説明

群遅延を使用した相互位相変調の低減

【課題】相互位相変調を低減する。
【解決手段】システムは、チャネルの位相を変調するチャネルの画素のセットを有する位相変調アレイに命令を送出することを含む。チャネルの画素のセットは、第一のチャネルの第一の位相を変調する第一のチャネルの画素のセットと、位相変調フォーマットを使用する第二のチャネルの第二の位相を変調する第二のチャネルの画素のセットとを有する。第一のチャネルの画素のセットは、第一の一定の位相で第一の位相を変調するように指示される。第二のチャネルの画素のセットは、第一のチャネルと第二のチャネルとの間で群遅延を形成するため、第一の一定の位相とは異なる第二の一定の位相で第二の位相を変調するように指示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムの分野に関し、より詳細には、群遅延を使用した相互位相変調の低減に関する。
【背景技術】
【0002】
異なる光信号は、同じリンクで伝送される場合がある。所定の条件において、信号間において相互位相変調(XPM)が生じる場合がある。相互位相変調は、ある波長が別の波長の位相に影響を及ぼす非線形な光学効果である。相互位相変調は、位相変調された信号において望まれない影響を生じさせる場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明によれば、相互位相変調を低減するために従来の技術に関する欠点及び課題が低減されるか又は除かれる場合がある。
【0004】
特定の実施の形態によれば、相互位相変調を低減することは、チャネルの位相を変調するチャネルの画素のセットを含む位相変調アレイに命令を送出することを含む。チャネルの画素のセットは、第一のチャネルの第一の位相を変調する第一のチャネルの画素のセットと、位相変調フォーマットを使用する第二のチャネルの第二の位相を変調する第二のチャネルの画素のセットとを含む。第一のチャネルの画素のセットは、第一の定位相で第一の位相を変調するように指示される。第二のチャネルの画素のセットは、第一のチャネルと第二のチャネルとの間で群遅延を形成するため、第一の定位相とは異なる第二の定位相で第二の位相を変調するように指示される。
【0005】
本発明の所定の実施の形態は、1以上の技術的な利点を提供する場合がある。1実施の形態の技術的利点は、スイッチングデバイスがチャネル間の群遅延を適用する場合があることであり、これにより、相互位相変調が低減される場合がある。群遅延は、ステッププロファイルにより表される場合がある定位相でチャネルを変調するように、スイッチングデバイスの位相変調アレイに指示することで適用される場合がある。
【0006】
本発明の所定の実施の形態は、先の技術的利点を全く含まないか、その一部又は全部を含む場合がある。1以上の他の技術的な利点は、図面、発明の詳細な説明、及び本明細書に含まれる特許請求の範囲から当業者に容易に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明及びその特徴並びに利点の更に完全な理解のため、添付図面と共に以下の実施の形態の説明が参照される。
【図1】群遅延を使用して相互位相変調が低減されるシステムの例を説明する図である。
【図2】光分岐挿入装置でチャネルを切り替える波長選択スイッチの例を説明する図である。
【図3】図2の波長選択スイッチと共に使用される場合がある位相変調アレイの例を説明する図である。
【図4】チャネルに適用されるために群遅延の量を決定するために使用されるシステムプロファイルの例を説明する図である。
【図5】図5A及び図5Bは、群遅延を適用するために変調されるチャネルを表す位相プロファイルの例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施の形態及びその利点は、図1から図5Bを参照することで最良に理解される。それぞれの図面を通して、同じ参照符号は同じ及び対応する構成要素について使用されている。
【0009】
図1は、群遅延の管理技術を使用して相互位相変調が低減される場合があるシステム10の例を説明する。特定の実施の形態では、システム10は、チャネル間において群遅延を形成するため、異なる定位相で異なるチャネルを変調するフェーズドアレイデバイスを含む。変調は、意図的なシンボルのウォークオフ(intentional symbol walk-off)を引き起こす場合があり、チャネル間での相互位相変調を低減する場合がある。
【0010】
