説明

繊維含有成形品を接着するための2成分系ポリウレタン接着剤

1000g/molより大きい分子量を有する少なくとも1種のポリエステルジオールを2〜30wt%と、少なくとも1種の3官能性〜14官能性ポリオールを5〜35wt%と、疎水性ポリオールを5〜35wt%と、さらなる添加剤または助剤を2〜65wt%とを含有するポリオール成分(これらの合計は100wt%である)と、ポリイソシアネートから調製される架橋成分とを、NCO/OH比が0.9:1〜1.5:1になる割合で含有する2成分系ポリウレタン接着剤であって、架橋後の該接着剤が50℃より大きいTを示す該2成分ポリウレタン接着剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い接着強度を示すポリウレタンに基づく2成分系接着剤に関する。さらに、この接着剤は、表面に凹凸がある基材を接着すること、ならびに裂け目または隙間を強い接着強度で充填できることも対象とする。
【背景技術】
【0002】
国際特許出願公開2004/029121号明細書は、ジオールとトリオールに基づくポリオールからなり、ポリイソシアネートを用いて架橋される2成分系ポリウレタン接着剤を開示する。この接着剤には、顔料(例えば高分散シリカなど)、充填剤およびモレキュラーシーブがさらに含まれる。さらに、2.8〜4.5のpKa値を示す有機酸が、当該発明の必須成分として含有される。しかし、該公開公報には、多官能性ポリオールを添加することにより、網状結合密度を増加させることは開示されていない。さらに、架橋性イソシアネート基中の、カルボン酸基が気泡の形成率を高くするかもしれない。
【0003】
国際特許出願公開2002/066527号明細書は、油化学ポリオールを98%以下と、OH価が400〜2000の間である低分子量ジオールを1〜7.5%と、3官能性〜5官能性ポリオールを1〜7.5%と、さらに助剤および樹脂とを含有する、誘導木材製品用の2成分系ポリウレタン接着剤を開示し、該接着剤はポリイソシアネートを用いて架橋される。
【0004】
欧州特許出願公開第0794977号明細書は、ポリオール、高分散シリカ、充填剤およびモレキュラーシーブからなり、ポリイソシアネートを用いて架橋される2成分系ポリウレタン接着剤を開示する。ジオールとトリオールがポリオールとして使用される。
【0005】
上記の接着剤は、木材および金属を接着することに関して記載されているが、熱負荷に付される場合においても高い機械的安定性を示さなければならないプラスチック基材を接着することに関して記載がない。
【0006】
ガラス繊維強化プラスチック基材を接着することも、同様に既知である。このような基材は高い機械的安定性を示すので、該機械的安定性に相当する力に耐えることが、対応する接着剤にも要求されている。このような接着例は、翼または航空機用のその他の付属部品で用いられる繊維強化部品を接着すること、造船産業において繊維強化部品を接着すること、または風力発電システム用の羽根を生産するための繊維強化部品を接着することである。接着された部品には高い機械的特性が要求されている。この場合、高い引張力に対して耐性を示さなければならず、また、継続的に起こる振動によって負荷が高まり、材料疲労が引き起こされる。環境の影響はさらに過酷であり、著しい温度差が生じる条件下で安定性を確保しなければならず、種々の湿分濃度条件下においても物性を一定に保たなければならない。このような部品を、2成分系エポキシ接着剤で接着することは既知である。これらの接着剤は充分な強度を示すが、種々の加工上の欠点を有する。例えば、充分な強度を得るためには高い硬化温度が必要である。さらに、接着させるために、基材表面を特別に処理しなければならない。
【0007】
先行技術で開示された接着剤は、接着結合が種々の気象条件下および温度条件下において不十分な機械的安定性しか示さないという欠点を有する。また、これらの接着剤は、基材を貼合せるまでの作業時間が充分に長くないので、広い面積を有する素材を接着させることに適さない。さらに、該接着剤は、接着された基材の当りを摩擦的に嵌合させるためには適さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際特許出願公開2004/029121号明細書
【特許文献2】国際特許出願公開2002/066527号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0794977号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明による目的は、前処理なしでプラスチック基材を相互に接着させ、長いオープンタイムを有し、不均一な表面でも安定した接着性を確保する接着剤を提供することである。さらに、架橋した接着剤層は水分および種々の周囲温度によって影響を受けず、その力学的性質を安定した状態で維持する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による上記の目的は、下記の2成分系ポリウレタン接着剤によって達成された:
NCO/OH比が0.9:1〜1.5:1になる割合で、ポリオール成分とポリイソシアネートから調製されるイソシアネート成分からなる2成分系ポリウレタン接着剤であって、該ポリオール成分が、
a)1000g/molより大きい分子量を有する少なくとも1種のポリエステルジオールを2〜30wt%と、
b)少なくとも1種の3官能性〜14官能性ポリオールを5〜35wt%と、
c)疎水性ポリオールを5〜35wt%と、
d)さらなる添加剤または助剤を2〜65wt%とを
含有し[a)〜d)の合計は100wt%である]、
架橋された該接着剤が50℃より高いTを示す、
該2成分系ポリウレタン接着剤。
【0011】
また、本発明は、繊維強化プラスチック、特に風力発電システム用の羽根を生産するための繊維強化部品を接着するために、このような2成分系ポリウレタン接着剤を使用することを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
高強度の繊維複合材料から製造される既知の成形品が基材として適する。例えば、これらは、プラスチックマトリックス内に埋込まれたガラス繊維、炭素繊維またはアラミド繊維で構成してもよい。これらの繊維は、マット形態、織物形態、不織布形態またはロービング形態で導入されてもよい。例えば、このプラスチックマトリックスは、適当な硬化剤および/または架橋剤によって反応することにより熱硬化性のポリマーを形成するポリエステルまたはエポキシで構成されていてもよい。このような繊維強化基材は当業者に既知である。例えば、これらは、航空機の製造、造船または高い機械的負荷に付されるその他の部品の製造において使用されている。このように接着された基材の1つの適用分野は、風力回転翼に用いる羽根である。このような成型部品を製造する方法も既知である。
【0013】
例えば、このような羽根は金型キャビティで製造され、架橋されている。なお、該金型は、しばしば半割り金型として構成されている。一般に、金型に対面する部品の表面は平滑でそのままの状態で使用できる表面として得られるが、通常、他の表面は更なる加工処理に付される。羽根の製造を続行する場合、2つまたはそれよりも多いこれらの基材が相互に接着される。一般に、接着される表面は、金型に対面しない表面である。該表面は、接着される基材部品同士がほぼ嵌合するような構造を有していなければならない。接着に付される表面は、粗面であり、それ自体平坦な面ではない。精密な鏡面形状を形成する研磨またはフライス加工を、接着させる対応部品に対して施す必要はない。本発明による接着剤を使用する場合、接着させる表面の前処理は必要でない。粉塵および油脂がない表面は本発明による接着剤の塗布に対して充分であり、プライマーの使用は必要ない。
【0014】
部品がモールド内で生産されたならば、既知の1つの方法を用いて、架橋させる成形部品の外側表面を、耐引裂性(tear-resistant)の保護織布で被覆する。該織布は、続いて行われる接着工程の直前に完全に剥離させて、適当な表面をもたらしてもよい。しかしながら、このような基材表面は、粗く機械加工した後に、これらに対応する部品に適合させてもよい。次いで、本発明による接着剤を、このような方法で調整された基材の表面上に塗布することによって、該表面を有害な粒子および粉塵から保護してもよい。
【0015】
本発明による2成分系ポリウレタン接着剤は流動性を示すが、特に揺変性の性質を示してもよい。該接着剤は、ポリオール成分とイソシアネート成分から構成される。これらは塗布する直前に混合される。該ポリオール成分は、種々の多官能性ポリオールを含有しなければならない。これは、熱負荷にさらされても機械的に安定な接着結合を得るために充分な架橋を確実におこなうためである。また、種々のポリオールを選択することにより、接着剤の充分な疎水性が確実に得られるようにしなければならない。
【0016】
疎水性ポリオールは、ポリオール成分の一構成成分である。適当なポリオールは、例えば、1分子当り平均して2個〜4個の水酸基を有する液体のポリヒドロキシ化合物である。例えば、ポリカーボネートポリオールは疎水性ポリオールとして適当である。これらは、炭酸誘導体(例えばホスゲンまたはジフェニルカーボネート)とジオールとを反応させることによって得られる炭酸のエステルである。この場合、例えば低分子量の脂肪族ジオールが適当である。OH−官能性のポリブタジエンは、例えば商標名「poly-bd」として入手できるポリブタジエンを、本発明による組成物用の疎水性ポリオールとして使用してもよい。
【0017】
これらのポリオールの分子量は、一般的に300〜5000g/molの間、好ましくは500〜3000g/molの範囲である(この分子量は、GPCによって決定してもよい数平均分子量Mである)。
【0018】
