔵器を少なくとも一部収容することができ、開放される前に高圧下にある圧力空間として構成される。開放本体は、貯蔵器によって直接に形成されることができる。
【0243】
好ましくは、開始位置に続く作動移動の一部の間、上昇圧力が構築される。同じ方向で継続する作動動作の以降の部分では、媒体は一方の側で圧力から開放され、こちら側の媒体開口部に送られる。このように、側に作用する圧力のために、媒体は貯蔵器から開口部に追い込まれる。
【0244】
一般的に、液体製剤が開口部から離れるに従い、液滴は、装置の開口部形状によって影響される軌跡に従う。ある実施形態では、液滴サイズ、噴霧ジオメトリーおよび噴霧パターンは、ポンプの設計および/または製剤の特性に依存する。ある実施形態では、アクチュエータの向き、ポンプ設計および製剤の特性は、噴霧対称性および形状に影響する。
【0245】
ある実施形態では、本発明の装置は、さらにストッパーを含む。好ましくは、ストッパーは、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の吸収を妨げるか、実質的に妨げる物質を含む。本発明の装置に従って用いるための適するストッパーは、例えば、West Pharmaceutical Services,Inc.によって市販されているストッパーである。ある好ましい実施形態では、ストッパーは以下の組成および特徴を有する:1)エラストマー:ブロモブチルおよび/またはクロロブチル;2)強化材:不活性物質;および3)硬化系:非従来型。
【0246】
ある実施形態では、装置はさらにガスケットを含む。好ましくは、ガスケットは、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の吸収を妨げるか、実質的に妨げる物質を含む。本発明の装置に従って用いるための適するガスケットは、例えば、West Pharmaceutical Services,Inc.によって市販されているガスケットである。ある好ましい実施形態では、ガスケットは以下の組成および特徴を有する:1)エラストマー:ブロモブチルおよび/またはクロロブチル;2)強化材:不活性物質;および3)硬化系:非従来型。
【0247】
液滴径分布は、レーザー回折方法、例えば、RT SizerソフトウェアによるMalvern Spraytec(登録商標)を用いて判定することができる。Malvern Instruments Limited(U.K.)によるMalvern Mastersizer S装置も、サイズ分布の判定に用いることができる。Malvern Mastersize Sは、測定融通性を提供するモジュラー粒径分析器である。それは、噴霧液滴サイズ、ならびに湿った試料および乾燥試料を測定することができる。サブミクロンから数ミリメートルの粒子を、Malvern Mastersizer Sで測定することができる。さらに、液滴径分布を判定するとき、手動作動に関連する変動性を低減させるための、インビトロ生物学的同等性比較試験のための自動化作動ステーションを用いることもできる。
【0248】
経皮ゲル調製剤
経皮投与は、経口および肺などの他の経路が不適である投与経路を提供する。好ましくは、これらの製剤は、前述のネブライザー製剤に1つまたは複数のゲル化剤、適する塩基および1つまたは複数の吸収促進剤を加えて、混合することによって調製される。投与の便利性のために、ゲルは、薬学的に許容される材料、例えばプラスチックまたはガラスから作製される、適する容器に移される。投薬量範囲は、カンナビノイドの選択によって異なる。しかし、カンナビノイドがドロナビノールである、ある実施形態では、用量は、Marinolの経口用量と治療的に同等である用量を提供するように調節される。
【0249】
静脈内製剤
静脈内投与も、経口、肺および舌下などの他の経路が望ましくないか不適である投与経路を提供する。静脈内投与経路は、不規則な吸収が懸念される場合、特に有利である。これらの製剤は、上記のネブライザー溶液を調製するために用いられる手順に従って調製される。ある実施形態では、投与後の血管の炎症を制限するために、製剤は、pH調整剤およびまたは張性調整剤を含むこともできる。次に、製剤を単一もしくは多回用量のストッパー付きバイアルに移し、その後、針および注射器で注射することができる。投薬量範囲は、カンナビノイドの選択によって異なる。ある実施形態では、用量は、Marinolの経口用量と治療的に同等である用量を提供するように調節される。当業者は、静脈内経路が投与される用量の基本的に完全な生物学的利用率を提供するので、その用量は、他の投与経路で送達される用量よりも一般に低いことを理解しよう。
【0250】
眼用調製剤
眼への投与は、意図する作用が眼系に係わる投与経路を提供する。眼用製剤は、上記のネブライザー製剤の調製のために記載した手順に従って調製される。ある実施形態では、投与後の眼の炎症を実質的に予防するために、眼用調製剤は、pH調整剤およびまたは張性調整剤を含むこともできる。
【0251】
他のある実施形態では、眼用製剤は軟膏である。他のある実施形態では、製剤は、ラノリン、ペトロラタム、高分子量グリコール、例えばPEG−400、鉱油またはそれらの組合せを含む。ある実施形態では、製剤は水をさらに含む。
【0252】
次に、眼への投与に適する薬学的に許容される材料から作製される単一もしくは多回用量容器に、眼用製剤を移すことができる。投薬量範囲は、カンナビノイドの選択によって異なる。眼の状態、例えば緑内障を治療するために、用量がカンナビノイドの治療有効量を提供するような濃度で、カンナビノイドは存在する。
【0253】
本発明のある実施形態では、眼用製剤は、約1重量%の濃度のドロナビノールを含む。他のある実施形態では、投薬量は、約0.01mg〜約10mgのドロナビノール、好ましくは約0.5mg〜約5mg、より好ましくは約1mg〜約3mgを提供する。
【0254】
本発明は、静脈内投与のための安定した水性カンナビノイド製剤も目的とする。製剤がドロナビノールを含むある実施形態では、静脈内の用量は、約0.01mg〜約50mgである。
【0255】
好ましい実施形態では、本発明のカンナビノイド製剤は、最終製品(カンナビノイド剤形)が少なくとも約2年の有効期間を有するように、許容されない程度にまで分解しない。前述のように、このことは、剤形中の有効成分(例えば、ドロナビノール)が、剤形の所望の(例えば、表示される)有効期間(例えば、剤形の製造日から最低2年)の間、剤形中のその最初の量の90〜110%が残留することを意味する。剤形が有効成分としてドロナビノールを含むさらなる好ましい実施形態では、主張する剤形の有効期間の間、剤形は、2%以下のD8THCを含む。剤形がドロナビノールを含むさらなる好ましい実施形態では、主張する剤形の有効期間の間、剤形は、2%以下のカンナビジオールを含む。剤形がドロナビノールを含むさらなる好ましい実施形態では、剤形は、1%以下のエキソ−THCを含む。剤形が有効成分としてドロナビノールを含む、ある特に好ましい実施形態では、主張するその有効期間の間、剤形は以下のものを含む。(i)最初のドロナビノール含有量の90%以上;(ii)約2%以下のカンナビノール;(iii)約2%以下のデルタ−8−THC;(iv)2%以下のカンナビノール;(v)約0.5%以下のエキソ−THC;または上の任意の組合せ。エキソ−THCはドロナビノールの分解物ではないが、それはドロナビノールの合成中に形成される不純物である。特定の分解物/不純物のこれらの範囲は、同様に他のカンナビノイドに適用することができる。
【0256】
本発明に従う水性カンナビノイド製剤は、製造中の限定された量の水または限定された期間の水への曝露を記載する当技術分野の製剤よりも、著しく安定であると考えられている(例えばDedhiyaら)。添付の実施例で示す安定性研究は、緩衝水性媒体だけでなく、有機共溶媒、および任意選択で、安定剤を利用することによって、得られるカンナビノイド薬剤製品は室温で少なくとも約2年間安定であることを立証すると考えられている。
【0257】
投与経路
本発明の製剤は、好ましくは以下の経路によって投与される:肺、例えば、ネブライザーにより;経口、例えば、経口シロップにより、舌下、例えば、舌下噴霧により;静注;経皮、例えば、局所ゲルにより、および眼、例えば、軟膏または液滴により。しかし、当業者は、本発明の安定化水性カンナビノイド製剤はこれらの経路による投与に限定されず、経鼻的胃経路、筋肉内経路により、または粘膜組織(例えば、口内または直腸)を通す直接吸収によって投与できることを理解しよう。製剤は、肺、経口、舌下、静脈内に特に適するが、現在は経皮および眼への投与が好ましく、本発明の組成物は、膣、直腸、非経口、または経粘膜投与のために製剤化することもできる。したがって、所望により、剤形は、溶液、懸濁液、乳剤、坐薬、噴霧剤、エアゾール、ゲル、点滴剤、シロップ、エリキシルまたは他の剤形であってもよい。
【0258】
投薬量
ドロナビノールまたは他のカンナビノイドの経口投薬量の範囲は、単一用量または分割用量の1日2.5mg〜20mgと広く異なることができ、または、1つまたは複数の他のカンナビノイドの治療的同等量を利用することができる(当業者が判断することができる)。
【0259】
所望の治療効果が経口送達で達成される治療効果に類似している、肺、舌下、静脈内および経皮など他の投与経路については、投薬量は所望の経口用量と治療的に同等になるカンナビノイドの量を送達するために異なる。
【0260】
投薬量に存在するカンナビノイドの量は、投与後の特定のカンナビノイド効力によっても異なる(例えば、送達後のより高い効力は、より少ないカンナビノイドを必要とする)。
【0261】
本発明の利点
商標付きの製品Marinol(登録商標)(軟質ゼラチンカプセル中のドロナビノール溶液)は、室温で非常に不安定である。したがって、Marinolの製造業者(Unimed Pharmaceuticals Inc.)は、製品を冷蔵(2〜8℃)もしくは冷温(8〜15℃)条件で保存するよう推奨する(Marinol包装表示、Physicians Desk Reference(登録商標)、2003年版)。また、先行技術分野の水性カンナビノイド製剤は、担体の水性成分が約20v/v%を超えると、安定であると考えられてはいない。水がより高い濃度では、カンナビノイドは溶液から容易に分離する。先行技術のカンナビノイド製剤と異なって、本発明は、好ましくはすべての条件−冷蔵、冷温および室温(25℃/60%RH)−で安定である水性カンナビノイド(例えば、ドロナビノール)配合製剤を提供する。本発明の、特に室温での改善された安定性に寄与する因子には、緩衝水性系の使用が含まれる。ある実施形態では、本発明のカンナビノイド剤形の改善された安定性に寄与する追加の因子には、有機塩基(例えば、エタノールアミンおよびメグルミン)の有効安定化量の添加;および/または、抗酸化剤(例えば、BHA、BHTおよびアスコルビン酸ナトリウム)の追加の有効安定化量の添加が含まれる。
【0262】
ある好ましい実施形態では、本発明のカンナビノイド製剤は、投与の位置からの吸収の程度、速度および/または一貫性に関して、カンナビノイドの送達を改善することができる。
【0263】
本発明の使用
本発明の製剤は、例えば、吐き気、嘔吐、食欲不振、悪液質、疼痛、胃腸管窮迫(例えば胸やけ、消化不良、胃痛、酸性の胃)、炎症性腸疾患、クローン病、胃炎、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、片頭痛、月経後症候群、アルツハイマー認知症、動揺、筋痙攣および他の不随意運動障害、パーキンソン病およびパーキンソン型症状、多発硬化症に起因する痙縮、緑内障ならびに不安障害を含む、非常に広い範囲の障害の治療および予防に有用である。ドロナビノールなどのカンナビノイドは、可能な治療的用途、例えば、片頭痛、脊髄損傷、不安症、緑内障の治療で、および鎮痛薬(例えば、神経障害性疼痛を治療するための)として役に立つ、他の生物活性を示すと報じられてもいる。ドロナビノールなどのカンナビノイドは、疼痛を軽減するために、相乗的にオピオイド鎮痛薬と一緒に用いることができる。この組合せの利点には、オピオイドの投与の減少(副作用の低減につながる)を含めることができ、オピオイドを節約することができる(すなわち、より少ない用量のオピオイドで同等効果を達成することができる)。ドロナビノールは、癌悪液質(癌患者で食欲不振が栄養失調を誘導する)の治療でも用いられている。ジストニア、ハンチントン病、パーキンソン病およびトゥレット症候群を含む運動障害;癲癇を治療するために、ならびにアルツハイマー病で食欲刺激のためにも用いられている。本発明に従って調製されるカンナビノイド製剤の使用は、上記の用途のいかなるものおよびすべて、ならびに当業者に既知であるか知られる任意の他の用途について企図される。
【実施例】
【0264】
以下の実施例は、本発明の様々な態様を例示し、本発明の理解に役立つように提示される。これらの実施例は、本明細書で記載、請求される本発明を具体的に限定するものと、解釈されるべきではない。当業者の技術の範囲内であろう、現在知られているか後に開発されるすべての同等物の置換を含む本発明の変形形態、および製剤の変更または実験計画の軽微な変更は、本発明および添付の請求項の範囲に含まれるとみなされるであろう。
【0265】
以下の機器および手順を、室温安定性水性ドロナビノール製剤を開発、分析するために用いた。
【0266】
(実施例1)
ネブライザー製剤に対する製造手順
治験用の試験化合物であるデルタ−9−THCを入手した。製剤において用いる他の化学物質はすべて、製薬用グレードのものであった。
【0267】
装置
Agilent1100HPLC
ミキサー(IKA)またはボルテクサー
デジタル式ホットプレート攪拌器
ガラス製ビーカー
メスフラスコ
ゴム球付きガラス製ピペット
ガラス製容器
製剤の開発−エタノールストック溶液中のデルタ−9−THC
デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール(ドロナビノール)を当業者に知られている手順によって化学合成し、室温では粘着性で、冷蔵時に硬化する淡黄色樹脂性油として供給する。化学合成したドロナビノールを24/40o−リング密封ジョイントおよび焼付け可能PTFE栓付き高真空アダプター付きの丸底フラスコ中に供給する。
【0268】
エタノール中のドロナビノールを以下のように調製した。オイルバス(真空ポンプオイル、FisherCAS#72623−87−1)を90〜95℃に加熱した。デルタ−9−THCを含む容器を、(D9−THCを含む容器の真空アダプターを除去した後)予め加熱したオイルバス中、それが流動可能な液体に変化するまで、10分間配置した。空のガラス容器の重量(W1)を計算した。D9−THCを、ガラス製ピペットを用いることによって容器に移した。
【0269】
デルタ−9−THCを有する容器の重量(W2)を計算した。移されたD9−THCの正確な量を以下の式に従って計算した(デルタW=W2−W1)。容器中のD9−THCの実際の量を以下の式に従って計算した:D9−THC=デルタW×力価。デルタ−9−THCの必要とされる濃度を得るために混合物に加えるべきエタノールの実際の量を計算した。次いで、エタノールを加え、ボルテクサーにより約5分間十分に混和した。
【0270】
次いで、ストック溶液、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、および最後に水または緩衝溶液に加えることによって水性製剤を作成した。次いで、混合物をボルテクサーによって約5分間十分に混和した。
【0271】
混合物を室温に冷却し、試料を分析にかけた。
【0272】
D9−THCを含むフラスコをオイルバスから除去した。真空アダプターを付け、混合物を約1時間放冷した。ノブをアダプターに配置してオープンポジションにした後、混合物を含むフラスコを約15分間真空に曝し、次いでノブを閉じた。次いで、混合物を含むフラスコを冷蔵庫中に貯蔵した。
【0273】
(実施例2)
ドロナビノールの緩衝液(pH7.01)とのネブライザー製剤
緩衝溶液(pH7.01)を含む実施例2のドロナビノール水性製剤を実施例1に記載した手順に従って調製した。2−Aから2−Eまでの製剤はそれぞれ、以下の表1に記載するように、5mg/mLのドロナビノールを様々な体積量のエタノール、緩衝溶液、ポリエチレングリコール、およびプロピレングリコールと一緒に含んでいた。
【0274】
【表1】
(実施例3)
ドロナビノールの脱イオン水とのネブライザー製剤
脱イオン水を含む実施例3のドロナビノール水性製剤を実施例1に記載した手順に従って脱イオン水を用いて調製した。3−Aから3−Eまでの製剤はそれぞれ、以下の表2に記載するように、5mg/mLのドロナビノールを様々な体積量のエタノール、脱イオン水、ポリエチレングリコール、およびプロピレングリコールと一緒に含んでいた。
【0275】
【表2】
(実施例4)
ドロナビノールの緩衝溶液および抗酸化剤とのネブライザー製剤
4−Aのドロナビノール水性製剤を実施例2に記載した手順に従って調製した。ドロナビノールの測定濃度は4.95mg/mLであり、以下の体積量からなっていた:35.0%エタノール、38.3%緩衝溶液(pH7.01)、16.7%ポリエチレングリコール、および10.0%プロピレングリコール。4−Bから4−Hまでの製剤を製剤4−Aに従って調製したが、以下の表3に記載する量の抗酸化剤をさらに含んでいた。
【0276】
4−Iのドロナビノール水性製剤を実施例2に記載した手順に従って調製した。ドロナビノールの測定濃度は4.95mg/mLであり、以下の体積量からなっていた:40.0%エタノール、37.0%緩衝溶液(pH7.01)、16.7%ポリエチレングリコール、および10.0%プロピレングリコール。4−Jから4−Pまでの製剤を製剤4−Iに従って調製したが、以下の表3に記載する量の抗酸化剤をさらに含んでいた。
【0277】
【表3】
(実施例5)
ドロナビノールの緩衝溶液および抗酸化剤とのネブライザー製剤
5−Aのドロナビノール水性製剤を実施例2に記載した手順に従って調製した。ドロナビノールの濃度は5mg/mLであり、以下の体積量からなっていた:43%エタノール、10%ポリエチレングリコール−400、10%プロピレングリコール、および37%緩衝溶液(pH7.01)。5−Bから5−Eまでの製剤を製剤5−Aに従って調製したが、以下の表4に記載する量の抗酸化剤をさらに含んでいた。
【0278】
5−Fのドロナビノール水性製剤を実施例2に記載した手順に従って調製した。ドロナビノールの濃度は5mg/mLであり、以下の体積量からなっていた:50%エタノール、5%ポリエチレングリコール−400、10%プロピレングリコール、および35%緩衝溶液(pH7.01)。5−Gから5−Jまでの製剤を製剤5−Fに従って調製したが、以下の表4に記載する量の抗酸化剤をさらに含んでいた。
【0279】
5−Kのドロナビノール水性製剤を実施例2に記載した手順に従って調製した。ドロナビノールの濃度は5mg/mLであり、以下の体積量からなっていた:50%エタノール、5%ポリエチレングリコール−400、5%プロピレングリコール、および40%緩衝溶液(pH7.01)。5−Lから5−Oまでの製剤を製剤5−Kに従って調製したが、以下の表4に記載する量の抗酸化剤をさらに含んでいた。
【0280】
【表4】
(実施例13)
経口シロップ製剤のための製造手順
治験用の試験化合物であるデルタ−9−THCを入手した。製剤において用いる他の化学物質はすべて、製薬用グレードのものであった。
【0281】
装置
Agilent1100HPLC
ミキサー(IKA)またはボルテクサー
デジタル式ホットプレート攪拌器
ガラス製ビーカー
メスフラスコ
ゴム球付きガラス製ピペット
ガラス製容器
製剤の開発−エタノールストック中のデルタ−9−THC
デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール(ドロナビノール)を当業者に知られている手順によって化学合成し、室温では粘着性で、冷蔵時に硬化する淡黄色樹脂性油として供給する。化学合成したドロナビノールを24/40o−リング密封ジョイントおよび焼付け可能PTFE栓付き高真空アダプター付きの丸底フラスコ中に供給する。
【0282】
エタノール中のドロナビノールを以下のように調製した。オイルバス(真空ポンプオイル、FisherCAS#72623−87−1)を90〜95℃に加熱した。デルタ−9−THCを含む容器を、(D9−THCを含む容器の真空アダプターを除去した後)予め加熱したオイルバス中、それが流動可能な液体に変化するまで、10分間配置した。空のガラス容器の重量(W1)を計算した。D9−THCを、ガラス製ピペットを用いることによって容器に移した。
【0283】
デルタ−9−THCを有する容器の重量(W2)を計算した。移されたD9−THCの正確な量を以下の式に従って計算した(デルタW=W2−W1)。容器中のD9−THCの実際の量を以下の式に従って計算した:D9−THC=デルタW×力価。デルタ−9−THCの必要とされる濃度を得るために混合物に加えるべきエタノールの実際の量を計算した。次いで、エタノールを加え、ボルテクサーにより約5分間十分に混和した。
【0284】
次いで、ストック溶液、プロピレングリコール、および水または緩衝溶液に加えることによって水性製剤を作成した。次いで、混合物をボルテクサーによって約5分間十分に混和した。
【0285】
混合物を室温に冷却し、試料を分析にかけた。
【0286】
D9−THCを含むフラスコをオイルバスから除去した。真空アダプターを付け、混合物を約1時間放冷した。ノブをアダプターに配置してオープンポジションにした後、混合物を含むフラスコを、約15分間真空に曝し、次いでノブを閉じた。次いで、混合物を含むフラスコを冷蔵庫中に貯蔵した。
【0287】
(実施例14)
ドロナビノール経口シロップコントロール製剤
様々な糖の効果を決定するために、実施例14のドロナビノールコントロール水性製剤を実施例13に記載した手順に従って調製した。14−Aの製剤はドロナビノール5.01mg/mLを含んでおり、14−Bはドロナビノール9.83mg/mLを含んでいた。これらの製剤は、また、以下の表23に記載するように、様々な体積量のエタノール、プロピレングリコール、および緩衝溶液(pH7.01)を含んでいた。
【0288】
【表23】
(実施例15)
ドロナビノール経口シロップ製剤
実施例15のドロナビノール水性製剤を実施例14に記載した手順に従って調製した。15−Aおよび15−Bの製剤は糖を含まないコントロール製剤であった。15−Cから15−Lまでの製剤は糖を含んでいた。実施例15の製剤中のドロナビノールの濃度、および他の成分の量を以下の表24において記載する。
【0289】
【表24】
舌下製剤
舌下の薬物送達は、注射方法および経腸方法の両方を凌ぐいくつかの利点をもたらす、最も好ましい全身的な薬物送達方法である。口の粘膜は高度に血管新生化されているので、薬物の舌下送達は、直接的な薬物の全身の循環中への速やかな吸収をもたらし、消化管、および肝臓における初回通過代謝を迂回する。これは、静脈内の経路よりも快適で便利な送達経路による、作用の速やかな開始をもたらす。舌下製剤は、薬物を全身循環中に速やかに送達するようにデザインされており、患者に、副作用が最小であるか、またはない、非侵襲性で、使用が簡単で、非威圧的な選択肢を提供する。
【0290】
(実施例20)
ドロナビノール舌下滴剤コントロール製剤
実施例20において、25mg/mlの濃度を有するドロナビノール舌下コントロール製剤を調製した。処方を以下の表29に列挙する。
【0291】
【表29】
(実施例21)
ドロナビノール舌下滴剤
実施例21において、6mg/mlの濃度を有するドロナビノール舌下製剤をリン酸緩衝液を利用して調製する。処方を以下の表30に列挙する。
【0292】
【表30】
(実施例22)
ドロナビノール舌下滴剤
実施例22において、6.5mg/mlの濃度を有し、エタノールアミンクエン酸緩衝液(pH7.01)を利用するドロナビノール舌下製剤を調製する。処方を以下の表31に列挙する。
【0293】
【表31】
(実施例23)
ドロナビノール舌下滴剤
実施例23において、5mg/mlの濃度を有し、リン酸緩衝液を利用するドロナビノール舌下製剤を調製する。処方を以下の表32に列挙する。
【0294】
【表32】
(実施例24)
ドロナビノール舌下滴剤
実施例24において、10.12mg/mlの濃度を有し、リン酸緩衝液を利用するドロナビノール舌下製剤を調製する。処方を以下の表33に列挙する。
【0295】
【表33】
(実施例25)
ドロナビノール舌下滴剤
実施例25において、10.12mg/mlの濃度を有し、リン酸緩衝液を利用するドロナビノール舌下製剤を調製する。処方を以下の表34に列挙する。
【0296】
【表34】
(実施例26)
ドロナビノール舌下滴剤
実施例26において、25mg/mlの濃度を有するドロナビノール舌下製剤を調製する。処方を以下の表35に列挙する。
【0297】
【表35】
製剤の調製(実施例20〜26)
実施例20〜26の製剤を実施例1において記載した製剤を調製するのに用いた手順に従って調製する。次いで、非有効成分(例えば、マンニトールおよびミグリオール)を加えることによって舌下製剤を調製し、よく混和する。
【0298】
最終の溶液を3分間ボルテックスにかける。混和後、さらなる試験のために、製剤を冷蔵庫中に貯蔵する。
【0299】
アメリカ、Princeton、NJ、Pfeifferによる0.10mlマルチドーズ経鼻スプレーポンプを用いて製剤を噴霧し、Malvern Instruments LtdによるMalvern Mastersizer S装置を用いて液滴を計量する。舌下スプレーポンプを1回押し下げると柱状噴出が生成され、次いでこれをスプレー粒子に対して分析する。投与量体積に対する試料サイズ、スプレーパターン、および液滴のサイズ分布は、25個のスプレーである。
【0300】
液滴の体積
液滴の体積の評価において、25個のスプレー試料を各スプレー試料に対して5つの異なるストローク数を用いて評価する。試験時、以下に類似する結果が測定されることが予想される。
【0301】
全体の平均 =100.4μl
1回の実測値の最大=103.2μl
1回の実測値の最小=95.3μl
標準偏差 =1.1
範囲 =7.9
変動係数 =1.1%
スプレーパターン
スプレーパターンの評価において、25個のスプレー試料を標的から30mmの手作業の作動を用いて評価する。製剤をメチレンブルーで染色し、その後のスプレーパターン結果を測定する。試験時、以下に類似する結果が測定されることが予想される。
【0302】
小径[mm]
最小:35.4
平均:50.6
最大:62
s :7.00
最大径[mm]
最小:40
平均:56.9
最大:67
s :6.01
スプレー角
最小:64°
平均:83.3°
最大:94°
s :7.03
比率(最大/最小直径)
最小:1.04
平均:1.13
最大:1.33
s :0.073
液滴のサイズ分布
液滴のサイズ分布の評価において、25個のスプレー試料を標的から30mmの手作業の作動を用いて評価する。以下の液滴のサイズ分布の結果が測定される。試験時、以下に類似する結果が測定されることが予想される。
【0303】
10μmの液滴の直径の占有率[%]
最小:0.65
平均:1.66
最大:2.70
s :0.527
10%の液滴の直径は指示値よりも小さい[μm]
最小:15
平均:18.2
最大:23
s :1.91
50%の液滴の直径は指示値よりも小さい[μm]
最小:35
平均:44.7
最大:65
s :7.52
90%の液滴の直径は指示値よりも小さい[μm]
最小:96
平均:154.4
最大:349
s :64.42
(実施例27)
in vitroの浸透性試験
in vitroの浸透性の測定は数々の利点をもたらすものであり、経口粘膜の薬物吸収のメカニズムを試験するのに有用なツールであった。実験的に、一片の新鮮な頬側粘膜組織を垂直方向の拡散細胞(フランツ(Franz)細胞)に搭載して、コントロールの良好な環境における薬物の拡散を試験した。頬側の粘膜組織(EpiOral)は、MatTek Corporationによって供給された。MatTekは、伝統的な動物試験の代用であり、経口粘膜組織を通して送達される薬物の浸透特性に対する一次近似として有用である、正常な、ヒト細胞由来の、3次元の、器官型の、in vitroの組織モデルを生成している。MatTek頬側組織を超えた薬物の浸透性を受け取り側上の薬物濃度によって測定し、これは類推により、全身循環に利用できる薬物に等しい。
【0304】
実施例27において、実施例20〜26の製剤をin vitroの浸透性の特徴に対して試験した。これらの実施例の、in vitroの浸透性試験の結果を以下の表36において列挙する。
【0305】
【表36】
本発明の他の多くの変形形態は当業者であれば明らかであり、本明細書に添付の特許請求の範囲の範囲内にあることが意味される。
【0306】
(実施例28)
経皮ゲル(予想)
実施例28において、50mg/mlの濃度を有するドロナビノール経皮製剤を調製する。処方を以下の表37に列挙する。
【0307】
【表37】
(実施例29)
経皮ゲル(予想)
実施例29において、100mg/mlの濃度を有するドロナビノール経皮製剤を調製する。処方を以下の表38に列挙する。
【0308】
【表38】
(実施例30)
経皮ゲル(予想)
実施例30において、200mg/mlの濃度を有するドロナビノール経皮製剤を調製する。処方を以下の表39に列挙する。
【0309】
【表39】
(実施例31)
経皮製剤(予想)
実施例31において、300mg/mlの濃度を有するドロナビノール経皮製剤を調製する。処方を以下の表40に列挙する。
【0310】
【表40】
上記の実施例による安定性試験の際、予想される結果は上記の製剤で得られたものと同様であって、水性ドロナビノール製剤は室温で少なくとも2年間安定であることを示している。
【0311】
(実施例32)
静脈内製剤(予想)
実施例32において、静脈内投与用のドロナビノール水性製剤をネブライザーによる投与用のドロナビノール水性製剤に関する実施例1〜5に従い、上記に記載した手順に従って調製する。ドロナビノールの濃度を、同等の経口投与量に治療的に等しい投与量を提供するように調節する。製剤のpHおよび張性は静脈内投与に適するものである。製剤はpH調節剤および張性調節剤も含んでいてよい。次いで、静脈内製剤をストッパー付きガラス製マルチドーズまたはシングルドーズ注射用バイアル中に貯蔵する。安定性試験および分析を実施例6〜14に従って実施する。静脈内製剤に予想される安定性の結果は、ネブライザー製剤に対して実施した試験で見出されたものと同様である。結果は、静脈内製剤は室温で少なくとも2年間安定であることを示すと予想される。
【0312】
(実施例33)
ドロナビノール眼科用製剤
33−Aから33−Eまでのドロナビノール1%(w/w)眼科用製剤を調製した。製剤は、以下の表41に記載するように、さらなる成分を含んでいた。
【0313】
【表41−1】
デルタ−9−テトラヒドロカンナビノールを当業者に知られている手順によって化学合成し、室温では粘着性であり、冷蔵時に硬化する淡黄色樹脂状油として供給する。化学合成したドロナビノールを24/40o−リング密封ジョイントおよび焼付け可能PTFE栓付き高真空アダプター付きの丸底フラスコ中に供給する。
【0314】
次いで、33−Aから33−Eのドロナビノール1%(w/w)眼科用製剤を以下のように調製した:オイルバス(真空ポンプオイル、FisherCAS#72623−87−1)を90〜95℃に加熱した。デルタ−9−THCを含む容器を、(D9−THCを含む容器の真空アダプターを除去した後)予め加熱したオイルバス中、それが流動可能な液体に変化するまで、10分間配置した。空のガラス容器の重量(W1)を計算した。D9−THCをガラス製ピペットを用いることによって容器に移した。
【0315】
デルタ−9−THCを有する容器の重量(W2)を計算した。移されたD9−THCの正確な量を以下の式に従って計算した:(デルタW=W2−W1)。容器中のD9−THCの実際の量を以下の式に従って計算した:D9−THC=デルタW×力価。
【0316】
次いで、33−Aから33−Eまでの製剤に対して表41によるさらなる成分を加えた。次いで、内容物が流動可能な液体になるまで、混合物を加熱した。次いで、混合物を、まだ熱いうちにボルテクサーによって約3分間十分に混和した。次いで、製剤を室温に戻した後、貯蔵した。
【0317】
以下の実施例において、本明細書に記載するドロナビノール硬ゼラチンカプセル剤、ドロナビノール軟ゼラチンカプセル剤、およびドロナビノールシロップ剤に関する臨床試験およびデータを生成した。ドロナビノール硬ゼラチンカプセルを凌ぐドロナビノールシロップ剤の優位性には、1)吸収がより安定している、2)投与量に柔軟性がある、3)Cmaxが低い結果として有害事象のプロフィールが低い、4)カプセル剤に比べてAUCが実質的に同じため、有効性が同様である、5)硬ゼラチンカプセル剤に比べて放出が持続的である、6)硬ゼラチンカプセル剤に比べて作用の開始(治療レベルに到達するまでの時間)がより早い、7)カプセル剤を飲み込むことができない患者に対しても便利な投与量である、および8)ドロナビノールシロップは、粘性の性質であるため注射が困難であるが、それゆえ乱用が困難であることが含まれる。
【0318】
(実施例34)
ドロナビノール軟ゼラチンカプセル剤の薬物動態学
ドロナビノール軟ゼラチンカプセル剤製品に対する製品ラベルは、以下の薬物動態学的パラメータを報告している(空腹条件下の健常志願者(n=24、20〜45歳)に対する多回投与)
【0319】
【表41−2】
(実施例35)
ゴマ油中にドロナビノール10mgを含む軟ゼラチンカプセル剤の薬物動態学的パラメータ
実施例35において、薬物動態学的試験を行って、とりわけ、ゴマ油中にドロナビノール10mgを含む軟ゼラチンカプセル剤の薬物動態学的パラメータの平均を決定した。
【0320】
得られた平均(SD)の薬物動態学的パラメータを以下の表42に要約する。
【0321】
【表42】
試験した軟ゼラチンカプセル剤の投与後のドロナビノールおよび11−ヒドロキシ−ドロナビノールの平均濃度のプロフィールを図2に示す。
【0322】
個々の対象におけるドロナビノール濃度は、投与8時間後と36時間後の間にLLOQ(すなわち、最小定量レベル)である50pg/mL未満に低下したが、11−OH−ドロナビノール濃度は投与16時間後から72時間後に、そのLLOQである50pg/mL未満に低下した。
【0323】
(実施例36)
ゴマ油中にドロナビノール10mgを含む硬ゼラチンカプセル剤の薬物動態学的パラメータ
実施例36において、従来の手順に従って、ゴマ油中に溶解したドロナビノール10mgを含む硬ゼラチンカプセル剤を調製した。
【0324】
硬ゼラチンカプセル剤の薬物動態学の平均(SD)を決定するために試験を実施した。試験の結果を以下の表43に要約する。
【0325】
【表43】
(実施例37)
両方ともゴマ油中にドロナビノール10mgを含む軟ゼラチンカプセル剤および硬ゼラチンカプセル剤の薬物動態学的パラメータの比較
実施例37において、実施例35の軟ゼラチンカプセル剤および実施例36の硬ゼラチンカプセル剤の薬物動態学的パラメータを比較した。
【0326】
投与後のドロナビノールおよび11−ヒドロキシ−ドロナビノール平均濃度のプロフィールを両方とも、図3Aおよび図3Bに示す。
【0327】
薬物動態学的データを以下の表44に要約する。
【0328】
【表44】
表44におけるデータは、実施例36の硬ゼラチンカプセルおよび実施例35の軟ゼラチンカプセルは、CmaxおよびAUCに関して90%の信頼区間を有し、これらは生物学的に同等な製品に関連して、従来の80〜125%の境界内に低下することを示している。
【0329】
実施例36の硬ゼラチンカプセル剤は、実施例35の軟ゼラチンカプセル剤に同様に機能し、CmaxおよびAUCに対するその90%信頼区間は、一般的に認められる限界内にあったことが結論付けられた。
【0330】
(実施例38)
実施例35において生成されたデータの分析
実施例38において、実施例35の軟ゼラチンカプセル剤に対する個々の濃度−時間プロフィールを分析して、閾値濃度(例えば、最小有効濃度)の範囲に対して、その対象の集団における効果の平均持続時間を同定した。結果を図4に示す。
【0331】
図4におけるデータは、例えば、両方ともドロナビノール10mgの投与量の後、4時間の効果の持続時間は、閾値濃度が約0.56ng/mLであることを必要とし、6時間の作用の持続時間は、閾値濃度が約0.24ng/mLであることを必要とする。ドロナビノール5mgの投与量の後、同様の効果の持続時間を達成することができると仮定すると、投与量比例的なスケーリングによって、閾値濃度は、4時間および6時間の効果の持続時間に対して、それぞれ約0.28ng/mLおよび0.12ng/mLでなければならない。
【0332】
この分析は、効果に相関するドロナビノールの閾値濃度がほとんどの患者において0.1から0.6ng/mLの範囲にある場合、ドロナビノールの効果の持続時間は4から6時間であり得ることを示している。
【0333】
効果の持続時間の平均が4時間であり閾値濃度が0.56ng/mLである場合の、効果の持続時間に対する度数分布を図5に示す。分布の平均、中央値、およびモードは同様であり、分布がおよそ対照的であり、少数の個体が「テイル」にあることを示している(すなわち、効果の持続時間が長引くことが予想される)。効果の持続時間に対する他の可能な平均値を仮定すると、時間軸に沿ってシフトした、同様な形状の度数分布が得られる。
【0334】
(実施例39)
シロップ製剤
実施例39において、以下の表45に記載するドロナビノールシロップ製剤を上記の液体製剤の調製に対して記載した手順に従って調製した。
【0335】
【表45−1】
【0336】
【表45−2】
ある種の他の実施形態において、実施例39の製剤は、0.3%ヒドロキシプロピルセルロースを無水アルコールで置き換えることによって改変することができる。
【0337】
(実施例40)
シロップ製剤での投与量増大試験
実施例39のシロップ製剤の薬物動態学的パラメータの平均(SD)を決定するために、投与量増大試験(2.5mg、2.5mg+水240mL、5mg、および10mg)を行った。
【0338】
