説明

給電コネクタ

【課題】電動機械の受電側コネクタに接続するための給電コネクタにおいて、異常時においても筒状ケースと受電側コネクタとの係止状態を解除できるようにする。
【解決手段】筒状に形成されてその中心軸線L1方向の前端に開口する前端開口部1aを有する筒状ケース1と、受電側コネクタに電気接続する端子21を前端開口部1aに臨ませた状態で筒状ケース1内に収容されるコネクタ本体2と、受電側コネクタに係止する係止位置と受電側コネクタに係止しない退避位置との間で移動可能に筒状ケース1内に設けられた係止部材6Aと、係止部材6Aが係止位置に配されるように係止部材6Aを付勢する付勢手段63とを備え、筒状ケース1には、その内側から外側に貫通して、付勢手段63に抗って係止部材6Aを退避位置に移動させる係止解除部材113を筒状ケース1の外側から内側に挿入可能とした挿入孔111が形成されている給電コネクタAを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車等の電動機械の充電に使用する給電コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気自動車等のように電力により駆動する電動機械の充電に用いられる給電コネクタとしては、例えば特許文献1のように、筒状ケースの前半部に摺動可能に装着されて複数の端子を有するコネクタ本体、コネクタ本体の移動を操作する操作レバー、筒状ケースを電気自動車の受電側コネクタに差し込んだ後に、操作レバーの回動によりコネクタ本体を前進させて受電側コネクタとコネクタ本体とが嵌合した位置で操作レバーの動きをロックするロック手段、及び、このロックを解除する解除レバーを備えている。
【0003】
また、従来の給電コネクタは、充電時に受電側コネクタから給電コネクタが不意に外れないように、筒状ケースを受電側コネクタに差し込んだ状態で筒状ケースを受電側コネクタに係止する係合手段も備えている。この係合手段による筒状ケースと受電側コネクタとの係止状態は、前述したロック手段の場合と同様に、解除レバーの操作によって解除されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第275032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の給電コネクタでは、操作レバーのロック解除だけではなく、筒状ケースと受電側コネクタとの係止状態の解除も解除レバーによって行われるため、例えば解除レバーが破損したり、何らかの理由で動かなくなったりする異常時においては、筒状ケースと受電側コネクタとの係止状態を解除することができない。すなわち、給電コネクタを受電側コネクタから取り外すことができなくなる虞がある。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、異常時においても筒状ケースと受電側コネクタとの係止状態を解除して受電側コネクタから取り外すことが可能な給電コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る給電コネクタは、電動機械に電力を供給する充電装置に備え、電動機械に設けられる受電側コネクタに接続するための給電コネクタであって、筒状に形成されてその中心軸線方向の前端に開口する前端開口部を有する筒状ケースと、前記受電側コネクタに電気接続するための端子を前記前端開口部に臨ませた状態で前記筒状ケース内に収容されるコネクタ本体と、前記受電側コネクタに係止する係止位置と前記受電側コネクタに係止しない退避位置との間で移動可能となるように前記筒状ケース内に設けられた係止部材と、前記係止部材が前記係止位置に配されるように前記係止部材を付勢する付勢手段とを備え、前記筒状ケースには、その内側から外側に貫通して、前記付勢手段に抗って前記係止部材を前記退避位置に移動させる係止解除部材を筒状ケースの外側から内側に挿入可能とした挿入孔が形成されていることを特徴とする。
【0008】
また、前記給電コネクタにおいては、前記係止部材に、前記挿入孔から前記筒状ケース内に挿入された前記係止解除部材に係合する係合部が形成され、前記係合部に係合した前記係止解除部材を前記筒状ケース内から外側に引き抜くように移動させることで、前記係止部材を前記退避位置に移動させてもよい。
【0009】
また、前記給電コネクタにおいては、前記筒状ケース内に挿入された前記係止解除部材の先端が前記係止部材に当接した状態で、前記係止解除部材をさらに前記筒状ケースの外側から内側に移動させることで、前記係止部材を前記退避位置に移動させてもよい。
【0010】
さらに、前記給電コネクタでは、前記係止解除部材が、前記挿入孔に挿通された状態で前記筒状ケースに対して前記挿入孔の貫通方向に移動可能に取り付けられていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の給電コネクタによれば、係止部材は付勢手段の付勢力によって受電側コネクタに係止する係止位置に配されるため、付勢手段の付勢力に抗う外力を係止部材に加えることで、係止部材を受電側コネクタに係止しない退避位置に移動させることができる。そして、挿入孔から筒状ケース内に挿入された係止解除部材により、付勢手段の付勢力に抗うように係止部材を退避位置に移動させる外力を係止部材に加えることができる。
