説明

繊維シート及びこれを用いた吸収性物品

【課題】吸収性物品には液等の吸収速度及び保持量における一層の改良が求められており、できればそれをより小さく薄い吸収体で達成したい。それによりこの種の物品に求められる十分な吸収保持性を実現しつつ、携帯性を向上させ、また素材の量を減らして省資源にも資する。吸収性物品に配置される繊維シートが薄く、低坪量であっても、液等の拡散性及び液透過性に優れ、吸収性物品等に好適に適用できる十分な紙力強度を有する繊維シートを提供する。
【解決手段】繊維状物とエーテル化度0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロースと湿潤紙力増強剤とを含有する繊維シート33。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は繊維シート及びこれを用いた吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維シートは、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品の構成部材としてしばしば用いられる。例えば、吸収性物品内部の吸収性コアを包み形状を安定化するために用いたり、吸収性コアと他の部材と間に介在させて液保持性を良化するために用いたりする。最近ではさらに機能的なものも提案されており、特許文献1には、消臭抗菌機能のある鉱物を繊維材料に付着させたシートで吸収性コアを被覆したものが示されている。これにより排泄物に起因する臭いの発生や雑菌の発生を効果的に防止することができる。特許文献2では、繊維シートの製造上の工夫が提案されている。この製造方法によれば、中間スラリーを希釈する段階で湿潤紙力剤及びアニオン系高分子化合物を添加することによって、繊維状物に定着した粉体が脱落しにくくなるとされる。それにより様々な機能を有する粉体の繊維状物への定着率を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−232654号公報
【特許文献2】特開2009−155743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、吸収性物品には液等の吸収速度及び保持量における一層の改良が求められている。できればそれをより小さく薄い吸収体で達成したい。それによりこの種の物品に求められる十分な吸収保持性を実現しつつ、携帯性を向上させ、また素材の量を減らして省資源にも資する。本発明者らは、吸収体に対して排泄液を素早く広く拡散させ、従来利用されにくかった吸収体の隅の方も活用して均一に吸収保持することに着目した。それができれば、厚みを抑えた吸収体であっても高吸収量が望める。
本発明は、上記の点に鑑み、液等の拡散性及び液透過性に優れ、吸収性物品等への使用に好適に対応できる十分な強度を有する繊維シートの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、繊維状物とエーテル化度0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロースと湿潤紙力増強剤とを含有する繊維シートを提供するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の繊維シートは、液等の拡散性及び液透過性に優れ、吸収性物品等への使用に好適に対応できる十分な強度を有するという作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の繊維シートを吸収性物品に適用した一実施形態を模式的に示す一部切欠斜視図である。
【図2】図1に示す吸収性物品のII−II線断面の拡大断面図である。
【図3】スラリー組成物調製において想定される各成分の分散・希釈した状態を模式化して示した説明図である。
【図4】図3に示す各成分がアニオン性高分子化合物とともに分散・希釈した状態を模式化して示した説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、本発明の繊維シートを吸収性物品(展開型使い捨ておむつ)10に適用した一実施形態を模式的に示す一部切欠斜視図である。図2は、図1に示すおむつ10のII−II線断面の拡大断面図である。
本実施形態における使い捨ておむつ10は、おむつの外形をなし平面視において略砂時計形状である外装体1と、液吸収保持性の吸収性コア31を複数の繊維シートで被覆してなる吸収性本体3とからなる。吸収性本体3は平面視において長方形である。その吸収性本体3を中央に配して覆うように外装体1がその非肌当接面側に配置されている。ここで吸収性本体3は前記外装体1の幅方向における端縁から少し隙間をあけた幅方向内方部分で該外装体1と接合されている。吸収性本体3の長手方向の前後両端縁の外方には、外装体1が延在するフロントフラップ部Ff及びリアフラップ部Frが形成され、リアフラップ部Frのそれぞれ幅方向外方縁部にはファスニングテープ4が配設されている。本実施形態において外装体1は、肌面側の液不透過性の多孔質層11と非肌面側の外層不織布12とからなる。上記多孔質層11と外層不織布12との間には、ウエスト開口部Woの近傍の縁部のウエスト弾性部材(図示せず)及びこれより股下側に位置する胴回り弾性部材(図示せず)が外装体1の内部に組み込まれて配設され、着用者の胴回りを適度に締め付け良好なフィット性を示す。また、レッグ開口部Loの縁部近傍には左右一対のレッグ弾性部材8が2本ずつ配設され、着用者の足の付け根回りをバランスよく適度に締め付けて良好な装着性とこの部分からの液等の漏れ防止性とを発揮する。
