説明

統合失調症の診断および治療のための標的、方法、ならびに試薬

本発明は、統合失調症および関連症状の診断および治療のための標的、方法、および試薬を提供する。本発明は、カルシニュリン遺伝子またはカルシニュリン相互作用遺伝子での多形性現象、突然変異、変異、発現の変化等、もしくはそのような遺伝子に連鎖した多形性現象を検出することで、統合失調症または統合失調症感受性を診断するための方法を提供する。本発明は、多形性現象および変異体を検出するための抗体およびオリゴヌクレオチド・アレイを提供する。本発明は、そのような遺伝子の変化を有するトランスジェニック・マウスを提供する。また、本発明は、それらの遺伝子を標的とした化合物を投与することで、統合失調症を治療する方法も提供する。さらに、本発明は、そのような化合物を同定するためのスクリーニング方法と、スクーリニングを実施することによって得られた化合物とを提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
統合失調症または統合失調症感受性を診断するための方法であって、
(i)統合失調症または統合失調症について試験すべき被験体から得た試料を提供するステップと、
(ii)該試料中で、カルシニュリン・サブユニットをコードまたはカルシニュリン相互作用分子をコードする遺伝子のコーディング領域または非コーディング部位での多形性現象の多形性変異体を検出、または該遺伝子に連鎖したゲノム領域内での多形性現象の多形性変異体を検出するステップと、
を有することを特徴とする、統合失調症または統合失調症感受性を診断するための方法。
【請求項2】
前記遺伝子または該遺伝子の一部が、統合失調症感受性の遺伝子座に一致する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記遺伝子座が、遺伝学的に同定された遺伝子座である請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記多形性現象が、カルシニュリン・サブユニットをコードまたはカルシニュリン相互作用分子をコードする遺伝子のコーディングまたは非コーディング部位で生ずる請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記多形性現象が前記遺伝子のコーディング部位で生ずる請求項4に記載方法。
【請求項6】
前記多形性変異体によって、前記遺伝子によってコードされた前記カルシニュリン・サブユニットまたは前記カルシニュリン相互作用分子のアミノ酸配列に変化が生ずる請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記多形性現象が、カルシニュリン・サブユニットをコードまたはカルシニュリン相互作用分子をコードする遺伝子に連鎖したゲノム領域で、生ずる請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記多形性が、前記遺伝子に遺伝学的に連鎖している請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記遺伝子が、CNB;CNAα;CNAβ;CNAγ;Cabin 1;カルシニュリンB相同タンパク質;カルシプレシン類;DSCR−1;カルサルシン−1;カルサルシン−3;Aキナーゼ・アンカー・タンパク質5;FK506結合タンパク質5;インターロイキン・エンハンサー結合因子2(活性T細胞核因子のILF2サブユニット);活性T細胞、細胞質、カルシニュリン依存2の核因子;リアノジン受容体3型;IP3(イノシトール・トリホスフェート)受容体1型;下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP);およびカルシウム・シグナル修飾シクロフィリン・リガンドからなる群から選択されるポリペプチドをコードする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記遺伝子がCNAγをコードする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記多形性現象がCC−5をコードする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法が、カルシニュリン・サブユニットをコードまたはカルシニュリン相互作用分子をコードする、前記試料中の1つ以上の遺伝子または該遺伝子に連鎖したゲノム領域のコーディングまたは非コーディング部位での複数の多形性現象の多形変異体を、個々に又は平行して検出するようにして実行される請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記検出ステップは前記試料をオリゴヌクレオチド・アレイと接触させることを含み、カルシニュリン・サブユニットをコードまたはカルシニュリン相互作用分子をコードする、前記試料中の1つ以上の遺伝子または該遺伝子に連鎖したゲノム領域のコーディングまたは非コーディング部位での複数の多形性現象の多形変異体を、特異的に検出するように設計された複数のオリゴヌクレオチドを、前記オリゴヌクレオチド・アレイが含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の多形性現象が統合失調症に対するリスク・ハプロタイプを含む請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記リスク・ハプロタイプがCC−21、CC−33、CC−S3;G、C、A多形性変異体の1つ以上を含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記リスク・ハプロタイプが、前記CC−21、CC−33、CC−S3;G、C、A多形性変異体を1つ、2つ、または3つ含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
CNAγをコードする遺伝子内の、または該遺伝子に連鎖した1つ以上の多形性現象が検出される請求項1の方法。
【請求項18】
前記検出ステップは、前記試料をオリゴヌクレオチドと接触させることを含み、前記オリゴヌクレオチドが、前記多形性現象の多形性変異体を特異的に検出または増幅するように設計されている請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記検出ステップは、前記試料をオリゴヌクレオチド・アレイと接触させることを含み、前記オリゴヌクレオチド・アレイが前記多形性現象の多形性変異体を特異的に検出するように設計された1つ以上のオリゴヌクレオチドを含む請求項1の方法。
