説明

給湯システム

【課題】 貯湯タンクとミキシングバルブと補助熱源を有する給湯システムにおいて、大きなアンダーシュートの発生を回避することができるとともに、貯湯タンクに湯が長期に滞留するのを回避する。
【解決手段】 排熱回収給湯システムは、排熱源11と、熱交換器12と、貯湯タンク20と、貯湯タンク20からの湯と給水路50の水とを混合するミキシングバルブ30と、ガス給湯器40(補助熱源)とを備えている。貯湯タンク20の頂端から所定距離下方の位置に、タンク温度センサ86が設けられている。制御手段70は、タンク温度センサ86を用いて貯湯タンク20内の中間遷移層Wbを残すように出湯温度制御を行ない、アンダーシュートを回避する。また、三方弁90の切り替え制御により、貯湯タンク20の側部らの水を熱交換器12に供給して中間遷移層Wbの滞留を回避することができる。タンク温度センサ86の検出温度が閾値まで上昇した時には、三方弁90を切り替えて貯湯タンク20の底部からの水を熱交換器12に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば燃料電池,ガスエンジン,ソーラー等の排熱源(熱発生源)で生じる熱を給湯用の熱エネルギーとして利用する給湯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭や小規模事業所等のためのコジェネレーションシステムとして排熱回収給湯システムが開発されている。このシステムは、燃料電池,ガスエンジン,ソーラー等の小型発電機で電力を発生させるとともに、この発電機で発生した排熱を回収して給湯に供給するため、エネルギーを有効利用することができるものであり、普及が期待されている。
【0003】
特許文献1に示すように、排熱源と、熱交換器と、貯湯タンクと、ミキシングバルブと、補助熱源と、これらミキシングバルブと補助熱源を制御する制御手段とを備えている排熱回収給湯システムは公知である。また、特許文献1と同じ構成要素を備えているが、ミキシングバルブと補助熱源の配置が異なる給湯システムも公知である。以下、この後者の給湯システムについて詳述する。
【0004】
上記公知の給湯システムは、排熱源(熱発生源)からの熱を熱交換器が受け、貯湯タンクの底部からの水をこの熱交換器で加熱し、貯湯タンクの頂部へと供給するようになっている。貯湯タンクの底部には給水路の下流端が接続され、貯湯タンクに給水圧力を付与している。貯湯タンクの頂部には給湯路の上流端が接続されており、給湯路の下流端に設けられた給湯栓をあけると、貯湯タンクの湯が出湯されるようになっている。上記給湯路の中途部には、貯湯タンクからの湯と上記給水路の水とを混合するミキシングバルブと、その下流側のガス給湯器(補助熱源)が設けられている。制御手段は、ミキシングバルブとガス給湯器を制御して設定温度の湯を出湯させるようになっている。
【0005】
上記公知の給湯システムの作用を説明する。上記貯湯タンク内では殆ど対流がなく、同一温度の湯が層をなし、頂部から底部に向かって低くなる温度勾配をなしている。より詳しくは、図5に示すように、大別して上側の高温層Waと中間の遷移層Wbと下側の低温層Wcとを有している。高温層Waは、熱交換器からの湯温がほぼ一定のため、一定の温度Ta(例えば60℃)に維持されている。また、低温層Wcの温度Tcは給水温度(例えば15°C)と同じである。中間遷移層Wbは、温度TaからTcまでの急な温度勾配を有している。
【0006】
上記制御手段は排熱の有効活用を図るため、基本的にはミキシングバルブを制御してその混合温度を設定温度にし、ガス給湯器を停止させておく。ミキシングバルブの制御だけでは出湯温度を設定温度にできない状況では、ガス給湯器の燃焼を実行して出湯温度を設定温度に維持する。以下、詳述する。
【0007】
貯湯タンクの頂部に高温層Waの湯がある時には、図6に示すように、貯湯タンクからミキシングバルブに供給される湯の温度Tin(以下、入側温度と称す。)は、高温Taとなっている。この時、ミキシングバルブにより貯湯タンクからの湯と給水路からの水とが混合され、ミキシングバルブから出る混合湯の温度Tmix(以下、出側温度ないしは混合温度と称す)が設定温度Tsに維持される。上述したように、高温層Waはほぼ一定の温度Taであり、給水温度Tcも安定しているので、貯湯タンクからの湯の割合は、ほぼ一定に維持される。図6における時点t1’以前の期間参照。
【0008】
なお、ここで用いられるミキシングバルブにおいて、タンク側開度と給水側の開度は一方が増大する時には他方が減少するようになっており、タンク側開度は上記貯湯タンクからの湯の割合と一対一の対応関係にある。タンク側開度が全開のときには、給水側開度が全閉となり、貯湯タンク側の湯の割合が100%で、給水側の水の割合が0%となる。また、タンク側開度が全閉のときには給水側開度が全開となり、貯湯タンク側の湯の割合が0%で給水側の水の割合が100%となる。後述する本発明の実施形態で用いられるミキシングバルブも同様である。
【0009】
貯湯タンクに高温層Waの湯がなくなった時(時点t1’)から、中間遷移層Wbの湯がミキシングバルブに供給される。したがって、入側温度Tinは低下を開始し、これに応じてミキシングバルブは混合温度Tmixを設定温度Tsに維持するためにタンク側開度を増大させる。図6における時点t1’〜t2’の期間参照.
