説明

縮合チアゾロ及びオキサゾロピリミジノン

本発明は、新規化合物、それらの医薬的に許容できる塩、並びにそれらの異性体、立体異性体、配座異性体、互変異性体、多形、水和物及び溶媒和物に関する。本発明は、前記化合物の医薬的に許容できる組成物及び新規化合物の調製方法をも包含する。本発明はさらに、医薬品として用いるための薬物の調製のための上記化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野:
本発明は、式(I)の新規チアゾロ及びオキサゾロピリミジノン化合物、それらの医薬的に許容できる塩、並びにそれらの異性体、立体異性体、配座異性体、互変異性体、多形、水和物及び溶媒和物に関する。本発明は、前記化合物の医薬的に許容できる組成物及び新規化合物の調製方法をも包含する。本発明はさらに、医薬品として用いるための薬物の調製のための上記化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景:
転写因子HIF(低酸素誘導因子(Hypoxia Inducible Factor))は、酸素ホメオスタシスにおいて中心的役割を有する。組織低酸素への初期反応は、細胞の酸素濃度の変化に応じた遺伝子発現の変化を媒介する低酸素誘導因子(HIF)、ベーシック・ヘリックス・ループ・ヘリックス(bHLH)PAS(Per/Arnt/Sim)転写アクチベーターの誘導である。HIFは、構成的に発現されるβサブユニットと、2つのαサブユニット、HIFα1及びHIFα2の1つとから成るヘテロダイマーである1
酸素化(正常酸素圧)細胞では、HIFαサブユニットは、フォンヒッペル・リンダウ腫瘍抑制因子(von Hippel-Lindau tumor suppressor)(pVHL)E3リガーゼ複合体によるユビキチン化を含む機構によって急速に分解する。低酸素状態下では、HIFαは分解せず、活性なHIFα/β複合体が核内に蓄積して、糖分解酵素、グルコース輸送体(GLUT)-1、エリスロポエチン(EPO)、血管内皮増殖因子(VEGF)及びアドレノメデュリンなどのいくつかの遺伝子の発現を活性化する1
このように、HIFの活性化は低酸素/虚血と関連する顕著な適応機序の1つである。上述したように、HIFの活性化は、多面的機能を果たして、低酸素/虚血状態に対処し、かつ該状態から回復させる遺伝子の発現を高めることになる2
酸素化細胞(正常酸素圧)では、HIFαサブユニットの2つの保存プロリン残基がヒドロキシル化を受ける。この反応はHIFプロリル-ヒドロキシラーゼ(PHD)によって触媒される。プロリルヒドロキシル化HIFαはpVHLと相互作用し、プロテアソーム機構によって急速に分解する。さらに、正常酸素圧細胞では、HIFαの1つの保存アスパラギンもヒドロキシル化を受ける。この反応はHIFアスパラギルヒドロキシラーゼ(FIH)によって触媒される。アスパラギルヒドロキシル化HIFαは転写コアクチベーターCBP/p300と相互作用し得ない。
低酸素/虚血状態下では、限定量の分子酸素のためHIFプロリルヒドロキシラーゼとHIFアスパラギルヒドロキシラーゼの両活性が劇的に低減する。結果として、HIFαはプロテアソーム分解する運命にないので安定化する。さらに、HIFαは転写コアクチベーターCBP/p300と相互作用し得る。このような安定化した転写活性のあるHIFαは、次にHIFβサブユニットとヘテロダイマーを形成して核へ移行し、HIF標的遺伝子のトランス活性化をもたらす1
【0003】
従って、HIFプロリルヒドロキシラーゼ及びHIFアスパラギルヒドロキシラーゼの抑制は、HIFの酸素非依存性活性化の強力な手法である。このような薬理学的手段によるHIFの活性化は、多面的機能を果たして、低酸素/虚血状態に対処し、かつ該状態から回復させる遺伝子の発現を高めることになる。HIFの標的としては、血管運動神経調節に関与する遺伝子(例えばアドレノメデュリン、eNOS、ヘムオキシゲナーゼ(Haem Oxygrenase))、エネルギー代謝に関与する遺伝子(例えばGlut-1、炭酸脱水酵素-9)、血管新生シグナル伝達に関与する遺伝子(例えばVEGF、VEGF受容体-1)及び赤血球生成に関与する遺伝子(例えばエリスロポエチン、トランスフェリン、トランスフェリン受容体)が挙げられる1。従って、HIF活性化は、種々の疾患状態、例えば種々のタイプの貧血並びに急性腎傷害、心筋梗塞、脳卒中、肝虚血-再灌流傷害、末梢血管疾患及び肝臓又は腎臓の移植のような状態における低酸素/虚血に起因する組織傷害などに有意な治療利益を提供できる3,4,5,6,7,8
貧血は、赤血球の正常数の減少を特徴とし、一般的に血液の損失(出血)、過剰な赤血球破壊(溶血)又は不十分な赤血球産生(無効造血)に起因する。ヘモグロビンは、普通は肺から組織に酸素を運ぶので、貧血は臓器の低酸素につながる。全てのヒト細胞は、生き残るために酸素に依存するので、貧血は広範の臨床的帰結を有し得る。
貧血は高齢者、癌患者、特に化学療法及び放射線療法を受けている癌患者、腎疾患の患者及び慢性疾患に伴う種々多様の状態で起こることが多い。高い頻度で、貧血の原因は、赤血球生成を阻止することとなるエリスロポエチン(EPO)産生の減少である。
HIFαに応答して産生される天然に存在するホルモンであるエリスロポエチン(EPO)は、赤血球の産生を刺激する。EPOは普通は腎臓によって分泌され、内因性EPOは酸素が減少した(低酸素)状態下で増加する9
EPOの外因性投与は、特に慢性腎不全患者、放射線及び/又は化学療法を受けている癌患者の貧血の一般に認めらた治療様式の1つであるが、高コスト並びに血栓症及び高血圧症のリスク上昇によってその使用は制限されている10
【0004】
虚血は、組織又は臓器への酸素の絶対的又は相対的不足として定義され、アテローム性動脈硬化症、糖尿病、血栓塞栓症、高血圧症などによって起こり得る。心臓、脳及び腎臓は、低い血液供給に起因する虚血ストレスに特に敏感である。
虚血には、急性(突然の発生及び短い持続時間)又は慢性(緩徐の発生及び長い持続時間又は頻繁の再発)があり得る。急性虚血は、局所の不可逆的組織壊死(梗塞)に関連することが多いが、慢性虚血は通常、一過性の低酸素組織傷害に関連する。しかしながら、灌流の減少が長期に渡るか又は激しい場合、慢性虚血が梗塞と関連することもある。梗塞は一般的に脾臓、腎臓、肺、脳、及び心臓で起こり、腸梗塞、肺梗塞、虚血性脳卒中、及び心筋梗塞などの障害をもたらす。
虚血障害及び低酸素障害は、罹患率及び死亡率の主原因である。
現在、虚血障害及び低酸素障害の治療は、原因疾患の症状の軽減及び治療に集中しているが、これらの療法は虚血及び低酸素によって引き起こされる組織損傷に直接取り組んでいない。
エリスロポエチン、VEGF、アドレノメデュリン等のいくつかのHIF標的遺伝子の外因性投与が、心臓、腎臓、脳及び肝臓の虚血及び虚血-再灌流傷害において有意な機能回復を示している11,12,13,14
貧血症並びに低酸素及び虚血に起因する疾患の現在の治療が不十分なため、様々なタイプの貧血、例えば高齢者の貧血或いは慢性疾患又は腎不全又は癌又は感染症又は透析又は手術又は化学療法に関連する貧血並びに虚血/低酸素障害、例えば急性腎傷害、心筋梗塞、脳卒中、肝虚血-再灌流傷害及び末梢血管疾患における貧血の治療に有効な化合物が要望されている。
【0005】
この発明の化合物は、HIFヒドロキシラーゼを抑制し、それによってHIFを活性化し、エリスロポエチン(EPO)、血管内皮増殖因子(VEGF)、アドレノメデュリン等を含めた広範な標的遺伝子の発現を高めることとなるので、様々なタイプの貧血及び虚血/低酸素に関連する状態を含めた種々の障害の治療に有用な手段を提供する。
EP 661269は、置換ヘテロ環式カルボン酸アミド並びにそれらのプロリル-4-ヒドロキシラーゼの抑制薬として及びコラーゲン生合成の抑制薬としての使用を開示している。
さらに、WO2003049686、WO2003053997、WO2004108121、WO2007146425、WO2007146438等の種々の特許公報は、HIFαを安定化する化合物並びに虚血&低酸素と関連する状態及び貧血症や神経障害のようなEPO関連状態の予防及び治療のためのそれらの使用を開示している。
JP 5039293は、免疫調節薬として有用な種々の縮合及び置換チアゾロピリミジン誘導体又はその塩を開示している。
国際出願公報WO2009039321及びWO2009039322は、HIFプロリルヒドロキシラーゼの拮抗薬であり、これらの酵素の抑制によって恩恵を受ける貧血症のような疾患の治療に有利な二環式ヘテロ芳香族N-置換グリシン誘導体を開示している。
【発明の概要】
【0006】
発明の概要:
一実施形態では、本発明は、下記式(I):
【化1】