すなわち、給電コネクタに備える操作レバー等の各種機構に関係なく、係止部材を係止位置から退避位置に移動させることができるため、操作レバー等の各種機構が正常に動作しない異常時においても筒状ケースと受電側コネクタとの係止状態を解除して、受電側コネクタから取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第一実施形態に係る給電コネクタを示す横断面図である。
【図2】図1の給電コネクタを接続する受電側コネクタを示す横断面図である。
【図3】図1の給電コネクタを受電側コネクタに接続した状態を示す横断面図である。
【図4】本発明の第二実施形態に係る給電コネクタを示す横断面図である。
【図5】図4の給電コネクタを受電側コネクタに接続した状態を示す横断面図である。
【図6】本発明の第三実施形態に係る給電コネクタを示す横断面図である。
【図7】図6の給電コネクタを受電側コネクタに接続した状態を示す横断面図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係る給電コネクタを示す横断面図である。
【図9】図8の給電コネクタを受電側コネクタに接続した状態を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る給電コネクタの第一実施形態を、図1〜3に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態の給電コネクタAは、電気自動車に電力を供給する充電スタンド等の充電装置に備えるものであり、充電時に電気自動車に設けられる受電側コネクタB(図2参照)に接続するものである。この給電コネクタAは、筒状に形成された筒状ケース1と、筒状ケース1の中心軸線L1方向に摺動可能とされた状態で筒状ケース1内に収容されるコネクタ本体2と、筒状ケース1に対するコネクタ本体2の中心軸線L1方向への移動を操作する操作機構3とを備えて大略構成されている。
【0014】
筒状ケース1は、その中心軸線L1方向の前端(図1において左側の端部)に開口する前端開口部1aを有している。筒状ケース1の前端部は、受電側コネクタBのシェル101内に挿入される挿入部11として構成されており、挿入部11の周壁には、後述するロックアーム6の係止爪61を挿入部11の径方向外側に臨ませる挿通孔11aが形成されている。
また、筒状ケース1の後端部(図1において右側の端部)には、筒状ケース1の外周面から径方向外側に突出するグリップ部12が一体に固定されている。このグリップ部12は筒状に形成され、コネクタ本体2が配される筒状ケース1の内部空間とグリップ部12の内部空間とが連通している。さらに、筒状ケース1の後端部には、LED等の表示ランプ13が設けられている。この表示ランプ13は、充電時に点灯し、充電完了時に消灯するように設定されている。
【0015】
コネクタ本体2は、筒状ケース1の前端部側に寄せて収容されており、受電側コネクタBに電気接続するための複数の給電側端子(端子)21と、複数の給電側端子21を収納する筒状の端子収納部22と、給電側端子21の基端に接続されるケーブル4を収納するケーブル収納部23とを備えている。なお、ケーブル4は、給電側端子21側からグリップ部12内を通じて給電コネクタAの外側に延びるように配されている。
給電側端子21には、電気自動車に電力を供給するための給電用端子のほか、例えば充電装置と電気自動車との間で充電制御に要する情報を通信するための通信用端子などがある。また、端子収納部22は、給電側端子21の先端を筒状ケース1の前端開口部1aから外方に臨ませるように形成されている。
これら給電側端子21の具体的な数や配置、端子収納部22の具体的な形状、また、前述した筒状ケース1の挿入部11の形状等は任意に設定することが可能であるが、例えば「日本電動車両規格:JEVS G 105」に定められているものが挙げられる。
【0016】
ケーブル収納部23は、端子収納部22に対して筒状ケース1の後端部側に配されるように端子収納部22の後端に固定されている。そして、ケーブル収納部23の外周面には、径方向外側に突出する摺動用ピン24が形成されている。摺動用ピン24は、中心軸線L1方向に延びるように筒状ケース1の内周面に形成された摺動用溝14に収容されており、これによって、コネクタ本体2が筒状ケース1に対して中心軸線L1方向に摺動可能とされている。
【0017】
なお、筒状ケース1に対する上記コネクタ本体2の移動範囲は、給電コネクタAに備える規制手段5によって規制されている。規制手段5は、コイルスプリング51によって筒状ケース1の内周面側からケーブル収納部23の外周面に向けて付勢される球体状のボールプランジャ52、及び、ケーブル収納部23の外周面に形成された凹部53によって構成されている。
