緊急呼(eCALL)をサポートするための方法及び装置
【課題】eCallを確立中であることを示すためにeCallインジケータを用いることができるeCallをサポートするための技法を提供する。
【解決手段】端末は、eCallインジケータを含むメッセージを生成することができ及びeCallを発生させるために前記メッセージを送信することができる。eCallインジケータは、(i)呼がeCallであるかどうか又は(ii)eCallが前記端末によって自動的に開始されたか又はユーザによって手動で開始されたかを示すことができる。端末は、eCall及び指定された呼を除き移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを無線ネットワークに送信することを回避することができる。端末は、所在位置の更新を行うこと、登録を行うこと、ページング要求に応答すること、等を回避することができる。
【解決手段】端末は、eCallインジケータを含むメッセージを生成することができ及びeCallを発生させるために前記メッセージを送信することができる。eCallインジケータは、(i)呼がeCallであるかどうか又は(ii)eCallが前記端末によって自動的に開始されたか又はユーザによって手動で開始されたかを示すことができる。端末は、eCall及び指定された呼を除き移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを無線ネットワークに送信することを回避することができる。端末は、所在位置の更新を行うこと、登録を行うこと、ページング要求に応答すること、等を回避することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
35U.S.C.§119に基づく優先権の主張
本特許出願は、すべてが“Support of Minimal Network Signaling and Identification for an eCall Terminal”(eCall端末のための最小限のネットワークシグナリング及び識別のサポート)という題名を有し、ここの譲受人に割り当てられており、引用されることによって明示でここに組み入れられている、米国仮特許出願一連番号第61/041,873号(出願日:2008年4月2日)、米国仮特許出願一連番号第61/048,116号(出願日:2008年4月25日)、及び米国仮特許出願一連番号第61/061,586号(出願日:2008年6月13日)、に対する優先権を主張するものである。
【0002】
本開示は、概して、通信に関するものである。本開示は、より具体的には、緊急呼をサポートするための技法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
様々な通信サービス、例えば、音声、映像、パケットデータ、メッセージ伝送、ブロードキャスト、等、を提供することを目的として無線通信ネットワークが広範囲にわたって配備されている。これらの無線ネットワークは、利用可能なネットワークリソースを共有することによって複数のユーザをサポートすることが可能な多元接続ネットワークであることができる。該多元接続ネットワークの例は、符号分割多元接続(CDMA)ネットワークと、時分割多元接続(TDMA)ネットワークと、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワークと、直交FDMA(OFDMA)ネットワークと、単一搬送波FDMA(SC−FDMA)ネットワークと、を含む。
【0004】
無線ネットワークは、複数の端末のための通信をサポートすることができる。端末は、緊急の出来事に応答して緊急呼を行うことができる。緊急呼は、緊急サービス(例えば、警察、火災、医療、又はその他の緊急サービス)のための呼であり、緊急サービス呼と呼ばれることもある。緊急呼は、ユーザがよく知られた緊急番号、例えば北米における“911”又は欧州における“112”、をダイヤルすることによって開始することができる。シグナリングオーバーヘッドを低減させるために緊急呼のためのシグナリングを端末と無線ネットワークとの間において効率的に交換するのが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0005】
ここにおいては、eCallをサポートするための技法が説明される。eCallは、(i)引き金となる出来事(例えば、車両が事故に巻き込まれる)に起因して無線端末によって自動的に開始するか又はユーザによって手動で開始することができ及び(ii)端末によって受信主体、例えば緊急通報受信センター(PSAP)、に対して自動的に送信される追加データを含むことができる緊急呼である。前記追加データは、車両の識別と、車両位置と、引き金となる出来事と、等を含むことができ、及び、音声経路に沿ってインバンドで又は別個のシグナリング又はデータ/テキスト転送を介してアウトオブバンドで送信することができる。eCallをサポートする端末は、(i)通常のサービス、例えば、音声呼、パケットデータ、テキストメッセージ、映像、等、に加入契約する通常の無線端末、又は(ii)eCall専用端末と呼ばれる、eCallのみをサポートする端末、であることができる。eCallは、(ユーザが“911”をダイヤルすることによって開始される緊急呼に類似する)緊急呼と、追加のデータを受信主体に自動的に送信すること、とを備える。
【0006】
一態様において、eCallを確立中であることを示すためにeCallインジケータを用いることができる。一設計においては、端末は、eCallインジケータを備えるメッセージを生成することができ及びeCallを発生させる(generate)ために前記メッセージを送信することができる。一設計においては、前記eCallインジケータは、呼がeCallであるかどうかを示すことができる。他の設計においては、前記eCallインジケータは、呼が(i)前記端末によって自動的に開始されたeCallであるか又は(ii)ユーザによって手動で開始されたeCallであるかを示すことができる。前記eCallインジケータは、その他の情報を伝えることも可能である。
【0007】
前記eCallインジケータは、様々な方法で実装することができる。第1の設計においては、前記メッセージは、前記eCallインジケータのために用いられる少なくとも1つのビットを有するサービスカテゴリ情報要素を備えることができる。第2の設計においては、前記メッセージは、前記eCallインジケータを備える新しい情報要素を備えることができる。第3の設計においては、前記メッセージは、前記eCallインジケータのために用いられる少なくとも1つの値を有する接続管理(CM)サービスタイプ情報要素を備えることができる。第4の設計においては、前記メッセージは、前記eCallインジケータのために用いられる少なくとも1つのフラグを有する移動局(MS)クラスマーク2情報要素を備えることができる。第5の設計においては、前記メッセージは、前記eCallインジケータのために予約され及び用いられる被呼者番号を備えることができる。前記eCallインジケータは、その他の方法で搬送することも可能である。
【0008】
他の態様においては、eCall専用端末は、eCall及び指定された呼を除き、移動性管理(MM)及び接続管理(CM)のためのシグナリングを無線ネットワークに送信することを回避することができる。前記指定された呼は、eCall機能を試験するための呼、前記端末を再構成するための呼、及び/又はその他の特に定義された呼を備えることができる。例えば、指定された呼は、端末の再構成(例えば、eCall専用端末を、eCallに加えて通常のサービスを提供可能な端末に転換する)を要求するために及び前記端末が正確に作動していることを検証するために用いることができる顧客サービスと関連づけられたホーム無線オペレータによって割り当てられた特定の番号に対して行うのを許容することができる。前記eCall専用端末は、電源が投入された後に定期的に無線ネットワークを探すことができるが、検出されたネットワークに対してシグナリングを送信することを回避することができる。前記端末は、所在位置の更新を行うこと、登録を行うこと、ページング要求に応答すること、等を回避することができる。前記端末は、前記端末によって開始されたeCall又は指定された呼のために無線ネットワークとシグナリングを交換することができる。一設計においては、前記eCall又は指定された呼が開始された後に、前記端末は、前記無線ネットワークとの所在位置の更新及び前記eCall又は指定された呼のための呼の確立を行うことができる。
【0009】
本開示の様々な態様及び特徴が以下においてさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】典型的なネットワーク配備を示した図である。
【図2】端末によってeCallを確立するためのメッセージフローを示した図である。
【図3】eCallインジケータを搬送する緊急SETUPメッセージを示した図である。
【図4】eCallインジケータを搬送するCMサービス要求メッセージを示した図である。
【図5】eCallインジケータを搬送するSETUPメッセージを示した図である。
【図6】eCallの確立のために端末によって実行されるプロセスを示した図である。
【図7】eCallの確立をサポートするためにネットワークによって実行されるプロセスを示した図である。
【図8】通常のシグナリングを用いる端末の動作を示した図である。
【図9】低減されたシグナリングを用いるeCall専用端末の動作を示した図である。
【図10】eCall専用端末に関する状態図を示した図である。
【図11】端末によって実行されるプロセスを示した図である。
【図12】無線ネットワークによって実行されるプロセスを示した図である。
【図13】端末、基地局、及びMSCのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、典型的なネットワーク配備100を示し、訪問先ネットワーク(visited network)102と、ホームネットワーク104と、第三者ネットワーク106と、を含むことができる。訪問先ネットワーク102は、訪問先公衆陸上移動通信ネットワーク(V−PLMN)、サービングネットワーク(serving network)、等と呼ばれることもある。ホームネットワーク104は、ホームPLMN(H−PLMN)と呼ばれることもある。訪問先ネットワーク102は、以下の説明の多くの部分において想定されるように、ホームネットワーク104からローミングしていることがある端末110のためのサービングネットワークであることができる。訪問先ネットワーク102及びホームネットワーク104は、端末110がローミングしていない場合は同じネットワークであることができる。
【0012】
訪問先ネットワーク102は、無線アクセスネットワーク(RAN)120と、移動体交換局(MSC)/ビジタロケーションレジスタ(VLR)130と、説明を単純化するために図1に示されていないその他のネットワークエンティティと、を含むことができる。RAN120は、グローバル移動通信システム(GSM(登録商標))ネットワーク、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)ネットワーク、汎用パケット無線サービス(GPRS)アクセスネットワーク、ロング・ターム・エボリューション(LTE)ネットワーク、CDMA1Xネットワーク、高速パケットデータ(HRPD)ネットワーク、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)ネットワーク、等であることができる。GSM、WCDMA、GPRS及びLTEは、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)の一部であり、“第3世代パートナーシッププロジェクト”(3GPP)という名称の組織から発行された文書において説明されている。CDMA1X及びHRPDは、cdma2000の一部であり、cdma2000及びUMBは、“第3世代パートナーシッププロジェクト2”(3GPP2)という名称の組織から発行された文書において説明されている。MSC130は、回線交換呼のための交換機能を実行することができ及びショートメッセージサービス(SMS)メッセージをルーティングすることもできる。VLR130は、訪問先ネットワーク102に登録している端末のための登録情報を格納することができる。
【0013】
ホームネットワーク104は、ホームロケーションレジスタ(HLR)/認証センター(AC)140と、説明を単純化するために図1に示されないその他のネットワークエンティティと、を含むことができる。HLR140は、ホームネットワーク104とのサービス加入契約を有する端末のための加入情報を格納することができる。AC140は、ホームネットワーク104とのサービス加入契約を有する端末のための認証を行うことができる。
【0014】
第三者ネットワーク106は、ルータ150(例えば、PSAPによって選択されたルータ)と、PSAP160と、公衆交換電話網(PSTN)170と、可能な場合は図1に示されないその他のネットワークエンティティと、を含むことができる。ルータ150は、MSC130とPSAP160との間で呼をルーティングすることができる。ルータ150は、MSC130とPSAP160との間で呼をルーティングすることができる。PSAP160は、緊急呼に応答することを担当することができ、緊急センター(EC)と呼ばれることもある。PSAP160は、政府機関、例えば、郡又は市、によって運用又は所有することができる。PSTN170は、従来の有線電話、例えば電話180、のための電話サービスを提供することができる。
【0015】
図1は、訪問先ネットワーク102及びホームネットワーク104に存在することができるネットワークエンティティの一部のみを示す。例えば、訪問先ネットワーク102は、パケット交換呼及びその他のサービスをサポートするネットワークエンティティと、端末の所在位置を得るのを援助する所在位置サーバと、を含むことができる。
【0016】
端末110は、静止型又は移動型であることができ、GSM及びCDMA1Xにおける移動局(MS)、WCDMA及びLTEにおけるユーザ装置(UE)、HRPDにおけるアクセス端末(AT)、セキュア・ユーザ・プレーン・ロケーション(Secure User Plane Location)(SUPL)におけるSUPLイネーブルド端末(SET)、加入者ユニット、局、等と呼ばれることもある。端末110は、無線通信信号及び/又はナビゲーション信号を受信することが可能なデバイス、例えば、携帯電話又はその他の無線通信デバイス、パーソナル通信システム(PCS)デバイス、パーソナルナビゲーションデバイス(PND)、パーソナル情報マネージャ(PIM)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ラップトップ又はその他の適切なモバイルデバイス、であることができる。端末110は、例えば短距離の無線、赤外線、有線接続、又はその他の接続によって、パーソナルナビゲーションデバイス(PND)と通信するデバイスであることもでき、衛星信号の受信、援助データの受信、及び/又は位置関連処理がそのデバイスにおいて又はPNDにおいて生じるかどうかを問わない。さらに、端末110は、例えばインターネット、WiFi、又はその他のネットワークを介してサーバと通信することが可能な無線通信デバイス、コンピュータ、ラップトップを含むすべてのデバイスを含むことが意図され、衛星信号の受信、援助データの受信、及び/又は位置関連処理が、そのデバイスにおいて、サーバにおいて、又はネットワークと関連づけられた他のデバイスにおいて生じるかどうかを問わない。上記のいずれの動作可能な組み合わせも含まれる。端末110は、車両(及びおそらく車両の一部)に永久に取り付けることができる専用車両搭載システム(IVS)であることもできる。
【0017】
端末110は、図1に示されるように、ホームネットワーク104とサービス加入契約を有することができ及び訪問先ネットワーク102内をローミング中であることができる。端末110は、訪問先ネットワーク102においてRAN120から信号を受信することができ又は通信サービスを得るためにRANと通信することができる。端末110は、ローミングしていないときに(図1に示されない)通信サービスのためにホームネットワーク104と通信することもできる。端末110は、衛星測位システム(SPS)の一部であることができる1つ以上の衛星190から信号を受信することもできる。SPSは、典型的には、エンティティが送信機から受信された信号に少なくとも部分的に基づいて地球上又は地球の上方における所在位置を決定するのを可能にするために配置された送信機のシステムを含む。該送信機は、典型的には、一組の数のチップの繰り返し(repeating)疑似ランダム雑音(PN)符号によって表示された信号を送信し、地上に配置された管制局、ユーザ装置及び/又は宇宙ビークルに配置することができる。特定の例においては、該送信機は、地球軌道を周回する衛星ビークル(SV)上に配置することができる。例えば、全地球航法衛星システム(GNSS)、例えば、全地球測位システム(GPS)、ガリレオ、グロナス又はコンパスの一群におけるSVは、(例えば、GPSにおけるように各衛星に関して異なるPN符号を用いるか又はグロナスにおけるように異なる周波数において同じ符号を用いる)その一群内のその他のSVによって送信されたPN符号と区別可能なPN符号によって表示された信号を送信することができる。一態様により、ここにおいて提示される技法は、SPSのためのグローバルシステム(例えば、GNSS)に制限されない。例えば、ここにおいて提供される技法は、様々な地域システム、例えば、日本上空の準天頂衛星システム(QZSS)、インド上空のインド地域航法衛星システム(IRNSS)、中国上空の北斗、等、及び/又は1つ以上の地球的な及び/又は地域的な航法衛星システムと関連づけることができるか又はこれらの航法衛星システムとともに用いるために使用可能にすることができる様々な補強システム(例えば、静止衛星型衛星航法補強システム(SBAS))に対して応用すること又はこれらの様々な地域システムにおいて用いるために使用可能にすることができる。一例として、ただし制限することなしに、SBASは、完全性情報、微分補正、等を提供する補強システム、例えば、広域補強システム(WAAS)、欧州静止衛星利用航法オーバーレイサービス(EGNOS)、運輸多目的衛星用衛星航法補強システム(MSAS)、GSP補助静止衛星型補強航法又はGSP及び静止衛星型補強航法システム(GAGAN)、等を含むことができる。このように、ここにおいて用いられる場合において、SPSは、1つ以上の全地球的な及び/又は地域的な航法衛星システム及び/又は補強システムの組み合わせを含むことができ、及び、SPS信号は、SPS信号、SPSに類似する信号、及び/又は該1つ以上のSPSと関連づけられたその他の信号を含むことができる。端末110は、衛星190からの信号を測定し、それらの衛星に関する疑似距離測定値を得ることができる。端末110は、RAN120における基地局からの信号を測定すること及びそれらの基地局に関するタイミング及び/又は信号強度測定値を得ることもできる。疑似距離測定値、タイミング測定値及び/又は信号強度測定値は、端末110に関する位置推定値を導出するために用いることができる。位置推定値は、所在位置推定値、位置フィックス、等と呼ばれることもある。
【0018】
端末110は、端末に割り当てられた一意の番号である国際移動体装置識別番号(IMEI)を有することができる。端末110は、ユーザのサービス加入のために用いることができる。サービス加入は、GSMネットワーク及びUMTSネットワークのための加入に割り当てられた一意の番号である国際移動体加入者識別番号(IMSI)と関連づけることができる。サービス加入は、サービス加入のための電話番号である移動体加入者総合サービスデジタルネットワーク番号(MSISDN)と関連づけることもできる。IMSIは、HLR140における加入者データベース内のサービス加入のためのキーとして用いることができる。MSISDNは、サービス加入のために用いられる端末110に呼を接続するためにその他のユーザによってダイヤルすることができる。IMSI、MSISDN、及びその他の加入情報は、端末110内に挿入することができる加入者識別モジュール(SIM)又は汎用加入者識別モジュール(USIM)に格納することができる。端末110は、SIM/USIMを有さないこともでき、その場合は、端末110は、IMEIのみを有し、IMSI及びMSISDNを有さないことができる。
【0019】
無線ネットワークは、異なるタイプの緊急呼をサポートするのを要求されることがある。1つのタイプは、ユーザがよく知られた緊急番号、例えば北米における“911”及び欧州における“112”、をダイヤルすることによって発生された“通常の”緊急呼を含むことができる。他のタイプは、上述される特徴を有することができる緊急呼であるeCallを含むことができる。eCallのサポートは、欧州連合によって及びその他の世界の地域及び/又は諸国によって要求されることがある。eCallは、その呼が行われる方法及びそのeCallを確立するために送信すること及びそのeCallを処理するために用いることができる追加の緊急関連データの点で通常の緊急呼と異なることができる。例えば、追加データは、eCallがどのようにして開始されたか、車両の型式と車両識別番号(VIN)、タイムスタンプ、位置推定値と位置信頼度フラグ、走行方向、乗員(例えばシートベルトが締められた乗員)の数、端末に関するサービスプロバイダ(存在する場合)、発呼の引き金の種類(例えば、配備されたエアバッグ、バンパーセンサ、等)、及び可能な場合におけるその他の情報を示すことができる。追加データは、端末の正確な地理上の所在位置をPSAPに提供するのを可能にすることができる。
