説明

股関節置換術における外科的パラメータ測定のための脚アライメント

股関節置換術を実施中に外科的パラメータを測定して、股関節インプラントを大腿骨内に挿入する際に、オペレータ(S)を誘導するためのCAS(コンピュータ支援システム)システム(50)および方法(100)であって、骨盤との関係が固定されている第1追跡可能基準(56)、およびレジストレーションツール(56)を含む。センサ装置(54)が、第1追跡可能基準(56)およびレジストレーションツール(56)を追跡する。第1追跡可能基準(56)およびレジストレーションツール(56)の追跡データを受信するコントローラユニット(52)が、センサ装置(54)に接続する。コントローラユニット(52)は、追跡データから、骨盤基準系を追跡するために骨盤の追跡可能基準(56)の位置および方向を、次いで、大腿骨基準系を生成するためにレジストレーションツール(56)の位置および方向を、順次実行される二つのステップで計算する位置および方向計算器(202)を有する。基準方向調整器(204)が、骨盤基準系、および第1追跡可能基準(56)と関係付けられる大腿骨基準系の追跡データを受信して、骨盤基準系に対して基準方向となるように大腿骨基準系の方向を向け、基準方向の関数として基準調整値を生成する。外科的パラメータ計算器(206)が、レジストレーションツール(56)から追跡データを受信して、基準調整値の関数として外科的パラメータを計算し、順次に実行される二つのステップで、外科的パラメータが基準方向により関連付けられる。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の参照】
【0001】
本願は、本出願人が2005年6月2日に出願した米国仮特許出願第60/686,422号および2005年6月27日に出願した同第60/693,803号の優先権を主張する。
【発明の分野】
【0002】
本発明は一般に、コンピュータ支援の股関節置換術に関し、より厳密には、股関節置換術における外科的パラメータの測定および調整に関する。
【発明の背景】
【0003】
股関節全置換術は患者への人工股関節導入を伴う。人工股関節は、骨盤インプラントおよび大腿骨インプラントから構成されるのが一般的である。骨盤インプラントは臼蓋窩内に受容されるカップである。大腿骨インプラントは、縦長のインプラント部の一端、または表面再処理を施した大腿骨頭へ固定される大腿骨インプラントの一端に受容される球形部から構成される。第1の場合では、縦長インプラント部は、切除した大腿骨の髄腔部に導入され、球形部は、以前の大腿骨頭の位置に略芯出しされる。従って、大腿骨頭(すなわち、大腿骨インプラントの球形部)およびカップ(すなわち、骨盤インプラント)が、人工股関節を創出する。
【0004】
股関節置換術を実施する際には、相違する出力値に悩まされる。患者の自然な、および/または改善された歩行および可動域を再現するためには、インプラントの位置および方向、大腿骨の内外側オフセット、ならびに下肢長不一致に配慮しなければならない。股関節置換術を実施している間の外科医の作業は、これら出力値に直接的な影響を及ぼし、手術の首尾がよければ、苦痛は和らぎ、動きが安定し、変形は矯正される。
【0005】
術中の下肢長不一致(以後「術中LLD」と称する)および術中の内外側オフセット(以後「術中MLO」と称する)の正確な定義はない。術前のX線写真で、外科医は、術前の下肢長不一致(以後「術前LLD」と称する)を、骨盤の座骨間を結ぶ線と大腿骨の小転子との間の関係として、身体の縦軸に沿って測定するのが普通である。術中は、後にX線測定値で検証可能な合理的測定値を取得するために、外科医は身体の縦軸に沿って脚を整列させなければならない。このアライメント(整列)は外科医の技量および経験に大きく依存する。脚の内転/外転の変化は、測定値を有意に変化させ、測定誤差をもたらすことになる。
【0006】
測定精度は、それぞれの測定に先だって、脚を正確に再配置する外科医の能力に負うところが大きい。従って、正確な術中LLDおよび術中MLOの測定値を取得するために、インプラント整復(reduction)後に、関節を脱臼させる前と同一の方向になるよう再アライメントを行わねばならない。繰り返すが、脚の内転/外転、湾曲/伸張および回転の変化は、測定値を有意に変化させることになる。
【0007】
術中に、脚長およびオフセットの測定のための確実で正確な方法が与えられないと、術後の脚の不等長を招く可能性がある。これは、ひいては、患者に不満および/または不快、機能障害(腰痛、静的神経麻痺、外転筋衰弱、歩行障害)、不安定な股関節、早期の機械的弛緩を招く可能性がある。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、従来技術による問題に取り組むことである。
【0009】
本発明の更なる目的は、下肢長不一致および内外側オフセットのような外科的パラメータを測定する際に、コンピュータ支援外科手術の術中にオペレータを誘導するための新規方法を提供することである。