しかしながら、油化学を起源とする疎水性ポリオールを使用することもできる。「油化学ポリオール」は、例えば天然油脂に基づくポリオール、例えば、エポキシ化脂肪物質と、1官能性、2官能性または多官能性アルコールとの反応生成物、またはヒドロキシル基で少なくとも部分的に置換された長鎖脂肪酸のグリセロールエステルを意味する。このようなポリエステルポリオールは、例えば、エステル結合を保持して行われるエポキシ化トリグリセリドの完全な開環により生成されてもよい。エポキシ化トリグリセリドを開環させるために使用してもよいアルコールには以下のものが含まれる;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、6個〜22個のC原子を有する脂肪アルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、1,2−エタノール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセロール、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、およびエーテル基含有ヒドロキシル化合物(例えばアルキルグリコール、またはオリゴマー性グリコールおよびオリゴマー性グリセロール等)。
【0019】
油化学ポリオールの別の群としては、低級アルコールのエポキシ化脂肪酸エステル、すなわち、エポキシ化脂肪酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステルまたはブチルエステルを、開環およびエステル交換させた生成物である。この場合、2価〜4価のアルコールを用いて開環またはエステル交換させた生成物が好ましく、特にエチレングリコール、プロピレングリコール、オリゴマー性エチレングリコール、オリゴマー性プロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパンまたはペンタエリスリトールを用いる反応生成物が好ましい。
【0020】
本発明の目的に関連して、2価または多価アルコール(例えばグリセロールとエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドの付加生成物等)と、トリグリセリド(例えば、ヤシ油、ピーナッツ油、菜種油、綿実油、大豆油、ひまわり油およびアマニ油など)とをエステル交換反応させることで得られる油化学ポリオールを使用できる。
【0021】
特に好ましくは、疎水性油化学ポリオールとしてのヒマシ油およびダイマー性ジオールと共にポリエステルポリオールを使用することである。この種のポリエステルポリオールは、少なくとも一部にオレフィン性不飽和結合を有する脂肪酸を含む脂肪混合物のエポキシ化トリグリセリドを、1〜12個の炭素原子を有する一種または複数種のアルコールで完全に開環させ、次いでトリグリセリド誘導体を部分的にエステル交換してアルキル基中に1〜12個の炭素原子を有するアルキルエステルポリオールを生成することによって調製される。これらの油化学ポリオールの水酸基価は50〜400、好ましくは100〜300であり、概略的な分子量は500g/molより大きく、1500g/molよりも小さい。
【0022】
疎水性ポリオールの官能価は、平均して2.2〜4、特に2.4より高い値である。各成分が異なる数のOH基を含有できるように、混合物を使用してもよい。このような疎水性ポリオールは市販されている。
【0023】
疎水性ポリオールの分量は、5〜50wt%の間であり、特に35wt%までの量である。なお、該ポリオールの分量は、該ポリオールの疎水性の強さによって左右される。全てのポリオールの混合物に関しては、疎水性の混合物が得られるようにする。
【0024】
別の必須成分は、3〜14個のOH基、特に4〜9個のOH基を有する比較的高い官能性ポリオールである。これらのポリオールは、ポリマーの架橋密度を増加させ、改良された凝集力をもたらす。これらは、ポリオールの混合物を含んでいてもよい。
【0025】
これらのポリオールの例は、適当な数のOH基を含有する糖アルコールであり、特に、テトリトール、ペンチトールもしくはヘキシトール、または二糖類に基づく糖アルコールである。対応する糖も使用できるが、特に水素化された糖アルコールが使用される。この種の例としては以下のものが含まれる:ソルビトール、イノシトール、マンニトール、トレイトール、エリスリトール、アドニトール、アラビトール、リビトール、キシリトール、ズルシトール、リボース、キシロース、リキソース、グルコース、ガラクトース、マンノース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、タロース、フルクトース、ソルボース、プシコース、テガトース、デオキシリボース、グルコサミン、ガラクトサミン、ラムノース、ジギトキソース、スクロース、ラクトース、トレハロース、マルトース、セロビオース、メリビオース、ゲンチオビオース、ルチノース。15個以下のアルキレンオキシド単位を有する、対応するエトキシル化およびプロポキシル化生成物も使用できる。
【0026】
少なくとも1個の三級アミノ基を含有し、4個、5個または6個のOH基を有するポリオールも同様に適する。これらの例は、C〜Cのジアミンまたはトリアミンのプロポキシル化またはエトキシル化反応生成物である。エチレンジアミンのエトキシル化およびプロポキシル化生成物が特に適当である。
【0027】