【0020】
図2は、図1の端末110によってeCallを確立するためのメッセージフロー200の設計を示す。説明を単純化するために、図2においては幾つかのネットワークエンティティ(例えば、RAN120)及び該当度がより低いシグナリングメッセージは示されない。端末110は、最初に、サービング基地局への無線アクセスを取得することができ及びサービスを要求するためにCMサービス要求メッセージをMSC/VLR130に送信することができる(ステップ1)。MSC/VLR130は、メッセージを受信することができ及びCMサービス受諾メッセージで応答することができる(ステップ2)。端末110は、eCallを発生させるために緊急SETUPメッセージを送信することができる(ステップ3)。MSC/VLR130は、メッセージを受信することができ及び端末110のための呼を発生させるために初期アドレスメッセージをルータ150に送信することができる(ステップ4)。ルータ150は、端末110のために呼を確立するために呼セットアップメッセージをPSAP160に送信することができる(ステップ5)。PSAP160は、接続メッセージをルータ150に返信することができ(ステップ6)、ルータ150は、応答メッセージをMSC/VLR130に返信することができる(ステップ7)。MSC/VLR130は、接続メッセージを端末110に返信することができる(ステップ8)。端末160は、PSAP160への起こりうる転送のためにeCallに関する追加データをネットワークに転送することができる(ステップ9)。追加データの転送は、ステップ3、4及び5において又はステップ9以前のその他のいずれかのステップにおいて行うことも可能である。いずれの場合においても、eCallは、ステップ8及び9の後に端末110のために確立することができる。これで、端末110は、eCallのためにPSAP160と通信することができる。
【0021】
eCallは、(例えば、車両の衝突に起因して)端末110によって自動的に又はユーザ(例えば、車両の占有者)によって手動で開始することができる。端末110は、eCall機能をサポートするいずれかのデバイス、例えば、携帯電話、IVS、等であることができる。一設計においては、端末110は、緊急呼のセットアップの際にeCallインジケータを提供することができる。eCallインジケータは、次のうちの1つを伝えることができる。
【0022】
・ユーザによって発生された手動で開始されたeCall(MIeC)
・端末によって発生された自動的に開始されたeCall(AIeC)
eCallインジケータは、eCallを通常の緊急呼と区別するために、eCallをフィルタリングするか又は該当するPSAP(例えば、eCallを受信する装備を有するPSAP)にルーティングするために、及び/又はその他の目的のために無線ネットワークによって用いることができる。eCallインジケータは、緊急呼のセットアップ中に様々な方法で端末110によって搬送することができる。eCallインジケータは、CMサービス要求メッセージ、緊急SETUPメッセージ、SETUPメッセージ、又は端末110によって送信されるその他のメッセージにおいて送信することができる。
【0023】
図3は、eCallインジケータを搬送することができる緊急SETUPメッセージ300の設計を示す。緊急SETUPメッセージは、様々な情報要素(IE)を含むことができ、その1つは、端末によって呼び出し中のサービスに関する情報を無線ネットワークに提供するために用いられるサービスカテゴリIEであることができる。eCallに関して、サービスカテゴリIEは、(i)サービスカテゴリIEに割り当てられた特定の値に設定することができるサービスカテゴリIE識別子(IEI)と、(ii)サービスカテゴリIEの長さを示すことができるサービスカテゴリフィールドの長さと、(iii)eCallのための情報を提供することができる緊急サービスカテゴリ値フィールドと、を含むことができる。
【0024】
図3に示される設計において、eCallインジケータは、緊急サービスカテゴリ値フィールドにおける2つのビットによって実装することができる。1つのビット(ビットxと呼ばれる)は、自動的に開始されたeCallであること伝えるために“1”に設定し、その他の場合は“0”に設定することができる。他方のビット(ビットyと呼ばれる)は、手動で開始されたeCallであることを伝えるために“1”に設定され、その他の場合は“0”に設定することができる。他の設計においては、eCallインジケータは、単一のビットを用いて実装することができ、eCallであることを示すために“1”に設定し、その他の場合は“0”に設定することができる。eCallインジケータは、サービスカテゴリIEにおいてその他の方法で実装することもできる。
【0025】
他の設計においては、eCallインジケータを搬送するために新しいIEを定義することができる。この新しいIEには別個のIEIを割り当てることができ及び1ビット又は2ビットを有するeCallインジケータを搬送することができ、サービスカテゴリIEに関する上記の説明に従って設定することができる。
【0026】
図4は、eCallインジケータを搬送することができるCMサービス要求メッセージ400の設計を示す。CMサービス要求メッセージは、様々なIE、例えば、いずれのサービスが無線ネットワークに要求されているかを指定するために用いられるCMサービスタイプIE、を含むことができる。CMサービスタイプIEは、(i)CMサービスタイプIEに割り当てられた特定の値に設定することができるIEIと、(ii)要求されたサービスを示すことができるサービスタイプフィールドと、を含むことができる。
【0027】
一設計においては、eCallに関して、サービスタイプフィールドの1つ以上の値を予約すること及びeCallインジケータを伝えるために用いることができる。一設計においては、eCallインジケータのために単一の値を予約することができる。サービスタイプフィールドは、eCallのための緊急サービスを要求するためにこの予約された値に設定することができる。他の設計においては、eCallインジケータのために2つの値を予約することができる。サービスタイプフィールドは、(i)手動で開始されたeCallのための緊急サービスを要求するために第1の予約された値又は(ii)自動的に開始されたeCallのための緊急サービスを要求するために第2の予約された値に設定することができる。
【0028】
CMサービス要求メッセージは、端末に関する情報を無線ネットワークに提供するために用いられるMSクラスマーク2IEを含むこともできる。このIEのオクテット1は、MSクラスマーク2IEのためのIEIを含むことができる。オクテット2は、MSクラスマーク2IEの長さを含むことができる。オクテット3、4及び5は、公に入手可能である3GPP TS24.008、“モバイル無線インタフェース層3仕様;コアネットワークプロトコル;ステージ3”において説明される様々なフィールド/フラグを含むことができる。図4に示されるように、MSクラスマーク2IEには3つの予備ビット/フラグが存在することができ及び通常は“0”に設定することができる。一設計においては、eCallインジケータのために1つの予備ビット(例えば、オクテット3のビット8)を用いることができ及びeCall専用端末であることを示すために“1”に設定すること又はその他の場合は“0”に設定することができる。他の設計においては、eCallインジケータのために2つの予備ビットを用いることができる。1つの予備ビット(例えば、オクテット3のビット8)は、自動的に開始されたeCall専用端末を示すために“1”に設定すること又はその他の場合は“0”に設定することができる。他の予備ビット(例えば、オクテット5のビット7)は、手動で開始されたeCall専用端末であることを示すために“1”に設定すること又はその他の場合は“0”に設定することができる。
【0029】
図5は、eCallインジケータを搬送することができるSETUPメッセージ500の設計を示す。SETUPメッセージは、様々なIE、例えば被呼者を識別するために用いられる被呼者BCD番号IE、を含むことができる。このIEのオクテット1は、被呼者BCD番号IEのためのIEIを含むことができる。オクテット2は、被呼者BCD番号IEの長さを含むことができる。オクテット3は、被呼者番号タイプと、被呼者番号に関して適用可能な番号付与プラン(numbering plan)と、を含むことができる。各々の後続するオクテットは、被呼者番号の最大で2つの桁を含むことができる。
【0030】
一設計においては、eCallインジケータのために予約された被呼者番号を用いることができ及びeCallを示すためにSETUPメッセージにおいて送信することができる。他の設計においては、eCallインジケータのために2つの予約された被呼者番号を用いることができる。手動で開始されたeCallを示すために第1の予約された被呼者番号をSETUPメッセージにおいて送信することができる。自動的に開始されたeCallを示すために第2の予約された被呼者番号をSETUPメッセージにおいて送信することができる。
【0031】
一設計においては、予約された被呼者番号は、すべての又は多くのネットワークオペレータによってeCallのために予約することができる完全な電話番号であることができる。他の設計においては、予約された被呼者番号は、従来の緊急番号の拡張番号であることができる。例えば、北米においては、自動的に又は手動で開始されたeCallのために“911−1”及び“911−2”を予約された被呼者番号としてそれぞれ用いることができる。対応して、欧州においては、自動的に又は手動で開始されたeCallのために“112−1”及び“112−2”を予約された被呼者番号としてそれぞれ用いることができる。eCallのためにその他の電話番号を予約及び使用することもできる。
【0032】
さらに他の設計においては、eCall専用端末であることを示すためにHLRからの加入情報を用いることができる。図1において、端末110は、訪問先ネットワーク102とのeCallを発生させることができ及び呼のセットアップ前に登録を行うことができる。登録のために、訪問先ネットワーク102内のVLR130は、端末110のための加入情報を入手するためにホームネットワーク104におけるHLR140と通信することができる。HLR140は、端末110がeCall専用端末であることを示す情報を提供することができる。これで、訪問先ネットワーク102は、eCallのためのサービスを端末110に提供することができる。
【0033】
eCallインジケータの様々な設計が上述されており、eCallが端末によって行われていることを明示するために用いることができる。これらの設計の一部又は全部は、例えば車両事故に起因して、ユーザ自身によって手動で開始されたeCallと端末自体によって自動的に開始されたeCallとを区別することもできる。eCallインジケータは、その他のメッセージにおいて及び/又は上述される以外のその他のフィールド、ビット、及び値を用いて搬送することも可能である。
【0034】
図6は、eCallの確立のために端末によって実行されるプロセス600の設計を示す。端末は、eCallインジケータを備えるメッセージを生成することができる(ブロック612)。メッセージは、CMサービス要求メッセージ、緊急SETUPメッセージ、SETUPメッセージ、又はその他のメッセージを備えることができる。端末は、eCallを発生させるためにメッセージを送信することができる(ブロック614)。
【0035】
第1の設計においては、メッセージは、例えば図3に示されるように、eCallインジケータのために用いられる少なくとも1つのビットを有するサービスカテゴリ情報要素を備えることができる。一設計においては、eCallインジケータのために用いられる少なくとも1つのビットは、(i)eCallが端末によって自動的に開始されたかどうかを示す第1のビットと、(ii)eCallがユーザによって手動で開始されたかどうかを示す第2のビットと、を備えることができる。他の設計においては、eCallインジケータのために用いられる少なくとも1つのビットは、eCallが開始中であるかどうかを示す単一のビットを備えることができる。
【0036】
第2の設計においては、メッセージは、eCallインジケータを備える新しい情報要素を含むことができる。第3の設計においては、メッセージは、例えば図4に示されるように、eCallインジケータのために用いられる少なくとも1つの値を有するCMサービスタイプ情報要素を備えることができる。第4の設計においては、メッセージは、例えば図4に示されるように、eCallインジケータのために用いられる少なくとも1つのフラグを有するMSクラスマーク2情報要素を備えることができる。第5の設計においては、メッセージは、例えば図5に示されように、eCallインジケータのために予約された被呼者番号を備えることができる。eCallインジケータは、その他の方法で、例えば、その他のメッセージ、その他の情報要素、その他のビット又は値、等を用いて搬送することもできる。
【0037】
図7は、eCallの確立をサポートするために無線ネットワークによって実行されるプロセス700の設計を示す。ネットワークは、端末からeCallを発生させるためのメッセージを受信することができる(ブロック712)。ネットワークは、メッセージからeCallインジケータを得ることができる(ブロック714)。ネットワークは、eCallインジケータに基づいてeCallが端末によって自動的に開始されたか又はユーザによって手動で開始されたかを決定することができる(ブロック716)。一設計においては、メッセージは、eCallインジケータのために用いられる第1及び第2のビットを有するサービスカテゴリ情報要素を備えることができる。第1のビットは、eCallが端末によって自動的に開始されたかどうかを示すことができ、第2のビットは、eCallがユーザによって手動で開始されたかどうかを示すことができる。eCallインジケータは、その他の方法で搬送することも可能である。
【0038】
多数のeCall専用端末を、例えば車両及びその他の場所において配備することができる。これらのeCall専用端末は、長時間電源を投入した状態であることができるが、eCallを発生させることはめったにない。無線ネットワークに関するシグナリングオーバーヘッドを低減させるためにeCall専用端末によって交換されるシグナリングの量を低減させることが望ましいことがある。
【0039】
図8は、通常のシグナリングを用いる端末110の動作800を示す。端末110は、電源が投入された時点で、サービスを得ることができる無線ネットワークを探すことができる。次に、端末110は、検出されたネットワークへの登録及び該ネットワークとの所在位置の更新を行うことができる。登録は、ネットワークが端末の存在を知るのを可能にすることができる。所在位置の更新は、着呼に関して端末をページングできるようにするためにネットワークが端末の所在位置を入手するのを可能にすることができる。その後は、端末110は、より良いセル及び/又はネットワークを定期的に探すことができる。端末110は、より良いセル又はネットワークを検出した時点で、必要な場合は、所在位置の更新及び該当する場合の登録を行うことができる。端末110は、eCallを発生させるために何時でも呼の確立を行うことができる。これで、端末110は、eCallのためにPSAPと通信することができる。端末110は、eCallの終了後に登録取り消しを行うことができる。
【0040】
端末110は、移動性及びネットワークカバレッジに依存して、何回でも及びどのような頻度でも所在位置の更新を行うことができる。端末110は、所在位置の更新の各例に関して無線ネットワークとシグナリングを交換することができる。端末110は、eCallを非常にまれにしか行わないことがあり、所在位置の更新のほとんどの例において交換される情報は使用されないことがある。このため、eCall専用端末が呼の確立前に所在位置の更新を何度も行うことは非常に非効率的である場合がある。
【0041】
図9は、低減されたシグナリング(reduced signaling)を用いる端末110の動作900を示し、端末110は、eCall専用端末であることができる。端末110は、電源が投入された時点で、サービスを得ることができる無線ネットワークを探すことができる。端末110は、検出されたネットワークからネットワーク利用可能性情報、タイミング情報、及び/又はその他のシステム情報を入手することができ及び必要な場合はeCallを確立するために用いる可能性のために情報を格納することができる。端末110は、移動性管理(MM)及び接続管理(CM)のためのシグナリングを送信することを回避することができ及び検出されたネットワークとの無線封止(radio silence)を維持することができる。無線ネットワークは、端末110の存在を認識していないことができる。端末110は、より良いセル及び/又はネットワークを定期的に探すことができ及び可能性のあるサービングネットワーク及び可能性のあるサービングセルのためにその情報を更新することができる。
【0042】
端末110は、例えばユーザ又は引き金となる出来事からeCallを発生させることの指示を受信することができる。それに応答して、端末110は、直近において検出されたネットワークへの登録及び該ネットワークとの所在位置の更新を行うことができる。これで、端末110は、例えば図2に示されるように、eCallのための呼の確立を行うことができる。概して、端末110は、eCallのための呼の確立前に又は呼の確立後に登録を行うことができる。端末110は、eCallの開始時又はeCall中に所在位置の更新を行うことができる。端末110は、(例えば、選択されたPSAPからの)折り返し呼(callback)がサポートされている場合は所在位置の更新を行うことができ及びその他の場合は所在位置の更新をスキップすることができる。
【0043】
端末110は、eCallのためにPSAPと通信することができる。eCallは、いずれかの時点において解除することができる。一設計においては、端末110は、制限された時間の間MM手順及びCM手順をサポートし続けることができる。これは、必要な場合において、PSAPからの折り返し呼をサポートするために及び端末110が追跡呼を素早く行うのを可能にするために望ましいことがある。(HLR140において格納することができる)端末110に関するサービス加入契約が着呼を禁止しない場合は、PSAPは、制限された時間の間端末110に折り返し呼を行うことができる。制限された時間の終了時において、端末110は、サービングネットワークによって要求された場合にIMSIの切り離しを行うことができる。サービングネットワークは、eCallの終了後に予め決められた時間が経過後に端末110の登録を取り消すことも可能である。登録取り消しは、端末110とシグナリングを交換する必要なしに自動的に行うことができる。
【0044】
図8及び9に示されるように、電源が投入されている間に所在位置の更新を行うことを端末110に回避させ及びeCallが開始されたときのみに所在位置の更新を行わせることによってシグナリングオーバーヘッドを実質的に低減させることができる。
【0045】
例えば図9に示されるように、eCallのための呼の確立前に所在位置の更新を行うのが望ましいことがある。所在位置の更新は、端末110の認証及び端末110のための加入情報をホームネットワーク104内のHLR140から訪問先ネットワーク102内のVLR130にダウンロードするのを可能にすることができる。加入情報は、端末110のためのMSISDNを含むことができる。MSC130は、MSISDNを有する認証されたeCallをPSAP160に転送することができる。PSAP160は、必要な場合は、端末110への折り返し呼のためにMSISDNを用いることができる。
【0046】
一設計においては、eCallのための所在位置の更新は、eCallのための呼のセットアップを迅速化するために通常の所在位置の更新よりも高い優先度を与えることができる。端末110は、eCallのためのCM要求によってトリガーされたときに所在位置更新要求メモリを送信することができる。所在位置更新要求メッセージは、保留中の呼を示すか又はその保留中の呼を訪問先ネットワーク102(例えば、MSC/VLR130)に知らせること及び訪問先ネットワーク102が所在位置の更新の優先順位を設定することを可能にするための緊急呼を示すことができる。一設計においては、所在位置更新要求メッセージは、保留中のeCall又は緊急呼を示すために“1”に設定しその他の場合は“0”に設定することができる指定されたビットを有する所在位置更新タイプIEを含むことができる。訪問先ネットワーク102は、所在位置更新要求メッセージにおいて保留中のeCall又は緊急呼が示されている場合に処理の優先順位を設定することができる。
【0047】