【請求項20】
前記多形性変異体が統合失調症のリスク増加に関連する場合、被験体が統合失調症にかかりやすい、またはかかっているかを判断するステップを、さらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項21】
統合失調症または統合失調症感受性を診断するための方法であって、
(i)統合失調症または統合失調症について試験すべき被験体から得た試料を提供するステップと、
(ii)正常な被験体から得た試料中に期待されるカルシニュリン・サブユニットまたはカルシニュリン相互作用分子の発現または活性に関連して、前記試料中のカルシニュリン・サブユニットまたはカルシニュリン相互作用分子の発現または活性の変化または変異を検出するステップと、
を含むことを特徴とする統合失調症または統合失調症感受性を診断するための方法。
【請求項22】
前記変化または変異が、前記カルシニュリン・サブユニットまたは前記カルシニュリン相互作用分子をコードするmRNAの存在量もしくは前記カルシニュリン・サブユニットまたは前記カルシニュリン相互作用分子の存在量の増加または減少を含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記カルシニュリン・サブユニットまたは前記カルシニュリン相互作用分子は、CNB;CNAα;CNAβ;CNAγ;Cabin 1;カルシニュリンB相同タンパク質;カルシプレシン類;DSCR−1;カルサルシン−1;カルサルシン−3;Aキナーゼ・アンカー・タンパク質5;FK506結合タンパク質5;インターロイキン・エンハンサー結合因子2(活性T細胞核因子のILF2サブユニット);活性T細胞、細胞質、カルシニュリン依存2の核因子;リアノジン受容体3型;IP3(イノシトール・トリホスフェート)受容体1型;下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP);およびカルシウム・シグナル修飾シクロフィリン・リガンドからなる群から選択される請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記カルシニュリン・サブユニットまたはカルシニュリン相互作用分子がCNAγである請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記変化または変異がホスファターゼ活性の増加または減少を含む請求項21に記載の方法。
【請求項26】
統合失調症または統合失調症感受性を診断するための方法であって、
(i) 統合失調症または統合失調症について試験すべき被験体から得た試料を提供するステップと、
(ii) 前記試料中のカルシニュリン・サブユニットまたはカルシニュリン相互作用分子の変化または変異を検出するステップと、
を有することを特徴とする統合失調症または統合失調症感受性を診断するための方法。
【請求項27】
前記変化または変異が、前記カルシニュリン・サブユニットまたは前記カルシニュリン相互作用分子のアミノ酸配列、サイズ、または組織あるいは細胞内分布に変化または変異を有する請求項26の方法。
【請求項28】
前記カルシニュリン・サブユニットまたは前記カルシニュリン相互作用分子は、CNB;CNAα;CNAβ;CNAγ;Cabin 1;カルシニュリンB相同タンパク質;カルシプレシン類;DSCR−1;カルサルシン−1;カルサルシン−3;Aキナーゼ・アンカー・タンパク質5;FK506結合タンパク質5;インターロイキン・エンハンサー結合因子2(活性T細胞核因子のILF2サブユニット);活性T細胞、細胞質、カルシニュリン依存2の核因子;リアノジン受容体3型;IP3(イノシトール・トリホスフェート)受容体1型;下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP);およびカルシウム・シグナル修飾シクロフィリン・リガンド(CAML)からなる群から選択される請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記カルシニュリン・サブユニットまたは前記カルシニュリン相互作用分子がCNAγである請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記検出のステップが、前記カルシニュリン・サブユニットまたは前記カルシニュリン相互作用分子に特異的に結合する抗体を用いることを含む請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記検出のステップが、前記カルシニュリン・サブユニットまたは前記カルシニュリン相互作用分子の変異体に特異的に結合する抗体を用いることを含み、該変異体の存在が統合失調症の感受性または存在を示す請求項30に記載の方法。
【請求項32】
統合失調症または該統合失調症の感受性を治療するための方法であって、
統合失調症のリスクまたは罹患状態にある被験体を提供するステップと、
カルシニュリン、カルシニュリン・サブユニット、またはカルシニュリン相互作用分子の活性または存在量を調節する化合物を被験体に投与するステップと、
を有することを特徴とする統合失調症または該統合失調症の感受性を治療するための方法。
【請求項33】
前記化合物が、カルシニュリン、カルシニュリン・サブユニット、またはカルシニュリン相互作用分子の活性または存在量を高める請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記化合物が、カルシニュリン、カルシニュリン・サブユニット、またはカルシニュリン相互作用分子の活性または存在量を減少させる請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記化合物が、カルシニュリン、カルシニュリン・サブユニット、またはカルシニュリン相互作用分子の活性を調節する請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記化合物が、カルシニュリン、カルシニュリン・サブユニット、またはカルシニュリン相互作用分子の活性を高める請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記化合物が、カルシニュリン、カルシニュリン・サブユニット、またはカルシニュリン相互作用分子を減少させる請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記化合物が、カルシニュリン、カルシニュリン・サブユニット、またはカルシニュリン相互作用分子の発現を調節する請求項32に記載の方法。