【0010】
上記入側温度Tinが低下して、閾値(例えば設定温度Tsより所定温度分例えば2℃だけ高い温度)に達した時点t2’で、ミキシングバルブのタンク側開度を急速に減じ、これと同時にガス給湯器を点火して燃焼を開始する。ガス給湯器は、安定した燃焼を確保するため最小限の供給熱量以上でしか燃焼を継続できないが、この最小限の燃焼を実行する。ミキシングバルブのタンク側開度は、上記ガス給湯器での最小限の供給熱量を考慮して、決定される。すなわち、最小限の供給熱量をQminとしたとき、混合温度Tmixが次式を満足するように開度が決定される。
Tmix=Ts−Qmin/F …(1)
ただし、Fは給湯器を流れる流量である。
したがって、上記点火時点T2’で、混合温度Tmixは設定温度Tinより温度差ΔT=Qmin/Fだけ低下する。この温度差ΔTはガス給湯器の最小限の燃焼により得られる温度上昇分に相当する。
【0011】
上記点火時点t2’以降、ミキシングバルブの開度制御により混合温度Tmixは設定温度Tsより温度差ΔTだけ低い温度に維持される。このようにガス給湯器に入る湯の温度すなわち混合温度Tmixが安定しているので、ガス給湯器の燃焼による出湯温度制御を安定して行なうことができる。
【0012】
上記のように、点火時点t2’以降では、ガス給湯器が上記最小限の熱量で燃焼を実行している状態で、ミキシングバルブは、上記式(1)で求められる混合温度Tmixを維持するように制御される。式(1)の混合温度Tmixは給湯栓を操作したり設定温度Tsを変えないかぎり一定であるから、上述したように入側温度Tinが低下している状況ではミキシングバルブのタンク側開度が増大していく。図6の時点t2’〜t3’の期間参照。
【0013】
さらに出湯を続けると、上記式(1)を満足するためにミキシングバルブのタンク側開度が増大し続け、時点t3’で全開に達し、それ以降は、ミキシングバルブのタンク側開度が全開に維持される。入側温度Tinは、貯湯タンク内の中間遷移層Wbの温度勾配に応じて急激に低下するが、上記のようにミキシングバルブのタンク側開度が全開になると、この温度低下が緩和されることなく、そのまま混合温度Tmixとなって現れる。そのため、ガス給湯器では最小限の供給熱量から、供給熱量を急激に増大させて入側温度Tinの急激な温度低下を補償し、出湯温度を設定温度Tsに維持しようとする。さらに出湯を続けると、入側温度Tinは給水温度Tcと一致し、ほぼ一定となる。この状況ではミキシングバルブのタンク側開度が全開のまま維持され、ガス給湯器の供給熱量もほぼ一定となる。
【特許文献1】特開2002−364918号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、上記公知の給湯システムでは、ミキシングバルブのタンク側開度が全開となっった時点t3’から混合温度Tmixすなわちガス給湯器に入る湯の温度が急速に低下するため、ガス給湯器がこれに対応して供給熱量を増大させても間に合わず、大きなアンダーシュートが生じる欠点があった。図6のt3’以降の出湯温度参照。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、
(a)熱発生源と、
(b)上記熱発生源からの熱を受ける熱交換器と、
(c)貯湯タンクと、
(d)上記貯湯タンクから熱交換器を経て貯湯タンクの頂部へと水を循環させる循環路と、
(e)下流端が上記貯湯タンクの底部に接続された給水路と、
(f)上流端が上記貯湯タンクの頂部に接続された給湯路と、
(g)上記給湯路の中途部に設けられ、上記貯湯タンクからの湯と上記給水路の水とを混合するミキシングバルブと、
(h)上記給湯路において上記ミキシングバルブの下流側に設けられた補助熱源と、
(i)上記ミキシングバルブと補助熱源を制御することにより、上記給湯路の下流端から設定温度の湯を出湯させる制御手段と、
を備えた給湯システムにおいて、
上記循環路は上記貯湯タンクの底部から熱交換器へ向かう第1分岐路とこれより上方の貯湯タンクの側部から熱交換器へ向かう第2分岐路に分岐され、これら第1,第2の分岐路の交差部に切替弁手段が設けられ、
上記貯湯タンク内には熱交換器からの高温の湯からなる高温層と給水温度の水からなる低温層と温度勾配を有する中間遷移層とが貯えられるようになっており、
上記制御手段は、中間遷移層の湯を貯湯タンクに残すように上記ミキシングバルブと補助熱源を制御することにより、出湯温度を設定温度に維持し、
さらに制御手段は、上記切替弁手段を、通常時には上記貯湯タンクの底部からの水だけを熱交換器を第1分岐路を介して熱交換器に供給する第1の状態にし、必要に応じて、少なくとも上記貯湯タンクの側部からの湯ないしは水を第2分岐路を介して熱交換器に供給する第2の状態にすることを特徴とする。
【0016】
上記構成では、中間遷移層の湯がミキシングバルブに供給されずに貯湯タンクに残るように制御することにより、ミキシングバルブからの混合湯の急激な低下を防ぎ、出湯温度のアンダーシュートを回避することができる。
