説明

締結自動化システムおよび組み付け方法

基板への締結部品の組み付けのための締結自動化システムは、基板に組み付けられる適切な締結部品の所定位置の像を基板上におよび適切な締結部品と基板に関連するデータを投影する投影システムと、適切な締結部品と適切な締結部品が組み付けられる基板上の所定位置に関連するデータを保存する投影システムに動作可能に関連付けられたコンピュータを備える。締結部品を所定位置において基板に組み付ける自動化された方法は、基板への適切な締結部品の組み付けのために所定位置を特定するための投影システムの使用と、所定位置における適切な締結部品の組み付けに関するデータの収集とコンピュータへのこのデータの保存と、このデータに基づいて所定位置において基板に適切な締結部品を組み付けることを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、全体を参照としてここに明示的に援用する2005年9月28日に出願された米国仮特許出願第60/671,396号に基づく優先権を主張する。
【0002】
本発明は概して、基板への締結部品(fastener)の組み付けのための投影システムに関し、特に締結自動化システムのためのレーザ投影システムに関し、より詳しくは特定の固定位置の近くで基板の正確な位置に特定の締結部品の情報を表示するためにレーザ投影システムを用いる新規で改良された締結自動化システムに関する。
【背景技術】
【0003】
多くの今日の航空機モデルの複合外板アセンブリは金属または複合材の下部構造に結合される炭素繊維の外板を用いる。航空機の翼の組み立て工程の場合、金属、ガラス、および液体シムの組み合わせを用いて頑丈な結合を確保するよう外板にシムが入れられて構造に水平にされる。孔が全ての層に事前に穿設されるか位置合わせされて穿設されるので、様々な型の締結部品が恒久的に構造を組み立てるために用いられ得る。様々な締結部品が翼構造の至る所に使われる。
【0004】
典型的な航空機の製造工程では、何千もの特殊なボルトおよび締結部品の種類が、複合材料またはアルミニウムの表面外板をそれぞれリブと翼桁に締結するために用いられる。適切なサイズおよび長さのボルトの使用はボルトのグリップが完全に構造に係合され、適切な予荷重をさらに達成するよう締結され得ることを確実にするために不可欠である。全体の航空機の重量(そのため燃料効率)を増加させるので組み付けられるボルトが長すぎないことを確実にすることも重要である。たいていの製造者は今日、ボルトを手動プロセスを用いて組み付ける。
【0005】
現行の手動プロセスでは、孔の位置を示す唯一の手段は設計図のコピーを用いることである。作業者は、翼の特徴を示す図面を参照するとともに基準点から締結部品用の孔に達するまで孔を数えなければならない。このプロセスには、多くの潜在的な誤りの原因がある。作業者は孔を数え間違え、図面の特徴を誤認し、または単純に不適切な孔を誤って選択し得る。利用可能な図面のコピーの完全なセットを持つという要求は、最大生産速度で進行中の場合、そして図面を読むスペースが必要であることから、いずれも管理が困難である。
【0006】
多くの締結部品組み付け段階では、作業者は締結部品の組み付けを完了する前に多様な役割を果たす必要がある。グリップの長さを測る時は、作業者は孔を測定し結果を油性鉛筆を用いて記録しなければならない。締結部品を組み付ける場合には、作業者はどの締結部品が孔に対して適切かを調べて取り出さなければならない。全てのこれらのステップの間、作業孔の位置を特定するために設計図を絶えず参照することは時間のかかることに成り得る。この時間の全ては翼の組み立てに対して無価値であり間違える多くの機会が生じる。
【0007】
翼の全ての孔に対する適切なボルトのグリップの長さは孔における材料の合成厚さを測ることにより決定される。デジタルバーニアを備えたマニュアルのグリップゲージが厚さ測定をするために最近使われる。得られた材料の厚さは油性鉛筆を用いて測定された孔のそばの翼に手で記録される。手作業の量および最終的なデータの脆弱性はこのプロセスをボルト選択の誤りを潜在的に起こしやすくする。例えば、油性鉛筆の記録は、傷むあるいは誤解されて作業者に不適切なボルト長さを選択させ得る。測定プロセスを早めるために、作業者は誤った結果をより記録しやすくなり得る。油性鉛筆記録の位置もまた組み立てプロセスの後期に問題をもたらし得る。例えば、翼の孔が互いに近くにあると、作業者は現在の孔に対して間違った値を使い得る。さらに、油性鉛筆は結果を記録する恒久的な方法では無く、汚れや偶発的な除去の影響を受けやすい。上翼外板などある組み立てプロセスでは測定プロセスが締結部品の挿入と異なる組み立て区画で行われる必要がある。翼組立品の輸送中、記録された値は傷みや除去の影響を受けやすい。記録された油性鉛筆のマークのどんな破壊も、孔を再計測しなければならないため、組み立てプロセスに時間を加える。結果が他の場所(例えば、設計図上)に記録されている場合には、この値を見つけて適切な位置に再記録しなければならない。他に測定記録が存在しない場合には、測定プロセスが繰り返されなければならない。特定された問題は不適切なグリップ長さの締結部品の組み付けをもたらし得る。油性鉛筆はさらに、結果がもはや必要無くなった後の残りのクリーニングと除去のプロセスのための付加価値をもたらさない時間を増加させる。
【0008】
外板の厚さの測定と記録の肉体的な効率の悪さに加えて、データ収集の問題もまた存在する。現プロセスはプロセスの重要情報をアーカイブおよび追跡記録する能力を有さない。進行中のプロセスの改良の要件はこのようなデータを分析のために保存する能力である。この分析はそうしなければ気づかれずに済んでいたかもしれない起こり得る組み立ての問題につながり、または処理量を増加させるように利用され得るプロセスの特定の領域の傾向を示すことができる。データの適切な保存無しでは、このような利点を実現することはできない。
【0009】
締結部品の挿入の複雑なステップは適切なグリップ長さの最終的な選択である。エンジニアは締結部品の選択を支援するいくつかのスプレッドシートのツールを開発している。これらのツールの複雑さのために、エンジニアはデータを正しく解釈するために組み立てプロセス中に使えるようにすることが求められる。この情報をスプレッドシートに入力した後、エンジニアは許容可能なねじ山の突出および軸が外に出る状態を避ける結果を解析しなければならない。
【0010】
さらなる複雑さが分離可能な外板パネルが取り付けられるいくつかの領域にもたらされる。ボルトグリップの長さを決定するために外板の厚さを測定するよりも、組み付ける適切なナットプレートのサイズを決定するためにツールが使われる。この要求は分離可能なパネルがメンテナンスを容易にするために同じ締結部品の直径およびグリップ長さを用いて取り付けられることを許容する。
【0011】
時間のかかる締結部品の選択は、複雑さを含むために大変非効率である。この問題はエンジニアがこのプロセスステップの間に使われるという事実によって悪化する。工学的資源はより効率的な方法で利用され得る。現在のシステムはいずれも参照テーブルを用いることで誤りを起こしやすく、作業者とエンジニアの利用に関して非効率である。
【0012】
