説明

置換アントラセニル単位を含むポリマー、これらポリマーを含むブレンドおよびこれらポリマーまたはブレンドを含む素子

本発明は、置換アントラセニル単位を含むポリマーおよび本発明によるポリマーを含むブレンドに関する。本発明は、さらに、本発明によるポリマーとブレンドの有機電子素子での使用、およびこれら素子自体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換アントラセニル単位を含むポリマーおよび本発明によるポリマーを含むブレンドに関する。本発明は、また、本発明によるポリマーとブレンドの有機電子素子での使用、およびこれら素子自体に関する。
【0002】
有機、有機金属および/またはポリマー半導体を含む電子素子は、市販製品により一般的に使用されており、まさに市場に導入されるところである。ここで、言及されてもよい例は、表示素子における電子複写と有機もしくはポリマー発光ダイオード(OLEDもしくPLED)または複写機における有機光受容素子での有機系電荷輸送材料(たとえば、トリアリールアミン系正孔輸送体)である。有機太陽電池(O-SC)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機薄膜トランジスタ(O-TFT)、有機集積回路(O-IC)、有機光増幅素子もしく有機レーザーダイオード(O-laser)が、開発の進んだ段階であり、将来における主な重要性を実現するかもしれない。
【0003】
多くのこれら電子素子は、夫々の用途を問わず、以下の一般的構造を有し、夫々の用途に採用され得る。
【0004】
(1)基板、
(2)電極、多くは、金属もしくは無機であるが、有機もしくはポリマー伝導性材料も含む、
(3)電荷注入層もしくは中間層、たとえば、電極の不均性の補償用であり(「平坦化層」)、多くは、伝導性のドープされたポリマーを含む、
(4)有機半導体、
(5)随意に、さらなる電荷輸送層もしくは電荷注入層もしくは電荷障壁層、
(6)対電極、(2)で言及された材料
(7)被包
上記配置は、種々の層が結合されてもよい有機電子素子の一般的構造をあらわし、その結果、最も単純な場合には、配置は、その間に有機層が位置する二個の電極となる。有機層は、この場合、発光を含むすべての機能を発揮する。この型の系は、たとえば、ポリ(p-フェニレン)系についてWO 90/13148 A1に記載されている。
【0005】
この個々の層は、たとえば、コポリマーであり、この場合、対応する機能単位は、ポリマーの主鎖または側鎖中に存在するか、または、この個々の層は、ポリマーブレンドであり、この場合、相異なるポリマーは、構造単位として一以上の機能単位を含む。機能的低分子を有する二種の変種の混合物も知られている。しかしながら、すべてのこれらの単純な単層素子は、優位性と不都合を示す。主な問題は、この系の駆動電圧であり、いまだ相対的に高く不十分な効率と不十分な寿命である。
【0006】
OLEDのための溶液加工可能なポリマーは、近年、特に、新世代の平面スクリーンまたは照明要素として多くの刺激を引き起こしてきた。ポリマーOLEDにおける一定の改善が近年達成されてきたが、それらは、通常多様な特別の機能層から成る気相堆積OLED素子と比べると、その効率と寿命の点で不都合をいまだ示している。対照的に、ポリマーOLEDの優位性は、溶液からの単純な加工にあり、種々の層を公知の被覆方法(印刷、スピンコーティング)で容易に製造することができる。対照的に、低分子は、真空室で複雑なプロセスで気相堆積しなければならない。
【0007】
色の均質性は、少量のドーパントが正確に分散されねばならないことから、気相堆積低分子の場合に達成することは、ある場合には非常に困難である。溶液中のコポリマー、ポリマーブレンドまたは低分子の場合には、たとえば、エミッターまたは電荷輸送単位のような必要とされる成分は、正確な濃度で非常に正確に分散することができる。
【0008】
先行技術による多くのOLEDは、層内に活性ポリマーを含み、ポリマーは、すべての必要とされる機能単位を含む。このポリマー層は、多くは中間層に適用され、たとえば、正孔注入機能を果たす。
【0009】
ポリマーブレンドは、たとえば、異なる色(増加する濃度で空色の黄色、赤色、緑色および青、たとえば、GB 2340304)で発光するポリマー混合物による白色発光素子のための、中間層の超蛍光を減少するための(WO 2008/011953)または、異なる特性を有するポリマーを使用することによるレオロジー特性に適応させるための正孔注入を改善するために使用することもでき、種々の目的のために、有益であり得る。
【0010】
したがって、本発明の目的は、コポリマーかブレンドとしての使用にかかわりなく、、有機電子素子での使用において、より低い駆動電圧を引き起こすと同時に十分な安定性と効率を有する化合物の提供である。
【0011】
驚くべきことに、以下の式(I)の構造単位を含むポリマーまたは以下の式(I)の構造単位を含むポリマーを含むポリマーブレンドが、駆動電圧の減少を生じることが見出された。これは、本発明のポリマーを含むポリマーおよびポリマーブレンドいずれの場合にも証明された。さらに、これら系の効率と寿命を増加することが可能ともなった。
【0012】
この目的のために、本発明は、少なくとも一つの一般式(I)の構造単位を含むポリマーを提供する。
【化1】

【0013】
式中、使用される記号と添え字には、以下が適用される:
Arは、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールオキシ基または芳香族もしくは複素環式芳香族環構造であり、
およびRは、夫々、互いに独立して、Ar、H、D、F、Cl、Br、I、N(Ar)、C(=O)Ar、P(=O)Ar、S(=O)Ar、S(=O)Ar、CR=CRAr、CN、NO、Si(R、B(OR、OSO、1〜40個のC原子を有する直鎖アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基、または3〜40個のC原子を有する分岐あるいは環状アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基(夫々は、1以上の基Rにより置換されてよく、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SもしくはCONRで置き代えられてよく、また、1以上のH原子は、F、Cl、Br、I、CNもしくはNOで置き代えられてよい。)であり、
Arは、出現毎に、各場合に、互いに独立して、アリールもしくはヘテロアリールまたは芳香族もしくは複素環式芳香族環構造から選ばれ、
Arは、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールオキシ基であり、
は、各場合に、互いに独立して、Hまたは1〜20個のC原子を有する脂肪族もしくは芳香族炭化水素基であり、
ここで、さらに、RおよびRが、共に、基Arを示すならば、式(I)の化合物は、そのときは、式(Ia)、(Ib)、(Ic)および(Id)の構造から選ばれ:
【化2】

【0014】
式中、Arは、出現毎に、同一であるか異なり、R、R、RおよびRであり、夫々、互いに独立して、Rに示される意味を有し、n≧1およびr=1であり、ここで、アスタリスクにより示される結合は、ポリマー中の隣接する構造単位への結合を表す。
【0015】
本発明の意味での芳香族環構造は、環中に5〜60個のC原子を含む。本発明の意味での複素環式芳香族環構造は、環中に2〜60個のC原子と少なくとも一つのヘテロ原子を含むが、ただし、C原子とヘテロ原子の合計は少なくとも五個である。ヘテロ原子は、好ましくは、Si、N、P、O、Sおよび/またはSeから選ばれ、特に、好ましくは、N、P、Oおよび/またはSから選ばれる。本発明の意味での芳香族もしくは複素環式芳香族環構造は、さらに、必ずしもアリールもしくヘテロアリール基のみを含む構造ではなく、その代わりに、複数のアリールもしくヘテロアリール基は、例えば、C(sp混成)、N、O原子のような短い非芳香族単位(H以外の原子は、10%より少ない。)により中断されていてもよい構造を意味するものと解される。したがって、例えば、9,9’-スピロビフルオレン、9,9-ジアリールフルオレン、トリアリールアミン、ジアリールエーテル、スチルベン等のような構造も、本発明の意味での芳香族環構造を意味するものと解されることを意図されてもいるが、二個以上のアリール基が、たとえば、直鎖あるいは分岐鎖アルキル基もしくはシリル基による中断される系も同様である。P(=O)もしくはC(=O)基は、通常は共役中断ではない。
【0016】
5〜60個の環原子を有する芳香族もしくは複素環式芳香族環構造は、各場合に、任意の所望の基Rにより置換されていてもよく、任意の所望の位置を介して、芳香族もしくは複素環式芳香族系に連結していてもよいが、特に、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレン、フルオランセン、ナフタセン、ペンタセン、ベンゾピレン、ビフェニル、ビフェニレン、ターフェニル、ターフェニレン、フルオレン、スピロビフルオレン、ジヒドロフェナントレン、ジヒドロピレン、テトラヒドロピレン、シス-もしくはトランス-インデノフルオレン、トルクセン、イソトルクセン、スピロトルクセン、スピロイソトルクセン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ピロール、インドール、イソインドール、カルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾ-5,6-キノリン、ベンゾ-6,7-キノリン、ベンゾ-7,8-キノリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ピラゾール、インダゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、フェナントリイミダゾール、ピリジンイミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロオキサゾール、フェナントロオキサゾール、イソオキサゾール、1,2-チアゾール、1,3-チアゾール、ベンゾチアゾール、ピリダジン、ベンゾピリダジン、ピリミジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、1,5-ジアザアントラセン、2,7-ジアザピレン、2,3-ジアザピレン、1,6-ジアザピレン、1,8-ジアザピレン、4,5-ジアザピレン、4,5,9,10テトラアザピレン、ピラジン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、フルオルビン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントリリン、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,3-チアジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,2,5-チアジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、1,3,5-トリアジン、1,2,4-トリアジン、1,2,3-トリアジン、テトラゾール、1,2,4,5-テトラジン、1,2,3,4-テトラジン、1,2,3,5-テトラジン、プリン、プテリジン、インドリジン、ベンゾチアジアゾール、ベンズアントレン、ベンズアントラセン、ルビセンおよびトリフェニレンから誘導される基を意味するものと解される。
【0017】
本発明の意味でのアリール基は、5〜60個のC原子を含む。本発明の意味でのヘテロアリール基は、2〜60個のC原子と少なくとも一つのヘテロ原子を含むが、ただし、C原子とヘテロ原子の合計は少なくとも五個である。ヘテロ原子は、好ましくは、Si、N、P、O、Sおよび/またはSeから選ばれ、特に、好ましくは、N、P、OまたはSから選ばれる。ここで、アリールもしくはヘテロアリール基は、単純な芳香族環、すなわち、ベンゼンまたは単純な複素環式芳香族環、たとえば、ピリジン、ピリミジン、チオフェン等または縮合アリールもしくはヘテロアリール基、たとえば、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、キノリン、イソキノリン、ベンゾチオフェン、ベンゾフランおよびインドール等を意味するものと解される。
【0018】
本発明の目的のためには、1〜40個のC原子を有するアルキル基は、ここで、加えて、個々のH原子もしくはCH基は、上記した基または基RもしくはRにより置換されていてよく、好ましくは、基メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、シクロ-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、シクロブチル、2-メチルブチル、n-ペンチル、s-ペンチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、シクロヘキシル、n-ヘプチル、シクロヘプチル、n-オクチル、シクロオクチル、2-エチルヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル、シクロオクテニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルおよびオクチニルを意味するものと解される。1〜40個のC原子を有するアルコキシ基は、好ましくは、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、i-ブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシ、または2-メチルブトキシを意味するものと解される。
【0019】
本発明の一つの具体例では、一般式(I)において、RおよびRからの少なくとも一つの代表は、Arを示さず、Arは、以下の構造単位から選ばれる:
【化3−1】

