説明

緩衝装置、鞍乗型車両及び緩衝装置の製造方法

【課題】別体のブラケットを用いることなく、アウターチューブと別体のブラケットとによって構成される2ピース構造のような外観を有する緩衝装置、緩衝装置を備える鞍乗型車両及び緩衝装置の製造方法を提供する。
【解決手段】フロントフォーク40は、アウターチューブ410Lを有し、自動二輪車10に備えられる緩衝装置である。筒状のアウターチューブ410Lは、小径部440L,460Lと、小径部440L,460Lよりも外側表面の粗さが粗い大径部430L,450Lとを有する。小径部440L(460L)と大径部430L(450L)とは、アウターチューブ410Lの長手方向に沿って併設される。大径部430L,450Lは、自動二輪車10に備えられるブレーキキャリパー21aが取り付けられるブレーキキャリパー取付部431,451を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アウターチューブを備える緩衝装置、緩衝装置を備える鞍乗型車両及び緩衝装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車などの鞍乗型車両では、車輪(例えば、前輪)が受けた衝撃を吸収する緩衝装置が広く用いられている。鞍乗型車両のフロントフォークとして用いられる緩衝装置としては、ほぼ円筒状のアウターチューブがインナーチューブよりも下方に配設される正立型フォークと、アウターチューブがインナーチューブよりも上方に配設される倒立型フォークとが存在する。
【0003】
このような鞍乗型車両のフロントフォークとして用いられる緩衝装置の耐候性を向上させるため、アウターチューブの外側表面に陽極酸化処理(アルマイト処理)を施す方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、一般的に、倒立型フォークでは、インナーチューブの外側表面が切削加工されており、前輪のブレーキキャリパーやフロントフェンダー(泥よけ)がインナーチューブに取り付けられる。
【0005】
このような倒立型フォークのイメージを醸し出すため、アウターチューブの外側表面が切削加工された正立型フォークを用い、アウターチューブに別体のブラケットを取り付け、当該ブラケットにブレーキキャリパーやフロントフェンダーを取り付ける方法も知られている。
【特許文献1】特開昭61−186500号公報(第2頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の緩衝装置には、次のような問題があった。すなわち、アウターチューブの外側表面が切削加工された正立型フォークを用い、アウターチューブに別体のブラケットを取り付ける方法は、アウターチューブと別体のブラケットとの2ピース構造となるため、製造コストが上昇するといった問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、別体のブラケットを用いることなく、アウターチューブと別体のブラケットとによって構成される2ピース構造のような外観を有する緩衝装置、緩衝装置を備える鞍乗型車両及び緩衝装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した問題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、筒状のアウターチューブ(アウターチューブ410L)を備える緩衝装置(フロントフォーク40)であって、前記アウターチューブは、筒状の第1部分(小径部440L,460L)と、前記第1部分よりも外側表面の粗さが粗い筒状の第2部分(大径部430L,450L)とを有し、前記第1部分と前記第2部分とは、前記アウターチューブの長手方向に沿って併設され、前記第2部分は、装備品(例えば、ブレーキキャリパー21a)が取り付けられる装備品取付部(ブレーキキャリパー取付部431,451)を有することを要旨とする。
【0009】
このような緩衝装置によれば、第1部分は、第2部分よりも外側表面の粗さが細かく、光沢がある。また、第2部分には、ブレーキキャリパーなど、装備品が取り付けられる装備品取付部が設けられる。このため、別体のブラケットを用いることなく、アウターチューブと別体のブラケットとによって構成される2ピース構造のような外観とすることができる。
【0010】
さらに、このような緩衝装置を正立型フォークとして用いた場合、アウターチューブの第1部分は、第2部分と比較して光沢があるため、倒立型フォークのインナーチューブのようなイメージを醸し出すことができる。つまり、正立型フォークを用いつつ、倒立型フォークのイメージを醸し出すことができる。
【0011】