4つの処置(2.5mg、2.5mg+水240mL、5mg、および10mg)に対する濃度時間プロフィールを図6に示す。活性代謝物(11−ヒドロキシ−ドロナビノール)の濃度を図7に示す。
【0339】
試験の結果を以下の表46に記載する。
【0340】
【表46】
活性代謝物である11−ヒドロキシ−ドロナビノールの濃度は、親分子(ドロナビノール)の濃度と同様であったことが結論付けられた。
【0341】
2つの2.5mg処置(水240mLなし、またはあり)は同等のプロフィールをもたらし、ドロナビノールの吸収は、0.5mLだけという少量のシロップから信頼できるものであることを示したことも結論付けられた。
【0342】
(実施例41)
実施例40において生成されたデータの分析
実施例41において、実施例40の試験からの個々の濃度−時間プロフィールを分析して、閾値濃度(例えば、最小有効濃度)の範囲に対して、その対象の集団における効果の平均持続時間を同定し、実施例35の軟ゼラチンカプセルの結果と比較した。結果を図8に示す。
【0343】
図8より、ドロナビノール10mgをシロップ製剤として投与した平均の対象の効果の持続時間(すなわち、ドロナビノールの閾値濃度が0.56ng/mL、またはそれを超える)は約6時間であり(実施例35の軟ゼラチンカプセル剤が4時間の効果をもたらす場合の濃度)、効果の持続時間(すなわち、ドロナビノールの閾値濃度が0.24ng/mL、またはそれを超える)は約10時間である(実施例35の軟ゼラチンカプセルが6時間の効果をもたらす場合の濃度)ことが分かる。したがって、実施例35の軟ゼラチンカプセル剤としてドロナビノール10mgが4〜6時間の効果の持続時間をもたらす設定においては、実施例39のシロップ製剤としてドロナビノール10mgは、少なくともその長さの効果の持続時間をもたらす。
【0344】
図8は、平均の患者における、実施例39の処方のシロップ剤に対する効果の持続時間は、効果に対する閾値濃度が1.2ng/mLまたはそれより低い場合は、実施例35の軟ゼラチンカプセル剤の持続時間と少なくとも同じくらい長いことも示しており、閾値濃度は、実施例35の軟ゼラチンカプセル剤に対して作用の持続時間が2.5時間にすぎないことを意味している。
【0345】
実施例35の軟ゼラチンカプセル剤に対する効果の持続時間の平均が4時間である場合の、実施例35の軟ゼラチンカプセル剤およびシロップ製剤の効果の持続時間の度数分布を図9(閾値濃度0.56ng/mL)および図10(閾値濃度0.24ng/mL)に示す。両方の製剤とも、およそ対称的である分布を有するが、シロップ製剤に対する分布は右方向に、長時間方向にシフトしており、ドロナビノールに制吐薬として反応する患者はすべて、実施例35の軟ゼラチンカプセル剤から経験するのと少なくとも同じくらい長いシロップ剤からの作用持続時間を有することを示している。実施例35の軟ゼラチンカプセル剤に対する効果の持続時間の平均が6時間である場合(閾値濃度=0.24ng/mL)の、ドロナビノール10mgを実施例35の軟ゼラチンカプセル剤または実施例39のシロップ製剤のいずれかとして投与した場合に対する度数分布がこの結論を確証している。
【0346】
(実施例42)
実施例35の軟ゼラチンカプセル製剤および実施例39のシロップ製剤の安全性の評価
実施例42において、実施例35の製剤および実施例39の製剤の安全性プロフィール、ならびにこれら製剤の薬物動態学的パラメータを比較した。
【0347】
実施例35の軟ゼラチンカプセル製剤の安全性試験において対象240人が評価可能であり、実施例39のシロップ製剤の安全性試験において対象31人が評価可能であった。
【0348】
実施例35の軟ゼラチンカプセル製剤の安全性試験において、実施例35の軟ゼラチンカプセル製剤に関連すると考えられる有害事象が216件存在した。考えられる216件の有害事象のうち、196件の事象が軽症と特徴付けられ、20件の事象が中程度と特徴付けられた。実施例35の軟ゼラチンカプセル製剤の投与後に最も頻繁に生じた有害事象は眩暈(21.6%)であり、2番目は頭痛(6.67%)であり、3番目は悪心(5.00%)であった。
【0349】
実施例39のシロップ製剤の安全性試験において、対象23人に実施例39のシロップ製剤を投与し、8人にプラセボを投与した。実施例39のシロップ製剤に関連すると考えられる有害事象が7件存在し、すべて軽症と特徴付けられた。実施例39のシロップ製剤の後に最も頻繁に生じた有害事象は頭痛(8.70%)であった。眩暈および悪心の有害事象は、口腔異常感症、妄想知覚、および多幸性気分と同じ頻度で生じた(4.35%)。
【0350】
いずれの試験においても、重篤な有害事象(SAE)は報告されなかった。
【0351】
実施例39のシロップ製剤で報告された有害事象は、実施例35の軟ゼラチンカプセル製剤で報告された有害事象よりも悪くはなく、おそらくは軽症であったと結論付けられた。
【0352】
実施例39のシロップ製剤は実施例35の製剤に比べて、同等の、または潜在的には良好な安全性プロフィールを有することを薬物動態学的結果は指摘したと、さらに結論付けられた。例えば、同等の投与量では2つの製剤によって生成されるドロナビノールへの全体の曝露は同様であるが、シロップ剤で達成さるピーク濃度は、実施例35の軟ゼラチンカプセル剤から得られたものよりも幾分低い。
【0353】
実施例39の製剤の10mg投与量は、実施例35の軟ゼラチンカプセル剤のAUCの6%以内であることも決定された。
【0354】
(実施例43)
実施例35の製剤および実施例39の製剤のドロナビノール10mg投与量を投与した後のドロナビノール平均濃度を比較した。データを図11および図12にグラフで示す。
【0355】
データは、シロップ剤投与後、実施例35の製剤に比べて、ドロナビノールの血漿中への出現はより迅速であり、変動性のずっと少ない遅延時間を示したことを指摘していた。例えば、シロップ剤投与後、67%の対象のドロナビノール濃度は、15分で最初の血液試料を採取した時点のLLOQを超えており、それに比べて軟ゼラチンカプセル剤を投与した対象は14%であった。さらに、その間にドロナビノール濃度がLLOQを下回った遅延時間は、シロップ剤投与後0から30分の範囲であり、軟ゼラチン剤投与後の遅延時間は0から4時間の範囲であった。
【0356】
実施例39のシロップ製剤は、実施例35の軟ゼラチンカプセル剤の血漿ドロナビノールAUCとほとんど同一である血漿ドロナビノールAUCをもたらし、実施例35の軟ゼラチンカプセル剤のピーク濃度より低いピーク濃度であることが結論付けられた。
【0357】
全体の曝露と同様であるが、より低いピーク曝露により、シロップ製剤が実施例35の軟ゼラチンカプセル剤と少なくとも同じくらい好ましい安全性プロフィールを有することを保証することがさらに結論付けられた。実施例35の軟ゼラチンカプセル剤に比べて、シロップ製剤が効果に対する可能な閾値濃度を依然として超えている延長時間は、シロップ剤が、軟ゼラチンカプセル剤に関連すると報告されている4〜6時間と少なくとも同じくらい長い、制吐効果に対する作用の持続期間を有することを意味している。
【0358】
結論
本発明の他の多くの変形形態が、当業者に明らかであり、本明細書に添付する特許請求の範囲内にあることが意味される。以上の明細書は、本発明者の、当技術分野における本発明者の経験、他者の報告(本明細書において確認される刊行物において確認されるものなど)、ならびに本明細書において実施され報告された実験に基づく確信、仮説、および結論に言及し、(可能な)説明の目的のみで提供し、いかなる方法によっても本発明を限定することを意味しない。
【0359】
【数1】
【0360】
【数2】
上記の参考文献(特許および非特許の出版物)はすべて、参照により本明細書に組み入れられる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、室温で長期間、例えば2年以上安定である、カンナビノイドを含有する水の製剤に関する。本発明は、肺内送達、経口送達、舌下送達、経皮送達、静脈内送達および眼送達に適する、水性カンナビノイド製剤にさらに関する。本発明は、医薬製剤、薬理学および医学の分野で有用である。
【背景技術】
【0002】
デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール(別名THC、ドロナビノールおよびD9THC)は、天然の化合物であり、規制薬物マリファナの主要な有効成分である。マリファナは、大麻植物であるCannabis Sativaの花がらおよび葉を指す。植物のこれらの部分は、ある疾患状態の患者を救うことができる、カンナビノイド(ドロナビノールを含む)と呼ばれるいくつかの化合物を含む。ドロナビノールは、化学療法に関連する悪心および嘔吐の制御のために、より最近では、消耗症候群のエイズ(AIDS)患者の食欲増進のために、米国食品医薬品局(FDA)によって承認されている。合成ドロナビノールは医薬有効成分として利用されており、合成THCではなく大麻の植物源を用いる大麻ベースの薬も、当技術分野で公知である。
【0003】
現在では、ドロナビノールは、Unimed Pharmaceuticals,Inc.から商品名Marinol(登録商標)の下、ソフトゼラチンカプセルに入った溶液として米国で市販され、経口投与されている。経口投与の後、ゼラチンは溶解して、薬剤を放出する。ゴマ油に溶解されているドロナビノールは、その後胃腸管を通る間に吸収される。Marinolは、以下の治療のために適用される:1)エイズ患者の体重減少に関連する食欲不振、および2)従来の制吐療法に十分に応答することができない患者における癌化学療法に関連する悪心および嘔吐。Marinolカプセルは、2.5mg、5mgまたは10mgの投薬量で販売され、以下の不活性成分、すなわち、ゴマ油、ゼラチン、グリセリン、(グリセロール)、メチルパラベン、プロピルパラベンおよび二酸化チタンで製剤化される。Marinolソフトゼラチンカプセル製剤中のドロナビノールは、室温で非常に不安定であり、製品を冷蔵(2〜8℃)か冷温(8〜15℃)条件で保存するように推奨されている(Marinol包装ラベル、Physicians Desk Reference(登録商標)、2003年版)。さらに、Marinolは密閉容器で包装し、8℃〜15℃(46°F〜59°F)の冷温環境で保存するべきである。今のところ、ドロナビノールおよびナビロンが、市販されている唯一の承認カンナビノイド薬剤である。
【0004】
ドロナビノールを含む他の製剤が、当技術分野で現れている。1976年に、Olsenらは、ドロナビノールのクロロフルオロカーボン(CFC)推進MDI製剤を記載した。Olsen, J. L.、Lodge, J. W.、Shapiro, B. J.およびTashkin, D. P.(1976年)An inhalation aerosol of D9THC.J. Pharmacy and Pharmacol.28巻:86頁。しかし、ドロナビノールは保存の間に悪化することが知られており、この製剤でのドロナビノールの安定性は疑わしい。さらに、この製剤のエタノール含有量は高すぎた(約23%)ので、効果的に吸入されるにはあまりに大きな液滴を含むエアゾールが形成された。Dalby, R. N.およびByron, P. R.(1988年)Comparison of output particle size distributions from pressurized aerosols formulated as solutions or suspensions。Pharm. Res.5巻:36〜39頁を参照。ドロナビノールCFC製剤は、喘息治療での使用について試験されたが、中程度に有効なだけであることが示された。Tashkin, D. P.、Reiss, S.、Shapiro, B. J.、Calvarese, B.、Olsen, J. L.およびLidgek, J. W.(1977年)Bronchial effects of aerosolized D9THC in healthy and asthmatic subjects。Amer. Rev. of Resp. Disease.115巻:57〜65頁、Williams, S. J.、Hartley, J. P. R.およびGraham, J. D. P.(1976年)Bronchodilator effect of D9THC administered by aerosol to asthmatic patients。Thorax.31巻:720〜723頁を参照。さらに、CFC噴射剤はその後禁止され、そのような製剤は今では無用である。
【0005】
米国特許第6,509,005号は、ヒドロフルオロアルカン噴射剤(例えば、HFA227またはHFA134a)およびドロナビノール(D9THC)を含むエアゾール投薬用医薬製剤を記載し、その製剤は安定であると言われる。噴射剤は、約78〜100重量%の範囲で存在し、より詳細には、噴射剤は約85〜100重量%の範囲で存在する。噴射剤にドロナビノールを可溶化することを助けるためにエタノールなどの有機溶媒を用いることができるが、それは必要ではないと述べられている。溶媒を用いる場合、好ましくは20重量%未満が必要とされ、最も好ましくは15重量%未満が必要とされる。ドロナビノールの薬学的に有効な濃度は、好ましくは0.05〜10重量%である。
【0006】
米国特許第6,747,058号および米国特許出願公開第2004/0162336号は、薬剤の溶解点の近くで安定透明溶液を生成すると言われている、35:10:55のアルコール:水:プロピレングリコール(v/v)などの半水性溶媒でのデルタ−9−テトラヒドロカンナビノールの送達のために、エアゾール化が可能な製剤を記載する。これらの開示は、精製水を用いる製剤を記載する。記載される製剤の含水量が20容量部に近づくと、液滴が形成される。製剤が容量で30部の水に近づくと、ドロナビノールは溶液から容易に脱落することが報告されている。
【0007】
米国特許第6,383,513号は、二相性送達系にカンナビノイドを含む経鼻送達のための組成物を記載し、その二相性送達系は水中油型乳剤である。この開示は、いかなる条件での長期、例えば2年の安定性に関するデータも提供しない。
【0008】
米国特許出願公開第2003/0229027号は、安定化されていると言われるD9THCなどの天然カンナビノイド化合物を含む医薬組成物を調製する方法を記載し、それは、そのような化合物、およびコップ一杯の糖、糖アルコール、糖の混合物または糖アルコールの混合物を含む。天然のカンナビノイド化合物を水に溶解性の有機溶媒に溶解させ、糖、糖アルコール、糖の混合物または糖アルコールの混合物を水に溶解させ;溶解させたカンナビノイド化合物および溶解させた1つまたは複数の糖を混合させ;次に、凍結乾燥、噴霧乾燥、減圧乾燥または超臨界乾燥によって混合液を乾燥させる。この製剤のカンナビノイドは、糖と乾燥複合体を生成して粉末を形成するのに十分長い、限られた水曝露に耐えることが報告されている。
【0009】
特許文献1および特許文献2は、少なくとも1つのドロナビノールプロドラッグエステル誘導体の治療有効量を、坐薬製剤に長期安定性を提供すると言われている坐剤基剤と混ぜることによって調製される、坐薬製剤を記載する。
【0010】
ドロナビノールは、癌化学療法を受ける患者で悪心および嘔吐を軽減するために、制吐剤として用いられている。さらに、特許文献3は、患者の体重増加を刺激するために徴候的HIV感染症の患者を治療する方法を記載し、その方法は、患者の体重増を引き起こすのに十分な量のドロナビノールを含む医薬組成物を、患者に投与することを含む。
【0011】
上で、また他で概説されるすべての研究にもかかわらず、今まで長期間、例えば、2年間室温で安定である、ドロナビノールなどのカンナビノイドの水性ドロナビノール製剤は達成されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第5,508,037号明細書
【特許文献2】米国特許第第5,389,375号明細書
【特許文献3】米国特許第6,703,418号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
特に明記しない限り、本明細書で報告される成分のすべての割合は、容量対容量で表される。
【0014】
本発明の目的は、約5〜約10のpHに緩衝した半水性溶液中のカンナビノイドの有効量を含む安定化カンナビノイド製剤を提供することであり、その溶液は、製剤の物理的安定性を維持するために水および有機共溶媒の有効量を含み、その製剤は、(i)40℃/60%相対湿度で1カ月間;(ii)40℃/60%相対湿度で2カ月間;(iii)40℃/60%相対湿度で3カ月間;(iv)40℃/60%相対湿度で6カ月間;(v)40℃/60%相対湿度で8カ月間;(vi)室温(25℃)/60%相対湿度で1年間;(vii)室温(25℃)/60%相対湿度で2年間;および/またはそれらの任意の組合せの保存条件への製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80%を非分解形態で含有する。
【0015】
本発明のさらなる目的は、約5〜約10のpHに緩衝した半水性溶液中のカンナビノイドの有効量を含む安定化カンナビノイド製剤を提供することであり、その溶液は、製剤が曇らず、可視的油滴を含まないように製剤の物理的安定性を維持するために、約20%〜約44%の水および有機共溶媒の有効量を含み、その製剤は、(i)40℃/60%相対湿度で1カ月間;(ii)40℃/60%相対湿度で2カ月間;(iii)40℃/60%相対湿度で3カ月間;(iv)40℃/60%相対湿度で6カ月間;(v)40℃/60%相対湿度で8カ月間;(vi)室温(25℃)/60%相対湿度で1年間;(vii)室温(25℃)/60%相対湿度で2年間;および/またはそれらの任意の組合せの保存条件への製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80%を非分解形態で含有する。
【0016】
本発明のさらなる目的は、約5〜約10のpHに緩衝した半水性溶液中のカンナビノイドの有効量を含む安定化カンナビノイド製剤を提供することであり、その溶液は、製剤の物理的安定性を維持するために、製剤の30%を超える割合から約44%の量の水および有機共溶媒の有効量を含み、その製剤は、(i)40℃/60%相対湿度で1カ月間;(ii)40℃/60%相対湿度で2カ月間;(iii)40℃/60%相対湿度で3カ月間;(iv)40℃/60%相対湿度で6カ月間;(v)40℃/60%相対湿度で8カ月間;(vi)室温(25℃)/60%相対湿度で1年間;(vii)室温(25℃)/60%相対湿度で2年間;および/またはそれらの任意の組合せの保存条件への製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80w/w%を非分解形態で含有する。
【0017】
本発明のさらなる目的は、以下の容量、すなわち、(i)約15〜約50%のエタノール、ならびに(ii)(a)約0.1%〜約25%のプロピレングリコール、(b)約1〜約30%のポリエチレングリコール、および/または、(c)(a)および(b)の組合せであるグリコールを含む製剤を提供することであり、その製剤は、ネブライザーによる投与に適する。
【0018】
本発明のさらなる目的は、以下の容量、すなわち、(i)約15〜約65%のエタノール、ならびに(ii)(a)約0.1%〜約25%のプロピレングリコール、(b)約1〜約25%のポリエチレングリコール、および/または、(c)(a)および(b)の組合せであるグリコールを含む製剤を提供することであり、その製剤は経口投与に適する。
【0019】
本発明のさらなる目的は、以下の容量、すなわち、(i)約15〜約70%のエタノール、ならびに(ii)(a)約0.1%〜約25%のプロピレングリコール、(b)約1〜約25%のポリエチレングリコール、および/または、(c)(a)および(b)の組合せであるグリコールを含む別々の液滴の形態の製剤を提供することであり、その製剤は舌下投与に適する。
【0020】
本発明のさらなる目的は、以下の容量、すなわち、(i)約45〜約70%のエタノール、ならびに(ii)(a)約0〜約50%のプロピレングリコール、(b)0〜約2.5%のポリエチレングリコール、および/または、(c)(a)および(b)の組合せであるグリコール;(iii)0〜約25%のさらなる可溶化剤;および(iv)0〜約1%の矯味矯臭剤を含む別々の液滴の形態の製剤を提供することであり、その製剤は舌下投与に適する。
【0021】
本発明のさらなる目的は、舌下噴霧投与に適する薬学的に許容される液体担体中のカンナビノイドの有効量の別々の液滴を含む、舌下カンナビノイド製剤の単位用量を提供することであり、液滴は、少なくとも約10ミクロンの平均径を有する。
【0022】
本発明のさらなる目的は、薬剤の舌下投与のための単位用量または二用量の装置であって、ドロナビノール、11−OH−デルタ−9−THC、デルタ−8−THCおよび11−OH−デルタ−8−THCからなる群から選択されるカンナビノイドの有効量を含む液体製剤の単位用量または二用量を含む貯蔵器であって、カンナビノイドは、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される液体担体に入れられ、担体はpH約7に緩衝される貯蔵器を含み、作動させると、少なくとも約10ミクロンの平均径を有する液滴の形態の液体製剤の単位用量を送達するアクチュエータを有する装置を提供することである。
【0023】
本発明のさらなる目的は、薬剤の舌下投与のための単位用量または二用量の装置であって、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される液体担体中のドロナビノールの有効量を含む、室温安定性の液体製剤の単位用量または二用量を含む貯蔵器であって、前記担体はpH約7に緩衝される貯蔵器を含み、作動させると、少なくとも約10ミクロンの平均径を有する液滴の形態の液体製剤の単位用量を送達するアクチュエータを有する装置を提供することである。
【0024】
本発明のさらなる目的は、薬剤の舌下投与のための多回用量装置であって、ドロナビノール、11−OH−デルタ−9−THC、デルタ−8−THCおよび11−OH−デルタ−8−THCからなる群から選択されるカンナビノイドを含む液体製剤を含む貯蔵器であって、前記カンナビノイドは、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される液体担体に入れられ、前記担体はpH約7に緩衝される貯蔵器を含み、作動させると、少なくとも約10ミクロンの平均径を有する液滴の形態の液体製剤の治療有効用量を送達するアクチュエータを有する装置を提供することである。
【0025】
本発明のさらなる目的は、薬剤の舌下投与のための多回用量装置であって、
少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される液体担体中のドロナビノールを含む、室温安定性の液体製剤を含む貯蔵器であって、前記担体はpH約7に緩衝される貯蔵器、ならびに
作動させると、少なくとも約10ミクロンの平均径を有する液滴の形態の液体製剤の治療有効用量を送達するアクチュエータを有する装置を提供することである。
【0026】
本発明の別の目的は、以下の容量、すなわち、(i)約15%〜約90%のエタノール、ならびに(ii)(a)約0.1%〜約25%のプロピレングリコール、(b)約1〜約30%のポリエチレングリコール、および(c)(a)および(b)の組合せからなる群から選択されるグリコール、(iii)約0.1〜約20%のゲル化剤、(iv)約0.1〜約20%の塩基、(v)約0.1〜約20%の吸収促進剤を含む製剤を提供することであり、前記製剤は経皮投与に適する。
【0027】
本発明のさらなる目的は、以下の容量、すなわち、(i)約15%〜約90%のエタノール、(ii)(a)約0.1%〜約25%のプロピレングリコール、(b)約1〜約30%のポリエチレングリコール、または(c)(a)および(b)の組合せであるグリコール、(iii)約0.1〜約20%のゲル化剤、(iv)0〜約20%のpH調整剤、ならびに(v)約0〜約20%の張性調整剤を含む製剤を提供することであり、前記製剤は静脈内投与に適する。
【0028】
本発明の別の目的は、薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含む安定化眼用製剤を提供することであり、前記担体は、ラノリン、ペトロラタムまたはそれらの組合せを含み、前記製剤は、(i)40℃/60%相対湿度で1カ月間;(ii)40℃/60%相対湿度で2カ月間;(iii)40℃/60%相対湿度で3カ月間;(iv)40℃/60%相対湿度で6カ月間;(v)40℃/60%相対湿度で8カ月間;(vi)室温(25℃)/60%相対湿度で1年間;(vii)室温(25℃)/60%相対湿度で2年間;およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される保存条件への製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80%を非分解形態で含む。
【0029】
本発明のさらなる目的は、エイズ関連の食欲不振;化学療法に関連する悪心および嘔吐;緑内障;多発硬化症および疼痛からなる群から選択される状態を有するヒト患者を治療する方法を提供することであり、前記方法は、有効濃度のカンナビノイド、少なくとも約20%の水を含む担体を含む安定化カンナビノイド製剤を前記患者に投与するステップを含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される。
【0030】
本発明のさらなる目的は、カンナビノイド製剤が、肺内、経口、舌下、経皮、静脈内および眼からなる群から選択される送達経路による投与に適する治療方法を提供することである。
【0031】
本発明の別の目的は、上記の目的のいずれかに従って、少なくとも約20%の水および少なくとも1つの共溶媒を含む、ドロナビノールなどのカンナビノイドの室温安定性水性製剤を提供することである。
【0032】
本発明のさらなる目的は、上記の目的のいずれかに従って、水性緩衝液を含む、ドロナビノールなどのカンナビノイドの室温安定性水性製剤を提供することである。
【0033】
本発明のさらなる目的は、上記の目的のいずれかに従って、熱力学的に安定であるドロナビノールなどのカンナビノイドの室温安定性製剤を提供することである。
【0034】
本発明の別の目的は、上記の目的のいずれかに従って、塩基または抗酸化剤などの安定剤の存在によってさらに安定化される製剤を提供することである。
【0035】
本発明のさらなる目的は、哺乳動物、例えばヒトの対象または患者の肺で直ちに吸収可能な、ドロナビノールなどのカンナビノイドの室温安定性製剤を提供することである。
【0036】
本発明のある実施形態のさらなる目的は、剤形の水分が上部気道の粘膜内層の上にカンナビノイドを実質的に沈着させないように、肺内投与のためのドロナビノールなどのカンナビノイドの安定水性剤形を提供することである。
【0037】
本明細書で記載される目的のいずれかに従って、本発明のさらなる目的は、約0.01〜約15ミクロンの範囲の平均質量空気力学的径中央値を有するエアゾール化粒子として肺に投与される、肺内投与に適する製剤を提供することである。好ましくは、生成される粒子は、約1〜約10ミクロン、より好ましくは約2〜約4ミクロンの範囲の平均質量空気力学的径中央値を有する。
【0038】
本発明のさらなる目的は、哺乳動物、例えばヒトの対象または患者の胃腸管の任意の部分で直ちに吸収可能な、ドロナビノールなどのカンナビノイドの室温安定性製剤を提供することである。
【0039】
本発明のさらなる目的は、哺乳動物、例えばヒトの対象または患者の舌下および口内の領域で直ちに吸収可能な、ドロナビノールなどのカンナビノイドの室温安定性製剤を提供することである。
【0040】
本発明のある実施形態のさらなる目的は、投与薬がレシピエントの肺に流れ込む実質的な危険なしで実質的な舌下吸収をもたらす方法で舌下投与することができる、ドロナビノールなどのカンナビノイドの安定水性剤形を提供することである。
【0041】
本発明のさらなる目的は、哺乳動物、例えばヒトの対象または患者の皮膚を通して直ちに吸収可能な、ドロナビノールなどのカンナビノイドの室温安定性製剤を提供することである。
【0042】
本発明のさらなる目的は、哺乳動物、例えばヒトの対象または患者への静脈内投与に適する、ドロナビノールなどのカンナビノイドの室温安定性製剤を提供することである。
【0043】
本発明のさらなる目的は、哺乳動物、例えばヒトの対象または患者の眼へ直ちに吸収可能な、ドロナビノールなどのカンナビノイドの室温安定性製剤を提供することである。
【0044】
本発明のさらなる目的は、市販のドロナビノール製剤の改善を提供する、ドロナビノールなどのカンナビノイドの投与のための方法および組成物を提供することである。
【0045】
本発明のさらなる目的は、喘息、エイズ患者の体重減少に関連する食欲不振、癌化学療法に関連する悪心および嘔吐、癌患者の食欲不振、多発硬化症、ジストニー運動障害、疼痛または緑内障の有効な管理のために、肺内、経口、舌下、経皮、静脈内または眼への投与に適する、ドロナビノールなどのカンナビノイドの安定水性製剤を提供することである。
【0046】
本発明のある実施形態のさらなる目的は、喘息、エイズ患者の体重減少に関連する食欲不振、癌化学療法に関連する悪心および嘔吐、癌患者の食欲不振、多発硬化症、ジストニー運動障害、疼痛または緑内障の有効な管理のために、制御された量のドロナビノールなどのカンナビノイドの安定水性製剤の肺内、経口、舌下、経皮、静脈内または眼への投与方法を提供することである。
【0047】
本発明のある実施形態のさらなる目的は、肺内投与のためのドロナビノールなどのカンナビノイドの安定水性液剤を提供することである。
【0048】
本発明のある実施形態のさらなる目的は、経口投与のためのドロナビノールなどのカンナビノイドの安定水性液剤を提供することである。
【0049】
本発明のある実施形態のさらなる目的は、舌下または口内投与のためのドロナビノールなどのカンナビノイドの安定水性液剤を提供することである。
【0050】
本発明のある実施形態のさらなる目的は、経皮投与することができる、ドロナビノールなどのカンナビノイドの安定水性ゲル剤を提供することである。
【0051】
本発明のある実施形態のさらなる目的は、静脈内投与することができる、ドロナビノールなどのカンナビノイドの安定水性液剤を提供することである。
【0052】
本発明のある実施形態のさらなる目的は、眼への投与することができる、ドロナビノールなどのカンナビノイドの安定軟膏剤を提供することである。
【0053】
これらおよび他の目的および特徴に従って、本発明は、一部、水性担体中の薬学的に許容されるカンナビノイドの治療有効量を含む、室温安定性カンナビノイド製剤を目的とする。
【0054】
本発明は、薬学的に許容されるカンナビノイドおよび薬学的に許容される水性担体の混合物の有効量を含むカンナビノイド剤形をさらに目的とし、その水性成分は緩衝液も含む。
【0055】
本発明は、一部、溶解させたカンナビノイドの治療有効量の水性製剤、およびカンナビノイドを安定させる手段をさらに目的とする。
【0056】
製剤が有効成分としてドロナビノールを含む本発明のさらなる好ましい実施形態では、その主張する有効期間の間、剤形は、以下から選択されるレベルの成分を含有する:(i)最初のドロナビノール含有量の90%以上;(ii)約2%以下のカンナビノール;(iii)約2%以下のデルタ−8−THC;および上の任意の組合せ。
【0057】
ある好ましい実施形態では、本発明は、すべての条件、すなわち、冷蔵、冷温および室温(2〜8℃、8〜15℃および25℃/60%RH)で安定である、水性カンナビノイド製剤(例えば、ドロナビノール)を提供する。言い換えると、ある好ましい実施形態では、安定化水性カンナビノイド製剤は、患者が、周囲温度および湿度で、または冷蔵庫で保存することができる。
【0058】
ある好ましい実施形態では、カンナビノイドは、液体(懸濁液および乳剤を含む)、ネブライザー溶液、坐薬、経皮製剤および舌下製剤、眼科薬、ならびに注射可能な製剤の形で製剤化されるドロナビノールである。
【0059】
本発明は、一部、医薬有効成分としてカンナビノイドを含む剤形を安定させる方法であって、薬学的に許容される水性担体および薬学的に許容される有機担体の混合液にカンナビノイドの治療有効量を溶解することを含み、混合液は、抗酸化剤などの1つまたは複数の安定化剤の有効量を含む方法をさらに目的とする。
【0060】
本発明は、一部、医薬有効成分としてカンナビノイドを含む剤形を安定させる方法であって、カンナビノイドを安定させるために有効である1つまたは複数の有機塩基の量を含有する、水性および有機の担体の薬学的に許容される混合液にカンナビノイドの治療有効量を溶解することを含む方法をさらに目的とする。
【0061】
本発明は、一部、医薬有効成分としてカンナビノイドを含む安定化剤形を調製する方法であって、カンナビノイドの溶液を水性および有機の担体と混合して流動可能な混合液を得ること;および混合液を、以下の経路、すなわち、肺、経口、舌下、経皮、静脈内または眼による投与に適する医薬にさらに製剤化することを含み、製剤は、所望の効果を提供するために前記カンナビノイドの治療有効量を含む方法をさらに目的とする。
【0062】
ある実施形態では、本発明の製剤は、例えば、口内投与または舌下投与を含む経粘膜投与に適する。
【0063】
ある実施形態では、本発明は、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩、またはその誘導体を、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩、またはその誘導体の実質的な部分が患者の肺に流れ込まない製剤で、ヒトに経粘膜投与する方法をさらに目的とする。ある好ましい実施形態では、経粘膜領域は、ヒトの口内領域である。
【0064】
ある実施形態では、本発明は、エイズ患者の体重減少に関連する食欲不振の管理のための食欲刺激薬として、および癌化学療法に関連する悪心および嘔吐のための制吐剤として用いる医薬の製造のための、上記の目的のいずれかに規定される製剤の使用をさらに目的とする。
【0065】
ある実施形態に従って、本発明のさらなる目的は、化学療法を受けているヒトに関連する悪心および嘔吐を制御する方法であって、悪心および嘔吐を起こしているヒト患者への液体ネブライザー製剤の肺内投与を含み、前記液体ネブライザー製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法を提供することである。好ましくは、カンナビノイドはドロナビノールである。
【0066】
ある実施形態に従って、本発明のさらなる目的は、消耗症候群を起こしているエイズ患者の食欲刺激の方法であって、食欲不振を起こしているヒト患者への液体ネブライザー製剤の肺内投与を含み、前記液体ネブライザー製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法を提供することである。好ましくは、カンナビノイドはドロナビノールである。
【0067】
ある実施形態に従って、本発明のさらなる目的は、化学療法を受けているヒトに関連する悪心および嘔吐を制御する方法であって、悪心および嘔吐を起こしているヒト患者への液体経口製剤の経口投与を含み、前記液体経口製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法を提供することである。好ましくは、カンナビノイドはドロナビノールである。
【0068】
ある実施形態に従って、本発明のさらなる目的は、消耗症候群を起こしているエイズ患者の食欲刺激の方法であって、食欲不振を起こしているヒト患者への液体経口製剤の経口投与を含み、前記液体経口製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法を提供することである。好ましくは、カンナビノイドはドロナビノールである。
【0069】
ある実施形態に従って、本発明のさらなる目的は、化学療法を受けているヒトに関連する悪心および嘔吐を制御する方法であって、悪心および嘔吐を起こしているヒト患者への液体舌下製剤の舌下投与を含み、前記液体舌下製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法を提供することである。好ましくは、カンナビノイドはドロナビノールである。
【0070】
ある実施形態に従って、本発明のさらなる目的は、消耗症候群を起こしているエイズ患者の食欲刺激の方法であって、食欲不振を起こしているヒト患者への液体舌下製剤の舌下投与を含み、前記舌下液体製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法を提供することである。好ましくは、カンナビノイドはドロナビノールである。
【0071】
ある実施形態に従って、本発明のさらなる目的は、化学療法を受けているヒトに関連する悪心および嘔吐を制御する方法であって、悪心および嘔吐を起こしているヒト患者への液体、ゲルまたは半固体の経皮製剤の経皮投与を含み、前記液体、ゲルまたは半固体の経皮製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法を提供することである。好ましくは、カンナビノイドはドロナビノールであり、製剤はゲルである。
【0072】
ある実施形態に従って、本発明のさらなる目的は、消耗症候群を起こしているエイズ患者の食欲刺激の方法であって、食欲不振を起こしているヒト患者への液体、ゲルまたは半固体の経皮製剤の経皮投与を含み、前記液体、ゲルまたは半固体の経皮製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法を提供することである。好ましくは、カンナビノイドはドロナビノールであり、製剤はゲルである。
【0073】
ある実施形態に従って、本発明のさらなる目的は、化学療法を受けているヒトに関連する悪心および嘔吐を制御する方法であって、悪心および嘔吐を起こしているヒト患者への液体静脈内製剤の静脈内投与を含み、前記液体静脈内製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法を提供することである。好ましくは、カンナビノイドはドロナビノールである。