(I)
【0007】
(式中、
YがNR4、O、S又はSO2の場合、mは1〜2であり、YがC(R5)(R6)の場合、mは1〜4であり;
Nは、1〜6であり;
Pは、-OH、-OR7、-NH2、-NHR7、-NR7R7'、-NHSO2R7、-NHCOR7、-NHOH又は-NHOR7であり;
Xは、-OH、-OR7、-SR7、-SOR7、-SO2R7、-NHR7又は-NR7R7'であり;
Zは、S又はOであり;
Rは、水素、直鎖又は分岐(C1-C8)アルキル、-(C1-C8)アルキルアリール又は-(C1-C8)アルキルヘテロアリールであり;
R1及びR2は、水素、直鎖又は分岐-(C1-C8)アルキル、-(C3-C7)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、-CH2-アリール及び-CH2-ヘテロアリールから独立に選択され、或いは
R1とR2が結合して3〜6員単環式又は9〜12員二環式環を形成してよく;
Rが、隣接炭素原子のR1又はR2と一緒に3〜6員単環式又は8〜11員二環式ヘテロアリール又はヘテロ環式ヘテロシクリル環を形成してよく;
R3及びR3'は存在ごとに、水素、直鎖又は分岐(C1-C8)アルキル、(C1-C5)アルコキシ及びハロから独立に選択され;
R3とR3'が、ジェムジハロ、ジェムジアルキル又はスピロシクロアルキル配置で存在してもよく;
R4は、水素、直鎖又は分岐(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、-(C1-C8)アルキル-アリール、-(C1-C8)アルキル-ヘテロアリール、-(C1-C2)アルキル-ヘテロシクリル、-C(O)R8、-C(O)OR8、-C(O)NR8R9、-C(S)NR8R9及び-SO2R8から成る群より選択され(ここで、アリール及びヘテロアリール基は、任意に、-(C1-C8)アルキル、-(C3-C7)シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-OH、-アルコキシ、ハロ、CN、-CF3、-OCF3、-O-アリール、-SO2-(C1-C8)-アルキル、-SO2-アリール、-NH2、-NHR10、-NR10R10'、-NH-CO-(C1-C8)アルキル、-NH-SO2-(C1-C8)アルキル、-NH-SO2-アリール、-COOH、-C(O)NH-アルキル、-CONH-アリール、-CONH-ヘテロアリール、-C(O)O-(C1-C8)アルキル、-C(O)O-アリール、-SO2NH-(C1-C8)アルキル、-SO2NH-アリール及び-SO2NH-ヘテロアリールから成る群より選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい);
R5及びR6は、水素、直鎖又は分岐(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、フルオロ、-COOH、-CONH-(C1-C8)アルキル、-NHCO-(C1-C8)アルキル、-NHCO-アリール、-NHCO-ヘテロアリール、-NH-SO2(C1-C8)アルキル、-NH-SO2-アリール及び-NH-SO2-ヘテロアリールから成る群より独立に選択され;
R5とR6が結合して3〜6員炭素環式、ヘテロアリール又はヘテロシクリル環を形成してよく;
【0008】
R7、R7'、R10及びR10'は、直鎖又は分岐(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル及び-(C1-C8)アルキルアリールから独立に選択され;
R7とR7'又はR10とR10'が、それらが結合している窒素原子と一緒に5〜6員単環式又は8〜14員二環式飽和及び部分飽和環を形成してよく(該環は、N、S及びOから選択される1〜3個のヘテロ原子を含み、飽和及び部分飽和環は、任意に、-(C1-C8)アルキル、-(C3-C7) シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-OH、-アルコキシ、ハロ、-CN、-CF3、-OCF3、-O-アリール、-SO2-(C1-C8)-アルキル、-SO2-アリール、-NH2、-NHR10、-NR10R10'、-NH-CO-(C1-C8)アルキル、-NH-SO2-(C1-C8)アルキル、-NH-SO2-アリール、-COOH、-C(O)NH-アルキル、-CONH-アリール、-CONH-ヘテロアリール、-C(O)O-(C1-C8)アルキル、-C(O)O-アリール、-SO2NH-(C1-C8)アルキル、-SO2NH-アリール及び-SO2NH-ヘテロアリールから成る群より独立に選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい);
R8は、直鎖又は分岐(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、-(C1-C8)アルキル-(C3-C7)シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、-(C1-C8)アルキル-アリール、-(C1-C2)アルキル-ヘテロシクリル、ヘテロアリール及び-(C1-C8)アルキル-ヘテロアリールから独立に選択され(ここで、アリール及びヘテロアリール基は、任意に、直鎖又は分岐(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、-(C1-C8)アルキル-(C3-C7)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-OH,アルコキシ、ハロ、-CN、-CF3、-OCF3、-O-アリール、-SO2-(C1-C8)アルキル、-SO2-アリール、-NH2、-NHR10、-NR10R10'、-NH-CO-(C1-C8)アルキル、-NH-SO2-(C1-C8)アルキル、-C(O)OH、-C(O)NH-(C1-C8)アルキル、-CONH-アリール-CONH-ヘテロアリール、-NHCONH-(C1-C8)アルキル、-NHCONH-アリール、-SO2NH-(C1-C8)アルキル、-SO2NH-アリール及び-SO2NH-ヘテロアリールから選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい);
R9は、水素、直鎖又は分岐(C1-C8)アルキル又は-(C1-C8)アルキルアリールであり;
R8とR9が、それらが結合している窒素原子と一緒に5〜6員飽和環を形成してよい)
の新規化合物、
それらの医薬的に許容できる塩並びにそれらの異性体、立体異性体、配座異性体、互変異性体、多形、水和物、及び溶媒和物を提供する。
【0009】
別の実施形態では、本発明は、上記化合物に関連するが、一方ではその医薬的に許容できる塩を包含する。
別の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物の調製に有用な合成中間体及び該中間体の調製方法を包含する。
本発明の別の実施形態は、本明細書でスキームA、B、C、D及びEに記載通りの式(I)の化合物の調製方法である。
本発明の別の実施形態は、式(I)の化合物を、必要に応じて医薬的に許容できるアジュバント、希釈剤又は担体との混合物で含む医薬組成物である。
本発明の別の実施形態は、治療的に有効な量の式(I)の化合物を治療が必要な哺乳動物に投与することによって貧血を治療する方法である。
本発明の別の実施形態は、治療的に有効な量の式(I)の化合物を治療が必要な哺乳動物に投与することによって、高齢者の貧血又は慢性疾患、腎不全、癌、感染症、透析、手術、及び化学療法のような状態と関連する貧血を治療する方法である。
本発明の別の実施形態は、治療的に有効な量の式(I)の化合物を治療が必要な哺乳動物に投与することによって、腎虚血、心血管虚血、脳血管虚血、肝虚血又は末梢血管虚血に起因する組織損傷を予防又は治療する方法である。
本発明の別の実施形態は、治療的に有効な量の式(I)の化合物を治療が必要な哺乳動物に投与することによって、急性腎傷害、心筋梗塞、脳卒中、肝虚血-再灌流傷害及び末梢血管疾患などの虚血障害に起因する組織損傷を予防又は治療する方法である。
本発明の別の実施形態は、治療的に有効な量の式(I)の化合物を治療が必要な哺乳動物に投与することによって、肝臓又は腎臓などの臓器の移植手順の間に、虚血-再灌流傷害に起因する組織損傷を予防又は治療する方法である。
本発明の別の実施形態は、貧血の治療用薬物の調製のための式(I)の化合物の使用である。
本発明の別の実施形態は、高齢者の貧血又は慢性疾患、腎不全、癌、感染症、透析、手術及び化学療法のような状態と関連する貧血の治療用薬物の調製のための式(I)の化合物の使用である。
本発明の別の実施形態は、腎虚血、心血管虚血、脳血管虚血、肝虚血又は末梢血管虚血に起因する組織損傷の予防又は治療用薬物の調製のための式(I)の化合物の使用である。
本発明の別の実施形態は、急性腎傷害、心筋梗塞、脳卒中、肝虚血-再灌流傷害及び末梢血管疾患などの虚血障害に起因する組織損傷の予防又は治療用薬物の調製のための式(I)の化合物の使用である。
本発明の別の実施形態は、肝臓又は腎臓などの臓器の移植手順の間の虚血-再灌流傷害に起因する組織損傷の予防又は治療用薬物の調製のための式(I)の化合物の使用である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明の詳細な説明:
一実施形態では、本発明は、下記式(I)
【化2】

(I)
【0011】
(式中、R、R1、R2、R3、R3'、X、Y、Z、m、n及びPは前記定義通りである)
の新規化合物、それらの医薬的に許容できる塩並びにそれらの異性体、立体異性体、配座異性体s、互変異性体、多形、水和物及び溶媒和物を提供する。
上記式(I)内で特に興味のある具体的化合物群は、下記化合物及びその医薬的に許容できる塩から成る。
【0012】

【0013】
(表続き)

【0014】
(表続き)

【0015】
(表続き)

【0016】
(表続き)

【0017】
(表続き)

【0018】
(表続き)

