繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールの製造方法及びこれにより製造されたシリコンロール
本発明は、繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロール及びその製造方法に関するもので、本発明の製造方法は製造しようとするシリコンロールと同じ規格とパターンを有する円板を製造する段階と、上記円板の周りに枠型の材料を入れ硬化させることで枠型の形状を製造する段階と、上記円板から枠型を除去する段階と、上記枠型内にロールの中心軸を配置した後、液状シリコンを注入及び硬化させてシリコンロールの形状にする段階と、上記枠型をシリコンロールから除去する段階とを含むことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロール及びその製造方法に関するもので、より詳細には、光学フィルム等に導電性物質を微細パターン化するために、上記導電性物質を印刷するとき、印刷される面積にかかわらず自由自在に印刷できる繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロール及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、テレビジョン、コンピュータ用モニター等の各種ディスプレイ装置は、既存の陰極線管(CRT)方式から脱皮し、LCD、PDP等のフラットパネルディスプレイ方式で製造されている。上記のようなフラットパネルディスプレイの表面には、様々な理由で導電性物質の微細パターンが形成される場合が多い。例えば、電磁波を遮蔽するためにフィルムの表面に網形状のパターンで導電性物質をコーティングする場合やPDPの前面基板や裏面基板にストライプパターンを有するフィルムを形成させた場合等を挙げることができる。
【0003】
このようなパターンをフィルムに形成させるためには、上記フィルムに導電性物質のパターンをコーティングする過程が必要であるが、上記過程に多く用いられる方法の1つとしてフォトリソグラフィ方式を挙げることができる。上記フォトリソグラフィ工程は、フィルム上に導電性物質を全体に形成した後、その上に感光性物質をさらに塗布し、ネガティブ方式 またはポジティブ方式を適用したかによって除去される部分または残存する部分の形態に合わせて上記感光性物質の上部を光で照射し(露光)、上記感光された物質または残りの部分を除去し(現像)、除去された部分をエッチング除去して所望のパターンをフィルム上に形成させる方式である。
【0004】
このようなフォトリソグラフィ方式を用いる場合には、非常に微細なパターンも形成させることができるという長所があるが、工程が複雑で、パターン以外の領域の高価材料の浪費が酷く、現像及びエッチング工程中に発生する廃液の処理費用も高いという短所がある。また、フォトリソグラフィ工程に用いられる露光、現像及びエッチング装備を大型化させる場合、費用が多く発生するようになるが、これは最近の流れであるディスプレイ画面の大型化の傾向に適切に対応することに大きな障害となる。
【0005】
従って、なるべく装備が低費用でありながら材料浪費がなく、廃液の発生がない印刷方法が脚光を浴びている。印刷方法のうち、最も多く用いられる方式は、スクリーン印刷、オフセット印刷及びグラビア印刷である。
【0006】
そのうち、スクリーン印刷法は、フィルムの各枚上に所望の印刷形状が形成されたスクリーンを載せ、ペーストをロール等で塗布して形成する方法であるが、各枚毎に印刷しなければならないため、生産性が劣悪であるという問題点がある。
【0007】
オフセット印刷は、パターンが形成されたガラスまたは金属材質の円板にペーストを塗布してからドクターブレードを用いてパターンの溝部にのみペーストが充鎮されるようにした後、ブランケット(blanket)と呼ばれるシリコンロールと圧着してシリコンロールにパターンを1次転写させ、上記シリコンロールを基材と圧着して回転(rolling)させてシリコンロールから基材に2次転写させる方式でパターンを印刷する方式である。
【0008】
しかし、上記のようなオフセット印刷は、数十μm以下の微細なパターン印刷が可能であるという長所がある反面、2回の転写工程により工程時間が長くなり、円板に充鎮されたペーストが100%ブランケットに転写されにくいため、10μm以上の厚い印刷は困難であるという短所がある。
【0009】
従って、使用可能性が最も高いものは、図1に図示した概念のグラビア印刷である。グラビア印刷は図1に図示されたように、インク(ここではペースト)等が貯蔵された貯蔵槽に印刷用凹溝が形成された印刷ロールの一部を沈積させるか、または、図示はしてないが他の方法、例えば上部でペースト等を供給する方式で、ロールの表面をペースト等で濡らしてからドクターブレードで凹溝以外の部分に付着されたインクを除去して凹溝のみにインクを残留させた後、上記印刷ロールと対向するバックアップロールと上記印刷ロールの間にフィルムを通過させ印刷ロールの凹溝に残留していたペースト等をフィルムに転写させる方法のことをいう。
【0010】
上記のような方法を用いる場合、1回の転写のみで印刷が行われロールツーロール(roll−to―roll)工程が可能で、連続的にフィルムに所望のパターンを形成させることができ、本発明で対象とする導電性パターンを形成するには非常に効果的である。
【0011】
しかし、上記グラビア印刷は、下記のような問題があり得る。即ち、図2で分かるように、印刷に用いられるロールは金属等のように硬い材料であるため、印刷過程において印刷されるフィルムとロールが接触する面積が非常に小さく(理論的には接線を成さなければならないため、断面からみると、接触面は一点からなる)、従って、ロールの表面に形成されたパターンの溝内のペーストが完全にフィルムに転写されず、一部が溝の内部に残留し、それに対応するフィルムの表面にはパターンが不完全な形状で転写される等の問題が発生することができる。
【0012】
従って、このような問題を解決するために新たな方式の印刷方法が用いられたが、これは上述のグラビア印刷方式の長所を全てとりながら、その問題点のみを解決するためのものである。グラビア印刷に用いられるロールを軟質シリコンロールに代替するもので、即ち、軟質シリコンロールを用いたグラビア印刷法である。
【0013】
ロールを軟質シリコンにする場合には、図3に図示したように、対向する2つのロール軸を互いに対して加圧する場合には、フィルムとロールが当る部位においてロールの表面が変形され、その結果、ロールがフィルムの表面の広い部位にわたって接触できるようになる。また、パターンの溝内に含まれていたペーストにも十分な圧力が加わるため、ロールの表面にペーストが完全に転写されることができるようになる。従って、上記のような軟質シリコンロールを用いたグラビア印刷法を適用する場合には、厚い形態のパターンも十分に具現することができるという長所を有することができる。
【0014】
このような軟質シリコンロールは、逆方向のパターンが形成されたガラス材質のマスターモールド(master mold)に液状のシリコンを入れ硬化させてシリコンパッドを製造してから、金属材質のロールに巻く方式で製造される。しかし、このような方式で製造される場合、ロールの材料となるパッドが巻かれて製造されるため、図4で分かるように、必然的に両側の端部が一致しない繋ぎ目が存在するようになり、これを用いてグラビア印刷する場合、繋ぎ目の部分で連続的なパターンを形成することが困難であるという問題があり得た。
【0015】
従って、上記軟質シリコンロールを用いてグラビア印刷を行う場合には、ロールを一回回転させることができる程度までの長さを有するフィルム、即ち、フィルムの長さがロールの円周より小さいフィルムのみを印刷して使用することが可能であった。
【0016】
