説明

肺疾患および心疾患の処置におけるシクレタニンおよびPKC阻害剤

本発明の実施形態は、肺高血圧症、肺線維症、喘息およびCOPDを含む肺疾患ならびに心不全を、他の肺疾患および心血管系疾患ならびにその合併症とともに治療または予防する、新規の治療薬、薬剤の組み合わせ、および関連する方法に関する。より具体的には、本発明の態様は、疾患の治療のための単剤療法として、または他の作用物質との組み合わせにおける、シクレタニンおよびルボキシスタウリンの使用に関する。シクレタニンは、純粋な(+)エナンチオマーもしくは(−)エナンチオマー、またはこれらのエナンチオマーのラセミまたは非ラセミ混合物として用いてよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
この出願は、2007年1月3日に出願された、米国仮特許出願第60/883,338号(これは、参考として本明細書に援用される)に対する優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明の実施形態は、肺高血圧症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺性心、喘息、特発性肺線維症、他の肺疾患、およびこれらの疾患の関連する合併症などの疾患の治療のための、単独でまたは他の作用物質との組み合わせでのシクレタニンおよびPKC阻害剤の組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
肺高血圧症
肺高血圧症は、一般的に言うと、肺血管系が病的変化を受け、その結果肺動脈圧が上昇し右心室作業負荷が同時に増大する、比較的まれな疾患である。該疾患は、通例、進行性であり致死性である。治療しない場合の生存年数は、約3年間である。治療の選択肢は、比較的限られている。
【0004】
FDAで承認されている現行の治療には、プロスタサイクリン類似体、エンドセリン受容体アンタゴニスト、およびホスホジエステラーゼ阻害剤がある。これらの作用物質は、原発性またはクラスIの肺高血圧症のみに対して承認されている。これらの作用物質は、ある程度の血管拡張をもたらすことも多いが、肺血管系に対しそれが長期に正の効果を及ぼすのは、他の手段を介してであると考えられている。
【0005】
PHの原因は知られておらず、多因子性である可能性が高く、臨床試験以前における可能な治療法に関する有効性の正確な予測をきわめて困難にしている。いくつかの動物モデルが開発されているが、それらは、長期的な臨床的有益性を信頼できる形で予測するものではない。疾患の実体は、世界保健機関(WHO)により、疾患の基礎原因に対してある関与性を有しうる病的状態に基づく複数のクラスに分けて特徴づけられてきた。異なるクラスに対しては異なる治療モダリティーが必要とされる場合があると一般に考えられ、実際、治療に対する応答の差が、各個別のクラスの異なるサブカテゴリー内において注意されることもあった。これまでのところ、WHOカテゴリーIの治療に対して承認されている作用物質は、他のカテゴリーに対してはいまだ承認されておらず、WHOカテゴリーIIIにおけるこうした作用物質に対しては、複数の臨床試験が失敗している。承認された薬剤の場合も、危険性および有益性の評価に基づき、適用はクラス内の特定の機能レベル内に限定されることが多い。WHOカテゴリーIは、約40,000人の患者数を有すると考えられる。
【0006】
肺高血圧症に対する安全、有効で、かつ使いやすいさらなる治療には、火急の必要が存在する。現行の治療法に対してすべての患者が応答するわけではなく、治療途上にあっても、進行する悪化の経過をたどり続ける患者が多い。プロスタサイクリン類似体による作用物質は使いにくい:氷冷したバックパックから中央静脈カテーテルを介してエポプロスタノールを持続的に送達するもので、感染の危険性が付随し、突発的な中断は危険なリバウンド効果をもたらす。イロプロストは、毎日6〜9回、10分間にわたり、噴霧器から吸入される。トレプロスチニルは、持続的な静脈内注入または皮下注入を介して送達されるが、注射部位において重度の疼痛を引き起こすことが多い。
【0007】
肺線維症
肺線維症は、肺高血圧症よりもさらにまれな状態である。該疾患は、肺実質組織に対する各種の損傷により引き起こされうるが、明確な原因のないことが最も一般的であり、そのため特発性と称する。疾患のこの形態は、米国内で約10,000人の患者数を有する。その病態生理は不明であるが、肺内の柔軟性組織の喪失をもたらし、肺活量の制限および不十分な酸素供給をもたらす。完全に満足のゆく治療は存在しないが、免疫抑制に応答する形態がある。
【0008】
喘息および慢性閉塞性肺疾患
粘液産生および狭窄の増大を伴い、肺小気道の反応性の上昇を特徴とする、相互に関連する慢性疾患が存在する。慢性閉塞性肺疾患はまた、肺胞組織の喪失も伴う。これらの疾患は、罹患率および死亡率の主要原因である。現行の治療は、大部分、緩和的であり、基礎疾患の進行を遅延させない。現在の米国内の患者数は、19,000,000人である。
【0009】
関連の特許
各種の疾患または生理的機能不全の治療のための、単独でまたは他の作用物質との組み合わせでのシクレタニンを含むフロピリジンの使用に関するものを含む、以下の米国特許公開および出願は、その全体において参照により本明細書に組み込まれ、各々に対して優先権の主張もなされる:
2006年4月27日に公開された、特許文献1
2005年1月13日に出願された、米国特許出願第11/035,231号、同第11/035,308号、および同第11/035,328号
2005年5月26日に出願された、米国特許出願第60/684,684号
2004年9月22日に出願された、米国特許出願第60/612,323号および同第60/612,369号
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0089374号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に従って、肺高血圧症および他の肺疾患のほか、こうした疾患から生じる合併症の治療のための、単独でまたは1つもしくは複数の第2の作用物質との組み合わせでの治療有効量のシクレタニン、単独でまたはシクレタニンおよび/もしくは他の作用物質との組み合わせでのルボキシスタウリンを含む、経口製剤を含むがこれらに限定されない、治療に有益な製剤の各種実施形態が開示される。
【0012】
シクレタニン
高用量のラセミシクレタニンが、臨床試験および医療において高血圧症治療剤として用いられてある程度の成功を収めている。しかし、いくつかの欧州諸国において、該薬剤は、基礎的高血圧症治療用のサイアザイド様利尿剤として以外には、疾患の治療に対して承認されたことがない。その作用機序はほとんど理解されていないが、場合によっては利尿作用を有し、また、摘出した組織モデル内において、生体で達成するのは事実上不可能である可能性が高い用量である非常に高い用量では、血管拡張剤としても作用することが知られている。
【0013】
本発明は、シクレタニンが、肺高血圧症の長期にわたる臨床的改善をもたらすのに一般に有効であることが見出されていないクラスの薬剤である血管拡張剤として作用しうるという事実にも関わらず、肺高血圧症の治療に有効な作用物質であることを予期しない形で発見した。本発明者らはまた、シクレタニンの有効性をさらに改善し、こうした改善を特定のクラスの肺高血圧症に標的化する手段も同定している。本発明者らは、他のどの理由にもまして、組織の過剰増殖の低減および血液凝固パラメータの改善をもたらす、内皮機能に対するその有益な作用に基づき、シクレタニンが、現行のすべてのWHOクラスのPHの治療に有効であることを予期しない形で発見した。
【0014】
本発明者らは、シクレタニンにより、左側心不全(left sided heart failure)を伴う肺高血圧症において、ベースラインからの好ましく長期にわたる血行動態的改善および臨床的改善が生じることを予期しない形で発見した。
【0015】
本発明者らは、シクレタニンが、WHOクラスIIの患者においてもまた臨床的有益性を示すことを予期しない形で発見した。毎日1回50mgで経口投与したところ、12分間の歩行距離の改善によって測定される機能状態の改善が観察された。
【0016】
本発明者らは、シクレタニンが、心不全など、肺高血圧症の合併症の治療に有効であることを予期しない形で発見した。心不全(通常は右側心不全)は、肺高血圧症患者の間で最も一般的な合併症であり、最も多い死亡原因である。本発明者らは、シクレタニンが、心不全(WHOクラスIII)の治療に有効な作用物質であることを見出した。
【0017】
心不全のマーカーであるナトリウム利尿ペプチドレベルは、心不全に罹患しているヒト対象への毎日150mgのシクレタニン経口投与により改善される。
【0018】
本発明者らは、ある患者集団に対する最大400mgの投与時において、シクレタニンに対する良好な忍容性を予期しない形で発見した。結果として、心不全におけるシクレタニンの好ましい作用は、現行の医療において用いられる用量を上回って用量を著明に増加させることにより、安全に達成することができる。これは、シクレタニンのカリウム利尿作用、ナトリウム利尿作用、および利尿作用の大きさを低減または調節する手段の使用により特に有効となる。本発明の態様および以下に記載の態様の一部として、本発明者らはまた、この目標を達成するいくつかの手段も発明した。
【0019】
内皮機能不全および一酸化窒素の産生
多数の化合物により、血管内の一酸化窒素レベルの上昇がもたらされる。こうした上昇は、疾患の治療の一助となりうるが、また、ある疾患状態を悪化させることもありうる。一酸化窒素を上昇させる多くの化合物は、数時間または数日間を経過すると速やかに有効性を喪失し(速成耐性)、不規則な投与を必要とする。こうした投与のオフ期間の間に、疾患過程は持続または悪化しうる。本発明者らは、シクレタニンが、実際に組織損傷を引き起こす過剰レベルをもたらすことなしに、欠損状態にある一酸化窒素を増加させることを見出した。シクレタニンはまた、速成耐性も回避または阻止する。本発明者らは、酸化窒素調節作用物質と呼ぶ化合物が、血管内皮の機能を改善することにより、心臓および肺の多数の障害を治療するのに有効であることを発見した。本発明の態様によれば、特に、フロピリジン化合物およびシクレタニンが、所望の一酸化窒素調節特性を有する。
【0020】
本発明者らは、シクレタニンが、血管組織における一酸化窒素レベルの上昇をもたらし、この作用が、毎日1mg〜毎日数千ミリグラムの範囲のヒト投与に対応する広範な濃度にわたって不変であることを見出した。本発明者らは、シクレタニンが内因的な一酸化窒素産生を増強することによりこのように作用し、また、速成耐性が固有の作用に及ぶことも回避し、速成耐性が他の窒素増強薬に及ぶことも阻止することを見出した。
【0021】
したがって、本発明者らは、この作用が、すべてのクラスの肺高血圧症および心不全のほか、他の心臓および肺の病理に対しても有効な治療を提供しこれを可能とすることを見出した。本発明者らは、(+)シクレタニンにおけるよりも、(−)シクレタニンにおける方が、この作用はより顕著であることをさらに見出した。
【0022】
ルボキシスタウリン
ルボキシスタウリンは、プロテインキナーゼCベータアイソフォーム阻害剤である。該薬剤は、糖尿病合併症の治療に関する広範な検討を受けており、両義的な結果を得ている。FDAは、近年、その臨床試験依頼者に、該薬剤が糖尿病合併症の治療に対して米国内で承認されうるには、さらなる大規模な臨床試験の成功が必要であることを通知した。
【0023】
本発明者らは、ルボキシスタウリンが、その特性により、単独でまたはシクレタニンとの組み合わせにおいて、肺高血圧症治療に適する作用物質となることを予期しない形で見出した。特に、該薬剤は、血管内皮機能不全および一酸化窒素産生の調節異常といった有害作用を調節する。本発明者らは、プロテインキナーゼCのベータアイソフォームの阻害が、一酸化窒素レベルに対して好ましい作用を有することを提唱する。
【0024】
本発明者らは、ルボキシスタウリンが、そのPKC−ベータの特異的な阻害により、単独でまたはシクレタニンとの組み合わせにおいて、肺高血圧症のほか、他の心障害および肺障害に対しても好ましい作用を及ぼすことを予期しない形で見出した。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の一部の実施形態の態様は、特に、以下の酸化窒素調節作用物質の使用を含む:
(1)肺疾患および心疾患の治療において、具体的にはフロピリジン、より具体的にはシクレタニン、
(2)肺疾患および心疾患の治療において、(いずれか単独でまたはそれぞれとの組み合わせでの)具体的にはPKC−ベータ阻害剤、より具体的にはルボキシスタウリンおよびシクレタニン、
(3)送達、代謝、補因子の利用可能性、窒素および他の基質の利用可能性の操作、ならびにエナンチオマー比率の選択を介する、酸化窒素調節作用物質、具体的にはフロピリジン、より具体的にはシクレタニンの治療有効性の増強。
【0026】
ラセミ体、エナンチオマー、非ラセミ体などの識別語により修飾されずに本明細書で用いられる場合の「シクレタニン」は、これらの化学的実体:ラセミシクレタニン、(−)シクレタニンエナンチオマー、(+)シクレタニンエナンチオマー、2種類のシクレタニンエナンチオマーの非ラセミ混合物のいずれかまたはすべてを含むことを意図する。
【0027】
1つの実施形態に対して成功を収めた臨床試験には、クラスI肺高血圧症に罹患している患者において、用量を毎日50mgから始め、忍容性に応じて毎日150mgまで漸増するラセミシクレタニンの使用が含まれた。この治療は、12倍を超える歩行距離の増大により測定される機能状態の実質的な改善、および、血清中のナトリウム利尿ペプチドレベルの実質的な低減をもたらし、心機能の改善を裏付けた。
【0028】
別の実施形態は、クラスII肺高血圧症の治療のための毎日50mgの経口投与でのラセミシクレタニンの使用を含み、歩行距離値の改善をもたらした。
【0029】
さらに別の実施形態は、クラスIII肺高血圧症の治療のための毎日50mgの経口投与でのラセミシクレタニンの使用を含み、NYHA機能状態の改善をもたらした。
【0030】
本発明者らは、シクレタニンエナンチオマーの代謝において、個体間で、最大2桁以上の実質的な差が存在することを判定した。結果として、本発明の特定の実施形態は、主作用および副作用をもたらすまで漸増される広範囲の用量を含む。吸収、分布、および排出の差は、用量範囲をさらに増大させうる。
【0031】
血中薬剤レベル、バイオマーカーレベル、および臨床的応答の使用により、作用を最大化し、有害な副作用を最小化する個別用量の具体化が可能となる。
【0032】
吸収、分布、代謝、および排出のばらつきのほか、異なる疾患クラスの病態生理の差にも相応するため、本発明の特定の実施形態は、最低1mgおよび最高10,000ミリグラムのシクレタニン用量を含む。血中薬剤レベル、バイオマーカーレベル、および臨床的応答の使用により、作用を最大化し、有害な副作用を最小化する個別用量の具体化が可能となる。
