説明

経糸準備機械におけるアキュムレータの駆動方法

【課題】 経糸シートの送り出し速度に対し巻き取り速度が低くなることによって発生する糸の弛みを吸収するアキュムレータを備えた経糸準備機械において、糸切れの原因となる糸の緩み等が発生しないアキュムレータの駆動方法を提供する。
【解決手段】 上記アキュムレータの駆動方法であって、該アキュムレータにおける可動ガイドロールが、巻取装置の通常運転時には、上記糸の直線状の移動を妨げない位置に配置されると共に、上記巻取装置による巻き取り速度の低下に伴って次第に増加する糸の弛みを吸収すべく上記可動ガイドロールを一方向へ移動させる過程において、その移動過程初期の移動速度が移動過程後半の移動速度よりも早い速度となるような速度設定に従って上記可動ガイドロールを駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経糸準備機械、特に、給糸装置からシート状で送り出される多数本の糸を巻取ビームに巻き取る巻取装置と、前記糸の送り出し速度と巻き取り速度との間で速度差が発生することによって生じる前記糸の弛みを吸収するためのアキュムレータであって固定配置された2本の固定ガイドロール及び該固定ガイドロール間を移動する可動ガイドロールによって前記糸を屈曲状態として貯留するアキュムレータとを備えた経糸準備機械、におけるアキュムレータの駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上記の経糸準備機械の一例として、例えば、図1に記載の装置が挙げられる。この図1に記載の装置は、複数の糸ビーム12を有する給糸装置10と、経糸ビーム12からシート状に引き出された経糸(以下、「経糸シート」という)Tを糊付けするための糊付け装置20と、糊付けされた経糸シートTを乾燥するための乾燥装置30と、乾燥されて乾燥装置30から送り出された経糸シートTを巻取ビーム42に巻き取るための巻取装置40とを備えている。また、図示の経糸準備機械には、分割領域Dに複数の分割ロッド(図示せず)が配設されており、経糸シートTが、この分割ロッドによって複数に分割された後、巻取装置40に対し供給されるものとなっている。
【0003】
ところで、上記のような経糸準備機械では、巻取ビームが満巻状態になると、巻取装置を停止させて巻取ビームを交換する作業が行われる。その場合において、巻取ビームの交換作業の間、経糸シートを送り出す側である糊付け装置や乾燥装置(以下、「送出側」という)を停止させ続けると、その糊付け装置や乾燥装置の部分で経糸シートにストップマークが形成される等の糸の品質に関する問題が発生する。そこで、一般的には、巻取ビームの交換作業のための巻取装置の停止中においても、上記糊付け装置及び乾燥装置を低速で運転することが行われている。
【0004】
しかし、この場合では、低速運転とはいえ、巻取ビームの交換作業の間に亘り巻取装置に対し経糸シートが供給され続ける。一方で、巻取ビームの交換作業が完了するまでは、巻取ビームに対する経糸シートの巻付けを開始することができない。その結果、巻取ビームの交換作業中に巻取装置に対し供給される経糸シートは廃棄せざるをえず、糸や糊液等の無駄を招いてしまう。そこで、このような糸等の無駄を無くすため、経糸シートの送出側と巻取装置との間に、経糸シートを一時的に貯留状態とするアキュムレータ(図1の符号50)を採用する場合がある。
【0005】
図1に示すアキュムレータ50は、詳しくは図7に示すようなものであって、経糸シートTの幅方向に亘って延在する3本のガイドロールを含み、その貯留部は、経糸シートTの進行方向に距離をおいて固定配置された一対の固定ガイドロール52、52と、固定ガイドロール52、52間で上下方向に移動する可動ガイドロール54とによって構成されている。図示のように、可動ガイドロール54は、経糸準備機械(巻取装置)の通常の運転中は、経糸シートTの直線状の移動を妨げない位置(図示の例では、経糸シートTの下方)に配置されている。また、上記のように巻取装置が停止されると、経糸シートTを挟んだ固定ガイドロール52側(図示の例では、上方)へ向けての可動ガイドロール54の駆動が開始され、図示のように経糸シートTを固定ガイドロール52、52間で貯留状態とする。
【0006】
上記のアキュムレータによれば、巻取装置の停止中に送出側から送り出された経糸シートの余剰分は、アキュムレータ内に貯留される。従って、この巻取装置の停止中では、経糸シートは巻取装置側へは供給されず、上記のような糸等の無駄が発生することはない。
【0007】
因みに、上記したアキュムレータに類する公知の技術として、特許文献1に記載の装置がある。この特許文献1に記載のアキュムレータも、本発明と同様に、前工程(送出側)と後工程(巻取側)との処理速度に変化が生じた場合に、アキュムレータによるシート状物(本発明でいう経糸シート)の貯留量を変化させ、上記処理速度の変化に伴う速度差分を吸収するものである。
