説明

耐光性部材

【課題】薄肉部分を有する耐光性部材において、薄肉部分で耐光性を向上させ、長期信頼性を高める。
【解決手段】薄肉部分の液晶ポリエステルは、以下の式(1)、(2)および(3)で示される構造単位からなる。式(1)、(2)および(3)に含まれる2価の芳香族基Ar1 、Ar2 およびAr3 の合計を100モル%とするとき、2,6−ナフタレンジイル基が25モル%以上含まれている。また、流動開始温度が280℃以上である。
(1)−O−Ar1 −CO−
(2)−CO−Ar2 −CO−
(3)−O−Ar3 −O−
(式中、Ar1 は、2,6−ナフタレンジイル基、1,4−フェニレン基および4,4’−ビフェニレン基からなる群から選ばれる1種以上の基を表す。Ar2 、Ar3 は、それぞれ独立に、2,6−ナフタレンジイル基、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基および4,4’−ビフェニレン基からなる群から選ばれる1種以上の基を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、重水素ランプ、タングステンランプ、発光ダイオードなど各種のランプの周辺に用いるに好適な耐光性部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶ポリエステル樹脂組成物は、電気的特性、機械的性質、加工性に優れていることから、各種の電気・電子分野で幅広く利用されている。その液晶ポリエステル樹脂組成物として耐光性に優れるものが知られており、プロジェクターランプ等のランプ周辺部材への使用が示唆されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
こうした液晶ポリエステル樹脂組成物においては、キセノンランプ照射下において液晶ポリエステルが劣化することが知られているが、成形体の表面荒れやランプ内の曇り等に問題がなければ、種々の液晶ポリエステルが使用できると考えられてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−213418号公報(段落〔0038〕の欄)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年、電気・電子分野において、製品の小型化や長寿命化が進んでいることから、これらの製品に使用される部品(成形品)の薄肉化および長期信頼性が望まれていた。
【0006】
そこで、本発明は、このような事情に鑑み、薄肉部分で耐光性に優れ、長期信頼性の高い耐光性部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために、本発明者が鋭意検討したところ、特定の構造を有する液晶ポリエステルが、薄肉部分において高い強度保持率を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、請求項1に記載の発明は、液晶ポリエステルを射出成形して得られる厚さ1.5mm以下の薄肉部分を有する耐光性部材であって、前記液晶ポリエステルは、以下の式(1)、(2)および(3)で示される構造単位からなり、これらの式(1)、(2)および(3)に含まれる2価の芳香族基Ar1 、Ar2 およびAr3 の合計を100モル%とするとき、これらの芳香族基の中で2,6−ナフタレンジイル基が25モル%以上含まれ、かつ流動開始温度が280℃以上である耐光性部材としたことを特徴とする。
(1)−O−Ar1 −CO−
(2)−CO−Ar2 −CO−
(3)−O−Ar3 −O−
(式中、Ar1 は、2,6−ナフタレンジイル基、1,4−フェニレン基および4,4’−ビフェニレン基からなる群から選ばれる1種以上の基を表す。Ar2 、Ar3 は、それぞれ独立に、2,6−ナフタレンジイル基、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基および4,4’−ビフェニレン基からなる群から選ばれる1種以上の基を表す。なお、Ar1 、Ar2 、Ar3 は、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を置換基として有していてもよい。)
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記薄肉部分の厚さが、1.0mm以下であることを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の構成に加え、前記液晶ポリエステル中の芳香族基Ar1 、Ar2 およびAr3 の合計を100モル%とするとき、これらの芳香族基の中で2,6−ナフタレンジイル基が40モル%以上含まれていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の構成に加え、無機フィラーが含まれていることを特徴とする。
【0012】