【請求項39】
前記化合物が、カルシニュリン、カルシニュリン・サブユニット、またはカルシニュリン相互作用分子の発現を高める請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記化合物が、カルシニュリン、カルシニュリン・サブユニット、またはカルシニュリン相互作用分子の発現を減少させる請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記化合物が、カルシニュリン、カルシニュリン・サブユニット、またはカルシニュリン相互作用分子に結合する請求項32に記載の方法。
【請求項42】
前記化合物が、カルシニュリン、カルシニュリン・サブユニット、またはカルシニュリン相互作用分子と第2の分子との結合を妨げる請求項32に記載の方法。
【請求項43】
前記第2の分子がカルシニュリン・サブユニットまたはカルシニュリン相互作用分子である請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記化合物がカルシニュリンとカルモジュリンとの結合を調節する請求項32に記載の方法。
【請求項45】
前記化合物が、カルシニュリンまたはカルシニュリン・サブユニットとカルシニュリン阻害剤との結合を妨げる請求項32の方法。
【請求項46】
前記カルシニュリン阻害剤がCabin1またはCHPである請求項45の方法。
【請求項47】
前記カルシニュリン、カルシニュリン・サブユニット,またはカルシニュリン相互作用分子が、CNB;CNAα;CNAβ;CNAγ;Cabin 1;カルシニュリンB相同タンパク質;カルシプレシン類;DSCR−1;カルサルシン−1;カルサルシン−3;Aキナーゼ・アンカー・タンパク質5;FK506結合タンパク質5;インターロイキン・エンハンサー結合因子2(活性T細胞核因子のILF2サブユニット);活性T細胞、細胞質、カルシニュリン依存2の核因子;リアノジン受容体3型;IP3(イノシトール・トリホスフェート)受容体1型;下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP);およびカルシウム・シグナル修飾シクロフィリン・リガンドからなる群から選択される請求項32に記載の方法。
【請求項48】
前記カルシニュリン・サブユニットがCNAγである請求項47に記載の方法。
【請求項49】
カルシニュリンの活性化または阻害に関与するメカニズムによって、前記化合物が作用する請求項32に記載の方法。
【請求項50】
カルシニュリンの活性化または阻害に関与しないメカニズムによって、前記化合物が作用する請求項32に記載の方法。
【請求項51】
前記化合物がNF−AT転写因子ファミリーのメンバーを活性化または抑制する請求項32に記載の方法。
【請求項52】
前記化合物がDARPP−32または阻害剤1を不活性化させる請求項32に記載の方法。
【請求項53】
前記化合物がDARPP−32または阻害剤1のタンパク質ホスファターゼ1への結合を阻害または抑制する請求項32の方法。
【請求項54】
前記化合物がリアノジン受容体3型に結合または該リアノジン受容体3型の活性化を調節する請求項32の方法、
【請求項55】
前記化合物がリアノジン受容体3型の活性化を高める請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記化合物がリアノジン受容体3型の活性化を減少させる請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前記化合物がイノシトール・トリホスフェート受容体1型に結合し、またはイノシトール・トリホスフェート受容体1の活性化を調節する請求項32に記載の方法。
【請求項58】
前記化合物がイノシトール・トリホスフェート受容体1型の活性を高める請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記化合物がイノシトール・トリホスフェート受容体1型の活性化を低下させる請求項57に記載の方法。
【請求項60】
前記投与のステップが遺伝子治療用ベクターを被験体に導入することを含む請求項32に記載の方法。
【請求項61】
前記遺伝子治療用ベクターが、カルシニュリン・サブユニットまたはカルシニュリン分子もしくはカルシニュリンの基質または阻害剤をコードする核酸を含む請求項60に記載の方法。
【請求項62】
統合失調症または統合失調症感受性を治療するための方法であって、
統合失調症のリスクまたは罹患状態にある被験体を提供するステップと、
前記被験体に対して細胞内カルシウム濃度を調節する化合物を投与するステップと、
を有することを特徴とする、統合失調症または統合失調症感受性を治療するための方法。
【請求項63】
前記化合物は、リアノジン受容体、IP3受容体、PACAP受容体、ホスホリパーゼCを活性化する受容体、カルシウム・ポンプ、カルシウム・チャンネル、ホスホリパーゼC、およびCAMLGからなる群から選択される分子に結合または該分子を調節する請求項62に記載の方法。
【請求項64】
統合失調症または統合失調症感受性を治療するための方法であって、
統合失調症のリスクまたは罹患状態にある被験体を提供するステップと、
前記被験体に対して海馬または皮質LTDを調節する化合物を投与するステップと、
を有することを特徴とする、統合失調症または統合失調症感受性を治療するための方法。
【請求項65】
前記化合物の作用が、神経ペプチドまたは神経ペプチド受容体のアゴニストまたはアンタゴニストである請求項62または64に記載の方法。
【請求項66】
前記化合物がイオン・チャンネルを調整する請求項62または64に記載の方法。
【請求項67】
前記イオン・チャンネルがカルシウム・チャンネルである請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記カルシウム・チャンネルがL型カルシウム・チャンネルである請求項66に記載の方法。
【請求項69】
前記カルシウム・チャンネルが電気容量調節活性化チャンネルである請求項66に記載の方法。