凹部53は、中心軸線L1方向に互いに間隔をあけて二つ配列されている。各凹部53の内面はボールプランジャ52の球面に対応する円弧状に形成され、各凹部53にはボールプランジャ52の一部が入り込むようになっている。
【0018】
そして、二つの凹部53同士の間隔は、コネクタ本体2が、図1に示すようにコネクタ本体2の端子収納部22全体が筒状ケース1内に収容される位置(以下、収容位置と呼ぶ。)と、図3に示すように端子収納部22の一部が筒状ケース1の前端開口部1aから突出する位置(以下、突出位置と呼ぶ。)との間で移動可能となるように設定されている。
すなわち、コネクタ本体2が収容位置に配されている状態では、筒状ケース1の前端側に位置する第一凹部53Aにボールプランジャ52が入り込むことで、コネクタ本体2の移動が規制される。また、コネクタ本体2が突出位置に配されている状態では、筒状ケース1の後端側に位置する第二凹部53Bにボールプランジャ52が入り込むことで、コネクタ本体2の移動が規制される。
【0019】
なお、この規制手段5では、凹部53がボールプランジャ52に対応する円弧状に形成されているため、コイルスプリング51の付勢力よりも大きな力であれば、後述する操作機構3の操作により、コイルスプリング51の付勢力に抗うように、コネクタ本体2が収容位置に配されている状態からコネクタ本体2を前端開口部1aから突出させる方向に移動させること、及び、コネクタ本体2が突出位置に配されている状態からコネクタ本体2を筒状ケース1内に収容する方向に移動させることが可能となっている。
【0020】
このようなコネクタ本体2は、そのケーブル収納部23の後端側が操作機構3に接続されている。操作機構3は、一端31aが筒状ケース1の外側に突出する操作レバー31を備えており、この操作レバー31を作業者が操作することで、コネクタ本体2を中心軸線L1方向へ移動させることができるように構成されている。
なお、図示例の操作レバー31は、その他端31bが筒状ケース1に軸支されることで筒状ケース1に対して回動可能とされているが、これに限ることはない。また、操作レバー31の動作をコネクタ本体2の動きに変換する機構は、ギヤ機構やリンク機構等の任意の機構としてよい。さらに、操作レバー31はその他端31bを含む全体が筒状ケース1の外側に配されているが、例えば操作レバー31の他端31bが筒状ケース1の内側に配されていてもよい。
【0021】
また、本実施形態の給電コネクタAは、筒状ケース1の前端側に設けられて給電コネクタAを受電側コネクタBに係止する複数(図示例では2つ)のロックアーム6を備えており、複数のロックアーム6は、コネクタ本体2を囲むように筒状ケース1の周方向に配列されている。
各ロックアーム6は、中心軸線L1方向に延びる略棒状に形成されており、ロックアーム6の前端には筒状ケース1の径方向外側に突出する係止爪61が形成されている。
一のロックアーム6Aの長手方向の中途部はピン62によって筒状ケース1に軸支されており、他のロックアーム6Bの後端がピン62によって筒状ケース1に軸支されている。すなわち、各ロックアーム6は、筒状ケース1に対して揺動可能に取り付けられている。
また、前記ピン62にはトーションバネ63が固定されており、このトーションバネ63の付勢力によって、ロックアーム6は、その前端側が筒状ケース1の径方向外側に移動するように揺動する方向に付勢されている。この付勢状態では、係止爪61が筒状ケース1の挿通孔11aを介して挿入部11の外周面から筒状ケース1の径方向外側に突出することになる。
【0022】
さらに、本実施形態の給電コネクタAは、操作レバー31の操作によるコネクタ本体2の突出位置から収容位置に至る移動に連動して、前述したトーションバネ63の付勢力に抗って一のロックアーム6Aの係止爪61を筒状ケース1内に退避させるロック解除機構7を備えている。ロック解除機構7は、ピン62によって軸支された一のロックアーム6Aの中途部から中心軸線L1に沿って筒状ケース1の後端側に延びる一のロックアーム6Aの後端部64と、この後端部64に形成された第一突起部72と、コネクタ本体2の外周面に形成された第二突起部73とを備えて構成されている。
一のロックアーム6Aの後端部64はケーブル収納部23の外周面に対向配置され、第一突起部72はケーブル収納部23の外周面に向けて突出している。なお、第一突起部72の突出高さはケーブル収納部23の外周面に接触しないように設定されている。
【0023】
第二突起部73は、一のロックアーム6Aの後端部64に向けて突出しており、コネクタ本体2が突出位置に配された状態(図3参照)では、第一突起部72や一のロックアーム6Aの後端部64に接触しない。一方、コネクタ本体2が収容位置に配された状態(図1参照)では、第一突起部72に当接する。この当接により、第二突起部73がトーションバネ63の付勢力に抗って後端部64を筒状ケース1の径方向外側に押し付け、その結果として、一のロックアーム6Aの係止爪61が筒状ケース1内に退避することになる。
すなわち、このロック解除機構7及び前述したトーションバネ63は、操作レバー31の操作によるコネクタ本体2の収容位置と突出位置との間の移動に連動して一のロックアーム6Aの係止爪61を、筒状ケース1内の退避位置(図1に示す位置)と、挿通孔11aから外部に突出して受電側コネクタBに係止する係止位置(図3に示す位置)との間で移動させる連動移動機構8を構成している。