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記第2部分の外側表面は、ショットブラスト処理が施されていることを要旨とする。
【0012】
本発明の第3の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記第1部分の外側表面は、切削加工されていることを要旨とする。
【0013】
本発明の第4の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記装備品取付部には、ディスク型ブレーキ(フロントディスクブレーキ21)のブレーキキャリパー(ブレーキキャリパー21a)が取り付けられることを要旨とする。
【0014】
本発明の第5の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記装備品取付部(フェンダー取付部452,453)には、泥よけ(フロントフェンダー22)が取り付けられることを要旨とする。
【0015】
本発明の第6の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記第1部分及び前記第2部分を含む前記アウターチューブの外側表面は、陽極酸化処理が施されていることを要旨とする。
【0016】
本発明の第7の特徴は、本発明の第6の特徴に係り、前記陽極酸化処理は、黒色のアルマイト処理であることを要旨とする。
【0017】
本発明の第8の特徴は、本発明の第1乃至第7の特徴に係る緩衝装置を備える鞍乗型車両(自動二輪車10)であることを要旨とする。
【0018】
本発明の第9の特徴は、本発明の第8の特徴に係り、前記緩衝装置は、前輪(前輪20)の車軸(車軸20a)を支持する車軸支持部(車軸支持部420L)を備え、前記アウターチューブの第1部分(小径部440L)は、上側の第2部分(大径部450L)と、下側の第2部分(大径部430L)の間に形成され、前記車軸支持部は、前記下側の第2部分よりもさらに下側に形成されることを要旨とする。
【0019】
本発明の第10の特徴は、筒状のアウターチューブを備える緩衝装置の製造方法であって、前記アウターチューブを鋳造するステップ(S10)と、前記アウターチューブの外側表面にショットブラスト処理を施すステップ(S20)と、前記アウターチューブの外側表面の一部に切削加工を施すステップ(S30)とを備えることを要旨とする。
【0020】
本発明の第11の特徴は、本発明の第10の特徴に係り、前記切削加工を施すステップの後において、前記アウターチューブの外側表面に陽極酸化処理を施すステップ(S40)をさらに備えることを要旨とする。
【0021】
本発明の第12の特徴は、本発明の第11の特徴に係り、前記陽極酸化処理は、黒色のアルマイト処理であることを要旨とする。
【0022】
本発明の第13の特徴は、本発明の第11の特徴に係り、前記切削加工が施されていない前記アウターチューブの少なくとも一部には、前記鞍乗型車両に備えられる装備品が取り付けられる装備品取付部(例えば、ブレーキキャリパー取付部431,451)が設けられることを要旨とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明の特徴によれば、別体のブラケットを用いることなく、アウターチューブと別体のブラケットとによって構成される2ピース構造のような外観を有する緩衝装置、緩衝装置を備える鞍乗型車両及び緩衝装置の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(本実施形態に係る鞍乗型車両の構成)
次に、本発明に係る鞍乗型車両の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0025】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0026】
(1)全体概略構成
図1は、本実施形態に係る鞍乗型車両である自動二輪車10の左側面図である。また、図2は、自動二輪車10の正面図である。
【0027】
図1及び図2に示すように、自動二輪車10は、前輪20と後輪70とを備え、エンジン50が発生する駆動力によって後輪70を駆動する。
【0028】
前輪20の車軸20aは、フロントフォーク40によって回転可能に支持されている。フロントフォーク40は、ステアリングシャフト(不図示)と連結され、ステアリングシャフトは、車体フレーム30によって回動可能に支持されている。
【0029】
フロントフォーク40は、自動二輪車10に備えられる緩衝装置である。フロントフォーク40は、路面状態の変化に応じて、前輪20を上下方向(実際には、所定のキャスター角が付与された方向)に移動(直線運動)させて、前輪20が受けた衝撃を吸収する。
