経椎弓根的椎間板切除術の方法と装置
【課題】椎間円板の疾患並びに症状を治療するための新しい方法および装置を提供する。
【解決手段】本発明の実施形態は、椎体と椎間円板との間の関係に変化をもたらす疾患及び症状を治療するための方法と装置に着眼している。経椎弓根的椎間板切除術を行うための方法は、第1椎骨の第1椎弓根を通して第1椎体まで経椎弓根的チャネルを形成する段階と、経椎弓根的チャネルを通して可撓性の錐を挿入し、可撓性の錐に約90度の角度を形成させ、可撓性の錐に第1椎体を貫通して椎間円板内までのチャネルを形成させる段階と、レーザー装置で椎間円板の一部を取り除く段階とを含んでいる。経皮的経椎弓根的進入法において椎間円板物質を切除し取り除くために使用されるレーザーカテーテル装置は、第1ルーメンと第2ルーメンとを備えている細長い管であって、第1ルーメンが光ファイバ束を備えており第2ルーメンが切除された物質の排出用となっている細長い管と、細長い管を通して遠位端までレーザーエネルギーを発生させるためのホルミウム−YAG赤外線レーザー又はレーザーダイオードと、を備えている。
【解決手段】本発明の実施形態は、椎体と椎間円板との間の関係に変化をもたらす疾患及び症状を治療するための方法と装置に着眼している。経椎弓根的椎間板切除術を行うための方法は、第1椎骨の第1椎弓根を通して第1椎体まで経椎弓根的チャネルを形成する段階と、経椎弓根的チャネルを通して可撓性の錐を挿入し、可撓性の錐に約90度の角度を形成させ、可撓性の錐に第1椎体を貫通して椎間円板内までのチャネルを形成させる段階と、レーザー装置で椎間円板の一部を取り除く段階とを含んでいる。経皮的経椎弓根的進入法において椎間円板物質を切除し取り除くために使用されるレーザーカテーテル装置は、第1ルーメンと第2ルーメンとを備えている細長い管であって、第1ルーメンが光ファイバ束を備えており第2ルーメンが切除された物質の排出用となっている細長い管と、細長い管を通して遠位端までレーザーエネルギーを発生させるためのホルミウム−YAG赤外線レーザー又はレーザーダイオードと、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経椎弓根的椎間板切除術の方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2003年5月30日出願の米国仮特許出願第60/474,713号に対する優先権を主張し、同出願の内容全体を参考文献として本願に援用する。
【0003】
ヒトの椎間円板は、変性椎間円板やヘルニア椎間円板を始めとして、様々な疾患及び症状に悩まされている。それら疾患及び症状は、痛み、知覚異常、筋肉の弱体化、並びに腸及び膀胱機能の損失を始めとして、深刻な病的状態の原因となっている。
【特許文献1】米国仮特許出願第60/474,713号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
椎間円板に影響を及ぼしている疾患及び症状の外科処置は、従来のやり方では、椎弓切除術及び椎弓切開術のような開放処置で、同時に椎間円板の幾らかを除去することを伴っていた。そのような処置には、神経損傷など、深刻な病的状態に到る危険が付きまとう。
【0005】
従って、椎間円板の疾患並びに症状を治療するための新しい方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記及びその他の特徴、態様、並びに利点は、以下の説明、特許請求の範囲の内容、及び添付図面を見れば、より深く理解頂けるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の或る実施形態では、椎間円板の疾患と症状を治療するための装置が提供されている。別の実施形態では、経椎弓根的椎間板切除術のための装置が提供されている。
【0008】
本発明の別の実施形態では、椎間円板の疾患と症状を治療するための方法が提供されている。別の実施形態では、経椎弓根的椎間板切除術の方法が提供されている。
【0009】
本開示で使用する場合、「椎間円板」という用語は、正常な無傷の椎間円板、並びに一部が疾患、損傷、破損した椎間円板、部分的にもみ砕かれ、正常な椎間円板の残遺物に取り囲まれた空洞化空間を有する円板、の何れをもいう。
【0010】
本開示で使用する場合、「実質的に直線状の通路(」という用語は、物質内のチャネルにおいて、中心縦軸の始まりから終りまでの変化が10度以内であるようなチャネルを意味する。
【0011】
本開示で使用する場合、「曲がった通路」という用語は、物質内のチャネルにおいて、中心縦軸の始まりから終りまでの変化が10度よりも大きいチャネルを意味する。
【0012】
本開示で使用する場合、「備える(成る、含む、構成する)」という用語、並びに「備えている」「備える」のようなこの用語の変型は、他の追加物、構成要素、整数又は段階を除外するものではない。
【0013】
本開示で特定されている全ての寸法は、制限を課す目的ではなく一例として示したに過ぎない。更に、添付図面に示した比率は必ずしも縮尺合わせされているわけではない。ここに開示した内容を参照した当業者には理解頂けるように、本開示に記載されているどの様な装置の又は装置のどの部分も、実際の寸法値は意図される使用法により決められる。
【0014】
或る実施形態では、本発明は、可撓性の穿孔先端部を備えた可撓性の錐であり、この可撓性の錐は、長さ方向軸を有する実質的に直線状の通路を通して穿孔対象の物質にアクセスした後、可撓性の穿孔先端部を、所定の位置に向けることができる。前記所定の位置は、実質的に直線状の通路の長さ方向軸から少なくとも10度ずれている。可撓性の錐は、骨、軟骨及び椎間円板を含め多種多様な物質を穿孔することができるが、本開示を参照した当業者には理解頂けるように、生体、非生体を問わず他の物質の穿孔に使用することもできる。以下、図1、図2、図3、図4、図5及び図6を参照してゆくが、各図は、可撓性の錐の、遠位側穿孔端が挿入位置にある状態の側方斜視図、可撓性の錐の、遠位側穿孔端が可撓的穿孔位置にある状態の側方斜視図、可撓性の錐の下側サブアッセンブリの分解側方斜視図、可撓性の錐の上側サブアッセンブリの分解側方斜視図、可撓性の錐の幾つかの個別要素の側方斜視図、及び骨穿孔錐と共に使用することができる随意のガイド先端部の側方斜視図を示している。
【0015】
図に示すように、可撓性の錐100は、下側サブアッセンブリ102と上側サブアッセンブリ104を備えている。図1、図2、及び特に図3と図5を見ると良く分かるように、下側サブアッセンブリ102は、遠位側から近位側に向かって、スピンルアーロック106、保定管108、ピストンアンカー110、ピストンレベル112、ピストン114、遠位側Oリング116、及び近位側Oリング118の、合計7つの構成要素を備えている。スピンルアーロック106は、成形ナイロン又は等価な材料から成り、可撓性の錐100を、可撓性の錐が挿入される通路を補強するシースを係止するために使用され、手術中に可撓性の錐100の安定性を維持するのを支援する。保定管108は、ステンレス鋼又は等価な材料から成り、軸方向長さは約125mmから150mmであるのが望ましく、内径は約4mmから4.5mmであるのが望ましい。ピストンアンカー110は、ステンレス鋼又は等価な材料から成り、スピンルアーロック106上にスナップフィットするために遠位端に棘(図示せず)があるのが望ましい。ピストンレベル112は、機械加工されたナイロン又は等価な材料から成り、図示のように一方の端に方向指示器120があるのが望ましい。ピストン114は、機械加工されたナイロン又は等価な材料から成り、遠位側Oリング116及び近位側Oリング118をそれぞれ嵌めるための遠位側溝122及び近位側溝124を有し、胴部136の孔128を貫通する止めねじ(図示せず)と嵌合するスロット126を有している。スロット126及び対応する止めねじは、穿孔対象の物質に可撓性の錐100を正確に位置決めすることができるようにすると同時に、可撓性の穿孔先端部が保定管108に入るように可撓性の穿孔先端部の後退の範囲を制限する。別の実施形態では、スロット126は、保定管108の楕円形開口部として形成され、キーが、内周が小さいガイド管に、対応する楕円形ブロックから形成されている。ピストン114は、内径が約6mmから約13mmの間にあるのが望ましい。遠位側Oリング116及び近位側Oリング118は、シリコン又は等価の材料から成り、胴部136とピストン114が互いに対して軸方向に移動できるようにしている。
【0016】
図1、図2、及び特に図4と図5を見ると良く分かるように、上側サブアッセンブリ104は、遠位側から近位側に向かって、可撓性の穿孔先端部130、ガイド管132、胴部ノブ134、胴部136、ねじ付きアダプタ138、ライナー140、軸受ハウジング142、可撓性のシャフト144、遠位側軸受146、近位側軸受148、コレット150、軸受キャップ152、及びモーターレセプタクル154、の合計13の構成要素を備えている。可撓性の穿孔先端部130は、ステンレス鋼又は等価な材料から成り、最大横方向直径が約3mmから5mmの間にあるのが望ましい。可撓性の穿孔先端部130は、米国カリフォルニア州ホイッティアのアートコ社から市販されているもののような硬化処理された棘及びシャフト、或いは特注のステンレス鋼の等価な棘を備えている。シャフトは、近位端部を摩滅させることにより適当な寸法に切削されている。可撓性の穿孔先端部130の寸法は、意図される用途にによって変わるが、本開示内容を参照した当業者であれば理解頂けるであろう。単なる一例として、或る好適な実施形態では、棘は軸方向の長さが約2.5mmから3mmの間にあり、シャフトは長さが約2.5mmから4mmの間にある。
【0017】
ガイド管132は、近位部分156と遠位部分158とを有し、或る形状に戻るように加工された成形合金のような物質、例えばニチノール、から成り、ガイド管132が歪んでいないときには、遠位部分158の端にある可撓性の穿孔先端部130を、近位部分の中心軸から約10度乃至150度ずらして向けるのに十分な曲率半径を、遠位部分158に持たせるように加工されている。ガイド管132は、外径が約2mmから4mmの間にあるのが望ましい。ガイド管132の寸法は、可撓性の錐100の意図した用途によって決まる。単に一例としてであるが、ガイド管は以下の寸法を有している。或る好適な実施形態では、ガイド管132の外径は、約2.8mm未満である。或る特に好適な実施形態では、ガイド管132の内径は、約1.6mmよりも大きい。或る好適な実施形態では、ガイド管132の長さは少なくとも約200mmから250mmである。或る好適な実施形態では、直線状の近位側部分は約150mmから200mmの間にある。或る好適な実施形態では、遠位部分158は約40mmから60mmの間にある。或る好適な実施形態では、遠位部分158の曲率半径は、歪み無しで、約10mmから40mmの間にある。或る特に好適な実施形態では、遠位部分158の曲率半径は、歪み無しで、約25mmである。
【0018】
胴部ノブ134は、機械加工されたナイロン又は等価な材料から成り、ドエルピン(図示せず)を嵌める孔160を有している。胴部ノブ134をピストンレベル112に対して前進及び後退させることにより、可撓性の穿孔先端部130を穿孔対象物質内で前進及び後退させることができる。穿孔が完了すると、可撓性の錐100の作動を停止し、胴部ノブ134をピストンレベル112に対して後退させて、可撓性の穿孔先端部130を保定管108内へと後退させ、可撓性の錐100を実質的に直線状の通路から抜き取る。
【0019】
胴部136は、機械加工されたナイロン又は等価な材料から成り、外径は約12mmから18mmの間にあり、軸方向の長さは約75mmから125mmの間にあるのが望ましい。ねじ付きアダプタ138は、ステンレス鋼又は等価な材料から成り、胴部136をガイド管132に取り付けるのに使用される。ライナー140は、ポリテトラフルオロエチレン(TEFLON(登録商標)など)又は等価な材料から成る。ライナー140は、可撓性のシャフト144とガイド管132の間に配置されているので、外径はガイド管132の内径よりも小さく、内径は可撓性のシャフト144の外径よりも大きい。或る好適な実施形態では、一例としてではあるが、ライナー140の外径は、ガイド管132の内径よりも約0.075mmから0.125mm小さい。ライナー140は、ガイド管132よりも約25mmから40mm短い。
【0020】
軸受ハウジング142は、機械加工されたナイロン又は等価な材料から成り、遠位側軸受146を収納するように構成されており、ねじ付きアダプタ138と螺合する細目の雌ねじを有し、これにより施術者が可撓性のシャフト144の張力を調整できるようになっている。
【0021】
可撓性のシャフト144は、可撓性で中実の管状構造を備えている。可撓性のシャフト144は、ステンレス鋼ワイヤ又は等価な材料から成り、ライナー140の内径よりも小さい外径を有している。一例としてではあるが、或る好適な実施形態では、可撓性のシャフト144は、一束当たり0.066mmの撚線19本のワイヤの束7本を備えている。これも一例としてであるが、別の好適な実施形態では、可撓性のシャフト144は、直径が約0.25mm未満の単芯ワイヤを覆って、直径約0.05mmから0.06mmのワイヤを4層に密に編組した構成を備えている。第1層は一本のワイヤを備え、第2層は2本のワイヤを備え、第3層は3本のワイヤを備え、第4層は4本のワイヤを備えている。これも一例としてであるが、或る好適な実施形態では、ケーブルは、米国ニュージャージー州アービントンのPAK Mfg., Inc.から部品番号FS045N042Cとして市販されている、単芯ワイヤに対して同軸且つ反転可能に巻きつけられた2層のワイヤを備えている。ワイヤの端は、ほつれないようにはんだ付け又は溶接されている。可撓性のシャフト144は、外径が、ライナー140の内径よりも約1mmから約2.3mm小さい。可撓性のシャフト144は、軸方向の長さが約250mmから300mmである。
【0022】
遠位側軸受146と近位側軸受148は、ステンレス鋼又は等価な材料から成る。コレット150は、機械加工されたステンレス鋼又は等価な材料から成る。軸受キャップ152は、機械加工されたナイロン又は等価な材料から成り、近位側軸受148を収納するよう構成されている。モーターレセプタクル154は、機械加工されたナイロン又は等価な材料から成り、外径が約25mmから30mmの間にある。モーターレセプタクル154は、モーターが可撓性の錐100に容易に噛み合うことができるようにしている。モーターレセプタクル154は、可撓性の錐100を駆動するモーター(図示せず)のチャックが確実にコレット150と係合されるよう、図示のように4つのウインドウを有しているのが望ましい。
【0023】
次に図6に示すように、別の実施形態では、可撓性の錐100の上側サブアッセンブリ104は、ガイド管132の可撓性の穿孔先端部130の直ぐ近位側にはんだ付けなどにより取り付けられたガイド先端部164を更に備えている。ガイド先端部164は、近位側管状部166と遠位側フレア部168とを備えている。ガイド先端部164は、あれば、穿孔時に可撓性の穿孔先端部130の前方への移動を支援する。ガイド先端部164は、硬質の生体適合性を有する材料から成り、一例としては、硬化処理されたステンレス鋼が挙げられる。ガイド先端部164の寸法は、意図する用途によって変わるが、当業者であれば本開示内容から理解頂けるであろう。一例として、或る好適な実施形態では、近位側管状部分166は軸方向長さが約3.5mmから4mmの間にあり、遠位側フレア部分168は軸方向長さが約2.4mmから2.6mmの間にある。遠位側フレア部分168は、最大矢状方向長さが約2.5mmから2.7mmの間にある。
【0024】
別の実施形態では、可撓性の錐100は、オーバーザワイヤー(over-the-wire)技法で使用するように構成されている。この実施形態では、可撓性のシャフト144は、可撓性の中空の管状構造(図示せず)を備えている。つまり、オーバーザワイヤー式でない実施形態に使用される可撓性の中実の管状構造ではなく、ガイドワイヤを受け入れるための軸方向チャネルを有している。可撓性の中空の管状構造は、概ね、軸方向チャネルを除いては上に開示した可撓性の中実の管状構造と同一の要素を備えている。或る実施形態では、可撓性の中空の管状構造は、直径が約0.5mmから1.0mmの間の軸方向チャネルを有しており、可撓性の中実管状構造である可撓性のシャフト144の外径より僅かに大きい外径、例えば一例としてであるが約2.0mmの外径を有している。或る実施形態では、可撓性の中空管状構造は、直径0.3mm乃至0.5mmのワイヤ2層を、外側の層が反時計回りになるようにそれぞれ反対方向に巻いて構成されている(PAK Mfg., Inc.から市販)。可撓性のシャフト144がオーバーザワイヤー法を使用するものとして構成されている場合、保定管108、ガイド管132及びライナー140の外径は、可撓性のシャフト144の外径が大きくなるのに比例して大きくなり、可撓性の穿孔先端部130(及び設けられている場合にはガイド先端部164)も、ガイドワイヤを通過させることができるように、対応する軸方向チャネルを有している。
【0025】
可撓性の錐100は、当業者であれば本開示内容から理解頂けるように、適していればどの様なやり方で組み立ててもよい。或る好適な実施形態では、可撓性の錐100は以下のように組み立てられる。最初に、保定管108がピストンアンカー110にはんだ付けされる。次いで、ピストンレベル112がピストンアンカー110上に螺合され、ピストンレベル112が停止するまで回される。基準として方向指示器120を使用しながら、保定管108が或る長さに切られ、保定管108の遠位端は、切断面が約20度乃至45度の切断角度を有し、方向指示器120と同じ方向に向いた傾斜部を形成するように切られる。次に、ピストン114が、ピストン114が止まるまでピストンアンカー110上に螺合される。次いで、遠位側Oリング116及び近位側Oリング118が、ピストン114の遠位側溝122及び近位側溝124それぞれの外側に配置される。次に、ガイド管132がねじ付きアダプタ138にはんだ付けされ、胴部136がねじ付きアダプタ138の近位端上にゆるく螺合される。次いで、胴部ノブ134が、胴部136上に圧力嵌めされ、胴部ノブ134の孔160内に挿入されたドエルピン(図示せず)で固定される。次に、軸受ハウジング142が、ねじ付きアダプタ138上に螺合され、軸受ハウジング142が停止するまでねじ回される。次いで、ガイド管132の遠位部分158を一時的に真っ直ぐにして、ガイド管132の近位部分156の近位端がピストン114並びに保定管108に挿入される。次に、胴部136の遠位端が、ピストン114の近位側上に滑動される。次いで、胴部ノブ134の止めねじ用の孔160をピストン114のスロット126と整列させて、止めねじ(図示せず)が孔とスロット126にねじ込まれる。次に、ねじ付きアダプタ138を回転させることにより、ガイド管132を保定管108の切断面に整列させて、ねじ付きアダプタ138が胴部136に固定される。次に、可撓性の穿孔先端部130が可撓性のシャフト144にはんだ付けされる。次に、ライナー140が、可撓性のシャフト144上に滑動外挿される。続いて、胴部ノブ134とピストンレベル112を互いから引き離して、これにより保定管108内側のガイド管132の遠位部分158を真っ直ぐに伸ばし、可撓性のシャフト144が入ったライナー140がガイド管132の遠位端内へ滑動挿入される。次に、遠位側軸受146が可撓性のシャフト144を通して軸受ハウジング142に入れられる。続いて、コレット150が、可撓性のシャフト144上に滑動外挿され、クリンピング又ははんだ付けなどで可撓性のシャフト144に取り付けられる。次に、近位側軸受148が、コレット150に滑動外挿され、軸受キャップ152が軸受上に配置され軸受ハウジング142に固定される。次いで、モーターレセプタクル154が、停止するまで胴部136に圧力嵌めされる。最後に、スピンルアーロック106がピストンアンカー110上にスナップ嵌めされる。或る実施形態では、図示していないが、壁の肉厚が薄い皮下管が、可撓性のシャフト144の近位部分上に滑動外挿されてクリンプされ、モーターからのトルク伝導の増大が図られる。
【0026】
或る実施形態では、本発明は、可撓性の穿孔先端部を備え、実質的に直線状の通路を通して穿孔対象の物質にアクセスした後、可撓性の穿孔先端部を所定の位置に方向づける能力を有する可撓性の錐を使用する方法であって、上記所定の位置は実質的に直線状の通路の長さ方向軸から少なくとも10度ずれているか、又は実質的に直線状の通路の長さ方向軸から約10度乃至150度ずれている。或る好適な実施形態では、前記所定の位置は実質的に直線状の通路の長さ方向軸から少なくとも約90度ずれている。別の実施形態では、前記所定の位置は、実質的に直線状の通路の長さ方向軸から約90度乃至120度ずれている。
【0027】
或る実施形態では、本方法は、第1物質を通って実質的に直線状の通路を穿孔する段階を含んでいる。ここで、可撓性の錐が提供されるが、この可撓性の錐は、可撓性の穿孔先端部を備えており、更に、実質的に直線状の通路を通して穿孔対象物質にアクセスした後、可撓性の穿孔先端部を所定の位置に方向づける能力を有しており、前記所定の位置は、実質的に直線状の通路の長さ方向軸から少なくとも10度ずれている。次に、可撓性の錐を、実質的に直線状の通路に挿入し、実質的に直線状の通路内を前進させ、可撓性の穿孔先端部が実質的に直線状の通路を出て第2の物質に入るまで前進させ、これにより、可撓性の穿孔先端部が第2物質内の所定の位置に向けて配置できるようにする。次に、可撓性の錐を作動させ、これにより第2物質内への穿孔を行う。次に、可撓性の錐の作動を停止し、これにより第2物質内への可撓性穿孔を停止させる。次いで、実質的に直線状の通路を通して可撓性の錐を抜き出す。
【0028】
或る好適な実施形態では、提供される可撓性の錐は、本発明による可撓性の錐である。別の好適な実施形態では、空間は、第1椎骨と第2椎骨の間の椎間円板空間である。別の好適な実施形態では、第1物質は、第1椎骨又は第2椎骨何れかの椎弓根骨である。別の好適な実施形態では、第1物質は第1椎骨又は第2椎骨何れかの椎弓根骨であり、第2物質は第1椎骨と第2椎骨との間の椎間円板である。
【0029】
別の実施形態では、本発明は、第1椎骨と第2椎骨との間の椎間円板を除去する方法である。本方法は、第1椎骨又は第2椎骨何れかの椎弓根を通して実質的に直線状の通路を穿孔する段階を含んでいる。ここで、可撓性の錐が提供されるが、この可撓性の錐は、可撓性の穿孔先端部を備えており、更に、椎弓根を通る実質的に直線状の通路を通して椎間円板空間にアクセスした後、可撓性の穿孔先端部を椎間円板空間内の所定の位置に向ける能力を有しており、前記所定の位置は、実質的に直線状の通路の長さ方向軸から少なくとも10度ずれている。次に、可撓性の錐を、椎弓根内の実質的に直線状の通路に挿入して、実質的に直線状の通路内を前進させる。次いで、可撓性の穿孔先端部を実質的に直線状の通路を出て椎間円板に入るまで前進させ、これにより、可撓性の穿孔先端部が椎間円板内の所定の位置に向けて配置できるようにする。次いで、可撓性の錐を作動させて、これにより椎間円板内への穿孔を行う。次に、可撓性の錐の作動を停止し、これにより椎間円板内への可撓性穿孔を停止させる。次に、実質的に直線状の通路を通して可撓性の錐を抜き出す。
【0030】
或る好適な実施形態では、提供される可撓性の錐は、本発明による可撓性の錐である。別の好適な実施形態では、本方法は、可撓性の錐を挿入する前に、シースを実質的に直線状の通路内へと挿入する段階を更に含んでおり、このシースは、一例ではあるが、内径が約5mm未満で、遠位端が先細になっているステンレス鋼であり、また、このシースの挿入後に、シースを通して可撓性の錐を挿入する段階を含んでいる。或る好適な実施形態では、シースは、近位端では、可撓性の錐を挿入した後でこの錐に嵌るルアーロックである。或る好適な実施形態では、可撓性の錐は方向指示器を有しており、可撓性の穿孔先端部はこの方向指示器を使って椎間円板内で向きが決められる。
【0031】
或る実施形態では、本方法は、オーバーザワイヤー法を使用する段階を備えている。この実施形態では、可撓性のシャフト及び穿孔先端部内にガイドワイヤが入っており、可撓性の錐を実質的に直線状の通路から取り出すと、ガイドワイヤがその場に残され、次の装置を、実質的に直線状の通路及び穿孔が施された空間に入れることができるようになっている。
【0032】
別の実施形態では、本発明は、可撓性のシャフトの遠位端に接続された軸回転ブレードを備えている切断装置であり、長さ方向軸を有する実質的に直線状の近位部分及び長さ方向軸を有する遠位部分を有するチャネルを通して物質にアクセスした後、この切断装置が切断対象の物質に挿入される。ここで、遠位部分の長さ方向軸は、湾曲しているか、又は近位部分の長さ方向軸から少なくとも約10度ずれて変化する。切断装置は、骨、軟骨、及び椎間円板を含め多種多様な物質を切断することができるが、当業者には開示内容から理解頂けるように、生体、非生体を問わず、他の物質を通して穿孔するのにも使用できる。以下、図7、図8、図9、及び図10を参照してゆくが、各図は、遠位端が切断位置にある状態の切断装置の側方図、遠位端が挿入位置にある状態の切断装置の破断側方図、遠位端が挿入位置にある状態の切断装置の遠位端を拡大した破断部分側方図、及び遠位端が切断位置にある状態の切断装置の遠位端を拡大した破断部分側方図である。
【0033】
図7及び図8に示すように、切断装置200は、近位端202と遠位端204を備えている。近位端202は、遠位側が、例えば圧力嵌めなどで軸受ハウジング208に接続されたモーターアダプタ206を備えている。図7及び図8に部分的に示しているように、モーターアダプタ206を使用して接続装置200をモータードライブ210に接続し、接続装置200の遠位端204に軸方向の回転を伝達できるようにして、本開示に記載しているように機能させるようになっている。当業者には本開示内容から理解頂けるように、モーターアダプタ206及び軸受ハウジング208は共に、正しい形状に機械加工又は成形することができ且つ適した特性を有するのであれば、どの様な材料で構成してもよい。或る好適な実施形態では、モーターアダプタ206及び軸受ハウジング208は、共にポリマーで構成されている。特定の好適な実施形態では、モーターアダプタ206及び軸受ハウジング208は共にDELRIN(登録商標)(米国デラウェア州ウィルミントンのイー アイ デュポン ドゥ ヌムール アンド カンパニー コーポレーション)で構成されている。本発明の切断装置200と共に使用されるモータードライブ210は、適していれば適切なものであればどの様なモータードライブ210でもよい。或る好適な実施形態では、モータードライブ210は、可変速度モータードライブである。或る実施形態では、一例ではあるが、モータードライブ210は、NSKエレクターE−MAXモータードライブ(日本、栃木県のNSKナカニシ)である。
【0034】
次に図8では、切断装置200は、モータードライブ210のハウジングと接続するようになっている近位端と、駆動シャフト214の近位端内に嵌合されてはんだ付けなどで固定された遠位端とを有する、アダプタ管212を更に備えている。アダプタ管212は、モータードライブ210から切断装置200の遠位端204へトルクを伝達する。アダプタ管212は、本開示に記載の目的に適しているのであればどの様な材料で構成してもよい。或る実施形態では、アダプタ管212はステンレス鋼で構成されている。別の実施形態では、アダプタ管212は、内径が約1.9mmから2mmで、外径が約2.4mmである。別の実施形態では、アダプタ管212は、軸方向の長さが約25mmである。或る実施形態では、一例としてではあるが、アダプタ管212は、米国マサチューセッツ州メドウェーのマイクログループ社から市販されている部品番号13twであり、これが適当な寸法に研削される。
【0035】
次に図7及び図8に示すように、切断装置200は、アダプタ管212の遠位端内に嵌合され且つ銀蝋付けなどで固定された近位端を有し、切断装置200の遠位端204に向かって遠位方向に延びる駆動管216を更に備えている。駆動管216は、切断装置200に剛性を提供して切断装置200の前進及び後退を可能にすると共に、モータードライブ210から切断装置200の遠位端204へトルクを伝達する。或る実施形態では、駆動管216は、軸方向の長さが約200mmである。別の実施形態では、駆動管216は、内径が約1.3mmで、外径が約1.8mmである。或る好適な実施形態では、一例としてではあるが、駆動管216はマイクログループ社の部品番号15Hである。
【0036】