このような比較的高い官能性ポリオールの分子量は、120〜3000g/mol、特に250〜2000g/molの量であってもよい。
【0028】
また、ポリエーテルポリオールも使用してもよい。これらの例は、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドを用いる反応により生成されてもよい、3〜6官能性アルコールの反応生成物である(例えばポリプロピレングリコール)。適当なポリエーテルポリオールの別の群は、例えばテトラヒドロフランの酸性重合によって生成されてもよいポリテトラメチレングリコールである。これらのポリエーテルポリオールの分子量は、一般に200〜6000g/molの間であり、好ましくは400〜3000g/molの範囲である。
【0029】
種々の3〜14官能性ポリオールの混合物を使用してよく、この場合、特に、ポリエーテルポリオールおよび糖ポリオールを単独または混合物として使用することが適当である。
【0030】
一般に、比較的高い官能性を示すポリオールはOH基を有している。しかしながら、別の実施態様においては、-SH基または-NHR基も反応性官能基の少なくとも一部として存在できる。
【0031】
反応性のOH基数またはNH基数に起因して、比較的高い官能性ポリオールは比較的に高い極性を示す。これらは部分的に水混和性である。比較的高い官能性の疎水性ポリオールの量は、混合物が依然として疎水性を示すように調整すべきである。このような条件が満たされない場合には、気泡を含まない接着剤を得るための加工処理が困難となり、さらには、高い大気湿度での接着結合の機械的安定性が維持できなくなる。
【0032】
疎水性を比較するための簡単な試験には、ポリオール混合物と1%の水とを混合して、25℃で均質になるまで混合させることが含まれる。得られる混合物に粗製MDIを1:1の割合で添加して混合する。充分な疎水性を示す混合物は架橋して、実質的に気泡を含まないポリマーを生成するが、疎水性作用が不十分な場合には、発泡体が得られる。約20%の体積増加はもはや適当でなく、この場合、気泡は全く生じないか、またはわずかな分離気泡が生じるようにすべきである。
【0033】
本発明による2成分系ポリウレタン接着剤の別の必須成分は、カルボン酸とジオールに基づくポリエステルジオールである。適当なポリエステルジオールは、約1000〜約15000g/molの分子量を有する。例えば、低分子量アルコールとラクトンを反応させて得られるポリエステルポリオールが使用されてもよい。アルコールの例としては、以下のものが含まれる:エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、ブタンジオール、プロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、1,4-ヒドロキシメチルシクロヘキサン、2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコール、並びに繰り返し単位が10以下のポリブチレングリコール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール。
【0034】
別の適当なポリエステルポリオールは重縮合により調製してもよい。2価および/または少量の3価アルコールと、不十分な量のジカルボン酸および/またはトリカルボン酸またはこれらの反応性誘導体を縮合させてポリエステルポリオールを調製してもよい。芳香族カルボン酸または脂肪族カルボン酸を使用してもよい。例えば、適当なジカルボン酸は、アジピン酸またはコハク酸、および炭素原子数が16個までのこれらのより高位の同族体、並びに、不飽和ジカルボン酸(例えば、マレイン酸またはフマル酸)、芳香族ジカルボン酸(特に、フタル酸、イソフタル酸またはテレフタル酸)である。例えば、クエン酸またはトリメリット酸はトリカルボン酸として適当である。これらの酸は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。脂肪族カルボン酸と、脂肪族で直鎖状もしくは分枝鎖状のジオールまたは脂環式ジオールから調製されたポリエステルポリオール(例えば、上述のジオールから調製されるもの)が特に適当である。特に適当なアルコールは、ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコールまたはネオペンチルグリコール、あるいはこれらの混合物である。特に適する酸は、4個〜12個の炭素原子を有する、例えばコハク酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸またはアジピン酸、あるいはこれらの混合物である。
【0035】
ポリエステルジオールは、低い融点を示すか室温で液体である。好ましくは、分子量は1500〜8000g/molの間である。ポリオールは約1.8〜2.2の官能価を有してもよく、一般に、ポリオールはジオール形態である。該ポリエステルジオールは、疎水性の極性ポリオールの混和性を促進するので有利である。
【0036】