特定の実施の形態では、システム10は、光信号のような信号を伝達する。光信号は、約1550ナノメートルの周波数を有する場合がある。信号は、あるチャネルを通して伝達される場合があり、このチャネルは、特定の波長レンジのような定義された帯域幅を有する通信経路である。
【0011】
信号は、(たとえば毎秒10,20,40,100又は100を超えるギガビット(Gb/s)といった)適切なデータレートで、(たとえば振幅又は位相変調フォーマットといった)適切な変調フォーマットを使用して、(たとえば、声、データ、音声、映像、マルチメディア及び/又は他の情報といった)適切な情報を伝達する場合がある。振幅変調フォーマットの例は、振幅シフトキーイング(ASK)及びオン−オフキーイング(OOK)を含み、位相変調フォーマットの例は、直交位相シフトキーイング(QPSK)のような位相シフトキーイングを含む。情報は、適切なプロトコルを使用して伝達されるパケットで伝達される場合がある。
【0012】
例示される実施の形態では、システム100は、光ファイバ28により図示されるように結合されるターミナルノード20(20a〜20b)及び光分岐挿入装置(OADM)24(24a〜24b)を含む。
【0013】
ターミナルノード20は、信号を送信及び/又は受信する。例示される実施の形態では、送信側のターミナルノード20aは、送信器30、マルチプレクサ34、及び増幅器36aを含む。送信器30(Tx 1,...,i,...,n)は、信号をマルチプレクサ34に送信する。それぞれの送信器30は、特定のチャネルiについて信号を送信し、適切な変調フォーマットを使用して信号を変調する場合がある。異なる送信器30は、同じリンクで異なるデータレート及び/又は異なる変調フォーマットを利用する場合がある。たとえば、Tx 1は、毎秒10ギガビット(Gb/s)のNRZ(non-return-to-zero)を使用し、Tx iは、40Gb/s又は100Gb/sの位相変調を使用し、Tx nは、10Gb/sのNRZを使用する。マルチプレクサ34は、信号を多重化し、増幅器36(36a,36b,36c)は、信号を増幅する。
【0014】
所定の状況では、信号は、位相変調された信号に影響を及ぼす相互位相変調を形成する場合がある。たとえば、(10GのOOK信号のような)低い伝送レートの信号は、(40G又は100Gの位相変調された信号のような)高い伝送レートの位相変調信号において、相互位相変調効果による位相ノイズを導入する場合がある。
【0015】
受信側のターミナルノード20bは、増幅器36d、分散補償ファイバ40c、デマルチプレクサ50、及び受信機54を含む。デマルチプレクサ50は、信号を分離する。受信器54(Rx 1,...,i,...,n)は、デマルチプレクサ50からの信号を受信する。それぞれの受信器54は、チャネルiについて信号を受信する。ファイバ28は、光信号を伝達する適切な光ファイバを有する場合がある。
【0016】
光分岐挿入装置24(24a〜24b)は、増幅器36(36b〜36c)、分散補償ファイバ40(40a〜40b)、及び分岐挿入モジュール44(44a〜44b)を含む場合がある。分散補償ファイバ40(40a〜40c)は、分散を低減する場合がある。分岐挿入モジュール44は、チャネルの切り替え、挿入、分岐及び/又はさもなければ操作を行う場合がある。
【0017】
所定の実施の形態では、分岐/挿入モジュール44は、位相変調アレイ及びコントローラを含む場合がある。位相変調アレイは、特定のチャネルの位相面をそれぞれ変調するチャネルの画素のセットを含む。チャネルの画素のセットは、1以上の第一のチャネルを変調する1以上の第一のチャネルの画素のセット、及び1以上の第二のチャネルを変調する1以上の第二のチャネルの画素のセットを含む場合がある。少なくとも1つの第一のチャネルは、振幅変調フォーマットを使用する場合があり、少なくとも1つの第二のチャネルは、位相変調フォーマットを使用する場合がある。
【0018】
(波長選択スイッチのコントローラである場合がある)コントローラは、第一の定位相で第一のチャネルを変調するように第一のチャネルの画素のセットに指示し、第一の定位相とは異なる第二の定位相で第二のチャネルを変調するように第二のチャネルの画素のセットに指示する場合がある。変調は、第一のチャネルと第二のチャネルの間に群遅延を形成して意図的なシンボルのウォークオフを導入し、これにより相互位相変調が低減される場合がある。
【0019】