【0009】
本実施形態において、人体に接触する側を肌面側ないし肌当接面側あるいは表面側といい、これと反対側を非肌面側ないし非肌当接面側あるいは裏面側という。吸収性物品の表面又は裏面の法線方向を厚み方向といいその量を厚さという。さらに、吸収性物品の平面視において相対的に長さの長い方向を長手方向といい、この長手方向と直交する方向を幅方向という。前記長手方向は典型的には装着状態において人体の前後方向と一致する。
【0010】
本実施形態における吸収性本体3について詳述する。吸収性コア31の肌当接面側及び非肌当接面側に配された被覆シート32、33で吸収性コア31を挟持し、吸収体3aが形成される。前記被覆シート32、33は平面視において同じ形状であり、吸収性コア31に対し長手方向において同じ長さで幅方向においてはやや幅広の長方形とされ、吸収性コア31の幅方向端縁から延出する部分において互いに接合されている。吸収体3aの肌当接面側には液透過性の表面シート3bが配され、さらに吸収体3aの非肌当接面側には液不透過性の裏面シート3cが配される。表面シート3bは、吸収体3aに対し平面視において長手方向に長く、幅方向には略同じ長さとなっている。この裏面シート3cが、平面視において長手方向は表面シート3bと同じ長さにされ、幅方向においてはその端縁3c部が、吸収体3aの端縁3aを超え、さらに表面シート3b側にまで至り、肌当接面側に折り返され、防漏壁を形成する(図2参照)。吸収体3a、表面シート3b及び裏面シート3cはその当接する部分においてホットメルト等で互いに接合されるが、前記防漏壁をなす裏面シート3cの端縁3c部分近傍は接合されておらず、裏面シート3cの端縁3cから接合部にかけて吸収性本体の長手方向中央においてポケットpを形成し、液等の横漏れを防ぐ効果を有する。本実施形態において、被覆シート32、33のうち吸収性コア31の肌面側を被覆する被覆シート33が本発明の繊維シートからなる。
【0011】
本発明の繊維シートは、繊維状物とエーテル化度0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロースと湿潤紙力増強剤とを含有している。この繊維シートは、エーテル化度0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロースが湿潤紙力増強剤を介して繊維状物の表面に吸着することで、液等を素早く拡散させ、液の透過性が高いものとなる。このような繊維シートを適用したおむつ10は、表面シート2から伝播してくる液等を幅方向や長手方向に素早く拡散させ、吸収性コア31の広い面で吸収保持させることができるので好ましい。
また、本願の繊維シートは、非水解性であることが好ましい。ここでいう水解性とは、多量の水に接触することにより繊維どうしがばらばらに分離してシートが細分化される性質のことをいい、本願の繊維シートは、このような性質を有さないことが好ましい。
【0012】
[繊維状物]
本発明の繊維シートは、繊維状物を含有する。該繊維状物としては、湿式抄造可能なものを種々用いることができる。各種の繊維状物の中でも、エーテル化度0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロースの定着性、得られる繊維シートの柔軟性、液の透過・吸収性、製造コスト等の点から、針葉樹晒しクラフトパルプ(以下、NBKPともいう)、広葉樹晒しクラフトパルプ(以下、LBKPともいう)、古紙パルプ等の木材パルプ、HBAやマーセル化パルプ、架橋パルプなどの嵩高性の化学処理パルプ、コットンが好ましい。各種の繊維状物は、一種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。例えば、木材パルプを用いる場合、レーヨン、リヨセル、テンセル、ポリビニルアルコール等の親水性繊維や少量の熱可塑性繊維を混合してもよい。木材パルプは、使用する繊維状物中の80重量%以上を占めることが好ましく、90重量%以上を占めることがより好ましい。
【0013】
