説明

肥満、心臓血管疾患及び冠状動脈疾患の予防及び治療のための組成物

肥満、心臓血管疾患及び冠状動脈疾患の予防及び治療のための組成物が開示される。本発明は、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(DGAT)に対する抑制活性を有する少なくとも一種のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体を含む組成物を提供し、また、肥満、心臓血管疾患及び冠状動脈疾患の予防及び治療のための薬剤または栄養補助食品の成分としての組成物の使用を提供する。本発明の組成物は無毒性であることから、その長期にわたる摂取が可能になり、太った人によく見られる肥満及び肥満に関連する疾病をさらに自然に、且つ容易に制御することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
現代に入り、栄養の過度な摂取や、例えば、自動車、エレベーター、及びインスタント食品などの文明の利器の発達による運動不足に起因して、人体の内部のエネルギー代謝過程におけるバランスが崩れ、その結果、肥満症、糖尿病、心血管疾患及び冠状動脈疾患、高脂血症、及び糖尿病の発症率が増大し、深刻な社会問題になっている。近年、米国の人口の約20%が、体格指数(BMI)が30kg/m2より高い者として定義される肥満症に悩んでいる。肥満症は、高血圧、糖尿病及び心血管疾患の主な危険因子となる。毎年、約1000億ドルが肥満の予防や治療に費やされている。肥満を制御する種々の医薬品及びサプリメントについての需要と供給があるが、これまで容易で効果的な肥満の治療方法が見出されていないのが現状である。
【0002】
肥満症は、人体のエネルギー蓄積機能の障害によるものであると言われている。体重の増加は、エネルギーバランスの崩れ(すなわち、エネルギー消費量をエネルギー摂取量が超えている状態)が原因であり、余剰のカロリーがトリグリセリドの形で脂肪組織に蓄積されることによる。トリグリセリドの生合成に当たって決定的な役割を果たす酵素は、アシルCoA:ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(DGAT)というミクロソーム酵素であって、哺乳動物の組織で広く見られる(Cases,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,95:13018−13023(1998年10月))。DGATは、細胞中のトリグリセリド生合成の主経路となるグリセロールリン酸経路における最後の反応を触媒する。また、前記酵素は、小腸の腸細胞で主に見られるモノアシルグリセロール経路の最後の段階を触媒するとされている。
【背景技術】
【0003】
近年、マウスを用いたDGAT遺伝子の非活性化に関する研究がなされている。驚くべきことに、DGAT活性がないにも拘わらず、DGATノックアウト(Dgat−/−)マウスは成長し、しかもトリグリセリドの合成能も有しており、このことは、空腹時の血清トリグリセリドのレベルが正常であること及び脂肪組織の組成が正常であることにより裏付けられた(Smith SJ,Cases S,Jensen DR,et al.Nat Genet 25:87−90(2000))。通常の飼料(4重量%の脂肪)を与えると、ノックアウトマウスの体重曲線は野生型マウスの体重曲線に類似していた。しかしながら、Dgat−/−マウスの場合は、脂肪組織の量が減少しており、脂肪体の全重量及び身体中のトリグリセリドの含有量が低下していた。さらに、マウスが高脂肪飼料(21重量%の脂肪)を摂取すると、DGAT野生型及び異型接合のマウスは体重が40%ないし50%増大したのに対し、Dgat−/−マウスは通常の飼料を摂取したマウスと同レベルの体重を保持していた。増大した脂肪摂取に応じて物理的な活性を増大させて余剰の摂取カロリーを「燃焼させる」ことにより、DGATの欠乏が部分的に肥満を防ぐことを明らかにするために、DGAT活性の抑制と肥満への抵抗性とを関連づけるメカニズムについてのさらなる研究が行われている。(Chen&Farese,Jr.,TCM Vol.10,No.5(2000))。この理由から、DGAT活性の抑制が、肥満の制御、ならびに心血管疾患、高脂血症及び糖尿病などの循環器の疾患、ならびに他の肥満に関連した疾病の予防に寄与できると期待される。
【非特許文献1】Smith SJ,Cases S,Jensen DR,et al.Nat Genet 25:87−90(2000)
【非特許文献2】Chen&Farese,Jr.,TCM Vol.10,No.5(2000)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような状況から、例えば食品やサプリメントなどの、肥満とそれに関連する疾病の治療に有用で且つ安全な物質への要求が高まりつつある。また、肥満とそれに関連する疾病の予防と治療のための、及び心血管疾患や冠状動脈疾患の治療のための、DGAT経路を阻害することのできる安全な組成を有することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、肥満とそれに関連する疾患、及び心血管疾患と冠状動脈疾患の予防及び治療のための組成物に関する。一実施の形態として、この発明は、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(DGAT)に対して抑制能を有するジベンゾ−p−ジオキシン誘導体を含む組成物に関するものであり、さらには、肥満、心血管疾患及び冠状動脈疾患の予防と治療に好適な薬剤や栄養補助食品の成分としてこれらの組成物を使用することに関する。
【0006】
本発明は、肥満、心血管疾患、冠状動脈疾患及び高脂血症の予防及び治療に有用な組成物を提供する。このような組成物は、動物と人体への投与用として安全なものである。一実施の形態として、DGAT活性の抑制による肥満の治療及び制御に有効な組成物が提供される。一実施の形態として、本発明は、肥満の制御に有効な栄養補助食品を提供する。一実施の形態として、本発明は、心血管疾患と冠状動脈疾患の治療及び予防に効果的な栄養補助食品を提供する。
【0007】
一実施の形態として、本発明は、DGAT活性を抑制する組成物を提供する。一実施の形態として、本発明の組成物は、ジベンゾ−p−ジオキシン誘導体である。本発明者は、ジベンゾ−p−ジオキシン誘導体がDGAT活性を抑制して、体重と体脂肪の減少、筋肉量の増大、コレステロール代謝の改善、及び血管拡張機能の改善などの結果が得られることを見出した。このようなジアベンゾ−p−ジオキシン誘導体は、肥満、心血管疾患、冠状動脈疾患、及び他の肥満に関連する疾患の予防及び治療に有用である。
【0008】
本発明の組成物に含まれるジベンゾ−p−ジオキシン誘導体は、抗酸化活性(例えば米国特許第6384085号明細書およびKang,et.al.Arch.Pharm.Res.26:286−293(2003)に記述)、抗プラスミンの抑制(Fukuyama,et.al.,Chem.Pharm.Bull.,38:133−135(1990)、Nakayama,et.al.,Agric.Biol.Chem.,53:3025−3030(1989)、Fukuyama,et.al.,Chem.Pharm.Bull.,37:2438−2440(1989)、Fukuyama,et.al.,Chem.Pharm.Bull.,37:349−353(1989)、Glombitza,et.al.,Phytochemistry,24:543−551(1985)、Fukuyama,et.al.,特開昭58−118580号公報、特開昭58−118581号公報、特開昭58−118591号公報、特開昭58−146579号公報、特開昭58−188874号公報(1983)に記述)、抗バクテリア活性(Nagayama,et.al.,J.Antimicrobial Chemotherapy,50:889−893(2002)に記述)などの生物学的な活性を示す化合物である。かかるジベンゾ−p−ジオキシン誘導体は、大型の褐藻類(large brown seaweed)で最初に見出された。本発明におけるジベンゾ−p−ジオキシン誘導体は、優れたDGAT抑制活性を有することが実験的に確認されており、投与することで、脂肪組織量の減少、体重と体脂肪の減少、筋肉量の増大、コレステロール量の改善、及び血管拡張機能の回復を促す。
【0009】
本発明のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体は、任意の適宜なジベンゾ−p−ジオキシンである。一実施の形態として、ジベンゾ−p−ジオキシン誘導体は、以下の化学式のいずれか一つを有する。
【化1】