【0033】
本発明の一部の実施形態では、各種のシクレタニンおよび/またはルボキシスタウリン組成物が、製剤の唯一の有効成分でありうる。他の実施形態では、第2、第3、または第4の作用物質を、シクレタニンおよび/またはルボキシスタウリンとともに組み合わせることができる。本明細書で用いられる「作用物質」とは、シクレタニンまたはルボキシスタウリン以外の任意の薬学的に有効な作用物質を指す。こうした作用物質は、それ自体が肺疾患の治療に有効な作用物質であってもよく、組み合わせ療法において含有されるシクレタニン、ルボキシスタウリン、または他の作用物質の有効性を増強してもよい。肺高血圧症の治療の場合、こうした作用物質は、プロスタサイクリンおよびその類似体、プロスタサイクリン誘導剤、エンドセリンアンタゴニスト、ホスホジエステラーゼ阻害剤、抗ヒスタミン剤、カルシウムチャネル遮断剤、cGMP活性化物質、窒素または一酸化窒素の増強剤または供与体を含みうる。心不全の場合、こうした作用物質は、ベータ遮断剤、ジギタリス誘導体、ホスホジエステラーゼ阻害剤、血管拡張剤、および利尿剤を含みうる。喘息、COPD、および肺線維症の場合、こうした作用物質は、ステロイドなどの免疫調節物質、ロイコトリエン阻害剤、ベータアゴニスト、および、クロモリンなどの肥満細胞阻害剤を含む。多くの場合、単独のシクレタニンまたはルボキシスタウリンから有益性を受ける疾患および関連する合併症または続発症は、組み合わせ製剤からさらなる有益性を導きだすと理解される。
【0034】
本発明の他の実施形態に従って、全身血圧を過剰に低下させることなく、肺血行動態を改善するのに十分なシクレタニンが含有される、経口治療製剤が開示される。全身血圧の過剰な低下は、肺高血圧症の治療に潜在的に有用な多数の作用物質において、制限的な副作用となってきた。本発明者らのデータが示すように、150mgまでの用量では、正常血圧患者における全身血圧に対してほとんど影響が生じない。個別のアイソマーの血中レベルを最適化する適切な送達機構または他の機構の使用により、全身血圧に対する有害な影響なしにさらなる高用量が可能となる。
【0035】
各種の代替的な実施形態は、
(1)(−)異性体が強調されている(例えば、(−)異性体を多く含む2種類の異性体の非ラセミ混合物中における)、またはその純粋形態において用いられるシクレタニン、
(2)ルボキシスタウリン、
(3)シクレタニン(純粋な(−)シクレタニン、または(−)シクレタニンを多く含む異性体の混合物)と、ルボキシスタウリンとの組み合わせ、
(4)単独でまたはルボキシスタウリンとの組み合わせでのラセミシクレタニン、
(5)eNOS補因子の利用可能性、吸収、または代謝の調節を介する治療有効性が増強された、単独でまたはルボキシスタウリンとの組み合わせでのシクレタニン
の製剤の、個々のまたは組み合わせにおける使用を含みうる。
【0036】
別の実施形態は、単独でまたは組み合わせでの、
(1)(−)異性体が強調されている(例えば、(−)異性体を多く含む2種類の異性体の非ラセミ混合物中における)、またはその純粋形態において用いられるシクレタニン
(2)ルボキシスタウリン
(3)シクレタニン(純粋な(−)シクレタニン、または(−)シクレタニンを多く含む異性体の混合物)と、ルボキシスタウリンとの組み合わせ
による、肺高血圧症、および他の肺疾患または心疾患に罹患している患者の治療を含みうる。
【0037】
別の実施形態では、[(−)シクレタニン異性体が強調されている(例えば、(−)異性体を多く含む2種類の異性体の非ラセミ混合物中における)戦略を含む、]WHOグループIの肺高血圧症に罹患している患者の治療におけるルボキシスタウリンおよび/またはシクレタニンの使用が特異的に関与する。(−)シクレタニンを一酸化窒素増強作用物質として実証することにより、この種類の肺高血圧症(例えば、特発性肺高血圧症、または、結合組織疾患を伴う肺高血圧症)の病態を促進する内皮機能不全(すなわち、一酸化窒素の調節異常)が、臨床的に好ましい形で対処される。
【0038】
クラスI肺高血圧症の治療における実施形態は、忍容性に応じた用量の漸増を伴う、毎日50mgの経口投与における治療の開始を含みうる。この実施形態は、血清中の薬剤およびバイオマーカーの測定を用いて用量を調整することにより強化されうる。
【0039】
別の実施形態では、[(−)シクレタニン異性体が強調されている(例えば、(−)異性体を多く含む2種類の異性体の非ラセミ混合物中における)戦略を含む、]WHOグループIIの肺高血圧症に罹患している患者の治療におけるルボキシスタウリンおよび/またはシクレタニンの使用に特異的に関与する。(−)シクレタニンを優れた一酸化窒素増強作用物質として実証することにより、この種類の肺高血圧症(例えば、慢性閉塞性肺疾患においてみられるPHなど、低酸素症を伴うPH)の病態を促進する内皮機能不全(すなわち、一酸化窒素の調節)が、臨床的に好ましい形で対処される。さらに、特定の実施形態において、(−)エナンチオマーを強調する、またはこれを純粋形態において用いることにより、ラセミシクレタニンに由来する実施形態をさらに上回る臨床的有益性が得られる。
【0040】
クラスII肺高血圧症の治療における実施形態は、忍容性に応じた用量の漸増を伴う、毎日50mgの経口投与における治療の開始を含みうる。この実施形態は、血清中の薬剤およびバイオマーカーの測定を用いて用量を調整することにより強化されうる。
【0041】
別の実施形態は、[(−)シクレタニン異性体が強調されている(例えば、(−)異性体を多く含む2種類の異性体の非ラセミ混合物中における)戦略を含む、]WHOグループIIIの肺高血圧症に罹患している患者の治療におけるルボキシスタウリンおよび/またはシクレタニンの使用を含みうる。(−)シクレタニンを一酸化窒素増強作用物質として実証することにより、この種類の肺高血圧症(例えば、左側心不全を伴うPH)の病態を促進する内皮機能不全(すなわち、一酸化窒素の調節異常)が、臨床的に好ましい形で対処される。さらに、一部の実施形態において、(−)エナンチオマーを強調する、またはこれを純粋形態において用いることにより、さらなる臨床的有益性が得られる。
【0042】
クラスIII肺高血圧症の治療における実施形態は、忍容性に応じた用量の漸増を伴う、毎日50mgの経口投与における治療の開始を含みうる。この実施形態は、血清中の薬剤およびバイオマーカーの測定を用いて用量を調整することにより強化されうる。
【0043】
別の実施形態は、[(−)シクレタニン異性体が強調されている(例えば、(−)異性体を多く含む2種類の異性体の非ラセミ混合物中における)戦略を含む、]WHOグループIVの肺高血圧症に罹患している患者の治療におけるルボキシスタウリンおよび/またはシクレタニンの使用を含みうる。一酸化窒素レベルに対処する能力を著明に有する作用物質を用いてこの疾患の病理の一部の基礎となる内皮機能不全に対処する能力により、この疾患に罹患している患者に有意義な臨床的有益性が提供される。
【0044】
クラスIV肺高血圧症の治療における実施形態は、忍容性に応じた用量の漸増を伴う、毎日50mgの経口投与における治療の開始を含みうる。この実施形態は、血清中の薬剤およびバイオマーカーの測定を用いて用量を調整することにより強化されうる。
【0045】
別の実施形態は、[(−)シクレタニン異性体が強調されている(例えば、(−)異性体を多く含む2種類の異性体の非ラセミ混合物中における)戦略を含む、]WHOグループVの肺高血圧症に罹患している患者の治療におけるルボキシスタウリンおよび/またはシクレタニンの使用を含みうる。これらの患者において基礎となる一酸化窒素の調節異常(該疾患と関連する低酸素症、せん断応力等から生じると予測される)に対処する能力により、好ましい臨床的改善が達成される。
【0046】
クラスIV肺高血圧症の治療における実施形態は、忍容性に応じた用量の漸増を伴う、毎日50mgの経口投与における治療の開始を含みうる。この実施形態は、血清中の薬剤およびバイオマーカーの測定を用いて用量を調整することにより強化されうる。
【0047】
前記に論じた通り、心不全患者を高用量のシクレタニンにより治療する一部の実施形態において、用量が1日あたり150mgに到達しこれを超えるにつれて、該薬剤の利尿作用、ナトリウム利尿作用、および、特に、低カリウム血性作用が著明に増大する傾向は、治療有効性を制限する因子である。シクレタニンのこれらの利尿作用、ナトリウム利尿作用、および低カリウム血性作用は、おもに、または圧倒的に、該薬剤の(+)異性体に起因することが提唱される。心不全患者は、その多剤併用療法(通例では、強心配糖体、ループ利尿剤、カリウム保持性利尿剤などを伴う)の通例の性格を踏まえるなら、カリウム収支の変化に対してきわめて感受性でありうる。一部の実施形態では、これらの患者における、(−)異性体が優勢な、または(−)異性体のみを用いるシクレタニン製剤の使用により、心不全患者および肺高血圧症患者におけるシクレタニンの使用が最適化される。
【0048】
本発明者らは、利尿作用を最小化する他の手段もまた同定した。一部の実施形態において、これらは、利尿活性の一因となるシクレタニン代謝物を産生し、他の治療作用の一因となる遊離シクレタニンを臨床的に不活性な代謝物に転換する、肝臓における初回通過代謝を低減するため、シクレタニンの経皮投与、経粘膜投与、吸入投与、およびデポ非経口投与を含む。
【0049】
シクレタニンの生体活性は長期持続性であるが、一部の実施形態では、持続放出製剤の使用により、心疾患および肺高血圧症におけるシクレタニンの有効性が増強される。延長放出製剤は、ナトリウム利尿、カリウム利尿、および利尿と関連するピーク薬剤レベルを低減しながらなお、その内皮保護活性に十分なレベルを達成する。シクレタニンの活性形態と不活性形態との間ではクリアランス速度に差が生じる場合もあり、この戦略がさらにより有用なものとなる。
【0050】
一部の実施形態によれば、肝臓において特定の代謝経路を阻害または増強するように作用する作用物質の使用により、シクレタニンの活性形態とそれほど活性でない形態とのより有効な比率が可能となる。具体的には、フィブレートクラスの薬剤の特定のメンバーは、シクレタニンを不活性代謝物に転換する、グルクロン酸化を阻害するように作用する。他の代謝増強剤/阻害剤もまた使用してよい。
【0051】
ある実施形態では、別報で論じた600mgのゲムフィブロジルと、治療量のシクレタニンとを組み込む製剤を、毎日1回経口で投与する。10mgで始まるシクレタニンの初回量から10,000mgまでの漸増を、臨床的効果、有効薬剤または他のバイオマーカーの血清レベルを用いて実施する。
【0052】
本発明の一部の実施形態により、本発明者らはまた、硝酸、亜硝酸、アミン、およびアミドの塩およびエステル、または、シクレタニンおよびそのエナンチオマーと化学的に結合した窒素を含有する他の組み合わせを用いて、一酸化窒素レベルのさらなる増強をもたらすことにより、内皮に対するシクレタニンの有益な作用をさらに増強する。
【0053】
一部の実施形態において、本発明者らは、シクレタニンもしくはそのエナンチオマー、または、そのエナンチオマーと、ニトログリセリン、二硝酸イソソルビド、アルギニン、もしくはアルギニン含有化合物など、さらなる窒素の利用可能性を与える第2の作用物質との組み合わせからなる組み合わせ製剤を用いる。
【0054】
一部の実施形態の別の増強は、シクレタニンとの組み合わせにおける、一酸化窒素産生の補因子および/または基質の使用である。
【0055】
別の実施形態は、治療量のテトラヒドロビオプテリン(BH4)および/またはアルギニンとともに調合された治療量のシクレタニンの使用を含みうる。シクレタニンの用量は、これまで論じた通りに漸増される。アルギニンの用量は、毎日200mgから毎日1000mgまで漸増される。BH4または経口投与されるその類似体は、治療有効量において組み込まれる。
【0056】
別の増強は、シクレタニン分子と化学的に結合した、窒素を提供する化学的実体の使用により、内皮機能の調節におけるその有効性を増強することを含みうる。
【0057】
本明細書で開示される実施形態は、シクレタニンのラセミ形態、非ラセミ形態、および純粋の光学異性形態を含むこともでき、かつ/または、これに適用することもできる。
【0058】
別の実施形態は、以下:
ラセミシクレタニン
純粋な(−)シクレタニン
純粋な(+)シクレタニン
(−)シクレタニンと(+)シクレタニンの非ラセミ混合物
の1つまたは複数に適用される、上記で注目した他の増強戦略の使用を含みうる。
【0059】
一部の実施形態において、純粋な(+)シクレタニンは、プロスタサイクリン合成の増強が媒介され、有益な作用を及ぼす用量範囲が、(−)シクレタニンおよびラセミシクレタニンの場合よりも狭い。この作用は、一部の実施形態において、10−9〜10−7モル/リットルの範囲の有効薬剤レベルを達成する用量調整により最大化することができる。プロスタサイクリン/トロンボキサン比およびプロスタサイクリン代謝物アッセイのほか、血清中薬剤レベルの使用により、最小の有害副作用を伴う最大の有益性を標的化することが可能となる。
【0060】
(+)シクレタニンの実施形態は、10mgで始まる毎日1回の経口投与の漸増であり、毎日200mgまでの漸増である。この実施形態は、場合によって、(+)シクレタニンの利尿作用およびナトリウム利尿作用が十分に忍容されるかまたは有用である患者に対して特に適切である。
【0061】
本発明の別の実施形態は、シクレタニンの抗ヒスタミン作動特性および一酸化窒素増強特性を介する喘息およびCOPDの治療のための、単独でまたは他の作用物質との組み合わせでのシクレタニンの使用である。
【0062】
さらに別の実施形態では、シクレタニンを用いて、プロスタサイクリンに由来する注射部位の炎症、または、カルシウムチャネル遮断剤に由来する末梢性浮腫など、他の薬剤の副作用を軽減する。
【0063】
さらに別の実施形態では、シクレタニンを用いて、他の治療作用物質の作用を増強し、これにより、副作用プロファイルが向上した低用量を可能とする。
【0064】
さらに別の実施形態では、シクレタニンを1つまたは複数の別の作用物質との組み合わせにおいて用いることで、同様の用量による個々の作用物質の投与よりも有効な、組み合わせによる薬剤の投与を可能とし、これにより、副作用の頻度または重症度を軽減する。
【0065】
本発明の実施形態において、組み合わせ療法は、単独の錠剤もしくはカプセルの形態、または、適切な賦形剤、溶解増強剤、および安定剤を伴う他の適切な経口製剤における(各成分の)固定用量を含む。組み合わせ療法が、治療レジメンを簡略化し、患者の服薬順守を支援することは、他の利点である。多数の組み合わせの提供により、総用量の変化がさらに可能となり、治療法の適切な調整が可能となる。
【0066】
ヒト臨床試験