【化3−2】

【化3−3】

【0020】
式中、R、R、RおよびRは、RおよびRに示す意味を有し、
Arは、芳香族もしくは複素環式芳香族基であり、
mは、1〜4であり、好ましくは、1または2、特に、好ましくは、1であり、
pは、互いに独立して、同一であるか異なり、0〜2であり、
Xは、NR、OもしくはSであり、および
は、NもしくはCHである。
【0021】
式(I)において、さらに、好ましくは、Arは、出現毎に、各場合に、互いに独立して、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、ピレニル、クリセニル、ペリレニル、フルオランセニル、ナフタセニル、ペンタセニル、ベンゾピレニル、ビフェニル、ビフェニレニル、ターフェニル、ターフェニレニル、フルオレニル、スピロビフルオレニル、ジヒドロフェナントレニル、ジヒドロピレニル、テトラヒドロピレニル、シスもしくはトランス-インデノフルオレニル、トルクセニル、イソトルクセニル、スピロトルクセニル、スピロイソトルクセニル、フラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ジベンゾチオフェニル、ピロリル、インドリル、イソインドリル、カルバゾリル、ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、アクリジニル、フェナントリジニル、ベンゾ-5,6-キノリニル、ベンゾ-6,7-キノリニル、ベンゾ-7,8-キノリニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、ピラゾリル、インダゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、ナフトイミダゾリル、フェナントリイミダゾリル、ピリジンイミダゾリル、ピラジンイミダゾリル、キノキサリンイミダゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ナフトオキサゾリル、アントロオキサゾリル、フェナンロオキサゾリル、イソオキサゾリル、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル、ベンゾチアゾリル、ピリダジニル、ベンゾピリダジニル、ピリミジニル、ベンゾピリミジニル、キノキサリニル、1,5-ジアザアントラセニル、2,7-ジアザピレニル、2,3-ジアザピレニル、1,6-ジアザピレニル、1,8-ジアザピレニル、4,5-ジアザピレニル、4,5,9,10テトラアザピレニル、ピラジニル、フェナジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フルオルビニル、ナフチリジニル、アザカルバゾリニル、ベンゾカルボリニル、フェナントリリニル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、ベンゾトリアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、1,3,5-トリアジニル、1,2,4-トリアジニル、1,2,3-トリアジニル、テトラゾリル、1,2,4,5-テトラジニル、1,2,3,4-テトラジニル、1,2,3,5-テトラジニル、プリニル、プテリジニル、インドリジニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンズアントレニル、ベンズアントラセニル、ルビセニルおよびトリフェニレニルから選ばれることが好ましい。
【0022】
本発明の目的のために、Arは、好ましくは、一以上の直鎖あるいは分岐あるいは環状アルキルまたはアルコキシ基により置換されている。特に、好ましいのは、直鎖C1−20アルキルもしくはアルコキシ基またはtert-ブチル基である。
【0023】
本発明によるポリマーの例は、以下に示す構造単位を含むものである。
【化4−1】