【0024】
さらに、本実施形態の給電コネクタAは、充電時において筒状ケース1に対するコネクタ本体2の移動を防止する電磁ロック機構9を備えている。電磁ロック機構9は、筒状ケース1に固定される筒状の電磁石93及びこれに挿通されるプランジャ94からなるソレノイド91と、コネクタ本体2に設けられてプランジャ94を挿通させる貫通孔92aを有するロック部92とによって構成されている。なお、ロック部92は図示例のように別個の部材をコネクタ本体2にするように構成されてもよいが、例えばコネクタ本体2に一体に形成されてもよい。
【0025】
ソレノイド91のプランジャ94は、電磁石93に電流が流れていない状態で不図示の付勢手段等により電磁石93内に収容され、電磁石93に電流を流した状態で電磁石93から突出する。なお、電磁石93への電力供給は充電時(電気自動車への電力供給時)に行われる。
ロック部92は、コネクタ本体2が突出位置に配された状態で電磁石93から突出したプランジャ94が貫通孔92aに挿通可能となる位置に配される。なお、コネクタ本体2が収容位置に配されている状態では、ロック部92の貫通孔92aがプランジャ94に対してずれて位置し、仮にプランジャ94が突出しても貫通孔92aに挿通することは無い。
【0026】
そして、本実施形態の給電コネクタAは、操作レバー31によるコネクタ本体2の移動ができず、ロック解除機構7が正常に機能しない場合でも、一のロックアーム6Aの係止爪61を付勢位置から退避位置に移動させることを可能とする強制ロック解除機構110を備えている。
強制ロック解除機構110は、図3に示すように、筒状ケース1の内側から外側に貫通して形成される挿入孔111と、一のロックアーム6Aの後端部64に貫通して形成される係合孔(係合部)112と、挿入孔111に挿入されると共に係合孔112に係合する係止解除部材113とを備えて構成されている。
【0027】
挿入孔111は、筒状ケース1のうち受電側コネクタBに挿入されない位置、かつ、係合孔112を筒状ケース1の外側に臨ませる位置に形成されている。係合孔112の貫通方向は挿入孔111の貫通方向とほぼ同じに設定されており、棒状に形成された係止解除部材113を挿入孔111及び係合孔112の両方に挿入することが容易とされている。
係止解除部材113の挿入方向先端部には、係合孔112に係合させるための鉤部114が形成されている。鉤部114は、係止解除部材113の先端側から後端側に向かうにしたがって係止解除部材113の径方向外側に広がる傘状に形成され、その径寸法は係合孔112の内径よりも大きく設定されている。また、鉤部114は、係止解除部材113の棒状部分に対して弾性変形可能とされている。
この構成において、係止解除部材113をその先端側から係合孔112に挿通させると鉤部114が弾性変形して係合孔112を通過する。そして、鉤部114が係合孔112を通過した状態では、鉤部114が弾性復帰するため、係止解除部材113を挿通した方向と逆向きに動かしても係合孔112から引き抜くことはできない。すなわち、一のロックアーム6Aの後端部64と係止解除部材113とが係合することになる。
【0028】
上記構成の給電コネクタAと接続される受電側コネクタBは、電気自動車の車体等に固定されるものであり、図2に示すように、筒状ケース1の挿入部11を受け入れる筒状のシェル101と、その内部に設けられる筒状の端子収納部102と、端子収納部102内に配される受電側端子(不図示)とを備えて大略構成されている。端子収納部102は、筒状ケース1の挿入部11をシェル101内に受け入れた状態(図3参照)において、コネクタ本体2の端子収納部22内に受け入れられるものである。すなわち、これらシェル101や端子収納部102の形状は、給電コネクタの挿入部11や端子収納部22にそれぞれ対応している。そして、シェル101の内周面には、給電コネクタAの係止爪61と係合する係止凹部103がロックアーム6の数や配置に対応するように形成されている。
受電側端子は給電コネクタAの給電側端子21に接触あるいは当接することで、給電コネクタAと受電側コネクタBとを電気接続するものであり、給電側端子21と同様の役割を果たしている。すなわち、受電側端子の数や配置は、給電コネクタAの給電側端子21に対応している。
【0029】
以上のように構成された給電コネクタAを受電側コネクタBに接続する場合には、はじめに、図1に示すようにコネクタ本体2が収容位置に配されている状態で、作業者がグリップ部12を把持して筒状ケース1の前端部(挿入部11)をシェル101内に挿入して受電側コネクタBに差し込む。この状態においては、図3に示すように、他のロックアーム6Bの係止爪61が受電側コネクタBの係止凹部103に係合し、給電コネクタAが受電側コネクタBに仮嵌合した状態となる。
次いで、コネクタ本体2が突出位置に配されるように、操作機構3によりコネクタ本体2を筒状ケース1の前端側に移動させる。より詳細に説明すれば、作業者が操作レバー31の一端31aを把持して筒状ケース1の前端側に移動するように操作レバー31を回動させることで、コネクタ本体2が筒状ケース1の前端側に移動して突出位置に配されることになる。