【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

式中、各Rは、H、アルキル、アルケニル、フェニル、フェニルアルキル、アルカノイル、ヒドロキシフェニル、ジヒドロキシフェニルまたはアシルである。一実施の形態では、各RはHである。
【0010】
ジベンゾ−p−ジオキシン誘導体は、一種の化合物として、あるいはこれらの化合物の二種以上の組み合わせ、例えば、三種以上、四種以上、五種以上、六種以上、七種以上、八種以上、九種以上、十種の化合物として、本発明の組成物に含まれうる。例えば、一実施の形態として、本発明の組成物は、化学式1、2、3、4、5、6、7、8、9、10の二種以上を含むことができる。
【0011】
一実施の形態として、本発明の組成物は、0.1〜6重量%の化学式1のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、5〜60重量%の化学式2のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、1〜30重量%の化学式3のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0.5〜20重量%の化学式4のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0.1〜10重量%の化学式5のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0.5〜15重量%の化学式6のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0.1〜5重量%の化学式7のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0.1〜5重量%の化学式8のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0.1〜10重量%の化学式9のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、または0.1〜12重量%の化学式10のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体の、いずれか一種以上を含む。
【0012】
一実施の形態として、本発明の組成物は、0.1〜6重量%の化学式1のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、5〜60重量%の化学式2のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、1〜30重量%の化学式3のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0.5〜20重量%の化学式4のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0.1〜10重量%の化学式5のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0.5〜15重量%の化学式6のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0.1〜5重量%の化学式7のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0.1〜5重量%の化学式8のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0.1〜10重量%の化学式9のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、または0.1〜12重量%の化学式10のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体の、いずれか二種以上を含む。
【0013】
一実施の形態として、組成物は、0.1〜6重量%の化学式1のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、5〜60重量%の化学式2のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、1〜30重量%の化学式3のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0.5〜20重量%の化学式4のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0.1〜10重量%の化学式5のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0.5〜15重量%の化学式6のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0.1〜5重量%の化学式7のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0.1〜5重量%の化学式8のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0.1〜10重量%の化学式9のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、または0.1〜12重量%の化学式10のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体の、いずれか三種以上、四種以上、五種以上、六種以上、七種以上、八種以上、九種以上、あるいは十種を含む。
【0014】
一実施の形態として、組成物は、1〜5重量%の化学式1のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、20〜70重量%の化学式2のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、5〜15重量%の化学式3のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、5〜20重量%の化学式4のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、5〜20重量%の化学式5のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、5〜20重量%の化学式6のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、1〜5重量%の化学式7のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、1〜5重量%の化学式8のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、1〜10重量%の化学式9のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、または1〜12重量%の化学式10のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体を含む。
【0015】
一実施の形態として、組成物は、1〜5重量%の化学式1のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、50〜70重量%の化学式2のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、5〜15重量%の化学式3のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、10〜20重量%の化学式4のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、3〜10重量%の化学式5のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、5〜15重量%の化学式6のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0〜5重量%の化学式7のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0〜5重量%の化学式8のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0〜10重量%の化学式9のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、または0〜12重量%の化学式10のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体を含む。