【化4−2】

【化4−3】

【0024】
さらに好ましいのは、式(I)の構造単位とは異なる更なる少なくとも一つの構造単位を含むポリマーである。ここで、さらなる構造単位は、好ましくは、正孔注入、正孔輸送、正孔障壁、電子注入、電子輸送、電子障壁、エミッター、励起子生成単位または骨組単位またはそれらの組み合わせから選ばれる、
本発明の意味でのポリマーは、オリゴマーとデンドリマーをも意味するものと解されることを意図している。
【0025】
本発明の目的のために、用語オリゴマーは、3〜9個の反復単位を有する化合物に適用される。本発明の意味でのポリマーは、10個以上の反復単位を有する化合物を意味するものと解される。ここで、ポリマーの分岐因子は0(直鎖、分岐点なし)と1(完全に分岐したデンドリマー)の間である。
【0026】
オリゴマー、ポリマーもしくはデンドリマーは、共役していても、部分共役していても、非共役でもよく、好ましくは、共役オリゴマー、ポリマーもしくはデンドリマーである。オリゴマーまたはポリマーは直鎖、分岐鎖あるいは樹状であってよい。直鎖で結合する構造において、式(I)の構造単位は、互いに直接結合することができるか、二価基を介して、たとえば、置換あるいは非置換アルキレン基を介して、ヘテロ原子を介して、二価の芳香族もしくは複素環式芳香族環基を介して、互いに結合することができるかの何れかである。分岐構造においては、たとえば、3個以上の式(I)の構造単位は、三価あるいは多価基を介して、たとえば、三価あるいは多価の芳香族もしくは複素環式芳香族環基を介して、結合することができ、分岐オリゴマーまたはポリマーを形成する。
【0027】
ポリマー中の式(I)の構造単位の割合は、好ましくは、0.05〜100モル%の範囲、特に、好ましくは、0.2〜80モル%の範囲、特に、好ましくは、0.5〜60モル%の範囲である。
【0028】
本発明によるポリマーの分子量Mは、好ましくは、10,000〜2,000,000g/モルの範囲、特に、好ましくは、100,000〜1,500,000g/モルの範囲、特に、好ましくは、200,000〜1,000,000g/モルの範囲である。分子量Mは、内部ポリスチレン標準に対するGPC(=ゲル透過クロマトグラフィー)により測定される。
【0029】
一以上の式(I)の構造単位に加えて、本発明によるポリマーは、上記式(I)の構造単位とは異なる更なる構成単位を含んでもよい。これらは、特に、たとえば、WO 02/077060 A1およびWO 2005/014689 A2に広範に開示され、挙げられるものである。これらは、参照として、本願に組み込まれる。更なる構造単位は、例えば以下のクラスから生じることができる:
群1:ポリマーの正孔注入および/または正孔輸送特性に作用する単位。
【0030】
群2:ポリマーの電子注入および/または電子輸送特性に作用する単位。
【0031】
群3:群1および群2からの個々の単位の組み合わせを有する単位。
【0032】
群4:電子燐光発光が電子蛍光発光の代わりに得ることができる程度に、発光特性を変更する単位。
【0033】
群5:いわゆる一重項状態から三重項状態への遷移を改善する単位。
【0034】
群6:得られるポリマーの発光色に作用する単位。
【0035】
群7:典型的には骨組として使用される単位。
【0036】
群8:膜形態学特性および/または得られるポリマーのレオロジー特性に作用する単位。
【0037】
本発明の好ましいポリマーは、少なくとも1つの構造単位が電荷輸送特性を有するもの、即ち群1および/または群2からの単位を含むものである。
【0038】
正孔注入および/または正孔輸送特性を有する群1からの構造単位は、例えば、トリアリールアミン、ベンジジン、テトラアリール-パラ-フェニレンジアミン、トリアリールホスフィン、フェノチアジン、フェノキサジン、ジヒドロフェナジン、チアントレン、ジベンゾ-パラ-ジオキシン、フェノキサチン、カルバゾール、アズレン、チオフェン、ピロールおよびフラン誘導体と高HOMO(HOMO=最高占分子軌道)を有する更なるO-、S-もしくはN-含有へテロ環である。これらのアリールアミンおよびヘテロ環は、ポリマー中で、好ましくは、−5.8eV(真空レベルに対して)より大な、特に好ましくは、−5.5eVより大なHOMOを生じる。
【0039】
電子注入および/または電子輸送特性を有する群2からの構造単位は、例えば、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、オキサジアゾール、キノリン、キノキサリン、アントラセン、ベンズアントラセン、ピレン、ペリレン、ベンズイミダゾール、トリアジン、ケトン、ホスフインオキシドおよびフェナジン誘導体のみならずトリアリールボランならびに低LUMO(LUMO=最低空分子軌道)を有する更なるO-、S-もしくはN-含有へテロ環である。これらの単位は、ポリマー中で、好ましくは、−1.5eV(真空レベルに対して)未満の、特に、好ましくは、−2.0eV未満のLUMOを生じる。
【0040】
本発明のポリマーは、正孔移動性を増加する構造と、電子移動性を増加する構造(即ち、群1および2からの単位)が互いに直接結合している構造または正孔移動性と電子移動性の双方を増加する構造を含む群3からの単位を含むことが好ましいかもしれない。これら単位の幾つかは、エミッターとして役立ち、発光色を緑色、黄色あるいは赤色にシフトすることができる。それゆえ、それらの使用は、例えば、元来が青色発光のポリマーから他の発光色の生成のために適している。
【0041】
群4からの構造単位は、いわゆる、室温でさえも、高効率で三重項状態から発光することができるものであり、即ち、電子蛍光発光の代わりに電子燐光発光を呈し、エネルギー効率の増加を引き起こすことができることが多い。この目的のために適するのは、まず、36より大な原子番号を有する重い原子を含む化合物である。好ましい化合物は、上記条件を満足するdあるいはf遷移金属を含むものである。ここで、特に好ましいものは、8乃至10属(Ru、Os、Rh、Ir、Pd、Pt)からの元素を含む対応する構造単位である。本発明のポリマーのために適する構造単位は、ここで、例えば、種々の錯体であり、例えば、WO 02/068435 A1、WO 02/081488 A1、EP 1239526 A2およびWO 2004/026886 A2に記載されている。対応するモノマーは、WO 02/068435 A1およびWO 2005/042548 A1に記載されている。
【0042】
群5からの構造単位は、一重項状態から三重項状態への遷移を改善するものであり、群4からの構造要素のサポートに使用され、これら構造要素の燐光特性を改善する。この目的のために適するものは、特に、カルバゾールおよび架橋カルバゾール2量体単位であり、たとえば、WO 2004/070772 A2およびWO 2004/113468 A1に記載されている。また、この目的のために適するものは、ケトン、ホスフィンオキシド、スルホキシド、スルホン、シラン誘導体および類似化合物であり、たとえば、WO 2005/040302 A1に記載されている。
【0043】
上記言及されたものに加えて群6からの構造単位は、上記群の範囲に入らない少なくとも1つの更なる芳香族構造もしくは別の共役構造を有するものであり、即ち、電荷担持移動性に関する作用が少ししかなく、有機金属錯体でなく、一重項-三重項遷移に作用しないものである。この型の構造要素は、得られるポリマーの発光色にも作用することができる。それゆえ、単位に応じて、それらはエミッターとしても使用されることもできる。ここで好ましいのは、6〜40個のC原子を有する芳香族構造およびまたトラン、スチルベンあるいはビスチリルアリーレン誘導体であり、夫々は1以上の基Rにより置換されていてもよい。ここで特に好ましいものは、1,4-フェニレン、1,4-ナフチレン、1,4-あるいは9,10-アントリレン、1,6-、2,7-あるいは4,9-ピレニレン、3,9-あるいは3,10-ペリレニレン、4,4’-ビフェニリレン、4,4”-ターフェニリレン、4,4’-ビ-1,1’-ナフチリレン、4,4’-トラニレン、4,4’-スチルベニレン、4,4”-ビススチリルアリーレン、ベンゾチアジアゾールおよび対応する酸素誘導体、キノキサリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ジヒドロフェナジン、ビス(チオフェニル)アリーレン、オリゴ(チオフェニレン)、フェナジン、ルブレン、ペンタセンまたはペリレン誘導体の組み込みであり、好ましくは、置換され、または、好ましくは、共役プッシュ-プル系(ドナーおよびアクセプター置換基により置換された系)、または、好ましくは、置換されたスクアリンもしくはキナクリドンのような系である。
【0044】
群7からの構造単位は、ポリマー骨組として典型的に使用される6〜40個のC原子を有する芳香族構造を含む単位である。これらは、たとえば、4,5-ジヒドロピレン誘導体、4,5,9,10-テトラヒドロピレン誘導体、フルオレン誘導体、9,9’-スピロビフルオレン誘導体、フェナントレン誘導体、9,10-ジヒドロフェナントレン誘導体、5,7-ジヒドロジベンゾオキセピン誘導体、シス-およびトランス-インデノフルオレン誘導体である。
【0045】
群8からの構造単位は、膜形態学特性および/またはポリマーのレオロジー特性に作用する単位であり、たとえば、シロキサン、長鎖アルキルまたはフッ化物基のみならず、特に、たとえば、液晶生成単位もしくは架橋可能基のような剛直あるいは柔軟な単位である。
【0046】
式(I)の構造単位に加えて、本発明の好ましいポリマーは、本発明の構造単位とは異なる群1乃至8から選ばれる1以上の単位を同時に追加的に含む。1つの群からの1以上の構造単位が同時に存在することが同様に好ましいかもしれない。
【0047】
ここで、少なくとも一つの式(I)の構造単位に加えて、本発明の好ましいポリマーは、群7からの単位を、特に、好ましくは、ポリマー中の構造単位の合計数を基礎として少なくとも50モル%含む。
【0048】
同様に、本発明の好ましいポリマーは、電荷輸送および/または電荷注入を改善する単位、すなわち、群1および/または2からの単位を含み、これら単位の0.5〜30モル%の割合が、特に、好ましく、これら単位を1〜10モル%の割合が、非常に、特に、好ましい。
【0049】
さらに、本発明の特に好ましいポリマーは、群7からの構造単位と群1および/または2からの単位を含み、特に、少なくとも50モル%の群7からの単位と0.5〜30モル%の群1および/または2からの単位を含む。
【0050】
本発明によるポリマーは、式(I)の構造単位を含むホモポリマーかコポリマーの何れかである。本発明によるポリマーは、直鎖、分岐鎖あるいは架橋であってよい。一以上の式(I)の構造単位とその好ましい副構造に加えて、本発明によるコポリマーは、上記群1〜8からの一以上の更なる構造を潜在的に有してもよい。
【0051】
本発明によるポリマーの合成のために、対応するモノマーが必要とされる。本発明によるポリマー中で式(I)の構造単位を生じるモノマーは、対応して置換され、このモノマーがポリマー中に組み込まれることを可能とする適切な官能基を二つの位置で有する化合物である。これらのモノマーは新規であり、それゆえ同様に本発明の主題である。
【0052】
したがって、本発明は、以下の式(III)の化合物にも関する。
【化5】

