翻訳結果受信方法、プログラムおよび記録媒体
【課題】ウェブページの翻訳には時間がかかる。また、機械的な翻訳では完全に正しい翻訳をすることができない。現に、同じ英文でも各ウェブページにおいて訳し方やニュアンスが異なる場合もある。
【解決手段】あらかじめサポート対象のウェブページを機械翻訳しておく。さらに機械翻訳した結果の翻訳文を翻訳者が完全な翻訳へと修正する。そして、完全に正しい翻訳文をネットワーク上におく。翻訳システム10のユーザから要求があった場合は、該翻訳文を送信する。よって、ユーザはウェブページの正しい翻訳文を、素早く表示することができる。更に、翻訳辞書にウェブページ固有の単語や英文表記を登録する際には、ウェブページ固有の情報も併せて登録することで、各ウェブページに適した翻訳文を提供することができる。
【解決手段】あらかじめサポート対象のウェブページを機械翻訳しておく。さらに機械翻訳した結果の翻訳文を翻訳者が完全な翻訳へと修正する。そして、完全に正しい翻訳文をネットワーク上におく。翻訳システム10のユーザから要求があった場合は、該翻訳文を送信する。よって、ユーザはウェブページの正しい翻訳文を、素早く表示することができる。更に、翻訳辞書にウェブページ固有の単語や英文表記を登録する際には、ウェブページ固有の情報も併せて登録することで、各ウェブページに適した翻訳文を提供することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブページを翻訳するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、クライアントの端末にインストールされてウェブページを翻訳するアプリケーションは存在する。ユーザは、それらのアプリケーションを端末上の他のアプリケーションに組み込んで使用することも可能である。例えば、ワードプロセッサに組み込んで、日本文を英文に翻訳させたり、英文を日本文に翻訳させたりすることが可能である。また、インターネット用のブラウザに組み込んで、英語で書かれた海外のウェブページを日本語に翻訳させて、ブラウザ上に表示することも可能である。ウェブページについては、翻訳が行なわれた際に、キャッシュメモリに翻訳後のデータが残る設定にしておくと、2回目以降の翻訳は短時間で行なわれる。
【0003】
更に、機械的な構文解析や句構造解析に基づく翻訳では、例えば成句やイデオムなどでは不自然な訳出になってしまうことも多いので、英文と翻訳文を一対にした翻訳例文を多数用意し、機械翻訳を行なう前にこれらの例文を検索することで、少しでも良い翻訳結果を得るための工夫もされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の翻訳アプリケーションではユーザの使用感が満足できるものではないという問題点があった。例えば、従来の翻訳アプリケーションでは、文書量にもよるが、ウェブページの翻訳に30秒から数分かかってしまうことも少なくない。これでは時間がかかりすぎ、ユーザにとって便利とはいえなかった。先述したように、2回目以降の翻訳は短時間で済むといっても、ニュース等のウェブページは一度読まれると再度読まれることは少ないし、次の日になれば内容も変わってしまう。従って、同じアドレスのウェブページであっても、翌日には再度翻訳することが必要になり、翻訳に時間がかかってユーザの使用感を損なってしまう。
【0005】
また、同じ英文でも、各ウェブページにおいて訳し方やニュアンスが異なる場合がある。日々更新される各ウェブページに翻訳例文を用意することは現状ではできていない。
【0006】
本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、短時間で所定のウェブページの翻訳を行なうことのできる翻訳システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題の少なくとも一部を解決する本発明の翻訳システムは、ネットワークに接続された翻訳装置と、該翻訳装置を利用して翻訳結果を表示するクライアントからなる翻訳システムであって、前記翻訳装置は、定期的に、ネットワーク上の複数のウェブページの翻訳を、少なくとも予め記憶している辞書と文法規則を参照して行なう翻訳部と、前記翻訳部が翻訳した翻訳結果を格納しておく格納部と、前記クライアントが行なう、所定のウェブページの翻訳結果の要求を受信する要求受信部と、前記要求受信部が受信した要求に相当し、前記格納部に存在するウェブページの翻訳結果を検索する検索部と、前記検索部が検索した翻訳結果が存在すれば、該翻訳結果を前記格納部から読み出して、前記クライアントに送信する要求送信部とを備え、前記クライアントは、前記所定のウェブページの翻訳結果を表示しようとする際、前記翻訳装置に該ウェブページの前記翻訳結果を要求する要求部と、前記要求送信部が送信した翻訳結果を受信する結果受信部と、前記結果受信部が受信した翻訳結果を表示する表示部とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、このシステムに対応した方法の発明は、ネットワークに接続された翻訳装置と、該翻訳装置を利用して翻訳結果を表示するクライアントにより行なわれる翻訳方法であって、定期的に、ネットワーク上の複数のウェブページの翻訳を、少なくとも予め記憶している辞書と文法規則を参照して行ない、該翻訳した翻訳結果を格納し、所定のウェブページの翻訳結果の要求を受信し、該受信した要求により、格納されている前記所定のウェブページの翻訳結果を検索し、該検索により翻訳結果が存在すれば、該翻訳結果を送信し、前記所定のウェブページの翻訳結果を表示しようとする際、該ウェブページの翻訳結果を要求し、該要求に応じて送信された翻訳結果を受信し、該受信した翻訳結果を表示する翻訳方法を要旨としている。
【0009】
かかるシステムおよび方法によれば、所定のウェブページの翻訳文を、クライアントのアプリケーションで翻訳して表示するよりも速く表示することが可能となる場合が多い。
【0010】
また、一度アプリケーションで翻訳したら、所定のウェブページの翻訳文が正確かどうか確認し、誤っていれば修正するようにすれば、所定のウェブページに関しては、より正しい翻訳文を表示することが可能となる。そして、その際、新しい単語や言い回しが出てきた場合は、その翻訳例文や単語などを適宜翻訳辞書に反映させるものとすれば、該翻訳辞書を用いて、より正確な翻訳文を作成することが可能となる。更に、該翻訳辞書をクライアントにも送信する構成を採れば、クライアントの翻訳アプリケーションでも、より正確な翻訳文を作成することができる。また、該翻訳辞書に反映させる際、ウェブページの情報も併せて登録すると、ウェブページの個性に合った翻訳文を提供することが可能となる。
【0011】
更に、翻訳を行なう前に、翻訳することが必要かどうか判断するものとすれば、無駄な翻訳処理を省くことができる。一方、翻訳することを要求したクライアントが、本システムを利用することが可能かどうか認証を行なうことによっても無駄な処理を省くことができる。よって、翻訳装置の作業負担を軽減することができる。
【0012】
また、クライアントで行なった翻訳もネットワーク上で利用する構成を採れば、より多くのウェブサイトの翻訳文を速く表示することができる。更に、クライアントで頻繁に翻訳が行なわれるウェブページを識別し、該ウェブページを翻訳装置の翻訳対象とすれば、ユーザは、より簡便に該ウェブページの翻訳文を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
<第一実施例>
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施例の一つである翻訳システム10の概略構成図である。図1にあるように、この翻訳システム10は、インターネットを介して、格納サーバ15,翻訳端末20,確認端末25,WWWサーバ40,料金サーバ30,ソフトユーザ端末35,契約ユーザ端末37が接続されている。それらは、それぞれ次のような機能を持つ。翻訳端末20には翻訳ソフトがインストールされており、該翻訳端末20で翻訳システム10がサポートしている英語のウェブサイトを日本語に翻訳する。格納サーバ15には、該翻訳結果を格納する。確認端末25では、翻訳結果が正しいかどうか実際に人が確認し、おかしい箇所があれば訂正する。料金サーバ30では、ユーザの翻訳システム10の使用料金支払い状況を管理する。ユーザ端末(ソフトユーザ端末35,契約ユーザ端末37を共に含む。以下同じ。)は、翻訳システム10の使用料金を支払ったユーザが使用している端末である。WWWサーバ40は、HTML言語でかかれたプログラム群を有しており、要求があると、インターネットに接続したユーザ端末上にウェブページを表示する。翻訳システム10では、ユーザ端末で英語のウェブページを表示する際、日本語に翻訳して表示する。なお、図1は各端末が保有するデータベースも示しているが、データベースについては、後述する。
【0014】
ここで、格納サーバ15の内部構成を、図2に基づいて説明する。格納サーバ15は、モデムやルータ45を介してネットワークとのデータのやり取りを制御するネットワークインターフェース(NT−I/F)50,処理を行なうCPU55,処理プログラムや固定的なデータを記憶するROM60,ワークエリアとしてのRAM65,時間を管理するタイマ70,モニタ90への表示を司る表示回路80,テキストデータをデータベースとして蓄積しているハードディスク(HD)75,キーボード100やマウス95とのインターフェースを司る入力インターフェース(I/F)85等を備える。なお、ハードディスクは固定式のものとして記載したが、着脱式のものでも良いし、着脱式の記憶装置(例えばCD−ROM,CD−R,CD−RW,DVD−ROM,DVD−RAM,フレキシブルディスクなど)を併用することも可能である。また、本実施例では格納サーバ15の処理プログラムはROM60内に記憶されているものとしたが、ハードディスクに記憶しておき、起動時にRAM65上に展開して実行するものとしても良い。あるいは、上述した着脱式の記録媒体から読み込むものとしても良い。更には、ネットワークを介して他のサーバから読み込んで実行するものとしても良い。同様に、ハードディスクに必要なデータのすべてが記憶されている必要はなく、ネットワークにより接続される他のサーバに膨大なデータを分散して記憶,更新,管理する構成としても良い。なお、翻訳端末20,確認端末25,WWWサーバ40,料金サーバ30,ユーザ端末も、内部構成は格納サーバ15とほぼ同様である。
【0015】
英語のウェブページを翻訳し、その翻訳文を格納サーバ15に保存する手順を図3から図6を用いて説明する。それぞれ、図3は翻訳端末20の処理を、図4は格納サーバ15の処理を、図6は確認端末25の処理を示すフローチャートである。また、図5は格納サーバ15への翻訳文の保存形式を示す説明図である。翻訳端末20は、一定時間ごとに翻訳をする必要のあるウェブページを選別する(ステップS20)。翻訳が必要となる場合には2通りあって、1通り目は、翻訳対象のウェブページが更新された場合である。それを調べるため、翻訳端末20は更新データベース105を保有している。更新データベース105には、ヘッダ部分にウェブページの「URL」と、該ウェブページを最後に翻訳した「翻訳時刻」をのせた状態で、該ウェブページを最後に翻訳した際の原文が、翻訳システム10で翻訳文を提供するウェブページ数分登録してある。翻訳端末20は、ヘッダ部分のURLに相当するウェブページをダウンロードし、更新データベース105に登録してある原文と比較する。比較して、更新されていることが分かった場合は、翻訳対象に加える(ステップS25)。この処理を、更新データベース105に登録してあるウェブページ全てに対して行なう。ウェブページの更新時刻は、該ウェブページのWWWサーバ40に問い合わせれば教えてくれる場合もあるが、一般にはこのように調べる。WWWサーバ40が更新時刻を教えてくれる場合は、更新時刻とヘッダ部分の翻訳時刻を比較し、更新時刻のほうが遅い場合は翻訳対象に加える(ステップS25)。