【0016】
一実施の形態として、組成物は、0〜5重量%の化学式1のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、50〜70重量%の化学式2のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、20〜40重量%の化学式3のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、10〜20重量%の化学式4のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0〜10重量%の化学式5のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0〜10重量%の化学式6のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0〜5重量%の化学式7のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0〜5重量%の化学式8のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0〜10重量%の化学式9のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、または0〜10重量%の化学式10のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体を含む。
【0017】
他の実施の形態として、組成物は、0〜5重量%の化学式1のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、10〜30重量%の化学式2のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0〜10重量%の化学式3のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、50〜80重量%の化学式4のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0〜10重量%の化学式5のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0〜10重量%の化学式6のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0〜5重量%の化学式7のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0〜5重量%の化学式8のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体を含む。
【0018】
一実施の形態として、組成物は、80〜100重量%の化学式2を含む。他の実施の形態として、組成物は、80〜100重量%の化学式4を含む。
【0019】
一実施の形態として、組成物は、0〜5重量%の化学式1のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、30〜80重量%の化学式2のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0〜10重量%の化学式3のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0〜10重量%の化学式4のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、10〜40重量%の化学式5のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、10〜40重量%の化学式6のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0〜5重量%の化学式7のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、0〜5重量%の化学式8のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体を含む。
【0020】
適切なジベンゾ−p−ジオキシン誘導体は、例えば、アイセニアバイシクリス(Eisenia bicyclis)、アイセニアアルボレア(Eisenia arborea)、アイセニアデスマレスチオイデス(Eisenia desmarestioides)、アイセニアガラパゲンシス(Eisenia galapagensis)、アイセニアマソニイ(Eisenia masonii)、エクロニアクロメ(Ecklonia kurome)、エクロニアカバ(Ecklonia cava)、エクロニアストロニフェラ(Ecklonia stolonifera)、エクロニアマキシマ(Ecklonia maxima)、エクロニアラジアタ(Ecklonia radiata)、エクロニアバイシクリス(Ecklonia bicyclis)、エクロニアバイランシネート(Ecklonia biruncinate)、エクロニアブクシナリス(Ecklonia buccinalis)、エクロニアカエパエスチペス(Ecklonia caepaestipes)、エクロニアエクサスペルタ(Ecklonia exasperta)、エクロニアファスチギアタ(Ecklonia fastigiata)、エクロニアブレビペス(Ecklonia brevipes)、エクロニアアルボレア(Ecklonia arborea)、エクロニアラチフォリア(Ecklonia latifolia)、エクロニアムラチイ(Ecklonia muratii)、エクロニアラジコサ(Ecklonia radicosa)、エクロニアリチャージアナ(Ecklonia richardiana)、エクロニアライチイ(Ecklonia wrightii)のような褐藻類から抽出可能である。一実施の形態として、ジベンゾ−p−ジオキシン誘導体は、アイセニアバイシクリス(Eisenia bicyclis)、エクロニアカバ(Ecklonia cava)、エクロニアクロメ(Ecklonia kurome)、またはエクロニアストロニフェラ(Ecklonia stolonifera)から抽出されるものであっても良い。ジベンゾ−p−ジオキシン誘導体は、従来公知の標準的な手順に従って抽出可能である。
【0021】
本発明の組成物は、任意の適量のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体を含む。一実施の形態として、組成物は、約0.01ないし約100重量%の一種以上のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体を含む。一実施の形態として、組成物は、一種以上のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体を約0.01ないし約10重量%含む食品である。一実施の形態として、組成物は、一種以上のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体を約10ないし約80重量%含む栄養補助食品である。一実施の形態として、組成物は、一種以上のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体を約80ないし約99.99重量%含む栄養補助食品である。
【0022】
本発明の組成物は、適切な投薬形態を取ることができる。適切な投薬形態は、経口、直腸、頬部(例えば舌下)、非経口(例えば静脈内)、局所、眼、肺または皮下経路の投与に適した形態を含むが、本発明はこれらに限定されるものではない。好適な投与形態は、例えば、錠剤、粉体、カプセル、懸濁液、シロップ、栄養補助食品、飲料、食品(例えば、バー状またはパン状)またはその他の好適な投与形態を含む。一実施の形態として、組成物は栄養補助食品であり、例えばアルコール類、炭酸飲料、水、茶またはコーヒーなどの飲料、カプセル、錠剤、例えばバー、パン、スナック、シリアル、キャンディー、ガム、チョコレート、スープ、ハンバーガーパティ、ミートボール、ハム、ソーセージ、ペパローニ、サラダドレッシング、ソース、アイスクリーム、アイスキャンディ、ヨーグルト、クッキー、ケーキ、または消化し易い種類の食品などの食品などである。