次に図8では、切断装置200は、軸受ハウジング208に圧入された2つの軸受218を更に備えており、軸受ハウジング208内で両軸受218の間に支持されている駆動シャフト214を備えている。軸受218と駆動シャフト214は、モータードライブ210から切断装置200の遠位端204にトルクを伝達し、切断装置200の遠位端204の円滑な軸回転を作り出すのを支援している。軸受218は、当業者には本開示内容より理解頂けるように、適していればどの様な軸受を備えていてもよい。或る実施形態では、軸受218は、小型高速ステンレス鋼ラジアル軸受である(米国カリフォルニア州サンタフェスプリングのマクマスター カー サプライ社の部品番号57155k53など)。駆動シャフト214は、軸受218と駆動管216の間のインターフェースであり、切断装置200の遠位端204に滑らかな回転を提供する。或る好適な実施形態では、駆動シャフト214は、遠位端204に深さ約16mmの6−32雌ねじ部を有し、近位端には、保持リング溝と、長さ方向軸を通じて穿孔された直径1.9mmの孔とを有している。駆動シャフト214は、近位端において、直径が約2.3mmから2.4mmの間で、深さが約5mmに座ぐりされている。駆動シャフト214は、当業者には本開示内容から理解頂けるように、適していればどの様な材料であってもよい。或る実施形態では、駆動シャフト214は、機械加工されたステンレス鋼である。
【0037】
次に図7及び図8示すように、切断装置200は、駆動シャフト214の遠位端と面一になるまで駆動シャフト214の遠位端上に圧力嵌めされたカラー220を更に備えている。施術者は、切断装置の遠位端の前進及び作動中には、カラー220、従って駆動シャフト214が回転しないようにカラー220を把持することにより、駆動シャフト214の回転を防ぐことができる。当業者には本開示内容より理解頂けるように、カラー220は、正しい形状に機械加工又は成形することができ且つ適した特性を有するのであれば、どの様な材料で構成してもよい。或る実施形態では、カラー220は、ポリマーで構成され、例えば一例としてDELRIN(登録商標)がある。
【0038】
これより図7、図8、及び特に図10を参照してゆくが、切断装置200は、駆動管216を通って延びる近位端を有し且つアダプタ管212の遠位端内に面一に嵌め込まれてはんだ付けなどで固定されている、可撓性のシャフト222を更に備えている。また、駆動管216の遠位端は、クリンピング又は銀蝋付けなどで可撓性のシャフト222に固定されている。或る実施形態では、可撓性のシャフト222は、中実芯を備えた多数糸線入り巻き線から形成されている。別の実施形態では、可撓性のシャフト222は、軸方向の長さが約300mmである。別の実施形態では、可撓性のシャフト222は、直径が約1.25mmである。或る好適な実施形態では、一例としてであるが、可撓性のシャフト222は、米国ニュージャージー州アービントンのピーエーケイ エムエフジー社の部品番号FS045N042Cである。
【0039】
駆動シャフト214、アダプタ管212、駆動管216、及び可撓性のシャフト222から成るアッセンブリは、軸受ハウジング208内に挿入され、保持リング224を使用して適所に支持され、モータードライブ210から切断装置200の遠位端にトルクを伝達する。或る好適な実施形態では、一例としてであるが、保持リング224は、マクマスター カー インダストリアル サプライ社の部品番号98410A110である。
【0040】
次に図7、図8、図9及び図10に示すように、切断装置200は、可撓性のシャフト222の全長にわたって可撓性のシャフト222を取り巻いている編組管226を更に備えている。編組管226は、円筒部分の剛性を増す。或る実施形態では、編組管226は、ステンレス鋼を備えている。別の実施形態では、編組管226は、軸方向の長さが約220mmである。或る好適な実施形態では、一例としてであるが、編組管226は、米国マサチューセッツ州サウスイーストンのビアメド コーポレーション社により製作されている。
【0041】
編組管226の近位端は、中空ジョイントを形成している6−32キャップスクリュー228の頭部にはんだ付けされている。或る実施形態では、キャップスクリュー228は、6−32x1.9mmの長ソケットヘッド型キャップスクリューであり、例えばマクマスター カー インダストリアル サプライ社の部品番号92196A151に、駆動管216用の貫通ルーメンを設けるために長さ方向軸に沿って直径1.85mmの貫通孔を穿孔することにより修正を加えたものである。キャップスクリュー228は、正しい形状に機械加工又は成形することができ、適した特性を備えているのであれば、どの様な材料であってもよく、当業者には本開示内容から理解頂けるであろう。或る実施形態では、キャップスクリュー228は、ステンレス鋼で構成されている。
【0042】
切断装置200は、キャップスクリュー228の頭部に対して面一に圧力嵌めされたサムスクリューノブ230を更に備えている。サムスクリューノブ230は、正しい形状に機械加工又は成形することができ、適した特性を有しているのであれば、どの様な材料で構成してもよく、当業者には本開示内容から理解頂けるであろう。或る好適な実施形態では、サムスクリューノブ230は、一例としてではあるが、DELRINの様なポリマーで構成されている。
【0043】
切断装置200は、キャップスクリュー228上に一杯にねじ込まれているロックナット232を更に備えている。ロックナット232と編組管226は、可撓性のシャフト222と駆動管216の遠位端上に配置され、キャップスクリュー228が駆動シャフト214内へと一杯にねじ込まれる。キャップスクリュー228、サムスクリューノブ230、及びロックナット232のアッセンブリは、施術者が、編組管226を遠位方向に前進させたり近位方向に後退させると共に、編組管226を所望の位置に係止させることができるようにする。
【0044】
次に図10に示すように、切断装置200は、編組管226の内周面と可撓性のシャフト222の外周面の間にあって可撓性のシャフト222の遠位端全体を被覆している収縮管234を更に備えている。或る実施形態では、収縮管234は、ポリテトラフルオロエチレンで構成されている(米国サウスカロライナ州オレンジバーグのゼウス インダストリアル プロダクツ社から市販されている)。別の実施形態では、収縮管234は、内径が約1.3mmで、外径が約1.5mmである。別の実施形態では、収縮管234は、長さが約160mmである。
【0045】
次に図9と図10に示すように、切断装置200の遠位端は、例えば銀蝋付けなどで可撓性のシャフト222の遠位端に取り付けられたヒンジ236を更に備えている。ヒンジ236は、正しい形状に機械加工又は成形することができ、適した特性を備えているのであれば、どの様な材料で構成してもよく、当業者には本開示内容から理解頂けるであろう。或る好適な実施形態では、ヒンジはステンレス鋼で構成されている。切断装置200は、ヒンジ236の遠位端に取り付けられた刃238を更に備えており、刃238は、ドエルピン240などで、切断装置200の長さ方向軸に対して、図9に示す第1の挿入位置から図10に示す第2の切断位置まで、少なくとも90度軸回転することができるやり方で取り付けられている。刃238には、円周状切断縁と、図9及び図10に示す2つのノッチのような1つ又はそれ以上のノッチ242が設けられている。或る好適な実施形態では、図示のように、刃238は、髄核をもみ砕き椎体終板を研削するのに適した丸い遠位先端部を有している。しかしながら、当業者には本開示内容から理解頂けるように、切断装置200の使用目的次第で他の刃形状も使用することができる。刃238は、正しい形状に機械加工又は成形することができ、適した特性を備えているのであれば、どの様な材料で構成してもよく、当業者には本開示内容から理解頂けるであろう。或る実施形態では、刃238はステンレス鋼で構成されている。
【0046】
或る好適な実施形態では、切断装置200は、銀蝋付けなどで編組管226の遠位端に取り付けられた係止スリーブ244を更に備えている。係止スリーブ244は、キャップスクリュー228、サムスクリューノブ230、及びロックナット232から成るアッセンブリを使用して編組管226を操作することにより、遠位方向に前進させ近位方向に後退させることができる。図9及び図10に示すように、係止スリーブ244を近位方向に後退させると、係止スリーブ244の遠位端は、刃238の1つ又はそれ以上のノッチ242から係合解除され、刃238を軸回転させることができるようになる。係止スリーブ244を遠位方向に前進させると、係止スリーブ244の遠位端は、刃238の1つ又はそれ以上の対応するノッチ242に嵌り込み、刃238を切断装置200の長さ方向軸に対して90度に係止するようになっている。係止スリーブ244は、正しい形状に機械加工又は成形することができ、適した特性を備えているのであれば、どの様な材料で構成してもよく、当業者には本開示内容から理解頂けるであろう。或る実施形態では、係止スリーブ244はステンレス鋼で構成されている。別の実施形態では、係止スリーブ244は、内径が約2.5mm、外径が約2.6mmである。別の実施形態では、係止スリーブ244は、長さが約3.8mmである。
【0047】
図7、図8、図9、及び図10に示すように、或る好適な実施形態では、切断装置200の遠位端204は、遠位方向では編組管226を移動可能に取り巻いており、近位方向ではルアーハブ248に接続されているシース246を更に備えている。シース246の遠位端は、図示のように斜面250を有している。或る実施形態では、斜面は、切断装置200の長さ方向軸と約30度の角度を成している。或る好適な実施形態では、切断装置200の遠位端を、シース246を通して穿孔が必要な空間に対して前進及び後退させる。後退時、シース246の斜面になった遠位端は、刃238に接触し、刃238を係止スリーブ244から係合解除して挿入位置まで軸回転させる。シース246とルアーハブ248は、本開示内容から当業者には理解頂けるように、正しい形状に機械加工又は成形することができ、適した特性を備えているのであれば、どの様な材料で構成してもよい。或る実施形態では、シース246は、PEBAX(登録商標)(フランス国、ピュトーのアトケム コーポレーション社)の様なポリマーで構成されている。別の実施形態では、ルアーハブ248は、ポリカーボネートで構成されている。或る実施形態では、シース246は、内径が約2.8mmで、外径が約3.6mmである。別の実施形態では、シース246は、長さが約150mmである。
【0048】
本発明の切断装置200は、骨、結合組織、又は軟骨のような生体組織を含め、適するどの様な物質にでも空洞を形成するのに使用することができる。更に、切断装置200は、腫瘍の塊を無くすのにも使用することができる。加えて、切断装置200は、モーターを作動させながらチャネル内を移動させることにより、チャネルの断面積を大きくするのに使用することもできる。
【0049】
切断装置200は以下のように使用される。チャネルが、切断装置200の遠位端を受け入れるのに十分な大きさの円周を有している生体骨又は他の適した物質の中に形成される。次に、シース246がチャネルに挿入される。次いで、切断装置200がシース246内に挿入され、切断装置200の遠位端が、刃238を含めて、シース246を遠位方向に出て行くまで、切断装置が前進させられる。刃238の遠位端の事前に設定された半径により、刃238は何らかの面に接触すると軸回転する。次に、編組管226を係止スリーブ244が取り付けられた状態で遠位方向に前進させて、係止スリーブ244を刃238の1つ又はそれ以上のノッチ242に係合させる。モータードライブ210を作動させ、駆動ケーブルを軸回転させて切断刃238を回転させる。切断は、切断装置200を固定位置に維持することにより行うことができるが、切断装置200を近位方向及び遠位方向に移動させてながら切断を行い、切断される物質の体積を増すこともできる。切断が完了すると、モーターを作動停止させ、駆動ケーブルの軸回転を止めて刃238の切断動作を停止させる。シース246を遠位方向に前進させて、係止スリーブ244を刃238から係合解除させ、刃238を挿入位置に戻す。或る実施形態では、切断装置200は、ここでシース246から引き抜かれる。別の実施形態では、次いでシース246を第2位置まで前進させ、上記処理段階を繰り返して、第2位置での切断が行われる。或る好適な実施形態では、切断による屑片は、当業者には既知の手法を用いて、吸引を使用しながら、生理食塩水のような適した溶液で洗い流すことにより、又は吸引と洗い流しを組み合わせることにより、除去される。
【0050】
別の実施形態では、本発明は、複数の変形可能な刃を備えている摘出装置であり、本装置は、刃を変形させた状態でチャネルを通して空間にアクセスした後、刃が変形していないときに、空間内の物質を切断することができるようになっており、チャネルは複数の変形していない状態の刃の断面積よりも小さい断面積を有している。次に、図11、図12、図13、及び図14を参照してゆくが、各図は、刃が挿入位置にある状態の摘出装置の側方斜視図、刃が切断位置にある状態の摘出装置の側方斜視図、摘出装置の遠位端の拡大側方斜視図、及び摘出装置の分解側方斜視図、を示している。図示のように、摘出装置300は、近位端302と遠位端し304を備えている。或る実施形態では、摘出装置300は、以下の部品、即ち、モーターアダプタ306、チャックアダプタ308、軸受キャップ310、近位側軸受312、コレットアダプタ314、遠位側軸受316、軸受ハウジング318、ねじ付きアダプタ320、胴部322、胴部ノブ324、スペーサ管326、ハイポチューブ328、シャフト330、収縮管332、及び複数の刃336を備えた切断キャップ334、を備えている。しかしながら、チャックアダプタ308のような幾つかの部品は随意であり、他の部品も等価な部品に置き換えることもでき、当業者には本開示内容から理解頂けるであろう。摘出装置300の部品は、当業者には本開示内容から理解頂けるように、正しい形状に機械加工又は成形することができ、適した特性を備えているのであれば、どの様な材料で構成してもよい。或る好適な実施形態では、モーターアダプタ306、軸受キャップ310、軸受ハウジング318、胴部322、胴部ノブ324、及びスペーサ管326は、ポリマー又は等価な材料で構成されている。或る特に好適な実施形態では、それらは、DELRIN(登録商標)で構成されている。別の好適な実施形態では、チャックアダプタ308、近位側軸受312、コレットアダプタ314、遠位側軸受316、ねじ付きアダプタ320、ハイポチューブ328、及び中空シャフトは、ステンレス鋼又は等価な材料で構成されている。別の好適な実施形態では、収縮管332は、ポリテトラフロオロエチレン(TEFLON(登録商標)など)又は等価な材料で構成されている。別の好適な実施形態では、複数の刃336を備えた切断キャップ334は、ニチノールのような、変形していないときには切断に適した直交方向に拡張した切断形態に復帰するように加工された、成形された合金で構成されている。上記部品について、以下、更に詳しく開示する。
【0051】
再度図11、図12、図13、及び図14を参照すると、摘出装置300は、遠位側が胴部322に接続されたモーターアダプタ306を近位端302に備えている。モーターアダプタ306は、摘出装置300をモータードライブ(図示せず)に接続するのに使用されており、軸回転を摘出装置300の遠位端304に伝達し、本開示に記載のように機能させことができるようにしている。或る実施形態では、本発明の方法で椎間円板の切断に使用する場合には、モーターアダプタ306の寸法は、軸方向長さ約11cm、最大外径3.8cm、最大内径3.3cmである。しかしながら、当業者には本開示内容から理解頂けるように、寸法は意図する用途に適した寸法であれば、どの様な寸法であってもよい。本発明の摘出装置300と共に使用されるモータードライブは、適していればどの様なモータードライブでもよい。或る好適な実施形態では、モータードライブは、可変速度モータードライブである。或る実施形態では、一例として示すものであるが、モータードライブは、NSK エレクター EMAXモータードライブ(NSK ナカニシ社)である。別の実施形態では、モータードライブは、随意のチャックアダプタ308を介在させて。モーターアダプタ306に接続されたハンドドリル(例えば、米国カリフォルニア州アーバインのバーテリンク コーポレーション社のP/N C00108)である。
【0052】
摘出装置300は、軸受キャップ310、近位側軸受312、コレットアダプタ314、遠位側軸受316、及び軸受ハウジング318から成る軸受アッセンブリを更に備えている。軸受ハウジング318は、近位側軸受312、コレットアダプタ314、及び遠位側軸受316を保持しており、各部品は、軸受ハウジング318に圧入されているのが望ましい。或る好適な実施形態では、近位側軸受312と遠位側軸受316は、例えば米国カリフォルニア州サンタフェスプリングスのマクマスター カー サプライ社のP/N57155k53のような、高速ステンレス鋼ラジアル軸受である。コレットアダプタ314は、シャフト330をモータードライブ(図示せず)のモーターコレットに合わせるのに使用されている。コレットアダプタ314は、例えば、銀蝋付けなどでシャフト330に接続されている。或る実施形態では、コレットアダプタ314は、ガイドワイヤを受け入れるための軸方向ルーメンを有している。或る好適な実施形態では、軸方向ルーメンは、直径が約2mmである。
【0053】
摘出装置300は、更に、望ましくはガイドワイヤ受け入れ用の軸方向ルーメンを有している胴部322と、例えば胴部322上に圧力嵌めされて胴部322の上に取り付けられている胴部ノブ324とを備えている。胴部ノブ324は、施術者が、摘出装置300を前進及び後退させるときに、摘出装置300を把持できるようにしている。
【0054】
摘出装置は、ハイポチューブ328を更に備えている。或る実施形態では、本発明の方法で椎間円板物質の切除に使用する場合、ハイポチューブ328は、外径が3.8mm、内径が3mm、軸方向長さが約175mmである。
【0055】
摘出装置は、シャフト330を更に備えている。或る実施形態では、シャフト330は、ガイドワイヤ受け入れ用の軸方向ルーメンを有している。或る好適な実施形態では、シャフト330は可撓性を有しており、湾曲した通路を通して摘出装置300を前進させることができるようになっている。或る実施形態では、シャフト330は、ピーエーケイ エムエフジー社の部品番号FS85T11Cである。或る実施形態では、本発明の方法で椎間円板物質の切除に使用する場合、シャフト330は、外径が約2mm、内径が約3mm、軸方向長さが約350mmである。ガイドワイヤと共に使用する場合、シャフト330は内径が約1mmである。
【0056】
摘出装置300は、軸受アッセンブリとハイポチューブ328を胴部322に接続するねじ付きアダプタ320を更に備えている。或る実施形態では、ねじ付きアダプタ320は、軸受ハウジング318とインターフェースを取るため近位側に単ねじが切られている。或る実施形態では、ねじ付きアダプタ320はガイドワイヤを受け入れるための軸方向ルーメンを有している。或る好適な実施形態では、軸方向ルーメンは、直径が約3mmから4mmの間である。或る好適な実施形態では、ねじ付きアダプタ320は、軸方向長さが13mmで、最大外径が約5mmである。
【0057】
摘出装置300は、軸方向ルーメンを有するスペーサ管326を更に備えている。スペーサ管326は、胴部322の軸方向ルーメンの直径を減じている。或る実施形態では、スペーサ管326の軸方向ルーメンは直径が約4mmである。
【0058】
摘出装置300は、シャフト330の遠位端を被覆する収縮管332を更に備えている。収縮管332は、ハイポチューブ328とシャフト330との間に支承面を提供している。或る実施形態では、本発明の方法で椎間円板物質の切除に使用する場合、収縮管332は、外径が約3.3mm、内径が約2.5mm、軸方向長さが約350mmである。一例としてであるが、適した収縮管は、米国サウスカロライナ州のゼウス インダストリアル プロダクツ社から購入することができる。
【0059】
摘出装置300は、その遠位端304に切断キャップ334を更に備えている。切断キャップ334は、複数の変形させることのできる刃336を備えており、この刃336は、変形していない時には直交方向に拡張するようになっている。各刃336は、1つ又はそれ以上の切断縁を有している。或る実施形態では、複数の刃は、2つ又はそれ以上の刃を備えている。別の実施形態では、複数の刃は3枚の刃を備えている。或る好適な実施形態では、複数の刃は4枚の刃を備えている。刃336、並びに望ましくは切断キャップ334全体は、ニチノールのような、変形していないときには刃336を切断に適した直交方向に拡張する形態に復帰するように加工された、成形された合金で構成されている。或る実施形態では、本発明の方法で椎間円板物質の切除に使用する場合、切断キャップ334は、変形状態では、外径が約3mm、内径が約2.2mm、軸方向長さが約11mmである。変形していない時及び作動時は、スピン状態の刃は、約1.8cmの断面積があり、即ち、直径が約1.5cmである。
【0060】
摘出装置300は、当業者には本開示内容から理解頂けるように、適していればどの様な方法で製作してもよい。或る実施形態では、摘出装置300は、部分的には以下の段階で製作される。スペーサ管326は、ハイポチューブ328の遠位端と胴部322に外挿され、スペーサ管326が胴部322の遠位端と面一になるまで胴部に圧入される。ねじ付きアダプタ320は、例えば銀蝋付けによりハイポチューブ328の近位端に接続され、ねじ付きアダプタ320とハイポチューブ328とが、停止するまで胴部322の近位端へと挿入され、止めねじ(図示せず)で胴部322に固定される。軸受ハウジング318は、ねじ付きアダプタに外挿螺合され、遠位側軸受316が軸受ハウジング318に圧入される。シャフト330が、遠位側軸受316と軸受ハウジング318を通して軸受ハウジング318へと挿入され、コレットアダプタ314がシャフト330上に配置され、シャフト330の近位端から約50mm離してシャフトにはんだ付けされる。近位側軸受312が、コレットアダプタ314の近位端上に配置される。軸受キャップ310は、軸受キャップ310が停止するまで、軸受ハウジング318の近位端に外挿螺合される。胴部アッセンブリがモーターアダプタ306に挿入され、モーターアダプタ306の側面のスロットを介してキー止めされる。収縮管332が、シャフト330の遠位端を覆って配置される。切断キャップ334が、シャフト330の遠位端にクリンプ又は接着される。
【0061】
本発明の摘出装置は、当業者には本開示内容から理解頂けるように、適していればどの様な物質を切断するのにも使用することができる。或る好適な実施形態では、摘出装置は、椎間空間の上側の椎骨の椎弓根内の通路を通して椎間空間にアクセスした後で、2つの椎体間の椎間空間から椎間円板を切除するために使用されており、前記通路の断面積は、刃が物質を切断している際の変形していない刃の横断面積よりも小さい。或る好適な実施形態では、摘出装置は、椎間空間の境界を画定している椎体終板を切除するのにも使用される。
【0062】
一例としてではあるが、摘出装置は、刃を変形させた状態でチャネルを通して空間にアクセスさせた後、刃が変形していない状態で、空間内の物質を切るのに使用することができ、前記チャネルの断面積は、刃が物質を以下のようにして切断している際の、複数の変形していない状態の刃の断面積よりも小さい。先ず、刃を、前もって形成されたチャネルに嵌って通るように変形させる。変形させる際は、各刃の遠位先端部を摘出装置の長さ方向軸に向けて、望ましくは各刃の長さ方向軸が摘出装置の長さ方向軸と同軸になるまで動かす段階を含んでいる。次に、チャネルを通して摘出装置の切断キャップを前進させ、摘出装置の遠位端が空間に入り込むことができるようにして、刃が直交方向に拡張できるように、つまり、各刃の遠位先端部が摘出装置の長さ方向軸から離れて摘出装置の長さ方向軸に対して直角になり、変形していない形状になることができるようにする。或る好適な実施形態では、チャネルは著しく湾曲しており、摘出装置は、前進する際に装置をチャネルの曲率に追従させることができるようにするシャフトを有している。次に、摘出装置を作動させ、刃を回転させて、物質の切断を行う。或る好適な実施形態では、刃は約100から15000RPMの間で回転する。更に、摘出装置を空間内で前進及び後退させて、更に物質を切断する。完了すると、摘出装置を引き抜くが、その際、刃は、チャネルから引き抜かれるまで変形した状態になる。
【0063】
或る好適な実施形態では、摘出装置は、ガイドワイヤ上に外挿してチャネル内を前進させる。別の好適な実施形態では、摘出装置はチャネルを内張しているシース内を通される。別の実施形態では、切断される物質は椎間円板である。或る特に好適な実施形態では、摘出装置のシャフトは可撓性で、摘出装置が湾曲した通路内を前進できるようにしている。別の特に好適な実施形態では、物質は椎体終板物質である。別の特に好適な実施形態では、チャネルは椎骨内の経椎弓根的アクセスチャネルである。
【0064】
別の実施形態では、本発明は、椎間円板空間内に形成されたチャンバ内に融合剤を入れておくための融合剤格納装置である。以下図15と図16を参照してゆくが、各図は、本発明の或る実施形態による融合剤格納装置400の、図15の第1変形形態から図16の第2非変形形態に拡張する装置400の、側方斜視図(左図)と上面図(右図)を示している。図に示すように、融合剤格納装置400は、非変形時には拡張して実質的に円形状又は楕円形状になる形状記憶性を有する、薄くて生体適合性のある変形可能な材料から成るバンドを備えている。或る好適な実施形態では、バンドは、ニチノールのような、本発明の方法の間に形成された椎間円板空間内の空洞空間の境界線に近似している非変形形態に戻るように加工された、成形された合金で構成されている。或る特に好適な実施形態では、バンドは、ヒドロゲルのような生体適合性のあるシール材で被覆されている。当業者には本開示内容より理解頂けるように、融合剤格納装置400の寸法は、意図される用途により変化する。一例としてではあるが、或る好適な実施形態では、バンドは、展開時には、高さが1cm直径が2cmに拡張する。
【0065】
別の実施形態では、本発明は、椎間円板空間内に形成されたチャンバ内に融合剤を入れておくための融合剤格納装置である。以下図17と図18を参照してゆくが、各図は、本発明の或る実施形態による融合剤格納装置500の、図17の第1変形形態から図18の第2非変形形態に拡張する装置500の、側方斜視図(左図)と上面図(右図)を示している。図に示すように、融合剤格納装置500は、非変形時には拡張して実質的に円形状又は楕円形状になる形状記憶性を有する、薄くて生体適合性のある変形可能な材料から成るワイヤを備えている。当業者には本開示内容から理解頂けるように、融合剤格納装置500は、ワイヤを様々な形状に成形して構成することができる。図19は、図17と図18に示した融合剤容器を形成するワイヤ502の或る分離された部分を示している。或る好適な実施形態では、ワイヤは、図38、図53、及び図54に示すように、メッシュなら円周方向にも軸方向にも変形可能であることから、メッシュで構成されている。或る実施形態では、ワイヤは、ニチノールのような、本発明の方法の間に形成された椎間円板空間内の空洞空間の境界線に近似している非変形形態に戻るように加工された、成形された合金で構成されている。或る特に好適な実施形態では、ワイヤメッシュは、ヒドロゲルのような生体適合性を有するシール材で被覆されている。当業者には本開示内容より理解頂けるように、融合剤格納装置500の寸法は、意図される用途により変化する。一例としてではあるが、或る好適な実施形態では、バンドは、展開時には、高さが1cm直径が2cmに拡張する。
【0066】
別の実施形態では、本発明は、本発明の融合剤格納装置を使用して、隣接する2つの椎骨を融合させる方法である。本方法は、第1に、隣接する2つの椎骨の間の椎間円板空間内にチャンバを形成する段階を含んでいる。次いで、本発明による融合剤格納装置を用意してチャンバに入れ、非変形形態に拡張できるようにする。次いで、融合剤格納装置に融合剤を充填し、融合剤により、隣接する2つの椎骨の融合を図る。或る好適な実施形態では、本方法は、第2の手順として、別の2つの隣接する椎骨を固定する段階を更に含んでいる。
【0067】
別の実施形態では、本発明は、隣接する2つの椎骨を伸延するための伸延システムである。以下図20、図21、及び図22を参照してゆくが、各図は、それぞれ、伸延システムの導入器の側方図、伸延システムのスペーシング要素の或る実施形態の側方図(左図)と上面図(右図)、並びに伸延システムのスペーシング要素の別の実施形態の側方図(左図)と上面図(右図)である。図示のように、伸延システムは、導入器602と複数のスペーシング要素604、606を備えている。導入器602は、近位側挿入部608と、遠位側アンカー部610を備えている。近位側挿入部606は、ガイドワイヤ型又は管状構造612を備えている。遠位側アンカー部610は、複数の棘614を備えている。
【0068】