【0030】
図2に示すように、フロントフォーク40は、左側フォーク400Lと、右側フォーク400Rとによって構成されている。左側フォーク400Lは、筒状のアウターチューブ410Lと、同じく筒状のインナーチューブ470Lとによって構成されている。同様に、右側フォーク400Rは、アウターチューブ410Rと、インナーチューブ470Rとによって構成されている。
【0031】
すなわち、フロントフォーク40は、アウターチューブ410L,410Rがインナーチューブ470L,470Rよりも下方に配設される正立型フォークである。
【0032】
自動二輪車10には、前輪20を制動するディスク型ブレーキであるフロントディスクブレーキ21が備えられている。フロントディスクブレーキ21を構成するブレーキキャリパー21aは、フロントフォーク40に取り付けられている。
【0033】
また、自動二輪車10には、前輪20が巻き上げた泥などが飛散することを防止するフロントフェンダー22(泥よけ)が備えられている。フロントフェンダー22は、フロントフォーク40に取り付けられている。
【0034】
(2)緩衝装置の構造
次に、図3及び図4を参照して、本実施形態に係る緩衝装置を構成するフロントフォーク40の具体的な構造について説明する。図3は、フロントフォーク40を構成する左側フォーク400Lの側面図である。図4は、左側フォーク400Lの正面図である。
【0035】
左側フォーク400Lは、アウターチューブ410Lと、インナーチューブ470Lとによって構成される。上述したように、アウターチューブ410Lは、インナーチューブ470Lよりも下方に配設される。
【0036】
本実施形態では、アウターチューブ410Lの外側表面は、陽極酸化処理が施されている。具体的には、アウターチューブ410Lの外側表面は、黒色のアルマイト処理が施されている。
【0037】
アウターチューブ410Lは、車軸支持部420L、大径部430L、小径部440L、大径部450L及び小径部460Lによって構成されている。
【0038】
車軸支持部420Lは、車軸20aを回転可能に支持する。車軸支持部420Lの上方には、大径部430Lが形成されている。また、大径部430Lの上方には、小径部440Lが形成されている。
【0039】
さらに、小径部440Lの上方には、大径部450Lが形成されている。大径部450Lの上方には、小径部460Lが形成されている。小径部440L,460L及び大径部430L,450Lは筒状である。
【0040】
小径部440L,460Lには、大径部430L,450Lよりも外側表面の粗さが細かくなる加工が施されている。本実施形態において、小径部440L,460Lは、第1部分を構成する。具体的には、小径部440L,460Lの外側表面は、切削加工されている。より具体的には、領域A1及び領域A2は、切削加工されている。小径部440L,460Lの外側表面は、切削加工されているため、大径部430L,450Lよりも光沢がある。
【0041】
大径部430L,450Lは、小径部440L,460Lよりも外径が大きい。大径部430L,450Lは、小径部440L,460Lのような切削加工は施されていない。つまり、大径部430L,450Lは、小径部440L,460Lよりも外側表面の粗さが粗く、小径部440L,460Lよりも光沢がない。本実施形態において、大径部430L,450Lは、第2部分を構成する。
【0042】
すなわち、第1部分と第2部分とは、左側フォーク400Lの長手方向に沿って併設している。具体的には、小径部440L(第1部分)は、大径部430L(第2部分)と隣接し、大径部430Lよりも上方に形成されている。大径部450L(第2部分)は、小径部460L(第1部分)と隣接し、小径部460Lよりも上方に形成されている。
【0043】
つまり、小径部440Lは、上側の第2部分である大径部450Lと、下側の第2部分である大径部430Lの間に形成されている。車軸支持部420Lは、大径部430Lよりもさらに下側に形成されている。
【0044】
また、本実施形態では、大径部430L,450Lの外側表面は、ショットブラスト処理が施されている。このため、大径部430L,450Lの外側表面は、切削加工が施されている小径部440L,460Lと比較して粗く、明らかに光沢がない。
【0045】
また、アウターチューブ410Lの外側表面は、黒色のアルマイト処理が施されているため、大径部430L,450Lは、小径部440L,460Lと比較して、つや消しの黒色の外観を有している。
【0046】
大径部430Lは、ブレーキキャリパー取付部431を有する。また、大径部450Lは、ブレーキキャリパー取付部451を有する。ブレーキキャリパー取付部431,451には、ブレーキキャリパー21a(図1参照)が取り付けられる。本実施形態において、ブレーキキャリパー取付部431,451は、装備品取付部を構成する。