【0019】
定義:
この明細書全体を通じて使用する用語には、特別の場合に他の制限がない限り、以下の定義を適用する。
本明細書で使用する用語「化合物」は、本明細書で開示する一般式によって包含されるいずれの化合物をも表す。本明細書に記載の化合物は、1つ以上の二重結合を含有し得るので、異性体、立体異性体、例えば幾何異性体、E及びZ異性体として存在することがあり、また不斉炭素原子(光学的中心)を有し得るので、エナンチオマー、ジアステレオマーとして存在することがある。従って、本明細書に記載の化学構造は、立体異性的に純粋な形(例えば、幾何学的に純粋)及び立体異性体混合物(ラセミ化合物)を含め、例示化合物の全ての可能な立体異性体を包含する。本明細書に記載の化合物は、例えばいす形又は舟形などの配座異性体として存在し得る。本化合物は、エノール形、ケト形及びその混合物を含めたいくつかの互変異性形で存在することもある。従って、本明細書に記載の化学構造は、例示化合物の全ての可能な互変異性形を包含する。記載される化合物は、1個以上の原子が普通に自然界に見られる原子質量とは異なる原子質量を有する、同位体で標識された化合物をも包含する。本発明の化合物に組み入れ得る同位体の例としては、限定するものではないが、2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O等が挙げられる。化合物は、非溶媒和形又は溶媒和形、例えば水和形で存在し得る。一般に、化合物は水和又は溶媒和し得る。特定化合物は、多結晶形又は非晶形で存在し得る。一般に、全ての物理的な形は、本明細書で考慮する使用にとって等価であり、本発明の範囲内であるものとする。
本発明を記述する文脈(特に以下の請求項の文脈)中の用語「1つ(“a”及び“an”)」及び「その“the”」並びに同様の指示対象は、本明細書で別に示すか又は文脈によって明白に矛盾しない限り、単複両方を包含するものと解釈すべきである。
さらに、化合物の部分構造を示してある場合、ダッシュ(“-”)は、分子の残部への該部分構造の結合点を示すものと解釈すべきである。
本明細書で示す本発明の化合物の命名法は、MDL & ACD/Labs Pro-version 12.0のISIS(登録商標)ドロー(バージョン2.2)に従う。
【0020】
「医薬的に許容できる塩」は、親化合物の所望の薬理活性を有する、化合物の塩を意味する。このような塩としては以下のもの:(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸などの無機酸と形成される酸付加塩;又は酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、シュウ酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、スベリン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、フタル酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルクロン酸、ガラクツノル酸(galactunoric acid)、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などの有機酸と形成される酸付加塩;或いは(2)親化合物に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、又はアンモニウムイオンと置き換わるか;或いはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルグルカミン等の有機塩基と配位結合すると形成される塩が挙げられる。アルギン酸などのアミノ酸の塩も含まれる(例えば、Berge, S.M., et al., “Pharmaceutical Salts”, Journal of Pharmaceutical Science, 1977, 66, 1-19参照)。
本明細書で使用する場合、用語「多形」は、同じ化学式、同じ塩型を有し、かつ同じ水和/溶媒和形を有するが、結晶学的特性が異なる化合物に関する。
本明細書で使用する場合、用語「水和物」は、化合物にいくつかの水分子が結合している化合物に関する。
本明細書で使用する場合、用語「溶媒和物」は、化合物にいくつかの溶媒分子が結合している化合物に関する。
【0021】
本発明は、プロドラッグ形の化合物をも包含する。本明細書に記載の化合物のプロドラッグは、生理的条件下(in vivo)で容易に化学変化を受けて本発明の化合物をもたらす当該化合物である。さらに、プロドラッグは、ex vivo環境における化学的又は生化学的方法、例えば、適切な酵素又は化学薬品を有する経皮パッチレザバーによって、本発明の化合物にプロドラッグを変換させることができる。場合によっては、プロドラッグの方が親薬物より投与しやすい。例えば、プロドラッグは生物学的に経口投与可能であるが、親薬物はそうでないことがある。プロドラッグが親薬物より医薬組成物における溶解性が良いこともある。本化合物のエステル、ぺプチジル誘導体などが本発明のプロドラッグの例である。例えば、カルボキシ基を含む本発明の化合物のin vivo加水分解性(又は切断可能)エステルは、医薬的に許容できるエステルであり、これはヒト又は動物の体内で加水分解して親酸を生成する。
用語「置換される」は、本明細書で使用する場合、該単置換及び多置換(同一サイトでの多置換を含め)が化学的に許容される限度において列挙された置換基による単置換及び多置換を包含し、また、指定された原子上のいずれの1個以上の水素も、指定された原子の普通の原子価を超えず、かつその置換が安定化合物をもたらすことを条件に、指示群から選ばれた基で置き換わることを意味し、例えば、置換基がケトの場合、その原子上の2個の水素が置き換わる。本明細書に記載の全ての置換基(R、R1、R2 …)及びそれらのさらなる置換基は、安定化合物の形成をもたらすいずれのヘテロ原子又は炭素原子でも主構造に結合し得る。
【0022】
本明細書で使用する場合、「ハロ」又は「ハロゲン」置換基は、クロロ、ブロモ、ヨード及びフルオロから選択される一価のハロゲン基である。
単独又は別の基と連結して使用する用語「アルキル」は、指定数の炭素原子を有し、置換されていないか又は置換されている飽和脂肪族炭化水素基を意味する。アルキルに関して下付き文字を使用する場合、下付き文字は、基が含有し得る炭素原子の数を表す。例えば、「C1-C6」は、構造中に1〜6個の炭素原子を含むいずれのアルキル基をも意味するものである。アルキルは直鎖、分岐鎖又は環状であってよい。前記アルキルは、本発明の範囲に入る化合物の調製を有意に妨げない位置で、任意に置換基で置換されていてもよい。前記アルキルは任意に、C1-3アルコキシ、アミノ、モノ(C1-3アルキル)アミノ、ジ(C1-3アルキル)アミノ、C1-3アルキル、及びヒドロキシから成る群より独立に選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよい。
用語「アルコキシ」は、酸素橋を介して親分子部分に結合している本明細書の前記定義通りのいずれのアルキル基をも表す。
用語「アリール」は、例えば6〜10員の単環式又は二環式の炭素含有環系である芳香族基を意味し、置換されていなくても置換されていてもよい。
用語「ヘテロアリール」は、例えば5〜14員の単環式又は二環式環系であって、少なくとも1個のヘテロ原子を有する芳香族基を意味し、置換されていなくても置換されていてもよい。ここで使用する用語「ヘテロ原子」には、酸素、イオウ及び窒素が含まれる。
用語「ヘテロヘテロシクリル」は、例えば3〜14員の単環式又は二環式環系であって、少なくとも1個のヘテロ原子を有する、完全又は部分的に飽和の環式基を意味し、置換されていなくても置換されていてもよい。ここで使用する用語「ヘテロ原子」には、酸素、イオウ及び窒素が含まれる。
【0023】
本明細書で使用する場合、「室温」は、25℃〜35℃の温度を表す。
本明細書で使用する場合、用語「哺乳動物」は、ヒト又は動物、例えばサル、霊長類、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ等を意味する。
本明細書で使用する場合、いずれの疾患又は障害の「治療する」又は「治療」という用語は、治療が必要な哺乳動物に化合物を投与することを意味する。本化合物を投与することによって、疾患若しくは障害の発生又はその兆候若しくは症状を完全若しくは部分的に予防又は遅延させるという点で予防効果をもたらすことができ;及び/又は本化合物を投与すると、疾患若しくは障害及び/又は該障害に起因し得る悪影響の部分的若しくは完全な治癒をもたらすことができる。
「治療的に有効な量」という表現は、疾患を治療するために患者に投与する場合に、その疾患の該治療を達成するのに十分な化合物の量を意味する。「治療的に有効な量」は、化合物、投与様式、疾患とその重症度及び治療すべき患者の年齢、体重などによって異なるであろう。
この明細書及び添付の特許請求の範囲全体を通じて、単語「含む(comprise)」及び「包含する(include)」並びに「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「包含する(includes)」、「包含している(including)」等の変形は、その文脈が別の意味を要していない限り、包括的に解釈すべきである。すなわち、これらの単語の使用は、具体的に列挙するのではなく、1つの要素又は複数の要素を含めることを暗示し得る。
【0024】
驚くべきことに、1個以上のヘテロ原子を含有する部分的に飽和した三環式化合物が良いin-vitro活性プロファイルを示すことが分かった。
別の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物の調製方法を提供する。
以下に反応スキームを与えて本発明の化合物の合成を開示する。
従って、下記スキームに示すように本発明の式(I)の化合物を調製することができる。 式(I)の化合物には、限定するものではないが、式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)及び(Ik)の化合物が含まれ;式(Ia)の化合物には、限定するものではないが、式(Ia-1)及び(Ia-2)の化合物があり;式(Ic)の化合物には、限定するものではないが、式(Ic-1)、(Ic-2)及び(Ic-3)の化合物があり;式(Id)の化合物には、限定するものではないが、式(Id-1)及び(Id-2)の化合物がある。
以下のスキームA、B、C、D及びEに示す方法によって、一般式(I)に属する式(Ia)〜(Ik)の化合物を調製することができる。
スキーム-A
【0025】
【化3】

【0026】
一般式(I)に属する化合物、例えば式(Ia)、(Ib)、(Ic)及び(Id)の化合物は、スキームAに示すように式(III)及び(IV)の化合物から合成し得る。ここで、R、R1、R2、R3、R3'、Z、m及びnは前記定義通りであり、Y及びR4はスキームAでに定義してある。
一般に、式(Ia)の化合物は、例えばトリエチルアミン等の三級アミンのような塩基の存在下かつテトラヒドロフラン、ジクロロメタン等の非プロトン溶媒中で適切なカップリング試薬、例えばカルボジイミド、CDI(1,1'-カルボニルジイミダゾール)又はPyBop(ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート)を用いて、式(III)の化合物を下記一般式
【0027】
【化4】

【0028】
(式中、n、R、R1、R2は、前記定義通りである)
を有する種々のアミノエステルと反応させることによって調製できる。
式(Ib)の化合物は、ジオキサン、テトラヒドロフラン又はジクロロメタン等の溶媒中、室温で2〜6時間、過酸又は過酸化水素などの適切な酸化試薬で式(Ia)の化合物を酸化することによって調製できる。式(Ib)の化合物は、水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリなどの塩基の存在下かつテトラヒドロフラン、水又はその混合物のような不活性溶媒中でのアルカリ加水分解によって、式(Ic)の化合物をもたらす。
式(III)の化合物は、式(II)の適切なアミンを、アルコール溶媒又はジメチルホルムアミド等の適切な溶媒中、80〜85℃で2〜24時間5-(ビス-エチルスルファニル-メチレン)-2,2-ジメチル-[1,3]ジオキサン-4,6-ジオンと加熱することによって調製できる。
式(Id)の化合物は、式(IV)の化合物を、下記一般式
【0029】
【化5】

【0030】
(式中、n、R、R1、R2は前記定義通りである)
を有する種々のアミノエステルと、適切な溶媒及び塩基、例えばピリジン中、100〜110℃で2〜6時間反応させることによって調製できる。
式(Ic)の化合物は、水酸化アルカリ、例えば水酸化ナトリウム等の塩基の存在下かつテトラヒドロフラン、水又はその混合物のような不活性溶媒中における式(Id)の化合物のアルカリ加水分解によっても調製できる。
式(IV)の化合物は、式(II)の適切なアミンをトリエチルメタントリカルビキシラートをキシレン、トルエン又はブロモベンゼン等の適切な溶媒中で高温にて反応させることによって調製できる。
式(II)の化合物、例えばチアゾール-2-アミン(ZがSである)又はオキサゾール-2-アミン(ZがOである)は、文献記載の方法によっていずれも合成され(US 2006/0252837、US4423048及びJ.Med.Chemistry, 2002, 45(23), 5090-5097)、或いは商業的に入手可能である。
スキーム-B
【0031】
【化6】

【0032】
式(I)に属するN-無置換及びN-置換誘導体、例えば式(Ie)、(Ia-2)及び(Ic-1)の化合物は、式(Ia-1)の化合物から、スキームBに示すように(ここで、R、R1、R2、R3、R3'、R4、R8、R9、m及びnは前記定義通りである)調製できる。
式(Ic-1)の化合物は、テトラヒドロフラン又はジクロロメタン等の溶媒中、室温で2〜6時間の式(Ia-2)の化合物の過酸又は過酸化水素による酸化後、水酸化ナトリウムのような水酸化アルカリ等の塩基の存在下かつテトラヒドロフラン、水又はその混合物のような不活性溶媒中で室温にて2〜6時間の塩基加水分解によって調製できる。
式(Ia-2)の化合物は、式(Ie)の化合物に種々のR4基を導入し、それを適切な試薬、例えば塩化スルホニル、塩化カルボニル、クロロホルマート、イソシアナート、カルバモイルクロリド、イソチオシアナート及びカルバモチオ酸クロリド等と、トリエチルアミン、ピリジン又はN-メチルモルフォリン等の有機塩基の存在下かつテトラヒドロフラン、ジクロロメタン又はその混合物のような不活性溶媒中で室温にて2〜8時間反応させることによって調製できる。
式(Ie)の化合物は、トリフルオロ酢酸のような酸性試薬を用いてテトラヒドロフラン又はジクロロメタン等の不活性溶媒中で室温にて2〜6時間の式(Ia-1)の化合物のBoc基の脱保護によって調製できる。
式(Ia-1)の化合物は、スキーム-Aに記載の式(III)の化合物から調製できる。
スキーム-C
【0033】
【化7】