【請求項70】
統合失調症または統合失調症感受性を治療するための方法であって、
統合失調症のリスクまたは罹患状態にある被験体を提供するステップと、
1種類以上のNFAT−調節タンパク質の発現または活性を調節する化合物を投与するステップと、
を有することを特徴とする、統合失調症または統合失調症感受性を治療するための方法。
【請求項71】
統合失調症または統合失調症感受性である被験体の免疫系症状を治療する方法であって、
免疫異常のリスクまたは罹患状態にある被験体もしくは統合失調症のリスクまたは罹患状態にある被験体を提供するステップと、
前記被験体に対してカルシニュリン、カルシニュリン・サブユニット、またはカルシニュリン相互作用分子の活性または存在量を調節する化合物を投与するステップと、
を有することを特徴とする、統合失調症または統合失調症感受性を治療するための方法。
【請求項72】
前記免疫系異常は、変成サイトカイン産生、変成T細胞サブセット比、または自己抗体の産生、もしくはこれらの組み合わせである請求項71の方法。
【請求項73】
請求項1または任意の他の適当な方法を用いて、統合失調症のリスクまたは罹患状態にあるものとして被験体を同定するステップを、さらに含む請求項32、62、64、70、または71のいずれかに記載の方法。
【請求項74】
統合失調症または統合失調症感受性の診断に有用な多形性現象を同定する方法であって、
CNサブユニットまたはCN相互作用タンパク質をコードする遺伝子に存在または連鎖した1つ以上の多形性現象を同定するステップと、
統合失調症にかかった被験体から得た試料を含む一連の試料を提供するステップと、
統合失調症による前記多形性現象の1つ以上の変異体の連鎖または結合について前記試料を試験するステップと、
前記多形性現象および統合失調症感受性の1つ以上の変異体間の結合が連鎖している場合、統合失調症の診断に有用なものとして多形性現象を同定するステップと、
を有することを特徴とする、多形性現象を同定する方法。
【請求項75】
統合失調症または統合失調症感受性に貢献または寄与する突然変異を同定する方法であって、
CNサブユニットまたはCN相互作用タンパク質をコードする遺伝子内または該遺伝子に連鎖した多形性現象を同定するステップと、
前記多形性現象の多形性現象が結合失調症感受性と連鎖または関連していることを判断するステップと、
統合失調症にかかった1つ以上の被験体から得た試料中の前記遺伝子および任意に該遺伝子の調節領域の塩基配列決定をおこなうステップと、
得られた配列を同一遺伝子の正常型または野生型配列と比較するステップと、
前記塩基配列決定のステップで得られた前記配列が前記正常または野生型配列とは異なる場合、統合失調症を引き起こす、または該統合失調症に貢献する突然変異を示すものとして前記多形性変異体を同定するステップと、
を有することを特徴とする、突然変異体を同定する方法。
【請求項76】
統合失調症または統合失調症感受性を治療するための候補化合物を同定する方法であって、
NF−AT、カルシニュリン、およびNF−ATレポーターを含む生物学的系を提供するステップと、
前記生物学的系を化合物と接触させるステップと、
前記化合物存在下での前記レポーターの転写応答を前記化合物の非存在下での応答または予想応答と比較するステップと、
前記化合物の存在下での前記転写応答が前記化合物の非存在下で生ずる、または見込まれる前記転写応答とは異なる場合、前記化合物を統合失調症または統合失調症感受性の治療用候補化合物として同定するステップと、
を有することを特徴とする、候補化合物を同定する方法。
【請求項77】
前記生物学的系が細胞または細胞群である請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記生物学的系がCNAγを含み、かつCNAαとCNAβとを欠如している請求項76の方法。
【請求項79】
前記生物学的系がカルシニュリン阻害剤をさらに含む請求項76に記載の方法。
【請求項80】
統合失調症または統合失調症感受性を治療するための候補化合物を同定する方法であって、
リン酸化カルシニュリン基質およびカルシニュリンを含む生物学的系を提供するステップと、
前記生物学的系を化合物と接触させるステップと、
前記基質の脱リン酸化の程度または率を、前記化合物の非存在下で起こる、あるいは見込まれる脱リン酸化の程度または率と比較するステップと、
前記化合物の存在下での前記脱リン酸化の程度または率が、前記化合物の非存在下で起こる、あるいは見込まれる脱リン酸化の程度または率と異なる場合、統合失調症または統合失調症感受性の治療用候補化合物として前記化合物を同定するステップと、
を有することを特徴とする、候補化合物を同定する方法。
【請求項81】
前記生物学的系がCNAγを含み、かつCNAαとCNAβとを欠如している請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記生物学的系がカルシニュリン阻害剤をさらに含む請求項80に記載の方法。
【請求項83】
統合失調症または統合失調症感受性を治療するための候補化合物を同定する方法であって、
リアノジン受容体3型を含む細胞膜を持つ生物学的系を提供するステップと、
前記生物学的系を化合物と接触させるステップと、
前記細胞膜をリアノジンと接触させるステップと、
前記化合物の存在下での前記細胞膜に対するリアノジンの結合の程度または率を、前記化合物の非存在下で生ずる、または見込まれる結合の程度または率と比較するステップと、
前記化合物の存在下での結合の程度または度合いが、前記化合物の非存在下で生ずる、または見込まれるものと異なる場合、統合失調症または統合失調症感受性治療用候補化合物として前記化合物を同定するステップと、
を有することを特徴とする、候補化合物を同定する方法。
【請求項84】
前記生物学的系がCNAγを含み、かつCNAαとCNAβとを欠如している請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記生物学的系がカルシニュリン阻害剤をさらに含む請求項83に記載の方法。
【請求項86】
統合失調症または統合失調症感受性を治療するための候補化合物を同定する方法であって、
IP3受容体1型を含む細胞膜を持つ生物学的系を提供するステップと、
前記生物学的系を化合物と接触させるステップと、
前記細胞膜をIP3と接触させるステップと、
前記化合物の存在下での前記細胞膜に対するIP3の結合の程度または率を、前記化合物の非存在下で生ずる、または見込まれる結合の程度または率と比較するステップと、