以下の実施例では、本発明の特定の態様が実施および例示される。以下の各組成物が150mgの総用量を伴う一方、関連する実施例における治療用量は、1mg〜10000mgの範囲に及びうる。加えて、記載される薬剤は、上記で論じた作用を増強する改変のほか、エプロステノール、イロプロスト、およびトレプロスチニルなどのプロスタサイクリン類似体、ボセンタンなどのエンドセリンアンタゴニスト、シルデナフィルなどのPDE阻害剤、ニフェジピン、アムロジピン、およびニカルジピンなどのカルシウムチャネル遮断剤、ニトロプルシドナトリウムなどの窒素供与体、ならびに、心房性ナトリウム利尿ペプチドなどのcGMP誘導剤および増強剤、ならびにセロトニン阻害剤を含む薬剤のクラスの1つまたは複数の任意のメンバーとの組み合わせも含みうる。
【実施例】
【0067】
ヒト試験の実施例
(実施例1)
特発性肺動脈性高血圧症に罹患している33歳の女性患者が、しばらくの間、承認された3つのクラスすべての肺高血圧症薬(エンドセリン受容体アンタゴニスト、プロスタサイクリン、およびPDE5阻害剤)を高用量で投与されたにもかかわらず、心不全となり、急速に悪化した。患者は、持続的な一酸化窒素の吸入を伴う集中治療室でようやく容態が安定した。シクレタニン療法を開始し―毎日1回の経口投与で、3日間にわたり50mg/日から150mg/日へと漸増し―、第1日は50mg、第2日は100mg、第3日およびそれ以後は150mgとした。シクレタニン療法の開始から3日以内に、患者は一酸化窒素吸入が不要となり、集中治療室から解放され、シクレタニン治療の開始から5日以内に退院した。患者は、4カ月半にわたりシクレタニン療法を受けている。
【0068】
患者は、6分間歩行距離の著明な改善を示し、シクレタニンの開始直前には30メートル未満であったのが、シクレタニン療法の1カ月後には200メートルを超え、シクレタニン療法の2カ月後以降は400メートルを超えた。
【0069】
また、患者のN末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド(心不全のバイオマーカーとして認められる)レベルも、著明に降下した。シクレタニン療法の直前において、該マーカー値は4409であったが、シクレタニン療法の数日以内に、バイオマーカーレベルは2000未満に降下し、約4カ月間にわたり2000付近にとどまっている。
【0070】
最後に、患者の生活の質は、著明に改善された。以前は寝たきりであった患者が、今では、家事をこなし、定期的な身体運動を行うことができる。
【0071】
(実施例2)
WHOグループIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して200mgの(+)シクレタニンを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0072】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0073】
こうした製剤は、顕著な利尿作用を有し、重度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0074】
(実施例2a)
WHOグループIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して180mgの(+)シクレタニンと20mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0075】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0076】
こうした製剤は、顕著な利尿作用を有し、重度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0077】
(実施例3)
WHOグループIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して160mgの(+)シクレタニンと40mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0078】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0079】
こうした製剤は、顕著な利尿作用を有し、重度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0080】
(実施例4)
WHOグループIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して140mgの(+)シクレタニンと60mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0081】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0082】
こうした製剤は、それほど顕著でない利尿作用を有し、ミッドレンジの体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0083】
(実施例5)
WHOグループIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して120mgの(+)シクレタニンと80mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0084】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0085】
こうした製剤は、それほど顕著でない利尿作用を有し、中等度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0086】
(実施例6)
WHOグループIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して100mgの(+)シクレタニンと100mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0087】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0088】
こうした製剤は、ミッドレンジの利尿作用を有し、中等度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0089】
(実施例7)
WHOグループIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して80mgの(+)シクレタニンと120mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0090】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0091】
こうした製剤は、それほど顕著でない利尿作用を有し、中等度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0092】
(実施例8)
WHOグループIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して60mgの(+)シクレタニンと140mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0093】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0094】
こうした製剤は、それほど顕著でない利尿作用を有し、中等度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0095】
(実施例9)
WHOグループIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して40mgの(+)シクレタニンと160mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0096】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0097】
こうした製剤は、軽微な利尿作用および強力な一酸化窒素作用を有し、軽度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0098】
(実施例10)
WHOグループIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して20mgの(+)シクレタニンと180mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0099】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0100】
こうした製剤は、軽微な利尿作用および強力な一酸化窒素作用を有し、軽度の体液過剰を経験する患者または体液過剰を経験しない患者に最も適切である。
【0101】
(実施例11)
WHOグループIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して200mgの(−)シクレタニンを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0102】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0103】
この製剤は、ほとんどまたはまったく利尿作用を有さず、最大の一酸化窒素作用を有し、体液過剰を有さない患者に最適である。
【0104】
(実施例12)
WHOグループIIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して200mgの(+)シクレタニンを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0105】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0106】
こうした製剤は、顕著な利尿作用を有し、重度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0107】
(実施例13)
WHOグループIIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して180mgの(+)シクレタニンと20mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0108】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0109】
こうした製剤は、軽微な利尿作用および強力な一酸化窒素作用を有し、軽度の体液過剰を経験する患者または体液過剰を経験しない患者に最も適切である。
【0110】
(実施例14)
WHOグループIIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して160mgの(+)シクレタニンと40mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0111】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0112】
こうした製剤は、顕著な利尿作用を有し、重度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0113】
(実施例15)
WHOグループIIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して140mgの(+)シクレタニンと60mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0114】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0115】
こうした製剤は、それほど顕著でない利尿作用を有し、ミッドレンジの体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0116】
(実施例16)
WHOグループIIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して120mgの(+)シクレタニンと80mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0117】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0118】
こうした製剤は、それほど顕著でない利尿作用を有し、中等度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0119】
(実施例17)
WHOグループIIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して100mgの(+)シクレタニンと100mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0120】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0121】
こうした製剤は、ミッドレンジの利尿作用を有し、中等度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0122】
(実施例18)
WHOグループIIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して80mgの(+)シクレタニンと120mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0123】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0124】
こうした製剤は、それほど顕著でない利尿作用を有し、中等度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0125】
(実施例19)
WHOグループIIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して60mgの(+)シクレタニンと140mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0126】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0127】
こうした製剤は、それほど顕著でない利尿作用を有し、中等度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0128】
(実施例20)
WHOグループIIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して40mgの(+)シクレタニンと160mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0129】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0130】
こうした製剤は、軽微な利尿作用および強力な一酸化窒素作用を有し、軽度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0131】
(実施例21)
WHOグループIIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して20mgの(+)シクレタニンと180mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0132】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0133】
こうした製剤は、軽微な利尿作用および強力な一酸化窒素作用を有し、軽度の体液過剰を経験する患者または体液過剰を経験しない患者に最も適切である。
【0134】
(実施例22)
WHOグループIIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して200mgの(−)シクレタニンを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0135】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0136】
この製剤は、ほとんどまたはまったく利尿作用を有さず、最大の一酸化窒素作用を有し、体液過剰を有さない患者に最適である。
【0137】
(実施例23)
WHOグループIIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して200mgの(+)シクレタニンを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0138】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0139】
こうした製剤は、軽微な利尿作用および強力な一酸化窒素作用を有し、軽度の体液過剰を経験する患者または体液過剰を経験しない患者に最も適切である。
【0140】
(実施例24)
WHOグループIIIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して180mgの(+)シクレタニンと20mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0141】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0142】
こうした製剤は、顕著な利尿作用を有し、重度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0143】
(実施例25)
WHOグループIIIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して160mgの(+)シクレタニンと40mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0144】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0145】
こうした製剤は、顕著な利尿作用を有し、重度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0146】
(実施例26)
WHOグループIIIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して140mgの(+)シクレタニンと60mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0147】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0148】
こうした製剤は、それほど顕著でない利尿作用を有し、ミッドレンジの体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0149】
(実施例27)
WHOグループIIIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して120mgの(+)シクレタニンと80mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0150】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0151】
こうした製剤は、それほど顕著でない利尿作用を有し、中等度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0152】
(実施例28)
WHOグループIIIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して100mgの(+)シクレタニンと100mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0153】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0154】
こうした製剤は、ミッドレンジの利尿作用を有し、中等度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0155】
(実施例29)
WHOグループIIIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して80mgの(+)シクレタニンと120mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0156】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0157】
こうした製剤は、それほど顕著でない利尿作用を有し、中等度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0158】
(実施例30)
WHOグループIIIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して60mgの(+)シクレタニンと140mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0159】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0160】
こうした製剤は、それほど顕著でない利尿作用を有し、中等度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0161】
(実施例31)
WHOグループIIIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して40mgの(+)シクレタニンと160mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0162】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0163】
こうした製剤は、軽微な利尿作用および強力な一酸化窒素作用を有し、軽度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0164】
(実施例32)
WHOグループIIIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して20mgの(+)シクレタニンと180mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0165】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0166】
こうした製剤は、軽微な利尿作用および強力な一酸化窒素作用を有し、軽度の体液過剰を経験する患者または体液過剰を経験しない患者に最も適切である。
【0167】
(実施例33)
WHOグループIIIの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して200mgの(−)シクレタニンを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0168】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0169】
こうした製剤は、軽微な利尿作用および強力な一酸化窒素作用を有し、軽度の体液過剰を経験する患者または体液過剰を経験しない患者に最も適切である。
【0170】
(実施例34)
WHOグループIVの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して200mgの(+)シクレタニンを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0171】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0172】
こうした製剤は、顕著な利尿作用を有し、重度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0173】
(実施例35)
WHOグループIVの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して180mgの(+)シクレタニンと20mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0174】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0175】
こうした製剤は、顕著な利尿作用を有し、重度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0176】
(実施例36)
WHOグループIVの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して160mgの(+)シクレタニンと40mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0177】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0178】
こうした製剤は、顕著な利尿作用を有し、重度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0179】
(実施例37)
WHOグループIVの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して140mgの(+)シクレタニンと60mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0180】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0181】
こうした製剤は、それほど顕著でない利尿作用を有し、ミッドレンジの体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0182】
(実施例38)
WHOグループIVの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して120mgの(+)シクレタニンと80mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0183】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0184】
こうした製剤は、それほど顕著でない利尿作用を有し、中等度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0185】
(実施例39)
WHOグループIVの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して100mgの(+)シクレタニンと100mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0186】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0187】
こうした製剤は、ミッドレンジの利尿作用を有し、中等度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0188】
(実施例40)
WHOグループIVの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して80mgの(+)シクレタニンと120mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0189】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0190】
こうした製剤は、それほど顕著でない利尿作用を有し、中等度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0191】
(実施例41)
WHOグループIVの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して60mgの(+)シクレタニンと140mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0192】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0193】
こうした製剤は、それほど顕著でない利尿作用を有し、中等度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0194】
(実施例42)
WHOグループIVの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して40mgの(+)シクレタニンと160mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0195】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0196】
