説明

繊維性チタン酸アルミニウム基材およびその製造方法

【課題】
【解決手段】
本願では、チタン酸アルミニウム組成を有する多孔質繊維性ハニカム基材およびその製造方法を提供する。チタン酸アルミニウムの前駆体が、繊維材料を含む押出し可能混合物で提供され、未焼成ハニカム基材を形成する。チタン酸アルミニウムの前駆体は、硬化されるとチタン酸アルミニウム組成を形成し、繊維材料が多孔質微細構造を定める。チタン酸アルミニウムを含むさまざまな複合体構造は、ろ過媒体および/または触媒母体になるよう構成可能な多孔質ハニカム基材を形成するために提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に繊維性チタン酸アルミニウム材料に関連し、さらに具体的には、チタン酸アルミニウムおよびチタン酸アルミニウム材料から成る複数の繊維を含むチタン酸アルミニウム複合材料に関連する。
【背景技術】
【0002】
先端セラミック材料は、例えば自動車エンジン(例えば、触媒コンバータ)、航空宇宙用途(例えば、スペースシャトルのタイル)、耐火物事業(例えば、耐火れんが)および電子機器(例えば、コンデンサ、絶縁体)など、過酷な環境にあるシステムで一般的に使用される。多孔質セラミック体は、これらの環境でのフィルタとして特に有用である。例えば、今日の自動車産業では、排気ガスの触媒酸化と低減をホストし、粒子状物質排出物をろ過するために、セラミックハニカム基材(すなわち、多孔質セラミック体)を使用する。セラミックハニカム基材は、ろ過のために高い比表面積を提供し、触媒反応を支持すると同時に、自動車エンジン環境に付随する高い動作温度において安定しており、構造的にかなり信頼性がある。
【0003】
一般的に、例えばチタン酸アルミニウムベースのセラミックのようなセラミック材料は、不活性な材料で、高温環境で良好に機能する。しかしながら、セラミック材料は、高い温度勾配および材料を最高最低温度間の熱サイクルにさらす環境によって生成されるストレスなどの、熱応力に影響を受けないわけではない。極端な温度環境にさらされたセラミック材料の性能は、ろ過用途などの高度な多孔質特性が望ましい場合はさらなる課題が待ち受ける。高温環境でのろ過媒体および/または触媒母体としての高空隙率のチタン酸アルミニウム基材材料は、劣化し、多くの用途で機能しなくなることが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、堅固な繊維性微細構造から生じる機械的完全性を備えたチタン酸アルミニウムの組成を有する高空隙率基材を提供することによって、従来技術の欠点を克服する。本発明の基材はろ過媒体および/または触媒母体として、高温環境などの厳しい環境での使用に適している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様では、繊維性チタン酸アルミニウムハニカム基材は、隣接する壁の間の経路を形成する一連のハニカム壁を含み、これは開放細孔網を持つ多孔質構造を画定している複数の繊維から成る。この実施形態では、繊維性チタン酸アルミニウム微細構造は、50%を超える多孔質の開放細孔網から空隙率を提供する。結合基質は、複数の繊維のうち隣接するものの間に形成され、構造に剛性と強度を与える。結合基質は、ガラス、ガラスセラミック、およびチタン酸アルミニウムを含むセラミック材料であり得る。二酸化シリコン、酸化ストロンチウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、および酸化カルシウムの少なくとも1つを持つチタン酸アルミニウムを含む、さまざまな複合材料が形成され得る。
【0006】
多孔質チタン酸アルミニウム基材の製造方法には、チタン酸アルミニウムの前駆体(すなわち、前駆体である酸化アルミニウムおよび二酸化チタン)を添加物および流体と混合して、押出可能混合物を提供することを含む。前駆体および/または添加物には繊維を含む。押出可能混合物は、未焼成ハニカム基材に押出され、硬化されて繊維性チタン酸アルミニウム多孔質基材となる。硬化工程は、未焼成基材を乾燥して添加物を除去することを含み、その後の焼結工程で、繊維によって画定される細孔構造を維持しながら、前駆体からチタン酸アルミニウムが形成される。
【0007】
多孔質繊維性チタン酸アルミニウム基材の製造方法には、ほぼ等モル比のアルミナおよび二酸化チタンから形成される化学量論のチタン酸アルミニウムを含む。バリエーションには、過剰のアルミナ、過剰のシリカ、および追加的組成から生じる複合構造を含む。本発明の多孔質繊維性チタン酸アルミニウム基材は、約50%〜約85%の範囲の空隙率を持つことができ、チタン酸アルミニウムの組成を持つ結合セラミック繊維から形成される。結合したセラミック繊維は結合基質と、ガラス結合、ガラスセラミック結合またはセラミック結合、あるいはその任意の組み合わせで結合され得る。1つの実施形態では、結合基質はチタン酸アルミニウムであり、他の実施形態では、結合基質はチタン酸アルミニウムと二酸化シリコン、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、または酸化カルシウムの複合基質である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図は本明細書の一部を成し、さまざまな形で具体化される可能性のある本発明の例示的実施形態を含む。