【0074】
ある実施形態に従って、本発明のさらなる目的は、消耗症候群を起こしているエイズ患者の食欲刺激の方法であって、食欲不振を起こしているヒト患者への液体静脈内製剤の静脈内投与を含み、前記液体静脈内製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法を提供することである。好ましくは、カンナビノイドはドロナビノールである。
【0075】
ある実施形態に従って、本発明のさらなる目的は、緑内障のヒト患者を治療する方法であって、緑内障のヒト患者への室温安定性眼用製剤の眼への投与を含み、前記眼用製剤は、ラノリン、ペトロラタムおよびそれら組合せからなる群から選択される薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含む方法を提供することである。好ましくは、カンナビノイドはドロナビノールである。
【0076】
ある実施形態に従って、本発明のさらなる目的は、消耗症候群を起こしているエイズ患者の食欲刺激の方法であって、食欲不振を起こしているヒト患者への液体舌下製剤の舌下投与を含み、前記舌下液体製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法を提供することである。好ましくは、カンナビノイドはドロナビノールである。
【0077】
ある実施形態に従って、本発明のさらなる目的は、消耗症候群を起こしているエイズ患者の食欲刺激の方法であって、食欲不振を起こしているヒト患者への液体ネブライザー製剤の肺内投与を含み、前記液体ネブライザー製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法を提供することである。好ましくは、カンナビノイドはドロナビノールである。
【0078】
ある好ましい実施形態では、製剤は、(i)2〜8℃、(ii)25℃/60%相対湿度(RH)で6〜24カ月間;(iii)30℃/60%相対湿度(RH)で6カ月間;(iv)40℃/60%相対湿度(RH)で1〜8カ月間;および(v)それらの任意の組合せからなる群から選択される保存条件への製剤の曝露の後に、カンナビノイドの少なくとも約80w/w%を非分解形態で含む。
【0079】
ある実施形態では、本発明の製剤および方法は、製造後少なくとも1年間、好ましくは少なくとも約2年間、医薬用カンナビノイド有効成分が、剤形に含まれるその元の量の約90〜約110%残留することを可能にする。
【0080】
ある好ましい実施形態では、本発明の製剤は、熱力学的に安定である。
【0081】
ある実施形態では、本発明のカンナビノイド製剤は、容認できない分解に対するカンナビノイドの安定性を促進するために、1つまたは複数の安定剤の有効量を含む。安定剤は、1つまたは複数の抗酸化剤、1つまたは複数の有機塩基および/または当分野の技術者に公知であるカンナビノイドのための他の安定剤を含むことができる。ある好ましい実施形態では、安定剤はポビドンを含む。
【0082】
本発明は、一部、医薬有効成分としてカンナビノイドを含む剤形を安定させる方法であって、水性および有機の担体の混合液にカンナビノイドの治療有効量を溶解することを含む方法を、さらに目的とする。ある実施形態では、担体は緩衝剤を含む。ある実施形態では、担体は、カンナビノイドのための1つまたは複数の安定剤をさらに含む(例えば、本明細書でより具体的に示す抗酸化剤、有機塩基または両方)。
【0083】
ある実施形態では、担体は、担体に分散させたカンナビノイドに薬学的に許容される粘度を提供するために含むことができる、粘度調整剤の有効量をさらに含む。そのような粘度調整剤は、例えば、エーロシル(二酸化ケイ素);セトステアリルアルコール;セチルアルコール;ステアリルアルコール;Gelucire 33/01;Gelucire 39/01;Gelucire 43/01;ベヘン酸グリセリル(Compritol 888 ATO);パルミトステアリン酸グリセリル(Precirol AT05);Softisan 100;Softisan 142;Softisan 378;Softisan 649;ヒドロキシプロピルセルロースおよびそれらの混合物であってよい。ある実施形態では、ヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。
【0084】
本発明は、カンナビノイドがドロナビノールであり、剤形中に、2%を超えるデルタ−8テトラヒドロカンナビノール(D8THC)、2%を超えるカンナビノール(CBN)、2%を超えるカンナビジオール(CBD)および/またはそれらの任意の組合せから選択される、許容されないレベルのドロナビノール分解物を含まない剤形をさらに目的とする。
【0085】
安定剤が有機塩基を含むある好ましい実施形態では、剤形は、約0.001w/w%〜約5w/w%の有機塩基、好ましくは、容積で約0.001v/v%〜約0.5v/v%の有機塩基を含むことができる。ある好ましい実施形態では、有機塩基は、ブチルヒドロキシルアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシルトルエン(BHT)、アスコルビン酸ナトリウムおよび上の任意の組合せからなる群から選択される。
【0086】
本発明の製剤に含まれる抗酸化剤は、例えば、没食子酸プロピル、レシチン、ビタミンEトコフェロール、セサミン、セサモール、セサモリン、αトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、フマル酸、リンゴ酸、およびメタ重亜硫酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム、および上のいずれかの組合せからさらに選択することができる。
【0087】
本発明の製剤は、約0.01〜約10mg/mlのカンナビノイド濃度域を含む。ある実施形態では、本発明の製剤は、約2〜約10mg/mlの濃度のカンナビノイドを含む。他のある実施形態では、本発明の製剤は、約5mg/mlの製剤のカンナビノイドを含む。
【0088】
ある好ましい実施形態では、本発明の剤形は、重量で約0.05%〜約90%のカンナビノイド、好ましくは約0.1%〜約50%のカンナビノイド、より好ましくは約1.5%〜約6%のカンナビノイド、最も好ましくは約2.5%〜約4.5%のカンナビノイドを含む。
【0089】
製剤がネブライザーによる肺投与のための溶液である、ある実施形態では、混合液は、好ましくは、約15%〜約50%のエタノール、約15%〜約60%の緩衝水溶液、約0.1〜約25%のプロピレングリコール、および約1%〜約30%のポリエチレングリコールを含む。
【0090】
上記の目的のいずれかに従って、本発明のさらなる目的は、担体が約5〜約10のpHに緩衝される安定化カンナビノイド製剤を提供することである。他のある実施形態では、担体は、約6〜約8のpHに緩衝される。
【0091】
上記の目的のいずれかに従って、本発明の製剤は、好ましくは約6.5〜約7.5のpHに緩衝される。
【0092】
上記の目的のいずれかに従って、本発明の製剤は、好ましくは約7のpHに緩衝される。
【0093】
製剤が経口投与のための溶液である、ある実施形態では、混合液は、好ましくは、約15%〜約65%のエタノール、約10%〜約60%の緩衝水溶液、約0.1〜約25%のプロピレングリコール、および約1%〜約25%のポリエチレングリコールを含む。ある好ましい実施形態では、経口シロップドロナビノール製剤は、重量で約1%〜約10%、より好ましくは重量で約2%〜約5%の量の、ショ糖、ソルビトールおよびフルクトースなどの薬学的に許容される甘味料も含む。
【0094】
上記の目的のいずれかに従う製剤は、製剤の重量の約5%〜約25%のキシリトール;約0.01%〜約5%のサッカリン;および約0.01%〜約5%のサッカリンナトリウムなどの甘味料を含むこともできる。
【0095】
製剤が舌下投与のための溶液である、ある実施形態では、混合液は、好ましくは、約10%〜約65%のエタノール、約10%〜約60%の緩衝水溶液、約0.1〜約25%のプロピレングリコール、および約1%〜約25%のポリエチレングリコールを含む。ある好ましい実施形態では、舌下ドロナビノール製剤は、約0.01%〜約1%の量のマンニトールなどの矯味矯臭剤も含む。
【0096】
製剤が経皮投与のためのゲルである、ある実施形態では、混合液は、好ましくは、15%〜約90%のエタノール、約10%〜約60%の緩衝水溶液または水、約0.1〜約25%のプロピレングリコール、約0.1〜約20%のゲル化剤、約0.1〜約20%の塩基、約0.1〜約20%の吸収促進剤、および約1%〜約25%のポリエチレングリコールを含有する。他のある実施形態では、製剤は、約1〜約25%のプロピレングリコールを含む。
【0097】
製剤が静脈内投与のための溶液である、ある実施形態では、混合液は、好ましくは、15%〜約90%のエタノール、約15%〜約60%の緩衝水溶液、約0.1〜約25%のプロピレングリコール、および約1%〜約25%のポリエチレングリコールを含む。
【0098】
本発明の別の態様に従う製剤は、以下のもの、すなわち、重量で約25%〜約99%のラノリン、約25%〜約99%のペトロラタム、約1%〜約50%のポリエチレングリコール、約1%〜約50%の鉱油、および約1%〜約50%の水または水性緩衝液の1つまたは複数を含む眼への投与のための溶液を目的とする。
【0099】
ある好ましい実施形態では、眼用製剤は、重量にして、(i)約99%のラノリン、(ii)約25%のラノリンおよび約75%のペトロラタム、(iii)約25%のラノリン、50%のペトロラタムおよび25%の鉱油、(iv)約20%のラノリン、約50%のペトロラタム、約10%の鉱油および20%の水または水性緩衝液、あるいは、(v)約25%〜約99%のペトロラタム、約1%〜約50%のポリエチレングリコール、約1%〜約50%の鉱油、および約1%〜約50%の水または水性緩衝液を含む。
【0100】
本発明は、1つまたは複数の追加の治療的活性剤をさらに含む剤形を、さらに目的とする。そのような追加の治療的活性剤のそれには限定されない例には、麻薬性鎮痛薬、非麻薬性鎮痛薬、制吐剤、ステロイド、および上のいずれかの混合物が含まれる。
【0101】
ある実施形態では、本発明の製剤は、さらなる薬学的に許容される賦形剤を含む。そのような薬学的に許容される賦形剤のそれには限定されない例には、前記カンナビノイドのための可溶化剤、乳化剤、吸収促進剤、界面活性剤などが含まれる。
【0102】
ある好ましい実施形態では、カンナビノイド製剤は、医薬有効成分として、好ましくは約0.05mg〜約20mgの経口投与量でドロナビノールを含む。他の実施形態では、製剤は、約2.5mg〜約20mgの経口投与されるドロナビノールを含む。
【0103】
他の好ましい実施形態では、肺、舌下、経皮、および静脈内の投与などの他の送達経路のために、ドロナビノールの用量は、治療的に等価の経口用量を提供する量で供給される。眼への投与に適する他のある実施形態では、用量は、眼の状態、例えば緑内障を治療するために、カンナビノイドの治療有効量を提供する。カンナビノイドが、例えばナビロン、11−OHデルタ−9−テトラヒドロカンナビノール、デルタ−8−テトラヒドロカンナビノールまたは11−OHデルタ−8−テトラヒドロカンナビノールである、他のある実施形態では、所望のドロナビノール用量に治療的に等価である用量を提供するために、用量は、効力のいかなる差も償うためにも調節される。異なるカンナビノイドの相対活性は、文献に記載されている。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、Razdan, Raj, K.、Structure−Activity Relationships in Cannabinoids。Pharmacological Reviews、38巻(2号):75〜149頁、1986年を参照。
【0104】
本発明の目的のために、用語液滴および粒子は、互換的に用いることができる。
【0105】
本発明の目的のために、用語「薬学的に許容される」は、特定の成分(例えば、薬用担体、賦形剤)が経口剤形で生物学的に、またはそれ以外に望ましくなくはないこと、すなわち、経口投与組成物または剤形中の化合物の量が、製剤にまたは患者にいかなる望ましくない影響も引き起こさないことを意味するものと定義される。
【0106】
安定性のための試験(例えば、2年安定性判定)は、本発明の剤形を、(i)2〜8℃、(ii)25℃/60%相対湿度(RH)で6〜24カ月間;(iii)30℃/60%相対湿度(RH)で6カ月間;(iv)40℃/60%相対湿度(RH)で1〜8カ月間;および(v)それらの任意の組合せからなる群から選択される保存条件の下に置くことによって実施することができる。
【0107】
本発明のカンナビノイド製剤に適用される句「許容されない程度にまで分解しない」、および用語「安定した」は、本発明の目的のために、(i)2〜8℃、(ii)25℃/60%相対湿度(RH)で6〜24カ月間;(iii)30℃/60%相対湿度(RH)で6カ月間;(iv)40℃/60%相対湿度(RH)で1〜8カ月間;および(v)それらの任意の組合せからなる群から選択される保存条件への製剤の曝露の後、製剤が、カンナビノイドの少なくとも約80w/w%、好ましくは少なくとも約90w/w%を非分解形態で含有することを意味するものとする。好ましい実施形態では、句「許容されない程度にまで分解しない」は、剤形に含まれる薬学的に許容されるカンナビノイド有効成分(例えば、ドロナビノール)が、剤形の所望の(例えば、表示される)有効期間(例えば、剤形の製造日から最低2年)の間、その最初の(組み込まれる)量の好ましくは90〜110%に維持されることを意味する。
【0108】
本発明の目的のために、薬学的に許容される担体中のカンナビノイドの存在を記載するために用いられる用語「分散させた」は、カンナビノイドと、カンナビノイドがその中で完全もしくは部分的に溶解されるか、またはカンナビノイドがその中で部分的もしくは完全に固体粒子状形態である、薬学的に許容される担体との混合物を包含するものとする。
【0109】
本発明の目的のために、用語「許容されない分解」は、剤形が本明細書で示す許容範囲外のレベルの剤形中のカンナビノイドを有するようにさせる程度の、および/または、製剤が本明細書で規定する量を超えるレベルのカンナビノイド分解物を含むようにさせる程度の、および/または、製剤がその表示有効期間を満たさないようにさせる程度の、剤形中のカンナビノイドの分解を意味する。ある好ましい実施形態では、本発明のカンナビノイド製剤は、2年失効日付のためのFDAガイダンスに従って、安定とみなされる。他のある好ましい実施形態では、本発明のカンナビノイド製剤は、3年失効日付のためのFDAガイダンスに従って、安定とみなされる。
【0110】
本発明の目的のために、用語「Cmax」は、最大血漿中濃度を意味する。用語「Tmax」は最高濃度に到達するまでの時間を意味し、「AUC」は曲線下面積を意味する。
【0111】
本発明の目的のために、薬物動態値(例えば、平均Cmax、Tmax中央値、平均AUCなど)に言及するときはいつでも、その値が米国食品医薬品局などの規制当局が決定した生物学的同等性結果を提供するであろう値(例えば、引用した値または範囲の約80%〜約125%以内)を包含するとみなされることを、理解されたい。
【0112】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、2.5mg用量に基づいて、約0.143〜約0.493ng/mlのドロナビノールの平均Cmaxを提供する。
【0113】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、5mg用量に基づいて、約0.52〜約1.56ng/mlのドロナビノールの平均Cmaxを提供する。
【0114】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、10mg用量に基づいて、約1.63〜約4.55ng/mlのドロナビノールの平均Cmaxを提供する。
【0115】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、2.5mg用量にすべて基づいて、約0.5〜約12時間、好ましくは約2時間のドロナビノールのTmax中央値を提供する。
【0116】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、5mg用量にすべて基づいて、約0.25〜約8時間、好ましくは約1.5時間のドロナビノールのTmax中央値を提供する。
【0117】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、10mg用量にすべて基づいて、約0.5〜約8時間、好ましくは約1.5時間のドロナビノールのTmax中央値を提供する。
【0118】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、2.5mg用量に基づいて、約0.95〜約2.81ng×時間/mlのドロナビノールの平均AUCを提供する。
【0119】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、5mg用量に基づいて、約2.05〜約6.93ng×時間/mlのドロナビノールの平均AUCを提供する。
【0120】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、10mg用量に基づいて、約6.61〜約16.59ng×時間/mlのドロナビノールの平均AUCを提供する。
【0121】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、ドロナビノールのソフトゼラチンカプセル製剤によって提供されるドロナビノールの平均AUCの6%以内である、ドロナビノールの平均AUCを提供する。
【0122】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、約0.1ng/ml〜約1.44ng/mlのドロナビノールの閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)を有し、ある好ましい実施形態では、閾値濃度は約0.12ng/ml、約0.24ng/ml、0.28ng/ml、0.56ng/mlまたは約1.2ng/mlである。
【0123】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、約0.1ng/ml〜約0.6ng/mlのドロナビノールの閾値濃度を有し、約4時間〜約6時間の治療効果を生じる。
【0124】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、約0.28ng/mlのドロナビノールの閾値濃度を有し、ドロナビノールの5mgの投与量の後、約4時間の治療効果を生じる。
【0125】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、約0.12ng/mlのドロナビノールの閾値濃度を有し、ドロナビノールの5mgの投与量の後、約4時間の治療効果を生じる。
【0126】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、約0.56ng/mlのドロナビノールの閾値濃度を有し、ドロナビノールの10mgの投与量の後、約6時間の治療効果を生じる。
【0127】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、約0.56ng/mlのドロナビノールの閾値濃度を有し、ドロナビノールの10mgの投与量の後、約4時間の治療効果を生じる。
【0128】
ある実施形態では、本発明の経口液体製剤は、約0.24ng/mlのドロナビノールの閾値濃度を有し、ドロナビノールの10mgの投与量の後、約6時間の治療効果を生じる。
【0129】
上記の目的に従って、本発明は、ドロナビノールの有効量および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む経口液体医薬製剤であって、ヒト対象集団に投与される2.5mg用量のドロナビノールに基づいて、約0.143〜約0.493ng/mlのドロナビノールの平均Cmaxを提供する製剤をさらに目的とする。他のある実施形態では、本発明は、ヒト対象集団に投与される5mg用量のドロナビノールに基づいて、約0.52〜約1.56ng/mlのドロナビノールの平均Cmaxを提供する製剤を目的とする。さらなる他の実施形態では、本発明は、ヒト対象集団に投与される10mg用量のドロナビノールに基づいて、約1.63〜約4.55ng/mlのドロナビノールの平均Cmaxを提供する製剤を目的とする。
【0130】
上記の目的に従って、本発明は、約0.5〜約12時間のTmax、ヒト対象集団に投与される場合の約2時間のTmax中央値、およびそれらの組合せから選択される、ドロナビノールの2.5mg用量に基づく薬物動態パラメータを提供する医薬製剤をさらに目的とする。他のある実施形態では、本製剤は、約0.25〜約8時間のTmax、ヒト対象集団に投与される場合の約1.5時間のTmax中央値、およびそれらの組合せから選択される、ドロナビノールの5mg用量に基づく薬物動態パラメータを提供する。さらなる他の実施形態では、本製剤は、約0.5〜約8時間のTmax、ヒト対象集団に投与される場合の約1.5時間のTmax中央値、およびそれらの組合せから選択される、ドロナビノールの10mg用量に基づく薬物動態パラメータを提供する。
【0131】
上の目的のいずれかに従い、本発明は、ヒト対象集団に投与される2.5mg用量のドロナビノールに基づいて、約0.95〜約2.81ng×時間/mlのドロナビノールの平均AUCを提供する医薬製剤も目的とする。他のある実施形態では、本製剤は、ヒト対象集団に投与される5mg用量のドロナビノールに基づいて、約2.05〜約6.93ng×時間/mlのドロナビノールの平均AUCを提供する。他のある実施形態では、本医薬製剤は、ヒト対象集団に投与される10mg用量のドロナビノールに基づいて、約6.61〜約16.59ng×時間/mlのドロナビノールの平均AUCを提供する。さらなる好ましい実施形態では、本医薬製剤は、ヒト対象集団に投与される場合、ドロナビノールのソフトゼラチンカプセル製剤によって提供されるドロナビノールの平均AUCの約6%以内である、ドロナビノールの平均AUCを提供する。
【0132】
上記の目的のいずれかに従って、本発明は、ヒト対象集団に投与される場合、(i)約0.1ng/ml〜約1.44ng/ml、(ii)約0.12ng/ml、(iii)約0.24ng/ml、(iv)約0.28ng/ml、(v)約0.56ng/ml、および(vi)約1.2ng/mlからなる群から選択されるドロナビノールの平均閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)を有する医薬製剤も目的とする。他のある実施形態では、製剤は、約0.1ng/ml〜約0.6ng/mlのドロナビノールの平均閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)を有し、ヒト対象集団に投与される場合、約4時間〜約6時間、または約4〜約10時間の治療効果を生じる。さらなる他の実施形態では、製剤は約0.28ng/mlのドロナビノールの平均閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)を有し、ヒト対象集団に投与される場合、ドロナビノールの5mgの投与量の後に約4時間の治療効果を生じる。他の好ましい実施形態では、製剤は約0.12ng/mlのドロナビノールの平均閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)を有し、ヒト対象集団に投与される場合、ドロナビノールの5mgの投与量の後に約4時間の治療効果を生じる。さらなる他の好ましい実施形態では、医薬製剤は約0.56ng/mlのドロナビノールの平均閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)を有し、ヒト対象集団に投与される場合、ドロナビノールの10mgの投与量の後に約6時間の治療効果を生じる。
【0133】
上記の目的に従って、本発明のさらなる目的は、約0.56ng/mlのドロナビノールの平均閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)を有し、ヒト対象集団に投与される場合、ドロナビノールの10mgの投与量の後に約4時間の治療効果を生じる医薬製剤を提供することである。他の実施形態では、ドロナビノールの平均閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)は約0.24ng/mlであり、ヒト対象集団に投与される場合、ドロナビノールの10mgの投与量の後に約6時間の治療効果を生じる。
【0134】
上記の目的に従って、本発明は、水性リン酸緩衝液、無水アルコール、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールを含む医薬製剤も目的とする。
【0135】
上記の目的に従って、本発明は、癌化学療法に関連する悪心および嘔吐を治療する方法であって、それを必要とする患者に、ドロナビノールの有効量および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む経口ドロナビノールシロップ製剤を投与することを含む方法も目的とし、製剤は、ヒトに経口投与される場合、約1.5〜約2時間のTmax中央値を提供する。ある好ましい実施形態では、本方法は、ヒト対象集団に投与される場合、2.5mgのドロナビノール用量に基づいて、約0.318ng/ml±0.175、5mgのドロナビノール用量に基づいて、約1.04ng/ml±0.52、10mgのドロナビノール用量に基づいて、3.09ng/ml±1.46、およびそれらの組合せからなる群から選択される平均Cmaxを提供する製剤を含む。
【0136】
上記の目的のいずれかに従って、本発明は、ドロナビノールの有効量および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む経口ドロナビノールシロップ製剤の製造方法であって、ドロナビノール、リン酸緩衝液および無水アルコールを混ぜることを含む方法をさらに目的とし、そこで、用量がヒトに経口投与される場合、製剤は約1.5〜約2時間のTmax中央値を提供し、前記リン酸緩衝液はpHが約7である。
【0137】
上記の目的のいずれかに従って、本発明のさらなる目的は、硬質ゼラチンカプセル製剤と比較して治療効果のより速い開始を有する製剤を提供することである。さらなる他の実施形態では、本発明は、硬質ゼラチンカプセル製剤と比較してより長い治療効果を提供する。さらなる他の実施形態では、本製剤は、硬質ゼラチンドロナビノールカプセル製剤と比較してより低いCmaxを提供する。さらなる実施形態では、本発明は、硬質ゼラチンドロナビノールカプセル製剤と比較して改善された有害作用プロフィールを示す製剤を提供する。
【0138】
上記の目的のいずれかに従って、本発明は、硬質ゼラチンドロナビノールカプセル製剤と比較して、より一貫した吸収、より便利な投薬融通性および/または改善された用量融通性を提供する製剤も目的とする。
【0139】
上記の目的のいずれかに従って、本発明は、室温で物理的に安定である製剤をさらに目的とする。さらなる他の実施形態では、製剤は、室温で化学的に安定である。
【0140】
上記の目的のいずれかに従って、本発明は、30%を超える水性リン酸緩衝液を含む製剤を、さらに目的とする。他のより好ましい実施形態では、製剤は約37%の水性リン酸緩衝液を含む。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】フランツ(Franz)細胞を用いて試験した実施例20〜26の舌下製剤からの、経時的に浸透したドロナビノールの量(μg)を示すグラフである。
【図2】実施例35のゴマ油中にドロナビノール10mgを含む軟ゼラチンカプセル剤を投与後の、ドロナビノールおよび11−ヒドロキシ−ドロナビノールの平均濃度プロフィールを示すグラフである。
【図3】図3Aは、実施例35のゴマ油中ドロナビノール10mgの軟カプセル剤、および実施例36のゴマ油中ドロナビノール10mgの硬カプセル剤を投与後の、ドロナビノール平均濃度を示すグラフである。図3Bは、実施例35のゴマ油中ドロナビノール10mgの軟カプセル剤、および実施例36のゴマ油中ドロナビノール10mgの硬カプセル剤を投与後の、11−OH−ドロナビノール平均濃度を示すグラフである。
【図4】実施例38の閾値濃度と効果の持続時間の間の関係を示すグラフである。
【図5】実施例38の、「効果に対する閾値」が0.56ng/mLである場合の「効果の持続時間」の度数分布を示すグラフである。
【図6】実施例40のドロナビノール平均濃度を示すグラフである。
【図7】実施例40の11−ヒドロキシ−ドロナビノール平均濃度を示すグラフである。
【図8】実施例41の閾値濃度と効果の持続時間の間の関係を示すグラフである。
【図9】実施例41の、「効果に対する閾値」が0.56ng/mLである場合の「効果の持続時間」の度数分布を示すグラフである。
【図10】実施例41の、「効果に対する閾値」が0.24ng/mLである場合の「効果の持続時間」の度数分布を示すグラフである。
【図11】実施例43のドロナビノール平均濃度を示すグラフである。
【図12】実施例43の最初の2時間のTHC平均濃度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0142】
カンナビノイドなどの水分の存在下で不安定である親油性化合物は、分解および難溶性のために、安定した水性製剤に製剤化するのが困難であることが判明している。液体ドロナビノール製剤の含水量が増加し、エタノールなどの有機溶媒の量が減少すると、薬剤は容易に溶液から脱落し、したがって不安定性を誘導すると報告されている(Dedhiyaら、2004年)。
【0143】
肺投与などの吸入のために設計される、有機溶媒含有量が高いカンナビノイド製剤は、有機溶媒が投与後に速やかに蒸発し、呼吸器官の内膜の上にカンナビノイドを沈着させるので、望ましくないと考えられてもいる。これは、呼吸器内膜の炎症につながることがある。
【0144】
先行技術のドロナビノール製剤の不安定性は、本発明によって克服され、それは、ある実施形態において以下のことを実行する。(i)水性成分を有するにもかかわらず安定である製剤を提供する、方法および製剤を提供する;(ii)吸入後にドロナビノール製剤が上気道内膜の上に沈着する可能性をかなり減少させる;(iii)例えば、製剤が少なくとも2年の有効期間を有するように、製剤中のドロナビノールまたはカンナビノイドの分解および物理的不安定性をかなり防止するか遅くするために有効な量の抗酸化剤を含む、方法および製剤を提供する;(iv)例えば、製剤が少なくとも2年の有効期間を有するように、製剤中のドロナビノールまたはカンナビノイドを分解または物理的不安定性に対して安定させるために有効な量の有機塩基(例えば、アミン)を含む、方法および製剤を提供する;(v)肺、経口、舌下、経皮、静脈内または眼への投与に適する方法および製剤を提供する、または上の(i)〜(v)の任意の組合せ。
【0145】
カンナビノイド
この明細書のあるセクションはドロナビノールに特定の焦点をあてるが、当業者は、本発明が薬学的に許容されるものの類に適用可能であることを理解するであろう。本発明の目的のために、用語「カンナビノイド」は、天然のカンナビノイドの誘導体化から得られ、天然のカンナビノイドのように不安定である、天然および非天然のカンナビノイド誘導体を含む。言い換えると、本発明の製剤で用いられるカンナビノイドは、天然、半合成または合成であってよい。カンナビノイドは、その遊離型で、または、塩;エステルの酸付加塩;アミド;鏡像異性体;異性体;互変異性体;プロドラッグ;本発明の活性剤の誘導体;純粋な形態およびラセミ混合物を含む混合物の形態の異なる異性体型(例えば、鏡像異性体およびジアステレオマー);エノール型の形で含まれてもよい。また、用語「カンナビノイド」は、11−ヒドロキシ−デルタ−8−テトラヒドロカンナビノールおよび11−ヒドロキシ−デルタ−9−テトラヒドロカンナビノールなどの、置換、例えば、1つの原子、分子または基の別のものによる置換によって、類似した構造の別の化合物から生成される誘導体を包含するものとする。本発明で用いられる用語「カンナビノイド」は、デルタ−8−テトラヒドロカンナビノール、デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール、カンナビジオール、オリベトール、カンナビノール、カンナビゲロール、ナビロン、デルタ−9−テトラヒドロカンナビノチック酸、非向精神性のカンナビノイド3−ジメチルネプチ11カルボン酸ホモログイン8をさらに含む。(J. Med. Chem.35巻、3135頁、1992)。用語カンナビノイドは、カンナビノイドのプロドラッグ、ならびにカンナビノイドの薬学的に許容される塩および複合体も含む。適するプロドラッグの例は、THC−ヘミコハク酸である。
【0146】
さらに、用語「カンナビノイド」は、精製もしくは修飾された天然カンナビノイド、および合成的に誘導されたカンナビノイドを包含するものとし、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2005/0266108号は、植物材料から得られるカンナビノイドを精製する方法を記載する。また、用語カンナビノイドは、レボナントラドール、(−)−HU−210、Win 55212−2、アナンダミド、メタンダミド、CP 55940、O−1057、SR141716A、その他を含む、米国特許第6,713,048号に記載の化合物を含むものとする。この特許の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0147】
本発明のある好ましい実施形態では、有効成分(カンナビノイド)は、ドロナビノールとしても知られる(また、本明細書で呼ばれる)デルタ−9−テトラヒドロカンナビノールを含むか、基本的にそれからなる。ドロナビノールは天然に生成し、Cannabis saliva L.(マリファナ)から抽出されている。米国特許第3,668,224号に記載のように、それは化学的に生成されてもいる。ドロナビノールは室温で粘着性の淡黄色樹脂性の油であるが、冷蔵により硬化する。より高い温度で加熱すると、それは流動性の液体に変わる。ドロナビノールは、水に不溶である。それは、10.6のpKa、およびpH7でオクタノール−水分配係数:6,000:1を有する。ドロナビノールは、天然形態(植物から抽出される)および合成形態で入手可能である。他方、合成ドロナビノールを利用することができ、出発物質、オリベトールおよびp−2,8−メンタジエン−2−オル(PMD)を用いて合成することができる。
【0148】
さらに、用語「ドロナビノール」は、天然のドロナビノール、代謝産物、合成的に誘導されたドロナビノール、および天然源から得られる分子から出発する合成的に修飾されたドロナビノールを包含するものとし、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2005/0171361号は、植物材料からクロマトグラフィーによってデルタ−9−THC酸を抽出し、次に、それを合成的にドロナビノールに変換する方法を記載する。
【0149】
本発明で有用な薬学的に許容されるカンナビノイドの調製は、当分野の技術者に公知である任意の方法によって達成することができる。一般に、天然の材料(例えば、大麻)からのTHCおよび他のカンナビノイド構成成分の単離において、植物のアルコールもしくは石油エーテルもしくはベンゼンもしくはヘキサン抽出物は、中性および酸性画分に分離され、それらは次に反復カラムクロマトグラフィーおよび/または向流分配によってさらに精製される。カラムクロマトグラフィーでは、様々な吸着剤、特にシリカゲル、ケイ酸、ケイ酸−硝酸銀、フロリジル、酸洗浄アルミナおよび酸洗浄アルミナ−硝酸銀が用いられている。米国特許第6,365,416号および第6,730,519号は、大麻植物材料を無極性有機溶媒で抽出して、THCを含有する抽出物を提供し、抽出物を減圧分取蒸留にかけて、高いTHC含有量を有する蒸留分画(留出物)を提供する改善策を記載する。本方法は、分取蒸留の前に、植物材料からの抽出物をカラムクロマトグラフィーにかけることをさらに含む。本方法のさらなる態様は、分取蒸留からの留出物をカラムクロマトグラフィーにかけることを含む。さらに、本方法は、植物材料からの抽出物の精製で、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いる。本発明で有用なカンナビノイドを得るための別の製造方法には、米国特許第6,730,519号および第6,365,416号(両方ともElsohlyらが所有)に記載の方法が含まれ、両方とも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。その中で、デルタ−9−THC酸およびTHCが別々に得られる、大麻植物材料からのデルタ−9−テトラヒドロカンニビノール(tetrahydrocannibinol)(THC)の単離のための方法であって、大麻植物材料を抽出する工程、抽出物の非酸性成分の酸洗浄に富む大麻抽出物からのアルミナ固体支持体上のデルタ−9−THC酸を有機溶媒でキレート化する工程、および強い極性の溶媒でデルタ−9−THC酸を溶出する工程を含む方法が記載される。
【0150】