こうした製剤は、軽微な利尿作用および強力な一酸化窒素作用を有し、軽度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0197】
(実施例43)
WHOグループIVの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して20mgの(+)シクレタニンと180mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0198】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0199】
こうした製剤は、軽微な利尿作用および強力な一酸化窒素作用を有し、軽度の体液過剰を経験する患者または体液過剰を経験しない患者に最も適切である。
【0200】
(実施例44)
WHOグループIVの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して200mgの(−)シクレタニンを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0201】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0202】
この製剤は、ほとんどまたはまったく利尿作用を有さず、最大の一酸化窒素作用を有し、体液過剰を有さない患者に最適である。
【0203】
(実施例45)
WHOグループVの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して200mgの(+)シクレタニンを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0204】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0205】
こうした製剤は、顕著な利尿作用を有し、重度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0206】
(実施例46)
WHOグループVの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して180mgの(+)シクレタニンと20mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0207】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0208】
こうした製剤は、顕著な利尿作用を有し、重度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0209】
(実施例47)
WHOグループVの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して160mgの(+)シクレタニンと40mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0210】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0211】
こうした製剤は、顕著な利尿作用を有し、重度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0212】
(実施例48)
WHOグループVの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して140mgの(+)シクレタニンと60mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0213】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0214】
こうした製剤は、それほど顕著でない利尿作用を有し、ミッドレンジの体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0215】
(実施例49)
WHOグループVの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して120mgの(+)シクレタニンと80mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0216】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0217】
こうした製剤は、それほど顕著でない利尿作用を有し、中等度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0218】
(実施例50)
WHOグループVの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して100mgの(+)シクレタニンと100mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0219】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0220】
こうした製剤は、ミッドレンジの利尿作用を有し、中等度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0221】
(実施例51)
WHOグループVの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して80mgの(+)シクレタニンと120mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0222】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0223】
こうした製剤は、それほど顕著でない利尿作用を有し、中等度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0224】
(実施例52)
WHOグループVの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して60mgの(+)シクレタニンと140mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0225】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0226】
こうした製剤は、それほど顕著でない利尿作用を有し、中等度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0227】
(実施例53)
WHOグループVの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して40mgの(+)シクレタニンと160mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0228】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0229】
こうした製剤は、軽微な利尿作用および強力な一酸化窒素作用を有し、軽度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0230】
(実施例54)
WHOグループVの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して20mgの(+)シクレタニンと180mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0231】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0232】
こうした製剤は、軽微な利尿作用および強力な一酸化窒素作用を有し、軽度の体液過剰を経験する患者または体液過剰を経験しない患者に最も適切である。
【0233】
(実施例55)
WHOグループVの肺高血圧症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して200mgの(−)シクレタニンを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0234】
結果として、肺血行動態が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:BNPレベル、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0235】
この製剤は、ほとんどまたはまったく利尿作用を有さず、最大の一酸化窒素作用を有し、体液過剰を有さない患者に最適である。
【0236】
(実施例56)
喘息、COPD、および/または肺線維症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して200mgの(+)シクレタニンを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0237】
結果として、肺機能が改善または安定化され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:1秒量、酸素飽和度、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0238】
こうした製剤は、顕著な利尿作用を有し、重度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0239】
(実施例57)
喘息もしくはCOPDまたは肺線維症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して180mgの(+)シクレタニンと20mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0240】
結果として、肺機能が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:1秒量、酸素飽和度、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0241】
こうした製剤は、顕著な利尿作用を有し、重度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0242】
(実施例58)
喘息もしくはCOPDまたは肺線維症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して160mgの(+)シクレタニンと40mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0243】
結果として、肺機能が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:1秒量、酸素飽和度、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0244】
こうした製剤は、顕著な利尿作用を有し、重度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0245】
(実施例59)
喘息もしくはCOPDまたは肺線維症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して140mgの(+)シクレタニンと60mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0246】
結果として、肺機能が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:1秒量、酸素飽和度、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0247】
こうした製剤は、それほど顕著でない利尿作用を有し、ミッドレンジの体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0248】
(実施例60)
喘息もしくはCOPDまたは肺線維症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して120mgの(+)シクレタニンと80mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0249】
結果として、肺機能が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:1秒量、酸素飽和度、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0250】
こうした製剤は、それほど顕著でない利尿作用を有し、中等度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0251】
(実施例61)
喘息もしくはCOPDまたは肺線維症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して100mgの(+)シクレタニンと100mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0252】
結果として、肺機能が改善または安定化され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:1秒量、酸素飽和度、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0253】
こうした製剤は、ミッドレンジの利尿作用を有し、中等度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0254】
(実施例62)
喘息もしくはCOPDまたは肺線維症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して80mgの(+)シクレタニンと120mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0255】
結果として、肺機能が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:1秒量、酸素飽和度、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0256】
こうした製剤は、それほど顕著でない利尿作用を有し、中等度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0257】
(実施例63)