【0008】
しかし、前記アキュムレータを採用した経糸準備機械においては、巻取装置の運転を再開した後に、経糸シート内の糸に糸切れが発生するという新たな問題が生じる場合が多い。この問題の発生について本発明の発明者らが鋭意研究をした結果、その原因が、可動ガイドロールを一定速で駆動することにあるということが分かった。
【0009】
詳しくは、従来において一般的には、前述のように経糸シートを貯留する際に行われる可動ガイドロールの駆動を、可動ガイドロールが一定の速度で移動するように行っていた。しかし、図7に示すアキュムレータのように、巻取装置の通常運転時において、可動ガイドロールが経糸シートの直線状の移動を妨げない位置に配置されている場合、その移動過程初期における移動量に対する貯留量の増加分が、その後の移動過程における当該貯留量の増加分よりも小さいものとなる。一方で、送出側からの経糸シートの送り出し速度は一定となっている。
【0010】
そのため、例えば、可動ガイドロールの移動速度を、その移動過程後半における移動量に対する貯留量の増加分と送出側からの経糸シートの送り出し速度とに基づいて得られる速度に定めた場合、移動過程初期において経糸シート内の糸に緩みが発生してしまう。その結果、糸の張力が低いことに起因して、前述の分割領域での経糸シートの分割が円滑に行われず、糸切れが発生してしまう。
【0011】
また、可動ガイドロールの移動速度を、その移動過程初期における可動ガイドロールの移動量に対する貯留量の増加分と送出側からの経糸シートの送り出し速度とに基づいて得られる速度に定めた場合、移動過程初期での上記のような糸の緩みは発生しないが、その後は張力が上昇する傾向となり、糸が過張力状態となって糸切れを起こしてしまう。
【特許文献1】特開昭56−43150号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、本発明の課題は、巻取装置の停止等に伴い、経糸シートの送り出し速度に対し巻き取り速度が低くなることによって発生する糸の弛みを吸収するアキュムレータを備えた経糸準備機械において、糸切れの原因となる糸の緩み等が発生しないアキュムレータの駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、給糸装置からシート状で送り出される多数本の糸を巻取ビームに巻き取る巻取装置と、上記糸の送り出し速度に対し巻取装置による巻き取り速度が低くなることに伴って発生する糸の弛みを吸収するためのアキュムレータであって固定配置された2本の固定ガイドロール及び該固定ガイドロール間を移動する可動ガイドロールによって糸を屈曲状態として貯留するアキュムレータと、を備えた経糸準備機械を前提とする。
【0014】
そして、上記課題のもとに、本発明は、上記可動ガイドロールが、巻取装置の通常運転時には、上記糸の直線状の移動を妨げない位置に配置されると共に、上記巻取装置による巻き取り速度の低下に伴って次第に増加する糸の弛みを吸収すべく上記可動ガイドロールを一方向へ移動させる過程において、その移動過程初期における移動速度が移動過程後半ににおける移動速度よりも早い速度となるような速度設定に従って上記可動ガイドロールを駆動することを特徴とする。
【0015】
また、本発明によるアキュムレータの駆動方法では、上記速度設定を、多段階に速度を変化させるべく2以上の速度が設定されたものとしてもよい。さらには、上記アキュムレータに上記可動ガイドロールの位置を検出する位置検出器を付設し、この位置検出器からの検出信号に基づいて上記可動ガイドロールの駆動に用いられる設定速度を変更するものとしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
上記した本発明による経糸準備機械におけるアキュムレータの駆動方法によれば、上記アキュムレータにおける可動ガイドロールの駆動を、予め定められた速度設定に従って行うと共に、その速度設定に従った駆動により、移動量に対する貯留量の増加分が少ない移動過程初期においてはより速い移動速度で可動ガイドロールが駆動され、且つ、それ以降の移動過程では上記移動過程初期よりも遅い移動速度で可動ガイドロールが駆動されるものとしたため、経糸シート内の糸の張力を一定、もしくはより一定に近い状態に保つことができ、糸の緩みや過張力に伴う糸切れを有効に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳述する。
【0018】
図1〜6に示すのは本発明の一実施形態であって、図1には、本発明が適用される経糸準備機械の一具体例を示してある。
【0019】