さらに、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の構成に加え、前記無機フィラーがガラス繊維であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、耐光性部材の薄肉部分を構成する液晶ポリエステルの構造を特定したので、薄肉部分の強度保持率が高くなることから、薄肉部分で耐光性に優れ、長期信頼性の高い耐光性部材を提供することができる。また、薄肉部分の液晶ポリエステルについて、その流動開始温度の下限を規定したので、耐光性部材の耐熱性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1に係る耐光性部材が組み込まれた液晶プロジェクターを示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
[発明の実施の形態1]
【0016】
図1には、本発明の実施の形態1を示す。この実施の形態1では、液晶プロジェクター1のランプホルダー32に本発明が適用されている。
【0017】
この実施の形態1に係る液晶プロジェクター1は、図1に示すように、樹脂製のケーシング2を有しており、ケーシング2内には、光源ユニット3、光学ユニット5および投写レンズ6が光路に沿って順に並ぶ形で配置されている。
【0018】
この光源ユニット3は、ランプ31、ランプホルダー32およびインテグレーター33から構成されている。ここで、ランプ31はランプホルダー32によってケーシング2に固定されており、インテグレーター33は、ランプ31から光学ユニット5に向けて出射される光の照度均一性を高めうるように、ランプ31の前方(図1右方)に設置されている。
【0019】
また、光学ユニット5は、集光レンズ51、液晶パネル52および2枚の偏光板53、54から構成されている。ここで、集光レンズ51はインテグレーター33の前方(図1右方)に設置されており、液晶パネル52は、2枚の偏光板53、54に挟まれた形で集光レンズ51の前方(図1右方)に設置されている。
【0020】
さらに、投写レンズ6は、液晶パネル52に表示される画像を拡大して投写しうるように、光学ユニット5の前方(図1右方)に設置されている。
【0021】
ところで、光源ユニット3のランプホルダー32は、サーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれる液晶ポリエステルから形成されている。この液晶ポリエステルは、以下の式(1)、(2)および(3)で示される構造単位からなり、これらの式(1)、(2)および(3)に含まれる2価の芳香族基Ar1 、Ar2 およびAr3 の合計を100モル%とするとき、これらの芳香族基の中で2,6−ナフタレンジイル基が25モル%以上(好ましくは40モル%以上、さらに好ましくは50モル%以上)含まれ、かつ流動開始温度が280℃以上のものであり、450℃以下の温度で異方性溶融体を形成する。
(1)−O−Ar1 −CO−
(2)−CO−Ar2 −CO−
(3)−O−Ar3 −O−
(式中、Ar1 は、2,6−ナフタレンジイル基、1,4−フェニレン基および4,4’−ビフェニレン基からなる群から選ばれる1種以上の基を表す。Ar2 、Ar3 は、それぞれ独立に、2,6−ナフタレンジイル基、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基および4,4’−ビフェニレン基からなる群から選ばれる1種以上の基を表す。なお、Ar1 、Ar2 、Ar3 は、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を置換基として有していてもよい。)
【0022】
ここで、流動開始温度とは、内径1mm、長さ10mmのダイスを取り付けた毛細管型レオメーターを用い、9.8MPa(100kgf/cm2 )の荷重下において昇温速度4℃/分で液晶ポリエステルをノズルから押し出すときに、溶融粘度が4800Pa・s(48000ポアズ)を示す温度である(例えば、小出直之編「液晶ポリマー−合成・成形・応用−」第95〜105頁、シーエムシー、1987年6月5日発行を参照)。
【0023】
このように、光源ユニット3のランプホルダー32は、前記の式(1)、(2)および(3)で示される構造単位からなる液晶ポリエステルにおいて、2価の芳香族基Ar1 、Ar2 およびAr3 の合計を100モル%とするとき、これらの芳香族基の中で2,6−ナフタレンジイル基が25モル%以上の液晶ポリエステルから成形されているので、ランプホルダー32の薄肉部分(図示せず)の強度低下を抑制することができるため、この薄肉部分で耐光性を向上させ、長期信頼性を高めることができる。
【0024】
また、光源ユニット3のランプホルダー32は、その成形材料である液晶ポリエステルの流動開始温度が280℃以上であるため、耐熱性を向上させることができる。
【0025】
本発明で使用される液晶ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位が15〜35モル%、芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰り返し単位30〜70モル%および芳香族ジオールに由来する繰り返し単位15〜35モル%からなり、この芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位のうち、ナフタレンジカルボン酸に由来する繰り返し単位が75モル%以上のものが好ましい。