【0010】
従って、本発明によれば、大腿骨に股関節インプラントを挿入する際にオペレータを誘導するための、コンピュータ支援外科手術における外科的パラメータを測定する方法が提供され、この方法は以下のステップを含む:i)骨盤基準系をデジタル化するステップであって、骨盤基準系の位置および方向は離隔して追跡可能であり;ii)骨盤基準系の関数として大腿骨の第1基準系をデジタル化するステップ;iii)骨盤基準系に対する大腿骨基準系の基準方向を取得するステップ;iv)インプラント整復開始後、骨盤基準系の関数として、前記基準方向に対する大腿骨の第2基準系をデジタル化するステップ;を含み、それにより、大腿骨の第1基準系と第2基準系との間の差として、大腿骨を骨盤に関係付ける外科的パラメータが測定される。
【0011】
さらに、本発明により、股関節置換術を実施中、大腿骨内に股関節インプラントを挿入する際に外科的パラメータを測定して、オペレータを誘導するためのCASシステム(コンピュータ支援システム)が提供され、このCASシステムは:骨盤との関係を固定した状態の少なくとも第1追跡可能基準であって、第1追跡可能基準は骨盤基準系を形成するように追跡可能であり;追跡可能なレジストレーション(位置合わせ/位置登録)ツール;少なくとも第1追跡可能基準およびレジストレーションツールを追跡するためのセンサ装置;および、少なくとも第1追跡可能基準およびレジストレーションツールの追跡データを受信するために、センサ装置へ接続されるコントローラユニット;を備え、コントローラユニットは:順次に実行される二つのステップで、少なくとも骨盤基準系を追跡するための骨盤追跡可能基準の、および大腿骨基準系を生成するためのレジストレーションツールの、位置および方向を追跡データから計算するための位置および方向計算器;骨盤基準系の、および少なくとも第1追跡可能基準と関係付けられる大腿骨基準系の、追跡データを受信し、骨盤基準系に対して基準方向に大腿骨基準系を向け、基準方向の関数として基準調整値を生成するために、位置および方向計算器へ接続された基準方向調整器;および、レジストレーションツールから追跡データを受信して、基準調整値の関数として外科的パラメータを計算する外科的パラメータ計算器;を有し、外科的パラメータは、順次に実行される二つのステップで基準方向により関連付けられる。
【好ましい実施形態の説明】
【0012】
本発明のこれらの特徴および他の特徴、態様、ならびに利点は、以下の説明および付帯図面によりさらに理解されよう。
【0013】
図面、より具体的には図1に、股関節置換術に関与する脚の骨の全体を符号1で示す。図1は、本明細書で説明する股関節置換術と関係付けられる、外科的パラメータ測定の各ステップを説明するための参照図である。これらの骨は、骨盤10、大腿骨20、脛骨30、および腓骨40である。以後、これらの骨の各部を、それぞれ2桁台が同じ数字で示す。例えば、骨盤の各部には、11から19の符号(例えば、臼蓋窩11)を用いる。
【0014】
図2を参照すると、コンピュータ支援外科手術システムは全体を符号50(以後、CASシステム50)で示され、センサ装置54へ接続されるCASコントローラ52から構成されるのが一般的である。センサ装置54は、パラメータ測定法の説明と併せて説明する位置および方向ツール56を追跡する。コントローラ52は、股関節置換術を実施している間に外科医を誘導する情報を、外科医が受信または送信するユーザーインターフェースを持つPCユニットであるのが通例である。例えば、モニタ(例えばタッチスクリーンモニタ)、キーボード、マウス、およびフットペダルは、コントローラ52が備える少数のユーザーインターフェースである。コントローラ52のデータベースは、データベース58として別に図示しているが、コントローラ52のハードディスクドライブであるのが通例である。
【0015】
図3を参照して、本発明による外科的パラメータ測定を組み込んだ股関節置換術のための方法の全体を符号100で示す。ここで、方法100は、外科的パラメータ測定の各ステップを追加して組み込んで、補足情報をオペレータに提供する股関節置換法である。従って、方法100は、2004年11月18日に公開されたJansen他の米国公開特許第2004/0230199号に記載の方法のような既存の股関節置換法に関連する。さらに、方法100を所与のステップシーケンスで説明するが、幾つかのデジタル化ステップは、オペレータが選択する外科手術法に基づく外科手術ステップと適切に交替可能である。方法100は、単一なものとして言及するが、後述するように、外科医の嗜好による様々な手順選択の余地がある。外科医の判断に基づき、方法100から複数の方法を導くことができる。
【0016】
本明細書中では以下の定義を用いる。すなわち、「術前」は関節を脱臼させる前の期間、「術中」は整復後の期間、そして「術後」は外科手術後の期間を指す。