【0023】
このため、本発明の組成物は、例えば経口投与により、全身投与が可能である。これは、シェルが硬いまたは柔らかいゼラチン製カプセルに封入してもよく、圧縮して錠剤にしてもよく、または、直接的に対象者の食品やドリンク剤に混入してもよい。経口投与用の活性化合物は、一つ以上の賦形剤と組み合わせてもよく、摂取可能な錠剤、口腔錠、トローチ剤、カプセル、エリキシル剤、懸濁液、シロップ、ウエハースなどの形で用いられても良い。一実施の形態として、組成物は、一食分のバー、一缶または一瓶の飲料、または液体と混合するための一回分の粉末飲料などの栄養補助食品にしても良い。一実施の形態として、組成物は、薬学組成物の形で投与され、例えば、非活性希釈剤または吸収可能な食用担体などの薬学的に許容可能な媒体と混合されて投与される。もちろん、単位投与形体を調製するのに用いられるいかなる物質であっても、その使用量が十分に無毒性になるように定められなければならない。一実施の形態として、活性化合物は、遅延放出調剤薬及び機構内に混合可能である。
【0024】
本発明の組成物は、添加剤または添加剤の組み合わせを含むことができる。添加剤は、例えば甘味料もしくは他の香料などの調味料、食物繊維、着色料、例えばビタミン、ミネラル、ハーブもしくはハーブエキスなどの栄養補充剤、または例えば食品もしくは栄養素を含む他の機能性成分を含む、適切な添加剤である。組成物は、好適な組み合わせで一つ以上の添加剤を含むことができる。一実施の形態として、組成物は、例えば、リンゴ、バナナ、オオムギ、豆、ベリー、ブロッコリー、サボテン、ニンジン、チェリー、チョコレート、柑橘類、ココア、コーラ、トウモロコシ、フルーツ、フルーツポンチ、ニンニク、生姜、葡萄、グレープフルーツ、なつめ、キーウィ、レモン、ライム、メロン、ナッツ、ナッツエキス、オートムギ、玉ねぎ、オレンジ、梨、パインアップル、松の葉、キイチゴ、米、海藻類、イチゴ、タンジェリン、トマト、バニラ、野菜、野菜エキス、野菜発酵物、クルミ、スイカ、小麦、または他の好適な香料などの香料を含む。一実施の形態として、調味料は、例えばスクラロース、フルクトース、スクロース、ステビア、蜂蜜、アスパルテーム、結晶フルクトース、デキストロース、サッカリン、アセサルフェームK、または他の好適な甘味料などの甘味料である。一実施の形態として、組成物は、少なくとも一種の甘味料を含む調味料の組み合わせを含む。一実施の形態として、組成物は、クロシン、クロセチン、カーサマスイエロー、アントシアニン、または他の好適な色素物質を含む、色素物質である。
【0025】
一実施の形態として、組成物は、例えばポリデキストロース、デキストリン、難消化性デキストリン、ガラクトマンナン、アルギネート、ペクチン、フコイダン、オリゴ糖、ラミナリン、または他の好適な食物繊維などの、少なくとも一種の食物繊維を含む。一実施の形態として、添加剤は、ビタミン、ハーブまたは他の適切な栄養補充剤などの、栄養補充剤である。一実施の形態として、組成物は、例えば、カルニチン、DHA及びEPAなどのオメガ−3オイル、スタノール及びスタノールエステル、リコピン、ルテイン、キシリトール、コエンザイムQ10、β−カロチンまたはフラボノイドなどの、少なくとも一種の機能性成分を含む。一実施の形態として、組成物は、例えば、ビタミンC、E、B−複合体、葉酸などの、少なくとも一種のビタミンを含む。組成物はまた、例えば、L−アルギニンもしくはL−トリプトファン、及び/または、例えばセレニウム、カルシウムまたは亜鉛などの少なくとも一種のミネラルを含む、少なくとも一種のアミノ酸を含むことができる。一実施の形態として、朝鮮ニンジン、イチョウ葉、ノコギリパルメット、茶、アロエ、セイヨウオトギリソウ、エキナシア、または他の好適なハーブエキスなどの、一つ以上のハーブエキスを含む。一実施の形態として、組成物は、ナッツ、植物油、魚油、食用酢、澱粉、タンパク質(例えば、肉類、豆タンパク質、乳漿タンパク質、ゼラチンあるいはタンパク質加水分解物)または脂肪などの、一般的な食品または栄養素を含む。
【0026】
本発明のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体は、単回投与の形態、あるいは個々の複数回投与の形態で製剤設計することが可能である。好ましくは、投与は、便宜上、単回投与により行われてもよく、または、例えば1日につき二〜四回以上の副投与が適切な時間おきに別々に行われてもよい。さらには、この副投与は、複数の非連続的でかつ大まかな時間間隔の投与に分けられてもよい。投与形態は同一であっても異なってもよい。
【0027】
一実施の形態として、組成物は、ジベンゾ−ジオキシン化合物の純粋な摂取量に基づいて、約0.05mg/kgないし約400mg/kg、好ましくは約0.1mg/kgないし約100mg/kgの投与量で毎日投与可能である。無毒性であるため、これは、栄養補助食品として使用可能である。適量のジベンゾ−ジオキシン化合物が、栄養補助食品に含まれうる。一実施の形態として、約0.1ないし約100重量%(好ましくは約10ないし約100重量%、さらに好ましくは約50ないし約99.9重量%)のジベンゾ−ジオキシン化合物が栄養補助食品に含まれうる。
【0028】
例えば栄養補助食品などの本発明の組成物は、肥満の制御と心血管及び冠状動脈疾患の予防及び治療に有効である。肥満の制御においては、これは特に、体脂肪と体重の減少および筋肉量の増大に有効である。心血管及び冠状動脈疾患の予防及び治療において、この組成物は、LDLコレステロールとトリグリセリドの減少、HDLコレステロールの増大、及び血管拡張機能の回復に有効である。また、組成物の投与は、結果として、血糖レベルの低下とインシュリン生成の増大につながる。
【0029】
以下、本発明を下記の例により詳述するが、本発明はこれらの例により限定されるものではない。なお、この発明の実施は、特に断りがない限り、当該技術分野における従来の技術を用いて行われる。
【実施例1】
【0030】
DGATの抑制効果
この実施例では、本発明の組成物をラットに投与した場合のDGAT活性の抑制効果を立証する。
【0031】
1週間通常の飼料を与えた雄SDラットを断頭屠殺し、肝臓を採取した。肝臓(200g)は、三倍体積の冷却溶媒I(0.25Mのスクロース、1mMのEDTA、10mMのスクロース、1mMのEDTA、10mMのトリス−HCl、pH7.4)中で、モータ駆動型テフロン−ガラスホモジナイザーを用いた10回の高速の上下ストロークによりホモジナイズした。ホモジネートは、15分間22000gで遠心分離した。得られた上澄み液を、81200gで1時間遠心分離した。ペレットを溶媒I中に懸濁させ、さらに81200gで1時間遠心分離した。最終的に得られたペレットを、EDTAの無い溶媒I中に再び懸濁させた。ラット肝臓のミクロソーム画分を調製し、使用時まで−80℃の温度下で保管した。
【0032】
反応混合物は、175mMのトリス−HCl(pH8.0)、100〜200μgのミクロソームタンパク質、14.5CMのBSA、30μMの[1−14C]パルミトイル−CoA(0.02μCi)、8mMのMgCl2、2.5mMのジイソプロピルフルオロフォスフェート、150μMの1,2−ジオレイル−sn−グリセロール及び200μlの総体積で50%EtOH(5μl)に溶解されている試験サンプルを含有する。
【0033】
試験は、ラット肝臓ミクロソーム画分を添加して開始する。23℃で15分間培養した後、反応をCHCl3−MeOH(1:2)を1.2ml加えて止め、脂質をヘプタンを用いて抽出した。脂質を、ペトロール−Et2O−HOAc(80:20:1)溶媒を用いてシリカゲル60プレート上においてTLCにより分離した。TLCにおいて、放射活性の分布を、[14C]トリアシルグリセロールの量を測定するために、放射スキャナにより分析した。DGATの抑制(%)は、下記式1により計算された。このとき、S、S0、S1はそれぞれ、試験サンプルの存在下での放射活性値、試験サンプルの非存在下での放射活性値、酵素の非存在下での放射活性値である。
式1:抑制(%)=100×(S0−S)/(S0−S1)
【表1】

