説明

耐火材残厚計測用プレート及び耐火材残厚計測方法

【課題】溶融炉の内壁に設置された耐火材の残厚を、多数の計測点において、安価に、容易に、正確に行える耐火材の残厚計測用プレート及び残厚計測方法を提供する。
【解決手段】内側の壁部13に耐火材5を配置した溶融炉の前記耐火材5の残厚を計測する残厚計測用プレート1Aであって、前記残厚計測用プレート1Aを、前記壁部13に配置した耐火材5に埋没するように固定し、かつ、前記耐火材5の摩耗により露出する前記プレートの露出部4の長さと、前記耐火材5の残厚hとが対応関係にあること利用して耐火材5の残厚hを計測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、溶融炉の内側に設置される耐火材の残厚を計測するためのプレート及びその計測方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ごみの焼却により生じた残渣等を、高温で溶かして液状化させることで、減容化、無害化及び再資源化を行うための装置として溶融炉(ガス化溶融炉、電気式溶融炉等)が使用されている。図6にこの溶融炉の垂直断面図の概略、図7に水平断面図の概略を示す。
【0003】
図6に示すように溶融炉9は、筒状に形成された水冷壁8の内部の壁部13に、斜線で示す耐火材5を配置して溶融炉9の本体を形成している。溶融炉9は天井部に設置されたバーナー10により、内部の温度が、例えば1200〜1300℃の高温に加熱され、投入口12から投入されるごみの残渣や瓦礫等の被加熱物を加熱し、溶けたマグマのような高温スラグを下方から排出するよう構成されている。
【0004】
図7は前記溶融炉9の水平断面図を示しており、前記水冷壁8は多数の冷却水管7を円周状に林立させて形成しており、この水冷壁8の内側の壁部13のさらに内側に耐火材5を設置し、外側に保温材16を設置している。ここで、図7は筒状に形成される水冷壁8の一部のみ(図7左上)を図示しており、実際には円周上のすべての方向に水冷壁8が存在している。また、水冷壁8を有さない溶融炉9もある。
【0005】
前記耐火材5の内部を、加熱され溶けたマグマのようになった被加熱物が上方から下方に流れていき、前記被加熱物が溶けて形成された高温スラグ、及び溶融炉内で発生する腐食性燃焼排ガス等の影響で、前記溶融炉内側の全ての壁部13を覆っている耐火材5が浸食され次第に摩耗して薄くなっていくため、定期的な交換が必要となっている。ここで、前記耐火材5は例えば、水冷壁8の内側の壁部13に沿って、型枠を組んでモルタルを流し込む、又は吹き付けて形成する方法や、前記壁部13に沿って煉瓦を配置する方法等で形成されている。
【0006】
前記耐火材5の摩耗は、例えば設置時に100〜150mmの厚みを有していた場合、溶融炉9の運転状況にもよるが、2〜3年で30〜50mm程度まで摩耗するため、2、3年に1回ほどの割合で耐火材5の交換を行っている。この耐火材5が摩耗して薄くなると、溶融炉9を形成している水冷壁8が高温に曝され損傷してしまうため、余裕を持って残存している耐火材5を除去し、再施工を行う必要がある。
【0007】
従って、溶融炉9の運転において、耐火材5の残厚hがどの程度であるかを正確に把握することが重要となる。従来は年に2、3回程度、溶融炉9の運転を停止した際に、定期的に耐火材5の残厚を計測しているが、その方法としては、図6に示す耐火材5の内径Rを計測して残厚hを推定したり、あるいは溶融炉9の最上部のバーナー10の中心から下げ振り14を下ろし、そこから、耐火材5の表面までの距離rを計測し、この値から残厚hを推定したりしていた。
【0008】
しかし、これらの方法は精度が低く、また、作業性が悪く耐火材5の残厚計測には大変な労力が必要であった。特に、耐火材5の摩耗は周方向に偏りがあり、また、下げ振り14による垂線がずれる(5mm程度)の測定誤差がでる問題を有していた。このため、予想以上に耐火材5の残厚が少なくなって、水冷壁等の外壁が露出してしまうことがあった。
【0009】