端末110は、例えば図9に示されるように、eCallを確立する前に所在位置の更新を行っていないことがあり及びMM接続を有さないことがある。eCallに関する呼のセットアップの遅れは、幾つかの方法で減少させることができる。一設計においては、サービス加入のためのIMSIはVLR130にとって知らないことがあるため、端末110は、IMEIによって識別することができる。このため、折り返し呼の識別を有さない(例えば、MSISDNを有さない)非認証のeCallをPSAP160に引き渡すことができる。この設計は、認証されないeCallをサポートする諸国及びネットワークにおいて用いることができる。他の設計においては、端末110は、eCallのためのCMサービス要求メッセージを送信することができ及び自己のIMSIによって自己を識別することができる。これは、訪問先ネットワーク102におけるMSC/VLR130がホームネットワーク104におけるHLR/AC140に認証情報を要求するのを可能にすることができる。MSC/VLR130は、端末110を認証して認証されたeCallをPSAP160に引き渡すことができる。さらに他の設計においては、端末110は、SIM/USIMを含むことができ、認証することができ、及びMSISDNを所有することができる。MSISDNは、識別及び折り返し呼を目的としてPSAPに転送することができる。
【0048】
図10は、eCall専用端末、例えば端末110、のための移動性管理(MM)のための状態図1000の設計を示す。説明を単純化するために、移動性管理のために利用可能なすべての状態及びサブ状態(substate)が図10に示されているわけではない。
【0049】
端末110は、電源が投入された時点で、MM IDLE(アイドル)状態のeCall INACTIVE(非アクティブ)サブ状態において動作することができる。eCall INACTIVEサブ状態は、ホームネットワークオペレータが、eCallのための、例えば、所在位置の更新、認証、PSAPにとっての端末識別、及び可能な場合におけるSPAPからの折り返し呼の能力のための、通常のサポートを要求するeCall専用端末に対して適用可能である。端末110は、eCall又は指定された呼が存在しない場合に移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを送信することを回避するためにeCall INACTIVEサブ状態に入ることができる。指定された呼は、試験及び端末再構成サービスのためにホームネットワークオペレータによって指定された非緊急MSISDNに対する呼を含むことができる。例えば、指定された呼は、カスタマサービスと関連づけられたホームネットワークオペレータによって割り当てられた特定の番号を対象にするのを可能にすることができ及び端末が正確に動作中であることを検証するために端末の再構成(例えば、eCall専用端末をeCallに加えて通常のサービスを受信可能な端末に転換する)を要求するために用いることができる。
【0050】
eCall INACTIVEサブ状態においては、端末110は、登録、所在位置の更新、及びIMSI切り離し(detachment)を行うことを回避することができ及びページング要求に応答するのを同じ回避することもできる。端末110は、eCall及び指定された呼を除き、MM接続に関する端末110内のCMエンティティからの要求を拒否することもできる。端末110は、eCall INACTIVEサブ状態の間に無線ネットワークを定期的に探すことができる。eCall INACTIVEサブ状態にある間には端末110はeCall及び指定された呼のみを利用可能であることができる。
【0051】
eCall INACTIVEサブ状態においては、有効な加入者有情報を端末110のために利用可能であり、更新状態を“ディスエーブルド”(DISABLED)(又はU4)にすることができ及び端末110のために通常のサービスを提供することができるセルを選択することができる。ディスエーブルドな更新状態は、所在位置の更新が不能であること及びSIM/USIMが有効なLAI(所在位置エリア識別)、TMSI(一時的移動体加入者識別番号)、GSM暗号化キー、UMTS完全性キー、UMTS暗号化キー、又は暗号化キーシーケンス番号のいずれも含まないことを意味することができる。これらのフィールドはすべて、適合性の理由でeCall INACTIVEサブ状態に移行した時点で“削除された”値に設定することができる。その他の値の存在は、端末110では誤りとみなされない。SIM/USIMに格納された“所在位置更新状態”を“更新されず”に設定することができる。
【0052】
端末110は、eCall INACTIVEサブ状態にある間に、可能性のあるサービングネットワークにおける可能性のあるサービングセル(serving cell)を認識した状態であることができるが、ネットワークとのMMシグナリングを開始することができず及びページング要求を無視することができる。端末110は、後述される条件のうちの1つにおいてeCall INACTIVEサブ状態から出ることができる。
【0053】
・SIM/USIMが取り外された(removed)場合は、端末110は、NO IMSI(IMSIなし)サブ状態になることができる。
【0054】
・カバレッジが失われた場合は、端末110は、PLMN SEARCH(PLMN探索)サブ状態になることができる。
【0055】
・端末がユーザによって停止された(例えば、電源が切られた)場合は、端末110は、MM IDLE(アイドル)状態から出てNULL(ヌル)状態になることができる。
【0056】
・eCallのためのCM要求が存在する場合は、端末110は、サービングネットワークによって要求された場合はIMSI添付手順を試みることができるか又は通常の所在位置の更新を試みることができる。これが完了した時点で、端末110は、eCallを確立するためのその他のMM手順及びCM手順を実行することができる。
【0057】
・(例えば、試験又は端末再構成のための)指定された呼のためのCM要求が存在する場合は、端末110は、サービングネットワークによって要求された場合はIMSI添付手順を試みることができ、その他の場合は通常の所在位置の更新を試みることができる。これが完了した時点で、端末110は、指定された呼を確立するためのその他のMM手順及びCM手順を実行することができる。
【0058】
端末110は、eCall又は指定された呼が開始されたときにMM IDLE状態から出ることができる。端末110は、呼を確立するために及び呼中に通信するために通常のMM手順及びCM手順をサポートすることができる。
【0059】
端末110は、eCall又は指定された呼が解除されたときにMM IDLE状態のNORMAL(通常)サブ状態に移行することができる。一設計においては、端末110は、NORMALサブ状態中に制限された時間の間MM手順及びCM手順のサポートを続けることができる。この制限された時間は、ホームネットワークオペレータによって(例えば、固定された値又は設定可能な値に)設定することができ及びSIM/USIMに格納することができる。端末110は、この制限された時間を追跡するために、eCall又は指定された呼が解除された後にタイマTxxxx又はTyyyyを維持することができる。一設計においては、タイマTxxxxは、eCallの解除のために用いることができ、タイマTyyyyは、指定された呼の解除のために用いることができる。端末110のためのサービス加入契約が着呼を禁止しない場合は、PSAPは、制限された時間中に端末110に折り返し呼を行うことができる。制限された時間の終了時に、端末110は、サービングネットワークによって要求された場合はIMSIの切り離しを行うことができ及びeCall INACTIVEサブ状態に再度入ることができる。
【0060】
端末110は、MM IDLE状態内のNO IMSI、NO CELL AVAILABLE(利用可能なセルなし)(図10に示されていない)及びPLMN SEARCHの各サブ状態を除くいずれかのサブ状態において、タイマTxxxx又はタイマTyyyyが時間切れになったとき又は既に時間切れになっていることが判明したときにeCall非アクティブ化手順を実行することができる。端末110は、その他のアクティブなタイマを停止することができ及びサービングネットワークによって要求された場合及び更新状態が“更新済み” (UPDATED)(又はU1)である場合はIMSI切り離し手順を実行することができる。これで、端末110は、MM IDLE状態におけるeCall INACTIVEサブ状態になることができる。表1は、一設計によるタイマTxxxx及びTyyyyの詳細を示す。
【表1】
【0061】
eCall INACTIVEサブ状態から出るすべての場合において、PLMN SEARCHサブ状態又はNULLサブ状態になるためである場合を除き、タイマTxxxx及びTyyyyは、両方とも、いずれのタイマも時間切れになっているとみなされないようにし及び端末が次にMM IDLE状態になるときにいずれかを再始動させることができるようにするためにリセットすることができる。
【0062】
端末110は、例えば、停止された(電源が切断された)場合、SIM/USIMが取り外された場合、又は端末110がユーザによって手動で再起動された場合に、eCall INACTIVEサブ状態から出ることができる。手動による再起動は、任意選択の能力であることができ及び端末110上における特殊なメニュー機能、ボタン、又はスイッチを用いて動作させることができる。
【0063】
図10に示されない一設計において、端末110は、電源が投入されるか又は手動によって再起動されたときにNORMALサブ状態になることができ及び固定された継続時間又は設定可能な継続時間であることができる予め決められた時間の間NORMALサブ状態で動作することができる。一設計においては、端末110は、予め決められた時間内においてIMSI添付、所在位置の更新、及びおそらくその他のMM手順及びCM手順(例えば、ページング要求への応答)を実行することができる。この予め決められた時間中に、ホームネットワーク104は、端末110におけるSIM/USIMを再構成して通常の加入サービスを加えること及びeCall専用状態を取り除くことができる。HLR140は、端末110のためのその他のサービスを禁止することも可能であるが、PSAP折り返し呼をサポートするために着呼を許容することができる。端末110は、先行するeCallが存在していた場合を除き、予め決められた時間中に着呼を抑止することができる。
【0064】
端末110は、eCall専用端末であることができるが、ネットワークオペレータによって提供されたその他のサービスのための加入契約を有することができる。端末110は、加入したサービスにアクセスできるようにeCall中に又はeCall後に再構成することができる。これは次のようにして達成することができる。端末110は、例えば端末110上のメニュー機能又は特別なボタンを介して、ユーザのための通常サービス呼び出しオプションをサポートすることができる。これが呼び出されるときには、端末110は、所在位置の更新を行うことができる。ホームネットワーク104におけるHLR140は、端末110からの所在位置更新を受諾することができ及び訪問先ネットワーク102におけるVLR130に対して最小限の加入情報を提供することができる。HLR140は、例えばSMSを介して、端末110におけるSIM/USIMを再構成することも可能である。ユーザが加入したサービスを有する場合は、端末110は、ユーザが加入したサービス、例えば、発呼又はSMS、を呼び出すのを可能にすることができる。ユーザが加入したサービスを有さない場合は、所在位置の更新は生じることができるが、端末110は、ユーザがサービスを呼び出すのを許容することができず、又は訪問先ネットワーク112は、ユーザによって呼び出されたサービスを許容することができない。端末110は、(i)eCall呼び出し後の特定の継続時間(例えば、10乃至60分)内及び(ii)通常のサービスの呼び出し後のその他の何らかの特定の継続時間(例えば、15分)内を除くその他の時間に所在位置の更新を行うことを回避することができる。
端末110のユーザは、例えば、異なるSIM/USIMを用いるために、ネットワークオペレータ/サービスプロバイダを変更することもできる。ユーザは、端末110とともに用いられる既存の加入契約を変更することもできる。
【0065】
端末110は、通常の加入契約を有することができ、ホームネットワークオペレータは、eCall専用状態に合わせてSIM/USIMを再構成することができる。これで、端末110は、予め決められた時間後にeCall INACTIVEサブ状態になることができる。
【0066】
図11は、端末によって実行されるプロセス100の設計を示す。端末は、eCall及び指定された呼を除き、移動性管理(MM)及び接続管理(CM)のためのシグナリングを無線ネットワークに送信することを回避することができる(ブロック1112)。端末は、検出されたネットワークにシグナリングを送信することなしに、電源投入後に無線ネットワークを定期的に探すことができる。端末は、所在位置の更新を行うこと、登録を行うこと、及びページング要求に応答することを回避することができる。
【0067】
端末は、端末によって開始された、例えば端末によって自動的に開始されるか又はユーザによって手動で開始された、eCall又は指定された呼のために無線ネットワークとシグナリングを交換することができる(ブロック1114)。一設計においては、端末は、eCall又は指定された呼が開始された後は無線ネットワークとの所在位置の更新を行うことができる。端末は、保留中のeCall又は所在位置の更新のための緊急呼の指示を備えるメッセージを送信することができ、これは所在位置の更新を迅速化することができる。端末は、例えば図2に示されるように、eCall又は指定された呼のための呼の確立を行うこともできる。端末は、呼の確立のためのeCallインジケータを備えるメッセージを送信することができる。eCallインジケータは、上述される情報要素、ビット、値、等のうちのいずれかを備えることができる。
【0068】
一設計においては、端末は、eCall又は指定された呼の終了後の予め決められた時間、例えばeCallの終了後のTxxxx秒間又は指定された呼の終了後のTyyyy秒間、移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを交換することができる。端末は、予め決められた時間以降は移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを送信することを回避することができる。一設計においては、端末は、電源が投入された時点又は手動による端末の再起動の時点において制限された時間の間(例えば、ネットワーク接続、所在位置の更新、ページング要求への応答、許容されたサービスの再構成、等のための)移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを交換することができる。端末は、この制限された時間以降は移動性及び接続管理のためのシグナリングを送信することを回避することができる。
【0069】
図12は、eCallの確立をサポートするために無線ネットワークによって実行されるプロセス1200の設計を示す。ネットワークは、eCall及び指定された呼を除き、端末から移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを受信することができない(ブロック1212)。ネットワークは、端末によって開始されたeCall又は指定された呼のために端末とシグナリングを交換することができる(ブロック1214)。一設計においては、ネットワークは、eCall又は指定された呼が開始されたときに端末との所在位置の更新を行うことができ及びeCall又は指定された呼のために端末との呼の確立を行うこともできる。
【0070】
図13は、図1における端末110、基地局/RAN120、及びMSC/VLR130の設計のブロック図を示す。端末110において、符号器1312は、端末110によって送信されるデータ及びメッセージを受信することができる。メッセージは、登録、所在位置の更新、呼の確立、等に関するメッセージであることができる。符号器1312は、データ及びメッセージを処理(例えば、符号化及びインターリービング)し、符号化されたデータ及び符号化されたシグナリングを提供することができる。変調器(Mod)1314は、符号化されたデータ及びシグナリングをさらに処理(例えば、変調、チャネル化、及びスクランブリング)して出力サンプルを提供することができる。送信機(TMTR)1322は、出力サンプルをコンディショニング(例えば、アナログへの変換、フィルタリング、増幅、及び周波数アップコンバージョン)してアップリンク信号を生成することができ、アップリンク信号は、RAN120における1つ以上の基地局に送信することができる。端末110は、1つ以上の基地局によって送信されたダウンリンク信号を受信することもできる。受信機(RCVR)1326は、受信された信号をコンディショニング(例えば、フィルタリング、増幅、周波数ダウンコンバージョン、及びデジタル化)して入力サンプルを提供することができる。復調器(Demod)1316は、入力サンプルを処理(例えば、デスクランブリング、チャネル化、及び復調)してシンボル推定を提供することができる。復号器1318は、シンボル推定を処理(例えば、デインターリービング及び復号)して送信された復号されたデータ及びメッセージを端末110に提供することができる。符号器1312、変調器1314、復調器1316、及び復号器1318は、モデムプロセッサ1310によって実装することができる。これらのユニットは、端末110が通信状態にある無線ネットワークによって用いられる無線技術(例えば、GSM、WCDMA、LTE、等)に従って処理を行うことができる。コントローラ/プロセッサ1330は、端末110における様々なユニットの動作を指示することができる。端末110におけるプロセッサ1330及び/又はその他のモジュールは、図6におけるプロセス600、図11におけるプロセス1100、及び/又はここにおいて説明される技術に関するその他のプロセスを実行又は指示することができる。メモリ1332は、端末110のためにプログラム符号及びデータを格納することができる。SIM/USIM1334は、端末110のために用いられるサービス加入契約のための加入情報を格納することができる。
【0071】
基地局/RAN120において、送信機/受信機1338は、端末100及びその他の端末との無線通信をサポートすることができる。コントローラ/プロセッサ1340は、端末との通信のための様々な機能を実行することができる。アップリンクに関しては、端末110からのアップリンク信号は、受信機1338によって受信及びコンディショニングし、コントローラ/プロセッサ1340によってさらに処理して端末110によって送信されたデータ及びメッセージを復元することができる。ダウンリンクに関しては、データ及びメッセージは、コントローラ/プロセッサ1340によって処理し及び送信機1338によってコンディショニングしてダウンリンク信号を生成することができ、ダウンリンク信号は、端末110及びその他の端末に送信することができる。メモリ1342は、基地局/RAN120のためのプログラム符号及びデータを格納することができる。通信(Comm)ユニット1344は、MSC/VLR130及びその他のネットワークエンティティとの通信をサポートすることができる。
【0072】
MSC/VLR130において、コントローラ/プロセッサ1350は、端末のための通信サービスをサポートするための様々な機能を実行することができる。メモリ1352は、MSC/VLR130のためのプログラム符号及びデータを格納することができる。通信ユニット1354は、基地局/RAN120及びその他のネットワークエンティティとの通信をサポートすることができる。MSC/VLR130におけるコントローラ/プロセッサ1350及び/又はその他のモジュールは、図7におけるプロセス700、図12におけるプロセス1200、及び/又はここにおいて説明される技法に関するその他のプロセスの全体又は一部を実行又は指示することができる。
【0073】
当業者は、情報及び信号は様々な異なる技術及び技法のうちのいずれかを用いて表すことができることを理解するであろう。例えば、上記の説明全体を通じて参照されることがあるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場、磁粒子、光学場、光学粒子、又はそのあらゆる組合せによって表すことができる。
【0074】
ここにおける開示と関係させて説明される様々な例示的論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズム上のステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又は両方の組み合わせとして実装可能であることを当業者はさらに理解するであろう。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に例示するため、上記においては、様々な例示的コンポーネント、ブロック、モジュール、回路、及びステップが、各々の機能の観点で一般的に説明されている。該機能がハードウェアとして又はソフトウェアとして実装されるかは、全体的システムに対する特定の用途上の及び設計上の制約事項に依存する。当業者は、説明されている機能を各々の特定の用途に合わせて様々な形で実装することができるが、これらの実装決定は、本開示の適用範囲からの逸脱を生じさせるものであるとは解釈すべきではない。
ここにおいて説明される方法は、用途に依存して様々な手段によって実装することができる。例えば、これらの方法は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそのいずれかの組み合わせにおいて実装することができる。ハードウェアにおいて実装する場合は、処理ユニットは、ここにおいて説明される機能を果たすように設計された1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、又はその他の電子ユニット、又はその組み合わせ内に実装することができる。