【図1】本発明によるハニカム基材を描写したものである。
【図2】本発明のハニカム基材の多孔質微細構造の拡大部分を示す。
【図3】本発明による多孔質チタン酸アルミニウムハニカム基材の製造方法を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態のハニカム基材の多孔質微細構造の拡大部分を示す。
【図5】本発明の別の実施形態のハニカム基材の多孔質微細構造の拡大部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施例に関する詳細な説明をここに示す。ただし、本発明はさまざまな形で例示される場合があることを理解すべきである。そのため、ここに開示する特定の詳細はそれに限定するものとして解釈すべきではなく、むしろ実質的にすべての詳述したシステム、構造または様式において本発明を使用する方法を、当業者に教示するための代表的な根拠として解釈すべきである。
【0010】
セラミック繊維ベースの基材材料は、高温断熱、ろ過用、および触媒反応のホスト用に有用である。さまざまなあらゆる形態において、その材料は、触媒コンバータ、NOx吸収剤、DeNOxフィルタ、多機能フィルタ、溶融金属輸送機構およびフィルタ、再生器コア、化学工程、固定床反応器、水素化脱硫、水素化分解または水素処理、およびエンジン排気ろ過として高温用途に使用し得る。粉末ベースのセラミック材料は、焼結中に揮発する有機物および細孔系製剤の使用を通して、多孔質形状に製造し得る。また、粉末ベースのセラミックハニカム基材の粉末焼結工程は、セラミック前駆体の緻密化をもたらし、焼結基材材料全体に渡る細孔と空間の包含をもたらし得る。
【0011】
粉末ベース材料から製造された多孔質基材に著しい障害が生じる。空隙率が50%を超えると、粉末ベースの基材は非常に弱くなり、高温または熱応力のかかる用途で機械的不具合を起こしやすくなる。さらに、原材料の緻密化によって、および/または有機物の揮発を通して生じる空間と細孔は相互接続が不十分であるため、粉末ベース基材の空隙率は、ろ過用途には一般的に有用ではない。繊維ベース基材でそうであるように、細孔空間があまり相互接続されていない時、基材材料は、材料を通過する気体または流体の流れに対して透過性がない。
【0012】
繊維性微細構造により提供される高い空隙率、および高い有効表面積は、低質量での優れた強度を提供し、熱衝撃または機械的分解を示すことなく広範囲かつ突然の温度逸脱に耐え得る。セラミック繊維も、燃焼室の内張りおよび耐衝撃性を必要とする高温環境で使用される、真空鋳造板などの高温剛性断熱板を製造するために使用され得る。鋳造工程も、窯器具およびタイルセッターなどのセラミック繊維の剛性構造を形成するために使用され得る。
【0013】
本書において、繊維とは、アスペクト比(すなわち、長さを幅で割ったもの)が1より大きい材料の形状である。繊維の断面図は、一般的に丸い形状であるが、三角形、長方形、または多角形などの他の形の断面も可能である。さらに、繊維の幅は、繊維の長さまたは繊維の断面に渡って変動することがある。多くのタイプの材料組成が繊維形状で提供され得る。一般的に、繊維は多数の工程のいずれか1つにより産生され、これには回転工程、吹き工程、延伸工程、またはゾルゲル工程を含むがこれに限定されない。アルミノケイ酸塩またはアルミナ繊維などの、耐火物断熱に使用されるほとんどのセラミック繊維は、約1ミクロン〜約25ミクロン、より一般的には3ミクロン〜約10ミクロンの直径または幅を持つ。当業者は、多孔質繊維性基材の製造のための原材料としての繊維の形状は、アスペクト比が約1の、より典型的なセラミック粉末材料と比べ、形状は大きく異なっていることを理解するであろう。
【0014】
図1は、本発明によるハニカム基材を描写したものである。基材100は、隣接する壁の間の経路120を画定する一連のハニカム壁110を持つ。より具体的には、壁110は、チタン酸アルミニウム組成を有する繊維ベース材料の多孔質微細構造から成る。図2を参照すると、多孔質微細構造200の拡大部分が示されている。細孔空間220は、重複して互いに絡み合った繊維210の間の空間から作られる。重複して互いに絡み合った繊維210は、焼結結合によりおよび/または、ガラス、ガラスセラミックまたはセラミック結合などの結合基質230を通して隣接繊維と結合される。
【0015】
物品を強化するための繊維の使用は、当技術分野では一般的に知られている。一般的な繊維強化組成は、繊維と基質の構造から成る。繊維が強度を提供する一方、基質が繊維を合わせて接着し、強化繊維の間のストレスを移動させる。ハニカムセラミック基材は、ハニカム構造を補強・強化するために少量の繊維を含むことが知られている。しかし、本発明の方法および装置では、繊維が基質であり、これは隣接繊維と重複繊維の間の空間から生じる基材の空隙率と透過性を有し、隣接繊維と重複繊維の間の結合から生じる基質の強度とサポートを有する。本発明の構造と繊維強化品の構造の間の主な違いは、本発明の繊維は隣接・近接する繊維および/または結合基質と反応して一般的に均一な組成材料を形成することである。