ポリオール成分は、少なくとも1種のポリエステルポリオールを2〜30wt%、疎水性ポリオールを5〜50wt%、3〜14個のOH基を有する多官能性ポリオールを5〜35wt%および添加剤または助剤を2〜65wt%含有する。好ましい実施態様において、ポリオール成分は、ポリエステルポリオールを5〜20wt%、疎水性ポリオールを10〜30wt%、多官能性ポリオールを10〜30wt%および添加剤を含有する。なお、ポリオール成分の全量は合計100wt%である。
【0037】
種々のポリオール成分は、架橋した接着剤に必要とされる性能に影響を及ぼす。3〜14個のOH基を有するポリオールの量が過度に少ない場合、接着剤の充分な凝集力が得られない。また、これらのポリオール成分の量は、接着剤の架橋密度に影響を及ぼし、さらに、ガラス転移温度にも影響を及ぼす。疎水性ポリオールの量が充分ではない場合、機械的欠陥(例えば気泡など)が接着剤において生じ、また、加工処理に必要なオープンタイムに悪影響がもたらされる。
【0038】
多官能性イソシアネートは、イソシアネート成分中のポリイソシアネートとして適当である。好ましくは、適当なイソシアネートは平均して2〜5個、好ましくは4個までのNCO基を有する。適当なイソシアネートとしては、以下のものが含まれる:1,5-ナフチレンジイソシアネート、2,4-または4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水素化MDI(H12MDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、m-およびp-テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、4,4’-ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、ジ−およびテトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)の異性体、1−メチル−2,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,12-ジイソシアナトドデカン、1,6−ジイソシアナト−2,2,4−トリメチルヘキサン、1,6−ジイソシアナト−2,4,4−トリメチルヘキサン、1−イソシアナトメチル−3−イソシアナト−1,5,5−トリメチルシクロヘキサン(IPDI)、テトラメトキシブタン1,4−ジイソシアネート、ブタン1,4−ジイソシアネート、ヘキサン1,6−ジイソシアネート(HDI)、ダイマー脂肪酸ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、エチレンジイソシアネートまたはフタル酸ビス−イソシアナトエチルエステル。
【0039】
低分子量プレポリマー(すなわち複数のイソシアネート基を有するオリゴマー)を使用することも可能であり、すなわち、MDIまたはTDIと、低分子量ジオール、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールまたはトリエチレングリコールとの反応生成物も使用できる。これらのオリゴマーは、ジオールの存在下で過剰のモノマー性ポリイソシアネートを反応させる場合に得られる。なお、ジオールの分子量は、一般に1500g/mol未満である。必要に応じて、モノマーは、蒸溜によって反応生成物から取り除かれてもよい。カルボジイミド-液化ジフェニルメタンジイソシアネートまたは粗製MDIと同様に、イソシアネート、例えばHDIまたはIPDIのイソシアヌレートおよびビウレットも適当である。
【0040】
脂肪族のポリイソシアネートおよび脂環式のポリイソシアネートを使用してもよく、これらの反応性は、温度の上昇または触媒の存在によって増加する。芳香族ポリイソシアネートが好ましく、また、上記の芳香族イソシアネートと低分子量ジオールから調製される低重合化NCO-末端付加物も好ましい。好ましくは、ポリイソシアネートは室温で流動性を示すべきである。
【0041】
また、本発明による2成分系ポリウレタン接着剤は、好ましくは全体的にまたは部分的にポリオール成分と混合される助剤を含有してもよい。一般に、これらの助剤は、所望の使用目的に応じた接着剤の性質、例えば粘度、ぬれ挙動、安定性、反応速度、気泡の形成、貯蔵寿命または接着性などを改良するため、および目的とする用途に応じた使用特性を調整するために、少量で添加される物質である。助剤の例としては、フィラー、レベリング剤、消泡剤、チキソトロープ剤、触媒、酸化防止剤、染料、乾燥剤、樹脂、可塑剤および湿潤剤である。
【0042】