【0026】
さらに、ナフタレンジカルボン酸に由来する繰り返し単位が18.5〜30モル%であり、芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰り返し単位が40〜63モル%であり、かつ芳香族ジオールに由来する繰り返し単位が18.5〜30モル%であるものであれば、一層好ましい。
【0027】
液晶ポリエステルに含まれる繰り返し単位のうち、ナフタレンジカルボン酸に由来する繰り返し単位が35モル%を超えると、液晶ポリエステルの溶融粘度が上昇することから、液晶ポリエステルの成形性が低下する傾向があり、ナフタレンジカルボン酸が15モル%未満であると、耐光性が低下する傾向がある点で好ましくない。
【0028】
芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し単位のうち、ナフタレンジカルボン酸に由来する繰り返し単位が75モル%未満であると、耐光性が低下するので好ましくない。
【0029】
また、本発明の液晶ポリエステルを構成する構造単位である(1)、(2)および(3)の合計(以下、「全構造単位合計」と呼ぶことがある。)を100モル%とするとき、(1)で示される芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構造単位の合計が30〜80モル%、(2)で示される芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位の合計が10〜35モル%、(3)で示される芳香族ジオールに由来する構造単位の合計が10〜35モル%であることが好ましい。
【0030】
また、本発明に用いられる液晶ポリエステルは、全芳香族液晶ポリエステルであると好ましい。ここで、全芳香族液晶ポリエステルとは、前記のAr1 、Ar2 およびAr3 で示される2価の芳香族基同士がエステル結合(−C(O)O−)で連結されている樹脂であり、全構造単位合計に対する式(2)で示される構造単位の含有比率と式(3)で示される構造単位の含有比率とは実質的に等しくなる。全芳香族液晶ポリエステルは、耐熱性にも優れるため、ランプホルダー32の材料として好適に用いることができる。
【0031】
ここで、全構造単位合計に対する前記芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構造単位、前記芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位および前記芳香族ジオールに由来する構造単位の含有比率が前記の範囲であると、液晶ポリエステルが高度の液晶性を発現することに加えて、溶融加工性に優れるものとなるため好ましい。
【0032】
なお、全構造単位合計に対する前記芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構造単位は、40〜70モル%であると、より好ましく、45〜65モル%であると、とりわけ好ましい。一方、全構造単位合計に対する前記芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位および前記芳香族ジオールに由来する構造単位はそれぞれ、15〜30モル%であると、より好ましく、17.5〜27.5モル%であると、とりわけ好ましい。
【0033】
式(1)で示される構造単位を形成するモノマーとしては、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、p−ヒドロキシ安息香酸または4−(4−ヒドロキシフェニル)安息香酸が挙げられ、さらに、これらのベンゼン環またはナフタレン環の水素原子が、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基またはアリール基で置換されているモノマーも挙げられる。ここで、本発明の2,6−ナフタレンジイル基を有する構造単位を形成するモノマーとしては、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸であり、さらに2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸のナフタレン環の水素原子が、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基またはアリール基で置換されていてもよい。さらに、後述のエステル形成性誘導体にして用いてもよい。
【0034】
