説明

耐圧防爆型監視装置及び耐圧防爆型容器

【課題】認定試験の受け直しが必要となるような変更を伴うことなく、防爆マイク、防爆カメラ、防爆アンテナ等の取付位置を容易に変更しうる耐圧防爆型監視装置、その耐圧防爆型監視装置を用いた異常監視システムを提供する。
【解決手段】少なくとも電気回路が収容される耐圧防爆構造の耐圧防爆型容器26であって、上面側及び下面側の少なくともいずれかに取付部28が形成された耐圧防爆型容器と、耐圧防爆型容器の取付部に取付けられた支持体22と、支持体22に支持されたカメラ又はマイク及びアンテナとを有している。マイク、カメラ、アンテナ等の位置を変更する場合には、マイク、カメラ、アンテナ等を板状の支持体に取り付けるための取り付け穴を変更すればよく、耐圧防爆型容器に変更を加えることを要しない。このため、認定試験の受け直しが必要となるような変更を伴うことなく、マイク、カメラ、アンテナ等の取付位置を容易に変更することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐圧防爆型監視装置及び耐圧防爆型容器に係り、特に、危険地域に配置される耐圧防爆型監視装置、及びその耐圧防爆型監視装置を用いた異常監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
プラントが正常に稼働しているか否かを常時監視する異常監視システムには、現場に設置した遠隔操作可能な工業用カメラが広く用いられている。また、監視装置本体に、カメラの他にマイクを取り付けた装置も知られている(特許文献1参照)。このような異常監視システムにおける監視装置と本局との間での信号の送受信には、無線電送が広く用いられている。
【0003】
このような異常監視システムを消防法上の危険場所に設置するためには、爆発事故を未然に防止するために、危険場所に設置する機器を耐圧防爆構造とする必要がある。危険場所とは、可燃性ガスや可燃性の液体の蒸気が存在する虞のある場所であり、例えば石油プラントの防爆エリアが該当する。耐圧防爆構造とは、全閉構造の容器内部で可燃ガスの爆発が起こった場合に、容器がその圧力に耐えて、外部の爆発性ガスに引火する虞のない構造のことである。
【0004】
危険場所に設置することが可能な耐圧防爆構造を有する機器として認定されるためには、所定の認定試験を受けて合格することが必要である。
【特許文献1】特開平9−196825号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、耐圧防爆型容器について変更を加えた場合には、再度の認定試験が必要となる。図4は、防爆マイクや防爆カメラ等を監視装置に直接取り付ける場合を示す側面図である。図4に示すように、防爆マイク116、防爆カメラ118、防爆アンテナ120等を耐圧防爆型監視装置114の耐圧防爆型容器126に取り付けた場合、耐圧防爆型監視装置114と監視対象の位置関係によっては、防爆カメラ118の視野内に防爆マイク116や防爆アンテナ120が位置してしまい、監視における死角が生じてしまう。特に、監視装置114を移動させながら監視を行う場合には、かかる問題が生じやすい。
【0006】
防爆カメラ118と監視対象との間に防爆マイク116や防爆アンテナ120が位置してしまう場合には、防爆カメラ118と監視対象との間に防爆マイク116や防爆アンテナ120が位置しないように、防爆マイク116、防爆カメラ118、防爆アンテナ120等の取付位置を適宜変更せざるをえない。防爆マイク116、防爆カメラ118、防爆アンテナ120等の取付位置を変更する場合には、防爆マイク116、防爆カメラ118、防爆アンテナ120等を耐圧防爆型容器126に取り付けるための取り付け穴(図示せず)の位置の変更が余儀なくされる。このように取り付け穴の位置を変更した場合には、防爆性能に影響を及ぼす。
【0007】
本発明の目的は、認定試験の受け直しが必要となるような変更を伴うことなく、防爆マイク、防爆カメラ、防爆アンテナ等の取付位置を容易に変更しうる耐圧防爆型監視装置、その耐圧防爆型監視装置を用いた異常監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、少なくとも電気回路が収容される耐圧防爆構造の耐圧防爆型容器であって、上面側及び下面側の少なくともいずれかに取付部が形成された耐圧防爆型容器と、前記耐圧防爆型容器の前記取付部に取付けられた支持体と、前記支持体に支持されたカメラ又はマイク及びアンテナとを有することを特徴とする耐圧防爆型監視装置により達成される。
【0009】