上記制御において熱交換器からの高温の湯が貯湯タンクの頂部に補充されると、上記中間遷移層は下方に移動する。再出湯時にはこの高温の湯だけミキシングバルブへ供給され、中間遷移層が残ることになる。この繰り返しにより中間遷移層の湯が貯湯タンクに長期にわたって滞留する可能性がある。そこで、切替弁手段を作動させて、貯湯タンクの側部からの湯ないしは水を熱交換器に供給して貯湯タンクの頂部に移動させる。これにより、中間遷移層が長期にわたって貯湯タンク内に滞留するのを回避することができる。
【0017】
さらに本発明は、
(a)熱発生源と、
(b)上記熱発生源からの熱を受ける熱交換器と、
(c)貯湯タンクと、
(d)上記貯湯タンクから熱交換器を経て貯湯タンクの頂部へと水を循環させる循環路と、
(e)下流端が上記貯湯タンクの底部に接続された給水路と、
(f)上流端が上記貯湯タンクの頂部に接続された給湯路と、
(g)上記給湯路の中途部に設けられ、上記貯湯タンクからの湯と上記給水路の水とを混合するミキシングバルブと、
(h)上記給湯路において上記ミキシングバルブの下流側に設けられた補助熱源と、
(i)上記ミキシングバルブと補助熱源を制御することにより、上記給湯路の下流端から設定温度の湯を出湯させる制御手段と、
を備えた給湯システムにおいて、
上記貯湯タンクの頂端から所定距離下方の位置に、貯湯タンク内の湯温を測定するタンク温度センサが設けられ、上記循環路は上記貯湯タンクの底部から熱交換器へ向かう第1分岐路とこれより上方の貯湯タンクの側部から熱交換器へ向かう第2分岐路に分岐され、これら第1,第2の分岐路の交差部に切替弁手段が設けられ、
上記制御手段は、
(ア)上記タンク温度センサの検出温度が閾値より上回っている状況では、補助熱源を停止したままミキシングバルブを制御することにより、ミキシングバルブからの混合湯の温度を設定温度に維持し、
(イ)上記検出温度が低下して閾値に達した時には、最小限の熱量を供給するように補助熱源の作動を開始するとともに、この最小限の熱量供給に対応して貯湯タンクからの湯の割合を減じるようにミキシングバルブを制御することにより、出湯温度を設定温度に維持し、
(ウ)上記ミキシングバルブによる貯湯タンクからの湯の割合を、上記補助熱源の作動開始時に減じた値から、徐々に減じて実質的にゼロにし、この過程で生じるミキシングバルブからの混合湯の温度の低下を補助熱源の供給熱量の増大により補償して、出湯温度を設定温度に維持し、
(エ)上記切替弁手段を、通常時には上記貯湯タンクの底部からの水だけを第1分岐路を介して熱交換器に供給する第1の状態にし、上記ミキシングバルブで貯湯タンクからの湯の割合を実質的にゼロにした後では、少なくとも上記貯湯タンクからの湯ないしは水を第2分岐路を介して熱交換器に供給する第2の状態にすることを特徴とする。
【0018】
上記構成では、補助熱源の作動開始後に、混合バルブによる貯湯タンクからの湯の割合を徐々に減じ、ミキシングバルブからの湯の温度を徐々に給水温度に近づけ,補助熱源での供給熱量は徐々に増大して、ミキシングバルブからの湯の温度の低下を補償することにより、出湯温度を設定温度に維持する。このようにすれば、公知の給湯システムのようにミキシングバルブが貯湯タンクからの湯の割合を100%にした後に生じる混合湯の温度の急激な低下が生じず、出湯温度に大きなアンダーシュートが生じるのを回避することができる。
上記の制御では、中間遷移層の湯がミキシングバルブに供給されずに貯湯タンクに残る。熱交換器からの高温の湯が貯湯タンクの頂部に補充されると、この中間遷移層は下方に移動する。再出湯時にはこの高温の湯だけミキシングバルブへ供給され、中間遷移層が残ることになる。この繰り返しにより中間遷移層の湯が貯湯タンクに長期にわたって滞留する可能性がある。そこで、上記のようにミキシングバルブにより貯湯タンクからの湯の割合を実質的にゼロにした後では、切替弁手段を作動させて貯湯タンクの側部の湯ないしは水を熱交換器に供給して貯湯タンクの頂部に移動させる。これにより、中間遷移層が長期にわたって貯湯タンク内に滞留するのを回避することができる。
【0019】
好ましくは、上記の貯湯タンクからの湯の割合を徐々に減じる制御は、混合湯の温度を管理してこの混合湯の温度を時間の経過にしたがって徐々に下げるミキシングバルブの制御である。これにより、出湯量の影響を受けずに混合湯の温度すなわち補助熱源に供給される湯の温度を管理できるため、補助熱源による供給熱量の安定した制御を確保でき、ひいては出湯温度をより一層安定化することができる。
好ましくは、上記制御手段は、上記ミキシングバルブによる貯湯タンクの湯の割合を補助熱源の作動開始時点で減じた後、混合湯の温度を一定に維持するようにミキシングバルブを制御し、この混合湯の温度が上記タンク温度センサの検出温度と一致した時から、混合湯の温度を徐々に下げるようにミキシングバルブを制御する。これにより、補助熱源の作動開始直後における補助熱源の安定した制御を確保でき、出湯温度をより一層安定させることができる。