【0034】
表1に示すように、化学式1〜10の一つ以上のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体を含む組成物1〜18を投与したところ、組成物1の投与における28.2%の減少から、組成物4の投与における67.8%の減少まで、全ての場合においてDGATの抑制が見られ、ほとんどの組成物の投与で約40%ないし約65%のDGAT抑制が得られた。
【実施例2】
【0035】
ラットを用いた亜急性毒性の試験
この実施例は、表1の組成物#14を4週間繰り返して経口投与しても毒性がないことを立証する。
【0036】
組成物#14及び媒体を、ラット(10頭のSDラット、雌雄)に、毒性を評価するために、4週間、400、133及び44mg/kg/群の投与量で繰り返し経口投与した。下記に、その結果をまとめて示す。
(1)試験物質に反応した死亡個体は認められなかった。
(2)試験物質の投与後、通常の臨床症状は認められなかった。
(3)雌雄群の両方において体重の変化は認められなかった。
(4)全ての群において、試験物質による、飼料と水分の摂取量の実質的な違いは見られなかった。
(5)全ての群において、検眼鏡による検査時に異常症状は認められなかった。
(6)全ての群において、尿検査によって、試験物質の毒性と関連するいかなる症候も検出されなかった。
(7)全ての群において、血液検査によって、毒性効果は認められなかった。
(8)全ての群において、血清の生化学的な検査によって、毒性効果は認められなかった。
(9)剖検によって、特定の異常は認められなかった。
(10)群間において、臓器の重量に有意差は認められなかった。
(11)試験物質の投与後、病理学的な解剖によって、毒性効果は認められなかった。
【0037】
このような結果から明らかなように、組成物#14を4週間繰り返し経口投与した後にラットで毒性効果が認められないこと、そしてNOAEL(「無毒性量(No Observed Adverse Effect Level)」)が400mg/kg/日以上であることが明らかである。
【実施例3】
【0038】
飲料タイプを用いたスリミング効果
この実施例では、人間の被験者に対して本発明の組成物を投与する場合のスリミング効果を立証する。
【0039】
始めに、この調査に参加してもらう選定された150名のボランティアに、この調査の目的と手順を説明した。150名のうち141名が調査を終えた。9名は2週間後の測定に参加しなかったため、評価から除外された。
【0040】
被験者は、1日のいずれかの時間に、1日につき製品を1缶ずつ、二週間飲むことを指示された。それぞれの飲料の缶は、0.022%(40mg/180mL)の組成物14と香料を含有していた。
【0041】
各ボランティアの身長、体重、筋肉及び体脂肪を、調査を始める一日前に測定した。筋肉及び体脂肪は、「Inbody3.0」(バイオスペース)を用いたインピーダンス法により測定した。初期値を表2に示す。
【表2】