【0016】
2通り目は、翻訳システム10が翻訳文を提供するウェブページが新たに増えた場合である。それを調べるために、翻訳端末20はサポートデータベース110を保有している。該データベースには、翻訳システム10で翻訳文を提供するウェブページがURLで登録してある。該データベースへのデータの登録や削除は、格納サーバ15上で翻訳システム10の管理者が行なっている。翻訳端末20は、格納サーバ15から最新のサポートデータベース110をダウンロードし、前回翻訳した時のサポートデータベース110と現在のサポートデータベース110を比較して、新規に登録されているURLを検索し、翻訳対象に加える(ステップS25)。その際、削除されているウェブページも検索し、削除されているウェブページに関するデータは、更新データベース105からも削除する(ステップS22)。
【0017】
次に、ステップS25で翻訳対象としたウェブサイトを翻訳ソフトを用いて翻訳する(ステップS30)。翻訳の際には、単語ごとに構文解析のための品詞情報と訳語とを備えた翻訳辞書108を参照して、英文と日本語翻訳文を一対にした翻訳例文も活用する。翻訳が終了したら、更新データベース105も次のように書き換える(ステップS35)。更新されたことにより翻訳対象となったウェブページの場合は、該当するレコードのヘッダの「翻訳時刻」を現在時刻に書き換える(ステップS35)。また、翻訳対象となった原文も、更新データベース105に上書きして保存する。新規に翻訳対象となったウェブページの場合は、該ウェブページのURLと現在時刻と原文を併せて1レコードとして新規登録する(ステップS35)。次に、翻訳端末20はウェブページの原文と翻訳文とURLを一緒にして格納サーバ15と確認端末25に送信する(ステップS40)。確認端末25は、翻訳の確認作業をする担当者ごとに用意されており、原文と翻訳文とURLは担当者宛にメールで自動配信される。
【0018】
ステップS40の送信を受けた格納サーバ15の処理について、図4を用いて説明する。格納サーバ15は、ウェブページの原文と翻訳文とURLとを受信すると(ステップS50)、図5に示すように原文と翻訳文とURLとを1レコードとして翻訳データベース115に保存する(ステップS55)。更新されたウェブページを翻訳した場合は、更新前のウェブページの翻訳文が翻訳データベース115内に存在しているので、上書きで保存する。
【0019】
一方、ステップS40でのメールを受信した担当者が確認端末25で行なう処理について、図6を用いて説明する。確認端末25では、該メールを受信したら(ステップS60)、担当者がその翻訳が正しいかどうか確認する(ステップS65)。正しくない場合は(ステップS70)、正しく翻訳しなおす(ステップS75)。その際、もし新しい単語や言い回しが出てきた場合は、その翻訳例文や単語を翻訳辞書108に追加登録する(ステップS77)。担当者は複数人いるので、お互いに連絡を取り、翻訳結果を確認しあって、より正確な翻訳をする。
【0020】
翻訳が正しい場合は(ステップS70)、確認端末25から格納サーバ15へ原文と翻訳文とURLを送信する(ステップS80)。このデータは、ステップS55で翻訳端末20から格納サーバ15へ送信して保存されたデータに、上書きされる。つまり、該データを受信した格納サーバ15は図4の処理を繰り返す。更に、ステップS77で更新した翻訳辞書108の変更点を翻訳端末20に送信する(ステップS82)。翻訳辞書108が更新されているので、翻訳ソフトは次回からより適切な翻訳を行なうことができる。以上の処理により、翻訳システム10でサポートするウェブページの翻訳文は更新され、格納サーバ15に保存される。
【0021】
該保存された翻訳文を用いて、ユーザ端末にウェブページの翻訳文を表示することになるが、その説明の前に、翻訳システム10のユーザについて説明する。翻訳システム10には2種類のユーザがおり、翻訳ソフトを購入し、かつ翻訳システム10の使用料金を支払っているユーザ(以下、ソフトユーザとよぶ)と、翻訳システム10の使用料金のみ支払っているユーザ(以下、契約ユーザとよぶ)である。それらのユーザは、それぞれソフトデータベース120と契約データベース125に登録されている。
【0022】
ソフトデータベース120と契約データベース125は、料金サーバ30で管理されており、格納サーバ15にも保存されている。ソフトデータベース120と契約データベース125に変更箇所があれば、料金サーバ30は格納サーバ15に連絡する。ソフトデータベース120と契約データベース125には、ユーザ端末のIPアドレスである「IPアドレス」と、翻訳システム10の使用料金をユーザが最後に支払った年月日である「支払年月日」と次回の使用料金支払期日である「支払期日」が1レコードとして登録される。ソフトデータベース120と契約データベース125の形式を図7に示した。ソフトデータベース120と契約データベース125への登録は、ユーザが使用料金を最初に支払った時点で行なわれ、ユーザが継続的に使用料金を支払えば、該データベースに登録され続ける。しかし、ユーザが使用料金の支払を滞った場合は、登録を抹消する。
【0023】
具体的には、ソフトデータベース120と契約データベース125への登録や翻訳システム10の使用料金の支払いやソフトデータベース120と契約データベース125からの登録抹消は次のように行なわれる。まず登録であるが、ソフトユーザの場合は翻訳ソフト購入時点で翻訳システム10の使用料金も支払ってもらい、IPアドレスを連絡してもらうことでソフトデータベース120に登録する。契約ユーザが登録する場合や、ソフトユーザでも翻訳ソフトの購入時点で使用料金を支払っていないユーザが登録する場合は、翻訳システム10で提供するウェブページ上から登録手続きをユーザ自身が行なう。該登録手続きは、IPアドレスの連絡と使用料金の支払いである。
【0024】
翻訳システム10の使用料金の支払いも、翻訳システム10で提供するウェブページ上から行なうことができる。ユーザに支払期日を通知するために、料金サーバ30上では、1週間に1度、支払請求プログラムが実行される。支払請求プログラムは、ソフトデータベース120と契約データベース125において「支払期日」が所定期間内になっているレコードを検索し、そのレコードのIPアドレス宛に料金支払を請求するメールを送信する。ウェブページ上からユーザが使用料金の支払いを行なったら、「支払年月日」と「支払期日」を更新する。なお、年契約や口座からの自動引き落としにすることも差し支えない。
【0025】
ソフトデータベース120と契約データベース125からの登録抹消のために、料金サーバ30上では、1週間に1度、登録抹消プログラムが実行される。登録抹消プログラムは、ソフトデータベース120と契約データベース125において「支払期日」がその時点の年月日より前になっているレコードを該データベースから削除する。
【0026】
ソフトデータベース120と契約データベース125への登録や、ソフトデータベース120と契約データベース125からの登録抹消があったときは、料金サーバ30は該変更点を格納サーバ15に通知する。格納サーバ15は、該変更点を自身の保有するソフトデータベース120と契約データベース125に反映させる。
【0027】
ユーザ端末において翻訳システム10を利用した翻訳結果の表示処理を行なうには、最低でも、先述したサポートデータベース110と、表示プログラムと呼ばれるプログラムが必要である。よって、新規にソフトデータベース120または契約データベース125にユーザ端末が登録された場合には、該新規ユーザ端末に、サポートデータベース110すべてと表示プログラムとを送信する。また、登録抹消されたユーザ端末には、サポートデータベース110と表示プログラムとの使用を止めさせるための情報を送信する。
【0028】
更に、ユーザ端末は最新のサポートデータベース110を保有していなければならないので、サポートデータベース110が管理者により変更された時点で、変更内容が格納サーバ15から各ユーザ端末に配信される。該配信は、ソフトデータベース120と契約データベース125のIPアドレスを参照して行なわれる。
【0029】
次に、ソフトユーザのユーザ端末(ソフトユーザ端末35)あるいは契約ユーザのユーザ端末(契約ユーザ端末37)で所定のウェブページの翻訳文を表示する処理について、図8と図9を用いて説明する。図8はユーザ端末で行なわれる処理を示すフローチャート,図9は格納サーバ15で行なわれる処理を示すフローチャートである。ユーザがウェブページを表示しようとすると、ユーザ端末のインターネットのブラウザに組み込まれた表示プログラムが起動する。表示プログラムは、図8で示された処理を行なう。表示プログラムでは、まずユーザが指定したウェブページのURLが翻訳端末20でサポートされているものであるかを調べる。そのためには、指定されたURLでサポートデータベース110を検索する(ステップS85)。サポートデータベース110内に指定されたURLが存在しない場合は(ステップS87)、翻訳システム10で翻訳文を提供しているウェブページではないので、翻訳しない状態のウェブページを表示する(ステップS90)。ただし、ユーザ端末がソフトユーザ端末35である場合は、翻訳ソフトがインストールされているので、ウェブページを翻訳して表示する。ソフトユーザ端末35用の表示プログラムでは、表示しようとするウェブページが翻訳システム10で翻訳文を提供しているウェブページではない場合、自動的にソフトユーザ端末35にインストールされている翻訳ソフトにウェブページを翻訳させ、表示する。
【0030】
一方、サポートデータベース110内に指定されたURLが存在する場合は(ステップS87)、表示しようとするウェブページは、翻訳システム10で翻訳文を提供しているウェブページなので、格納サーバ15に翻訳文を要求する(ステップS95)。具体的には該要求は、表示しようとするウェブページのURLと、ユーザ端末のIPアドレスを格納サーバ15に送信することで行なう。
【0031】
該要求を受けた格納サーバ15の処理を図9に従い説明する。格納サーバ15は、ウェブページのURLとユーザ端末のIPアドレスとを受信すると(ステップS110)、格納サーバ15は該IPアドレスを用いて認証作業を行なう。ソフトデータベース120と契約データベース125を検索し(ステップS115)、どちらのデータベース内にもIPアドレスが存在しないときは(ステップS120)、該要求は翻訳システム10の利用ができないユーザ端末からの要求であると判断する。先述したように、ソフトデータベース120あるいは契約データベース125に登録していないユーザ端末では、本来は表示プログラムが使えないが、表示プログラムをコピーされる場合などに備えて、このような認証作業を行なう。このような要求がきた場合は、要求不可の信号を該IPアドレス宛に送信する(ステップS130)。
【0032】
一方、どちらかのデータベース内にIPアドレスが存在したときは(ステップS120)、該要求は翻訳システム10の利用ができるユーザ端末からの要求であると判断し、要求された翻訳文を送信するために、ウェブページのURLで翻訳データベース115を検索する(ステップS125)。該検索は、図5のヘッダ部分を検索することで行なう。そして、該当した原文と翻訳文をユーザ端末に送信する(ステップS130)。図8に戻って説明する。原文と翻訳文を受信したユーザ端末は(ステップS100)、受信した内容を表示する(ステップS105)。
【0033】