喘息もしくはCOPDまたは肺線維症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して60mgの(+)シクレタニンと140mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0258】
結果として、肺機能が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:1秒量、酸素飽和度、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0259】
こうした製剤は、それほど顕著でない利尿作用を有し、中等度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0260】
(実施例64)
喘息もしくはCOPDまたは肺線維症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して40mgの(+)シクレタニンと160mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0261】
結果として、肺機能が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:1秒量、酸素飽和度、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0262】
こうした製剤は、軽微な利尿作用および強力な一酸化窒素作用を有し、軽度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0263】
(実施例65)
喘息もしくはCOPDまたは肺線維症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して20mgの(+)シクレタニンと180mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0264】
結果として、肺機能が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:1秒量、酸素飽和度、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0265】
こうした製剤は、軽微な利尿作用および強力な一酸化窒素作用を有し、軽度の体液過剰を経験する患者または体液過剰を経験しない患者に最も適切である。
【0266】
(実施例66)
喘息もしくはCOPDまたは肺線維症に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して200mgの(−)シクレタニンを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0267】
結果として、肺機能が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:1秒量、酸素飽和度、歩行距離、プロスタサイクリン/トロンボキサン比、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0268】
この製剤は、ほとんどまたはまったく利尿作用を有さず、最大の一酸化窒素作用を有し、体液過剰を有さない患者に最適である。
【0269】
(実施例67)
心不全または肺性心に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して200mgの(+)シクレタニンを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0270】
結果として、心機能が改善または安定化され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:ナトリウム利尿ペプチドレベル、心拍出量、歩行距離、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0271】
こうした製剤は、顕著な利尿作用を有し、重度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0272】
(実施例68)
心不全または肺性心に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して180mgの(+)シクレタニンと20mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0273】
結果として、機能が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:ナトリウム利尿ペプチドレベル、心拍出量、歩行距離、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0274】
こうした製剤は、顕著な利尿作用を有し、重度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0275】
(実施例69)
心不全または肺性心に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して160mgの(+)シクレタニンと40mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0276】
結果として、心機能が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:ナトリウム利尿ペプチドレベル、心拍出量、歩行距離、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0277】
こうした製剤は、顕著な利尿作用を有し、重度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0278】
(実施例70)
心不全または肺性心に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して140mgの(+)シクレタニンと60mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0279】
結果として、心機能が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:ナトリウム利尿ペプチドレベル、心拍出量、歩行距離、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0280】
こうした製剤は、それほど顕著でない利尿作用を有し、ミッドレンジの体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0281】
(実施例71)
心不全または肺性心に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して120mgの(+)シクレタニンと80mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0282】
結果として、心機能が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:ナトリウム利尿ペプチドレベル、心拍出量、歩行距離、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0283】
こうした製剤は、それほど顕著でない利尿作用を有し、中等度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0284】
(実施例72)
心不全または肺性心に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して100mgの(+)シクレタニンと100mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0285】
結果として、心機能が改善または安定化され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:ナトリウム利尿ペプチドレベル、心拍出量、歩行距離、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0286】
こうした製剤は、ミッドレンジの利尿作用を有し、中等度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0287】
(実施例73)
心不全または肺性心に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して80mgの(+)シクレタニンと120mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0288】
結果として、心機能が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:ナトリウム利尿ペプチドレベル、心拍出量、歩行距離、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0289】
こうした製剤は、それほど顕著でない利尿作用を有し、中等度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0290】
(実施例74)
心不全または肺性心に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して60mgの(+)シクレタニンと140mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0291】
結果として、心機能が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:ナトリウム利尿ペプチドレベル、心拍出量、歩行距離、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0292】
こうした製剤は、それほど顕著でない利尿作用を有し、中等度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0293】
(実施例75)
心不全または肺性心に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して40mgの(+)シクレタニンと160mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0294】
結果として、心機能が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:ナトリウム利尿ペプチドレベル、心拍出量、歩行距離、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0295】
こうした製剤は、軽微な利尿作用および強力な一酸化窒素作用を有し、軽度の体液過剰を経験する患者に最も適切である。
【0296】
(実施例76)
心不全または肺性心に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して20mgの(+)シクレタニンと180mgの(−)シクレタニンとを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0297】
結果として、心機能が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:ナトリウム利尿ペプチドレベル、心拍出量、歩行距離、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0298】
こうした製剤は、軽微な利尿作用および強力な一酸化窒素作用を有し、軽度の体液過剰を経験する患者または体液過剰を経験しない患者に最も適切である。
【0299】
(実施例77)
心不全または肺性心に罹患している患者に、毎日1回、経口経路を介して200mgの(−)シクレタニンを含むシクレタニン製剤を投与する。シクレタニンは、単独でまたは上記で論じた他のクラスの薬剤と組み合わせて投与する。
【0300】
結果として、心機能が改善され、全身血圧は許容される限界内にとどまり、加えて、以下のパラメータ:ナトリウム利尿ペプチドレベル、心拍出量、歩行距離、およびNYHA機能クラススコアの1つまたは複数が改善される。代謝パラメータは、無変化でとどまるか、または改善される。こうした改善は、少なくとも3カ月間にわたりベースラインを上回って維持される。
【0301】
この製剤は、ほとんどまたはまったく利尿作用を有さず、最大の一酸化窒素作用を有し、体液過剰を有さない患者に最適である。
【0302】
(実施例78)
非ラセミ体の組み合わせ薬剤を、約90mgのシクレタニン(+)エナンチオマーを含み、10mgのシクレタニン(−)エナンチオマーと組み合わせた混合組成物の丸薬、カプセル、または他の投与形態に調合し、肺高血圧症に罹患している対象に、1日1回、経口投与する。非ラセミ調合薬剤は、第1選択薬、または、肺高血圧症に対して投与された過去/現在の薬剤に加えて、もしくはこれに代えて投与される薬剤として、単独でまたは他のクラスに由来する薬剤と組み合わせて投与する。
【0303】
この非ラセミ製剤を適切な対象(上記で示唆された対象を含むがこれに限定されない)に投与すると、肺血管圧が好ましく降下し、代謝パラメータ(特に、血中グルコースレベル、耐糖能、血中トリグリセリドレベル、血中コレステロール[総コレステロール、LDL、およびHa]レベル)に対する作用は、対照と比較して好ましいかまたは中立的となる。
【0304】
これらの結果は、上記の非ラセミ製剤が、おもに利尿性の作用を有する一方で、ある肺血管弛緩作用および器官保護作用を有することを示す。加えて、この薬剤のカリウム低減作用ならびに脂質およびコレステロールに対する作用は、サイアザイド型利尿剤の場合よりも健全であり、それほど顕著ではない。
【0305】
(実施例79)
非ラセミ体の組み合わせ薬剤を、20mgのシクレタニン(−)エナンチオマーと組み合わせた約80mgのシクレタニン(+)エナンチオマーの混合組成物の丸薬、カプセル、または他の投与形態に調合し、以下の記載:肺高血圧症の1つまたは複数に由来する症状に罹患している対象に、1日1回、経口投与する。該調合薬剤は、第1選択薬として、または、肺高血圧症に対して投与された過去/現在の薬剤に加えて、もしくは、これに代えて投与される薬剤として投与する。
【0306】
この非ラセミ製剤を適切な対象(上記で示唆された対象を含むがこれに限定されない)に投与すると、肺血管圧が好ましく降下し、代謝パラメータ(特に、血中グルコースレベル、耐糖能、血中トリグリセリドレベル、血中コレステロール[総コレステロール、LDL、およびHDL]レベル)に対する作用は、好ましいかまたは中立的〜最小であるにとどまる。