しかし、最近ディスプレイ装置が80インチ以上にまで大型化されていく反面、30インチ以下の小さい面積を有するディスプレイ装置も依然として多量製造されているので、上記全ての面積のディスプレイ装置用フィルムを上述の1種類のロールで製造することは困難で、従って、複数の種類のロールを備える必要があるという煩わしさがあり、ロールを1回のみ回転させて使用しなければならないため、生産性が落ちるという問題もあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、上述の問題を解決するために繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールを製造する方法とこれにより製造されたシリコンロールを提供することをその目的とする。
【0018】
また、本発明は上記シリコンロールを製造するとき、表面品質がさらに良好なシリコンロールを提供する方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するための本発明の製造方法は、製造しようとするシリコンロールと同じ規格とパターンを有する円板を製造する段階と、上記円板の周りに枠型の材料を入れ硬化させることで枠型の形状を製造する段階と、上記円板から枠型を除去する段階と、上記枠型内にロールの中心軸を配置した後、液状シリコンを注入及び硬化させてシリコンロールの形状にする段階と、上記枠型をシリコンロールから除去する段階とを含むことを特徴とする。
【0020】
この際、上記枠型の材料は、液状またはガム(gum)タイプのシリコン、液状またはガムタイプのウレタンまたは天然ゴム、SBR、BR、CR、NBR、EPDM等のゴムであることが好ましい。
【0021】
そして、上記枠型の材料には、硬化剤が主剤対比0.1〜10重量%含まれることがより好ましい。
【0022】
また、上記枠型の材料は、無溶剤型であることが好ましい。
【0023】
そして、上記枠型の形状を製造する段階は上記円板の周りに一定間隔でモールドを設置してから上記モールドと円板の間に枠型の材料を入れ硬化させることで枠型の形状を製造することが枠型の厚さを一定に維持することにより好ましい。
【0024】
また、上記円板から枠型を除去する段階では、円板と枠型の間の隙間に空気を注入し円板と枠型の間の接触面積を減少させた後、円板から枠型を分離することが効果的である。
【0025】
また、上記シリコンロールの形状に製造する段階では、予め枠型がはめ込まれる円形枠と上記円形枠の真ん中に中心軸がはめ込まれる孔を形成させたフレームに枠型と中心軸をはめてから液状シリコンを注入及び硬化させることが好ましい。
【0026】
そして、上記液状シリコンは、無溶剤型であることが精密な形状の確保に有利である。
【0027】
また、上記液状シリコンには硬化剤がシリコン対比3〜30重量%含まれることがよい。
【0028】
そして、上記液状シリコンの温度は、特別な加熱または冷却を行わない温度で、常温であることが好ましい。
【0029】
また、上記枠型とシリコンロールが円滑に分離されるようにするためには、上記円板から枠型を除去する段階以後に上記枠型の内面を表面改質処理する段階をさらに含むことが好ましい。
【0030】
この際、上記表面改質は、プラズマ、UV−オゾン処理及びコロナ放電処理のうちから選ばれた1種以上の方法で行うことがよい。
【0031】
本発明のシリコンロールは、表面に繋ぎ目が形成されていないことを特徴とするシリコンロールで、上記シリコンロールは上記のシリコンロールの製造方法により製造されることがより好ましい。
【発明の効果】
【0032】
上述のように本発明による場合には、繋ぎ目のないシリコンロールを製造することができ、上記繋ぎ目のない本発明のシリコンロールによる場合には印刷しようとするフィルムの長さに関わらず良好なパターンを形成させることができるという有利な効果を得ることができる。
【0033】
また、中間過程で製造される枠型の表面を改質処理する場合、さらに良好な表面を有するシリコンロールを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、添付の図面を参考に本発明をより詳細に説明する。
【0035】
本発明の発明者らは、上記繋ぎ目のないシリコンロールを製造するためには、上述の従来技術のように平面形態のシリコンパッドから製造する方式は適合せず、シリコンロールと同じ形態の枠型を製造して上記枠型内に液状シリコンを注入してから硬化して製造することが好ましいということを発見し本発明に至った。
【0036】
即ち、本発明のシリコンロールの製造方法は、枠型内にシリコンロールの軸を正位置に装着した後、シリコンを注入してからこれを硬化させて軟質シリコンロールで製造し、上記軟質シリコンロールを枠型から分離する方法から始まる。
【0037】
そのためには、先ず図5のように、枠型を製造するために製造しようとするシリコンロールと同じ形状の円板10を製造する必要がある。上記円板10の表面にはシリコンロールと同様にパターンが形成されている。また、変形を防止し何回も使用する可能性を考慮し、その材質は金属またはガラスを使用すればよい。
【0038】
以後、図6で分かるように、上記円板10の周りに枠型用材料20を入れ硬化させて枠型の形状を完成させる段階が後続する。上記枠型用材料としては、今後円板から破損なく容易に分離されることができるようにするために、軟質でありながら弾性に優れた材料が使用されることが求められるが、ゴム質材料で液状シリコンや液状ウレタンのような液状の材料を使用することが好ましく、またはガム(Gum)タイプのシリコン、ガムタイプのウレタンまたは天然ゴム、SBR、BR、CR、NBR、EPDM等のような一般ゴム等も使用することができる。但し、上記枠型用材料を用いる場合、後述のように、上記枠型を金属ロールから分離するとき、空気を注入して隙間を形成してから分離する方式であるため、枠型の分離時に枠型の形状が変形することがある。しかし、分離後にも、変形された状態で維持する場合、製作される軟質グラビアロールの寸法が正確に制御できないため、弾性復元が容易でなければならない。そのため、上記枠型用材料は弾性を有することが好ましい。また、枠型は円板と同じ寸法を有しなければならないため、硬化の前後に体積の変化があると好ましくない。従って、上記枠型用材料は無溶剤型であることがより好ましい。また、上記液状の枠型用材料を硬化させるために硬化剤が少量含まれることができるが、液状材料を硬化させるために用いられる一般的な硬化剤であれば、全て用いることができ、その種類は特別に限定しない。シリコン枠型の硬化剤の例としては、オランダのAkzo Nobel社のTrigonox101を挙げることができるが、上記したように、必ずこれに限定されるものではない。上記硬化剤は上述の液状シリコンや液状ウレタン等の枠型用材料(以下、'主剤'とする)の重量対比0.1〜10重量%範囲内で添加して用いることが好ましい。上記硬化剤の含量が少なすぎる場合には硬化の程度が不十分で、逆に硬化剤の含量が多すぎる場合には製造された枠型の硬度が非常に上昇する。
【0039】
枠型用材料20の粘度が比較的に高い方であるため、枠型用材料を円板の周りに入れ流れ落ちるようにすることにより上記円板の周りに十分に枠型の形状を完成することができるが、枠型の厚さをより均一に維持する必要があれば、図10ように、円板10の周りに一定間隔でシリンダー形状のモールド(mold)80を配置した後、枠型の材料を充鎮させる方式で枠型を製造することができる。本過程により製造された枠型は、製造しようとするシリコンロールの表面に形成されるパターンと逆方向のパターンが陽刻で形成された形態の枠型である。
【0040】
枠型の材料を入れる時、枠型を特に加熱するか、冷却させる等のような温度調節をする必要はないが、上記枠型の材料を入れるか、充鎮させてから硬化させるときは150℃程度で硬化することが最も好ましい。
【0041】
次に、枠型20を円板から分離させる段階が後続する。図7に枠型を除去するための方式を図示した。図7で分かるように、枠型を円板10から分離するためには枠型と円板の間に一定の空間40を確保し上記空間を用いて空気注入管30を通じて空気を注入することで上記空気により円板と枠型が簡単に分離されることができる。
【0042】