以上説明した第一実施例によれば、翻訳システム10で翻訳文を提供する対象となったウェブページの翻訳文を、ユーザ端末で新たに翻訳することなく、すでに翻訳され保有された翻訳文を受け取って、ユーザ端末で表示することができる。このため、通常翻訳ソフトで翻訳して表示するよりも速く表示することが可能となる。また、一度翻訳ソフトで翻訳したウェブページの翻訳文が正確かどうか確認し、より正しい翻訳文に修正しているので、該ウェブページに関しては翻訳ソフトが訳出した翻訳文より正しい翻訳文を表示させることが可能となる。そして、その際、新しい単語や言い回しが出てきた場合は、その翻訳例文や単語などを適宜翻訳辞書108に反映させることにより、該翻訳辞書108を用いて、より正確な翻訳文を作成することが可能となる。
【0034】
更に、翻訳を行なう前に、翻訳することが必要かどうか判断することにより、無駄な翻訳処理を省くことができる。一方、翻訳することを要求したユーザ端末が、翻訳システム10を利用することが可能かどうか認証を行なうことによっても無駄な処理を省くことができる。
【0035】
<第二実施例>
第二実施例では、第一実施例の構成に加えて、ソフトユーザ端末35で翻訳したウェブページの翻訳文もネットワーク上で利用する構成を備える。図10は、第二実施例の全体構成を表した説明図である。第一実施例の全体構成図である図1と比較すると、ユーザ端末がサポートデータベース110を保有していない点と、格納サーバ15がキャッシュ130を保有している点で相違することが分かる。ここでいうキャッシュ130は、以下のような働きをしている。ソフトユーザ端末35ではインストールされている翻訳ソフトを用いてウェブページを翻訳する。ソフトユーザ端末35は、翻訳した時点で、翻訳対象となったウェブページのURLと原文と翻訳時刻とを一括して格納サーバ15に送信する。格納サーバ15は該送信を受けて、それらのデータを1レコードとしてキャッシュ130に保存する。保存形式は翻訳データベース115保存形式(図5参照)と同じである。キャッシュ130は、容量が決まっており、容量がいっぱいになったときには古いレコードから削除する。そして、新しいレコードを空いたスペースに保存する。キャッシュ130に保存する原文と翻訳文は、ウェブページのすべてのデータ(イメージも含める)を保存しても良いが、保存スペースを少なくするために、テキストのみを保存しておいて、再レイアウトして表示するということも可能である。
【0036】
第二実施例では、ソフトユーザはキャッシュ130の翻訳文を必要とするかどうか選択することができる。翻訳データベース115に保存された翻訳文は正しいことが保障されている。しかし、キャッシュ130の翻訳文は、ユーザが独自に条件を設定した翻訳ソフトでユーザの翻訳辞書108を用いて翻訳したものであるから、そのような翻訳文は必要としないソフトユーザがいることも考えられる。よって、翻訳ソフトの設定画面で、キャッシュ130に一時的に保有される他人の翻訳結果を利用するか否かの選択ができるようにしておく。
【0037】
また、第二実施例では、ソフトユーザ端末35の表示プログラムと、契約ユーザ端末37の表示プログラムは異なる。よって、ソフトデータベース120あるいは契約データベース125へのユーザ登録の際には、それぞれの表示プログラムを送信する。
【0038】
ユーザ端末で翻訳文を表示する処理全体は、図11と図12に示されている。図11はユーザ端末での処理で、図12は格納サーバ15の処理である。図11は第二実施例での表示プログラムの処理を示している。ユーザ端末において、インターネットのブラウザでウェブページを表示しようとする際、ブラウザに組み込まれた表示プログラムは、入力されたURLとユーザ端末のIPアドレスとを格納サーバ15に送信する(ステップS110)。ソフトユーザの表示プログラムの場合は、先述したキャッシュ130の翻訳文を必要とするかどうかの選択状況(以下、キャッシュ130選択状況とよぶ)も送信する(ステップS110)。キャッシュ130選択状況は、キャッシュ130の翻訳文を必要とするなら「必要」、不必要なら「不必要」という値をとる。契約ユーザの表示プログラムの場合は、契約ユーザ端末37が翻訳ソフトを保有していないので、常にキャッシュ130選択状況を「必要」にして送信する(ステップS110)。このようにユーザ端末から指定のURLの翻訳文を要求する。
【0039】
該要求を受けた格納サーバ15の処理を図12のフローチャートに示す。該要求を受けた格納サーバ15は(ステップS160)、第一実施例と同様、ソフトデータベース120と契約データベース125の検索を行なう(ステップS165)。そして、該要求をしたユーザ端末が翻訳システム10の使用が不可能なユーザ端末であるとき(ステップS170)、要求不可の信号を送信する(ステップS220)。該要求をしたユーザ端末が、翻訳システム10の使用が可能なユーザ端末であるとき(ステップS170)、次の処理に進む。
【0040】
まず、指定のURLに相当するウェブページのURLを翻訳データベース115のヘッダ部分から検索する(ステップS172)。相当するデータが存在したときは(ステップS180)、そのレコードの原文と翻訳文を、ユーザ端末のIPアドレス宛に送信する(ステップS225)。相当するデータが存在しないときには(ステップS180)、キャッシュ130の翻訳文をユーザ端末で必要としているかどうか調べるために、送信されたキャッシュ130選択状況を参照する。キャッシュ130選択状況が「不必要」である場合は(ステップS190)、翻訳文がない旨を送信する(ステップS220)。
【0041】
キャッシュ130選択状況が「必要」である場合は(ステップS190)、キャッシュ130に必要とする翻訳文が存在するかどうか検索する(ステップS195)。検索はURLで行なう。キャッシュ130に翻訳文が存在しない場合(ステップS200)、翻訳文がない旨を送信する(ステップS220)。存在した場合は(ステップS200)、現時点のウェブページが、翻訳をした時点から更新されていないかどうか調べる。そのために格納サーバ15は、該レコードのヘッダ部分のURLに相当するウェブページをダウンロードし、該レコードの原文と比較する。比較して、更新されていることが分かった場合は(ステップS215)、翻訳文がない旨を送信する(ステップS220)。ウェブページの更新時刻は、該ウェブページのWWWサーバ40に問い合わせれば教えてくれる場合もある。WWWサーバ40が更新時刻を教えてくれる場合は、更新時刻とヘッダ部分の翻訳時刻を比較し、更新時刻のほうが遅い場合は(ステップS215)、翻訳文がない旨を送信する(ステップS220)。現時点のウェブページが、翻訳をした時点から更新されていない場合は(ステップS215)、該レコードの翻訳文と原文をユーザ端末のIPアドレス宛に送信する(ステップS225)。
【0042】
格納サーバ15からの送信を受けたユーザ端末の処理を、再び図11に戻り説明する。格納サーバ15からの送信を受けたユーザ端末は(ステップS115)、受信した内容が翻訳文と原文であるか、要求不可の信号あるいは翻訳文がない旨の通知であるかによって処理の内容を変える。翻訳文と原文を受信した場合は(ステップS120)、受信した内容を画面に表示する(ステップS155)。受信した内容が要求不可の信号あるいは翻訳文がない旨の通知であるときは、原文をそのまま表示する(ステップS130)。ソフトユーザは、原文で表示された際は、端末にインストールされた翻訳ソフトで翻訳することができる。その翻訳文は、上記の処理により格納サーバ15に送信される。
【0043】
以上説明した第二実施例によれば、第一実施例と同様な作用効果を奏する上、更に、ソフトユーザ端末35で翻訳された翻訳文も利用することにより、翻訳端末20や確認端末25を使用することなしに、より広範囲のウェブページの翻訳文を提供することが可能である。さらに、ソフトユーザに関しては、他のソフトユーザ端末35で翻訳された翻訳文を必要とするかどうか選択させることにより、他人の翻訳結果を利用する速度優先の設定か、自己の翻訳辞書108を利用する設定かを使い分けすることができる。
【0044】
<第三実施例>
第三実施例では、第二実施例に加えて、翻訳文を要求される頻度の高いウェブページは、翻訳端末20での翻訳対象に加える機能をもたせた。つまり、ユーザ端末で表示を要求されるが、翻訳データベース115内に存在しないことの多いウェブページのうち英語で書かれたウェブページをサポートデータベース110に登録するのである。該頻度を調べるために、格納サーバ15はログデータベース135を保有する。ログデータベース135には、ウェブページの「URL」と「頻度」が1レコードとして登録されている。
【0045】
第三実施例のシステム全体構成図を図13に示した。図13を第二実施例のシステム全体構成図である図10と比較すると、格納サーバ15がログデータベース135を保有する点で異なる。以下、翻訳文を要求された際の格納サーバ15の処理を、図12のフローチャートを用いて説明する。格納サーバ15は、ユーザ端末指定のURLを翻訳データベース115のヘッダ部分から検索する(ステップS172)。そして、該当するデータが存在しないときに(ステップS175)、ログデータベース135を書き換える。翻訳端末20で翻訳をしていないが、ユーザ端末からは翻訳文の要求があるものを数え上げるためである。新規にログデータベース135に該ウェブページに相当する情報を登録する場合は、「URL」を追加して、「頻度」を値1とする。新規でない場合は、該ウェブページに相当するレコードの「頻度」に値1を加える。
【0046】
翻訳システム10の管理者は定期的にログデータベース135を調べ、頻度が高くて英語で表記されているウェブページを、サポートデータベース110に登録する。頻度が高くて日本語で表記されているウェブページは、ログデータベース135から削除しておく。なお、この処理は格納サーバ15内にプログラムを用意し、該プログラムを定期的に動作させて実現してもよい。
【0047】
以上説明した第三実施例によれば、第一実施例および第二実施例と同様な作用効果を奏する上、更に、翻訳文を要求される頻度の高いウェブページを翻訳端末20での翻訳対象に加えることで、よりユーザが必要とするウェブページの翻訳文を提供することが可能となる。しかも、その翻訳文は確認端末25で確認済みであるので、より正確な翻訳文となる。
【0048】
<第四実施例>
第四実施例では、第一実施例,第二実施例,第三実施例それぞれの処理に加えて、次の処理を行なう。先述したように、確認端末25では、新しい単語や言い回しが出てきた場合に、その翻訳例文や単語を翻訳辞書108に追加登録するが、それと同じ内容をソフトユーザ端末35の翻訳辞書108にも反映させる。そのために、確認端末25にもソフトデータベース120が設けられている。ソフトデータベース120は、料金サーバ30が管理している。料金サーバ30は、ソフトデータベース120に変更があった際には、格納サーバ15に変更点を送信するのと同時に、確認端末25にも変更点を送信する。図14は、第三実施例にこの機能を追加したシステム全体構成図である。
【0049】
確認端末25は、図6のステップS85において、翻訳辞書108の変更点を翻訳端末20に送信する際に、ソフトデータベース120を参照して、ソフトユーザ端末35にも該変更点を送信する。ソフトユーザ端末35では、ソフトユーザが独自に翻訳環境を設定している。具体的には、専門分野別辞書の設定状態(個別に使用か不使用かの設定が可能)の変更や、ユーザ専用辞書の活用により、翻訳辞書108はソフトユーザごとに設定可能である。その翻訳辞書108に、該変更点を反映させる。
【0050】
以上説明した第四実施例によれば、第一実施例および第二実施例および第三実施例と同様な作用効果を奏する上、更に、ソフトユーザ端末35での翻訳文も、より正確なものになるという効果が生じる。例えば、ウェブページをダウンロードした状態でのオフラインでの翻訳や、独自に作成したウェブページの翻訳も正確になる。また、ウェブページ以外の翻訳でも、特に重要な文書は原文が外部に漏出することを防ぐ必要があるため、オフラインで翻訳するが、このような翻訳の際にも正確な翻訳ができる。
【0051】
<第五実施例>