特定の実施の形態では、システム10は、光ネットワークのようなネットワークの一部を含むか、又は該ネットワークに結合される場合がある。光ネットワークの例は、RPR(resilient packet ring)のようなリングトポロジを有するリングネットワークである。通信ネットワークは、以下の1以上のうちの一部又は全部を有する場合がある。公衆交換電話網(PSTN)、パブリック又はプライベートデータネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネットのようなローカル、地域又はグローバル通信又はコンピュータネットワーク、ワイヤライン又はワイヤレスネットワーク、エンタープライズイントラネット、他の適切な通信リンク、又は上述した何れかの組み合わせを含む。
【0020】
図2及び図3は、チャネル間の群遅延を適用する例を説明する。図2は、OADM24aの分岐挿入モジュール44でチャネルを切り替える場合がある波長選択スイッチ102の例を説明し、図3は、波長選択スイッチ102と共に使用される場合がある位相変調アレイ124の例を説明する。例示的な実施の形態では、波長選択スイッチ102は、ファイバアレイ入力/出力110、偏波ダイバーシティ・オプティクス112、イメージングミラー114、イメージングオプティクス116、回折格子120、及び変調器130を含む。変調器130は、(スイッチ102のコントローラである場合がある)2次元アレイ124及びコントローラ128を含む場合がある。
【0021】
波長選択スイッチ102は、WDM信号からそれぞれのチャネルを物理的に分離して、群遅延を特定のチャネルに与えることができる。所定の実施の形態では、信号は、ファイバアレイの入力/出力110を通して入力する。偏波ダイバーシティ・オプティクス112は、信号を偏光する。イメージングミラー114は、信号をイメージングオプティクス116を通して回折格子120に向ける。回折格子120は、信号の波長を分離して、信号をイメージングミラー114に向ける。イメージングミラー114は、変調器130のアレイ124に信号を向ける。アレイ124は、コントローラ128からの指示に従って信号を変調する。
【0022】
所定の実施の形態では、変調器130は、位相変調アレイ124及びコントローラ128を含む場合がある。位相変調アレイ124は、信号の位相を変調するために構成される画素を含む適切な2次元アレイを有する場合がある。アレイの例は、LCOS(liquid crystal on silicon)アレイ及びPLZT(a lead lanthanum zirconate titanate)アレイを含む。LCOSアレイは、液晶及び半導体CMOS(Complementary metal-oxide-semiconductor)を含む。LCOSアレイの画素の屈折率は、光の位相を変えるような、変調するために電気的に変化される場合がある。
【0023】
図3の例では、位相変調アレイ124は、チャネルの画素のセット210(210a〜210f)を有する。アレイ124のy軸は、スイッチング機能のために使用され、x軸は、群遅延を実現するために使用される。チャネルの画素のセット210は、特定のチャネルを変調するために構成される。この例では、チャネルの画素のセット210bは、チャネル1を変調し、チャネルの画素のセット210cは、チャネル2を変調し、チャネルの画素のセット210dは、チャネル3を変調する。チャネルの画素のセット210は、特定のチャネルを変調するために適切なサイズである場合がある。たとえば、チャネルの画素のセット210は、x軸に沿って0〜50ギガヘルツ(GHz)の範囲であり、y軸に沿って(400のような)約300〜500画素の範囲である場合がある。
【0024】
コントローラ128は、チャネルの位相を変調するように位相変調アレイ124に指示し、以下に記載されるインタフェース(IF)140、ロジック142及びメモリ144を含む。所定の実施の形態では、コントローラ128は、所定のチャネル間で群遅延を形成するようにチャネルの画素のセット210に指示し、これにより、相互位相変調が低減される場合がある。所定の実施の形態では、コントローラ128は、定位相でチャネルを変調するようにチャネルの画素のセット210の指示し、この場合、定位相は、異なるチャネルについて異なる場合がある。この変調は、ステップ関数を近似する位相プロファイル214を生じさせる場合がある。この例では、チャネルの画素のセット210bは、第一の定位相でチャネル1を変調し、チャネルの画素のセット210cは、第二の定位相でチャネル2を変調し、チャネルの画素のセット210dは、第一の定位相と同じである第三の定位相でチャネル3を変調する。結果として得られる群遅延は、たとえば100psといった50〜200ピコ秒(ps)のような適切な値を有する場合がある。