本発明の繊維状物において、前記カルボキシメチルセルロースの繊維状物への定着性を高め、得られた紙の風合いや、排泄液の透過性の観点から、カナダ標準ろ水度(カナディアン・スタンダード・フリーネス(Canadian Standard Freeness)、以下、CSFともいう。)(JIS P8121)が300ml以上であることが好ましく、350〜800mlであることがより好ましく、500〜750mlであることがさらに好ましい。CSFが上記範囲であると、製造時における前記カルボキシメチルセルロースの繊維材料への定着性、および得られる抄造成形体の強度が良好であり、また、抄紙時における水抜け性や、乾燥効率が良好であり、生産性に優れる。CSFは、木材パルプの叩解状態をコントロールすることにより調整できる。なお、繊維シートが、経血や軟便のような、高粘性の液の透過を必要とする場合は、木材パルプとして、NBKPまたはLBKPと、HBAやマーセル化パルプ、架橋パルプなどの嵩高性の化学処理パルプを混合して用いることが好ましい。この場合、NBKPまたはLBKP/化学処理パルプの比率は、重量比で10/90〜60/40であって、また、排泄液の透過性の観点から、よりろ水度を高くする、すなわち、ろ水度は500〜800ml、更に600〜750mlであることが好ましい。
【0014】
前記繊維状物は、そのゼータ電位がマイナス(負)であることが好ましい。ここで、ゼータ電位とは、荷電粒子界面と溶液間のずり面におけるみかけの電位をいい、流動電位法、電気泳動法等により測定される。そのゼータ電位がマイナスである方が、前記湿潤紙力増強剤を介した前記水膨潤剤の繊維状物への定着が良好となり、所定の配合量を保持できる。
【0015】
[カルボキシメチルセルロース]
本発明の繊維シートは、エーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロースを含有する。このエーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロースは、エーテル化度が0.2〜0.6でカルボキシメチル基が部分的にアルカリ金属塩に中和された、pH5.0以上のカルボキシメチルセルロースであることが好ましい。このようなエーテル化度及びpH値とすることで、吸水性の向上及び使用時の安全性の面から繊維シートのpHは弱酸性から中性となるので好ましい。本発明のエーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロースは、95%以上のカルボン酸基の水素が金属で置換されていることが好ましく(特開2002−78733号公報参照)、例えばキッコレート(商品名、ニチリン化学社製)、サンローズ(商品名、日本製紙ケミカル社製)などが挙げられる。本発明においては、エーテル化度が0.2〜0.6カルボキシメチルセルロースは一種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。エーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロースの添加量は、繊維状物100質量部に対して、0.1〜50質量部が好ましく、1〜20質量部がより好ましい。
【0016】
[湿潤紙力増強剤]
前記繊維シートに含まれる湿潤紙力増強剤としては、例えばポリアミドアミン・エピクロルヒドリン樹脂、ポリアクリルアミド、尿素ホルムアミド樹脂、メラミンホルムアミド樹脂、グリオキサール変性ポリアミドアミン・エピクロルヒドリン樹脂等を用いることができる。中でも特にポリアミドアミン・エピクロルヒドリン樹脂は、水に対する溶解度が比較的低いため、好ましい。この湿潤紙力増強剤によって湿潤強度を高めることは、繊維シートを例えば本実施形態のおむつ10の構成材料として用いる場合に、尿等によって該繊維シートが濡れても破断しづらくなるという観点から有利である。また前記繊維シートを加工機に組み込んで製品を製造する場合にもトラブルが一層発生しづらくなる。本発明においては、湿潤紙力増強剤は一種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。湿潤紙力増強剤の添加量は、繊維状物100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、0.1〜2質量部がより好ましい。
【0017】
本発明の繊維シートにおいては、前記エーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロースと前記湿潤紙力増強剤との組み合せによって、繊維シートの乾燥時及び湿潤時の紙力強度、さらに吸収性能(拡散性;クレム給水量)が向上する。この観点から、本発明の繊維シートにおいては、前記エーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロースと前記湿潤紙力増強剤との質量比は、100:0.05〜100:2.0が好ましく、100:0.1〜100:1.0がより好ましい。
【0018】
[アニオン性高分子化合物]