【0075】
ファームウェア及び/又はソフトウェアにおいて実装する場合は、方法は、ここにおいて説明される機能を実行するモジュール(例えば、手順、関数、等)とともに実装することができる。ここにおいて説明される方法を実装する際には命令を有形に具現化する機械によって読み取り可能な媒体を用いることができる。例えば、ソフトウェアコードは、メモリに格納して処理ユニットによって実行することができる。メモリは、処理ユニット内又は処理ユニットの外部に実装することができる。ここにおいて用いられる用語“メモリ”は、あらゆるタイプの長期、短期、揮発性、非揮発性、又はその他のメモリを意味し、いずれかの特定のタイプのメモリ又はメモリの数、又はメモリが格納される媒体のタイプに限定されるべきでない。
【0076】
ファームウェア及び/又はソフトウェアにおいて実装する場合は、機能は、コンピュータによって読み取り可能な媒体において1つ以上の命令又は符号として格納することができる。諸例は、データ構造を有する符号化されたコンピュータによって読み取り可能な媒体と、コンピュータプログラムを有する符号化されたコンピュータによって読み取り可能な媒体とを含むことができる。コンピュータによって読み取り可能な媒体は、物理的なコンピュータ記憶媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能なあらゆる利用可能な媒体であることができる。一例として、及び制限することなしに、該コンピュータによって読み取り可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM又はその他の光学ディスク記憶デバイス、磁気ディスク記憶デバイス又はその他の磁気記憶デバイス、又は、希望されるプログラム符号を命令又はデータ構造の形態で格納するために用いることができ及びコンピュータによってアクセス可能なその他の媒体、を備えることができる。ここにおいて用いられるときのディスク(disk及びdisc)は、コンパクトディスク(CD)(disc)と、レーザーディスク(登録商標)(disc)と、光ディスク(disc)と、デジタルバーサタイルディスク(DVD)(disc)と、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)と、ブルーレイディスク(disc)と、を含み、ここで、diskは通常は磁気的にデータを複製し、discは、レーザを用いて光学的にデータを複製する。上記の組合せも、コンピュータによって読み取り可能な媒体の適用範囲に含めるべきである。
【0077】
コンピュータによって読み取り可能な媒体における格納に加えて、命令及び/又はデータは、通信装置に含まれる送信媒体において信号として提供することができる。例えば、通信装置は、命令及びデータを示す信号を有するトランシーバを含むことができる。命令及びデータは、請求項において概説される機能を1つ以上のプロセッサに実装させるように構成される。すなわち、通信装置は、開示される機能を実行するための情報を示す信号を有する送信媒体を含む。第一に、通信装置に含まれる送信媒体は、開示される機能を実行するための情報の第1の部分を含むことができ、次に、通信装置に含まれる送信媒体は、開示される機能を実行するための情報の第2の部分を含むことができる。
【0078】
位置/所在位置決定技法は、様々な無線通信ネットワーク、例えば、無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)、等、と関係させて実装することができる。用語“ネットワーク”及び“システム”は、互換可能な形でしばしば用いられる。WWANは、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワーク、単一周波数分割多元接続(SC−FDMA)ネットワーク、ロング・ターム・エボリューション(LTE)、等であることができる。CDMAネットワークは、1つ以上の無線アクセス技術(RAT)、例えば、cdma2000、ワイドバンド−CDMA(W−CDMA)、等を実装することができる。cdma2000は、IS−95規格と、IS−2000規格と、IS−856規格と、を含む。TDMAネットワークは、グローバル移動通信システム(GSM)、デジタルアドバンスト携帯電話システム(D−AMPS)、又はその他のRATを実装することができる。GSM及びW−CDMAは、“第3世代パートナーシッププロジェクト”(3GPP)という名称のコンソーシアムから発行された文書において説明されている。cdma2000は、第3世代パートナーシッププロジェクト2”(3GPP2)という名称のコンソーシアムから発行された文書において説明されている。3GPP文書及び3GPP2文書は、公に入手可能である。WLANは、IEEE802.11xネットワークであることができ、WPANは、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、IEEE802.15xネットワーク、又はその他のタイプのネットワークであることができる。これらの技法は、WWAN、WLAN及び/又はWPANのあらゆる組み合わせと関係させて実装することができる。
【0079】
本開示に関する上記の説明は、当業者が本開示を製造又は使用できるようにすることを目的とする。本開示に対する様々な修正は、当業者にとって容易に明確になるであろう。ここにおいて定められる一般原理は、本開示の精神又は適用範囲を逸脱せずにその他の変形形態に対しても適用することができる。以上のように、本開示は、ここにおいて説明される例及び設計に限定されることが意図されるものではなく、ここにおいて開示される原理及び斬新な特徴に一致する限りにおいて最も広範な適用範囲が認められるべきである。
【技術分野】
【0001】
35U.S.C.§119に基づく優先権の主張
本特許出願は、すべてが“Support of Minimal Network Signaling and Identification for an eCall Terminal”(eCall端末のための最小限のネットワークシグナリング及び識別のサポート)という題名を有し、ここの譲受人に割り当てられており、引用されることによって明示でここに組み入れられている、米国仮特許出願一連番号第61/041,873号(出願日:2008年4月2日)、米国仮特許出願一連番号第61/048,116号(出願日:2008年4月25日)、及び米国仮特許出願一連番号第61/061,586号(出願日:2008年6月13日)、に対する優先権を主張するものである。
【0002】
本開示は、概して、通信に関するものである。本開示は、より具体的には、緊急呼をサポートするための技法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
様々な通信サービス、例えば、音声、映像、パケットデータ、メッセージ伝送、ブロードキャスト、等、を提供することを目的として無線通信ネットワークが広範囲にわたって配備されている。これらの無線ネットワークは、利用可能なネットワークリソースを共有することによって複数のユーザをサポートすることが可能な多元接続ネットワークであることができる。該多元接続ネットワークの例は、符号分割多元接続(CDMA)ネットワークと、時分割多元接続(TDMA)ネットワークと、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワークと、直交FDMA(OFDMA)ネットワークと、単一搬送波FDMA(SC−FDMA)ネットワークと、を含む。
【0004】
無線ネットワークは、複数の端末のための通信をサポートすることができる。端末は、緊急の出来事に応答して緊急呼を行うことができる。緊急呼は、緊急サービス(例えば、警察、火災、医療、又はその他の緊急サービス)のための呼であり、緊急サービス呼と呼ばれることもある。緊急呼は、ユーザがよく知られた緊急番号、例えば北米における“911”又は欧州における“112”、をダイヤルすることによって開始することができる。シグナリングオーバーヘッドを低減させるために緊急呼のためのシグナリングを端末と無線ネットワークとの間において効率的に交換するのが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0005】
ここにおいては、eCallをサポートするための技法が説明される。eCallは、(i)引き金となる出来事(例えば、車両が事故に巻き込まれる)に起因して無線端末によって自動的に開始するか又はユーザによって手動で開始することができ及び(ii)端末によって受信主体、例えば緊急通報受信センター(PSAP)、に対して自動的に送信される追加データを含むことができる緊急呼である。前記追加データは、車両の識別と、車両位置と、引き金となる出来事と、等を含むことができ、及び、音声経路に沿ってインバンドで又は別個のシグナリング又はデータ/テキスト転送を介してアウトオブバンドで送信することができる。eCallをサポートする端末は、(i)通常のサービス、例えば、音声呼、パケットデータ、テキストメッセージ、映像、等、に加入契約する通常の無線端末、又は(ii)eCall専用端末と呼ばれる、eCallのみをサポートする端末、であることができる。eCallは、(ユーザが“911”をダイヤルすることによって開始される緊急呼に類似する)緊急呼と、追加のデータを受信主体に自動的に送信すること、とを備える。
【0006】
一態様において、eCallを確立中であることを示すためにeCallインジケータを用いることができる。一設計においては、端末は、eCallインジケータを備えるメッセージを生成することができ及びeCallを発生させる(generate)ために前記メッセージを送信することができる。一設計においては、前記eCallインジケータは、呼がeCallであるかどうかを示すことができる。他の設計においては、前記eCallインジケータは、呼が(i)前記端末によって自動的に開始されたeCallであるか又は(ii)ユーザによって手動で開始されたeCallであるかを示すことができる。前記eCallインジケータは、その他の情報を伝えることも可能である。
【0007】
前記eCallインジケータは、様々な方法で実装することができる。第1の設計においては、前記メッセージは、前記eCallインジケータのために用いられる少なくとも1つのビットを有するサービスカテゴリ情報要素を備えることができる。第2の設計においては、前記メッセージは、前記eCallインジケータを備える新しい情報要素を備えることができる。第3の設計においては、前記メッセージは、前記eCallインジケータのために用いられる少なくとも1つの値を有する接続管理(CM)サービスタイプ情報要素を備えることができる。第4の設計においては、前記メッセージは、前記eCallインジケータのために用いられる少なくとも1つのフラグを有する移動局(MS)クラスマーク2情報要素を備えることができる。第5の設計においては、前記メッセージは、前記eCallインジケータのために予約され及び用いられる被呼者番号を備えることができる。前記eCallインジケータは、その他の方法で搬送することも可能である。
【0008】
他の態様においては、eCall専用端末は、eCall及び指定された呼を除き、移動性管理(MM)及び接続管理(CM)のためのシグナリングを無線ネットワークに送信することを回避することができる。前記指定された呼は、eCall機能を試験するための呼、前記端末を再構成するための呼、及び/又はその他の特に定義された呼を備えることができる。例えば、指定された呼は、端末の再構成(例えば、eCall専用端末を、eCallに加えて通常のサービスを提供可能な端末に転換する)を要求するために及び前記端末が正確に作動していることを検証するために用いることができる顧客サービスと関連づけられたホーム無線オペレータによって割り当てられた特定の番号に対して行うのを許容することができる。前記eCall専用端末は、電源が投入された後に定期的に無線ネットワークを探すことができるが、検出されたネットワークに対してシグナリングを送信することを回避することができる。前記端末は、所在位置の更新を行うこと、登録を行うこと、ページング要求に応答すること、等を回避することができる。前記端末は、前記端末によって開始されたeCall又は指定された呼のために無線ネットワークとシグナリングを交換することができる。一設計においては、前記eCall又は指定された呼が開始された後に、前記端末は、前記無線ネットワークとの所在位置の更新及び前記eCall又は指定された呼のための呼の確立を行うことができる。
【0009】
本開示の様々な態様及び特徴が以下においてさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】典型的なネットワーク配備を示した図である。
【図2】端末によってeCallを確立するためのメッセージフローを示した図である。
【図3】eCallインジケータを搬送する緊急SETUPメッセージを示した図である。
【図4】eCallインジケータを搬送するCMサービス要求メッセージを示した図である。
【図5】eCallインジケータを搬送するSETUPメッセージを示した図である。
【図6】eCallの確立のために端末によって実行されるプロセスを示した図である。
【図7】eCallの確立をサポートするためにネットワークによって実行されるプロセスを示した図である。
【図8】通常のシグナリングを用いる端末の動作を示した図である。
【図9】低減されたシグナリングを用いるeCall専用端末の動作を示した図である。
【図10】eCall専用端末に関する状態図を示した図である。
【図11】端末によって実行されるプロセスを示した図である。
【図12】無線ネットワークによって実行されるプロセスを示した図である。
【図13】端末、基地局、及びMSCのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、典型的なネットワーク配備100を示し、訪問先ネットワーク(visited network)102と、ホームネットワーク104と、第三者ネットワーク106と、を含むことができる。訪問先ネットワーク102は、訪問先公衆陸上移動通信ネットワーク(V−PLMN)、サービングネットワーク(serving network)、等と呼ばれることもある。ホームネットワーク104は、ホームPLMN(H−PLMN)と呼ばれることもある。訪問先ネットワーク102は、以下の説明の多くの部分において想定されるように、ホームネットワーク104からローミングしていることがある端末110のためのサービングネットワークであることができる。訪問先ネットワーク102及びホームネットワーク104は、端末110がローミングしていない場合は同じネットワークであることができる。
【0012】
訪問先ネットワーク102は、無線アクセスネットワーク(RAN)120と、移動体交換局(MSC)/ビジタロケーションレジスタ(VLR)130と、説明を単純化するために図1に示されていないその他のネットワークエンティティと、を含むことができる。RAN120は、グローバル移動通信システム(GSM(登録商標))ネットワーク、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)ネットワーク、汎用パケット無線サービス(GPRS)アクセスネットワーク、ロング・ターム・エボリューション(LTE)ネットワーク、CDMA1Xネットワーク、高速パケットデータ(HRPD)ネットワーク、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)ネットワーク、等であることができる。GSM、WCDMA、GPRS及びLTEは、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)の一部であり、“第3世代パートナーシッププロジェクト”(3GPP)という名称の組織から発行された文書において説明されている。CDMA1X及びHRPDは、cdma2000の一部であり、cdma2000及びUMBは、“第3世代パートナーシッププロジェクト2”(3GPP2)という名称の組織から発行された文書において説明されている。MSC130は、回線交換呼のための交換機能を実行することができ及びショートメッセージサービス(SMS)メッセージをルーティングすることもできる。VLR130は、訪問先ネットワーク102に登録している端末のための登録情報を格納することができる。
【0013】
ホームネットワーク104は、ホームロケーションレジスタ(HLR)/認証センター(AC)140と、説明を単純化するために図1に示されないその他のネットワークエンティティと、を含むことができる。HLR140は、ホームネットワーク104とのサービス加入契約を有する端末のための加入情報を格納することができる。AC140は、ホームネットワーク104とのサービス加入契約を有する端末のための認証を行うことができる。
【0014】
第三者ネットワーク106は、ルータ150(例えば、PSAPによって選択されたルータ)と、PSAP160と、公衆交換電話網(PSTN)170と、可能な場合は図1に示されないその他のネットワークエンティティと、を含むことができる。ルータ150は、MSC130とPSAP160との間で呼をルーティングすることができる。ルータ150は、MSC130とPSAP160との間で呼をルーティングすることができる。PSAP160は、緊急呼に応答することを担当することができ、緊急センター(EC)と呼ばれることもある。PSAP160は、政府機関、例えば、郡又は市、によって運用又は所有することができる。PSTN170は、従来の有線電話、例えば電話180、のための電話サービスを提供することができる。
【0015】
図1は、訪問先ネットワーク102及びホームネットワーク104に存在することができるネットワークエンティティの一部のみを示す。例えば、訪問先ネットワーク102は、パケット交換呼及びその他のサービスをサポートするネットワークエンティティと、端末の所在位置を得るのを援助する所在位置サーバと、を含むことができる。
【0016】
端末110は、静止型又は移動型であることができ、GSM及びCDMA1Xにおける移動局(MS)、WCDMA及びLTEにおけるユーザ装置(UE)、HRPDにおけるアクセス端末(AT)、セキュア・ユーザ・プレーン・ロケーション(Secure User Plane Location)(SUPL)におけるSUPLイネーブルド端末(SET)、加入者ユニット、局、等と呼ばれることもある。端末110は、無線通信信号及び/又はナビゲーション信号を受信することが可能なデバイス、例えば、携帯電話又はその他の無線通信デバイス、パーソナル通信システム(PCS)デバイス、パーソナルナビゲーションデバイス(PND)、パーソナル情報マネージャ(PIM)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ラップトップ又はその他の適切なモバイルデバイス、であることができる。端末110は、例えば短距離の無線、赤外線、有線接続、又はその他の接続によって、パーソナルナビゲーションデバイス(PND)と通信するデバイスであることもでき、衛星信号の受信、援助データの受信、及び/又は位置関連処理がそのデバイスにおいて又はPNDにおいて生じるかどうかを問わない。さらに、端末110は、例えばインターネット、WiFi、又はその他のネットワークを介してサーバと通信することが可能な無線通信デバイス、コンピュータ、ラップトップを含むすべてのデバイスを含むことが意図され、衛星信号の受信、援助データの受信、及び/又は位置関連処理が、そのデバイスにおいて、サーバにおいて、又はネットワークと関連づけられた他のデバイスにおいて生じるかどうかを問わない。上記のいずれの動作可能な組み合わせも含まれる。端末110は、車両(及びおそらく車両の一部)に永久に取り付けることができる専用車両搭載システム(IVS)であることもできる。
【0017】