締結部品が適切に特定されると、作業者は保管キャビネットからそれを取り出さなければならない。サイクルタイムの大幅な増加は締結部品を取り出すためにキャビネットへの多くの移動をしなければならないことを作業者が体験する。作業者が適切な締結部品を選び適切な孔におかなければならないプロセスのこのステップ中には誤りの可能性が存在する。増加量が1/16インチまたは1/32インチの場合に締結部品が適切なグリップ長さであることを視覚的に特定することは大変困難であり、そのためボルト長さゲージがボルト長さを確かめるために使わなければならない。締結部品の保管装置が十分隔てられていない場合には、不適切な締結部品が容器内に混ざる機会が不適切な締結部品が組み付けられる結果をもたらし得る。所定の位置で保管容器を充填する非常に厳格なプロセスの規定があったとしても、一回分の中に不適切な締結部品を伴ってサプライヤーから締結部品が納入され得る。現プロセスは毎回適切な締結部品が選択されることを確実にする効率的な手段を持たない。
【0013】
これらの問題はまた航空機に到達する異物損傷(”FOD”)のリスクを増加させる。例えば、締結部品がつめ結合(click−bond)ナットプレートに螺入されて長すぎる場合、ナットプレートが移動して燃料タンク内に落ち得る。さらに、作業者は組み付け中に締結部品のサンプルを所持する必要がある場合には、締結部品を作業エリアに偶然に落とすリスクを冒す。FODの危険の排除は、結果として引き起こされ得る損害のため、不可欠である。
【0014】
翼の組み立ての重要なステップは、燃料タンク部分をシールするためにボルトへのシーラントとその促進剤の塗布を含む。翼の外板の多くの孔は燃料タンクの領域にあり、リークを防ぐために適切にシールされなければならない。外板シーラントの適切な接着を確保するには2回の重要なステージを伴う2つのステッププロセスが必要である。第1のステップは締結部品を接着促進剤でプレコーティングすることを含む。この物質は本質的に2つが組み合わされた時の最終シーラントに対する触媒である。促進剤を塗布する現行の方法は促進剤材料のコンテナへの締結部品の単純な浸漬である。このステップは遅く、繰り返し可能な効率的な結果を生み出さない。それはまたシーリングに有害な影響を与える外部汚染物質をもたらし得る。促進剤は締結部品に塗布されて空気乾燥することが認められなければならない。空気乾燥に必要な時間の長さは締結部品に用いられる促進剤とシーラントのタイプに依存する。広く使われているシーラントはPRC DeSotoから入手できるPR−2001でありその促進剤はシーラントが塗布可能になる前に塗布して30分間空気乾燥しなければならない。シーラントを塗布する前に経過が許容される最長時間もある。最長時間を超えると、促進剤を再塗布しなければならず、時間の制約が繰り返される。シーリングプロセスの第2のステップはシーラントを締結部品に塗布することを含む。シーラントを締結部品の頭と軸の下側に局所的にのみ塗布することが重要である。シーラントは締結部品のねじ部分に接触してはならない。塗布作業は現在、混合型シリンジ(mixing style syringe)を用いて作業者によって行われる。塗布されるシーラントの量は完全に作業者に依存している。体積とビードサイズは全ての孔で変化し、さらに塗布を行う作業者が異なることによっても変化する。このプロセスは大量の材料の「無料配布」(塗布の不均質な性質のためにかなりの量のシーラントが不必要に塗布されることを意味する)をもたらし得る。ある締結部品から次のもの、およびある作業者から次の作業者で使われる量は比較的小さいかもしれない。しかし、これが翼の何千もの孔、生産される何千もの翼に変わると、節約の大きな可能性になる。接着促進剤とシーラントを塗布する現行のプロセスは時間基準で記録を取り監視する十分な管理を行っていない。このような管理無しでは、不必要な作業が繰り返されるリスクがある。
【0015】
締結部品を物理的に組み付けるプロセスは前述のようにシーラントの塗布と密接に関連する。締結部品の組み付けのシーケンスは、外板がその最終的な位置に締め付けられる前に翼外板と下部構造に用いられる接合シーラントが硬化しないことを確実にすることが重要である。例えば、特定の上翼部分の製造中、エンジニアは翼外板を伸ばすのに役立つように最初に組み付けなければならない非常に多くの締結位置を特定する。例えば、これらの締結部品は特定の順番で組み付けられるとともに例えばそれらの最終的なトルク仕様の80%で締め付けられなければならない。これが完了した後に、作業者は100%のフルトルクで組み付けを完了するためにシーケンスを繰り返さなければならない。
【0016】
現行プロセスの次のステップは確認し、例えば翼外板の4孔毎に締結部品を特定の配列で組み付けることである。これらの締結部品は最終トルクの80%で再び組み付けられ、その後プロセスは100%のフルトルクでそれらを締め付けること繰り返す。この全手順はシーラントが硬化する時間内に完了されなければならない。このプロセスは分割されたステップとトルク要求のために多くの効率の悪さをもたらす。翼表面の孔の位置を特定することは大変時間がかかる。孔は位置に応じて連続的に与えられていないので、この問題は締結部品の組み付け中に再び明らかになる。必要なトルク手順はまた、適切なトルクパラメータが常に使われることを確実にするよう準備時間を加えることにつながる。トルク仕様は各孔に対して設計図で調べなければならず、トルク制御装置に適切に設定されなければならない。このプロセスは、その後に最終組み付けが後に続く最初の締結部品の組み付けをフルトルクの80%に適応するように2度繰り返される。
【0017】
概略を述べた現行のプロセスは翼の締結部品の数が増えるにつれて非常に誤りを起こしやすい。全ての締結部品の状態の十分な管理の欠如によって、作業者はどの締結部品が現在の組み付け作業にふさわしいか、およびどちらが完全な組み付けに対して80%のトルクで組み付けられているかが分からなくなる可能性がある。この混乱は締結部品が誤って組み付けられることをもたらし得る。
【0018】
このため、上述の問題の少なくとも一つを克服する新規で改良された締結自動化システムおよび組み付け方法に対する長年の要求がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の全体的な説明に従って、新規で改良された基板への締結部品の組み付け用締結自動化システムが提供される。ここで使われる、「基板」の語は航空機の翼や機体部品の外板と下に位置する支持構造など、積層板を含む、任意の加工部品を広く含む。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の第1の実施形態に従って、基板への締結部品の組み付け用締結自動化システムが提供され、(1)基板内に組み付けられる適切な締結部品の所定位置の像を基板上におよび適切な締結部品と基板に関連するデータを投影する投影システムと、(2)適切な締結部品と適切な締結部品が組み付けられる基板上の所定位置に関連するデータを保存する投影システムに動作可能に関連付けられたコンピュータを備える。
【0021】
本発明の第1の代替実施形態に従って、基板への締結部品の組み付け用締結自動化システムが提供され、(1)基板内に組み付けられる適切な締結部品の所定位置の像を基板上におよび適切な締結部品と基板に関連するデータを投影する投影システムと、(2)適切な締結部品と適切な締結部品が組み付けられる基板上の所定位置に関連するデータを保存する投影システムに動作可能に関連付けられたコンピュータと、(3)所定位置において基板に組み付けられる適切な締結部品を供給するコンピュータに動作可能に関連付けられた締結部品供給システムを備える。