本発明の繊維シートにおいて、前述の成分に加えてアニオン性高分子化合物を含有させることで、前記エーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロースと湿潤紙力増強剤とが吸着したパルプ同士が集まり凝集体(フロック)が形成される。このアニオン性高分子化合物の添加により、繊維シートの抄紙工程において湿潤紙力増強剤を介した前記エーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロースの繊維状物に対する定着性を向上させることができる。このアニオン性高分子化合物としては、アクリル系高分子化合物が好ましく、アクリルアミド−アクリル酸共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド部分加水分解物、アクリルアミド−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体等が挙げられる。アニオン性高分子化合物を繊維シートに添加する場合、その添加量は、繊維状物100質量部に対して0.001〜1.0質量部が好ましく、0.01〜0.1質量部がより好ましい。本発明においては、前記アニオン性高分子化合物は一種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、アニオンコロイド等量値(meq/g)は、−0.1〜−10.0が好ましい。コロイド等量は以下の方法で測定することができる。
〔コロイド当量値の測定方法〕
50ppm水溶液(純水で希釈)に希釈したアニオン性高分子化合物を100mlメスシリンダーに採取して200mlビーカーに移す。回転子を入れて攪拌しながら2N水酸化ナトリウム溶液(和光純薬工業(株)社製)0.5mlをホールピペットで加えた後、N/200メチルグリコールキトサン溶液(和光純薬工業(株)社製)5mlをホールピペットで加える。トルイジンブルー指示薬(和光純薬工業(株)社製)を2〜3滴入れ、N/400ポリビニルアルコール硫酸カリウム溶液(和光純薬工業(株)社製)で滴定する。青色が赤紫色に変わり数秒経っても赤紫色が消えない点を終点とする。同様に純水にて空試験を行う(ブランク)。
コロイド当量値(meq/g)=〔アニオン性高分子化合物の測定値(ml)−空試験の滴定量(ml)〕/2
【0019】
アニオン性高分子化合物としては上述のものの中でも、質量平均分子量が800万以上であることが好ましく、800万〜5000万であるものがより好ましく、1000万〜2000万であるものがさらに好ましい。また、アニオン性高分子化合物の0.1%水溶液粘度は、50〜500mPa・s(25℃)が好ましく、100〜200mPa・sがより好ましい。前記質量平均分子量や0.1%水溶液粘度を上記上限値以下とすることで、繊維シートの地合いを安定させることができ、上記下限値以上とすることで繊維状カルボキシセルロースの定着量を向上させることができる。アニオン性高分子化合物の粘度及び質量平均分子量は次のようにして測定することができる。
[アニオン性高分子化合物の0.1%水溶液粘度の測定方法]
アニオン性高分子化合物の0.1%水溶液粘度の測定は、アニオン性高分子化合物をイオン交換水で0.1%水溶液に調整した水溶液をB型粘度計BL型(東京計器株式会社製)を用いて測定する。なお、調整および測定に用いる水溶液の温度は25℃のものを用いる。
[平均分子量の測定方法]
アニオン性高分子化合物を1N塩化ナトリウム溶液で0.1%溶液に調整した溶液を、メートルグラスを用いて20mlとり、B型粘度計BL型(商品名、東京計器株式会社製)のBLアダプターを入れて粘度を測定する。粘度計の回転数は60rpmで3分後の粘度を読み取る。なお、調整および測定に用いる溶液の温度は25℃のものを用いる。
粘度測定値から(1)式を用いて固有粘度を求める。求めた固有粘度から(2)式を用いてアニオン性高分子化合物の平均分子量を算出する。
固有粘度[η] η(m・Pa・s)=3.83×粘度測定値+0.64 (1)
平均分子量 MW={[η]÷(3.73×10−4)}1.515 (2)
【0020】
[その他の成分]
前記繊維シートは、前述の繊維状物、エーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロース、湿潤紙力増強剤、及びアニオン性高分子化合物に加えて、乾燥紙力増強剤、歩留まり向上剤、濾水向上剤、分散剤(粘剤)、機能性の粒子、サイズ剤、微生物に対するスライムコントロール剤、ピッチコントロール剤、消泡剤、キレート剤、剥離剤等を含んでいてもよい。
機能性の粒子としては、消臭、抗菌性能を有する粉体等、この種の物品に通常用いられるものを特に制限なく用いることができる。例えば、抗菌性を有する金属、活性炭、シリカゲル、活性アルミナ、酸化亜鉛、天然あるいは合成の各種アルミノ珪酸塩(セピオライト、セピオライト、ミズカナイト、ゼオライト、ハイシリカゼオライト)、カンクリナイト様鉱物等、抗菌性を有する金属を含む架橋性ビニルモノマー及びヘテロ芳香環を有するビニルモノマーを含むモノマー成分を共重合して得られる消臭粒子を用いることが好ましい。
【0021】
[繊維シートの製造方法]
本発明の繊維シートは、前記繊維状物、エーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロース、湿潤紙力増強剤、及び水を含むスラリー組成物の調製工程と湿式抄造方法による抄紙工程とによって製造することができる。