例えば、脂肪族イソシアネートを使用する場合、触媒を使用してもよい。使用される触媒は、ポリウレタン化学において既知である常套の有機金属化合物であり、例えば、鉄化合物または、特に錫化合物である。これらの例としては、鉄の1,3-ジカルボニル化合物(例えば鉄(III)アセチルアセトネート)、および特に、2価または4価の錫の有機錫化合物、特にSn(II)カルボキシレートまたはジアルキル-Sn(IV)ジカルボキシレート、または対応するジアルコキシレート、例えばジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫マレエート、錫(II)オクトエートである。特に、三級アミンまたはアミジンが触媒として使用され、これらの触媒は、必要に応じて上記の錫化合物と組合せて使用してもよい。ここで考慮され得るアミンは、非環式の化合物、および特に環式の化合物である。これらの例としては、テトラメチルブタンジアミン、ビス(ジメチルアミノエタノール)エーテル、1,4-ジアザビシクロオクタン(DABCO)、1,8-ジアザビシクロ-(5.4.0)-ウンデセン、2,2'-ジモルホリノジエチルエーテル、ジメチルピペラジン、または上記アミンの混合物である。本発明による2成分系ポリウレタン接着剤の別の実施態様において、触媒を使用せずに反応が進行する。
【0043】
さらに、本発明による接着剤は、必要に応じて追加の安定剤を含有してもよい。「安定剤」という用語は、本発明の目的に関連して、酸化防止剤、UV安定剤または加水分解安定剤という意味で理解される。これらの例としては、常套で市販のヒンダードフェノールおよび/またはチオエーテルおよび/または置換されたベンゾトリアゾールおよび/またはHALS(ヒンダードアミン光安定剤)型のアミンである。
【0044】
さらに、必要に応じて樹脂が存在してもよい。これらの樹脂には、天然樹脂または合成樹脂が含まれる。これらの例としては以下のものが含まれる:セラック、ロジン、トール油樹脂、ゴム樹脂または木材樹脂、炭化水素、テルペン、クマロン/インデン、フラン、アルキド、グリセロールエステル、ウレア、メラミン、ポリアミド樹脂、特にアルデヒド樹脂、ケトン樹脂またはフェノール樹脂である。該樹脂は、一般に低い融点を有し、特に、成分の相溶性を向上させるために有用である。ある特定の実施態様においては、OH基、特に複数のOH基を含有する樹脂が使用される。次いで、これらはイソシアネートと反応してもよい。好ましい実施態様において、該樹脂の量は5〜30wt%の間である。
【0045】
また、本発明による組成物は、更なる既知の助剤および添加剤、例えば可塑剤、チキソトロープ剤、着色ペーストまたは顔料などを含有してもよい。適当なフィラーは、イソシアネートに対して反応性を示さない無機化合物である。適当なフィラーおよび顔料の例は、天然の粉砕チョーク、沈降チョーク、バライト粉、タルク、マイカ、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化鉄、アルミナ、酸化亜鉛、硫酸亜鉛または二酸化ケイ素である。吸水性の粉末、例えばゼオライトは、フィラーとして存在してもよい。該フィラーは微粉化した状態、例えば1〜200μm、特に50μm以下の大きさで存在させるべきであるが、該フィラーはナノスケールの顔料であってもよい。フィラーおよび顔料の量は、0〜60wt%、特に5〜40wt%である。該フィラーの量は、架橋した接着剤の硬度に影響を与える。また、フィラーの量および種類も粘度に影響を与える。
【0046】
添加剤は、少なくとも架橋反応中においては、イソシアネートと如何なる反応または二次反応を引き起さないように選択される。特に、例えばカルボン酸などのように、接着剤内において気泡の形成を促進する添加剤は添加すべきでない。さらに好ましくは、本発明による接着剤は、例えば120℃までの温度で揮発する有機溶媒を含有すべきでない。また、特に可塑剤も存在させるべきではない。
【0047】
ポリオール成分中に存在するOH基に対する、イソシアネート成分中に存在するイソシアネート基の割合は一般的には当量の範囲であるが、表面上に存在する水分を考慮して、該イソシアネート基をわずかに過剰な量で添加することが好都合である。NCO/OHの割合は、0.91:1〜1.5:1の間の量であり、特に1.0:1〜1.3:1である。
【0048】
本発明による2成分系ポリウレタン接着剤は、まずポリオール成分を調製することにより調製される。この目的のためには、液体のポリオールを混合し、次いで混合物中に任意の固体成分を溶解させる。このとき、加熱することによって溶解を促進させてもよい。続いて、助剤を混合し分散させる。この際、含水率は低く抑えられるべきであり、例えばモレキュラーシーブを使用して水分量を減少させてもよい。一部の不活性助剤をイソシアネート成分の中に混合してもよい。2つの成分は、使用されるまでそれぞれ別に貯蔵される。これら2成分を使用するために、該2成分を既知の方法で相互に混合し、得られた混合物を接着させる基材に塗布する。
【0049】
本発明による接着剤は、塗布温度(すなわち、10℃〜40℃)で液状〜ペースト状の状態を呈するべきである。したがって、該接着剤はフィルムまたはビード(bead)として塗布されるべきであり、塗布に際しては、該接着剤は基材上で流動すべきで。本発明による接着剤混合物は、特に揺変性を示す。
【0050】