【0016】
チタン酸アルミニウムは斜方晶構造で、焼結多結晶または非晶質材料中で、安定した微小クラック構造を形成する。チタン酸アルミニウムは安定した酸化セラミック材料で、非常に低い熱膨張係数によって、優れた耐熱衝撃性を示すことで高く評価されている。温度勾配が存在する可能性のある用途では、低い熱膨張係数を有するセラミック材料が望ましい。
【0017】
例えば、ディーゼル微粒子フィルタでは、フィルタに蓄積した煤煙が定期的に再生される時に温度勾配が生じ得る。ディーゼル微粒子フィルタの再生には、蓄積した煤煙を酸化して二酸化炭素と水蒸気にするため、蓄積した煤煙を燃焼させることを伴う。摂氏800度を超えるフィルタの温度勾配が発生する可能性があり、これはセラミック材料の強度を超える可能性がある熱応力を誘発し得る。低い熱膨張係数を有する材料を使用した時、高い温度勾配の結果生じる熱応力はそれに応じて減少し得る。チタン酸アルミニウムから成る多孔質ハニカム基材は、粉末ベースの原材料を使用して製造されることがこれまで知られている。空隙率が約50%を超えると、粉末ベース材料からのチタン酸アルミニウム基材が物理的に弱くなるので、空隙率の有効範囲は限定されている。
【0018】
多孔質繊維ベースの原材料を使用して製造され、押出し方法を使用してハニカム基材を産生する、本発明によるチタン酸アルミニウム基材は、50%以上の空隙率を有し、十分な機械的強度と他の熱特性と機械特性を備えた多孔質チタン酸アルミニウムハニカム基材を提供し得る。さらに、繊維ベースの原材料のハニカム形状への押出しは、繊維の好ましい配向性(すなわち、押出し方向に配列された繊維)をもたらし得る。その際、繊維の配置(これは、直径、長さおよび組成から生じる強度など、繊維の原材料の機械的特性によって制御または影響され得る)は、動作中に最大の温度勾配を経験し得る基材の方向における低い熱膨張係数特性を含む、異方性熱膨張係数特性を与え得る。
【0019】
ここで図3を参照すると、多孔質チタン酸アルミニウムハニカム基材の製造方法が本発明に従って示されている。一般的に、方法300は押出工程を使用して、最終高多孔質基材に硬化できる未焼成基材を押し出す。方法300の押出し工程は、基材のサイズ、外形、および形状に柔軟性を与え、押出し金型と押出し装置は特定の構成に適応させ得る。
【0020】
一般的に、チタン酸アルミニウム前駆体310は、混合ステップ340で添加物320および液体330と混合される。チタン酸アルミニウム前駆体310は、少なくとも酸化アルミニウム、またはアルミナ、および二酸化チタン、またはチタニアを含む。空隙率の開放網を提供するためには、材料の少なくとも一部が繊維形状315でなければならない。アルミナ前駆体とチタニア前駆体の両方が、繊維形状で容易に提供され得る。前駆体はいずれも繊維形状であり得るか、または前駆体は粉末形状および/またはコロイド溶液で提供され得るが、このとき前駆体のうち1つの少なくとも一部は繊維形状である。前駆体はいずれも粉末形状および/またはコロイド溶液であり得るが、このとき添加物は繊維状である。また、チタン酸アルミニウム繊維はチタン酸アルミニウム前駆体310と共に含まれ得る。
【0021】
また、チタン酸アルミニウム前駆体310は、非化学量論のチタン酸アルミニウムを生じる場合がある付加化合物を含み得る。例えば、非晶質50%アルミナ/50%二酸化シリコン(シリカ)などのアルミノケイ酸塩材料は繊維形状で容易に入手でき、粉末二酸化チタンと組み合わせてチタン酸アルミニウムとムライトおよび/またはチタン酸アルミニウム、ムライトとシリカ系ガラスの複合組成を有する構造を形成し得る。
【0022】
さらに、ムライト繊維を二酸化チタン繊維と共に含めて、類似のチタン酸アルミニウム(ムライト)ガラス組成を提供し得る。別の実施形態では、前駆体は粉末(および/またはコロイド)形状で、チタン酸アルミニウム構造をシリカ繊維のまわりに形成するために添加物はシリカ繊維、または、シリカ繊維を持つ前駆体からのアルミナの適切量の反応から形成されるムライト繊維を含み得る。これらの複合構造は、繊維添加物上で形成されるチタン酸アルミニウムコーティングの形状であり得る。さまざまな実施形態の具体的な例を以下に示す。
【0023】
添加剤320は、結合剤、分散剤、細孔形成剤、可塑剤、処理補助剤、強化材料を含む。結合剤は有機および無機材料、および押出し補助剤または形成補助剤、レオロジー調整剤および処理補助剤および可塑剤を含み、これらはその後の押出しステップ350で有用であり得る。例えば、添加物320として含まれ得る有機結合剤には、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロースおよびその組み合わせを含み得る。
【0024】
有機結合剤には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリスチレン、酢酸ポリビニル、ポリエステル、イソタクチックポリプロピレン、アタクチックポリプロピレン、ポリスルホン、ポリアセタールポリマー、ポリメチルメタクリル、フマル酸・インダン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、アクリルゴム、ポリビニルブチラール、およびイノマー樹脂などの熱可塑性樹脂を含み得るが、これに限定されない。有機結合剤には、エポキシ樹脂、ナイロン、フェノールホルムアルデヒド、およびフェノールフルフラール、ろう、パラフィンワックス、ワックスエマルジョン、および微結晶ワックスなどの熱硬化性結合剤を含み得るが、これに限定されない。