○スラリー組成物の調製工程
本発明の繊維シートの原料となるスラリー組成物は、その調製の手順に特に制限はないが、前記繊維状物、前記エーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロース、前記湿潤紙力増強剤、及び前記水を攪拌して混合し、水で希釈して調製される。この希釈工程においては、前述のアニオン性の高分子化合物を必要により混合する。希釈後のスラリー組成物(丸網抄紙機においては抄紙機のバット(抄き槽)のスラリー組成物)中の繊維状物の濃度は、0.05〜0.5質量%が好ましく、0.1〜0.3質量%がより好ましい。このようにして抄造に用いるスラリー組成物を調整する際には、必要に応じて、サイズ剤、着色剤、填料、機能性の粒子、増粘剤、pHコントロール剤等の抄紙の際に通常用いられる添加物を添加することもできる。
図3は、このスラリー組成物調製において想定される各成分の分散・希釈した状態を模式化して示した説明図である。図3においては、スラリー中の繊維状物21とエーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロース23と湿潤紙力増強剤22の様子が示されている。この図のとおり、プラス荷電をもつ湿潤紙力増強剤22を介してマイナス荷電をもつエーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロース23が前記繊維状物21に吸着され、凝集物(フロック)28を形成する。吸着された繊維状物21は、エーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロース23や湿潤紙力増強剤22とともにある程度の嵩を有して抄紙網25から抜けにくくなる。
図4においては、前述の成分にさらにマイナス荷電をもつ前記アニオン性の高分子化合物24を混合し希釈した後、抄紙する様子が示されている。この図のとおり、該アニオン性の高分子化合物24を介してエーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロース23を抱え込むように繊維状物21同士が集まり凝集体(フロック)26が形成される。このようにして形成された凝集体(フロック)26は、抱え込んだエーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロース23とともに抄紙網25からより抜けにくくなり好ましい。
【0022】
○湿式抄造法による抄紙工程
本発明の繊維シートは、前記工程で得られたスラリー組成物を原料として湿式抄造方法によって成形することができる。該湿式抄造方法には、例えば連続抄紙式である円網抄紙機、長網抄紙機、短網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などを用いることができる。また手漉きによるバッチ方式を用いてもよい。前記のスラリー組成物と、該スラリー組成物と異なる組成の組成物とを用いた多層抄き合わせによって繊維シートを成形することもできる。また、前記のスラリー組成物を抄造して得られた繊維シートどうしを多層に貼り合わせたり、該繊維シートに前記のスラリー組成物と異なる組成を有する組成物から得られた繊維シートを貼り合わせることによって、多層の繊維シートを成形することもできる。
【0023】
抄造後の繊維シートは、抄造後の保形性の点や、機械的強度を維持する点から、含水率が80質量%以下、特に70質量%以下となるまで脱水させることが好ましい。脱水方法は例えば、吸引による脱水のほか、加圧空気を吹き付けて脱水する方法、加圧ロールや加圧板で加圧して脱水する方法等が挙げられる。繊維シートは、これを積極的に乾燥させて水分を分離することにより、長期の保存安定性を高めることができる。繊維シートの乾燥方法は、繊維シートの厚さ、乾燥前の繊維シートの処理方法、乾燥前の含水率、乾燥後の含水率等に応じて適宜選択することができる。例えば、加熱構造体(発熱体)との接触、加熱空気や蒸気(過熱蒸気)の吹き付け、真空乾燥、電磁波加熱、通電加熱等が挙げられる。また、前述の脱水方法と組み合わせて両者を同時に実施することもできる。本発明の繊維シートは、その坪量が50g/m以下であることが好ましく、5〜50g/mであることがより好ましい。
【0024】
こうして得られた繊維シートは、吸収性物品の構成部材として適用するに十分な強度を有し、液等を素早く平面方向に拡散し、迅速に内部の吸収性コアへと取込むことができる。そのため前記繊維シートは、たとえ内部の吸収性コアのパルプ部分が少ない厚みを押さえた形状であっても、一度の排泄量が多い場合、あるいは排泄速度が速い場合においても好適に適用することができる。さらに、前記繊維シートは、その高い液拡散性によって、吸収性コア内部の一部のポリマーによるゲルブロッキングをも防止し得る。
【0025】