次の工程は、図8に図示されているように、円板10から分離された枠型20内に液状シリコン50を注入し、上記液状シリコン50を硬化させることでシリコンロールの形状を完成する段階である。この際、シリコンは先ず常温で一定時間(特に24時間程度、但し、これは硬化に十分な時間であれば特に限定する必要はない)放置することで硬化させることができる。温度を高温に上げる場合、枠型の表面と反応し付着され分離が容易でないため好ましくない。但し、常温で硬化させる場合には硬化の程度が十分でない場合もあるが、このような場合には枠型と分離してシリコンロールのみを別途でさらに熱硬化させることもできる。硬化のために用いられる硬化剤の含量は製造しようとするシリコンロールの硬度に影響を与えるため、その範囲を適切に調節することが好ましいが、上記硬化剤の含量はシリコン対比で3〜30重量%の間で投入することが好ましく、5〜15重量%であることがより好ましい。硬化剤はシリコンと予め混合した後枠型内に注入する。
【0043】
重要な点は、シリコンロールは中心軸60により駆動されるため、中心軸60を予め挿入しなければならないが、中心軸の位置が精密に正確でないと、今後グラビア印刷時にロールを回転しながら軸に作用する荷重が異なり印刷の品質が一定でないか、軸に酷い負荷が加わる等の問題があることができるという点である。従って、シリコンロールを製造する前に中心軸をなるべく正確に位置させた後、液状シリコンを注入する必要がある。軸はロールの両側に突出されなければならないため、枠型20が形成される底部に溝を掘り、軸が受容されるようにする方式で軸を配置することがより好ましい。
【0044】
また、中心軸を正確に維持させるためには、図11に図示されたように、予め枠型20がはめ込まれる円形枠90と上記円形枠90の真ん中に中心軸60がはめ込まれる孔を形成させたフレームに枠型と中心軸60をはめてから液状シリコンを注入及び硬化させることがより好ましい。
【0045】
また、シリコンロールは枠型と同じ寸法を有しなければならないため、硬化前後の体積変化があると好ましくない。従って、上記液状シリコンは無溶剤型であることがより好ましい。上記無溶剤型液状シリコンの例としてはダウコーニングのSylgard 184を挙げることができる。
【0046】
以後、上記枠型をシリコンロール70から分離すると本発明のシリコンロールの製造方法は完成する。(図9)
【0047】
但し、上記軟質シリコンを枠型から分離するとき、軟質シリコンロールと枠型の表面性質が類似であるため、上記軟質シリコンロールと枠型は分離されないようにしようとする性質、即ち、低い界面エネルギーを有するようになる。2つの物質の間の界面エネルギーが低い場合、上記2つの物質が分離されると自由表面が生成され、発生する表面エネルギーより2つの物質の間の界面エネルギーの値が非常に小さくなるため、2つの物質は新たな自由表面を生成させないようとする性質を有する。そのため、2つの物質の分離が難しくなるが、上記軟質シリコンロールと枠型もこれと類似な傾向を有する。そのため、上記シリコン注入及び硬化後に形成されたシリコンロールは枠型と簡単に分離されず、強引に分離させようとすると上記シリコンロールと枠型が強く接触及び密着され上記シリコンロールの一部が枠型に付着されてシリコンロールから落ちるか、逆に枠型の一部がシリコンロールに付着されて枠型から落ちる等の問題が発生することができる。
【0048】
このような場合、シリコンロールの表面の形状が滑らかでないため、印刷時に印刷品質が低下するという問題が発生することもできる。本発明の発明者らは、このような問題を解決するためにさらに深く研究した結果、上記シリコンロールを製造するための枠型の表面を改質処理する場合、枠型とシリコンロールの表面性質が異なるようになるため、枠型とシリコンロールの間の界面エネルギーが増加し枠型とシリコンロールの分離が容易になるということが分かった。従って、本発明の製造方法はこのような点を利用して、上記円板から枠型を除去する段階以後に上記枠型の内面を表面改質処理する段階をさらに含むことが好ましい。
【0049】
上記表面改質処理は、後続する液状シリコンの注入手続により形成されるシリコンロールと接触する界面となる表面を活性化させ、シリコンロールの表面と異なる性質を有する枠型の表面を形成することで枠型と上記枠型内に形成されるシリコンロールの間の界面エネルギーを高めるための作業のことをいう。上記表面改質処理としてはプラズマ、UV−オゾン、コロナ処理のような方式を挙げることができ、その中でも特にプラズマ処理をすることが表面活性化に効果的である。上記プラズマ処理としては、RF真空プラズマ、RF大気圧プラズマ、コロナ常圧プラズマまたはDBD常圧プラズマのように現在提案された全ての種類のプラズマを使用することができる。但し、大型枠型も容易に処理することができる点と設備費等を考慮するとRF大気圧プラズマを用いることが最も好ましい。
【0050】
また、上記枠型の材料のうちでも上記円板から容易に分離する性質を有するシリコン系枠型を用いることが一般的であるが、このようなシリコン系枠型を用いる場合にはシリコンロールと材質がほぼ類似であるため、ロールとの分離がさらに困難になる。従って、上述の表面改質処理はシリコン系枠型を用いる場合にさらに効果的である。
【0051】
本発明において、枠型表面の改質のために用いられるプラズマとしては、現在用いられる如何なる形態の処理方法も用いることができるが、より具体的な例を挙げると、キャリアガスにAr又はHeを用い、反応ガスにO2、N2、CF4等を用いるプラズマを挙げることができる。この際、上記キャリアガスの流量は50〜300sccmであることが好ましく、反応ガスの流量は5〜10sccm程度であることが好ましい。この際、使用される電力は、たとえば13.56MHzの高周波電力(RF Power)で、50〜3,000ワット程度であることが好ましく、5〜30秒程度、上記プラズマに枠型を露出させることが好ましい。
【0052】
以下、下記の実施例を通じ本発明をより詳細に説明する。但し、下記の実施例は、本発明をより詳細に説明するために具体化した一例に過ぎず、本発明の権利範囲を限定するためのものではなく、本発明の権利範囲は特許請求範囲に記載の事項と、これにより合理的に類推できる範囲により決まる。
【0053】
(実施例)
−実施例1−
ステンレス(SUS)材質の円板を半径120mm、高さ600mmの円筒形状に加工し、表面にペーストが充鎮されるX形溝が、その幅と深さが夫々20マイクロメートルで、300マイクロメートルの間隔で形成されるように製作した。
【0054】
上記円板の外部に無溶剤型シリコンであるダウコーニングのK770と硬化剤であるオランダのAkzo Nobel社のTrigonox 101を混合した混合液を混合した枠型の材料を塗布して硬化した。混合液中の硬化剤はシリコン重量に対して0.5%含ませ、硬化のために150℃、2時間経過させた。
【0055】
上記枠型と円板は、枠型と円板の間の隙間に空気を注入して円板と枠型の接触を減少させた後、分離することができた。
【0056】
分離された枠型を上記図11に図示した形態のフレームにはめ込みフレームの中央に半径80mm、高さ800mmの中心軸を嵌めてから液状シリコンを(Sylgard 184) 注入して硬化させた。硬化剤としてはSylgard 184専用硬化剤をシリコン重量対比10重量%含ませて使用した。
【0057】
以後、枠型を製造されたシリコンロールから除去することでシリコンロールを製造することができた。製造されたシリコンロールは円板と同じ規格で半径120mm、高さ600mmのシリコンロールで、ロールの中心軸はロールの真ん中に位置していることを確認することができた。
【0058】
従って、上記本発明の方法により繋ぎ目のないシリコンロールを製造することができることを確認することができた。
【0059】
−実施例2−
ステンレス(SUS)材質の円板を半径120mm、高さ600mmの円筒形状に加工し、表面にペーストが充鎮されるX形溝がその幅と深さが夫々20マイクロメートルで、300マイクロメートルの間隔で形成されるように製作した。
【0060】
上記円板の外部に無溶剤型ウレタンであるダウコーニングのK770と硬化剤であるオランダのAkzo Nobel社のTrigonox 101を混合した混合液を混合した枠型の材料を塗布して硬化した。混合液中の硬化剤はシリコン重量に対して0.5%含ませ、硬化のために150℃、2時間経過させた。