【0034】
代替法では、式(I)に属する種々のN-無置換及びN-置換誘導体、例えば式(If)、(Id-2)及び(Ic-3)の化合物は、スキームCに示すように(ここで、R、R1、R2、R3、R3'、R4、m及びnは前記定義通りである)、式(Id-1)又は(Ic-2)の化合物から調製できる。
式(Ic-3)の化合物は、水酸化アルカリ、例えば水酸化ナトリウムなどの塩基の存在下かつテトラヒドロフラン、水又はその混合物のような不活性溶媒中で室温にて2〜6時間の式(Id-2)の化合物のアルカリ加水分解によって調製できる。
式(Id-2)の化合物は、トリエチルアミン、ピリジン又はN-メチルモルフォリンのような適切な塩基の存在下かつジクロロメタン又はテトラヒドロフラン等の溶媒中で室温にて5〜12時間R4-ハロ(式中、R4は-CH2-アリールである)と反応させることによって、式(If)の化合物の窒素に種々のR4基を導入することによって調製できる。
式(If)の化合物は、カルボジイミドの存在下におけるエタノールによる式(Ic-2)の化合物のエステル化後、テトラヒドロフラン又はジクロロメタンのような不活性溶媒中でトリフルオロ酢酸のような酸性試薬を用いてBoc基を除去することによって得られる。
代替法では、式(If)の化合物は、スキーム-Bに示したのと同様の条件を使用するBoc脱保護によって調製できる。
スキーム-D
【0035】
【化8】

【0036】
式(I)の種々の化合物、例えば式(Ig)、(Ih)、(Ii)及び(Ij)の化合物は、式(Ia)又は(Ib)の化合物から、スキームDに示すように(ここで、R、R1、R2、R3、R3'、R7、R7’、Y、z、m及びnは前記定義通りである)調製できる。
式(Ih)の化合物は、カルボジイミド、CDI又はPyBop等のカップリング試薬を用いて、式(Ig)の化合物を適切なアミンと反応させることによって調製できる。
式(Ij)の化合物は、水酸化ナトリウムのような水酸化アルカリ等の塩基の存在下かつテトラヒドロフラン、水又はその混合物のような不活性溶媒中での式(Ii)の化合物のアルカリ加水分解によって調製できる。
式(Ii)の化合物は、テトラヒドロフラン等の適切な溶媒中で室温にて式(Ib)の化合物をナトリウムエトキシド等のナトリウムアルコキシドと反応させることによって得られる。
式(Ig)の化合物は、式(Ia)の化合物のアルカリ加水分解によって調製できる。
スキーム-E
【0037】
【化9】

【0038】
式(I)の種々の化合物、例えば式(Ik)の化合物は、スキームE(ここで、R、R1、R2、R3、R3'、Y、z、m及びnは前記定義通りである)に示すように調製できる。式(Ik)(式中、Pは-NH2、-NHR7、-NR7R7'、NHOH及びNHOR7である)に属する化合物は、適切な条件、例えば適切な非プロトン溶媒中でカルボジイミド等のカップリング試薬を用いて、(Ic)を適切なアミンとカップリングさせることによって得られる。
さらに、式(I)(式中、PはNHSO2R7及びNHCOR7である)に属する化合物は、適切な試薬及び条件を用いた式(IV)又は(III)又は(Ic)の化合物のカップリングによって得られる。
【0039】
化合物の各開示群について一般的合成方法を与えてある。当業者には、種々の置換基を含む適宜変更した出発原料を代用することが分かるであろう。当業者は、通常の有機合成技術及びマイクロ波技術を用いて、購入するか又は先行技術の方法を利用して容易に調製し得る出発原料から、本発明の開示化合物を容易に合成するであろう。
本発明の化合物は、キラル中心を有することがあり、ラセミ化合物、ラセミ混合物として、また個々のジアステレオマー又はエナンチオマーとして存在することがあり、全ての異性形が本発明に包含される。従って、化合物がキラルの場合、実質的に他方を含まない個別エナンチオマーが本発明の範囲に包含され;さらにその2つのエナンチオマーの全ての混合物が包含される。
しかしながら、本発明の新規化合物は、本発明とみなされる属のみを形成するものと解釈すべきでなく、本化合物又はそれらの部分のいずれの組合せもそれ自体が属を形成し得る。
本明細書で上述したスキームの手順に従い、適切な原料を用いて本発明の新規化合物を調製した。さらに以下の具体的な実施例によって例証する。これらの実施例を、明記した本発明の範囲を限定するものとみなすか又は解釈すべきでない。
【実施例】
【0040】
実施例-1:[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸(化合物番号1)の調製
【0041】
【化10】

【0042】
工程-1:2-メチルスルファニル-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボン酸の合成
エタノール(60ml)中の4,5,6,7-テトラヒドロ-ベンゾチアゾール-2-イル-アミン(8gm,0.0519mol)及び5-(ビス-エチルスルファニル-メチレン)-2,2-ジメチル-[1,3]ジオキサン-4,6-ジオン(14.2gm,0.0572mol)の懸濁液を85〜90℃で10時間加熱した。反応混合物を室温に冷ましてろ過した。このようにして得た固体をエタノール(20ml)、次いでジエチルエーテル(50ml)で洗浄し、吸引乾燥させて7.2gmの表題化合物を固体として得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 13.55 (1H, s), 3.30-3.34 (2H, m), 2.68-2.72 (2H, m), 2.48(3H, s), 1.88-1.92 (4H, m) ESMS: 296.9(M++1)
【0043】
工程-2:[(2-メチルスルファニル-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸エチルエステルの合成
工程-1で得た酸性化合物(7.0gm,0.0236mol)のジクロロメタン(250ml)中の溶液に、トリエチルアミン(9.85ml,0.070mol)及びグリシンエチルエステル塩酸塩(4.93gm,0.0354mol)を室温で加えた。反応混合物に、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(6.81gm,0.0354mol)を10〜15℃で少しずつ加え、室温で14時間撹拌した。真空下で蒸留してジクロロメタンを除いた。残留物に水(200ml)を加えて15分間撹拌した。このようにして出現した固体をろ過し、水で洗浄した。それを酢酸エチル(20ml)とジエチルエーテル(30ml)の混合物中でさらにスリラーにしてろ過した。このようにして得た固体を吸引乾燥させて6.2gmの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.78 (1H,bs), 4.18-4.25 (4H, m), 3.31-3.36 (2H, m), 2.64-2.69(2H,m), 2.43(3H,s), 1.85-1.90 (4H,m),1.28(3H,t) ESMS: 382(M++1)
【0044】
工程-3:[(2-メタンスルホニル-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸エチルエステルの合成
工程-2で得たエステル化合物(6.0gm,0.0157mol)のジクロロメタン(60ml)中の冷却溶液に、ジクロロメタン(80ml)中のm-クロロ過安息香酸(50〜60%,8.13gm)の溶液を5〜10℃で加えて同温度で1時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンと水に分配した。集めた有機層を炭酸水素ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で蒸留して粗製残留物を得、これをカラムクロマトグラフィーで1%メタノール-ジクロロメタンを用いて精製した。収集留分をエバポレートして2.5gmの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.42 (1H, bs), 4.18-4.27 (4H, m), 3.36-3.37 (2H, m), 3.33 (3H,s), 2.72-2.76 (2H,m), 1.87-1.91 (4H,m),1.30 (3H,t) ESMS: 413.9 (M++1)
【0045】
工程-4:[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸の合成
工程-3で得たスルホン誘導体(2.5gm,0.006mol)のテトラヒドロフラン中の溶液に、水酸化ナトリウム(0.75gm,0.0187mol)の水(15ml)中の溶液を加えて室温で4時間撹拌した。真空下で蒸留してテトラヒドロフランを除き、残留溶液を1N塩酸で酸性にして30分間撹拌した。このようにして出現した固体をろ過し、酢酸エチル(25ml)で洗浄し、真空下で60℃にて8時間乾燥させて1.45gmの表題化合物を固体として得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6 ): δ 9.70(1H,t), 4.06 (2H,d), 3.15-3.21 (2H,m), 2.60-2.70(2H,m), 1.76-1.80(4H,m) ESMS: 322 (M+-1) IR (KBr, CM-1): 3267.9,1734.5,1679.9
【0046】
実施例-2:[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸(化合物番号10)の調製
【0047】
【化11】

【0048】
工程-1:2-メチルスルファニル-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボン酸の合成
実施例-1の工程-1について記載したのと同様の方法を利用して5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-シクロヘプタチアゾール-2-イル-アミンから表題化合物を調製した。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 3.56-3.59 (2H, m), 2.82-2.85 (2H, m), 2.42 (3H,s), 1.70-1.83 (6H,m) ESMS: 310.9 (M++1)
工程-2:[(2-メチルスルファニル-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸エチルエステルの合成
実施例-1の工程-2について記載したのと同様の方法を利用して表題化合物を調製した。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.78 (1H,bs), 4.19-4.25 (4H,m), 3.66-3.69 (2H,m), 2.72-2.75 (2H,m), 2.42 (3H, s), 1.73-1.89 (6H,m), 1.27 (3H,t) ESMS: 396 (M++1)
工程-3:[(2-メタンスルホニル-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸エチルエステルの合成
工程-2で得た化合物(3.0gm,0.0076mol)のジクロロメタン(60ml)中の溶液に、m-クロロ過安息香酸(50-60%,4.50gm)のジクロロメタン(60ml)中の溶液を5〜10℃で加えて同温度で3時間撹拌した。ジクロロメタン(100ml)を反応混合物に加え、ジクロロメタンと水に分配した。有機層を炭酸水素ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で蒸留して粗製残留物を得、これをジエチルエーテル(100ml)中で撹拌した。このようにして得た固体をろ過で集め、吸引乾燥させて2.5gmの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.36 (1H,bs), 4.19-4.27 (4H,m), 3.68-3.71 (2H,m), 3.33 (3H, s), 2.80-2.83 (2H,m), 1.78-1.91 (6H,m), 1.30 (3H,t) ESMS: 428(M++1)
工程-4:[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸の合成
実施例-1の工程-4について記載したのと同様の方法を利用して表題化合物を調製した。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ16.2 (1H, bs), 9.74 (1H, t), 4.06 (2H, d), 3.55-3.60 (2H, m), 2.75-2.80 (2H, m), 1.70-1.84 (6H, m) ESMS: 335.9(M+-1) IR (KBr, CM-1): 3268.2, 1739.6, 1674.6
【0049】
実施例-3:3-(カルボキシメチル-カルバモイル)-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,8-ジヒドロ-4H,6H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-7-カルボン酸エチルエステル(化合物番号2)
【0050】
【化12】