伸延システムは、複数の、積層及び変形可能なスペーシング要素604、606を更に備えている。各スペーシング要素は、中央開口616と複数の伸長部618を備えているのが望ましい。或る好適な実施形態では、各スペーシング要素は、図21に示すように、3つの伸長部618を備えている。別の好適な実施形態では、各スペーシング要素は、図22に示すように4つの伸長部618を備えている。スペーシング要素604は、各伸長部が湾曲形状を形成して、複数のスペーシング要素604、606を導入器602の上に軸方向に重ねることができるように構成されている。或る好適な実施形態では、伸延システムの各スペーシング要素604、606は、例えばニチノールのような、本発明の方法に使用すると隣接する2つの椎骨を伸延するのに適した形状に戻るように加工された、成形された合金のような物質で構成されている。更に、伸延システムの各表面は、伸延システムの要素の間の摩擦を小さくするため、ポリテトラフルオロエチレン又は他の親水性の被膜を有しているのが望ましい。
【0069】
別の実施形態では、本発明は、隣接する2つの椎骨を伸延するための別の伸延システムである。以下図23と図24を参照してゆくが、各図は、本発明による別の伸延システムの非変形形態時の側方図と、同伸延システムの変形時の側方図である。図示のように、伸延システム700は、近位側接続部702と遠位側伸延部704とを備えている。近位側接続部702は、中実のバンド、メッシュ又は等価な構造から成る、管状構造を備えている。遠位側伸延部704は、複数の条片706を備えている。各条片は、伸張した非変形形態からカールした変形形態に変形可能である。条片706は、近位端が近位接続部702に接続されている。各条片706は、近位端から遠位端に向けて先細になっているのが望ましい。或る好適な実施形態では、各条片706は、幅が、近位端708で約2.5から3mm、遠位端710で約1mmとなり、厚さが、近位端708で約1mm、遠位端710で約0.1から0.2mmとなるように、先細になっている。伸延システム700は、例えばニチノールのような、本発明の方法で使用すると隣接する2つの椎体を伸延するのに適した形状に復帰するように加工された、成形された合金のような物質で構成されている。更に、伸延システム700の各表面は、伸延システム700の要素の間の摩擦を小さくするため、ポリテトラフルオロエチレン又は他の親水性の被膜を有しているのが望ましい。
【0070】
伸延システム700は、当業者には開示内容から理解頂けるように、適していればどの様な方法で製作してもよい。或る実施形態では、本発明による、伸延システムを製作する方法が提供されている。この実施形態では、伸延システムは、先ず、ニチノールのような生体適合性を有する成形された合金の円筒を用意することにより製作される。次に、円筒に複数の軸方向切れ目を入れて、ハイポチューブの遠位端に複数の分離した条片を作り出す。或る特に好適な実施形態では、円筒は遠位端が3本の条片に切り分けられている。次に、条片は、密な渦巻き状に曲げられ、非変形時にこの形状に復帰するように加熱焼きなまし処理される。或る好適な実施形態では、渦巻き群は、非変形時には、最大横方向輪郭が約2cmで、最大軸方向輪郭が約1cmである。別の実施形態では、条片は、円筒の近位端から切り離され、同一又は等価な材料で製作されているメッシュ円筒にはんだ付けなどにより接続されている。
【0071】
別の実施形態では、本発明は、隣接する2つの椎骨を伸延するための別の伸延システムである。以下図25、図26、及び図27を参照してゆくが、各図は、本発明による伸延システムの有棘プラグの変形形態(左図)と非変形形態(右図)の側方斜視図、伸延システムのラチェット装置の変形形態時の上面図(左図)と側方図(右図)、及び伸延システムのラチェット装置の非変形形態時の上面斜視図(左図)と側方斜視図(右図)を示している。図示のように、伸延システムは、有棘プラグ802を備えていると共に、ラチェット装置804を備えている。有棘プラグ802は、円筒又は円錐状の中央部806と、遠位側の複数の棘808とを備えている。変形時には、図25左図のように、有棘プラグ802の棘808は、有棘プラグ802の軸中心に向けて収縮している。非変形時には、図25右図のように、有棘プラグ802の棘808は、有棘プラグ802の軸中心から外向きに延びている。有棘プラグは、円錐又は円筒を、軸方向に切って複数の棘を形成し、この形状に復帰するように加熱焼きなまし処理を施して製作されている。ラチェット装置804は、一方の端が接続された、横方向に分離された一連の条片810を備えている。ラチェット装置は、シート材を横方向に切って、シート材の一方の端でつながっている複数の条片を作ることにより製作される。シート材は軸状に巻かれ、この形状に復帰するように加熱焼きなまし処理される。変形時には、図26(左図)のように、条片810は、ラチェット装置804の中心軸回りにコイル状に密に巻かれている。非変形時には、図27(右図)のように、条片810は、ラチェット装置804の中心軸から離れるように延びている。伸延システムの各要素は、例えばニチノールのような、本発明の方法に使用すると隣接する2つの椎体を伸延するのに適した形状に復帰するように加工された、成形された合金のような物質で構成されている。また、伸延システムの各表面は、伸延システムの要素の間の摩擦を小さくするため、ポリテトラフルオロエチレン又は他の親水性の被膜を有しているのが望ましい。
【0072】
別の実施形態では、本発明は、本発明の伸延システムを使って上側の椎骨を下側の椎骨から伸延する方法である。本方法は、先ず、隣接する2つの椎骨の間の椎間円板空間内にチャンバを形成する段階を含んでいる。次に、本発明による伸延システムを用意し、チャンバ内に配置して、隣接する2つの椎骨を伸延する。或る実施形態では、伸延システムは、近位側挿入部と、複数の棘を有する遠位側アンカー部とから成る導入器を備えていると共に、複数の、積層及び変形可能なスペーシング要素を備えている。本実施形態では、伸延システムをチャンバ内に配置する段階は、棘が隣接する2つの椎骨の内の遠位側椎体の上部分の海綿骨に出会うまで導入器を前進させる段階と、複数のスペーシング要素を変形形態で導入器を超えてチャンバに挿入する段階と、複数のスペーシング要素を非変形形態まで拡張させる段階と、を含んでいる。別の実施形態では、伸延システムは、近位側接続部と、近位端がこの近位側接続部に接続された複数の条片とを備えている。この実施形態では、伸延システムをチャンバ内に配置する段階は、条片を真っ直ぐな変形形状にした状態で伸延システムを前進させチャネルを通してチャンバに入れる段階を含んでいる。チャンバ内に入ってしまうと、条片は非変形時の渦巻き形状に復帰して、2つの椎体を軸方向に伸延する。別の実施形態では、伸延システムは、有棘プラグとラチェット装置を備えている。この実施形態では、伸延システムをチャンバ内に配置する段階は、有棘プラグを変形形態で前進させチャネルを通してチャンバに入れる段階を含んでいるが、この段階では有棘プラグがチャンバに入るまで、棘は近位方向又は遠位方向の何れかに向いている。次いで、有棘プラグの棘は伸張して、隣接する2つの椎骨の遠位側椎体の上側部分の、又は隣接する2つの椎骨の近位側椎体の下側部分の、海綿骨に接する。次に、ラチェット装置を、非変形形態で、チャネルを通してチャンバ内にそして有棘プラグ内へと前進させる。チャンバに入ってしまうと、ラチェット装置の各条片は軸方向に拡張して、チャネルを通して後退するのを防ぎ、ラチェット装置を十分な長さ分だけ前進させて2つの椎骨を所望するだけ伸延させる。或る好適な実施形態では、伸延システムは両側方に導入される。或る好適な実施形態では、本方法は、上側椎骨の椎弓根部を通して形成されたチャネルを通して伸延システムを配置する段階を含んでいる。別の好適な実施形態では、本方法は、更に、シース又はハイポチューブを通して、上側椎骨の椎弓根部を通して形成されたチャネル内に伸延システムを配置する段階を備えている。
【0073】
本発明は、椎間円板の疾患及び症状を治療するための方法、並びに経椎弓根的椎間板切除術の方法を更に含んでいる。以下図28から図54を参照してゆくが、各図は、第1椎骨902の第1椎体900、第2椎骨906の第2椎体904、及び第1椎体900と第2椎体904との間の椎間円板908に施術される本方法の態様の幾つかを示している、一部破断側方斜視図である。
【0074】
或る好適な実施形態では、本方法は、先ず、本方法を受けるのに適した患者を選択する段階を含んでいる。適した患者とは、部分的核摘出又は全核摘出のような、少なくとも部分的には椎間板切除が必要な1つ又はそれ以上の疾患又は症状を有し、前記疾患又は症状により痛み、痺れ感、知覚の変化、筋肉虚弱、機能損失、又はそれらが併発している患者である。疾患及び症状の中で、治療に適していると考えられるものは、変性椎間円板、ヘルニア椎間円板、又は変性ヘルニア椎間円板である。
【0075】
次に、図28に示すように、経皮的に第1椎体900への経椎弓根的アクセスが行われる。或る好適な実施形態では、経椎弓根的アクセスは、11ゲージ骨生検針のような適したゲージの骨生検針910(例えば、米国カリフォルニア州スコットバレーのパララックス メディカル社、米国イリノイ州マッゴーパークのアリージャンス ヘルスケア社、及び米国インディアナ州ブルーミントンのクック社から市販)を、透視誘導などの適した誘導の下に、第1椎骨の一つの椎弓根を通して挿入することにより行われる。或る特に好適な実施形態では、経椎弓根的アクセスは両側方的に行われ、本開示に記載の方法は、両側方的に繰り返される。両側方で本方法を実施することにより、円板物質をより多く除去することができるようになる。次いで、図28に示すように、直径1mmのガイドワイヤのような適したガイドワイヤ912が、生検針910を通して第1椎体900に挿入され、挿入されたガイドワイヤ912を残して、生検針910が取り出される。
【0076】
或る好適な実施形態では、経路は、ガイドワイヤ912に外挿したバルーンで骨膜面まで拡張される。次に、図29に示すように、適している非可撓性の骨穿孔錐914が、ガイドワイヤ912に外挿して挿入され、これを誘導状態の下に作動させて、生検針910とガイドワイヤ912によって形成されたチャネルを、直径約4.5mmまで拡大して、第1椎体900の後方約3分の1まで伸張させる。或る実施形態では、真っ直ぐな錐を挿入する前に、第1椎骨902を覆う結合組織及び筋肉組織を通して、厚さ0.25mm、外径が5mmのプラスチック管のような真っ直ぐな錐用のシース(図示せず)が、ガイドワイヤ912に外挿して挿入され、そして真っ直ぐな錐が、ガイドワイヤ912に外挿され且つ真っ直ぐな錐用のシースの内側に挿入される。この実施形態では、真っ直ぐな錐のシースは、第1椎骨902を覆う結合組織及び筋肉組織(図示せず)が、非可撓性の骨穿孔錐914に接触しないように保護している。
【0077】
次に、非可撓性の骨穿孔錐914のシースが取り出され、図30に示すように、経椎弓根作業シース916がこれにとり代わって、非可撓性の骨穿孔錐914に外挿され、非可撓性骨穿孔錐914により形成された空間に挿入される。非可撓性の骨穿孔錐914が取り出され、保定管918が、経椎弓根作業シース916内を、保定管918の遠位先端部が経椎弓根作業シース916の遠位端を出るまで進められる。次いで、第1の可撓性の錐920が保定管918の全長を貫いて挿入される。或る好適な実施形態では、保定管918は、本発明による装置である。別の実施形態では、可撓性の錐920が、本発明による装置である。図30に示すように、可撓性の錐920は、前進して保定管918の近位部を通り保定管918の遠位側傾斜端を出るが、このとき可撓性の錐920の長さ方向軸は、保定管918の長さ方向軸に対して凡そ90度の角度を成す。可撓性の錐920が作動し、第1椎体900を通して上から下向きに椎間円板908内へとチャネルが形成される。
【0078】
次に、第1の可撓性の錐920が取り出される。或る好適な実施形態では、次に、直径が0.4mmから1mmの間にある生体適合性を有するガイドワイヤ(図示せず)が、経路を通して椎間円板908内に挿入されて支持構造を形成し、この支持構造と経椎弓根作業シース916が留置される。
【0079】
或る好適な実施形態では、本発明による、穿孔先端部の断面直径が第1の可撓性の錐920よりも大きい第2の可撓性の錐(図示せず)を、経椎弓根作業シース916を通して、もし存在する場合には支持構造に外挿して、前進させる。第2の可撓性の錐を作動させて、第1の可撓性の錐920により椎間円板908内へと形成されたチャネルを広げる。最終的なチャネル直径は、第2の可撓性の錐の使用の有無に関わらず、直径が4mmから5mmの間にあるのが望ましい。使用している場合には第2の可撓性の錐、並びに経椎弓根作業シース916が、ここで引き抜かれる。当業者には本開示内容から理解頂けるように、本方法の残りの部分がオーバーザワイヤー技法を用いて行われる場合、使用されているのであれば支持構造はその場に留置される。しかしながら、図面では、非オーバーザワイヤー技法を使った方法を示している。
【0080】
次に図31、図32、図33及び図34に示すように、可撓性の編組シース又は金属シースのような可撓性のシース922を、可撓性の錐により形成された拡大チャネルを通して支持構造に外挿して前進させる。次いで、切断装置924又は摘出装置926、又は等価な装置を、或いは2つ以上の装置の場合は順番に、可撓性シース922に通して、切断装置924又は摘出装置926の遠位端が椎間円板908内に入るまで前進させる。別の実施形態では、切断装置924は、本発明による装置である。別の実施形態では、摘出装置926が、本発明による装置である。切断装置924を使用している場合は、次に、この装置を図31、図32、図33、及び図34に示すように作動させ、摘出装置を使用している場合は、この装置を、X線透視誘導のような適切な誘導の下で、図35及び図36に示すように作動させて、髄核のような椎間円板908物質の部分を除去する。
【0081】
別の実施形態では、椎間円板908物質のこの部分は、適当な形状の可撓性のカテーテルを通る可撓性のファイバケーブルを通して搬送されるホルミウム・レーザーを使用する熱蒸発によって除去される。レーザーエネルギーのバーストにより、椎間円板物質、及び必要に応じて終板軟骨及び皮質骨を、蒸発させる。
【0082】
別の実施形態では、椎間円板908物質のこの部分は、無線周波数により生成されたプラズマバーストを使用するコブレーション装置により除去される。この方法では熱による損傷無しに、プラズマバーストが椎間円板物質を気体要素に分解する(この処置を「コブレーション」という)。椎間円板物質のこのようなコブレーションは、脊椎神経根を傷つけることはなく、また従来の方法よりも短時間で大量の椎間円板物質を除去することができる。或る好適な実施形態では、コブレーション装置は、針の端に取り付けられた無線周波数電極であり、後側方から円板環を通して、円板環を大きく傷つけること無く挿入される。別の好適な実施形態では、コブレーション装置は複数のアームを備えており、各アームは1つ又はそれ以上のコブレーション電極を備えている。コブレーション装置は、アームをコブレーション装置の長さ方向軸まで潰した状態で、シースを通して挿入され、椎間円板空間に入ると、コブレーション装置の長さ方向軸から直角な方向に拡張する。次に、コブレーション装置は、電極が作動している間、椎間円板空間内を上下方向に平行移動し、軸回転する。
【0083】
次いで、切断装置924、摘出装置926又は等価な装置が取り出される。もみ砕かれた円板屑は、吸引を用いて椎間円板908から除去されるが、特に、研削された椎間円板物質がコブレーションにより気体状副産物に減量されている場合は、もみ砕きの間又はその後の何れかに、生理食塩水のような適した溶液で洗い流すことにより、又は吸引と洗い流しを併用することにより、除去される。また、切断装置924、摘出装置926又は等価な装置の駆動シャフトは、アルキメデス・スクリュー様の構成を組み込むことができ、この構成では、回転中に、もみ砕かれた円板物質が椎間円板空間の外に移送される。髄核からの円板物質を除去すると、それだけで、円板ヘルニアを脊柱管及び神経孔に後退させることができ、改善の兆し又は徴候が現れる。
【0084】
或る好適な実施形態では、使用される人工円板移植片の種類次第で、椎間円板908を画定している終板の一方又は両方の一部も除去される。例えば、処置対象の椎間円板がひどく狭くなっている場合、又は終板硬化症が存在する場合は、髄核及び隣接する終板の両部分に置き換えられる人工器官が必要となり、従って、終板の一方又は両方の一部が除去されることになる。或る好適な実施形態では、除去される終板の部分は、矢状断面が約2cmである。或る好適な実施形態では、除去される終板の部分は、矢状断面で終板の約30%を含んでいる。別の好適な実施形態では、この場合も使用される人工円板移植片の種類によるが、椎間円板908の上側面928又は椎間円板908の下側面930の何れかの側に、又は、望ましくは椎間円板908の上側面928と下側面930の両面に、露出している皮質骨も或る程度除去される。しかしながら、本発明の全ての実施形態において、線維輪は円周方向に保存しておくのが望ましい。腺維輪を無傷で残すことの利点は、脊柱の安定性が改善し、人工円板移植片が何であれ安定性が更に増すことである。
【0085】
本方法は、施術中の治療者又は外科医により適当と思われる場合には、椎間円板物質、終板物質、皮質骨、又はそれらの組み合わせを除去した時点で完結する。しかしながら、或る好適な実施形態では、椎間円板物質の除去により生じた椎間円板空間に人工円板移植片が挿入される。人工円板移植片を挿入する代わりに又はこれに加えて、円板空間に接している椎体を、以下のように融合させるか、又は伸延して融合させることもできる。
【0086】
図37及び図38では、切断装置924、摘出装置926又は両装置により形成された空洞空間に、融合剤格納装置932が挿入され、展開される。或る好適な実施形態では、図37及び図38に示すように、融合剤格納装置932は、本発明による融合剤格納装置である。しかしながら、当業者には本開示内容より理解頂けるように、他の融合剤格納装置も適している。別の好適な実施形態では、融合剤格納装置932の導入と展開は、コイル状に巻かれた融合剤格納装置932を入れるための可撓性の管と、コイル状に巻かれた融合剤格納装置932を可撓性の管から摘出装置によって形成された空洞空間内へ押し出すための放出先端部を有する中心ワイヤと、を備えた展開装置内に、融合剤格納装置932をコイル状に密に巻くことにより実現される。空洞空間に入ると、融合剤格納装置932は、応力の掛かっていない形状に復帰し、椎間円板908内に内張されたチャンバを作り出す。次に、この内張された空洞チャンバに、生体適合性を有する骨基質を含んでいる薬剤のような融合剤が充填され、これにより第1椎体900と第2椎体904の間の骨融合が図られる。適した骨基質には、例えば、米国ペンシルベニア州マルヴァーンのオーソヴィータ・インコーポレーテッド社から市販されているVITOSS(登録商標)、及び米国ニュージャージー州イートンタウンのオステオテック・インコーポレーテッド社から市販されているGRAFTON Plus(GRAFTONは登録商標)、並びに、骨伝導性又は骨誘導性のどちらでもよいが、脱塩された死体の骨基質物質を骨形成タンパク質と混ぜ合わせ、更にこれに患者自身の骨髄を混合したもの、又はしないままのもの、がある。
【0087】
或る好適な実施形態では、図39、図40、図41、図42、図43及び図44に示すように、本方法は、チャンバに融合剤を充填する前、又はチャンバに融合剤を充填した後で且つ融合剤が硬化する前、の何れかの段階で、伸延システム934、936、938をチャンバに導入する段階を更に含んでいる。代わりに、チャンバを融合剤で部分的に充填し、この融合剤が硬化する前に伸延システム934、936、938を導入し、それから追加の融合剤をチャンバに加えることもできる。当業者には本開示内容から理解頂けるように、伸延システム934、936、938は、適していればどの様な構造であってもよい。或る好適な実施形態では、伸延システム934、936、938は、本発明による伸延システム934、936、938である。図31、図32、図33、図34、図35及び図36は、そのような3つの伸延システム934、936、938が展開されるところを示している。伸延システム934、936、938は、伸延の役を果たし、即ち、第1椎骨902を第2椎骨906から軸方向に離し、堆積させた融合物質を支持する役を果たす。
【0088】
或る好適な実施形態では、図45に示すように、本方法は、第1椎骨902を第2椎骨906に接合するための、追加的な融合処置を実行する段階を更に含んでいる。或る実施形態では、図45に示すように、この追加的な融合処置は、当業者には本開示内容から理解頂けるように、本発明の方法を行う段階から残されている経椎弓根チャネルへと椎弓根スクリュー940を配置する段階と、椎弓根スクリュー940同士をスペーシング装置942で接続する段階とを含んでいる。しかしながら、当業者には本開示内容から理解頂けるように、適していればどのような追加的な融合処置を使用してもよい。
【0089】
或る好適な実施形態では、本方法は、少なくとも3つの椎体と、前記少なくとも3つの椎体の間の2つの椎間円板に対して、片側方又は両側方の何れかから、唯1つの椎骨レベルで経椎弓根的に、椎体及び椎間円板にアクセスすることにより実施される。本方法のこの実施形態の各態様は、当業者には本開示内容から理解頂けるように、本方法を隣接する2つの椎骨と前記2つの椎骨の間の椎間円板だけに対して行う場合に関して開示したものと等価な態様に対応している。
【0090】
以下図46から図54までを参照してゆくが、各図では、第1椎骨1002の第1椎体1000、第2椎骨1006の第2椎体1004、第1椎体1000と第2椎体1004の間の椎間円板1008、第3椎骨1012の第3椎体1010、及び第2椎体1004と第3椎体1010の間の椎間円板1014に施術される、本方法のこの実施形態の態様の幾つかを示している一部破断側方図である。図示のように、適した患者を選択した後、経皮的に第1椎体1000への経椎弓根的アクセスを行い、非可撓性の骨穿孔錐を使用して、実質的に先に開示したように第1椎体1000と第2椎体1004との間の椎間円板1008にアクセスする。しかしながら、この実施形態では、可撓性の錐1016を使ってチャネル形成を継続して、図46に示すように第1椎骨1002と第2椎体1004の間の椎間円板1008を完全に貫通し、図47に示すように第2椎体1004を貫通して、第2椎体1004と第3椎体1010との間の椎間円板1008内までチャネルを形成する。次に、図48と図49に示すように、第2椎体1004と第3椎体1010との間の椎間円板1008、並びに第1椎体1004の下側終板1018の一部及び第3椎体1010の上側終板1020の一部が、切断装置(図示せず)、摘出装置1022又は両装置を使って除去される。次いで、図50に示すように、融合剤格納装置1024が、第2椎体1004と第3椎体1010との間の椎間円板1014内に、並びに第1椎体1000と第2椎体1004との間の椎間円板1008内に展開される。或る好適な実施形態では、図51、図52、図53及び図54に示すように、伸延システム1026は、第1椎骨1002と第2椎体1004との間の椎間円板1008及び、第2椎体1004と第3椎体1010との間の椎間円板1008の両方の中の融合剤格納装置1024内に配置される。次いで、各融合剤格納装置1024に融合剤が充填され、これにより、第1椎骨1002を第2椎骨1006に融合させ、第2椎骨1006を第3椎骨に融合させる。また、或る好適な実施形態では、図54に示すように、第1椎骨1002を第2椎骨1006に接合するため、第2椎骨1006を第3椎骨に接合するため、又はその両方のために、図45に対応するやり方で追加的な融合処置が行われる。
【0091】
別の実施形態では、椎間円板物質の除去により生じた椎間円板空間内に人工円板移植片が挿入される。或る好適な実施形態では、人工円板移植片は、上記のように作られた経椎弓根的空間を通して椎間円板空間に挿入される。或る実施形態では、人工円板移植片は、水に接触すると膨張し、患者が直立した際に機械的に応力が掛かると幾らか圧縮される、ヒドロゲル装置である。
【0092】
別の実施形態では、人工円板移植片は、椎間円板空間を、粘度約0.1Pasから1.0Pas(約100cpsから1000cps)及びショア硬度約75−80Aの、ポリウレタンのような生体適合性を有する熱可塑性ポリマーで充填することで構成される。このような熱可塑性ポリマーは、正常な髄核の衝撃吸収性を再現するので好都合である。
【0093】
別の実施形態では、人工円板移植片は、コンプライアンスのない拡張特性を備えた弾性を有する拡張性ポリマーから成るデュアルチャンバ装置を備えている。一方のチャンバは他方のチャンバより相当大きく、両チャンバは非拡張性の可撓性の管で接続されている。2つのチャンバの内の大きい方は、経椎弓根的進入法を使って椎間円板内に配置される。或る好適な実施形態では、2つの装置は各側に1つずつ配置される。大きい方のチャンバは、海綿状材料から成り、グリセリン又はグリセロールのような粘度の高い流体で充填されている。歩行又は起立のような活動で脊柱に生理学的荷重が加わると、大きい方のチャンバに働く軸方向の圧力により、粘性流体の一部が大きい方のチャンバから小さい方のチャンバに移動する。患者が睡眠時に横になるなどして軸方向の圧力が取り除かれると、過程が逆戻りして、粘性流体が大きい方のチャンバに移動する。また、海綿状材料は、接続管を通して粘性流体を小さい方のチャンバから引き出す傾向がある。
【0094】
デュアルチャンバ装置は、上記のように作られた経椎弓根的空間を通して挿入される。配置されると、デュアルチャンバ装置には、自己封止弁を介してデュアルチャンバ装置に接続されている送出カテーテルを通して粘性流体が注入され、弁が封止され、送出カテーテルは牽引力を加えることによって装置から取り外される。接続管は、2つのチャンバの安定性及び錨着を提供し、装置が円板空間から移動するのを防ぐ支援をする。
【0095】
図55は、本発明の或る実施形態による、直接放射能力を備えたレーザーカテーテルの図である。図56は、本発明の或る実施形態による、側面放射能力を備えたレーザーカテーテルの図である。レーザーカテーテルは、病変脊椎の治療において、椎間円板及び/又は他の物質の一部を経皮的椎弓根的に研削し除去するために使用することができる。レーザーカテーテル1100は、遠位端1102と近位端1103とを備えた細長い外側管1101を含んでいる。レーザーカテーテル1100をレーザー源に接続するための光学コネクタ1107は、近位端1103に在る。ガイドワイヤ口1109は、研削物質を除去するため真空源又はの他の機構に接続できる。
【0096】
図57は、本発明の或る実施形態によるレーザーカテーテルの断面図である。図58は、本発明の或る実施形態によるレーザーカテーテルの遠位端の断面図である。外側管1101は2本のルーメンを含むことができる。ルーメンを追加して配置してもよい。この代表的実施形態では、ルーメン1104は光ファイバー束105を含んでいる。ルーメン1106は、椎間円板への送出時には直径が0.889mmから0.038mm(0.035から0.038インチ)のガイドワイヤ用のガイドワイヤルーメンとして、また研削された物質を椎間円板からレーザーカテーテルの近位端に排出するための排出ルーメンとして、相互変更可能に使用される。加えて、直径が異なる他のガイドワイヤをルーメン1106に収容してもよい。
【0097】
外側管1101は、外径が2.75mmから3.25mmの範囲にある。この範囲外でもよい。この外径は、先に述べたように、4.2mmから5.00mmの経椎弓根的チャネルに適応するように設計されている。他の直径に適合させることもできる。光ファイバ束1105は、湾曲部を横断してエネルギーを装置の近位端、例えば光学コネクタ107からレーザーカテーテル100の遠位端102まで送り届ける特定数の個別の光ファイバを含んでいる。
【0098】
或る代表的な実施形態によれば、光ファイバ束は、OH−含有量の少ないシリカコア(例えば直径200μm)、シリカクラッド(例えば直径210−2200μm)、及び直径が300μmから350μmの範囲のプラスチックジャケット(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTF)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)又は他の類似材料)を備えた、15−20本の個別のファイバのような複数の光ファイバを含んでいる。例えば、単一の光ファイバを使用すると、コアの直径は約400μmから1000μmになる。多数の光ファイバを使用すると、各ファイバはコアの直径が約100μmから300μmになる。各光ファイバの開口数(NA)は、0.22から0.28の範囲にある。他の測定値及び範囲を実施してもよい。
【0099】
図59は、本発明の或る実施形態による、レーザーに接続されたレーザーカテーテルを示している。この代表的実施形態では、レーザーカテーテル1100は、光学コネクタ1107を介してレーザー1111に接続されている。レーザー1111は、出力約20から80ワット、望ましくは約30ワットの、ホルミウム−YAGレーザーのような赤外線レーザーを含んでいる。ホルミウム−YAG赤外線レーザーは、2.1μmの波長をサポートすることができる。別の代表的実施形態では、レーザーはダイオードレーザー又は他の種類のレーザーを含んでいる。