本発明のある好ましい実施形態では、製剤で用いられるカンナビノイドは、エステル化される。THCのエステル型は、米国特許第4,933,368号および米国特許第5,389,375号に記載されている。他の有用な極性エステルは、マロン酸のヘミ−エステルおよびアラニンのアラニナトエステルである。例えば、米国特許第5,508,051号および第5,389,375号において、エステルの末端カルボン酸基の塩、例えばN−メチルグルタミン塩、ならびにナトリウムおよびカリウム塩も有用であると報告されている。米国特許第4,933,368号;第5,508,037号;および第5,389,375号の記載は、参照により本明細書に組み込まれる。これらのエステル化合物は血流中で加水分解されてTHCを放出し、患者の状態および異常に関係なく高い程度のTHCの生物学的利用率を提供する。
【0151】
経口THCは、胃腸管からの不規則な吸収があることが知られ、初回通過効果の影響を受け、高レベルの11−OH−デルタ−9−THCの生成を伴う重い代謝が起こる。この11−ヒドロキシ代謝産物は、デルタ−9−THCよりも強力なアゴニストであると報告されている。この問題を回避するために、その両方は参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,508,037号および第5,389,375号に記載のように、プロドラッグTHCヘミコハク酸(THC−HS)が坐剤基剤で製剤化されている。予備臨床研究は、この製剤の有望性を示す(Mattes, R. D.、Shaw, L. M.、Edling−Owens, J.、Engleman, K.およびElSohly, M. A.、Bypassing the first−pass effect for the therapeutic use of cannabinoids、Pharm., Biochem., Behav.、44巻(3号):745〜747頁、1991年、Mattes, R. D.、Engelman, K.、Shaw, L. M.およびElSohly, M. A.、Bypassing the first−pass effect for the therapeutic use of cannabinoids、Pharmacol., Biochem., Behav.、49巻(1号):187〜195頁、1994年、Brenneisen, R.、Egli, A.、ElSohly, M. A.、Henn, V.およびSpeiss, Y.、The effect of orally and rectally administered delta−9−tetrahydrocannabinol on spasticity:A pilot study with 2 patients、Inter. J. Clin. Pharmacol. and Therapeutics、34巻(10号):446〜452頁、1996年;これらのすべては、参照により本明細書に組み込まれる。
【0152】
任意の手段によって得られるTHCは、単独の4−アミノ置換ピリジン、または有機アミンとの混合物の存在下での、THCと、有機酸、有機酸ハロゲン化物または好ましくは有機酸無水物との反応によって、または、当分野の技術者に公知である他の任意の方法でエステル化することができる。参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,008,383号(Elsohlyら)は、経済的および効率的であると言われる、ドロナビノールを様々なエステル類似体に変換する方法を記載する。そこにおいて、ドロナビノールは、単独の4−アミノピリジン、または有機アミン、例えばモノアルキル、ジアルキルもしくはトリアルキルアミンとの混合物の存在下で、カルボン酸、酸ハロゲン化物または酸無水物との反応によってエステル化される。
【0153】
ある好ましい実施形態では、カンナビノイドはドロナビノールヘミコハク酸エステル(THC−HS)を含む。
【0154】
製剤
一般にカンナビノイドは、および特にドロナビノールは、水に不溶である。したがって、本発明の製剤は、好ましくはカンナビノイドのために1つまたは複数の薬学的に許容される共溶媒を含む。有機共溶媒は、カンナビノイドを有機共溶媒で実質的に可溶化するために有効な量で存在する。したがって、製剤中の有機溶媒の量は、カンナビノイドの濃度に基づいて異なる。有機共溶媒の量は、特定のカンナビノイド分子の分配係数に基づいても異なる。
【0155】
共溶媒
ある実施形態では、共溶媒は、所望の製剤の意図する投与経路に基づいて薬学的に許容される、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、およびそれらの組合せなどの有機溶媒である。本発明の目的のために、用語エタノールは、用語「無水アルコール」と互換的に用いられる。特定の製剤中のエタノールの量は、意図する製剤の送達経路およびカンナビノイドの溶解性に基づいて異なる。本発明の製剤中のエタノールの量は、重量で約15〜約90%、約15〜約65%、および約15〜約50%の範囲であってよい。
【0156】
ある好ましい実施形態では、カンナビノイドのための共溶媒の一部としてポリエチレングリコールが用いられ、より好ましくは低い分子量のポリエチレングリコールが用いられ、最も好ましくはポリエチレングリコール400が用いられる。
【0157】
ある実施形態では、ポリエチレングリコールは水性ドロナビノール製剤の約1重量%〜約40重量%;水性ドロナビノール製剤の約1重量%〜約30重量%;水性ドロナビノール製剤の約1重量%〜約25重量%;より好ましくは、水性ドロナビノール製剤の約5重量%〜約30重量%;最も好ましくは、水性ドロナビノール製剤の約5重量%〜約25重量%を構成する。
【0158】
ある実施形態では、製剤は、製剤の約0.1重量%〜約30重量%のプロピレングリコール;約1重量%〜約30重量%のプロピレングリコール;約0.1重量%〜約30重量%のプロピレングリコール;約1重量%〜約25重量%のプロピレングリコール;より好ましくは約5%〜約10%を含有する。
【0159】
可溶化剤
本発明のある実施形態では、さらなる可溶化剤が製剤に含まれる。例示的な可溶化剤には、Capryol 90;Cremophor RH40;Labrafil M 1944 CS;Labrafil M 2125 CS;Lauroglycol 90;PEG MW>4000;Plurol Oleique CC 497;ポロキサマー124;ポロキサマー188;Softigen 701;Softigen 767;Tagat TO;Tween 80;トリアセチン;クエン酸トリエチル;クエン酸トリブチル;アセチルクエン酸トリエチル;アセチルクエン酸トリブチル;オレイン酸エチル;カプリル酸エチル;酪酸エチル;トリアセチン;2−ピロリドン;2−ピペリドン;N−メチルピロリドン;N−エチルピロリドン;N−ヒドロキシエチルピロリドン;N−オクチルピロリドン;N−ラウリルピロリドン;ジメチルアセトアミド;Miglyol、ラノリン、ペトロラタム、鉱油およびそれらの混合物が含まれる。本発明の製剤は、不活性成分の約0.1重量%〜約100重量%;約5〜約75重量%;または約25〜約50重量%の可溶化剤を含むことができる。
【0160】
防腐剤、抗酸化剤、界面活性剤、吸収促進剤、粘度調整剤、膜形成性ポリマー、増量剤、希釈剤、着色剤、矯味矯臭剤、pH調整剤、甘味料または味覚マスキング剤などの他の成分を、本発明の一部として記載される組成物のいずれかに組み込むこともできる。所望の有効期間を有する安定製品(剤形)を得るために、用いることができるこれらの成分の各々の量は、各製剤のために最適化される。一般的に言って、これらの成分が含まれる実施形態では、適する製剤は、約0.001%〜約20w/w%の薬学的に許容される防腐剤、抗酸化剤、界面活性剤、吸収促進剤、粘度調整剤、膜形成性ポリマー、増量剤、希釈剤、着色剤、矯味矯臭剤、pH調整剤、甘味料または味覚マスキング剤を含むことができる。
【0161】
安定剤
ある好ましい実施形態では、カンナビノイドが許容されない程度まで分解しないように、製剤は、その中に含まれるカンナビノイドを安定させるために有効な量の1つまたは複数の薬学的に許容される抗酸化剤の量を含み、製剤は、2年失効日付のためのICHガイダンスに従って、(i)25℃/60%相対湿度(RH)で12カ月間;(ii)30℃/60%相対湿度(RH)で6カ月間;(iii)40℃/60%相対湿度(RH)で6カ月間;および(iv)それらの任意の組合せから選択される保存条件の下に置かれるとき安定とみなされる。
【0162】
本発明のさらなる実施形態では、1つまたは複数の薬学的に許容される抗酸化剤の有効な(安定する)量を、製剤に加える。本明細書で、用語「抗酸化剤」は、本発明の剤形に含まれるカンナビノイド化合物よりも容易に酸化される任意の化合物を記載するために用いられる。本発明のカンナビノイド製剤を安定させるために、それらに限定されないが、ブチルヒドロキシルアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシルトルエン(BHT)、没食子酸プロピル、レシチン、ビタミンEトコフェロール、セサミン、セサモール、セサモリン、αトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、フマル酸、リンゴ酸酸、アスコルビン酸ナトリウムおよびメタ重亜硫酸ナトリウムなどの抗酸化剤を含む既知の抗酸化剤のいずれかを用いることができるだけでなく、EDTA二ナトリウムなどのキレート化剤を用いることもできる。本明細書で記載される実験は、BHA、BHTおよびアスコルビン酸ナトリウムのような抗酸化剤が、ドロナビノールの分解を防止することを示している。
【0163】
調製物は、酸化分解を防止するために、抗酸化共力剤を含むこともできる。既知の抗酸化共力剤のいずれか、例えばエデト酸二ナトリウムの有効量を用いることもできる。
【0164】
所望の有効期間を有する安定製品(剤形)を得るために、用いることができる抗酸化剤の量は、各製剤のために最適化される。一般的に言って、抗酸化剤が含まれる実施形態では、適する製剤は、約0.001%〜約20w/w%の薬学的に許容される抗酸化剤(複数可)を含むことができる。例えば、ある好ましい実施形態では、カンナビノイド剤形に含まれるレシチンの量は、約0.1〜約10w/w%の範囲であり、ある実施形態では、より好ましくは約0.3%〜約8.25w/w%の範囲である。他の好ましい実施形態では、L−アスコルビン酸−6−パルミチン酸の量は、約0.001〜約1w/w%、ある実施形態では、より好ましくは約0.01%〜約0.1w/w%の範囲である。好ましくは、抗酸化剤は、許容されないレベル(例えば、本明細書の上に指定したもの)の剤形中の分解物、例えば上で記載のもの、すなわち、デルタ−8テトラヒドロカンナビノール(D8THC)、カンナビノール(CBN)またはカンナビジオール(CBD)の形成を防止する。
【0165】
塩基
本発明のさらなる実施形態では、望ましくないレベルの分解に対してカンナビノイドを安定させるために、1つまたは複数の薬学的に許容される有機または無機の塩基の有効量をカンナビノイド製剤に加える。ある好ましい実施形態では、カンナビノイドが許容されない程度まで分解しないように、製剤は、その中に含まれるカンナビノイドを安定させるために有効な量の1つまたは複数の薬学的に許容される有機塩基または無機塩基の量を含み、製剤は、2年失効日付のためのICHガイダンスに従って、(i)25℃/60%相対湿度(RH)で12カ月間;(ii)30℃/60%相対湿度(RH)で6カ月間;(iii)40℃/60%相対湿度(RH)で6カ月間;および(iv)それらの任意の組合せから選択される保存条件の下に置かれるとき、安定とみなされる。
【0166】
本発明のカンナビノイド製剤で効果的に用いることができる好適有機塩基の例には、GRAS成分(一般に安全とみなされる)である任意の薬学的に許容される一次、二次および三次有機アミン、例えばメタノールアミン、エタノールアミン、メグルミン、他のアルキルアミン(例えばジ−アルキルアミンおよびトリ−アルキルアミン)ならびにそれらの任意の組合せが含まれるが、これらに限定されない。有機塩基が含まれる本発明の実施形態では、適する製剤は、約0.001%〜約20w/w%を含むことができる。
【0167】
ある好ましい実施形態では、製剤中の有機塩基(複数可)の量は、約0.001w/w%〜約5w/w%、より好ましくは約0.007w/w%〜約2w/w%である。
【0168】
他の好ましい実施形態では、製剤は、1つまたは複数の抗酸化剤および1つまたは複数の塩基の両方の、安定させる量を含む。
【0169】
ある他の実施形態では、本発明に従う製剤は、無機塩基、例えばNaOHまたはMgOHで安定される。一般的に、これらの成分が含まれる実施形態では、適する製剤は、約0.001%〜約20w/w%の薬学的に許容される無機塩基を含むことができる。
【0170】
緩衝液
さらに、製剤は、生理的に許容される成分、例えば塩化ナトリウムおよび意図する投与経路、例えば、眼または静脈内に基づき、一般的な体液と等張性を達成するために従来用いられる類似の物質をさらに含むことができる。意図する投与経路のために生理的に適合するpH範囲を維持するために、ならびに存在する活性剤などの溶解性および安定性を高めるためにpHを緩衝する剤も、本発明のある実施形態に含まれてもよい。
【0171】
適する緩衝剤には、酢酸、重炭酸、クエン酸、リン酸、それらの薬学的に許容される塩、およびそれらの組合せまたは混合物が含まれるが、これらに限定されない。本発明の製剤で1つまたは複数の緩衝剤を利用する場合、それらは、例えば薬学的に許容される媒体と組み合わせることができ、また、最終製剤中に、例えば約0.1%〜約20%、より好ましくは約0.5%〜約10%の範囲の量で存在することができる。本発明のある実施形態では、ゲル製剤に含まれる緩衝剤の量は、好ましくは、疼痛を引き起こす体の生来の緩衝系をゲル製剤のpHが妨害しない量である。したがって、約5mM〜約200mMの濃度の緩衝剤が、製剤中に存在することができる。ある好ましい実施形態では、約20mM〜約100mMの濃度の緩衝剤が存在する。緩衝剤の濃度は、製剤のpHが約5〜約10、好ましくは約6〜約8、より好ましくは約6.5〜約7.5、最も好ましくは約7となるものである。
【0172】
他のある実施形態では、製剤は等張性でよい。等張性の製剤は、張性剤の添加によって提供することができる。適する張性剤には、それらに限定されないが、任意の薬学的に許容される糖、塩またはそれらの任意の組合せもしくは混合物、例えばデキストロースおよび塩化ナトリウムが含まれるが、これらに限定されない。張性剤は、約100mOsm/kg〜約500mOsm/kgの量で存在することができる。ある好ましい実施形態では、張性剤は、約200mOsm/kg〜約400mOsm/kg、より好ましくは約280mOsm/kg〜約320mOsm/kgの量で存在する。
【0173】
粘度調整剤
さらなる実施形態では、本発明は、例えば、セルロースまたはセルロース誘導体、例えばエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、メチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、Aerosil、セトステアリルアルコール、Gelucire33/01、39/01および43/01、ベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、Softisan100、142、378および649、ステアリルアルコールカルボマー、キサンタンガム、マルトデキストリン、アラビアゴム、トラガカントゴム、ポビドンおよびポリビニルアルコールを含む粘度調整剤をさらに含む製剤を目的とする。
【0174】
吸収促進剤
本発明のある実施形態に従って用いられる吸収促進剤には、例えば、Gelucire44/14;Gelucire50/13;Tagat TO;Tween80;ミリスチン酸イソプロピル、ポリソルベート、ソルビタンエステル、ポロキサマーブロック共重合体、PEG−35ヒマシ油、PEG−40硬化ヒマシ油、カプリロカプロイルマクロゴル−8グリセリド、PEG−8カプリル酸/カプリン酸グリセリド、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホサクシネート、ポリエチレンラウリルエーテル、エトキシジグリコール、プロピレングリコールモノ−ジ−カプリレート、グリセロールモノカプリレート、エトキシル化グリセリル脂肪酸(C8〜C18)、オレイン酸、リノール酸、グリセリルカプリレート/カプレート、グリセリルモノオレエート、グリセリルモノラウレート、カプリン酸/カプリン酸トリグリセリド、エトキシル化ノニルフェノール、PEG−(8−50)ステアリン酸、オリーブ油PEG−6エステル、トリオレインPEG−6エステル、レシチン、d−αトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート、ポリカーボネート、グリココール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、シクロデキストリン、クエン酸、クエン酸ナトリウム、トリアセチン、それらの組合せなどが含まれる。ある好ましい実施形態では、吸収促進剤は、トリアセチンである。吸収促進剤が製剤に含まれる、ある好ましい実施形態では、吸収促進剤は、製剤の約0.001重量%〜約10重量%の量、好ましくは、製剤の約0.01重量%〜約5重量%の量で含まれる。
【0175】
増量剤
本発明のある実施形態に従って、例えば、微結晶性セルロース、マンニトール、キシリトール、デンプンなどを含む増量剤を用いることもできる。ある好ましい実施形態では、増量剤はマンニトールである。増量剤が製剤に含まれるある好ましい実施形態では、増量剤は、製剤の約0.001重量%〜約10重量%の量、好ましくは、製剤の約0.01重量%〜約5重量%の量で含まれる。
【0176】
膜形成ポリマー
本発明の他のある実施形態では、例えば、組成物の粘性を増加させることによって、噴霧の細度、噴霧角度、および好ましくは広がりを低減させるのに、膜形成ポリマーを用いることができる。膜形成ポリマーとして、ゲランゴム、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、Gelucire、ポロキサマー、アルギン酸、プロピレングリコールエステル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、PVP/PVA共重合体、Lubrajel、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸ポリマーおよび共重合体、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、それらの組合せなどを用いることができる。ある実施形態では、膜形成ポリマーなどを用いることによる溶液の粘度の増加は、噴霧装置から投与する場合、液滴サイズの増加をもたらす。ポリマーの化学特性およびポリマーの分子量は、液滴の直径に影響を及ぼすこともできる。
【0177】
ゲル化剤
本発明の製剤は、カルボマー、例えばCarbopol、修飾されたセルロース誘導体、天然、合成もしくは半合成のゴム、例えば、キサンタンガム、アラビアゴムおよびトラガカントゴム、修飾されたデンプン、共重合体、例えば、無水マレイン酸とメチルビニルエーテルとの間で形成されるもの、コロイドシリカ、および商品名Eudragit(商標)の下で販売されるメタクリレート誘導体、またはそれらの混合物を含む、適するゲル化剤または懸濁剤を含むこともできる。
【0178】
さらなる実施形態では、必要であるならば、本発明の製剤に適合する追加の賦形剤、例えば既知の界面活性剤、例えば、(Capryol90;Cremophor RH40;Gelucire 44/14;Gelucire 50/13;Imwitor 91;Imwitor 308;Imwitor 380;Imwitor 742;Imwitor 780K;Imwitor 928;Imwitor 988;Labrafil M 1944 CS;Labrafil M 2125 CS;Lauroglycol 90;Tagat TO;Tween 80;およびそれらの混合物);乳化剤(例えば、Gelucire 44/14;Gelucire 50/13;Imwitor91;Imwitor 308;Imwitor 380;Imwitor 742;Imwitor 780K;Imwitor 928;Imwitor 988;ポロキサマー124;ポロキサマー188;Tagat TO;Tween 80;レシチン;リゾレシチン;ホスファチジルコリン;ホスファチジルエタノールアミン;ホスファチジルグリセロール;ホスファチジン酸;ホスファチジルセリン;リゾホスファチジルコリン;リゾホスファチジルエタノールアミン;リゾホスファチジルグリセロール;リゾホスファチジン酸;リゾホスファチジルセリン;PEG−ホスファチジルエタノールアミン;PVP−ホスファチジルエタノールアミン;ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物);ならびに を液体薬剤製剤に組み込むことができる。
【0179】
医薬組成物で従来用いられている他の添加剤が含まれてもよく、これらの添加剤は当技術分野で公知である。そのような添加剤には、薬学的に許容される脱粘着剤、消泡剤、キレート化剤、粘度調整剤、等張剤、風味剤、着色剤、香料、乳白剤、懸濁剤、結合剤、充填剤、可塑剤、滑沢剤およびそれらの混合物が含まれる。そのような添加剤の量は、任意のそのような添加剤は、好ましくは最終製剤の安定性に負の影響を及ぼすべきではないという可能性に留意して、所望の特定の特性に従って、当分野の技術者が容易に判定することができる。
【0180】
適する着色剤には、赤色、黒色および黄色の酸化鉄、およびFD&C Blue No.2、FD&C Red No.40などのFD&C色素が含まれる。適する矯味矯臭剤には、ミント、キイチゴ、カンゾウ、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、キャラメル、バニラ、チェリーグレープ風味、それらの組合せなどが含まれる。適するpH調整剤には、クエン酸、酒石酸、リン酸、塩酸、マレイン酸、水酸化ナトリウムなどが含まれる。適する甘味料には、アスパルテーム、アセスルファムK、タウマチックなどが含まれる。適する味覚マスキング剤には、重炭酸ナトリウム、イオン交換樹脂、シクロデキストリン組入れ化合物、吸着剤などが含まれる。
【0181】
医薬用の賦形剤は複数の機能を果たすことができ、したがって、特定の応用によって異なる用途を有すると特徴付けられることが認識されている。特定の製剤との関連における賦形剤の使用は賦形剤の機能を決定することができるが、上記の任意の1つまたは複数のカテゴリーへの任意の特定の賦形剤の組入れは、その賦形剤の機能を限定するものではない。
【0182】
本発明の製剤の成分は、本明細書では容量に基づく割合で特徴付けられるが、本明細書で具体的に記載する製剤の拡大版が、代わりに重量百分率に基づいて特徴付けられてもよいことを当業者は理解するであろう。特定の成分の密度が1g/mlである場合、容量および重量に基づくその成分の量は同じとなる。密度が1g/mlからそれる場合、重量または容量に基づく量は、したがって異なる。
【0183】
追加の薬剤
ドロナビノールなどのカンナビノイドは、単独で、または他の医薬品と併用して用いることができる。例えば、エイズ消耗症候群の場合、患者はエイズウイルスと闘う薬剤もおそらく服用するであろうことを、当分野の技術者は容易に認識する。同様に、癌の化学療法を投与されている患者が他の制吐剤も投与されるであろうこと、および疼痛の軽減を望む癌患者は、非ステロイド性抗炎症剤だけでなくオピオイドも投与されるであろうことを、当分野の技術者は容易に認識する。本発明の製剤および方法は、例えば、非麻薬性鎮痛薬、例えばアセトアミノフェンもしくはアスピリン、オピオイドもしくはアヘン鎮痛薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID、例えば、非選択的シクロオキシゲナーゼ阻害薬およびCOX−2阻害剤)、制吐剤(例えば、オンダンセトロン)およびステロイド(例えば、メゲストロールアセテート、オキサンドロロン、オキシメトロン)などの1つまたは複数の追加の治療的活性剤をさらに含むことができる。本発明のある実施形態では、それらに限定されないが前述の薬剤を含む、第2の治療的活性薬剤が、経口カンナビノイド剤形に組み込まれる。さらなる他の実施形態では、第2の治療的活性薬剤は、経口カンナビノイド剤形と併用されて、患者に別々に投与される。治療剤が投与される順番は、厳密に重大ではない。「併用療法」は、他の生物学的に活性な成分、例えば、それらに限定されないが、ステロイド性もしくは非ステロイド性の抗炎症薬剤などの疼痛緩和剤、または、例えば胃運動性を改善する剤と、およびそれに限定されないが手術などの非薬物療法とさらに組み合わせた、上述の治療剤の投与を包含する。
【0184】
併用療法を構成する治療的化合物は、逐次的に投与することもでき、いずれの治療的化合物も、二段階投与を必要とする投薬計画によって投与される。したがって、投薬計画は、別々の活性剤の間隔をあけた投与による、治療的化合物の逐次投与を必要としよう。複数の投与段階の間の時間は、治療的化合物の効力、溶解性、生物学的利用率、血漿半減期および動態学的プロフィールなどの各治療的化合物の特性によって、ならびに食物摂取の影響および対象の年齢および状態によって、例えば数分から数時間、さらに数日まで変化させてもよい。標的分子濃度の日内変動も、最適な投与間隔を決定することができる。
【0185】
同時に投与されようが、実質的に同時に投与されようが、逐次的に投与されようが、併用療法の治療的化合物は、経口経路による1つの治療的化合物の投与、および経口経路、経皮経路、静脈内経路、筋肉内経路または、例えば粘膜組織を通しての直接吸収による別の治療的化合物の投与を必要とする投薬計画を含むことができる。併用療法の治療的化合物が、別々に、または一緒に、経口的に、直腸に、局所的に、口内に、舌下に、または非経口的(例えば、皮下、筋肉内、静脈内および皮内注射もしくは注入技術)に投与されるかどうかにかかわらず、そのような各治療的化合物は、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または他の製剤成分の適する医薬製剤に含まれる。
【0186】
ネブライザー製剤
肺投与は、薬剤特性がそれを経口投与にとって困難にするか、または、特定の患者の身体状態が経口投与を望ましいものにしない(例えば、嘔吐、胃腸管の障害)、薬剤の投与に適する送達経路を提供する。
【0187】
ある実施形態では、本発明の製剤は、ネブライザーによる肺送達のために設計される。ネブライザーは当分野の技術者に広く知られ、本発明は、ネブライザーの任意の特定の型式に限定されない。本明細書で開示される製剤の肺投与に好適な、適するネブライザーおよび/または送達装置、ならびにそれらの使用方法の例は、米国特許第7,036,500号;7,029,656号;7,013,894号;6,994,083号;6,962,151号;6,929,003号;6,854,662号;6,748,945号;6,732,731号;6,729,327号;6,598,602号;5,853,002号;5,549,102号;5,435,282号;5,036,840号;7,077,126号;7,059,320号;6,983,747号;6,679,251号;6,606,990号;6,514,177号;513,727号;6,513,519号;6,464,388号;6,176,237号;6,085,741号;6,000,394号;5,957,389号;5,740,966号;5,596,982号;5,461,695号;5,458,136号;5,312,046号;5,309,900号;5,280,784号;ならびに米国特許出願公開第20060102172号;20060065267号;20060054166号;20060048772号;20060011196号;20050224076号;20050056274号;20050039741号;20040250816号;20030037788号;20030037785号;20020005196号、および20010054421号、および肺内投与に適する類似のものに記載される。それらの開示は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0188】
ある好ましい実施形態では、本発明に従って用いられるネブライザーは、Pari LC STAR、LC SprintまたはLC Plusである。より好ましい実施形態では、ネブライザーは、Pari LC Sprint Starである。
【0189】
本発明の安定水性カンナビノイド製剤は、任意の適するネブライザーに組み込むことができ、肺への有効成分の送達を提供することを、当業者は容易に理解する。
【0190】
ある実施形態では、肺内投与に適する製剤は、約0.01〜約15ミクロンの範囲の平均質量空気力学的径中央値を有するエアゾール化粒子として肺に投与される。好ましくは、生成される粒子は、約1〜約10ミクロン、より好ましくは約2〜約4ミクロンの範囲の平均質量空気力学的径中央値を有する。
【0191】
経口シロップ製剤
さらなる実施形態では、本発明は、最初に安定水性ネブライザー製剤を調製し、次に、甘味料、味覚マスキング剤、矯味矯臭剤、着色剤、粘度調整剤またはそれらの組合せをさらに加えることによって、安定水性カンナビノイド製剤に製剤化される。
【0192】
カンナビノイドがドロナビノールである本発明の経口シロップ製剤に従って、ドロナビノール濃度は、約0.05mg/ml〜約100mg/ml、好ましくは約0.5mg/ml〜約10mg/ml、より好ましくは約1mg/mlである。経口シロップ製剤によって提供されるドロナビノールの用量は、好ましくは、約2.5mg〜約50mgのドロナビノールまである。
【0193】
ある実施形態では、本発明は、粘度調整剤、例えばヒドロキシプロピルセルロースまたはポリビニルピロリドン(ポビドンまたはPVP)をさらに含む。
【0194】
ある実施形態では、本発明は、甘味料としてショ糖、果糖、ソルビトール、キシリトール、サッカリン、サッカリンナトリウムまたはそれらの組合せを含む、経口投与のための安定水性カンナビノイド製剤を目的とする。
【0195】
製剤の経口投薬を可能にするために、本発明の安定水性カンナビノイド経口液体製剤を、任意の薬学的に許容される材料(例えば、ガラスもしくはプラスチック)から作製される任意の薬学的に許容される単一用量または多回用量容器に組み込むことができることを、当業者は容易に理解しよう。
【0196】
舌下製剤
口腔は、カンナビノイド投与の、簡単で無痛の方法を提供する。口腔の内部には、一般に認識されている活性剤の3つの投与経路、すなわち、局所、口内および舌下の経路がある。
【0197】
局所送達は、口内靡爛などの口腔自体の内部で起こる破壊に関する適用に、主に限定される。
【0198】
口内粘膜領域は、頬の内膜の粘膜を包含する。しかし、口内粘膜は、舌下領域よりも透過性に劣る。活性剤の口内粘膜送達に関連する主要な欠点の1つは、粘膜上皮を超える活性剤の通過が比較的低いことであり、その結果、剤の低い生物学的利用率がもたらされ、それは、各投薬量の中の利用可能な活性剤のかなりの損失につながる。
【0199】
舌下送達は、口腔底に張られている粘膜を通して達成される。高い透過性および豊富な血液供給のため、舌下経路を経る輸送は、速やかな吸収をもたらす。舌下送達は、高透過性薬剤に適当な送達経路に、短い送達期間の要件および頻繁ではない投薬計画を提供する点でも有益である。
【0200】
本発明の舌下製剤は、エイズ患者の体重減少に関連する食欲不振、および癌化学療法に関連する悪心および嘔吐の有用な管理法である。
【0201】
本発明によるドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の舌下投与は、悪心および嘔吐、疾患に起因する嚥下障害のために経口投与に耐えられない癌患者、または、静脈アクセスの低下、痩せ衰えもしくは凝固欠陥のために非経口投与に耐えられない癌患者に特に有益であろう。本発明によるドロナビノールの舌下投与は、好ましくは、さらに優れた使いやすさ、および食欲刺激または制吐作用の速やかな開始の潜在的な利点を有する。さらに、舌下静脈排液は門脈性ではなく全身性であるので、肝臓による初回通過除去を回避することができる。好ましくは、本発明は、舌下噴霧ポンプによって送達する、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の溶液のために、治療的な製剤および方法を提供する。
【0202】
ある好ましい実施形態では、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の舌下投与は、それが注射器および針を用いる注射を必要とせず、単位用量経口製剤を調製する必要性を回避するという点で、他の投与形態よりも有利である。好ましくは、本発明によるドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の舌下投与は、自己投与に適する。
【0203】
ある実施形態では、ハイドロフルオロカーボン噴射剤、例えば揮発性のクロロフルオカーボン(chlorofluocarbon)(例えば噴射剤12)、揮発性のハイドロフルオロアルカン(例えば1,1,1,2−テトラフルオロエタンおよび1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロパン)ならびに揮発性のアルカン(例えばプロパン、ブタン)などの噴射剤が、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体を患者の舌下に送達するために必要とされないという点で、本発明の製剤は有利である。
【0204】
好ましくは、本発明の製剤は、少なくとも約10ミクロン、好ましくは少なくとも約20ミクロンの平均径、より好ましくは約20〜約200ミクロンの平均径を有する液滴として送達される。最も好ましくは、製剤は、約5ミクロン〜約500ミクロン、好ましくは約10ミクロン〜約200ミクロン、好ましくは約20ミクロン〜約100ミクロン、より好ましくは約30ミクロン〜約70ミクロンのサイズ分布を有する液滴として送達される。
【0205】
好ましくは、噴霧による舌下粘膜への本発明の製剤の送達は、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の速やかな吸収をもたらす。
【0206】
ある実施形態では、本発明の製剤は、舌下投与のために設計される。
【0207】
ある実施形態では、本発明は、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の有効な量を含む別々の液滴を含む舌下ドロナビノール製剤を目的とし、前記液滴は、少なくとも約10ミクロン、好ましくは少なくとも約20ミクロンの平均径、より好ましくは約20〜約200ミクロンの平均径を有する。
【0208】
ある実施形態では、本発明は、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の別々の液滴を、薬学的に許容される液体担体中に含む舌下ドロナビノール製剤を目的とし、前記液滴は、約5ミクロン〜約500ミクロン、好ましくは約10ミクロン〜約200ミクロン、好ましくは約20ミクロン〜約100ミクロン、より好ましくは約30ミクロン〜約70ミクロンのサイズ分布を有する。
【0209】
舌下製剤のある好ましい実施形態では、粒子のいずれも、舌下投与の後に、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体を肺に送達させるであろう直径を有さない。
【0210】
ある実施形態では、本発明は、舌下ドロナビノール製剤の単位用量を目的とし、前記単位用量は、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の別々の液滴、および薬学的に許容される液体担体を含み、前記液滴は、少なくとも約10ミクロン、好ましくは少なくとも約20ミクロンの平均径、より好ましくは約20〜約200ミクロンの平均径を有する。
【0211】
ある実施形態では、本発明は、舌下ドロナビノール製剤の単位用量を目的とし、前記単位用量は、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の別々の液滴、および薬学的に許容される液体担体を含み、前記液滴は、約5ミクロン〜約500ミクロン、好ましくは約10ミクロン〜約200ミクロン、好ましくは約20ミクロン〜約100ミクロン、より好ましくは約30ミクロン〜約70ミクロンのサイズ分布を有する。
【0212】
ある実施形態では、本発明は、エイズ患者の体重減少に関連する食欲不振の有効な管理の方法であって、少なくとも約10ミクロン、好ましくは少なくとも約20ミクロンの平均径、より好ましくは約20〜約200ミクロンの平均径を有する別々の液滴の形態の液体噴霧製剤を、食欲不振のヒト患者に舌下投与することを含む方法を目的とし、前記液体噴霧製剤は、薬学的に許容される液体担体中に分散される、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の有効な量を含む。
【0213】
ある実施形態では、本発明は、癌化学療法に関連する悪心および嘔吐の有効な管理の方法であって、少なくとも約10ミクロン、好ましくは少なくとも約20ミクロンの平均径、より好ましくは約20〜約200ミクロンの平均径を有する別々の液滴の形態の液体噴霧製剤を、癌化学療法に関連する悪心および嘔吐を起こしているヒト患者に舌下投与することを含む方法を目的とし、前記液体噴霧製剤は、薬学的に許容される液体担体中に分散される、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の有効な量を含む。
【0214】
ある実施形態では、本発明は、エイズ患者の体重減少に関連する食欲不振の有効な管理の方法であって、約5ミクロン〜約500ミクロン、好ましくは約10ミクロン〜約200ミクロン、好ましくは約20ミクロン〜約100ミクロン、より好ましくは約30ミクロン〜約70ミクロンのサイズ分布を有する別々の液滴の形態の液体噴霧製剤を、食欲不振のヒト患者に舌下投与することを含む方法を目的とし、前記液体噴霧製剤は、薬学的に許容される液体担体中に分散される、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の有効な量を含む。