多くの場合、広い領域を接着させなければならず、また、被接着部品を精密に配列させなければならないので、長いオープンタイムが必要である。本発明によると、オープンタイムは30分より長く、特に60分より長いオープンタイムが実現される。オープンタイムとは、2成分系接着剤が完全に混合されてから、接着剤の反応開始に起因して、該接着剤が塗布性および基材上での流動性と良好な接着性をもはや示さなくなる程度まで接着剤の稠度が変化する前に、該接着剤が固有の加工性を維持できる時間を意味する。この場合、接着性組成物内の変化が所望の架橋反応に起因することもあり、また、二次反応がポットライフ(pot life)に対して悪影響を及ぼすこともある。
【0051】
長いオープンタイムは、疎水性アルコールの量に影響され得る。疎水性ポリオールの量が過度に少ない場合、充分なオープンタイムが得られない。即ち、接着剤の架橋が急速に行われ、気泡の形成が観察される。また、触媒は反応速度とオープンタイムに影響を及ぼす。ポリオール成分の含水量は、2wt%未満、特に1wt%未満、好ましくは0.5wt%未満にすべきである。
【0052】
接着剤成分を選択することで、接着剤が50℃〜130℃、好ましくは60℃〜110℃のガラス転移温度(Tg)(DIN 11357に基づき、DSCで測定した温度)を示すことを実現する。所望の機械的安定性を得るためには、高いTが必要である。本発明に従って疎水性ポリオールと多官能性ポリオールを選択する結果、架橋した接着剤の高い機械的安定性が得られる。本発明による適当な接着剤は、架橋後に疎水性の網状構造を形成する。この点に関連して、疎水性アルコールの量が不十分な場合、湿気にさらされるとTが変化することが見出されている。本発明によると、試験片を水中に浸漬させた後(1000時間、蒸留水を使用、25℃)、ガラス転移温度の初期値からの偏差は20%以下にすべきである。
【0053】
別の実施態様において、接着剤は少なくとも2つのガラス転移温度を有することができる。本発明において、第二のガラス転移温度は、第一のガラス転移温度よりも低くすべきである。この第二のTは、例えば−50℃〜+70℃、特に、−10℃〜+40℃の範囲であってもよい。接着結合の構造的安定性は、例えば、弾性率によって測定してもよい。−10℃〜+70℃の測定温度で、該弾性率は1000MPaよりも大きい(DIN EN ISO527と同様に測定した値)。
【0054】
本発明による2成分系ポリウレタン接着剤は、特に、繊維複合材料の接着に使用できる。この場合、基材は成形品として生産される。この場合、接着される成形品の表面には汚染物が存在しないようにすべきである。成形品は、生産過程から得られたものを直接使用してもよい。また、該表面を、後続の加工処理に付される前に取り除かれる保護織布によって仮保護することも常套手段である。本発明による接着剤は、この表面上に層状、ビード状または点状で塗布される。層の厚さは、2cm以下であってもよい。次いで、別の基材が貼り付けられ、位置が調整され、必要に応じて押圧し固定される。この作業により、依然として流動性を有する接着剤は、基材の表面上で均一に分配される。接着層が高い層厚を示すことで、接着される不均一な表面が該接着剤で平滑化され、基材同士が広範囲で接触する状態が確実にもたらされる。
【0055】
その後、接着結合を硬化させる。該硬化は周囲温度でおこなってもよく、また、必要に応じて、温度を90℃以下に上昇させることにより、架橋を加速させてもよい。架橋の後、本発明による接着剤は高い機械的強度を示す。接着結合は、DINEN1465で測定した場合に15MPaより大きい剪断強度を示す。
【0056】
接着結合を向上させるためには、接着剤が架橋した後、接着した基材を熱処理工程に付すことが有効であり得る。この場合、接着結合は、該基材を40℃〜100℃の間の温度で、30分間〜24時間の熱処理に付すように調整すべきである。特定の理論に束縛されるものではないが、該熱処理によって架橋部位および結晶領域の内部秩序が高められる結果、安定な使用特性がもたらされると考えられる。本発明による2成分系ポリウレタン接着剤を使用することによって、架橋時間の削減または必要とされる温度の低減化がもたらされる。また、製造工程の間に複合材料が受ける負荷が、結果的に低減される。熱処理は、上記のように限定してもよく、あるいは行わなくてもよい。
【0057】
本発明による接着剤は、硬化すると、高温条件下においても機械的に安定する。このようにして、2mmまでの大きさのギャップ、裂け目または空洞を本発明による接着剤で充填させて、強固な接着結合を形成させてもよい。接着結合は、羽根が回転翼として使用される場合に生じるような変動負荷にさらされても安定である。様々な環境の影響によってもたらされる振動、温度変化または高い水分暴露によって、該接着結合は弱くならない。
【実施例】
【0058】
以下の実施例は、本発明を例示的に説明する。
【0059】
ポリエステルポリオールA:分子量=2000;アジピン酸とブタンジオールおよびヘキサンジオールを反応させて調製した;f=2
疎水性ポリオール:ヒマシ油
ポリオールB1:分子量=700;ポリエーテルポリオール;f=3
ポリオールB2:N,N,N',N''-テトラ(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン;f=4
【0060】