本発明の繊維シートは、前記実施形態に制限されず種々変更が可能である。例えば、その変形例として、繊維シートの坪量が相対的に高い高坪量領域と低い低坪量領域とからなる粗密構成とすることが挙げられる。このような粗密構成を顕在化させる製造方法としては、前記のアニオン性高分子化合物などの高分子凝集剤を配合することにより、バット(抄き槽)内の原料スラリー中に多量の繊維が凝集した巨大フロックを形成でき、その巨大フロックが抄き網上に堆積した部分が高坪量領域となる。その他、前記CSFの調製に際し、複数の叩解度のパルプを混合する方法がある。すなわち、CSFが300ml未満、好ましくは100〜300mlになるように、極端に叩解を高めたパルプスラリーAと、殆ど叩解を施さず、CSFが500〜800ml、好ましくは600〜750mlであるパルプスラリーBとを適宜混合して調整することができる。この場合、叩解度を高めた、すなわちCSFの値が低いパルプは互いに絡み合い凝集し易くなるため、粗密構造を有する繊維シートを得ることができる。さらに別の方法としては、パルプに加えて、レーヨンやコットンなどの親水性長繊維(繊維長として、5〜30mm程度)を適宜混合することにより、粗密構造を形成することができる。前記高坪量領域は、前記低坪量部分に比べて、エーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロース及び湿潤紙力増強剤を多く含む。同一繊維シート内において前記両領域の配置構成によって、液拡散性及び液透過性の高い領域を必要な位置に配置することができる。
【0026】
〔繊維シートの坪量の測定方法〕
以下の方法で繊維シートの坪量を測定することができる。
サンプルは25℃、65%RHの恒温室で12時間以上調湿したサンプルを用いる。各領域を適当な形状に切り出し、重量を測定し面積で除して坪量を算出した。この時、面積の総和Sが50cm2を超えるまで、サンプリングを繰り返す。サンプリングは、正方形や長方形に切り出すことを基本とするが、試料の制約上困難な場合に不定形となってしまった場合の面積は、画像解析処理ソフト イメージプロ プラス(Image−Pro plus)(商品名、Media Cybernetics社製)を用いて算出する。
【0027】
本発明の繊維シートにおいては、消臭性能など機能性を有する粉体を混合して多機能性の繊維シートとすることもできる。このような粉体の含有方法は、この種の物品に用いられる定法を採用することができ、例えば、前述のスラリー組成物の形成過程において繊維状物等とともに混合・攪拌する方法がある。また、この粉体を含む繊維シートが前述の粗密構造である場合、その繊維状物の坪量の測定方法は、前記の測定方法により測定した坪量から下記の方法で測定した粉体の坪量を差引いた値が、この場合の繊維状物の坪量となる。
【0028】
〔繊維シート中の粉体含有量の測定方法〕
繊維シート中の粉体含有量の測定は、以下の方法により行う。
紙の断面構造を電子顕微鏡で観察し、得られた画像を、画像解析処理ソフト イメージプロ プラス(Image−Pro plus)(商品名、Media Cybernetics社製)を用いて処理し、画像毎に粒子の占める面積(即ち、個々の粒子の断面積の総和)を算出する。測定は5点の平均とする。
【0029】
本発明の繊維シートは、用途に応じて適宜の大きさに切断してシート状のまま各種用途に用いることもでき、また、小さく切り刻んだり、加工により他の形状に変形させて用いることもできる。本発明の繊維シートは、例えば、図1に示す展開型使い捨ておむつ以外にも、パンツ型のもの、大人用のもの、子供用のもの、生理用ナプキンや吸収性パッドなどの吸収性物品の構成材料として用いることができる。この場合、本発明の繊維シートを吸収性物品の構成部材とする態様は、前述の適用例に限定されるものではない。本発明の繊維シートは、排泄液が吸収性コアに取込まれるまえに効果的に拡散させる態様で種々適用され得る。
【0030】
本発明の繊維シートにおいては、素早い液等の拡散性の観点から、クレム吸水量の測定により示される数値が、0.20以上であることが好ましく、0.23〜0.30であることがより好ましい。本発明の繊維シートの液透過性については、吸収性物品における排泄液が素早く拡散されさらに内部の吸収性コアにまで迅速に取込まれる観点から、1秒以上であることが好ましく、2〜10秒であることがより好ましい。さらに本発明の繊維シートの引張強度については、生産加工時や吸収性物品の構成部材とした場合に必要な強度として、乾燥引張強度の数値が100〜3000であることが好ましく300〜1000であることがより好ましく、また湿潤引張強度の数値が10〜1000であることが好ましく20〜500であることがより好ましい。前記のクレム吸水量、液拡散性及び引張強度は、特に断らない限り後述の実施例に記載の測定方法により得られる。
【実施例】
【0031】
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳しく説明するが、本発明はこれにより限定して解釈されるものではない。なお、本実施例において「部」および「%」とは特に断らない限りいずれも質量基準である。
(実施例1)