【0215】
ある実施形態では、本発明は、癌化学療法に関連する悪心および嘔吐の有効な管理の方法であって、約5ミクロン〜約500ミクロン、好ましくは約10ミクロン〜約200ミクロン、好ましくは約20ミクロン〜約100ミクロン、より好ましくは約30ミクロン〜約70ミクロンのサイズ分布を有する別々の液滴の形態の液体噴霧製剤を、癌化学療法に関連する悪心および嘔吐を起こしているヒト患者に舌下投与することを含む方法を目的とし、前記液体噴霧製剤は、薬学的に許容される液体担体中に分散される、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の有効な量を含む。
【0216】
ある実施形態では、本発明は、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の有効な量を薬学的に許容される液体担体に含む液体製剤の単位用量を含む貯蔵器を含む装置であって、作動させると、少なくとも約10ミクロン、好ましくは少なくとも約20ミクロンの平均径、より好ましくは約20〜約200ミクロンの平均径を有する液滴の形態の液体製剤の単位用量を送達するアクチュエータを有する装置を目的とする。好ましくは、装置は、約5ミクロン〜約500ミクロン、好ましくは約10ミクロン〜約200ミクロン、好ましくは約20ミクロン〜約100ミクロン、より好ましくは約30ミクロン〜約70ミクロンのサイズ分布を有する液滴の形態の液体製剤の治療有効量を送達する。
【0217】
ある実施形態では、本発明は、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体を、薬学的に許容される液体担体に含む液体製剤を含む貯蔵器を含む多回用量装置であって、作動させると、少なくとも約10ミクロン、好ましくは少なくとも約20ミクロンの平均径、より好ましくは約20〜約200ミクロンの平均径を有する液滴の形態の液体製剤の治療有効量を送達するアクチュエータを有する装置を目的とする。好ましくは、装置は、約5ミクロン〜約500ミクロン、好ましくは約10ミクロン〜約200ミクロン、好ましくは約20ミクロン〜約100ミクロン、より好ましくは約30ミクロン〜約70ミクロンのサイズ分布を有する液滴の形態の液体製剤の治療有効量を送達する。
【0218】
ある実施形態では、本発明は、エイズ患者の体重減少に関連する食欲不振の有効な管理の方法であって、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体を薬学的に許容される液体担体に含む液体製剤を含む貯蔵器、および作動させると、少なくとも約10ミクロン、好ましくは少なくとも約20ミクロンの平均径、より好ましくは約20〜約200ミクロンの平均径を有する、装置から噴霧される液滴の治療有効量を送達するアクチュエータを含む噴霧装置を利用することを含む方法を目的とする。
【0219】
ある実施形態では、本発明は、エイズ患者の体重減少に関連する食欲不振の有効な管理の方法であって、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体を薬学的に許容される液体担体に含む液体製剤を含む貯蔵器、および作動させると、少なくとも約10ミクロン、好ましくは少なくとも約20ミクロンの平均径、より好ましくは約20〜約200ミクロンの平均径を有する、装置から噴霧される液滴の治療有効量を送達するアクチュエータを含む噴霧装置を利用することを含む方法を目的とする。
【0220】
ある実施形態では、本発明は、癌化学療法に関連する悪心および嘔吐の治療方法であって、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体を含む液体製剤を含む貯蔵器、および薬学的に許容される液体担体、作動させると、約5ミクロン〜約500ミクロン、好ましくは約10ミクロン〜約200ミクロン、好ましくは約20ミクロン〜約100ミクロン、より好ましくは約30ミクロン〜約70ミクロンのサイズ分布を有する液滴の治療有効量を送達するアクチュエータを含む噴霧装置を利用することを含む方法を目的とする。
【0221】
ある実施形態では、本発明の製剤は、例えば、口内投与を含む経粘膜投与に適する。
【0222】
ある実施形態では、本発明は、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩、またはその誘導体を、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩、またはその誘導体の実質的な部分が患者の肺に流れ込まない製剤で、ヒトに経粘膜投与する方法をさらに目的とする。ある好ましい実施形態では、経粘膜領域は、ヒトの口内領域である。
【0223】
ある実施形態では、本発明は、エイズ患者の体重減少に関連する食欲不振の管理のための食欲刺激薬として、および癌化学療法に関連する悪心および嘔吐のための制吐剤として用いる医薬の製造のための、上で定義される製剤の使用をさらに目的とする。
【0224】
ある実施形態では、好ましくは、本発明による製剤は、定量ポンプを備えた密封容器を含むポンプ噴霧システム内に、複数の用量を含むバルク溶液として梱包される。
【0225】
ある代わりの実施形態では、好ましくは、本発明による製剤は、ポンプを備えた密封容器を含む一単位用量ポンプ噴霧システム内に、一単位用量溶液として梱包される。
【0226】
一般的に、患者は、噴霧ポンプから1〜2回の作動の舌下投与によって治療される。舌下噴霧送達の別の利点は、単一の作動に要求される1もしくは2用量によって、患者を容易に滴定する能力である。このことは、他の形態の薬剤送達(パッチ、ロゼンジ、錠剤、坐薬)の場合は、一般的にそうではない。
【0227】
ポンプ作用噴霧は、作動のための外圧、例えば、外部の手動、機械的または電気的開始の圧力を加えることを必要とする特徴がある。これは、作動が制御された圧放出、例えば制御されたバルブ開放によって一般的に達成される、加圧システム、例えば噴射剤作動エアゾール噴霧と対照的である。
【0228】
ある実施形態では、本発明の製剤と一緒のポンプ噴霧の使用は、少なくとも約10ミクロン、好ましくは少なくとも約20ミクロンの平均径、より好ましくは約20〜約200ミクロンの平均径を有し、および/または、好ましくは、約5ミクロン〜約500ミクロン、好ましくは約10ミクロン〜約200ミクロン、好ましくは約20ミクロン〜約100ミクロン、より好ましくは約30ミクロン〜約70ミクロンのサイズ分布を有する液滴または粒子の投与を可能にするので、ポンプ噴霧が好ましい。これは、5ミクロン未満の粒子をもたらすことができる加圧システムと対照的である。約5ミクロン未満の径を有する液滴または粒子は、投与後にヒトの肺に入る能力を有する。肺へのそのような侵入は、ドロナビノールの吸収における患者間の変動の増加につながるかもしれない。さらに、肺でのドロナビノールの吸収は、吸収増加および致命的であり得る呼吸抑制を含む、副作用の増加をもたらす可能性がある。
【0229】
ある好ましい実施形態では、送達される製剤の液滴サイズは、例えばドロッパーで舌下に置かれるのと対照的に、舌下に噴霧されることによって表面積の増加をさらに提供する。
【0230】
ある好ましい実施形態では、送達装置は、米国特許第6,866,566号、6,877,672号、6,772,915号、6,725,857号、6,705,493号、6,679,248号、6,578,741号、6,527,144号、6,484,715号、6,478,196号、6,461,322号、6,446,839号、6,427,878号、6,367,473号、6,364,166号、6,321,942号、6,234,366号、6,227,413号、6,059,151号、6,059,150号、6,055,979号、5,944,222号、5,901,883号、5,813,570号、4,565,302号、4,532,967号、6,964,381号、6,860,411号、6,824,020号、6,817,490号、6,585,172号、6,443,370号、6,427,680号、6,425,499号、6,401,987号、6,398,074号、6,264,065号、5,950,877号、5,328,099号、5,301,846号に記載のもの、およびある実施形態で経鼻投与に適すると記載されている類似のものなどの装置である。
【0231】
本発明の製剤に従う使用に適する他の装置は、米国特許第6,808,085号、6,736,293号、6,732,955号、6,708,846号、6,626,379号、6,626,330号、6,626,328号、6,454,185号、6,427,876号、6,427,684号、6,419,167号、6,405,903号、6,352,181号、6,308,867号、6,257,461号、6,257,454号、6,250,509号、6,227,415号、6,209,760号、6,179,164号、6,109,547号、6,062,430号、6,026,992号、5,992,704号、5,992,703号、5,988,449号、5,967,369号、5,964,417号、5,950,879号、5,938,125号、5,927,559号、5,921,444号、5,893,484号、5,875,938号、5,862,962号、5,860,567号、5,816,504号、5,813,570号、5,803,311号、5,791,518号、5,692,650号、5,655,689号、5,584,417号、5,520,337号、5,519,980号、5,482,193号、5,469,989号、5,443,185号、5,439,177号、5,437,398号、5,427,280号、5,395,032号、5,375,745号、5,368,201号、5,366,122号、5,366,122号、5,335,823号、5,326,000号、5,323,936号、5,316,198号、5,301,841号、5,295,628号、5,289,946号、5,277,334号、5,257,726号、5,228,586号、5,209,375号、5,203,840号、5,147,087号、5,115,980号、5,110,052号、5,011,046号、4,958,752号、4,946,069号、4,944,430号、4,934,568号、4,921,142号、4,871,092号、4,830,284号、4,826,048号、4,823,991号、4,821,923号、4,817,829号、4,776,498号、4,762,475号、4,728,008号、4,726,747号、4,694,977号、4,694,976号、4,566,611号、6,851,583号、6,824,021号、6,779,690号、6,776,312号、6,971,559号、6,948,640号、6,945,473号、6,938,802号、6,933,850号、6,929,156号、6,918,514号、6,913,205号、6,866,168号、6,832,072号、6,830,163号、6,817,490号、6,817,489号、6,811,060号、6,811,057号、6,805,301号、6,805,263号、6,789,750号、6,789,706号、6,786,369号、6,783,035号、6,772,913号、6,769,579号、6,758,371号、6,752,298号、6,742,677号、6,705,062号、6,698,627号、6,698,623号、6,663,019号、6,659,314号、6,659,307号、6,655,550号、6,655,549号、6,651,846号、6,601,735号、6,595,395号、6,592,010号、6,588,629号、6,581,852号、6,571,991号、6,554,160号、6,536,635号、6,527,149号、6,527,148号、6,488,185号、6,471,097号、6,460,781号、6,460,740号、6,460,738号、6,446,841号、6,422,429号、6,409,049号、6,398,079号、6,360,919号、6,349,856号、6,345,737号、6,343,722号、6,662,561号、6,315,169号、6,273,303号、6,273,300号、6,261,274号、6,257,457号、6,234,363号、6,234,168号、6,221,054号、6,209,759号、6,189,741号、6,186,371号、6,155,496号、6,119,897号、6,105,826号、6,021,930号、6,012,615号、5,988,496号、5,950,871号、5,931,386号、5,850,948号、5,803,318号、5,799,810号、5,769,325号、RE35,683、5,692,492号、5,568,884号、5,566,865号、5,511,698号、5,482,188号、5,476,198号、5,366,115号、5,337,923号、5,249,713号、5,237,797号、5,234,135号、5,226,563号、5,190,192号、5,176,296号、5,127,548号、4,966,313号、4,91,840、4,245,967号、4,030,667などに記載されている。
【0232】
本明細書で引用したすべての特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。上記の特許で開示されている送達装置は、鼻または吸入による投与に適するであろうが、本発明のある実施形態に従い、送達装置は液体製剤の舌下投与に適するように特に適応される。
【0233】
好ましくは、本発明に従う装置は、好ましくは、少なくとも約10ミクロン、好ましくは少なくとも約20ミクロンの平均径、より好ましくは約20〜約200ミクロンの平均径を有する液滴だけが患者に送達されるように、制御された方法で舌下製剤を舌下送達するように適応される。より好ましくは、約5ミクロン〜約500ミクロン、好ましくは約10ミクロン〜約200ミクロン、好ましくは約20ミクロン〜約100ミクロン、より好ましくは約30ミクロン〜約70ミクロンのサイズ分布を有する液滴だけ。
【0234】
好ましくは、指で、または片方の手の3本の指で運び、同時に確実に操作することができ、例えば舌下噴霧の方法で用いることができるような方法で、ディスペンサーは構築される。ディスペンサーは、媒体チャンバを空にした後に、補充の必要がなく、したがって、側面がおよそT字状またはY字状でよいアウターケーシング内に、ポンプ、製剤、チャネルおよび任意選択で、バルブまたは栓を受ける、単純な標準のコンポーネントとして構築することができる、使い捨て式ディスペンサーとして構築することができる。
【0235】
ディスペンサーが連続した部分の単一のポンプ行程で、または1つの完全なポンプ行程で空にされ、補充されない場合、ディスペンサーは開始位置の外側に関して実質的に密封することができる。
【0236】
ある好ましい実施形態では、送達装置(例えば、噴霧ポンプ装置など)は、ロックアウト機構を含む。好ましくは、ロックアウト機構は、一用量の投与だけを可能にし、ある期間および/または所定の期間さらなる投与をロックアウトすることによって、一単位用量だけの投与を可能にし、好ましくは、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の乱用を防止する。ある実施形態では、1つまたは複数の作動周期の後、アクチュエータをロッキング位置に自動的に移行させることができるので、続く作動周期をランダムにまたは故意に実施するために、解除が起こらなければならない。ロッキングは、開始位置、作動位置および/または中間位置で起こることができ、作動および戻りの両方に対して、またはこれらの動作の1つ単独に対して作用することができるので、同じか異なるロッキング作用を有するいくつかのロッキング位置が可能である。
【0237】
ある実施形態では、装置は予め計器付きのものでもよく、あるいは、装置は装置計量式のものでもよい。好ましくは、計器付き装置は、製造の間に、または患者によって使用時に装置に含ませることができる、事前に計量された用量またはある種の単位(例えば、一単位用量の量の溶液、単一もしくは複数のブリスターまたは他の空洞)の用量分画を含む。一般的な装置計量式ユニットは、患者によって作動される場合、装置自体によって計量された噴霧として送達される複数用量に十分な製剤を含有する貯蔵器を有する。
【0238】
装置の製造で考慮する重要な要素は、用量、噴霧プルームおよび粒子/液滴サイズ分布の再現性であり、それらは、舌の下への、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の送達に影響を及ぼすことができる。これらのパラメータのいかなる変化も投薬および吸収の変動をもたらす可能性があり、それらは、潜在的な副作用につながるおそれがあるので、有効期間を通してこれらのパラメータの再現性を維持し、患者使用条件の下でその寿命を通して装置の機能性(例えば、噴霧機構、電気的特徴、センサー)を確保することは重要である。
【0239】
噴霧薬剤製剤の投与される用量は、容器密閉系の設計、再現性および性能特性に依存するであろう。所望の液滴/粒子サイズ分布を提供する、適する装置は、ドロナビノール製品の正しい性能のための重要な要素である。装置に関して、作動パラメータ(例えば、力、速度、保持時間および戻り時間)も考慮するべきである。さらに、装置は製剤成分に適合するべきである。さらに、装置は、患者使用説明書に従って用いられる場合の、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体製剤の不完全な計量を防止するように設計されるべきである。
【0240】
一般的な装置は、基本ユニット、排出アクチュエータ、装置から放出される製剤のための開口部、および媒体貯蔵器を含む。好ましくは、注入チャンバとして、装置の製造時にすでに充填されている貯蔵器が提供される。媒体貯蔵器は、好ましくは、単一の作動に応じて放出される、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の、測定済みの含量を規定する。
【0241】
本発明のある実施形態に従って、好ましくは、媒体を受け入れる貯蔵器またはその空間は、好ましくは、貯蔵器本体の周囲および全長にわたって一定である肉厚を有する、長い形状である。その生産が非常に簡単であるように、貯蔵器本体は、プラスチック、鋼、例えばステンレス鋼、透明な材料、例えばガラスなどの円筒形の空洞の切断によって簡単に形成することができる。
【0242】
好ましくは、アクチュエータ本体は装置のユニット上に提供され、それは、排出を始動させるために開口部と比較して動かすことができる。この本体は、作動移動の過程で、例えば穴をあけることによって、チャンバの閉鎖を開放する。このチャンバ内の空間は、貯蔵器中の媒体に直接に接触すること、開放本体または貯蔵器を少なくとも一部収容することができ、開放される前に高圧下にある圧力空間として構成される。開放本体は、貯蔵器によって直接に形成されることができる。
【0243】
好ましくは、開始位置に続く作動移動の一部の間、上昇圧力が構築される。同じ方向で継続する作動動作の以降の部分では、媒体は一方の側で圧力から開放され、こちら側の媒体開口部に送られる。このように、側に作用する圧力のために、媒体は貯蔵器から開口部に追い込まれる。
【0244】
一般的に、液体製剤が開口部から離れるに従い、液滴は、装置の開口部形状によって影響される軌跡に従う。ある実施形態では、液滴サイズ、噴霧ジオメトリーおよび噴霧パターンは、ポンプの設計および/または製剤の特性に依存する。ある実施形態では、アクチュエータの向き、ポンプ設計および製剤の特性は、噴霧対称性および形状に影響する。
【0245】
ある実施形態では、本発明の装置は、さらにストッパーを含む。好ましくは、ストッパーは、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の吸収を妨げるか、実質的に妨げる物質を含む。本発明の装置に従って用いるための適するストッパーは、例えば、West Pharmaceutical Services,Inc.によって市販されているストッパーである。ある好ましい実施形態では、ストッパーは以下の組成および特徴を有する:1)エラストマー:ブロモブチルおよび/またはクロロブチル;2)強化材:不活性物質;および3)硬化系:非従来型。
【0246】
ある実施形態では、装置はさらにガスケットを含む。好ましくは、ガスケットは、ドロナビノール、その薬学的に許容される塩またはその誘導体の吸収を妨げるか、実質的に妨げる物質を含む。本発明の装置に従って用いるための適するガスケットは、例えば、West Pharmaceutical Services,Inc.によって市販されているガスケットである。ある好ましい実施形態では、ガスケットは以下の組成および特徴を有する:1)エラストマー:ブロモブチルおよび/またはクロロブチル;2)強化材:不活性物質;および3)硬化系:非従来型。
【0247】
液滴径分布は、レーザー回折方法、例えば、RT SizerソフトウェアによるMalvern Spraytec(登録商標)を用いて判定することができる。Malvern Instruments Limited(U.K.)によるMalvern Mastersizer S装置も、サイズ分布の判定に用いることができる。Malvern Mastersize Sは、測定融通性を提供するモジュラー粒径分析器である。それは、噴霧液滴サイズ、ならびに湿った試料および乾燥試料を測定することができる。サブミクロンから数ミリメートルの粒子を、Malvern Mastersizer Sで測定することができる。さらに、液滴径分布を判定するとき、手動作動に関連する変動性を低減させるための、インビトロ生物学的同等性比較試験のための自動化作動ステーションを用いることもできる。
【0248】
経皮ゲル調製剤
経皮投与は、経口および肺などの他の経路が不適である投与経路を提供する。好ましくは、これらの製剤は、前述のネブライザー製剤に1つまたは複数のゲル化剤、適する塩基および1つまたは複数の吸収促進剤を加えて、混合することによって調製される。投与の便利性のために、ゲルは、薬学的に許容される材料、例えばプラスチックまたはガラスから作製される、適する容器に移される。投薬量範囲は、カンナビノイドの選択によって異なる。しかし、カンナビノイドがドロナビノールである、ある実施形態では、用量は、Marinolの経口用量と治療的に同等である用量を提供するように調節される。
【0249】
静脈内製剤
静脈内投与も、経口、肺および舌下などの他の経路が望ましくないか不適である投与経路を提供する。静脈内投与経路は、不規則な吸収が懸念される場合、特に有利である。これらの製剤は、上記のネブライザー溶液を調製するために用いられる手順に従って調製される。ある実施形態では、投与後の血管の炎症を制限するために、製剤は、pH調整剤およびまたは張性調整剤を含むこともできる。次に、製剤を単一もしくは多回用量のストッパー付きバイアルに移し、その後、針および注射器で注射することができる。投薬量範囲は、カンナビノイドの選択によって異なる。ある実施形態では、用量は、Marinolの経口用量と治療的に同等である用量を提供するように調節される。当業者は、静脈内経路が投与される用量の基本的に完全な生物学的利用率を提供するので、その用量は、他の投与経路で送達される用量よりも一般に低いことを理解しよう。
【0250】
眼用調製剤
眼への投与は、意図する作用が眼系に係わる投与経路を提供する。眼用製剤は、上記のネブライザー製剤の調製のために記載した手順に従って調製される。ある実施形態では、投与後の眼の炎症を実質的に予防するために、眼用調製剤は、pH調整剤およびまたは張性調整剤を含むこともできる。
【0251】
他のある実施形態では、眼用製剤は軟膏である。他のある実施形態では、製剤は、ラノリン、ペトロラタム、高分子量グリコール、例えばPEG−400、鉱油またはそれらの組合せを含む。ある実施形態では、製剤は水をさらに含む。
【0252】
次に、眼への投与に適する薬学的に許容される材料から作製される単一もしくは多回用量容器に、眼用製剤を移すことができる。投薬量範囲は、カンナビノイドの選択によって異なる。眼の状態、例えば緑内障を治療するために、用量がカンナビノイドの治療有効量を提供するような濃度で、カンナビノイドは存在する。
【0253】
本発明のある実施形態では、眼用製剤は、約1重量%の濃度のドロナビノールを含む。他のある実施形態では、投薬量は、約0.01mg〜約10mgのドロナビノール、好ましくは約0.5mg〜約5mg、より好ましくは約1mg〜約3mgを提供する。
【0254】
本発明は、静脈内投与のための安定した水性カンナビノイド製剤も目的とする。製剤がドロナビノールを含むある実施形態では、静脈内の用量は、約0.01mg〜約50mgである。
【0255】
好ましい実施形態では、本発明のカンナビノイド製剤は、最終製品(カンナビノイド剤形)が少なくとも約2年の有効期間を有するように、許容されない程度にまで分解しない。前述のように、このことは、剤形中の有効成分(例えば、ドロナビノール)が、剤形の所望の(例えば、表示される)有効期間(例えば、剤形の製造日から最低2年)の間、剤形中のその最初の量の90〜110%が残留することを意味する。剤形が有効成分としてドロナビノールを含むさらなる好ましい実施形態では、主張する剤形の有効期間の間、剤形は、2%以下のD8THCを含む。剤形がドロナビノールを含むさらなる好ましい実施形態では、主張する剤形の有効期間の間、剤形は、2%以下のカンナビジオールを含む。剤形がドロナビノールを含むさらなる好ましい実施形態では、剤形は、1%以下のエキソ−THCを含む。剤形が有効成分としてドロナビノールを含む、ある特に好ましい実施形態では、主張するその有効期間の間、剤形は以下のものを含む。(i)最初のドロナビノール含有量の90%以上;(ii)約2%以下のカンナビノール;(iii)約2%以下のデルタ−8−THC;(iv)2%以下のカンナビノール;(v)約0.5%以下のエキソ−THC;または上の任意の組合せ。エキソ−THCはドロナビノールの分解物ではないが、それはドロナビノールの合成中に形成される不純物である。特定の分解物/不純物のこれらの範囲は、同様に他のカンナビノイドに適用することができる。
【0256】
本発明に従う水性カンナビノイド製剤は、製造中の限定された量の水または限定された期間の水への曝露を記載する当技術分野の製剤よりも、著しく安定であると考えられている(例えばDedhiyaら)。添付の実施例で示す安定性研究は、緩衝水性媒体だけでなく、有機共溶媒、および任意選択で、安定剤を利用することによって、得られるカンナビノイド薬剤製品は室温で少なくとも約2年間安定であることを立証すると考えられている。
【0257】
投与経路
本発明の製剤は、好ましくは以下の経路によって投与される:肺、例えば、ネブライザーにより;経口、例えば、経口シロップにより、舌下、例えば、舌下噴霧により;静注;経皮、例えば、局所ゲルにより、および眼、例えば、軟膏または液滴により。しかし、当業者は、本発明の安定化水性カンナビノイド製剤はこれらの経路による投与に限定されず、経鼻的胃経路、筋肉内経路により、または粘膜組織(例えば、口内または直腸)を通す直接吸収によって投与できることを理解しよう。製剤は、肺、経口、舌下、静脈内に特に適するが、現在は経皮および眼への投与が好ましく、本発明の組成物は、膣、直腸、非経口、または経粘膜投与のために製剤化することもできる。したがって、所望により、剤形は、溶液、懸濁液、乳剤、坐薬、噴霧剤、エアゾール、ゲル、点滴剤、シロップ、エリキシルまたは他の剤形であってもよい。
【0258】
投薬量
ドロナビノールまたは他のカンナビノイドの経口投薬量の範囲は、単一用量または分割用量の1日2.5mg〜20mgと広く異なることができ、または、1つまたは複数の他のカンナビノイドの治療的同等量を利用することができる(当業者が判断することができる)。
【0259】
所望の治療効果が経口送達で達成される治療効果に類似している、肺、舌下、静脈内および経皮など他の投与経路については、投薬量は所望の経口用量と治療的に同等になるカンナビノイドの量を送達するために異なる。
【0260】
投薬量に存在するカンナビノイドの量は、投与後の特定のカンナビノイド効力によっても異なる(例えば、送達後のより高い効力は、より少ないカンナビノイドを必要とする)。
【0261】
本発明の利点
商標付きの製品Marinol(登録商標)(軟質ゼラチンカプセル中のドロナビノール溶液)は、室温で非常に不安定である。したがって、Marinolの製造業者(Unimed Pharmaceuticals Inc.)は、製品を冷蔵(2〜8℃)もしくは冷温(8〜15℃)条件で保存するよう推奨する(Marinol包装表示、Physicians Desk Reference(登録商標)、2003年版)。また、先行技術分野の水性カンナビノイド製剤は、担体の水性成分が約20v/v%を超えると、安定であると考えられてはいない。水がより高い濃度では、カンナビノイドは溶液から容易に分離する。先行技術のカンナビノイド製剤と異なって、本発明は、好ましくはすべての条件−冷蔵、冷温および室温(25℃/60%RH)−で安定である水性カンナビノイド(例えば、ドロナビノール)配合製剤を提供する。本発明の、特に室温での改善された安定性に寄与する因子には、緩衝水性系の使用が含まれる。ある実施形態では、本発明のカンナビノイド剤形の改善された安定性に寄与する追加の因子には、有機塩基(例えば、エタノールアミンおよびメグルミン)の有効安定化量の添加;および/または、抗酸化剤(例えば、BHA、BHTおよびアスコルビン酸ナトリウム)の追加の有効安定化量の添加が含まれる。
【0262】
ある好ましい実施形態では、本発明のカンナビノイド製剤は、投与の位置からの吸収の程度、速度および/または一貫性に関して、カンナビノイドの送達を改善することができる。
【0263】
本発明の使用
本発明の製剤は、例えば、吐き気、嘔吐、食欲不振、悪液質、疼痛、胃腸管窮迫(例えば胸やけ、消化不良、胃痛、酸性の胃)、炎症性腸疾患、クローン病、胃炎、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、片頭痛、月経後症候群、アルツハイマー認知症、動揺、筋痙攣および他の不随意運動障害、パーキンソン病およびパーキンソン型症状、多発硬化症に起因する痙縮、緑内障ならびに不安障害を含む、非常に広い範囲の障害の治療および予防に有用である。ドロナビノールなどのカンナビノイドは、可能な治療的用途、例えば、片頭痛、脊髄損傷、不安症、緑内障の治療で、および鎮痛薬(例えば、神経障害性疼痛を治療するための)として役に立つ、他の生物活性を示すと報じられてもいる。ドロナビノールなどのカンナビノイドは、疼痛を軽減するために、相乗的にオピオイド鎮痛薬と一緒に用いることができる。この組合せの利点には、オピオイドの投与の減少(副作用の低減につながる)を含めることができ、オピオイドを節約することができる(すなわち、より少ない用量のオピオイドで同等効果を達成することができる)。ドロナビノールは、癌悪液質(癌患者で食欲不振が栄養失調を誘導する)の治療でも用いられている。ジストニア、ハンチントン病、パーキンソン病およびトゥレット症候群を含む運動障害;癲癇を治療するために、ならびにアルツハイマー病で食欲刺激のためにも用いられている。本発明に従って調製されるカンナビノイド製剤の使用は、上記の用途のいかなるものおよびすべて、ならびに当業者に既知であるか知られる任意の他の用途について企図される。
【実施例】
【0264】
以下の実施例は、本発明の様々な態様を例示し、本発明の理解に役立つように提示される。これらの実施例は、本明細書で記載、請求される本発明を具体的に限定するものと、解釈されるべきではない。当業者の技術の範囲内であろう、現在知られているか後に開発されるすべての同等物の置換を含む本発明の変形形態、および製剤の変更または実験計画の軽微な変更は、本発明および添付の請求項の範囲に含まれるとみなされるであろう。
【0265】
以下の機器および手順を、室温安定性水性ドロナビノール製剤を開発、分析するために用いた。
【0266】
(実施例1)
ネブライザー製剤に対する製造手順
治験用の試験化合物であるデルタ−9−THCを入手した。製剤において用いる他の化学物質はすべて、製薬用グレードのものであった。
【0267】
装置
Agilent1100HPLC
ミキサー(IKA)またはボルテクサー
デジタル式ホットプレート攪拌器
ガラス製ビーカー
メスフラスコ
ゴム球付きガラス製ピペット
ガラス製容器
製剤の開発−エタノールストック溶液中のデルタ−9−THC
デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール(ドロナビノール)を当業者に知られている手順によって化学合成し、室温では粘着性で、冷蔵時に硬化する淡黄色樹脂性油として供給する。化学合成したドロナビノールを24/40o−リング密封ジョイントおよび焼付け可能PTFE栓付き高真空アダプター付きの丸底フラスコ中に供給する。
【0268】
エタノール中のドロナビノールを以下のように調製した。オイルバス(真空ポンプオイル、FisherCAS#72623−87−1)を90〜95℃に加熱した。デルタ−9−THCを含む容器を、(D9−THCを含む容器の真空アダプターを除去した後)予め加熱したオイルバス中、それが流動可能な液体に変化するまで、10分間配置した。空のガラス容器の重量(W1)を計算した。D9−THCを、ガラス製ピペットを用いることによって容器に移した。
【0269】
デルタ−9−THCを有する容器の重量(W2)を計算した。移されたD9−THCの正確な量を以下の式に従って計算した(デルタW=W2−W1)。容器中のD9−THCの実際の量を以下の式に従って計算した:D9−THC=デルタW×力価。デルタ−9−THCの必要とされる濃度を得るために混合物に加えるべきエタノールの実際の量を計算した。次いで、エタノールを加え、ボルテクサーにより約5分間十分に混和した。
【0270】
次いで、ストック溶液、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、および最後に水または緩衝溶液に加えることによって水性製剤を作成した。次いで、混合物をボルテクサーによって約5分間十分に混和した。
【0271】
混合物を室温に冷却し、試料を分析にかけた。
【0272】
D9−THCを含むフラスコをオイルバスから除去した。真空アダプターを付け、混合物を約1時間放冷した。ノブをアダプターに配置してオープンポジションにした後、混合物を含むフラスコを約15分間真空に曝し、次いでノブを閉じた。次いで、混合物を含むフラスコを冷蔵庫中に貯蔵した。
【0273】
(実施例2)
ドロナビノールの緩衝液(pH7.01)とのネブライザー製剤
緩衝溶液(pH7.01)を含む実施例2のドロナビノール水性製剤を実施例1に記載した手順に従って調製した。2−Aから2−Eまでの製剤はそれぞれ、以下の表1に記載するように、5mg/mLのドロナビノールを様々な体積量のエタノール、緩衝溶液、ポリエチレングリコール、およびプロピレングリコールと一緒に含んでいた。
【0274】
【表1】
(実施例3)
ドロナビノールの脱イオン水とのネブライザー製剤
脱イオン水を含む実施例3のドロナビノール水性製剤を実施例1に記載した手順に従って脱イオン水を用いて調製した。3−Aから3−Eまでの製剤はそれぞれ、以下の表2に記載するように、5mg/mLのドロナビノールを様々な体積量のエタノール、脱イオン水、ポリエチレングリコール、およびプロピレングリコールと一緒に含んでいた。
【0275】
【表2】
(実施例4)
ドロナビノールの緩衝溶液および抗酸化剤とのネブライザー製剤
4−Aのドロナビノール水性製剤を実施例2に記載した手順に従って調製した。ドロナビノールの測定濃度は4.95mg/mLであり、以下の体積量からなっていた:35.0%エタノール、38.3%緩衝溶液(pH7.01)、16.7%ポリエチレングリコール、および10.0%プロピレングリコール。4−Bから4−Hまでの製剤を製剤4−Aに従って調製したが、以下の表3に記載する量の抗酸化剤をさらに含んでいた。
【0276】
4−Iのドロナビノール水性製剤を実施例2に記載した手順に従って調製した。ドロナビノールの測定濃度は4.95mg/mLであり、以下の体積量からなっていた:40.0%エタノール、37.0%緩衝溶液(pH7.01)、16.7%ポリエチレングリコール、および10.0%プロピレングリコール。4−Jから4−Pまでの製剤を製剤4−Iに従って調製したが、以下の表3に記載する量の抗酸化剤をさらに含んでいた。
【0277】
【表3】
(実施例5)
ドロナビノールの緩衝溶液および抗酸化剤とのネブライザー製剤
5−Aのドロナビノール水性製剤を実施例2に記載した手順に従って調製した。ドロナビノールの濃度は5mg/mLであり、以下の体積量からなっていた:43%エタノール、10%ポリエチレングリコール−400、10%プロピレングリコール、および37%緩衝溶液(pH7.01)。5−Bから5−Eまでの製剤を製剤5−Aに従って調製したが、以下の表4に記載する量の抗酸化剤をさらに含んでいた。
【0278】
5−Fのドロナビノール水性製剤を実施例2に記載した手順に従って調製した。ドロナビノールの濃度は5mg/mLであり、以下の体積量からなっていた:50%エタノール、5%ポリエチレングリコール−400、10%プロピレングリコール、および35%緩衝溶液(pH7.01)。5−Gから5−Jまでの製剤を製剤5−Fに従って調製したが、以下の表4に記載する量の抗酸化剤をさらに含んでいた。
【0279】
5−Kのドロナビノール水性製剤を実施例2に記載した手順に従って調製した。ドロナビノールの濃度は5mg/mLであり、以下の体積量からなっていた:50%エタノール、5%ポリエチレングリコール−400、5%プロピレングリコール、および40%緩衝溶液(pH7.01)。5−Lから5−Oまでの製剤を製剤5−Kに従って調製したが、以下の表4に記載する量の抗酸化剤をさらに含んでいた。
【0280】
【表4】
(実施例13)
経口シロップ製剤のための製造手順