【0051】
工程-1:2-メチルスルファニル-4-オキソ-5,8-ジヒドロ-4H,6H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3,7-ジカルボン酸7-エチルエステルの合成
実施例-1の工程-1について記載したのと同様の方法を利用して2-アミノ-6,7-ジヒドロ-4H-チアゾロ[5,4-c]ピリジン-5-カルボン酸エチルエステルから表題化合物を調製した。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 13.52(1H, s), 4.60 (2H, bs), 4.09(2H, q), 3.69(2H, bs), 3.27(2H, bs), 2.43(3H, s), 1.22((3H, t) ESMS: 370.1 (M++1)
工程-2:3-(エトキシカルボニルメチル-カルバモイル)-2-メチルスルファニル-4-オキソ-5,8-ジヒドロ-4H,6H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-7-カルボン酸エチルエステルの合成
実施例-1の工程-2について記載したのと同様の方法を利用して表題化合物を調製した。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.50(1H,t), 4.58 (2H,bs), 4.03-4.15(6H, m), 3.67(2H,t), 3.24-3.34(2H, 部分的に水のシグナルと重なっている), 2.34(3H,s), 1.18-1.23 (6H,m) ESMS: 455.2 (M++1)
工程-3:3-(エトキシカルボニルメチル-カルバモイル)-2-メタンスルホニル-4-オキソ-5,8-ジヒドロ-4H,6H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-7-カルボン酸エチルエステルの合成
実施例-2の工程-3について記載したのと同様の方法を利用して表題化合物を調製した。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.59 (1H,t), 4.62-4.68(2H,m), 4.02-4.15(4H, m), 3.97 (2H,d), 3.65-3.70(2H,m), 3.34(2H, 水のシグナル下に隠れている), 3.23 (3H,s), 1.18-1.28 (6H,m) ESMS: 487.2 (M++1)
工程-4:3-(カルボキシメチル-カルバモイル)-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,8-ジヒドロ-4H,6H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-7-カルボン酸エチルエステルの合成
実施例-1の工程-4について記載したのと同様の方法を利用して表題化合物を調製した。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 16.24 (1H,s), 12.9 (1H,bs), 9.66(1H,t), 4.55(2H,bs), 4.07-4.11(4H,m), 3.67(2H,t) 3.23-3.35 (2H, 部分的に水のシグナルと重なっている), 1.21(3H,t) ESMS: 395 (M+-1) IR (KBr, CM-1): 3260.2 ,1741,1672.8
【0052】
実施例-4:{[2-ヒドロキシ-4-オキソ-7-(5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸(化合物番号18)の調製
【0053】
【化13】

【0054】
工程-1:(5-(5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-チアゾロ[5,4-c]ピリジン-2-イルアミン)の合成
1-(5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-イル)-ピペリジン-4-オン(9.9gm,0.0405mol)、ピロリジン(3.53ml,0.0445mol)及びp-トルエンスルホン酸(100mg)のシクロヘキサン(50ml)中の混合物を3時間還流させ、ディーン・スターク装置を用いて水を除去した。結果として生じた混合物を減圧下で濃縮し、残留物をメタノール(100ml)に溶かした。この溶液にイオウ粉末(1.05gm,0.0405mol)及びシアナミド(1.37gm,0.0405mol)を添加して室温で一晩撹拌した。結果として生じた固体をろ過で集め、メタノール(10ml)で洗浄して6.0gmの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.43 (1H,s), 7.82 (1H,dd), 7.04 (1H,d), 6.82(2H,s), 4.62 (2H,s), 3.96 (2H, t), 2.55 (2H,t) ESMS: 301(M++1)
工程-2:2-ヒドロキシ-4-オキソ-7-(5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボン酸エチルエステルの合成
5-(5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-チアゾロ[5,4-c]ピリジン-2-イルアミン(5.7gm,0.019mol)及びトリエチルメタントリカルボキシラート(16.1ml,0.076mol)のキシレン(100ml)中の混合物を140〜150℃で6時間加熱した。キシレンを蒸発させてからジエチルエーテルを添加し、懸濁液を15分間撹拌した。それをろ過し、エーテルで洗浄した。粗製固体をジクロロメタン(200ml)と温浸し、ろ過して不溶残渣を除去した。ジクロロメタン層を真空下で蒸留して1.3gmの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 13.96 (1H,s), 8.44 (1H,s), 7.72 (1H,dd), 6.79 (1H,d), 4.80 (2H,s), 4.47 (2H, q), 3.94 (2H,t), 3.53-3.56 (2H,m), 1.44 (3H,t) ESMS: 440.9 (M++1)
工程-3:{[2-ヒドロキシ-4-オキソ-7-(5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸エチルエステルの合成
工程-2(1.2gm,0.0272mol)で得た化合物とグリシンエチルエステル塩酸塩(0.42gm,0.0030mol)の混合物を乾燥ピリジン(10ml)中で100℃にて5時間加熱した。ピリジンを蒸発乾固させ、残留物をジエチルエーテル(50ml)中で撹拌した。このようにして得た固体をろ過で集めてエタノール(10ml)及びジエチルエーテル(10ml)で洗浄した。それを吸引乾燥させて260mgの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 15.99(1H,s), 9.74 (1H,t), 8.45 (1H,s), 7.72 (1H,dd), 6.79 (1H,d), 4.80 (2H,s), 4.18-4.26 (4H, m), 3.97(2H,t), 3.53 (2H,t), 1.30 (3H,t) ESMS: 498 (M++1)
工程-4:{[2-ヒドロキシ-4-オキソ-7-(5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸の合成
実施例-1の工程-4について記載したのと同様の方法を利用して表題化合物を調製した。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.67 (1H,t), 8.48 (1H,s), 7.91 (1H,dd), 7.14 (1H,d), 4.85 (2H,s), 4.07 (2H,d), 4.01(2H,t), 3.34 (2H, 水のシグナル下に隠れている) ESMS: 467.9 (M+-1) IR (KBr, CM-1): 3292.7,1725.7,1677.7
【0055】
実施例-5:{[7-(5-クロロ-チオフェン-2-スルホニル)-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸(化合物番号17)の調製
【0056】
【化14】

【0057】
工程-1:2-メチルスルファニル-4-オキソ-5,8-ジヒドロ-4H,6H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3,7-ジカルボン酸7-tert-ブチルエステルの合成
実施例-1の工程-1について記載したのと同様の方法を利用して、2-アミノ-6,7-ジヒドロ-4H-チアゾロ[5,4-c]ピリジン-5-カルボン酸tert-ブチルエステルから表題化合物を調製した。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 13.38 (1H,bs), 4.56 (2H,bs), 3.76(2H,t) 3.42(2H, bs), 2.49 (3H, s), 1.50 (9H,s) ESMS: 398.2 (M++1)
工程-2:3-(エトキシカルボニルメチル-カルバモイル)-2-メチルスルファニル-4-オキソ-5,8-ジヒドロ-4H,6H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-7-カルボン酸tert-ブチルエステルの合成
実施例-1の工程-2について記載したのと同様の方法を利用して表題化合物を調製した。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.71 (1H,t), 4.52 (2H,bs), 4.18-4.25 (4H,m), 3.72(2H,t) 3.37-3.44(2H, m), 2.43 (3H, s), 1.50 (9H,s), 1.27(3H,t) ESMS: 483.2 (M++1)
工程-3:[(2-メチルスルファニル-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸エチルエステルの合成
工程-2で得たN-Boc誘導体(19.0gm,0.0394mol)のジクロロメタン(60ml)中の溶液に、トリフルオロ酢酸(60ml)を0〜5℃で0.5時間かけて加え、室温で4時間撹拌した。真空下で蒸留して溶媒を除き、水(100ml)を加えた。それを炭酸水素ナトリウム溶液で塩基性にし、結果として生じた固体をろ過で集めた。固体をさらにジエチルエーテル(50ml)で洗浄し、真空下で60℃にて6時間乾燥させて11.0gmの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.74 (1H, bs), 4.18-4.25 (4H, m), 3.94 (2H,s), 3.34-3.37 (2H,m), 3.17 (2H,t), 2.43(3H,s), 1.28(3H,t) ESMS: 382.9 (M++1)
工程-4:{[7-(5-クロロ-チオフェン-2-スルホニル)-2-メチルスルファニル-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸エチルエステルの合成
工程-3で得たアミン誘導体(1.0gm,0.0026mol)とピリジン(0.31ml,.0039mol)のジクロロメタン中の混合物に、5-クロロ-チオフェン-2-スルホニルクロリド(0.62gm,0.00287mol)のジクロロメタン(5ml)中の溶液を0〜5℃で加えて室温で4時間撹拌した。反応混合物を水(50ml)中に注ぎ、ジクロロメタン(50ml×2)で抽出した。混ぜ合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で蒸留して固体を得、これを酢酸エチル(10ml)中でスラリーにした。それをろ過し、吸引乾燥させて980mgの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.42-9.48 (1H,m), 7.68(1H,d), 7.39(1H,d), 4.32-4.36 (2H, m), 4.02-4.13(4H,m), 3.38-3.51(4H,水のシグナル下に隠れている), 2.34-2.36 (3H,m), 1.15-1.22(3H,m) ESMS: 564.8 (M++1)
工程-5:{[7-(5-クロロ-チオフェン-2-スルホニル)-2-メタンスルホニル-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸 エチルエステル
工程-4で得た化合物(950mg,0.0017mol)のジクロロメタン(20ml)中の冷却溶液に、m-クロロ過安息香酸(50-60%,0.72gm)のジクロロメタン(30ml)中の溶液を5〜10℃で加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を水(100ml)に注いでジクロロメタン(50ml×2)で抽出した。有機層を炭酸水素ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で蒸留して粗製固体として800mgを得、これを精製せずに次工程で使用した。
工程-6:{[7-(5-クロロ-チオフェン-2-スルホニル)-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸の合成
工程5で得た化合物(0.8g,0.0013mol)のテトラヒドロフラン(20ml)中の混合物に、水酸化ナトリウム(160mg,0.004mol)の水(20ml)中の溶液を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。真空下で蒸留して溶媒を除き、残存塊を希塩酸で酸性にすると沈殿が生じ、これをろ過で集めてジエチルエーテル(40ml)で洗浄した。固体を真空下で乾燥させて220mgの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 16.28 (1H,s), 12.9(1H,bs), 9.64 (1H,t), 7.65 (1H,d), 7.39 (1H,d), 4.30-4.40 (2H,m), 4.08 (2H,d), 3.40-3.50(2H,m), 3.34 (2H, 水のシグナル下に隠れている) ESMS: 502.9(M+-1) IR (KBr, CM-1): 3304.8, 1714.3, 1682.3
【0058】
実施例-6:2-メチルスルファニル-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボン酸(2-オキソ-2-ピロリジン-1-イル-エチル)-アミド(化合物番号79)の調製
【0059】
【化15】