【0022】
本発明のある実施形態では、投影システムは、同じデータを基板上に投影する重なり領域を有する2つのレーザプロジェクタを備える。
【0023】
本発明の別の実施形態では、締結自動化システムは、所定位置において基板に組み付けられる適切な締結部品を供給するコンピュータに動作可能に関連付けられた締結部品供給システムを備える。
【0024】
本発明のさらに別の実施形態では、締結自動化システムは、コンピュータと関連付けられたトルクレンチを備える。このコンピュータは適切な締結部品に加えられるトルクに関するデータを有し適切な締結部品に所定のトルクを加えるようにトルクレンチを制御する。
【0025】
本発明のさらにまた別の実施形態では、締結自動化システムは、コンピュータと関連付けられたシーラント塗布装置を備える。このコンピュータは基板の適切な締結部品をシールするために塗布されるシーラントの量に関するデータを有し、コンピュータは所定量のシーラントを塗布するためにシーラント塗布装置を制御する。
【0026】
本発明の第1の実施形態の第2の代替によれば、締結自動化システムは、所定位置において基板に締結部品を組み付ける自動化された方法が提供され、(1)基板への適切な締結部品の組み付けのために所定位置を特定するための投影システムの使用と、(2)所定位置における適切な締結部品の組み付けに関するデータの収集とコンピュータへのデータの保存と、(3)データに基づいて前記所定位置において基板に適切な締結部品を組み付けること、とを含む。
【0027】
本発明のある実施形態では、この方法はさらに、所定位置における基板の厚さに関するデータを収集し、基板の厚さに基づいて組み付けられる適切な締結部品を選択するよう選択的に動作可能であるコンピュータにデータを保存することを含む。
【0028】
本発明の別の実施形態では、プロジェクタシステムが、適切な締結部品が基板に組み付けられる所定位置において基板上にレーザ像を投影するよう選択的に動作可能なレーザプロジェクタシステムである。
【0029】
本発明のさらに別の実施形態では、プロジェクタシステムは、投影システムは、同じデータの重なりレーザ領域を基板上に投影するよう選択的に動作可能な少なくとも2つのレーザプロジェクタを備える。
【0030】
本発明のさらにまた別の実施形態では、この方法はさらに収集されたデータに基づいて組み付けられる適切な締結部品に関してコンピュータにデータを保存することを含み、このコンピュータは締結部品供給システムに動作可能に関連付けられ、このコンピュータは基板に隣接する領域に適切な締結部品を送るように締結部品供給システムを制御するよう選択的に動作可能である。
【0031】
本発明のさらなる実施形態では、この方法はさらに、コンピュータに適切な締結部品に加えられる適切なトルクのデータを保存することを含み、コンピュータはトルクレンチに動作可能に関連付けられ、コンピュータは適切な締結部品に適切なトルクを加えるようにトルクレンチを制御するよう選択的に動作可能である。
【0032】
本発明の別のさらなる実施形態では、この方法はさらに、締結部品組み付けで塗布される液体シーラントのデータをコンピュータに保存することを含み、前記コンピュータは液体シーラント塗布装置に動作可能に接続され、前記コンピュータは所定量のシーラントを前記締結部品組み付けで塗布するよう前記液体シーラント塗布装置を制御する。
【0033】
本発明の用途のさらなる領域はここに提供される詳細な説明から明らかになるだろう。詳細な説明および具体例は、本発明の好適な実施形態を示しているが、説明目的のためだけのものであり、発明の目的を限定するものではないことは理解されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
各種の図面を通して同じ参照符号は同じ部品を示す。
【0035】
好適な実施形態の以下の記述は単に例示的な性格のもので、発明や使用を限定することを目的とするものでは全く無い。
【0036】
本発明の好適な実施形態の以下の詳細な説明の記載では、本発明は特に航空機組み立ての締結自動化システムに関連するが、これに限られるものでは無い。本発明の締結自動化システムは主として航空機組み立てを目的とするものであるが、本発明は、例えば自動車産業などを含む他の産業でも利用することができる。
【0037】
本発明は、好適な実施形態の以下の記述により詳しく記述されるように、複数の異なる締結部品の正確な位置が必要とされる自動組み付け作業に特に適する。第1に、締結部品が組み付けられる正確な位置はプロジェクタ、好ましくはレーザプロジェクタによって特定される。レーザプロジェクタは、例えば、レーザターゲットが基板上の所定位置に配置され、レーザプロジェクタは周期的または連続的に基板に対してレーザプロジェクタの正確な位置を決定するためにレーザターゲットをスキャンする、本出願の出願人に譲渡された米国特許第5,646,859号に開示されたレーザプロジェクタシステムなど、任意の従来のレーザプロジェクタシステムであり得る。代わりに、レーザプロジェクタは出願人の係属中の出願に開示されたように「ターゲットレス」であり得る。従来の「オーバーヘッド」ライトプロジェクタもまた用いることができる。一つの好適な実施形態では、1つのソースからの投影が作業者によってブロックされた場合に例えば他のプロジェクタが必要な位置とデータを提供するように、2つのレーザプロジェクタが投影の重なり領域に同じ情報を投影するように用いられる。レーザプロジェクタは以下にも記述されるように、固定されていてもポータブルでもあり得る。
【0038】
締結部品が基板の孔に組み付けられる正確な位置は1つのプロジェクタまたは複数のプロジェクタで特定される。締結部品の組み付けに関するデータはコンピュータに収集され保存される。開示された実施形態では、収集されたデータは基板の厚さを含むが、締結部品のねじ部の径、孔径、長さ等が含まれてもよい。コンピュータはまた、予め入力された設計または技術的パラメータに基づいてデータを自動的に入力するよう基板の厚さを測定するゲージに接続され得る。さらに、開示された実施形態では、締結部品はスタッドボルト、ボルト、吊りボルトなどの雄型締結部品であり、基板は複数の離間した孔を有する。プロジェクタは次に締結部品が組み付けられる孔を特定し、レーザ投影は特定された孔に組み付けられる雄型締結部品の識別も含む。あるいは、雌型締結部品の組み付けを本発明によって自動化することもでき、セルフクリンチング雌型締結部品が事前に成形された開口に組み付けられるかセルフピアシング雌型締結部品が正確な予め決められた位置に組み付けられる。
【0039】
本発明の締結システムは次に、例えば以下の記述に開示されたボウルフィーダ、マガジンまたは爪フィーダまたは他の従来の締結部品供給システムなどの、従来の締結部品供給システムから、特定された位置に適切な締結部品を供給するように用いられ得る。
【0040】
本発明はまた所定のトルクを必要とし、トルクレンチを用いて組み付けられる自動的な締結部品の組み付けに特に有用である。開示された実施形態では、トルクレンチはコンピュータに入力されたデータに基づいて締結部品に所定のトルクを加えるようコンピュータに接続される。多くの用途で、最終トルクより小さい、例えば80%の、初期トルクが締結部品に加えられる。このような用途では、複数の締結部品は仕様に定めるところにより初期トルクを加えられ、複数の締結部品の組み付けに続いて、締結部品は最終トルクを加えられる。