端末110は、図1に示されるように、ホームネットワーク104とサービス加入契約を有することができ及び訪問先ネットワーク102内をローミング中であることができる。端末110は、訪問先ネットワーク102においてRAN120から信号を受信することができ又は通信サービスを得るためにRANと通信することができる。端末110は、ローミングしていないときに(図1に示されない)通信サービスのためにホームネットワーク104と通信することもできる。端末110は、衛星測位システム(SPS)の一部であることができる1つ以上の衛星190から信号を受信することもできる。SPSは、典型的には、エンティティが送信機から受信された信号に少なくとも部分的に基づいて地球上又は地球の上方における所在位置を決定するのを可能にするために配置された送信機のシステムを含む。該送信機は、典型的には、一組の数のチップの繰り返し(repeating)疑似ランダム雑音(PN)符号によって表示された信号を送信し、地上に配置された管制局、ユーザ装置及び/又は宇宙ビークルに配置することができる。特定の例においては、該送信機は、地球軌道を周回する衛星ビークル(SV)上に配置することができる。例えば、全地球航法衛星システム(GNSS)、例えば、全地球測位システム(GPS)、ガリレオ、グロナス又はコンパスの一群におけるSVは、(例えば、GPSにおけるように各衛星に関して異なるPN符号を用いるか又はグロナスにおけるように異なる周波数において同じ符号を用いる)その一群内のその他のSVによって送信されたPN符号と区別可能なPN符号によって表示された信号を送信することができる。一態様により、ここにおいて提示される技法は、SPSのためのグローバルシステム(例えば、GNSS)に制限されない。例えば、ここにおいて提供される技法は、様々な地域システム、例えば、日本上空の準天頂衛星システム(QZSS)、インド上空のインド地域航法衛星システム(IRNSS)、中国上空の北斗、等、及び/又は1つ以上の地球的な及び/又は地域的な航法衛星システムと関連づけることができるか又はこれらの航法衛星システムとともに用いるために使用可能にすることができる様々な補強システム(例えば、静止衛星型衛星航法補強システム(SBAS))に対して応用すること又はこれらの様々な地域システムにおいて用いるために使用可能にすることができる。一例として、ただし制限することなしに、SBASは、完全性情報、微分補正、等を提供する補強システム、例えば、広域補強システム(WAAS)、欧州静止衛星利用航法オーバーレイサービス(EGNOS)、運輸多目的衛星用衛星航法補強システム(MSAS)、GSP補助静止衛星型補強航法又はGSP及び静止衛星型補強航法システム(GAGAN)、等を含むことができる。このように、ここにおいて用いられる場合において、SPSは、1つ以上の全地球的な及び/又は地域的な航法衛星システム及び/又は補強システムの組み合わせを含むことができ、及び、SPS信号は、SPS信号、SPSに類似する信号、及び/又は該1つ以上のSPSと関連づけられたその他の信号を含むことができる。端末110は、衛星190からの信号を測定し、それらの衛星に関する疑似距離測定値を得ることができる。端末110は、RAN120における基地局からの信号を測定すること及びそれらの基地局に関するタイミング及び/又は信号強度測定値を得ることもできる。疑似距離測定値、タイミング測定値及び/又は信号強度測定値は、端末110に関する位置推定値を導出するために用いることができる。位置推定値は、所在位置推定値、位置フィックス、等と呼ばれることもある。
【0018】
端末110は、端末に割り当てられた一意の番号である国際移動体装置識別番号(IMEI)を有することができる。端末110は、ユーザのサービス加入のために用いることができる。サービス加入は、GSMネットワーク及びUMTSネットワークのための加入に割り当てられた一意の番号である国際移動体加入者識別番号(IMSI)と関連づけることができる。サービス加入は、サービス加入のための電話番号である移動体加入者総合サービスデジタルネットワーク番号(MSISDN)と関連づけることもできる。IMSIは、HLR140における加入者データベース内のサービス加入のためのキーとして用いることができる。MSISDNは、サービス加入のために用いられる端末110に呼を接続するためにその他のユーザによってダイヤルすることができる。IMSI、MSISDN、及びその他の加入情報は、端末110内に挿入することができる加入者識別モジュール(SIM)又は汎用加入者識別モジュール(USIM)に格納することができる。端末110は、SIM/USIMを有さないこともでき、その場合は、端末110は、IMEIのみを有し、IMSI及びMSISDNを有さないことができる。
【0019】
無線ネットワークは、異なるタイプの緊急呼をサポートするのを要求されることがある。1つのタイプは、ユーザがよく知られた緊急番号、例えば北米における“911”及び欧州における“112”、をダイヤルすることによって発生された“通常の”緊急呼を含むことができる。他のタイプは、上述される特徴を有することができる緊急呼であるeCallを含むことができる。eCallのサポートは、欧州連合によって及びその他の世界の地域及び/又は諸国によって要求されることがある。eCallは、その呼が行われる方法及びそのeCallを確立するために送信すること及びそのeCallを処理するために用いることができる追加の緊急関連データの点で通常の緊急呼と異なることができる。例えば、追加データは、eCallがどのようにして開始されたか、車両の型式と車両識別番号(VIN)、タイムスタンプ、位置推定値と位置信頼度フラグ、走行方向、乗員(例えばシートベルトが締められた乗員)の数、端末に関するサービスプロバイダ(存在する場合)、発呼の引き金の種類(例えば、配備されたエアバッグ、バンパーセンサ、等)、及び可能な場合におけるその他の情報を示すことができる。追加データは、端末の正確な地理上の所在位置をPSAPに提供するのを可能にすることができる。
【0020】
図2は、図1の端末110によってeCallを確立するためのメッセージフロー200の設計を示す。説明を単純化するために、図2においては幾つかのネットワークエンティティ(例えば、RAN120)及び該当度がより低いシグナリングメッセージは示されない。端末110は、最初に、サービング基地局への無線アクセスを取得することができ及びサービスを要求するためにCMサービス要求メッセージをMSC/VLR130に送信することができる(ステップ1)。MSC/VLR130は、メッセージを受信することができ及びCMサービス受諾メッセージで応答することができる(ステップ2)。端末110は、eCallを発生させるために緊急SETUPメッセージを送信することができる(ステップ3)。MSC/VLR130は、メッセージを受信することができ及び端末110のための呼を発生させるために初期アドレスメッセージをルータ150に送信することができる(ステップ4)。ルータ150は、端末110のために呼を確立するために呼セットアップメッセージをPSAP160に送信することができる(ステップ5)。PSAP160は、接続メッセージをルータ150に返信することができ(ステップ6)、ルータ150は、応答メッセージをMSC/VLR130に返信することができる(ステップ7)。MSC/VLR130は、接続メッセージを端末110に返信することができる(ステップ8)。端末160は、PSAP160への起こりうる転送のためにeCallに関する追加データをネットワークに転送することができる(ステップ9)。追加データの転送は、ステップ3、4及び5において又はステップ9以前のその他のいずれかのステップにおいて行うことも可能である。いずれの場合においても、eCallは、ステップ8及び9の後に端末110のために確立することができる。これで、端末110は、eCallのためにPSAP160と通信することができる。
【0021】
eCallは、(例えば、車両の衝突に起因して)端末110によって自動的に又はユーザ(例えば、車両の占有者)によって手動で開始することができる。端末110は、eCall機能をサポートするいずれかのデバイス、例えば、携帯電話、IVS、等であることができる。一設計においては、端末110は、緊急呼のセットアップの際にeCallインジケータを提供することができる。eCallインジケータは、次のうちの1つを伝えることができる。
【0022】
・ユーザによって発生された手動で開始されたeCall(MIeC)
・端末によって発生された自動的に開始されたeCall(AIeC)
eCallインジケータは、eCallを通常の緊急呼と区別するために、eCallをフィルタリングするか又は該当するPSAP(例えば、eCallを受信する装備を有するPSAP)にルーティングするために、及び/又はその他の目的のために無線ネットワークによって用いることができる。eCallインジケータは、緊急呼のセットアップ中に様々な方法で端末110によって搬送することができる。eCallインジケータは、CMサービス要求メッセージ、緊急SETUPメッセージ、SETUPメッセージ、又は端末110によって送信されるその他のメッセージにおいて送信することができる。
【0023】
図3は、eCallインジケータを搬送することができる緊急SETUPメッセージ300の設計を示す。緊急SETUPメッセージは、様々な情報要素(IE)を含むことができ、その1つは、端末によって呼び出し中のサービスに関する情報を無線ネットワークに提供するために用いられるサービスカテゴリIEであることができる。eCallに関して、サービスカテゴリIEは、(i)サービスカテゴリIEに割り当てられた特定の値に設定することができるサービスカテゴリIE識別子(IEI)と、(ii)サービスカテゴリIEの長さを示すことができるサービスカテゴリフィールドの長さと、(iii)eCallのための情報を提供することができる緊急サービスカテゴリ値フィールドと、を含むことができる。
【0024】
図3に示される設計において、eCallインジケータは、緊急サービスカテゴリ値フィールドにおける2つのビットによって実装することができる。1つのビット(ビットxと呼ばれる)は、自動的に開始されたeCallであること伝えるために“1”に設定し、その他の場合は“0”に設定することができる。他方のビット(ビットyと呼ばれる)は、手動で開始されたeCallであることを伝えるために“1”に設定され、その他の場合は“0”に設定することができる。他の設計においては、eCallインジケータは、単一のビットを用いて実装することができ、eCallであることを示すために“1”に設定し、その他の場合は“0”に設定することができる。eCallインジケータは、サービスカテゴリIEにおいてその他の方法で実装することもできる。
【0025】
他の設計においては、eCallインジケータを搬送するために新しいIEを定義することができる。この新しいIEには別個のIEIを割り当てることができ及び1ビット又は2ビットを有するeCallインジケータを搬送することができ、サービスカテゴリIEに関する上記の説明に従って設定することができる。
【0026】
図4は、eCallインジケータを搬送することができるCMサービス要求メッセージ400の設計を示す。CMサービス要求メッセージは、様々なIE、例えば、いずれのサービスが無線ネットワークに要求されているかを指定するために用いられるCMサービスタイプIE、を含むことができる。CMサービスタイプIEは、(i)CMサービスタイプIEに割り当てられた特定の値に設定することができるIEIと、(ii)要求されたサービスを示すことができるサービスタイプフィールドと、を含むことができる。
【0027】
一設計においては、eCallに関して、サービスタイプフィールドの1つ以上の値を予約すること及びeCallインジケータを伝えるために用いることができる。一設計においては、eCallインジケータのために単一の値を予約することができる。サービスタイプフィールドは、eCallのための緊急サービスを要求するためにこの予約された値に設定することができる。他の設計においては、eCallインジケータのために2つの値を予約することができる。サービスタイプフィールドは、(i)手動で開始されたeCallのための緊急サービスを要求するために第1の予約された値又は(ii)自動的に開始されたeCallのための緊急サービスを要求するために第2の予約された値に設定することができる。
【0028】
CMサービス要求メッセージは、端末に関する情報を無線ネットワークに提供するために用いられるMSクラスマーク2IEを含むこともできる。このIEのオクテット1は、MSクラスマーク2IEのためのIEIを含むことができる。オクテット2は、MSクラスマーク2IEの長さを含むことができる。オクテット3、4及び5は、公に入手可能である3GPP TS24.008、“モバイル無線インタフェース層3仕様;コアネットワークプロトコル;ステージ3”において説明される様々なフィールド/フラグを含むことができる。図4に示されるように、MSクラスマーク2IEには3つの予備ビット/フラグが存在することができ及び通常は“0”に設定することができる。一設計においては、eCallインジケータのために1つの予備ビット(例えば、オクテット3のビット8)を用いることができ及びeCall専用端末であることを示すために“1”に設定すること又はその他の場合は“0”に設定することができる。他の設計においては、eCallインジケータのために2つの予備ビットを用いることができる。1つの予備ビット(例えば、オクテット3のビット8)は、自動的に開始されたeCall専用端末を示すために“1”に設定すること又はその他の場合は“0”に設定することができる。他の予備ビット(例えば、オクテット5のビット7)は、手動で開始されたeCall専用端末であることを示すために“1”に設定すること又はその他の場合は“0”に設定することができる。
【0029】
図5は、eCallインジケータを搬送することができるSETUPメッセージ500の設計を示す。SETUPメッセージは、様々なIE、例えば被呼者を識別するために用いられる被呼者BCD番号IE、を含むことができる。このIEのオクテット1は、被呼者BCD番号IEのためのIEIを含むことができる。オクテット2は、被呼者BCD番号IEの長さを含むことができる。オクテット3は、被呼者番号タイプと、被呼者番号に関して適用可能な番号付与プラン(numbering plan)と、を含むことができる。各々の後続するオクテットは、被呼者番号の最大で2つの桁を含むことができる。
【0030】
一設計においては、eCallインジケータのために予約された被呼者番号を用いることができ及びeCallを示すためにSETUPメッセージにおいて送信することができる。他の設計においては、eCallインジケータのために2つの予約された被呼者番号を用いることができる。手動で開始されたeCallを示すために第1の予約された被呼者番号をSETUPメッセージにおいて送信することができる。自動的に開始されたeCallを示すために第2の予約された被呼者番号をSETUPメッセージにおいて送信することができる。
【0031】
一設計においては、予約された被呼者番号は、すべての又は多くのネットワークオペレータによってeCallのために予約することができる完全な電話番号であることができる。他の設計においては、予約された被呼者番号は、従来の緊急番号の拡張番号であることができる。例えば、北米においては、自動的に又は手動で開始されたeCallのために“911−1”及び“911−2”を予約された被呼者番号としてそれぞれ用いることができる。対応して、欧州においては、自動的に又は手動で開始されたeCallのために“112−1”及び“112−2”を予約された被呼者番号としてそれぞれ用いることができる。eCallのためにその他の電話番号を予約及び使用することもできる。
【0032】
さらに他の設計においては、eCall専用端末であることを示すためにHLRからの加入情報を用いることができる。図1において、端末110は、訪問先ネットワーク102とのeCallを発生させることができ及び呼のセットアップ前に登録を行うことができる。登録のために、訪問先ネットワーク102内のVLR130は、端末110のための加入情報を入手するためにホームネットワーク104におけるHLR140と通信することができる。HLR140は、端末110がeCall専用端末であることを示す情報を提供することができる。これで、訪問先ネットワーク102は、eCallのためのサービスを端末110に提供することができる。
【0033】
eCallインジケータの様々な設計が上述されており、eCallが端末によって行われていることを明示するために用いることができる。これらの設計の一部又は全部は、例えば車両事故に起因して、ユーザ自身によって手動で開始されたeCallと端末自体によって自動的に開始されたeCallとを区別することもできる。eCallインジケータは、その他のメッセージにおいて及び/又は上述される以外のその他のフィールド、ビット、及び値を用いて搬送することも可能である。
【0034】
図6は、eCallの確立のために端末によって実行されるプロセス600の設計を示す。端末は、eCallインジケータを備えるメッセージを生成することができる(ブロック612)。メッセージは、CMサービス要求メッセージ、緊急SETUPメッセージ、SETUPメッセージ、又はその他のメッセージを備えることができる。端末は、eCallを発生させるためにメッセージを送信することができる(ブロック614)。
【0035】
第1の設計においては、メッセージは、例えば図3に示されるように、eCallインジケータのために用いられる少なくとも1つのビットを有するサービスカテゴリ情報要素を備えることができる。一設計においては、eCallインジケータのために用いられる少なくとも1つのビットは、(i)eCallが端末によって自動的に開始されたかどうかを示す第1のビットと、(ii)eCallがユーザによって手動で開始されたかどうかを示す第2のビットと、を備えることができる。他の設計においては、eCallインジケータのために用いられる少なくとも1つのビットは、eCallが開始中であるかどうかを示す単一のビットを備えることができる。
【0036】
第2の設計においては、メッセージは、eCallインジケータを備える新しい情報要素を含むことができる。第3の設計においては、メッセージは、例えば図4に示されるように、eCallインジケータのために用いられる少なくとも1つの値を有するCMサービスタイプ情報要素を備えることができる。第4の設計においては、メッセージは、例えば図4に示されるように、eCallインジケータのために用いられる少なくとも1つのフラグを有するMSクラスマーク2情報要素を備えることができる。第5の設計においては、メッセージは、例えば図5に示されように、eCallインジケータのために予約された被呼者番号を備えることができる。eCallインジケータは、その他の方法で、例えば、その他のメッセージ、その他の情報要素、その他のビット又は値、等を用いて搬送することもできる。
【0037】
図7は、eCallの確立をサポートするために無線ネットワークによって実行されるプロセス700の設計を示す。ネットワークは、端末からeCallを発生させるためのメッセージを受信することができる(ブロック712)。ネットワークは、メッセージからeCallインジケータを得ることができる(ブロック714)。ネットワークは、eCallインジケータに基づいてeCallが端末によって自動的に開始されたか又はユーザによって手動で開始されたかを決定することができる(ブロック716)。一設計においては、メッセージは、eCallインジケータのために用いられる第1及び第2のビットを有するサービスカテゴリ情報要素を備えることができる。第1のビットは、eCallが端末によって自動的に開始されたかどうかを示すことができ、第2のビットは、eCallがユーザによって手動で開始されたかどうかを示すことができる。eCallインジケータは、その他の方法で搬送することも可能である。
【0038】
多数のeCall専用端末を、例えば車両及びその他の場所において配備することができる。これらのeCall専用端末は、長時間電源を投入した状態であることができるが、eCallを発生させることはめったにない。無線ネットワークに関するシグナリングオーバーヘッドを低減させるためにeCall専用端末によって交換されるシグナリングの量を低減させることが望ましいことがある。
【0039】
図8は、通常のシグナリングを用いる端末110の動作800を示す。端末110は、電源が投入された時点で、サービスを得ることができる無線ネットワークを探すことができる。次に、端末110は、検出されたネットワークへの登録及び該ネットワークとの所在位置の更新を行うことができる。登録は、ネットワークが端末の存在を知るのを可能にすることができる。所在位置の更新は、着呼に関して端末をページングできるようにするためにネットワークが端末の所在位置を入手するのを可能にすることができる。その後は、端末110は、より良いセル及び/又はネットワークを定期的に探すことができる。端末110は、より良いセル又はネットワークを検出した時点で、必要な場合は、所在位置の更新及び該当する場合の登録を行うことができる。端末110は、eCallを発生させるために何時でも呼の確立を行うことができる。これで、端末110は、eCallのためにPSAPと通信することができる。端末110は、eCallの終了後に登録取り消しを行うことができる。
【0040】
端末110は、移動性及びネットワークカバレッジに依存して、何回でも及びどのような頻度でも所在位置の更新を行うことができる。端末110は、所在位置の更新の各例に関して無線ネットワークとシグナリングを交換することができる。端末110は、eCallを非常にまれにしか行わないことがあり、所在位置の更新のほとんどの例において交換される情報は使用されないことがある。このため、eCall専用端末が呼の確立前に所在位置の更新を何度も行うことは非常に非効率的である場合がある。
【0041】
図9は、低減されたシグナリング(reduced signaling)を用いる端末110の動作900を示し、端末110は、eCall専用端末であることができる。端末110は、電源が投入された時点で、サービスを得ることができる無線ネットワークを探すことができる。端末110は、検出されたネットワークからネットワーク利用可能性情報、タイミング情報、及び/又はその他のシステム情報を入手することができ及び必要な場合はeCallを確立するために用いる可能性のために情報を格納することができる。端末110は、移動性管理(MM)及び接続管理(CM)のためのシグナリングを送信することを回避することができ及び検出されたネットワークとの無線封止(radio silence)を維持することができる。無線ネットワークは、端末110の存在を認識していないことができる。端末110は、より良いセル及び/又はネットワークを定期的に探すことができ及び可能性のあるサービングネットワーク及び可能性のあるサービングセルのためにその情報を更新することができる。