第五実施例では、第一実施例,第二実施例,第三実施例,第四実施例それぞれの処理に加えて、次の処理を行なう。先述したように、確認端末25では、新しい単語や言い回しが出てきた場合に、その翻訳例文や単語を翻訳辞書108に追加登録するが、その際に、ウェブページ固有の単語や英文表記を登録する場合は、ウェブページのURLも併せて登録する。つまり、翻訳辞書108の1レコードは、この場合英単語と日本語訳とURL、あるいは英文と日本語訳とURLとなる。登録するのが、ウェブページ固有の単語や英文表記ではない場合は、「URL」の欄は空白にしておく。図15は、第五実施例における翻訳辞書108の構成を示す説明図である。
【0052】
実際に翻訳端末20が翻訳をする際には、まず英単語あるいは英文で翻訳辞書108を検索する。該当したレコードのURL欄が空白ではなく、かつ表記されているURLが今翻訳対象となっているウェブページのURLでない場合は、そのレコードに関しては該当しなかったものとみなして、翻訳に使用しない。該当したレコードのURL欄が空白、あるいは表記されているURLが今翻訳対象となっているウェブページのURLである場合は、そのレコードの日本語訳を翻訳に使用する。
【0053】
以上説明した第五実施例によれば、第一実施例および第二実施例および第三実施例および第四実施例と同様な作用効果を奏する上、更に、個々のウェブページの個性にあった日本語訳を提供することができる。
【0054】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、更に様々な形態で実施しうることは勿論である。例えば、第二実施例においては、ユーザ端末側でサポートデータベース110を保有していないが、保有する構成にすることも可能である。その際には、まずユーザ端末側で翻訳文が翻訳データベース115に存在するか調べることができる。そして、存在しないことが分かった場合は、キャッシュ130選択状況を「必要」としたソフトユーザ端末35と契約ユーザ端末37のみが格納サーバ15のキャッシュ130を調べに行なくという設定にすることも可能である。また、ソフトユーザ端末35においては、格納サーバ15に翻訳文を要求すると同時に、自己が保有する翻訳ソフトで翻訳を行ない、速く得られた翻訳結果を表示する構成にすることもできる。
【0055】
また、第五実施例では、翻訳辞書108の1レコードを英単語と日本語訳とURL、あるいは英文と日本語訳とURLとしたが、ウェブページ毎に固有の辞書を用意してもよい。この場合は、まず翻訳対象のウェブページのURLで固有の辞書を検索し、固有の辞書が存在すれば、該辞書を用いて翻訳する。固有の辞書が存在しなければ、標準辞書を用いて翻訳する。あるいは、タイプ別(例えば、フォーマル,カジュアルやニュース,生活,通販など)の翻訳辞書108を用意し、翻訳対象のウェブページのタイプにより、翻訳辞書108を使い分けるようにしてもよい。
【0056】
更に、翻訳システム10に、英文から日本語の文への翻訳に限らず、日本語の文から英文への翻訳を行なわせるようにすることもできるし、他の言語間の翻訳を行なわせるようにすることもできる。また、多言語間の翻訳も実行できるようにし、ユーザが翻訳後の言語を選択することで該言語の翻訳結果を得ることができるようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】第一実施例における翻訳システム10の全体構成を示す説明図である。
【図2】格納サーバ15の内部構成を示す説明図である。
【図3】第一実施例における翻訳端末20の処理を示すフローチャートである。
【図4】第一実施例における格納サーバ15の処理を示すフローチャートである。
【図5】格納サーバ15における翻訳文の保存形式を示す説明図である。
【図6】第一実施例における確認端末25の処理を示すフローチャートである。
【図7】ソフトデータベース120と契約データベース125を示す説明図である。
【図8】第一実施例におけるソフトユーザ端末35または契約ユーザ端末37の処理を示すフローチャートである。
【図9】第一実施例における翻訳文を要求された際の格納サーバ15の処理を示すフローチャートである。
【図10】第二実施例における翻訳システム10の全体構成を示す説明図である。
【図11】第二実施例におけるソフトユーザ端末35または契約ユーザ端末37の処理を示すフローチャートである。
【図12】第二実施例における翻訳文を要求された際の格納サーバ15の処理を示すフローチャートである。
【図13】第三実施例における翻訳システム10の全体構成を示す説明図である。
【図14】第四実施例における翻訳システム10の全体構成を示す説明図である。
【図15】第五実施例における翻訳辞書108の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0058】
10…翻訳システム、15…格納サーバ、20…翻訳端末、25…確認端末、30…料金サーバ、35…ソフトユーザ端末、37…契約ユーザ端末、40…WWWサーバ、45…ルータ、50…ネットワークインターフェース、55…CPU、60…ROM、65…RAM、70…タイマ、75…ハードディスク、80…表示回路、85…入力インターフェース、90…モニタ、95…マウス、100…キーボード、105…更新データベース、108…翻訳辞書、110…サポートデータベース、115…翻訳データベース、120…ソフトデータベース、125…データベース、130…キャッシュ、135…ログデータベース。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブページを翻訳するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、クライアントの端末にインストールされてウェブページを翻訳するアプリケーションは存在する。ユーザは、それらのアプリケーションを端末上の他のアプリケーションに組み込んで使用することも可能である。例えば、ワードプロセッサに組み込んで、日本文を英文に翻訳させたり、英文を日本文に翻訳させたりすることが可能である。また、インターネット用のブラウザに組み込んで、英語で書かれた海外のウェブページを日本語に翻訳させて、ブラウザ上に表示することも可能である。ウェブページについては、翻訳が行なわれた際に、キャッシュメモリに翻訳後のデータが残る設定にしておくと、2回目以降の翻訳は短時間で行なわれる。
【0003】
更に、機械的な構文解析や句構造解析に基づく翻訳では、例えば成句やイデオムなどでは不自然な訳出になってしまうことも多いので、英文と翻訳文を一対にした翻訳例文を多数用意し、機械翻訳を行なう前にこれらの例文を検索することで、少しでも良い翻訳結果を得るための工夫もされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の翻訳アプリケーションではユーザの使用感が満足できるものではないという問題点があった。例えば、従来の翻訳アプリケーションでは、文書量にもよるが、ウェブページの翻訳に30秒から数分かかってしまうことも少なくない。これでは時間がかかりすぎ、ユーザにとって便利とはいえなかった。先述したように、2回目以降の翻訳は短時間で済むといっても、ニュース等のウェブページは一度読まれると再度読まれることは少ないし、次の日になれば内容も変わってしまう。従って、同じアドレスのウェブページであっても、翌日には再度翻訳することが必要になり、翻訳に時間がかかってユーザの使用感を損なってしまう。
【0005】
また、同じ英文でも、各ウェブページにおいて訳し方やニュアンスが異なる場合がある。日々更新される各ウェブページに翻訳例文を用意することは現状ではできていない。
【0006】
本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、短時間で所定のウェブページの翻訳を行なうことのできる翻訳システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題の少なくとも一部を解決する本発明の翻訳システムは、ネットワークに接続された翻訳装置と、該翻訳装置を利用して翻訳結果を表示するクライアントからなる翻訳システムであって、前記翻訳装置は、定期的に、ネットワーク上の複数のウェブページの翻訳を、少なくとも予め記憶している辞書と文法規則を参照して行なう翻訳部と、前記翻訳部が翻訳した翻訳結果を格納しておく格納部と、前記クライアントが行なう、所定のウェブページの翻訳結果の要求を受信する要求受信部と、前記要求受信部が受信した要求に相当し、前記格納部に存在するウェブページの翻訳結果を検索する検索部と、前記検索部が検索した翻訳結果が存在すれば、該翻訳結果を前記格納部から読み出して、前記クライアントに送信する要求送信部とを備え、前記クライアントは、前記所定のウェブページの翻訳結果を表示しようとする際、前記翻訳装置に該ウェブページの前記翻訳結果を要求する要求部と、前記要求送信部が送信した翻訳結果を受信する結果受信部と、前記結果受信部が受信した翻訳結果を表示する表示部とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、このシステムに対応した方法の発明は、ネットワークに接続された翻訳装置と、該翻訳装置を利用して翻訳結果を表示するクライアントにより行なわれる翻訳方法であって、定期的に、ネットワーク上の複数のウェブページの翻訳を、少なくとも予め記憶している辞書と文法規則を参照して行ない、該翻訳した翻訳結果を格納し、所定のウェブページの翻訳結果の要求を受信し、該受信した要求により、格納されている前記所定のウェブページの翻訳結果を検索し、該検索により翻訳結果が存在すれば、該翻訳結果を送信し、前記所定のウェブページの翻訳結果を表示しようとする際、該ウェブページの翻訳結果を要求し、該要求に応じて送信された翻訳結果を受信し、該受信した翻訳結果を表示する翻訳方法を要旨としている。
【0009】
かかるシステムおよび方法によれば、所定のウェブページの翻訳文を、クライアントのアプリケーションで翻訳して表示するよりも速く表示することが可能となる場合が多い。
【0010】
また、一度アプリケーションで翻訳したら、所定のウェブページの翻訳文が正確かどうか確認し、誤っていれば修正するようにすれば、所定のウェブページに関しては、より正しい翻訳文を表示することが可能となる。そして、その際、新しい単語や言い回しが出てきた場合は、その翻訳例文や単語などを適宜翻訳辞書に反映させるものとすれば、該翻訳辞書を用いて、より正確な翻訳文を作成することが可能となる。更に、該翻訳辞書をクライアントにも送信する構成を採れば、クライアントの翻訳アプリケーションでも、より正確な翻訳文を作成することができる。また、該翻訳辞書に反映させる際、ウェブページの情報も併せて登録すると、ウェブページの個性に合った翻訳文を提供することが可能となる。
【0011】
更に、翻訳を行なう前に、翻訳することが必要かどうか判断するものとすれば、無駄な翻訳処理を省くことができる。一方、翻訳することを要求したクライアントが、本システムを利用することが可能かどうか認証を行なうことによっても無駄な処理を省くことができる。よって、翻訳装置の作業負担を軽減することができる。
【0012】
また、クライアントで行なった翻訳もネットワーク上で利用する構成を採れば、より多くのウェブサイトの翻訳文を速く表示することができる。更に、クライアントで頻繁に翻訳が行なわれるウェブページを識別し、該ウェブページを翻訳装置の翻訳対象とすれば、ユーザは、より簡便に該ウェブページの翻訳文を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
<第一実施例>