水に未叩解の針葉樹クラフトパルプ(CSF 740ml)を添加し、エーテル化度が0.42のカルボキシメチルセルロースであるキッコレートLD−A(商品名 ニチリン化学社製)を添加し、これらを食品用ミキサーMX−V350(商品名、パナソニック社製)を用いて十分に混合・攪拌してスラリー状の混合物(中間スラリー)を得た。中間スラリー中におけるパルプ濃度は0.2%、キッコレートLD−Aの濃度はパルプに対して10%であった。次に、得られた中間スラリーの希釈を行い、その希釈工程中に湿潤紙力増強剤WS4024(商品名 星光PMC社製)を添加して0.15%スラリー原料を得た。湿潤紙力増強剤濃度はパルプに対して0.44%であった。このスラリーを原料として、手抄きにより25cm×25cmの繊維シートを得た。その坪量は20.8g/mであった。
【0032】
(実施例2)
実施例1と同様の条件及び方法により中間スラリーを得た。中間スラリー中におけるパルプ濃度は0.2%、キッコレートLD−Aの濃度はパルプに対して10%であった。さらに食品用ミキサーによる攪拌を停止した後、得られたスラリーの希釈を行い、希釈工程の途中に湿潤紙力増強剤WS4024(商品名、星光PMC社製)を添加した後、高分子化合物アコフロックA95(商品名、MTアクアポリマー社製 弱アニオン性ポリアクリルアミド 質量平均分子量1700万)を添加して0.15%パルプスラリー原料を得た。湿潤紙力増強剤及び高分子化合物の添加のタイミングは、湿潤紙力増強剤については、食品用ミキサーによる攪拌を終了した段階で添加し、高分子化合物については中間スラリーを水で希釈し、抄造に用いられる最終濃度(パルプ濃度0.15%)に希釈した段階で添加した。湿潤紙力増強剤濃度はパルプに対して0.44%、高分子化合物濃度はパルプに対して0.1%であった。このスラリーを原料として、手抄きにより25cm×25cmの繊維シートを得た。その坪量は21.8g/mであった。
(実施例3)
実施例1において、キッコレートLD−Aの代わりにサンローズSLD−S(商品名、日本製紙ケミカル社製)を用いた以外は実施例1と同様にして中間スラリーを得た。中間スラリー中におけるパルプ濃度は0.2%、エーテル化度が0.28のカルボキシメチルセルロースであるサンローズSLD−S(商品名、日本製紙ケミカル社製)の濃度はパルプに対して10%であった。さらに実施例1と同様にして0.15%スラリー原料を得た。湿潤紙力増強剤濃度はパルプに対して0.44%であった。このスラリーを原料として、手抄きにより25cm×25cmの繊維シートを得た。その坪量は20.6g/mであった。
【0033】
(比較例1)
エーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロースを添加せずに、実施例1と同様の条件及び方法により中間スラリーを得た。中間スラリー中におけるパルプ濃度は0.2%であった。次に、得られた中間スラリーの希釈を行い、その希釈工程中に湿潤紙力増強剤WS4024(商品名、星光PMC社製)を添加して0.15%スラリー原料を得た。湿潤紙力増強剤濃度はパルプに対して0.44%であった。このスラリーを原料として、手抄きにより25cm×25cmの繊維シートを得た。その坪量は19.5g/mであった。
【0034】
(比較例2)
水に叩解した針葉樹クラフトパルプ(CSF 350ml)を添加し、比較例1と同様の条件及び方法により中間スラリーを得た。中間スラリー中におけるパルプ濃度は0.2%であった。次に、得られた中間スラリーの希釈を行い、その希釈工程中に湿潤紙力増強剤WS4024(商品名、星光PMC社製)を添加して0.15%スラリー原料を得た。湿潤紙力増強剤濃度はパルプに対して0.44%であった。このスラリーを原料として、手抄きにより25cm×25cmの繊維シートを得た。その坪量は20.3g/mであった。
【0035】
(比較例3)
水に未叩解の針葉樹クラフトパルプ(CSF 740ml)を添加し、親水性繊維であるVPB107−1(ポリビニルアルコール、クラレ社製)を添加し、これらを食品用ミキサーを用いて十分に混合してスラリー状の混合物(中間スラリー)を得た。中間スラリー中におけるパルプ濃度は0.2%、VPB107−2×3の濃度はパルプに対して10%であった。次に、得られた中間スラリーの希釈を行い、その希釈工程中に湿潤紙力増強剤(WS4024 星光PMC社製)を添加して0.15%スラリー原料を得た。湿潤紙力増強剤濃度はパルプに対して0.44%であった。このスラリーを原料として、手抄きにより25cm×25cmの繊維シートを得た。その坪量は21.2g/mであった。
【0036】
これらの実施例および比較例にて得られた繊維シートについて、それぞれ後述の測定方法にクレム吸水量、液透過性、引張り強度(乾燥強度、湿潤強度)を測定した。その結果を表1に示す。
[クレム吸水量の測定方法]