好ましくは、上記給湯路において上記ミキシングバルブの上流側に電磁開閉弁が設けられ、上記制御手段は、上記ミキシングバルブが貯湯タンクからの湯の割合を実質的にゼロにした時に、上記電磁開閉弁を閉じる。これにより、貯湯タンクから補助熱源への湯の供給を確実に遮断することができる。
【0020】
一の態様では、上記切替弁手段が三方弁であり、上記第2の状態が、上記貯湯タンクの側部の湯ないし水だけを第2分岐路を介して熱交換器に供給する状態である。この場合には、中間遷移層の高温層への置換を迅速に行なうことができる。
他の態様では、上記切替弁手段が他のミキシングバルブであり、上記第2の状態が、上記貯湯タンクの底部および側部の湯ないしは水を、上記第1,第2の分岐路の両方を介して熱交換器に供給する。この場合には、上記中間遷移層の置換を行なうとともに、貯湯タンクの湯をミキシングバルブへ供給可能な状態に早く到達させることができ、熱交換器からの熱エネルギーを有効に活用できる。
【0021】
好ましくは、上記タンク温度センサでの検出温度が上記閾値を上回ったときに、上記制御手段は上記切替弁手段を上記第2の状態から上記第1の状態に復帰させる。これにより、中間遷移層の置換が十分に行なわれたことを検知でき、貯湯タンクの底部からの水を熱交換器を経て貯湯タンクに供給する状態に切り替えて、熱交換器からの熱エネルギーを効率良く回収できる。
好ましくは、上記熱発生源が排熱源であり、上記補助熱源がガス給湯器である。これにより、熱エネルギーを有効に利用することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、貯湯タンクからの湯と給水路の水とを混合するミキシングバルブとその下流側の補助熱源を有する給湯システムにおいて、出湯温度に大きなアンダーシュートが発生するのを回避することができる。しかも、貯湯タンク内で滞留層が長期にわたって残るのを回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の第1実施形態について図1,図2を参照しながら説明する。図1に示すように、給湯システムは、燃料電池等の発電機10と、貯湯タンク20と、ミキシングバルブ30とガス給湯器40(補助熱源)とを主たる構成要素として備えている。
【0024】
上記発電機10は、ハウジング10a内に、排熱源11(熱発生源)と、熱交換器12と、熱媒体循環路13と、2台のポンプ14,15とを備えてユニット化されている。熱媒体循環路13は排熱源11と熱交換器12とを通っており、この熱媒体循環路13に設けられたポンプ14の駆動により熱媒体(例えば水)が排熱源11と熱交換器12との間を循環するようになっている。
【0025】
上記貯湯タンク20の底壁20a(底端)と頂壁20b(頂端)との間には、水循環路25が接続されている。この水循環路25は上記熱交換器12を通っており、この水循環路25に設けられた上記ポンプ15の駆動により、貯湯タンク20の底端20aの水が熱交換器12を通り、この過程で熱交換器12を流れる熱媒体からの熱を受けて湯となり、貯湯タンク20の頂端20bに供給されるようになっている。なお、本明細書で貯湯タンク20の底部とは底壁20aまたはその近傍部を言い、頂部とは頂壁20bまたはその近傍部を言う。
【0026】
前述したように上記貯湯タンク20内では殆ど対流がなく、上側の高温層Waと中間の遷移層Wbと下側の低温層Wcとを有している。高温層Waは、熱交換器12からの湯温がほぼ一定のため、一定の温度Ta(例えば60℃)に維持されている。また、低温層Wcの温度Tcは給水温度(例えば15°C)と同じである。中間遷移層Wbは、温度TaからTcまでの急な温度勾配を有している。
【0027】
上記貯湯タンク20の底壁20aには給水路50の下流端が接続され、常時給水圧力が加わるようになっている。また、貯湯タンク20の頂壁20bには給湯路60の上流端が接続されており、この給湯路60の下流端には給湯栓61が設けられている。この給湯栓61を開くと、貯湯タンク20に貯えられていた湯が上記給水圧力を受けて給湯栓61から出湯するようになっている。
【0028】
上記給湯路60には上流側から下流側に向かって順に上記ミキシングバルブ30と給湯器40が設けられている。ミキシングバルブ30は、貯湯タンク20から給湯路60を経た湯と、給水路50の分岐部51からの水との混合割合を調節するものである。給湯路60においてミキシングバルブ30の上流側には電磁開閉弁35が設けられている。
【0029】
上記ガス給湯器40は、ガス燃焼部41と、その上に位置する熱交換器42を有しており、熱交換器42を上記給湯路60が通っており、給湯路60の湯または水が熱交換器42を通過する際にガス燃焼部41での燃焼熱を受けるようになっている。
【0030】