治験用の試験化合物であるデルタ−9−THCを入手した。製剤において用いる他の化学物質はすべて、製薬用グレードのものであった。
【0281】
装置
Agilent1100HPLC
ミキサー(IKA)またはボルテクサー
デジタル式ホットプレート攪拌器
ガラス製ビーカー
メスフラスコ
ゴム球付きガラス製ピペット
ガラス製容器
製剤の開発−エタノールストック中のデルタ−9−THC
デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール(ドロナビノール)を当業者に知られている手順によって化学合成し、室温では粘着性で、冷蔵時に硬化する淡黄色樹脂性油として供給する。化学合成したドロナビノールを24/40o−リング密封ジョイントおよび焼付け可能PTFE栓付き高真空アダプター付きの丸底フラスコ中に供給する。
【0282】
エタノール中のドロナビノールを以下のように調製した。オイルバス(真空ポンプオイル、FisherCAS#72623−87−1)を90〜95℃に加熱した。デルタ−9−THCを含む容器を、(D9−THCを含む容器の真空アダプターを除去した後)予め加熱したオイルバス中、それが流動可能な液体に変化するまで、10分間配置した。空のガラス容器の重量(W1)を計算した。D9−THCを、ガラス製ピペットを用いることによって容器に移した。
【0283】
デルタ−9−THCを有する容器の重量(W2)を計算した。移されたD9−THCの正確な量を以下の式に従って計算した(デルタW=W2−W1)。容器中のD9−THCの実際の量を以下の式に従って計算した:D9−THC=デルタW×力価。デルタ−9−THCの必要とされる濃度を得るために混合物に加えるべきエタノールの実際の量を計算した。次いで、エタノールを加え、ボルテクサーにより約5分間十分に混和した。
【0284】
次いで、ストック溶液、プロピレングリコール、および水または緩衝溶液に加えることによって水性製剤を作成した。次いで、混合物をボルテクサーによって約5分間十分に混和した。
【0285】
混合物を室温に冷却し、試料を分析にかけた。
【0286】
D9−THCを含むフラスコをオイルバスから除去した。真空アダプターを付け、混合物を約1時間放冷した。ノブをアダプターに配置してオープンポジションにした後、混合物を含むフラスコを、約15分間真空に曝し、次いでノブを閉じた。次いで、混合物を含むフラスコを冷蔵庫中に貯蔵した。
【0287】
(実施例14)
ドロナビノール経口シロップコントロール製剤
様々な糖の効果を決定するために、実施例14のドロナビノールコントロール水性製剤を実施例13に記載した手順に従って調製した。14−Aの製剤はドロナビノール5.01mg/mLを含んでおり、14−Bはドロナビノール9.83mg/mLを含んでいた。これらの製剤は、また、以下の表23に記載するように、様々な体積量のエタノール、プロピレングリコール、および緩衝溶液(pH7.01)を含んでいた。
【0288】
【表23】
(実施例15)
ドロナビノール経口シロップ製剤
実施例15のドロナビノール水性製剤を実施例14に記載した手順に従って調製した。15−Aおよび15−Bの製剤は糖を含まないコントロール製剤であった。15−Cから15−Lまでの製剤は糖を含んでいた。実施例15の製剤中のドロナビノールの濃度、および他の成分の量を以下の表24において記載する。
【0289】
【表24】
舌下製剤
舌下の薬物送達は、注射方法および経腸方法の両方を凌ぐいくつかの利点をもたらす、最も好ましい全身的な薬物送達方法である。口の粘膜は高度に血管新生化されているので、薬物の舌下送達は、直接的な薬物の全身の循環中への速やかな吸収をもたらし、消化管、および肝臓における初回通過代謝を迂回する。これは、静脈内の経路よりも快適で便利な送達経路による、作用の速やかな開始をもたらす。舌下製剤は、薬物を全身循環中に速やかに送達するようにデザインされており、患者に、副作用が最小であるか、またはない、非侵襲性で、使用が簡単で、非威圧的な選択肢を提供する。
【0290】
(実施例20)
ドロナビノール舌下滴剤コントロール製剤
実施例20において、25mg/mlの濃度を有するドロナビノール舌下コントロール製剤を調製した。処方を以下の表29に列挙する。
【0291】
【表29】
(実施例21)
ドロナビノール舌下滴剤
実施例21において、6mg/mlの濃度を有するドロナビノール舌下製剤をリン酸緩衝液を利用して調製する。処方を以下の表30に列挙する。
【0292】
【表30】
(実施例22)
ドロナビノール舌下滴剤
実施例22において、6.5mg/mlの濃度を有し、エタノールアミンクエン酸緩衝液(pH7.01)を利用するドロナビノール舌下製剤を調製する。処方を以下の表31に列挙する。
【0293】
【表31】
(実施例23)
ドロナビノール舌下滴剤
実施例23において、5mg/mlの濃度を有し、リン酸緩衝液を利用するドロナビノール舌下製剤を調製する。処方を以下の表32に列挙する。
【0294】
【表32】
(実施例24)
ドロナビノール舌下滴剤
実施例24において、10.12mg/mlの濃度を有し、リン酸緩衝液を利用するドロナビノール舌下製剤を調製する。処方を以下の表33に列挙する。
【0295】
【表33】
(実施例25)
ドロナビノール舌下滴剤
実施例25において、10.12mg/mlの濃度を有し、リン酸緩衝液を利用するドロナビノール舌下製剤を調製する。処方を以下の表34に列挙する。
【0296】
【表34】
(実施例26)
ドロナビノール舌下滴剤
実施例26において、25mg/mlの濃度を有するドロナビノール舌下製剤を調製する。処方を以下の表35に列挙する。
【0297】
【表35】
製剤の調製(実施例20〜26)
実施例20〜26の製剤を実施例1において記載した製剤を調製するのに用いた手順に従って調製する。次いで、非有効成分(例えば、マンニトールおよびミグリオール)を加えることによって舌下製剤を調製し、よく混和する。
【0298】
最終の溶液を3分間ボルテックスにかける。混和後、さらなる試験のために、製剤を冷蔵庫中に貯蔵する。
【0299】
アメリカ、Princeton、NJ、Pfeifferによる0.10mlマルチドーズ経鼻スプレーポンプを用いて製剤を噴霧し、Malvern Instruments LtdによるMalvern Mastersizer S装置を用いて液滴を計量する。舌下スプレーポンプを1回押し下げると柱状噴出が生成され、次いでこれをスプレー粒子に対して分析する。投与量体積に対する試料サイズ、スプレーパターン、および液滴のサイズ分布は、25個のスプレーである。
【0300】
液滴の体積
液滴の体積の評価において、25個のスプレー試料を各スプレー試料に対して5つの異なるストローク数を用いて評価する。試験時、以下に類似する結果が測定されることが予想される。
【0301】
全体の平均 =100.4μl
1回の実測値の最大=103.2μl
1回の実測値の最小=95.3μl
標準偏差 =1.1
範囲 =7.9
変動係数 =1.1%
スプレーパターン
スプレーパターンの評価において、25個のスプレー試料を標的から30mmの手作業の作動を用いて評価する。製剤をメチレンブルーで染色し、その後のスプレーパターン結果を測定する。試験時、以下に類似する結果が測定されることが予想される。
【0302】
小径[mm]
最小:35.4
平均:50.6
最大:62
s :7.00
最大径[mm]
最小:40
平均:56.9
最大:67
s :6.01
スプレー角
最小:64°
平均:83.3°
最大:94°
s :7.03
比率(最大/最小直径)
最小:1.04
平均:1.13
最大:1.33
s :0.073
液滴のサイズ分布
液滴のサイズ分布の評価において、25個のスプレー試料を標的から30mmの手作業の作動を用いて評価する。以下の液滴のサイズ分布の結果が測定される。試験時、以下に類似する結果が測定されることが予想される。
【0303】
10μmの液滴の直径の占有率[%]
最小:0.65
平均:1.66
最大:2.70
s :0.527
10%の液滴の直径は指示値よりも小さい[μm]
最小:15
平均:18.2
最大:23
s :1.91
50%の液滴の直径は指示値よりも小さい[μm]
最小:35
平均:44.7
最大:65
s :7.52
90%の液滴の直径は指示値よりも小さい[μm]
最小:96
平均:154.4
最大:349
s :64.42
(実施例27)
in vitroの浸透性試験
in vitroの浸透性の測定は数々の利点をもたらすものであり、経口粘膜の薬物吸収のメカニズムを試験するのに有用なツールであった。実験的に、一片の新鮮な頬側粘膜組織を垂直方向の拡散細胞(フランツ(Franz)細胞)に搭載して、コントロールの良好な環境における薬物の拡散を試験した。頬側の粘膜組織(EpiOral)は、MatTek Corporationによって供給された。MatTekは、伝統的な動物試験の代用であり、経口粘膜組織を通して送達される薬物の浸透特性に対する一次近似として有用である、正常な、ヒト細胞由来の、3次元の、器官型の、in vitroの組織モデルを生成している。MatTek頬側組織を超えた薬物の浸透性を受け取り側上の薬物濃度によって測定し、これは類推により、全身循環に利用できる薬物に等しい。
【0304】
実施例27において、実施例20〜26の製剤をin vitroの浸透性の特徴に対して試験した。これらの実施例の、in vitroの浸透性試験の結果を以下の表36において列挙する。
【0305】
【表36】
本発明の他の多くの変形形態は当業者であれば明らかであり、本明細書に添付の特許請求の範囲の範囲内にあることが意味される。
【0306】
(実施例28)
経皮ゲル(予想)
実施例28において、50mg/mlの濃度を有するドロナビノール経皮製剤を調製する。処方を以下の表37に列挙する。
【0307】
【表37】
(実施例29)
経皮ゲル(予想)
実施例29において、100mg/mlの濃度を有するドロナビノール経皮製剤を調製する。処方を以下の表38に列挙する。
【0308】
【表38】
(実施例30)
経皮ゲル(予想)
実施例30において、200mg/mlの濃度を有するドロナビノール経皮製剤を調製する。処方を以下の表39に列挙する。
【0309】
【表39】
(実施例31)
経皮製剤(予想)
実施例31において、300mg/mlの濃度を有するドロナビノール経皮製剤を調製する。処方を以下の表40に列挙する。
【0310】
【表40】
上記の実施例による安定性試験の際、予想される結果は上記の製剤で得られたものと同様であって、水性ドロナビノール製剤は室温で少なくとも2年間安定であることを示している。
【0311】
(実施例32)
静脈内製剤(予想)
実施例32において、静脈内投与用のドロナビノール水性製剤をネブライザーによる投与用のドロナビノール水性製剤に関する実施例1〜5に従い、上記に記載した手順に従って調製する。ドロナビノールの濃度を、同等の経口投与量に治療的に等しい投与量を提供するように調節する。製剤のpHおよび張性は静脈内投与に適するものである。製剤はpH調節剤および張性調節剤も含んでいてよい。次いで、静脈内製剤をストッパー付きガラス製マルチドーズまたはシングルドーズ注射用バイアル中に貯蔵する。安定性試験および分析を実施例6〜14に従って実施する。静脈内製剤に予想される安定性の結果は、ネブライザー製剤に対して実施した試験で見出されたものと同様である。結果は、静脈内製剤は室温で少なくとも2年間安定であることを示すと予想される。
【0312】
(実施例33)
ドロナビノール眼科用製剤
33−Aから33−Eまでのドロナビノール1%(w/w)眼科用製剤を調製した。製剤は、以下の表41に記載するように、さらなる成分を含んでいた。
【0313】
【表41−1】
デルタ−9−テトラヒドロカンナビノールを当業者に知られている手順によって化学合成し、室温では粘着性であり、冷蔵時に硬化する淡黄色樹脂状油として供給する。化学合成したドロナビノールを24/40o−リング密封ジョイントおよび焼付け可能PTFE栓付き高真空アダプター付きの丸底フラスコ中に供給する。
【0314】
次いで、33−Aから33−Eのドロナビノール1%(w/w)眼科用製剤を以下のように調製した:オイルバス(真空ポンプオイル、FisherCAS#72623−87−1)を90〜95℃に加熱した。デルタ−9−THCを含む容器を、(D9−THCを含む容器の真空アダプターを除去した後)予め加熱したオイルバス中、それが流動可能な液体に変化するまで、10分間配置した。空のガラス容器の重量(W1)を計算した。D9−THCをガラス製ピペットを用いることによって容器に移した。
【0315】
デルタ−9−THCを有する容器の重量(W2)を計算した。移されたD9−THCの正確な量を以下の式に従って計算した:(デルタW=W2−W1)。容器中のD9−THCの実際の量を以下の式に従って計算した:D9−THC=デルタW×力価。
【0316】
次いで、33−Aから33−Eまでの製剤に対して表41によるさらなる成分を加えた。次いで、内容物が流動可能な液体になるまで、混合物を加熱した。次いで、混合物を、まだ熱いうちにボルテクサーによって約3分間十分に混和した。次いで、製剤を室温に戻した後、貯蔵した。
【0317】
以下の実施例において、本明細書に記載するドロナビノール硬ゼラチンカプセル剤、ドロナビノール軟ゼラチンカプセル剤、およびドロナビノールシロップ剤に関する臨床試験およびデータを生成した。ドロナビノール硬ゼラチンカプセルを凌ぐドロナビノールシロップ剤の優位性には、1)吸収がより安定している、2)投与量に柔軟性がある、3)Cmaxが低い結果として有害事象のプロフィールが低い、4)カプセル剤に比べてAUCが実質的に同じため、有効性が同様である、5)硬ゼラチンカプセル剤に比べて放出が持続的である、6)硬ゼラチンカプセル剤に比べて作用の開始(治療レベルに到達するまでの時間)がより早い、7)カプセル剤を飲み込むことができない患者に対しても便利な投与量である、および8)ドロナビノールシロップは、粘性の性質であるため注射が困難であるが、それゆえ乱用が困難であることが含まれる。
【0318】
(実施例34)
ドロナビノール軟ゼラチンカプセル剤の薬物動態学
ドロナビノール軟ゼラチンカプセル剤製品に対する製品ラベルは、以下の薬物動態学的パラメータを報告している(空腹条件下の健常志願者(n=24、20〜45歳)に対する多回投与)
【0319】
【表41−2】
(実施例35)
ゴマ油中にドロナビノール10mgを含む軟ゼラチンカプセル剤の薬物動態学的パラメータ
実施例35において、薬物動態学的試験を行って、とりわけ、ゴマ油中にドロナビノール10mgを含む軟ゼラチンカプセル剤の薬物動態学的パラメータの平均を決定した。
【0320】
得られた平均(SD)の薬物動態学的パラメータを以下の表42に要約する。
【0321】
【表42】
試験した軟ゼラチンカプセル剤の投与後のドロナビノールおよび11−ヒドロキシ−ドロナビノールの平均濃度のプロフィールを図2に示す。
【0322】
個々の対象におけるドロナビノール濃度は、投与8時間後と36時間後の間にLLOQ(すなわち、最小定量レベル)である50pg/mL未満に低下したが、11−OH−ドロナビノール濃度は投与16時間後から72時間後に、そのLLOQである50pg/mL未満に低下した。
【0323】
(実施例36)
ゴマ油中にドロナビノール10mgを含む硬ゼラチンカプセル剤の薬物動態学的パラメータ
実施例36において、従来の手順に従って、ゴマ油中に溶解したドロナビノール10mgを含む硬ゼラチンカプセル剤を調製した。
【0324】
硬ゼラチンカプセル剤の薬物動態学の平均(SD)を決定するために試験を実施した。試験の結果を以下の表43に要約する。
【0325】
【表43】
(実施例37)
両方ともゴマ油中にドロナビノール10mgを含む軟ゼラチンカプセル剤および硬ゼラチンカプセル剤の薬物動態学的パラメータの比較
実施例37において、実施例35の軟ゼラチンカプセル剤および実施例36の硬ゼラチンカプセル剤の薬物動態学的パラメータを比較した。
【0326】
投与後のドロナビノールおよび11−ヒドロキシ−ドロナビノール平均濃度のプロフィールを両方とも、図3Aおよび図3Bに示す。
【0327】
薬物動態学的データを以下の表44に要約する。
【0328】
【表44】
表44におけるデータは、実施例36の硬ゼラチンカプセルおよび実施例35の軟ゼラチンカプセルは、CmaxおよびAUCに関して90%の信頼区間を有し、これらは生物学的に同等な製品に関連して、従来の80〜125%の境界内に低下することを示している。
【0329】
実施例36の硬ゼラチンカプセル剤は、実施例35の軟ゼラチンカプセル剤に同様に機能し、CmaxおよびAUCに対するその90%信頼区間は、一般的に認められる限界内にあったことが結論付けられた。
【0330】
(実施例38)
実施例35において生成されたデータの分析
実施例38において、実施例35の軟ゼラチンカプセル剤に対する個々の濃度−時間プロフィールを分析して、閾値濃度(例えば、最小有効濃度)の範囲に対して、その対象の集団における効果の平均持続時間を同定した。結果を図4に示す。
【0331】
図4におけるデータは、例えば、両方ともドロナビノール10mgの投与量の後、4時間の効果の持続時間は、閾値濃度が約0.56ng/mLであることを必要とし、6時間の作用の持続時間は、閾値濃度が約0.24ng/mLであることを必要とする。ドロナビノール5mgの投与量の後、同様の効果の持続時間を達成することができると仮定すると、投与量比例的なスケーリングによって、閾値濃度は、4時間および6時間の効果の持続時間に対して、それぞれ約0.28ng/mLおよび0.12ng/mLでなければならない。
【0332】
この分析は、効果に相関するドロナビノールの閾値濃度がほとんどの患者において0.1から0.6ng/mLの範囲にある場合、ドロナビノールの効果の持続時間は4から6時間であり得ることを示している。
【0333】
効果の持続時間の平均が4時間であり閾値濃度が0.56ng/mLである場合の、効果の持続時間に対する度数分布を図5に示す。分布の平均、中央値、およびモードは同様であり、分布がおよそ対照的であり、少数の個体が「テイル」にあることを示している(すなわち、効果の持続時間が長引くことが予想される)。効果の持続時間に対する他の可能な平均値を仮定すると、時間軸に沿ってシフトした、同様な形状の度数分布が得られる。
【0334】
(実施例39)
シロップ製剤
実施例39において、以下の表45に記載するドロナビノールシロップ製剤を上記の液体製剤の調製に対して記載した手順に従って調製した。
【0335】
【表45−1】
【0336】
【表45−2】
ある種の他の実施形態において、実施例39の製剤は、0.3%ヒドロキシプロピルセルロースを無水アルコールで置き換えることによって改変することができる。
【0337】
(実施例40)
シロップ製剤での投与量増大試験
実施例39のシロップ製剤の薬物動態学的パラメータの平均(SD)を決定するために、投与量増大試験(2.5mg、2.5mg+水240mL、5mg、および10mg)を行った。
【0338】
4つの処置(2.5mg、2.5mg+水240mL、5mg、および10mg)に対する濃度時間プロフィールを図6に示す。活性代謝物(11−ヒドロキシ−ドロナビノール)の濃度を図7に示す。
【0339】
試験の結果を以下の表46に記載する。
【0340】
【表46】
活性代謝物である11−ヒドロキシ−ドロナビノールの濃度は、親分子(ドロナビノール)の濃度と同様であったことが結論付けられた。
【0341】
2つの2.5mg処置(水240mLなし、またはあり)は同等のプロフィールをもたらし、ドロナビノールの吸収は、0.5mLだけという少量のシロップから信頼できるものであることを示したことも結論付けられた。
【0342】
(実施例41)
実施例40において生成されたデータの分析
実施例41において、実施例40の試験からの個々の濃度−時間プロフィールを分析して、閾値濃度(例えば、最小有効濃度)の範囲に対して、その対象の集団における効果の平均持続時間を同定し、実施例35の軟ゼラチンカプセルの結果と比較した。結果を図8に示す。
【0343】
図8より、ドロナビノール10mgをシロップ製剤として投与した平均の対象の効果の持続時間(すなわち、ドロナビノールの閾値濃度が0.56ng/mL、またはそれを超える)は約6時間であり(実施例35の軟ゼラチンカプセル剤が4時間の効果をもたらす場合の濃度)、効果の持続時間(すなわち、ドロナビノールの閾値濃度が0.24ng/mL、またはそれを超える)は約10時間である(実施例35の軟ゼラチンカプセルが6時間の効果をもたらす場合の濃度)ことが分かる。したがって、実施例35の軟ゼラチンカプセル剤としてドロナビノール10mgが4〜6時間の効果の持続時間をもたらす設定においては、実施例39のシロップ製剤としてドロナビノール10mgは、少なくともその長さの効果の持続時間をもたらす。
【0344】
図8は、平均の患者における、実施例39の処方のシロップ剤に対する効果の持続時間は、効果に対する閾値濃度が1.2ng/mLまたはそれより低い場合は、実施例35の軟ゼラチンカプセル剤の持続時間と少なくとも同じくらい長いことも示しており、閾値濃度は、実施例35の軟ゼラチンカプセル剤に対して作用の持続時間が2.5時間にすぎないことを意味している。
【0345】
実施例35の軟ゼラチンカプセル剤に対する効果の持続時間の平均が4時間である場合の、実施例35の軟ゼラチンカプセル剤およびシロップ製剤の効果の持続時間の度数分布を図9(閾値濃度0.56ng/mL)および図10(閾値濃度0.24ng/mL)に示す。両方の製剤とも、およそ対称的である分布を有するが、シロップ製剤に対する分布は右方向に、長時間方向にシフトしており、ドロナビノールに制吐薬として反応する患者はすべて、実施例35の軟ゼラチンカプセル剤から経験するのと少なくとも同じくらい長いシロップ剤からの作用持続時間を有することを示している。実施例35の軟ゼラチンカプセル剤に対する効果の持続時間の平均が6時間である場合(閾値濃度=0.24ng/mL)の、ドロナビノール10mgを実施例35の軟ゼラチンカプセル剤または実施例39のシロップ製剤のいずれかとして投与した場合に対する度数分布がこの結論を確証している。
【0346】
(実施例42)
実施例35の軟ゼラチンカプセル製剤および実施例39のシロップ製剤の安全性の評価
実施例42において、実施例35の製剤および実施例39の製剤の安全性プロフィール、ならびにこれら製剤の薬物動態学的パラメータを比較した。
【0347】
実施例35の軟ゼラチンカプセル製剤の安全性試験において対象240人が評価可能であり、実施例39のシロップ製剤の安全性試験において対象31人が評価可能であった。
【0348】
実施例35の軟ゼラチンカプセル製剤の安全性試験において、実施例35の軟ゼラチンカプセル製剤に関連すると考えられる有害事象が216件存在した。考えられる216件の有害事象のうち、196件の事象が軽症と特徴付けられ、20件の事象が中程度と特徴付けられた。実施例35の軟ゼラチンカプセル製剤の投与後に最も頻繁に生じた有害事象は眩暈(21.6%)であり、2番目は頭痛(6.67%)であり、3番目は悪心(5.00%)であった。
【0349】
実施例39のシロップ製剤の安全性試験において、対象23人に実施例39のシロップ製剤を投与し、8人にプラセボを投与した。実施例39のシロップ製剤に関連すると考えられる有害事象が7件存在し、すべて軽症と特徴付けられた。実施例39のシロップ製剤の後に最も頻繁に生じた有害事象は頭痛(8.70%)であった。眩暈および悪心の有害事象は、口腔異常感症、妄想知覚、および多幸性気分と同じ頻度で生じた(4.35%)。
【0350】
いずれの試験においても、重篤な有害事象(SAE)は報告されなかった。
【0351】
実施例39のシロップ製剤で報告された有害事象は、実施例35の軟ゼラチンカプセル製剤で報告された有害事象よりも悪くはなく、おそらくは軽症であったと結論付けられた。
【0352】
実施例39のシロップ製剤は実施例35の製剤に比べて、同等の、または潜在的には良好な安全性プロフィールを有することを薬物動態学的結果は指摘したと、さらに結論付けられた。例えば、同等の投与量では2つの製剤によって生成されるドロナビノールへの全体の曝露は同様であるが、シロップ剤で達成さるピーク濃度は、実施例35の軟ゼラチンカプセル剤から得られたものよりも幾分低い。
【0353】
実施例39の製剤の10mg投与量は、実施例35の軟ゼラチンカプセル剤のAUCの6%以内であることも決定された。
【0354】
(実施例43)
実施例35の製剤および実施例39の製剤のドロナビノール10mg投与量を投与した後のドロナビノール平均濃度を比較した。データを図11および図12にグラフで示す。
【0355】
データは、シロップ剤投与後、実施例35の製剤に比べて、ドロナビノールの血漿中への出現はより迅速であり、変動性のずっと少ない遅延時間を示したことを指摘していた。例えば、シロップ剤投与後、67%の対象のドロナビノール濃度は、15分で最初の血液試料を採取した時点のLLOQを超えており、それに比べて軟ゼラチンカプセル剤を投与した対象は14%であった。さらに、その間にドロナビノール濃度がLLOQを下回った遅延時間は、シロップ剤投与後0から30分の範囲であり、軟ゼラチン剤投与後の遅延時間は0から4時間の範囲であった。
【0356】
実施例39のシロップ製剤は、実施例35の軟ゼラチンカプセル剤の血漿ドロナビノールAUCとほとんど同一である血漿ドロナビノールAUCをもたらし、実施例35の軟ゼラチンカプセル剤のピーク濃度より低いピーク濃度であることが結論付けられた。
【0357】
全体の曝露と同様であるが、より低いピーク曝露により、シロップ製剤が実施例35の軟ゼラチンカプセル剤と少なくとも同じくらい好ましい安全性プロフィールを有することを保証することがさらに結論付けられた。実施例35の軟ゼラチンカプセル剤に比べて、シロップ製剤が効果に対する可能な閾値濃度を依然として超えている延長時間は、シロップ剤が、軟ゼラチンカプセル剤に関連すると報告されている4〜6時間と少なくとも同じくらい長い、制吐効果に対する作用の持続期間を有することを意味している。
【0358】
結論
本発明の他の多くの変形形態が、当業者に明らかであり、本明細書に添付する特許請求の範囲内にあることが意味される。以上の明細書は、本発明者の、当技術分野における本発明者の経験、他者の報告(本明細書において確認される刊行物において確認されるものなど)、ならびに本明細書において実施され報告された実験に基づく確信、仮説、および結論に言及し、(可能な)説明の目的のみで提供し、いかなる方法によっても本発明を限定することを意味しない。
【0359】
【数1】
【0360】
【数2】
上記の参考文献(特許および非特許の出版物)はすべて、参照により本明細書に組み入れられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
安定化カンナビノイド製剤であって、水および前記製剤の物理的安定性を維持するための有機共溶媒の有効量を含む、約5〜約10のpHに緩衝させた半水性溶液にカンナビノイドの有効量を含み、(i)40℃/60%相対湿度で1カ月間;(ii)40℃/60%相対湿度で2カ月間;(iii)40℃/60%相対湿度で3カ月間;(iv)40℃/60%相対湿度で6カ月間;(v)40℃/60%相対湿度で8カ月間;(vi)室温(25℃)/60%相対湿度で1年間;(vii)室温(25℃)/60%相対湿度で2年間;およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80%を非分解形態で含む製剤。
【請求項2】
安定化カンナビノイド製剤であって、前記製剤が曇らず、可視的油滴を有さないように、約20%〜約44%の水および前記製剤の物理的安定性を維持するための有機共溶媒の有効量を含む、約5〜約10のpHに緩衝させた半水性溶液にカンナビノイドの有効量を含み、(i)40℃/60%相対湿度で1カ月間;(ii)40℃/60%相対湿度で2カ月間;(iii)40℃/60%相対湿度で3カ月間;(iv)40℃/60%相対湿度で6カ月間;(v)40℃/60%相対湿度で8カ月間;(vi)室温(25℃)/60%相対湿度で1年間;(vii)室温(25℃)/60%相対湿度で2年間;およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80%を非分解形態で含む製剤。
【請求項3】
安定化カンナビノイド製剤であって、前記製剤の30%超〜約44%の量の水、および前記製剤の物理的安定性を維持するための有機共溶媒の有効量を含む、約5〜約10のpHに緩衝させた半水性溶液にカンナビノイドの有効量を含み、(i)40℃/60%相対湿度で1カ月間;(ii)40℃/60%相対湿度で2カ月間;(iii)40℃/60%相対湿度で3カ月間;(iv)40℃/60%相対湿度で6カ月間;(v)40℃/60%相対湿度で8カ月間;(vi)室温(25℃)/60%相対湿度で1年間;(vii)室温(25℃)/60%相対湿度で2年間;およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80w/w%を非分解形態で含む製剤。
【請求項4】
水の量が約35%である、請求項1から3のいずれかに記載の安定化カンナビノイド製剤。
【請求項5】
エタノール、プロパノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、Labrosol、Labrafil、Transcutolおよびそれらの組合せからなる群から選択される第2の共溶媒をさらに含む、請求項1から4に記載の製剤。
【請求項6】
前記カンナビノイドが、ドロナビノール、11−OH−デルタ−9−THC、デルタ−8−THC、11−OH−デルタ−8−THC、ナビロン、レボナントラドール、(−)−HU−210、Win55212−2、アナンダミド、メタンダミド、CP55940、O−1057およびSR141716Aからなる群から選択される、請求項1から5のいずれかに記載の製剤。
【請求項7】
前記カンナビノイドがドロナビノールである、請求項6に記載の製剤。
【請求項8】
ドロナビノールが約0.001〜約500mg/mlの濃度で存在する、請求項7に記載の製剤。
【請求項9】
ドロナビノールが約0.05mg/ml〜約100mg/mlの濃度で存在する、請求項7に記載の製剤。
【請求項10】
ドロナビノールが約0.5mg/ml〜約10mg/mlの濃度で存在する、請求項7に記載の製剤。
【請求項11】
ドロナビノールが約1〜約10mg/mlの濃度で存在する、請求項7に記載の製剤。
【請求項12】
ドロナビノールが約2mg/ml〜約5mg/mlの濃度で存在する、請求項7に記載の製剤。
【請求項13】
以下の容積量、すなわち、約15〜約70%エタノールおよび約5〜約40%のグリコールを含む、請求項1から12のいずれかに記載の製剤。
【請求項14】
前記有機溶媒が、約35〜約45%エタノール、約5〜約15%PEG−400、および約5〜約15%プロピレングリコールを含む、請求項1から13のいずれかに記載の製剤。
【請求項15】
40℃/60%相対湿度で1カ月間の保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80%を非分解形態で含む、請求項1から14のいずれかに記載の製剤。
【請求項16】
40℃/60%相対湿度で2カ月間の保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80%を非分解形態で含む、請求項1から15のいずれかに記載の製剤。
【請求項17】
40℃/60%相対湿度で3カ月間の保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80%を非分解形態で含む、請求項1から16のいずれかに記載の製剤。
【請求項18】
40℃/60%相対湿度で6カ月間の保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80%を非分解形態で含む、請求項1から17のいずれかに記載の製剤。
【請求項19】
40℃/60%相対湿度で8カ月間の保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80%を非分解形態で含む、請求項1から18のいずれかに記載の製剤。
【請求項20】
室温(25℃)/60%相対湿度で1年間の保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80%を非分解形態で含む、請求項1から19のいずれかに記載の製剤。
【請求項21】
室温(25℃)/60%相対湿度で2年間の保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80%を非分解形態で含む、請求項1から20のいずれかに記載の製剤。
【請求項22】
(i)40℃/60%相対湿度で1カ月間;(ii)40℃/60%相対湿度で2カ月間;(iii)40℃/60%相対湿度で3カ月間;(iv)40℃/60%相対湿度で6カ月間;(v)40℃/60%相対湿度で8カ月間;(vi)室温(25℃)/60%相対湿度で1年間;(vii)室温(25℃)/60%相対湿度で2年間;およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約90%を非分解形態で含む、請求項1から21のいずれかに記載の製剤。
【請求項23】
40℃/60%相対湿度で1カ月間の保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約90%を非分解形態で含む、請求項1から22のいずれかに記載の製剤。
【請求項24】
40℃/60%相対湿度で2カ月間の保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約90%を非分解形態で含む、請求項1から23のいずれかに記載の製剤。
【請求項25】
40℃/60%相対湿度で3カ月間の保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約90%を非分解形態で含む、請求項1から24のいずれかに記載の製剤。
【請求項26】
40℃/60%相対湿度で6カ月間の保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約90%を非分解形態で含む、請求項1から25のいずれかに記載の製剤。
【請求項27】
40℃/60%相対湿度で8カ月間の保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約90%を非分解形態で含む、請求項1から26のいずれかに記載の製剤。
【請求項28】
室温(25℃)/60%相対湿度で1年間の保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約90%を非分解形態で含む、請求項1から27のいずれかに記載の製剤。
【請求項29】
室温(25℃)/60%相対湿度で2年間の保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの少なくとも約90w/w%を非分解形態で含む、請求項1から28のいずれかに記載の製剤。
【請求項30】
安定化剤をさらに含む、請求項1から29のいずれかに記載の製剤。
【請求項31】
許容されない分解に対する前記カンナビノイドの安定性を促進するために、1つまたは複数の安定剤の有効量をさらに含む、請求項30に記載の製剤。
【請求項32】
許容されない分解に対する前記カンナビノイドの安定性を促進するために、1つまたは複数の安定剤の有効量をさらに含み、前記安定剤は、有機塩基、無機塩基および抗酸化剤からなる群から選択される、請求項30に記載の製剤。
【請求項33】
許容されない分解に対する前記カンナビノイドの安定性を促進するために、1つまたは複数の有機塩基の有効量をさらに含む、請求項32に記載の製剤。
【請求項34】
許容されない分解に対する前記カンナビノイドの安定性を促進するために、1つまたは複数の無機塩基の有効量をさらに含む、請求項32に記載の製剤。
【請求項35】
許容されない分解に対する前記カンナビノイドの安定性を促進するために、1つまたは複数の抗酸化剤の有効量をさらに含む、請求項32に記載の製剤。
【請求項36】
前記安定化剤が、アスコルビン酸、塩酸システイン、硫酸水素ナトリウム、メタ硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム、パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、レシチン、没食子酸プロピル、α−トコフェロール、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸、ソルビトール、酒石酸、リン酸、ポビドンおよびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項30に記載の製剤。
【請求項37】
前記安定化剤が、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエンおよびアスコルビン酸ナトリウムからなる群から選択される、請求項30に記載の製剤。
【請求項38】
前記安定化剤がメタノールアミンおよびアスコルビン酸パルミテートからなる群から選択される、請求項30に記載の製剤。
【請求項39】
前記カンナビノイドがドロナビノールであり、その表示有効期間中に、2%を超えるデルタ−8テトラヒドロカンナビノール(D8THC)、2%を超えるカンナビノール(CBN)、2%を超えるカンナビジオール(CBD)およびそれらの任意の組合せからなる群から選択されるドロナビノール分解物の許容されないレベルを含まない、請求項1から38のいずれかに記載の製剤。
【請求項40】
1つまたは複数の追加の治療的活性剤をさらに含む、請求項1から39のいずれかに記載の製剤。
【請求項41】
前記追加の治療的活性剤が、麻薬性鎮痛薬、非麻薬性鎮痛薬、制吐剤、ステロイド、および上のいずれかの混合物から選択される、請求項40に記載の製剤。
【請求項42】
前記カンナビノイドが、用量につき約0.01mg〜約500mgの量のドロナビノールである、請求項1から41のいずれかに記載の製剤。
【請求項43】
前記カンナビノイドが、用量につき約0.5mg〜約200mgの量のドロナビノールである、請求項1から42のいずれかに記載の製剤。