前記化合物の存在下での結合の程度または度合いが、前記化合物の非存在下で生ずる、または見込まれるものと異なる場合、統合失調症または統合失調症感受性治療用候補化合物として前記化合物を同定するステップと、
を有することを特徴とする、候補化合物を同定する方法。
【請求項87】
前記生物学的系がCNAγを含み、かつCNAαとCNAβとを欠如している請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記生物学的系がカルシニュリン阻害剤をさらに含む請求項86に記載の方法。
【請求項89】
統合失調症または統合失調症感受性を治療するための候補化合物を同定する方法であって、
PP1応答調節因子を含む転写レポーター構成体を持つ生物学的系を提供するステップと、
前記化合物を前記生物学的系と接触させるステップと、
前記化合物の存在下での前記レポーターの転写応答を、前記化合物の非存在下での応答または予測応答と比較するステップと、
前記化合物の存在での転写応答が、前記化合物の非存在下で生ずる、または見込まれる転写応答と異なる場合、PP1活性の修飾因子として前記化合物を同定するステップと、
を含むことを特徴とする、候補化合物を同定する方法。
【請求項90】
前記生物学的系が細胞または細胞群である請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記生物学的系がCNAγを含み、かつCNAαとCNAβとを欠如している請求項89に記載の方法。
【請求項92】
前記生物学的系がカルシニュリン阻害剤をさらに含む請求項89に記載の方法。
【請求項93】
統合失調症または統合失調症感受性を治療するための候補化合物を同定する方法であって、
カルシニュリンおよび内因性カルシニュリン阻害剤を含む生物学的系を提供するステップと、
前記化合物を前記生物学的系と接触させるステップと、
前記化合物の存在下での前記カルシニュリンおよび前記内因性カルシニュリン阻害剤の結合の程度または率を、前記化合物の非存在下で生ずる、または生ずると見込まれる結合の程度または率と比較するステップと、
前記化合物の存在下での前記カルシニュリンおよび前記内因性カルシニュリン阻害剤の結合の程度または率が、前記化合物の非存在下で生ずる、または生ずると見込まれる結合の程度または率と異なる場合、統合失調症または統合失調症感受性治療用候補化合物として前記化合物を同定するステップと、
を有することを特徴とする、候補化合物を同定する方法。
【請求項94】
前記比較のステップが、2−または3−ハイブリッド・スクリーンを実施することを含む、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
統合失調症または統合失調症感受性を治療するための候補化合物を同定する方法であって、
カルシニュリンおよびカルモジュリンを含む生物学的系を提供するステップと、
前記化合物を前記生物学的系と接触させるステップと、
前記化合物の存在下での前記カルシニュリンおよび前記カルモジュリンの結合の程度または率を、前記化合物の非存在下で生ずる、または生ずると見込まれる結合の程度または率と比較するステップと、
前記化合物の存在下でのカルシニュリンおよびカルモジュリンの結合の程度または率が、前記化合物の非存在下で生ずる、または生ずると見込まれる結合の程度または率と異なる場合、統合失調症または統合失調症感受性治療用候補化合物として前記化合物を同定するステップと、
を有することを特徴とする、候補化合物を同定する方法。
【請求項96】
前記比較のステップが、2−または3−ハイブリッド・スクリーン法を実施することを含む、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
異なるカルシウム範囲を試験する請求項95に記載の方法。
【請求項98】
統合失調症または統合失調症感受性を治療するための候補化合物を同定する方法であって、
LTDの測定に適した生物学的系を提供するステップと、
前記生物学的系を前記候補化合物と接触させるステップと、
前記生物学的系のLTDを測定するステップと、
前記生物学的系のLTDの範囲が、前記化合物の非存在下で生ずる、または生ずると見込まれるLTDの範囲と異なる場合、統合失調症または統合失調症感受性治療用候補化合物として前記化合物を同定するステップと、
を有することを特徴とする、候補化合物を同定する方法。
【請求項99】
前記生物学的系が海馬切片を含む請求項98に記載の方法。
【請求項100】
統合失調症または統合失調症感受性を治療するための候補化合物を同定する方法であって、
細胞内カルシウムを測定するのに適した生物学的系を提供するステップと、
前記生物学的系を前記候補化合物と接触させるステップと、
前記生物学的系の細胞内カルシウムまたはカルシウム・フラックスを測定するステップと、
前記生物学的系の細胞内カルシウムまたはカルシウム・フラックスのレベルが、前記化合物の非存在で生ずる、または生ずると予測される細胞内カルシウムまたはカルシウム・フラックスのレベルと異なる場合、統合失調症または統合失調症感受性治療用候補化合物として前記化合物を同定するステップと、
を有することを特徴とする、候補化合物を同定する方法。
【請求項101】
前記生物学的系が細胞または細胞群である請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記測定のステップが、カルシウム感受性分子のフラックスまたはカルシウム・センサー・タンパク質の活性のレベルを測定することを含む請求項100に記載の方法。
【請求項103】
統合失調症または統合失調症感受性を治療するための候補化合物を同定する方法であって、
CNまたはCN複合体の分子構造を提供するステップと、
CNまたはCN複合体に結合する、またはCNサブユニットあるいはCN相互作用分子のいずれかに対するCNまたはCNサブユニットの結合を防ぐと考えられる構造を同定するステップと、
統合失調症または統合失調症感受性治療用候補化合物としてそのような構造を有する化合物を選択するステップと、
を有することを特徴とする、候補化合物を同定する方法。
【請求項104】
統合失調症の動物モデルで、または統合失調症のリスクのある、あるいはかかっているヒト被験体で、前記化合物を試験するステップを、さらに含む請求項76、80、83、86、89、93、95、98、100、または103のいずれかに記載の方法。