【0100】
遠位端1102は、図58に示すように、全光ファイバの遠位端が終端し、Epotech353−NDT(エポキシ テクノロジーズ)のような半透明高温エポキシに嵌め込まれ、よく研磨された光学面を含んでいる。図57に示すガイドワイヤ/排出ルーメン1106は、嵌め込まれた光ファイバ内で、図58のルーメン1106(例えば、カテーテルの遠位端)と連通している。
【0101】
図60は、本発明の或る実施形態による、前方レーザー処理能力を備えたレーザーカテーテルの遠位端の斜視図である。図60に示すように、遠位端は真っ直ぐなレーザービームを提供する。図61は、本発明の或る実施形態による、側面放射レーザー処理能力を備えたレーザーカテーテルの遠位端の斜視図である。図61に示すように、側面放射レーザーカテーテルは、カテーテルの軸に対して垂直なレーザー放射を提供する。図60及び図61の放射線不透過マーカー1114は、X線透視画像化のような画像化処理の下でカテーテルの遠位端の視覚化を支援する。この代表的実施形態では、光ファイバ束は上記のように嵌め込まれる。遠位端をファイバの軸に垂直な面内で磨くのではなく、約37度から39度の範囲で傾斜研磨が行われる。使用するファイバの所望の角度及び/又は種類次第で、他の最適傾斜角度も考えられる。図61の傾斜角度は、研磨面の軸に対して垂直なレーザー放射を提供する(例えば、光ファイバの軸に対して垂直なレーザービーム)。側面放射レーザーを用いたこの代表的実施形態は、レーザーカテーテルの遠位端への直線的経路内に無い椎間円板の部分の研削に備えている。
【0102】
図62は、本発明の或る実施形態による、近位端コネクタの斜視断面図である。光学コネクタ107は、1つ又はそれ以上の冷却ウインドウ1212を備えたコネクタ本体1214に接続されている六角ナット1216を含んでいる。レーザーアパーチャ1210は、レーザー1111のようなレーザー源からレーザーエネルギーを受け取り、レーザーエネルギーを光ファイバ束1105に搬送する。
【0103】
図63と図64は、本発明の各種実施形態の方法の幾つかの態様を示す一部破断側方図である。図28から図30に示した経椎弓根経路へのアクセスに関連して先に説明した方法により、円板体への経椎弓根チャネルを得ることができる。レーザーカテーテル1101は、チャネル内のポリマー製導入器を通して押し込まれる。導入用シースは、外径が3.9から4.2mmの範囲に、内径が3.0から3.2mmの範囲にある。他の直径範囲でもよい。導入用シースは、レーザーカテーテル1101がその内径と干渉しながら進む際の摩擦が小さくなるように、ポリマー材料、例えばPTFE、EFPなどを含むことができる。
【0104】
図63は、直進放射レーザーカテーテルを示しており、図64は、側面放射カテーテルを示している。両実施形態において、レーザーカテーテルは、レーザー放射処理中は前進し、或る一定時間(例えば30−60秒)経過の後、レーザーが停止され、研削屑が、1109で示す近位端に接続されている真空源、シリンジ、又は他の方法によってカテーテルの遠位端1102経由で除去される。次いでレーザー放射が再開される。
【0105】
所望量の円板が研削され除去された後、ユーザー(例えば、医師など)は、ケージ、骨成長材料を展開させ、及び/又は上に述べた他の技法を利用することができる。
【0106】
図65Aと図65Bは、本発明の或る実施形態による関節式先端部を備えたレーザーカテーテルの斜視図である。図65Aと図65Bは、上記図55と図56に示したレーザーカテーテルの変型例を示している。レーザーカテーテル1100は、直進放射又は側面放射用の先端部を備えており、遠位端1102に、レーザーカテーテルの先端部を関節運動させることのできる(或いは操縦可能な)関節式先端部1303を含んでいる。例えば、関節式先端部1303は、単一面内である角度範囲内(例えば0から90度)で関節運動することができる。また、関節式先端部1303は、複数の面内で様々な角度で関節運動することができる。
【0107】
図65Bは、回転式ノブ1302で制御される遠位先端部の代表的な考えられる関節運動(仮想線)を示しており、ノブ1302を引くか又は押す方向に回転させることにより制御される。この関節運動機構により、椎間円板を大量に研削できるようになる。
【0108】
関節式先端部1303は、関節運動アッセンブリ1301により制御される。関節運動アッセンブリ1301は、回転式ノブ1302を含んでいる。回転式ノブ1302は、関節式先端部1303を制御するための機械的アッセンブリを含んでいる。例えば、ノブ1302を回転すると、遠位先端部の押し又は引きが伝達され、これにより関節式先端部1303が様々な方向に変形する。例えば、関節式先端部1303は、レーザーカテーテルの軸から右(+45度)又は左(=45度)に動くことができる。また、ノブ1302を回転すると、関節式先端部1303を電子的に又は他の操縦法を介して制御することができる。
【0109】
図66は、本発明の或る実施形態による、関節式先端部を備えたレーザーカテーテルの断面図である。図示のように、外側管1101は、追加的なルーメン1303、1305を含んでおり、各ルーメンは、内径が約0.305mmから0.356mm(約0.012から0.014インチ)である。ルーメン1303及び1305内には、ワイヤ1306と1304が収容されており、各ワイヤは、外径が約0.254mmから0.305mm(約0.010から0.012インチ)である。他の寸法範囲でもよい。ワイヤ1306と1304は、レーザーカテーテル1100の遠位端1102から、レーザーカテーテル1100の近位端1103近くにある関節運動アッセンブリ1301(図65に図示)まで走っているステンレス鋼ワイヤである。ワイヤ1304と1306の遠位端は、レーザーカテーテルの遠位端1102に錨着され、嵌め込まれ、又は別の方法で固定されている。
【0110】
図66と図67に示すように、ステンレス鋼ワイヤ1304及び1306の近位端は、ギヤ1308とチェーン1307を介して、関節運動アッセンブリ1301の上面に在る回転式ノブ1302に機械的に接続されている。ワイヤ1304と1306を導入するのに、他の機械的アッセンブリを採用してもよい。更に、ワイヤ1304と1306を電子的に操縦するため、電気機械機構を採用してもよい。加えて、代わりの関節運動範囲にあわせて、単一ワイヤ、並びに追加のワイヤを採用してもよい。
【0111】
図64、図68及び図69に示すように、レーザーカテーテルが直進経路に導入され椎体に入ると、施術者はレーザーカテーテルの遠位先端部に関節運動をさせることができる。回転式ノブ1302を回転させるか又は操縦することにより、回転式先端部1303は変位し、これにより、作られた元の経路の様々な方向(例えば、反対方向)で研削を行わせることができる。
【0112】
図68は、側面放射先端レーザーカテーテルを2つの関節運動位置で示している。図69は、側面放射先端レーザーカテーテルを、関節運動位置でレーザービームの方向と共に示している。
【0113】
以上、幾つかの好適な実施形態を参照しながら本発明についてかなり詳しく説明してきたが、他の実施形態も可能である。従って、特許請求の範囲は、本開示内容に含まれている好適な実施形態の記載に限定されるべきではない。ここで引用している全ての参考文献は、その内容全体を参考文献としてここに援用する。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の或る実施形態による骨穿孔錐の、遠位側穿孔端が挿入位置にある状態の側方斜視図である。
【図2】図1に示す骨穿孔錐の、遠位側穿孔端が穿孔位置にある状態の側方斜視図である。
【図3】図1に示す骨穿孔錐の下側サブアッセンブリの分解側方斜視図である。
【図4】図1に示す骨穿孔錐の上側サブアッセンブリの分解側方斜視図である。
【図5】図1に示す骨穿孔錐の幾つかの個別の構成要素の側方斜視図である。
【図6】図1に示す骨穿孔錐と共に使用することができる随意のガイド先端部の側方斜視図である。
【図7】本発明の或る実施形態による切断装置の、遠位端が切断位置にある状態の側方図である。
【図8】図7に示す切断装置の、遠位端が挿入位置にある状態の破断側方図である。
【図9】図7に示す切断装置の遠位端の、遠位端が挿入位置にある状態をクローズアップした一部破断側方図である。
【図10】図7に示す切断装置の遠位端をクローズアップした、一部破断側方図である。
【図11】本発明の或る実施形態による摘出装置の、ブレードが挿入位置にある状態の側方斜視図である。
【図12】図11に示す摘出装置の、ブレードが切断位置にある状態の側方斜視図である。
【図13】図12に示す摘出装置の遠位端の拡大側方斜視図である。
【図14】図12に示す摘出装置の分解側方斜視図である。
【図15】本発明の或る実施形態による融合剤格納装置の、変形形態時の側方斜視図(左図)と上面図(右図)の両図を示している。
【図16】図15に示す融合剤格納容器の、未変形形態時の側方斜視図(左図)と上面図(右図)の両図を示している。
【図17】本発明の或る実施形態による別の融合剤格納装置の、変形形態時の側方斜視図(左図)と上面図(右図)の両図を示している。
【図18】図17に示す融合剤格納装置の、未変形形態時の側方斜視図(左図)と上面図(右図)の両図を示している。
【図19】図17及び図18に示す融合剤格納装置を形成しているワイヤの或る分離された部分を示している。
【図20】本発明の或る実施形態による伸延システムの導入器の側方図である。
【図21】図20に示す導入器を含んでいる伸延システムのスペーシング要素の或る実施形態の側方斜視図(左図)と上面斜視図(右図)である。
【図22】図20に示す導入器を含んでいる伸延システムの別のスペーシング要素の或る実施形態の側方図(左図)と上面図(右図)である。
【図23】本発明による別の伸延システムの、未変形時形態の側方図である。
【図24】図23に示す伸延システムの、未変形形態時の側方図である。
【図25】本発明による別の伸延システムの有棘プラグの、変形形態時(左図)と未変形形態時(右図)の側方斜視図である。
【図26】図25に示す有棘プラグを含んでいる伸延システムのラチェット装置の、変形形態時の上面図(左図)と側方斜視図(右図)である。
【図27】図25に示す有棘プラグを含んでいる伸延システムのラチェット装置の、未変形形態時の上面図(左図)と側方斜視図(右図)である。
【図28】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図29】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図30】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図31】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図32】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図33】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図34】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図35】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図36】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図37】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図38】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図39】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図40】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図41】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図42】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図43】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図44】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図45】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図46】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間円板、第3椎骨の第3椎体、及び第2椎体と第3椎体の間の椎間円板に施術される、本発明の方法の或る実施形態の態様を示している一部破断側方図である。
【図47】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間円板、第3椎骨の第3椎体、及び第2椎体と第3椎体の間の椎間円板に施術される、本発明の方法の或る実施形態の態様を示している一部破断側方図である。
【図48】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間円板、第3椎骨の第3椎体、及び第2椎体と第3椎体の間の椎間円板に施術される、本発明の方法の或る実施形態の態様を示している一部破断側方図である。
【図49】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間円板、第3椎骨の第3椎体、及び第2椎体と第3椎体の間の椎間円板に施術される、本発明の方法の或る実施形態の態様を示している一部破断側方図である。
【図50】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間円板、第3椎骨の第3椎体、及び第2椎体と第3椎体の間の椎間円板に施術される、本発明の方法の或る実施形態の態様を示している一部破断側方図である。
【図51】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間円板、第3椎骨の第3椎体、及び第2椎体と第3椎体の間の椎間円板に施術される、本発明の方法の或る実施形態の態様を示している一部破断側方図である。
【図52】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間円板、第3椎骨の第3椎体、及び第2椎体と第3椎体の間の椎間円板に施術される、本発明の方法の或る実施形態の態様を示している一部破断側方図である。
【図53】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間円板、第3椎骨の第3椎体、及び第2椎体と第3椎体の間の椎間円板に施術される、本発明の方法の或る実施形態の態様を示している一部破断側方図である。
【図54】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間円板、第3椎骨の第3椎体、及び第2椎体と第3椎体の間の椎間円板に施術される、本発明の方法の或る実施形態の態様を示している一部破断側方図である。
【図55】本発明の或る実施形態による、直接放射能力を備えたレーザーカテーテルの説明図である。
【図56】本発明の或る実施形態による、側面放射能力を備えたレーザーカテーテルの説明図である。
【図57】本発明の或る実施形態によるレーザーカテーテルの断面図である。
【図58】本発明の或る実施形態によるレーザーカテーテルの遠位端の断面図である。
【図59】本発明の或る実施形態による、レーザーに接続されたレーザーカテーテルを示している図である。
【図60】本発明の或る実施形態による、前進レーザー処理能力を備えたレーザーカテーテルの遠位端の図である。
【図61】本発明の或る実施形態による、側面放射レーザー処理能力を備えたレーザーカテーテルの遠位端の図である。
【図62】本発明の或る実施形態による、近位端コネクタの斜視及び断面図である。
【図63】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の各種実施形態の方法の態様の幾つかを示している一部破断側方図である。
【図64】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の各種実施形態の方法の態様の幾つかを示している一部破断側方図である。
【図65】図65A及び図65Bは、本発明の或る実施形態による、関節式先端部を備えたレーザーカテーテルの図である。
【図66】本発明の或る実施形態による、関節式先端部を備えたレーザーカテーテルの断面図である。
【図67】本発明の或る実施形態による、関節式ワイヤに接続されている関節式ギヤ及びチェーンの斜視図である。
【図68】本発明の或る実施形態による、椎間体内に関節式レーザーカテーテルを展開する方法を示している図である。
【図69】本発明の或る実施形態による、椎間体内に関節式レーザーカテーテルを展開する方法を示している図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、経椎弓根的椎間板切除術の方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2003年5月30日出願の米国仮特許出願第60/474,713号に対する優先権を主張し、同出願の内容全体を参考文献として本願に援用する。
【0003】
ヒトの椎間円板は、変性椎間円板やヘルニア椎間円板を始めとして、様々な疾患及び症状に悩まされている。それら疾患及び症状は、痛み、知覚異常、筋肉の弱体化、並びに腸及び膀胱機能の損失を始めとして、深刻な病的状態の原因となっている。
【特許文献1】米国仮特許出願第60/474,713号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
椎間円板に影響を及ぼしている疾患及び症状の外科処置は、従来のやり方では、椎弓切除術及び椎弓切開術のような開放処置で、同時に椎間円板の幾らかを除去することを伴っていた。そのような処置には、神経損傷など、深刻な病的状態に到る危険が付きまとう。
【0005】
従って、椎間円板の疾患並びに症状を治療するための新しい方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記及びその他の特徴、態様、並びに利点は、以下の説明、特許請求の範囲の内容、及び添付図面を見れば、より深く理解頂けるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の或る実施形態では、椎間円板の疾患と症状を治療するための装置が提供されている。別の実施形態では、経椎弓根的椎間板切除術のための装置が提供されている。
【0008】
本発明の別の実施形態では、椎間円板の疾患と症状を治療するための方法が提供されている。別の実施形態では、経椎弓根的椎間板切除術の方法が提供されている。
【0009】
本開示で使用する場合、「椎間円板」という用語は、正常な無傷の椎間円板、並びに一部が疾患、損傷、破損した椎間円板、部分的にもみ砕かれ、正常な椎間円板の残遺物に取り囲まれた空洞化空間を有する円板、の何れをもいう。
【0010】
本開示で使用する場合、「実質的に直線状の通路(」という用語は、物質内のチャネルにおいて、中心縦軸の始まりから終りまでの変化が10度以内であるようなチャネルを意味する。
【0011】
本開示で使用する場合、「曲がった通路」という用語は、物質内のチャネルにおいて、中心縦軸の始まりから終りまでの変化が10度よりも大きいチャネルを意味する。
【0012】
本開示で使用する場合、「備える(成る、含む、構成する)」という用語、並びに「備えている」「備える」のようなこの用語の変型は、他の追加物、構成要素、整数又は段階を除外するものではない。
【0013】
本開示で特定されている全ての寸法は、制限を課す目的ではなく一例として示したに過ぎない。更に、添付図面に示した比率は必ずしも縮尺合わせされているわけではない。ここに開示した内容を参照した当業者には理解頂けるように、本開示に記載されているどの様な装置の又は装置のどの部分も、実際の寸法値は意図される使用法により決められる。
【0014】
或る実施形態では、本発明は、可撓性の穿孔先端部を備えた可撓性の錐であり、この可撓性の錐は、長さ方向軸を有する実質的に直線状の通路を通して穿孔対象の物質にアクセスした後、可撓性の穿孔先端部を、所定の位置に向けることができる。前記所定の位置は、実質的に直線状の通路の長さ方向軸から少なくとも10度ずれている。可撓性の錐は、骨、軟骨及び椎間円板を含め多種多様な物質を穿孔することができるが、本開示を参照した当業者には理解頂けるように、生体、非生体を問わず他の物質の穿孔に使用することもできる。以下、図1、図2、図3、図4、図5及び図6を参照してゆくが、各図は、可撓性の錐の、遠位側穿孔端が挿入位置にある状態の側方斜視図、可撓性の錐の、遠位側穿孔端が可撓的穿孔位置にある状態の側方斜視図、可撓性の錐の下側サブアッセンブリの分解側方斜視図、可撓性の錐の上側サブアッセンブリの分解側方斜視図、可撓性の錐の幾つかの個別要素の側方斜視図、及び骨穿孔錐と共に使用することができる随意のガイド先端部の側方斜視図を示している。
【0015】
図に示すように、可撓性の錐100は、下側サブアッセンブリ102と上側サブアッセンブリ104を備えている。図1、図2、及び特に図3と図5を見ると良く分かるように、下側サブアッセンブリ102は、遠位側から近位側に向かって、スピンルアーロック106、保定管108、ピストンアンカー110、ピストンレベル112、ピストン114、遠位側Oリング116、及び近位側Oリング118の、合計7つの構成要素を備えている。スピンルアーロック106は、成形ナイロン又は等価な材料から成り、可撓性の錐100を、可撓性の錐が挿入される通路を補強するシースを係止するために使用され、手術中に可撓性の錐100の安定性を維持するのを支援する。保定管108は、ステンレス鋼又は等価な材料から成り、軸方向長さは約125mmから150mmであるのが望ましく、内径は約4mmから4.5mmであるのが望ましい。ピストンアンカー110は、ステンレス鋼又は等価な材料から成り、スピンルアーロック106上にスナップフィットするために遠位端に棘(図示せず)があるのが望ましい。ピストンレベル112は、機械加工されたナイロン又は等価な材料から成り、図示のように一方の端に方向指示器120があるのが望ましい。ピストン114は、機械加工されたナイロン又は等価な材料から成り、遠位側Oリング116及び近位側Oリング118をそれぞれ嵌めるための遠位側溝122及び近位側溝124を有し、胴部136の孔128を貫通する止めねじ(図示せず)と嵌合するスロット126を有している。スロット126及び対応する止めねじは、穿孔対象の物質に可撓性の錐100を正確に位置決めすることができるようにすると同時に、可撓性の穿孔先端部が保定管108に入るように可撓性の穿孔先端部の後退の範囲を制限する。別の実施形態では、スロット126は、保定管108の楕円形開口部として形成され、キーが、内周が小さいガイド管に、対応する楕円形ブロックから形成されている。ピストン114は、内径が約6mmから約13mmの間にあるのが望ましい。遠位側Oリング116及び近位側Oリング118は、シリコン又は等価の材料から成り、胴部136とピストン114が互いに対して軸方向に移動できるようにしている。
【0016】
図1、図2、及び特に図4と図5を見ると良く分かるように、上側サブアッセンブリ104は、遠位側から近位側に向かって、可撓性の穿孔先端部130、ガイド管132、胴部ノブ134、胴部136、ねじ付きアダプタ138、ライナー140、軸受ハウジング142、可撓性のシャフト144、遠位側軸受146、近位側軸受148、コレット150、軸受キャップ152、及びモーターレセプタクル154、の合計13の構成要素を備えている。可撓性の穿孔先端部130は、ステンレス鋼又は等価な材料から成り、最大横方向直径が約3mmから5mmの間にあるのが望ましい。可撓性の穿孔先端部130は、米国カリフォルニア州ホイッティアのアートコ社から市販されているもののような硬化処理された棘及びシャフト、或いは特注のステンレス鋼の等価な棘を備えている。シャフトは、近位端部を摩滅させることにより適当な寸法に切削されている。可撓性の穿孔先端部130の寸法は、意図される用途にによって変わるが、本開示内容を参照した当業者であれば理解頂けるであろう。単なる一例として、或る好適な実施形態では、棘は軸方向の長さが約2.5mmから3mmの間にあり、シャフトは長さが約2.5mmから4mmの間にある。
【0017】
ガイド管132は、近位部分156と遠位部分158とを有し、或る形状に戻るように加工された成形合金のような物質、例えばニチノール、から成り、ガイド管132が歪んでいないときには、遠位部分158の端にある可撓性の穿孔先端部130を、近位部分の中心軸から約10度乃至150度ずらして向けるのに十分な曲率半径を、遠位部分158に持たせるように加工されている。ガイド管132は、外径が約2mmから4mmの間にあるのが望ましい。ガイド管132の寸法は、可撓性の錐100の意図した用途によって決まる。単に一例としてであるが、ガイド管は以下の寸法を有している。或る好適な実施形態では、ガイド管132の外径は、約2.8mm未満である。或る特に好適な実施形態では、ガイド管132の内径は、約1.6mmよりも大きい。或る好適な実施形態では、ガイド管132の長さは少なくとも約200mmから250mmである。或る好適な実施形態では、直線状の近位側部分は約150mmから200mmの間にある。或る好適な実施形態では、遠位部分158は約40mmから60mmの間にある。或る好適な実施形態では、遠位部分158の曲率半径は、歪み無しで、約10mmから40mmの間にある。或る特に好適な実施形態では、遠位部分158の曲率半径は、歪み無しで、約25mmである。
【0018】
胴部ノブ134は、機械加工されたナイロン又は等価な材料から成り、ドエルピン(図示せず)を嵌める孔160を有している。胴部ノブ134をピストンレベル112に対して前進及び後退させることにより、可撓性の穿孔先端部130を穿孔対象物質内で前進及び後退させることができる。穿孔が完了すると、可撓性の錐100の作動を停止し、胴部ノブ134をピストンレベル112に対して後退させて、可撓性の穿孔先端部130を保定管108内へと後退させ、可撓性の錐100を実質的に直線状の通路から抜き取る。
【0019】
胴部136は、機械加工されたナイロン又は等価な材料から成り、外径は約12mmから18mmの間にあり、軸方向の長さは約75mmから125mmの間にあるのが望ましい。ねじ付きアダプタ138は、ステンレス鋼又は等価な材料から成り、胴部136をガイド管132に取り付けるのに使用される。ライナー140は、ポリテトラフルオロエチレン(TEFLON(登録商標)など)又は等価な材料から成る。ライナー140は、可撓性のシャフト144とガイド管132の間に配置されているので、外径はガイド管132の内径よりも小さく、内径は可撓性のシャフト144の外径よりも大きい。或る好適な実施形態では、一例としてではあるが、ライナー140の外径は、ガイド管132の内径よりも約0.075mmから0.125mm小さい。ライナー140は、ガイド管132よりも約25mmから40mm短い。
【0020】
軸受ハウジング142は、機械加工されたナイロン又は等価な材料から成り、遠位側軸受146を収納するように構成されており、ねじ付きアダプタ138と螺合する細目の雌ねじを有し、これにより施術者が可撓性のシャフト144の張力を調整できるようになっている。
【0021】
可撓性のシャフト144は、可撓性で中実の管状構造を備えている。可撓性のシャフト144は、ステンレス鋼ワイヤ又は等価な材料から成り、ライナー140の内径よりも小さい外径を有している。一例としてではあるが、或る好適な実施形態では、可撓性のシャフト144は、一束当たり0.066mmの撚線19本のワイヤの束7本を備えている。これも一例としてであるが、別の好適な実施形態では、可撓性のシャフト144は、直径が約0.25mm未満の単芯ワイヤを覆って、直径約0.05mmから0.06mmのワイヤを4層に密に編組した構成を備えている。第1層は一本のワイヤを備え、第2層は2本のワイヤを備え、第3層は3本のワイヤを備え、第4層は4本のワイヤを備えている。これも一例としてであるが、或る好適な実施形態では、ケーブルは、米国ニュージャージー州アービントンのPAK Mfg., Inc.から部品番号FS045N042Cとして市販されている、単芯ワイヤに対して同軸且つ反転可能に巻きつけられた2層のワイヤを備えている。ワイヤの端は、ほつれないようにはんだ付け又は溶接されている。可撓性のシャフト144は、外径が、ライナー140の内径よりも約1mmから約2.3mm小さい。可撓性のシャフト144は、軸方向の長さが約250mmから300mmである。
【0022】