式(2)で示される構造単位を形成するモノマーとしては、2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸またはビフェニル−4,4’−ジカルボン酸が挙げられ、さらに、これらのベンゼン環またはナフタレン環の水素原子が、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基またはアリール基で置換されているモノマーも挙げられる。ここで、本発明の2,6−ナフタレンジイル基を有する構造単位を形成するモノマーとしては、2,6−ナフタレンジカルボン酸であり、さらに2,6−ナフタレンジカルボン酸のナフタレン環の水素原子が、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基またはアリール基で置換されていてもよい。さらに、後述のエステル形成性誘導体にして用いてもよい。
【0035】
式(3)で示される構造単位を形成するモノマーとしては、2,6−ナフトール、ハイドロキノン、レゾルシンまたは4,4’−ジヒドロキシビフェニルが挙げられ、さらに、これらのベンゼン環またはナフタレン環の水素原子が、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基またはアリール基で置換されているモノマーも挙げられる。ここで、本発明の2,6−ナフタレンジイル基を有する構造単位を形成するモノマーとしては、2,6−ナフトールであり、さらに2,6−ナフトールのナフタレン環の水素原子が、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基またはアリール基で置換されていてもよい。さらに、後述のエステル形成性誘導体にして用いてもよい。
【0036】
前述したように、式(1)、(2)または(3)で示される構造単位はいずれも、芳香環(ベンゼン環またはナフタレン環)に前記の置換基(ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基)を有していてもよい。これらの置換基を例示すると、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。また、炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などで代表されるアルキル基であり、これらは直鎖でも分岐していもよく、脂環基でもよい。さらに、アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基などで代表される炭素数6〜20のアリール基が挙げられる。
【0037】
前記の式(1)、(2)または(3)で示される構造単位を形成するモノマーは、ポリエステルを製造する過程で重合を容易にするため、エステル形成性誘導体を用いることが好ましい。このエステル形成性誘導体とは、エステル生成反応を促進するような基を有するモノマーを示し、具体的に例示すると、モノマー分子内のカルボン酸基を酸ハロゲン化物、酸無水物に転換したエステル形成性誘導体や、モノマー分子内のヒドロキシル基(水酸基)を低級カルボン酸エステル基にしたエステル形成性誘導体などの高反応性誘導体が挙げられる。
【0038】
本発明に用いられる液晶ポリエステルの好ましいモノマーの組み合わせとしては、特開2005−272810号公報に記載された液晶ポリエステルが、耐熱性とメルトテンション向上という観点から好ましい。具体的には、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸の繰り返し構造単位(I)が40〜74.8モル%、ハイドロキノンの繰り返し構造単位(II)が12.5〜30モル%、2,6−ナフタレンジカルボン酸の繰り返し構造単位(III)が12.5〜30モル%およびテレフタル酸の繰り返し構造単位(IV)が0.2〜15モル%であり、かつ(III)および(IV)で表される繰り返し構造単位のモル比が(III)/{(III)+(IV)}≧0.5の関係を満たすものである。
【0039】
より好ましくは、前記の(I)〜(IV)の繰り返し構造単位の合計に対して、(I)の繰り返し構造単位が40〜64.5モル%、(II)の繰り返し構造単位が17.5〜30モル%、(III)の繰り返し構造単位が17.5〜30モル%および(IV)の繰り返し構造単位が0.5〜12モル%であり、かつ(III)および(IV)で表される繰り返し構造単位のモル比が(III)/{(III)+(IV)}≧0.6を満足するものが挙げられる。
【0040】
さらに好ましくは、前記の式(I)〜(IV)の繰り返し構造単位の合計に対して、(I)の繰り返し構造単位が50〜58モル%、(II)の繰り返し構造単位が20〜25モル%、(III)の繰り返し構造単位が20〜25モル%および(IV)の繰り返し構造単位が2〜10モル%であり、かつ(III)および(IV)で表される繰り返し構造単位のモル比が(III)/{(III)+(IV)}≧0.6を満足するものが挙げられる。
【0041】
また、液晶ポリエステルの製造方法としては、公知の方法を採用することができるが、特に好ましくは、前記のエステル形成性誘導体として、モノマー分子内のヒドロキシル基を低級カルボン酸を用いてエステル基に転換した誘導体を用いて製造することが好ましく、ヒドロキシル基をアシル基に転換することが特に好ましい。アシル化は、通常、ヒドロキシル基を有するモノマーを無水酢酸と反応させることで達成できる。こうしたアシル化によるエステル形成性誘導体は、脱酢酸重縮合により重合することができ、容易にポリエステルを製造することができる。