【請求項105】
統合失調症を治療するための化合物を同定する方法であって、
一被験体または複数の被験体を提供するステップと、
前記一被験体または前記複数の被験体に対して、候補化合物を投与するステップであり、前記候補化合物がカルシニュリン、カルシニュリン・サブユニット、またはカルシニュリン相互作用分子の活性または存在量を調節するステップと、
前記表現型の重症度または発生率に対する前記一被験体または前記複数の被験体での前記表現型の重症度または発生率を、前記候補化合物が投与されていない一被験体または複数の被験体に存在する、または存在すると見込まれるものと比較するステップと、
前記一被験体または前記複数の被験体の表現型の発生率または重症度が、前記候補化合物が投与されていない一被験体または複数の被験体に存在する、または存在すると見込まれるものよりも少ない場合、統合失調症または統合失調症感受性の治療のための化合物として前記候補化合物を同定するステップと、
を有することを特徴とする、化合物を同定する方法。
【請求項106】
統合失調症を治療するための化合物を同定する方法であって、
統合失調症のリスクまたは該統合失調症を思わせる1種類以上の表現型を示す一被験体または複数の被験体を提供するステップであり、前記一被験体または前記複数の被験体が、少なくとも1つのカルシニュリン・サブユニットまたはカルシニュリン相互作用分子に、またはそのような分子をコードする遺伝子に変化を持つステップと、
前記一被験体または前記複数の被験体に候補化合物を投与するステップと、
前記表現型の重症度または発生率に対する前記一被験体または前記複数の被験体での前記表現型の重症度または発生率を、前記候補化合物が投与されていない一被験体または複数の被験体に存在する、または存在すると見込まれるものと比較するステップと、
前記一被験体または前記複数の被験体の表現型の発生率または重症度が、前記候補化合物が投与されていない一被験体または複数の被験体に存在する、または存在すると見込まれるものよりも少ない場合、統合失調症または統合失調症感受性の治療のための化合物として前記候補化合物を同定するステップと、
を有することを特徴とする、化合物を同定する方法。
【請求項107】
前記変化が発現レベルまたは発現パターンの変化である請求項106に記載の方法。
【請求項108】
前記変化がアミノ酸配列の変化である請求項106に記載の方法。
【請求項109】
前記一被験体または前記複数の被験体は、カルシニュリン・サブユニットまたはカルシニュリン相互作用分子をコードする遺伝子の多形性変異体を示し、該変異体の存在が統合失調症を思わせる1種類以上の表現型に関連している請求項106に記載の方法。
【請求項110】
前記一被験体または前記複数の被験体がヒト以外の動物であり、カルシニュリン・サブユニットまたはカルシニュリン相互作用分子をコードする遺伝子の多形性変異体を示し、ヒトの相同部位での前記変異体の存在が、統合失調症を与えるか、または統合失調症の存在を示す請求項106に記載の方法。
【請求項111】
前記一被験体または前記複数の被験体がマウスである請求項106に記載の方法。
【請求項112】
前記一被験体または前記複数の被験体がヒトである請求項106に記載の方法。
【請求項113】
前記一被験体または前記複数の被験体が遺伝子操作されている請求項106に記載の方法。
【請求項114】
前記一被験体または前記複数の被験体が、カルシニュリン・サブユニットおよびカルシニュリン相互作用分子からなる群から選択される少なくとも2つの分子に変化を有する請求項106に記載の方法。
【請求項115】
前記一被験体または前記複数の被験体が少なくとも1つのカルシニュリン・サブユニットまたはカルシニュリン相互作用分子の発現が不十分である請求項106に記載の方法。
【請求項116】
前記カルシニュリン・サブユニットがCNBである請求項106または115に記載の方法。
【請求項117】
前記カルシニュリン・サブユニットがCNAγである請求項106または115に記載の方法。
【請求項118】
請求項76、80、83、86、89、93、95、98、100、103、および117のいずれかに記載の方法にもとづいて同定された化合物。
【請求項119】
請求項118の化合物のいずれかの誘導体。
【請求項120】
前記誘導体が、生物学的利用能、血液脳関門を横断する高められた能力、または改善された安全プロフィールを示す請求項119に記載の誘導体。
【請求項121】
請求項118または119の化合物のいずれかと、医薬的に許容されるキャリアとを含む医薬組成物。
【請求項122】
統合失調症または統合失調症感受性を治療する方法であって、
統合失調症のリスクまたは罹患状態にある被験体を提供するステップと、
請求項121の前記医薬組成物のいずれかを、単独で、もしくは統合失調症あるいは統合失調症感受性を治療するための第2の化合物または該化合物の副作用を減少させる化合物を同時に、被験体に投与するステップと、
を有することを特徴とする、 統合失調症または統合失調症感受性を治療する方法。
【請求項123】
請求項1の方法にもとづいて、統合失調症のリスクがある、または該統合失調症にかかっているものとして、前記被験体を同定するステップを、さらに有する請求項122に記載の方法。
【請求項124】
カルシニュリン・サブユニットをコードまたはカルシニュリン相互作用分子をコードする遺伝子のコーディングまたは非コーディング部位にある多形性現象の自然発生的な多形性変異体、もしくは前記遺伝子に連鎖した被験体にある多形性現象の多形性変異体を特異的に検出または増幅するように設計されたオリゴヌクレオチドであって、
前記遺伝子または該遺伝子の一部が、統合失調症感受性の遺伝子座に一致することを特徴とするオリゴヌクレオチド。
【請求項125】
前記遺伝子は、CNB;CNAα;CNAβ;CNAγ;Cabin 1;カルシニュリンB相同タンパク質;a カルシプレシン類;DSCR−1;カルサルシン−1;カルサルシン−3;Aキナーゼ・アンカー・タンパク質5;FK506結合タンパク質5;インターロイキン・エンハンサー結合因子2(活性T細胞核因子のILF2サブユニット);活性T細胞、細胞質、カルシニュリン依存2の核因子;リアノジン受容体3型;IP3(イノシトール・トリホスフェート)受容体1型;下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP);およびカルシウム・シグナル修飾シクロフィリン・リガンドからなる群から選択される請求項124に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項126】