【0017】
ステップ102では、手術のための前段階の各ステップが実行される。すなわち、患者ファイルを開くための一般的な患者情報をCASシステム50へ入力することができる(図2)。例えば、姓名、生年月日、認識番号、性別等から成る一般的な患者プロファイル、および適用可能なら、術前の脚長不一致(長い方の脚の識別と併せて)のような、外科手術に関するより詳細なデータを入力してもよい。例えば、術前の脚長不一致は、股関節のX線写真を用いて測定できる。より具体的には、脚長不一致は、転子間の縦方向比較により測定する。これらのX線写真は、外科手術に先立つ診断段階で行うのが普通であり、股関節手術に利用できるのが普通である。使用する各種の外科手術器具を較正する。例えば、Jutras他のWO01/67979 A1に記載されているような較正基準および方法を、較正に用いることができる。また、ツール56の追跡とCASコントローラ52のディスプレイとの間の対応は、ステップ102に含まれる追加の較正ステップで実証することができる。
【0018】
一般的な患者情報は術前に入力することができる。さらに、一般的な患者情報は容易に入力できるので外科医が関与しなくてもよい。但し、術前の手順を最少化するために、方法100の全てのステップは、外科手術を開始するときに、手術に先立つ短時間の間に実行することができる。
【0019】
外科手術は、股関節を露出させる外科医により、ステップ102と後続ステップ104との間で開始される。この時、コンピュータ支援は不要である。
【0020】
ステップ104で、追跡基準(ツール56に含まれる)が骨盤10へ固定される。従って、骨盤10の位置および方向は、図2のCASシステム50により、追跡基準の関数として離隔して追跡できる。
【0021】
ステップ106では、位置および方向を追跡するための別の追跡基準が、大腿骨20に固定される。外科手術の侵襲性を低減するために、大腿骨の追跡基準の使用はオプションであり、従って、ステップ106は、図3に示すように選択の余地がある。追跡基準は、コンピュータ支援の外科手術ステップ全体を通して、それぞれの骨へ固着したままとする(装着可能な場合)。CASシステム50は従って、同時に少なくとも二つの追跡基準を、リアルタイムで追跡するようになされていなければならない。二つの追跡基準間の相互関係は、所与の脚位置でデジタル化することが好ましい。例えば、身体の縦軸に沿って脚のアライメントを行い、膝を90度曲げ、次いで追跡基準間の関係をデジタル化することを勧める。
【0022】
ステップ108は、臼蓋窩および術前の大腿骨座標系、すなわち臼蓋窩基準系および術前の大腿骨基準系、のデジタル化から構成される。
【0023】
臼蓋窩座標系は、ツール56のレジストレーションポインタによりデジタル化される。各種の方法を用いて臼蓋窩座標系を定義できる。意図する一実施形態では、骨盤10上に3点を定めて臼蓋窩座標系を創出する。図1を参照すると、手術される側の腸骨稜12上に一点、対側腸骨稜13上に一点、および骨盤10の二つの恥骨結節14の内の一つの上に一点がある。腸骨稜12、13上のデジタル化される2点は、概ね整列するように腸骨稜12、13の最も外側の前面の点に定める。腸骨稜12、13上のデジタル化される点を、腸骨稜上の、骨盤を覆う軟組織上に直接定めると、軟組織が比較的薄いので好ましい。恥骨結節14上の点により、第1面である前額面(別名、前頭面)が完成する。第2面である横断面(別名、水平面)は、前額面と垂直であり、腸骨稜12上の点を含む。第3面である矢状面は、前額面および横断面と垂直である。
【0024】
前額面に関する補足情報は、2004年4月15日に公開されたJansenのWO2004/030559に記載されているように、患者の様々な姿勢に対して取得することができる。例えば、追跡可能基準を用いて、座姿勢、立姿勢、および歩行姿勢についての情報を収集できる。これらの姿勢は、患者が外科手術中に横になっている典型的な姿勢からは得られない情報を提供できるので、この情報を用いて前額面の方向を調整できる。この情報はインプラントの前傾位置決めに影響を与えることがある。
【0025】
同様に、ステップ108では、術前の大腿骨座標系をデジタル化する。各種の方法を用いて大腿骨座標系を定義でき、これは、追跡可能基準が大腿骨20に用いられるかどうか(すなわちオプションのステップ106)に依存する。
【0026】
意図する一実施形態では、術前の大腿骨座標系は、解剖学的な軸と、機械的な軸と、大腿骨20の各種の面とを取得することにより定義される。大腿骨座標系を創出するソフトウエアを備えるCASコントローラ52へ、脚上の5つの基準点を提供することを検討する。
【0027】
図1を参照すると、第1点は大腿骨20の大転子23の先端上に定められ、大腿骨20の解剖学的な軸の開始点として定義する。次いで、大腿骨20の内側上顆および外側上顆24、25上にそれぞれの点を定める。内側上顆の点と外側上顆の点との間の、それらと一直線に並ぶ中点を、大腿骨の解剖学的な軸の終点として定義する。代替として、膝蓋骨上の点をデジタル化してもよい。脚を膝で曲げた状態で、第4および第5の点を脛骨30の内果31の上、および腓骨40の外果41上に定める。