【0053】
ここで、使用される記号は以下の意味を有する:
ZとZ‘は、互いに独立して、ハロゲン、O-トシレート、O-トリフレート、O−SO、B(ORおよびSn(Rよりなる基から選ばれ、Rは、出現毎に、互いに独立して、Hまたは1〜20個のC原子を有する脂肪族炭化水素基もしくは5〜20個の環原子を有する芳香族炭化水素基であり、二個以上のRは、互いに脂肪族環構造を形成してもよく、
n≧1およびrは、0または1であり、および
ここで、他の記号は上記具体例と同じ意味を有する。式(I)の構造単位の好ましい具体例は、ここでの好ましい具体例でもある。
【0054】
本発明において、ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素または沃素であって、塩素、臭素およびは沃素が好ましく、沃素が特に、好ましい。
【0055】
本発明のさらなる具体例では、式(III)の化合物中のZとZ‘は、互いに独立して、Br、IおよびB(ORから選ばれる。
【0056】
本発明において、用語「1〜20個のC原子を有する脂肪族炭化水素基」は、飽和あるいは不飽和の非芳香族炭化水素基であり、直鎖、分岐鎖あるいは環状を意味するものと解される。一以上の炭素原子は、O、NもしくはSで置き代えられていてもよい。さらに、一以上の水素原子は、フッ素により置き代えられてもよい。このような化合物の例は、以下を含む:メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、2-メチルブチル、n-ペンチル、s-ペンチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、シクロヘキシル、n-ヘプチル、シクロヘプチル、n-オクチル、シクロオクチル、2-エチルヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル、シクロオクテニルエチニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、およびオクチニルであり、ここで、メチル、エチル、i-プロピルおよびi-ブチルが、特に、好ましい。
【0057】
本発明において、「5〜20個の環原子を有する芳香族炭化水素基」は、6〜20個の炭素原子を有する芳香族環構造または5〜20個の環原子を有する複素環式芳香族環構造を意味するものと解され、一以上の環原子は、N、OおよびSから選ばれるヘテロ原子が意図され、その他は炭素原子である。本発明の目的のために、これらの定義は、必ずしも芳香族もしくは複素環式芳香族基のみを含む構造ではなく、その代わりに、加えて、複数の芳香族もしくは複素環式芳香族基は、例えば、C(sp混成)、N、O、Si、P、S、Ge(たとえば、CR、C=O、NR、O、SIR、P=O、SおよびGeRであって、ここで、Rは、H、C1−40-アルキル基、C2−40-アルケニル基、C2−40-アルキニル基、随意に置換されたC6−40アリール基および随意に置換された5〜25員環ヘテロアリール基から成る群より選択される。)のような短い非芳香族単位(H以外の原子は、10%より少なく、好ましくは、H以外の原子は、5%より少ない)により中断されていてもよい構造を意味するものと解される。さらに、それらは、単環状あるいは多環状であってよく、換言すれば、1個の環(例えば、フェニル)でも、あるいは縮合してもよい(例えば、ナフチル)あるいは共有結合してもよい(例えば、ビフェニル)2個以上の環を有してもよく、または縮合環と連結環との組み合わせを含んでもよい。完全に共役したアリール基が好ましい。
【0058】
本発明のポリマーは、一般的には、1以上の型のモノマーの重合により調製され、ポリマー中に少なくとも一つ式(I)の構造単位を生じる。適切な重合反応は、当業者に知られ、文献に記載されている。C-CもしくはC-N連結を生じる、特に、適切で、好ましい重合反応は、以下のものである。
【0059】
(A)スズキ重合;
(B)ヤマモト重合;
(C)スチル(STILLE)重合;
(D)ヘック(HECK)重合;
(E)ネギシ(NEGISHI)重合;
(F)ソノガシラ(SONOGASHIRA)重合;
(G)ヒヤマ(HIYAMA)重合;および
(H)ハートウイッグ-ブーフバルト(HARTWIG-BUCHWALD)重合;
これらの方法により重合を行うことができる方法およびポリマーを反応媒体から分離し、純化することのできる方法は、当業者に知られ、文献、例えば、WO 03/048225 A2、WO 2004/037887 A2およびWO 2004/037887 A2に記載されている。
【0060】
C-C連結反応のための方法は、好ましくは、スズキカップリング、ヤマモトカップリングおよびスチルカップリングより成る群から選ばれ、C-N連結反応は、好ましくは、ハートウイッグ-ブーフバルトカップリングである。
【0061】
したがって、本発明は、また、スズキ重合、ヤマモト重合、スチル重合またはハートウイッグ-ブーフバルト重合によって調製されることを特徴とする、本発明によるポリマーの調製方法にも関する。
【0062】
本発明は、さらに、一以上の一般式(II)の構造単位を含むポリマーと少なくとも一つのさらなる、異なるポリマー、オリゴマー、デンドリマーおよび低分子量化合物を含むブレンドに関し、式中、使用される記号と添え字は、以下が適用される:
【化6】

【0063】
Arは、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールオキシ基または芳香族もしくは複素環式芳香族環構造であり、
およびRは、夫々、互いに独立して、Ar、H、D、F、Cl、Br、I、N(Ar)、C(=O)Ar、P(=O)Ar、S(=O)Ar、S(=O)Ar、CR=CRAr、CN、NO、Si(R、B(OR、OSO、1〜40個のC原子を有する直鎖アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基、または3〜40個のC原子を有する分岐あるいは環状アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基(夫々は、1以上の基Rにより置換されてよく、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SもしくはCONRで置き代えられてよく、また、1以上のH原子は、F、Cl、Br、I、CNもしくはNOで置き代えられてよい。)である。
【0064】
Arは、出現毎に、各場合に、互いに独立して、アリールもしくはヘテロアリール基または芳香族もしくは複素環式芳香族環構造から選ばれる。
【0065】
Arは、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールオキシ基である。
【0066】
は、各場合に、互いに独立して、Hまたは1〜20個のC原子を有する脂肪族もしくは芳香族炭化水素基である。
【0067】
nは、≧1およびrは0か1である。
【0068】
さらに、好ましいブレンドは、本発明によるポリマー中、RおよびRは、基Arを表し、r=0である。
【0069】
Arは、ここで、出現毎に、互いに独立して、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、ピレニル、クリセニル、ペリレニル、フルオランセニル、ナフタセニル、ペンタセニル、ベンゾピレニル、ビフェニル、ビフェニレニル、ターフェニル、ターフェニレニル、フルオレニル、スピロビフルオレニル、ジヒドロフェナントレニル、ジヒドロピレニル、テトラヒドロピレニル、シス-もしくはトランス-インデノフルオレニル、トルクセニル、イソトルクセニル、スピロトルクセニル、スピロイソトルクセニル、フラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ジベンゾチオフェニル、ピロリル、インドリル、イソインドリル、カルバゾリル、ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、アクリジニル、フェナントリジニル、ベンゾ-5,6-キノリニル、ベンゾ-6,7-キノリニル、ベンゾ-7,8-キノリニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、ピラゾリル、インダゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、ナフトイミダゾリル、フェナントリイミダゾリル、ピリジイミダゾリル、ピラジンイミダゾリル、キノキサリンイミダゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ナフトオキサゾリル、アントロオキサゾリル、フェナンロオキサゾリル、イソオキサゾリル、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル、ベンゾチアゾリル、ピリダジニル、ベンゾピリダジニル、ピリミジニル、ベンゾピリミジニル、キノキサリニル、1,5-ジアザアントラセニル、2,7-ジアザピレニル、2,3-ジアザピレニル、1,6-ジアザピレニル、1,8-ジアザピレニル、4,5-ジアザピレニル、4,5,9,10テトラアザピレニル、ピラジニル、フェナジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フルオルビニル、ナフチリジニル、アザカルバゾリニル、ベンゾカルボリニル、フェナントリリニル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、ベンゾトリアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、1,3,5-トリアジニル、1,2,4-トリアジニル、1,2,3-トリアジニル、テトラゾリル、1,2,4,5-テトラジニル、1,2,3,4-テトラジニル、1,2,3,5-テトラジニル、プリニル、プテリジニル、インドリジニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンズアントレニル、ベンズアントラセニル、ルビセニルおよびトリフェニレニルである。
【0070】
特に、好ましいのは、たとえば、本発明によるポリマー中、式(II)の構造単位が以下であるブレンドである。
【化7】