【0030】
この状態においては、前述した操作レバー31の操作によってロック解除機構7の第二突起部73がコネクタ本体2と共に移動して第一突起部72から離間する。このため、トーションバネ63の付勢力によって一のロックアーム6Aの係止爪61が筒状ケース1の挿通孔11aから外部に突出して受電側コネクタBの係止凹部103に係合する。これにより、給電コネクタAが受電側コネクタBに完全に嵌合した状態となる。また、この状態においては、給電側端子21が受電側端子に接触あるいは当接して給電コネクタAと受電側コネクタBとが電気接続され、充電可能な状態となる。
なお、操作レバー31を回動させた際には、ロックアーム6Aの係合爪61が受電側コネクタBの係止凹部103に係合した後に、給電コネクタAと受電側コネクタBとが電気接続される。
【0031】
そして、この完全嵌合状態において充電が開始されると、電磁石93に電流が流れてプランジャ94がロック部92の貫通孔92aに挿入される。すなわち、電磁ロック機構9によってコネクタ本体2の移動が防止され、充電時において給電コネクタAの給電側端子21と受電側コネクタBの受電側端子とが離間することを確実に防ぐことができる。
なお、充電が完了した際には、電磁石93への電力供給が停止され、これに伴ってプランジャ94がロック部92の貫通孔92aから抜け出る。すなわち、コネクタ本体2が移動可能な状態となる。
【0032】
その後、給電コネクタAが受電側コネクタBに完全に嵌合した状態から、給電コネクタAを受電側コネクタBから取り外す場合には、はじめに、作業者が操作レバー31の一端31aを把持して筒状ケース1の後端側に移動するように操作レバー31を回動させる。これにより、コネクタ本体2が筒状ケース1の後端側に移動して収容位置に配されることになる。
この状態においては、上述した操作レバー31の操作によってロック解除機構7の第二突起部73がコネクタ本体2と共に移動して第一突起部72に当接する。これにより、第二突起部73がトーションバネ63の付勢力に抗って一のロックアーム6Aの後端部64を筒状ケース1の径方向外側に押し付け、一のロックアーム6Aの係止爪61が筒状ケース1内に退避することになる。すなわち、給電コネクタAが受電側コネクタBに仮嵌合した状態に戻る。
【0033】
その後、グリップ部12を把持して給電コネクタAを受電側コネクタBから引き抜くことにより、給電コネクタAの取り外し作業が完了する。
なお、仮嵌合状態では、他のロックアーム6Bの係止爪61が受電側コネクタBに係合しているものの、一のロックアーム6Aの係止爪61と受電側コネクタBとの係合が解除されていることで、給電コネクタAと受電側コネクタBとの係合力が弱められているため、給電コネクタAを容易に引き抜くことができる。
【0034】
なお、給電コネクタAが受電側コネクタBに完全に嵌合した状態で操作レバー31によるコネクタ本体2の移動ができない場合には、図3に示すように、はじめに、係止解除部材113の先端部分を挿入孔111から筒状ケース1内に挿入する。次いで、係止解除部材113の先端部分を係合孔112に挿通させて、鉤部114を係合孔112に係合させる。そして、この係合状態で、係止解除部材113を筒状ケース1内から外側に引き抜くように移動させる。これにより、一のロックアーム6Aの後端部64が筒状ケース1の径方向外側に移動することになる。すなわち、この係止解除部材113によって、一のロックアーム6Aの係止爪61がトーションバネ63の付勢力に抗うように退避位置に移動し、給電コネクタAが受電側コネクタBに仮嵌合した状態に戻ることになる。
【0035】
以上説明したように、本実施形態の給電コネクタAによれば、一のロックアーム6Aの係止爪61はトーションバネ63の付勢力によって受電側コネクタBの係止凹部103に係止する係止位置に配されるため、トーションバネ63の付勢力に抗う外力を一のロックアーム6Aに加えることで、一のロックアーム6Aを受電側コネクタBの係止凹部103に係止しない退避位置に移動させることが可能である。
そして、前述したように、挿入孔111から筒状ケース1内に挿入された係止解除部材113により、トーションバネ63の付勢力に抗うように一のロックアーム6Aの係止爪61を退避位置に移動させる外力を係止部材に加えることができる。
【0036】
すなわち、給電コネクタAに備える操作機構3や電気ロック機構9等の各種機構に関係なく、一のロックアーム6Aを係止位置から退避位置に移動させることができるため、操作機構3や電気ロック機構9等の各種機構が正常に動作しない異常時においても、筒状ケース1と受電側コネクタBとの係止状態を解除して、給電コネクタAを受電側コネクタBから取り外すことが可能となる。
そして、本実施形態の給電コネクタAでは、一のロックアーム6Aに係止解除部材113と係合する係合孔112が形成されているため、係止解除部材113を筒状ケース1内から外側に引き抜く動作で、係止爪61を退避位置に移動させることができる。
【0037】