【0061】
上記枠型と円板は、枠型と円板の間の隙間に空気を注入して円板と枠型の接触を減少させた後、分離することができた。
【0062】
上記円板から分離された枠型の表面にRF大気圧プラズマを供給して表面改質を行った。プラズマ処理時にキャリアガスには流量200sccmのArガスを、反応ガスには流量10sccmのO2を用い、電力は100W、周波数13.56MHzに設定して10秒間プラズマ処理を行った。
【0063】
上記表面改質された枠型を上記図11に図示した形態のフレームにはめ込みフレームの中央に半径80mm、高さ800mmの中心軸をはめてから液状シリコンを(Sylgard 184)注入して硬化させた。硬化剤としてはSylgard 184専用硬化剤をシリコン重量対比10重量%含ませて用いた。
【0064】
以後、枠型を製造されたシリコンロールから除去することでシリコンロールを製造することができた。除去時に枠型とシリコンロールは特に強い密着力を有せず容易に分離することができ、シリコンロールの表面には枠型の材料が全く付着されていなく、定まったパターン以外には凹んだ跡等がなかった。製造されたシリコンロールは円板と同じ規格で半径120mm、高さ600mmのシリコンロールで、ロールの中心軸はロールの真ん中に位置していることを確認することができた。
【0065】
また、本実施例2のようにプラズマ処理をした場合と、実施例1のようにプラズマ処理をしなかった場合を比較すると、実施例1の結果も良好な表面形状を有しているため、使用に全く問題が無かったが、実施例2に比べては若干表面の傷が存在しているため、プラズマ処理することがより有利であることを確認することができた。
【0066】
従って、表面改質処理を加える場合、繋ぎ目がなく良好な表面を有するシリコンロールを製造することができることを確認することができた。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】グラビア印刷方式を説明するための概略図である。
【図2】金属製のグラビア印刷ロールを用いる場合、ペーストが完全に印刷されない現状を説明するための概略図である。
【図3】軟質シリコングラビア印刷ロールを用いる場合、ロールとフィルムの間の密着性が向上しペーストが完全に印刷される現状を説明するための概略図である。
【図4】シリコンパッドを用いて軟質シリコンロールを製造した場合、繋ぎ目が発生する現状を説明する概略図である。
【図5】本発明の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールを製造する工程を説明する工程図である。
【図6】本発明の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールを製造する工程を説明する工程図である。
【図7】本発明の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールを製造する工程を説明する工程図である。
【図8】本発明の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールを製造する工程を説明する工程図である。
【図9】本発明の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールを製造する工程を説明する工程図である。
【図10】均一な厚さの枠型を製造するためにモールド内に円板を配置した形態を示す説明図である。
【図11】中心軸を正確にロールの中心に位置させるためにフレームを用いる場合を示す概略図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロール及びその製造方法に関するもので、より詳細には、光学フィルム等に導電性物質を微細パターン化するために、上記導電性物質を印刷するとき、印刷される面積にかかわらず自由自在に印刷できる繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロール及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、テレビジョン、コンピュータ用モニター等の各種ディスプレイ装置は、既存の陰極線管(CRT)方式から脱皮し、LCD、PDP等のフラットパネルディスプレイ方式で製造されている。上記のようなフラットパネルディスプレイの表面には、様々な理由で導電性物質の微細パターンが形成される場合が多い。例えば、電磁波を遮蔽するためにフィルムの表面に網形状のパターンで導電性物質をコーティングする場合やPDPの前面基板や裏面基板にストライプパターンを有するフィルムを形成させた場合等を挙げることができる。
【0003】
このようなパターンをフィルムに形成させるためには、上記フィルムに導電性物質のパターンをコーティングする過程が必要であるが、上記過程に多く用いられる方法の1つとしてフォトリソグラフィ方式を挙げることができる。上記フォトリソグラフィ工程は、フィルム上に導電性物質を全体に形成した後、その上に感光性物質をさらに塗布し、ネガティブ方式 またはポジティブ方式を適用したかによって除去される部分または残存する部分の形態に合わせて上記感光性物質の上部を光で照射し(露光)、上記感光された物質または残りの部分を除去し(現像)、除去された部分をエッチング除去して所望のパターンをフィルム上に形成させる方式である。
【0004】
このようなフォトリソグラフィ方式を用いる場合には、非常に微細なパターンも形成させることができるという長所があるが、工程が複雑で、パターン以外の領域の高価材料の浪費が酷く、現像及びエッチング工程中に発生する廃液の処理費用も高いという短所がある。また、フォトリソグラフィ工程に用いられる露光、現像及びエッチング装備を大型化させる場合、費用が多く発生するようになるが、これは最近の流れであるディスプレイ画面の大型化の傾向に適切に対応することに大きな障害となる。
【0005】
従って、なるべく装備が低費用でありながら材料浪費がなく、廃液の発生がない印刷方法が脚光を浴びている。印刷方法のうち、最も多く用いられる方式は、スクリーン印刷、オフセット印刷及びグラビア印刷である。
【0006】
そのうち、スクリーン印刷法は、フィルムの各枚上に所望の印刷形状が形成されたスクリーンを載せ、ペーストをロール等で塗布して形成する方法であるが、各枚毎に印刷しなければならないため、生産性が劣悪であるという問題点がある。
【0007】
オフセット印刷は、パターンが形成されたガラスまたは金属材質の円板にペーストを塗布してからドクターブレードを用いてパターンの溝部にのみペーストが充鎮されるようにした後、ブランケット(blanket)と呼ばれるシリコンロールと圧着してシリコンロールにパターンを1次転写させ、上記シリコンロールを基材と圧着して回転(rolling)させてシリコンロールから基材に2次転写させる方式でパターンを印刷する方式である。
【0008】
しかし、上記のようなオフセット印刷は、数十μm以下の微細なパターン印刷が可能であるという長所がある反面、2回の転写工程により工程時間が長くなり、円板に充鎮されたペーストが100%ブランケットに転写されにくいため、10μm以上の厚い印刷は困難であるという短所がある。
【0009】
従って、使用可能性が最も高いものは、図1に図示した概念のグラビア印刷である。グラビア印刷は図1に図示されたように、インク(ここではペースト)等が貯蔵された貯蔵槽に印刷用凹溝が形成された印刷ロールの一部を沈積させるか、または、図示はしてないが他の方法、例えば上部でペースト等を供給する方式で、ロールの表面をペースト等で濡らしてからドクターブレードで凹溝以外の部分に付着されたインクを除去して凹溝のみにインクを残留させた後、上記印刷ロールと対向するバックアップロールと上記印刷ロールの間にフィルムを通過させ印刷ロールの凹溝に残留していたペースト等をフィルムに転写させる方法のことをいう。
【0010】