【0025】
また有機結合剤には、セルロース、デキストリン、塩素化炭化水素、精製アルギン酸、でんぷん、ゼラチン、リグニン、ゴム、アクリル、ブチューメン、カゼイン、ガム、アルブミン、タンパク質、およびグリコールを含み得るが、これに限定されない。例えば熱膨張係数など、結果得られるチタン酸アルミニウムの特性を大きく変化させることなく、低い焼結温度でチタン酸アルミニウムを形成する事を促進するために、添加物320は一般的に、重量で1%未満など比較的少量の、炭酸マグネシウムなどまたはその他の焼結補助剤を含むことがある。また添加物320には、例えばディーゼル微粒子フィルタとしてなど、動作中のチタン酸アルミニウムの分解の可能性を抑制する安定化化合物も含み得る。安定化化合物には、微量のシリカ、酸化マグネシウム、および/または酸化鉄を含み得る。
【0026】
無機結合剤には、添加物320として、例えば可溶性ケイ酸塩、可溶性アルミン酸塩、可溶性リン酸塩、球状粘土、カオリン、ベントナイト、コロイドシリカ、コロイドアルミナ、およびリン酸ホウ素などを含み得る。これらの無機結合剤は、可塑性と押出し性を提供し、またチタン酸アルミニウム前駆体310との複合構造の形成にも寄与する。添加物320として含まれ得る水溶性結合剤には、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリエチテリミン、寒天、アガロース、糖蜜、デキストリン、でんぷん、リグノスルホン酸塩、リグニン濃縮溶液、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、キサンタンガム、トラガカントガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アイリッシュモス、スクレログルカン、アクリル、およびカチオン性ガラクトマンナンが含まれる。
【0027】
また添加物320は可塑剤も含むことができ、これにはステアリン酸、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジアリル、グリセロール、オレイン酸、ステアリン酸ブチル、微結晶ワックス、パラフィンワックス、和蝋、カルナバワックス、蜜蝋、エステルワックス、植物油、魚油、シリコンオイル、水素化ピーナッツ油、リン酸トリトリル、モノステアリン酸クリセロールおよび有機シランを含むことがあるが、これに限定されない。
【0028】
また添加物320は、多孔質基材100の細孔のサイズと分布を向上させる細孔形成剤を含み得る。細孔形成剤は、最終多孔質基材中の空隙を増加させるために加えられる。細孔形成剤は、空隙を作る能力および熱分解挙動のみに基づくのではなく、混合および押出し中の繊維の配置支援も考慮して選択される。このように、細孔形成剤は繊維の重複パターンへの配置を支援し、焼結ステップ380の後半において繊維間の適正な結合を促進する。さらに、細孔形成剤は繊維を好ましい方向に配置する役割も果たし、これは押出された基材の異なる軸に沿った熱膨張特性に影響を与える。添加物320としての細孔形成剤には、カーボンブラック、活性炭、片状黒鉛、人造黒鉛、木粉、加工でんぷん、でんぷん、セルロース、ヤシ殻粉、殻、ラテックス球、粒餌、おがくず、熱分解可能ポリマー、ポリ(メタクリル酸アルキル)、メタクリル酸ポリメチル、メタクリル酸ポリエチル、ポリ・メタクリル酸n-ブチル、ポリテトラヒドロフラン、ポリ(1,3-ジオキソラン)、ポリ(酸化アルカレン)、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、メタクリル酸共重合体、ポリイソブチレン、炭酸ポリトリメチレン、ポリ・シュウ酸エチレン、ポリβ-プロピオランクトン、ポリδ-バレロラクトン、炭酸ポリエチレン、炭酸ポリプロピレン、ビニルトルエン・α-メチルスチレン共重合体、スチレン・α-メチルスチレン共重合体、およびオレフィン・二酸化硫黄共重合体を含み得るが、これに限定されない。
【0029】
上記に簡単に説明したように、チタン酸アルミニウム前駆体310として1つ以上の繊維組成を含み得る。さらに、添加物320は、粉末、液体溶液または繊維形状であり得る。液体330は一般的には水であるが、溶液などの他の液体も提供され得る。さらに、前駆体310および/または添加物320は、コロイド懸濁液または溶液で提供することができ、これにより必要とされる液体330の追加量を減少またはなくすことができる場合がある。液体330は、押出しステップ350に適切な混合物の望ましいレオロジーを達成するために必要に応じて加えられる。混合ステップ340中に、押出ステップ350について望ましいレオロジーと比較した混合物のレオロジーを評価するために、レオロジー的(流動学的)測定を行うことができる。基材に亀裂の形成を誘発する可能性のある硬化ステップ355中に過剰な収縮が起こる場合があるため、過剰な液体330は望ましくないことがある。