一方で、耐火材の残厚の測定誤差を無くすために、耐火材である耐火煉瓦の間にセラミックや光ファイバー等の導波体を埋め込み、この導波体の長さを超音波やレーザーにより計測して、耐火材の残厚を正確に計測するシステムが提案されている(特許文献1参照)。しかし、例えば、高さが十数メートル、直径が2メートル以上となる大型の溶融炉において、耐火材の残厚を計測するためには、計測箇所は少なくとも数十ヶ所は必要となり、上記システムの設置コストが大きくなってしまう問題を有している。
【0010】
また、他の方法として、熱電対を耐火材に埋め込み温度を計測することで、耐火材の残厚を推定する方法や、溶融炉に設けた耐熱窓から放射温度計により温度を計測し、耐火材の残厚を推定する方法が行われている。しかし、前述のシステムと同様に設置箇所が多くなることで、設置コストが大きくなってしまう問題を有しており、さらに、熱電対による温度計測の場合には、腐食性ガスが発生する溶融炉においては、その影響で2〜3ヶ月で使用不可能となることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2000−105116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、溶融炉の内壁に設置された耐火材の残厚を、多数の計測点において、安価に、容易に、正確に行える耐火材の残厚計測用プレート及び残厚計測方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するための本発明に係る耐火材の残厚計測用プレートは、内側の壁部に耐火材を配置した溶融炉の前記耐火材の残厚を計測する残厚計測用プレートであって、前記残厚計測用プレートを、前記壁部に配置した耐火材に埋没するように固定し、かつ、前記耐火材の摩耗により露出する前記プレートの露出部の長さと、前記耐火材の残厚とが対応関係にあることを特徴とする。
【0014】
この構成により、前記露出部の長さを計測することで、耐火材の残厚を容易に計測することができ、耐火材の交換時期の決定が確実かつ的確に行えるようになる。特に、露出部の長さと耐火材の残厚とが比例関係にある場合には、残厚を正確に計測することができ、等しい関係にある場合には、前記露出部の長さを計測すると同時に、残厚を正確に知ることができる。
【0015】
また、熱電対等を利用する従来例に比べ、前記残厚計測用プレートは安価に作成できるため、溶融炉内に多数設置することができ、それに伴い、溶融炉内各所の耐火材の不均一な摩耗状況を正確に把握することができる。
【0016】
上記の耐火材の残厚計測用プレートにおいて、前記残厚計測用プレートが、主要部である三角形の頂点の1つに基部を組み合わせたバチ型であり、前記プレートの基部側が前記壁部方向になるように設置し、前記耐火材の摩耗により前記主要部の一部が線状に露出した露出部の長さと、前記露出部から壁部までの長さである残厚とが対応関係にあることを特徴とする。
【0017】
この構成により、前記残厚計測用プレートの露出部が線状となり、この線の長さを定規等で測ることで耐火材の残厚が計測できるため、非常に容易な計測作業となり、作業効率
を向上させることができる。特に、前記耐火材がモルタル等を固めて形成されている場合には、水冷壁内周面に大量のアンカーを固定して、このアンカーを埋没させるようにモルタルを流し込んで固めて設置しており、摩耗した耐火材の表面には、前記アンカーの点状の露出部が大量に出ているため、残厚計測用プレートの露出部が線状となることで、容易に見分けることができる。
【0018】
上記の目的を達成するための本発明に係る耐火材の残厚計測用プレートは、前記残厚計測用プレートが、Y字型であり、前記プレートの下端が前記壁部方向になるように設置し、前記耐火材の摩耗により前記Y字型の上部の露出した上端の2点間の長さと、前記露出部から壁部までの長さである残厚とが対応関係にあることを特徴とする。
【0019】