【0060】
工程-1:[(2-メチルスルファニル-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸の合成
[(2-メチルスルファニル-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸エチルエステル(実施例-2の工程-2)から出発して、実施例-1の工程-4について記載したのと同様の加水分解条件を利用して表題化合物を調製した。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.50(1H,t), 3.97(2H,d), 3.58-3.61(2H,m), 2.79-2.81 (2H,m), 2.32 (3H,s), 1.81-1.82 (2H,m), 1.70-1.71 (4H,m) ESMS: 368.1(M++1)
工程-2:2-メチルスルファニル-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボン酸(2-オキソ-2-ピロリジン-1-イル-エチル)-アミドの合成
工程-1で得た化合物(1.0gm,0.0027mole)のジクロロメタン(20ml)中の撹拌溶液に、トリエチルアミン(1.13ml,0.0082mole)及びピロリジン(0.29gm,0.0040mole)を加えた。反応混合物に、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(0.78gm,0.0040mole)を加えて室温で12時間撹拌した。有機層を1N塩酸(50ml)と炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。蒸留して有機溶媒を除いて固体を得、これをメタノール(20ml)中で撹拌し、ろ過し、吸引乾燥させて0.35gmの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 10.07 (1H,bs), 4.18(2H,d), 3.69-3.71(2H,m), 3.53 (2H,t), 3.42 (2H,t), 2.70-2.73 (2H,m), 2.41 (3H,s), 1.96-2.04 (2H,m), 1.75-1.90 (8H,m) ESMS: 421.1 (M++1) IR (KBr, CM-1): 3297.3,1650.9,1601.8
【0061】
実施例-7:[(2-エトキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸(化合物番号81)の調製
【0062】
【化16】

【0063】
工程-1:[(2-エトキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸エチルエステルの合成
実施例-2の工程-3で得た化合物(1.00gm,0.0023mole)とナトリウムエトキシド(0.318gm,0.0046mole)のエタノール(20ml)中の混合物を80℃で15分間、次いで室温で10時間撹拌した。反応混合物を1N HClに注ぎ、酢酸エチル(50ml×2)で抽出した。蒸留して酢酸エチルを除き、粗製残留物をヘキサン中20%の酢酸エチルを用いて精製した。留分を蒸留して150mgの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.20(1H,t), 4.49(2H,q), 4.18-4.24 (4H,m), 3.65-3.68 (2H,m), 2.70-2.73 (2H,m), 1.78-1.88 (6H,m), 1.43 (3H,t), 1.26(3H,t) ESMS: 394.1 (M++1)
工程-2:[(2-エトキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸の合成
実施例-1の工程-4についての記載と同様の加水分解条件を利用して表題化合物を調製した。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.50 (1H,bs), 8.61 (1H,t), 4.34(2H,q), 3.88 (2H,d), 3.59-3.61(2H,m), 2.76-2.79 (2H,m), 1.68-1.81 (6H,m), 1.27 (3H,t) ESMS: 364.3(M+-1) IR (KBr, CM-1): 3316.2,1711.9,1655.8
【0064】
実施例-8:2-ヒドロキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボン酸シクロヘキシルカルバモイルメチル-アミド(化合物番号98)の調製
【0065】
【化17】

【0066】
[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸(0.70gm,0.0020mole)のジクロロメタン(20ml)中の撹拌懸濁液に、トリエチルアミン(0.85ml,0.0062mole)及びシクロヘキシルアミン(0.29ml,0.0025mole)を加えた。反応混合物に、ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.28gm,0.0020mole)及び1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(0.60gm,0.0031mole)を加えて室温で12時間撹拌した。蒸留してジクロロメタンを除き、残留物に1N塩酸(50ml)を加え、分離した固体をろ過で集めた。このようにして得た固体をメタノール(20ml)中で60℃にて0.5時間撹拌し、ろ過し、吸引乾燥させて0.60gmの表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 15.74 (1H,s), 9.94(1H,t), 5.86(1H, d), 4.05 (2H,d), 3.75-3.82 (1H,m), 3.63-3.65 (2H,m), 2.69-2.72 (2H,m), 1.78-1.93 (8H,m), 1.66-1.71 (2H,m), 1.58-1.61(2H,m), 1.34-1.37 (2H,m), 1.14-1.16 (2H,m). ESMS:417.2 (M+-1) IR (KBr, CM-1): 2929.3,1671.4,1653.4
上述した合成スキームを利用することによって類似したやり方で本発明の以下の代表化合物を調製した。
【0067】
表-1:

【0068】
(表-1:続き)

【0069】
(表-1:続き)

【0070】
(表-1:続き)

【0071】
(表-1:続き)

【0072】
(表-1:続き)

【0073】
(表-1:続き)

【0074】
(表-1:続き)

【0075】
(表-1:続き)

【0076】
(表-1:続き)

【0077】
(併用療法)
本発明の化合物を、式(I)の化合物が有用な疾患又は状態の治療/予防/抑制/又は寛解に用いられる他の薬物と併用投与してよい。このような他の薬物を式(I)の化合物と同時又は逐次投与してよい。式(I)の化合物を1種以上の薬物と同時に使用する場合、式(I)の化合物に加えて該他の薬物を含む医薬組成物が好ましい。従って、本発明の医薬組成物には、式(I)の化合物に加えて、1種以上の他の活性成分をも含有する当該医薬組成物が含まれる。
【0078】
(医薬組成物)
本発明の別の実施形態では、治療的に有効な量の式(I)の1種以上の化合物を含む医薬組成物を提供する。治療的に有効な量の式(I)の化合物を個々に又は組み合わせて、いずれの処方もなく直接投与することもできるが、医薬的に許容できる賦形剤と、少なくとも1種の活性成分とを含む医薬剤形の形態で本化合物を投与するのが一般的な方法である。経口、局所、経皮、皮下、筋肉内、静脈内、腹腔内、鼻腔内、肺などを含めた種々の経路でこれらの剤形を投与し得る。
経口組成物は、固体又は液体剤形の形態であってよい。固体剤形はペレット、パウチ、サシェ(sachet)又は錠剤などの個別単位、多重粒子(multi-particulate)単位、カプセル剤(軟ゼラチン及び硬ゼラチン)等を含み得る。液体剤形は、エリキシル剤、懸濁液、溶液、シロップ等の形態であってよい。経口使用を意図した組成物は、組成物製造の技術上周知のいずれの方法によっても調製可能であり、該医薬組成物は、活性成分に加えて、希釈剤、崩壊剤、結合剤、可溶化剤、潤沢剤、流動促進剤、界面活性剤、懸濁剤、乳化剤、キレート化剤、安定剤、香料、甘味料、着色料などの賦形剤を含有し得る。適切な賦形剤のいくつかの例として、ラクトース、セルロースとその誘導体、例えば微結晶性セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びエチルセルロース、リン酸二カルシウム、マンニトール、デンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、種々のガム(アカシア、トラガカント、キサンタン等)、アルギナートとその誘導体、ソルビトール、ブドウ糖、キシリトール、ステアリン酸マグネシウム、タルク、コロイド二酸化ケイ素、鉱油、モノステアリン酸グリセリル、ベヘン酸グリセリル、デンプングルコール酸ナトリウム、クロスポビドン、架橋カルボキシメチルセルロース、種々の乳化剤、例えばポリエチレングリコール、ソルビトール、脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、糖エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピルブロックコポリマー、ポリエトキシル化脂肪酸モノエステル、ジエステル及びその混合物が挙げられる。
【0079】
注射用の無菌組成物は、活性物質を注射用水、N-メチル-2-ピロリドン、プロピレングリコール及び他のグリコール、アルコール、天然に存在する植物油、例えばゴマ油、ヤシ油、ピーナッツ油、綿実油又は合成脂肪ビヒクル、例えばオレイン酸エチル等のビヒクルに溶解又は懸濁させることによって、通常の薬務に従って処方できる。必要に応じて緩衝剤、抗酸化剤、保存剤、錯化剤(例えばセルロース誘導体)、ペプチド、ポリペプチド及びシクロデキストリン等を組み入れることができる。
剤形は、即時放出剤形に加えて、活性成分の緩徐、遅延又は制御放出を有し得る。
治療効果を果たすために必要な活性成分の量は、当然、個々の化合物、投与経路、治療対象、及び治療すべき個々の障害又は疾患によって異なるであろう。本発明の化合物は、1日0.001〜1500mg/kg、好ましくは1日0.01〜1500mg/kg、さらに好ましくは1日0.1〜1500mg/kg、最も好ましくは1日0.1〜500mg/kgの用量で経口又は非経口投与し得る。成人の用量範囲は一般的に1日5mg〜35g、好ましくは1日5mg〜2gである。
個別単位で提供される提示剤形は、通常は、該薬用量で有効であるか又は複数の同一物(例えば5mg〜500mg含有する単位)としての量の本発明の化合物を含有し得る。
医薬組成物の例:
【0080】

【0081】
正確に秤量した化合物番号10をリン酸緩衝食塩水(pH 7.4)に無菌環境下で溶解させた。0.22ミクロンフィルターを通して溶液をろ過し、予め滅菌したガラスバイアルに詰めた。プロセス中、溶液を窒素でパージした。これらのバイアルをさらにオートクレーブによって最終滅菌した。
【0082】
生物学的試験:
in vitroエリスロポエチン誘導:
Hep3B細胞系(ATCC HB8064)を利用した。指示用量の化合物について16時間持続してエリスロポエチンの誘導を行った。16時間の終わりに、細胞培養基を収集し、遠心分離していずれのデブリをも除去した。得られた上清をELISA(R&D systems, USA)でエリスロポエチンについて解析した。結果をビヒクルコントロールと比較した誘導倍率(fold induction)として表した。
【0083】
表-2:

【0084】
(表-2:続き)

+は<2倍を示し;++は2〜4倍を示し;+++は5〜8倍を示し;++++は9〜16倍を示し;+++++は>16倍を示す(ビヒクルコントロールに対してそれぞれエリスロポエチンの誘導倍率)。
【0085】
上記データは、本発明の化合物が細胞内におけるエリスロポエチンの発現を有意に高めることを示している。
アドレノメデュリンのin vitro誘導:
Hep3B細胞系(ATCC HB8064)を利用した。指示用量の化合物について6時間持続してアドレノメデュリンの誘導を行った。6時間の終わりに、細胞を溶解させて全RNAを分離した。アドレノメデュリンmRNAの発現を18S rRNAの発現と共にリアルタイムPCRでモニターした。アドレノメデュリンmRNA発現を18S rRNAの発現に対して正規化した。結果をビヒクル処置コントロールに対してアドレノメデュリンmRNAの誘導倍率として表した。
【0086】
表-3:

+は<2倍を示し;++は2〜4倍を示し;+++は5〜8倍を示し;++++は>8倍を示す
(ビヒクルコントロールに対してそれぞれアドレノメデュリンmRNAの誘導倍率)。
上記データは、本発明の化合物が細胞内におけるアドレノメデュリンの発現を有意に高めることを示している。
【0087】
血管内皮増殖因子(VEGF)のin vitro誘導:
Hep3B細胞系(ATCC HB8064)を利用した。VEGFの誘導を指示量の化合物について16時間時速して行った。16時間の終わりに、細胞培養基を収集し、遠心分離していずれのデブリをも除去した。得られた上清をVEGFについてELISA(R&D systems, USA)で解析した。結果をビヒクルコントロールと比較した誘導倍率として表した。
【0088】
表-4:

+は<2倍を示し;++は2〜4倍を示す(ビヒクルコントロールに対するVEGFの誘導倍率)。
上記データは、本発明の化合物が細胞内におけるVEGFの発現を有意に高めることを示している。
【0089】
慢性腎疾患(CKD)に関連する貧血に及ぼす本発明の化合物の効果:
CKDに関連する貧血を矯正するための試験化合物の効力を貧血-5/6腎摘出(5/6 NX)ラットの動物モデルで研究した15,16,17。貧血及び腎機能障害パラメーターに基づいて動物をランダム化し、2つの群に分けた。1群は化合物-10(20mg/kg;1日2回腹腔内)を7日間受け、一方コントロール群はそれぞれビヒクルを受けた。薬物投与開始後3日目と7日目に採血を行って貧血矯正の初期マーカーをチェックした。
結果:
試験化合物による治療は、ビヒクルコントロールにおける循環EPOの検出不能レベル(<45pg/ml)と比較して循環EPOレベルの有意な増加(115〜3900pg/mlの範囲)をもたらした。試験化合物治療群では、コントロール群に比べて網状赤血球産生指数が3日目及び7日目でそれぞれ3及び5.6倍上昇した。同様に、コントロールに比べて治療の7日目にヘモグロビン含量、血球容量パーセント及び赤血球数がそれぞれ30%、25%及び24%増加した。
【0090】
腎臓への虚血-再灌流傷害に及ぼす本発明の化合物の効果:
ラットの腎虚血及び再灌流誘導急性腎傷害モデルで腎機能を改善するための試験化合物の効力を評価した。2つの異なる治療プロトコルを利用して本化合物の有利な効果を評価した。一方のプロトコルでは、試験化合物による治療を虚血の発生前に行い(前治療)、他方のプロトコルは、虚血の発生後に開始した試験化合物による治療を含んだ(後治療)。
虚血前処置プロトコル:ラットをランダム化し、2群、化合物治療群とビヒクルコントロール群に分けた。両側腎虚血の開始前に、化合物治療群の動物は化合物番号10の複数回投与を受け(すなわち前治療)、コントロール群は同様に腹腔内経路でビヒクルを受けた。
虚血後処置プロトコル:ラットをランダム化し、2群、化合物治療群とビヒクルコントロール群に分けた。両側腎虚血の開始後に、化合物治療群の動物は化合物番号10の複数回投与を受け(すなわち後治療)、コントロール群は同様に腹腔内経路でビヒクルを受けた。
ラットにおける腎臓虚血及び再灌流の誘導:全ての動物にペントバルビタールナトリウム(50mg/kg(体重))で麻酔をかけた。手術及び虚血中は恒温ブランケットを用いて37℃の一定体温を維持した。腹側で正中切開を行って腎臓にアクセスし、両腎茎を分離し、マイクロクリップを用いて35分間閉塞し、それを腎臓の色変化によって検証した。35分の虚血時間後、マイクロクリップを除去して再灌流を開始した。腹部を閉じ、皮膚及び筋肉を縫合し、動物を回復させた。いくつかの所定時点で舌下静脈穿刺によって300μlの血液サンプルを取った。
結果:
試験した両プロトコル、すなわち虚血前処置及び虚血後処置において、虚血後のいくつかの時点で血清クレアチニン及びBUN(血中尿素窒素)を測定することによって、腎機能の改善を評価した。虚血開始24時間後のコントロール群からの減少%として結果を以下に表した。
虚血前処置:
【0091】
表-5:

【0092】
虚血後処置:
表-6:

【0093】
参考文献:
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17. Shapiro JI, et al (1990) Am J Physiol; 258; 183-188

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)の化合物、それらの医薬的に許容できる塩、それらの異性体、立体異性体、配座異性体、互変異性体、多形、水和物、又は溶媒和物。
【化1】