図1に示すのは、経糸準備機械の一例であって、前述のように図示の経糸準備機械は、複数の経糸ビーム12を有する給糸装置10と、経糸ビーム12からシート状に引き出された糸(以下、「経糸シート」という)Tを糊付けするための糊付け装置20と、糊付けされた経糸シートTを乾燥するための乾燥装置30と、乾燥されて乾燥装置30から送り出された経糸シートTを巻取ビーム42に巻き取るための巻取装置40とを備えている。
【0020】
給糸装置10は、糸がシート状に巻付けられている複数の経糸ビーム12が、ビームスタンド14に対し取り外し可能に支持されている。各経糸ビーム12から引き出された経糸シートTは、ビームスタンド14に付設された対応するガイドロール16、16及びその経糸シートTの進行方向下流側(以下では、単に「下流側」という)に配置された複数のガイドロール18によって案内され、糊付け装置20に導かれている。
【0021】
糊付け装置20は、糊液を収容した糊液槽26と、糊液槽26内の糊液に浸漬されたイマーションロール21及び2つのサイジングロール22、24と、2つのスクイズロール23、25とを含む。ガイドロール18を経由した経糸シートTは、ガイドロール28及び29によって糊液槽26に導かれ、イマーションロール21によって糊液に浸される。その後、経糸シートTは、サイジングロール22とその上方に配設されてサイジングロール22に圧接されたスクイズロール23との間を通過し、これにより初期絞りが行われる。次いで、経糸シートTは、サイジングロール24によって再び糊液に浸された後、サイジングロール24とサイジングロール24に圧接して配設されたスクイズロール25との間を通過し、これにより最終絞りが行われる。
【0022】
そして、このようにして糊付けされた経糸シートTは、乾燥装置30へ送り出される。なお、糊付け装置20における各ロール21〜25は、経糸シートTの走行速度に応じた周速度が得られる回転速度(設定速度)で回転駆動されており、経糸シートTを下流側へ積極的に送り出すものとなっている。また、糊液槽26の下方には、糊液槽27からオーバーフローした糊液が回収される回収槽27が設けられており、回収槽27の糊液は、循環路及び循環ポンプによって糊液槽26に供給される。
【0023】
乾燥装置30は、所謂シリンダ乾燥装置であって、経糸シートTの進行方向上流側(以下では、単に「上流側」という)に配設された一次乾燥用の第1の乾燥部31と、その下流側に配設された二次乾燥用の第2の乾燥部33とを含む。第1の乾燥部31は、2つに分けられた各経糸シートTを別個に乾燥させるために、それぞれ2本の乾燥シリンダ32、32及び34、34を有する2系列の乾燥経路を有している。また、第2の乾燥部33は、図示の例では、6本の乾燥シリンダ36、36、…を有している。
【0024】
糊付けされて糊付け装置20から送り出された経糸シートTは、第1乾燥部31において2つの経糸シートT1、T2に分割される。第1の乾燥部では、各経糸シートT1、T2がそれぞれ乾燥シリンダ32、32及び乾燥シリンダ34、34に巻き掛けられ、一次乾燥が行われる。そして、各経糸シートT1、T2は、一次乾燥後にガイドロール35によって案内されて合流し、第2の乾燥部33へ送り出される。また、第2の乾燥部33では、合流した経糸シートTは、上方の乾燥シリンダ36から順に、乾燥シリンダ36に対し巻き掛けられ、これにより再度の乾燥(二次乾燥)が行われる。なお、乾燥装置30内の各乾燥シリンダ32、34、36は、経糸シートTの走行速度に応じた周速度が得られる回転速度(設定速度)で回転駆動されており、巻き掛けられた経糸シートTを下流側へ積極的に送り出すものとなっている。
【0025】
そして、上記のような乾燥工程を経た経糸シートTは、乾燥装置30の下流側に配設されたガイドロール15を経由し、巻取装置40へ向けて送り出されている。なお、ガイドロール15と巻取装置40との間は経糸シートTの分割領域Dとなっており、この分割領域Dには、複数の分割ロッド(図示せず)が配設され、経糸シートTは、この分割ロッドによって上下方向で複数の経糸シートに分割される。
【0026】
巻取装置40は、巻取ビーム42を回転駆動して経糸シートTを巻取ビーム42に巻き取らせるものであり、プッシングロール41、テークアップロール43及びダンサロール45を備える。上記分割領域Dで分割された経糸シートTは、コム46を経由して揃えられた後、テークアップロール43及びこのテークアップロール43に圧接されたプッシングロール41の間を通過し、所定の回転駆動されるテークアップロール43によって牽引され、巻取ビーム42に導かれている。また、テークアップロール43と巻取ビーム42との間には、巻き掛けられた経糸シートTの張力に応じてその位置が変化するダンサロール45が設けられている。そして、巻取ビーム42は、ダンサロール45が所定の位置を保つようにその回転速度が制御され、これにより、経糸シートTが、一定の張力で巻取ビーム42に巻き取られる。
【0027】
次に、本発明の駆動方法が適用されるアキュムレータについて、その具体例を以下に説明する。
【0028】