遠位側軸受146と近位側軸受148は、ステンレス鋼又は等価な材料から成る。コレット150は、機械加工されたステンレス鋼又は等価な材料から成る。軸受キャップ152は、機械加工されたナイロン又は等価な材料から成り、近位側軸受148を収納するよう構成されている。モーターレセプタクル154は、機械加工されたナイロン又は等価な材料から成り、外径が約25mmから30mmの間にある。モーターレセプタクル154は、モーターが可撓性の錐100に容易に噛み合うことができるようにしている。モーターレセプタクル154は、可撓性の錐100を駆動するモーター(図示せず)のチャックが確実にコレット150と係合されるよう、図示のように4つのウインドウを有しているのが望ましい。
【0023】
次に図6に示すように、別の実施形態では、可撓性の錐100の上側サブアッセンブリ104は、ガイド管132の可撓性の穿孔先端部130の直ぐ近位側にはんだ付けなどにより取り付けられたガイド先端部164を更に備えている。ガイド先端部164は、近位側管状部166と遠位側フレア部168とを備えている。ガイド先端部164は、あれば、穿孔時に可撓性の穿孔先端部130の前方への移動を支援する。ガイド先端部164は、硬質の生体適合性を有する材料から成り、一例としては、硬化処理されたステンレス鋼が挙げられる。ガイド先端部164の寸法は、意図する用途によって変わるが、当業者であれば本開示内容から理解頂けるであろう。一例として、或る好適な実施形態では、近位側管状部分166は軸方向長さが約3.5mmから4mmの間にあり、遠位側フレア部分168は軸方向長さが約2.4mmから2.6mmの間にある。遠位側フレア部分168は、最大矢状方向長さが約2.5mmから2.7mmの間にある。
【0024】
別の実施形態では、可撓性の錐100は、オーバーザワイヤー(over-the-wire)技法で使用するように構成されている。この実施形態では、可撓性のシャフト144は、可撓性の中空の管状構造(図示せず)を備えている。つまり、オーバーザワイヤー式でない実施形態に使用される可撓性の中実の管状構造ではなく、ガイドワイヤを受け入れるための軸方向チャネルを有している。可撓性の中空の管状構造は、概ね、軸方向チャネルを除いては上に開示した可撓性の中実の管状構造と同一の要素を備えている。或る実施形態では、可撓性の中空の管状構造は、直径が約0.5mmから1.0mmの間の軸方向チャネルを有しており、可撓性の中実管状構造である可撓性のシャフト144の外径より僅かに大きい外径、例えば一例としてであるが約2.0mmの外径を有している。或る実施形態では、可撓性の中空管状構造は、直径0.3mm乃至0.5mmのワイヤ2層を、外側の層が反時計回りになるようにそれぞれ反対方向に巻いて構成されている(PAK Mfg., Inc.から市販)。可撓性のシャフト144がオーバーザワイヤー法を使用するものとして構成されている場合、保定管108、ガイド管132及びライナー140の外径は、可撓性のシャフト144の外径が大きくなるのに比例して大きくなり、可撓性の穿孔先端部130(及び設けられている場合にはガイド先端部164)も、ガイドワイヤを通過させることができるように、対応する軸方向チャネルを有している。
【0025】
可撓性の錐100は、当業者であれば本開示内容から理解頂けるように、適していればどの様なやり方で組み立ててもよい。或る好適な実施形態では、可撓性の錐100は以下のように組み立てられる。最初に、保定管108がピストンアンカー110にはんだ付けされる。次いで、ピストンレベル112がピストンアンカー110上に螺合され、ピストンレベル112が停止するまで回される。基準として方向指示器120を使用しながら、保定管108が或る長さに切られ、保定管108の遠位端は、切断面が約20度乃至45度の切断角度を有し、方向指示器120と同じ方向に向いた傾斜部を形成するように切られる。次に、ピストン114が、ピストン114が止まるまでピストンアンカー110上に螺合される。次いで、遠位側Oリング116及び近位側Oリング118が、ピストン114の遠位側溝122及び近位側溝124それぞれの外側に配置される。次に、ガイド管132がねじ付きアダプタ138にはんだ付けされ、胴部136がねじ付きアダプタ138の近位端上にゆるく螺合される。次いで、胴部ノブ134が、胴部136上に圧力嵌めされ、胴部ノブ134の孔160内に挿入されたドエルピン(図示せず)で固定される。次に、軸受ハウジング142が、ねじ付きアダプタ138上に螺合され、軸受ハウジング142が停止するまでねじ回される。次いで、ガイド管132の遠位部分158を一時的に真っ直ぐにして、ガイド管132の近位部分156の近位端がピストン114並びに保定管108に挿入される。次に、胴部136の遠位端が、ピストン114の近位側上に滑動される。次いで、胴部ノブ134の止めねじ用の孔160をピストン114のスロット126と整列させて、止めねじ(図示せず)が孔とスロット126にねじ込まれる。次に、ねじ付きアダプタ138を回転させることにより、ガイド管132を保定管108の切断面に整列させて、ねじ付きアダプタ138が胴部136に固定される。次に、可撓性の穿孔先端部130が可撓性のシャフト144にはんだ付けされる。次に、ライナー140が、可撓性のシャフト144上に滑動外挿される。続いて、胴部ノブ134とピストンレベル112を互いから引き離して、これにより保定管108内側のガイド管132の遠位部分158を真っ直ぐに伸ばし、可撓性のシャフト144が入ったライナー140がガイド管132の遠位端内へ滑動挿入される。次に、遠位側軸受146が可撓性のシャフト144を通して軸受ハウジング142に入れられる。続いて、コレット150が、可撓性のシャフト144上に滑動外挿され、クリンピング又ははんだ付けなどで可撓性のシャフト144に取り付けられる。次に、近位側軸受148が、コレット150に滑動外挿され、軸受キャップ152が軸受上に配置され軸受ハウジング142に固定される。次いで、モーターレセプタクル154が、停止するまで胴部136に圧力嵌めされる。最後に、スピンルアーロック106がピストンアンカー110上にスナップ嵌めされる。或る実施形態では、図示していないが、壁の肉厚が薄い皮下管が、可撓性のシャフト144の近位部分上に滑動外挿されてクリンプされ、モーターからのトルク伝導の増大が図られる。
【0026】
或る実施形態では、本発明は、可撓性の穿孔先端部を備え、実質的に直線状の通路を通して穿孔対象の物質にアクセスした後、可撓性の穿孔先端部を所定の位置に方向づける能力を有する可撓性の錐を使用する方法であって、上記所定の位置は実質的に直線状の通路の長さ方向軸から少なくとも10度ずれているか、又は実質的に直線状の通路の長さ方向軸から約10度乃至150度ずれている。或る好適な実施形態では、前記所定の位置は実質的に直線状の通路の長さ方向軸から少なくとも約90度ずれている。別の実施形態では、前記所定の位置は、実質的に直線状の通路の長さ方向軸から約90度乃至120度ずれている。
【0027】
或る実施形態では、本方法は、第1物質を通って実質的に直線状の通路を穿孔する段階を含んでいる。ここで、可撓性の錐が提供されるが、この可撓性の錐は、可撓性の穿孔先端部を備えており、更に、実質的に直線状の通路を通して穿孔対象物質にアクセスした後、可撓性の穿孔先端部を所定の位置に方向づける能力を有しており、前記所定の位置は、実質的に直線状の通路の長さ方向軸から少なくとも10度ずれている。次に、可撓性の錐を、実質的に直線状の通路に挿入し、実質的に直線状の通路内を前進させ、可撓性の穿孔先端部が実質的に直線状の通路を出て第2の物質に入るまで前進させ、これにより、可撓性の穿孔先端部が第2物質内の所定の位置に向けて配置できるようにする。次に、可撓性の錐を作動させ、これにより第2物質内への穿孔を行う。次に、可撓性の錐の作動を停止し、これにより第2物質内への可撓性穿孔を停止させる。次いで、実質的に直線状の通路を通して可撓性の錐を抜き出す。
【0028】
或る好適な実施形態では、提供される可撓性の錐は、本発明による可撓性の錐である。別の好適な実施形態では、空間は、第1椎骨と第2椎骨の間の椎間円板空間である。別の好適な実施形態では、第1物質は、第1椎骨又は第2椎骨何れかの椎弓根骨である。別の好適な実施形態では、第1物質は第1椎骨又は第2椎骨何れかの椎弓根骨であり、第2物質は第1椎骨と第2椎骨との間の椎間円板である。
【0029】
別の実施形態では、本発明は、第1椎骨と第2椎骨との間の椎間円板を除去する方法である。本方法は、第1椎骨又は第2椎骨何れかの椎弓根を通して実質的に直線状の通路を穿孔する段階を含んでいる。ここで、可撓性の錐が提供されるが、この可撓性の錐は、可撓性の穿孔先端部を備えており、更に、椎弓根を通る実質的に直線状の通路を通して椎間円板空間にアクセスした後、可撓性の穿孔先端部を椎間円板空間内の所定の位置に向ける能力を有しており、前記所定の位置は、実質的に直線状の通路の長さ方向軸から少なくとも10度ずれている。次に、可撓性の錐を、椎弓根内の実質的に直線状の通路に挿入して、実質的に直線状の通路内を前進させる。次いで、可撓性の穿孔先端部を実質的に直線状の通路を出て椎間円板に入るまで前進させ、これにより、可撓性の穿孔先端部が椎間円板内の所定の位置に向けて配置できるようにする。次いで、可撓性の錐を作動させて、これにより椎間円板内への穿孔を行う。次に、可撓性の錐の作動を停止し、これにより椎間円板内への可撓性穿孔を停止させる。次に、実質的に直線状の通路を通して可撓性の錐を抜き出す。
【0030】
或る好適な実施形態では、提供される可撓性の錐は、本発明による可撓性の錐である。別の好適な実施形態では、本方法は、可撓性の錐を挿入する前に、シースを実質的に直線状の通路内へと挿入する段階を更に含んでおり、このシースは、一例ではあるが、内径が約5mm未満で、遠位端が先細になっているステンレス鋼であり、また、このシースの挿入後に、シースを通して可撓性の錐を挿入する段階を含んでいる。或る好適な実施形態では、シースは、近位端では、可撓性の錐を挿入した後でこの錐に嵌るルアーロックである。或る好適な実施形態では、可撓性の錐は方向指示器を有しており、可撓性の穿孔先端部はこの方向指示器を使って椎間円板内で向きが決められる。
【0031】
或る実施形態では、本方法は、オーバーザワイヤー法を使用する段階を備えている。この実施形態では、可撓性のシャフト及び穿孔先端部内にガイドワイヤが入っており、可撓性の錐を実質的に直線状の通路から取り出すと、ガイドワイヤがその場に残され、次の装置を、実質的に直線状の通路及び穿孔が施された空間に入れることができるようになっている。
【0032】
別の実施形態では、本発明は、可撓性のシャフトの遠位端に接続された軸回転ブレードを備えている切断装置であり、長さ方向軸を有する実質的に直線状の近位部分及び長さ方向軸を有する遠位部分を有するチャネルを通して物質にアクセスした後、この切断装置が切断対象の物質に挿入される。ここで、遠位部分の長さ方向軸は、湾曲しているか、又は近位部分の長さ方向軸から少なくとも約10度ずれて変化する。切断装置は、骨、軟骨、及び椎間円板を含め多種多様な物質を切断することができるが、当業者には開示内容から理解頂けるように、生体、非生体を問わず、他の物質を通して穿孔するのにも使用できる。以下、図7、図8、図9、及び図10を参照してゆくが、各図は、遠位端が切断位置にある状態の切断装置の側方図、遠位端が挿入位置にある状態の切断装置の破断側方図、遠位端が挿入位置にある状態の切断装置の遠位端を拡大した破断部分側方図、及び遠位端が切断位置にある状態の切断装置の遠位端を拡大した破断部分側方図である。
【0033】
図7及び図8に示すように、切断装置200は、近位端202と遠位端204を備えている。近位端202は、遠位側が、例えば圧力嵌めなどで軸受ハウジング208に接続されたモーターアダプタ206を備えている。図7及び図8に部分的に示しているように、モーターアダプタ206を使用して接続装置200をモータードライブ210に接続し、接続装置200の遠位端204に軸方向の回転を伝達できるようにして、本開示に記載しているように機能させるようになっている。当業者には本開示内容から理解頂けるように、モーターアダプタ206及び軸受ハウジング208は共に、正しい形状に機械加工又は成形することができ且つ適した特性を有するのであれば、どの様な材料で構成してもよい。或る好適な実施形態では、モーターアダプタ206及び軸受ハウジング208は、共にポリマーで構成されている。特定の好適な実施形態では、モーターアダプタ206及び軸受ハウジング208は共にDELRIN(登録商標)(米国デラウェア州ウィルミントンのイー アイ デュポン ドゥ ヌムール アンド カンパニー コーポレーション)で構成されている。本発明の切断装置200と共に使用されるモータードライブ210は、適していれば適切なものであればどの様なモータードライブ210でもよい。或る好適な実施形態では、モータードライブ210は、可変速度モータードライブである。或る実施形態では、一例ではあるが、モータードライブ210は、NSKエレクターE−MAXモータードライブ(日本、栃木県のNSKナカニシ)である。
【0034】
次に図8では、切断装置200は、モータードライブ210のハウジングと接続するようになっている近位端と、駆動シャフト214の近位端内に嵌合されてはんだ付けなどで固定された遠位端とを有する、アダプタ管212を更に備えている。アダプタ管212は、モータードライブ210から切断装置200の遠位端204へトルクを伝達する。アダプタ管212は、本開示に記載の目的に適しているのであればどの様な材料で構成してもよい。或る実施形態では、アダプタ管212はステンレス鋼で構成されている。別の実施形態では、アダプタ管212は、内径が約1.9mmから2mmで、外径が約2.4mmである。別の実施形態では、アダプタ管212は、軸方向の長さが約25mmである。或る実施形態では、一例としてではあるが、アダプタ管212は、米国マサチューセッツ州メドウェーのマイクログループ社から市販されている部品番号13twであり、これが適当な寸法に研削される。
【0035】
次に図7及び図8に示すように、切断装置200は、アダプタ管212の遠位端内に嵌合され且つ銀蝋付けなどで固定された近位端を有し、切断装置200の遠位端204に向かって遠位方向に延びる駆動管216を更に備えている。駆動管216は、切断装置200に剛性を提供して切断装置200の前進及び後退を可能にすると共に、モータードライブ210から切断装置200の遠位端204へトルクを伝達する。或る実施形態では、駆動管216は、軸方向の長さが約200mmである。別の実施形態では、駆動管216は、内径が約1.3mmで、外径が約1.8mmである。或る好適な実施形態では、一例としてではあるが、駆動管216はマイクログループ社の部品番号15Hである。
【0036】
次に図8では、切断装置200は、軸受ハウジング208に圧入された2つの軸受218を更に備えており、軸受ハウジング208内で両軸受218の間に支持されている駆動シャフト214を備えている。軸受218と駆動シャフト214は、モータードライブ210から切断装置200の遠位端204にトルクを伝達し、切断装置200の遠位端204の円滑な軸回転を作り出すのを支援している。軸受218は、当業者には本開示内容より理解頂けるように、適していればどの様な軸受を備えていてもよい。或る実施形態では、軸受218は、小型高速ステンレス鋼ラジアル軸受である(米国カリフォルニア州サンタフェスプリングのマクマスター カー サプライ社の部品番号57155k53など)。駆動シャフト214は、軸受218と駆動管216の間のインターフェースであり、切断装置200の遠位端204に滑らかな回転を提供する。或る好適な実施形態では、駆動シャフト214は、遠位端204に深さ約16mmの6−32雌ねじ部を有し、近位端には、保持リング溝と、長さ方向軸を通じて穿孔された直径1.9mmの孔とを有している。駆動シャフト214は、近位端において、直径が約2.3mmから2.4mmの間で、深さが約5mmに座ぐりされている。駆動シャフト214は、当業者には本開示内容から理解頂けるように、適していればどの様な材料であってもよい。或る実施形態では、駆動シャフト214は、機械加工されたステンレス鋼である。
【0037】
次に図7及び図8示すように、切断装置200は、駆動シャフト214の遠位端と面一になるまで駆動シャフト214の遠位端上に圧力嵌めされたカラー220を更に備えている。施術者は、切断装置の遠位端の前進及び作動中には、カラー220、従って駆動シャフト214が回転しないようにカラー220を把持することにより、駆動シャフト214の回転を防ぐことができる。当業者には本開示内容より理解頂けるように、カラー220は、正しい形状に機械加工又は成形することができ且つ適した特性を有するのであれば、どの様な材料で構成してもよい。或る実施形態では、カラー220は、ポリマーで構成され、例えば一例としてDELRIN(登録商標)がある。
【0038】
これより図7、図8、及び特に図10を参照してゆくが、切断装置200は、駆動管216を通って延びる近位端を有し且つアダプタ管212の遠位端内に面一に嵌め込まれてはんだ付けなどで固定されている、可撓性のシャフト222を更に備えている。また、駆動管216の遠位端は、クリンピング又は銀蝋付けなどで可撓性のシャフト222に固定されている。或る実施形態では、可撓性のシャフト222は、中実芯を備えた多数糸線入り巻き線から形成されている。別の実施形態では、可撓性のシャフト222は、軸方向の長さが約300mmである。別の実施形態では、可撓性のシャフト222は、直径が約1.25mmである。或る好適な実施形態では、一例としてであるが、可撓性のシャフト222は、米国ニュージャージー州アービントンのピーエーケイ エムエフジー社の部品番号FS045N042Cである。
【0039】
駆動シャフト214、アダプタ管212、駆動管216、及び可撓性のシャフト222から成るアッセンブリは、軸受ハウジング208内に挿入され、保持リング224を使用して適所に支持され、モータードライブ210から切断装置200の遠位端にトルクを伝達する。或る好適な実施形態では、一例としてであるが、保持リング224は、マクマスター カー インダストリアル サプライ社の部品番号98410A110である。
【0040】
次に図7、図8、図9及び図10に示すように、切断装置200は、可撓性のシャフト222の全長にわたって可撓性のシャフト222を取り巻いている編組管226を更に備えている。編組管226は、円筒部分の剛性を増す。或る実施形態では、編組管226は、ステンレス鋼を備えている。別の実施形態では、編組管226は、軸方向の長さが約220mmである。或る好適な実施形態では、一例としてであるが、編組管226は、米国マサチューセッツ州サウスイーストンのビアメド コーポレーション社により製作されている。
【0041】
編組管226の近位端は、中空ジョイントを形成している6−32キャップスクリュー228の頭部にはんだ付けされている。或る実施形態では、キャップスクリュー228は、6−32x1.9mmの長ソケットヘッド型キャップスクリューであり、例えばマクマスター カー インダストリアル サプライ社の部品番号92196A151に、駆動管216用の貫通ルーメンを設けるために長さ方向軸に沿って直径1.85mmの貫通孔を穿孔することにより修正を加えたものである。キャップスクリュー228は、正しい形状に機械加工又は成形することができ、適した特性を備えているのであれば、どの様な材料であってもよく、当業者には本開示内容から理解頂けるであろう。或る実施形態では、キャップスクリュー228は、ステンレス鋼で構成されている。
【0042】
切断装置200は、キャップスクリュー228の頭部に対して面一に圧力嵌めされたサムスクリューノブ230を更に備えている。サムスクリューノブ230は、正しい形状に機械加工又は成形することができ、適した特性を有しているのであれば、どの様な材料で構成してもよく、当業者には本開示内容から理解頂けるであろう。或る好適な実施形態では、サムスクリューノブ230は、一例としてではあるが、DELRINの様なポリマーで構成されている。
【0043】
切断装置200は、キャップスクリュー228上に一杯にねじ込まれているロックナット232を更に備えている。ロックナット232と編組管226は、可撓性のシャフト222と駆動管216の遠位端上に配置され、キャップスクリュー228が駆動シャフト214内へと一杯にねじ込まれる。キャップスクリュー228、サムスクリューノブ230、及びロックナット232のアッセンブリは、施術者が、編組管226を遠位方向に前進させたり近位方向に後退させると共に、編組管226を所望の位置に係止させることができるようにする。
【0044】
次に図10に示すように、切断装置200は、編組管226の内周面と可撓性のシャフト222の外周面の間にあって可撓性のシャフト222の遠位端全体を被覆している収縮管234を更に備えている。或る実施形態では、収縮管234は、ポリテトラフルオロエチレンで構成されている(米国サウスカロライナ州オレンジバーグのゼウス インダストリアル プロダクツ社から市販されている)。別の実施形態では、収縮管234は、内径が約1.3mmで、外径が約1.5mmである。別の実施形態では、収縮管234は、長さが約160mmである。
【0045】
次に図9と図10に示すように、切断装置200の遠位端は、例えば銀蝋付けなどで可撓性のシャフト222の遠位端に取り付けられたヒンジ236を更に備えている。ヒンジ236は、正しい形状に機械加工又は成形することができ、適した特性を備えているのであれば、どの様な材料で構成してもよく、当業者には本開示内容から理解頂けるであろう。或る好適な実施形態では、ヒンジはステンレス鋼で構成されている。切断装置200は、ヒンジ236の遠位端に取り付けられた刃238を更に備えており、刃238は、ドエルピン240などで、切断装置200の長さ方向軸に対して、図9に示す第1の挿入位置から図10に示す第2の切断位置まで、少なくとも90度軸回転することができるやり方で取り付けられている。刃238には、円周状切断縁と、図9及び図10に示す2つのノッチのような1つ又はそれ以上のノッチ242が設けられている。或る好適な実施形態では、図示のように、刃238は、髄核をもみ砕き椎体終板を研削するのに適した丸い遠位先端部を有している。しかしながら、当業者には本開示内容から理解頂けるように、切断装置200の使用目的次第で他の刃形状も使用することができる。刃238は、正しい形状に機械加工又は成形することができ、適した特性を備えているのであれば、どの様な材料で構成してもよく、当業者には本開示内容から理解頂けるであろう。或る実施形態では、刃238はステンレス鋼で構成されている。
【0046】
或る好適な実施形態では、切断装置200は、銀蝋付けなどで編組管226の遠位端に取り付けられた係止スリーブ244を更に備えている。係止スリーブ244は、キャップスクリュー228、サムスクリューノブ230、及びロックナット232から成るアッセンブリを使用して編組管226を操作することにより、遠位方向に前進させ近位方向に後退させることができる。図9及び図10に示すように、係止スリーブ244を近位方向に後退させると、係止スリーブ244の遠位端は、刃238の1つ又はそれ以上のノッチ242から係合解除され、刃238を軸回転させることができるようになる。係止スリーブ244を遠位方向に前進させると、係止スリーブ244の遠位端は、刃238の1つ又はそれ以上の対応するノッチ242に嵌り込み、刃238を切断装置200の長さ方向軸に対して90度に係止するようになっている。係止スリーブ244は、正しい形状に機械加工又は成形することができ、適した特性を備えているのであれば、どの様な材料で構成してもよく、当業者には本開示内容から理解頂けるであろう。或る実施形態では、係止スリーブ244はステンレス鋼で構成されている。別の実施形態では、係止スリーブ244は、内径が約2.5mm、外径が約2.6mmである。別の実施形態では、係止スリーブ244は、長さが約3.8mmである。
【0047】
図7、図8、図9、及び図10に示すように、或る好適な実施形態では、切断装置200の遠位端204は、遠位方向では編組管226を移動可能に取り巻いており、近位方向ではルアーハブ248に接続されているシース246を更に備えている。シース246の遠位端は、図示のように斜面250を有している。或る実施形態では、斜面は、切断装置200の長さ方向軸と約30度の角度を成している。或る好適な実施形態では、切断装置200の遠位端を、シース246を通して穿孔が必要な空間に対して前進及び後退させる。後退時、シース246の斜面になった遠位端は、刃238に接触し、刃238を係止スリーブ244から係合解除して挿入位置まで軸回転させる。シース246とルアーハブ248は、本開示内容から当業者には理解頂けるように、正しい形状に機械加工又は成形することができ、適した特性を備えているのであれば、どの様な材料で構成してもよい。或る実施形態では、シース246は、PEBAX(登録商標)(フランス国、ピュトーのアトケム コーポレーション社)の様なポリマーで構成されている。別の実施形態では、ルアーハブ248は、ポリカーボネートで構成されている。或る実施形態では、シース246は、内径が約2.8mmで、外径が約3.6mmである。別の実施形態では、シース246は、長さが約150mmである。
【0048】
本発明の切断装置200は、骨、結合組織、又は軟骨のような生体組織を含め、適するどの様な物質にでも空洞を形成するのに使用することができる。更に、切断装置200は、腫瘍の塊を無くすのにも使用することができる。加えて、切断装置200は、モーターを作動させながらチャネル内を移動させることにより、チャネルの断面積を大きくするのに使用することもできる。
【0049】
切断装置200は以下のように使用される。チャネルが、切断装置200の遠位端を受け入れるのに十分な大きさの円周を有している生体骨又は他の適した物質の中に形成される。次に、シース246がチャネルに挿入される。次いで、切断装置200がシース246内に挿入され、切断装置200の遠位端が、刃238を含めて、シース246を遠位方向に出て行くまで、切断装置が前進させられる。刃238の遠位端の事前に設定された半径により、刃238は何らかの面に接触すると軸回転する。次に、編組管226を係止スリーブ244が取り付けられた状態で遠位方向に前進させて、係止スリーブ244を刃238の1つ又はそれ以上のノッチ242に係合させる。モータードライブ210を作動させ、駆動ケーブルを軸回転させて切断刃238を回転させる。切断は、切断装置200を固定位置に維持することにより行うことができるが、切断装置200を近位方向及び遠位方向に移動させてながら切断を行い、切断される物質の体積を増すこともできる。切断が完了すると、モーターを作動停止させ、駆動ケーブルの軸回転を止めて刃238の切断動作を停止させる。シース246を遠位方向に前進させて、係止スリーブ244を刃238から係合解除させ、刃238を挿入位置に戻す。或る実施形態では、切断装置200は、ここでシース246から引き抜かれる。別の実施形態では、次いでシース246を第2位置まで前進させ、上記処理段階を繰り返して、第2位置での切断が行われる。或る好適な実施形態では、切断による屑片は、当業者には既知の手法を用いて、吸引を使用しながら、生理食塩水のような適した溶液で洗い流すことにより、又は吸引と洗い流しを組み合わせることにより、除去される。
【0050】
別の実施形態では、本発明は、複数の変形可能な刃を備えている摘出装置であり、本装置は、刃を変形させた状態でチャネルを通して空間にアクセスした後、刃が変形していないときに、空間内の物質を切断することができるようになっており、チャネルは複数の変形していない状態の刃の断面積よりも小さい断面積を有している。次に、図11、図12、図13、及び図14を参照してゆくが、各図は、刃が挿入位置にある状態の摘出装置の側方斜視図、刃が切断位置にある状態の摘出装置の側方斜視図、摘出装置の遠位端の拡大側方斜視図、及び摘出装置の分解側方斜視図、を示している。図示のように、摘出装置300は、近位端302と遠位端し304を備えている。或る実施形態では、摘出装置300は、以下の部品、即ち、モーターアダプタ306、チャックアダプタ308、軸受キャップ310、近位側軸受312、コレットアダプタ314、遠位側軸受316、軸受ハウジング318、ねじ付きアダプタ320、胴部322、胴部ノブ324、スペーサ管326、ハイポチューブ328、シャフト330、収縮管332、及び複数の刃336を備えた切断キャップ334、を備えている。しかしながら、チャックアダプタ308のような幾つかの部品は随意であり、他の部品も等価な部品に置き換えることもでき、当業者には本開示内容から理解頂けるであろう。摘出装置300の部品は、当業者には本開示内容から理解頂けるように、正しい形状に機械加工又は成形することができ、適した特性を備えているのであれば、どの様な材料で構成してもよい。或る好適な実施形態では、モーターアダプタ306、軸受キャップ310、軸受ハウジング318、胴部322、胴部ノブ324、及びスペーサ管326は、ポリマー又は等価な材料で構成されている。或る特に好適な実施形態では、それらは、DELRIN(登録商標)で構成されている。別の好適な実施形態では、チャックアダプタ308、近位側軸受312、コレットアダプタ314、遠位側軸受316、ねじ付きアダプタ320、ハイポチューブ328、及び中空シャフトは、ステンレス鋼又は等価な材料で構成されている。別の好適な実施形態では、収縮管332は、ポリテトラフロオロエチレン(TEFLON(登録商標)など)又は等価な材料で構成されている。別の好適な実施形態では、複数の刃336を備えた切断キャップ334は、ニチノールのような、変形していないときには切断に適した直交方向に拡張した切断形態に復帰するように加工された、成形された合金で構成されている。上記部品について、以下、更に詳しく開示する。