【0042】
端末110は、例えばユーザ又は引き金となる出来事からeCallを発生させることの指示を受信することができる。それに応答して、端末110は、直近において検出されたネットワークへの登録及び該ネットワークとの所在位置の更新を行うことができる。これで、端末110は、例えば図2に示されるように、eCallのための呼の確立を行うことができる。概して、端末110は、eCallのための呼の確立前に又は呼の確立後に登録を行うことができる。端末110は、eCallの開始時又はeCall中に所在位置の更新を行うことができる。端末110は、(例えば、選択されたPSAPからの)折り返し呼(callback)がサポートされている場合は所在位置の更新を行うことができ及びその他の場合は所在位置の更新をスキップすることができる。
【0043】
端末110は、eCallのためにPSAPと通信することができる。eCallは、いずれかの時点において解除することができる。一設計においては、端末110は、制限された時間の間MM手順及びCM手順をサポートし続けることができる。これは、必要な場合において、PSAPからの折り返し呼をサポートするために及び端末110が追跡呼を素早く行うのを可能にするために望ましいことがある。(HLR140において格納することができる)端末110に関するサービス加入契約が着呼を禁止しない場合は、PSAPは、制限された時間の間端末110に折り返し呼を行うことができる。制限された時間の終了時において、端末110は、サービングネットワークによって要求された場合にIMSIの切り離しを行うことができる。サービングネットワークは、eCallの終了後に予め決められた時間が経過後に端末110の登録を取り消すことも可能である。登録取り消しは、端末110とシグナリングを交換する必要なしに自動的に行うことができる。
【0044】
図8及び9に示されるように、電源が投入されている間に所在位置の更新を行うことを端末110に回避させ及びeCallが開始されたときのみに所在位置の更新を行わせることによってシグナリングオーバーヘッドを実質的に低減させることができる。
【0045】
例えば図9に示されるように、eCallのための呼の確立前に所在位置の更新を行うのが望ましいことがある。所在位置の更新は、端末110の認証及び端末110のための加入情報をホームネットワーク104内のHLR140から訪問先ネットワーク102内のVLR130にダウンロードするのを可能にすることができる。加入情報は、端末110のためのMSISDNを含むことができる。MSC130は、MSISDNを有する認証されたeCallをPSAP160に転送することができる。PSAP160は、必要な場合は、端末110への折り返し呼のためにMSISDNを用いることができる。
【0046】
一設計においては、eCallのための所在位置の更新は、eCallのための呼のセットアップを迅速化するために通常の所在位置の更新よりも高い優先度を与えることができる。端末110は、eCallのためのCM要求によってトリガーされたときに所在位置更新要求メモリを送信することができる。所在位置更新要求メッセージは、保留中の呼を示すか又はその保留中の呼を訪問先ネットワーク102(例えば、MSC/VLR130)に知らせること及び訪問先ネットワーク102が所在位置の更新の優先順位を設定することを可能にするための緊急呼を示すことができる。一設計においては、所在位置更新要求メッセージは、保留中のeCall又は緊急呼を示すために“1”に設定しその他の場合は“0”に設定することができる指定されたビットを有する所在位置更新タイプIEを含むことができる。訪問先ネットワーク102は、所在位置更新要求メッセージにおいて保留中のeCall又は緊急呼が示されている場合に処理の優先順位を設定することができる。
【0047】
端末110は、例えば図9に示されるように、eCallを確立する前に所在位置の更新を行っていないことがあり及びMM接続を有さないことがある。eCallに関する呼のセットアップの遅れは、幾つかの方法で減少させることができる。一設計においては、サービス加入のためのIMSIはVLR130にとって知らないことがあるため、端末110は、IMEIによって識別することができる。このため、折り返し呼の識別を有さない(例えば、MSISDNを有さない)非認証のeCallをPSAP160に引き渡すことができる。この設計は、認証されないeCallをサポートする諸国及びネットワークにおいて用いることができる。他の設計においては、端末110は、eCallのためのCMサービス要求メッセージを送信することができ及び自己のIMSIによって自己を識別することができる。これは、訪問先ネットワーク102におけるMSC/VLR130がホームネットワーク104におけるHLR/AC140に認証情報を要求するのを可能にすることができる。MSC/VLR130は、端末110を認証して認証されたeCallをPSAP160に引き渡すことができる。さらに他の設計においては、端末110は、SIM/USIMを含むことができ、認証することができ、及びMSISDNを所有することができる。MSISDNは、識別及び折り返し呼を目的としてPSAPに転送することができる。
【0048】
図10は、eCall専用端末、例えば端末110、のための移動性管理(MM)のための状態図1000の設計を示す。説明を単純化するために、移動性管理のために利用可能なすべての状態及びサブ状態(substate)が図10に示されているわけではない。
【0049】
端末110は、電源が投入された時点で、MM IDLE(アイドル)状態のeCall INACTIVE(非アクティブ)サブ状態において動作することができる。eCall INACTIVEサブ状態は、ホームネットワークオペレータが、eCallのための、例えば、所在位置の更新、認証、PSAPにとっての端末識別、及び可能な場合におけるSPAPからの折り返し呼の能力のための、通常のサポートを要求するeCall専用端末に対して適用可能である。端末110は、eCall又は指定された呼が存在しない場合に移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを送信することを回避するためにeCall INACTIVEサブ状態に入ることができる。指定された呼は、試験及び端末再構成サービスのためにホームネットワークオペレータによって指定された非緊急MSISDNに対する呼を含むことができる。例えば、指定された呼は、カスタマサービスと関連づけられたホームネットワークオペレータによって割り当てられた特定の番号を対象にするのを可能にすることができ及び端末が正確に動作中であることを検証するために端末の再構成(例えば、eCall専用端末をeCallに加えて通常のサービスを受信可能な端末に転換する)を要求するために用いることができる。
【0050】
eCall INACTIVEサブ状態においては、端末110は、登録、所在位置の更新、及びIMSI切り離し(detachment)を行うことを回避することができ及びページング要求に応答するのを同じ回避することもできる。端末110は、eCall及び指定された呼を除き、MM接続に関する端末110内のCMエンティティからの要求を拒否することもできる。端末110は、eCall INACTIVEサブ状態の間に無線ネットワークを定期的に探すことができる。eCall INACTIVEサブ状態にある間には端末110はeCall及び指定された呼のみを利用可能であることができる。
【0051】
eCall INACTIVEサブ状態においては、有効な加入者有情報を端末110のために利用可能であり、更新状態を“ディスエーブルド”(DISABLED)(又はU4)にすることができ及び端末110のために通常のサービスを提供することができるセルを選択することができる。ディスエーブルドな更新状態は、所在位置の更新が不能であること及びSIM/USIMが有効なLAI(所在位置エリア識別)、TMSI(一時的移動体加入者識別番号)、GSM暗号化キー、UMTS完全性キー、UMTS暗号化キー、又は暗号化キーシーケンス番号のいずれも含まないことを意味することができる。これらのフィールドはすべて、適合性の理由でeCall INACTIVEサブ状態に移行した時点で“削除された”値に設定することができる。その他の値の存在は、端末110では誤りとみなされない。SIM/USIMに格納された“所在位置更新状態”を“更新されず”に設定することができる。
【0052】
端末110は、eCall INACTIVEサブ状態にある間に、可能性のあるサービングネットワークにおける可能性のあるサービングセル(serving cell)を認識した状態であることができるが、ネットワークとのMMシグナリングを開始することができず及びページング要求を無視することができる。端末110は、後述される条件のうちの1つにおいてeCall INACTIVEサブ状態から出ることができる。
【0053】
・SIM/USIMが取り外された(removed)場合は、端末110は、NO IMSI(IMSIなし)サブ状態になることができる。
【0054】
・カバレッジが失われた場合は、端末110は、PLMN SEARCH(PLMN探索)サブ状態になることができる。
【0055】
・端末がユーザによって停止された(例えば、電源が切られた)場合は、端末110は、MM IDLE(アイドル)状態から出てNULL(ヌル)状態になることができる。
【0056】
・eCallのためのCM要求が存在する場合は、端末110は、サービングネットワークによって要求された場合はIMSI添付手順を試みることができるか又は通常の所在位置の更新を試みることができる。これが完了した時点で、端末110は、eCallを確立するためのその他のMM手順及びCM手順を実行することができる。
【0057】
・(例えば、試験又は端末再構成のための)指定された呼のためのCM要求が存在する場合は、端末110は、サービングネットワークによって要求された場合はIMSI添付手順を試みることができ、その他の場合は通常の所在位置の更新を試みることができる。これが完了した時点で、端末110は、指定された呼を確立するためのその他のMM手順及びCM手順を実行することができる。
【0058】
端末110は、eCall又は指定された呼が開始されたときにMM IDLE状態から出ることができる。端末110は、呼を確立するために及び呼中に通信するために通常のMM手順及びCM手順をサポートすることができる。
【0059】
端末110は、eCall又は指定された呼が解除されたときにMM IDLE状態のNORMAL(通常)サブ状態に移行することができる。一設計においては、端末110は、NORMALサブ状態中に制限された時間の間MM手順及びCM手順のサポートを続けることができる。この制限された時間は、ホームネットワークオペレータによって(例えば、固定された値又は設定可能な値に)設定することができ及びSIM/USIMに格納することができる。端末110は、この制限された時間を追跡するために、eCall又は指定された呼が解除された後にタイマTxxxx又はTyyyyを維持することができる。一設計においては、タイマTxxxxは、eCallの解除のために用いることができ、タイマTyyyyは、指定された呼の解除のために用いることができる。端末110のためのサービス加入契約が着呼を禁止しない場合は、PSAPは、制限された時間中に端末110に折り返し呼を行うことができる。制限された時間の終了時に、端末110は、サービングネットワークによって要求された場合はIMSIの切り離しを行うことができ及びeCall INACTIVEサブ状態に再度入ることができる。
【0060】
端末110は、MM IDLE状態内のNO IMSI、NO CELL AVAILABLE(利用可能なセルなし)(図10に示されていない)及びPLMN SEARCHの各サブ状態を除くいずれかのサブ状態において、タイマTxxxx又はタイマTyyyyが時間切れになったとき又は既に時間切れになっていることが判明したときにeCall非アクティブ化手順を実行することができる。端末110は、その他のアクティブなタイマを停止することができ及びサービングネットワークによって要求された場合及び更新状態が“更新済み” (UPDATED)(又はU1)である場合はIMSI切り離し手順を実行することができる。これで、端末110は、MM IDLE状態におけるeCall INACTIVEサブ状態になることができる。表1は、一設計によるタイマTxxxx及びTyyyyの詳細を示す。
【表1】
【0061】
eCall INACTIVEサブ状態から出るすべての場合において、PLMN SEARCHサブ状態又はNULLサブ状態になるためである場合を除き、タイマTxxxx及びTyyyyは、両方とも、いずれのタイマも時間切れになっているとみなされないようにし及び端末が次にMM IDLE状態になるときにいずれかを再始動させることができるようにするためにリセットすることができる。
【0062】
端末110は、例えば、停止された(電源が切断された)場合、SIM/USIMが取り外された場合、又は端末110がユーザによって手動で再起動された場合に、eCall INACTIVEサブ状態から出ることができる。手動による再起動は、任意選択の能力であることができ及び端末110上における特殊なメニュー機能、ボタン、又はスイッチを用いて動作させることができる。
【0063】
図10に示されない一設計において、端末110は、電源が投入されるか又は手動によって再起動されたときにNORMALサブ状態になることができ及び固定された継続時間又は設定可能な継続時間であることができる予め決められた時間の間NORMALサブ状態で動作することができる。一設計においては、端末110は、予め決められた時間内においてIMSI添付、所在位置の更新、及びおそらくその他のMM手順及びCM手順(例えば、ページング要求への応答)を実行することができる。この予め決められた時間中に、ホームネットワーク104は、端末110におけるSIM/USIMを再構成して通常の加入サービスを加えること及びeCall専用状態を取り除くことができる。HLR140は、端末110のためのその他のサービスを禁止することも可能であるが、PSAP折り返し呼をサポートするために着呼を許容することができる。端末110は、先行するeCallが存在していた場合を除き、予め決められた時間中に着呼を抑止することができる。
【0064】
端末110は、eCall専用端末であることができるが、ネットワークオペレータによって提供されたその他のサービスのための加入契約を有することができる。端末110は、加入したサービスにアクセスできるようにeCall中に又はeCall後に再構成することができる。これは次のようにして達成することができる。端末110は、例えば端末110上のメニュー機能又は特別なボタンを介して、ユーザのための通常サービス呼び出しオプションをサポートすることができる。これが呼び出されるときには、端末110は、所在位置の更新を行うことができる。ホームネットワーク104におけるHLR140は、端末110からの所在位置更新を受諾することができ及び訪問先ネットワーク102におけるVLR130に対して最小限の加入情報を提供することができる。HLR140は、例えばSMSを介して、端末110におけるSIM/USIMを再構成することも可能である。ユーザが加入したサービスを有する場合は、端末110は、ユーザが加入したサービス、例えば、発呼又はSMS、を呼び出すのを可能にすることができる。ユーザが加入したサービスを有さない場合は、所在位置の更新は生じることができるが、端末110は、ユーザがサービスを呼び出すのを許容することができず、又は訪問先ネットワーク112は、ユーザによって呼び出されたサービスを許容することができない。端末110は、(i)eCall呼び出し後の特定の継続時間(例えば、10乃至60分)内及び(ii)通常のサービスの呼び出し後のその他の何らかの特定の継続時間(例えば、15分)内を除くその他の時間に所在位置の更新を行うことを回避することができる。
端末110のユーザは、例えば、異なるSIM/USIMを用いるために、ネットワークオペレータ/サービスプロバイダを変更することもできる。ユーザは、端末110とともに用いられる既存の加入契約を変更することもできる。
【0065】
端末110は、通常の加入契約を有することができ、ホームネットワークオペレータは、eCall専用状態に合わせてSIM/USIMを再構成することができる。これで、端末110は、予め決められた時間後にeCall INACTIVEサブ状態になることができる。
【0066】
図11は、端末によって実行されるプロセス100の設計を示す。端末は、eCall及び指定された呼を除き、移動性管理(MM)及び接続管理(CM)のためのシグナリングを無線ネットワークに送信することを回避することができる(ブロック1112)。端末は、検出されたネットワークにシグナリングを送信することなしに、電源投入後に無線ネットワークを定期的に探すことができる。端末は、所在位置の更新を行うこと、登録を行うこと、及びページング要求に応答することを回避することができる。
【0067】
端末は、端末によって開始された、例えば端末によって自動的に開始されるか又はユーザによって手動で開始された、eCall又は指定された呼のために無線ネットワークとシグナリングを交換することができる(ブロック1114)。一設計においては、端末は、eCall又は指定された呼が開始された後は無線ネットワークとの所在位置の更新を行うことができる。端末は、保留中のeCall又は所在位置の更新のための緊急呼の指示を備えるメッセージを送信することができ、これは所在位置の更新を迅速化することができる。端末は、例えば図2に示されるように、eCall又は指定された呼のための呼の確立を行うこともできる。端末は、呼の確立のためのeCallインジケータを備えるメッセージを送信することができる。eCallインジケータは、上述される情報要素、ビット、値、等のうちのいずれかを備えることができる。
【0068】
一設計においては、端末は、eCall又は指定された呼の終了後の予め決められた時間、例えばeCallの終了後のTxxxx秒間又は指定された呼の終了後のTyyyy秒間、移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを交換することができる。端末は、予め決められた時間以降は移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを送信することを回避することができる。一設計においては、端末は、電源が投入された時点又は手動による端末の再起動の時点において制限された時間の間(例えば、ネットワーク接続、所在位置の更新、ページング要求への応答、許容されたサービスの再構成、等のための)移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを交換することができる。端末は、この制限された時間以降は移動性及び接続管理のためのシグナリングを送信することを回避することができる。
【0069】
図12は、eCallの確立をサポートするために無線ネットワークによって実行されるプロセス1200の設計を示す。ネットワークは、eCall及び指定された呼を除き、端末から移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを受信することができない(ブロック1212)。ネットワークは、端末によって開始されたeCall又は指定された呼のために端末とシグナリングを交換することができる(ブロック1214)。一設計においては、ネットワークは、eCall又は指定された呼が開始されたときに端末との所在位置の更新を行うことができ及びeCall又は指定された呼のために端末との呼の確立を行うこともできる。
【0070】
図13は、図1における端末110、基地局/RAN120、及びMSC/VLR130の設計のブロック図を示す。端末110において、符号器1312は、端末110によって送信されるデータ及びメッセージを受信することができる。メッセージは、登録、所在位置の更新、呼の確立、等に関するメッセージであることができる。符号器1312は、データ及びメッセージを処理(例えば、符号化及びインターリービング)し、符号化されたデータ及び符号化されたシグナリングを提供することができる。変調器(Mod)1314は、符号化されたデータ及びシグナリングをさらに処理(例えば、変調、チャネル化、及びスクランブリング)して出力サンプルを提供することができる。送信機(TMTR)1322は、出力サンプルをコンディショニング(例えば、アナログへの変換、フィルタリング、増幅、及び周波数アップコンバージョン)してアップリンク信号を生成することができ、アップリンク信号は、RAN120における1つ以上の基地局に送信することができる。端末110は、1つ以上の基地局によって送信されたダウンリンク信号を受信することもできる。受信機(RCVR)1326は、受信された信号をコンディショニング(例えば、フィルタリング、増幅、周波数ダウンコンバージョン、及びデジタル化)して入力サンプルを提供することができる。復調器(Demod)1316は、入力サンプルを処理(例えば、デスクランブリング、チャネル化、及び復調)してシンボル推定を提供することができる。復号器1318は、シンボル推定を処理(例えば、デインターリービング及び復号)して送信された復号されたデータ及びメッセージを端末110に提供することができる。符号器1312、変調器1314、復調器1316、及び復号器1318は、モデムプロセッサ1310によって実装することができる。これらのユニットは、端末110が通信状態にある無線ネットワークによって用いられる無線技術(例えば、GSM、WCDMA、LTE、等)に従って処理を行うことができる。コントローラ/プロセッサ1330は、端末110における様々なユニットの動作を指示することができる。端末110におけるプロセッサ1330及び/又はその他のモジュールは、図6におけるプロセス600、図11におけるプロセス1100、及び/又はここにおいて説明される技術に関するその他のプロセスを実行又は指示することができる。メモリ1332は、端末110のためにプログラム符号及びデータを格納することができる。SIM/USIM1334は、端末110のために用いられるサービス加入契約のための加入情報を格納することができる。