本発明が適用される経糸準備機械は、上記の構成に加え、巻取装置40の停止等に伴って送出側(乾燥装置30側)からの糸の送り出し速度に対し巻取装置40による巻き取り速度が低い(停止の場合は速度0)状態となり、その結果として、経糸シートTに連続的に増加する弛みが生じるような状況が発生した場合に、その経糸シートTの弛み分を貯留状態として吸収するためのアキュムレータを備えたものであり、図示の例では、乾燥装置30とガイドロール15との間の経糸シートTの走行経路中に、3本のガイドロールを主要素とするアキュムレータ50が設けられている。なお、本実施例では、このアキュムレータにおける可動ガイドロールが、設定された2種類の駆動速度に従って駆動されるもの、言い換えれば、可動ガイドロールを駆動するための設定速度が二段階に切り換えられるものとし、その設定速度の切り換えを、位置検出器による検出信号に基づいて行うものとする。
【0029】
本実施例におけるアキュムレータ50は、詳しくは、図2、3に示すようなものであって、フレーム51によって支持された3本のガイドロールを、糸の貯留のための主要な構成要素として含んでいる。なお、フレーム51は、床面に立設される支柱51a、51aと、この支柱51a、51a間に架設される梁51bとで形成されている。また、フレーム51は、各支柱51aが、乾燥装置30における乾燥シリンダ36を支持する支柱37に対しステー51fによって固定されており、この支柱37に対する固定によってその立設状態が支持されている。
【0030】
各支柱51aにおける経糸シートTの進行方向と直交する方の両側面には、一対の軸受ブラケット52a、52aが、同じ高さ位置で取り付けられている。そして、各軸受ブラケット52aには、軸受(図示せず)を介して固定ガイドロール52が支持されている。従って、固定ガイドロール52、52は、支柱51aが立設される床面と平行な状態で、フレーム51に対し回転可能に固定配置された状態となっている。
【0031】
また、フレーム50には、フレーム50に対し回転自在に支持された一対のボールねじ53、53を介し、可動ガイドロール54が支持されている。さらに、フレーム50の下部には、支柱51a、51a間で回転自在に架設された回転軸55が設けられている(図2)。
【0032】
各ボールねじ53は、フレーム50の支柱51aと平行に上下方向に延在するように配設され、その一端が、支柱51aに取り付けられた軸受ブラケット51dにより、軸受を介して回転自在に支持されている。また、各ボールねじ53の他端は、支柱51a、51a間に架設された梁51cによって回転自在に支持されている。さらに、各ボールねじ53の下端には、軸受ブラケット51dから突出するように延びる軸部53aが一体に形成されており、この軸部53aの先端にかさ歯車53bが回転不能に取り付けられている(図3)。
【0033】
一方、回転軸55には、各ボールねじ53に取り付けられたかさ歯車53bと噛合する位置に、かさ歯車55aが回転不能に設けられている。従って、回転軸55の回転が、各かさ歯車55a、53bによって各ボールねじ53に伝達される構成となっている。そして、回転軸55上には、駆動モータMの出力軸に取り付けられたスプロケット61とチェーン63によって連結されたスプロケット55bが回転不能に取り付けられており、回転軸55が駆動モータMによって回転駆動される構成となっている。このように、図示の例では、各ボールねじ53は、回転軸55及びかさ歯車53b、55aを介し、駆動モータMによって回転駆動される。なお、駆動モータMは正逆転駆動可能なものであり、従って、各ボールねじ53も二方向へ回転駆動される。
【0034】
各ボールねじ53には、その周面に雄ねじが形成され、内周面に雌ねじが形成された送りナット54aが螺合している。この各送りナット54aには、支持ブラケット54bを介して軸受ブラケット54cが取り付けられており、各軸受ブラケット54cには、軸受を介し、可動ガイドロール54の対応する端部が回転自在に支持されている。すなわち、一対の送りナット54a、54aは、支持ブラケット54b及び軸受ブラケット54cを介し、可動ガイドロール54をその両端で回転自在に支持している。
【0035】
一対の送りナット54a、54aは、両者が同じ高さ位置で配設されている。従って、可動ガイドロール54は、固定ガイドロール52と平行に延在する状態となっている。そして、回転軸55が駆動モータMによって回転駆動させることにより、ボールねじ53、53が回転され、その回転方向に従って送りナット54a、54aが上下動し、それに従って可動ガイドロール54が上下動する。
【0036】