上記のような方法を用いる場合、1回の転写のみで印刷が行われロールツーロール(roll−to―roll)工程が可能で、連続的にフィルムに所望のパターンを形成させることができ、本発明で対象とする導電性パターンを形成するには非常に効果的である。
【0011】
しかし、上記グラビア印刷は、下記のような問題があり得る。即ち、図2で分かるように、印刷に用いられるロールは金属等のように硬い材料であるため、印刷過程において印刷されるフィルムとロールが接触する面積が非常に小さく(理論的には接線を成さなければならないため、断面からみると、接触面は一点からなる)、従って、ロールの表面に形成されたパターンの溝内のペーストが完全にフィルムに転写されず、一部が溝の内部に残留し、それに対応するフィルムの表面にはパターンが不完全な形状で転写される等の問題が発生することができる。
【0012】
従って、このような問題を解決するために新たな方式の印刷方法が用いられたが、これは上述のグラビア印刷方式の長所を全てとりながら、その問題点のみを解決するためのものである。グラビア印刷に用いられるロールを軟質シリコンロールに代替するもので、即ち、軟質シリコンロールを用いたグラビア印刷法である。
【0013】
ロールを軟質シリコンにする場合には、図3に図示したように、対向する2つのロール軸を互いに対して加圧する場合には、フィルムとロールが当る部位においてロールの表面が変形され、その結果、ロールがフィルムの表面の広い部位にわたって接触できるようになる。また、パターンの溝内に含まれていたペーストにも十分な圧力が加わるため、ロールの表面にペーストが完全に転写されることができるようになる。従って、上記のような軟質シリコンロールを用いたグラビア印刷法を適用する場合には、厚い形態のパターンも十分に具現することができるという長所を有することができる。
【0014】
このような軟質シリコンロールは、逆方向のパターンが形成されたガラス材質のマスターモールド(master mold)に液状のシリコンを入れ硬化させてシリコンパッドを製造してから、金属材質のロールに巻く方式で製造される。しかし、このような方式で製造される場合、ロールの材料となるパッドが巻かれて製造されるため、図4で分かるように、必然的に両側の端部が一致しない繋ぎ目が存在するようになり、これを用いてグラビア印刷する場合、繋ぎ目の部分で連続的なパターンを形成することが困難であるという問題があり得た。
【0015】
従って、上記軟質シリコンロールを用いてグラビア印刷を行う場合には、ロールを一回回転させることができる程度までの長さを有するフィルム、即ち、フィルムの長さがロールの円周より小さいフィルムのみを印刷して使用することが可能であった。
【0016】
しかし、最近ディスプレイ装置が80インチ以上にまで大型化されていく反面、30インチ以下の小さい面積を有するディスプレイ装置も依然として多量製造されているので、上記全ての面積のディスプレイ装置用フィルムを上述の1種類のロールで製造することは困難で、従って、複数の種類のロールを備える必要があるという煩わしさがあり、ロールを1回のみ回転させて使用しなければならないため、生産性が落ちるという問題もあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、上述の問題を解決するために繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールを製造する方法とこれにより製造されたシリコンロールを提供することをその目的とする。
【0018】
また、本発明は上記シリコンロールを製造するとき、表面品質がさらに良好なシリコンロールを提供する方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するための本発明の製造方法は、製造しようとするシリコンロールと同じ規格とパターンを有する円板を製造する段階と、上記円板の周りに枠型の材料を入れ硬化させることで枠型の形状を製造する段階と、上記円板から枠型を除去する段階と、上記枠型内にロールの中心軸を配置した後、液状シリコンを注入及び硬化させてシリコンロールの形状にする段階と、上記枠型をシリコンロールから除去する段階とを含むことを特徴とする。
【0020】
この際、上記枠型の材料は、液状またはガム(gum)タイプのシリコン、液状またはガムタイプのウレタンまたは天然ゴム、SBR、BR、CR、NBR、EPDM等のゴムであることが好ましい。
【0021】
そして、上記枠型の材料には、硬化剤が主剤対比0.1〜10重量%含まれることがより好ましい。
【0022】
また、上記枠型の材料は、無溶剤型であることが好ましい。
【0023】
そして、上記枠型の形状を製造する段階は上記円板の周りに一定間隔でモールドを設置してから上記モールドと円板の間に枠型の材料を入れ硬化させることで枠型の形状を製造することが枠型の厚さを一定に維持することにより好ましい。
【0024】
また、上記円板から枠型を除去する段階では、円板と枠型の間の隙間に空気を注入し円板と枠型の間の接触面積を減少させた後、円板から枠型を分離することが効果的である。
【0025】
また、上記シリコンロールの形状に製造する段階では、予め枠型がはめ込まれる円形枠と上記円形枠の真ん中に中心軸がはめ込まれる孔を形成させたフレームに枠型と中心軸をはめてから液状シリコンを注入及び硬化させることが好ましい。
【0026】
そして、上記液状シリコンは、無溶剤型であることが精密な形状の確保に有利である。
【0027】
また、上記液状シリコンには硬化剤がシリコン対比3〜30重量%含まれることがよい。
【0028】
そして、上記液状シリコンの温度は、特別な加熱または冷却を行わない温度で、常温であることが好ましい。
【0029】
また、上記枠型とシリコンロールが円滑に分離されるようにするためには、上記円板から枠型を除去する段階以後に上記枠型の内面を表面改質処理する段階をさらに含むことが好ましい。
【0030】
この際、上記表面改質は、プラズマ、UV−オゾン処理及びコロナ放電処理のうちから選ばれた1種以上の方法で行うことがよい。
【0031】
本発明のシリコンロールは、表面に繋ぎ目が形成されていないことを特徴とするシリコンロールで、上記シリコンロールは上記のシリコンロールの製造方法により製造されることがより好ましい。
【発明の効果】
【0032】
上述のように本発明による場合には、繋ぎ目のないシリコンロールを製造することができ、上記繋ぎ目のない本発明のシリコンロールによる場合には印刷しようとするフィルムの長さに関わらず良好なパターンを形成させることができるという有利な効果を得ることができる。
【0033】
また、中間過程で製造される枠型の表面を改質処理する場合、さらに良好な表面を有するシリコンロールを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、添付の図面を参考に本発明をより詳細に説明する。
【0035】
本発明の発明者らは、上記繋ぎ目のないシリコンロールを製造するためには、上述の従来技術のように平面形態のシリコンパッドから製造する方式は適合せず、シリコンロールと同じ形態の枠型を製造して上記枠型内に液状シリコンを注入してから硬化して製造することが好ましいということを発見し本発明に至った。
【0036】
即ち、本発明のシリコンロールの製造方法は、枠型内にシリコンロールの軸を正位置に装着した後、シリコンを注入してからこれを硬化させて軟質シリコンロールで製造し、上記軟質シリコンロールを枠型から分離する方法から始まる。
【0037】
そのためには、先ず図5のように、枠型を製造するために製造しようとするシリコンロールと同じ形状の円板10を製造する必要がある。上記円板10の表面にはシリコンロールと同様にパターンが形成されている。また、変形を防止し何回も使用する可能性を考慮し、その材質は金属またはガラスを使用すればよい。
【0038】