【0042】
前記の液晶ポリエステル製造方法としては、公知の方法(例えば、特開2002−146003号公報に記載された方法など)を適用することができるが、その分子量をさらに上げるため、例えば、この芳香族液晶ポリエステルを粉砕機にて粉砕してパウダーとし、これを不活性ガス雰囲気下で加温して固相状態で反応させる、いわゆる固相重合を行うことが好ましい。
【0043】
また、本発明に用いる液晶ポリエステルは、これに添加剤、熱可塑性樹脂などを配合して溶融混練することにより、液晶ポリエステル樹脂組成物とすることもできる。
【0044】
この添加剤としては、例えば、無機フィラー、フッ素樹脂、金属石鹸類等の離型改良剤、核剤、酸化防止剤、安定剤、可塑剤、着色防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、潤滑剤、難燃剤等が挙げられる。
【0045】
無機フィラーとしては、例えば、ミルドガラスファイバー、チョップドガラスファイバーなどのガラス繊維、ガラスビーズ、中空ガラス球、ガラス粉末、マイカ、タルク、クレー、シリカ、アルミナ、チタン酸カリウム、ウォラスナイト、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、硫酸ソーダ、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、けい酸カルシウム、けい砂、けい石、石英、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄グラファイト、モリブデン、アスベスト、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、石膏繊維、炭素繊維、カーボンブラック、ホワイトカーボン、けいそう土、ベントナイト、セリサイト、シラス、黒鉛などの無機充填剤、チタン酸カリウムウイスカ、アルミナウイスカ、ホウ酸アルミニウムウイスカ、炭化けい素ウイスカ、窒化けい素ウイスカなどの金属ウイスカ類または非金属ウイスカ類等が挙げられる。
【0046】
また、添加剤は、表面処理がなされたものであってもよい。表面処理剤としてはシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、ボラン系カップリング剤等の反応性カップリング剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸金属塩、フルオロカーボン系界面活性剤等の潤滑剤等が挙げられる。
【0047】
これら添加剤の使用量は、芳香族液晶ポリエステル100質量部に対し、通常、0.1〜400質量部の範囲であり、好ましくは、10〜400質量部、より好ましくは、10〜250質量部の範囲である。
【0048】
一方、熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂等が挙げられる。
【0049】
さらに、耐光性を向上させるためには、黒色顔料を使用することが好ましい。この黒色顔料としては、例えば、カーボンブラックにはファーネスブラック系、チャネルブラック系、ランプブラック系、アセチレンブラック系、ケッチェンブラック等が挙げられる。
【0050】
液晶ポリエステル樹脂組成物は、例えば一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、ニーダー等の混練機で芳香族液晶ポリエステル樹脂と熱可塑性樹脂、添加剤等とを溶融混練することにより製造できる。乳鉢、ヘンシェルミキサー、ボールミル、リボンブレンダー等の混合機を用いて液晶ポリエステル樹脂と熱可塑性樹脂、添加剤等とを混合した後に、上記したのと同様の混練機に供給して溶融混練する方法によっても液晶ポリエステル樹脂組成物を製造することができる。
【0051】
このようにして得られた液晶ポリエステル組成物は射出成形が好適である。射出成形して得られる成形体は、薄肉部分を有するような複雑な形状の成形体を得ることが比較的容易であり、本発明の液晶ポリエステル組成物を用いて射出成形によって得られる成形体は、電気・電子部品などに使用するうえで特に好ましい。
【0052】
次に、この射出成形の好適な成形条件について説明する。
【0053】
射出成形においては、まず、本発明の液晶ポリエステル組成物を加熱溶融させる。その際の溶融温度は、液晶ポリエステルの流動開始温度(TA)を基点とするか、既述のように、液晶ポリエステル組成物をペレット化して組成物ペレットにした場合は、この組成物ペレットの流動開始温度FT(℃)を基点にすればよい。組成物ペレットの流動開始温度FTを求めるには、既述の液晶ポリエステルの流動開始温度測定について説明したのと同じ方法が採用される。
【0054】
ここでは、組成物ペレットの液晶ポリエステル組成物を用いた場合を例にとり、射出成形について説明する。なお、この組成物ペレットは射出成形に用いる前に乾燥させておくことが好ましい。
【0055】