このような構成によるアキュムレータ50において、本実施例では、可動ガイドロール54の上下動経路の近傍に、可動ガイドロール54が所望の高さ位置に達したことを検出するための位置検出器65が設けられている(図4)。この位置検出器65は、例えば、近接スイッチ、リミットスイッチ等であって、可動ガイドロール54の速度を切り換える高さ位置に応じた位置に設置されており、可動ガイドロール54と共に上下動する支持ブラケット54b又は軸受ブラケット54c等に取付けられた検知片(図示せず)が位置検出器65の高さ位置に達したことを検出して検出信号を出力する。
【0037】
図5に示すのは、駆動モータMを駆動するための駆動装置の一例であって、駆動装置70は、駆動モータMを設定速度で回転駆動するための速度指令信号を出力する速度指令器71と、速度指令器71からの速度指令信号に基づいて駆動モータMを駆動するモータドライバ73とを備えてなる。さらに、速度指令器71には、速度指令器71に対し駆動モータMの駆動速度を設定する設定器75が付設されている。また、速度指令器71には、アキュムレータ50を作動させるための操作スイッチ67が接続されて該操作スイッチ67からの作動指令信号s1が入力される共に、上記の位置検出器65からの検出信号pが入力されるものとなっている。
【0038】
以上のようなアキュムレータ50を備えた経糸準備機械の作用は、以下の通りである。
【0039】
まず、巻取装置40が経糸シートTの送り出し速度に応じた巻き取り速度で巻取り動作を行っている経糸準備機械の運転中では、本発明によるアキュムレータ50は非作動状態におかれ、これに伴って可動ガイドロール54は、経糸シートTを挟んで固定ガイドロール52、52とは反対側(図示の例では、経糸シートTの下方)の、経糸シートTの直線状の走行を妨げない位置(待機位置)で待機状態となっている。
【0040】
巻き取りの進行に伴って巻取ビーム42が満巻状態となった場合、まず、巻取装置40を含め、経糸準備機械全体を停止させる。そして、巻取装置40を停止状態としたまま巻取ビーム42の交換作業が行われる。しかし、前述のように、送出側の糊付け装置20や乾燥装置30を巻取ビーム42の交換作業中に亘って停止状態とすると、経糸シートTにストップマークが形成されてしまう。そこで、一般的には、糊付け装置20及び乾燥装置30は、上記のように経糸準備機械を停止させた後、あまり時間をおかず、通常運転時よりも低い速度で運転を再開させることが行われる。
【0041】
この場合、送出側から経糸シートTが送り出されているにも関わらず、巻取装置40は停止状態(巻き取り速度が0)であるため、送出側の送り出し速度に対し巻き取り速度が低い状態となっており、しかも、その状態が巻取ビーム42の交換作業中に亘って続く。そのため、この巻取ビーム42の交換作業中は、送出側と巻取装置40との間に、連続的に増加する経糸シートTの弛みが生じ得る状況となっている。そこで、上記した送出側の運転再開に合せ、アキュムレータ50を作動させ、この連続的に増加する経糸シートTの弛み分をアキュムレータ50内で貯留状態とし、その弛み分を吸収して糸の張力低下を防止することが行われる。
【0042】
ここで、従来のように可動ガイドロール54を一定速で上昇させた場合、図6に示すように、固定ガイドロール52、52の経糸シートTとの接触点b−c間の糸長の増加分、すなわち、糸の貯留量の変化(増加分)は、単位時間毎(=可動ガイドロールの所定の移動量毎)でみると、移動過程初期の方が少ないものとなってしまう。なお、以下では、この単位時間(可動ガイドロールの所定の移動量)当りの糸の貯留量を「貯留速度」という。
【0043】
因みに、図6は、各ガイドロールの外径を150mmとし、図の(a)〜(f)は、可動ガイドロールがその外径(150mm)分だけ上昇した状態をそれぞれ示したものである。この図示の例では、移動過程初期、特に、移動開始から(c)で示す状態までにおいては、可動ガイドロールの150mmの上昇に対し、貯留量の増加分は、(a)〜(b)間では134.2mm、(b)〜(c)間では286.2mmとなっている。一方、図の(d)以降では、可動ガイドロールの150mmの移動に対しほぼ300mmずつ貯留量が増加するものとなっている。なお、図の(f)は、可動ガイドロールが800mm程度上昇した状態を示しているが、これは、可動ガイドロールの最上昇位置を示すものではなく、実際の装置では、可動ガイドロールを数m(例えば、2〜5m)上昇させる場合が一般的である。そして、(f)以降の上昇においても貯留速度はほぼ一定(300mm程度)の状態(定常状態)である。
【0044】
このように、移動過程初期における可動ガイドロールの貯留速度は、より移動開始位置に近い程、移動過程後半における貯留速度よりも小さいものとなっている。そのため、可動ガイドロールを一定速で上昇させた場合、経糸シートTが送出側から一定速で送り出される状況下では、経糸シートTの送り出し速度によっては糸に緩みが生じたり、あるいは糸が過張力の状態となったりして、糸切れが発生してしまう。
【0045】