【0047】
さらに、大径部450Lは、フェンダー取付部452,453を有する。フェンダー取付部452,453には、フロントフェンダー22(図1参照)が取り付けられる。本実施形態において、ブレーキキャリパー21a及びフロントフェンダー22は、装備品を構成する。
【0048】
なお、図3及び図4は、左側フォーク400Lの側面図及び正面図であるが、右側フォーク400Rも左側フォーク400Lとほぼ同様の形状を有する。
【0049】
(緩衝装置の製造方法)
次に、上述した本実施形態に係る緩衝装置を構成するフロントフォーク40の製造方法について説明する。具体的には、図5を参照して、アウターチューブ410L(410R)の製造方法について説明する。
【0050】
図5に示すように、ステップS10において、アウターチューブ410Lが鋳造される。
【0051】
ステップS20において、アウターチューブ410Lの外側表面にショットブラスト処理が施される。なお、ショットブラスト処理には、例えば、鉄粉やけい砂を用いることができる。
【0052】
ステップS30において、アウターチューブ410Lの外側表面の一部に光沢を出す加工が施される。具体的には、小径部440L,460Lが切削加工され、小径部440L,460の外側表面の粗さが、大径部430L,450Lの外側表面の粗さよりも細かくされる。
【0053】
ステップS40において、つまり、小径部440L,460Lの切削加工後において、アウターチューブ410Lの外側表面に陽極酸化処理が施される。具体的には、アウターチューブ410Lの外側表面に黒色のアルマイト処理が施される。
【0054】
(作用・効果)
このようなフロントフォーク40によれば、小径部440L,460Lは、大径部430L,450Lよりも外側表面の粗さが細かく、光沢がある。また、大径部430L,450Lには、ブレーキキャリパー21aなど、自動二輪車10の装備品が取り付けられるブレーキキャリパー取付部431,451などが設けられる。
【0055】
このため、別体のブラケットを用いることなく、アウターチューブ410Lと別体のブラケットとによって構成される2ピース構造のような外観とすることができる。具体的には、大径部430L,450が、別体のブラケットのイメージを醸し出す。
【0056】
さらに、本実施形態では、フロントフォーク40を正立型フォークとして用いている。アウターチューブ410Lの小径部440L,460Lは、大径部430L,450Lと比較して光沢があるため、倒立型フォークのインナーチューブのようなイメージを醸し出すことができる。つまり、正立型フォークを用いつつ、倒立型フォークのイメージを醸し出すことができる。
【0057】
本実施形態では、大径部430L,450Lの外側表面は、ショットブラスト処理が施されている。このため、大径部430L,450Lは、切削加工が施されている小径部440L,460Lと比較して明らかに光沢がない。また、本実施形態では、小径部440L,460Lの外側表面は、切削加工されている。このため、小径部440L,460Lは、大径部430L,450Lと比較して明らかに光沢がある。
【0058】
さらに、本実施形態では、小径部440L,460Lと、大径部430L,450Lとは、左側フォーク400Lの長手方向に沿って隣接している。また、アウターチューブ410Lの小径部440Lは、上側の第2部分である大径部450Lと、下側の第2部分である大径部430Lの間に形成される。さらに、車軸支持部420Lは、大径部430Lよりもさらに下側に形成される。つまり、大径部430L,450Lは、小径部440L,460Lと別体であるイメージをさらに醸し出すことができる。
【0059】
本実施形態では、アウターチューブ410Lの外側表面は、陽極酸化処理、具体的には、黒色のアルマイト処理が施されている。このため、アウターチューブ410Lの耐候性を向上させることができる。特に、黒色のアルマイト処理としたため、アルミ合金の鋳物にアルマイトを施すことによって発生する、いわゆる「黒ズミ」を目立たないようにすることができる。
【0060】
(その他の実施形態)
上述したように、本発明の一実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態が明らかとなろう。
【0061】
例えば、アウターチューブ410Lの外側表面は、必ずしも陽極酸化処理が施されていなくても構わない。また、大径部430L,450Lの外側表面は、必ずしもショットブラスト処理が施されていなくても構わない。さらに、小径部440L,460Lの外側表面は、必ずしも切削加工されていなくてもよい。
【0062】