【0025】
コントローラ128は、あるチャネルについて一定の屈折率を維持するようにアレイ24に指示することで、そのチャネルにおいて定位相で変調するように位相変調アレイ124に指示する場合がある。たとえば、あるチャネル間に一定の屈折率を生じさせて、このチャネル間に一定の位相を生じさせるため、電圧が制御される場合がある。
【0026】
チャネルに与えられる一定の位相は、適切なやり方で決定される場合がある。所定の実施の形態では、遅延時間に関して、特定の信号変調フォーマットについて、Qペナルティを表すシステムプロファイルから決定される場合がある。システムプロファイルの例は、図4を参照して詳細に記載される。
【0027】
図4は、特定の応用について許容可能なレベルに相互位相変調を低減するため、あるチャネルに与えられる遅延の量を決定するために使用されるシステムプロファイル310の例を説明する。システムプロファイル310は、遅延時間に関して信号のQペナルティを表す曲線の例を説明する。(デジベル(dB)で表される)Qペナルティは、相互位相変調によるシステムペナルティを示す。(ピコ秒(ps)で表される)遅延時間は、特定のQペナルティについて遅延時間を示す。
【0028】
曲線314は、30ギガボー(GBd)のRZ(return-to-zero)差動直交位相シフトキーイング(RZ−DQPSK)信号を表す。許容可能なQペナルティのレベルが約1.0デジベルである場合、曲線314は、満足のいくQペナルティを生じさせるために約25ピコ秒(ps)の群遅延が与えられることを示す。曲線316は、20GBdのRZ−DQPSK信号を表し、約40psの群遅延が与えられることを示す。曲線318は、10GBdのRZ−DQPSK信号を表し、約75psの群遅延が与えられることを示す。また、プロファイル310は、100psの群遅延により相互位相変調の大幅な低減があることを示す。
【0029】
チャネル間に群遅延Tgを生じさせるために該チャネル間に適用される位相差ψは、以下の式(1)に従って決定される場合がある。
【数1】

ここでwは各周波数を表す。
【0030】
図2及び図3を参照して、特定の実施の形態では、コントローラ128は、特定のチャネルについて1つの変調フォーマットを要求するリクエストを受信する場合がある。コントローラ128は、そのチャネルと1以上の隣接するチャネルとの間で推薦される群遅延の値を示すシステムプロファイルにアクセスする場合がある。群遅延の値に対応する位相差は、式(1)を使用して決定される場合がある。次いで、コントローラ128は、位相差を生じさせるため、一定の位相をチャネルに与える場合がある。
【0031】
図5A及び図5Bは、変調器130により変調されるチャネルを表す場合がある位相プロファイルの例を説明する。変調は、チャネルの信号変調フォーマットに従って選択される適切なプロファイルを生じさせる場合がある。
【0032】
図5Aは、チャネル1及び3は、類似の信号変調フォーマットを利用する場合がある。この例では、チャネルの画素のセット210aは、第一の定位相でチャネル1を変調し、チャネルの画素のセット210bは、第二の定位相でチャネル2を変調し、及びチャネルの画素のセット210cは、第一の定位相と同じである第三の定位相でチャネル3を変調する。
【0033】
図5Bでは、チャネル1及び4は、第一の信号変調フォーマットを利用する場合があり、チャネル2及び3は、第一の信号変調フォーマットとは異なる第二の信号変調フォーマットを利用する場合がある。この例では、チャネルの画素のセット210aは、第一の定位相でチャネル1を変調し、隣接するチャネルの画素のセット210bは、同じ定位相でチャネル2及び3を変調し、チャネルの画素のセット210dは、第一の定位相と同じである第三の定位相でチャネル4を変調する。
【0034】
本明細書で開示されるシステム及び装置(たとえばコントローラ128)は、インタフェース、ロジック、メモリ、及び/又は他の適切なエレメントを含む場合がある。インタフェースは、入力を受け、出力を送出し、入力及び/又は出力を処理し、及び/又は他の適切な動作を実行する。インタフェースは、ハードウェア及び/又はソフトウェアを有する場合がある。
【0035】