【0030】
前駆体310、添加物320および流体330は混合ステップ340で混合され、押出し可能な混合物を提供する。混合ステップ340には乾燥混合様態、湿式混合様態、せん断混合様態が含まれ得る。混合物中で繊維を高度に均一配分するには、せん断または分散混合が望ましいことが明らかになっている。混合物のセラミック材料濃度が比較的低いため、この配分は特に重要である。せん断混合は、混合物内で繊維を粉砕し、配分するために必要である。シグマ混合機、または同等の装置が、混合ステップ340を行うためには適している。均一混合物が混合されるにつれ、混合物のレオロジーは必要に応じて調整される場合がある。混合物が混合されると、そのレオロジーは変化し続ける。レオロジーは主観的に試験するか、または当業者に知られているレオロジー値に従って測定してもよい。
【0031】
次に押出し可能な混合物は、押出しステップ350で押出されて未焼成基材となる。スクリュー押出し機の場合、大量に連続的インライン処理を行うために、混合ステップ340は押出しステップ350とほぼ同時に実施され得る。
【0032】
また、ピストン押出し機のバッチ処理も、混合物を未焼成基材に押出すために実施可能である。ハニカム形状は、混合物を、ハニカム押出し金型を通して押出すことにより達成できる。セル密度と壁の厚さなどのハニカムセルのサイズと形状は、押出し金型のデザインによって決定される。未焼成基材は、その後の処理のために、基材を支持し、押出された外形と形状を維持するのに十分な未焼成強度を持つ。
【0033】
硬化シーケンス355は基本的に、乾燥ステップ360、バインダー飛ばしステップ370および焼結ステップ380から成る。乾燥ステップ360は、未焼成基材中のほぼすべての液体を除去し、添加物320の結合剤成分を固体化またはゲル化させるために実施される。乾燥ステップ360は、一般的に、オーブン中比較的低い温度で実施されるか、またはマイクロ波、赤外線、または湿度制御乾燥システムなどの別の乾燥方法を使用し得る。98%を超える水などの流体を除去するために、赤外線またはマイクロ波乾燥オーブンで未焼成基材を乾燥することは、後続の高温処理における急速な収縮による亀裂または失敗が低減または除去される範囲で許容される事が示されている。
【0034】
バインダー飛ばしステップ370は、有機材料など、高温で少なくとも部分的に揮発する添加物320を除去するために実施される。これらの添加物は、繊維の配列および配置を維持するため、および流出気体および残渣が繊維構造を妨げないことを確実にするために、制御された方法で燃やし尽くし得る。添加物が燃え尽きるにつれ、繊維は重複配置を維持し、隣接・重複する繊維と、構造内の交点または節でさらに接触する場合がある。繊維は、例えば結合剤を使用してこれらの重複配置に配列されており、細孔形成添加物を使用することで特定のパターンが形成されることがある。バインダー飛ばしステップ370の間に添加物320を除去するための特定のタイミングと温度、および環境は、選択された添加剤に依存する。例えば、有機結合剤の添加物320としてHPMCを使用し、細孔形成剤の添加物320としてグラファイト粒子を使用した場合、バインダー飛ばしステップ370では、未焼成基材を約325℃に加熱してHPMCを熱分解し、次に空気パージ環境で未焼成基材を約600℃に加熱してグラファイトを二酸化炭素に酸化することにより、選択的に添加物を除去することができる。
【0035】
その後焼結ステップ380を実施して、チタン酸アルミニウム前駆体310からチタン酸アルミニウムを形成する。この焼結ステップ380では、チタン酸アルミニウム前駆体310の繊維ベースの成分315および/または添加物320は、押出し工程350によって配列・配置されており、添加物320の揮発性成分はバインダー飛ばしステップ370で除去される。ここで図2を再び参照すると、バインダー飛ばしステップ370で除去された添加物320の揮発性成分によって形成された開放細孔空間220および、粉末ベースの前駆体および/または繊維(図2には明確には示されていない)をコートしている添加剤と共に、チタン酸アルミニウム前駆体310の繊維ベースの成分が繊維210として示されている。焼結ステップ380では、チタン酸アルミニウム前駆体310の反応からチタン酸アルミニウムを形成するのに十分な環境の温度まで基材を加熱する一方、チタン酸アルミニウム前駆体の繊維成分に基づいて堅固で多孔質な構造を形成する。
【0036】
多孔質基材の組成は、チタン酸アルミニウム前駆体310および非揮発性添加物320の相対量に依存する。例えば、ほぼ均一なチタン酸アルミニウム組成は、チタン酸アルミニウム前駆体310がアルミナと二酸化チタンの化学量論比を含み、以下の式で示されるように前駆体からチタン酸アルミニウムが形成される時、反応によって形成され得る:Al2O3 + TiO2 → Al2TiOs。また図2を参照すると、チタン酸アルミニウムの形成中、隣接・重複繊維230間の結合が、焼結結合によって化学量論的チタン酸アルミニウム構造中に形成される。
【0037】