【0041】
最終的に、いくつかの用途では、基板内で締結部品のリークを防ぐためにシーラントが塗布されなければならない。シーラント塗布装置はまた、各締結部品または基板内の締結部品のシーリングを正確に制御するために締結部品を受け入れる開口に正確な量または体積のシーラントを提供するためにコンピュータに接続できる。さらに、シーラントは所定時間硬化させなければならないので、コンピュータはシーラントが組み付けに関して十分硬化した時に作業者に通知し、シーラントが完全に硬化する前に締結部品を組み付けるよう作業者に警告してもよい。
【0042】
上記から理解されるように、本発明の締結自動化システムはまた、各位置に組み付けられた締結部品、各締結部品に加えられたトルクおよび使われた場合にはシーラントの塗布の記録を含む、基板内に組み付けられた各締結部品のコンピュータ記録を備える。このような電子記録は、例えば航空機の組み立てなどの重要な用途で特に重要である。以下は、航空機の組み立て用の締結自動化システムおよび組み付け方法の位置実施形態の詳細な説明である。しかし、当業者は理解するであろうが、本発明は様々な用途で締結部品の組み付けの自動化に用いられ得る。
【0043】
限定されない例として、本発明を特に航空機の翼組立品の製造に関連して記述する。しかし、前記のように、本発明は多くの他の工業的用途で実施され得る。
【0044】
図1を参照すると、本発明の第1実施形態に従って、レーザ投影システムを採用した核となるアーキテクチャシステム10の概略図が示される。システム10の主要な構成要素は、ネットワークシステム12、セキュリティファイアウォールシステム14、(例えば、電子グリップ長さゲージにワイヤレスデータ送信を提供するための)イーサネットスイッチシステム16、レーザ制御システム18(例えば、適切なソフトウェアプログラムを実行しているPC)、電子締結部品長さゲージ20、データベースサーバーシステム22(例えば、データ保存に有用なSQLデータベースサーバー)、それぞれ少なくとも2つのレーザプロジェクタモジュール24a、24bを有するレーザ投影システム24、を備える。しかし、アーキテクチャシステム10は一つのレーザプロジェクタしか有さなくても良いことに注意しておくことは重要である。レーザプロジェクタモジュール24a、24bはそれぞれ、好ましくは40度の視野角(FOV)を備え、好ましくはプロジェクタモジュールが例えば翼組立品など、加工品の全範囲を確保するよう動作可能になるよう移動可能または取り外し可能なスタンドに取り付けられる。限定されない例として、再帰反射ターゲットまたは赤外線ダイオードのターゲットを任意の翼固定工具または固定具に対応した所定の位置に取り付けることができる。
【0045】
図2を参照すると、本発明の第2実施形態に従って、レーザ投影システムを採用したデータ抽出システム100の概略図が示される。限定されない例として、要素モデル、例えばDassault Systemから入手できる3次元CATIA(商標)モデルがこの場合翼組立品である、組み立てられる特定の要素に対して102で与えられる。そして、関連するデータ、例えばCADデータが104で要素モデルから抽出される。データは例えば、106の孔の座標、108の公称締結部品仕様、110のシーラントの仕様、112の技術的なトルク仕様等を含み得る。このデータから、要素(例えば、翼組立品)部品定義データファイルが114で作られる。そして、適切な要素(例えば、翼組立品)組立品ソフトウェアが116で作られる。ソフトウェアは、例えば、第1要素(例えば、翼組立品)部品製造データファイル118、第2要素(例えば、翼組立品)部品製造データファイル120、および少なくとももう一つの(記号nで表される)要素(例えば、翼組立品)部品製造データファイル122など、幾つかのデータファイルを備える。
【0046】
限定されない例として、本発明は組み立てプロセスを改良するために3次元モデルの情報を活用する。例えば、翼組立品上の全ての孔の3次元座標位置はモデルから入手でき、保存され得る。例えば設置された再帰反射ターゲットはレーザ追跡装置を用いて調査することができ、結果も保存できる。レーザ投影システムは工具と部品に関する各レーザの位置を決定するためにこれらの座標を使うことができる。収集されている全ての座標情報を用いて、投影システムは作業を必要とする翼組立品の任意の孔を視覚的に特定できる。
【0047】
作業者のために孔を特定することに加えて、全ての関連する技術情報が全ての翼組立部品番号に対して電子的データベース内に収集され得る。組立パラメータ、例えば公称締結部品グリップ長さ、トルク要求およびシーラントの仕様は、翼組立品の全ての孔に対して保存され得る。作業者の何の介入も無しに、本発明は組み立ての適切なステージにおいて使用するためのこれらの全ての技術的パラメータを提供し必要に応じてそれらを作業者に通知できる。
【0048】
全ての電子データを技術スタッフが用いるためにネットワーク(例えば、コンピュータ、サーバ等)に保存することができる。組立パラメータが変わった場合には、適切なファイルがそれを反映するように変更され得る。新しい翼組立品に対して作業を始める前に、作業者ワークステーションが適切なファイルをローカルコンピュータにダウンロードできる。中央SQLサーバーは、必要なセキュリティ規則を維持しながらネットワークをローカルコンピュータにリンクする。翼組立品の次の製造ごとに更新された技術情報を用い、古い情報が用いられるリスクを減らす。
【0049】
図3を参照すると、本発明の第3実施形態に従って、レーザ投影システム200の概略図が示される。限定されない例として、それぞれ約40度の視野角、FOVa、FOVbを持つ2つのレーザプロジェクタ202、204がそれぞれ採用され、好ましくはそれぞれリフト台206、208または他の適切な構造に一体化される。2つのレーザプロジェクタが示されるが、当然のことながら1つまたは2つより多いプロジェクタを本発明の実施に際して用いることができる。限定されない例として、翼組立品210の治具または固定工具212は、レーザプロジェクタの較正目的でそこに取り付けられる再帰反射ターゲット214などのレーザターゲットを有し得る。代わりに、本発明の出願人の同時係属特許出願に開示されたターゲットレスレーザ投影システムを使うことができる。それぞれのレーザプロジェクタ202、204の位置は、全翼表面をカバーでき、各レーザプロジェクタが正確に較正するための十分な再帰反射ターゲットを視野角内に有することを確実にするために重要である。プロジェクタが翼組立品210の固定工具212上の再帰反射ターゲットをスキャンした後、孔位置情報をレーザプロジェクタの位置に関連付けることができる。そして、システムソフトウェアは、作業者216を翼組立品210上の所定の孔のセットを通じて進め、グリップの測定と締結部品の組み付けの主要なプロセス作業を改善するために使うことができる。
【0050】
限定されない例として、組立区画内での複数のレーザプロジェクタの使用は一つのプロジェクタよりもよりロバストな投影を提供する。例えば、作業者は翼表面のとても近くで作業していると一つのソースからの投影は邪魔され得る。複数のプロジェクタは互いに重なって同じ情報を投影するようにセットされ得る。プロジェクタの正確さは作業者に対して重なりを見分けられなくする。したがって、一つのレーザプロジェクタソースからの投影がブロックされる場合、他のレーザプロジェクタが必要な支援/情報を依然として提供する。