以後、図6で分かるように、上記円板10の周りに枠型用材料20を入れ硬化させて枠型の形状を完成させる段階が後続する。上記枠型用材料としては、今後円板から破損なく容易に分離されることができるようにするために、軟質でありながら弾性に優れた材料が使用されることが求められるが、ゴム質材料で液状シリコンや液状ウレタンのような液状の材料を使用することが好ましく、またはガム(Gum)タイプのシリコン、ガムタイプのウレタンまたは天然ゴム、SBR、BR、CR、NBR、EPDM等のような一般ゴム等も使用することができる。但し、上記枠型用材料を用いる場合、後述のように、上記枠型を金属ロールから分離するとき、空気を注入して隙間を形成してから分離する方式であるため、枠型の分離時に枠型の形状が変形することがある。しかし、分離後にも、変形された状態で維持する場合、製作される軟質グラビアロールの寸法が正確に制御できないため、弾性復元が容易でなければならない。そのため、上記枠型用材料は弾性を有することが好ましい。また、枠型は円板と同じ寸法を有しなければならないため、硬化の前後に体積の変化があると好ましくない。従って、上記枠型用材料は無溶剤型であることがより好ましい。また、上記液状の枠型用材料を硬化させるために硬化剤が少量含まれることができるが、液状材料を硬化させるために用いられる一般的な硬化剤であれば、全て用いることができ、その種類は特別に限定しない。シリコン枠型の硬化剤の例としては、オランダのAkzo Nobel社のTrigonox101を挙げることができるが、上記したように、必ずこれに限定されるものではない。上記硬化剤は上述の液状シリコンや液状ウレタン等の枠型用材料(以下、'主剤'とする)の重量対比0.1〜10重量%範囲内で添加して用いることが好ましい。上記硬化剤の含量が少なすぎる場合には硬化の程度が不十分で、逆に硬化剤の含量が多すぎる場合には製造された枠型の硬度が非常に上昇する。
【0039】
枠型用材料20の粘度が比較的に高い方であるため、枠型用材料を円板の周りに入れ流れ落ちるようにすることにより上記円板の周りに十分に枠型の形状を完成することができるが、枠型の厚さをより均一に維持する必要があれば、図10ように、円板10の周りに一定間隔でシリンダー形状のモールド(mold)80を配置した後、枠型の材料を充鎮させる方式で枠型を製造することができる。本過程により製造された枠型は、製造しようとするシリコンロールの表面に形成されるパターンと逆方向のパターンが陽刻で形成された形態の枠型である。
【0040】
枠型の材料を入れる時、枠型を特に加熱するか、冷却させる等のような温度調節をする必要はないが、上記枠型の材料を入れるか、充鎮させてから硬化させるときは150℃程度で硬化することが最も好ましい。
【0041】
次に、枠型20を円板から分離させる段階が後続する。図7に枠型を除去するための方式を図示した。図7で分かるように、枠型を円板10から分離するためには枠型と円板の間に一定の空間40を確保し上記空間を用いて空気注入管30を通じて空気を注入することで上記空気により円板と枠型が簡単に分離されることができる。
【0042】
次の工程は、図8に図示されているように、円板10から分離された枠型20内に液状シリコン50を注入し、上記液状シリコン50を硬化させることでシリコンロールの形状を完成する段階である。この際、シリコンは先ず常温で一定時間(特に24時間程度、但し、これは硬化に十分な時間であれば特に限定する必要はない)放置することで硬化させることができる。温度を高温に上げる場合、枠型の表面と反応し付着され分離が容易でないため好ましくない。但し、常温で硬化させる場合には硬化の程度が十分でない場合もあるが、このような場合には枠型と分離してシリコンロールのみを別途でさらに熱硬化させることもできる。硬化のために用いられる硬化剤の含量は製造しようとするシリコンロールの硬度に影響を与えるため、その範囲を適切に調節することが好ましいが、上記硬化剤の含量はシリコン対比で3〜30重量%の間で投入することが好ましく、5〜15重量%であることがより好ましい。硬化剤はシリコンと予め混合した後枠型内に注入する。
【0043】
重要な点は、シリコンロールは中心軸60により駆動されるため、中心軸60を予め挿入しなければならないが、中心軸の位置が精密に正確でないと、今後グラビア印刷時にロールを回転しながら軸に作用する荷重が異なり印刷の品質が一定でないか、軸に酷い負荷が加わる等の問題があることができるという点である。従って、シリコンロールを製造する前に中心軸をなるべく正確に位置させた後、液状シリコンを注入する必要がある。軸はロールの両側に突出されなければならないため、枠型20が形成される底部に溝を掘り、軸が受容されるようにする方式で軸を配置することがより好ましい。
【0044】
また、中心軸を正確に維持させるためには、図11に図示されたように、予め枠型20がはめ込まれる円形枠90と上記円形枠90の真ん中に中心軸60がはめ込まれる孔を形成させたフレームに枠型と中心軸60をはめてから液状シリコンを注入及び硬化させることがより好ましい。
【0045】
また、シリコンロールは枠型と同じ寸法を有しなければならないため、硬化前後の体積変化があると好ましくない。従って、上記液状シリコンは無溶剤型であることがより好ましい。上記無溶剤型液状シリコンの例としてはダウコーニングのSylgard 184を挙げることができる。
【0046】
以後、上記枠型をシリコンロール70から分離すると本発明のシリコンロールの製造方法は完成する。(図9)
【0047】
但し、上記軟質シリコンを枠型から分離するとき、軟質シリコンロールと枠型の表面性質が類似であるため、上記軟質シリコンロールと枠型は分離されないようにしようとする性質、即ち、低い界面エネルギーを有するようになる。2つの物質の間の界面エネルギーが低い場合、上記2つの物質が分離されると自由表面が生成され、発生する表面エネルギーより2つの物質の間の界面エネルギーの値が非常に小さくなるため、2つの物質は新たな自由表面を生成させないようとする性質を有する。そのため、2つの物質の分離が難しくなるが、上記軟質シリコンロールと枠型もこれと類似な傾向を有する。そのため、上記シリコン注入及び硬化後に形成されたシリコンロールは枠型と簡単に分離されず、強引に分離させようとすると上記シリコンロールと枠型が強く接触及び密着され上記シリコンロールの一部が枠型に付着されてシリコンロールから落ちるか、逆に枠型の一部がシリコンロールに付着されて枠型から落ちる等の問題が発生することができる。
【0048】
このような場合、シリコンロールの表面の形状が滑らかでないため、印刷時に印刷品質が低下するという問題が発生することもできる。本発明の発明者らは、このような問題を解決するためにさらに深く研究した結果、上記シリコンロールを製造するための枠型の表面を改質処理する場合、枠型とシリコンロールの表面性質が異なるようになるため、枠型とシリコンロールの間の界面エネルギーが増加し枠型とシリコンロールの分離が容易になるということが分かった。従って、本発明の製造方法はこのような点を利用して、上記円板から枠型を除去する段階以後に上記枠型の内面を表面改質処理する段階をさらに含むことが好ましい。
【0049】
上記表面改質処理は、後続する液状シリコンの注入手続により形成されるシリコンロールと接触する界面となる表面を活性化させ、シリコンロールの表面と異なる性質を有する枠型の表面を形成することで枠型と上記枠型内に形成されるシリコンロールの間の界面エネルギーを高めるための作業のことをいう。上記表面改質処理としてはプラズマ、UV−オゾン、コロナ処理のような方式を挙げることができ、その中でも特にプラズマ処理をすることが表面活性化に効果的である。上記プラズマ処理としては、RF真空プラズマ、RF大気圧プラズマ、コロナ常圧プラズマまたはDBD常圧プラズマのように現在提案された全ての種類のプラズマを使用することができる。但し、大型枠型も容易に処理することができる点と設備費等を考慮するとRF大気圧プラズマを用いることが最も好ましい。
【0050】
また、上記枠型の材料のうちでも上記円板から容易に分離する性質を有するシリコン系枠型を用いることが一般的であるが、このようなシリコン系枠型を用いる場合にはシリコンロールと材質がほぼ類似であるため、ロールとの分離がさらに困難になる。従って、上述の表面改質処理はシリコン系枠型を用いる場合にさらに効果的である。
【0051】