この構成により、前記残厚計測用プレートの露出部が2つの点状となり、この2点間の長さを定規等で測ることで耐火材の残厚が計測できるため、非常に容易な計測作業となり、作業効率を向上させることができる。ここで、耐火材がモルタル等を固めて形成されている場合には、前記アンカーを使用しているため、このアンカーとY字型残厚計測用プレートの露出部の点が異なる大きさになるように、材料の太さを変える必要があるが、煉瓦等を積み重ねる場合には、バチ型と同様に使用することができる。
【0020】
上記の目的を達成するための本発明に係る耐火材の残厚計測方法は、多数の前記残厚計測用プレートを設置した溶融炉の耐火材の残厚計測方法であって、前記溶融炉の運転を停止し、前記耐火材に堆積又は付着したスラグを除去し、前記耐火材の表面に露出している多数の前記残厚計測用プレートの露出部の長さを計測して、前記溶融炉内における耐火材の摩耗状況を把握することを特徴とする。この構成により、溶融炉内に設置された耐火材の残厚を多数の計測点において、安価に、容易に、正確に行うことができる。
【0021】
また、前記残厚計測用プレートは、耐火材の摩耗と同時に摩耗が進むか、または、耐火材の摩耗よりも遅い速度で摩耗が進む必要があるため、前記プレートの材質は、前記耐火材よりも高い耐熱性、耐腐食性を有していることが望ましい。つまり、前記プレートが耐火材よりも先に腐食が進むと露出面が無くなり、計測不能となってしまうためである。
【0022】
さらに、前記残厚計測用プレートは、露出部の長さと、耐火材の残厚の長さが一致する形状とすることが最も望ましく、この構成により、露出部の長さを計測すると換算をする必要なく、耐火材の残厚を求めることができるため、作業性が大幅に向上する。しかし、耐火材の残厚の測定精度を向上させる、または、逆にそれほど高い精度が必要でないなど状況に合わせて、露出部の長さと耐火材の残厚の長さの対応を変更して、前記プレートを作成することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る耐火材の残厚計測用プレート及び残厚計測方法によれば、前記残厚計測用プレートの露出部の長さを計測することで、耐火材の残厚が正確にかつ容易に計測することができ、耐火材の交換時期の決定が確実かつ的確に行えるようになる。また、熱電対等を利用する従来例に比べ、前記残厚計測用プレートは安価に作成できるため、溶融炉内に多数設置することができ、それに伴い、溶融炉内各所の耐火材の不均一な摩耗状況を正確に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態の耐火材の残厚計測用プレートの構成を示す図である。
【図2】本発明に係る第1の実施の形態の耐火材の残厚計測用プレートの設置状況を示す図である。
【図3】本発明に係る第2の実施の形態の耐火材の残厚計測用プレートの構成を示す図である。
【図4】本発明に係る第3の実施の形態の耐火材の残厚計測用プレートの構成を示す図である。
【図5】本発明に係る第4の実施の形態の耐火材の残厚計測用プレートの構成を示す図である。
【図6】溶融炉の垂直断面を示す図である。
【図7】溶融炉の水平断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る実施の形態の耐火材の残厚計測用プレート及び残厚計測方法について、図面を参照しながら説明する。図1に、本発明に係る第1の実施の形態の残厚計測用プレートを示す。
【0026】
このバチ型残厚計測用プレート1Aは、図1の三面図に示す様に、主要部である三角形の頂点の1つに基部を組み合わせたバチ型であり、上方を拡開した台形状をしたプレートの本体3A(主要部)と、溶融炉に設置するための基部2から形成され、全体が薄いプレート状となっている。図7に溶融炉9に前記プレート1Aを設置した様子を示し、水冷壁8を形成している冷却水管7の間のひれ15に、前記プレート1Aの基部2を固定し、耐火材5の厚み方向(溶融炉9の中心方向)に本体3Aが向くように、多数のプレート1Aを林立させて設置する。前記プレート1Aを溶融炉9内に多数設置することで、耐火材5の偏りのある摩耗状況を正確に把握することができ、しかも、設置作業が単純であり、設置コストも安価にすることができる。
【0027】