【0051】
図4を参照すると、本発明の第4実施形態に従って、加工部品304(例えば翼組立品)上の作業孔302のレーザ投影標識300の正面図が示される。このようにして、本発明は翼組立品上の特定の締結部品の孔を特定するように用いられ得る。保存された位置データを用いて、レーザプロジェクタは何百または何千の孔のどれが現在測定を必要とするかを正確に特定できる。この機能は特定の孔を見つけ測定を実行するために作業者に必要とされる時間を大幅に削減する。測定が首尾良く完了するとすぐに、本発明のシステムは自動的に作業フローの次の孔を特定する。このシーケンスは現在の作業フローの全ての孔が測定されるまで続く。測定結果もまた組み付け中に使うために電子的に保存される。
【0052】
図5を参照すると、本発明の第5実施形態に従って、加工部品402上(例えば、作業孔406のレーザ投影標識404の近傍に)のレーザ投影測定値400の正面図が示される。したがって、本発明は記録された測定情報を投影することによって翼の組立をさらに支援できる。例えば、作業者が確認のために戻って孔を再測定する場合、測定値が有効かどうかを示すクイックリファレンスとして保存された値を投影できる。グリップ長さのダッシュ番号が手動で選択された場合には、投影システムはこれを識別して作業者に同じく提供できる。この特徴は保存された情報を参照するためにコンピュータスクリーンにアクセスする必要を排除する。
【0053】
図6を参照すると、本発明の第6実施形態に従って、図5のレーザ投影測定値がデータベースに入力された印500が示される。
【0054】
図7を参照すると、本発明の第7実施形態に従って、加工部品606上の締結部品の部品番号604を伴う作業孔602のレーザ投影標識600の正面図が示される。したがって、本発明は現行の孔に組み付けられる実際の締結部品の部品番号を投影する。いくつかの組立作業では、測定と組み付けは異なる場所で行われる。この制約は本発明を限定するものではない。全ての事前に測定されたデータは保存されているので、それを組立の後の段階で呼び出し、組み付けに使うことができる。部品番号は設計図からの保存されたデータおよび測定プロセスで得られた厚さの値に基づいて予め決定される。作業者が締結部品を組み付けるためにこの孔に戻ると、プロジェクタは再び図形を用いて孔を示し、例えば図7に示したように、締結部品の部品番号を投影する。システムは締結部品を組み付けるための孔の所定のシーケンスを通じて作業者をガイドし、現行の孔に対して関連する情報を投影する。
【0055】
本発明のシステムはまた同時に翼の組立に取り組んでいる複数の作業者に対処できる。例えば、翼上の全ての孔を複数の作業者による作業用に適切な区域に分けることができる。一方の作業者に対して、図形は十字線のある円として描くことができ、他の作業者に対する図形は孔が一意に識別されることを確実にする異なる形状を有し得る。システムは各作業者を各自の孔のセットを通じて全体の翼の組立を完了させる作用をスピードアップするよう進めることができる。
【0056】
グリップ長さの測定と記録について、本発明のシステムはアプリケーションソフトウェアに直接測定結果を電子的に送信することのできるグリップゲージを使うことができる。例えば、データ送信はワイヤレスRS−232技術を用いて行うことができる。この特徴はさらに装置の移動性を高めるとともにケーブルによるつまずきの危険をもたらさない。限定されない例として、作業者が電子グリップゲージを使っている時に、前述したように、システムは最初に投影図形を用いて現行の作業孔に案内する。次に、作業者はゲージを孔に適切に挿入しなければならず、それが差し込まれると、トリガボタンがシリアルデータの読み込みを開始するために押され得る。このグリップ長さは保存され、以前に開発された方式を用いて自動的に特定の締結部品のグリップ長さに変換される。保存された情報は投影された孔の番号にリンクされる。それぞれの独自の翼組立品のシリアルナンバーは組立プロセスからの結果の独自のログファイルを有する。作業者は続いて翼組立品の全ての孔を通じて進み、各外板の厚さの測定値がこのような方法で保存される。
【0057】
情報がコンピュータに集められると、コンピュータファイルはその後の組立工程におけるアクセスのために中央サーバーにアップロードされ得る。例えば、測定工程における翼の組立が終了すると、それを他の所に運ぶことができる。締結部品組み付け工程に到着すると、作業者は単にモバイルワークステーションをサーバーコンピュータに接続して翼組立品のシリアルナンバーを用いてログファイルをダウンロードしなければならない。本発明の締結自動化システムおよび方法の他の利点は、翼組立品などの基板が下記のように一人または複数の作業者によって任意のシーケンスで組み立てられ得ることである。
【0058】
測定が実行されると、結果は自動的に厚さの欄に記録され、グリップ長さダッシュ番号が計算され、ダッシュの欄に記録される。保存された情報は今や孔に組み付ける適切な締結部品を完全に規定する。
【0059】
システムの柔軟性もまた本発明のシステムソフトウェアの設計において考慮される。別のグリップゲージを検証目的で孔を測定するために使うことができる。この場合、ソフトウェアはユーザーにグリップゲージの値を手動で入力する選択肢を提供する。一旦これが実行されると、システムは以前のように自動的に測定値をダッシュ番号に変換する。測定データの品質チェックもまた実行される。例えば、ある製造中に使われる既存の手動ゲージが孔の再測定およびデータベースに保存された結果と比較するために使われ得る。記録された結果を作業者に表示できる。これは、ユーザーが孔の再測定をしながら記録された値を参照することを容易にする。さらに、エンジニアが特定のダッシュ番号が必要であることを決定した場合、利用可能なダッシュ番号のプルダウンリストから選ぶことができる。この場合、インターフェースはダッシュ番号を決定するのに測定値が使われなかったことを記録する。このような異常な出来事を記録することはエンジニアがどのように翼が組み立てられたかの履歴を持てるようにする。
【0060】
電子的な測定および保存の単純な追加によって、測定および油性鉛筆を用いた結果の記録の退屈なプロセスを排除できる。グリップ長さの自動計算もまたFODをもたらす可能性のある不適切なボルト選択のリスクを軽減するのに役立つ。
【0061】
将来使うためにサーバーに全てが安全にアーカイブされ得るので、データの脆弱性のリスクもまた大幅に減少する。もはや翼組立品の外板から拭き取るべき何千の油性鉛筆のマーキングが無いので、時間の節約もまた増加する。多数の時間のかかるステップを以前は必要としたプロセスは、今や貴重なデータを失うリスク無しに孔毎に一つのステップに効率化される。測定データは今や将来の解析のために電子的にアーカイブされ得る。
【0062】
本発明のシステムの他の利点はデータ収集と追跡記録能力である。重要なプロセス情報について記録されたデータを用いて、システム能力をさらに向上するために、継続的にトレンドや分析が実行され得る。
【0063】
本発明のシステムはまたシステムソフトウェアにエラー防止を組み込むことができる。例えば、孔の測定から計算されたダッシュの値は公称値から2グリップ長さ以内に通常なければならない。問題が検出されると、システムソフトウェアは問題を特定して作業者に訂正措置をとるよう警告する。