【0051】
再度図11、図12、図13、及び図14を参照すると、摘出装置300は、遠位側が胴部322に接続されたモーターアダプタ306を近位端302に備えている。モーターアダプタ306は、摘出装置300をモータードライブ(図示せず)に接続するのに使用されており、軸回転を摘出装置300の遠位端304に伝達し、本開示に記載のように機能させことができるようにしている。或る実施形態では、本発明の方法で椎間円板の切断に使用する場合には、モーターアダプタ306の寸法は、軸方向長さ約11cm、最大外径3.8cm、最大内径3.3cmである。しかしながら、当業者には本開示内容から理解頂けるように、寸法は意図する用途に適した寸法であれば、どの様な寸法であってもよい。本発明の摘出装置300と共に使用されるモータードライブは、適していればどの様なモータードライブでもよい。或る好適な実施形態では、モータードライブは、可変速度モータードライブである。或る実施形態では、一例として示すものであるが、モータードライブは、NSK エレクター EMAXモータードライブ(NSK ナカニシ社)である。別の実施形態では、モータードライブは、随意のチャックアダプタ308を介在させて。モーターアダプタ306に接続されたハンドドリル(例えば、米国カリフォルニア州アーバインのバーテリンク コーポレーション社のP/N C00108)である。
【0052】
摘出装置300は、軸受キャップ310、近位側軸受312、コレットアダプタ314、遠位側軸受316、及び軸受ハウジング318から成る軸受アッセンブリを更に備えている。軸受ハウジング318は、近位側軸受312、コレットアダプタ314、及び遠位側軸受316を保持しており、各部品は、軸受ハウジング318に圧入されているのが望ましい。或る好適な実施形態では、近位側軸受312と遠位側軸受316は、例えば米国カリフォルニア州サンタフェスプリングスのマクマスター カー サプライ社のP/N57155k53のような、高速ステンレス鋼ラジアル軸受である。コレットアダプタ314は、シャフト330をモータードライブ(図示せず)のモーターコレットに合わせるのに使用されている。コレットアダプタ314は、例えば、銀蝋付けなどでシャフト330に接続されている。或る実施形態では、コレットアダプタ314は、ガイドワイヤを受け入れるための軸方向ルーメンを有している。或る好適な実施形態では、軸方向ルーメンは、直径が約2mmである。
【0053】
摘出装置300は、更に、望ましくはガイドワイヤ受け入れ用の軸方向ルーメンを有している胴部322と、例えば胴部322上に圧力嵌めされて胴部322の上に取り付けられている胴部ノブ324とを備えている。胴部ノブ324は、施術者が、摘出装置300を前進及び後退させるときに、摘出装置300を把持できるようにしている。
【0054】
摘出装置は、ハイポチューブ328を更に備えている。或る実施形態では、本発明の方法で椎間円板物質の切除に使用する場合、ハイポチューブ328は、外径が3.8mm、内径が3mm、軸方向長さが約175mmである。
【0055】
摘出装置は、シャフト330を更に備えている。或る実施形態では、シャフト330は、ガイドワイヤ受け入れ用の軸方向ルーメンを有している。或る好適な実施形態では、シャフト330は可撓性を有しており、湾曲した通路を通して摘出装置300を前進させることができるようになっている。或る実施形態では、シャフト330は、ピーエーケイ エムエフジー社の部品番号FS85T11Cである。或る実施形態では、本発明の方法で椎間円板物質の切除に使用する場合、シャフト330は、外径が約2mm、内径が約3mm、軸方向長さが約350mmである。ガイドワイヤと共に使用する場合、シャフト330は内径が約1mmである。
【0056】
摘出装置300は、軸受アッセンブリとハイポチューブ328を胴部322に接続するねじ付きアダプタ320を更に備えている。或る実施形態では、ねじ付きアダプタ320は、軸受ハウジング318とインターフェースを取るため近位側に単ねじが切られている。或る実施形態では、ねじ付きアダプタ320はガイドワイヤを受け入れるための軸方向ルーメンを有している。或る好適な実施形態では、軸方向ルーメンは、直径が約3mmから4mmの間である。或る好適な実施形態では、ねじ付きアダプタ320は、軸方向長さが13mmで、最大外径が約5mmである。
【0057】
摘出装置300は、軸方向ルーメンを有するスペーサ管326を更に備えている。スペーサ管326は、胴部322の軸方向ルーメンの直径を減じている。或る実施形態では、スペーサ管326の軸方向ルーメンは直径が約4mmである。
【0058】
摘出装置300は、シャフト330の遠位端を被覆する収縮管332を更に備えている。収縮管332は、ハイポチューブ328とシャフト330との間に支承面を提供している。或る実施形態では、本発明の方法で椎間円板物質の切除に使用する場合、収縮管332は、外径が約3.3mm、内径が約2.5mm、軸方向長さが約350mmである。一例としてであるが、適した収縮管は、米国サウスカロライナ州のゼウス インダストリアル プロダクツ社から購入することができる。
【0059】
摘出装置300は、その遠位端304に切断キャップ334を更に備えている。切断キャップ334は、複数の変形させることのできる刃336を備えており、この刃336は、変形していない時には直交方向に拡張するようになっている。各刃336は、1つ又はそれ以上の切断縁を有している。或る実施形態では、複数の刃は、2つ又はそれ以上の刃を備えている。別の実施形態では、複数の刃は3枚の刃を備えている。或る好適な実施形態では、複数の刃は4枚の刃を備えている。刃336、並びに望ましくは切断キャップ334全体は、ニチノールのような、変形していないときには刃336を切断に適した直交方向に拡張する形態に復帰するように加工された、成形された合金で構成されている。或る実施形態では、本発明の方法で椎間円板物質の切除に使用する場合、切断キャップ334は、変形状態では、外径が約3mm、内径が約2.2mm、軸方向長さが約11mmである。変形していない時及び作動時は、スピン状態の刃は、約1.8cmの断面積があり、即ち、直径が約1.5cmである。
【0060】
摘出装置300は、当業者には本開示内容から理解頂けるように、適していればどの様な方法で製作してもよい。或る実施形態では、摘出装置300は、部分的には以下の段階で製作される。スペーサ管326は、ハイポチューブ328の遠位端と胴部322に外挿され、スペーサ管326が胴部322の遠位端と面一になるまで胴部に圧入される。ねじ付きアダプタ320は、例えば銀蝋付けによりハイポチューブ328の近位端に接続され、ねじ付きアダプタ320とハイポチューブ328とが、停止するまで胴部322の近位端へと挿入され、止めねじ(図示せず)で胴部322に固定される。軸受ハウジング318は、ねじ付きアダプタに外挿螺合され、遠位側軸受316が軸受ハウジング318に圧入される。シャフト330が、遠位側軸受316と軸受ハウジング318を通して軸受ハウジング318へと挿入され、コレットアダプタ314がシャフト330上に配置され、シャフト330の近位端から約50mm離してシャフトにはんだ付けされる。近位側軸受312が、コレットアダプタ314の近位端上に配置される。軸受キャップ310は、軸受キャップ310が停止するまで、軸受ハウジング318の近位端に外挿螺合される。胴部アッセンブリがモーターアダプタ306に挿入され、モーターアダプタ306の側面のスロットを介してキー止めされる。収縮管332が、シャフト330の遠位端を覆って配置される。切断キャップ334が、シャフト330の遠位端にクリンプ又は接着される。
【0061】
本発明の摘出装置は、当業者には本開示内容から理解頂けるように、適していればどの様な物質を切断するのにも使用することができる。或る好適な実施形態では、摘出装置は、椎間空間の上側の椎骨の椎弓根内の通路を通して椎間空間にアクセスした後で、2つの椎体間の椎間空間から椎間円板を切除するために使用されており、前記通路の断面積は、刃が物質を切断している際の変形していない刃の横断面積よりも小さい。或る好適な実施形態では、摘出装置は、椎間空間の境界を画定している椎体終板を切除するのにも使用される。
【0062】
一例としてではあるが、摘出装置は、刃を変形させた状態でチャネルを通して空間にアクセスさせた後、刃が変形していない状態で、空間内の物質を切るのに使用することができ、前記チャネルの断面積は、刃が物質を以下のようにして切断している際の、複数の変形していない状態の刃の断面積よりも小さい。先ず、刃を、前もって形成されたチャネルに嵌って通るように変形させる。変形させる際は、各刃の遠位先端部を摘出装置の長さ方向軸に向けて、望ましくは各刃の長さ方向軸が摘出装置の長さ方向軸と同軸になるまで動かす段階を含んでいる。次に、チャネルを通して摘出装置の切断キャップを前進させ、摘出装置の遠位端が空間に入り込むことができるようにして、刃が直交方向に拡張できるように、つまり、各刃の遠位先端部が摘出装置の長さ方向軸から離れて摘出装置の長さ方向軸に対して直角になり、変形していない形状になることができるようにする。或る好適な実施形態では、チャネルは著しく湾曲しており、摘出装置は、前進する際に装置をチャネルの曲率に追従させることができるようにするシャフトを有している。次に、摘出装置を作動させ、刃を回転させて、物質の切断を行う。或る好適な実施形態では、刃は約100から15000RPMの間で回転する。更に、摘出装置を空間内で前進及び後退させて、更に物質を切断する。完了すると、摘出装置を引き抜くが、その際、刃は、チャネルから引き抜かれるまで変形した状態になる。
【0063】
或る好適な実施形態では、摘出装置は、ガイドワイヤ上に外挿してチャネル内を前進させる。別の好適な実施形態では、摘出装置はチャネルを内張しているシース内を通される。別の実施形態では、切断される物質は椎間円板である。或る特に好適な実施形態では、摘出装置のシャフトは可撓性で、摘出装置が湾曲した通路内を前進できるようにしている。別の特に好適な実施形態では、物質は椎体終板物質である。別の特に好適な実施形態では、チャネルは椎骨内の経椎弓根的アクセスチャネルである。
【0064】
別の実施形態では、本発明は、椎間円板空間内に形成されたチャンバ内に融合剤を入れておくための融合剤格納装置である。以下図15と図16を参照してゆくが、各図は、本発明の或る実施形態による融合剤格納装置400の、図15の第1変形形態から図16の第2非変形形態に拡張する装置400の、側方斜視図(左図)と上面図(右図)を示している。図に示すように、融合剤格納装置400は、非変形時には拡張して実質的に円形状又は楕円形状になる形状記憶性を有する、薄くて生体適合性のある変形可能な材料から成るバンドを備えている。或る好適な実施形態では、バンドは、ニチノールのような、本発明の方法の間に形成された椎間円板空間内の空洞空間の境界線に近似している非変形形態に戻るように加工された、成形された合金で構成されている。或る特に好適な実施形態では、バンドは、ヒドロゲルのような生体適合性のあるシール材で被覆されている。当業者には本開示内容より理解頂けるように、融合剤格納装置400の寸法は、意図される用途により変化する。一例としてではあるが、或る好適な実施形態では、バンドは、展開時には、高さが1cm直径が2cmに拡張する。
【0065】
別の実施形態では、本発明は、椎間円板空間内に形成されたチャンバ内に融合剤を入れておくための融合剤格納装置である。以下図17と図18を参照してゆくが、各図は、本発明の或る実施形態による融合剤格納装置500の、図17の第1変形形態から図18の第2非変形形態に拡張する装置500の、側方斜視図(左図)と上面図(右図)を示している。図に示すように、融合剤格納装置500は、非変形時には拡張して実質的に円形状又は楕円形状になる形状記憶性を有する、薄くて生体適合性のある変形可能な材料から成るワイヤを備えている。当業者には本開示内容から理解頂けるように、融合剤格納装置500は、ワイヤを様々な形状に成形して構成することができる。図19は、図17と図18に示した融合剤容器を形成するワイヤ502の或る分離された部分を示している。或る好適な実施形態では、ワイヤは、図38、図53、及び図54に示すように、メッシュなら円周方向にも軸方向にも変形可能であることから、メッシュで構成されている。或る実施形態では、ワイヤは、ニチノールのような、本発明の方法の間に形成された椎間円板空間内の空洞空間の境界線に近似している非変形形態に戻るように加工された、成形された合金で構成されている。或る特に好適な実施形態では、ワイヤメッシュは、ヒドロゲルのような生体適合性を有するシール材で被覆されている。当業者には本開示内容より理解頂けるように、融合剤格納装置500の寸法は、意図される用途により変化する。一例としてではあるが、或る好適な実施形態では、バンドは、展開時には、高さが1cm直径が2cmに拡張する。
【0066】
別の実施形態では、本発明は、本発明の融合剤格納装置を使用して、隣接する2つの椎骨を融合させる方法である。本方法は、第1に、隣接する2つの椎骨の間の椎間円板空間内にチャンバを形成する段階を含んでいる。次いで、本発明による融合剤格納装置を用意してチャンバに入れ、非変形形態に拡張できるようにする。次いで、融合剤格納装置に融合剤を充填し、融合剤により、隣接する2つの椎骨の融合を図る。或る好適な実施形態では、本方法は、第2の手順として、別の2つの隣接する椎骨を固定する段階を更に含んでいる。
【0067】
別の実施形態では、本発明は、隣接する2つの椎骨を伸延するための伸延システムである。以下図20、図21、及び図22を参照してゆくが、各図は、それぞれ、伸延システムの導入器の側方図、伸延システムのスペーシング要素の或る実施形態の側方図(左図)と上面図(右図)、並びに伸延システムのスペーシング要素の別の実施形態の側方図(左図)と上面図(右図)である。図示のように、伸延システムは、導入器602と複数のスペーシング要素604、606を備えている。導入器602は、近位側挿入部608と、遠位側アンカー部610を備えている。近位側挿入部606は、ガイドワイヤ型又は管状構造612を備えている。遠位側アンカー部610は、複数の棘614を備えている。
【0068】
伸延システムは、複数の、積層及び変形可能なスペーシング要素604、606を更に備えている。各スペーシング要素は、中央開口616と複数の伸長部618を備えているのが望ましい。或る好適な実施形態では、各スペーシング要素は、図21に示すように、3つの伸長部618を備えている。別の好適な実施形態では、各スペーシング要素は、図22に示すように4つの伸長部618を備えている。スペーシング要素604は、各伸長部が湾曲形状を形成して、複数のスペーシング要素604、606を導入器602の上に軸方向に重ねることができるように構成されている。或る好適な実施形態では、伸延システムの各スペーシング要素604、606は、例えばニチノールのような、本発明の方法に使用すると隣接する2つの椎骨を伸延するのに適した形状に戻るように加工された、成形された合金のような物質で構成されている。更に、伸延システムの各表面は、伸延システムの要素の間の摩擦を小さくするため、ポリテトラフルオロエチレン又は他の親水性の被膜を有しているのが望ましい。
【0069】
別の実施形態では、本発明は、隣接する2つの椎骨を伸延するための別の伸延システムである。以下図23と図24を参照してゆくが、各図は、本発明による別の伸延システムの非変形形態時の側方図と、同伸延システムの変形時の側方図である。図示のように、伸延システム700は、近位側接続部702と遠位側伸延部704とを備えている。近位側接続部702は、中実のバンド、メッシュ又は等価な構造から成る、管状構造を備えている。遠位側伸延部704は、複数の条片706を備えている。各条片は、伸張した非変形形態からカールした変形形態に変形可能である。条片706は、近位端が近位接続部702に接続されている。各条片706は、近位端から遠位端に向けて先細になっているのが望ましい。或る好適な実施形態では、各条片706は、幅が、近位端708で約2.5から3mm、遠位端710で約1mmとなり、厚さが、近位端708で約1mm、遠位端710で約0.1から0.2mmとなるように、先細になっている。伸延システム700は、例えばニチノールのような、本発明の方法で使用すると隣接する2つの椎体を伸延するのに適した形状に復帰するように加工された、成形された合金のような物質で構成されている。更に、伸延システム700の各表面は、伸延システム700の要素の間の摩擦を小さくするため、ポリテトラフルオロエチレン又は他の親水性の被膜を有しているのが望ましい。
【0070】
伸延システム700は、当業者には開示内容から理解頂けるように、適していればどの様な方法で製作してもよい。或る実施形態では、本発明による、伸延システムを製作する方法が提供されている。この実施形態では、伸延システムは、先ず、ニチノールのような生体適合性を有する成形された合金の円筒を用意することにより製作される。次に、円筒に複数の軸方向切れ目を入れて、ハイポチューブの遠位端に複数の分離した条片を作り出す。或る特に好適な実施形態では、円筒は遠位端が3本の条片に切り分けられている。次に、条片は、密な渦巻き状に曲げられ、非変形時にこの形状に復帰するように加熱焼きなまし処理される。或る好適な実施形態では、渦巻き群は、非変形時には、最大横方向輪郭が約2cmで、最大軸方向輪郭が約1cmである。別の実施形態では、条片は、円筒の近位端から切り離され、同一又は等価な材料で製作されているメッシュ円筒にはんだ付けなどにより接続されている。
【0071】
別の実施形態では、本発明は、隣接する2つの椎骨を伸延するための別の伸延システムである。以下図25、図26、及び図27を参照してゆくが、各図は、本発明による伸延システムの有棘プラグの変形形態(左図)と非変形形態(右図)の側方斜視図、伸延システムのラチェット装置の変形形態時の上面図(左図)と側方図(右図)、及び伸延システムのラチェット装置の非変形形態時の上面斜視図(左図)と側方斜視図(右図)を示している。図示のように、伸延システムは、有棘プラグ802を備えていると共に、ラチェット装置804を備えている。有棘プラグ802は、円筒又は円錐状の中央部806と、遠位側の複数の棘808とを備えている。変形時には、図25左図のように、有棘プラグ802の棘808は、有棘プラグ802の軸中心に向けて収縮している。非変形時には、図25右図のように、有棘プラグ802の棘808は、有棘プラグ802の軸中心から外向きに延びている。有棘プラグは、円錐又は円筒を、軸方向に切って複数の棘を形成し、この形状に復帰するように加熱焼きなまし処理を施して製作されている。ラチェット装置804は、一方の端が接続された、横方向に分離された一連の条片810を備えている。ラチェット装置は、シート材を横方向に切って、シート材の一方の端でつながっている複数の条片を作ることにより製作される。シート材は軸状に巻かれ、この形状に復帰するように加熱焼きなまし処理される。変形時には、図26(左図)のように、条片810は、ラチェット装置804の中心軸回りにコイル状に密に巻かれている。非変形時には、図27(右図)のように、条片810は、ラチェット装置804の中心軸から離れるように延びている。伸延システムの各要素は、例えばニチノールのような、本発明の方法に使用すると隣接する2つの椎体を伸延するのに適した形状に復帰するように加工された、成形された合金のような物質で構成されている。また、伸延システムの各表面は、伸延システムの要素の間の摩擦を小さくするため、ポリテトラフルオロエチレン又は他の親水性の被膜を有しているのが望ましい。
【0072】
別の実施形態では、本発明は、本発明の伸延システムを使って上側の椎骨を下側の椎骨から伸延する方法である。本方法は、先ず、隣接する2つの椎骨の間の椎間円板空間内にチャンバを形成する段階を含んでいる。次に、本発明による伸延システムを用意し、チャンバ内に配置して、隣接する2つの椎骨を伸延する。或る実施形態では、伸延システムは、近位側挿入部と、複数の棘を有する遠位側アンカー部とから成る導入器を備えていると共に、複数の、積層及び変形可能なスペーシング要素を備えている。本実施形態では、伸延システムをチャンバ内に配置する段階は、棘が隣接する2つの椎骨の内の遠位側椎体の上部分の海綿骨に出会うまで導入器を前進させる段階と、複数のスペーシング要素を変形形態で導入器を超えてチャンバに挿入する段階と、複数のスペーシング要素を非変形形態まで拡張させる段階と、を含んでいる。別の実施形態では、伸延システムは、近位側接続部と、近位端がこの近位側接続部に接続された複数の条片とを備えている。この実施形態では、伸延システムをチャンバ内に配置する段階は、条片を真っ直ぐな変形形状にした状態で伸延システムを前進させチャネルを通してチャンバに入れる段階を含んでいる。チャンバ内に入ってしまうと、条片は非変形時の渦巻き形状に復帰して、2つの椎体を軸方向に伸延する。別の実施形態では、伸延システムは、有棘プラグとラチェット装置を備えている。この実施形態では、伸延システムをチャンバ内に配置する段階は、有棘プラグを変形形態で前進させチャネルを通してチャンバに入れる段階を含んでいるが、この段階では有棘プラグがチャンバに入るまで、棘は近位方向又は遠位方向の何れかに向いている。次いで、有棘プラグの棘は伸張して、隣接する2つの椎骨の遠位側椎体の上側部分の、又は隣接する2つの椎骨の近位側椎体の下側部分の、海綿骨に接する。次に、ラチェット装置を、非変形形態で、チャネルを通してチャンバ内にそして有棘プラグ内へと前進させる。チャンバに入ってしまうと、ラチェット装置の各条片は軸方向に拡張して、チャネルを通して後退するのを防ぎ、ラチェット装置を十分な長さ分だけ前進させて2つの椎骨を所望するだけ伸延させる。或る好適な実施形態では、伸延システムは両側方に導入される。或る好適な実施形態では、本方法は、上側椎骨の椎弓根部を通して形成されたチャネルを通して伸延システムを配置する段階を含んでいる。別の好適な実施形態では、本方法は、更に、シース又はハイポチューブを通して、上側椎骨の椎弓根部を通して形成されたチャネル内に伸延システムを配置する段階を備えている。
【0073】
本発明は、椎間円板の疾患及び症状を治療するための方法、並びに経椎弓根的椎間板切除術の方法を更に含んでいる。以下図28から図54を参照してゆくが、各図は、第1椎骨902の第1椎体900、第2椎骨906の第2椎体904、及び第1椎体900と第2椎体904との間の椎間円板908に施術される本方法の態様の幾つかを示している、一部破断側方斜視図である。
【0074】
或る好適な実施形態では、本方法は、先ず、本方法を受けるのに適した患者を選択する段階を含んでいる。適した患者とは、部分的核摘出又は全核摘出のような、少なくとも部分的には椎間板切除が必要な1つ又はそれ以上の疾患又は症状を有し、前記疾患又は症状により痛み、痺れ感、知覚の変化、筋肉虚弱、機能損失、又はそれらが併発している患者である。疾患及び症状の中で、治療に適していると考えられるものは、変性椎間円板、ヘルニア椎間円板、又は変性ヘルニア椎間円板である。
【0075】
次に、図28に示すように、経皮的に第1椎体900への経椎弓根的アクセスが行われる。或る好適な実施形態では、経椎弓根的アクセスは、11ゲージ骨生検針のような適したゲージの骨生検針910(例えば、米国カリフォルニア州スコットバレーのパララックス メディカル社、米国イリノイ州マッゴーパークのアリージャンス ヘルスケア社、及び米国インディアナ州ブルーミントンのクック社から市販)を、透視誘導などの適した誘導の下に、第1椎骨の一つの椎弓根を通して挿入することにより行われる。或る特に好適な実施形態では、経椎弓根的アクセスは両側方的に行われ、本開示に記載の方法は、両側方的に繰り返される。両側方で本方法を実施することにより、円板物質をより多く除去することができるようになる。次いで、図28に示すように、直径1mmのガイドワイヤのような適したガイドワイヤ912が、生検針910を通して第1椎体900に挿入され、挿入されたガイドワイヤ912を残して、生検針910が取り出される。
【0076】
或る好適な実施形態では、経路は、ガイドワイヤ912に外挿したバルーンで骨膜面まで拡張される。次に、図29に示すように、適している非可撓性の骨穿孔錐914が、ガイドワイヤ912に外挿して挿入され、これを誘導状態の下に作動させて、生検針910とガイドワイヤ912によって形成されたチャネルを、直径約4.5mmまで拡大して、第1椎体900の後方約3分の1まで伸張させる。或る実施形態では、真っ直ぐな錐を挿入する前に、第1椎骨902を覆う結合組織及び筋肉組織を通して、厚さ0.25mm、外径が5mmのプラスチック管のような真っ直ぐな錐用のシース(図示せず)が、ガイドワイヤ912に外挿して挿入され、そして真っ直ぐな錐が、ガイドワイヤ912に外挿され且つ真っ直ぐな錐用のシースの内側に挿入される。この実施形態では、真っ直ぐな錐のシースは、第1椎骨902を覆う結合組織及び筋肉組織(図示せず)が、非可撓性の骨穿孔錐914に接触しないように保護している。
【0077】
次に、非可撓性の骨穿孔錐914のシースが取り出され、図30に示すように、経椎弓根作業シース916がこれにとり代わって、非可撓性の骨穿孔錐914に外挿され、非可撓性骨穿孔錐914により形成された空間に挿入される。非可撓性の骨穿孔錐914が取り出され、保定管918が、経椎弓根作業シース916内を、保定管918の遠位先端部が経椎弓根作業シース916の遠位端を出るまで進められる。次いで、第1の可撓性の錐920が保定管918の全長を貫いて挿入される。或る好適な実施形態では、保定管918は、本発明による装置である。別の実施形態では、可撓性の錐920が、本発明による装置である。図30に示すように、可撓性の錐920は、前進して保定管918の近位部を通り保定管918の遠位側傾斜端を出るが、このとき可撓性の錐920の長さ方向軸は、保定管918の長さ方向軸に対して凡そ90度の角度を成す。可撓性の錐920が作動し、第1椎体900を通して上から下向きに椎間円板908内へとチャネルが形成される。
【0078】
次に、第1の可撓性の錐920が取り出される。或る好適な実施形態では、次に、直径が0.4mmから1mmの間にある生体適合性を有するガイドワイヤ(図示せず)が、経路を通して椎間円板908内に挿入されて支持構造を形成し、この支持構造と経椎弓根作業シース916が留置される。
【0079】
或る好適な実施形態では、本発明による、穿孔先端部の断面直径が第1の可撓性の錐920よりも大きい第2の可撓性の錐(図示せず)を、経椎弓根作業シース916を通して、もし存在する場合には支持構造に外挿して、前進させる。第2の可撓性の錐を作動させて、第1の可撓性の錐920により椎間円板908内へと形成されたチャネルを広げる。最終的なチャネル直径は、第2の可撓性の錐の使用の有無に関わらず、直径が4mmから5mmの間にあるのが望ましい。使用している場合には第2の可撓性の錐、並びに経椎弓根作業シース916が、ここで引き抜かれる。当業者には本開示内容から理解頂けるように、本方法の残りの部分がオーバーザワイヤー技法を用いて行われる場合、使用されているのであれば支持構造はその場に留置される。しかしながら、図面では、非オーバーザワイヤー技法を使った方法を示している。
【0080】
次に図31、図32、図33及び図34に示すように、可撓性の編組シース又は金属シースのような可撓性のシース922を、可撓性の錐により形成された拡大チャネルを通して支持構造に外挿して前進させる。次いで、切断装置924又は摘出装置926、又は等価な装置を、或いは2つ以上の装置の場合は順番に、可撓性シース922に通して、切断装置924又は摘出装置926の遠位端が椎間円板908内に入るまで前進させる。別の実施形態では、切断装置924は、本発明による装置である。別の実施形態では、摘出装置926が、本発明による装置である。切断装置924を使用している場合は、次に、この装置を図31、図32、図33、及び図34に示すように作動させ、摘出装置を使用している場合は、この装置を、X線透視誘導のような適切な誘導の下で、図35及び図36に示すように作動させて、髄核のような椎間円板908物質の部分を除去する。
【0081】
別の実施形態では、椎間円板908物質のこの部分は、適当な形状の可撓性のカテーテルを通る可撓性のファイバケーブルを通して搬送されるホルミウム・レーザーを使用する熱蒸発によって除去される。レーザーエネルギーのバーストにより、椎間円板物質、及び必要に応じて終板軟骨及び皮質骨を、蒸発させる。
【0082】