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施例の一つである翻訳システム10の概略構成図である。図1にあるように、この翻訳システム10は、インターネットを介して、格納サーバ15,翻訳端末20,確認端末25,WWWサーバ40,料金サーバ30,ソフトユーザ端末35,契約ユーザ端末37が接続されている。それらは、それぞれ次のような機能を持つ。翻訳端末20には翻訳ソフトがインストールされており、該翻訳端末20で翻訳システム10がサポートしている英語のウェブサイトを日本語に翻訳する。格納サーバ15には、該翻訳結果を格納する。確認端末25では、翻訳結果が正しいかどうか実際に人が確認し、おかしい箇所があれば訂正する。料金サーバ30では、ユーザの翻訳システム10の使用料金支払い状況を管理する。ユーザ端末(ソフトユーザ端末35,契約ユーザ端末37を共に含む。以下同じ。)は、翻訳システム10の使用料金を支払ったユーザが使用している端末である。WWWサーバ40は、HTML言語でかかれたプログラム群を有しており、要求があると、インターネットに接続したユーザ端末上にウェブページを表示する。翻訳システム10では、ユーザ端末で英語のウェブページを表示する際、日本語に翻訳して表示する。なお、図1は各端末が保有するデータベースも示しているが、データベースについては、後述する。
【0014】
ここで、格納サーバ15の内部構成を、図2に基づいて説明する。格納サーバ15は、モデムやルータ45を介してネットワークとのデータのやり取りを制御するネットワークインターフェース(NT−I/F)50,処理を行なうCPU55,処理プログラムや固定的なデータを記憶するROM60,ワークエリアとしてのRAM65,時間を管理するタイマ70,モニタ90への表示を司る表示回路80,テキストデータをデータベースとして蓄積しているハードディスク(HD)75,キーボード100やマウス95とのインターフェースを司る入力インターフェース(I/F)85等を備える。なお、ハードディスクは固定式のものとして記載したが、着脱式のものでも良いし、着脱式の記憶装置(例えばCD−ROM,CD−R,CD−RW,DVD−ROM,DVD−RAM,フレキシブルディスクなど)を併用することも可能である。また、本実施例では格納サーバ15の処理プログラムはROM60内に記憶されているものとしたが、ハードディスクに記憶しておき、起動時にRAM65上に展開して実行するものとしても良い。あるいは、上述した着脱式の記録媒体から読み込むものとしても良い。更には、ネットワークを介して他のサーバから読み込んで実行するものとしても良い。同様に、ハードディスクに必要なデータのすべてが記憶されている必要はなく、ネットワークにより接続される他のサーバに膨大なデータを分散して記憶,更新,管理する構成としても良い。なお、翻訳端末20,確認端末25,WWWサーバ40,料金サーバ30,ユーザ端末も、内部構成は格納サーバ15とほぼ同様である。
【0015】
英語のウェブページを翻訳し、その翻訳文を格納サーバ15に保存する手順を図3から図6を用いて説明する。それぞれ、図3は翻訳端末20の処理を、図4は格納サーバ15の処理を、図6は確認端末25の処理を示すフローチャートである。また、図5は格納サーバ15への翻訳文の保存形式を示す説明図である。翻訳端末20は、一定時間ごとに翻訳をする必要のあるウェブページを選別する(ステップS20)。翻訳が必要となる場合には2通りあって、1通り目は、翻訳対象のウェブページが更新された場合である。それを調べるため、翻訳端末20は更新データベース105を保有している。更新データベース105には、ヘッダ部分にウェブページの「URL」と、該ウェブページを最後に翻訳した「翻訳時刻」をのせた状態で、該ウェブページを最後に翻訳した際の原文が、翻訳システム10で翻訳文を提供するウェブページ数分登録してある。翻訳端末20は、ヘッダ部分のURLに相当するウェブページをダウンロードし、更新データベース105に登録してある原文と比較する。比較して、更新されていることが分かった場合は、翻訳対象に加える(ステップS25)。この処理を、更新データベース105に登録してあるウェブページ全てに対して行なう。ウェブページの更新時刻は、該ウェブページのWWWサーバ40に問い合わせれば教えてくれる場合もあるが、一般にはこのように調べる。WWWサーバ40が更新時刻を教えてくれる場合は、更新時刻とヘッダ部分の翻訳時刻を比較し、更新時刻のほうが遅い場合は翻訳対象に加える(ステップS25)。
【0016】
2通り目は、翻訳システム10が翻訳文を提供するウェブページが新たに増えた場合である。それを調べるために、翻訳端末20はサポートデータベース110を保有している。該データベースには、翻訳システム10で翻訳文を提供するウェブページがURLで登録してある。該データベースへのデータの登録や削除は、格納サーバ15上で翻訳システム10の管理者が行なっている。翻訳端末20は、格納サーバ15から最新のサポートデータベース110をダウンロードし、前回翻訳した時のサポートデータベース110と現在のサポートデータベース110を比較して、新規に登録されているURLを検索し、翻訳対象に加える(ステップS25)。その際、削除されているウェブページも検索し、削除されているウェブページに関するデータは、更新データベース105からも削除する(ステップS22)。
【0017】
次に、ステップS25で翻訳対象としたウェブサイトを翻訳ソフトを用いて翻訳する(ステップS30)。翻訳の際には、単語ごとに構文解析のための品詞情報と訳語とを備えた翻訳辞書108を参照して、英文と日本語翻訳文を一対にした翻訳例文も活用する。翻訳が終了したら、更新データベース105も次のように書き換える(ステップS35)。更新されたことにより翻訳対象となったウェブページの場合は、該当するレコードのヘッダの「翻訳時刻」を現在時刻に書き換える(ステップS35)。また、翻訳対象となった原文も、更新データベース105に上書きして保存する。新規に翻訳対象となったウェブページの場合は、該ウェブページのURLと現在時刻と原文を併せて1レコードとして新規登録する(ステップS35)。次に、翻訳端末20はウェブページの原文と翻訳文とURLを一緒にして格納サーバ15と確認端末25に送信する(ステップS40)。確認端末25は、翻訳の確認作業をする担当者ごとに用意されており、原文と翻訳文とURLは担当者宛にメールで自動配信される。
【0018】
ステップS40の送信を受けた格納サーバ15の処理について、図4を用いて説明する。格納サーバ15は、ウェブページの原文と翻訳文とURLとを受信すると(ステップS50)、図5に示すように原文と翻訳文とURLとを1レコードとして翻訳データベース115に保存する(ステップS55)。更新されたウェブページを翻訳した場合は、更新前のウェブページの翻訳文が翻訳データベース115内に存在しているので、上書きで保存する。
【0019】
一方、ステップS40でのメールを受信した担当者が確認端末25で行なう処理について、図6を用いて説明する。確認端末25では、該メールを受信したら(ステップS60)、担当者がその翻訳が正しいかどうか確認する(ステップS65)。正しくない場合は(ステップS70)、正しく翻訳しなおす(ステップS75)。その際、もし新しい単語や言い回しが出てきた場合は、その翻訳例文や単語を翻訳辞書108に追加登録する(ステップS77)。担当者は複数人いるので、お互いに連絡を取り、翻訳結果を確認しあって、より正確な翻訳をする。
【0020】
翻訳が正しい場合は(ステップS70)、確認端末25から格納サーバ15へ原文と翻訳文とURLを送信する(ステップS80)。このデータは、ステップS55で翻訳端末20から格納サーバ15へ送信して保存されたデータに、上書きされる。つまり、該データを受信した格納サーバ15は図4の処理を繰り返す。更に、ステップS77で更新した翻訳辞書108の変更点を翻訳端末20に送信する(ステップS82)。翻訳辞書108が更新されているので、翻訳ソフトは次回からより適切な翻訳を行なうことができる。以上の処理により、翻訳システム10でサポートするウェブページの翻訳文は更新され、格納サーバ15に保存される。
【0021】
該保存された翻訳文を用いて、ユーザ端末にウェブページの翻訳文を表示することになるが、その説明の前に、翻訳システム10のユーザについて説明する。翻訳システム10には2種類のユーザがおり、翻訳ソフトを購入し、かつ翻訳システム10の使用料金を支払っているユーザ(以下、ソフトユーザとよぶ)と、翻訳システム10の使用料金のみ支払っているユーザ(以下、契約ユーザとよぶ)である。それらのユーザは、それぞれソフトデータベース120と契約データベース125に登録されている。
【0022】
ソフトデータベース120と契約データベース125は、料金サーバ30で管理されており、格納サーバ15にも保存されている。ソフトデータベース120と契約データベース125に変更箇所があれば、料金サーバ30は格納サーバ15に連絡する。ソフトデータベース120と契約データベース125には、ユーザ端末のIPアドレスである「IPアドレス」と、翻訳システム10の使用料金をユーザが最後に支払った年月日である「支払年月日」と次回の使用料金支払期日である「支払期日」が1レコードとして登録される。ソフトデータベース120と契約データベース125の形式を図7に示した。ソフトデータベース120と契約データベース125への登録は、ユーザが使用料金を最初に支払った時点で行なわれ、ユーザが継続的に使用料金を支払えば、該データベースに登録され続ける。しかし、ユーザが使用料金の支払を滞った場合は、登録を抹消する。
【0023】
具体的には、ソフトデータベース120と契約データベース125への登録や翻訳システム10の使用料金の支払いやソフトデータベース120と契約データベース125からの登録抹消は次のように行なわれる。まず登録であるが、ソフトユーザの場合は翻訳ソフト購入時点で翻訳システム10の使用料金も支払ってもらい、IPアドレスを連絡してもらうことでソフトデータベース120に登録する。契約ユーザが登録する場合や、ソフトユーザでも翻訳ソフトの購入時点で使用料金を支払っていないユーザが登録する場合は、翻訳システム10で提供するウェブページ上から登録手続きをユーザ自身が行なう。該登録手続きは、IPアドレスの連絡と使用料金の支払いである。
【0024】
翻訳システム10の使用料金の支払いも、翻訳システム10で提供するウェブページ上から行なうことができる。ユーザに支払期日を通知するために、料金サーバ30上では、1週間に1度、支払請求プログラムが実行される。支払請求プログラムは、ソフトデータベース120と契約データベース125において「支払期日」が所定期間内になっているレコードを検索し、そのレコードのIPアドレス宛に料金支払を請求するメールを送信する。ウェブページ上からユーザが使用料金の支払いを行なったら、「支払年月日」と「支払期日」を更新する。なお、年契約や口座からの自動引き落としにすることも差し支えない。
【0025】
ソフトデータベース120と契約データベース125からの登録抹消のために、料金サーバ30上では、1週間に1度、登録抹消プログラムが実行される。登録抹消プログラムは、ソフトデータベース120と契約データベース125において「支払期日」がその時点の年月日より前になっているレコードを該データベースから削除する。
【0026】
ソフトデータベース120と契約データベース125への登録や、ソフトデータベース120と契約データベース125からの登録抹消があったときは、料金サーバ30は該変更点を格納サーバ15に通知する。格納サーバ15は、該変更点を自身の保有するソフトデータベース120と契約データベース125に反映させる。
【0027】
ユーザ端末において翻訳システム10を利用した翻訳結果の表示処理を行なうには、最低でも、先述したサポートデータベース110と、表示プログラムと呼ばれるプログラムが必要である。よって、新規にソフトデータベース120または契約データベース125にユーザ端末が登録された場合には、該新規ユーザ端末に、サポートデータベース110すべてと表示プログラムとを送信する。また、登録抹消されたユーザ端末には、サポートデータベース110と表示プログラムとの使用を止めさせるための情報を送信する。