また、上記目的は、少なくとも電気回路が収容される耐圧防爆構造の耐圧防爆型容器であって、カメラ又はマイク及びアンテナを支持する支持体を取り付けるための取付部が、上面側又は下面側の少なくともいずれかに形成されていることを特徴とする耐圧防爆型容器により達成される。
【0010】
また、上記目的は、少なくとも電気回路が収容される耐圧防爆構造の耐圧防爆型容器であって、上面側及び下面側の少なくともいずれかに取付部が形成された耐圧防爆型容器と;前記耐圧防爆型容器の前記取付部に取付けられた支持体と;前記支持体に支持されたカメラ又はマイク及びアンテナとを有する耐圧防爆型監視装置を複数用いた異常監視システムであって、監視対象を監視する一の前記耐圧防爆型監視装置は、前記支持体が前記耐圧防爆型容器の上面側に取り付けられており、前記監視対象を上方から監視する他の前記耐圧防爆型監視装置は、前記支持体が前記耐圧防爆型容器の下面側に取り付けられていることを特徴とする異常監視システムにより達成される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、マイク、カメラ、アンテナ等が耐圧防爆型容器と別個に設けられた支持体により支持されており、マイク、カメラ、アンテナ等は、かかる支持体を介して耐圧防爆型容器に固定されているため、マイク、カメラ、アンテナ等の位置を変更する場合には、マイク、カメラ、アンテナ等を板状の支持体に取り付けるための取り付け穴(図示せず)を変更すればよく、耐圧防爆型容器に変更を加えることを要しない。このため、本発明によれば、認定試験の受け直しが必要となるような変更を伴うことなく、マイク、カメラ、アンテナ等の取付位置を容易に変更することができる。
【0012】
また、本発明によれば、かかる板状の支持体を耐圧防爆型容器に取り付けるための取付部が、耐圧防爆型容器の上面側のみならず下面側にも形成されている。このため、耐圧防爆型監視装置本体の上下を反転させることなく、耐圧防爆型監視装置本体の下側に支持体を取り付けることが可能である。従って、耐圧防爆型監視装置本体の下側に支持体を介してマイク、カメラ、アンテナ等を設ける場合であっても、耐圧防爆型監視装置本体を容易にメンテナンスすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[一実施形態]
本発明の一実施形態による耐圧防爆型監視装置及びその耐圧防爆型監視装置を用いた異常監視システムを図1乃至図3を用いて説明する。図1は、本実施形態による異常監視システムの構成を示す概略図である。図2は、本実施形態による耐圧防爆型監視装置(その1)を示す側面図である。図2(b)は、図2(a)に示す耐圧防爆型監視装置の一部を示す断面図である。図3は、本実施形態による耐圧防爆型監視装置(その2)を示す側面図である。
【0014】
本実施形態による異常監視システムは、石油プラントや工場等の危険場所における装置、配管等の漏洩や回転機の不具合などを監視して異常を報知するものである。
【0015】
監視対象である例えば石油プラントの防爆エリア内には、図1に示すように、プラント内の監視対象10を監視する耐圧防爆型監視装置12a、12bと、防爆無線機8とが設置されている。防爆無線機8は、無線本局としての無線機であり、計器室などの非防爆エリアに設置された処理装置6に接続されている。
【0016】
耐圧防爆型監視装置12a、12bは、耐圧防爆型監視装置本体14と、プラントの運転音を監視するための防爆マイク16と、プラント内の様子を撮影するための防爆カメラ(防爆監視カメラ)18と、防爆マイク16からの音響データ及び防爆カメラ18からの画像データの送信や防爆マイク及び防爆カメラ用制御信号の受信のための防爆アンテナ20と、防爆マイク16、防爆カメラ18及び防爆アンテナ20を支持するための板状の支持体22とを有している。
【0017】
なお、図1において耐圧防爆型監視装置12aは所定の場所に固定された固定監視装置であり、耐圧防爆型監視装置12bは移動可能な移動監視装置である。移動監視装置12bは、石油プラントや工場等に設けられたレール13に沿って移動することが可能であり、監視対象10を上側から監視する。
【0018】
耐圧防爆型監視装置本体14は、所定の機能を有する電気回路24(図2、図3参照)と、電気回路24を収容する耐圧防爆構造の耐圧防爆型容器26とを有している。なお、図2及び図3において矢印の方向は、耐圧防爆型監視装置本体14の上面側を示している。
【0019】
電気回路24は、防爆マイク16から入力される信号に基づいて音響データを生成し、また、防爆カメラ18から入力される信号に基づいて画像データを生成し、これらのデータを防爆アンテナ20を介して防爆無線機に送信する。また、電気回路24は、防爆無線機8から出力される制御信号を防爆アンテナ20を介して受信し、受信した制御信号に基づいて所定の処理を行う。