図2に前記バチ型残厚計測用プレート1Aの設置状況の詳細を示す。水冷壁8の一部を形成している冷却水管7の間の壁部13に、前記プレート1Aの基部2を溶接等で固定しており、溶融炉9の内側にあたる方向に設置した耐火材5を斜線で示している。前述のように溶融炉9の運転に伴い摩耗が進み、この摩耗により露出した耐火材表面6から壁部13までの長さである、耐火材5の残厚hが減少していく。この耐火材5の摩耗に伴い、前記プレート1Aも摩耗して、露出部4が露出している様子を示している。
【0028】
このとき、図1に示す露出部4の長さdと残厚hの長さを対応関係、望ましくは比例関係にすることにより、前記露出部4の長さを計測して、残厚hを容易に知ることができる。望ましくは露出部4の長さdと残厚hが等しくなる関係(h=d)に、前記プレート1Aの形状を決定するとよく、このように決定することで、露出部4の計測の後に残厚hに換算する必要がなく、瞬時に知ることが可能となるため、耐火材5の残厚hの計測の作業効率を向上させることができる。
【0029】
ここで、露出部4の長さdと残厚hの長さの比例定数は、設置する耐火材5の厚さが厚い場合には、例えばh=2×dとすることで、前記プレート1Aのサイズを小さくできる。他方、耐火材5の厚さが薄く、残厚hを正確に計測したい場合には、h=1/5×dとすることで、残厚hを高い精度で計測することができる。
【0030】
なお、前記プレート1Aの露出部4は、耐火材表面6に線状に出現するため、耐火材の設置時に利用することのあるアンカーの露出部と容易に見分けることができ、視認性が高い。前記アンカーとは、耐火材がモルタル等を材料として設置される場合に、壁部13にY字状のアンカーを林立させて固定することで、前記耐火材を壁部13からはく離しないようにするものである。
【0031】
また、前記プレート1Aの材質は、耐火材以上の耐熱性、耐腐食性を有していることが
望ましく、具体的にはステンレス等で形成することができる。これは、溶融炉9の運転時に、耐火材5の摩耗より早く前記プレート1Aが腐食又は溶融してしまうと、露出部4を確認することが不可能となり、残厚hを計測できなくなってしまうためである。
【0032】
ここで、前記プレート1Aは水冷壁8に接触させて固定することにより、冷却効果が高まるため、摩耗速度を低下させることができる。この冷却効果を利用することで前記プレート1Aの材質の選択の幅を広げることができる。さらに前記プレート1Aの材質によっては、耐火材5の摩耗速度よりも遅く、耐火材表面6の上部に露出部4が残る場合がある。この場合は、前記プレート1Aと前記耐火材表面6が形成する境界線の長さを、露出部の長さとして測定することで、残厚hを知ることができる。
【0033】
図3に、本発明に係る第2の実施の形態の残厚計測用プレートを示す。このY字型残厚計測用プレート1Bは、上方を拡開したV字状の本体3B(主要部)と、溶融炉に設置するための基部2から形成され、全体が略Y字型となっている。このプレート1Bを使用した場合は、露出部は2つの点状となり、この2点間の距離dを計測することで、耐火材5の残厚hを計測することができる。このY字型残厚計測用プレート1Bを使用することで、前記プレート1Bを製造する際に必要となる材料の量を抑えることができるため、コストを抑制することができる。また、前述したアンカーの露出部と見分けるために、露出部として出現する点の大きさをアンカーと異なるものとする(本体3BのV字の太さを変更する)と、残厚計測時の視認性が向上し、作業効率を向上させることができる。
【0034】
図4に、本発明に係る第3の実施の形態の残厚計測用プレートを示す。この湾曲型残厚計測用プレート1Cは、円筒形のパイプを切り開いて、下方はその円筒形に近い形を保ちながら、上方を打ち広げた形状をしている。この構成により、露出部4の長さdを計測して、残厚hを計測する機能に加えて、残厚hが減少するに従って、露出部4の形状が線状から円状に変化していく特徴を有している。図4の右方は、前記プレート1Cの断面図を示しており、露出部4の形状が残厚hの変化に伴って変化する様子を示している。これにより、正確な残厚hを知る必要のある計測箇所のプレート1Cは正確に定規等で露出部4の長さdを計測して、例えば耐火材5の残厚がまだまだ残っており、交換作業がしばらく必要の無い箇所は、露出部4の形状を確認するのみで、耐火材5の異常摩耗等が無いことを確認することができる。残厚hの計測作業の効率をさらに向上することができる。