これに対し、本発明によるアキュムレータ50では、上記のような糸の緩みや過張力を防止すべく、可動ガイドロール54を上昇させるための駆動モータMの回転速度を、移動開始時を含む移動過程初期に対し設定される回転速度の方が、それ以降の移動過程に対し設定される回転速度よりも速い速度となるように設定し、それに基づいて駆動モータMの駆動を行っている。なお、ここでいう「移動過程初期」とは、上記のように貯留速度がほぼ一定の状態(定常状態)となるまでの移動開始からの期間をいう。但し、本発明でいう移動過程初期は、これに限らず、例えば、経糸シートT内の糸に緩みが発生してもそれが糸切れを招く程度にならない範囲で、上記貯留速度が定常状態となる前までの期間として設定してもよい。
【0046】
そして、本実施例では、移動開始時から可動ガイドロール54が所定の高さ位置に達するまでの移動過程初期における駆動モータMの回転速度VH、及び上記所定の高さ位置以降で可動ガイドロール54を上昇させるための駆動モータMの回転速度VL(<VH)の2つの回転速度を設定し、この2つの設定速度に従って上記移動過程初期とそれ以降の移動過程とで回転速度を切り換えて駆動モータMを駆動するものとしている。
【0047】
なお、巻取装置40の停止時における送出側(乾燥装置30側)からの経糸シートTの送り出し速度は、経糸準備機械に予め設定された低速運転用の速度である。本実施例では、上記の回転速度VLは、この送出側からの経糸シートTの送り出し速度に応じた速度とすればよい。詳しくは、所定の単位時間毎について、可動ガイドロール54の上昇に伴う上記経糸シートTの貯留速度が、送出側から送り出される経糸シートTの送出量とほぼ一致するような可動ガイドロール54の上昇速度を設定し、この上昇速度が得られる駆動モータMの回転速度として上記回転速度VLを決定すればよい。
【0048】
また、上記の回転速度VH及び回転速度を切り換える可動ガイドロール54の高さ位置は、実際の可動ガイドロール54の上昇に伴う経糸シートTの貯留量の変化を解析し、それに基づいて設定すればよい。具体的には、回転速度を切り換える可動ガイドロール54の高さ位置は、例えば、可動ガイドロール54を一定速度で上昇させた状態で所定の移動量毎に上記貯留速度を確認していき、どの高さ位置まで上昇すれば貯留速度が定常状態となるかを求め、それに基づいて設定すればよい。
【0049】
また、上記回転速度VHは、上記で設定された高さ位置までの可動ガイドロール54の移動に伴う経糸シートTの貯留量とその間に送出側からの経糸シートTの送出速度(送出量)とに基づいて可動ガイドロール54の上昇速度を設定し、それに基づいて決定すればよい。因みに、この回転速度VHについては、その回転速度VHに応じた上昇速度で可動ガイドロール54が移動して上記で設定された高さ位置に達するまでの間(すなわち、設定された移動過程初期)に送出側から送り出される経糸シートTの送出量とその間で貯留される経糸シートTの貯留量とが一致するような回転速度に設定すればよいが、必ずしもその様な回転速度での設定に限らず、上記の設定された移動過程初期の間における上記送出量が、その間の貯留量よりも多い又は少ない場合であっても、それに伴う糸の緩みや張力上昇が糸切れを起こさない程度のものであれば、設定される回転速度は、上記回転速度よりも低い又は高い回転速度であってもよい。
【0050】
なお、可動ガイドロール54の移動に伴う各高さ位置毎の経糸シートTの貯留速度は、固定ガイドロール52、52間の距離や各ガイドロールの径に影響される。そのため、これらに基づき、上記の回転速度を切り換える高さ位置や回転速度VHを、演算等よって求めることも可能である。
【0051】
上記のようにして決定された回転速度VH及びVLは、設定器75を介して速度指令器71に対し入力されて記憶設定される。また、上記のようにして求められた回転速度を切り換える可動ガイドロール54の高さ位置に基づき、位置検出器65を、その高さ位置に応じた位置に設置する。
【0052】
前述の巻取ビーム42が満巻状態となることに伴う経糸準備機械の停止後、作業者によって操作スイッチ67が操作されると、駆動装置70における速度指令器71に対し作動指令信号s1が与えられる。速度指令器71は、この作動指令信号s1の入力に伴い、モータドライバ73に対し、上記の回転速度VHに応じた速度指令信号を出力する。また、上記の作動指令信号s1は、糊付け装置20及び乾燥装置30を駆動するための駆動装置(図示せず)にも供給される。そして、この糊付け装置20及び乾燥装置30の駆動装置は、作動指令信号s1の入力に伴い、予め設定された低速度による糊付け装置20及び乾燥装置30の運転を開始する。
【0053】
従って、作業者が操作スイッチ67を操作することにより、糊付け装置20及び乾燥装置30の運転が開始されて乾燥装置30から巻取装置40側への低速での経糸シートTの送り出しが開始されると共に、モータドライバ73による駆動モータMの回転速度VHでの駆動が開始され、可動ガイドロール54が回転速度VHに応じた速度で上昇を開始する。但し、巻取装置40は停止状態を維持しており、その状態で作業者による巻取ビーム42の交換作業が行われる。