給湯システムは、さらに制御ユニット70(制御手段)と種々のセンサを有している。詳述すると、ミキシングバルブ30の上流側で電磁開閉弁35の下流側には、貯湯タンク20からミキシングバルブ30に入る湯の温度を検出する入側温度センサ81が設けられている。また、ミキシングバルブ30の上流側に位置する給水路50の分岐部51には、給水温度を検出する給水温度センサ82が設けられている。
【0031】
給湯路60においてミキシングバルブ30の下流側でガス給湯器40の上流側には、ミキシングバルブ30で混合された湯の温度を検出する混合温度センサ83が設けられている。給湯路60にはガス給湯器40の熱交換器42の下流側に位置する出湯温度センサ84が設けられている。さらに、給湯路60には、ミキシングバルブ30とガス給湯器40との間において、流量を検出するためのフローセンサ85が設けられている。
【0032】
上述の構成は、公知の給湯システムとほぼ等しい。本実施形態では、新規に貯湯タンク20の頂部の側壁にタンク温度センサ86を設けている。このタンク温度センサ86は、貯湯タンク20の頂壁20bから所定距離Dだけ下方に位置する貯湯タンク20内の湯の温度を検出するものである。この距離Dは、センサ86の設置位置と頂壁20bとの間で例えば10リットル程度の湯が貯えられるように設定する。
【0033】
上記循環路25は、貯湯タンク20から熱交換器12に向かう経路が2股に分岐しており、第1分岐路25aが前述したように貯湯タンク20の底端20aに接続され、第2分岐路25bが貯湯タンク20の側壁に中間高さの位置で接続されている。この第2分岐路25bの接続位置は、第1分岐路25aの接続位置および底端20aから上下方向に十分離れていればよい。好ましくは、上記タンク温度センサ86より所定距離下方で、貯湯タンク20の中央より高い位置にある。
【0034】
上記第1,第2の分岐路25a,25bの交差部に電磁三方弁90が設けられている。この三方弁90は、貯湯タンク20の底部からの水だけを第1分岐路25aを介して熱交換器12に供給する第1の状態と、貯湯タンク20の側部からの湯ないしは水だけを第2分岐路25bを介して熱交換器12に供給する第2の状態とに切り替え可能である。
【0035】
上記制御ユニット70は、上記センサ81〜86の検出情報に基づいて、給湯栓61からの出湯温度がユーザーによる設定温度になるように、ミキシングバルブ30と、開閉弁35と、ガス給湯器40の制御を行なう。以下、詳述する。
【0036】
ミキシングバルブ30は、出湯停止時にタンク側開度を全閉で給水側を全開にし、この状態で待機している。給湯栓61を開けると、フローセンサ85でこれを検出し、制御ユニット70は、この検出信号に応答してタンク温度センサ86での検出温度Tdが閾値以上か未満かを判断する。なお、閾値は設定温度より所定温度分例えば2℃高い温度に設定されている。この閾値は通常、中間遷移層Wbの温度範囲内にある。
【0037】
制御ユニット70は、検出温度Tdが閾値以上であると判断したときには、第1の制御ルーチンを実行する。この場合、タンク温度センサ86は貯湯タンク20の頂壁20bより距離Dだけ下方に位置しているので、頂壁20bでの湯の温度は、閾値以上である。通常は貯湯タンク20の頂部に高温層Waの湯が蓄えられている。検出温度が高温層Waの湯の温度Taである場合を例にとり、第1制御ルーチンについて図3を参照しながら説明する。
【0038】
ガス給湯器30は停止状態を維持される。ミキシングバルブ30は、貯湯タンク20からの湯と給水路50からの水を混合して、混合温度Tmixが設定温度Tsになるように制御を行なう。詳述すると、入側温度センサ81で検出される貯湯タンク20の湯の温度Tinと、給水温度センサ82で検出される給水温度Tcと、フローセンサ85で検出される流量と,設定温度Tsに基づき、フィードフォワード制御を行なうとともに、混合温度センサ83で検出される混合温度Tmixと設定温度Tsに基づいてフィードバック制御を行なう。したがって、ミキシングバルブ30により設定温度Tsとなった混合湯はガス給湯器30で加熱されずに給湯栓61から出湯される。なお、高温層Waの湯温Taはほぼ一定であるから、設定温度Tsが変化せず出湯量も変化しない限り、ミキシングバルブ30での混合割合はほぼ一定である。図3の時点t1以前の期間参照。
【0039】
貯湯タンク20の湯が消費され続けると、やがて中間遷移層Wbがタンク温度センサ86に達するため、このタンク温度センサ86による検出温度Tdが低下し始める。ただし、タンク温度センサ86は貯湯タンク20の頂端20bより所定距離D下方に位置しているので、貯湯タンク20から出る湯の温度すなわちミキシングバルブ30に入る湯の温度Tin(入側温度)はまだ高温Taを維持されている。
【0040】