本発明による多孔質基材の組成は、チタン酸アルミニウム、および/または硬質構造を提供するために形成され得るさまざまな結合相を含む組成構造を含み得る。チタン酸アルミニウム前駆体310の相対量が過剰のアルミナを含む場合、チタン酸アルミニウムはアルミナの基質中に形成される。同様に、チタン酸アルミニウム前駆体310の相対量が過剰の二酸化チタンを含む場合、チタン酸アルミニウムは二酸化チタンの基質中に形成される。さらに、チタン酸アルミニウム前駆体は、複合体構造の形成をもたらす付加化合物を含み得る。焼結ステップ380の間、前駆体材料の組成に相応の組成を有する材料の基質中に、チタン酸アルミニウムが形成される。
【0038】
例えば、チタン酸アルミニウム前駆体310は、非晶質アルミノケイ酸繊維、および二酸化チタンなどのアルミノケイ酸材料であり得る。焼結ステップ380の間、チタン酸アルミニウムが、等しい相対量のアルミナと二酸化チタンから形成され、残りのシリカとアルミナはムライト、および/またはガラス化合物を含むケイ酸塩を形成する。場合によっては、粘土またはガラス前駆体などの無機添加物320が焼結ステップ380の間に消費されるか、または最終基材組成の一部として残ることがある。
【0039】
他のチタン酸アルミニウム前駆体310および添加物320を使用して、他のチタン酸アルミニウム複合構造を形成し得る。例えば、チタン酸アルミニウム前駆体310および/またはアルミナ、シリカ、二酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムを含む添加物320を使用して、これらの要素の組み合わせの複合の基質を持つ繊維性チタン酸アルミニウムを形成、または基質中に形成し得る。
【0040】
ここで図4を参照すると、複合チタン酸アルミニウム構造が示されている。繊維210は、細孔空間220を画定する全体的微細構造、およびこのような細孔空間220のサイズと配分を決定する。この複合形状では、繊維210は複合材料420の領域中のチタン酸アルミニウム410の領域から成る。チタン酸アルミニウム領域410と複合領域420それぞれのサイズと配分は、チタン酸アルミニウム前駆体310および/または添加物320のそれぞれの量によって決定され、焼結ステップ380の間の焼結時間、温度、および環境によって制御され得る。
【0041】
ここで図5を参照すると、複合チタン酸アルミニウム構造が示されている。繊維210は、細孔空間220を定める全体的微細構造、およびこのような細孔空間220のサイズと配分を決定する。この複合形状では、繊維210はガラス基質520内のチタン酸アルミニウム510の領域から成る。上記のように、ガラス基質は繊維210をコートするか、または重複・隣接繊維の節で結合を形成することができる。
【実施例】
【0042】
以下の実施例は、本開示をさらに説明し理解を促進するために提供される。これらの具体的な実施例は、本開示の説明のためであり、何ら限定を意図するものではない。

【実施例1】
【0043】
最初の例示的実例では、アルミナ繊維および二酸化チタン粉末の形状の前駆体が、チタン酸アルミニウム多孔質基材を形成するためにほぼ等モル比で使用されている。押出し可能混合物は29.31重量%のアルミナ繊維、15.00重量%の二酸化チタン粉末、25.94重量%のグラファイト粒子(-325メッシュグレード)、6.38重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、焼結補助剤として0.80重量%の炭酸マグネシウム、および31.92重量%の脱イオン水で準備された。材料は押出し可能混合物に混合され、押出しによって直径1インチのハニカム基材に形成された。基材は、高周波(RF)乾燥機を使用して乾燥させた後、3250Cで約1時間、窒素パージをしながら結合剤燃え尽きステップを行って有機結合剤を分解し、1,0000Cで約4時間、空気パージを行いながらグラファイト細孔形成剤を燃え尽きさせた。その後材料を1,5500Cで3時間焼結して、多孔質チタン酸アルミニウム基材を形成する。基材材料のX線回折(XRD)分析で、ムライト、ルチル(二酸化チタン)、および他の非晶質材料を含む組成のバランスを有するチタン酸アルミニウム約88%の組成が示された。空隙率は64.1%、冷間圧縮強さは約400 psiであると測定された。
【実施例2】
【0044】
第2の例示的実例では、アルミナ繊維および二酸化チタン粉末の形状の前駆体が、チタン酸アルミニウム多孔質基材を形成するために、過剰のアルミナを有するモル比で使用されている。押出し可能混合物は20.58重量%のアルミナ繊維、12.35重量%の二酸化チタン粉末、26.75重量%のグラファイト粒子(-325メッシュグレード)、6.58重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、焼結補助剤として0.82重量%の炭酸マグネシウム、および32.92重量%の脱イオン水で、準備された。材料は押出し可能混合物に混合され、押出しによって直径1インチのハニカム基材に形成された。基材は、高周波(RF)乾燥機を使用して乾燥させた後、3250Cで約1時間、窒素パージをしながら結合剤燃え尽きステップを行って有機結合剤を分解し、1,0000Cで約4時間、空気パージを行いながらグラファイト細孔形成剤を燃え尽きさせた。その後材料を1,5500Cで3時間焼結して、多孔質チタン酸アルミニウム基材を形成する。空隙率は55.6%、冷間圧縮強さは約905 psiであると測定された。