【0064】
ソフトウェアシステムに組込まれるさらなる利点は重要なプロセスステップの時間の刻印である。例えば、時間情報は成功した測定と組み付けに対して記録され得る。このデータは翼の組立のいずれかの部分が他のものよりも首尾一貫して時間が長くかかるかを特定するために操作され得る。この情報は継続的改善活動の支援に用いることができる。プロセスサイクルタイムもまたタイムスタンプのデータを用いて計算できる。
【0065】
前述のレーザ補助組立システムに加えて、多くの他の自動化技術が現行の非効率性をさらに減ずるために組み込まれ得る。これらの技術は、(1)締結部品供給システムと、(2)締結部品組み付け工具と、(3)促進剤およびシーラント塗布システムを含む。これらのサブシステムはそれぞれ、締結部品の供給/組み付け/コーティングの実行用の独自の制御装置を有する。しかし、コンピュータ化された制御システムはいつこれらのタスクが実行されるかを管理し、個々の孔の位置に対する締結部品の選択およびトルク要求を決定するための必要なパラメータを提供する。さらに、コンピュータ化された制御システムはそれらが発生した時に各システムからの結果を記録できる。
【0066】
図8を参照すると、本発明の第8実施形態に従って、締結部品702のボウルフィーダシステム700の部分的な斜視図が示される。例えば、市販の締結部品の供給システムを前述の翼組立プロセスに組み込むことができる。現在は、作業者は大量貯蔵キャビネットまで歩き、対応する締結部品を取り出して、それを孔に挿入するために作業エリアに戻らなければならない。このプロセスは翼の製造に多くの無駄時間を加えFODの潜在的なリスクをもたらす。
【0067】
自動的に配向して大量に供給される締結部品702の一般的な方法は振動ボウルフィーダ704を使うことである。代わりにマガジンフィーダが使われてもよい。開示された実施形態では、作業者は単に一群の同じ締結部品702をボウル704に大量に入れることができる。制御システムがその出力が所定レベルより低いことを検知すると、ボウルフィーダ704は自動的にスイッチが入り、再びいっぱいになるまで締結部品702を送出トラック706への供給を始める。ボウルフィーダは用途に応じて、直径によって分類された、または直径およびグリップ長さによって選別された締結部品を供給するように作られ得る。様々な締結部品のサイズを要求に応じて単一の宛先に届けるように設計された、市販の、モジュール式供給システムが存在する。このシステムはシステムに必要な様々なボウルフィーダを収容するラック組立品を備える。必要な固有のボウルフィーダの数は、翼組立品の組立に必要な締結部品の型および種類の数によって決定される。当業者に知られているように、各ボウルフィーダは締結部品をブロー供給チューブを越える位置に動かす送出トラックの端部の逃げ口を有し得る。制御システムが特定サイズの締結部品を要求すると、ブローチューブが作動され配送チューブを通じて締結部品を送る。ブローチューブは工具に配送するための最終供給経路に集まる。最終供給経路は直径別(従って全ての共通の直径の締結部品はこのチューブを通って供給される)にすることができ、あるいは一つのブローチューブに送られる全ての直径に適合するように設計され得る。締結部品は一般的にはボウルのさまざまな段を上方に送られる。不適切に配向された締結部品はボウルの本体に再び戻る。適切に配向された締結部品は送出トラックで列に並べられる。低レベルセンサはいつボウルをオンにして送出トラックを満たすかを示す。締結部品は逃げ口のトラックの端部で帯状にされてブロー供給に備える。ある場合には、翼の組立には使用され特定の締結部品を少量しか必要としなくてもよく、これは締結部品を供給するために専用のボウルを実装することを不要にする。この場合、大抵の市販のシステムは、さらなる自動化装置を供給する場合には、特定のボルトの手動投入を可能とするドロップチューブを有する。
【0068】
図9を参照すると、本発明の第9実施形態に従って、締結部品供給システム802を備えた制御アーキテクチャシステム800の概略図が示される。締結部品供給システム802はコンピュータ化された制御システム804からの要求に応じて動作できる。孔が計測されてグリップ長さが設定された後、コンピュータは適切な締結部品をデータベースに保存できる。組立の組み付け段階中は、レーザプロジェクタモジュール806、808はそれぞれ、現在の締結部品孔を特定して締結部品IDを文字で示す。レーザ投影と同時にまたは作業者からの要求に応じて、コンピュータ化された制御システムは供給システムがどの締結部品を必要としているかを特定する信号を送信する。次に、供給システムは作業者のワークステーション領域810内に配置された固定具に適切なボウルから締結部品を配送する。様々な検出技術を不適切な締結部品のグリップ長さを自動的に検出するために実装できる。例えば、ボウル供給システムでは、締結部品は2つのセンサを用いてチェックされ得る。センサが誤作動すると、締結部品が長すぎるか短すぎる、誤ったねじ径であるなどを示す。この状況はシステムに間違いを生じさせ、作業者に供給システムから締結部品を取り除くよう警告する。自動グリップ長さ検査を用いることは、不適切な締結部品を組み付けるリスクを減らすことに役立つ。自動化締結部品供給システムは手動の介入および部品の取扱いの量を最小にすることによりFODのリスクを減らすのに役立てることができる。供給システムのラックは、ボウル投入中に締結部品が翼内に落ちることを防ぐために、翼組立エリアから隔離され得る。作業者はもはや締結部品のストックを運ぶ必要がなくなりこれもまたFODの可能性を減らす。
【0069】
図10を参照すると、本発明の第10実施形態に従って、締結部品供給システム900の概略図が示される。締結部品供給工具は例えば翼組立品903の近くなど、複数の場所で使うために可動式の作業カート902に組み込まれる。ブロー供給チューブ904は供給システムのブローチューブをカート902の携帯工具906まで延ばすためにプラットホーム床面の位置に接続され得る。携帯工具906は前述の供給システムから締結部品を受け取る。
【0070】
図11を参照すると、本発明の第11実施形態に従って、トルク制御システム1002を備えた制御アーキテクチャシステム1000の概略図が示される。翼組立品全体のトルク仕様の幅のために、トルク設定値を自動的に変更することがプロセスに必要とされる。現在、従来のシステムは各トレイ位置に対して制御装置に配線された別々の入力を持つソケットトレイ付属品を用いる。制御装置はトレイからどのドライバービットが取り外されたかに基づいてトルクパラメータを変更するように設定される。この方法はトルク要求の変化を扱うためのいくらかの柔軟性をもたらすが、検出できない作業者の間違いに弱い。つまり、トルク制御装置が設計図の指定に基づいた適切な設定値を用いていることのトレーサビリティが無い。加えて、現行の従来システムは要求仕様に対する確認のための各検査の結果をフィードバックしない。
【0071】