【0071】
特に、好ましいのは、たとえば、本発明によるポリマー中、ポリマーが式(I)の構造単位とその好ましい具体例を含むブレンドである。
【0072】
本発明の好ましい具体例では、ブレンドは、上記定義のとおりの式(I)および/または式(II)の構造単位を含むポリマーと、一以上のエミッター単位を含むポリマー化合物とを含む。本発明のさらに好ましい具体例では、ブレンドは、式(I)および/または式(II)の構造単位を含むポリマーと一以上のエミッター単位と追加的な機能を導入する第3の成分とを含むポリマー化合物とを含む。これは、同様に、ポリマーであってもよいが、低分子であってもよい。
【0073】
ブレンドは、さらに、ポリマー化合物を追加的に含んでもよい、極端な場合には、必要とされる機能は、同じ数のポリマーに分配されてもよい。この場合、ブレンドは、本発明にしたがって、以下のとおりに構築される:
本発明による構造単位を含むポリマー、および
正孔注入単位を含むポリマーおよび/または
正孔輸送単位を含むポリマーおよび/または
正孔障壁単位を含むポリマーおよび/または
エミッター単位を含むポリマーおよび/または
電子注入単位を含むポリマーおよび/または
電子輸送単位を含むポリマーおよび/または
電子障壁単位を含むポリマーおよび/または
励起子生成単位を含むポリマー
したがって、本発明の好ましいものは、ブレンドがさらなるポリマーを含み、夫々は、互いに独立して、正孔注入、正孔輸送、正孔障壁、電子注入、電子輸送、電子障壁、エミッター、励起子生成単位を含む。
【0074】
本発明によるポリマーまたは本発明によるブレンドは、有機電子素子中に使用することができるが、ポリマーまたはブレンドは、好ましくは、有機層内に存在する。有機層は、さらに、さらなる構成成分、たとえば、低分子量化合物もしくはフィルム形成特性を改善する化合物を含む。有機層の製造のために、本発明によるポリマーまたはブレンドと一以上の溶媒を含む液体処方が、溶液から通常調製される。ポリマー層は、たとえば、溶液からの被覆により、たとえば、スピンコーティング、インクジェッット等により製造することができる。この目的のために必要な技術は、当業者に知られている。ポリマー層の適用と溶媒の除去後、ポリマーは、追加的に架橋することができる。架橋は、誘導放射(たとえば、UV光、可視光、マイクロウエーブ、電子ビーム)または熱により実行することができる。しかしながら、架橋のために適切な置換基、たとえば、ビニル基が存在せねばならない。
【0075】
本発明は、さらに、本発明によるポリマーまたはブレンドと一以上の溶媒を含む処方に関する。この型の処方を調製することができる方法は、当業者に知られており、例えば、WO 02/072714 A1、WO 03/019694 A2およびそこに引用された文献に記載されている。
【0076】
適切で好ましい溶媒は、たとえば、トルエン、アニソール、キシレン、メチルベンゾエート、ジメチルアニソール、メシチレン、テトラリン、ベラトールおよびテトラヒドロフランまたはそれらの混合物である。
【0077】
本発明によるポリマー、ブレンド(混合物)および処方は、電子もしくは光電子素子またはその製造に使用することができる。
【0078】
したがって、本発明は、さらに、電子もしくは光電子素子、好ましくは、有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED、PLED)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機集積回路(O-IC)、有機薄膜トランジスタ(O-TFT)、有機太陽電池(O-SC)、有機レーザーダイオード(O-laser)、有機光電池(OPV)、有機光受容器(OPC)、特に、好ましくは、有機もしくはポリマーエレクトロルミネッセンス素子(OLED、PLED)、特に、ポリマー有機エレクトロルミネッセンス素子(PLED)における本発明によるポリマー、ブレンド(混合物)および処方の使用に関する。
【0079】
OLEDもしくはPLEDを製造することができる方法は当業者に知られており、たとえば、一般的プロセスとして、WO 2004/070772 A2に詳細に記載されており、個々の場合に対応して採用されねばならない。
【0080】
上記のとおり、本発明によるポリマーは、PLEDにおけるエレクトロルミネッセンス材料またはこうして製造される表示素子として非常に特に適している。
【0081】
本発明の意味でのエレクトロルミネッセンス材料は、活性層として使用することができる材料を意味するものと解される。活性層は、層が電場の適用により発光することができること(発光層)および/または正および/または負電荷の注入および/または輸送を改善すること(電荷注入または電荷注輸送)を意味する。
【0082】
したがって、本発明は、好ましくは、本発明によるポリマーもしくはブレンド(混合物)の、PLED、特に、エレクトロルミネッセンス材料としての使用に関する。
【0083】
本発明は、さらに、一以上の有機層を含む有機電子素子に関し、少なくとも一つの層は、本発明によるポリマーまたは本発明によるブレンドを含む。
【0084】
本発明のさらなる具体例では、素子は複数の層を含む。これらは、本発明によるポリマーまたは本発明によるブレンドを含む層またはそれらとは独立したポリマー、ブレンドもしくは低分子量化合物を含む層であり得る。ここで、本発明によるポリマーまたは本発明によるブレンドは、正孔輸送、正孔注入、エミッター、電子輸送、電子注入、電荷障壁および/または電荷生成層の形で存在することができる。
【0085】
ここで、有機エレクトロルミネセンス素子は、一つの発光層または複数の発光層を含んでもよく、少なくとも一つの発光層は、少なくとも一つの本発明によるポリマーもしくは本発明によるブレンドを含む。複数の発光層が存在するならば、これらは、好ましくは、380nm〜750nm間に全体で複数の最大発光波長を有し、全体として、白色発光が生じ、換言すれば、蛍光および/または燐光を発することができる種々の発光化合物が発光層中に使用される。特に好ましいものは、3層構造であり、その3層は青色、緑色およびオレンジ色もしくは赤色発光するものである(基本構造については、例えば、WO 05/011013参照。)。白色発光素子は、たとえば、表示装置(LCD)の照明もしくはバックライトのために適している。
【0086】
これらの層とは別に、素子は、更なる層、例えば、各場合に、一以上の正孔注入層、正孔輸送層、正孔障壁層、電子輸送層、電子注入層、電子障壁層、励起子障壁層および/または電荷生成層(IDMC 2003, Taiwan; Session 21 OLED (5), T.Matsumoto, T. Nakada, J.Endo, K. Mori, N. Kawamura, A. Yokoi, J.Kido, 電荷生成層を有するマルチフォトン有機EL素子)をも含んでもよい。同様に、たとえば、励起子障壁機能を有する中間層を、二個の発光層の間に導入することも可能である。しかしながら、これら各層は必ずしも存在する必要はないことが指摘されねばならない。これらの層は、同様に、上記定義されるとおりの本発明によるポリマーまたはブレンドを含む。複数のOLEDが互いに上に配置されることも可能であり、達成されるべき光収率に関する効率の更なる増加が可能となる。光のアウトカップリングを改善するために、OLEDの光の出口側の最後の有機層が、全反射の割合を減少するナノフォームとして設計することもできる。
【0087】
素子は、さらに、低分子から構築される層を含んでもよい(SMOLED)。これらは、高真空中での低分子の蒸発により製造することができる。
【0088】
したがって、さらに好ましい有機エレクトロルミネッセンス素子は、1以上の層が昇華プロセスにより適用され、材料は、10−5mbar未満、好ましくは、10−6mbar未満、特に、好ましくは、10−7mbar未満の圧力で真空昇華ユニット中で気相堆積される。
【0089】
同様に、1以上の層が、OVPD(有機気相堆積)プロセスあるいはキャリアーガス昇華を用いて適用されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子が更に好ましく、材料は、一般的には10−5mbar〜1barの圧力で適用される。
【0090】
さらに、1以上の層が、溶液から、例えば、スピンコーティングにより、もしくは、ととえば、スクリーン印刷、フレキソ印刷あるいはオフセット印刷、特に、好ましくは、LITI(光誘起熱画像化、熱転写印刷)もしくはインクジェット印刷のような所望の印刷法により製造される有機エレクトロルミネッセンス素子が好ましい。可溶性化合物は、必要ならば、適切な置換により得られ、この目的のために必要である。
【0091】
有機電子素子は、好ましくは、有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED)、ポリマーエレクトロルミネッセンス素子(PLED)、有機集積回路(O-IC)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機薄膜トランジスタ(O-TFT)、有機発光トランジスタ(O-LET)、有機太陽電池(O-SC)、有機光検査素子、有機光受容器、有機電場消光素子(O-FQD)、発光電子化学電池(LEC)または有機レーザーダイオード(O-laser)である。
【0092】
素子は、通常、陰極と陽極(電極)を含む。本発明の目的のために、電極(陰極、陽極)は、高度に効率的な電子もしくは正孔注入を保証するために、その電位が、隣接する有機層の電位に可能な限り適合するように選択される。
【0093】
陰極は、好ましくは、低い仕事関数を有する金属、たとえば、アルカリ土類金属、アルカリ金属、主族金属あるいはランタノイド金属(たとえば、Ca、Ba、Mg、Al、In、Mg、Yb、Sm等)のような種々の金属を含む金属合金もしくは多層構造を含む。多層構造の場合、たとえばAgのような比較的高い仕事関数を有する金属を、前記金属に加えて使用することもでき、その場合、たとえば、Ca/AgもしくはBa/Agのような金属の組み合わせが一般的に使用される。高い誘電定数を有する物質の薄い中間層を金属陰極と有機半導体との間に導入することも好ましいかもしれない。この目的のために適切なのは、たとえば、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属フッ化物だけでなく対応する酸化物である(たとえば、LiF、LiO、BaF、MgO、NaF等)。この層の層厚は、好ましくは、1〜10nm、特に、好ましくは、2〜8nmである。
【0094】
陽極は、好ましくは、高い仕事関数を有する材料を含む。陽極は、好ましくは、真空に対して4.5eV超の電位を有する。この目的に適切なのは、一方で、たとえば、Ag、PtもしくはAuのような高還元電位を有する金属である。他方で、金属/金属酸化物電極(たとえば、Al/Ni/NiO、Al/PtO)も好ましいかもしれない。いくつかの用途では、少なくとも一つの電極は、有機材料の照射(O−SC)もしくは光のアウトカップリング(OLED/PLED、O−laser)の何れかを可能とするために、透明でなければならない。好ましい構成は、透明陽極を使用する。ここで、好ましい陽極材料は、伝導性混合金属酸化物である。特に、好ましいのは、インジウム錫酸化物(ITO)もしくはインジウム亜鉛酸化物(IZO)である。さらに好ましいのは、伝導性のドープされた有機材料、特に、たとえば、PEDOTもしくはPANIのような伝導性のドープされたポリマーである。
【0095】
素子は、用途に応じて、それ自体公知の方法で対応して構造化され、接点を供給され、このような素子の寿命が水および/または空気の存在で徹底的に短くなることから、最後に密封される。
【0096】
本発明は、いくつかの例を参照して、以下に、より詳細に説明されるが、本発明の範囲を限定するものと解釈してはならない。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】図1は典型的なPLDE素子の構造を示す。
【図2】図2はレイアウトを示す。
【図3】図3は典型的な測定設備を示す。
【0098】
例:
A)例1〜3:モノマーの調製
例1
化合物3(2,6-ジブロモ-9,10-ジナフタレン1-イル-アントラセン)の調製
化合物3は、以下のとおり、調製される:
【化8】