【実施例3】
【0045】
第3の例示的実例では、ムライト繊維および二酸化チタン粉末の形状の前駆体が、チタン酸アルミニウム多孔質基材を形成するために使用されている。ムライト繊維は、ムライト相にアルミナおよびシリカを含む多結晶材料である。押出し可能混合物は20.58重量%のムライト繊維、11.52重量%の二酸化チタン粉末、26.75重量%のグラファイト粒子(-325メッシュグレード)、6.58重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、1.65重量%の炭酸ストロンチウム粉末、および32.92重量%の脱イオン水で準備された。材料は押出し可能混合物に混合され、押出しによって直径1インチのハニカム基材に形成された。基材は、高周波(RF)乾燥機を使用して乾燥させた後、3250Cで約1時間、窒素パージをしながら結合剤燃え尽きステップを行って有機結合剤を分解し、1,0000Cで約4時間、空気パージを行いながらグラファイト細孔形成剤を燃え尽きさせた。その後材料を1,4000Cで3時間焼結して、多孔質チタン酸アルミニウム基材を形成する。基材材料のX線回折(XRD)分析で、非晶質結合基質を形成するバランスを有する、チタン酸アルミニウム約66%、ムライト7%、ルチル(二酸化チタン)5%の組成が示された。空隙率は61.3%、冷間圧縮強さは約939 psiであると測定された。この実施例では、ムライト繊維がアルミナ前駆体を提供し、これが二酸化チタン前駆体を使用した反応においてチタン酸アルミニウムを形成した。開放細孔網からもたらされる空隙率は、押出された未焼成基材中のムライト繊維の位置と配向性によって画定され、それはその後の硬化ステップで保持された。
第4の例示的実例では、ムライト繊維および二酸化チタン粉末の形状の前駆体が、チタン酸アルミニウム多孔質基材を形成するために使用されている。押出し可能混合物は20.86重量%のムライト粉末、11.90重量%の二酸化チタン粉末、27.14重量%のグラファイト粒子(-325メッシュグレード)、6.68重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、33.40重量%の脱イオン水で準備された。材料は押出し可能混合物に混合され、押出しによって直径1インチのハニカム基材に形成された。基材は、高周波(RF)乾燥機を使用して乾燥させた後、3250Cで約1時間、窒素パージをしながら結合剤燃え尽きステップを行って有機結合剤を分解し、1,0000Cで約4時間、空気パージを行いながらグラファイト細孔形成剤を燃え尽きさせた。その後材料を1,5000Cで3時間焼結して、多孔質チタン酸アルミニウム基材を形成する。基材材料のX線回折(XRD)分析で、非晶質結合基質を形成するバランスを有する、チタン酸アルミニウム約66%、ムライト5%、二酸化チタン9%の組成が示された。空隙率は65.3%、冷間圧縮強さは約548 psiであると測定された。
【0046】
開放細孔網からもたらされる空隙率は、押出された未焼成基材中のムライト繊維の位置と配向性によって画定され、それはその後の硬化ステップで保持された。ここで図3を再び参照すると、仕上げステップ390を随意に実施して、チタン酸アルミニウム基材をその目的用途のために構成し得る。仕上げステップ390は、ハニカム基材の別のセルを塞いで、基材を壁流フィルタとして構成することを含み得る。さらに、基材を切断またはすりつぶして、長方形または円筒状断面など、その使用目的の幾何学的形状にすることができる。一部の用途では、高温接着材料を使用して複数のセグメントを接着することにより、多数の小さいセグメントから大きな基材を組み立てることが望ましい場合がある。さらに、外皮またはコーティングを塗布して、望ましい完成サイズと表面状態を実現し得る。完成チタン酸アルミニウム基材を金属スリーブまたは缶に挿入して、例えば、ディーゼル微粒子フィルタなどの排出制御装置のハウジングを提供し得る。当業者であれば、チタン酸アルミニウム組成を持つ高空隙率ハニカム基材を使用のために適応できる他の用途を理解するであろう。
【0047】
前述のものは、本発明の例示的実施態様の詳細な説明である。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな変更および追加を行うことができ、上記で説明されたさまざまな実施態様のそれぞれは、複数の機能を提供するために他の記述実施態様と組み合わせることができる。さらに、前述では本発明の装置および方法の多くの個別の実施態様を記述しているが、本書に記述されているものは本発明の原理の適用の単なる例示にすぎない。例えば、チタン酸アルミニウム前駆体および他の添加物が混合物に提供され、チタン酸アルミニウムを含むさまざまな組成および複合体が形成され得る。また、乾燥、結合剤の燃え尽きおよび/または焼結ステップに対するさらなる変更を、本書に規定されている混合物成分の調整と合わせて行なってもよい。また、チタン酸アルミニウム前駆体の相対量のバリエーションが提供されているが、焼結基材中のチタン酸アルミニウムの相対量は幅広く捕らえられるべきであり、ガラスセラミック結合およびセラミック結合チタン酸アルミニウム材料を含むがこれに限定されない任意の繊維性チタン酸アルミニウム複合ハニカム構造を含む。従って、この記述は例示としてのみ捉えられるべきであり、本発明の範囲を別途限定するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の繊維の隣接する壁の間の経路を定める一連のハニカム壁と、