ロジックは、コンポーネントの動作を実行するものであり、たとえば、入力から出力を生成するための命令を実行する。ロジックは、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又は他のロジックを含む場合がある。ロジックは、1以上の有形のメディアでエンコードされ、コンピュータにより実行されたときに動作を実行する場合がある。プロセッサのような所定のロジックは、コンポーネントの動作を管理する場合がある。プロセッサの例は、1以上のコンピュータ、1以上のマイクロプロセッサ、1以上のアプリケーション、及び/又は他のロジックを含む。
【0036】
特定の実施の形態では、実施の形態の動作は、コンピュータプログラム、ソフトウェア、コンピュータ実行可能な命令、及び/又はコンピュータにより実行可能な命令でエンコードされる1以上のコンピュータ読み取り可能なメディアにより実行される場合がある。特定の実施の形態では、実施の形態の動作は、コンピュータプログラムを記憶し、コンピュータプログラムと共に実施され、及び/又はコンピュータプログラムでエンコードされる1以上のコンピュータ読み取り可能なメディアであって、及び/又は、記憶及び/又はエンコードされたコンピュータプログラムを有するコンピュータ読み取り可能なメディアにより実行される場合がある。
【0037】
メモリは、情報を記憶する。メモリは、1以上の有形であって、コンピュータ読み取り可能な、及び/又はコンピュータ実行可能な記憶媒体を有する場合がある。メモリの例は、コンピュータメモリ(たとえばランダムアクセスメモリ(RAM)又はリードオンリメモリ(ROM))、大容量記憶媒体(たとえばハードディスク)、取り外し可能な記憶媒体(たとえばコンパクトディスク(CD)又はデジタルビデオディスク(DVD)、データベース及び/又はネットワークストレージ(たとえばサーバ)、及び/又は他のコンピュータ読み取り可能な媒体)を含む。
【0038】
変更、追加又は省略は、本発明の範囲から逸脱することなしに本明細書で開示されたシステム及び装置に対して行われる場合がある。システム及び装置のコンポーネントは、統合されるか又は分離される場合がある。さらに、システム及び装置は、より多くのコンポーネント、より少ないコンポーネント又は他のコンポーネントにより実行される場合がある。たとえば、コントローラ128の動作は、1を超えるコンポーネントにより実行される場合がある。さらに、システム及び装置の動作は、ソフトウェア、ハードウェア、及び/又は他のロジックを有する適切なロジックを使用して実行される場合がある。この明細書で使用されるとき、「それぞれ“each”」は、あるセットのそれぞれのメンバ、又はあるセットのうちのサブセットのそれぞれのメンバを示す。
【0039】
変更、追加又は省略は、本発明の範囲から逸脱することなしに本明細書で開示される方法に対して行われる場合がある。本方法は、より多くのステップ、より少ないステップ、又は他のステップを含む場合がある。さらに、ステップは、適切な順序で実行される場合がある。
【0040】
本明細書の開示は所定の実施の形態の観点で記載されたが、実施の形態の代替及び置換は当業者にとって明らかであろう。従って、実施の形態の先の記載は、この開示を制約するものではない。他の変形、置換及び代替は、以下の特許請求の範囲により定義されるように、本明細書の精神及び範囲から逸脱することなしに可能である。
【0041】
以下に、本発明の特徴は付記として総括される。
(付記1)
それぞれのチャネルの画素のセットが複数のチャネルのうちのあるチャネルの位相を変調するように構成される複数のチャネルの画素のセットを有する位相変調アレイに1以上の命令を送出するインタフェースと、複数のチャネルの画素のセットは、1以上の第一のチャネルの1以上の第一の位相を変調する1以上の第一のチャネルの画素のセットと、1以上の第二のチャネルの1以上の第二の位相を変調する1以上の第二のチャネルの画素のセットとを有し、少なくとも1つの第二のチャネルは、位相変調フォーマットを使用しており、
第一の一定の位相で1以上の第一の位相を変調するように1以上の第一のチャネルの画素のセットに指示し、第一のチャネルと第二のチャネルとの間の群遅延を形成するため、第一の一定の位相とは異なる第二の一定の位相で1以上の第二の位相を変調するように1以上の第二のチャネル画素に指示する1以上のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、
を備える装置。
(付記2)
少なくとも1つの第一のチャネルは、振幅変調フォーマットを使用する、
付記1記載の装置。
(付記3)
前記第一の一定の位相は、ゼロの定数の位相である、
付記1記載の装置。