【0042】
測定は、二週間後に行った。前後の測定値を対応のあるt−検定により比較し、その結果を表3に示した。
【表3】

【0043】
以上により、この実施例は、人間の被験者に本発明の組成物を投与したとき、例えば体脂肪の減少、全体重の減少、及び/または筋肉量の増大などのスリミング効果を示すことを立証している。
【実施例4】
【0044】
コレステロール代謝の改善と血管拡張機能の回復
この実施例では、本発明の組成物の投与後に見られる、人間の被験者におけるコレステロール代謝及び糖代謝の改善と血管拡張機能の回復を立証する。
【0045】
高脂血症の41名のボランティアが調査に参加した。このボランティアのうち39名が調査を終えた。このとき、高脂血症は、220よりも高い総コレステロール、あるいは130よりも高いLDLレベルを示す場合であると定義された。
【0046】
被験者は、1日のいずれかの時間に、1日につき三本のバーを六週間摂取することを勧告された。バーは自由に摂取してもらった。各バーは、0.2%(60mg/30g)の組成物#14を含有していた。
【0047】
血液生化学を、調査の前後で評価した。上腕動脈の血管拡張機能は、10−MHzの線形のフェーズドアレイにより測定されるFMD及びNMDを用いて測定した。調査の前後に得られた各測定値は、対応のあるt−検定により比較した。
【0048】
調査の開始前に得られた基準測定値を、表4に示す。
【表4】

【0049】
調査前の測定値及び六週間後の測定値を表5に示す。変化率も表5に示す。
【表5】

【0050】
基準及び六週間後の血管拡張機能の回復を表6に示す。
【表6】

【0051】
この実施例から、本発明の組成物を含むバーを毎日三本ずつ摂取することにより、結果的に、人間の被験者におけるコレステロール代謝及び糖代謝の改善効果と血管拡張機能の回復効果が得られることが明らかである。
【実施例5】
【0052】
栄養補助食品による脂質代謝の改善
この実施例では、本発明の組成物の投与したときの人間の被験者における脂質代謝の改善効果を立証する。
【0053】
23名のボランティアが調査に参加し、2人が脱落した。高脂血症は、220よりも高い総コレステロール、あるいは130よりも高いLDLレベルを示す場合であると定義された。
【0054】
被験者は、八週間毎日6つのカプセル(昼食の2時間前に3つのカプセル、夕食の2時間後に3つのカプセル)を摂取することを勧告された。各カプセルは、表1における組成物#11を40mg含有していた。
【0055】
血液生化学を、調査の前後で測定した。調査前及び八週間後に得られた測定値を、表7に示す。
【表7】

【0056】
以上述べたように、本発明の組成物の投与は、結果的に、人間の被験者において脂質代謝の改善につながることが明らかである。
【0057】
以上、本発明を例示的な方法により説明した。ここで、種々の用語を用いたが、これは、限定ではなく説明のためのものとして理解されるべきである。ここで引用された全ての特許及びその他の参照文献は、全体がここに参照文献として取り込まれている。本発明の多くの変形例と同等物、改変が上記の教示に照らして可能であることは言うまでもない。よって、特許請求の範囲内において、本発明は特定的に記述されたこと以上に実行可能であることが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼの活性を抑制する少なくとも一種のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体を含むことを特徴とする、肥満の治療または予防のための組成物。
【請求項2】
ジベンゾ−p−ジオキシン誘導体が、式中、各Rが、H、アルキル、アルケニル、フェニル、フェニルアルキル、アルカノイル、ヒドロキシフェニル、ジヒドロキシフェニルまたはアシルである、下記化学式1ないし10で表される群から選ばれるものであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【化1】