【請求項44】
前記カンナビノイドが、用量につき約1mg〜約500mgの量のドロナビノールである、請求項1から43のいずれかに記載の製剤。
【請求項45】
前記カンナビノイドが、用量につき約0.01mg〜約50mgの量のドロナビノールである、請求項1から44のいずれかに記載の製剤。
【請求項46】
前記カンナビノイドが、用量につき約0.01mg〜約1mgの量のドロナビノールである、請求項1から45のいずれかに記載の製剤。
【請求項47】
前記カンナビノイドが、用量につき約0.5〜約5mgの量のドロナビノールである、請求項1から46のいずれかに記載の製剤。
【請求項48】
前記カンナビノイドが、用量につき約1mg〜約3mgの量のドロナビノールである、請求項1から47のいずれかに記載の製剤。
【請求項49】
乳化剤をさらに含む、請求項1から48のいずれかに記載の製剤。
【請求項50】
界面活性剤をさらに含む、請求項1から49のいずれかに記載の製剤。
【請求項51】
前記担体が、リン酸緩衝液を含む緩衝剤を含む、請求項1から50のいずれかに記載の製剤。
【請求項52】
前記カンナビノイドが、その遊離型、塩、エステル、プロドラッグ、複合体および上のいずれかの混合物からなる群から選択される形態である、請求項1から51のいずれかに記載の製剤。
【請求項53】
均質で、熱力学的に安定である、請求項1から52のいずれかに記載の製剤。
【請求項54】
保存料をさらに含む、請求項1から53のいずれかに記載の製剤。
【請求項55】
44/14;Gelucire 50/13;Imwitor 91;Imwitor 308;Imwitor 380;Imwitor 742;Imwitor 780K;Imwitor 928;Imwitor 988;ポロキサマー124;ポロキサマー188;Tagat TO;Tween 80;レシチン;リゾレシチン;ホスファチジルコリン;ホスファチジルエタノールアミン;ホスファチジルグリセロール;ホスファチジン酸;ホスファチジルセリン;リゾホスファチジルコリン;リゾホスファチジルエタノールアミン;リゾホスファチジルグリセロール;リゾホスファチジン酸;リゾホスファチジルセリン;PEG−ホスファチジルエタノールアミン;PVP−ホスファチジルエタノールアミン;ポリオキシエチレンヒマシ油、クレモホルおよびそれらの組合せからなる群から選択される乳化剤をさらに含む、請求項1から54のいずれかに記載の製剤。
【請求項56】
前記担体が、重量に基づく以下の量の成分、すなわち、約45〜約65%エタノール、約4〜約6%プロピレングリコールおよび約28〜約48%水を含む、請求項1から55のいずれかに記載の製剤。
【請求項57】
前記カンナビノイドが、天然源、合成源、半合成源および上のいずれかの混合物からなる群から選択される源に由来するドロナビノールである、請求項1から56のいずれかに記載の製剤。
【請求項58】
前記カンナビノイドが、その遊離型、塩、エステル、プロドラッグ、複合体および上のいずれかの混合物からなる群から選択される形態のドロナビノールである、請求項1から57のいずれかに記載の製剤。
【請求項59】
以下の容積量、すなわち、(i)約15〜約50%エタノール、ならびに(ii)(a)約0.1%〜約25%のプロピレングリコール、(b)約1〜約30%のポリエチレングリコール、(c)(a)および(b)の組合せからなる群から選択されるグリコールを含み、ネブライザーによる投与に適する、請求項1から58に記載の製剤。
【請求項60】
以下の容積量、すなわち、(i)約35〜約40%エタノール、(ii)約10%プロピレングリコール、(iii)約13〜約16.7%ポリエチレングリコール、ならびに(iv)アスコルビン酸パルミテート、BHA、BHT、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、トコフェロールおよびモノエタノールアミンからなる群から選択される約0.01〜約0.5%の抗酸化剤を含み、ネブライザーによる投与に適する、請求項1から58に記載の製剤。
【請求項61】
約0.01〜約15ミクロンの範囲の平均質量空気力学的径中央値を有するエアゾール化粒子として肺に投与される、請求項59または60に記載の製剤。
【請求項62】
前記エアゾール化粒子が、約1〜約10ミクロンの範囲の平均質量空気力学的径中央値を有する、請求項61に記載の製剤。
【請求項63】
前記エアゾール化粒子が、約2〜約4ミクロンの範囲の平均質量空気力学的径中央値を有する、請求項61に記載の製剤。
【請求項64】
化学療法を受けるヒトに関連する悪心および嘔吐を制御する方法であって、悪心および嘔吐を起こしているヒト患者への液体ネブライザー製剤の肺内投与を含み、前記液体ネブライザー製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法。
【請求項65】
消耗症候群のエイズ患者の食欲刺激の方法であって、食欲不振を起こしているヒト患者への液体ネブライザー製剤の肺内投与を含み、前記液体ネブライザー製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法。
【請求項66】
前記カンナビノイドがドロナビノールである、請求項64または65に記載の方法。
【請求項67】
以下の容積量、すなわち、(i)約15〜約65%エタノール、ならびに(ii)(a)約0.1%〜約25%のプロピレングリコール、(b)約1〜約25%のポリエチレングリコール、(c)(a)および(b)の組合せからなる群から選択されるグリコールを含み、経口投与に適する、請求項1から58に記載の製剤。
【請求項68】
Aerosil(二酸化ケイ素);セトステアリルアルコール;セチルアルコール;ステアリルアルコール;Gelucire 33/01;Gelucire 39/01;Gelucire 43/01;ベヘン酸グリセリル(Compritol 888 ATO);パルミトステアリン酸グリセリル(Precirol AT05);Softisan 100;Softisan 142;Softisan 378;Softisan 649;ヒドロキシプロピルセルロースおよびそれらの混合物からなる群から選択される粘度調整剤をさらに含む、請求項67に記載の製剤。
【請求項69】
前記粘度調整剤が、約0.1〜約25%の量のヒドロキシプロピルセルロースである、請求項68に記載の製剤。
【請求項70】
薬学的に許容される甘味料、矯味矯臭剤、味覚マスキング剤およびそれらの組合せからなる群から選択される成分をさらに含む、請求項67から69に記載の製剤。
【請求項71】
前記甘味料が、ショ糖、果糖、ソルビトール、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、キシリトールおよびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項70に記載の製剤。
【請求項72】
前記甘味料が、約5〜約25重量%の量のキシリトール、約0.01〜約5重量%の量のサッカリン、および約0.01〜約5重量%の量のサッカリンナトリウムからなる群から選択される、請求項70に記載の製剤。
【請求項73】
前記矯味矯臭剤が、ハッカ、サリチル酸メチル、マンニトールおよび果実矯味矯臭剤からなる群から選択される、請求項70に記載の製剤。
【請求項74】
化学療法を受けるヒトに関連する悪心および嘔吐を制御する方法であって、悪心および嘔吐を起こしているヒト患者への液体シロップ製剤の経口投与を含み、前記液体シロップ製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法。
【請求項75】
消耗症候群のエイズ患者の食欲刺激の方法であって、食欲不振を起こしているヒト患者への液体シロップ製剤の経口投与を含み、前記液体シロップ製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法。
【請求項76】
前記カンナビノイドがドロナビノールである、請求項74または75に記載の方法。
【請求項77】
以下の容積量、すなわち、(i)約15〜約70%エタノール、ならびに(ii)(a)約0.1%〜約25%のプロピレングリコール、(b)約1〜約25%のポリエチレングリコール、(c)(a)および(b)の組合せからなる群から選択されるグリコールを含み、舌下投与に適する、別々の液滴の形態である、請求項1から58に記載の製剤。
【請求項78】
以下の容積量、すなわち、(i)約45〜約70%エタノール、ならびに(ii)(a)0〜約50%のプロピレングリコール、(b)0〜約2.5%のポリエチレングリコール、(c)(a)および(b)の組合せからなる群から選択されるグリコール、(iii)0〜約25%のさらなる可溶化剤;(iv)0〜約1%の味覚マスキング剤を含み、舌下投与に適する、別々の液滴の形態である、請求項1から58に記載の製剤。
【請求項79】
前記液滴が、少なくとも約10ミクロンの平均径を有する、請求項77または78に記載の製剤。
【請求項80】
前記液滴が、少なくとも約20ミクロンの平均径を有する、請求項77または78に記載の舌下カンナビノイド製剤。
【請求項81】
前記液滴が、約5ミクロン〜約500ミクロンのサイズ分布を有する、請求項77または78に記載の舌下カンナビノイド製剤。
【請求項82】
前記液滴が、約10ミクロン〜約200ミクロンのサイズ分布を有する、請求項77または78に記載の舌下カンナビノイド製剤。
【請求項83】
前記カンナビノイドが、約0.01mg/ml〜約10mg/mlの濃度で前記製剤に含まれるドロナビノールである、請求項77または78に記載の舌下カンナビノイド製剤。
【請求項84】
吸収促進剤をさらに含む、請求項77から83に記載の舌下カンナビノイド製剤。
【請求項85】
前記吸収促進剤がミリスチン酸イソプロピルである、請求項84に記載の舌下カンナビノイド製剤。
【請求項86】
前記吸収促進剤が、前記製剤の約0.001重量%〜約10重量%の量である、請求項84または85に記載の舌下カンナビノイド製剤。
【請求項87】
前記カンナビノイドが、舌下投与の後、ヒト患者の肺に入らないか、実質的に入らない、請求項77から86に記載の舌下カンナビノイド製剤。
【請求項88】
舌下噴霧投与に適する薬学的に許容される液体担体中にカンナビノイドの有効量の別々の液滴を含む、請求項1から58に記載の舌下カンナビノイド製剤の単位用量であって、前記液滴は、少なくとも約10ミクロンの平均径を有する単位用量。
【請求項89】
前記液体噴霧製剤が、少なくとも約20ミクロンの平均径を有する液滴粒子を含む、請求項88に記載の単位用量。
【請求項90】
前記液体噴霧製剤が、約5ミクロン〜約500ミクロンのサイズ分布を有する液滴粒子を含む、請求項88に記載の単位用量。
【請求項91】
前記液体噴霧製剤が、約10ミクロン〜約200ミクロンのサイズ分布を有する液滴粒子を含む、請求項88に記載の単位用量。
【請求項92】
約0.5mg〜約200mgの前記カンナビノイド、その薬学的に許容される塩またはその誘導体を含む、請求項88から91に記載の単位用量。
【請求項93】
約1mg〜約100mgの前記カンナビノイド、その薬学的に許容される塩またはその誘導体を含む、請求項88から91に記載の単位用量。
【請求項94】
約5mg〜約50mgの前記カンナビノイドを含む、請求項88から91に記載の単位用量。
【請求項95】
化学療法を受けるヒトに関連する悪心および嘔吐を制御する方法であって、少なくとも約10ミクロンの平均径を有する別々の液滴の形態の液体噴霧製剤を、悪心および嘔吐のヒト患者に舌下投与することを含み、前記液体噴霧製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される液体担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約7のpHに緩衝される方法。
【請求項96】
消耗症候群のエイズ患者の食欲刺激の方法であって、少なくとも約10ミクロンの平均径を有する別々の液滴の形態の液体噴霧製剤を、食欲不振のヒト患者に舌下投与することを含み、前記液体噴霧製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される液体担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約7のpHに緩衝される方法。
【請求項97】
前記カンナビノイドがドロナビノールである、請求項95または96に記載の方法。
【請求項98】
前記液滴が、少なくとも約20ミクロンの平均径を有する、請求項95から97に記載の方法。
【請求項99】
前記別々の液滴が、約5ミクロン〜約500ミクロンのサイズ分布を有する、請求項95から97に記載の方法。
【請求項100】
前記サイズ分布が約10ミクロン〜約200ミクロンである、請求項95から97に記載の方法。
【請求項101】
前記カンナビノイドが、約1mg/ml〜約50mg/mlの濃度で前記液体噴霧製剤に含まれる、請求項95から97に記載の方法。
【請求項102】
前記カンナビノイドが、約5mg/ml〜約25mg/mlの濃度で前記液体噴霧製剤に含まれる、請求項95から97に記載の方法。
【請求項103】
前記カンナビノイドが、約6mg/ml〜約10.12mg/mlの濃度で前記液体噴霧製剤に含まれる、請求項95から97に記載の方法。
【請求項104】
前記カンナビノイドが、約6.5mg/mlの濃度で前記液体噴霧製剤に含まれる、請求項95から97に記載の方法。
【請求項105】
薬剤の舌下投与のための単位用量または二用量の装置であって、
ドロナビノール、11−OH−デルタ−9−THC、デルタ−8−THCおよび11−OH−デルタ−8−THCからなる群から選択されるカンナビノイドの有効量を含む液体製剤の単位用量または二用量を含む貯蔵器であって、前記カンナビノイドは、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される液体担体に入れられ、前記担体は約7のpHに緩衝される貯蔵器を含み、作動させると、少なくとも約10ミクロンの平均径を有する液滴の形態の前記液体製剤の前記単位用量を送達するアクチュエータを有する装置。
【請求項106】
薬剤の舌下投与のための単位用量または二用量の装置であって、
少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される液体担体中にドロナビノールの有効量を含む、室温安定性の液体製剤の単位用量または二用量を含む貯蔵器であって、前記担体は約7のpHに緩衝される貯蔵器を含み、作動させると、少なくとも約10ミクロンの平均径を有する液滴の形態の前記液体製剤の前記単位用量を送達するアクチュエータを有する装置。
【請求項107】
前記送達単位用量が約0.5mg〜約200mgのカンナビノイドを含む、請求項105または106に記載の単位用量または二用量の装置。
【請求項108】
前記送達単位用量が約1mg〜約100mgのカンナビノイドを含む、請求項105または106に記載の単位用量または二用量の装置。
【請求項109】
前記送達単位用量が約5mg〜約50mgのカンナビノイドを含む、請求項105または106に記載の単位用量または二用量の装置。
【請求項110】
前記カンナビノイドの吸収を妨げるか、または実質的に妨げる材料を含むストッパーをさらに含む、請求項105から109に記載の単位用量または二用量の装置。
【請求項111】
前記ストッパーが、前記液体製剤の噴霧特性に影響を及ぼす前記装置の一次包装構成要素である、請求項105から109に記載の単位用量または二用量の装置。
【請求項112】
前記ストッパーが以下の組成および特徴、すなわち、a)エラストマー:ブロモブチルおよび/またはクロロブチル;b)強化材:不活性物質:不活性鉱物;ならびにc)硬化系:非従来型を有する、請求項105から109に記載の単位用量または二用量の装置。
【請求項113】
薬剤の舌下投与のための多回用量装置であって、
ドロナビノール、11−OH−デルタ−9−THC、デルタ−8−THCおよび11−OH−デルタ−8−THCからなる群から選択されるカンナビノイドを含む液体製剤を含む貯蔵器であって、前記カンナビノイドは、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される液体担体に入れられ、前記担体は約7のpHに緩衝される貯蔵器を含み、作動させると、少なくとも約10ミクロンの平均径を有する液滴の形態の前記液体製剤の治療有効用量を送達するアクチュエータを有する装置。
【請求項114】
薬剤の舌下投与のための多回用量装置であって、
少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される液体担体中のドロナビノールを含む、室温安定性の液体製剤を含む貯蔵器であって、前記担体は約7のpHに緩衝される貯蔵器を含み、作動させると、少なくとも約10ミクロンの平均径を有する液滴の形態の前記液体製剤の治療有効用量を送達するアクチュエータを有する装置。
【請求項115】
前記治療有効用量が約0.5mg〜約200mgのカンナビノイドを含む、請求項113または114に記載の多回用量装置。
【請求項116】
前記治療有効用量が約1mg〜約100mgのカンナビノイドを含む、請求項113または114に記載の多回用量装置。
【請求項117】
前記治療有効用量が約5mg〜約50mgのカンナビノイドを含む、請求項113または114に記載の多回用量装置。
【請求項118】
前記カンナビノイドの吸収を妨げるか、または実質的に妨げる材料を含むガスケットをさらに含む、請求項113または114に記載の多回用量装置。
【請求項119】
前記ガスケットが以下の組成および特徴、すなわち、a)エラストマー:ブロモブチルおよび/またはクロロブチル;b)強化材:不活性物質:不活性鉱物;ならびにc)硬化系:非従来型を有する、請求項113から118に記載の装置。
【請求項120】
以下の容積量、すなわち、(i)約15%〜約90%エタノール、(ii)(a)約0.1%〜約25%のプロピレングリコール、(b)約1〜約30%のポリエチレングリコール、(c)(a)および(b)の組合せからなる群から選択されるグリコール、(iii)約0.1〜約20%のゲル化剤、(iv)約0.1〜約20%の塩基、ならびに(v)約0.1〜約20%の吸収促進剤を含み、経皮投与に適する、請求項1から58に記載の製剤。
【請求項121】
化学療法を受けるヒトに関連する悪心および嘔吐を制御する方法であって、悪心および嘔吐を起こしているヒト患者へのゲル製剤の経皮投与を含み、前記ゲル製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容されるゲル担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約7のpHに緩衝される方法。
【請求項122】
消耗症候群のエイズ患者の食欲刺激の方法であって、食欲不振を起こしているヒト患者へのゲル製剤の経皮投与を含み、前記ゲル製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容されるゲル担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約7のpHに緩衝される方法。
【請求項123】
前記カンナビノイドがドロナビノールである、請求項121または122に記載の方法。
【請求項124】
以下の容積量、すなわち、(i)約15%〜約90%エタノール、(ii)(a)約0.1%〜約25%のプロピレングリコール、(b)約1〜約30%のポリエチレングリコール、(c)(a)および(b)の組合せからなる群から選択されるグリコール、(iii)約0.1〜約20%のゲル化剤、(iv)0〜約20%のpH調整剤、ならびに(v)約0〜約20%の張性調整剤を含み、静脈内投与に適する、請求項1から58に記載の製剤。
【請求項125】
前記張性調整剤が、糖、多価アルコール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、ショ糖、乳糖、塩化ナトリウムおよびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項124に記載の製剤。
【請求項126】
化学療法を受けるヒトに関連する悪心および嘔吐を制御する方法であって、悪心および嘔吐を起こしているヒト患者への静脈内製剤の静脈内投与を含み、前記静脈内製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される液体担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約7のpHに緩衝される方法。
【請求項127】
消耗症候群のエイズ患者の食欲刺激の方法であって、食欲不振を起こしているヒト患者への静脈内製剤の静脈内投与を含み、前記静脈内製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される液体担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約7のpHに緩衝される方法。
【請求項128】
前記カンナビノイドがドロナビノールである、請求項126または127に記載の方法。
【請求項129】
ラノリン、ペトロラタムまたはそれらの組合せを含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含む安定化眼用製剤であって、(i)40℃/60%相対湿度で1カ月間;(ii)40℃/60%相対湿度で2カ月間;(iii)40℃/60%相対湿度で3カ月間;(iv)40℃/60%相対湿度で6カ月間;(v)40℃/60%相対湿度で8カ月間;(vi)室温(25℃)/60%相対湿度で1年間;(vii)室温(25℃)/60%相対湿度で2年間;およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80%を非分解形態で含む製剤。
【請求項130】
鉱油、水またはそれらの組合せをさらに含む、請求項129に記載の眼用製剤。
【請求項131】
前記担体が約20〜約100重量%のラノリンを含む、請求項129に記載の製剤。
【請求項132】
前記担体が約50〜約100重量%のペトロラタムを含む、請求項129に記載の製剤。
【請求項133】
前記担体が約10〜約25重量%の鉱油を含む、請求項130に記載の製剤。
【請求項134】
前記担体が約0.1〜約20重量%の水を含む、請求項130に記載の製剤。
【請求項135】
緑内障のヒト患者を治療する方法であって、緑内障のヒト患者への室温安定性眼用製剤の眼への投与を含み、前記眼用製剤は、ラノリン、ペトロラタムおよびそれらの組合せからなる群から選択される薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含む方法。
【請求項136】
前記カンナビノイドがドロナビノールである、請求項135に記載の方法。
【請求項137】
エイズ関連の食欲不振;化学療法に関連する悪心および嘔吐;緑内障;多発硬化症および疼痛からなる群から選択される状態を有するヒト患者を治療する方法であって、有効濃度のカンナビノイド、少なくとも約20%の水を含む担体を含む安定化カンナビノイド製剤を前記患者に投与するステップを含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法。
【請求項138】
前記製剤が、肺、経口、舌下、経皮、静脈内および眼からなる群から選択される送達経路による投与に適する、請求項137に記載の方法。
【請求項139】
ドロナビノールの有効量、および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む経口液体医薬製剤であって、ヒト対象集団に投与される2.5mg用量のドロナビノールに基づいて、約0.143〜約0.493ng/mlのドロナビノールの平均Cmaxを提供する製剤。
【請求項140】
ヒト対象集団に投与される5mg用量のドロナビノールに基づいて、約0.52〜約1.56ng/mlのドロナビノールの平均Cmaxを提供する、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項141】
ヒト対象集団に投与される10mg用量のドロナビノールに基づいて、約1.63〜約4.55ng/mlのドロナビノールの平均Cmaxを提供する、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項142】
約0.5〜約12時間のTmax、ヒト対象集団に投与される場合の約2時間のTmax中央値、およびそれらの組合せから選択される、ドロナビノールの2.5mg用量に基づく薬物動態パラメータを提供する、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項143】
約0.25〜約8時間のTmax、ヒト対象集団に投与される場合の約1.5時間のTmax中央値、およびそれらの組合せから選択される、ドロナビノールの5mg用量に基づく薬物動態パラメータを提供する、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項144】
約0.5〜約8時間のTmax、ヒト対象集団に投与される場合の約1.5時間のTmax中央値、およびそれらの組合せから選択される、ドロナビノールの10mg用量に基づく薬物動態パラメータを提供する、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項145】
ヒト対象集団に投与される2.5mg用量のドロナビノールに基づいて、約0.95〜約2.81ng×時間/mlのドロナビノールの平均AUCを提供する、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項146】
ヒト対象集団に投与される5mg用量のドロナビノールに基づいて、約2.05〜約6.93ng×時間/mlのドロナビノールの平均AUCを提供する、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項147】
ヒト対象集団に投与される10mg用量のドロナビノールに基づいて、約6.61〜約16.59ng×時間/mlのドロナビノールの平均AUCを提供する、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項148】
ヒト対象集団に投与される場合、ドロナビノールのソフトゼラチンカプセル製剤によって提供されるドロナビノールの平均AUCの約6%以内である、ドロナビノールの平均AUCを提供する、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項149】
ヒト対象集団に投与される場合、(i)約0.1ng/ml〜約1.44ng/ml、(ii)約0.12ng/ml、(iii)約0.24ng/ml、(iv)約0.28ng/ml、(v)約0.56ng/ml、および(vi)約1.2ng/mlからなる群から選択されるドロナビノールの平均閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)を有する、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項150】
約0.1ng/ml〜約0.6ng/mlのドロナビノールの平均閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)を有し、ヒト対象集団に投与される場合、約4時間〜約6時間、または約4〜約10時間の治療効果を生じる、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項151】
約0.28ng/mlのドロナビノールの平均閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)を有し、ヒト対象集団に投与される場合、ドロナビノールの5mg投与量の後に約4時間の治療効果を生じる、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項152】
約0.12ng/mlのドロナビノールの平均閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)を有し、ヒト対象集団に投与される場合、ドロナビノールの5mg投与量の後に約4時間の治療効果を生じる、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項153】
約0.56ng/mlのドロナビノールの平均閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)を有し、ヒト対象集団に投与される場合、ドロナビノールの10mg投与量の後に約6時間の治療効果を生じる、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項154】
約0.56ng/mlのドロナビノールの平均閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)を有し、ヒト対象集団に投与される場合、ドロナビノールの10mg投与量の後に約4時間の治療効果を生じる、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項155】
約0.24ng/mlのドロナビノールの平均閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)を有し、ヒト対象集団に投与される場合、ドロナビノールの10mg投与量の後に約6時間の治療効果を生じる、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項156】
リン酸緩衝液、無水アルコール、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールをさらに含む、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項157】
癌化学療法に関連する悪心および嘔吐を治療する方法であって、それを必要とする患者に、ドロナビノールの有効量および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む経口ドロナビノールシロップ製剤を投与することを含み、前記製剤は、ヒトに経口投与される場合、約1.5〜約2時間のTmax中央値を提供する方法。
【請求項158】
前記製剤が、ヒト対象集団に投与される場合、2.5mgのドロナビノール用量に基づいて、約0.318ng/ml±0.175、5mgのドロナビノール用量に基づいて、約1.04ng/ml±0.52、10mgのドロナビノール用量に基づいて、3.09ng/ml±1.46、およびそれらの組合せからなる群から選択される平均Cmaxを提供する、請求項157に記載の方法。
【請求項159】
ドロナビノールの有効量および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む経口ドロナビノールシロップ製剤の製造方法であって、
ドロナビノール、リン酸緩衝液および無水アルコールを混ぜることを含み、
用量がヒトに経口投与される場合、前記製剤が約1.5〜約2時間のTmax中央値を提供し、前記リン酸緩衝液は約7のpHを有する方法。
【請求項160】
前記製剤が室温で約2年間物理的および/または化学的に安定である、請求項1から159のいずれかに記載の方法または製剤。
【請求項161】
前記製剤が約30%を超える水性リン酸緩衝液を含む、請求項1から160のいずれかに記載の方法または製剤。
【請求項162】
前記製剤が約37%の水性リン酸緩衝液を含む、請求項1から161のいずれかに記載の方法または製剤。
【請求項1】
安定化カンナビノイド製剤であって、水および前記製剤の物理的安定性を維持するための有機共溶媒の有効量を含む、約5〜約10のpHに緩衝させた半水性溶液にカンナビノイドの有効量を含み、(i)40℃/60%相対湿度で1カ月間;(ii)40℃/60%相対湿度で2カ月間;(iii)40℃/60%相対湿度で3カ月間;(iv)40℃/60%相対湿度で6カ月間;(v)40℃/60%相対湿度で8カ月間;(vi)室温(25℃)/60%相対湿度で1年間;(vii)室温(25℃)/60%相対湿度で2年間;およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80%を非分解形態で含む製剤。
【請求項2】
安定化カンナビノイド製剤であって、前記製剤が曇らず、可視的油滴を有さないように、約20%〜約44%の水および前記製剤の物理的安定性を維持するための有機共溶媒の有効量を含む、約5〜約10のpHに緩衝させた半水性溶液にカンナビノイドの有効量を含み、(i)40℃/60%相対湿度で1カ月間;(ii)40℃/60%相対湿度で2カ月間;(iii)40℃/60%相対湿度で3カ月間;(iv)40℃/60%相対湿度で6カ月間;(v)40℃/60%相対湿度で8カ月間;(vi)室温(25℃)/60%相対湿度で1年間;(vii)室温(25℃)/60%相対湿度で2年間;およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80%を非分解形態で含む製剤。
【請求項3】
安定化カンナビノイド製剤であって、前記製剤の30%超〜約44%の量の水、および前記製剤の物理的安定性を維持するための有機共溶媒の有効量を含む、約5〜約10のpHに緩衝させた半水性溶液にカンナビノイドの有効量を含み、(i)40℃/60%相対湿度で1カ月間;(ii)40℃/60%相対湿度で2カ月間;(iii)40℃/60%相対湿度で3カ月間;(iv)40℃/60%相対湿度で6カ月間;(v)40℃/60%相対湿度で8カ月間;(vi)室温(25℃)/60%相対湿度で1年間;(vii)室温(25℃)/60%相対湿度で2年間;およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80w/w%を非分解形態で含む製剤。
【請求項4】
水の量が約35%である、請求項1から3のいずれかに記載の安定化カンナビノイド製剤。
【請求項5】
エタノール、プロパノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、Labrosol、Labrafil、Transcutolおよびそれらの組合せからなる群から選択される第2の共溶媒をさらに含む、請求項1から4に記載の製剤。
【請求項6】
前記カンナビノイドが、ドロナビノール、11−OH−デルタ−9−THC、デルタ−8−THC、11−OH−デルタ−8−THC、ナビロン、レボナントラドール、(−)−HU−210、Win55212−2、アナンダミド、メタンダミド、CP55940、O−1057およびSR141716Aからなる群から選択される、請求項1から5のいずれかに記載の製剤。
【請求項7】
前記カンナビノイドがドロナビノールである、請求項6に記載の製剤。
【請求項8】
ドロナビノールが約0.001〜約500mg/mlの濃度で存在する、請求項7に記載の製剤。
【請求項9】
ドロナビノールが約0.05mg/ml〜約100mg/mlの濃度で存在する、請求項7に記載の製剤。
【請求項10】
ドロナビノールが約0.5mg/ml〜約10mg/mlの濃度で存在する、請求項7に記載の製剤。
【請求項11】
ドロナビノールが約1〜約10mg/mlの濃度で存在する、請求項7に記載の製剤。
【請求項12】
ドロナビノールが約2mg/ml〜約5mg/mlの濃度で存在する、請求項7に記載の製剤。
【請求項13】
以下の容積量、すなわち、約15〜約70%エタノールおよび約5〜約40%のグリコールを含む、請求項1から12のいずれかに記載の製剤。
【請求項14】
前記有機溶媒が、約35〜約45%エタノール、約5〜約15%PEG−400、および約5〜約15%プロピレングリコールを含む、請求項1から13のいずれかに記載の製剤。
【請求項15】
40℃/60%相対湿度で1カ月間の保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80%を非分解形態で含む、請求項1から14のいずれかに記載の製剤。
【請求項16】
40℃/60%相対湿度で2カ月間の保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80%を非分解形態で含む、請求項1から15のいずれかに記載の製剤。
【請求項17】
40℃/60%相対湿度で3カ月間の保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80%を非分解形態で含む、請求項1から16のいずれかに記載の製剤。
【請求項18】
40℃/60%相対湿度で6カ月間の保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80%を非分解形態で含む、請求項1から17のいずれかに記載の製剤。
【請求項19】
40℃/60%相対湿度で8カ月間の保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80%を非分解形態で含む、請求項1から18のいずれかに記載の製剤。
【請求項20】
室温(25℃)/60%相対湿度で1年間の保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80%を非分解形態で含む、請求項1から19のいずれかに記載の製剤。
【請求項21】
室温(25℃)/60%相対湿度で2年間の保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80%を非分解形態で含む、請求項1から20のいずれかに記載の製剤。
【請求項22】
(i)40℃/60%相対湿度で1カ月間;(ii)40℃/60%相対湿度で2カ月間;(iii)40℃/60%相対湿度で3カ月間;(iv)40℃/60%相対湿度で6カ月間;(v)40℃/60%相対湿度で8カ月間;(vi)室温(25℃)/60%相対湿度で1年間;(vii)室温(25℃)/60%相対湿度で2年間;およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約90%を非分解形態で含む、請求項1から21のいずれかに記載の製剤。