【0028】
更に、ユーザ端末は最新のサポートデータベース110を保有していなければならないので、サポートデータベース110が管理者により変更された時点で、変更内容が格納サーバ15から各ユーザ端末に配信される。該配信は、ソフトデータベース120と契約データベース125のIPアドレスを参照して行なわれる。
【0029】
次に、ソフトユーザのユーザ端末(ソフトユーザ端末35)あるいは契約ユーザのユーザ端末(契約ユーザ端末37)で所定のウェブページの翻訳文を表示する処理について、図8と図9を用いて説明する。図8はユーザ端末で行なわれる処理を示すフローチャート,図9は格納サーバ15で行なわれる処理を示すフローチャートである。ユーザがウェブページを表示しようとすると、ユーザ端末のインターネットのブラウザに組み込まれた表示プログラムが起動する。表示プログラムは、図8で示された処理を行なう。表示プログラムでは、まずユーザが指定したウェブページのURLが翻訳端末20でサポートされているものであるかを調べる。そのためには、指定されたURLでサポートデータベース110を検索する(ステップS85)。サポートデータベース110内に指定されたURLが存在しない場合は(ステップS87)、翻訳システム10で翻訳文を提供しているウェブページではないので、翻訳しない状態のウェブページを表示する(ステップS90)。ただし、ユーザ端末がソフトユーザ端末35である場合は、翻訳ソフトがインストールされているので、ウェブページを翻訳して表示する。ソフトユーザ端末35用の表示プログラムでは、表示しようとするウェブページが翻訳システム10で翻訳文を提供しているウェブページではない場合、自動的にソフトユーザ端末35にインストールされている翻訳ソフトにウェブページを翻訳させ、表示する。
【0030】
一方、サポートデータベース110内に指定されたURLが存在する場合は(ステップS87)、表示しようとするウェブページは、翻訳システム10で翻訳文を提供しているウェブページなので、格納サーバ15に翻訳文を要求する(ステップS95)。具体的には該要求は、表示しようとするウェブページのURLと、ユーザ端末のIPアドレスを格納サーバ15に送信することで行なう。
【0031】
該要求を受けた格納サーバ15の処理を図9に従い説明する。格納サーバ15は、ウェブページのURLとユーザ端末のIPアドレスとを受信すると(ステップS110)、格納サーバ15は該IPアドレスを用いて認証作業を行なう。ソフトデータベース120と契約データベース125を検索し(ステップS115)、どちらのデータベース内にもIPアドレスが存在しないときは(ステップS120)、該要求は翻訳システム10の利用ができないユーザ端末からの要求であると判断する。先述したように、ソフトデータベース120あるいは契約データベース125に登録していないユーザ端末では、本来は表示プログラムが使えないが、表示プログラムをコピーされる場合などに備えて、このような認証作業を行なう。このような要求がきた場合は、要求不可の信号を該IPアドレス宛に送信する(ステップS130)。
【0032】
一方、どちらかのデータベース内にIPアドレスが存在したときは(ステップS120)、該要求は翻訳システム10の利用ができるユーザ端末からの要求であると判断し、要求された翻訳文を送信するために、ウェブページのURLで翻訳データベース115を検索する(ステップS125)。該検索は、図5のヘッダ部分を検索することで行なう。そして、該当した原文と翻訳文をユーザ端末に送信する(ステップS130)。図8に戻って説明する。原文と翻訳文を受信したユーザ端末は(ステップS100)、受信した内容を表示する(ステップS105)。
【0033】
以上説明した第一実施例によれば、翻訳システム10で翻訳文を提供する対象となったウェブページの翻訳文を、ユーザ端末で新たに翻訳することなく、すでに翻訳され保有された翻訳文を受け取って、ユーザ端末で表示することができる。このため、通常翻訳ソフトで翻訳して表示するよりも速く表示することが可能となる。また、一度翻訳ソフトで翻訳したウェブページの翻訳文が正確かどうか確認し、より正しい翻訳文に修正しているので、該ウェブページに関しては翻訳ソフトが訳出した翻訳文より正しい翻訳文を表示させることが可能となる。そして、その際、新しい単語や言い回しが出てきた場合は、その翻訳例文や単語などを適宜翻訳辞書108に反映させることにより、該翻訳辞書108を用いて、より正確な翻訳文を作成することが可能となる。
【0034】
更に、翻訳を行なう前に、翻訳することが必要かどうか判断することにより、無駄な翻訳処理を省くことができる。一方、翻訳することを要求したユーザ端末が、翻訳システム10を利用することが可能かどうか認証を行なうことによっても無駄な処理を省くことができる。
【0035】
<第二実施例>
第二実施例では、第一実施例の構成に加えて、ソフトユーザ端末35で翻訳したウェブページの翻訳文もネットワーク上で利用する構成を備える。図10は、第二実施例の全体構成を表した説明図である。第一実施例の全体構成図である図1と比較すると、ユーザ端末がサポートデータベース110を保有していない点と、格納サーバ15がキャッシュ130を保有している点で相違することが分かる。ここでいうキャッシュ130は、以下のような働きをしている。ソフトユーザ端末35ではインストールされている翻訳ソフトを用いてウェブページを翻訳する。ソフトユーザ端末35は、翻訳した時点で、翻訳対象となったウェブページのURLと原文と翻訳時刻とを一括して格納サーバ15に送信する。格納サーバ15は該送信を受けて、それらのデータを1レコードとしてキャッシュ130に保存する。保存形式は翻訳データベース115保存形式(図5参照)と同じである。キャッシュ130は、容量が決まっており、容量がいっぱいになったときには古いレコードから削除する。そして、新しいレコードを空いたスペースに保存する。キャッシュ130に保存する原文と翻訳文は、ウェブページのすべてのデータ(イメージも含める)を保存しても良いが、保存スペースを少なくするために、テキストのみを保存しておいて、再レイアウトして表示するということも可能である。
【0036】
第二実施例では、ソフトユーザはキャッシュ130の翻訳文を必要とするかどうか選択することができる。翻訳データベース115に保存された翻訳文は正しいことが保障されている。しかし、キャッシュ130の翻訳文は、ユーザが独自に条件を設定した翻訳ソフトでユーザの翻訳辞書108を用いて翻訳したものであるから、そのような翻訳文は必要としないソフトユーザがいることも考えられる。よって、翻訳ソフトの設定画面で、キャッシュ130に一時的に保有される他人の翻訳結果を利用するか否かの選択ができるようにしておく。
【0037】
また、第二実施例では、ソフトユーザ端末35の表示プログラムと、契約ユーザ端末37の表示プログラムは異なる。よって、ソフトデータベース120あるいは契約データベース125へのユーザ登録の際には、それぞれの表示プログラムを送信する。
【0038】
ユーザ端末で翻訳文を表示する処理全体は、図11と図12に示されている。図11はユーザ端末での処理で、図12は格納サーバ15の処理である。図11は第二実施例での表示プログラムの処理を示している。ユーザ端末において、インターネットのブラウザでウェブページを表示しようとする際、ブラウザに組み込まれた表示プログラムは、入力されたURLとユーザ端末のIPアドレスとを格納サーバ15に送信する(ステップS110)。ソフトユーザの表示プログラムの場合は、先述したキャッシュ130の翻訳文を必要とするかどうかの選択状況(以下、キャッシュ130選択状況とよぶ)も送信する(ステップS110)。キャッシュ130選択状況は、キャッシュ130の翻訳文を必要とするなら「必要」、不必要なら「不必要」という値をとる。契約ユーザの表示プログラムの場合は、契約ユーザ端末37が翻訳ソフトを保有していないので、常にキャッシュ130選択状況を「必要」にして送信する(ステップS110)。このようにユーザ端末から指定のURLの翻訳文を要求する。
【0039】
該要求を受けた格納サーバ15の処理を図12のフローチャートに示す。該要求を受けた格納サーバ15は(ステップS160)、第一実施例と同様、ソフトデータベース120と契約データベース125の検索を行なう(ステップS165)。そして、該要求をしたユーザ端末が翻訳システム10の使用が不可能なユーザ端末であるとき(ステップS170)、要求不可の信号を送信する(ステップS220)。該要求をしたユーザ端末が、翻訳システム10の使用が可能なユーザ端末であるとき(ステップS170)、次の処理に進む。
【0040】
まず、指定のURLに相当するウェブページのURLを翻訳データベース115のヘッダ部分から検索する(ステップS172)。相当するデータが存在したときは(ステップS180)、そのレコードの原文と翻訳文を、ユーザ端末のIPアドレス宛に送信する(ステップS225)。相当するデータが存在しないときには(ステップS180)、キャッシュ130の翻訳文をユーザ端末で必要としているかどうか調べるために、送信されたキャッシュ130選択状況を参照する。キャッシュ130選択状況が「不必要」である場合は(ステップS190)、翻訳文がない旨を送信する(ステップS220)。
【0041】
キャッシュ130選択状況が「必要」である場合は(ステップS190)、キャッシュ130に必要とする翻訳文が存在するかどうか検索する(ステップS195)。検索はURLで行なう。キャッシュ130に翻訳文が存在しない場合(ステップS200)、翻訳文がない旨を送信する(ステップS220)。存在した場合は(ステップS200)、現時点のウェブページが、翻訳をした時点から更新されていないかどうか調べる。そのために格納サーバ15は、該レコードのヘッダ部分のURLに相当するウェブページをダウンロードし、該レコードの原文と比較する。比較して、更新されていることが分かった場合は(ステップS215)、翻訳文がない旨を送信する(ステップS220)。ウェブページの更新時刻は、該ウェブページのWWWサーバ40に問い合わせれば教えてくれる場合もある。WWWサーバ40が更新時刻を教えてくれる場合は、更新時刻とヘッダ部分の翻訳時刻を比較し、更新時刻のほうが遅い場合は(ステップS215)、翻訳文がない旨を送信する(ステップS220)。現時点のウェブページが、翻訳をした時点から更新されていない場合は(ステップS215)、該レコードの翻訳文と原文をユーザ端末のIPアドレス宛に送信する(ステップS225)。
【0042】
格納サーバ15からの送信を受けたユーザ端末の処理を、再び図11に戻り説明する。格納サーバ15からの送信を受けたユーザ端末は(ステップS115)、受信した内容が翻訳文と原文であるか、要求不可の信号あるいは翻訳文がない旨の通知であるかによって処理の内容を変える。翻訳文と原文を受信した場合は(ステップS120)、受信した内容を画面に表示する(ステップS155)。受信した内容が要求不可の信号あるいは翻訳文がない旨の通知であるときは、原文をそのまま表示する(ステップS130)。ソフトユーザは、原文で表示された際は、端末にインストールされた翻訳ソフトで翻訳することができる。その翻訳文は、上記の処理により格納サーバ15に送信される。
【0043】
以上説明した第二実施例によれば、第一実施例と同様な作用効果を奏する上、更に、ソフトユーザ端末35で翻訳された翻訳文も利用することにより、翻訳端末20や確認端末25を使用することなしに、より広範囲のウェブページの翻訳文を提供することが可能である。さらに、ソフトユーザに関しては、他のソフトユーザ端末35で翻訳された翻訳文を必要とするかどうか選択させることにより、他人の翻訳結果を利用する速度優先の設定か、自己の翻訳辞書108を利用する設定かを使い分けすることができる。
【0044】
<第三実施例>