上記タンク温度センサ86の検出温度Tdがさらに低下して閾値に達した時点t1で、ガス給湯器40を点火して最小限の供給熱量Qminを湯に供給するとともに、ミキシングバルブ30のタンク側開度を急速に減じる。ミキシングバルブ30のタンク側開度は、混合温度Tmixが前述した式(1)を満足するように決定される。したがって、上記点火時点t1で、混合温度Tmixは設定温度Tsより温度差ΔT=Qmin/Fだけ低下する。
【0041】
点火時点t1で急低下した混合温度Tmixは、そのまま、すなわち設定温度Tsより温度差ΔTだけ低い温度のまま一定に維持され、上記検出温度Tdが混合温度Tmixに達するまで継続される。この時のミキシングバルブ30の制御は、前述したと同様にフィードフォワード制御とフィードバック制御により実行される。なお、タンク温度センサ86が頂壁20bより所定距離Dだけ下方に位置しており、その検出温度Tdが閾値に達してガス給湯器40が点火した時点t1では、まだ貯湯タンク20に高温層Waが残っており、入側温度Tinはまだ高温Taを維持しているので、混合温度Tmixを一定に維持する制御では、ミキシングバルブ30の開度が微調整されるだけでほぼ一定に維持されることになる。このように混合温度Tmixが一定に維持されるので、ガス給湯器40での点火直後の制御を安定して行なえる。図3における時点t1〜t2の期間参照。
【0042】
検出温度Tdが混合温度Tmixに達した時点t2で、混合温度Tmixが時間の経過にしたがって徐々に減じるようにミキシングバルブ30を制御する。これに伴い、ミキシングバルブ30のタンク側開度は徐々に減少する。ガス給湯器40では、混合温度センサ83の検出温度Tmixと設定温度Tsとフローセンサ85での検出流量に基づくフィードフォワード制御と、出湯温度センサ84の検出温度と設定温度Tsに基づくフィードバック制御により、供給熱量を制御し、出湯温度を設定温度Tsに維持する。この供給熱量は、上記混合温度Tmixの低下に伴い増大する。混合温度Tmixが徐々に低下するので、ガス給湯器40による供給熱量の増大が良好に追随でき、大きなアンダーシュートが生じることはない。なお、混合温度Tmixの温度を時間経過にしたがって減少するようにしているので、流量の過多に影響されずに、ガス給湯器40の安定した制御を行なうことができる。図3における時点t2〜t3の期間参照。
【0043】
さらに出湯を続けると、時点t3でミキシングバルブ30のタンク側開度が実質的に全閉になる。これと同時に電磁開閉弁35を閉じる。この時点t3で、ミキシングバルブ30の給水側の開度が全開となり、ミキシングバルブ30からの混合温度Tmixは給水温度Tcと一致する。この後、貯湯タンク20の湯の供給が停止されたまま、ガス給湯器40の供給熱量を給水路50からの水に付与することにより、設定温度の出湯を維持する。
【0044】
上記のように、ミキシングバルブ30からの混合温度Tmixを徐々に低下させて給水温度Tcにするため、公知の給湯システムのように混合温度Tmixの急激な低下が生じることはなく、その結果、ガス給湯器40での供給熱量の増加が追い付かずに出湯温度にアンダーシュートが生じる現象は生じない。
【0045】
給湯栓61を締めることにより、出湯が停止されると、フローセンサ85がこれを検出し、この検出信号に応答して、上記ガス給湯器40の燃焼が停止される。図3における時点t4参照。なお、この第1制御ルーチンにおいて、時点t1〜時点t3の期間で出湯停止になった時には、上記ガス給湯器40の燃焼が停止され、ミキシングバルブ30はタンク側開度が全閉で給水側開度が全開となるように制御される。また、時点t1前に出湯停止になった時にはミキシングバルブ30は、タンク側開度が全閉で給水側開度が全開となるように制御される。
【0046】
出湯開始時に、タンク温度センサ86による検出温度Tdが閾値未満と判断したときには、制御ユニット70は、第2の制御ルーチンを実行する。すなわち、ミキシングバルブ30のタンク側開度を全閉にし電磁弁35を閉じたまま、貯湯タンク20からの湯を使わずに給水路50からの水をガス給湯器40で加熱して、設定温度の出湯を維持する。
【0047】
上記電磁開閉弁35は、ミキシングバルブ30のタンク側開度が全閉の時に閉じるが、混合湯温度センサ83の故障時にも閉じて貯湯タンク20からの湯の供給を停止し、高温の湯が給湯栓61から供給されるのを禁じる。
【0048】
上記制御ユニット70は、上記出湯温度制御の他に三方弁90の制御を行なう。通常時には三方弁90は図1の状態(第1の状態)に維持されている。この状態では、貯湯タンク20の底部の水が第1分岐路25a,熱交換器12を通って貯湯タンク20の頂部に供給される。そのため、熱交換器12での熱交換効率が良く、排熱源11の熱を効率良く回収できる。
【0049】