本発明において、枠型表面の改質のために用いられるプラズマとしては、現在用いられる如何なる形態の処理方法も用いることができるが、より具体的な例を挙げると、キャリアガスにAr又はHeを用い、反応ガスにO2、N2、CF4等を用いるプラズマを挙げることができる。この際、上記キャリアガスの流量は50〜300sccmであることが好ましく、反応ガスの流量は5〜10sccm程度であることが好ましい。この際、使用される電力は、たとえば13.56MHzの高周波電力(RF Power)で、50〜3,000ワット程度であることが好ましく、5〜30秒程度、上記プラズマに枠型を露出させることが好ましい。
【0052】
以下、下記の実施例を通じ本発明をより詳細に説明する。但し、下記の実施例は、本発明をより詳細に説明するために具体化した一例に過ぎず、本発明の権利範囲を限定するためのものではなく、本発明の権利範囲は特許請求範囲に記載の事項と、これにより合理的に類推できる範囲により決まる。
【0053】
(実施例)
−実施例1−
ステンレス(SUS)材質の円板を半径120mm、高さ600mmの円筒形状に加工し、表面にペーストが充鎮されるX形溝が、その幅と深さが夫々20マイクロメートルで、300マイクロメートルの間隔で形成されるように製作した。
【0054】
上記円板の外部に無溶剤型シリコンであるダウコーニングのK770と硬化剤であるオランダのAkzo Nobel社のTrigonox 101を混合した混合液を混合した枠型の材料を塗布して硬化した。混合液中の硬化剤はシリコン重量に対して0.5%含ませ、硬化のために150℃、2時間経過させた。
【0055】
上記枠型と円板は、枠型と円板の間の隙間に空気を注入して円板と枠型の接触を減少させた後、分離することができた。
【0056】
分離された枠型を上記図11に図示した形態のフレームにはめ込みフレームの中央に半径80mm、高さ800mmの中心軸を嵌めてから液状シリコンを(Sylgard 184) 注入して硬化させた。硬化剤としてはSylgard 184専用硬化剤をシリコン重量対比10重量%含ませて使用した。
【0057】
以後、枠型を製造されたシリコンロールから除去することでシリコンロールを製造することができた。製造されたシリコンロールは円板と同じ規格で半径120mm、高さ600mmのシリコンロールで、ロールの中心軸はロールの真ん中に位置していることを確認することができた。
【0058】
従って、上記本発明の方法により繋ぎ目のないシリコンロールを製造することができることを確認することができた。
【0059】
−実施例2−
ステンレス(SUS)材質の円板を半径120mm、高さ600mmの円筒形状に加工し、表面にペーストが充鎮されるX形溝がその幅と深さが夫々20マイクロメートルで、300マイクロメートルの間隔で形成されるように製作した。
【0060】
上記円板の外部に無溶剤型ウレタンであるダウコーニングのK770と硬化剤であるオランダのAkzo Nobel社のTrigonox 101を混合した混合液を混合した枠型の材料を塗布して硬化した。混合液中の硬化剤はシリコン重量に対して0.5%含ませ、硬化のために150℃、2時間経過させた。
【0061】
上記枠型と円板は、枠型と円板の間の隙間に空気を注入して円板と枠型の接触を減少させた後、分離することができた。
【0062】
上記円板から分離された枠型の表面にRF大気圧プラズマを供給して表面改質を行った。プラズマ処理時にキャリアガスには流量200sccmのArガスを、反応ガスには流量10sccmのO2を用い、電力は100W、周波数13.56MHzに設定して10秒間プラズマ処理を行った。
【0063】
上記表面改質された枠型を上記図11に図示した形態のフレームにはめ込みフレームの中央に半径80mm、高さ800mmの中心軸をはめてから液状シリコンを(Sylgard 184)注入して硬化させた。硬化剤としてはSylgard 184専用硬化剤をシリコン重量対比10重量%含ませて用いた。
【0064】
以後、枠型を製造されたシリコンロールから除去することでシリコンロールを製造することができた。除去時に枠型とシリコンロールは特に強い密着力を有せず容易に分離することができ、シリコンロールの表面には枠型の材料が全く付着されていなく、定まったパターン以外には凹んだ跡等がなかった。製造されたシリコンロールは円板と同じ規格で半径120mm、高さ600mmのシリコンロールで、ロールの中心軸はロールの真ん中に位置していることを確認することができた。
【0065】
また、本実施例2のようにプラズマ処理をした場合と、実施例1のようにプラズマ処理をしなかった場合を比較すると、実施例1の結果も良好な表面形状を有しているため、使用に全く問題が無かったが、実施例2に比べては若干表面の傷が存在しているため、プラズマ処理することがより有利であることを確認することができた。
【0066】
従って、表面改質処理を加える場合、繋ぎ目がなく良好な表面を有するシリコンロールを製造することができることを確認することができた。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】グラビア印刷方式を説明するための概略図である。
【図2】金属製のグラビア印刷ロールを用いる場合、ペーストが完全に印刷されない現状を説明するための概略図である。
【図3】軟質シリコングラビア印刷ロールを用いる場合、ロールとフィルムの間の密着性が向上しペーストが完全に印刷される現状を説明するための概略図である。
【図4】シリコンパッドを用いて軟質シリコンロールを製造した場合、繋ぎ目が発生する現状を説明する概略図である。
【図5】本発明の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールを製造する工程を説明する工程図である。
【図6】本発明の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールを製造する工程を説明する工程図である。
【図7】本発明の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールを製造する工程を説明する工程図である。
【図8】本発明の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールを製造する工程を説明する工程図である。
【図9】本発明の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールを製造する工程を説明する工程図である。
【図10】均一な厚さの枠型を製造するためにモールド内に円板を配置した形態を示す説明図である。
【図11】中心軸を正確にロールの中心に位置させるためにフレームを用いる場合を示す概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造しようとするシリコンロールと同じ規格とパターンを有する円板を製造する段階と、
前記円板の周りに枠型の材料を入れ硬化させることで枠型の形状を製造する段階と、
前記円板から枠型を除去する段階と、
前記枠型内にロールの中心軸を配置した後、液状シリコンを注入及び硬化させてシリコンロールの形状にする段階と、
前記枠型をシリコンロールから除去する段階と、
を含むことを特徴とする繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールの製造方法。
【請求項2】
前記枠型の材料は、液状またはガム(gum)タイプのシリコン、液状またはガムタイプのウレタンまたは天然ゴム、SBR、BR、CR、NBR、EPDM等のゴムであることを特徴とする請求項1に記載の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールの製造方法。
【請求項3】
前記枠型の材料には、主剤対比硬化剤が0.1〜10重量%含まれることを特徴とする請求項2に記載の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールの製造方法。
【請求項4】
前記枠型の材料は、無溶剤型であることを特徴とする請求項2に記載の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールの製造方法。