【0099】
第1工程:化合物2
【化9】

【0100】
299.57g(2.16モル当量1.328モル)の臭化銅(II)と2500mlのアセトニトリルが、151.35g(1モル当量、0.616モル)の2,6-ジアミノアントラキノン1に添加される。バッチは、60℃に加熱される。164ml(2.01モル当量、1.241モル)のtert-ブチルニトリルが、この温度で滴下され、混合物は、60℃でさらに2時間および室温で一晩攪拌される。懸濁液は、2.5lの氷、300mlの濃塩酸と300mlのHOの混合物中にゆっくりと注がれる。固形物は吸引ろ過され、熱ジメチルスルホキシド(DMSO)、引き続き熱エタノールにより攪拌洗浄される。得られた固形物2(178.48g、79.1%)は、更に精製せずに、引き続く反応に使用される。
【0101】
H NMR (CDCl2, δ (ppm), J (Hz)): 7.95 (d, 2H, J = 8.25), 8.14 (d, 2H, J=8.25), 8.40 (s, 2H)
第2工程:化合物3
【化10】

【0102】
50.53ml(3モル当量、0.352モル)の1-ブロモナフタレンが、まずTHF中に導入され、−78℃まで冷却される。140.98ml(3モル当量、0.352モル)のn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M)が、滴下され、混合物は、引き続き−78℃で2時間攪拌される。43g(1モル当量、0.117モル)の2,6-ジブロモアントラキノン2が、次いで、小分けして添加される。反応混合物は、−70℃でさらなる時間および室温で一晩攪拌される。90.92g(4モル当量、0.470モル)のSnClが、200mlの10%HCl中に引き続き溶解され、ゆっくりと滴下される。反応混合物は還流下3時間暖められる。反応が終わると、反応混合物は吸引ろ過される。
【0103】
精製は、N-メチルピロリドン(NMP)から再結晶化により実行され、白色結晶(9.1g、13.2%)を得る。
【0104】
H NMR (d8-THF, δ (ppm), J (Hz)): 7.08 (d, 2H, J = 8.4), 7.17-7.35 (m, 6H), 7.52 (t, 2H, J = 7.9), 7.60 (s, 2H), 7.66 (d, 2H, J = 6.9), 7.79 (t, 2H, J = 6.9), 8.07 (d, 2H, J = 8.3), 8.17 (d, 2H, J = 8.3)
例2
化合物4(2,6-ジブロモ-9,10-ジナフタレン-2-イルアントラセン)の調製
化合物4は、以下のとおり、調製される:
【化11】

【0105】
第1工程:化合物4
【化12】

【0106】
25g(3モル当量、0.12モル)の2-ブロモナフタレンが、まず150mlのTHF中に導入され、−78℃まで冷却される。54ml(3.3モル当量、0.13モル)のn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M)が、滴下され、混合物は、引き続き−78℃で1時間攪拌される。15g(1モル当量、0.04モル)の2,6-ジブロモアントラキノン2が、次いで、小分けして添加される。反応混合物は、−70℃でさらなる時間および室温で一晩攪拌される。31.50g(4モル当量、0.163モル)のSnClが、100mlの10%HCl中に引き続き溶解され、ゆっくりと滴下される。反応混合物は還流下3時間暖められる。反応が終わると、反応混合物は吸引ろ過される。
【0107】
精製は、N-メチルピロリドン(NMP)から再結晶化により実行され、白色結晶(1.5g、6.25%)を得る。
【0108】
H NMR (CDCl2, δ (ppm), J (Hz)): 7.36 (br d, 2H, J = 9.26), 7.57-7.66 (m, 8H), 7.86 (d, 2H, J = 1.69), 7.96 (d, 4H, J = 9.93), 8.05 (d, 2H, J = 6.9), 8.12 (d, 2H, J = 8.25)
例3
化合物5(2,6-ジブロモ-9,10-ジフェニルアントラセン)の調製
化合物5は、以下のとおり、調製される:
【化13】

【0109】
第1工程:化合物5
【化14】

【0110】
47.71ml(3.3モル当量、0.45モル)の2-ブロモベンゼンが、まず800mlのTHF中に導入され、−78℃まで冷却される。164ml(3.0モル当量、0.41モル)のn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M)が、滴下され、混合物は、引き続き−78℃で1時間攪拌される。50g(1モル当量、1.37モル)の2,6-ジブロモアントラキノン2が、次いで、小分けして添加される。反応混合物は、−70℃でさらなる時間および室温で一晩攪拌される。105.73g(4モル当量、5.46モル)のSnClが、200mlの10%HCl中に引き続き溶解され、ゆっくりと滴下される。反応混合物は還流下3時間暖められる。反応が終わると、反応混合物は吸引ろ過される。
【0111】
精製は、N-メチルピロリドン(NMP)から再結晶化により実行され、白黄色結晶(33.8g、50.65%)を得る。
【0112】
H NMR (CDCl3, δ (ppm), J (Hz)): 7.37 (dd, 2H, J1 = 9.3; J2 = 2.0), 7.42-7.44 (m, 4H), 7.86 (d, 2H, J = 9.3), 7.58-7.63 (m, 6H), 7.81 (d, 2H, J = 2.0)
B)例4〜13:ポリマーの調製
本発明によるポリマーP1〜P6と比較例のポリマーC1〜C4が、以下のモノマー(パーセントデータ=モル%)を使用して、WO 03/048225 A2に従ってスズキカップリングにより合成される。
【0113】
例4(ポリマーP1)
【化15】

【0114】
例5(ポリマーP2)
【化16】

【0115】
比較例6(比較例6のポリマーC1aとC1b)
C1a:
【化17】

C1b:
【化18】

【0116】
例7(ポリマーP3)
【化19】

【0117】
比較例8(比較例6のポリマーC2)
【化20】

【0118】
例9(ポリマーP4)
【化21】

【0119】
例10(ポリマーP5)
【化22】

【0120】
例11(ポリマーP6)
【化23】

【0121】
比較例12(比較例6のポリマーC3)
【化24】

【0122】
比較例13(比較例6のポリマーC4)
【化25】

【0123】
C)例14〜22:PLEDの製造
ポリマー有機発光ダイオード(PLED)の製造は、文献(たとえば、WO 04/037887。)に何度も既に記載されてきた。本発明を実例で説明するために、ポリマーP1〜P6を含み、比較例のポリマーC1〜C4またはこれらポリマーのブレンドを含むPLEDが、スピンコーティングにより、製造される。典型的な素子は、図1に示される構造である。
【0124】
このために、テクノプリント社からの特注基板が、この目的のために特別に設計されたレイアウト(図2、左側の図:ガラス支持板に適用されたITO構造、右側の図:ITO、気相堆積陰極および随意の導線の金属化を有する完全な電子的構造)で使用される。ITO構造(インジウム錫酸化物、透明導電性陽極)は、2×2mm大きさの4画素が製造工程の最後で気相堆積により適用された陰極とともに製造されるようなパターンでスパッタリングによりソーダライムガラスに適用される。
【0125】
基板は、クリーンルーム内で脱イオン水と洗剤(デコネックス15PF)で洗浄され、ついで、UV/オゾンプラズマ処理により活性化される。80nmのPEDOT(PEDOTは、ポリチオフェン誘導体(バイトロン PVAI4083sp)H.C.Stack,Goslar製、水性分散液として供される。)が、その後、同様に、クリーンルーム内で、スピンコーティングにより適用される。必要なスピン速度(典型的には80nm:4500rpm)は、希釈度と特定のスピンコーターの形状に依存する。層から残留水を除去するために、基板は、ホットプレート上で180℃で10分間加熱により乾燥される。この後、不活性ガス(窒素またはアルゴン)雰囲気下、まず、20nmの中間層(典型的には、正孔支配ポリマー、ここでは、メルク製HIL−012)と、ついで65nmのポリマー層がトルエン溶液(中間層濃度は、5g/l、ポリマーP1〜P6とC1〜C4に対して8および10g/l)から適用される。二層は180℃で少なくとも10分間、加熱により乾燥される。
【0126】
このプロセスの変形において、個々のポリマーでなく、ポリマーブレンドが発光層に使用される。このために、ブレンド溶液が以下の一般的方法で調製される。各成分に対して、同じ濃度を有する溶液が調製される。このために、固体化合物の対応する量が計量され、対応する量の適切な溶媒に添加される。次いで、混合物は、透明溶液が生じるまで、少なくとも1時間攪拌される。ブレンドの調製のために、対応する体積の溶液がピペットを使用して採取され、新たな容器中で組み合わされる。たとえば、50%の成分Aと50%の成分Bを含む10mlのブレンドを調製するために、5ml体積の成分A(8g/l)および5ml体積の成分B(8g/l)が組み合わされる。使用される溶媒は、たとえば、トルエンであり得、ここで、すべての例に使用される。
【0127】
混合溶液の代替として、使用されるポリマーの共通溶液が、適切な量の溶液の場合に直接調製することもできる(計量精度を保証するため)。したがって、37.5%の成分Aと62.5%の成分Bの組成を有するブレンドが、3g/lの成分Aと5g/lの成分Bを計量することにより調製される。
【0128】
ポリマーまたはポリマーブレンドの発光層への適用後、Ba/Al陰極が、ついで、気相堆積マスク(アルドリッチ製高純度金属、特に、99.99%バリウム(注文番号474711);レスカー社等製気相堆積ユニット、典型的真空レベルは5×10−6mbar)により指示されるパターンで気相堆積される。最後に、素子は、特に、空気と周囲湿度から陰極を保護するために密封され、その後、特性決定される。
【0129】
このために、素子は基板サイズに合わせて特別に製造されたホルダーに把持され、ばね接触で供される。アイレスポンスフィルターを有するフォトダイオードは、外部光からの影響を排除するために、測定ホルダー上に直接置くことができる。典型的な測定設備は、図3に示される。
【0130】
電圧は、0から最大20Vまで、0.2V刻みで増加され、再度減少される。各測定点で素子の電流と得られた光電流がフォトダイオードにより測定される。こうして、試験素子のIULデータが得られる。重要なパラメータは、測定された最大効率(cd/Aでの“max.eff.”)と100cd/mに対して要求される電圧である。
【0131】
さらに、試験素子の色と正確なエレクトロルミネセンススペクトルを知るために、100mA/cmに対して要求される電圧が、最初の測定後に再度適用され、光ダイオードがスペクトル測定ヘッドにより置き代えられる。これは、光学繊維により分光計(オセアン オプティック製)に結合している。色座標(CIE:国際照明委員会、1931年からの標準オブザーバー)は、測定スペクトルから導き出すことができる。
【0132】
材料の使用性のために特に重要なものは、素子の寿命である。これは、初期輝度(たとえば、1000cd/m)を確立することによる最初の評価に非常に類似する測定設定において測定される。この輝度に要求される電流は、一定に保たれ、他方、典型的には電圧は増加し、輝度は減少する。寿命は、初期輝度が初期値の50%まで低下したときに到達された。
【0133】
PLED中のポリマーP1〜P6とC1〜C4およびそのブレンドの使用により得られた結果は以下の例に示される。ここで、例14〜16は、個々の発光ポリマーを含むPLEDに関し、例17〜22は、ポリマーブレンドを含むPLEDに関する。
【0134】
例14:本発明によるポリマーP1と比較例のポリマーC1aとの比較
PLED中のP1とC1aの使用により得られた結果が、表1に示される。両事例は白色発光ポリマーを含む。
【0135】
表1
【表1】