(I)
(式中、
YがNR4、O、S又はSO2の場合、mは1〜2であり、YがC(R5)(R6)の場合、mは1〜4であり;
Nは、1〜6であり;
Pは、-OH、-OR7、-NH2、-NHR7、-NR7R7'、-NHSO2R7、-NHCOR7、-NHOH又は-NHOR7であり;
Xは、-OH、-OR7、-SR7、-SOR7、-SO2R7、-NHR7又は-NR7R7'であり;
Zは、S又はOであり;
Rは、水素、直鎖又は分岐(C1-C8)アルキル、-(C1-C8)アルキルアリール又は-(C1-C8)アルキルヘテロアリールであり;
R1及びR2は、水素、直鎖又は分岐-(C1-C8)アルキル、-(C3-C7)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、-CH2-アリール及び-CH2-ヘテロアリールから独立に選択され、或いは
R1とR2が結合して3〜6員単環式又は9〜12員二環式環を形成してよく;
Rが、隣接炭素原子のR1又はR2と一緒に3〜6員単環式又は8〜11員二環式ヘテロアリール又はヘテロ環式ヘテロシクリル環を形成してよく;
R3及びR3'は存在ごとに、水素、直鎖又は分岐(C1-C8)アルキル、(C1-C5)アルコキシ及びハロから独立に選択され;
R3とR3'が、ジェムジハロ、ジェムジアルキル又はスピロシクロアルキル配置で存在してもよく;
R4は、水素、直鎖又は分岐(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、-(C1-C8)アルキル-アリール、-(C1-C8)アルキル-ヘテロアリール、-(C1-C2)アルキル-ヘテロシクリル、-C(O)R8、-C(O)OR8、-C(O)NR8R9、-C(S)NR8R9及び-SO2R8から成る群より選択され(ここで、アリール及びヘテロアリール基は、任意に、-(C1-C8)アルキル、-(C3-C7)シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-OH、-アルコキシ、ハロ、CN、-CF3、-OCF3、-O-アリール、-SO2-(C1-C8)-アルキル、-SO2-アリール、-NH2、-NHR10、-NR10R10'、-NH-CO-(C1-C8)アルキル、-NH-SO2-(C1-C8)アルキル、-NH-SO2-アリール、-COOH、-C(O)NH-アルキル、-CONH-アリール、-CONH-ヘテロアリール、-C(O)O-(C1-C8)アルキル、-C(O)O-アリール、-SO2NH-(C1-C8)アルキル、-SO2NH-アリール及び-SO2NH-ヘテロアリールから成る群より選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい);
R5及びR6は、水素、直鎖又は分岐(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、フルオロ、-COOH、-CONH-(C1-C8)アルキル、-NHCO-(C1-C8)アルキル、-NHCO-アリール、-NHCO-ヘテロアリール、-NH-SO2(C1-C8)アルキル、-NH-SO2-アリール及び-NH-SO2-ヘテロアリールから成る群より独立に選択され;
R5とR6が結合して3〜6員炭素環式、ヘテロアリール又はヘテロシクリル環を形成してよく;
R7、R7'、R10及びR10'は、直鎖又は分岐(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル及び-(C1-C8)アルキルアリールから独立に選択され;
R7とR7'又はR10とR10'が、それらが結合している窒素原子と一緒に5〜6員単環式又は8〜14員二環式飽和及び部分飽和環を形成してよく(該環は、N、S及びOから選択される1〜3個のヘテロ原子を含み、飽和及び部分飽和環は、任意に、-(C1-C8)アルキル、-(C3-C7) シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-OH、-アルコキシ、ハロ、-CN、-CF3、-OCF3、-O-アリール、-SO2-(C1-C8)-アルキル、-SO2-アリール、-NH2、-NHR10、-NR10R10'、-NH-CO-(C1-C8)アルキル、-NH-SO2-(C1-C8)アルキル、-NH-SO2-アリール、-COOH、-C(O)NH-アルキル、-CONH-アリール、-CONH-ヘテロアリール、-C(O)O-(C1-C8)アルキル、-C(O)O-アリール、-SO2NH-(C1-C8)アルキル、-SO2NH-アリール及び-SO2NH-ヘテロアリールから成る群より独立に選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい);
R8は、直鎖又は分岐(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、-(C1-C8)アルキル-(C3-C7)シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、-(C1-C8)アルキル-アリール、-(C1-C2)アルキル-ヘテロシクリル、ヘテロアリール及び-(C1-C8)アルキル-ヘテロアリールから独立に選択され(ここで、アリール及びヘテロアリール基は、任意に、直鎖又は分岐(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、-(C1-C8)アルキル-(C3-C7)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、-OH,アルコキシ、ハロ、-CN、-CF3、-OCF3、-O-アリール、-SO2-(C1-C8)アルキル、-SO2-アリール、-NH2、-NHR10、-NR10R10'、-NH-CO-(C1-C8)アルキル、-NH-SO2-(C1-C8)アルキル、-C(O)OH、-C(O)NH-(C1-C8)アルキル、-CONH-アリール-CONH-ヘテロアリール、-NHCONH-(C1-C8)アルキル、-NHCONH-アリール、-SO2NH-(C1-C8)アルキル、-SO2NH-アリール及び-SO2NH-ヘテロアリールから選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい);
R9は、水素、直鎖又は分岐(C1-C8)アルキル又は-(C1-C8)アルキルアリールであり;
R8とR9が、それらが結合している窒素原子と一緒に5〜6員飽和環を形成してよい)。
【請求項2】
下記化合物:
[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸;
3-(カルボキシメチル-カルバモイル)-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,8-ジヒドロ-4H,6H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-7-カルボン酸エチルエステル;
[(2-ヒドロキシ-7-メタンスルホニル-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸;
{[2-ヒドロキシ-7-(3-メチル-ブチリル)-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
{[2-ヒドロキシ-4-オキソ-7-(プロパン-2-スルホニル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
1-[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-シクロペンタンカルボン酸;
{[2-ヒドロキシ-4-オキソ-7-(トルエン-4-スルホニル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-7-フェニルカルバモイル-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸;
[(7-シクロプロパンカルボニル-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸;
[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸;
[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-7,8-ジヒドロ-4H,6H-シクロペンタ[4,5]チアゾロ[3,2-a]ピリミジン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸;
[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、ナトリウム塩;
[(7-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸;
3-[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-7,8-ジヒドロ-4H,6H-シクロペンタ[4,5]チアゾロ[3,2-a]ピリミジン-3-カルボニル)-アミノ]-プロピオン酸;
3-[(7-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-プロピオン酸;
{[7-(4-フルオロ-ベンゾイル)-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
{[7-(5-クロロ-チオフェン-2-スルホニル)-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
{[2-ヒドロキシ-4-オキソ-7-(5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
{[2-ヒドロキシ-4-オキソ-7-(4-トリフルオロメトキシ-ベンゼンスルホニル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
{[7-(2,2-ジメチル-プロピオニル)-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
{[7-(4-ブチル-ベンゾイル)-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
{[2-ヒドロキシ-4-オキソ-7-(4-トリフルオロメトキシ-ベンゾイル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
{[7-(4-クロロ-ベンジル)-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
{[7-(4-フルオロ-フェニルチオカルバモイル)-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
[(2-ヒドロキシ-7-イソプロピルチオカルバモイル-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸;
3-(カルボキシメチル-カルバモイル)-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,8-ジヒドロ-4H,6H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-7-カルボン酸ベンジルエステル;
{[7-(2-シクロプロピル-アセチル)-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
({7-[2-(4-クロロ-フェニル)-アセチル]-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル}-アミノ)-酢酸;
{[7-(2-シクロペンチル-アセチル)-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
3-[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-プロピオン酸;
{[2-ヒドロキシ-7-(4-メトキシ-ベンジル)-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
2-[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-プロピオン酸;
{[7-(6-クロロ-ピリジン-3-カルボニル)-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
[(2-ヒドロキシ-7,7-ジメチル-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸;
{[7-(6-クロロ-ピリダジン-3-イル)-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
{[7-(3-シアノ-ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
{[7-(3-クロロ-4-メトキシ-ベンゾイル)-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-4H-11-チア-1,4a-ジアザ-シクロオクタ[a]インデン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸;
[(2-ヒドロキシ-7-インダン-5-イルメチル-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸;
2-[(2-ヒドロキシ-7,7-ジメチル-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-プロピオン酸;
{[7-(3,5-ジメトキシ-ベンゾイル)-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
{[2-ヒドロキシ-7-(4-メタンスルホニル-ベンゾイル)-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
2-[(2-ヒドロキシ-7,7-ジメチル-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-3-メチル-酪酸(L-異性体);
2-[(2-ヒドロキシ-7,7-ジメチル-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-プロピオン酸(D-異性体);
{[7-(3,5-ジクロロ-4-メトキシ-ベンゾイル)-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
{[7-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
{[2-ヒドロキシ-4-オキソ-7-(4-プロピル-ベンゾイル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
{[7-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンゾイル)-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
{[7-(3,4-ジクロロ-ベンジル)-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、塩酸塩;
{[2-ヒドロキシ-7-(7-メトキシ-6-メチル-インダン-4-イルメチル)-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
{[2-ヒドロキシ-4-オキソ-7-(4-トリフルオロメチル-ベンジル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
[(7,7-ジエチル-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸;
2-[(2-ヒドロキシ-7,7-ジメチル-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-2-メチル-プロピオン酸;
[(2-ヒドロキシ-7,7-ジメチル-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-フェニル-酢酸、L-異性体;
[(7-ベンゾイルアミノ-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸;
[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-オキサ-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸;
[(2-ヒドロキシ-7-メチル-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸;
[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-7-プロピル-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸;
[(2-ヒドロキシ-6,6-ジメチル-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸;
[(2-ヒドロキシ-7,7-ジメチル-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-メチル-アミノ]-酢酸;
1-[(2-ヒドロキシ-7,7-ジメチル-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-シクロヘキサンカルボン酸;
1-(7,7-ジメチル-2-メチルスルファニル-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-ピペリジン-4-カルボン酸;
[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-7-フェニル-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸;
[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,8-ジヒドロ-4H,6H-7-オキサ-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸;
[(2-ヒドロキシ-5,7,7-トリメチル-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸;
[(2-ヒドロキシ-4,7,7-トリオキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-7λ*6*,9-ジチア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸;
[(2-メチルスルファニル-4-オキソ-5,8-ジヒドロ-4H,6H-7,9-ジチア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸;
[(5-エトキシ-2-メチルスルファニル-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸エチルエステル;
N-[(2'-ヒドロキシ-4'-オキソ-6',9'-ジヒドロ-4'H,7'H-スピロ[シクロプロパン-1,8'-ピリミド[2,1-b][1,3]ベンゾチアゾール]-3'-イル)カルボニル]グリシン;
[(7-イソプロピル-2-メチルスルファニル-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸;
3-(カルボキシメチル-カルバモイル)-2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-7-カルボン酸;
{[7-(3,5-ジメチル-ピラゾール-1-イル)-2-メチルスルファニル-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸;
2-[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-3-メチル-ペンタン酸(L-異性体);
3-(1H-インドール-2-イル)-2-[(2-メチルスルファニル-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-プロピオン酸 (L-異性体);
3-(3H-イミダゾール-4-イル)-2-[(2-メチルスルファニル-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-プロピオン酸(L-異性体);
3-(4-ヒドロキシ-フェニル)-2-[(2-メチルスルファニル-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-プロピオン酸 (L-異性体);
[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-7-ピリジン-4-イルメチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a,7-トリアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸;
2-メチルスルファニル-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボン酸(2-オキソ-2-ピロリジン-1-イル-エチル)-アミド;
[(2-ヒドロキシ-7,7-ジメチル-4-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-4H-9-チア-1,4a-ジアザ-フルオレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、二ナトリウム塩;
[(2-エトキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸;
[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、二ナトリウム塩;
[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、アルギニン塩(2:1);
[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、リジン塩;
[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、ニカリウム塩;
[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、カルシウム塩(2:1);
[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、マグネシウム塩(2:1);
[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、アンモニウム塩;
[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、ジエチルアミン塩;
[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、コリン塩;
[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、トロメタミン塩;
[(2-ヒドロキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸、ヒスチジン塩;
2-メチルスルファニル-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボン酸カルバモイルメチル-アミド;
2-メチルスルファニル-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボン酸ヒドロキシカルバモイルメチル-アミド;
[(4-クロロ-ベンジル)-(2-メチルスルファニル-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸;
4-[シクロペンチル-(2-メチルスルファニル-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-酪酸;
2-ヒドロキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボン酸(2-オキソ-2-ピロリジン-1-イル-エチル)-アミド;
2-ヒドロキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボン酸シクロヘキシルカルバモイルメチル-アミド;
2-ヒドロキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボン酸(ベンジルカルバモイル-メチル)-アミド;
4-[シクロペンチル-(2-ヒドロキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-酪酸;
[ベンジル-(2-ヒドロキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H,5H-10-チア-1,4a-ジアザ-ベンゾ[a]アズレン-3-カルボニル)-アミノ]-酢酸
及びその医薬的に許容できる塩
から成る群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
治療的に有効な量の請求項1に記載の1種以上の化合物を、医薬的に許容できるアジュバント、希釈剤又は担体と共に含む、医薬組成物。
【請求項4】
ヒトを含めた哺乳動物の貧血を治療する方法であって、治療的に有効な量の請求項1に記載の化合物を投与する工程を含む方法。
【請求項5】
哺乳動物における高齢者の貧血又は慢性疾患、腎不全、癌、感染症、透析、手術、及び化学療法のような状態と関連する貧血を治療する方法であって、治療的に有効な量の請求項1に記載の化合物を投与する工程を含む方法。
【請求項6】
ヒトを含めた哺乳動物における腎虚血、心血管虚血、脳血管虚血、肝虚血又は末梢血管虚血に起因する組織損傷の予防又は治療方法であって、治療的に有効な量の請求項1に記載の化合物を投与する工程を含む方法。
【請求項7】
ヒトを含めた哺乳動物における急性腎傷害、心筋梗塞、脳卒中、肝虚血-再灌流傷害及び末梢血管疾患などの虚血障害に起因する組織損傷の予防又は治療方法であって、治療的に有効な量の請求項1に記載の化合物を投与する工程を含む方法。
【請求項8】
貧血の治療用薬物の調製のための請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項9】
高齢者の貧血又は慢性疾患、腎不全、癌、感染症、透析、手術及び化学療法のような状態と関連する貧血の治療用薬物の調製のための請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項10】
腎虚血、心血管虚血、脳血管虚血、肝虚血又は末梢血管虚血に起因する組織損傷の予防又は治療用薬物の調製のための請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項11】
急性腎傷害、心筋梗塞、脳卒中、肝虚血-再灌流傷害及び末梢血管疾患などの虚血障害に起因する組織損傷の予防又は治療用薬物の調製のための請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項12】
明細書に付随する実施例に関連してここに記載した通りの式(I)の化合物、その調製方法及び医薬組成物。

【公表番号】特表2013−507435(P2013−507435A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533740(P2012−533740)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【国際出願番号】PCT/IN2010/000579
【国際公開番号】WO2011/045811
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(507032007)トレント・ファーマシューティカルズ・リミテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】TORRENT PHARMACEUTICALS LIMITED
【Fターム(参考)】