組成物ペレットの流動開始温度FT(℃)に対して、溶融温度は、[FT]℃以上[FT+70]℃以下が好ましい。そして、溶融せしめた液晶ポリエステル組成物は所望の形状のキャビティーを有する金型へと射出する。金型温度は0℃以上の温度に設定されたものを用いることができる。
【0056】
溶融温度が、FT(℃)よりも低い温度で射出成形すると、流動性が低く微細な形状において完全にキャビティーに充填することができなかったり、金型面への転写性が低く成形体表面が荒れたりする傾向がある点で、好ましくない。一方、溶融温度が、[FT+70]℃よりも高い温度で射出成形すると、成形機内で滞留する液晶ポリエステルの分解が生じ易くなって、得られる成形体に形状不良を生じたり、あるいは、脱ガスなどが発生しやすい成形体が得られたり、射出成形後、金型を開いて成形体を取り出す際にノズルから溶融樹脂が流れ出やすくなったりする。このような脱ガスが発生しやすい成形体では、この成形体を種々の部品に適用するうえで、ガスが悪影響を及ぼす傾向にあり、様々な用途に適用することが困難になることがある。また、金型を開いて成形体を取り出す際にノズルから溶融樹脂が流れ出るような場合、流れ出た溶融樹脂が、いわゆるバリとなって所望の形状の成形体が得られ難くなり、後工程でバリを除去する必要があるので成形体の生産性が低下するといった問題も生じる。このような不都合を良好に回避する点と、得られる成形体の安定性と成形加工性を考慮して、溶融温度は[FT+10]℃以上[FT+60]℃以下であることが好ましく、さらに、[FT+15]℃以上[FT+50]℃以下であることが一層好ましい。
【0057】
また、金型温度は前記のとおり、通常0℃以上に設定されるが、必ずしも限定されるものではなく、成形体の外観、寸法、機械物性、加工性や成形サイクルといった生産性を加味して決定される。一般的には40℃以上が好適である。金型温度が40℃を下回ると、連続成形した際の金型温度のコントロールが難しくなり、その温度ばらつきが成形体に悪影響を及ぼすことがある。また、金型温度は70℃以上であるとさらに好ましい。金型温度が70℃を下回ると、得られる成形体の表面平滑性が損なわれやすい傾向がある。表面平滑性を上げる観点からは、金型温度は高いほど有利であるが、高すぎると冷却効果が低下して冷却工程に要する時間が長くなるために生産性が低下するなどの問題が生じる。さらにいえば、金型温度を上げすぎると金型どうしの噛み合いが悪くなり、金型開閉時に金型が破損するという不都合が生じ易くなる。金型温度の上限も、前記組成物ペレットに含まれる液晶ポリエステルの分解を防止するために、適用する組成物ペレットの種類に応じて適宜最適化することが好ましく、50℃以上220℃以下の金型温度が好ましく、50℃以上200℃以下の金型温度がより好ましい。
[発明のその他の実施の形態]
【0058】
なお、上述した実施の形態1では、本発明を液晶プロジェクター1のランプホルダー32に適用した場合について説明したが、薄肉部分を有するものである限り、ランプホルダー32以外の耐光性部材に本発明を同様に適用することも可能である。特に、光に暴露されるランプソケット、レンズホルダー、コネクター等に本発明を好適に用いることができる。また、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、重水素ランプ、タングステンランプ、発光ダイオード等のランプの周辺部材や、自動車(四輪自動車、三輪自動車、自動二輪車など)のヘッドランプ、テールランプ、ポジションランプ等のランプの周辺部材、或いは、太陽光に暴露される周辺部材その他の用途に本発明を好適に用いることもできる。
【実施例】
【0059】
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
<比較例1>
【0060】
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却器を備えた反応器に、パラヒドロキシ安息香酸994.5g(7.2モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル446.9g(2.4モル)、テレフタル酸299.0g(1.8モル)、イソフタル酸99.7g(0.6モル)および無水酢酸1347.6g(13.2モル)を仕込み、1−メチルイミダゾールを0.2g添加し反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で30分かけて150℃まで昇温し、同温度(150℃)を保持して1時間還流させた。
【0061】
その後、副生酢酸や未反応の無水酢酸を留去しながら2時間50分かけて320℃まで昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了としてプレポリマーを得た。
【0062】
得られたプレポリマーを室温まで冷却し、粗粉砕機で粉砕した後、窒素雰囲気下、室温から250℃まで1時間かけて昇温し、250℃から285℃まで5時間かけて昇温し、285℃で3時間保持することで、固相重合を行った。このようにして得られた液晶ポリエステルを液晶ポリエステル1とする。
【0063】