【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【請求項3】
各RがHであることを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
(a)0.1−6重量%の化学式1のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(b)5−60重量%の化学式2のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(c)1−30重量%の化学式3のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(d)0.5−20重量%の化学式4のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(e)0.1−10重量%の化学式5のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(f)0.5−15重量%の化学式6のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(g)0.1−5重量%の化学式7のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(h)0.1−5重量%の化学式8のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(i)0.1−10重量%の化学式9のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、または
(j)0.1−12重量%の化学式10のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体
のいずれか一種以上を含むことを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
ジベンゾ−p−ジオキシン誘導体が、褐藻類から抽出されるものであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
褐藻類が、アイセニアバイシクリス(Eisenia bicyclis)、アイセニアアルボレア(Eisenia arborea)、アイセニアデスマレスチオイデス(Eisenia desmarestioides)、アイセニアガラパゲンシス(Eisenia galapagensis)、アイセニアマソニイ(Eisenia masonii)、エクロニアクロメ(Ecklonia kurome)、エクロニアカバ(Ecklonia cava)、エクロニアストロニフェラ(Ecklonia stolonifera)、エクロニアマキシマ(Ecklonia maxima)、エクロニアラジアタ(Ecklonia radiata)、エクロニアバイシクリス(Ecklonia bicyclis)、エクロニアバイランシネート(Ecklonia biruncinate)、エクロニアブクシナリス(Ecklonia buccinalis)、エクロニアカエパエスチペス(Ecklonia caepaestipes)、エクロニアエクサスペルタ(Ecklonia exasperta)、エクロニアファスチギアタ(Ecklonia fastigiata)、エクロニアブレビペス(Ecklonia brevipes)、エクロニアアルボレア(Ecklonia arborea)、エクロニアラチフォリア(Ecklonia latifolia)、エクロニアムラチイ(Ecklonia muratii)、エクロニアラジコサ(Ecklonia radicosa)、エクロニアリチャージアナ(Ecklonia richardiana)、およびエクロニアライチイ(Ecklonia wrightii)よりなる群から選ばれるものであることを特徴とする、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
組成物が1日につき1〜100mg/Kgの量で投与されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
組成物が栄養補助食品のタイプであることを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
栄養補助食品が、飲料、バー状またはパン状であることを特徴とする、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
組成物がカプセルタイプまたは錠剤タイプであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
栄養補助食品がカプセルタイプまたは錠剤タイプであることを特徴とする、請求項8に記載の組成物。
【請求項12】
ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼの活性を抑制する少なくとも一種のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体を含むことを特徴とする、心血管疾患または冠状動脈疾患の治療または予防のための組成物。
【請求項13】
ジベンゾ−p−ジオキシン誘導体が、式中、各Rが、H、アルキル、アルケニル、フェニル、フェニルアルキル、アルカノイル、ヒドロキシフェニル、ジヒドロキシフェニルまたはアシルである、下記化学式1ないし10の群から選ばれるものであることを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【請求項14】
各RがHであることを特徴とする、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
(a)0.1−6重量%の化学式1のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(b)5−60重量%の化学式2のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(c)1−30重量%の化学式3のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(d)0.5−20重量%の化学式4のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(e)0.1−10重量%の化学式5のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(f)0.5−15重量%の化学式6のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(g)0.1−5重量%の化学式7のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(h)0.1−5重量%の化学式8のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(i)0.1−10重量%の化学式9のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、または
(j)0.1−12重量%の化学式10のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
のいずれか一種以上を含むことを特徴とする、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
ジベンゾ−p−ジオキシン誘導体が、褐藻類から抽出されるものであることを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
【請求項17】
褐藻類が、アイセニアバイシクリス(Eisenia bicyclis)、アイセニアアルボレア(Eisenia arborea)、アイセニアデスマレスチオイデス(Eisenia desmarestioides)、アイセニアガラパゲンシス(Eisenia galapagensis)、アイセニアマソニイ(Eisenia masonii)、エクロニアクロメ(Ecklonia kurome)、エクロニアカバ(Ecklonia cava)、エクロニアストロニフェラ(Ecklonia stolonifera)、エクロニアマキシマ(Ecklonia maxima)、エクロニアラジアタ(Ecklonia radiata)、エクロニアバイシクリス(Ecklonia bicyclis)、エクロニアバイランシネート(Ecklonia biruncinate)、エクロニアブクシナリス(Ecklonia buccinalis)、エクロニアカエパエスチペス(Ecklonia caepaestipes)、エクロニアエクサスペルタ(Ecklonia exasperta)、エクロニアファスチギアタ(Ecklonia fastigiata)、エクロニアブレビペス(Ecklonia brevipes)、エクロニアアルボレア(Ecklonia arborea)、エクロニアラチフォリア(Ecklonia latifolia)、エクロニアムラチイ(Ecklonia muratii)、エクロニアラジコサ(Ecklonia radicosa)、エクロニアリチャージアナ(Ecklonia richardiana)、およびエクロニアライチイ(Ecklonia wrightii)よりなる群から選ばれるものであることを特徴とする、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
組成物が1日につき1〜100mg/Kgの量で投与されることを特徴とする、請求項13に記載の組成物。
【請求項19】
組成物が栄養補助食品のタイプであることを特徴とする、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
栄養補助食品が、飲料、バー状またはパン状であることを特徴とする、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
組成物がカプセルタイプまたは錠剤タイプであることを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
【請求項22】
栄養補助食品がカプセルタイプまたは錠剤タイプであることを特徴とする、請求項19に記載の組成物。
【請求項23】
ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼの活性を抑制する少なくとも一種のジベンゾ−p−ジオキシンを含む組成物を、それを必要とする対象者に投与する段階を含むことを特徴とする、肥満の治療または予防法。
【請求項24】
ジベンゾ−p−ジオキシン誘導体が、式中、各RがH、アルキル、アルケニル、フェニル、フェニルアルキル、アルカノイル、ヒドロキシフェニル、ジヒドロキシフェニルまたはアシルである、下記化学式1ないし10の群から選ばれることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