本発明は現行の従来システムを大幅に改良する締結部品の組み付けを制御するシステムを提供する。例えば、アトラスコプコ(Atlas Copco)の制御装置はシステムの制御ネットワークに全てのトルク制御装置の追加を可能にするイーサネット通信能力を備え得る。イーサネット通信によって、完全な制御およびフィードバックの柔軟性が達成可能になる。コンピュータ化された制御システム1004は現在作業中の孔が変わると締結パラメータの必要に応じた自動的な変更を制御できる。トルク制御装置の設定値を自動的に変更する能力により、締結部品の組み付けの手順ははるかに効率的になる。記録された最終トルク設定値に基づいて、制御システムは初期組み付け中の要求トルク設定値を80%に計算し、孔が変わった時に必要に応じて制御装置を更新できる。同じ機能および時間の節約が最終締結段階中に再度実現される。レーザ投影された孔位置の案内と組み合わされたこの柔軟な制御は締結部品組み付けプロセスを大幅に向上できる。全てのセットアップされた孔の位置を作業者は容易に特定することができ、各孔の状態は全手順があとに続くことを確実にするよう追跡記録され得る。翼組立ソフトウェアは翼の組立の全てのトルク要求を保存し、全ての孔に対する締結結果を記録できる。検索に利用可能なある締結結果は、組み付け中に得られた最終トルクと角度である。これらの値は記録され、締結プロセスでの起こり得る誤りをチェックされ得る。得られた組み付けのトルクが指定された技術的制限内に入らない場合、システムソフトウェアは自動的に欠陥を見つけ作業者に問題を警告できる。これは機械的な問題および作業者の誤りを防ぐことができる。組み付けの問題は、組み付けを仕上げるために必要な角度が所定の範囲内に入らない場合に特定できる。この問題は締結部品が完全に締め付けられていないこと、または適切にナットに螺入されておらず余分に回転されていることを示し得る。全ての翼組立品に対して保存されるトルクの結果の完全なデータベースにより、トレンドを評価し改善の余地を特定するためにデータの統計的な解析が実行され得る。このようにトルクのデータを抽出し実装することは本発明が翼の組立に利用し得る他の方法を強調する。
【0072】
図12を参照すると、本発明の第12実施形態に従って、トルク制御システム1100の概略図が示される。限定されない例として、トルク装置1102(例えば、トルクガン)はワークステーションカート1106が配置されるプラットホーム床面に接続されるコンピュータシステム1104にネットワーク接続され得る。携帯トルクツール1102は締結部品を組み付けるために翼表面1108に伸ばすことができる。
【0073】
液体塗布の分野には前述の多くの現行プロセスの問題に対処できる多くの技術が存在する。促進剤は通常、水に似た密度および粘度を持つ非常に「軽い」液体物質である。これらの物理的特性は促進剤を自動的な塗布に対して絶好の対象とする。
【0074】
図13を参照すると、本発明の第13実施形態に従って、促進剤/シーラント塗布システム1200の概略図が示される。ここに使われているように、「シーラント」またはシーラント塗布装置の語は、別々にまたは組み合わせて供給または塗布され得る促進剤を含んだシーラントシステムの任意の要素を含む。主要な要素は精密噴射バルブ1202、マイクロプロセッサを用いたバルブ制御装置1204、および液体容器1206である。バルブ制御装置1204は安定して繰り返し可能な噴射のための精密な塗布時間を設定し得る。バルブ1202自体は高移動効率を生むことにより無駄を減らすように設計される。液体は無駄または過剰吹きつけ無しに必要な場所のみに塗布される。噴霧パターンは締結部品の頭の適切な被覆を確実にするよう容易に調整可能である。
【0075】
図14を参照すると、本発明の第14実施形態に従って、シーラント塗布システム1302を備えた制御アーキテクチャシステム1300の概略図が示される。システム1300はコンピュータ化された制御システム1304によって遠隔制御され、締結部品の適切な領域に促進剤を塗布できる。
【0076】
図15を参照すると、本発明の第15実施形態に従って、シーラント塗布システム1400の概略図が示される。この図では、コンセプトは供給システムから締結部品を受け取るツールへの促進剤塗布ヘッド1402の取り付けを含む。一旦締結部品がツールに到達すると、翼組立品1403の適切な表面に塗布が開始され得る。システム1400は完全に密閉され汚染物質の可能性から切り離される。システムソフトウェアはまた、プロセスの追跡記録を提供するために促進剤の塗布の事象をタイムスタンプできる。前述のように、促進剤とシーラントの塗布に関連して時間が重要な段階が多くある。いつ促進剤が締結部品に塗布されたかの電子記録により、これらの時間の制約は追跡記録され得る。システムは締結部品がその時間制限に近づいている場合に監視できこの事実を作業者に警告できる。これは時間切れになる前に作業者に措置を講じることを可能とし、したがって再作業を回避する。
【0077】
塗布作業で追跡記録された過去のデータにより、現在の組立手順が特定の締結部品に塗布された液体に対する時間制限に常に近づくかを分析することが可能になる。この分析は組立プロセスを改良し、時間超過を避け効率を最大化するよう締結部品が組み付けられる順番を再編成するのに役立てることができる。シーラントの塗布はその物理的特性により促進剤よりもより複雑である。大抵のシーラントは有効にするために正確な比率で混ぜなければならない2つの成分の混合物である。促進剤にあるように、シーラントにも関係する多くの時間の制約がある。混合と塗布を一つのユニットに組み合わせる市販の塗布装置が存在する。このようなシステムはシーラントのために提案されたものに類似するシーラント塗布時間を追跡記録する改良されたプロセスに統合され得る。塗布量は、継続的な改善の支援に役立てるとともに部品への過剰な材料の廃棄を減ずるために制御されるとともに追跡記録され得る。限定されない例として、促進剤の塗布装置1404はボルトが受け取られた時に自動的に塗布することを可能にするよう締結部品供給ツール1406に取り付けることができる。
【0078】
本発明の記述は単なる例示的な性格のものであり、したがって、発明の要旨から逸脱しない変形例は本発明の範囲内であることを意図している。このような変形例は本発明の趣旨および範囲からの逸脱とみなされることはない。さらに、上述のように、「基板」の語は、例えば複合材料加工部品または外板と航空機の翼または本体部分の支持構造などの積層部品など、広く任意の加工部品を含む。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の第1実施形態に従って、レーザ投影システムを採用した核となるアーキテクチャシステムの概略図を示す。
【図2】本発明の第2実施形態に従って、レーザ投影システムを採用したデータ抽出システムの概略図を示す。
【図3】本発明の第3実施形態に従って、レーザ投影システムの概略図を示す。
【図4】本発明の第4実施形態に従って、加工部品上の作業孔のレーザ投影標識の正面図を示す。
【図5】本発明の第5実施形態に従って、加工部品上のレーザ投影測定値の正面図を示す。
【図6】本発明の第6実施形態に従って、図5のレーザ投影測定値がデータベースに入力された印を示す。
【図7】本発明の第7実施形態に従って、加工部品上の締結部品の部品番号を伴う作業孔のレーザ投影標識の正面図を示す。
【図8】本発明の第8実施形態に従って、締結部品のボウルフィーダシステムの部分的な斜視図を示す。
【図9】本発明の第9実施形態に従って、締結部品供給システムを備えた制御アーキテクチャシステムの概略図を示す。
【図10】本発明の第10実施形態に従って、締結部品供給システムの概略図を示す。
【図11】本発明の第11実施形態に従って、トルク制御システムを備えた制御アーキテクチャシステムの概略図を示す。