別の実施形態では、椎間円板908物質のこの部分は、無線周波数により生成されたプラズマバーストを使用するコブレーション装置により除去される。この方法では熱による損傷無しに、プラズマバーストが椎間円板物質を気体要素に分解する(この処置を「コブレーション」という)。椎間円板物質のこのようなコブレーションは、脊椎神経根を傷つけることはなく、また従来の方法よりも短時間で大量の椎間円板物質を除去することができる。或る好適な実施形態では、コブレーション装置は、針の端に取り付けられた無線周波数電極であり、後側方から円板環を通して、円板環を大きく傷つけること無く挿入される。別の好適な実施形態では、コブレーション装置は複数のアームを備えており、各アームは1つ又はそれ以上のコブレーション電極を備えている。コブレーション装置は、アームをコブレーション装置の長さ方向軸まで潰した状態で、シースを通して挿入され、椎間円板空間に入ると、コブレーション装置の長さ方向軸から直角な方向に拡張する。次に、コブレーション装置は、電極が作動している間、椎間円板空間内を上下方向に平行移動し、軸回転する。
【0083】
次いで、切断装置924、摘出装置926又は等価な装置が取り出される。もみ砕かれた円板屑は、吸引を用いて椎間円板908から除去されるが、特に、研削された椎間円板物質がコブレーションにより気体状副産物に減量されている場合は、もみ砕きの間又はその後の何れかに、生理食塩水のような適した溶液で洗い流すことにより、又は吸引と洗い流しを併用することにより、除去される。また、切断装置924、摘出装置926又は等価な装置の駆動シャフトは、アルキメデス・スクリュー様の構成を組み込むことができ、この構成では、回転中に、もみ砕かれた円板物質が椎間円板空間の外に移送される。髄核からの円板物質を除去すると、それだけで、円板ヘルニアを脊柱管及び神経孔に後退させることができ、改善の兆し又は徴候が現れる。
【0084】
或る好適な実施形態では、使用される人工円板移植片の種類次第で、椎間円板908を画定している終板の一方又は両方の一部も除去される。例えば、処置対象の椎間円板がひどく狭くなっている場合、又は終板硬化症が存在する場合は、髄核及び隣接する終板の両部分に置き換えられる人工器官が必要となり、従って、終板の一方又は両方の一部が除去されることになる。或る好適な実施形態では、除去される終板の部分は、矢状断面が約2cmである。或る好適な実施形態では、除去される終板の部分は、矢状断面で終板の約30%を含んでいる。別の好適な実施形態では、この場合も使用される人工円板移植片の種類によるが、椎間円板908の上側面928又は椎間円板908の下側面930の何れかの側に、又は、望ましくは椎間円板908の上側面928と下側面930の両面に、露出している皮質骨も或る程度除去される。しかしながら、本発明の全ての実施形態において、線維輪は円周方向に保存しておくのが望ましい。腺維輪を無傷で残すことの利点は、脊柱の安定性が改善し、人工円板移植片が何であれ安定性が更に増すことである。
【0085】
本方法は、施術中の治療者又は外科医により適当と思われる場合には、椎間円板物質、終板物質、皮質骨、又はそれらの組み合わせを除去した時点で完結する。しかしながら、或る好適な実施形態では、椎間円板物質の除去により生じた椎間円板空間に人工円板移植片が挿入される。人工円板移植片を挿入する代わりに又はこれに加えて、円板空間に接している椎体を、以下のように融合させるか、又は伸延して融合させることもできる。
【0086】
図37及び図38では、切断装置924、摘出装置926又は両装置により形成された空洞空間に、融合剤格納装置932が挿入され、展開される。或る好適な実施形態では、図37及び図38に示すように、融合剤格納装置932は、本発明による融合剤格納装置である。しかしながら、当業者には本開示内容より理解頂けるように、他の融合剤格納装置も適している。別の好適な実施形態では、融合剤格納装置932の導入と展開は、コイル状に巻かれた融合剤格納装置932を入れるための可撓性の管と、コイル状に巻かれた融合剤格納装置932を可撓性の管から摘出装置によって形成された空洞空間内へ押し出すための放出先端部を有する中心ワイヤと、を備えた展開装置内に、融合剤格納装置932をコイル状に密に巻くことにより実現される。空洞空間に入ると、融合剤格納装置932は、応力の掛かっていない形状に復帰し、椎間円板908内に内張されたチャンバを作り出す。次に、この内張された空洞チャンバに、生体適合性を有する骨基質を含んでいる薬剤のような融合剤が充填され、これにより第1椎体900と第2椎体904の間の骨融合が図られる。適した骨基質には、例えば、米国ペンシルベニア州マルヴァーンのオーソヴィータ・インコーポレーテッド社から市販されているVITOSS(登録商標)、及び米国ニュージャージー州イートンタウンのオステオテック・インコーポレーテッド社から市販されているGRAFTON Plus(GRAFTONは登録商標)、並びに、骨伝導性又は骨誘導性のどちらでもよいが、脱塩された死体の骨基質物質を骨形成タンパク質と混ぜ合わせ、更にこれに患者自身の骨髄を混合したもの、又はしないままのもの、がある。
【0087】
或る好適な実施形態では、図39、図40、図41、図42、図43及び図44に示すように、本方法は、チャンバに融合剤を充填する前、又はチャンバに融合剤を充填した後で且つ融合剤が硬化する前、の何れかの段階で、伸延システム934、936、938をチャンバに導入する段階を更に含んでいる。代わりに、チャンバを融合剤で部分的に充填し、この融合剤が硬化する前に伸延システム934、936、938を導入し、それから追加の融合剤をチャンバに加えることもできる。当業者には本開示内容から理解頂けるように、伸延システム934、936、938は、適していればどの様な構造であってもよい。或る好適な実施形態では、伸延システム934、936、938は、本発明による伸延システム934、936、938である。図31、図32、図33、図34、図35及び図36は、そのような3つの伸延システム934、936、938が展開されるところを示している。伸延システム934、936、938は、伸延の役を果たし、即ち、第1椎骨902を第2椎骨906から軸方向に離し、堆積させた融合物質を支持する役を果たす。
【0088】
或る好適な実施形態では、図45に示すように、本方法は、第1椎骨902を第2椎骨906に接合するための、追加的な融合処置を実行する段階を更に含んでいる。或る実施形態では、図45に示すように、この追加的な融合処置は、当業者には本開示内容から理解頂けるように、本発明の方法を行う段階から残されている経椎弓根チャネルへと椎弓根スクリュー940を配置する段階と、椎弓根スクリュー940同士をスペーシング装置942で接続する段階とを含んでいる。しかしながら、当業者には本開示内容から理解頂けるように、適していればどのような追加的な融合処置を使用してもよい。
【0089】
或る好適な実施形態では、本方法は、少なくとも3つの椎体と、前記少なくとも3つの椎体の間の2つの椎間円板に対して、片側方又は両側方の何れかから、唯1つの椎骨レベルで経椎弓根的に、椎体及び椎間円板にアクセスすることにより実施される。本方法のこの実施形態の各態様は、当業者には本開示内容から理解頂けるように、本方法を隣接する2つの椎骨と前記2つの椎骨の間の椎間円板だけに対して行う場合に関して開示したものと等価な態様に対応している。
【0090】
以下図46から図54までを参照してゆくが、各図では、第1椎骨1002の第1椎体1000、第2椎骨1006の第2椎体1004、第1椎体1000と第2椎体1004の間の椎間円板1008、第3椎骨1012の第3椎体1010、及び第2椎体1004と第3椎体1010の間の椎間円板1014に施術される、本方法のこの実施形態の態様の幾つかを示している一部破断側方図である。図示のように、適した患者を選択した後、経皮的に第1椎体1000への経椎弓根的アクセスを行い、非可撓性の骨穿孔錐を使用して、実質的に先に開示したように第1椎体1000と第2椎体1004との間の椎間円板1008にアクセスする。しかしながら、この実施形態では、可撓性の錐1016を使ってチャネル形成を継続して、図46に示すように第1椎骨1002と第2椎体1004の間の椎間円板1008を完全に貫通し、図47に示すように第2椎体1004を貫通して、第2椎体1004と第3椎体1010との間の椎間円板1008内までチャネルを形成する。次に、図48と図49に示すように、第2椎体1004と第3椎体1010との間の椎間円板1008、並びに第1椎体1004の下側終板1018の一部及び第3椎体1010の上側終板1020の一部が、切断装置(図示せず)、摘出装置1022又は両装置を使って除去される。次いで、図50に示すように、融合剤格納装置1024が、第2椎体1004と第3椎体1010との間の椎間円板1014内に、並びに第1椎体1000と第2椎体1004との間の椎間円板1008内に展開される。或る好適な実施形態では、図51、図52、図53及び図54に示すように、伸延システム1026は、第1椎骨1002と第2椎体1004との間の椎間円板1008及び、第2椎体1004と第3椎体1010との間の椎間円板1008の両方の中の融合剤格納装置1024内に配置される。次いで、各融合剤格納装置1024に融合剤が充填され、これにより、第1椎骨1002を第2椎骨1006に融合させ、第2椎骨1006を第3椎骨に融合させる。また、或る好適な実施形態では、図54に示すように、第1椎骨1002を第2椎骨1006に接合するため、第2椎骨1006を第3椎骨に接合するため、又はその両方のために、図45に対応するやり方で追加的な融合処置が行われる。
【0091】
別の実施形態では、椎間円板物質の除去により生じた椎間円板空間内に人工円板移植片が挿入される。或る好適な実施形態では、人工円板移植片は、上記のように作られた経椎弓根的空間を通して椎間円板空間に挿入される。或る実施形態では、人工円板移植片は、水に接触すると膨張し、患者が直立した際に機械的に応力が掛かると幾らか圧縮される、ヒドロゲル装置である。
【0092】
別の実施形態では、人工円板移植片は、椎間円板空間を、粘度約0.1Pasから1.0Pas(約100cpsから1000cps)及びショア硬度約75−80Aの、ポリウレタンのような生体適合性を有する熱可塑性ポリマーで充填することで構成される。このような熱可塑性ポリマーは、正常な髄核の衝撃吸収性を再現するので好都合である。
【0093】
別の実施形態では、人工円板移植片は、コンプライアンスのない拡張特性を備えた弾性を有する拡張性ポリマーから成るデュアルチャンバ装置を備えている。一方のチャンバは他方のチャンバより相当大きく、両チャンバは非拡張性の可撓性の管で接続されている。2つのチャンバの内の大きい方は、経椎弓根的進入法を使って椎間円板内に配置される。或る好適な実施形態では、2つの装置は各側に1つずつ配置される。大きい方のチャンバは、海綿状材料から成り、グリセリン又はグリセロールのような粘度の高い流体で充填されている。歩行又は起立のような活動で脊柱に生理学的荷重が加わると、大きい方のチャンバに働く軸方向の圧力により、粘性流体の一部が大きい方のチャンバから小さい方のチャンバに移動する。患者が睡眠時に横になるなどして軸方向の圧力が取り除かれると、過程が逆戻りして、粘性流体が大きい方のチャンバに移動する。また、海綿状材料は、接続管を通して粘性流体を小さい方のチャンバから引き出す傾向がある。
【0094】
デュアルチャンバ装置は、上記のように作られた経椎弓根的空間を通して挿入される。配置されると、デュアルチャンバ装置には、自己封止弁を介してデュアルチャンバ装置に接続されている送出カテーテルを通して粘性流体が注入され、弁が封止され、送出カテーテルは牽引力を加えることによって装置から取り外される。接続管は、2つのチャンバの安定性及び錨着を提供し、装置が円板空間から移動するのを防ぐ支援をする。
【0095】
図55は、本発明の或る実施形態による、直接放射能力を備えたレーザーカテーテルの図である。図56は、本発明の或る実施形態による、側面放射能力を備えたレーザーカテーテルの図である。レーザーカテーテルは、病変脊椎の治療において、椎間円板及び/又は他の物質の一部を経皮的椎弓根的に研削し除去するために使用することができる。レーザーカテーテル1100は、遠位端1102と近位端1103とを備えた細長い外側管1101を含んでいる。レーザーカテーテル1100をレーザー源に接続するための光学コネクタ1107は、近位端1103に在る。ガイドワイヤ口1109は、研削物質を除去するため真空源又はの他の機構に接続できる。
【0096】
図57は、本発明の或る実施形態によるレーザーカテーテルの断面図である。図58は、本発明の或る実施形態によるレーザーカテーテルの遠位端の断面図である。外側管1101は2本のルーメンを含むことができる。ルーメンを追加して配置してもよい。この代表的実施形態では、ルーメン1104は光ファイバー束105を含んでいる。ルーメン1106は、椎間円板への送出時には直径が0.889mmから0.038mm(0.035から0.038インチ)のガイドワイヤ用のガイドワイヤルーメンとして、また研削された物質を椎間円板からレーザーカテーテルの近位端に排出するための排出ルーメンとして、相互変更可能に使用される。加えて、直径が異なる他のガイドワイヤをルーメン1106に収容してもよい。
【0097】
外側管1101は、外径が2.75mmから3.25mmの範囲にある。この範囲外でもよい。この外径は、先に述べたように、4.2mmから5.00mmの経椎弓根的チャネルに適応するように設計されている。他の直径に適合させることもできる。光ファイバ束1105は、湾曲部を横断してエネルギーを装置の近位端、例えば光学コネクタ107からレーザーカテーテル100の遠位端102まで送り届ける特定数の個別の光ファイバを含んでいる。
【0098】
或る代表的な実施形態によれば、光ファイバ束は、OH−含有量の少ないシリカコア(例えば直径200μm)、シリカクラッド(例えば直径210−2200μm)、及び直径が300μmから350μmの範囲のプラスチックジャケット(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTF)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)又は他の類似材料)を備えた、15−20本の個別のファイバのような複数の光ファイバを含んでいる。例えば、単一の光ファイバを使用すると、コアの直径は約400μmから1000μmになる。多数の光ファイバを使用すると、各ファイバはコアの直径が約100μmから300μmになる。各光ファイバの開口数(NA)は、0.22から0.28の範囲にある。他の測定値及び範囲を実施してもよい。
【0099】
図59は、本発明の或る実施形態による、レーザーに接続されたレーザーカテーテルを示している。この代表的実施形態では、レーザーカテーテル1100は、光学コネクタ1107を介してレーザー1111に接続されている。レーザー1111は、出力約20から80ワット、望ましくは約30ワットの、ホルミウム−YAGレーザーのような赤外線レーザーを含んでいる。ホルミウム−YAG赤外線レーザーは、2.1μmの波長をサポートすることができる。別の代表的実施形態では、レーザーはダイオードレーザー又は他の種類のレーザーを含んでいる。
【0100】
遠位端1102は、図58に示すように、全光ファイバの遠位端が終端し、Epotech353−NDT(エポキシ テクノロジーズ)のような半透明高温エポキシに嵌め込まれ、よく研磨された光学面を含んでいる。図57に示すガイドワイヤ/排出ルーメン1106は、嵌め込まれた光ファイバ内で、図58のルーメン1106(例えば、カテーテルの遠位端)と連通している。
【0101】
図60は、本発明の或る実施形態による、前方レーザー処理能力を備えたレーザーカテーテルの遠位端の斜視図である。図60に示すように、遠位端は真っ直ぐなレーザービームを提供する。図61は、本発明の或る実施形態による、側面放射レーザー処理能力を備えたレーザーカテーテルの遠位端の斜視図である。図61に示すように、側面放射レーザーカテーテルは、カテーテルの軸に対して垂直なレーザー放射を提供する。図60及び図61の放射線不透過マーカー1114は、X線透視画像化のような画像化処理の下でカテーテルの遠位端の視覚化を支援する。この代表的実施形態では、光ファイバ束は上記のように嵌め込まれる。遠位端をファイバの軸に垂直な面内で磨くのではなく、約37度から39度の範囲で傾斜研磨が行われる。使用するファイバの所望の角度及び/又は種類次第で、他の最適傾斜角度も考えられる。図61の傾斜角度は、研磨面の軸に対して垂直なレーザー放射を提供する(例えば、光ファイバの軸に対して垂直なレーザービーム)。側面放射レーザーを用いたこの代表的実施形態は、レーザーカテーテルの遠位端への直線的経路内に無い椎間円板の部分の研削に備えている。
【0102】
図62は、本発明の或る実施形態による、近位端コネクタの斜視断面図である。光学コネクタ107は、1つ又はそれ以上の冷却ウインドウ1212を備えたコネクタ本体1214に接続されている六角ナット1216を含んでいる。レーザーアパーチャ1210は、レーザー1111のようなレーザー源からレーザーエネルギーを受け取り、レーザーエネルギーを光ファイバ束1105に搬送する。
【0103】
図63と図64は、本発明の各種実施形態の方法の幾つかの態様を示す一部破断側方図である。図28から図30に示した経椎弓根経路へのアクセスに関連して先に説明した方法により、円板体への経椎弓根チャネルを得ることができる。レーザーカテーテル1101は、チャネル内のポリマー製導入器を通して押し込まれる。導入用シースは、外径が3.9から4.2mmの範囲に、内径が3.0から3.2mmの範囲にある。他の直径範囲でもよい。導入用シースは、レーザーカテーテル1101がその内径と干渉しながら進む際の摩擦が小さくなるように、ポリマー材料、例えばPTFE、EFPなどを含むことができる。
【0104】
図63は、直進放射レーザーカテーテルを示しており、図64は、側面放射カテーテルを示している。両実施形態において、レーザーカテーテルは、レーザー放射処理中は前進し、或る一定時間(例えば30−60秒)経過の後、レーザーが停止され、研削屑が、1109で示す近位端に接続されている真空源、シリンジ、又は他の方法によってカテーテルの遠位端1102経由で除去される。次いでレーザー放射が再開される。
【0105】
所望量の円板が研削され除去された後、ユーザー(例えば、医師など)は、ケージ、骨成長材料を展開させ、及び/又は上に述べた他の技法を利用することができる。
【0106】
図65Aと図65Bは、本発明の或る実施形態による関節式先端部を備えたレーザーカテーテルの斜視図である。図65Aと図65Bは、上記図55と図56に示したレーザーカテーテルの変型例を示している。レーザーカテーテル1100は、直進放射又は側面放射用の先端部を備えており、遠位端1102に、レーザーカテーテルの先端部を関節運動させることのできる(或いは操縦可能な)関節式先端部1303を含んでいる。例えば、関節式先端部1303は、単一面内である角度範囲内(例えば0から90度)で関節運動することができる。また、関節式先端部1303は、複数の面内で様々な角度で関節運動することができる。
【0107】
図65Bは、回転式ノブ1302で制御される遠位先端部の代表的な考えられる関節運動(仮想線)を示しており、ノブ1302を引くか又は押す方向に回転させることにより制御される。この関節運動機構により、椎間円板を大量に研削できるようになる。
【0108】
関節式先端部1303は、関節運動アッセンブリ1301により制御される。関節運動アッセンブリ1301は、回転式ノブ1302を含んでいる。回転式ノブ1302は、関節式先端部1303を制御するための機械的アッセンブリを含んでいる。例えば、ノブ1302を回転すると、遠位先端部の押し又は引きが伝達され、これにより関節式先端部1303が様々な方向に変形する。例えば、関節式先端部1303は、レーザーカテーテルの軸から右(+45度)又は左(=45度)に動くことができる。また、ノブ1302を回転すると、関節式先端部1303を電子的に又は他の操縦法を介して制御することができる。
【0109】
図66は、本発明の或る実施形態による、関節式先端部を備えたレーザーカテーテルの断面図である。図示のように、外側管1101は、追加的なルーメン1303、1305を含んでおり、各ルーメンは、内径が約0.305mmから0.356mm(約0.012から0.014インチ)である。ルーメン1303及び1305内には、ワイヤ1306と1304が収容されており、各ワイヤは、外径が約0.254mmから0.305mm(約0.010から0.012インチ)である。他の寸法範囲でもよい。ワイヤ1306と1304は、レーザーカテーテル1100の遠位端1102から、レーザーカテーテル1100の近位端1103近くにある関節運動アッセンブリ1301(図65に図示)まで走っているステンレス鋼ワイヤである。ワイヤ1304と1306の遠位端は、レーザーカテーテルの遠位端1102に錨着され、嵌め込まれ、又は別の方法で固定されている。
【0110】
図66と図67に示すように、ステンレス鋼ワイヤ1304及び1306の近位端は、ギヤ1308とチェーン1307を介して、関節運動アッセンブリ1301の上面に在る回転式ノブ1302に機械的に接続されている。ワイヤ1304と1306を導入するのに、他の機械的アッセンブリを採用してもよい。更に、ワイヤ1304と1306を電子的に操縦するため、電気機械機構を採用してもよい。加えて、代わりの関節運動範囲にあわせて、単一ワイヤ、並びに追加のワイヤを採用してもよい。
【0111】
図64、図68及び図69に示すように、レーザーカテーテルが直進経路に導入され椎体に入ると、施術者はレーザーカテーテルの遠位先端部に関節運動をさせることができる。回転式ノブ1302を回転させるか又は操縦することにより、回転式先端部1303は変位し、これにより、作られた元の経路の様々な方向(例えば、反対方向)で研削を行わせることができる。
【0112】
図68は、側面放射先端レーザーカテーテルを2つの関節運動位置で示している。図69は、側面放射先端レーザーカテーテルを、関節運動位置でレーザービームの方向と共に示している。
【0113】
以上、幾つかの好適な実施形態を参照しながら本発明についてかなり詳しく説明してきたが、他の実施形態も可能である。従って、特許請求の範囲は、本開示内容に含まれている好適な実施形態の記載に限定されるべきではない。ここで引用している全ての参考文献は、その内容全体を参考文献としてここに援用する。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の或る実施形態による骨穿孔錐の、遠位側穿孔端が挿入位置にある状態の側方斜視図である。
【図2】図1に示す骨穿孔錐の、遠位側穿孔端が穿孔位置にある状態の側方斜視図である。
【図3】図1に示す骨穿孔錐の下側サブアッセンブリの分解側方斜視図である。
【図4】図1に示す骨穿孔錐の上側サブアッセンブリの分解側方斜視図である。
【図5】図1に示す骨穿孔錐の幾つかの個別の構成要素の側方斜視図である。
【図6】図1に示す骨穿孔錐と共に使用することができる随意のガイド先端部の側方斜視図である。
【図7】本発明の或る実施形態による切断装置の、遠位端が切断位置にある状態の側方図である。
【図8】図7に示す切断装置の、遠位端が挿入位置にある状態の破断側方図である。
【図9】図7に示す切断装置の遠位端の、遠位端が挿入位置にある状態をクローズアップした一部破断側方図である。
【図10】図7に示す切断装置の遠位端をクローズアップした、一部破断側方図である。
【図11】本発明の或る実施形態による摘出装置の、ブレードが挿入位置にある状態の側方斜視図である。
【図12】図11に示す摘出装置の、ブレードが切断位置にある状態の側方斜視図である。
【図13】図12に示す摘出装置の遠位端の拡大側方斜視図である。
【図14】図12に示す摘出装置の分解側方斜視図である。
【図15】本発明の或る実施形態による融合剤格納装置の、変形形態時の側方斜視図(左図)と上面図(右図)の両図を示している。
【図16】図15に示す融合剤格納容器の、未変形形態時の側方斜視図(左図)と上面図(右図)の両図を示している。
【図17】本発明の或る実施形態による別の融合剤格納装置の、変形形態時の側方斜視図(左図)と上面図(右図)の両図を示している。
【図18】図17に示す融合剤格納装置の、未変形形態時の側方斜視図(左図)と上面図(右図)の両図を示している。
【図19】図17及び図18に示す融合剤格納装置を形成しているワイヤの或る分離された部分を示している。
【図20】本発明の或る実施形態による伸延システムの導入器の側方図である。
【図21】図20に示す導入器を含んでいる伸延システムのスペーシング要素の或る実施形態の側方斜視図(左図)と上面斜視図(右図)である。
【図22】図20に示す導入器を含んでいる伸延システムの別のスペーシング要素の或る実施形態の側方図(左図)と上面図(右図)である。
【図23】本発明による別の伸延システムの、未変形時形態の側方図である。
【図24】図23に示す伸延システムの、未変形形態時の側方図である。
【図25】本発明による別の伸延システムの有棘プラグの、変形形態時(左図)と未変形形態時(右図)の側方斜視図である。
【図26】図25に示す有棘プラグを含んでいる伸延システムのラチェット装置の、変形形態時の上面図(左図)と側方斜視図(右図)である。
【図27】図25に示す有棘プラグを含んでいる伸延システムのラチェット装置の、未変形形態時の上面図(左図)と側方斜視図(右図)である。
【図28】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図29】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図30】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図31】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図32】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図33】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図34】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図35】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図36】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図37】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図38】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図39】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図40】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図41】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図42】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図43】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図44】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図45】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の方法の態様を示している一部破断側方図である。
【図46】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間円板、第3椎骨の第3椎体、及び第2椎体と第3椎体の間の椎間円板に施術される、本発明の方法の或る実施形態の態様を示している一部破断側方図である。
【図47】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間円板、第3椎骨の第3椎体、及び第2椎体と第3椎体の間の椎間円板に施術される、本発明の方法の或る実施形態の態様を示している一部破断側方図である。
【図48】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間円板、第3椎骨の第3椎体、及び第2椎体と第3椎体の間の椎間円板に施術される、本発明の方法の或る実施形態の態様を示している一部破断側方図である。
【図49】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間円板、第3椎骨の第3椎体、及び第2椎体と第3椎体の間の椎間円板に施術される、本発明の方法の或る実施形態の態様を示している一部破断側方図である。