また、小径部440L,460Lの外側表面は、大径部430L,450Lの外側表面よりも粗さが細かくなるように加工されていればよく、必ずしも切削加工でなくても構わない。
【0063】
さらに、上述した実施形態では、小径部(例えば、小径部440L)と、大径部(例えば、大径部430L)とが隣接ししていたが、小径部と大径部とは、左側フォーク400Lの長手方向に沿って設けられていればよく、小径部と大径部との間に、小径部及び大径部と異なる部分が介在するようにしても構わない。
【0064】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施形態に係る自動二輪車の左側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る自動二輪車の正面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る緩衝装置の側面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る緩衝装置の正面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る緩衝装置の製造作業フロー図である。
【符号の説明】
【0066】
10…自動二輪車、20…前輪、20a…車軸、21…フロントディスクブレーキ、21a…ブレーキキャリパー、22…フロントフェンダー、30…車体フレーム、40…フロントフォーク、50…エンジン、70…後輪、400L…左側フォーク、400R…右側フォーク、410L,410R…アウターチューブ、420L…車軸支持部、430L…大径部、431…ブレーキキャリパー取付部、440L…小径部、450L…大径部、451…ブレーキキャリパー取付部、452,453…フェンダー取付部、460L…小径部、470L,470R…インナーチューブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状のアウターチューブを備える緩衝装置であって、
前記アウターチューブは、
筒状の第1部分と、
前記第1部分よりも外側表面の粗さが粗い筒状の第2部分と
を有し、
前記第1部分と前記第2部分とは、前記アウターチューブの長手方向に沿って併設され、
前記第2部分は、装備品が取り付けられる装備品取付部を有する緩衝装置。
【請求項2】
前記第2部分の外側表面は、ショットブラスト処理が施されている請求項1に記載の緩衝装置。
【請求項3】
前記第1部分の外側表面は、切削加工されている請求項1に記載の緩衝装置。
【請求項4】
前記装備品取付部には、ディスク型ブレーキのブレーキキャリパーが取り付けられる請求項1に記載の緩衝装置。
【請求項5】
前記装備品取付部には、泥よけが取り付けられる請求項1に記載の緩衝装置。
【請求項6】
前記第1部分及び前記第2部分を含む前記アウターチューブの外側表面は、陽極酸化処理が施されている請求項1に記載の緩衝装置。
【請求項7】
前記陽極酸化処理は、黒色のアルマイト処理である請求項6に記載の緩衝装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7の緩衝装置を備える鞍乗型車両。
【請求項9】
前記緩衝装置は、前輪の車軸を支持する車軸支持部を備え、
前記アウターチューブの第1部分は、上側の第2部分と、下側の第2部分の間に形成され、
前記車軸支持部は、前記下側の第2部分よりもさらに下側に形成される請求項8に記載の鞍乗型車両。
【請求項10】
筒状のアウターチューブを備える緩衝装置の製造方法であって、
前記アウターチューブを鋳造するステップと、
前記アウターチューブの外側表面にショットブラスト処理を施すステップと、
前記アウターチューブの外側表面の一部に切削加工を施すステップと
を備える緩衝装置の製造方法。
【請求項11】
前記切削加工を施すステップの後において、
前記アウターチューブの外側表面に陽極酸化処理を施すステップをさらに備える請求項10に記載の緩衝装置の製造方法。
【請求項12】
前記陽極酸化処理は、黒色のアルマイト処理である請求項11に記載の緩衝装置の製造方法。
【請求項13】
前記切削加工が施されていない前記アウターチューブの少なくとも一部には、装備品が取り付けられる装備品取付部が設けられる請求項11に記載の緩衝装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−23635(P2009−23635A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−223265(P2007−223265)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】