【0071】
基地局/RAN120において、送信機/受信機1338は、端末100及びその他の端末との無線通信をサポートすることができる。コントローラ/プロセッサ1340は、端末との通信のための様々な機能を実行することができる。アップリンクに関しては、端末110からのアップリンク信号は、受信機1338によって受信及びコンディショニングし、コントローラ/プロセッサ1340によってさらに処理して端末110によって送信されたデータ及びメッセージを復元することができる。ダウンリンクに関しては、データ及びメッセージは、コントローラ/プロセッサ1340によって処理し及び送信機1338によってコンディショニングしてダウンリンク信号を生成することができ、ダウンリンク信号は、端末110及びその他の端末に送信することができる。メモリ1342は、基地局/RAN120のためのプログラム符号及びデータを格納することができる。通信(Comm)ユニット1344は、MSC/VLR130及びその他のネットワークエンティティとの通信をサポートすることができる。
【0072】
MSC/VLR130において、コントローラ/プロセッサ1350は、端末のための通信サービスをサポートするための様々な機能を実行することができる。メモリ1352は、MSC/VLR130のためのプログラム符号及びデータを格納することができる。通信ユニット1354は、基地局/RAN120及びその他のネットワークエンティティとの通信をサポートすることができる。MSC/VLR130におけるコントローラ/プロセッサ1350及び/又はその他のモジュールは、図7におけるプロセス700、図12におけるプロセス1200、及び/又はここにおいて説明される技法に関するその他のプロセスの全体又は一部を実行又は指示することができる。
【0073】
当業者は、情報及び信号は様々な異なる技術及び技法のうちのいずれかを用いて表すことができることを理解するであろう。例えば、上記の説明全体を通じて参照されることがあるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場、磁粒子、光学場、光学粒子、又はそのあらゆる組合せによって表すことができる。
【0074】
ここにおける開示と関係させて説明される様々な例示的論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズム上のステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又は両方の組み合わせとして実装可能であることを当業者はさらに理解するであろう。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に例示するため、上記においては、様々な例示的コンポーネント、ブロック、モジュール、回路、及びステップが、各々の機能の観点で一般的に説明されている。該機能がハードウェアとして又はソフトウェアとして実装されるかは、全体的システムに対する特定の用途上の及び設計上の制約事項に依存する。当業者は、説明されている機能を各々の特定の用途に合わせて様々な形で実装することができるが、これらの実装決定は、本開示の適用範囲からの逸脱を生じさせるものであるとは解釈すべきではない。
ここにおいて説明される方法は、用途に依存して様々な手段によって実装することができる。例えば、これらの方法は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそのいずれかの組み合わせにおいて実装することができる。ハードウェアにおいて実装する場合は、処理ユニットは、ここにおいて説明される機能を果たすように設計された1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、又はその他の電子ユニット、又はその組み合わせ内に実装することができる。
【0075】
ファームウェア及び/又はソフトウェアにおいて実装する場合は、方法は、ここにおいて説明される機能を実行するモジュール(例えば、手順、関数、等)とともに実装することができる。ここにおいて説明される方法を実装する際には命令を有形に具現化する機械によって読み取り可能な媒体を用いることができる。例えば、ソフトウェアコードは、メモリに格納して処理ユニットによって実行することができる。メモリは、処理ユニット内又は処理ユニットの外部に実装することができる。ここにおいて用いられる用語“メモリ”は、あらゆるタイプの長期、短期、揮発性、非揮発性、又はその他のメモリを意味し、いずれかの特定のタイプのメモリ又はメモリの数、又はメモリが格納される媒体のタイプに限定されるべきでない。
【0076】
ファームウェア及び/又はソフトウェアにおいて実装する場合は、機能は、コンピュータによって読み取り可能な媒体において1つ以上の命令又は符号として格納することができる。諸例は、データ構造を有する符号化されたコンピュータによって読み取り可能な媒体と、コンピュータプログラムを有する符号化されたコンピュータによって読み取り可能な媒体とを含むことができる。コンピュータによって読み取り可能な媒体は、物理的なコンピュータ記憶媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能なあらゆる利用可能な媒体であることができる。一例として、及び制限することなしに、該コンピュータによって読み取り可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM又はその他の光学ディスク記憶デバイス、磁気ディスク記憶デバイス又はその他の磁気記憶デバイス、又は、希望されるプログラム符号を命令又はデータ構造の形態で格納するために用いることができ及びコンピュータによってアクセス可能なその他の媒体、を備えることができる。ここにおいて用いられるときのディスク(disk及びdisc)は、コンパクトディスク(CD)(disc)と、レーザーディスク(登録商標)(disc)と、光ディスク(disc)と、デジタルバーサタイルディスク(DVD)(disc)と、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)と、ブルーレイディスク(disc)と、を含み、ここで、diskは通常は磁気的にデータを複製し、discは、レーザを用いて光学的にデータを複製する。上記の組合せも、コンピュータによって読み取り可能な媒体の適用範囲に含めるべきである。
【0077】
コンピュータによって読み取り可能な媒体における格納に加えて、命令及び/又はデータは、通信装置に含まれる送信媒体において信号として提供することができる。例えば、通信装置は、命令及びデータを示す信号を有するトランシーバを含むことができる。命令及びデータは、請求項において概説される機能を1つ以上のプロセッサに実装させるように構成される。すなわち、通信装置は、開示される機能を実行するための情報を示す信号を有する送信媒体を含む。第一に、通信装置に含まれる送信媒体は、開示される機能を実行するための情報の第1の部分を含むことができ、次に、通信装置に含まれる送信媒体は、開示される機能を実行するための情報の第2の部分を含むことができる。
【0078】
位置/所在位置決定技法は、様々な無線通信ネットワーク、例えば、無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)、等、と関係させて実装することができる。用語“ネットワーク”及び“システム”は、互換可能な形でしばしば用いられる。WWANは、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワーク、単一周波数分割多元接続(SC−FDMA)ネットワーク、ロング・ターム・エボリューション(LTE)、等であることができる。CDMAネットワークは、1つ以上の無線アクセス技術(RAT)、例えば、cdma2000、ワイドバンド−CDMA(W−CDMA)、等を実装することができる。cdma2000は、IS−95規格と、IS−2000規格と、IS−856規格と、を含む。TDMAネットワークは、グローバル移動通信システム(GSM)、デジタルアドバンスト携帯電話システム(D−AMPS)、又はその他のRATを実装することができる。GSM及びW−CDMAは、“第3世代パートナーシッププロジェクト”(3GPP)という名称のコンソーシアムから発行された文書において説明されている。cdma2000は、第3世代パートナーシッププロジェクト2”(3GPP2)という名称のコンソーシアムから発行された文書において説明されている。3GPP文書及び3GPP2文書は、公に入手可能である。WLANは、IEEE802.11xネットワークであることができ、WPANは、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、IEEE802.15xネットワーク、又はその他のタイプのネットワークであることができる。これらの技法は、WWAN、WLAN及び/又はWPANのあらゆる組み合わせと関係させて実装することができる。
【0079】
本開示に関する上記の説明は、当業者が本開示を製造又は使用できるようにすることを目的とする。本開示に対する様々な修正は、当業者にとって容易に明確になるであろう。ここにおいて定められる一般原理は、本開示の精神又は適用範囲を逸脱せずにその他の変形形態に対しても適用することができる。以上のように、本開示は、ここにおいて説明される例及び設計に限定されることが意図されるものではなく、ここにおいて開示される原理及び斬新な特徴に一致する限りにおいて最も広範な適用範囲が認められるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
緊急呼(eCall)の確立を行う方法であって、
eCallインジケータを備えるメッセージを生成することと、
端末のためのeCallを発生させるために前記メッセージを送信すること、とを備える、緊急呼(eCall)の確立を行うための方法。
【請求項2】
前記eCallが前記端末によって自動的に開始されたか又はユーザによって手動で開始されたかを示すために前記eCallインジケータを設定することをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記メッセージは、接続管理(CM)サービス要求メッセージ、緊急SETUPメッセージ、及びSETUPメッセージのうちの1つを備える請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記メッセージは、前記eCallインジケータのために用いられる少なくとも1つのビットを有するサービスカテゴリ情報要素を備える請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記eCallインジケータのために用いられる前記少なくとも1つのビットは、前記eCallが前記端末によって自動的に開始されたかどうかを示す第1のビットと、前記eCallがユーザによって手動で開始されたかどうかを示す第2のビットと、を備える請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記eCallインジケータのために用いられる前記少なくとも1つのビットは、eCallを開始中であるかどうかを示す単一のビットを備える請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記メッセージは、前記eCallインジケータを含む情報要素を備える請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記メッセージは、前記eCallインジケータのために用いられる少なくとも1つのビットを有する接続管理(CM)サービスタイプ情報要素を備える請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記メッセージは、前記eCallインジケータのために用いられる少なくとも1つのフラグを有する移動局(MS)クラスマーク2情報要素を備える請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記メッセージは、前記eCallインジケータのために予約された被呼者番号を備える請求項1に記載の方法。
【請求項11】
緊急呼(eCall)の確立を行うための装置であって、
eCallインジケータを備えるメッセージを生成するための手段と、
端末のためのeCallを発生させるために前記メッセージを送信するための手段と、を備える、緊急呼(eCall)の確立を行うための装置。
【請求項12】
前記eCallが前記端末によって自動的に開始されたか又はユーザによって手動で開始されたかを示すために前記eCallインジケータを設定するための手段をさらに備える請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記メッセージは、前記eCallインジケータのために用いられる第1及び第2のビットを有するサービスカテゴリ情報要素を備え、前記第1のビットは、前記eCallが前記端末によって自動的に開始されたかどうかを示し、前記第2のビットは、前記eCallがユーザによって手動で開始されたかをどうかを示す請求項11に記載の装置。
【請求項14】
緊急呼(eCall)の確立を行うための装置であって、
eCallインジケータを備えるメッセージを生成し及び端末のためのeCallを発生させるために前記メッセージを送信するように構成された少なくとも1つのプロセッサを備える、緊急呼(eCall)の確立を行うための装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記eCallが前記端末によって自動的に開始されたか又はユーザによって手動で開始されたかを示すために前記eCallインジケータを設定するように構成される請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記メッセージは、前記eCallインジケータのために用いられる第1及び第2のビットを有するサービスカテゴリ情報要素を備え、
前記第1のビットは、前記eCallが前記端末によって自動的に開始されたかどうかを示し、前記第2のビットは、前記eCallがユーザによって手動で開始されたかどうかを示す請求項14に記載の装置。
【請求項17】
少なくとも1つの処理ユニットによって実行されたときに、緊急呼(eCall)の確立を行う命令を有する符号化されたコンピュータによって読み取り可能な媒体であって、前記命令は、
eCallインジケータを備えるメッセージを生成することを前記少なくとも1つの処理ユニットに行わせるための符号と、
端末のためのeCallを発生させるために前記メッセージを送信することを前記少なくとも1つの処理ユニットに行わせるための符号と、を備える、コンピュータによって読み取り可能な媒体。
【請求項18】
緊急呼(eCall)の確立をサポートする方法であって、
端末からeCallを発生させるためのメッセージを受信することと、
前記メッセージからeCallインジケータを得ること、とを備える、緊急呼(eCall)の確立をサポートする方法。
【請求項19】
前記eCallインジケータに基づき前記eCallが前記端末によって自動的に開始されたか又はユーザによって手動で開始されたかを決定することをさらに備える請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記メッセージは、前記eCallインジケータのために用いられる第1及び第2のビットを有するサービスカテゴリ情報要素を備え、前記第1のビットは、前記eCallが前記端末によって自動的に開始されたかどうかを示し、前記第2のビットは、前記eCallがユーザによって手動で開始されたかどうかを示す請求項18に記載の方法。
【請求項21】
緊急呼(eCall)の確立をサポートするための装置であって、
端末からeCallを発生させるためのメッセージを受信するための手段と、
前記メッセージからeCallインジケータを得るための手段と、を備える、緊急呼(eCall)の確立をサポートするための装置。
【請求項22】
前記eCallインジケータに基づき前記eCallが前記端末によって自動的に開始されたか又はユーザによって手動で開始されたかを決定するための手段をさらに備える請求項21に記載の装置。
【請求項23】
端末を動作させる方法であって、
緊急呼(eCall)及び指定された呼を除き移動性管理(MM)及び接続管理(CM)のためのシグナリングを前記端末によって無線ネットワークに送信することを回避することと、
前記端末によって開始されたeCall又は指定された呼のために前記端末によってシグナリングを交換すること、とを備える、端末を動作させる方法。
【請求項24】
検出されたネットワークにシグナリングを送信することなしに電源が投入された後に前記端末によって無線ネットワークを定期的に探すことをさらに備える請求項23に記載の方法。
【請求項25】
移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを送信することを前記回避することは、前記eCall又は指定された呼の前に前記端末によって所在位置の更新を行うことを回避することを備える請求項23に記載の方法。
【請求項26】
移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを送信することを前記回避することは、前記eCall又は指定された呼の前に登録を行うこと及びページング要求に応答することを回避することを備える請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記eCall又は指定された呼のために前記端末によってシグナリングを前記交換することは、
前記eCall又は指定された呼が開始された後に無線ネットワークとの所在位置の更新を行うことと、
前記eCall又は指定された呼のために前記無線ネットワークとの呼の確立を行うこと、とを備える請求項23に記載の方法。
【請求項28】
所在位置の更新を前記行うことは、所在位置の更新のための保留中のeCallの指示を備えるメッセージを送信することを備える請求項27に記載の方法。
【請求項29】
呼の確立を前記行うことは、呼の確立のためのeCallインジケータを備えるメッセージを送信することを備え、前記eCallインジケータは、前記eCallが前記端末によって自動的に開始されたかどうかを示す第1のビットと、前記eCallがユーザによって手動で開始されたかどうかを示す第2のビットと、を備える請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記eCall又は指定された呼のために前記端末によってシグナリングを前記交換することは、前記eCall又は指定された呼のために無線ネットワークとの呼の確立を行うことを備え、前記所在位置の更新は、前記eCall又は指定された呼の開始前に前記無線ネットワークと前記端末よって行われる請求項23に記載の方法。
【請求項31】
前記eCall又は指定された呼の終了後の予め決められた時間の間前記端末による移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを可能にすることと、
前記予め決められた時間後に前記端末によって移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを送信することを回避すること、とをさらに備える請求項23に記載の方法。
【請求項32】
前記予め決められた時間は、eCallのための第1の時間又は指定された呼のための第2の時間を備える請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記端末の電源投入時点又は手動による再起動時点で前記予め決められた時間の間前記端末による移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを可能にすることと、
前記予め決められた時間後に前記端末によって移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを送信することを回避すること、とをさらに備える請求項23に記載の方法。
【請求項34】
前記予め決められた時間内における前記端末に関するネットワーク接続、所在位置の更新、ページング要求への応答、及び許容されたサービスの再構成のために前記無線ネットワークとシグナリングを交換することをさらに備える請求項33に記載の方法。
【請求項35】
装置であって、
緊急呼(eCall)及び指定された呼を除き移動性管理(MM)及び接続管理(CM)のためのシグナリングを端末によって無線ネットワークに送信することを避けるための手段と、
前記端末によって開始されたeCall又は指定された呼のために前記端末によってシグナリングを交換するための手段と、を備える、装置。