【0307】
これらの結果は、上記の非ラセミ製剤が、おもに利尿性の作用を有する一方で、ある肺血管弛緩作用および器官保護作用を有することを示す。加えて、この薬剤のカリウム低減作用ならびに脂質およびコレステロールに対する作用は、サイアザイド型利尿剤の場合よりも健全であり、それほど顕著ではない。
【0308】
(実施例80)
非ラセミ体の組み合わせ薬剤を、30mgのシクレタニン(−)エナンチオマーと組み合わせた約70mgのシクレタニン(+)エナンチオマーの混合組成物の丸薬、カプセル、または他の投与形態に調合し、以下の記載:肺高血圧症、またはトリグリセリド、コレステロール、もしくは血中グルコースの軽度もしくは中等度の上昇の存在下にはあるが、実際のメタボリック症候群の存在下にはない肺高血圧症の1つまたは複数に由来する症状に罹患している対象に、1日1回、経口投与する。非ラセミ調合薬剤は、第1選択薬として、または、肺高血圧症に対して投与された過去/現在の薬剤に加えて、もしくはこれに代えて投与される薬剤として、単独でまたは他のクラスに由来する薬剤と組み合わせて投与する。
【0309】
この非ラセミ製剤を適切な対象(上記で示唆された対象を含むがこれに限定されない)に投与すると、肺血管圧が好ましく降下し、代謝パラメータ(特に、血中グルコースレベル、耐糖能、血中トリグリセリドレベル、血中コレステロール[総コレステロール、LDL、およびHDL]レベル)に対する作用は、好ましいかまたは中立的〜最小であるにとどまる。
【0310】
これらの結果は、上記の非ラセミ製剤が、おもに利尿性の作用を有する一方で、ある血管弛緩作用および器官保護作用を有することを示す。しかし、利尿作用は、他の作用よりも顕著となる。
【0311】
加えて、この薬剤のカリウム低減作用ならびに脂質およびコレステロールに対する作用は、サイアザイド型利尿剤の場合よりも健全であり、それほど顕著ではない。
【0312】
(実施例81)
非ラセミ体の組み合わせ薬剤を、40mgのシクレタニン(−)エナンチオマーと組み合わせた約60mgのシクレタニン(+)エナンチオマーの混合組成物の丸薬、カプセル、または他の投与形態に調合し、以下の記載:実際のメタボリック症候群の存在下または非存在下において、トリグリセリド、コレステロール、または血中グルコースの軽度または中等度の上昇の存在下にある肺高血圧症の1つまたは複数に由来する症状に罹患している対象に、1日1回、経口投与する。該薬剤は、第1選択薬として、または、肺高血圧症に対して投与された過去/現在の薬剤に加えて、もしくは、これに代えて投与される薬剤として投与する。
【0313】
この非ラセミ製剤を適切な対象(上記で示唆された対象を含むがこれに限定されない)に投与すると、肺血管圧が好ましく降下し、代謝パラメータ(特に、血中グルコースレベル、耐糖能、血中トリグリセリドレベル、血中コレステロール[総コレステロール、LDL、およびHDL]レベル)に対する作用は、好ましいかまたは中立的〜最小であるにとどまる。
【0314】
これらの結果は、上記の非ラセミ製剤が、顕著に利尿性の作用のほか、ある肺血管弛緩作用および器官保護作用も有することを示す。しかし、利尿作用は、他の作用よりも顕著となりうる。加えて、この薬剤のカリウム低減作用ならびに脂質およびコレステロールに対する作用は、サイアザイド型利尿剤の場合よりも健全であり、それほど顕著ではない。
【0315】
(実施例82)
非ラセミ体の組み合わせ薬剤を、60mgのシクレタニン(−)エナンチオマーと組み合わせた約40mgのシクレタニン(+)エナンチオマーの混合組成物の丸薬、カプセル、または他の投与形態に調合し、以下の記載:合併症のない肺高血圧症、トリグリセリド、コレステロール、または血中グルコースの軽度または中等度の上昇の存在下にある高血圧症、糖尿病またはメタボリック症候群の存在下にある肺高血圧症の1つまたは複数に由来する症状に罹患している対象に、1日1回、経口投与する。該薬剤は、第1選択薬として、あるいは、肺高血圧症もしくは他の肺疾患もしくはその合併症に対して投与された過去/現在の薬剤に加えて、または、これに代えて投与される薬剤として投与する。
【0316】
この非ラセミ製剤を適切な対象(上記で示唆された対象を含むがこれに限定されない)に投与すると、肺血管圧が好ましく降下し、代謝パラメータ(特に、血中グルコースレベル、耐糖能、血中トリグリセリドレベル、血中コレステロール[総コレステロール、LDL、およびHDL]レベル)に対する作用は、好ましいかまたは中立的〜最小であるにとどまる。
【0317】
これらの結果は、上記の非ラセミ製剤が、利尿作用のほか、肺血管弛緩作用および器官保護作用も有することを示す。しかし、肺血管弛緩作用は、他の作用よりも顕著である。加えて、この薬剤のカリウム低減作用ならびに脂質およびコレステロールに対する作用は、サイアザイド型利尿剤の場合よりも健全であり、それほど顕著ではない。
【0318】
(実施例83)
非ラセミ体の組み合わせ薬剤を、70mgのシクレタニン(−)エナンチオマーと組み合わせた約30mgのシクレタニン(+)エナンチオマーの混合組成物の丸薬、カプセル、または他の投与形態に調合し、以下の記載:合併症のない肺高血圧症、トリグリセリド、コレステロール、または血中グルコースの軽度または中等度の上昇の存在下にある高血圧症、糖尿病またはメタボリック症候群の存在下にある肺高血圧症の1つまたは複数に由来する症状に罹患している対象に、1日1回、経口投与する。該薬剤は、第1選択薬として、あるいは、肺高血圧症もしくは他の肺疾患もしくはその合併症に対して投与された過去/現在の薬剤に加えて、または、これに代えて投与される薬剤として投与する。
【0319】
この非ラセミ製剤を適切な対象(上記で示唆された対象を含むがこれに限定されない)に投与すると、肺血管圧が好ましく降下し、代謝パラメータ(特に、血中グルコースレベル、耐糖能、血中トリグリセリドレベル、血中コレステロール[総コレステロール、LDL、およびHDL]レベル)に対する作用は、好ましいかまたは中立的〜最小であるにとどまる。
【0320】
これらの結果は、上記の非ラセミ製剤が、利尿作用のほか、肺血管弛緩作用および器官保護作用も有することを示す。しかし、肺血管弛緩作用および器官保護作用は、他の作用よりも顕著である。加えて、この薬剤のカリウム低減作用ならびに脂質およびコレステロールに対する作用は、サイアザイド型利尿剤の場合よりも健全であり、それほど顕著ではない。
【0321】
(実施例84)
非ラセミ体の組み合わせ薬剤を、80mgのシクレタニン(−)エナンチオマーと組み合わせた約20mgのシクレタニン(+)エナンチオマーの混合組成物の丸薬、カプセル、または他の投与形態に調合し、以下の記載:合併症のない肺高血圧症、トリグリセリド、コレステロール、または血中グルコースの軽度または中等度の上昇の存在下にある高血圧症の1つまたは複数に由来する症状に罹患している対象に、1日1回、経口投与する。該薬剤は、第1選択薬として、あるいは、肺高血圧症もしくは他の肺疾患もしくはその合併症に対して投与された過去/現在の薬剤に加えて、または、これに代えて投与される薬剤として投与する。
【0322】
この非ラセミ製剤を適切な対象(上記で示唆された対象を含むがこれに限定されない)に投与すると、肺血管圧が好ましく降下し、代謝パラメータ(特に、血中グルコースレベル、耐糖能、血中トリグリセリドレベル、血中コレステロール[総コレステロール、LDL、およびHDL]レベル)に対する作用は、好ましいかまたは中立的〜最小であるにとどまる。
【0323】
これらの結果は、上記の非ラセミ製剤が、利尿作用のほか、血管弛緩作用および器官保護作用も有することを示す。しかし、血管弛緩作用および器官保護作用は、利尿作用よりも顕著である。加えて、この薬剤のカリウム低減作用ならびに脂質およびコレステロールに対する作用は、サイアザイド型利尿剤の場合よりも健全であり、それほど顕著ではない。
【0324】
(実施例85)
非ラセミ体の組み合わせ薬剤を、90mgのシクレタニン(−)エナンチオマーと組み合わせた約10mgのシクレタニン(+)エナンチオマーの混合組成物の丸薬、カプセル、または他の投与形態に調合し、以下の記載:肺高血圧症、トリグリセリド、コレステロール、または血中グルコースの軽度または中等度の上昇の存在下にある高血圧症、糖尿病またはメタボリック症候群の存在下にある肺高血圧症の1つまたは複数に由来する症状に罹患している対象に、1日1回、経口投与する。該薬剤は、第1選択薬として、あるいは、肺高血圧症もしくは他の肺疾患もしくはその合併症に対して投与された過去/現在の薬剤に加えて、または、これに代えて投与される薬剤として投与する。
【0325】
この非ラセミ製剤を適切な対象(上記で示唆された対象を含むがこれに限定されない)に投与すると、肺血管圧が好ましく降下し、代謝パラメータ(特に、血中グルコースレベル、耐糖能、血中トリグリセリドレベル、血中コレステロール[総コレステロール、LDL、およびHDL]レベル)に対する作用は、好ましいかまたは中立的〜最小であるにとどまる。
【0326】
これらの結果は、上記の非ラセミ製剤が、利尿作用のほか、肺血管弛緩作用および器官保護作用も有することを示す。しかし、肺血管弛緩作用および器官保護作用は、利尿作用よりも顕著である。加えて、この薬剤のカリウム低減作用ならびに脂質およびコレステロールに対する作用は、サイアザイド型利尿剤の場合よりも健全であり、それほど顕著ではない。
【0327】
本発明の一部の実施形態では、各シクレタニン組成物が、製剤の唯一の治療作用物質であり、他の実施形態では、1つまたは複数の第2の作用物質を、シクレタニン組成物とともに含めることができる。本明細書で用いられる「第2の作用物質」とは、シクレタニン組成物以外の任意の作用物質を指し、「第2の作用物質」という用語自体は、このシクレタニン以外のクラスのメンバーである多数の作用物質を含みうる総称的用語である。こうした第2の作用物質は、それ自体、プロスタサイクリンを増加させること、エンドセリン活性をアンタゴナイズすること、ホスホジエステラーゼ活性を阻害すること、ヒスタミン作動(histaminergic)活性を阻害すること、カルシウムチャネル活性の阻害、cGMP活性を増強すること、窒素供与体またはNO増強剤として作用すること、および/または肺疾患と関連する任意の合併症を治療することに関する有効な作用物質でありうる。多くの場合、シクレタニン組成物のみからなる製剤から治療的有益性を受ける疾患および関連する合併症または続発症の範囲は、さまざまなエナンチオマー組成のシクレタニンと第2の治療的作用物質とをともに含む製剤から有益性を得る疾患および関連する合併症または続発症の範囲と同じであることが理解される。
【0328】
本発明の一部の実施形態により、製剤全体が、全身血圧を不適切な形で低下させることなく肺血行動態を改善するように、治療的有効量のシクレタニンを単独で、または、第2の作用物質との組み合わせにおいて含む経口製剤が開示される。シクレタニンは、全身性高血圧症に罹患しない患者における全身血圧は低下させない傾向があるため、この点で好ましいものでありうるであろう。本発明者らは、全身の正常血圧者における全身血圧を低下させないというこの現象が、他の血圧降下剤の場合よりも顕著であることを観察している。本発明者らは、これが、下流の現象を相殺しようとすることで機能不全状態の生化学的カスケードを無効にする(こうした下流の相殺は、血管弛緩性降圧剤の主要なクラスであるACE阻害剤、アンジオテンシン受容体遮断剤、カルシウムチャネル遮断剤、およびベータ遮断剤によりなされることである)よりもむしろ、内因的な欠損の根本原因を補正する(例えば、内皮一酸化窒素合成酵素[eNOS]の脱結合を逆転させる)シクレタニンに起因することを提唱する。
【0329】
別の実施形態では、喘息または他の慢性閉塞性肺疾患などの肺疾患と関連する状態または合併症を治療および/または阻止する方法が開示される。本発明者らは、シクレタニンが、全身のプロスタサイクリンを増強し、内皮一酸化窒素合成酵素(eNOS)の結合を増強することに加え、喘息またはCOPDと関連する過剰なヒスタミン作動活性もまた阻害することを観察しているので、本発明者らは、シクレタニンが、本明細書において特別の関心の対象であると考える。この抗ヒスタミン作動活性は、シクレタニンの(−)立体異性体と関連し、シクレタニンの(+)立体異性体とは関連しないことが提唱される。
【0330】
別の実施形態において、その方法は、シクレタニン(ラセミ形態、非ラセミ形態、または純粋の立体異性体における)を、エアゾール送達を介して肺に投与するステップと、カルシウムチャネル遮断剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤、プロスタサイクリン類似体、またはエンドセリンアンタゴニスト、cGMP増強剤、または窒素供与体として作用する第2の肺高血圧症治療剤を投与するステップとを含む。
【0331】
本発明の方法の各種の実施形態において、シクレタニンの治療有効量は、第2の作用物質の副作用を軽減するのに十分である。該方法の別の態様において、シクレタニンおよび第2の作用物質の量は、相乗的な降圧作用をもたらすのに十分である。さらに別の態様では、シクレタニンの添加により、第2の作用物質の作用の持続性が増強されるか、または、第2の作用物質に対する耐性の発現が軽減される。さらなる態様では、シクレタニンの使用により、肺高血圧症を治療する第2の作用物質の用量低減が可能となり、これにより、第2の作用物質と関連する有害事象の頻度または重症度が低下する。
【0332】
シクレタニンは、利尿を含む他の機構を介してもまた作用しうるが、本発明の実施形態では、シクレタニンを、プロスタサイクリンの誘導剤として用いうる。シクレタニンは、標準的な合成手順の過程において、正(+)のエナンチオマーと負(−)のエナンチオマーとの比率が等しいラセミ混合物として自然発生するが、本発明の実施形態では、純粋に正(+)のエナンチオマーまたは負(−)のエナンチオマーからなる製剤のほか、例えば、約99%の(+)エナンチオマー:約1%の(−)エナンチオマーの比率を有する製剤から、約1%の(+)エナンチオマー:約99%の(−)エナンチオマーの比率を有する製剤までの範囲に及ぶ相対比率の異なりうる非ラセミ混合物を有する製剤もまた含む。
【0333】
本発明の一部の実施形態において、組み合わせ療法は、単独の錠剤形態、単独のカプセル形態、または他の組み合わせによる投与形態における(各成分の)固定用量を含みうる。一例において、単独の錠剤内における療法の組み合わせは、治療レジメンを簡略化し、これにより、患者の服薬順守を支援することを意図する。さらに、例えば、組み合わせによる作用物質の用量は、治療レジメンに適切なレベルの簡略性を支援することに基づき、互いに対して固定される。互いに対して固定された用量を適切に確立してもなお、総用量の変化は可能である。組み合わせ療法は、一般に、個々の作用物質の用量を、高用量レベルで生じうる望ましくない副作用を引き起こす用量よりも低く適用することを可能とすることにおいて、適切なレベルの投与を支援する。さらに、広範に定められた共通の有益性に向けて作用するが、異なる作用機序を介して作用する作用物質を組み合わせる場合、相乗的な治療効果が生じる場合がある。相乗作用は、その本質から、組み合わされた個々の作用物質の各機構の理解のみに基づくので、一般的には予測されない。