前記遺伝子がCNAγである請求項125に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項127】
前記多形性現象がCC−21、CC−33、CC−S3、またはCC5多形性現象である請求項126に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項128】
自然発生的な核酸領域を特異的に検出または増幅するように設計されたオリゴヌクレオチドであって、
カルシニュリン・サブユニットをコードまたはカルシニュリン相互作用分子をコードする遺伝子のコーディングまたは非コーディング部位にある多形性部位、もしくは前記遺伝子に連鎖した被験体での多形性現象の多形性変異体を含み、
前記遺伝子または該遺伝子の一部が統合失調症感受性の遺伝子座に一致することを特徴とするオリゴヌクレオチド。
【請求項129】
前記統合失調症感受性の遺伝子座が遺伝学的に同定される請求項128に記載の方法。
【請求項130】
前記遺伝子は、CNB;CNAα;CNAβ;CNAγ;Cabin 1;カルシニュリンB相同タンパク質;カルシプレシン;DSCR−1;カルサルシン−1;カルサルシン−3;Aキナーゼ・アンカー・タンパク質5;FK506結合タンパク質5;インターロイキン・エンハンサー結合因子2(活性T細胞核因子のILF2サブユニット);活性T細胞、細胞質、カルシニュリン依存2の核因子;リアノジン受容体3型;IP3(イノシトール・トリホスフェート)受容体1型;下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP);およびカルシウム・シグナル修飾シクロフィリン・リガンドからなる群から選択される請求項128に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項131】
前記遺伝子がCNAγである請求項130に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項132】
前記多形性現象がCC−21、CC−33、CC−S3、またはCC−5多形性現象である請求項131のオリゴヌクレオチド。
【請求項133】
前記オリゴヌクレオチドが、前記多形性部位のいずれかの側にある正反対のDNA鎖とハイブリダイズする請求項124または128に記載どおりの一対のオリゴヌクレオチド。
【請求項134】
キットであって、請求項124または128のオリゴヌクレオチドと、パッケージングおよび取り扱い説明書、緩衝液、ヌクレオチド、ポリメラーゼ、酵素、陽性対照試料、陰性対照試料、ならびに陰性対照プライマーまたはプローブとからなる請求項124または128のオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とするキット。
【請求項135】
請求項124または128に記載どおりの複数の異なる多形性部位で多形性変異体を検出するオリゴヌクレオチド・アレイ。
【請求項136】
前記オリゴヌクレオチドが、複数の異なる多形性部位で多形性変異体を検出する請求項135のオリゴヌクレオチド・アレイ。
【請求項137】
キットであって、請求項135のオリゴヌクレオチド・アレイと、パッケージングおよび取り扱い説明書、緩衝液、ヌクレオチド、ポリメラーゼ、酵素、陽性対照試料、陰性対照試料、ならびに陰性対照プライマーまたはプローブからなる群から選択される1つ以上のアイテムとを含むことを特徴とするキット。
【請求項138】
3’側にある自然発生的な多形性部位に直に隣接したヌクレオチド位置で終了し、かつこの部位から5’方向に少なくとも8個で100個未満のヌクレオチドが延びているプライマーであって、
前記多形性部位が、 カルシニュリン・サブユニットをコードまたはカルシニュリン相互作用分子をコードする遺伝子のコーディングまたは非コーディング部分にある多形性現象の部位、もしくは前記遺伝子に連鎖した被験体にある多形性現象の部位であることを特徴とするプライマー。
【請求項139】
前記遺伝子または該遺伝子の一部が、統合失調症感受性の遺伝子座に一致する請求項138に記載のプライマー。
【請求項140】
前記統合失調症感受性遺伝子座が遺伝的に同定される請求項139に記載のプライマー。
【請求項141】
前記遺伝子は、CNB;CNAα;CNAβ;CNAγ;Cabin 1;カルシニュリンB相同タンパク質;カルシプレシン;DSCR−1;カルサルシン−1;カルサルシン−3;Aキナーゼ・アンカー・タンパク質5;FK506結合タンパク質5;インターロイキン・エンハンサー結合因子2(活性T細胞核因子のILF2サブユニット);活性T細胞、細胞質、カルシニュリン依存2の核因子;リアノジン受容体3型;IP3(イノシトール・トリホスフェート)受容体1型;下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP);およびカルシウム・シグナル修飾シクロフィリン・リガンドからなる群から選択される請求項139に記載のプライマー。
【請求項142】
前記遺伝子がCNAγである請求項141に記載のプライマー。
【請求項143】
前記多形性現象がCC−21、CC−33、CC−S3、またはCC−5多形性現象である請求項142に記載のプライマー。
【請求項144】
前記プライマーが前記多形性部位の位置に隣接した正反対のDNA鎖とハイブリダイズする請求項138に記載どおりのプライマー対。
【請求項145】
キットであって、請求項138のプライマーと、パッケージングおよび取り扱い説明書、緩衝液、ヌクレオチド、ポリメラーゼ、酵素、陽性対照試料、陰性対照試料、ならびに陰性対照プライマーまたはプローブからなる群から選択される1つ以上のアイテムとを含むことを特徴とするキット。
【請求項146】
カルシニュリン・サブユニットまたはカルシニュリン相互作用分子をコードする転写産物を標的とするsiRNA分子。
【請求項147】
前記 カルシニュリン・サブユニットまたは前記カルシニュリン相互作用分子が、統合失調症感受性の遺伝子座に一致する遺伝子によってコードされる請求項146に記載のsiRNA分子。
【請求項148】
前記統合失調症感受性の遺伝子座が遺伝学的に同定される請求項147に記載のsiRNA分子。
【請求項149】