この測定方法はJIS P 8141に準じた。繊維シートを15mm×150mmの矩形形状に裁断しこれを試料とした。試料の短辺から5mm内方に離間した位置に、該短辺と平行な直線(標線)を鉛筆で引いた。そして、試料の長辺が垂直になるように該試料を電子天秤の下部に吊り下げ、この吊り下げ状態を保持したままで該試料を前記標線まで素早く測定液中に入れた。そして、試料を測定液中に入れてから30秒後の該試料の重量増加分を電子天秤で測定し、その測定値をクレム吸水量(g/30秒 15mm幅)とした。クレム吸水量が多いほど高評価である。前記電子天秤には、市販の電子天秤データ取り込みソフトRsCom Ver2.40(商品名 (株)エー・アンド・デイ社製)がインストールされたコンピュータが電気的に接続されており、これにより試料の重量変化を記録することができた。
【0037】
[液透過性の測定方法]
繊維シートを400mm×400mmの矩形形状に裁断したものを試料とし、内径35mmの上部円筒(ガラス製)と内径35mmの下部円筒(ガラス製)との間に、上下に2つのシリコン製パッキンで繊維シートを挟み込み、上部円筒の下端及び下部円筒の上端に設けられた環状のフランジ部にクリップを嵌合させ、上下の円筒を固定した。この際、前記2つの円筒は水平な作業台に対し垂直方向となるように配置した。試験液として濃度0.9%の食塩水40gを、上方の円筒状の上部より一度に入れて、この水溶液が前記試料を透過する秒数を測定した。
注入開始から繊維シート上から液がなくなるまでの時間を測定した。その測定値を、通液時間として示した。
[乾燥引張強度]
繊維シートを幅25mm、長さ200mmの短冊状に縫断した後、速やかに万能圧縮引張試験機RTM−25(商品名 オリエンティック社製)を用いて、引張速度300mm/min、試験片つかみ間隔50mmの条件で破断時の強度を測定した。
[湿潤引張強度]
繊維シートを幅25mm、長さ200mmの短冊状に縫断した後、大量の水に5秒間浸した後、10秒間水を切ってから、乾燥引張強度と同様の方法で破断時の強度を測定した。
【0038】
[表1]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
クレム吸水量 液透過性 引張り強度(cN/25mm)
(g/30秒.15mm) (秒) 乾燥強度 湿潤強度
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
実施例1 0.254 4.4 480 52
実施例2 0.273 4.6 550 55
実施例3 0.238 5.2 510 53
比較例1 0.222 2.0 120 25
比較例2 0.204 27.0 2130 380
比較例3 0.218 3.9 1860 470
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0039】
表1に示すとおり、各実施例の繊維シートは、比較例のものに比し高い液拡散性と優れた液透過性の両方を兼ね備え、十分な乾燥強度及び湿潤強度を有していた。本発明の繊維シートは、十分な強度を有して吸収性物品に適用でき、表面シートからの液等を素早く広く拡散して吸収性コアに均一に吸収保持させ、吸収性物品としての速やかかつ多量の液等の吸収保持性を提供できることが分かった。
【符号の説明】
【0040】
1 外装体
3 吸収性本体
3a 吸収体
3b 表面シート
3c 裏面シート
31 吸収性コア
32、33 被覆シート
10 展開型使い捨ておむつ
21 繊維状物
22 湿式紙力増強剤
23 エーテル化度が0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロース
24 アニオン性高分子化合物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維状物とエーテル化度0.2〜0.6のカルボキシメチルセルロースと湿潤紙力増強剤とを含有する繊維シート。
【請求項2】
さらに質量平均分子量800万〜2000万のアニオン性高分子化合物を含有する請求項1記載の繊維シート。
【請求項3】
前記アニオン性高分子化合物の0.1%水溶液の粘度が50〜500mPa・s(25℃)である請求項2記載の繊維シート。
【請求項4】
前記繊維シートは、繊維状物が凝集した高坪量領域と、低坪量領域とを有する請求項1〜3いずれか1項に記載の繊維シート。
【請求項5】
機能性の粒子を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維シート。
【請求項6】
液透過性の表面シートと液不透過性の裏面シートと該両シート間に介在された液保持性の吸収体とを具備する吸収性物品であって、前記表面シートと前記吸収体との間に請求項1〜5のいずれか1項に記載の繊維シートが介在配置されている吸収性物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−208330(P2011−208330A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−79364(P2010−79364)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】