【0028】
脚を膝で曲げていることにより、脛骨30は、大腿骨20の後顆26上に立つ。従って、内果および外果の2点と並ぶその中点が、解剖学的な軸を有する面(すなわち、矢状面)を定義し、膝の軸は矢状面と法線をなす、と言われる仮定がなされる。前額面は矢状面に垂直であり、解剖学的な軸はその面内にある。横断面は、矢状面および前額面に垂直であり、任意の高さに配置できる。注意すべきは、二点を測定して踝領域の中点を得る必要がないということである。この後者の点は矢状面内にあるので、点を踝領域の中点に定めるだけでよく、従ってオペレータはこれを近似的に配置できる。
【0029】
同様に、ステップ108では、大腿骨の基準軸となる大腿骨の機械的な軸のレジストレーションが実行される。機械的な軸のレジストレーションは、ステップ104におけるように、骨盤上の追跡基準だけを用いるかどうか、またはステップ106でオプションとして実行されるように、大腿骨も追跡基準をサポートするかどうかに依存する。
【0030】
方法100の目的に対して、大腿骨20の機械的な軸は、ステップ108で説明したように、内側上顆および外側上顆24、25の中点と、股関節の回転中心とを通過する。股関節の回転中心のデジタル化は、上記で説明したように、追跡基準の数(追跡基準が一つまたは二つのいずれか)に依存する。
【0031】
追跡基準を一つだけ、すなわち骨盤だけに用いる場合、一時的な追跡基準を安定した方法で大腿骨20に位置決めし、骨盤10に対して大腿骨20を回転運動させる。従って、これらの運動により、CASシステム50は、股関節10の回転中心を計算でき、次いで、大腿骨20の回転中心が臼蓋窩11の回転中心に一致すると仮定する。次に、計算した股関節の回転中心を、骨盤上の追跡基準に関係付ける。股関節10の回転中心を取得するためのこの方法は、追跡基準を大腿骨上に設ける場合にも実行できる。リーマの幾何形状を考慮して、臼蓋窩11の回転中心の位置を取得するために、ツール56によりリーマを追跡することも意図している。
【0032】
股関節10の回転中心の取得を意図する別の方法は、骨盤10上の追跡基準に対して臼蓋窩11内の点をデジタル化することである。この方法は、大腿骨および骨盤の回転中心が一致していることも仮定している。米国公開特許2004/0230199等、幾つかの文献では、股関節10の回転中心を取得するこの方法が既に公けになっている。
【0033】
追跡基準が大腿骨にも提供される場合、米国公開特許第2004/0230199号で公けになっているように、大腿骨頭の表面上の点をデジタル化することにより、大腿骨頭の回転中心を決定できる。機械的な軸は、その回転中心と上顆24、25の中点とを通る。
【0034】
その後、ステップ110で、このデジタル化した機械的な軸を、後続の外科的パラメータ測定を考慮して、大腿骨基準方向となるように臼蓋窩座標系に対してレジストレーションしなければならない。大腿骨20の基準方向は複数の位置として定義できる。しかし、これまでに確認されているのは、身体の縦軸に対して機械的な軸が骨盤の前額面内で角度3°となる基準方向が、患者の立姿勢の基準方向を表すのに十分適合している、ということである。機械的な軸が取得されると、CASシステム50が、臼蓋窩座標系に対して、この基準方向を実質的にレジストレーションする。
【0035】
外科的パラメータ測定は大腿骨基準方向に基づく。例えば、ステップ108で大腿骨20の解剖学的な軸を定義する時に取得した大転子上の点を、術前、術中、および術後のデータから、内外側オフセットおよび下肢長不一致を計算するためのランドマーク(目印)として、用いることができる。
【0036】
ステップ112で、インプラント整復を開始する。先に説明したように、インプラント整復のステップ112は、オペレータが選択する外科手術の方法に依存する。従って、本明細書では詳細についてほとんど説明しないが、インプラント整復を実行する適切な方法が記載されている米国公開特許第2004/0230199号を参照する。
【0037】
インプラント整復全体を通じて、オペレータには、実行している作業の妥当性を確認する外科的パラメータ測定が必要になる。大腿骨20および臼蓋窩11の修正の結果、股関節10の回転中心位置が変化する可能性がある。
【0038】
従って、回転中心を再デジタル化して、ランドマーク点(例えば、大転子上の解剖学的軸の点)に対する外科的パラメータ測定を実行する必要があり、追跡可能基準が大腿骨上に提供されない場合は、ランドマークのデジタル化の間に脚を動かさなくてもよい。
【0039】