【図50】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間円板、第3椎骨の第3椎体、及び第2椎体と第3椎体の間の椎間円板に施術される、本発明の方法の或る実施形態の態様を示している一部破断側方図である。
【図51】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間円板、第3椎骨の第3椎体、及び第2椎体と第3椎体の間の椎間円板に施術される、本発明の方法の或る実施形態の態様を示している一部破断側方図である。
【図52】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間円板、第3椎骨の第3椎体、及び第2椎体と第3椎体の間の椎間円板に施術される、本発明の方法の或る実施形態の態様を示している一部破断側方図である。
【図53】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間円板、第3椎骨の第3椎体、及び第2椎体と第3椎体の間の椎間円板に施術される、本発明の方法の或る実施形態の態様を示している一部破断側方図である。
【図54】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間円板、第3椎骨の第3椎体、及び第2椎体と第3椎体の間の椎間円板に施術される、本発明の方法の或る実施形態の態様を示している一部破断側方図である。
【図55】本発明の或る実施形態による、直接放射能力を備えたレーザーカテーテルの説明図である。
【図56】本発明の或る実施形態による、側面放射能力を備えたレーザーカテーテルの説明図である。
【図57】本発明の或る実施形態によるレーザーカテーテルの断面図である。
【図58】本発明の或る実施形態によるレーザーカテーテルの遠位端の断面図である。
【図59】本発明の或る実施形態による、レーザーに接続されたレーザーカテーテルを示している図である。
【図60】本発明の或る実施形態による、前進レーザー処理能力を備えたレーザーカテーテルの遠位端の図である。
【図61】本発明の或る実施形態による、側面放射レーザー処理能力を備えたレーザーカテーテルの遠位端の図である。
【図62】本発明の或る実施形態による、近位端コネクタの斜視及び断面図である。
【図63】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の各種実施形態の方法の態様の幾つかを示している一部破断側方図である。
【図64】本発明による、2つの椎体と椎間円板の間の空間関係を変えるか、又は脊柱を不安定にするか、或いはその両方に当てはまる疾患及び症状を治療するための、本発明の各種実施形態の方法の態様の幾つかを示している一部破断側方図である。
【図65】図65A及び図65Bは、本発明の或る実施形態による、関節式先端部を備えたレーザーカテーテルの図である。
【図66】本発明の或る実施形態による、関節式先端部を備えたレーザーカテーテルの断面図である。
【図67】本発明の或る実施形態による、関節式ワイヤに接続されている関節式ギヤ及びチェーンの斜視図である。
【図68】本発明の或る実施形態による、椎間体内に関節式レーザーカテーテルを展開する方法を示している図である。
【図69】本発明の或る実施形態による、椎間体内に関節式レーザーカテーテルを展開する方法を示している図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経椎弓根的椎間板切除術を行うための方法において、
第1椎骨の第1椎弓根を貫通して第1椎体まで経椎弓根的チャネルを形成する段階と、
前記経椎弓根的チャネルを通して可撓性の錐を挿入し、前記可撓性の錐に約90度の角度を形成させ、前記可撓性の錐に前記第1椎体を貫通して椎間円板内までチャネルを形成させる段階と、
レーザー装置を用いて前記椎間円板の一部を取り除く段階と、から成る方法。
【請求項2】
前記椎間円板の一部を取り除く段階は、前記レーザー装置を使用して熱蒸発により行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記レーザー装置は、ホルミウム−YAGレーザーを備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記レーザー装置はレーザーダイオードを備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記レーザー装置からのレーザーエネルギーは、可撓性の光ファイバケーブルを備えている可撓性のカテーテルを通して搬送される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記可撓性のカテーテルは、第1ルーメンと第2ルーメンとを備えており、前記第1ルーメンは光ファイバ束を備えており、前記第2ルーメンは前記椎間円板の一部の除去により生じた物質の排出用である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2ルーメンを通しての前記物質の排出は、1つ又はそれ以上の真空源又はシリンジにより行われる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記可撓性の光ファイバケーブルは、光ファイバ束を備えている、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記光ファイバ束は、OH−含有量の少ないシリカコア、シリカクラッド、及びプラスチックジャケットから成る複数のファイバを備えている、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記可撓性のカテーテルの遠位端は、直進放射レーザービームを発生させるための実質的に真っ直ぐな端部を備えている、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記可撓性のカテーテルの遠位端は、側面放射レーザービームを発生させるための傾斜した端部を備えている、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
前記レーザーは、20ワットから80ワットの出力を発生させる、請求項3に記載の方法。
【請求項13】
前記レーザーは、約30ワットの出力を発生させる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記レーザーは、約2.1μmの波長をサポートする、請求項3に記載の方法。
【請求項15】
前記光ファイバ束内の各光ファイバの開口数は、0.22から0.28の範囲内にある、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
前記可撓性の光ファイバケーブルは、コアの直径が約400μmから1000μmの単一の光ファイバを備えている、請求項5に記載の方法。
【請求項17】
前記光ファイバ束の各光ファイバは、コアの直径が約100μmから300μmである、請求項8に記載の方法。
【請求項18】
回転中に、前記椎間円板の除去された部分からもみ砕かれた円板物質を取り除くため、ねじ様の構造を作動させる段階を更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記レーザー装置で、前記椎間円板を画定している1つ又はそれ以上の終板の一部を取り除く段階を更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記レーザー装置で、前記椎間円板の上側面と下側面の1つ又はそれ以上の面について皮質骨の一部を取り除く段階を更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
融合剤格納装置を、前記取り除く段階で生じた空間に挿入する段階を更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記融合剤格納装置を融合剤で充填する段階を更に含んでいる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1椎骨と第2椎骨の軸方向分離量を増すために、前記取り除く段階で生じた空間に伸延システムを導入する段階を更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記可撓性の錐は、前記椎間円板を完全に貫通して第2の椎間円板に入るチャネルを形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
人工円板移植片を、前記経椎弓根的チャネルを通して、前記取り除く段階で生じた空間に導入する段階を更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記人工円板移植片は、液体に接すると膨張し、機械的応力が掛かると圧縮されるヒドロゲル装置を備えている、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記人工円板移植片は、生体適合性を有する熱可塑性ポリマーを含んでいる、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記ポリマーは、ポリウレタンを含んでいる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記人工円板移植片はコンプライアンスのない拡張特性を備えたポリマーから成るデュアルチャンバを備えており、第1チャンバは第2チャンバよりも大きく、前記第1チャンバと前記第2チャンバは非拡張性の可撓性の管で接続されている、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記第1チャンバは、海綿状材料で構成され、粘性流体が充填されており、前記粘性流体は、圧力が加えられると、前記第1チャンバから前記第2チャンバに移動する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記レーザー装置からのレーザーエネルギーは、遠位端に関節式先端部を備えている可撓性のカテーテルを通して搬送される、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記可撓性のカテーテルは、第1ワイヤを収容するための第1関節ルーメンと、第2ワイヤを収容するための第2関節ルーメンとを備えており、前記第1ワイヤと前記第2ワイヤとが、前記関節式先端部を制御するための回転式ノブに接続されている、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記第1ワイヤと前記第2ワイヤとがギヤに接続されており、前記ギヤは、前記回転式ノブに接続されているノブに接続されている、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記可撓性のカテーテルの前記遠位端は、側面放射レーザービームを発生させるための傾斜した端部を備えている、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記関節式先端部は、単一面内で0度から90度の範囲内で関節運動する、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記関節式先端部は、複数の面内で関節運動する、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
経椎弓根的椎間板切除術を行うための方法において、
第1椎骨の第1椎弓根を貫通して第1椎体まで経椎弓根的チャネルを形成する段階と、
前記経椎弓根的チャネルを通して可撓性の錐を挿入し、前記可撓性の錐に約90度の角度を形成させ、前記可撓性の錐に前記第1椎体を貫通して椎間円板内までチャネルを形成させる段階と、
コブレーション装置を用いて前記椎間円板の一部を取り除く段階と、
から成る方法。
【請求項38】
前記コブレーション装置は、前記椎間円板の一部を気体要素に分解するために、無線周波数により生成されたプラズマバーストを使用する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記コブレーション装置は、針の端に取り付けられた少なくとも1つの周波数電極を備えており、前記コブレーション装置は後側方から円板環を貫通して挿入される、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記コブレーション装置は、複数のアームを備えており、各アームは1つ又はそれ以上のコブレーション電極を備えている、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
経皮的経椎弓根的進入法において椎間円板物質の切除及び除去に使用されるレーザーカテーテル装置において、
遠位端と近位端とを有する細長い管であって、第1ルーメンと第2ルーメンとを備えており、前記第1ルーメンは光ファイバ束を備えており前記第2ルーメンは切除された物質の排出用となっている、細長い管と、
前記細長い管を前記近位端に受け入れるためのレーザーであって、前記細長い管を通して前記遠位端までレーザーエネルギーを発生させるためのレーザーと、を備えており、
前記レーザーカテーテル装置は、椎間円板の一部を取り除き、前記レーザーカテーテル装置は、椎骨の椎弓根を貫通している椎体の経椎弓根的チャネルを通して挿入される、レーザーカテーテル装置。
【請求項42】
前記第2ルーメンを通しての排出は、1つ又はそれ以上の真空源又はシリンジにより行われる、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記光ファイバ束は、OH−含有量の少ないシリカコア、シリカクラッド、及びプラスチックジャケットから成る複数のファイバを備えている、請求項41に記載の装置。
【請求項44】
前記可撓性のカテーテルの遠位端は、直進放射レーザービームを発生させるための実質的に真っ直ぐな端部を備えている、請求項41に記載の装置。
【請求項45】
前記可撓性のカテーテルの遠位端は、側面放射レーザービームを発生させるための傾斜した端部を備えている、請求項41に記載の装置。
【請求項46】
前記レーザーはホルミウム−YAGレーザーを備えている、請求項41に記載の装置。
【請求項47】
前記レーザーはレーザーダイオードを備えている、請求項41に記載の装置。
【請求項48】
関節式先端部が前記遠位端に配置されている、請求項41に記載の装置。
【請求項49】
前記細長い管は、第1ワイヤを収容するための第1関節ルーメンと、第2ワイヤを収容するための第2関節ルーメンとを備えており、前記第1ワイヤと前記第2ワイヤとが、前記関節式先端部を制御するための回転式ノブに接続されている、請求項48に記載の装置。
【請求項50】
前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤはギヤに接続されており、前記ギヤは前記回転式ノブに接続されているノブに接続されている、請求項49に記載の装置。
【請求項51】
前記関節式先端部は、単一面内で0度から90度の範囲内で関節運動する、請求項48に記載の装置。
【請求項52】
前記関節式先端部は、複数の面内で関節運動する、請求項48に記載の方法。
【請求項1】
経椎弓根的椎間板切除術を行うための方法において、
第1椎骨の第1椎弓根を貫通して第1椎体まで経椎弓根的チャネルを形成する段階と、
前記経椎弓根的チャネルを通して可撓性の錐を挿入し、前記可撓性の錐に約90度の角度を形成させ、前記可撓性の錐に前記第1椎体を貫通して椎間円板内までチャネルを形成させる段階と、
レーザー装置を用いて前記椎間円板の一部を取り除く段階と、から成る方法。
【請求項2】
前記椎間円板の一部を取り除く段階は、前記レーザー装置を使用して熱蒸発により行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記レーザー装置は、ホルミウム−YAGレーザーを備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記レーザー装置はレーザーダイオードを備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記レーザー装置からのレーザーエネルギーは、可撓性の光ファイバケーブルを備えている可撓性のカテーテルを通して搬送される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記可撓性のカテーテルは、第1ルーメンと第2ルーメンとを備えており、前記第1ルーメンは光ファイバ束を備えており、前記第2ルーメンは前記椎間円板の一部の除去により生じた物質の排出用である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2ルーメンを通しての前記物質の排出は、1つ又はそれ以上の真空源又はシリンジにより行われる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記可撓性の光ファイバケーブルは、光ファイバ束を備えている、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記光ファイバ束は、OH−含有量の少ないシリカコア、シリカクラッド、及びプラスチックジャケットから成る複数のファイバを備えている、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記可撓性のカテーテルの遠位端は、直進放射レーザービームを発生させるための実質的に真っ直ぐな端部を備えている、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記可撓性のカテーテルの遠位端は、側面放射レーザービームを発生させるための傾斜した端部を備えている、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
前記レーザーは、20ワットから80ワットの出力を発生させる、請求項3に記載の方法。
【請求項13】
前記レーザーは、約30ワットの出力を発生させる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記レーザーは、約2.1μmの波長をサポートする、請求項3に記載の方法。
【請求項15】
前記光ファイバ束内の各光ファイバの開口数は、0.22から0.28の範囲内にある、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
前記可撓性の光ファイバケーブルは、コアの直径が約400μmから1000μmの単一の光ファイバを備えている、請求項5に記載の方法。
【請求項17】
前記光ファイバ束の各光ファイバは、コアの直径が約100μmから300μmである、請求項8に記載の方法。
【請求項18】
回転中に、前記椎間円板の除去された部分からもみ砕かれた円板物質を取り除くため、ねじ様の構造を作動させる段階を更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記レーザー装置で、前記椎間円板を画定している1つ又はそれ以上の終板の一部を取り除く段階を更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記レーザー装置で、前記椎間円板の上側面と下側面の1つ又はそれ以上の面について皮質骨の一部を取り除く段階を更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
融合剤格納装置を、前記取り除く段階で生じた空間に挿入する段階を更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記融合剤格納装置を融合剤で充填する段階を更に含んでいる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1椎骨と第2椎骨の軸方向分離量を増すために、前記取り除く段階で生じた空間に伸延システムを導入する段階を更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記可撓性の錐は、前記椎間円板を完全に貫通して第2の椎間円板に入るチャネルを形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
人工円板移植片を、前記経椎弓根的チャネルを通して、前記取り除く段階で生じた空間に導入する段階を更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記人工円板移植片は、液体に接すると膨張し、機械的応力が掛かると圧縮されるヒドロゲル装置を備えている、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記人工円板移植片は、生体適合性を有する熱可塑性ポリマーを含んでいる、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記ポリマーは、ポリウレタンを含んでいる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記人工円板移植片はコンプライアンスのない拡張特性を備えたポリマーから成るデュアルチャンバを備えており、第1チャンバは第2チャンバよりも大きく、前記第1チャンバと前記第2チャンバは非拡張性の可撓性の管で接続されている、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記第1チャンバは、海綿状材料で構成され、粘性流体が充填されており、前記粘性流体は、圧力が加えられると、前記第1チャンバから前記第2チャンバに移動する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記レーザー装置からのレーザーエネルギーは、遠位端に関節式先端部を備えている可撓性のカテーテルを通して搬送される、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記可撓性のカテーテルは、第1ワイヤを収容するための第1関節ルーメンと、第2ワイヤを収容するための第2関節ルーメンとを備えており、前記第1ワイヤと前記第2ワイヤとが、前記関節式先端部を制御するための回転式ノブに接続されている、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記第1ワイヤと前記第2ワイヤとがギヤに接続されており、前記ギヤは、前記回転式ノブに接続されているノブに接続されている、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記可撓性のカテーテルの前記遠位端は、側面放射レーザービームを発生させるための傾斜した端部を備えている、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記関節式先端部は、単一面内で0度から90度の範囲内で関節運動する、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記関節式先端部は、複数の面内で関節運動する、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
経椎弓根的椎間板切除術を行うための方法において、
第1椎骨の第1椎弓根を貫通して第1椎体まで経椎弓根的チャネルを形成する段階と、
前記経椎弓根的チャネルを通して可撓性の錐を挿入し、前記可撓性の錐に約90度の角度を形成させ、前記可撓性の錐に前記第1椎体を貫通して椎間円板内までチャネルを形成させる段階と、
コブレーション装置を用いて前記椎間円板の一部を取り除く段階と、
から成る方法。
【請求項38】
前記コブレーション装置は、前記椎間円板の一部を気体要素に分解するために、無線周波数により生成されたプラズマバーストを使用する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記コブレーション装置は、針の端に取り付けられた少なくとも1つの周波数電極を備えており、前記コブレーション装置は後側方から円板環を貫通して挿入される、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記コブレーション装置は、複数のアームを備えており、各アームは1つ又はそれ以上のコブレーション電極を備えている、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
経皮的経椎弓根的進入法において椎間円板物質の切除及び除去に使用されるレーザーカテーテル装置において、
遠位端と近位端とを有する細長い管であって、第1ルーメンと第2ルーメンとを備えており、前記第1ルーメンは光ファイバ束を備えており前記第2ルーメンは切除された物質の排出用となっている、細長い管と、
前記細長い管を前記近位端に受け入れるためのレーザーであって、前記細長い管を通して前記遠位端までレーザーエネルギーを発生させるためのレーザーと、を備えており、
前記レーザーカテーテル装置は、椎間円板の一部を取り除き、前記レーザーカテーテル装置は、椎骨の椎弓根を貫通している椎体の経椎弓根的チャネルを通して挿入される、レーザーカテーテル装置。
【請求項42】
前記第2ルーメンを通しての排出は、1つ又はそれ以上の真空源又はシリンジにより行われる、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記光ファイバ束は、OH−含有量の少ないシリカコア、シリカクラッド、及びプラスチックジャケットから成る複数のファイバを備えている、請求項41に記載の装置。
【請求項44】
前記可撓性のカテーテルの遠位端は、直進放射レーザービームを発生させるための実質的に真っ直ぐな端部を備えている、請求項41に記載の装置。
【請求項45】
前記可撓性のカテーテルの遠位端は、側面放射レーザービームを発生させるための傾斜した端部を備えている、請求項41に記載の装置。
【請求項46】
前記レーザーはホルミウム−YAGレーザーを備えている、請求項41に記載の装置。
【請求項47】
前記レーザーはレーザーダイオードを備えている、請求項41に記載の装置。
【請求項48】
関節式先端部が前記遠位端に配置されている、請求項41に記載の装置。
【請求項49】
前記細長い管は、第1ワイヤを収容するための第1関節ルーメンと、第2ワイヤを収容するための第2関節ルーメンとを備えており、前記第1ワイヤと前記第2ワイヤとが、前記関節式先端部を制御するための回転式ノブに接続されている、請求項48に記載の装置。
【請求項50】
前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤはギヤに接続されており、前記ギヤは前記回転式ノブに接続されているノブに接続されている、請求項49に記載の装置。
【請求項51】
前記関節式先端部は、単一面内で0度から90度の範囲内で関節運動する、請求項48に記載の装置。
【請求項52】
前記関節式先端部は、複数の面内で関節運動する、請求項48に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図62】
【図63】
【図64】
【図66】
【図67】
【図68】
【図69】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図62】
【図63】
【図64】
【図66】
【図67】
【図68】
【図69】
【公表番号】特表2007−526001(P2007−526001A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515001(P2006−515001)
【出願日】平成16年5月28日(2004.5.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/016845
【国際公開番号】WO2004/107955
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(506298792)ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド (366)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年5月28日(2004.5.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/016845
【国際公開番号】WO2004/107955
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(506298792)ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド (366)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]