【0020】
耐圧防爆型容器26は、耐圧防爆仕様を満足した、例えばアルミダイキャストにより構成された耐圧防爆型容器である。耐圧防爆型容器26には、耐圧パッキン式引き込み部(図示せず)が設けられており、防爆性能を保持しつつ、後述する電送線路と接続できるようになっている。
【0021】
耐圧防爆型容器26には、板状の支持体22を取り付けるための取付部28が形成されている。取付部28は、耐圧防爆型容器26と一体に形成されている。取付部28は、耐圧防爆型容器26の上面側と下面側に例えば4つずつ形成されている。各々の取付部28には、ねじ止め用のねじ穴29が形成されている。
【0022】
耐圧防爆型容器26の上面側又は下面側には、板状の支持体22が設けられている。板状の支持体22には、耐圧防爆型容器26に形成された取付部28に対応して、ビス30を通すための穴(図示せず)が形成されている。板状の支持体22は、ビス30を用いて、耐圧防爆型容器26にねじ止めされている。また、板状の支持体22には、防爆マイク16、防爆カメラ18、及び防爆アンテナ20をねじ止めするためのねじ穴(図示せず)が形成されている。防爆マイク16、防爆カメラ18及び防爆アンテナ20は、ビス(図示せず)を用いて、支持体22にねじ止めされている。
【0023】
電気回路24と防爆マイク16とは、ケーブル状の電送線路(図示せず)を介して互いに接続されている。また、電気回路24と防爆カメラ18とは、ケーブル状の他の電送線路(図示せず)を介して互いに接続されている。また、電気回路24と防爆アンテナ20とは、ケーブル状の更に他の電送線路(図示せず)を介して互いに接続されている。電送線路は、防爆構造のフレキシブルケーブルであり、防爆マイク16、防爆カメラ18、及び防爆アンテナ20を移動できるようになっている。
【0024】
図2に示すように、所定の場所に固定された耐圧防爆型監視装置12a、即ち、固定監視装置においては、耐圧防爆型監視装置本体14の上面側に板状の支持体22が取り付けられており、板状の支持体22の上面側に防爆マイク16、防爆カメラ18及び防爆アンテナ20が取り付けられている。固定監視装置12aにおいて、耐圧防爆型監視装置本体14の上面側に支持体22、防爆マイク16、防爆カメラ18及び防爆アンテナ20を設けているのは、固定監視装置12aをプラント等の床に設置した状態で、側方から監視対象10を監視するためである。
【0025】
一方、移動可能な耐圧防爆型監視装置12b、即ち移動監視装置においては、耐圧防爆型監視装置本体14の下面側に板状の支持体22が取り付けられており、板状の支持体22の下面側に防爆マイク16、防爆カメラ18及び防爆アンテナ20が取り付けられている。
【0026】
移動監視装置12bにおいて、耐圧防爆型監視装置本体14の下面側に、防爆マイク16、防爆カメラ18及び防爆アンテナ20を設けているのは、以下のような理由によるものである。即ち、移動監視装置12bは、監視対象10より上方に設けられたレール13に取り付けられるため、耐圧防爆型監視装置本体14の上側に防爆カメラ18を設けた場合には、防爆カメラ18の視野が耐圧防爆型監視装置本体14により遮られ、監視対象10を監視することが困難である。これに対し、耐圧防爆型監視装置本体14の下側に防爆カメラ18を設けた場合には、防爆カメラ18の視野が耐圧防爆型監視装置本体14により遮られにくい。このため、監視対象10を上方から監視する移動監視装置12bにおいては、耐圧防爆型監視装置本体14の下側に、防爆マイク16、防爆カメラ18及び防爆アンテナ20を設けている。
【0027】
また、移動監視装置12bにおいて、耐圧防爆型監視装置本体14の上下を反転することなく、耐圧防爆型監視装置本体14の上面側が上側となるように設置しているのは、以下のような理由によるものである。耐圧防爆型監視装置本体14の上面側が下側になるように上下を反転させて設置した場合には、耐圧防爆型容器26の内部に収容された電気回路24のメンテナンスを行うのが極めて困難となる。これに対し、移動監視装置12bにおいて耐圧防爆型監視装置本体14の上面側が上側になるように上下を反転させることなく設置した場合には、耐圧防爆型容器26の内部に収容された電気回路24のメンテナンスを行うのが容易である。このため、本実施形態では、移動監視装置12bにおいて、耐圧防爆型監視装置本体14の上下を反転することなく、耐圧防爆型監視装置本体14をレール13に取り付けている。
【0028】
防爆無線機8は、処理装置6から出力される制御信号を耐圧防爆型監視装置12a、12bに向けて送信し、また耐圧防爆型監視装置12a、12bから出力される音響データや画像データを受信して処理装置6へ伝達するためのものである。