【化29】

【化30】

【請求項25】
各RがHであることを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
(a)0.1−6重量%の化学式1のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(b)5−60重量%の化学式2のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(c)1−30重量%の化学式3のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(d)0.5−20重量%の化学式4のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(e)0.1−10重量%の化学式5のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(f)0.5−15重量%の化学式6のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(g)0.1−5重量%の化学式7のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(h)0.1−5重量%の化学式8のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(i)0.1−10重量%の化学式9のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、または
(j)0.1−12重量%の化学式10のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
のいずれか一種以上を含むことを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
ジベンゾ−p−ジオキシン誘導体が褐藻類から抽出されるものであることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
褐藻類が、アイセニアバイシクリス(Eisenia bicyclis)、アイセニアアルボレア(Eisenia arborea)、アイセニアデスマレスチオイデス(Eisenia desmarestioides)、アイセニアガラパゲンシス(Eisenia galapagensis)、アイセニアマソニイ(Eisenia masonii)、エクロニアクロメ(Ecklonia kurome)、エクロニアカバ(Ecklonia cava)、エクロニアストロニフェラ(Ecklonia stolonifera)、エクロニアマキシマ(Ecklonia maxima)、エクロニアラジアタ(Ecklonia radiata)、エクロニアバイシクリス(Ecklonia bicyclis)、エクロニアバイランシネート(Ecklonia biruncinate)、エクロニアブクシナリス(Ecklonia buccinalis)、エクロニアカエパエスチペス(Ecklonia caepaestipes)、エクロニアエクサスペルタ(Ecklonia exasperta)、エクロニアファスチギアタ(Ecklonia fastigiata)、エクロニアブレビペス(Ecklonia brevipes)、エクロニアアルボレア(Ecklonia arborea)、エクロニアラチフォリア(Ecklonia latifolia)、エクロニアムラチイ(Ecklonia muratii)、エクロニアラジコサ(Ecklonia radicosa)、エクロニアリチャージアナ(Ecklonia richardiana)、およびエクロニアライチイ(Ecklonia wrightii)よりなる群から選ばれるものであることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
組成物が、1日につき1〜100mg/Kgの量で投与されることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
組成物が栄養補助食品のタイプであることを特徴とする、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
栄養補助食品が、飲料、バー状またはパン状であることを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
組成物がカプセルタイプまたは錠剤タイプであることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項33】
栄養補助食品がカプセルタイプまたは錠剤タイプであることを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼの活性を抑制する少なくとも一種のジベンゾ−p−ジオキシンを含む組成物を、それを必要とする対象者に投与する段階を含むことを特徴とする、心血管または冠状動脈疾患の治療または予防法。
【請求項35】
ジベンゾ−p−ジオキシン誘導体が、式中、各RがH、アルキル、アルケニル、フェニル、フェニルアルキル、アルカノイル、ヒドロキシフェニル、ジヒドロキシフェニルまたはアシルである、下記化学式1ないし10の群から選ばれるものであることを特徴とする、請求項34に記載の方法。
【化31】

【化32】

【化33】

【化34】

【化35】

【化36】

【化37】

【化38】

【化39】

【化40】

【請求項36】
各RがHであることを特徴とする、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
(a)0.1−6重量%の化学式1のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(b)5−60重量%の化学式2のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(c)1−30重量%の化学式3のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(d)0.5−20重量%の化学式4のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(e)0.1−10重量%の化学式5のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(f)0.5−15重量%の化学式6のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(g)0.1−5重量%の化学式7のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(h)0.1−5重量%の化学式8のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
(i)0.1−10重量%の化学式9のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、または
(j)0.1−12重量%の化学式10のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体、
のいずれか一種以上を含むことを特徴とする、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
ジベンゾ−p−ジオキシン誘導体が褐藻類から抽出されるものであることを特徴とする、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
褐藻類が、アイセニアバイシクリス(Eisenia bicyclis)、アイセニアアルボレア(Eisenia arborea)、アイセニアデスマレスチオイデス(Eisenia desmarestioides)、アイセニアガラパゲンシス(Eisenia galapagensis)、アイセニアマソニイ(Eisenia masonii)、エクロニアクロメ(Ecklonia kurome)、エクロニアカバ(Ecklonia cava)、エクロニアストロニフェラ(Ecklonia stolonifera)、エクロニアマキシマ(Ecklonia maxima)、エクロニアラジアタ(Ecklonia radiata)、エクロニアバイシクリス(Ecklonia bicyclis)、エクロニアバイランシネート(Ecklonia biruncinate)、エクロニアブクシナリス(Ecklonia buccinalis)、エクロニアカエパエスチペス(Ecklonia caepaestipes)、エクロニアエクサスペルタ(Ecklonia exasperta)、エクロニアファスチギアタ(Ecklonia fastigiata)、エクロニアブレビペス(Ecklonia brevipes)、エクロニアアルボレア(Ecklonia arborea)、エクロニアラチフォリア(Ecklonia latifolia)、エクロニアムラチイ(Ecklonia muratii)、エクロニアラジコサ(Ecklonia radicosa)、エクロニアリチャージアナ(Ecklonia richardiana)、およびエクロニアライチイ(Ecklonia wrightii)よりなる群から選ばれるものであることを特徴とする、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
組成物が、1日につき1〜100mg/Kgの量で投与されることを特徴とする、請求項34に記載の方法。
【請求項41】
組成物が栄養補助食品のタイプであることを特徴とする、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
栄養補助食品が、飲料、バー状またはパン状であることを特徴とする、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
組成物がカプセルタイプまたは錠剤タイプであることを特徴とする、請求項34に記載の方法。
【請求項44】
栄養補助食品がカプセルタイプまたは錠剤タイプであることを特徴とする、請求項41に記載の方法。

【公表番号】特表2008−500958(P2008−500958A)
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539445(P2006−539445)
【出願日】平成16年2月2日(2004.2.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/002812
【国際公開番号】WO2005/046670
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(506157569)ザ スキニー ドリンク カンパニー (1)
【氏名又は名称原語表記】THE SKINNY DRINK COMPANY
【Fターム(参考)】