従って、ステップ114は、術中の大腿骨座標系のデジタル化における基礎となる。その目的は、股関節10の術中の回転中心を取得することにより、この測定値をステップ110で取得した大腿骨基準方向を基準とするよう、機械的な軸を再定義することにある。ステップ114の術中の大腿骨座標系のデジタル化は、インプラント整復で実行される修正の種類はもとより、追跡基準セットが一つまたは二つ存在している場合のような複数の因子に依存する。
【0040】
例えば、大腿骨インプラントを挿入して大腿骨頭21を置換するのに加えて、臼蓋窩11へ修正を実行してもよい。両者のいずれの場合も、インプラントは、臼蓋窩11および大腿骨頭21の回転中心の位置を変化させる可能性がある。従って、臼蓋窩インプラントを用いる場合、臼蓋窩11の回転中心を再デジタル化するために、臼蓋窩カップつまり臼蓋窩11内にインプラントしたライナ(内張り)内の点をデジタル化してもよい。代替として、臼蓋窩11の回転中心を取得するために、インプラントした股関節へ較正ツールを挿入してもよい。このような較正ツールの一つが、本譲受人のWO2005/023110に記載されている。
【0041】
大腿骨20の回転中心に対しては、大腿骨20の回転中心をモデル化するために、大腿骨インプラントの物理モデルがオペレータに提供されることが多い。より詳細には、この物理モデルは、様々なサイズの大腿骨インプラントを提示し、それらを用いて脚長および内外側オフセットを仮評価する。
【0042】
このような物理モデルを用いて、例えば、大腿骨20内に挿入される物理モデル上の表面の点をデジタル化するか、または骨盤に対する大腿骨20の動きを、大腿骨20上に固定または配置される追跡基準によって再現することにより、大腿骨20を、直ちにデジタル化する。
【0043】
大腿骨20上に追跡基準が存在すると、大腿骨インプラント(すなわち球状頭部)21の回転中心をデジタル化する術中のステップが影響を受けるということが指摘できる。大腿骨インプラントの回転中心を取得するために、較正ツールを大腿骨インプラント上に(物理モデルを使用するならその上に)設置できる。代替として、挿入したインプラントの表面上の点をデジタル化してもよい。留意すべきは、これらの場合、システムが、臼蓋窩インプラントCOR(回転中心)および大腿骨インプラントCORを重ね合わせることにより、インプラント整復をシミュレーションするので、脚長不一致および内外側オフセットの後続の計算では、インプラント整復が不要になる。
【0044】
従って、股関節であると仮定され、関節が脱臼されている間に較正ツールにより取得される可能性がある、臼蓋窩のCORを入手することが必要であり、そのCORは、後に、大腿骨を選択した方向にアライメントを行う際に用いられる。
【0045】
大腿骨20に追跡基準を固定せずに、脚をインプラントにより整復する場合、大腿骨インプラント中心(すなわち球形頭部中心)を除く大腿骨20上の少なくとも二つの点を、術中の大腿骨座標系を完成させるために、ステップ114でデジタル化しなければならない。ステップ108で術前の大腿骨座標系をデジタル化する間に、骨の上の点に印をつけ、ツール56(図2)のレジストレーションポインタをその点で用いて、既知の点をデジタル化するよう意図している。これらの点を定める場合、大腿骨20を動かさないようにすることが重要であることが肝要である。これらの点が確定されると、これらの点は、ステップ108で測定したのと同一の点に関連付けられ、それにより、術中の大腿骨座標系が完成することになる。
【0046】
変更した臼蓋窩の回転中心を、骨盤の追跡可能基準に対してデジタル化することにより取得された、術中の股関節10の回転中心により、術中の機械的な軸(すなわち、術中の回転中心から両上顆の中点まで)が、以前定義した骨盤の基準方向に対して、前額面内にデジタル的に再アライメントがなされる。
【0047】
術前の機械的な軸のアライメントは以前に計算してあるので、術中および術後の大転子の点は、骨盤の追跡可能基準に対して前額面内にアライメントを行うことができる。
【0048】
従って、骨盤の追跡可能基準が何もない状態で再アライメントを実行するためには、ステップ108で取得される解剖学的な軸の開始点(すなわち、大転子上の点)が、整復した大腿骨により再デジタル化され、それにより、下肢長不一致を、術前のランドマーク(例えば、大転子)と、術中または術後のランドマークとの間の縦方向の距離として、臼蓋窩の前額面上で計算できる。同様に、内外側オフセットを、前額面内のランドマークの水平位置との間の差として計算できる。
【0049】
従って、計算した外科的パラメータを考慮しながら大腿骨20上で修正を実行する際の、オペレータを誘導するための情報がオペレータに提供されることになる。
【0050】
判定118では、ステップ116で計算した脚長不一致および内外側オフセットは許容されないと、インプラント整復112における調整が促される。最終的に脚長不一致および内外側オフセットが許容できれば、インプラント整復を完成させるステップ120へ導かれる。
【0051】