第三実施例では、第二実施例に加えて、翻訳文を要求される頻度の高いウェブページは、翻訳端末20での翻訳対象に加える機能をもたせた。つまり、ユーザ端末で表示を要求されるが、翻訳データベース115内に存在しないことの多いウェブページのうち英語で書かれたウェブページをサポートデータベース110に登録するのである。該頻度を調べるために、格納サーバ15はログデータベース135を保有する。ログデータベース135には、ウェブページの「URL」と「頻度」が1レコードとして登録されている。
【0045】
第三実施例のシステム全体構成図を図13に示した。図13を第二実施例のシステム全体構成図である図10と比較すると、格納サーバ15がログデータベース135を保有する点で異なる。以下、翻訳文を要求された際の格納サーバ15の処理を、図12のフローチャートを用いて説明する。格納サーバ15は、ユーザ端末指定のURLを翻訳データベース115のヘッダ部分から検索する(ステップS172)。そして、該当するデータが存在しないときに(ステップS175)、ログデータベース135を書き換える。翻訳端末20で翻訳をしていないが、ユーザ端末からは翻訳文の要求があるものを数え上げるためである。新規にログデータベース135に該ウェブページに相当する情報を登録する場合は、「URL」を追加して、「頻度」を値1とする。新規でない場合は、該ウェブページに相当するレコードの「頻度」に値1を加える。
【0046】
翻訳システム10の管理者は定期的にログデータベース135を調べ、頻度が高くて英語で表記されているウェブページを、サポートデータベース110に登録する。頻度が高くて日本語で表記されているウェブページは、ログデータベース135から削除しておく。なお、この処理は格納サーバ15内にプログラムを用意し、該プログラムを定期的に動作させて実現してもよい。
【0047】
以上説明した第三実施例によれば、第一実施例および第二実施例と同様な作用効果を奏する上、更に、翻訳文を要求される頻度の高いウェブページを翻訳端末20での翻訳対象に加えることで、よりユーザが必要とするウェブページの翻訳文を提供することが可能となる。しかも、その翻訳文は確認端末25で確認済みであるので、より正確な翻訳文となる。
【0048】
<第四実施例>
第四実施例では、第一実施例,第二実施例,第三実施例それぞれの処理に加えて、次の処理を行なう。先述したように、確認端末25では、新しい単語や言い回しが出てきた場合に、その翻訳例文や単語を翻訳辞書108に追加登録するが、それと同じ内容をソフトユーザ端末35の翻訳辞書108にも反映させる。そのために、確認端末25にもソフトデータベース120が設けられている。ソフトデータベース120は、料金サーバ30が管理している。料金サーバ30は、ソフトデータベース120に変更があった際には、格納サーバ15に変更点を送信するのと同時に、確認端末25にも変更点を送信する。図14は、第三実施例にこの機能を追加したシステム全体構成図である。
【0049】
確認端末25は、図6のステップS85において、翻訳辞書108の変更点を翻訳端末20に送信する際に、ソフトデータベース120を参照して、ソフトユーザ端末35にも該変更点を送信する。ソフトユーザ端末35では、ソフトユーザが独自に翻訳環境を設定している。具体的には、専門分野別辞書の設定状態(個別に使用か不使用かの設定が可能)の変更や、ユーザ専用辞書の活用により、翻訳辞書108はソフトユーザごとに設定可能である。その翻訳辞書108に、該変更点を反映させる。
【0050】
以上説明した第四実施例によれば、第一実施例および第二実施例および第三実施例と同様な作用効果を奏する上、更に、ソフトユーザ端末35での翻訳文も、より正確なものになるという効果が生じる。例えば、ウェブページをダウンロードした状態でのオフラインでの翻訳や、独自に作成したウェブページの翻訳も正確になる。また、ウェブページ以外の翻訳でも、特に重要な文書は原文が外部に漏出することを防ぐ必要があるため、オフラインで翻訳するが、このような翻訳の際にも正確な翻訳ができる。
【0051】
<第五実施例>
第五実施例では、第一実施例,第二実施例,第三実施例,第四実施例それぞれの処理に加えて、次の処理を行なう。先述したように、確認端末25では、新しい単語や言い回しが出てきた場合に、その翻訳例文や単語を翻訳辞書108に追加登録するが、その際に、ウェブページ固有の単語や英文表記を登録する場合は、ウェブページのURLも併せて登録する。つまり、翻訳辞書108の1レコードは、この場合英単語と日本語訳とURL、あるいは英文と日本語訳とURLとなる。登録するのが、ウェブページ固有の単語や英文表記ではない場合は、「URL」の欄は空白にしておく。図15は、第五実施例における翻訳辞書108の構成を示す説明図である。
【0052】
実際に翻訳端末20が翻訳をする際には、まず英単語あるいは英文で翻訳辞書108を検索する。該当したレコードのURL欄が空白ではなく、かつ表記されているURLが今翻訳対象となっているウェブページのURLでない場合は、そのレコードに関しては該当しなかったものとみなして、翻訳に使用しない。該当したレコードのURL欄が空白、あるいは表記されているURLが今翻訳対象となっているウェブページのURLである場合は、そのレコードの日本語訳を翻訳に使用する。
【0053】
以上説明した第五実施例によれば、第一実施例および第二実施例および第三実施例および第四実施例と同様な作用効果を奏する上、更に、個々のウェブページの個性にあった日本語訳を提供することができる。
【0054】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、更に様々な形態で実施しうることは勿論である。例えば、第二実施例においては、ユーザ端末側でサポートデータベース110を保有していないが、保有する構成にすることも可能である。その際には、まずユーザ端末側で翻訳文が翻訳データベース115に存在するか調べることができる。そして、存在しないことが分かった場合は、キャッシュ130選択状況を「必要」としたソフトユーザ端末35と契約ユーザ端末37のみが格納サーバ15のキャッシュ130を調べに行なくという設定にすることも可能である。また、ソフトユーザ端末35においては、格納サーバ15に翻訳文を要求すると同時に、自己が保有する翻訳ソフトで翻訳を行ない、速く得られた翻訳結果を表示する構成にすることもできる。
【0055】
また、第五実施例では、翻訳辞書108の1レコードを英単語と日本語訳とURL、あるいは英文と日本語訳とURLとしたが、ウェブページ毎に固有の辞書を用意してもよい。この場合は、まず翻訳対象のウェブページのURLで固有の辞書を検索し、固有の辞書が存在すれば、該辞書を用いて翻訳する。固有の辞書が存在しなければ、標準辞書を用いて翻訳する。あるいは、タイプ別(例えば、フォーマル,カジュアルやニュース,生活,通販など)の翻訳辞書108を用意し、翻訳対象のウェブページのタイプにより、翻訳辞書108を使い分けるようにしてもよい。
【0056】
更に、翻訳システム10に、英文から日本語の文への翻訳に限らず、日本語の文から英文への翻訳を行なわせるようにすることもできるし、他の言語間の翻訳を行なわせるようにすることもできる。また、多言語間の翻訳も実行できるようにし、ユーザが翻訳後の言語を選択することで該言語の翻訳結果を得ることができるようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】第一実施例における翻訳システム10の全体構成を示す説明図である。
【図2】格納サーバ15の内部構成を示す説明図である。
【図3】第一実施例における翻訳端末20の処理を示すフローチャートである。
【図4】第一実施例における格納サーバ15の処理を示すフローチャートである。
【図5】格納サーバ15における翻訳文の保存形式を示す説明図である。
【図6】第一実施例における確認端末25の処理を示すフローチャートである。
【図7】ソフトデータベース120と契約データベース125を示す説明図である。
【図8】第一実施例におけるソフトユーザ端末35または契約ユーザ端末37の処理を示すフローチャートである。
【図9】第一実施例における翻訳文を要求された際の格納サーバ15の処理を示すフローチャートである。
【図10】第二実施例における翻訳システム10の全体構成を示す説明図である。
【図11】第二実施例におけるソフトユーザ端末35または契約ユーザ端末37の処理を示すフローチャートである。
【図12】第二実施例における翻訳文を要求された際の格納サーバ15の処理を示すフローチャートである。
【図13】第三実施例における翻訳システム10の全体構成を示す説明図である。
【図14】第四実施例における翻訳システム10の全体構成を示す説明図である。
【図15】第五実施例における翻訳辞書108の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0058】
10…翻訳システム、15…格納サーバ、20…翻訳端末、25…確認端末、30…料金サーバ、35…ソフトユーザ端末、37…契約ユーザ端末、40…WWWサーバ、45…ルータ、50…ネットワークインターフェース、55…CPU、60…ROM、65…RAM、70…タイマ、75…ハードディスク、80…表示回路、85…入力インターフェース、90…モニタ、95…マウス、100…キーボード、105…更新データベース、108…翻訳辞書、110…サポートデータベース、115…翻訳データベース、120…ソフトデータベース、125…データベース、130…キャッシュ、135…ログデータベース。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続された翻訳装置と、該翻訳装置を利用して翻訳結果を表示するクライアントからなる翻訳システムであって、
前記翻訳装置は、
定期的に、ネットワーク上の複数のウェブページの翻訳を、少なくとも予め記憶している辞書と文法規則を参照して行なう翻訳部と、
前記翻訳部が翻訳した翻訳結果を格納しておく格納部と、
前記クライアントが行なう、所定のウェブページの翻訳結果の要求を受信する要求受信部と、
前記要求受信部が受信した要求に相当し、前記格納部に存在するウェブページの翻訳結果を検索する検索部と、
前記検索部が検索した翻訳結果が存在すれば、該翻訳結果を前記格納部から読み出して、前記クライアントに送信する要求送信部と
を備え、
前記クライアントは、
前記所定のウェブページの翻訳結果を表示しようとする際、前記翻訳装置に該ウェブページの前記翻訳結果を要求する要求部と、
前記要求送信部が送信した翻訳結果を受信する結果受信部と、
前記結果受信部が受信した翻訳結果を表示する表示部と
を備えた翻訳システム。
【請求項2】
請求項1記載の翻訳システムであって、
前記翻訳装置は、前記翻訳部が翻訳した翻訳結果を校正し、該校正した翻訳結果を前記格納部に格納する校正部を備えた翻訳システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の翻訳システムであって、
前記翻訳装置は、所定のウェブページが更新されているときには前記翻訳部に該ウェブページの翻訳を行なわせる判断部を備えた翻訳システム。
【請求項4】
前記翻訳受信部が受信した翻訳結果を必要に応じて翻訳した内容を前記辞書に適宜出力する出力部を備えた請求項2ないし請求項3のいずれか記載の翻訳システム。
【請求項5】
前記要求受信部が要求を受信した際、該要求をしたクライアントが本システムを利用することが可能かどうかの認証を行なう請求項1ないし請求項4のいずれか記載の翻訳システム。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか記載の翻訳システムであって、
前記翻訳装置は、
前記クライアントが翻訳した翻訳結果を受信する受信部と、
前記受信部が受信した翻訳結果を格納しておく翻訳格納部と、
ネットワーク上の他のクライアントの要求部から要求がきた際、該翻訳格納部を検索する翻訳検索部と、