【0054】
可動ガイドロール54が上昇し、位置検出器65の位置に対応する高さ位置に達すると、それが位置検出器65によって検出され、その検出信号pが速度指令器71へ送られる。速度指令器71は、位置検出器65からの検出信号pを受け、モータドライバ73に対して出力する速度指令信号を、回転速度VHに応じたものから回転速度VLに応じたものへ切り換える。従って、駆動モータMは、位置検出器65によって検出された高さ位置以降は、回転速度VLで駆動され、可動ガイドロール54は、その回転速度VLに応じた速度で上昇をする。
【0055】
その後、作業者は、巻取ビーム42の交換作業を終了した時点で、停止スイッチ68を操作する。これにより、速度指令器71並びに糊付け装置20及び乾燥装置30の駆動装置に対し停止指令信号s2が与えられ、駆動モータMが停止して可動ガイドロール54の上昇が停止すると共に、糊付け装置20及び乾燥装置30が停止して経糸シートTの送り出しが停止される。次いで、作業者により経糸準備機械の運転スイッチ69が操作されると、巻取装置40も含め、経糸準備機械の運転が再開される。
【0056】
また、運転スイッチ69の操作に伴い、速度指令器71に対し、駆動モータMを逆転駆動を指令する信号s0が出力され、それによって駆動モータMは、設定された所定の回転速度で逆転駆動される。そして、この駆動モータMの逆転駆動に伴い、可動ガイドロール54が下降を開始する。なお、可動ガイドロール54の下降に伴って経糸シートTの張力が低下する傾向となるが、それに応じて巻取装置40による巻き取り速度が上昇するため、前述の分割領域Dにおける分割等に影響を及ぼす程度まで経糸シートTが緩むことはない。そして、可動ガイドロール54の下降に伴ってアキュムレータ50における経糸シートTの貯留状態が次第に解消されていき、可動ガイドロール54が前述の待機位置に達した時点で駆動モータMの駆動が停止される。
【0057】
以上のように、上記アキュムレータ50を備えた経糸準備機械においては、送出側から経糸シートTが送り出されている状態で巻取装置40が停止することにより発生する経糸シートTの弛みを吸収するためのアキュムレータ50において、その可動ガイドロール54の駆動を、貯留速度が低い移動過程初期では、可動ガイドロール54の移動速度をより速い速度として経糸シートTの張力低下を防止し、それ以降の移動過程においては、送出側からの送り出し速度に応じた移動速度で可動ガイドロール54を移動させ、経糸シートTにおける糸が過張力状態となることを防止している。従って、経糸シートTにおける糸が、その緩みや過張力によって糸切れを起こすことを有効に防止することができる。
【0058】
なお、以上で説明した実施例では、可動ガイドロール54の待機位置を経糸シートTの下方とし、巻取装置の停止に伴って発生する糸の弛みを吸収するための可動ガイドロール54の移動を上方に向けたものとしたが、これに限らず、可動ガイドロール54は、待機位置が経糸シートTの上方(この場合、固定ガイドロール52、52は経糸シートTの下方に固定配置)であって、糸の弛みを吸収するにあたり下方へ移動するものであってもよい。
【0059】
また、前述の実施例では、可動ガイドロール54の移動速度を二段階に変更するものとしたが、これに代えて、三段階以上に変更するものとしてもよい。特に、上記の移動過程初期では、可動ガイドロール54の移動に伴う貯留速度は、その移動に伴って次第に変化するため、この移動過程初期については、移動開始側ほど速い複数の移動速度を設定し、その移動過程初期の範囲内でも移動速度(速度指令)が切り換えられるようにしてもよい。
【0060】
なお、上記のように移動速度を多段階で切り換える場合には、前述の実施例のように、可動ガイドロール54が所定の位置に達したことを検出する位置検出器65からの検出信号に基づいて速度指令を切り換えるものとすると、複数の位置検出器65を設置する必要がある。従って、この場合は、ポテンショメータ等によって可動ガイドロール54の位置を随時検出し、その検出された位置が、各移動速度に応じて設定された位置と一致した時点で速度指令を切り換えるようにしてもよい。また、可動ガイドロール54の位置を検出して速度指令を切り換えるものに代えて、例えば、駆動モータMの回転量や駆動開始からの時間に応じて速度指令を切り換えることも可能である。
【0061】
さらに、上記のように段階的に移動速度を切り換えるものに限らず、連続的に可動ガイドロール54の移動速度が変化するように駆動モータMを駆動するものとしてもよい。この場合は、移動開始時の速度と上記貯留速度がほぼ定常状態に達した時点以降の速度とを設定し、この両設定速度間を結ぶような速度パターン(例えば、等加速度(負の加速度)で速度が減少する速度パターン)を設定し、それに基づいて駆動モータMの駆動を制御すればよい。