【0035】
また、正確に残厚を知る必要のない箇所には、耐火材5の限界残厚に達しているかのみを判断する形状の残厚計測用プレートを設置してもよい。つまり、通常時には露出部4が線状に露出しているが、耐火材の交換が必要な限界残厚に達した場合には、露出部4が円形又は矩形等のサインが出るようにしたものを使用してもよい。さらに、残厚を正確に計測することが可能な残厚計測用プレートと併用してもよい。
【0036】
図5に、本発明に係る第4の実施の形態の残厚計測用プレートを示す。このスリット付き残厚計測用プレート1Dは、前述したバチ型残厚計測用プレート1Aに、スリット11を設けたことを特徴としており、露出部4の長さdの計測による残厚hを計測可能とした機能に加えて、スリット11により露出部4が破線状に出現するため、この破線のパターンを観察することで、残厚hをおおよそで知ることができる。つまり、露出部4にスリット11による破断部が2つ出ている場合には、まだ耐火材5の交換の必要性はなく、破断部が1つとなった場合には、そろそろ注意が必要等の迅速な判断ができる。そして、必要に応じて露出部4の長さdの計測により、正確に残厚hを計測することもできるため、耐火材5の残厚hの計測の作業効率を向上させ、かつ、精度の高い計測も可能としている。
【0037】
なお、本発明は、前述した溶融炉9と同様に、耐火材5を使用し、前記耐火材5の残厚hを計測する必要のあるものには、同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0038】
1A バチ型残厚計測用プレート
1B Y字型残厚計測用プレート
2 基部
3 本体
4 露出部
5 耐火材
6 耐火材表面
9 溶融炉
13 壁部
d 露出部の長さ
h 残厚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側の壁部に耐火材を配置した溶融炉の前記耐火材の残厚を計測する残厚計測用プレートであって、前記残厚計測用プレートを、前記壁部に配置した耐火材に埋没するように固定し、かつ、前記耐火材の摩耗により露出する前記プレートの露出部の長さと、前記耐火材の残厚とが対応関係にあることを特徴とする残厚計測用プレート。
【請求項2】
前記残厚計測用プレートが、主要部である三角形の頂点の1つに基部を組み合わせたバチ型であり、前記プレートの基部側が前記壁部方向になるように設置し、前記耐火材の摩耗により前記主要部の一部が線状に露出した露出部の長さと、前記露出部から壁部までの長さである残厚とが対応関係にあることを特徴とする請求項1に記載の残厚計測用プレート。
【請求項3】
前記残厚計測用プレートが、Y字型であり、前記プレートの下端が前記壁部方向になるように設置し、前記耐火材の摩耗により前記Y字型の上部の露出した上端の2点間の長さと、前記露出部から壁部までの長さである残厚とが対応関係にあることを特徴とする請求項1に記載の残厚計測用プレート。
【請求項4】
多数の前記残厚計測用プレートを設置した溶融炉の耐火材の残厚計測方法であって、前記溶融炉の運転を停止し、前記耐火材に堆積又は付着したスラグを除去し、前記耐火材の表面に露出している多数の前記残厚計測用プレートの露出部の長さを計測して、前記溶融炉内における耐火材の摩耗状況を把握することを特徴とする耐火材の残厚計測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−190463(P2010−190463A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−33735(P2009−33735)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【Fターム(参考)】