次に、本発明に係る第二実施形態について図4,5を参照して説明する。なお、ここでは、第一実施形態との相違点のみについて説明し、給電コネクタAの構成要素と同一の部分については同一符号を付し、その説明を省略する。また、この実施形態では、第一実施形態の給電コネクタAと同様の構成となる筒状ケース1の後端部側の図示も省略する。
図4,5に示すように、この実施形態に係る給電コネクタCに備える強制ロック解除機構120は、筒状ケース1の内側から外側に貫通して形成される挿入孔121と、挿入孔121から筒状ケース1内に挿入される棒状の係止解除部材123とを備えて構成されている。
挿入孔121は、筒状ケース1のうち受電側コネクタBに挿入されない位置、かつ、一のロックアーム6Aの前端部を筒状ケース1の外側に臨ませる位置に形成されている。したがって、係止解除部材123を挿入孔121から筒状ケース1内に挿入すると、係止解除部材123の先端が一のロックアーム6Aの前端部に当接することになる。
【0038】
上記構成の給電コネクタCが受電側コネクタBに完全に嵌合した状態で操作レバー31によるコネクタ本体2の移動ができない場合には、図5に示すように、はじめに、係止解除部材123を挿入孔121から筒状ケース1内に挿入し、係止解除部材123の先端を一のロックアーム6Aの前端部に当接させる。そして、この当接状態で、係止解除部材123をさらに筒状ケース1の外側から内側に移動させる。これにより、一のロックアーム6Aの前端部が筒状ケース1の径方向内側に移動することになる。すなわち、この係止解除部材123によって、一のロックアーム6Aの係止爪61がトーションバネ63の付勢力に抗うように退避位置に移動し、給電コネクタCが受電側コネクタBに仮嵌合した状態に戻ることになる。
【0039】
本実施形態の給電コネクタCによれば、第一実施形態の場合と同様に、給電コネクタCに備える操作機構3や電気ロック機構9等の各種機構に関係なく、一のロックアーム6Aを係止位置から退避位置に移動させることができるため、操作機構3や電気ロック機構9等の各種機構が正常に動作しない異常時においても、筒状ケース1と受電側コネクタBとの係止状態を解除して、給電コネクタCを受電側コネクタBから取り外すことが可能となる。
また、この給電コネクタCによれば、第一実施形態のように、一のロックアーム6Aや係止解除部材123に第一実施形態のような係合孔や鉤部を形成する必要が無いため、給電コネクタCの構造の簡素化を図ることができる。さらに、係止解除部材123を単純な棒状の部材に形成できることから、給電コネクタC専用の部材として形成する必要が無い。すなわち、係止解除部材123は、給電コネクタCの構成に含まれていなくてもよい。
【0040】
次に、本発明に係る第三実施形態について図6,7を参照して説明する。なお、ここでは、第一,第二実施形態との相違点のみについて説明し、給電コネクタA,Cの構成要素と同一の部分については同一符号を付し、その説明を省略する。また、この実施形態では、第一,第二実施形態の給電コネクタA,Cと同様の構成となる筒状ケース1の後端部側の図示も省略する。
図6に示すように、この実施形態に係る給電コネクタDに備える強制ロック解除機構140は、筒状ケース1の内側から外側に貫通して形成される挿入孔141と、挿入孔141に挿通された状態で筒状ケース1に取り付けられた係止解除部材143とを備えて構成されている。
挿入孔141は、筒状ケース1のうち受電側コネクタBに挿入されない位置、かつ、一のロックアーム6Aの前端部を筒状ケース1の外側に臨ませる位置に形成されている。
【0041】
係止解除部材143は、筒状ケース1に対して挿入孔141の貫通方向に移動可能とされている。また、係止解除部材143の長手方向の両端部には、挿入孔141の内径よりも大きい大径部が形成されており、係止解除部材143が筒状ケース1から外れることを防止している。この係止解除部材143は、コイルスプリング145によって筒状ケース1の内側から外側に向けて付勢されている。
この強制ロック解除機構140では、コイルスプリング145によって付勢された状態で係止解除部材143が一のロックアーム6Aから離間しているが、コイルスプリング145の付勢力に抗うように係止解除部材143を筒状ケース1の径方向内側に移動させると、図7に示すように、係止解除部材143の先端が一のロックアーム6Aの前端部に当接する。
【0042】
上記構成の給電コネクタDが受電側コネクタBに完全に嵌合した状態で操作レバー31によるコネクタ本体2の移動ができない場合には、図7に示すように、係止解除部材143を筒状ケース1の径方向内側に移動させて、係止解除部材143の先端を一のロックアーム6Aの前端部に当接させる。そして、この当接状態で、係止解除部材143をさらに筒状ケース1の外側から内側に移動させると、一のロックアーム6Aの前端部が筒状ケース1の径方向内側に移動することになる。すなわち、この係止解除部材143によって、一のロックアーム6Aの係止爪61がトーションバネ63の付勢力に抗うように退避位置に移動し、給電コネクタDが受電側コネクタBに仮嵌合した状態に戻ることになる。
【0043】