こうして得られた液晶ポリエステル1に対して、ガラス繊維(セントラルガラス(株)製の「EFH75−01」)を所定の配合比率(質量比で液晶ポリエステル1:ガラス繊維=60:40)で配合した後、二軸押出機((株)池貝製のPCM−30)を用いて液晶ポリエステル樹脂組成物を得た。
<実施例1>
【0064】
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却器を備えた反応器に、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸1034.99g(5.5モル)、ハイドロキノン272.52g(2.475モル、0.225モル過剰仕込み)、2,6−ナフタレンジカルボン酸378.33g(1.75モル)、テレフタル酸83.07g(0.5モル)、無水酢酸1226.87g(12.0モル)および触媒として1−メチルイミダゾール0.17gを添加し、室温で15分間攪拌した後、攪拌しながら昇温した。内温が145℃となったところで、同温度(145℃)を保持したまま1時間攪拌した。
【0065】
次に、留出する副生酢酸、未反応の無水酢酸を留去しながら、145℃から310℃まで3時間30分かけて昇温した。同温度(310℃)で3時間保温して液晶ポリエステルを得た。得られた液晶ポリエステルを室温に冷却し、粉砕機で粉砕して、粒子径が約0.1〜1mmの液晶ポリエステルの粉末(プレポリマー)を得た。
【0066】
こうして得られた粉末を25℃から250℃まで1時間かけて昇温した後、同温度(250℃)から293℃まで5時間かけて昇温し、次いで、同温度(293℃)で5時間保温して固相重合させた。その後、固相重合した後の粉末を冷却し、液晶ポリエステルを粉末状で得た。このようにして得られた液晶ポリエステルを液晶ポリエステル2とする。
【0067】
こうして得られた液晶ポリエステル2に対して、ガラス繊維(セントラルガラス(株)製の「EFH75−01」)を所定の配合比率(質量比で液晶ポリエステル1:ガラス繊維=60:40)で配合した後、二軸押出機((株)池貝製のPCM−30)を用いて液晶ポリエステル樹脂組成物を得た。
<流動開始温度の測定>
【0068】
比較例1(液晶ポリエステル1)および実施例1(プレポリマー、液晶ポリエステル2)についてそれぞれ、流動開始温度を測定した。すなわち、高化式フローテスター((株)島津製作所製の「CFT−500型」)を用いて、4℃/minの昇温速度で加熱された樹脂を荷重9.8MPa(100kgf/cm2 )のもとで、内径1mm、長さ10mmのノズルから押し出したときに、溶融粘度が4800Pa・s(48000ポアズ)を示す温度を測定し、これを流動開始温度とした。
【0069】
その結果、比較例1の液晶ポリエステル1の流動開始温度は327℃であった。また、実施例1のプレポリマーおよび液晶ポリエステル2の流動開始温度は、それぞれ267℃および317℃であった。
<耐光性の評価>
【0070】
比較例1および実施例1の液晶ポリエステル樹脂組成物についてそれぞれ、耐光性を評価するため、所定の照射時間(100時間および300時間)だけ光を照射する前後で引張強度がどの程度保持されるかを求めた。
【0071】
すなわち、比較例1については、得られた樹脂組成物を射出成形機(日精樹脂工業(株)製のPS40E5ASE型)で350℃にて4種類の厚さの試験片(厚さ0.5mm、0.8mm、1.2mmのJIS K71131(1/2)号ダンベル、厚さ2.5mmのASTM(アメリカ材料試験協会)4号ダンベル)を成形した。このとき、初期強度(初期の引張強度)、100時間照射後の引張強度および300時間照射後の引張強度を測定すべく、各厚さの試験片ごとに3種類の試験片(第1〜3の試験片)を成形した。
【0072】
まず、第1の試験片を用いて、初期強度を測定した。測定方法は、厚さ0.5mm、0.8mm、1.2mmの3種類については、JIS K71131に準拠し、厚さ2.5mmの1種類については、ASTM D638に準拠した。
【0073】
また、第2の試験片に対して、促進耐候性試験機(スガ試験機(株)製の強エネルギーキセノンウェザーメーターSC700−WN)を用いて、以下の条件で100時間にわたってキセノン照射を行った。
波長:275nm以上の連続光(フィルターにより短波長側をカット)
強度:160W/m2 (ランプ出力)
温度:65℃(照射面と同位置のブラックパネル温度計により測定)
【0074】
その後、第1の試験片と同様の測定方法により、この第2の試験片の引張強度、つまり100時間照射後の引張強度を測定した。そして、この100時間照射後の引張強度を初期強度で除して、100時間照射後の強度保持率(単位:%)を算出した。
【0075】
さらに、第3の試験片に対して、第2の試験片と同様の条件下で、300時間にわたって照射した。その後、第1の試験片と同様の測定方法により、この第3の試験片の引張強度、つまり300時間照射後の引張強度を測定した。そして、この300時間照射後の引張強度を初期強度で除して、300時間照射後の強度保持率(単位:%)を算出した。
【0076】
これらの測定結果をまとめて表1に示す。