ステップ122および124は、術後の外科的パラメータの計算に関連する。ステップ114および116それぞれの説明に続いて、ステップ122および124を実行することにより、インプラント上で行われる最終測定から、脚長不一致および内外側オフセットを取得する。
【0052】
方法100の間に考慮される各種パラメータについて、以下に説明する。目標とする脚長は、大腿骨の回転中心の所望位置であり、以下のように計算する:
(目標とする脚長)=ΔLL x-ray + 調整値
ここで、(ΔLL x-ray)は、先に説明した術前X線写真により初期に取得した下肢長不一致である。この調整値は、初期に取得した下肢長不一致を考慮して、目標の脚長を補正するオペレータが選択する何れかの値である。
【0053】
外科医に提供される別の誘導パラメータは、現在の脚長不一致である。現在の脚長不一致、(現在のΔLL)は以下のように計算する:
(現在のΔLL)=(GTintraop)−(GTpreop)−(目標とする脚長)
ここで(GTintraop)は、再アライメント手順後の大転子点の術中Y値であり、(GTpreop)は、再アライメント手順後の大転子点の術前Y値であり、(目標とする脚長)は、先に計算済みである。現在の脚長不一致は、全脚長として、または値ゼロで脚長が等しいことを表す両脚の相対値として、CASシステム50により表示することができる。
【0054】
外科医に提供される別の誘導パラメータは、現在の内外側オフセットである。現在の内外側オフセット(現在のΔMLO)は以下のように計算する:
(現在のΔMLO)=(GTintraop)−(GTpreop
ここで(GTintraop)は、再アライメント手順(ステップ116)後の大転子点の術中X値であり、(GTpreop)は、再アライメント手順後の大転子点の術前X値である。
【0055】
大腿骨インプラントの前傾は、前額面と横断面との交線と、横断面上に投影されたネック部の軸(大腿骨インプラントに対して予想される軸)との間の角度により表される(ステップ108)。
【0056】
外科医に提供される別の誘導パラメータは、大腿骨インプラントの内反/外反角度であり、追跡されるラスプ(ステム挿入孔作製用回転やすり)の内反/外反角度に等しい。この角度は、大腿骨の前額面上への、髄腔部の軸の投影と縦長のラスプ軸の投影との間で測定され(ステップ108)、外科医には角度で表示される。
【0057】
外科医に提供される別の誘導パラメータは、以前の大腿骨の回転中心(すなわち、ステップ112でデジタル化された回転中心)と現在の大腿骨の回転中心との間の距離である。現在の大腿骨の回転中心は、大腿骨インプラントの幾何形状(例えば、球形頭部のサイズ)およびラスプの追跡の関数として計算される。この距離は、大腿骨の座標系に基づくX,Y,Z値(例えばmm単位)で与えることができる(ステップ108)。
【0058】
方法100について詳細に説明してきたが、ここでCASシステム50について、本発明の好適な実施形態に基づき説明する。
【0059】
図2を参照すると、オペレータ(例えば外科医)が符号Sで図示され、手術を実施する際にCASシステム50により誘導される。より詳細には、オペレータSは、コントローラ52のユーザーインターフェース(例えば、マウス、タッチスクリーンディスプレイユニット、キーボード、スピーカ)を用いて、CASシステム50のコントローラ52との間で対話をする。図2に示すように、コントローラ52は、方法100に関する誘導情報を、CASを介してオペレータSに提供する。この誘導情報は、例えば、データベース58からコントローラ52により読み出され、ツール56を扱うオペレータSを誘導する。
【0060】
ツール56はそれぞれ、所与の構成要素の位置および/または方向を計算できるように、位置および方向をセンサ装置54で離隔して追跡可能である。一般的な基本要件として、ツール56には、骨の基準系を創出するための、骨に固定できる追跡可能基準のような基準ツール(ステップ104および106)が含まれる。別の必要な一ツール56は、骨に関する表面情報を収集できるレジストレーションツールである(例えば、ステップ110、114、116他)。上述のように、レジストレーションツールは、レジストレーションポインタ、追跡型写真測定センサ等とすることができる。最後に、必要とされるツール56には、リーマおよびラスプのような骨修正ツールがあり、その使用はステップ112に関連する。また、ツール56には、位置および方向を追跡して、挿入中にオペレータを誘導できる骨盤インプラント、インパクタ(カップ打ち込みツール)および大腿骨インプラントが含まれる。指摘しておくが、これらのツール類に関連する情報(例えば、幾何形状、先端位置)は、どれもコントローラ52には既知であるか、または様々な較正ステップを用いて決定できる。
【0061】