前記siRNA分子が、前記転写産物の多形性変異体をコードする転写産物を選択的または特異的に標的し、被験体での前記多形性変異体の存在が統合失調症感受性または統合失調症の存在を示す請求項146に記載のsiRNA分子。
【請求項150】
前記転写産物は、CNB;CNAα;CNAβ;CNAγ;Cabin 1;カルシニュリンB相同タンパク質;カルシプレシン;DSCR−1;カルサルシン−1;カルサルシン−3;Aキナーゼ・アンカー・タンパク質5;FK506結合タンパク質5;インターロイキン・エンハンサー結合因子2(活性T細胞核因子のILF2サブユニット);活性T細胞、細胞質、カルシニュリン依存2の核因子;リアノジン受容体3型;IP3(イノシトール・トリホスフェート)受容体1型;下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP);およびカルシウム・シグナル修飾シクロフィリン・リガンドからなる群から選択される分子をコードする請求項146に記載のsiRNA分子。
【請求項151】
前記カルシニュリン・サブユニットがCNAγである請求項146に記載のsiRNA分子。
【請求項152】
キットであって、請求項146のsiRNA分子と、パッケージングおよび取り扱い説明書、緩衝液、陽性対照試料、および陰性対照siRNA分子からなる群から選択される1つ以上のアイテムとを含むことを特徴とするキット。
【請求項153】
カルシニュリン・サブユニットまたはカルシニュリン相互作用分子の変異体に特異的に結合する抗体であって、
前記 カルシニュリン・サブユニットまたは前記カルシニュリン相互作用分子は、多形性変異体を含む遺伝子によってコードされ、被験体での前記多形性変異体の存在が統合失調症感受性または統合失調症の存在を示すことを特徴とする抗体。
【請求項154】
前記 カルシニュリン・サブユニットまたは前記カルシニュリン相互作用分子は、CNB;CNAα;CNAβ;CNAγ;Cabin 1; カルシニュリンB相同タンパク質;カルシプレシン; DSCR−1; カルサルシン−1; カルサルシン−3; Aキナーゼ・アンカー・タンパク質5;FK506結合タンパク質5;インターロイキン・エンハンサー結合因子2(活性T細胞核因子のILF2サブユニット);活性T細胞、細胞質、カルシニュリン依存2の核因子;リアノジン受容体3型;IP3(イノシトール・トリホスフェート)受容体1型;下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP);およびカルシウム・シグナル修飾シクロフィリン・リガンドからなる群から選択される請求項153に記載の抗体。
【請求項155】
前記 カルシニュリン・サブユニットまたは前記カルシニュリン相互作用分子がCNAγである請求項153に記載の抗体。
【請求項156】
前記多形性変異体がCC−5多形性現象の変異体である請求項155に記載の抗体。
【請求項157】
前記多形性変異体がCNAγでのアルギニンからグルタミンへのアミノ酸変化を生ずる請求項156に記載の抗体。
【請求項158】
キットであって、請求項153の抗体と、パッケージングおよび取り扱い説明書、緩衝液、基質、第2抗体、酵素、陽性対照試料、陰性対照試料、ならびに陰性対照抗体からなる群から選択される1つ以上のアイテムとを含むことを特徴とするキット。
【請求項159】
CNArの発現に変化が生じたトランスジェニック動物。
【請求項160】
前記動物がマウスである請求項160に記載のトランスジェニック動物。
【請求項161】
前記マウスがCNAγ低次形態である請求項159に記載のトランスジェニック・マウス。
【請求項162】
前記マウスが組織特異的または組織限定的な様式でCNAγを発現する請求項160に記載のトランスジェニック・マウス。
【請求項163】
前記マウスが、1種類以上の細胞型、器官、組織、またはそれらの領域でCNAγを過剰発現する請求項160に記載のトランスジェニック・マウス。
【請求項164】
前記マウスが、1種類以上の細胞型、器官、組織、またはそれらの領域でCNAγを過少発現する請求項160に記載のトランスジェニック・マウス。
【請求項165】
前記マウスが、検出可能なCNAγ発現に欠けている請求項160に記載のトランスジェニック・マウス。
【請求項166】
前記マウスがCNAγの変異体を発現し、該変異体はGenbankに定めたようにCNAγの野生型配列と配列が異なる請求項160に記載のトランスジェニック・マウス。
【請求項167】
前記動物が、統合失調症を思わせる1種類以上の表現型を示す請求項159に記載のトランスジェニック動物。
【請求項168】
CNB低次形態であることを特徴とするトランスジェニック・マウス。
【請求項169】
CNAγまたはCNBの発現に変化が生じたマウスを、CNサブユニットまたはCN相互作用分子の発現に変化が生じた第2のマウスと交配させて得られたことを特徴とするマウス。
【請求項170】
コンピュータ読み取り可能媒体に格納された多形性配列のリストを含むデータベースであって、
前記多形性配列が、 カルシニュリン・サブユニットをコードまたはカルシニュリン相互作用分子をコードする遺伝子のコードまたは非コード部位もしくは該遺伝子に連鎖したゲノム領域で生じ、さらに前記リストが、大きくまたは全体的に多形性現象に限定されており、統合失調症または統合失調症感受性の遺伝子診断を実施する際に、もしくは統合失調症または統合失調症感受性の遺伝学的研究を実施する上で、有用なものとして同定されていることを特徴とするデータベース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−507795(P2006−507795A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−579753(P2003−579753)
【出願日】平成15年3月26日(2003.3.26)
【国際出願番号】PCT/US2003/009578
【国際公開番号】WO2003/082210
【国際公開日】平成15年10月9日(2003.10.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
マッキントッシュ
【出願人】(504348998)マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー (10)
【出願人】(504362101)ロックフェラー ユニバーシティ (3)
【Fターム(参考)】