【0077】
また、実施例1については、得られた樹脂組成物を射出成形機(日精樹脂工業(株)製のPS40E5ASE型)で340℃にて、上述した比較例1と同様にして、4種類の厚さの試験片ごとに3種類の試験片を成形し、初期強度、100時間照射後の引張強度および300時間照射後の引張強度を測定した。そして、100時間照射後の引張強度を初期強度で除して、100時間照射後の強度保持率(単位:%)を算出するとともに、300時間照射後の引張強度を初期強度で除して、300時間照射後の強度保持率(単位:%)を算出した。これらの測定結果をまとめて表1に示す。
【表1】

【0078】
表1から明らかなように、厚さ2.5mmの試験片については、比較例1、実施例1とも、100時間照射後の強度保持率および300時間照射後の強度保持率がいずれも100%であった。これに対して、厚さ0.5mm、0.8mm、1.2mmの試験片については、比較例1、実施例1とも、100時間照射後の強度保持率および300時間照射後の強度保持率がいずれも100%を下回った。しかし、比較例1に比べて実施例1では、その低下率が小さくなっている。例えば、厚さ0.5mmの試験片について見ると、比較例1では、100時間照射後の強度保持率が91%であり、300時間照射後の強度保持率が82%であるのに対して、実施例1では、100時間照射後の強度保持率が97%であり、300時間照射後の強度保持率が92%である。また、厚さ1.2mmの試験片について見ると、比較例1では、100時間照射後の強度保持率が96%であり、300時間照射後の強度保持率が89%であるのに対して、実施例1では、100時間照射後の強度保持率が98%であり、300時間照射後の強度保持率が97%である。
【0079】
このように、比較例1との比較において、実施例1は、特に厚さの薄い試験片において、耐光性に優れていることが判明した。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、電気・電子部品、自動車用部品など耐光性が要求される部品に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0081】
1……液晶プロジェクター
2……ケーシング
3……光源ユニット
5……光学ユニット
6……投写レンズ
31……ランプ
32……ランプホルダー(耐光性部材)
33……インテグレーター
51……集光レンズ
52……液晶パネル
53、54……偏光板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶ポリエステルを射出成形して得られる厚さ1.5mm以下の薄肉部分を有する耐光性部材であって、
前記液晶ポリエステルは、以下の式(1)、(2)および(3)で示される構造単位からなり、これらの式(1)、(2)および(3)に含まれる2価の芳香族基Ar1 、Ar2 およびAr3 の合計を100モル%とするとき、これらの芳香族基の中で2,6−ナフタレンジイル基が25モル%以上含まれ、かつ流動開始温度が280℃以上であることを特徴とする耐光性部材。
(1)−O−Ar1 −CO−
(2)−CO−Ar2 −CO−
(3)−O−Ar3 −O−
(式中、Ar1 は、2,6−ナフタレンジイル基、1,4−フェニレン基および4,4’−ビフェニレン基からなる群から選ばれる1種以上の基を表す。Ar2 、Ar3 は、それぞれ独立に、2,6−ナフタレンジイル基、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基および4,4’−ビフェニレン基からなる群から選ばれる1種以上の基を表す。なお、Ar1 、Ar2 、Ar3 は、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を置換基として有していてもよい。)
【請求項2】
前記薄肉部分の厚さが、1.0mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の耐光性部材。
【請求項3】
前記液晶ポリエステル中の芳香族基Ar1 、Ar2 およびAr3 の合計を100モル%とするとき、これらの芳香族基の中で2,6−ナフタレンジイル基が40モル%以上含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の耐光性部材。
【請求項4】
無機フィラーが含まれていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の耐光性部材。
【請求項5】
前記無機フィラーがガラス繊維であることを特徴とする請求項4に記載の耐光性部材。

【図1】
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【公開番号】特開2011−42740(P2011−42740A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191654(P2009−191654)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】