センサ装置54は、コントローラ52へ接続され、位置および方向の追跡値をコントローラ52へ転送する。コントローラ52は、位置および方向の追跡値を用いてCASに関係するパラメータを計算する。より正確には、基準ツールおよびレジストレーションツールの位置および方向の追跡値を用いて、ステップ110、114、116で説明したように、骨盤および大腿骨の各基準系を創出する。図2に示すように、例えば、コントローラ52のディスプレイユニットを用いて、基準系情報がオペレータSに提供される。
【0062】
骨盤インプラントでは、ステップ108で説明したように、当初の回転中心を基準系に対して計算する。臼蓋窩の回転中心は、骨盤インプラントの挿入を考慮して臼蓋窩を修正する基準として、骨盤基準系で用いられる。データベース58は、コントローラ52が読み取って計算する情報を格納する。
【0063】
現在の骨盤および大腿骨インプラントの位置および方向は、骨修正ツールの位置および方向の追跡値の関数、および各インプラントの幾何形状の関数として計算される。繰り返しになるが、コントローラ52は、計算値を表示してオペレータSを誘導するために、センサ装置54の出力値およびデータベース58内に格納された情報を用いる。
【0064】
CASシステム50は、アクティブ型またはパッシブ型の追跡で動作できる。本発明の好ましい実施形態では、センサ装置54は、コントローラ52内で適切に動作するソフトウエアを有するNDI社のPolaris(商標)光学追跡装置である。Polaris(商標)光学追跡装置により、再帰反射球面のようなパッシブ型装置をパターン付きで用いて、離隔して位置および方向を追跡する。追跡する必要があるツール56はそれぞれ、独自の検出可能パターンを有する。
【0065】
CASシステム50は、方法100全体を通して、外科医を誘導しなければならないので、関連情報を表示して、外科医が適切な操作ステップに確実に従うようにする。例えば、脚長不一致の値が得られた場合、頭部−尾部の集合体を表示して、取得した読取値を説明できるようにする。アニメーションを自動的に開始して、例えば、様々な骨の基準点を定める際に、基準点が所与の順序で、または正しい配置で定められるように、外科医を誘導できるようにする。
【0066】
図4に、CASコントローラ52をより詳細に示す。CASコントローラ52は、情報を処理するコントローラ装置200を有する処理ユニットであるのが通例である。コントローラ装置200は、追跡可能基準およびレジストレーションツールのような、ツールの位置および方向の追跡データを受信するために、センサ装置54に接続される。
【0067】
位置および方向計算器202は追跡データを受信し、基準系はもとより、ツールの位置および方向を計算する。従って、コントローラ装置200により、オペレータはリアルタイムのCASナビゲーションの下で外科手術を実行できる。
【0068】
方法100に従って、術前に定めた点を術中および術後に定めた点と比較するために、基準方向調整器204が、コントローラ装置200に関係付けられて提供される。より詳細には、大腿骨基準系に関係付けられるデータの更新が、基準方向調整器204により受信される。その情報が揃うと、基準方向調整器204は、再デジタル化した基準系を基準方向へ再アライメントを行う際に基礎となる基準調整値を計算する。前述のように、これは、骨盤基準系の前額面内の縦軸に対して所定角度を成す機械的な軸(術中または術後の回転中心を有する)を、既知の関係にある大腿骨および臼蓋窩の両回転中心により配置する基礎となる。
【0069】
次いで、基準調整値を考慮して外科的パラメータを計算する外科的パラメータ計算器206に、基準調整値が提供される。従って、CASコントローラ52が全てのアライメントを実質的に実行することを考えると、物理的アライメントは必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】図1は、本発明による股関節置換法に関わる脚の骨の前面図である。
【図2】図2は、本発明によるコンピュータ支援外科手術システムのブロック図である。
【図3】図3は、本発明による股関節置換術のフロー図である。
【図4】図4は、図2に記載するコンピュータ支援外科手術システムのコントローラ装置のブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大腿骨に股関節インプラントを挿入する際にオペレータを誘導するために、コンピュータ支援外科手術における外科的パラメータを測定する方法であって:
i)骨盤の基準系をデジタル化するステップであって、前記骨盤基準系の位置および方向は離隔して追跡可能であり;
ii)前記骨盤基準系の関数として前記大腿骨の第1基準系をデジタル化するステップ;
iii)前記骨盤基準系に対する、前記大腿骨基準系の基準方向を取得するステップ;
iv)インプラント整復開始後、前記骨盤基準系の関数として、前記基準方向に対する前記大腿骨の第2基準系をデジタル化するステップ;を含み、
よって、前記大腿骨の前記第1基準系と前記第2基準系との間の差として、前記大腿骨を前記骨盤に関係付ける外科的パラメータを測定する測定方法。