【請求項36】
移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを送信することを回避するための前記手段は、前記eCall又は指定された呼の前に前記端末によって所在位置の更新を行うことを回避するための手段を備える請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記eCall又は指定された呼のために前記端末によってシグナリングを交換するための前記手段は、
前記eCall又は指定された呼が開始された後に無線ネットワークとの所在位置の更新を行うための手段と、
前記eCall又は指定された呼のために前記無線ネットワークとの呼の確立を行うための手段と、を備える請求項35に記載の装置。
【請求項38】
呼の確立を行うための前記手段は、呼の確立のためのeCallインジケータを備えるメッセージを送信するための手段を備え、前記eCallインジケータは、前記eCallが前記端末によって自動的に開始されたかどうかを示す第1のビットと、前記eCallがユーザによって手動で開始されたかどうかを示す第2のビットと、を備える請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記eCall又は指定された呼の終了後の予め決められた時間の間前記端末による移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを可能にするための手段と、
前記予め決められた時間後に前記端末によって移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを送信することを回避するための手段と、をさらに備える請求項35に記載の装置。
【請求項40】
前記端末の電源投入時点又は手動による再起動時点で前記予め決められた時間の間前記端末による移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを可能にするための手段と、
前記予め決められた時間後に前記端末によって移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを送信することを回避するための手段と、をさらに備える請求項35に記載の装置。
【請求項41】
緊急呼(eCall)の確立をサポートする方法であって、
eCall及び指定された呼を除き端末から移動性管理(MM)及び接続管理(CM)のためのシグナリングを受信しないことと、
前記端末によって開始されたeCall又は指定された呼のために前記端末とシグナリングを交換すること、とを備える、緊急呼(eCall)の確立をサポートする方法。
【請求項42】
移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを前記受信しないことは、前記eCall及び指定された呼の前に前記端末から所在位置の更新のためのシグナリングを受信しないことを備える請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記eCall又は指定された呼のために前記端末とシグナリングを前記交換することは、
前記eCall又は指定された呼が開始されたときに前記端末との所在位置の更新を行うことと、
前記eCall又は指定された呼のために前記端末との呼の確立を行うこと、とを備える請求項41に記載の方法。
【請求項44】
緊急呼(eCall)の確立をサポートするための装置であって、
eCall及び指定された呼を除き端末から移動性管理(MM)及び接続管理(CM)のためのシグナリングを受信しないための手段と、
前記端末によって開始されたeCall又は指定された呼のために前記端末とシグナリングを交換するための手段と、を備える、緊急呼(eCall)の確立をサポートするための装置。
【請求項45】
移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを受信しないための前記手段は、前記eCall又は指定された呼の前に前記端末から所在位置の更新のためのシグナリングを受信しないための手段を備える請求項44に記載の装置。
【請求項46】
前記eCall又は指定された呼のために前記端末とシグナリングを交換するための前記手段は、
前記eCall又は指定された呼が開始されたときに前記端末との所在位置の更新を行うための手段と、
前記eCall又は指定された呼のために前記端末との呼の確立を行うための手段と、を備える請求項44に記載の装置。
【請求項1】
緊急呼(eCall)の確立を行う方法であって、
eCallインジケータを備えるメッセージを生成することと、
端末のためのeCallを発生させるために前記メッセージを送信すること、とを備える、緊急呼(eCall)の確立を行うための方法。
【請求項2】
前記eCallが前記端末によって自動的に開始されたか又はユーザによって手動で開始されたかを示すために前記eCallインジケータを設定することをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記メッセージは、接続管理(CM)サービス要求メッセージ、緊急SETUPメッセージ、及びSETUPメッセージのうちの1つを備える請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記メッセージは、前記eCallインジケータのために用いられる少なくとも1つのビットを有するサービスカテゴリ情報要素を備える請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記eCallインジケータのために用いられる前記少なくとも1つのビットは、前記eCallが前記端末によって自動的に開始されたかどうかを示す第1のビットと、前記eCallがユーザによって手動で開始されたかどうかを示す第2のビットと、を備える請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記eCallインジケータのために用いられる前記少なくとも1つのビットは、eCallを開始中であるかどうかを示す単一のビットを備える請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記メッセージは、前記eCallインジケータを含む情報要素を備える請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記メッセージは、前記eCallインジケータのために用いられる少なくとも1つのビットを有する接続管理(CM)サービスタイプ情報要素を備える請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記メッセージは、前記eCallインジケータのために用いられる少なくとも1つのフラグを有する移動局(MS)クラスマーク2情報要素を備える請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記メッセージは、前記eCallインジケータのために予約された被呼者番号を備える請求項1に記載の方法。
【請求項11】
緊急呼(eCall)の確立を行うための装置であって、
eCallインジケータを備えるメッセージを生成するための手段と、
端末のためのeCallを発生させるために前記メッセージを送信するための手段と、を備える、緊急呼(eCall)の確立を行うための装置。
【請求項12】
前記eCallが前記端末によって自動的に開始されたか又はユーザによって手動で開始されたかを示すために前記eCallインジケータを設定するための手段をさらに備える請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記メッセージは、前記eCallインジケータのために用いられる第1及び第2のビットを有するサービスカテゴリ情報要素を備え、前記第1のビットは、前記eCallが前記端末によって自動的に開始されたかどうかを示し、前記第2のビットは、前記eCallがユーザによって手動で開始されたかをどうかを示す請求項11に記載の装置。
【請求項14】
緊急呼(eCall)の確立を行うための装置であって、
eCallインジケータを備えるメッセージを生成し及び端末のためのeCallを発生させるために前記メッセージを送信するように構成された少なくとも1つのプロセッサを備える、緊急呼(eCall)の確立を行うための装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記eCallが前記端末によって自動的に開始されたか又はユーザによって手動で開始されたかを示すために前記eCallインジケータを設定するように構成される請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記メッセージは、前記eCallインジケータのために用いられる第1及び第2のビットを有するサービスカテゴリ情報要素を備え、
前記第1のビットは、前記eCallが前記端末によって自動的に開始されたかどうかを示し、前記第2のビットは、前記eCallがユーザによって手動で開始されたかどうかを示す請求項14に記載の装置。
【請求項17】
少なくとも1つの処理ユニットによって実行されたときに、緊急呼(eCall)の確立を行う命令を有する符号化されたコンピュータによって読み取り可能な媒体であって、前記命令は、
eCallインジケータを備えるメッセージを生成することを前記少なくとも1つの処理ユニットに行わせるための符号と、
端末のためのeCallを発生させるために前記メッセージを送信することを前記少なくとも1つの処理ユニットに行わせるための符号と、を備える、コンピュータによって読み取り可能な媒体。
【請求項18】
緊急呼(eCall)の確立をサポートする方法であって、
端末からeCallを発生させるためのメッセージを受信することと、
前記メッセージからeCallインジケータを得ること、とを備える、緊急呼(eCall)の確立をサポートする方法。
【請求項19】
前記eCallインジケータに基づき前記eCallが前記端末によって自動的に開始されたか又はユーザによって手動で開始されたかを決定することをさらに備える請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記メッセージは、前記eCallインジケータのために用いられる第1及び第2のビットを有するサービスカテゴリ情報要素を備え、前記第1のビットは、前記eCallが前記端末によって自動的に開始されたかどうかを示し、前記第2のビットは、前記eCallがユーザによって手動で開始されたかどうかを示す請求項18に記載の方法。
【請求項21】
緊急呼(eCall)の確立をサポートするための装置であって、
端末からeCallを発生させるためのメッセージを受信するための手段と、
前記メッセージからeCallインジケータを得るための手段と、を備える、緊急呼(eCall)の確立をサポートするための装置。
【請求項22】
前記eCallインジケータに基づき前記eCallが前記端末によって自動的に開始されたか又はユーザによって手動で開始されたかを決定するための手段をさらに備える請求項21に記載の装置。
【請求項23】
端末を動作させる方法であって、
緊急呼(eCall)及び指定された呼を除き移動性管理(MM)及び接続管理(CM)のためのシグナリングを前記端末によって無線ネットワークに送信することを回避することと、
前記端末によって開始されたeCall又は指定された呼のために前記端末によってシグナリングを交換すること、とを備える、端末を動作させる方法。
【請求項24】
検出されたネットワークにシグナリングを送信することなしに電源が投入された後に前記端末によって無線ネットワークを定期的に探すことをさらに備える請求項23に記載の方法。
【請求項25】
移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを送信することを前記回避することは、前記eCall又は指定された呼の前に前記端末によって所在位置の更新を行うことを回避することを備える請求項23に記載の方法。
【請求項26】
移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを送信することを前記回避することは、前記eCall又は指定された呼の前に登録を行うこと及びページング要求に応答することを回避することを備える請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記eCall又は指定された呼のために前記端末によってシグナリングを前記交換することは、
前記eCall又は指定された呼が開始された後に無線ネットワークとの所在位置の更新を行うことと、
前記eCall又は指定された呼のために前記無線ネットワークとの呼の確立を行うこと、とを備える請求項23に記載の方法。
【請求項28】
所在位置の更新を前記行うことは、所在位置の更新のための保留中のeCallの指示を備えるメッセージを送信することを備える請求項27に記載の方法。
【請求項29】
呼の確立を前記行うことは、呼の確立のためのeCallインジケータを備えるメッセージを送信することを備え、前記eCallインジケータは、前記eCallが前記端末によって自動的に開始されたかどうかを示す第1のビットと、前記eCallがユーザによって手動で開始されたかどうかを示す第2のビットと、を備える請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記eCall又は指定された呼のために前記端末によってシグナリングを前記交換することは、前記eCall又は指定された呼のために無線ネットワークとの呼の確立を行うことを備え、前記所在位置の更新は、前記eCall又は指定された呼の開始前に前記無線ネットワークと前記端末よって行われる請求項23に記載の方法。
【請求項31】
前記eCall又は指定された呼の終了後の予め決められた時間の間前記端末による移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを可能にすることと、
前記予め決められた時間後に前記端末によって移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを送信することを回避すること、とをさらに備える請求項23に記載の方法。
【請求項32】
前記予め決められた時間は、eCallのための第1の時間又は指定された呼のための第2の時間を備える請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記端末の電源投入時点又は手動による再起動時点で前記予め決められた時間の間前記端末による移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを可能にすることと、
前記予め決められた時間後に前記端末によって移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを送信することを回避すること、とをさらに備える請求項23に記載の方法。
【請求項34】
前記予め決められた時間内における前記端末に関するネットワーク接続、所在位置の更新、ページング要求への応答、及び許容されたサービスの再構成のために前記無線ネットワークとシグナリングを交換することをさらに備える請求項33に記載の方法。
【請求項35】
装置であって、
緊急呼(eCall)及び指定された呼を除き移動性管理(MM)及び接続管理(CM)のためのシグナリングを端末によって無線ネットワークに送信することを避けるための手段と、
前記端末によって開始されたeCall又は指定された呼のために前記端末によってシグナリングを交換するための手段と、を備える、装置。
【請求項36】
移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを送信することを回避するための前記手段は、前記eCall又は指定された呼の前に前記端末によって所在位置の更新を行うことを回避するための手段を備える請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記eCall又は指定された呼のために前記端末によってシグナリングを交換するための前記手段は、
前記eCall又は指定された呼が開始された後に無線ネットワークとの所在位置の更新を行うための手段と、
前記eCall又は指定された呼のために前記無線ネットワークとの呼の確立を行うための手段と、を備える請求項35に記載の装置。
【請求項38】
呼の確立を行うための前記手段は、呼の確立のためのeCallインジケータを備えるメッセージを送信するための手段を備え、前記eCallインジケータは、前記eCallが前記端末によって自動的に開始されたかどうかを示す第1のビットと、前記eCallがユーザによって手動で開始されたかどうかを示す第2のビットと、を備える請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記eCall又は指定された呼の終了後の予め決められた時間の間前記端末による移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを可能にするための手段と、
前記予め決められた時間後に前記端末によって移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを送信することを回避するための手段と、をさらに備える請求項35に記載の装置。
【請求項40】
前記端末の電源投入時点又は手動による再起動時点で前記予め決められた時間の間前記端末による移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを可能にするための手段と、
前記予め決められた時間後に前記端末によって移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを送信することを回避するための手段と、をさらに備える請求項35に記載の装置。
【請求項41】
緊急呼(eCall)の確立をサポートする方法であって、
eCall及び指定された呼を除き端末から移動性管理(MM)及び接続管理(CM)のためのシグナリングを受信しないことと、
前記端末によって開始されたeCall又は指定された呼のために前記端末とシグナリングを交換すること、とを備える、緊急呼(eCall)の確立をサポートする方法。
【請求項42】
移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを前記受信しないことは、前記eCall及び指定された呼の前に前記端末から所在位置の更新のためのシグナリングを受信しないことを備える請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記eCall又は指定された呼のために前記端末とシグナリングを前記交換することは、
前記eCall又は指定された呼が開始されたときに前記端末との所在位置の更新を行うことと、
前記eCall又は指定された呼のために前記端末との呼の確立を行うこと、とを備える請求項41に記載の方法。
【請求項44】
緊急呼(eCall)の確立をサポートするための装置であって、
eCall及び指定された呼を除き端末から移動性管理(MM)及び接続管理(CM)のためのシグナリングを受信しないための手段と、
前記端末によって開始されたeCall又は指定された呼のために前記端末とシグナリングを交換するための手段と、を備える、緊急呼(eCall)の確立をサポートするための装置。
【請求項45】
移動性管理及び接続管理のためのシグナリングを受信しないための前記手段は、前記eCall又は指定された呼の前に前記端末から所在位置の更新のためのシグナリングを受信しないための手段を備える請求項44に記載の装置。
【請求項46】
前記eCall又は指定された呼のために前記端末とシグナリングを交換するための前記手段は、
前記eCall又は指定された呼が開始されたときに前記端末との所在位置の更新を行うための手段と、
前記eCall又は指定された呼のために前記端末との呼の確立を行うための手段と、を備える請求項44に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−59067(P2013−59067A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−234957(P2012−234957)
【出願日】平成24年10月24日(2012.10.24)
【分割の表示】特願2011−503147(P2011−503147)の分割
【原出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.LTE
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−234957(P2012−234957)
【出願日】平成24年10月24日(2012.10.24)
【分割の表示】特願2011−503147(P2011−503147)の分割
【原出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.LTE
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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