【0136】
結果から見て取ることができるように、本発明によるポリマーP1は、先行技術に従う同等のポリマーを超える、駆動電圧、効率および寿命に関する顕著な改善を示す。
【0137】
例15:本発明によるポリマーP2と比較例のポリマーC1aとの比較
PLED中のP2とC1aの使用により得られた結果が、表2に示される。両事例は白色発光ポリマーを含む。
【0138】
表2
【表2】

【0139】
結果から見て取ることができるように、本発明によるポリマーP2は、先行技術に従う同等のポリマーを超える、駆動電圧、効率および寿命に関する顕著な改善を示す。P1とP2の比較は、色が、異なるモノマーと濃度の使用により如何に特定の要請にマッチすることができるかを示す。
【0140】
例16:本発明によるポリマーP3と比較例のポリマーC2との比較
PLED中のP3とC2の使用により得られた結果が、表3に示される。両事例は白色発光ポリマーを含む。
【0141】
表3
【表3】

【0142】
結果から見て取ることができるように、本発明によるポリマーP3は、先行技術に従う同等のポリマーを超える、駆動電圧および効率に関する顕著な改善を示す
例17:ポリマーP1と比較例のポリマーC2の本発明によるブレンドと、二つの個々の成分との比較
PLED中のP1とC2および夫々の50:50のブレンドの使用により得られた結果が、表4に示される。両事例は白色発光ポリマーを含む。
【0143】
表4
【表4】

【0144】
結果から見て取ることができるように、先行技術に対応する比較例のポリマーC2の性能は、本発明によるモノマーの組み込みによって(すなわち、本発明によるポリマーP3への変換、例16参照。)のみならず、増加することができる。性能データにおけるさらなる増加は、対応する比較例のポリマーと本発明によるポリマーとのブレンドの調製により達成することができる。
【0145】
例18:ポリマーP4と比較例のポリマーC2の本発明によるブレンドと、二つの個々の成分との比較
PLED中のP4とC2および夫々の38:62のブレンドの使用により得られた結果が、表5に示される。白色発光の比較例のポリマーと本発明の青色発光ポリマーが含まれる。
【0146】
表5
【表5】

【0147】
結果から見て取ることができるように、比較例のポリマーC2と本発明によるポリマーP4の本発明によるブレンドは、先行技術に対応する比較例のポリマーより1オーダー分優れている。これは、特に、パワー効率と寿命にあてはまる。特に効率的もしくは長寿命のPLEDは、純粋物質としての本発明によるポリマーP4から製造することはできないが(これまで考慮された本発明によるポリマーP1〜P3とは対照的に)、性能データにおけるこの増加は、達成することができる。
【0148】
例19:ポリマーP5と比較例のポリマーC1aの本発明によるブレンドと、二つの個々の成分との比較
PLED中のP5とC1aおよび夫々の38:62のブレンドの使用により得られた結果が、表6に示される。白色発光の比較例のポリマーと本発明による青色発光ポリマーが含まれる。
【0149】
表6
【表6】

【0150】
結果から見て取ることができるように、比較例のポリマーC1aと本発明によるポリマーP5の本発明によるブレンドは、先行技術に対応する比較例のポリマーより1オーダー分優れている。これは、特に、パワー効率と寿命にあてはまる。特に効率的もしくは長寿妙なPLEDは、純粋物質としての本発明によるポリマーP5から製造することはできないが(これまで考慮された本発明によるポリマーP1〜P3に対して)、性能データにおけるこの増加は、達成することができる。
【0151】
例20:ポリマーP6と比較例のポリマーC3の本発明によるブレンドと、二つの個々の成分との比較
PLED中のP6とC3および夫々の50:50のブレンドの使用により得られた結果が、表7に示される。青色発光の比較例のポリマーと本発明による白色発光ポリマーが含まれる。
【0152】
表7
【表7】

【0153】
結果から見て取ることができるように、本発明によるポリマーP6の性能データは、純粋物質としてではなく、(比較例のポリマーC3と共に)本発明によるブレンドの成分として使用することによりさらに増加することができる。これは、特に、寿命とパワー効率だけでなく、量子効率と駆動電圧にもあてはまる。
【0154】
例21:ポリマーP5と比較例のポリマーC4の本発明によるブレンドと、二つの個々の成分との比較
PLED中のP5とC4および夫々の50:50のブレンドの使用により得られた結果が、表8に示される。緑色発光の比較例のポリマーと本発明による青色発光ポリマーが含まれる。
【0155】
表8
【表8】

【0156】
結果から見て取ることができるように、比較例のポリマーC4と本発明によるポリマーP5の本発明によるブレンドは、先行技術に対応する比較例のポリマーより明らかに優れている。これは、特に、パワー効率と駆動電圧にあてはまる。特に効率的もしくは長寿妙なPLEDは、純粋物質としての本発明によるポリマーP5から製造することはできないが(当初考慮された本発明によるポリマーP1〜P3とは対照的に)、性能データにおけるこの増加は、達成することができる。
【0157】
例22:ポリマーP5と比較例のポリマーC1bの本発明によるブレンドと、二つの個々の成分との比較
PLED中のP5とC1bおよび夫々の50:50のブレンドの使用により得られた結果が、表9に示される。赤色発光の比較例のポリマーと本発明による青色発光ポリマーが含まれる。
【0158】
表9
【表9】

【0159】
結果から見て取ることができるように、比較例のポリマーC1bと本発明によるポリマーP5の本発明によるブレンドは、C1b単独よりも顕著に良好である。使用される赤色エミッターと得られる貧弱な寿命のために、寿命を測定することができなかった。しかしながら、二種の材料の本発明による混合物は、非常に良好な寿命を有する良好な赤色一重項ポリマー(典型的な効率)を生じる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの一般式(I)の構造単位を含むポリマー。
【化1】

(式中、使用される記号と添え字には、以下が適用される:
Arは、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールオキシ基または芳香族もしくは複素環式芳香族環構造であり、
およびRは、夫々、互いに独立して、Ar、H、D、F、Cl、Br、I、N(Ar)、C(=O)Ar、P(=O)Ar、S(=O)Ar、S(=O)Ar、CR=CRAr、CN、NO、Si(R、B(OR、OSO、1〜40個のC原子を有する直鎖アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基、または3〜40個のC原子を有する分岐あるいは環状アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基(夫々は、1以上の基Rにより置換されてよく、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SもしくはCONRで置き代えられてよく、また、1以上のH原子は、F、Cl、Br、I、CNもしくはNOで置き代えられてよい。)であり、
Arは、出現毎に、各場合に、互いに独立して、アリールもしくはヘテロアリールまたは芳香族もしくは複素環式芳香族環構造から選ばれ、
Arは、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールオキシ基であり、
は、各場合に、互いに独立して、Hまたは1〜20個のC原子を有する脂肪族もしくは芳香族炭化水素基であり、
ここで、さらに、RおよびRが、共に、基Arを示すならば、式(I)の化合物は、そのときは、式(Ia)、(Ib)、(Ic)および(Id)の構造から選ばれ:
【化2】