【請求項2】
前記基準方向は、前記骨盤基準系の前額面内で、患者の縦軸と所定角度をなす、前記大腿骨基準系の機械的な軸を有する請求項1の方法。
【請求項3】
前記所定角度が3度である請求項2の方法。
【請求項4】
前記骨盤基準系の前記前額面は、腸骨稜上の2点と、恥骨結節の内の一つの点とをデジタル化することにより取得される請求項2の方法。
【請求項5】
前記大腿骨基準系の前記機械的な軸は、前記大腿骨の回転中心を通過し、前記基準方向は、前記大腿骨と臼蓋窩との一致する回転中心を有する請求項2の方法。
【請求項6】
前記ステップiv)は、前記インプラントの整復後に続いて、臼蓋窩の回転中心をデジタル化することにより、前記骨盤基準系を更新するステップを含む請求項1の方法。
【請求項7】
前記外科的パラメータは、下肢長不一致および内外側オフセットの内の少なくとも一方である請求項1の方法。
【請求項8】
前記ステップi)およびii)は、前記骨盤へ固定される単一の追跡可能基準に対して実行される請求項1の方法。
【請求項9】
前記方法が、骨モデルまたは解剖用死体で実行される請求項1の方法。
【請求項10】
股関節置換術を実施中、大腿骨へ股関節インプラントを挿入する際に外科的パラメータを測定して、オペレータを誘導するためのCASシステムであって:
骨盤との関係を固定した状態での少なくとも第1追跡可能基準であって、前記第1追跡可能基準は骨盤基準系を形成するように追跡可能であり;
追跡可能なレジストレーションツール;
少なくとも前記第1追跡可能基準および前記レジストレーションツールを追跡するためのセンサ装置;および、
少なくとも前記第1追跡可能基準および前記レジストレーションツールの追跡データを受信するために、前記センサ装置へ接続されるコントローラユニット;を備え、
前記コントローラユニットは:
順次に実行される二つのステップで、少なくとも前記骨盤基準系を追跡するための骨盤追跡可能基準と、大腿骨基準系を生成するための前記レジストレーションツールとの位置および方向を前記追跡データから計算する位置および方向計算器;
前記骨盤基準系と少なくとも前記第1追跡可能基準に関係付けられる前記大腿骨基準系との追跡データを受信して、前記骨盤基準系に対して基準方向となるように前記大腿骨基準系の方向を向けるために、前記位置および方向計算器へ接続されて基準方向の関数として基準調整値を生成する基準方向調整器;および
前記レジストレーションツールから追跡データを受信して、前記基準調整値の関数として外科的パラメータを計算する外科的パラメータ計算器;を有し、前記外科的パラメータは、前記順次に実行される二つのステップで前記基準方向により関連付けられるCASシステム。
【請求項11】
前記順次に実行される二つのステップの内の第1ステップが術前に実行され、前記順次に実行される二つのステップの内の第2ステップが術中に実行される請求項10のCASシステム。
【請求項12】
前記基準方向は、前記骨盤基準系の前額面内で、患者の縦軸と所定角度をなす前記大腿骨基準系の機械的な軸を有する請求項10のCASシステム。
【請求項13】
前記所定角度が3度である請求項12のCASシステム。
【請求項14】
前記骨盤基準系の前記前額面は、腸骨稜上の2点と、恥骨結節の内の一つの上の点とをデジタル化することにより取得される請求項12のCASシステム。
【請求項15】
前記大腿骨基準系の前記機械的な軸は、前記大腿骨の回転中心を通過し、前記基準方向は、前記大腿骨回転と、臼蓋窩との一致する回転中心を有する請求項12のCASシステム。
【請求項16】
前記二つの順次ステップの内の前記第2ステップでは、インプラント整復に続いて、臼蓋窩の回転中心をデジタル化することにより、前記骨盤基準系を更新するステップを含む請求項10のCASシステム。
【請求項17】
前記外科的パラメータは、下肢長不一致および内外側オフセットの内の少なくとも一方である請求項10のCASシステム。
【請求項18】
前記骨盤へ固定される追跡可能基準の内の単一のものを備える請求項10のCASシステム。
【請求項19】
二つの前記追跡可能基準を備え、前記追跡可能基準の内の第2のものは前記大腿骨へ取付けられる請求項10のCASシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−545481(P2008−545481A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−513883(P2008−513883)
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際出願番号】PCT/CA2006/000905
【国際公開番号】WO2006/128301
【国際公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(504385502)オーソソフト インコーポレイテッド (11)
【Fターム(参考)】