(付記4)
前記ロジックは、
第二のチャネルについて信号変調フォーマットの要求を受信し、
第二のチャネルについて群遅延の値を示すシステムプロファイルにアクセスし、
群遅延の値に従って前記第二の一定の位相を決定する、
付記1記載の装置。
(付記5)
前記位相変調アレイは、LCOS(a liquid crystal on silicon array)又はPLZT(a lead lanthanum zirconate titanate)アレイから選択されるアレイを有する、
付記1記載の装置。
(付記6)
前記変調は、ステップ関数を近似する位相プロファイルを生じさせる、
付記1記載の装置。
(付記7)
少なくとも2つの第二のチャネルの画素のセットは、互いに隣接する、
付記1記載の装置。
(付記8)
第一のチャネルの画素のセットは、2つの第二のチャネルの画素のセット間に配置される、
付記1記載の装置。
(付記9)
それぞれのチャネルの画素のセットが複数のチャネルのうちのあるチャネルの位相を変調するように構成される複数のチャネルの画素のセットを有する位相変調アレイとインタフェースを取るステップと、複数のチャネルの画素のセットは、1以上の第一のチャネルの1以上の第一の位相を変調する1以上の第一のチャネルの画素のセットと、1以上の第二のチャネルの1以上の第二の位相を変調する1以上の第二のチャネルの画素のセットとを有し、少なくとも1つの第二のチャネルは、位相変調フォーマットを使用しており、
第一の一定の位相で1以上の第一の位相を変調するように1以上の第一のチャネルの画素のセットに指示するステップと、
第一のチャネルと第二のチャネルとの間の群遅延を形成するため、第一の一定の位相とは異なる第二の一定の位相で1以上の第二の位相を変調するように1以上の第二のチャネル画素をに指示するステップと、
を含む方法。
(付記10)
少なくとも1つの第一のチャネルは、振幅変調フォーマットを使用する、
付記9記載の方法。
(付記11)
前記第一の一定の位相は、ゼロの定数の位相である、
付記9記載の方法。
(付記12)
第二のチャネルについて信号変調フォーマットの要求を受信するステップと、
第二のチャネルについて群遅延の値を示すシステムプロファイルにアクセスするステップと、
群遅延の値に従って前記第二の一定の位相を決定するステップと、
を更に含む付記9記載の方法。
(付記13)
前記位相変調アレイは、LCOS(a liquid crystal on silicon array)又はPLZT(a lead lanthanum zirconate titanate)アレイから選択されるアレイを有する、
付記9記載の方法。
(付記14)
前記変調は、ステップ関数を近似する位相プロファイルを生じさせる、
付記9記載の方法。
(付記15)
少なくとも2つの第二のチャネルの画素のセットは、互いに隣接する、
付記9記載の方法。
(付記16)
第一のチャネルの画素のセットは、2つの第二のチャネルの画素のセット間に配置される、
付記9記載の方法。
(付記17)
コンピュータにより実行されたときに、コンピュータに、
それぞれのチャネルの画素のセットが複数のチャネルのうちのあるチャネルの位相を変調するように構成される複数のチャネルの画素のセットを有する位相変調アレイと通信するステップと、複数のチャネルの画素のセットは、1以上の第一のチャネルの1以上の第一の位相を変調する1以上の第一のチャネルの画素のセットと、1以上の第二のチャネルの1以上の第二の位相を変調する1以上の第二のチャネルの画素のセットとを有し、少なくとも1つの第二のチャネルは、位相変調フォーマットを使用しており、
第一の一定の位相で1以上の第一の位相を変調するように1以上の第一のチャネルの画素のセットに指示するステップと、
第一のチャネルと第二のチャネルとの間で群遅延を形成するため、第一の一定の位相とは異なる第二の一定の位相で1以上の第二の位相を変調するように1以上の第二のチャネル画素を指示するステップと、
を実行させるコンピュータ実行可能な命令を記憶したコンピュータ読み取り可能な媒体。
(付記18)
少なくとも1つの第一のチャネルは、振幅変調フォーマットを使用する、
付記17記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
(付記19)
前記コンピュータ実行可能な命令は、コンピュータに、
第二のチャネルについて信号変調フォーマットの要求を受信するステップと、
第二のチャネルについて群遅延の値を示すシステムプロファイルにアクセスするステップと、