前述したように、図3に示す第1の制御ルーチンが実行されて時点t3に至った場合には、電磁弁35の閉じ動作とほぼ同期して、上記三方弁90を図2の状態(第2の状態)に切り替える。この状態では、貯湯タンク20の側部の湯ないしは水が第2分岐路25b,熱交換器12を介して貯湯タンク20の頂部に供給される。前述したように貯湯タンク20の頂部は中間遷移層Wbとなっているので、第2分岐路25bの接続位置では中間遷移層Wbか低温層Wcとなっている。上記のように三方弁90を第2の状態にすることにより、中間遷移層Wbが熱交換器12を経て高温の湯となって貯湯タンク20の頂部に供給され、次の出湯時にミキシングバルブ30へと供給される。その結果、中間遷移層Wbに属する湯が置換されずに長期にわたって貯湯タンク20に滞留するのを回避できる。
【0050】
上記三方弁90の第2の状態は、タンク温度センサ86の検出温度が上昇して前述した閾値に達するまで継続される。そして、タンク温度センサ87がこの閾値に達した時に、三方弁90を第2の状態から第1の状態に切り替える。これにより、再び熱交換器12からの高温の湯を第1分岐路25aを介して貯湯タンク20の頂部に供給することができ、高い熱交換効率を確保できる。なお、この切り替え時に電磁開閉弁35を開き、次の出湯に備える。
【0051】
次に、本発明の第2実施形態について図4を参照しながら説明する。この実施形態では、第1実施形態の三方弁90の代わりにミキシングバルブ91が用いられる。ミキシングバルブ91は第1の状態で貯湯タンク20の底部の水だけを第1分岐路25aを介して熱交換器12に供給し、第2の状態で貯湯タンク20の底部および側部の水ないしは湯を第1分岐路25aと第2分岐路25bの両方を介して熱交換器12に供給する。この場合には、中間遷移層Wbの置換と、高い熱交換効率の確保とを両立させることができる。
上記分岐路25a,25bへの分配割合は固定でもよいし、可変にしてもよい。可変の場合には、時間の経過やタンク温度センサ86での検出温度の上昇に伴い、第1分岐路25aへの分配割合を増大させるようにしてもよい。他の制御は第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0052】
本発明は上記実施形態に制約されず、種々の態様が可能である。出湯温度制御は、中間遷移層を残して出湯温度にアンダーシュートが生じない制御であれば、どのような制御でも採用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施形態をなす排熱回収給湯システムの概略図であり、熱交換器からの湯を貯湯タンクの頂部に供給する状態を示す。
【図2】同システムの要部概略図であり、熱交換器の湯を貯湯タンクの側部に供給する状態を示す要部概略図である。
【図3】同システムでの出湯制御を示すタイムチャートである。
【図4】本発明の他の実施形態を示す給湯システムの要部概略図である。
【図5】本発明および公知のシステムの貯湯タンクにおける温度勾配を示す図である。
【図6】従来の給湯システムにおける制御のタイムチャートを示す図である。
【符号の説明】
【0054】
10 発電機
11 排熱源(熱発生源)
12 熱交換器
20 貯湯タンク
30 ミキシングバルブ
40 ガス給湯器(補助熱源)
50 給水路
60 給湯路
70 制御ユニット(制御手段)
86 タンク温度センサ
87 他のタンク温度センサ
90 三方弁(切替弁手段)
91 他のミキシングバルブ(切替弁手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)熱発生源と、
(b)上記熱発生源からの熱を受ける熱交換器と、
(c)貯湯タンクと、
(d)上記貯湯タンクから熱交換器を経て貯湯タンクの頂部へと水を循環させる循環路と、
(e)下流端が上記貯湯タンクの底部に接続された給水路と、
(f)上流端が上記貯湯タンクの頂部に接続された給湯路と、
(g)上記給湯路の中途部に設けられ、上記貯湯タンクからの湯と上記給水路の水とを混合するミキシングバルブと、
(h)上記給湯路において上記ミキシングバルブの下流側に設けられた補助熱源と、
(i)上記ミキシングバルブと補助熱源を制御することにより、上記給湯路の下流端から設定温度の湯を出湯させる制御手段と、
を備えた給湯システムにおいて、
上記循環路は上記貯湯タンクの底部から熱交換器へ向かう第1分岐路とこれより上方の貯湯タンクの側部から熱交換器へ向かう第2分岐路に分岐され、これら第1,第2の分岐路の交差部に切替弁手段が設けられ、
上記貯湯タンク内には熱交換器からの高温の湯からなる高温層と給水温度の水からなる低温層と温度勾配を有する中間遷移層とが貯えられるようになっており、
上記制御手段は、中間遷移層の湯を貯湯タンクに残すように上記ミキシングバルブと補助熱源を制御することにより、出湯温度を設定温度に維持し、
さらに制御手段は、上記切替弁手段を、通常時には上記貯湯タンクの底部からの水だけを熱交換器を第1分岐路を介して熱交換器に供給する第1の状態にし、必要に応じて、少なくとも上記貯湯タンクの側部からの湯ないしは水を第2分岐路を介して熱交換器に供給する第2の状態にすることを特徴とする給湯システム。
【請求項2】
(a)熱発生源と、