【請求項5】
前記枠型の形状を製造する段階は、前記円板の周りに一定間隔でモールドを設置してから前記モールドと円板の間に枠型の材料を入れ硬化させることで枠型の形状を製造することを特徴とする請求項1に記載の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールの製造方法。
【請求項6】
前記円板から枠型を除去する段階では、円板と枠型の間の隙間に空気を注入し円板と枠型の間の接触面積を減少させた後、円板から枠型を分離することを特徴とする請求項1に記載の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールの製造方法。
【請求項7】
前記シリコンロールの形状に製造する段階では、予め枠型がはめ込まれる円形枠と前記円形枠の真ん中に中心軸がはめ込まれる孔を形成させたフレームに、枠型と中心軸をはめてから液状シリコンを注入及び硬化させることを特徴とする請求項1に記載の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールの製造方法。
【請求項8】
前記液状シリコンは、無溶剤型であることを特徴とする請求項1に記載の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールの製造方法。
【請求項9】
前記液状シリコンには、硬化剤がシリコン重量対比3〜30重量%含まれることを特徴とする請求項8に記載の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールの製造方法。
【請求項10】
前記液状シリコンの硬化温度は、常温であることを特徴とする請求項1に記載の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールの製造方法。
【請求項11】
前記円板から枠型を除去する段階以後に、前記枠型の内面を表面改質処理する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールの製造方法。
【請求項12】
前記表面改質は、プラズマ、UV−オゾン処理及びコロナ放電処理のうちから選ばれた1種以上の方法で行うことを特徴とする請求項11に記載の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールの製造方法。
【請求項13】
請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の方法で製造されたシリコンロールで、前記シリコンロールは表面に繋ぎ目が形成されていないことを特徴とするシリコンロール。
【請求項1】
製造しようとするシリコンロールと同じ規格とパターンを有する円板を製造する段階と、
前記円板の周りに枠型の材料を入れ硬化させることで枠型の形状を製造する段階と、
前記円板から枠型を除去する段階と、
前記枠型内にロールの中心軸を配置した後、液状シリコンを注入及び硬化させてシリコンロールの形状にする段階と、
前記枠型をシリコンロールから除去する段階と、
を含むことを特徴とする繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールの製造方法。
【請求項2】
前記枠型の材料は、液状またはガム(gum)タイプのシリコン、液状またはガムタイプのウレタンまたは天然ゴム、SBR、BR、CR、NBR、EPDM等のゴムであることを特徴とする請求項1に記載の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールの製造方法。
【請求項3】
前記枠型の材料には、主剤対比硬化剤が0.1〜10重量%含まれることを特徴とする請求項2に記載の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールの製造方法。
【請求項4】
前記枠型の材料は、無溶剤型であることを特徴とする請求項2に記載の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールの製造方法。
【請求項5】
前記枠型の形状を製造する段階は、前記円板の周りに一定間隔でモールドを設置してから前記モールドと円板の間に枠型の材料を入れ硬化させることで枠型の形状を製造することを特徴とする請求項1に記載の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールの製造方法。
【請求項6】
前記円板から枠型を除去する段階では、円板と枠型の間の隙間に空気を注入し円板と枠型の間の接触面積を減少させた後、円板から枠型を分離することを特徴とする請求項1に記載の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールの製造方法。
【請求項7】
前記シリコンロールの形状に製造する段階では、予め枠型がはめ込まれる円形枠と前記円形枠の真ん中に中心軸がはめ込まれる孔を形成させたフレームに、枠型と中心軸をはめてから液状シリコンを注入及び硬化させることを特徴とする請求項1に記載の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールの製造方法。
【請求項8】
前記液状シリコンは、無溶剤型であることを特徴とする請求項1に記載の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールの製造方法。
【請求項9】
前記液状シリコンには、硬化剤がシリコン重量対比3〜30重量%含まれることを特徴とする請求項8に記載の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールの製造方法。
【請求項10】
前記液状シリコンの硬化温度は、常温であることを特徴とする請求項1に記載の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールの製造方法。
【請求項11】
前記円板から枠型を除去する段階以後に、前記枠型の内面を表面改質処理する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールの製造方法。
【請求項12】
前記表面改質は、プラズマ、UV−オゾン処理及びコロナ放電処理のうちから選ばれた1種以上の方法で行うことを特徴とする請求項11に記載の繋ぎ目のないパターン化されたシリコンロールの製造方法。
【請求項13】
請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の方法で製造されたシリコンロールで、前記シリコンロールは表面に繋ぎ目が形成されていないことを特徴とするシリコンロール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2009−536115(P2009−536115A)
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−509452(P2009−509452)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際出願番号】PCT/KR2007/005281
【国際公開番号】WO2008/051031
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(504111015)エルジー ケム. エルティーディ. (38)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際出願番号】PCT/KR2007/005281
【国際公開番号】WO2008/051031
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(504111015)エルジー ケム. エルティーディ. (38)
【Fターム(参考)】
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