ポリオール成分(重量単位)の構成要素を室温で混合する。接着剤はポリオール成分とイソシアネートとを混合させて調製し、該調製から30分以内に適当な試験片を作製し、その後硬化させる。
【0061】
硬化:40℃で48時間
【0062】
【表1】

【0063】
【表2】

【0064】
ポリオール成分の層と1%の水とを混合し、次いで同量のMDIを添加して室温で硬化させ、厚さ約1cm、直径5cmの試験体を調製した。ごく少量の気泡を含有する固体状試験体が得られる。
【0065】
実験例3(比較例)
ヒマシ油(疎水性ポリオール)を対応する量のポリエチレングリコール(分子量は約1000、3官能性)に置き換えた条件で、実施例1に従って組成物を調製した。ゼオライトの量を1まで減らした。
【0066】
硬化の際、厚い接着剤のビードは泡を呈し、その結果、機械的に安定しないことが見出された。1%の水を含むポリオール成分と同量のイソシアネートの混合物は、勢いよく泡を形成しながら同様に硬化した。
【0067】
実験例4(比較例)
実施例2に従って混合物を調製する。ただし、ポリオールBをポリエーテルジオール(分子量800)に置き換える。
【0068】
接着剤を硬化させる。しかしながら、ガラス転移温度は40℃より低い値を示す。接着剤の機械的性質(例えば弾性率)は不十分であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
NCO/OH比が0.9:1〜1.5:1になる割合で、ポリオール成分とポリイソシアネートから調製されるイソシアネート成分からなる2成分系ポリウレタン接着剤であって、該ポリオール成分が、
a)1000g/molより大きい分子量を有する少なくとも1種のポリエステルジオールを2〜30wt%と、
b)少なくとも1種の3官能性〜14官能性ポリオールを5〜35wt%と、
c)疎水性ポリオールを5〜35wt%と、
d)さらなる添加剤または助剤を2〜65wt%とを
含有し[a)〜d)の合計は100wt%である]、
架橋された該接着剤が50℃より高いTを示す、
該2成分系ポリウレタン接着剤。
【請求項2】
疎水性ポリオールc)が、2.3〜4の間の官能性を示し、該ポリオールが、ポリカーボネート、ポリブタジエンまたは油化学ポリオールから選択される請求項1に記載の2成分系ポリウレタン接着剤。
【請求項3】
ポリエステルジオールが、低分子量の直鎖脂肪族ジオール、脂環式ジオールおよび/または分枝鎖状ジオールと脂肪族のジカルボン酸から合成され、該ポリエステルジオールが15000g/mol以下、特に1500〜8000g/molの分子量を有する請求項1または2に記載の2成分系ポリウレタン接着剤。
【請求項4】
ポリオールb)が、3〜9個のOH基を有するポリオールであり、該ポリオールが、糖アルコール、ポリエーテルポリオールまたはアミノ基を含有するポリオールから選択される請求項1〜3のいずれかに記載の2成分系ポリウレタン接着剤。
【請求項5】
樹脂、特に1個または複数個のOH基を含有する樹脂が添加剤として存在する請求項1〜3のいずれかに記載の2成分系ポリウレタン接着剤。
【請求項6】
芳香族ポリイソシアネートが使用される請求項1〜4のいずれかに記載の2成分系ポリウレタン接着剤。
【請求項7】
接着剤が溶媒を含有せず、特に可塑剤も含有しない請求項1〜5のいずれかに記載の2成分系ポリウレタン接着剤。
【請求項8】
架橋した接着剤が、60℃より高く130℃よりも低いTを示す請求項1〜6のいずれかに記載の2成分系ポリウレタン接着剤。
【請求項9】
架橋した接着剤が、該接着剤を水中に浸漬させた後のガラス転移温度Tが初期値から20%未満偏差するような疎水性を示す請求項8に記載の2成分系ポリウレタン接着剤。
【請求項10】
架橋した接着剤が、第一のTよりも低い第二のTを示す請求項1〜9のいずれかに記載の2成分系ポリウレタン接着剤。
【請求項11】
架橋後の接着剤が、−10℃〜70℃の間の温度で1000MPaよりも大きい弾性率を示す請求項1〜10のいずれかに記載の2成分系ポリウレタン接着剤。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の2成分系ポリウレタン接着剤の使用であって、金属基材、プラスチック基材もしくは発泡基材、または繊維複合材料を接着するための該使用。
【請求項13】
ポリエステルまたはポリエポキシのマトリックスに組み込まれたガラス繊維、炭素繊維、織物繊維に基づく成形品を接着するための請求項12に記載の使用。
【請求項14】
不均一な表面を有する成形品を接着するための請求項12または請求項13に記載の使用。

【公表番号】特表2011−509316(P2011−509316A)
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538749(P2010−538749)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【国際出願番号】PCT/EP2008/067988
【国際公開番号】WO2009/080740
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】