前記検索部および/または前記翻訳検索部が検索した翻訳結果が存在すれば、前記検索部が検索した翻訳結果を優先して前記他のクライアントに送信する翻訳送信部
を備え、
前記クライアントは、
前記翻訳送信部が送信した翻訳結果を受信する翻訳受信部と、
所定のウェブページの翻訳を行なう自己翻訳部と、
前記翻訳受信部が受信した翻訳結果を表示する翻訳表示部と、
前記自己翻訳部が翻訳した翻訳結果を前記翻訳装置に送信する送信部
を備えた翻訳システム。
【請求項7】
前記翻訳格納部に格納される回数が所定の回数以上のウェブページを、前記翻訳部の翻訳対象とする請求項6記載の翻訳システム。
【請求項8】
前記出力部が前記辞書に出力した内容を、前記クライアントの予め記憶している辞書にも出力する請求項4ないし請求項7のいずれか記載の翻訳システム。
【請求項9】
前記辞書に前記出力をする際、ウェブページの情報も併せて登録する請求項4ないし請求項8のいずれか記載の翻訳システム。
【請求項10】
ネットワークに接続された翻訳装置であって、
定期的に、ネットワーク上の複数のウェブページの翻訳を、少なくとも予め記憶している辞書と文法規則を参照して行なう翻訳部と、
前記翻訳部が翻訳した翻訳結果を格納しておく格納部と、
所定のウェブページの翻訳結果の要求を受信する要求受信部と、
前記要求受信部が受信した要求に相当し、前記格納部に存在するウェブページの翻訳結果を検索する検索部と、
前記検索部が検索した翻訳結果が存在すれば、該翻訳結果を前記格納部から読み出して送信する要求送信部とを備えた翻訳装置。
【請求項11】
ネットワークに接続されて、所定のウェブページの翻訳を行ない、その翻訳結果を表示するクライアントであって、
前記所定のウェブページの翻訳結果を表示しようとする際、該ウェブページの翻訳結果をネットワークを介して要求する要求部と、
前記要求部の要求により、送信された翻訳結果を受信する結果受信部と、
前記結果受信部が翻訳結果を受信できなかった場合には、該ウェブページの翻訳を行なう翻訳実行部と、
前記結果受信部が受信した翻訳結果または前記翻訳実行部が翻訳した翻訳結果を表示する表示部とを備えたクライアント。
【請求項12】
ネットワークに接続された翻訳装置と、該翻訳装置を利用して翻訳結果を表示するクライアントにより行なわれる翻訳方法であって、
定期的に、ネットワーク上の複数のウェブページの翻訳を、少なくとも予め記憶している辞書と文法規則を参照して行ない、
該翻訳した翻訳結果を保存し、
所定のウェブページの翻訳結果の要求を受信し、
該受信した要求により、格納されている前記所定のウェブページの翻訳結果を検索し、
該検索により翻訳結果が存在すれば、該翻訳結果を送信し、
前記所定のウェブページの翻訳結果を表示しようとする際、該ウェブページの翻訳結果を要求し、
該要求に応じて送信された翻訳結果を受信し、
該受信した翻訳結果を表示する翻訳方法。
【請求項13】
ネットワークに接続されたコンピュータに読み取り可能な形態で、記録媒体に記録されたプログラムであって、
定期的に、ネットワーク上の複数のウェブページの翻訳を、少なくとも予め記憶している辞書と文法規則を参照して行なう機能と、
該翻訳した翻訳結果を格納する機能と、
所定のウェブページの翻訳結果の要求を受信する機能と、
該受信した要求により、格納されている前記所定のウェブページの翻訳結果を検索する機能と、
該検索により翻訳結果が存在すれば、該翻訳結果を送信する機能と
をコンピュータにより実現するプログラム。
【請求項14】
請求項13記載のプログラムを記録した記録媒体。
【請求項15】
ネットワークに接続されて、所定のウェブページの翻訳を行ない、その翻訳結果を表示するクライアントとして機能する仕組みを備えたコンピュータに読み取り可能な形態で、記録媒体に記録されたプログラムであって、
前記所定のウェブページの翻訳結果を表示しようとする際、該ウェブページの翻訳結果をネットワークを介して要求する機能と、
該要求により、送信された翻訳結果を受信する機能と、
該翻訳結果を受信できなかった場合には、該ウェブページの翻訳を行なう機能と、
該受信した翻訳結果または該翻訳した翻訳結果を表示する機能とをコンピュータにより実現するプログラム。
【請求項16】
請求項15記載のプログラムを記録した記録媒体。
【請求項1】
ネットワークに接続された翻訳装置と、該翻訳装置を利用して翻訳結果を表示するクライアントからなる翻訳システムであって、
前記翻訳装置は、
定期的に、ネットワーク上の複数のウェブページの翻訳を、少なくとも予め記憶している辞書と文法規則を参照して行なう翻訳部と、
前記翻訳部が翻訳した翻訳結果を格納しておく格納部と、
前記クライアントが行なう、所定のウェブページの翻訳結果の要求を受信する要求受信部と、
前記要求受信部が受信した要求に相当し、前記格納部に存在するウェブページの翻訳結果を検索する検索部と、
前記検索部が検索した翻訳結果が存在すれば、該翻訳結果を前記格納部から読み出して、前記クライアントに送信する要求送信部と
を備え、
前記クライアントは、
前記所定のウェブページの翻訳結果を表示しようとする際、前記翻訳装置に該ウェブページの前記翻訳結果を要求する要求部と、
前記要求送信部が送信した翻訳結果を受信する結果受信部と、
前記結果受信部が受信した翻訳結果を表示する表示部と
を備えた翻訳システム。
【請求項2】
請求項1記載の翻訳システムであって、
前記翻訳装置は、前記翻訳部が翻訳した翻訳結果を校正し、該校正した翻訳結果を前記格納部に格納する校正部を備えた翻訳システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の翻訳システムであって、
前記翻訳装置は、所定のウェブページが更新されているときには前記翻訳部に該ウェブページの翻訳を行なわせる判断部を備えた翻訳システム。
【請求項4】
前記翻訳受信部が受信した翻訳結果を必要に応じて翻訳した内容を前記辞書に適宜出力する出力部を備えた請求項2ないし請求項3のいずれか記載の翻訳システム。
【請求項5】
前記要求受信部が要求を受信した際、該要求をしたクライアントが本システムを利用することが可能かどうかの認証を行なう請求項1ないし請求項4のいずれか記載の翻訳システム。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか記載の翻訳システムであって、
前記翻訳装置は、
前記クライアントが翻訳した翻訳結果を受信する受信部と、
前記受信部が受信した翻訳結果を格納しておく翻訳格納部と、
ネットワーク上の他のクライアントの要求部から要求がきた際、該翻訳格納部を検索する翻訳検索部と、
前記検索部および/または前記翻訳検索部が検索した翻訳結果が存在すれば、前記検索部が検索した翻訳結果を優先して前記他のクライアントに送信する翻訳送信部
を備え、
前記クライアントは、
前記翻訳送信部が送信した翻訳結果を受信する翻訳受信部と、
所定のウェブページの翻訳を行なう自己翻訳部と、
前記翻訳受信部が受信した翻訳結果を表示する翻訳表示部と、
前記自己翻訳部が翻訳した翻訳結果を前記翻訳装置に送信する送信部
を備えた翻訳システム。
【請求項7】
前記翻訳格納部に格納される回数が所定の回数以上のウェブページを、前記翻訳部の翻訳対象とする請求項6記載の翻訳システム。
【請求項8】
前記出力部が前記辞書に出力した内容を、前記クライアントの予め記憶している辞書にも出力する請求項4ないし請求項7のいずれか記載の翻訳システム。
【請求項9】
前記辞書に前記出力をする際、ウェブページの情報も併せて登録する請求項4ないし請求項8のいずれか記載の翻訳システム。
【請求項10】
ネットワークに接続された翻訳装置であって、
定期的に、ネットワーク上の複数のウェブページの翻訳を、少なくとも予め記憶している辞書と文法規則を参照して行なう翻訳部と、
前記翻訳部が翻訳した翻訳結果を格納しておく格納部と、
所定のウェブページの翻訳結果の要求を受信する要求受信部と、
前記要求受信部が受信した要求に相当し、前記格納部に存在するウェブページの翻訳結果を検索する検索部と、
前記検索部が検索した翻訳結果が存在すれば、該翻訳結果を前記格納部から読み出して送信する要求送信部とを備えた翻訳装置。
【請求項11】
ネットワークに接続されて、所定のウェブページの翻訳を行ない、その翻訳結果を表示するクライアントであって、
前記所定のウェブページの翻訳結果を表示しようとする際、該ウェブページの翻訳結果をネットワークを介して要求する要求部と、
前記要求部の要求により、送信された翻訳結果を受信する結果受信部と、
前記結果受信部が翻訳結果を受信できなかった場合には、該ウェブページの翻訳を行なう翻訳実行部と、
前記結果受信部が受信した翻訳結果または前記翻訳実行部が翻訳した翻訳結果を表示する表示部とを備えたクライアント。
【請求項12】
ネットワークに接続された翻訳装置と、該翻訳装置を利用して翻訳結果を表示するクライアントにより行なわれる翻訳方法であって、
定期的に、ネットワーク上の複数のウェブページの翻訳を、少なくとも予め記憶している辞書と文法規則を参照して行ない、
該翻訳した翻訳結果を保存し、
所定のウェブページの翻訳結果の要求を受信し、
該受信した要求により、格納されている前記所定のウェブページの翻訳結果を検索し、
該検索により翻訳結果が存在すれば、該翻訳結果を送信し、
前記所定のウェブページの翻訳結果を表示しようとする際、該ウェブページの翻訳結果を要求し、
該要求に応じて送信された翻訳結果を受信し、
該受信した翻訳結果を表示する翻訳方法。
【請求項13】
ネットワークに接続されたコンピュータに読み取り可能な形態で、記録媒体に記録されたプログラムであって、
定期的に、ネットワーク上の複数のウェブページの翻訳を、少なくとも予め記憶している辞書と文法規則を参照して行なう機能と、
該翻訳した翻訳結果を格納する機能と、
所定のウェブページの翻訳結果の要求を受信する機能と、
該受信した要求により、格納されている前記所定のウェブページの翻訳結果を検索する機能と、
該検索により翻訳結果が存在すれば、該翻訳結果を送信する機能と
をコンピュータにより実現するプログラム。
【請求項14】
請求項13記載のプログラムを記録した記録媒体。
【請求項15】
ネットワークに接続されて、所定のウェブページの翻訳を行ない、その翻訳結果を表示するクライアントとして機能する仕組みを備えたコンピュータに読み取り可能な形態で、記録媒体に記録されたプログラムであって、
前記所定のウェブページの翻訳結果を表示しようとする際、該ウェブページの翻訳結果をネットワークを介して要求する機能と、
該要求により、送信された翻訳結果を受信する機能と、
該翻訳結果を受信できなかった場合には、該ウェブページの翻訳を行なう機能と、
該受信した翻訳結果または該翻訳した翻訳結果を表示する機能とをコンピュータにより実現するプログラム。
【請求項16】
請求項15記載のプログラムを記録した記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−192162(P2008−192162A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−49340(P2008−49340)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【分割の表示】特願2007−191277(P2007−191277)の分割
【原出願日】平成14年4月22日(2002.4.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【分割の表示】特願2007−191277(P2007−191277)の分割
【原出願日】平成14年4月22日(2002.4.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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