本実施形態の給電コネクタDによれば、第二実施形態と同様の効果を奏する。
また、係止解除部材143が筒状ケース1に取り付けられていることで、係止解除部材143を操作ボタンとして認識し易いため、強制ロック解除機構140による筒状ケース1と受電側コネクタBとの係止状態の解除を容易に行うことができる。
【0044】
以上、本発明の給電コネクタに係る三つの実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、第一実施形態の強制ロック解除機構110においては、一のロックアーム6A及び係止解除部材113には、係合孔112及び鉤部114がそれぞれ形成されるとしたが、少なくとも一のロックアーム6Aに係止解除部材113が係合する係合部が形成されていればよい。
また、第一,第二実施形態の係止解除部材113,123は、例えば紐やチェーン等によって筒状ケース1に繋げられていてもよい。
【0045】
さらに、第一実施形態の係止解除部材113は、例えば第三実施形態の係止解除部材143と同様に、挿入孔111に挿通された状態で筒状ケース1に対して挿入孔111の貫通方向に移動可能に取り付けられていてもよい。具体的に説明すれば、例えば図8に示すように、給電コネクタEに備える強制ロック解除機構150が、第一実施形態の係合孔112及び係止解除部材113に代えて、一のロックアーム6Aの後端部64に貫通して形成される係合孔(係合部)152、及び、筒状ケース1の挿入孔111に挿通された状態で筒状ケース1に取り付けられると共に係合孔152に係合する係止解除部材153を備えていればよい。
ここで、係合孔152は、一のロックアーム6Aの後端部64の長手方向に延びる長孔として形成されている。一方、係止解除部材153の挿入方向先端部には、係合孔152に係合させるための鉤部154が形成されている。また、筒状ケース1の外側に位置する係止解除部材153の挿入方向後端部には、摘み部155が形成されている。
【0046】
鉤部154は、係止解除部材153の径方向に互いに逆向きに突出する一対の突起部であり、鉤部154の長手寸法は、係合孔152の長手寸法よりも小さく、かつ、係合孔152の幅寸法よりも大きく設定されている。すなわち、図8に示すように、鉤部154の長手方向を係合孔152の長手方向に一致させた状態では、鉤部154が係合孔152を通過することができる。また、この状態から係止解除部材153の長手方向を軸として係止解除部材153を例えば90度回転させ、図9に示すように、鉤部154の長手方向を係合孔152の幅方向に一致させた状態では、鉤部154が係合孔152を通過することはできない。したがって、係合解除部材153を係合孔152に挿通させた上で、鉤部154の長手方向を係合孔152の幅方向に一致させた状態では、係合解除部材153を挿通方向と逆向きに動かしても係合孔152から引き抜くことはできない。すなわち、一のロックアーム6Aの後端部64と係止解除部材153とが係合することになる。
摘み部155は、作業者の手指等で把持できる形状に形成されると共に、挿通孔111の内径よりも大きい大径部を有している。なお、前述した鉤部154の長手寸法も挿入孔111の内径よりも大きく設定されているため、係止解除部材153が筒状ケース1から外れることはない。
【0047】
上記構成の給電コネクタEが受電側コネクタBに完全に嵌合した状態で操作レバー31によるコネクタ本体2の移動ができる場合には、図8に示すように、鉤部154の長手方向を係合孔152の長手方向に一致させておけばよい。この状態では、係止解除部材153が係合孔152に係合していないため、仮に係止解除部材153を筒状ケース1内から外側に引き抜くように移動させたとしても、給電コネクタEと受電側コネクタBとの完全嵌合状態が解除されることは無い。すなわち、係止解除部材153を誤って引き抜く方向に移動しても、不意に給電コネクタEが受電側コネクタBから外れることを確実に防止できる。
【0048】
一方、給電コネクタEが受電側コネクタBに完全に嵌合した状態で操作レバー31によるコネクタ本体2の移動ができない場合には、図9に示すように、はじめに、鉤部154の長手方向を係合孔152の長手方向に一致させて鉤部154を係合孔152に係合させる。そして、この係合状態で、係止解除部材153を筒状ケース1内から外側に引き抜くように移動させる。これにより、一のロックアーム6Aの後端部64が筒状ケース1の径方向外側に移動することになる。すなわち、係止解除部材153によって、一のロックアーム6Aの係止爪61がトーションバネ63の付勢力に抗うように退避位置に移動し、給電コネクタEが受電側コネクタBに仮嵌合した状態に戻ることになる。
この構成の給電コネクタEによれば、第一実施形態と同様の効果を奏する。また、第三実施形態の場合と同様に、係止解除部材153が筒状ケース1に取り付けられていることで、強制ロック解除機構150による筒状ケース1と受電側コネクタBとの係止状態の解除を容易に行うことができる。
【0049】