【0029】
処理装置6は、音響データ及び画像データを管理する装置と、画像処理をメインに行う装置と、耐圧防爆型監視装置12aの移動処理をメインに行う装置とを含むものである。
【0030】
こうして本実施形態による異常監視システムが構成されている。
【0031】
次に、本実施形態による異常監視システムを用いたプラントの異常監視方法について図1を用いて説明する。
【0032】
処理装置6は、耐圧防爆型監視装置12a、12bの制御用のシリアル信号を、防爆無線機8を介して耐圧防爆型監視装置12a、12bに無線電送する。制御用のシリアル信号には、耐圧防爆型監視装置12bを移動するための制御信号、耐圧防爆型監視装置12a、12bの防爆カメラ18を水平方向及び垂直方向に移動するための制御信号、耐圧防爆型監視装置12a、12bの監視モデル情報等が含まれる。
【0033】
プラント内に設置された耐圧防爆型監視装置12a、12bは、処理装置6から送信された制御用シリアル信号の情報に基づき、プラント内の監視用データを取得する。プラント内の運転音は耐圧防爆型監視装置12a、12bに搭載された防爆マイク16により収集し、プラント内の外観的な様子は耐圧防爆型監視装置に搭載された防爆カメラ18により撮影することができる。
【0034】
耐圧防爆型監視装置12a、12bの防爆マイク16により収集された音響データ及び防爆カメラにより撮影された画像データは、防爆無線機8に無線電送される。更に、耐圧防爆型監視装置12a、12bにおいて、収集した音響データ及び画像データを、電気回路24においてデータ処理負荷の小さいデータ処理を行ったうえ、防爆無線機8に無線電送することも可能である。
【0035】
耐圧防爆型監視装置12bは、移動監視装置であり、処理装置6からの制御信号に基づき、レール13に沿って移動することができる。
【0036】
防爆無線機8に電送された監視用データは、計器室等の非防爆エリアに設けられた処理装置6に電送され、処理装置6によって処理・監視される。即ち、処理装置6の画像処理装置では、耐圧防爆型監視装置12a、12bにより取得された画像データを、予め保存しておいた比較画像と比較して画像中の変化を検知することにより、プラント内の異常監視を行う。また、音響データを管理する装置では、耐圧防爆型監視装置12a、12bにより取得された音響データから周波数スペクトルを算出し、ニューラルネットワークモデルによりプラント内の異常発生を検知する。
【0037】
本実施形態では、監視対象10を側方から監視する固定監視装置12は監視対象10のの近傍の床に設置されており、監視対象10を上方から監視する移動監視装置12bはプラントの上部に設けられたレール13に沿って移動し得るように設けられているため、監視対象10を上下方向から監視することが可能である。
【0038】
例えば、固定監視装置12aの防爆マイク16からの音響データにより異常を検知した場合には、処理装置6は、移動監視装置12bを固定監視装置12aが設置されている箇所の近傍まで移動させる。そして、移動監視装置12bの防爆マイク16からの音響データにおいて音圧が大きくなるように、移動監視装置12bを移動させる。そして、固定監視装置12aと移動監視装置12bとを用いて、監視対象10を上下方向から監視する。
【0039】
また、固定監視装置12aの防爆カメラ18からの画像データにより、白煙等の動きによる異常を検知した場合には、処理装置6は、移動監視装置12bを固定監視装置12aが設置されている箇所の近傍まで移動させる。そして、処理装置6は、移動監視装置12bの防爆カメラ18からの画像データにおいて移動ベクトルが大きくなるように、移動監視装置12bを移動させる。そして、固定監視装置12aと移動監視装置12bとを用いて、監視対象10を上下方向から監視する。
【0040】
上記手法に基づきプラントの監視を行うに当たり、場合によっては、防爆カメラ18から監視対象10を見たときの視野内に防爆マイク16や防爆アンテナ20が位置してしまい、死角が生じることが予想される。また、防爆無線機から見た無線電送路が、プラント内の構造物により遮蔽されてしまうことも予想される。特に、移動監視装置12bにおいては、かかる不都合が生じる可能性が高い。
【0041】
本実施形態では、防爆マイク16、防爆カメラ18及び防爆アンテナ20が耐圧防爆型容器26と別個に設けられた支持体22により支持されており、防爆マイク16、防爆カメラ18及び防爆アンテナ20は、かかる支持体22を介して耐圧防爆型容器26に固定されているため、防爆マイク16、防爆カメラ18及び防爆アンテナ20の位置を変更する場合には、防爆マイク16、防爆カメラ18及び防爆アンテナ20を板状の支持体22に取り付けるための取り付け穴(図示せず)を変更すればよく、耐圧防爆型容器26に変更を加えることを要しない。このため、本実施形態によれば、認定試験の受け直しが必要となるような変更を伴うことなく、防爆マイク16、防爆カメラ18、防爆アンテナ20等の取付位置を容易に変更することができる。