50%を超える空隙率を有する開放細孔網を持つ多孔質構造を形成している絡み合った繊維の基質を含む壁と、
を含む基材。
【請求項2】
前記複数の繊維の隣接する壁の間に結合基質をさらに含む、請求項1に記載された基材。
【請求項3】
前記結合基質が、ガラス、ガラスセラミックおよびセラミック材料のうち少なくとも1つを含む、請求項2に記載された基材。
【請求項4】
結合基質がチタン酸アルミニウムを含む、請求項2に記載した繊維性チタン酸アルミニウム基材。
【請求項5】
壁がムライトをさらに含む組成を有する、請求項1に記載された繊維性チタン酸アルミニウム基材。
【請求項6】
壁が、チタン酸アルミニウムと少なくとも1つのケイ酸の複合組成を有する繊維をさらに含む、請求項1に記載された繊維性チタン酸アルミニウム基材。
【請求項7】
壁が、チタン酸アルミニウムと酸化ストロンチウムの複合組成を有する繊維をさらに含む、請求項1に記載された繊維性チタン酸アルミニウム基材。
【請求項8】
壁が、チタン酸アルミニウムと酸化バリウムの複合組成を有する繊維をさらに含む、請求項1に記載された繊維性チタン酸アルミニウム基材。
【請求項9】
壁が、チタン酸アルミニウムと酸化カルシウムの複合組成を有する繊維をさらに含む、請求項1に記載された繊維性チタン酸アルミニウム基材。
【請求項10】
壁が、チタン酸アルミニウムと酸化マグネシウムの複合組成を有する繊維をさらに含む、請求項1に記載された繊維性チタン酸アルミニウム基材。
【請求項11】
添加物および流体と共に酸化アルミニウムを含む前駆体と二酸化チタンを含む前駆体を混合して押出し可能混合物を提供するステップと、
押出し可能混合物をハニカム未焼成基材に押出するステップと、
流体と添加物を除去し、ハニカム未焼成基材を焼結して、前駆体を使用してチタン酸アルミニウム組成を持つ多孔質ハニカム基材を形成するステップと、
からなる多孔質ハニカム基材は繊維で画定される開放細孔網を持つ繊維性基材の製造方法。
【請求項12】
前記酸化アルミニウムを含む前駆体が、前記二酸化チタンを含む前駆体とほぼ同じ相対モル比で提供される、請求項11に記載された方法。
【請求項13】
前記酸化アルミニウムを含む前駆体が、前記二酸化チタンを含む前駆体の相対モル比よりも大きな相対モル比で提供される、請求項11に記載された方法。
【請求項14】
前記酸化アルミニウムを含む前駆体が、前記二酸化チタンを含む前駆体の相対モル比よりも小さな相対モル比で提供される、請求項11に記載された方法。
【請求項15】
前記前駆体が、二酸化シリコン、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、および酸化カルシウムの少なくとも1つをさらに含む、請求項11に記載された方法。
【請求項16】
前記酸化アルミニウムを含む前駆体がアルミナ繊維を含む、請求項11に記載された方法。
【請求項17】
前記前駆体が、酸化チタンを含むチタニア繊維を含む、請求項16に記載された方法。
【請求項18】
前記繊維が約15%〜50%の容量を含む、請求項11に記載された方法。
【請求項19】
50%〜約85%の範囲の空隙率を有し、かつ、結合セラミック繊維で形成される構造を有する基材で、前記セラミック結合繊維はチタン酸アルミニウムの組成を有する押出多孔質ハニカム基材。
【請求項20】
前記結合セラミック繊維が、ガラス、ガラスセラミックおよびセラミックのうち少なくとも1つを含む結合基質をさらに含む、請求項19に記載された押出し多孔質ハニカム基材。
【請求項21】
前記結合基質がさらにチタン酸アルミニウムを含む、請求項20に記載された押出し多孔質ハニカム基材。
【請求項22】
組成が、チタン酸アルミニウム、および二酸化シリコン、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化カルシウムのうち少なくとも1つの複合基質をさらに含む、請求項19に記載された押出し多孔質ハニカム基材。






【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−507464(P2012−507464A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534691(P2011−534691)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【国際出願番号】PCT/US2009/062276
【国際公開番号】WO2010/051292
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(507280435)ジーイーオー2 テクノロジーズ,インク. (12)
【Fターム(参考)】