【0062】
このように、本発明は、少なくとも移動開始時の移動速度と上記貯貯留速度がほぼ定常状態に達した時点以降の移動速度であって上記移動開始時の移動速度よりも遅い速度とを設定し、この移動速度が実現されるように可動ガイドロールを駆動するものであればよく、移動開始時点と上記定常状態に達した時点の間における可動ガイドロールの駆動は、任意に設定した速度変化態様(速度が変化しない場合も含む)に従って行うものとすればよい。
【0063】
また、本発明におけるアキュムレータは、前述の実施例のような専用の駆動モータMを駆動源とするものに限らず、無段階変速機を介して乾燥装置等の駆動源と連結したものであってもよい。
【0064】
また、本発明が適用される経糸準備機械は、前述の実施例のような糊付け装置及び乾燥装置を備えたものに限らず、多数本の糸がシート状に巻き付けられた糸ビーム、もしくは多数の給糸体が備えられられて糸がシート状に引き出される給糸装置と、この給糸装置から引き出される糸シートを積極的に送り出す送出機構と、この送出機構から送り出される糸シートを巻取ビームに巻き取る巻取装置とを備えたものであれば、どのような形式のものであってもよい。
【0065】
さらには、本発明は上記のいずれの実施形態にも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々に変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明が適用される経糸準備機械の一例を示す概略模式図。
【図2】本発明の一実施形態におけるアキュムレータを示す側面及び正面図。
【図3】本発明の一実施形態におけるアキュムレータの要部を示す側面及び正面図。
【図4】本発明の一実施形態におけるアキュムレータの要部を示す概略模式図。
【図5】本発明のの一実施形態におけるアキュムレータの駆動装置を示すブロック図。
【図6】従来の装置による動作を示す動作説明図。
【図7】従来の技術を説明するための概略模式図。
【符号の説明】
【0067】
10 給糸装置
12 経糸ビーム
20 糊付け装置
21 イマーションロール
22、24 サイジングロール
23、25 スクイズロール
30 乾燥装置
32、34、36 乾燥シリンダ
40 巻取装置
41 プッシングロール
42 巻取ビーム
43 テークアップロール
45 ダンサロール
50 アキュムレータ
51 フレーム
52 固定ガイドロール
53 ボールねじ
54 可動ガイドロール
55 回転軸
65 位置検出器
67 操作スイッチ
68 停止スイッチ
69 運転スイッチ
70 駆動装置
71 速度指令器
73 モータドライバ
75 設定器
M 駆動モータ
T 経糸シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給糸装置からシート状で送り出される多数本の糸を巻取ビームに巻き取る巻取装置と、前記糸を送り出す速度に対し前記巻取装置による巻き取り速度が低くなることに伴って発生する前記糸の弛みを吸収するためのアキュムレータであって固定配置された2本の固定ガイドロール及び該固定ガイドロール間を移動する可動ガイドロールによって前記糸を屈曲状態として貯留するアキュムレータと、を備えた経糸準備機械において、
前記可動ガイドロールは、巻取装置の通常運転時には、前記糸の直線状の移動を妨げない位置に配置されており、
前記巻き取り速度の低下に伴って次第に増加する前記糸の弛みを吸収すべく前記可動ガイドロールを一方向へ移動させる過程において、移動過程初期における移動速度が移動過程後半における移動速度よりも早い速度となるような速度設定に従って前記可動ガイドロールを駆動する、
ことを特徴とする経糸準備機械におけるアキュムレータの駆動方法。
【請求項2】
前記速度設定は、多段階に速度を変化させるべく、2以上の移動速度が設定されているものである、
ことを特徴とする請求項1に記載の経糸準備機械におけるアキュムレータの駆動方法。
【請求項3】
前記アキュムレータには、可動ガイドロールの位置を検出する位置検出器が付設されており、
前記位置検出器の検出信号に基づいて前記可動ガイドロールの駆動に用いられる設定速度を変更する、
ことを特徴とする請求項2に記載の経糸準備機械におけるアキュムレータの駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−81905(P2008−81905A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−266510(P2006−266510)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000215109)津田駒工業株式会社 (226)
【Fターム(参考)】