式中、Arは、出現毎に、同一であるか異なり、R、R、RおよびRであり、夫々、互いに独立して、Rに示される意味を有し、
ここで、n≧1およびr=1であり、
ここで、アスタリスクにより示される結合は、ポリマー中の隣接する構造単位への結合を表す。)
【請求項2】
一般式(I)において、RおよびRからの少なくとも一つの代表は、Arを示さず、Arは、以下から選ばれる、請求項1記載のポリマー。
【化3−1】

【化3−2】

【化3−3】

【化3−4】

(式中、R、R、RおよびRは、請求項1におけるRおよびRに示す意味を有し、
Arは、芳香族もしくは複素環式芳香族基であり、
mは、1〜4であり、
pは、互いに独立して、同一であるか異なり、0〜2であり、
Xは、NR、OもしくはSであり、および
は、NもしくはCHである。)
【請求項3】
Arは、出現毎に、各場合に、互いに独立して、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、ピレニル、クリセニル、ペリレニル、フルオランセニル、ナフタセニル、ペンタセニル、ベンゾピレニル、ビフェニル、ビフェニレニル、ターフェニル、ターフェニレニル、フルオレニル、スピロビフルオレニル、ジヒドロフェナントレニル、ジヒドロピレニル、テトラヒドロピレニル、シス-もしくはトランス-インデノフルオレニル、トルクセニル、イソトルクセニル、スピロトルクセニル、スピロイソトルクセニル、フラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ジベンゾチオフェニル、ピロリル、インドリル、イソインドリル、カルバゾリル、ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、アクリジニル、フェナントリジニル、ベンゾ-5,6-キノリニル、ベンゾ-6,7-キノリニル、ベンゾ-7,8-キノリニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、ピラゾリル、インダゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、ナフトイミダゾリル、フェナントリイミダゾリル、ピリジンイミダゾリル、ピラジンイミダゾリル、キノキサリンイミダゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ナフトオキサゾリル、アントロオキサゾリル、フェナントロオキサゾリル、イソオキサゾリル、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル、ベンゾチアゾリル、ピリダジニル、ベンゾピリダジニル、ピリミジニル、ベンゾピリミジニル、キノキサリニル、1,5-ジアザアントラセニル、2,7-ジアザピレニル、2,3-ジアザピレニル、1,6-ジアザピレニル、1,8-ジアザピレニル、4,5-ジアザピレニル、4,5,9,10テトラアザピレニル、ピラジニル、フェナジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フルオルビニル、ナフチリジニル、アザカルバゾリニル、ベンゾカルボリニル、フェナントロリニル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、ベンゾトリアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、1,3,5-トリアジニル、1,2,4-トリアジニル、1,2,3-トリアジニル、テトラゾリル、1,2,4,5-テトラジニル、1,2,3,4-テトラジニル、1,2,3,5-テトラジニル、プリニル、プテリジニル、インドリジニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンズアントレニル、ベンズアントラセニル、ルビセニルおよびトリフェニレニルから選ばれることを特徴とする、請求項1記載のポリマー。
【請求項4】
Arは、一以上の直鎖あるいは分岐あるいは環状アルキルまたはアルコキシ基により置換されていることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項記載のポリマー。
【請求項5】
ポリマーが、式(I)の構造単位とは異なるさらなる構造単位を含むことを特徴とする、請求項1〜4何れか1項記載のポリマー。
【請求項6】
さらなる構造単位が、正孔注入、正孔輸送、正孔障壁、電子注入、電子輸送、電子障壁、エミッター、励起子生成単位または骨組単位またはそれらの組み合わせから選ばれることを特徴とする、請求項5記載のポリマー。
【請求項7】
一以上の一般式(II)の構造単位を含むポリマーとさらなる異なるポリマー、オリゴマー、デンドリマーまたは低分子量化合物を含むブレンド。
【化4】

(式中、使用される記号と添え字には、以下が適用される:
Arは、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールオキシ基または芳香族もしくは複素環式芳香族環構造であり、
およびRは、夫々、互いに独立して、Ar、H、D、F、Cl、Br、I、N(Ar、C(=O)Ar、P(=O)Ar、S(=O)Ar、S(=O)Ar、CR=CRAr、CN、NO、Si(R、B(OR、OSO、1〜40個のC原子を有する直鎖アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基、または3〜40個のC原子を有する分岐あるいは環状アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基(夫々は、1以上の基Rにより置換されてよく、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SもしくはCONRで置き代えられてよく、また、1以上のH原子は、F、Cl、Br、I、CNもしくはNOで置き代えられてよい。)であり、
Arは、出現毎に、各場合に、互いに独立して、アリールもしくはヘテロアリールまたは芳香族もしくは複素環式芳香族環構造から選ばれ、
Arは、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールオキシ基であり、
は、各場合に、互いに独立して、Hまたは1〜20個のC原子を有する脂肪族もしくは芳香族炭化水素基であり、
nは、≧1およびrは0か1であり、
ここで、アスタリスクにより示される結合は、ポリマー中の隣接する構造単位への結合を表す。)
【請求項8】
およびRは、基Arを表し、r=0であることを特徴とする、請求項7記載のポリマー。
【請求項9】
Arは、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、ピレニル、クリセニル、ペリレニル、フルオランセニル、ナフタセニル、ペンタセニル、ベンゾピレニル、ビフェニル、ビフェニレニル、ターフェニル、ターフェニレニル、フルオレニル、スピロビフルオレニル、ジヒドロフェナントレニル、ジヒドロピレニル、テトラヒドロピレニル、シス-もしくはトランス-インデノフルオレニル、トルクセニル、イソトルクセニル、スピロトルクセニル、スピロイソトルクセニル、フラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ジベンゾチオフェニル、ピロリル、インドリル、イソインドリル、カルバゾリル、ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、アクリジニル、フェナントリジニル、ベンゾ-5,6-キノリニル、ベンゾ-6,7-キノリニル、ベンゾ-7,8-キノリニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、ピラゾリル、インダゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、ナフチイミダゾリル、フェナントリイミダゾリル、ピリジイミダゾリル、ピラジンイミダゾリル、キノキサリンイミダゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ナフトオキサゾリル、アントロオキサゾリル、フェナンロオキサゾリル、イソオキサゾリル、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル、ベンゾチアゾリル、ピリダジニル、ベンゾピリダジニル、ピリミジニル、ベンゾピリミジニル、キノキサリニル、1,5-ジアザアントラセニル、2,7-ジアザピレニル、2,3-ジアザピレニル、1,6-ジアザピレニル、1,8-ジアザピレニル、4,5-ジアザピレニル、4,5,9,10テトラアザピレニル、ピラジニル、フェナジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フルオルビニル、ナフチリジニル、アザカルバゾリニル、ベンゾカルボリニル、フェナントリリニル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、ベンゾトリアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、1,3,5-トリアジニル、1,2,4-トリアジニル、1,2,3-トリアジニル、テトラゾリル、1,2,4,5-テトラジニル、1,2,3,4-テトラジニル、1,2,3,5-テトラジニル、プリニル、プテリジニル、インドリジニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンズアントレニル、ベンズアントラセニル、ルビセニルおよびトリフェニレニルから選ばれることを特徴とする、請求項7または8記載のブレンド。
【請求項10】
ポリマーが請求項1〜6何れか1項記載のポリマーであることを特徴とする、請求項7〜9何れか1項記載のブレンド。
【請求項11】
請求項1〜6何れか1項記載のポリマーまたは請求項7〜10何れか1項記載のブレンドの有機電子素子での使用。
【請求項12】
請求項1〜6何れか1項記載のポリマーまたは請求項7〜10何れか1項記載のブレンドと一以上の溶媒を含む処方。
【請求項13】
有機電子素子であって一以上の層を含み、ここで、少なくとも一つの層は、請求項1〜6何れか1項記載のポリマーまたは請求項7〜10何れか1項記載のブレンドを含む、有機電子素子。
【請求項14】
層が、一以上の正孔注入、正孔輸送、正孔障壁、電子注入、電子輸送、電子障壁、電荷生成もしくはエミッター層、励起子生成単位を含む層またはそれらの組み合わせから選ばれることを特徴とする、請求項13記載の有機電子素子。
【請求項15】
有機電子素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED)、ポリマーエレクトロルミネッセンス素子(PLED)、有機集積回路(O-IC)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機薄膜トランジスタ(O-TFT)、有機発光トランジスタ(O-LET)、有機太陽電池(O-SC)、有機光学検査素子、有機光受容器、有機電場消光素子(O-FQD)、有機発光電子化学電池(LEC)もしくは有機レーザーダイオード(O-laser)であることを特徴とする、請求項13または14記載の有機電子素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−530818(P2012−530818A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516538(P2012−516538)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【国際出願番号】PCT/EP2010/003283
【国際公開番号】WO2010/149258
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(597035528)メルク パテント ゲーエムベーハー (209)
【Fターム(参考)】