【0042】
また、本実施形態によれば、かかる板状の支持体22を耐圧防爆型容器26に取り付けるための取付部28が、耐圧防爆型容器26の上面側のみならず下面側にも形成されている。このため、耐圧防爆型監視装置本体14の上下を反転させることなく、耐圧防爆型監視装置本体14の下側に支持体22を取り付けることが可能である。従って、耐圧防爆型監視装置本体14の下側に支持体22を介して防爆マイク16、防爆カメラ18及び防爆アンテナ20を設ける場合であっても、耐圧防爆型監視装置本体14を容易にメンテナンスすることが可能となる。
【0043】
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0044】
例えば、上記実施形態では、耐圧防爆型監視装置本体14に防爆マイク16、防爆カメラ18及び防爆アンテナ20を搭載する場合を例に説明したが、必ずしも防爆マイク16、防爆カメラ18及び防爆アンテナ20の全てを搭載しなくてもよい。例えば、防爆カメラ18を搭載することなく、防爆マイク16と防爆アンテナ20とを耐圧防爆型監視装置本体14に搭載するようにしてもよい。また、防爆マイク16を搭載することなく、防爆カメラ18と防爆アンテナ20とを耐圧防爆型監視装置本体14に搭載するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態による異常監視システムの構成を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施形態による耐圧防爆型監視装置(その1)を示す側面図である。
【図3】本発明の一実施形態による耐圧防爆型監視装置(その2)を示す側面図である。
【図4】防爆マイクや防爆カメラ等を耐圧防爆型監視装置に直接取り付ける場合を示す側面図である。
【符号の説明】
【0046】
6…処理装置
8…防爆無線機
10…監視対象
12a…耐圧防爆型監視装置、固定監視装置
12b…耐圧防爆型監視装置、移動監視装置
13…レール
14…耐圧防爆型監視装置本体
16…防爆マイク
18…防爆カメラ
20…防爆アンテナ
22…支持体
24…電気回路
26…耐圧防爆型容器
28…取付部
29…ねじ穴
30…ビス
114…耐圧防爆型監視装置本体
116…防爆マイク
118…防爆カメラ
120…防爆アンテナ
126…耐圧防爆型容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも電気回路が収容される耐圧防爆構造の耐圧防爆型容器であって、上面側及び下面側の少なくともいずれかに取付部が形成された耐圧防爆型容器と、
前記耐圧防爆型容器の前記取付部に取付けられた支持体と、
前記支持体に支持されたカメラ又はマイク及びアンテナと
を有することを特徴とする耐圧防爆型監視装置。
【請求項2】
少なくとも電気回路が収容される耐圧防爆構造の耐圧防爆型容器であって、
カメラ又はマイク及びアンテナを支持する支持体を取り付けるための取付部が、上面側又は下面側の少なくともいずれかに形成されている
ことを特徴とする耐圧防爆型容器。
【請求項3】
少なくとも電気回路が収容される耐圧防爆構造の耐圧防爆型容器であって、上面側及び下面側の少なくともいずれかに取付部が形成された耐圧防爆型容器と;前記耐圧防爆型容器の前記取付部に取付けられた支持体と;前記支持体に支持されたカメラ又はマイク及びアンテナとを有する耐圧防爆型監視装置を複数用いた異常監視システムであって、
監視対象を監視する一の前記耐圧防爆型監視装置は、前記支持体が前記耐圧防爆型容器の上面側に取り付けられており、
前記監視対象を上方から監視する他の前記耐圧防爆型監視装置は、前記支持体が前記耐圧防爆型容器の下面側に取り付けられている
ことを特徴とする異常監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−317312(P2006−317312A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−140962(P2005−140962)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【出願人】(590000455)財団法人石油産業活性化センター (249)
【出願人】(304003860)株式会社ジャパンエナジー (344)
【Fターム(参考)】