(b)上記熱発生源からの熱を受ける熱交換器と、
(c)貯湯タンクと、
(d)上記貯湯タンクから熱交換器を経て貯湯タンクの頂部へと水を循環させる循環路と、
(e)下流端が上記貯湯タンクの底部に接続された給水路と、
(f)上流端が上記貯湯タンクの頂部に接続された給湯路と、
(g)上記給湯路の中途部に設けられ、上記貯湯タンクからの湯と上記給水路の水とを混合するミキシングバルブと、
(h)上記給湯路において上記ミキシングバルブの下流側に設けられた補助熱源と、
(i)上記ミキシングバルブと補助熱源を制御することにより、上記給湯路の下流端から設定温度の湯を出湯させる制御手段と、
を備えた給湯システムにおいて、
上記貯湯タンクの頂端から所定距離下方の位置に、貯湯タンク内の湯温を測定するタンク温度センサが設けられ、上記循環路は上記貯湯タンクの底部から熱交換器へ向かう第1分岐路とこれより上方の貯湯タンクの側部から熱交換器へ向かう第2分岐路に分岐され、これら第1,第2の分岐路の交差部に切替弁手段が設けられ、
上記制御手段は、
(ア)上記タンク温度センサの検出温度が閾値より上回っている状況では、補助熱源を停止したままミキシングバルブを制御することにより、ミキシングバルブからの混合湯の温度を設定温度に維持し、
(イ)上記検出温度が低下して閾値に達した時には、最小限の熱量を供給するように補助熱源の作動を開始するとともに、この最小限の熱量供給に対応して貯湯タンクからの湯の割合を減じるようにミキシングバルブを制御することにより、出湯温度を設定温度に維持し、
(ウ)上記ミキシングバルブによる貯湯タンクからの湯の割合を、上記補助熱源の作動開始時に減じた値から、徐々に減じて実質的にゼロにし、この過程で生じるミキシングバルブからの混合湯の温度の低下を補助熱源の供給熱量の増大により補償して、出湯温度を設定温度に維持し、
(エ)上記切替弁手段を、通常時には上記貯湯タンクの底部からの水だけを第1分岐路を介して熱交換器に供給する第1の状態にし、上記ミキシングバルブで貯湯タンクからの湯の割合を実質的にゼロにした後では、少なくとも上記貯湯タンクからの湯ないしは水を第2分岐路を介して熱交換器に供給する第2の状態にすることを特徴とする給湯システム。
【請求項3】
上記の貯湯タンクからの湯の割合を徐々に減じる制御は、混合湯の温度を管理してこの混合湯の温度を時間の経過にしたがって徐々に下げるミキシングバルブの制御であることを特徴とする請求項2に記載の給湯システム。
【請求項4】
上記制御手段は、上記ミキシングバルブによる貯湯タンクの湯の割合を補助熱源の作動開始時点で減じた後、混合湯の温度を一定に維持するようにミキシングバルブを制御し、この混合湯の温度が上記タンク温度センサの検出温度と一致した時から、混合湯の温度を徐々に下げるようにミキシングバルブを制御することを特徴とする請求項3に記載の給湯システム。
【請求項5】
上記給湯路において上記ミキシングバルブの上流側に電磁開閉弁が設けられ、上記制御手段は、上記ミキシングバルブが貯湯タンクからの湯の割合を実質的にゼロにした時に、上記電磁開閉弁を閉じることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の給湯システム。
【請求項6】
上記切替弁手段が三方弁であり、上記第2の状態が、上記貯湯タンクの側部の湯ないし水だけを第2分岐路を介して熱交換器に供給する状態であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の給湯システム。
【請求項7】
上記切替弁手段が他のミキシングバルブであり、上記第2の状態が、上記貯湯タンクの底部および側部の湯ないしは水を、上記第1,第2の分岐路の両方を介して熱交換器に供給する状態であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の給湯システム。
【請求項8】
上記タンク温度センサでの検出温度が上記閾値を上回ったときに、上記制御手段は上記切替弁手段を上記第2の状態から上記第1の状態に復帰させることを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載の給湯システム。
【請求項9】
上記熱発生源が排熱源であり、上記補助熱源がガス給湯器であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の給湯システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−10116(P2006−10116A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−184545(P2004−184545)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000129231)株式会社ガスター (277)
【Fターム(参考)】