そして、係止解除部材は、上記三つの実施形態及び図8,9に示した部材に限らず、挿入孔111,121,141の大きさによっては例えば作業者の手指であってもよい。この場合、強制ロック解除機構110,120,140,150は、挿入孔111及び係合孔112,152のみ、あるいは、挿入孔121のみによって構成することも可能である。
【0050】
また、上述した全ての実施形態において、一のロックアーム6Aの後端部64及び第二突起部73を備えるロック解除機構7は、少なくともコネクタ本体2が収容位置に配された状態で第二突起部73が後端部64に当接して係止爪61を退避位置に配し、かつ、コネクタ本体2が突出位置に配された状態で第二突起部73が後端部64から離間して、係止爪61がトーションバネ63の付勢力によって係止位置に配されるように構成されていればよい。したがって、一のロックアーム6Aの後端部64には、上記実施形態のように第一突起部72を形成しなくてもよい。
さらに、係止爪61を係止位置に配するように付勢する付勢手段は、ロックアーム6をその一方の揺動方向に付勢するトーションバネ63に限らず、例えばロックアーム6の前端側を筒状ケース1の径方向外側に付勢したり、一のロックアーム6Aの後端部64を筒状ケース1の径方向内側に付勢するコイルスプリングであってもよい。
【0051】
また、全ての実施形態においては、筒状ケース1と受電側コネクタBとを係止する係止部材が、筒状ケース1に軸支されるロックアーム6としたが、少なくとも係止部材の係止爪61が係止位置と退避位置との間で移動可能となるように筒状ケース1に設けられていればよく、例えば係止部材全体が筒状ケース1の径方向に平行移動するように筒状ケース1に設けられてもよい。
さらに、上記実施形態においては、コネクタ本体2の移動範囲を規制する規制手段5が、筒状ケース1側に設けられたボールプランジャ52及びコネクタ本体2に形成された凹部53によって構成されるとしたが、これに限ることは無く、例えばコネクタ本体2の摺動用ピン24を収容する筒状ケース1の摺動用溝14によって構成されてもよいし、例えば操作レバー31の回動角度範囲を規制するように構成されてもよい。
【0052】
そして、上記実施形態においては、電気自動車用の充電装置に備える給電コネクタA,C,D,Eについて説明したが、本発明の給電コネクタは、電力によって駆動する各種電動機械用の充電装置に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0053】
A,C,D,E…給電コネクタ、B…受電側コネクタ、1…筒状ケース、1a…前端開口部、12…グリップ部、2…コネクタ本体、21…給電側端子(端子)、6,6A…ロックアーム(係止部材)、61…係止爪、63…トーションバネ(付勢手段)、110,120,140,150…強制ロック解除機構、111,121,141…挿入孔、112,152…係合孔(係合部)、113,123,143,153…係止解除部材、L1…中心軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機械に電力を供給する充電装置に備え、電動機械に設けられる受電側コネクタに接続するための給電コネクタであって、
筒状に形成されてその中心軸線方向の前端に開口する前端開口部を有する筒状ケースと、前記受電側コネクタに電気接続するための端子を前記前端開口部に臨ませた状態で前記筒状ケース内に収容されるコネクタ本体と、前記受電側コネクタに係止する係止位置と前記受電側コネクタに係止しない退避位置との間で移動可能となるように前記筒状ケース内に設けられた係止部材と、前記係止部材が前記係止位置に配されるように前記係止部材を付勢する付勢手段とを備え、
前記筒状ケースには、その内側から外側に貫通して、前記付勢手段に抗って前記係止部材を前記退避位置に移動させる係止解除部材を筒状ケースの外側から内側に挿入可能とした挿入孔が形成されていることを特徴とする給電コネクタ。
【請求項2】
前記係止部材に、前記挿入孔から前記筒状ケース内に挿入された前記係止解除部材に係合する係合部が形成され、
前記係合部に係合した前記係止解除部材を前記筒状ケース内から外側に引き抜くように移動させることで、前記係止部材を前記退避位置に移動させることを特徴とする請求項1に記載の給電コネクタ。
【請求項3】
前記筒状ケース内に挿入された前記係止解除部材の先端が前記係止部材に当接した状態で、前記係止解除部材をさらに前記筒状ケースの外側から内側に移動させることで、前記係止部材を前記退避位置に移動させることを特徴とする請求項1に記載の給電コネクタ。
【請求項4】
前記係止解除部材が、前記挿入孔に挿通された状態で前記筒状ケースに対して前記挿入孔の貫通方向に移動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の給電コネクタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−138644(P2011−138644A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−296624(P2009−296624)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】