群遅延の値に従って前記第二の一定の位相を決定するステップと、
を実行させるための命令を更に含む付記17記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
(付記20)
前記変調は、ステップ関数を近似する位相プロファイルを生じさせる、
付記17記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれのチャネルの画素のセットが複数のチャネルのうちのあるチャネルの位相を変調するように構成される複数のチャネルの画素のセットを有する位相変調アレイに1以上の命令を送出するインタフェースと、前記複数のチャネルの画素のセットは、1以上の第一のチャネルの1以上の第一の位相を変調する1以上の第一のチャネルの画素のセットと、1以上の第二のチャネルの1以上の第二の位相を変調する1以上の第二のチャネルの画素のセットとを有し、少なくとも1つの第二のチャネルは、位相変調フォーマットを使用しており、
第一の一定の位相で1以上の第一の位相を変調するように1以上の第一のチャネルの画素のセットに指示し、第一のチャネルと第二のチャネルとの間で群遅延を形成するため、第一の一定の位相とは異なる第二の一定の位相で1以上の第二の位相を変調するように1以上の第二のチャネル画素に指示する1以上のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、
を備える装置。
【請求項2】
前記ロジックは、
第二のチャネルについて信号変調フォーマットの要求を受信し、
第二のチャネルについて群遅延の値を示すシステムプロファイルにアクセスし、
群遅延の値に従って前記第二の一定の位相を決定する、
請求項1記載の装置。
求項1記載の装置。
【請求項3】
前記変調は、ステップ関数を近似する位相プロファイルを生じさせる、
請求項1記載の装置。
【請求項4】
少なくとも2つの第二のチャネルの画素のセットは、互いに隣接する、
請求項1記載の装置。
【請求項5】
第一のチャネルの画素のセットは、2つの第二のチャネルの画素のセット間に配置される、
請求項1記載の装置。
【請求項6】
それぞれのチャネルの画素のセットが複数のチャネルのうちのあるチャネルの位相を変調するように構成される複数のチャネルの画素のセットを有する位相変調アレイとインタフェースを取るステップと、複数のチャネルの画素のセットは、1以上の第一のチャネルの1以上の第一の位相を変調する1以上の第一のチャネルの画素のセットと、1以上の第二のチャネルの1以上の第二の位相を変調する1以上の第二のチャネルの画素のセットとを有し、少なくとも1つの第二のチャネルは、位相変調フォーマットを使用しており、
第一の一定の位相で1以上の第一の位相を変調するように1以上の第一のチャネルの画素のセットに指示するステップと、
第一のチャネルと第二のチャネルとの間の群遅延を形成するため、第一の一定の位相とは異なる第二の一定の位相で1以上の第二の位相を変調するように1以上の第二のチャネル画素に指示するステップと、
を含む方法。
【請求項7】
コンピュータにより実行されたときに、コンピュータに、
それぞれのチャネルの画素のセットが複数のチャネルのうちのあるチャネルの位相を変調するように構成される複数のチャネルの画素のセットを有する位相変調アレイと通信するステップと、複数のチャネルの画素のセットは、1以上の第一のチャネルの1以上の第一の位相を変調する1以上の第一のチャネルの画素のセットと、1以上の第二のチャネルの1以上の第二の位相を変調する1以上の第二のチャネルの画素のセットとを有し、少なくとも1つの第二のチャネルは、位相変調フォーマットを使用しており、
第一の一定の位相で1以上の第一の位相を変調するように1以上の第一のチャネルの画素のセットに指示するステップと、
第一のチャネルと第二のチャネルとの間に群遅延を形成するため、第一の一定の位相とは異なる第二の一定の位相で1以上の第二の位相を変調するように1以上の第二のチャネル画素を指示するステップと、
を実行させるコンピュータ実行可能な命令を記憶したコンピュータ読み取り可能な媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−103656(P2011−103656A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−251234(P2010−251234)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】