【請求項23】
40℃/60%相対湿度で1カ月間の保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約90%を非分解形態で含む、請求項1から22のいずれかに記載の製剤。
【請求項24】
40℃/60%相対湿度で2カ月間の保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約90%を非分解形態で含む、請求項1から23のいずれかに記載の製剤。
【請求項25】
40℃/60%相対湿度で3カ月間の保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約90%を非分解形態で含む、請求項1から24のいずれかに記載の製剤。
【請求項26】
40℃/60%相対湿度で6カ月間の保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約90%を非分解形態で含む、請求項1から25のいずれかに記載の製剤。
【請求項27】
40℃/60%相対湿度で8カ月間の保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約90%を非分解形態で含む、請求項1から26のいずれかに記載の製剤。
【請求項28】
室温(25℃)/60%相対湿度で1年間の保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約90%を非分解形態で含む、請求項1から27のいずれかに記載の製剤。
【請求項29】
室温(25℃)/60%相対湿度で2年間の保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの少なくとも約90w/w%を非分解形態で含む、請求項1から28のいずれかに記載の製剤。
【請求項30】
安定化剤をさらに含む、請求項1から29のいずれかに記載の製剤。
【請求項31】
許容されない分解に対する前記カンナビノイドの安定性を促進するために、1つまたは複数の安定剤の有効量をさらに含む、請求項30に記載の製剤。
【請求項32】
許容されない分解に対する前記カンナビノイドの安定性を促進するために、1つまたは複数の安定剤の有効量をさらに含み、前記安定剤は、有機塩基、無機塩基および抗酸化剤からなる群から選択される、請求項30に記載の製剤。
【請求項33】
許容されない分解に対する前記カンナビノイドの安定性を促進するために、1つまたは複数の有機塩基の有効量をさらに含む、請求項32に記載の製剤。
【請求項34】
許容されない分解に対する前記カンナビノイドの安定性を促進するために、1つまたは複数の無機塩基の有効量をさらに含む、請求項32に記載の製剤。
【請求項35】
許容されない分解に対する前記カンナビノイドの安定性を促進するために、1つまたは複数の抗酸化剤の有効量をさらに含む、請求項32に記載の製剤。
【請求項36】
前記安定化剤が、アスコルビン酸、塩酸システイン、硫酸水素ナトリウム、メタ硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム、パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、レシチン、没食子酸プロピル、α−トコフェロール、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸、ソルビトール、酒石酸、リン酸、ポビドンおよびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項30に記載の製剤。
【請求項37】
前記安定化剤が、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエンおよびアスコルビン酸ナトリウムからなる群から選択される、請求項30に記載の製剤。
【請求項38】
前記安定化剤がメタノールアミンおよびアスコルビン酸パルミテートからなる群から選択される、請求項30に記載の製剤。
【請求項39】
前記カンナビノイドがドロナビノールであり、その表示有効期間中に、2%を超えるデルタ−8テトラヒドロカンナビノール(D8THC)、2%を超えるカンナビノール(CBN)、2%を超えるカンナビジオール(CBD)およびそれらの任意の組合せからなる群から選択されるドロナビノール分解物の許容されないレベルを含まない、請求項1から38のいずれかに記載の製剤。
【請求項40】
1つまたは複数の追加の治療的活性剤をさらに含む、請求項1から39のいずれかに記載の製剤。
【請求項41】
前記追加の治療的活性剤が、麻薬性鎮痛薬、非麻薬性鎮痛薬、制吐剤、ステロイド、および上のいずれかの混合物から選択される、請求項40に記載の製剤。
【請求項42】
前記カンナビノイドが、用量につき約0.01mg〜約500mgの量のドロナビノールである、請求項1から41のいずれかに記載の製剤。
【請求項43】
前記カンナビノイドが、用量につき約0.5mg〜約200mgの量のドロナビノールである、請求項1から42のいずれかに記載の製剤。
【請求項44】
前記カンナビノイドが、用量につき約1mg〜約500mgの量のドロナビノールである、請求項1から43のいずれかに記載の製剤。
【請求項45】
前記カンナビノイドが、用量につき約0.01mg〜約50mgの量のドロナビノールである、請求項1から44のいずれかに記載の製剤。
【請求項46】
前記カンナビノイドが、用量につき約0.01mg〜約1mgの量のドロナビノールである、請求項1から45のいずれかに記載の製剤。
【請求項47】
前記カンナビノイドが、用量につき約0.5〜約5mgの量のドロナビノールである、請求項1から46のいずれかに記載の製剤。
【請求項48】
前記カンナビノイドが、用量につき約1mg〜約3mgの量のドロナビノールである、請求項1から47のいずれかに記載の製剤。
【請求項49】
乳化剤をさらに含む、請求項1から48のいずれかに記載の製剤。
【請求項50】
界面活性剤をさらに含む、請求項1から49のいずれかに記載の製剤。
【請求項51】
前記担体が、リン酸緩衝液を含む緩衝剤を含む、請求項1から50のいずれかに記載の製剤。
【請求項52】
前記カンナビノイドが、その遊離型、塩、エステル、プロドラッグ、複合体および上のいずれかの混合物からなる群から選択される形態である、請求項1から51のいずれかに記載の製剤。
【請求項53】
均質で、熱力学的に安定である、請求項1から52のいずれかに記載の製剤。
【請求項54】
保存料をさらに含む、請求項1から53のいずれかに記載の製剤。
【請求項55】
44/14;Gelucire 50/13;Imwitor 91;Imwitor 308;Imwitor 380;Imwitor 742;Imwitor 780K;Imwitor 928;Imwitor 988;ポロキサマー124;ポロキサマー188;Tagat TO;Tween 80;レシチン;リゾレシチン;ホスファチジルコリン;ホスファチジルエタノールアミン;ホスファチジルグリセロール;ホスファチジン酸;ホスファチジルセリン;リゾホスファチジルコリン;リゾホスファチジルエタノールアミン;リゾホスファチジルグリセロール;リゾホスファチジン酸;リゾホスファチジルセリン;PEG−ホスファチジルエタノールアミン;PVP−ホスファチジルエタノールアミン;ポリオキシエチレンヒマシ油、クレモホルおよびそれらの組合せからなる群から選択される乳化剤をさらに含む、請求項1から54のいずれかに記載の製剤。
【請求項56】
前記担体が、重量に基づく以下の量の成分、すなわち、約45〜約65%エタノール、約4〜約6%プロピレングリコールおよび約28〜約48%水を含む、請求項1から55のいずれかに記載の製剤。
【請求項57】
前記カンナビノイドが、天然源、合成源、半合成源および上のいずれかの混合物からなる群から選択される源に由来するドロナビノールである、請求項1から56のいずれかに記載の製剤。
【請求項58】
前記カンナビノイドが、その遊離型、塩、エステル、プロドラッグ、複合体および上のいずれかの混合物からなる群から選択される形態のドロナビノールである、請求項1から57のいずれかに記載の製剤。
【請求項59】
以下の容積量、すなわち、(i)約15〜約50%エタノール、ならびに(ii)(a)約0.1%〜約25%のプロピレングリコール、(b)約1〜約30%のポリエチレングリコール、(c)(a)および(b)の組合せからなる群から選択されるグリコールを含み、ネブライザーによる投与に適する、請求項1から58に記載の製剤。
【請求項60】
以下の容積量、すなわち、(i)約35〜約40%エタノール、(ii)約10%プロピレングリコール、(iii)約13〜約16.7%ポリエチレングリコール、ならびに(iv)アスコルビン酸パルミテート、BHA、BHT、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、トコフェロールおよびモノエタノールアミンからなる群から選択される約0.01〜約0.5%の抗酸化剤を含み、ネブライザーによる投与に適する、請求項1から58に記載の製剤。
【請求項61】
約0.01〜約15ミクロンの範囲の平均質量空気力学的径中央値を有するエアゾール化粒子として肺に投与される、請求項59または60に記載の製剤。
【請求項62】
前記エアゾール化粒子が、約1〜約10ミクロンの範囲の平均質量空気力学的径中央値を有する、請求項61に記載の製剤。
【請求項63】
前記エアゾール化粒子が、約2〜約4ミクロンの範囲の平均質量空気力学的径中央値を有する、請求項61に記載の製剤。
【請求項64】
化学療法を受けるヒトに関連する悪心および嘔吐を制御する方法であって、悪心および嘔吐を起こしているヒト患者への液体ネブライザー製剤の肺内投与を含み、前記液体ネブライザー製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法。
【請求項65】
消耗症候群のエイズ患者の食欲刺激の方法であって、食欲不振を起こしているヒト患者への液体ネブライザー製剤の肺内投与を含み、前記液体ネブライザー製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法。
【請求項66】
前記カンナビノイドがドロナビノールである、請求項64または65に記載の方法。
【請求項67】
以下の容積量、すなわち、(i)約15〜約65%エタノール、ならびに(ii)(a)約0.1%〜約25%のプロピレングリコール、(b)約1〜約25%のポリエチレングリコール、(c)(a)および(b)の組合せからなる群から選択されるグリコールを含み、経口投与に適する、請求項1から58に記載の製剤。
【請求項68】
Aerosil(二酸化ケイ素);セトステアリルアルコール;セチルアルコール;ステアリルアルコール;Gelucire 33/01;Gelucire 39/01;Gelucire 43/01;ベヘン酸グリセリル(Compritol 888 ATO);パルミトステアリン酸グリセリル(Precirol AT05);Softisan 100;Softisan 142;Softisan 378;Softisan 649;ヒドロキシプロピルセルロースおよびそれらの混合物からなる群から選択される粘度調整剤をさらに含む、請求項67に記載の製剤。
【請求項69】
前記粘度調整剤が、約0.1〜約25%の量のヒドロキシプロピルセルロースである、請求項68に記載の製剤。
【請求項70】
薬学的に許容される甘味料、矯味矯臭剤、味覚マスキング剤およびそれらの組合せからなる群から選択される成分をさらに含む、請求項67から69に記載の製剤。
【請求項71】
前記甘味料が、ショ糖、果糖、ソルビトール、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、キシリトールおよびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項70に記載の製剤。
【請求項72】
前記甘味料が、約5〜約25重量%の量のキシリトール、約0.01〜約5重量%の量のサッカリン、および約0.01〜約5重量%の量のサッカリンナトリウムからなる群から選択される、請求項70に記載の製剤。
【請求項73】
前記矯味矯臭剤が、ハッカ、サリチル酸メチル、マンニトールおよび果実矯味矯臭剤からなる群から選択される、請求項70に記載の製剤。
【請求項74】
化学療法を受けるヒトに関連する悪心および嘔吐を制御する方法であって、悪心および嘔吐を起こしているヒト患者への液体シロップ製剤の経口投与を含み、前記液体シロップ製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法。
【請求項75】
消耗症候群のエイズ患者の食欲刺激の方法であって、食欲不振を起こしているヒト患者への液体シロップ製剤の経口投与を含み、前記液体シロップ製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法。
【請求項76】
前記カンナビノイドがドロナビノールである、請求項74または75に記載の方法。
【請求項77】
以下の容積量、すなわち、(i)約15〜約70%エタノール、ならびに(ii)(a)約0.1%〜約25%のプロピレングリコール、(b)約1〜約25%のポリエチレングリコール、(c)(a)および(b)の組合せからなる群から選択されるグリコールを含み、舌下投与に適する、別々の液滴の形態である、請求項1から58に記載の製剤。
【請求項78】
以下の容積量、すなわち、(i)約45〜約70%エタノール、ならびに(ii)(a)0〜約50%のプロピレングリコール、(b)0〜約2.5%のポリエチレングリコール、(c)(a)および(b)の組合せからなる群から選択されるグリコール、(iii)0〜約25%のさらなる可溶化剤;(iv)0〜約1%の味覚マスキング剤を含み、舌下投与に適する、別々の液滴の形態である、請求項1から58に記載の製剤。
【請求項79】
前記液滴が、少なくとも約10ミクロンの平均径を有する、請求項77または78に記載の製剤。
【請求項80】
前記液滴が、少なくとも約20ミクロンの平均径を有する、請求項77または78に記載の舌下カンナビノイド製剤。
【請求項81】
前記液滴が、約5ミクロン〜約500ミクロンのサイズ分布を有する、請求項77または78に記載の舌下カンナビノイド製剤。
【請求項82】
前記液滴が、約10ミクロン〜約200ミクロンのサイズ分布を有する、請求項77または78に記載の舌下カンナビノイド製剤。
【請求項83】
前記カンナビノイドが、約0.01mg/ml〜約10mg/mlの濃度で前記製剤に含まれるドロナビノールである、請求項77または78に記載の舌下カンナビノイド製剤。
【請求項84】
吸収促進剤をさらに含む、請求項77から83に記載の舌下カンナビノイド製剤。
【請求項85】
前記吸収促進剤がミリスチン酸イソプロピルである、請求項84に記載の舌下カンナビノイド製剤。
【請求項86】
前記吸収促進剤が、前記製剤の約0.001重量%〜約10重量%の量である、請求項84または85に記載の舌下カンナビノイド製剤。
【請求項87】
前記カンナビノイドが、舌下投与の後、ヒト患者の肺に入らないか、実質的に入らない、請求項77から86に記載の舌下カンナビノイド製剤。
【請求項88】
舌下噴霧投与に適する薬学的に許容される液体担体中にカンナビノイドの有効量の別々の液滴を含む、請求項1から58に記載の舌下カンナビノイド製剤の単位用量であって、前記液滴は、少なくとも約10ミクロンの平均径を有する単位用量。
【請求項89】
前記液体噴霧製剤が、少なくとも約20ミクロンの平均径を有する液滴粒子を含む、請求項88に記載の単位用量。
【請求項90】
前記液体噴霧製剤が、約5ミクロン〜約500ミクロンのサイズ分布を有する液滴粒子を含む、請求項88に記載の単位用量。
【請求項91】
前記液体噴霧製剤が、約10ミクロン〜約200ミクロンのサイズ分布を有する液滴粒子を含む、請求項88に記載の単位用量。
【請求項92】
約0.5mg〜約200mgの前記カンナビノイド、その薬学的に許容される塩またはその誘導体を含む、請求項88から91に記載の単位用量。
【請求項93】
約1mg〜約100mgの前記カンナビノイド、その薬学的に許容される塩またはその誘導体を含む、請求項88から91に記載の単位用量。
【請求項94】
約5mg〜約50mgの前記カンナビノイドを含む、請求項88から91に記載の単位用量。
【請求項95】
化学療法を受けるヒトに関連する悪心および嘔吐を制御する方法であって、少なくとも約10ミクロンの平均径を有する別々の液滴の形態の液体噴霧製剤を、悪心および嘔吐のヒト患者に舌下投与することを含み、前記液体噴霧製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される液体担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約7のpHに緩衝される方法。
【請求項96】
消耗症候群のエイズ患者の食欲刺激の方法であって、少なくとも約10ミクロンの平均径を有する別々の液滴の形態の液体噴霧製剤を、食欲不振のヒト患者に舌下投与することを含み、前記液体噴霧製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される液体担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約7のpHに緩衝される方法。
【請求項97】
前記カンナビノイドがドロナビノールである、請求項95または96に記載の方法。
【請求項98】
前記液滴が、少なくとも約20ミクロンの平均径を有する、請求項95から97に記載の方法。
【請求項99】
前記別々の液滴が、約5ミクロン〜約500ミクロンのサイズ分布を有する、請求項95から97に記載の方法。
【請求項100】
前記サイズ分布が約10ミクロン〜約200ミクロンである、請求項95から97に記載の方法。
【請求項101】
前記カンナビノイドが、約1mg/ml〜約50mg/mlの濃度で前記液体噴霧製剤に含まれる、請求項95から97に記載の方法。
【請求項102】
前記カンナビノイドが、約5mg/ml〜約25mg/mlの濃度で前記液体噴霧製剤に含まれる、請求項95から97に記載の方法。
【請求項103】
前記カンナビノイドが、約6mg/ml〜約10.12mg/mlの濃度で前記液体噴霧製剤に含まれる、請求項95から97に記載の方法。
【請求項104】
前記カンナビノイドが、約6.5mg/mlの濃度で前記液体噴霧製剤に含まれる、請求項95から97に記載の方法。
【請求項105】
薬剤の舌下投与のための単位用量または二用量の装置であって、
ドロナビノール、11−OH−デルタ−9−THC、デルタ−8−THCおよび11−OH−デルタ−8−THCからなる群から選択されるカンナビノイドの有効量を含む液体製剤の単位用量または二用量を含む貯蔵器であって、前記カンナビノイドは、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される液体担体に入れられ、前記担体は約7のpHに緩衝される貯蔵器を含み、作動させると、少なくとも約10ミクロンの平均径を有する液滴の形態の前記液体製剤の前記単位用量を送達するアクチュエータを有する装置。
【請求項106】
薬剤の舌下投与のための単位用量または二用量の装置であって、
少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される液体担体中にドロナビノールの有効量を含む、室温安定性の液体製剤の単位用量または二用量を含む貯蔵器であって、前記担体は約7のpHに緩衝される貯蔵器を含み、作動させると、少なくとも約10ミクロンの平均径を有する液滴の形態の前記液体製剤の前記単位用量を送達するアクチュエータを有する装置。
【請求項107】
前記送達単位用量が約0.5mg〜約200mgのカンナビノイドを含む、請求項105または106に記載の単位用量または二用量の装置。
【請求項108】
前記送達単位用量が約1mg〜約100mgのカンナビノイドを含む、請求項105または106に記載の単位用量または二用量の装置。
【請求項109】
前記送達単位用量が約5mg〜約50mgのカンナビノイドを含む、請求項105または106に記載の単位用量または二用量の装置。
【請求項110】
前記カンナビノイドの吸収を妨げるか、または実質的に妨げる材料を含むストッパーをさらに含む、請求項105から109に記載の単位用量または二用量の装置。
【請求項111】
前記ストッパーが、前記液体製剤の噴霧特性に影響を及ぼす前記装置の一次包装構成要素である、請求項105から109に記載の単位用量または二用量の装置。
【請求項112】
前記ストッパーが以下の組成および特徴、すなわち、a)エラストマー:ブロモブチルおよび/またはクロロブチル;b)強化材:不活性物質:不活性鉱物;ならびにc)硬化系:非従来型を有する、請求項105から109に記載の単位用量または二用量の装置。
【請求項113】
薬剤の舌下投与のための多回用量装置であって、
ドロナビノール、11−OH−デルタ−9−THC、デルタ−8−THCおよび11−OH−デルタ−8−THCからなる群から選択されるカンナビノイドを含む液体製剤を含む貯蔵器であって、前記カンナビノイドは、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される液体担体に入れられ、前記担体は約7のpHに緩衝される貯蔵器を含み、作動させると、少なくとも約10ミクロンの平均径を有する液滴の形態の前記液体製剤の治療有効用量を送達するアクチュエータを有する装置。
【請求項114】
薬剤の舌下投与のための多回用量装置であって、
少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される液体担体中のドロナビノールを含む、室温安定性の液体製剤を含む貯蔵器であって、前記担体は約7のpHに緩衝される貯蔵器を含み、作動させると、少なくとも約10ミクロンの平均径を有する液滴の形態の前記液体製剤の治療有効用量を送達するアクチュエータを有する装置。
【請求項115】
前記治療有効用量が約0.5mg〜約200mgのカンナビノイドを含む、請求項113または114に記載の多回用量装置。
【請求項116】
前記治療有効用量が約1mg〜約100mgのカンナビノイドを含む、請求項113または114に記載の多回用量装置。
【請求項117】
前記治療有効用量が約5mg〜約50mgのカンナビノイドを含む、請求項113または114に記載の多回用量装置。
【請求項118】
前記カンナビノイドの吸収を妨げるか、または実質的に妨げる材料を含むガスケットをさらに含む、請求項113または114に記載の多回用量装置。
【請求項119】
前記ガスケットが以下の組成および特徴、すなわち、a)エラストマー:ブロモブチルおよび/またはクロロブチル;b)強化材:不活性物質:不活性鉱物;ならびにc)硬化系:非従来型を有する、請求項113から118に記載の装置。
【請求項120】
以下の容積量、すなわち、(i)約15%〜約90%エタノール、(ii)(a)約0.1%〜約25%のプロピレングリコール、(b)約1〜約30%のポリエチレングリコール、(c)(a)および(b)の組合せからなる群から選択されるグリコール、(iii)約0.1〜約20%のゲル化剤、(iv)約0.1〜約20%の塩基、ならびに(v)約0.1〜約20%の吸収促進剤を含み、経皮投与に適する、請求項1から58に記載の製剤。
【請求項121】
化学療法を受けるヒトに関連する悪心および嘔吐を制御する方法であって、悪心および嘔吐を起こしているヒト患者へのゲル製剤の経皮投与を含み、前記ゲル製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容されるゲル担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約7のpHに緩衝される方法。
【請求項122】
消耗症候群のエイズ患者の食欲刺激の方法であって、食欲不振を起こしているヒト患者へのゲル製剤の経皮投与を含み、前記ゲル製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容されるゲル担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約7のpHに緩衝される方法。
【請求項123】
前記カンナビノイドがドロナビノールである、請求項121または122に記載の方法。
【請求項124】
以下の容積量、すなわち、(i)約15%〜約90%エタノール、(ii)(a)約0.1%〜約25%のプロピレングリコール、(b)約1〜約30%のポリエチレングリコール、(c)(a)および(b)の組合せからなる群から選択されるグリコール、(iii)約0.1〜約20%のゲル化剤、(iv)0〜約20%のpH調整剤、ならびに(v)約0〜約20%の張性調整剤を含み、静脈内投与に適する、請求項1から58に記載の製剤。
【請求項125】
前記張性調整剤が、糖、多価アルコール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、ショ糖、乳糖、塩化ナトリウムおよびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項124に記載の製剤。
【請求項126】
化学療法を受けるヒトに関連する悪心および嘔吐を制御する方法であって、悪心および嘔吐を起こしているヒト患者への静脈内製剤の静脈内投与を含み、前記静脈内製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される液体担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約7のpHに緩衝される方法。
【請求項127】
消耗症候群のエイズ患者の食欲刺激の方法であって、食欲不振を起こしているヒト患者への静脈内製剤の静脈内投与を含み、前記静脈内製剤は、少なくとも約20%の水を含む薬学的に許容される液体担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含み、前記担体は、約7のpHに緩衝される方法。
【請求項128】
前記カンナビノイドがドロナビノールである、請求項126または127に記載の方法。
【請求項129】
ラノリン、ペトロラタムまたはそれらの組合せを含む薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含む安定化眼用製剤であって、(i)40℃/60%相対湿度で1カ月間;(ii)40℃/60%相対湿度で2カ月間;(iii)40℃/60%相対湿度で3カ月間;(iv)40℃/60%相対湿度で6カ月間;(v)40℃/60%相対湿度で8カ月間;(vi)室温(25℃)/60%相対湿度で1年間;(vii)室温(25℃)/60%相対湿度で2年間;およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される保存条件への前記製剤の曝露の後に、カンナビノイドの量の少なくとも約80%を非分解形態で含む製剤。
【請求項130】
鉱油、水またはそれらの組合せをさらに含む、請求項129に記載の眼用製剤。
【請求項131】
前記担体が約20〜約100重量%のラノリンを含む、請求項129に記載の製剤。
【請求項132】
前記担体が約50〜約100重量%のペトロラタムを含む、請求項129に記載の製剤。
【請求項133】
前記担体が約10〜約25重量%の鉱油を含む、請求項130に記載の製剤。
【請求項134】
前記担体が約0.1〜約20重量%の水を含む、請求項130に記載の製剤。
【請求項135】
緑内障のヒト患者を治療する方法であって、緑内障のヒト患者への室温安定性眼用製剤の眼への投与を含み、前記眼用製剤は、ラノリン、ペトロラタムおよびそれらの組合せからなる群から選択される薬学的に許容される担体に分散させたカンナビノイドの有効量を含む方法。
【請求項136】
前記カンナビノイドがドロナビノールである、請求項135に記載の方法。
【請求項137】
エイズ関連の食欲不振;化学療法に関連する悪心および嘔吐;緑内障;多発硬化症および疼痛からなる群から選択される状態を有するヒト患者を治療する方法であって、有効濃度のカンナビノイド、少なくとも約20%の水を含む担体を含む安定化カンナビノイド製剤を前記患者に投与するステップを含み、前記担体は、約6.5〜約7.5のpH範囲に緩衝される方法。
【請求項138】
前記製剤が、肺、経口、舌下、経皮、静脈内および眼からなる群から選択される送達経路による投与に適する、請求項137に記載の方法。
【請求項139】
ドロナビノールの有効量、および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む経口液体医薬製剤であって、ヒト対象集団に投与される2.5mg用量のドロナビノールに基づいて、約0.143〜約0.493ng/mlのドロナビノールの平均Cmaxを提供する製剤。
【請求項140】
ヒト対象集団に投与される5mg用量のドロナビノールに基づいて、約0.52〜約1.56ng/mlのドロナビノールの平均Cmaxを提供する、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項141】
ヒト対象集団に投与される10mg用量のドロナビノールに基づいて、約1.63〜約4.55ng/mlのドロナビノールの平均Cmaxを提供する、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項142】
約0.5〜約12時間のTmax、ヒト対象集団に投与される場合の約2時間のTmax中央値、およびそれらの組合せから選択される、ドロナビノールの2.5mg用量に基づく薬物動態パラメータを提供する、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項143】
約0.25〜約8時間のTmax、ヒト対象集団に投与される場合の約1.5時間のTmax中央値、およびそれらの組合せから選択される、ドロナビノールの5mg用量に基づく薬物動態パラメータを提供する、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項144】
約0.5〜約8時間のTmax、ヒト対象集団に投与される場合の約1.5時間のTmax中央値、およびそれらの組合せから選択される、ドロナビノールの10mg用量に基づく薬物動態パラメータを提供する、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項145】
ヒト対象集団に投与される2.5mg用量のドロナビノールに基づいて、約0.95〜約2.81ng×時間/mlのドロナビノールの平均AUCを提供する、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項146】
ヒト対象集団に投与される5mg用量のドロナビノールに基づいて、約2.05〜約6.93ng×時間/mlのドロナビノールの平均AUCを提供する、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項147】
ヒト対象集団に投与される10mg用量のドロナビノールに基づいて、約6.61〜約16.59ng×時間/mlのドロナビノールの平均AUCを提供する、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項148】
ヒト対象集団に投与される場合、ドロナビノールのソフトゼラチンカプセル製剤によって提供されるドロナビノールの平均AUCの約6%以内である、ドロナビノールの平均AUCを提供する、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項149】
ヒト対象集団に投与される場合、(i)約0.1ng/ml〜約1.44ng/ml、(ii)約0.12ng/ml、(iii)約0.24ng/ml、(iv)約0.28ng/ml、(v)約0.56ng/ml、および(vi)約1.2ng/mlからなる群から選択されるドロナビノールの平均閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)を有する、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項150】
約0.1ng/ml〜約0.6ng/mlのドロナビノールの平均閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)を有し、ヒト対象集団に投与される場合、約4時間〜約6時間、または約4〜約10時間の治療効果を生じる、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項151】
約0.28ng/mlのドロナビノールの平均閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)を有し、ヒト対象集団に投与される場合、ドロナビノールの5mg投与量の後に約4時間の治療効果を生じる、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項152】
約0.12ng/mlのドロナビノールの平均閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)を有し、ヒト対象集団に投与される場合、ドロナビノールの5mg投与量の後に約4時間の治療効果を生じる、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項153】
約0.56ng/mlのドロナビノールの平均閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)を有し、ヒト対象集団に投与される場合、ドロナビノールの10mg投与量の後に約6時間の治療効果を生じる、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項154】
約0.56ng/mlのドロナビノールの平均閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)を有し、ヒト対象集団に投与される場合、ドロナビノールの10mg投与量の後に約4時間の治療効果を生じる、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項155】
約0.24ng/mlのドロナビノールの平均閾値濃度(すなわち、最小有効濃度)を有し、ヒト対象集団に投与される場合、ドロナビノールの10mg投与量の後に約6時間の治療効果を生じる、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項156】
リン酸緩衝液、無水アルコール、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールをさらに含む、請求項139に記載の医薬製剤。
【請求項157】
癌化学療法に関連する悪心および嘔吐を治療する方法であって、それを必要とする患者に、ドロナビノールの有効量および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む経口ドロナビノールシロップ製剤を投与することを含み、前記製剤は、ヒトに経口投与される場合、約1.5〜約2時間のTmax中央値を提供する方法。
【請求項158】
前記製剤が、ヒト対象集団に投与される場合、2.5mgのドロナビノール用量に基づいて、約0.318ng/ml±0.175、5mgのドロナビノール用量に基づいて、約1.04ng/ml±0.52、10mgのドロナビノール用量に基づいて、3.09ng/ml±1.46、およびそれらの組合せからなる群から選択される平均Cmaxを提供する、請求項157に記載の方法。
【請求項159】
ドロナビノールの有効量および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む経口ドロナビノールシロップ製剤の製造方法であって、
ドロナビノール、リン酸緩衝液および無水アルコールを混ぜることを含み、
用量がヒトに経口投与される場合、前記製剤が約1.5〜約2時間のTmax中央値を提供し、前記リン酸緩衝液は約7のpHを有する方法。
【請求項160】
前記製剤が室温で約2年間物理的および/または化学的に安定である、請求項1から159のいずれかに記載の方法または製剤。
【請求項161】
前記製剤が約30%を超える水性リン酸緩衝液を含む、請求項1から160のいずれかに記載の方法または製剤。
【請求項162】
前記製剤が約37%の水性リン酸緩衝液を含む、請求項1から161のいずれかに記載の方法または製剤。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2010−535774(P2010−535774A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520000(P2010−520000)
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【国際出願番号】PCT/US2008/009623
【国際公開番号】WO2009/020666
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(510036274)インシス セラピューティクス インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【国際出願番号】PCT/US2008/009623
【国際公開番号】WO2009/020666
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(510036274)インシス セラピューティクス インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
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