【0334】
本発明の治療的な実施形態は、プロスタサイクリン、または、より具体的には、(1)エポプロステノール、イロプロスト、およびトレプロスチニルなどのプロスタサイクリン類似体作用物質、(2)ボセンタンなどのエンドセリンアンタゴニスト、(3)シルデナフィルなどのPDE阻害剤、(4)ニフェジピン、アムロジピン、およびニカルジピンなどのカルシウムチャネル遮断剤、(5)SNPなどの窒素供与体または増強剤、ならびに、(6)ANPなどのcGMP誘導剤または増強剤との組み合わせにおけるシクレタニン組成物など、(特に、一酸化窒素の上方調節を介する)プロスタサイクリンのアゴニストまたは誘導剤を含む。
【0335】
組み合わせは、いずれかの薬剤単独によりもたらされる有益な作用を超える臨床的有益性を提供するように、本明細書における教示により調合されうる。こうした臨床的有益性の増強は、薬剤の異なる作用機構および/または相乗的相互作用と関連しうる。
【0336】
本発明の実施形態の態様は、小児および成人のPHおよび関連する障害の治療に適用される。
【0337】
本発明の多数の実施形態およびその変化形を詳細に説明してきたが、開示された治療的組み合わせ、および本明細書で開示された他の情報を用いた他の改変および方法は、当業者に明らかであろう。したがって、本発明の精神または特許請求の範囲から逸脱しない限りにおいて、同等物に対する各種の適用、改変、および置換を行いうることを理解されたい。本発明の理解を伝えるために、説明では各種の用語を用いてきた。これら各種の用語の対応する説明は、これら各種の用語に一般的な言語的変化形もしくは文法的変化形または言語的形態もしくは文法的形態に適用されることが理解されるであろう。治療作用物質は商標名で同定されるが、これらの名称は現時点での例として提示されるのであり、特に、作用物質が、その化学的クラスおよび作用機構との関連でさらに説明されている場合、本発明は、こうした逐語的な範囲により限定されない。説明は、生化学的な理論および本発明を説明する際に用いられるデータの解釈を多く与えるが、こうした理論および解釈は、特許請求の範囲を拘束または限定するものではないことを理解されたい。さらに、本発明は、例示を目的として本明細書において示された実施形態に限定されず、添付する特許請求の範囲の公正な読解のみによって定義されるべきであり、その各エレメントに賦与される等価性の全範囲を含むことを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
肺障害および心障害の治療における、単独でまたは他の作用物質との組み合わせでの酸化窒素調節作用物質および/またはPKC阻害剤を含有する製剤の使用。
【請求項2】
前記酸化窒素調節作用物質がフロピリジン化合物である、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記一酸化窒素調節フロピリジン化合物がシクレタニンである、請求項2に記載の使用。
【請求項4】
前記製剤が経口持続放出製剤である、請求項1に記載の使用。
【請求項5】
前記製剤が、デポ注射可能なまたは皮下に設置する延長放出デバイスを含む注射可能な製剤である、請求項1に記載の使用。
【請求項6】
前記製剤が経粘膜製剤または経皮製剤である、請求項1に記載の使用。
【請求項7】
前記製剤が経口即時放出製剤である、請求項1に記載の使用。
【請求項8】
前記製剤が吸入製剤である、請求項1に記載の使用。
【請求項9】
前記シクレタニン製剤が、シクレタニン異性体のラセミ混合物である、請求項3に記載の使用。
【請求項10】
前記シクレタニン製剤が、シクレタニン異性体の非ラセミ混合物である、請求項3に記載の使用。
【請求項11】
前記シクレタニン製剤が、ほぼ等量の+エナンチオマーおよび−エナンチオマーの血中濃度を生じる2種類のエナンチオマーの非ラセミ混合物である、請求項3に記載の使用。
【請求項12】
前記シクレタニン製剤が、シクレタニンの利尿作用および非利尿作用を最適化する(+)エナンチオマーおよび(−)エナンチオマーの血中濃度を生じる2種類のエナンチオマーの非ラセミ混合物である、請求項3に記載の使用。
【請求項13】
前記シクレタニン製剤が、(+)シクレタニン異性体の純粋な製剤である、請求項3に記載の使用。
【請求項14】
前記シクレタニン製剤が、(−)シクレタニン異性体の純粋な製剤である、請求項3に記載の使用。
【請求項15】
前記フロピリジン製剤が、フロピリジン異性体のラセミ混合物である、請求項2に記載の使用。
【請求項16】
前記フロピリジン製剤が、フロピリジン異性体の非ラセミ混合物である、請求項2に記載の使用。
【請求項17】
前記フロピリジン製剤が、(+)フロピリジン異性体の純粋な製剤である、請求項2に記載の使用。
【請求項18】
前記フロピリジン製剤が、(−)フロピリジン異性体の純粋な製剤である、請求項2に記載の使用。
【請求項19】
前記フロピリジンが、成人における肺高血圧症を治療するのに用いられる、請求項2に記載の使用。
【請求項20】
前記フロピリジンが、小児における肺高血圧症を治療するのに用いられる、請求項2に記載の使用。
【請求項21】
前記治療される肺高血圧症が、WHOグループI(肺動脈性高血圧症)である、請求項19に記載の使用。
【請求項22】
前記治療される肺高血圧症が、WHOグループII(肺静脈性高血圧症)である、請求項19に記載の使用。
【請求項23】
前記治療される肺高血圧症が、WHOグループIII(低酸素症を伴う肺高血圧症)である、請求項19に記載の使用。
【請求項24】
前記治療される肺高血圧症が、WHOグループIV(慢性血栓性および/または塞栓性疾患を伴う肺高血圧症)である、請求項19に記載の使用。
【請求項25】
前記治療される肺高血圧症が、WHOグループV(サルコイドーシス、肺ランゲルハンス細胞組織球症、リンパ管腫症(lymphangiomatosis)、[アデノパシー、腫瘍、線維形成性縦隔炎に続発する]肺血管の圧迫などを含む、他の/多岐にわたる疾患を伴う肺高血圧症)である、請求項19に記載の使用。
【請求項26】
前記治療される肺高血圧症が、WHOグループI(肺動脈性高血圧症)である、請求項20に記載の使用。
【請求項27】
前記治療される肺高血圧症が、WHOグループII(肺静脈性高血圧症)である、請求項20に記載の使用。
【請求項28】
前記治療される肺高血圧症が、WHOグループIII(低酸素症を伴う肺高血圧症)である、請求項20に記載の使用。
【請求項29】
前記治療される肺高血圧症が、WHOグループIV(慢性血栓性および/または塞栓性疾患を伴う肺高血圧症)である、請求項20に記載の使用。
【請求項30】
前記治療される肺高血圧症が、WHOグループV(サルコイドーシス、肺ランゲルハンス細胞組織球症、リンパ管腫症、[アデノパシー、腫瘍、線維形成性縦隔炎に続発する]肺血管の圧迫などを含む、他の/多岐にわたる疾患を伴う肺高血圧症)である、請求項20に記載の使用。
【請求項31】
前記用いられるフロピリジンが、シクレタニンを含有する製剤である、請求項21に記載の使用。
【請求項32】
前記用いられるフロピリジンが、シクレタニンを含有する製剤である、請求項22に記載の使用。
【請求項33】
前記用いられるフロピリジンが、シクレタニンを含有する製剤である、請求項23に記載の使用。
【請求項34】
前記用いられるフロピリジンが、シクレタニンを含有する製剤である、請求項24に記載の使用。
【請求項35】
前記用いられるフロピリジンが、シクレタニンを含有する製剤である、請求項25に記載の使用。
【請求項36】
前記用いられるフロピリジンが、シクレタニンを含有する製剤である、請求項26に記載の使用。
【請求項37】
前記用いられるフロピリジンが、シクレタニンを含有する製剤である、請求項27に記載の使用。
【請求項38】
前記用いられるフロピリジンが、シクレタニンを含有する製剤である、請求項28に記載の使用。
【請求項39】
前記用いられるフロピリジンが、シクレタニンを含有する製剤である、請求項29に記載の使用。
【請求項40】
前記用いられるフロピリジンが、シクレタニンを含有する製剤である、請求項30に記載の使用。
【請求項41】
前記シクレタニン製剤が、純粋な(−)シクレタニン製剤である、請求項21に記載の使用。
【請求項42】
前記シクレタニン製剤が、純粋な(−)シクレタニン製剤である、請求項22に記載の使用。
【請求項43】
前記シクレタニン製剤が、純粋な(−)シクレタニン製剤である、請求項23に記載の使用。
【請求項44】
前記シクレタニン製剤が、純粋な(−)シクレタニン製剤である、請求項24に記載の使用。
【請求項45】
前記シクレタニン製剤が、純粋な(−)シクレタニン製剤である、請求項25に記載の使用。
【請求項46】
前記シクレタニン製剤が、純粋な(−)シクレタニン製剤である、請求項26に記載の使用。
【請求項47】
前記シクレタニン製剤が、純粋な(−)シクレタニン製剤である、請求項27に記載の使用。
【請求項48】
前記シクレタニン製剤が、純粋な(−)シクレタニン製剤である、請求項28に記載の使用。
【請求項49】
前記シクレタニン製剤が、純粋な(−)シクレタニン製剤である、請求項29に記載の使用。
【請求項50】
前記シクレタニン製剤が、純粋な(−)シクレタニン製剤である、請求項30に記載の使用。
【請求項51】
前記製剤がフロピリジン化合物およびeNOSの補因子または基質を含有する、請求項1に記載の使用。
【請求項52】
前記フロピリジンがシクレタニンである、請求項51に記載の使用。
【請求項53】
心不全が関与する、請求項19に記載の使用。
【請求項54】
心不全が関与する、請求項20に記載の使用。
【請求項55】
前記治療されるWHOグループIIの肺高血圧症(肺静脈性高血圧症)に左側心不全が関与する、請求項42に記載の使用。
【請求項56】
前記治療されるWHOグループIIの肺高血圧症(肺静脈性高血圧症)に左側心不全が関与する、請求項47に記載の使用。
【請求項57】
前記関与する肺疾患がヒスタミン作動活性により悪化しうる、請求項1に記載の使用。
【請求項58】
前記関与する肺疾患が喘息であるか、またはCOPDが喘息の要素を有する、請求項1に記載の使用。
【請求項59】
前記治療される疾患が心不全である、請求項1に記載の使用。
【請求項60】
前記酸化窒素調節作用物質がフロピリジン化合物である、請求項59に記載の使用。
【請求項61】
前記フロピリジン化合物がシクレタニンの調製物である、請求項60に記載の使用。
【請求項62】
前記シクレタニン調製物が、シクレタニンの純粋な(−)異性体である、請求項61に記載の使用。
【請求項63】
前記シクレタニン調製物が、シクレタニン異性体の非ラセミ混合物である、請求項61に記載の使用。
【請求項64】
PKC阻害剤と酸化窒素調節作用物質の組み合わせが存在する、請求項1に記載の使用。
【請求項65】
eNOS結合/活性化作用物質が、純粋の異性体シクレタニン、ラセミシクレタニン、または、シクレタニン異性体の非ラセミ混合物の調製物である、請求項42に記載の使用。
【請求項66】
前記シクレタニン異性体の非ラセミ混合物で(+)シクレタニンより(−)シクレタニンが優勢である、請求項65に記載の使用。
【請求項67】
前記PKC阻害剤がPKC−ベータ阻害剤である、請求項1に記載の使用。
【請求項68】
前記PKC−ベータ阻害剤がルボキシスタウリンである、請求項67に記載の使用。
【請求項69】
ルボキシスタウリンと酸化窒素調節作用物質の組み合わせが存在する、請求項1に記載の使用。
【請求項70】
eNOS結合/活性化作用物質が、純粋の異性体シクレタニン、ラセミシクレタニン、または、シクレタニン異性体の非ラセミ混合物の調製物である、請求項69に記載の使用。
【請求項71】
前記シクレタニン異性体の非ラセミ混合物で(+)シクレタニンより(−)シクレタニンが優勢である、請求項70に記載の使用。
【請求項72】
前記シクレタニン製剤が、純粋な(−)シクレタニン製剤である、請求項21に記載の使用。
【請求項73】
前記シクレタニン製剤が、純粋な(−)シクレタニンと純粋な(+)シクレタニンとの非ラセミ製剤である、請求項22に記載の使用。
【請求項74】
前記シクレタニン製剤が、純粋な(−)シクレタニンと純粋な(+)シクレタニンとの非ラセミ製剤である、請求項23に記載の使用。
【請求項75】
前記シクレタニン製剤が、純粋な(−)シクレタニンと純粋な(+)シクレタニンとの非ラセミ製剤である、請求項24に記載の使用。
【請求項76】
前記シクレタニン製剤が、純粋な(−)シクレタニンと純粋な(+)シクレタニンとの非ラセミ製剤である、請求項25に記載の使用。
【請求項77】
前記シクレタニン製剤が、純粋な(−)シクレタニンと純粋な(+)シクレタニンとの非ラセミ製剤である、請求項26に記載の使用。
【請求項78】
前記シクレタニン製剤が、純粋な(−)シクレタニンと純粋な(+)シクレタニンとの非ラセミ製剤である、請求項27に記載の使用。
【請求項79】
前記シクレタニン製剤が、純粋な(−)シクレタニンと純粋な(+)シクレタニンとの非ラセミ製剤である、請求項28に記載の使用。
【請求項80】
前記シクレタニン製剤が、純粋な(−)シクレタニンと純粋な(+)シクレタニンとの非ラセミ製剤である、請求項29に記載の使用。
【請求項81】
前記シクレタニン製剤が、純粋な(−)シクレタニンと純粋な(+)シクレタニンとの非ラセミ製剤である、請求項30に記載の使用。
【請求項82】
肺疾患および心疾患ならびに肺高血圧症の治療のための、シクレタニンを含むフロピリジンの治療活性を増強する代謝および補因子増強戦略の使用。
【請求項83】
前記治療される疾患が心不全および肺性心である、請求項20に記載の使用。
【請求項84】
前記治療される疾患が喘息、COPD、および肺線維症である、請求項20に記載の使用。
【請求項85】
治療有効用量のシクレタニンを投与することにより、肺高血圧症を治療する方法。

【公表番号】特表2010−514841(P2010−514841A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−544924(P2009−544924)
【出願日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【国際出願番号】PCT/US2008/000093
【国際公開番号】WO2008/085872
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(509187602)
【出願人】(509187668)
【出願人】(509187598)
【出願人】(509187679)
【Fターム(参考)】