【図12】本発明の第12実施形態に従って、トルク制御システムの概略図を示す。
【図13】本発明の第13実施形態に従って、促進剤/シーラント塗布システムの概略図を示す。
【図14】本発明の第14実施形態に従って、促進剤/シーラント塗布システムを備えた制御アーキテクチャシステムの概略図を示す。
【図15】本発明の第15実施形態に従って、促進剤/シーラント塗布システムの概略図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
規定された複数のターゲットを有する基板への締結部品の組み付けのための締結自動化システムであって、
それにより前記基板に関係するターゲットの方向および所定の位置を特定する像を前記基板に投影するレーザ投影システムと、
該投影システムと動作可能に通信する締結部品組付装置と、
比較ソフトウェアを有するコンピュータであって、該コンピュータは、前記ターゲットの方向および所定の位置に関連付けられたデータを受信および保存するために前記レーザ投影システムと締結部品組付装置に動作可能に関連付けられるとともに前記締結部品を各第1ターゲットに一致させるために前記締結部品を前記ターゲットの所定位置に一致させることに関するデータを保存するコンピュータを備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記レーザ投影システムは、前記基板に同じデータを投影する重なり領域を有する少なくとも2つのレーザプロジェクタを備えることを特徴とする請求項1に記載の発明。
【請求項3】
前記締結部品組付装置は、前記コンピュータに動作可能に関連付けられて前記所定の位置において前記基板に組み付けられる適切な前記締結部品を供給することを特徴とする請求項1に記載の発明。
【請求項4】
前記締結部品組付装置は、前記コンピュータに動作可能に関連付けられたトルクレンチを備えることを特徴とする請求項1に記載の発明。
【請求項5】
前記コンピュータは、前記適切な締結部品に加えられるトルクに関するデータを有し、前記適切な締結部品に所定のトルクを加えるよう前記トルクレンチを制御することを特徴とする請求項4に記載の発明。
【請求項6】
前記締結部品組付装置は、前記コンピュータに動作可能に関連付けられたシーラント塗布装置を備えることを特徴とする請求項1に記載の発明。
【請求項7】
前記コンピュータは前記基板に内の前記適切な締結部品をシールするために塗布されるシーラントの量に関するデータを有し、前記コンピュータは所定量のシーラントを塗布するよう前記シーラント塗布装置を制御することを特徴とする請求項6に記載の発明。
【請求項8】
基板への締結部品の組み付けのための締結部品自動化システムは、
適切な締結部品が基板に組み付けられる所定位置の基板上に重なる像と前記適切な締結部品および前記基板に関連する重なるデータを投影する少なくとも2つのレーザプロジェクタと、
コンピュータと関連付けられて前記所定位置において前記基板に組み付けられる適切な締結部品を供給する締結部品自動供給システムと、
前記投影システムに関連付けられて前記適切な締結部品および前記適切な締結部品が組み付けられる前記基板上の前記所定位置に関するデータを保存するコンピュータを備えることを特徴とするシステム。
【請求項9】
前記締結部品自動供給システムは前記コンピュータに動作可能に関連付けられたトルクレンチを備えることを特徴とする請求項8に記載の発明。
【請求項10】
前記コンピュータは、前記適切な締結部品に加えられるトルクに関するデータを有し、前記適切な締結部品に所定のトルクを加えるよう前記トルクレンチを制御することを特徴とする請求項9に記載の発明。
【請求項11】
前記締結自動化システムは、前記コンピュータに動作可能に関連付けられたシーラント塗布装置を備えることを特徴とする請求項8に記載の発明。
【請求項12】
前記コンピュータは前記基板内の適切な締結部品をシールするために塗布されるシーラントの量に関するデータを有し、前記コンピュータは所定量のシーラントを塗布するよう前記シーラント塗布装置を制御することを特徴とする請求項11に記載の発明。
【請求項13】
基板の所定の位置に締結部品を組み付ける自動化された方法は、
適切な締結部品を前記基板に組み付けるための所定の位置を特定するためにプロジェクタシステムを使い、
前記所定位置における前記適切な締結部品の組み付けに関するデータを収集するとともにコンピュータに前記データを保存し、
前記データに基づいて前記所定の位置において前記基板に前記適切な締結部品を組み付けることを特徴とする方法。
【請求項14】
前記所定位置における前記基板の厚さに関するデータを収集し、
前記データを、前記基板の厚さに基づいて組み付けられる前記適切な締結部品を選択するよう選択的に動作可能である前記コンピュータに保存する、ことをさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の発明。
【請求項15】
前記プロジェクタシステムはレーザプロジェクタであり、該レーザプロジェクタは前記適切な締結部品が前記基板に組み付けられる前記所定位置における前記基板上にレーザの像を投影するよう選択的に動作可能であることを特徴とする請求項13に記載の発明。
【請求項16】
前記プロジェクタシステムは前記基板上に同じデータの重なりレーザ領域を投影するよう選択的に動作可能である少なくとも2つのレーザプロジェクタを備えることを特徴とする請求項13に記載の発明。
【請求項17】
収集されたデータに基づいて組み付けられる前記適切な締結部品に関するデータを前記コンピュータに保存することをさらに含み、前記コンピュータは締結部品供給システムに動作可能に関連付けられ、前記コンピュータは前記基板に隣接する領域に前記適切な締結部品を供給するために前記締結部品供給システムを制御するよう選択的に動作可能であることを特徴とする請求項13に記載の発明。
【請求項18】
前記適切な締結部品に加えられる適切なトルクのデータを前記コンピュータに保存することをさらに含み、前記コンピュータはトルクレンチに動作可能に関連付けられ、前記コンピュータは前記適切な締結部品に前記適切なトルクを加えるために前記トルクレンチを制御するよう選択的に動作可能であることを特徴とする請求項13に記載の発明。
【請求項19】
前記方法は前記締結部品の組み付けで塗布される液体シーラントのデータを前記コンピュータに保存することを含み、前記コンピュータは液体シーラント塗布装置に動作可能に接続され、前記コンピュータは前記締結部品の組み付けで所定量のシーラントを塗布するよう前記シーラント塗布装置を制御することを特徴とする請求項13に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2009−509785(P2009−509785A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533654(P2008−533654)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/038038
【国際公開番号】WO2007/038740
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(508094592)メトリス カナダ インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】